説明

リーチスタッカの荷役作業用安全装置

【課題】荷の偏心荷重に対処する。
【解決手段】起伏自在で伸縮自在なブームの先端部に、サイドシフト装置を介して荷保持具を設け、ブームの実傾斜角およびブームの長さならびに昇降シリンダ23の伸展側油室の油圧からコンテナの実荷重を求め、コンテナの実荷重が許容荷重を越えるとブームの上昇、下降と伸展とを規制し、かつスプレッダがサイドシフト限を越えると、ブームの上昇、下降と伸展とをそれぞれ規制するインターロックコントローラ61を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リーチスタッカの荷役作業用安全装置に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば特許文献1には、フォークリフトにおいて、荷重の左右の偏心荷重を検出してサイドシフト量を制限するサイドシフト装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2563219号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、車体から起伏自在でかつ伸縮自在に支持されたブームの先端部に、荷保持具であるスプレッダを設けたリーチスタッカについて、偏心荷重に対する安全性を提案したものは見当たらない。
【0005】
本発明は、リーチスタッカの荷の偏心荷重に対処することができるリーチスタッカの荷役作業用安全装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、車体に、水平軸心周りに起伏自在に支持されて伸縮自在なブームと、当該ブームの先端部にサイドシフト装置を介してサイドシフト位置を調整自在に設けられた荷保持具と、当該ブームを起伏する昇降シリンダと、当該ブームを伸縮する伸縮シリンダと、前記サイドシフト装置を駆動するシフト駆動装置と、を具備したリーチスタッカの荷役作業用安全装置であって、
ブームの傾斜角を検出するブーム角検出器と、
ブームの長さを検出するブーム長さ検出器と、
昇降シリンダの伸展側油室の油圧を検出するシリンダ油圧検出器と、
荷保持具のサイドシフト量を検出するサイドシフト検出器と、
昇降シリンダおよび伸縮シリンダならびにシフト駆動装置の操作を規制可能なインターロックコントローラとを具備し、
前記インターロックコントローラは、前記ブーム角検出器により検出されたブームの実傾斜角、および前記ブーム長さ検出器により検出されたブームの実長さ、ならびに前記シリンダ油圧検出器により検出された昇降シリンダの伸展側油室の油圧から荷の実荷重を演算し、当該荷の実荷重が許容荷重を超えるとブームの上昇、下降と伸展とをそれぞれ規制し、かつ前記サイドシフト検出器により荷保持具がサイドシフト限を越えたのが検出されると、ブームの上昇、下降と伸展とをそれぞれ規制するように構成されたものである。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の構成において、インターロックコントローラは、荷の実荷重およびブームの実傾斜角ならびに荷保持具の実揚高の何れかがそれぞれのシフト設定値を越えると、シフト駆動装置による荷の偏心荷重が増大する側への移動を規制するように構成されたものである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載の発明によれば、ブーム角検出器とブーム長さ検出器とシリンダ油圧検出器のそれぞれの検出値から演算された荷の実荷重が、予め設定された許容荷重を越えると、インターロックコントローラにより、ブームの上昇、下降と伸展とを規制してブームの収縮のみを可能するとともに、さらに荷保持具がサイドシフト限を越えると、ブームの上昇、下降と伸展とをそれぞれ規制して、ブームの収縮のみを可能とすることにより、サイドシフトにより荷保持具に保持された荷に偏心荷重が生じた場合でも、安全に荷役作業を行うことができる。
【0009】
請求項2記載の発明によれば、荷の実荷重がシフト設定荷重を越えたり、またはブームの傾斜角度がシフト設定傾斜角度を越えたり、あるいは荷保持具の揚高がシフト設定揚高を越えると、インターロックコントローラによりサイドシフト装置を規制して荷の偏心量が増大側にシフトするのを規制することができ、荷の偏心荷重に対する安全性をさらに高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係るリーチスタッカの荷役作業用安全装置の実施例を示し、リーチスタッカの構成を示す側面図である。
【図2】リーチスタッカのスプレッダを示す斜視図である。
【図3】安全装置を示すブロック図である。
【図4】安全装置を示す回路図である。
【図5】安全装置の動作を示すフロー図である。
【図6】定格荷重曲線とサイドシフト量との関係を説明するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0011】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、走行用の左右の前輪12および左右の後輪13を有する自走式の車体11には、エンジン14と、エンジン14により駆動される走行装置および作業用の油圧ユニットと、荷役作業装置15とが搭載されている。
【0012】
[荷役作業装置]
荷役作業装置15は、車体11の後部に設置されたブーム支持部16に、車幅方向(水平方向)の支軸17を介して上下方向に起伏、傾動自在に支持されかつ伸縮自在な作業用のブーム21と、このブーム21の先端部に水平軸心周りに揺動自在で旋回自在に設けられた吊下架台18に、サイドシフト装置19を介してサイドシフト位置を調整自在に支持されてコンテナ(荷)20を保持可能なスプレッダ(荷保持具)22とを具備している。そして、車体11の左右両側部にブーム21を上下方向に傾動起伏させる左右一対の昇降シリンダ23が設置され、またブーム21内にブーム21を伸縮させる伸縮シリンダ24が内装されている。
【0013】
前記ブーム21は、基端側のリアブーム31と、リアブーム31から先端側に出退自在に内嵌されたトップブーム32とで伸縮自在に構成されている。また吊下架台18は、トップブーム32の先端部に設けられた吊下部材33に幅方向の水平ピン34を介して揺動自在に支持された基台部35と、この基台部35に旋回装置36を介して垂直軸心周りに旋回自在に支持されたシフト支持台37とを具備し、吊下部材33と基台部35との間に連結されたダンピングシリンダ38により基台部35の姿勢を調整することができる。旋回装置36は、シフト支持台37に取り付けられたリングギヤ36aと、リングギヤ36aに噛合されるピニオン36bと、基台部35に設けられてピニオン36bを回転駆動する旋回モータ36bとで構成されている。
【0014】
スプレッダ22は、角パイプ形のスプレッダ本体41内に右ビーム材42Rおよび左ビーム材42Lがそれぞれ所定範囲でスライド自在に内嵌され、右ビーム材42Rおよび左ビーム材42Lの先端部に前後ビーム材43,43を介して前後一対のツイストロック装置44,44がそれぞれ設けられている。またスプレッダ本体41内に右ビーム材42Rおよび左ビーム材42Lをそれぞれ出退させるシリンダ(図示せず)が内装されており、これによりコンテナの大きさに対応させるためのツイストロック装置44の位置調整が行われる。
【0015】
スプレッダ22を左右にスライドさせるサイドシフト装置19は、シフト支持台37がスプレッダ本体41の上面と前後側面に外嵌される門形断面に形成され、一方、プレッダ本体41の前後面に、幅方向に沿うシフトレール45がそれぞれ取り付けられている。そしてシフト支持台37にシフトレール45を下方からそれぞれ支持するスライドプレート(図示せず)が設けられて、シフト支持台37にスプレッダ22が車幅方向に移動自在に支持されている。さらに、スプレッダ本体41の前面および後面に、ピストンロッドがシフト支持台37に連結されたサイドシフトシリンダ(サイドシフト駆動装置)47がそれぞれ設けられて、スプレッダ22を車幅方向にサイドシフトすることができる。
【0016】
図3に示すように、荷役作業装置15には、昇降シリンダ23および伸縮シリンダ24ならびにサイドシフトシリンダ47にそれぞれ油圧を供給、排出して操作する作業用油圧装置51が設けられている。また車体11の運転席には、両荷役シリンダ23,24を操作する作業操作レバー(ジョイスティックレバー)25と、サイドシフトシリンダ47を操作するサイドシフトスイッチ26とが設けられている。また荷役作業装置15には、ダンピングシリンダ38、旋回モータ36b、微調整シリンダ、ツイストロック装置44の駆動シリンダが具備されているが、図3では省略している。
【0017】
[作業用油圧装置]
図3,図4に示すように、作業用油圧装置51には、作業操作レバー25の操作により、油圧ポンプP1から送られてきた圧油を昇降シリンダ23に供給、排出する油圧パイロット式の昇降用コントロールバルブ52と、作業操作レバー25の操作により、油圧ポンプP1から送られてきた圧油を伸縮シリンダ24に供給、排出する油圧パイロット式の伸縮用コントロールバルブ53と、サイドシフトスイッチ26の操作により、油圧ポンプP2から送られてきた圧油をサイドシフトシリンダ23に供給、排出する電磁式のシフト用コントロールバルブ(比例制御弁)54とが設けられている。
【0018】
そして、作業操作レバー25により操作される上昇用パイロットバルブ55Uから昇降用コントロールバルブ52の上昇操作部にパイロット圧を供給するパイロット配管に電磁時の上昇用ロックバルブ56Uが介在され、また下降用パイロットバルブ55Dから昇降用コントロールバルブ52の下降操作部にパイロット圧を供給するパイロット配管に電磁時の下降用ロックバルブ56Dが介在されている。さらに作業操作レバー25により操作される伸展用パイロットバルブ55Fから伸縮用コントロールバルブ53の伸展操作部にパイロット圧を供給するパイロット配管に電磁式の伸展用ロックバルブ56Fが介在され、また収縮用パイロットバルブ55Rから伸縮用コントロールバルブ53の収縮操作部にパイロット圧を供給するパイロット配管に電磁時の収縮用ロックバルブ56Rが介在されている。
【0019】
またサイドシフスイッチ26からシフト用コントロールバルブ54の操作部にそれぞれ操作信号を送る電気回路にシフトロック用リレー(b接点)58R,58Lが介在されている。
【0020】
作業用油圧装置51には、ブーム21の傾斜角を検出するブーム角度検出器27と、ブーム21の長さを検出するブーム長さ検出器28と、昇降シリンダ23の伸展室の油圧を検出するシリンダ油圧検出器29と、スプレッダ22のサイドシフト量を検出するサイドシフト検出器30が設けられている。
【0021】
このサイドシフト検出器30の第1例は、図2に実線で示すように、予め設定された左右のサイドシフト限にそれぞれ設置される左右の検出片49R,49Lと、シフト支持台37の左右両側に取り付けられてシフト限近接スイッチ48R,48Lによりそれぞれ検出可能な左右の検出片49R,49Lとで構成されている。
【0022】
サイドシフト検出器30の第2例は、図2に仮想線で示すように、サイドシフトされた距離を検出可能なシフト距離検出器50を設けて構成される。このシフト距離検出器50はスプレッダ本体41に取り付けられ、シフト支持台37に連結された検出索を繰り出し自在に巻き取るドラムと、このドラムの回転角を検出するロータリエンコーダとで構成されている。もちろん、シフト距離検出器として、サイドシフトシリンダ47に設けられてピストンロッドの出退量を検出するポテンショメータを使用することもできる。
【0023】
[インターロックコントローラ]
荷役作業中に過大な負荷による機器の故障や車体11の転倒を防止するために、ブーム21の上昇、下降と伸展を規制するとともに、スプレッダ22のサイドシフトを規制するインターロックコントローラ(PLC)61が設けられている。このインターロックコントローラ61には、入力器62から記憶部63に、ブーム21の長さと傾斜角度に対応してスプレッダ22が保持可能な最大荷重となる許容荷重と、サイドシフト限を越えてサイドシフト可能なサイドシフト設定荷重(シフト設定値)と、サイドシフト限を越えてサイドシフト可能なブーム21のサイドシフト設定ブーム長さ(シフト設定値)と、サイドシフト限を越えてサイドシフト可能なサイドシフト設定揚高(シフト設定値)とが入力されて記憶されている。
【0024】
このインターロックコントローラ52では、ブーム角度検出器27により検出されたブーム21の傾斜角と、ブーム長さ検出器28により検出されたブーム21の長さと、シリンダ油圧検出器29により検出された油圧とに基づいて、スプレッダ22に保持されたコンテナ20の実荷重を演算する。そして、実荷重が許容荷重を越えると、各インターロック用リレー(a接点)57U,57D,57Fを操作して上昇用、下降用、伸展用の各ロックバルブ56U,56D,56Fをそれぞれオン(遮断)し、作業操作レバー25によるブーム21の上昇、下降と伸展動作を規制し、収縮動作のみを可能とする。さらに実荷重が許容荷重を越え、かつ左右のシフト限近接スイッチ48R,48Lにより検出されるサイドシフト限を越えると、各インターロック用リレー57U,57D,57Fを操作して上昇用、下降用、伸展用の各ロックバルブ56U,56D,56Fをそれぞれオン(遮断)し、作業操作レバー25によるブーム21の同様にブーム21の上昇、下降と伸展とを規制して、収縮動作のみを可能とする。
【0025】
なお、シフト距離検出器50を設けた場合には、図5に示すように、ブーム21の上昇、下降と伸展とを規制するサイドシフト限を、コンテナ20の実荷重に対応して複数位置で設定することができる。
【0026】
またインターロックコントローラ52では、実荷重がサイドシフト設定荷重を越えたり、またはブーム21の長さがサイドシフト設定ブーム長さより長くなったり、あるいはスプレッダ22の高さがサイドシフト設定揚高以上となると、偏心荷重が大きくなる側のシフトロック用リレー(b接点)58Rまたは58Lをオンして、偏心荷重が大きくなる側へのサイドシフトを規制するように構成されている。
【0027】
[インターロックコントローラの動作]
図4を参照して、インターロックコントローラ61の動作を説明する。
1)ブーム角度検出器27によりブーム21の傾斜角を検出するとともに、ブーム長さ検出器28によりブーム21の長さを検出する(STEP.11)。ブーム21の傾斜角と長さから現在の許容荷重を求める(STEP.12)。さらにシリンダ油圧検出器29により昇降シリンダ23の伸展室の油圧を検出し(STEP.13)、昇降シリンダ23の油圧とブーム21の傾斜角および長さからコンテナ20の実荷重を演算する(STEP.14)。
【0028】
2)コンテナ20の実荷重と許容荷重とを比較し(STEP.15)、実荷重が許容荷重より大きい場合には、インターロック用リレー57U,57Dを操作(オン)して上昇用、下降用ロックバルブ56U,56DをそれぞれII位置(オフ側)に操作し(STEP.17)、昇降用コントロールバルブ52を中立位置に保持して昇降シリンダ23への油圧の供給を停止するとともに、インターロック用リレー57Fを操作(オン)して伸展用ロックバルブ56FをII位置(オフ側)に操作する(STEP.16)。これにより、作業操作レバー25が伸展側に操作されても伸縮用コントロールバルブ53が操作されず、収縮側に操作された時にのみ伸縮用コントロールバルブ53が収縮位置に操作されて伸縮シリンダ23の収縮室にのみ油圧を供給し、ブーム21が収縮される(STEP.17)。
【0029】
3)スプレッダ22サイドシフト限を越えて、左右のシフト限近接スイッチ48R,48Lの一方が検出片49Rまたは49Lを検出した時には(STEP.18)、STEP.16,17を行う。
【0030】
4)実荷重と、予め設定されたサイドシフト設定荷重とを比較し(STEP.19)、実荷重がサイドシフト設定荷重より大きい場合には、偏心荷重が増大する側のシフトロックリレー58Rまたは58Lをオンして(STEP.20)、シフト用コントロールバルブ54の偏心荷重が増大する側の伸展操作または収縮操作を規制する。ここで、先の許容荷重とサイドシフト設定荷重とを同一に設定することもできる。これにより、サイドシフトスイッチ26を、偏心荷重が増大する側にスプレッダ22がシフトするように操作しても、シフト用コントロールバルブ54がインターロックされてシフトされることがない。またサイドシフトスイッチ26を偏心荷重が減少される側に操作した時にのみシフト用コントロールバルブ54が操作されて、サイドシフトシリンダ47が伸展または収縮され、スプレッダ22の偏心荷重が小さくなる方向にシフトされる(STEP.21)。
【0031】
5)ブーム長さ検出器28により検出されたブーム21の長さと、予め設定されたブーム21のシフト設定ブーム長さとを比較し(STEP.22)、ブーム21がシフト設定ブーム長さより長い場合には、STEP.20,21が行われる。
【0032】
6)ブーム21の傾斜角度と長さから求められたスプレッダ22の揚高と、予め設定されたスプレッダ22のシフト設定揚高とを比較し(STEP.23)、求められた揚高がシフト設定揚高より高い場合には、STEP.22,23が行われる。
【0033】
7)作業用操作レバー25が操作されてブーム21が昇降されるとともに、ブーム21が伸縮されて荷役作業が行われ(STEP.24)、さらにサイドシフトスイッチ26によりスプレッダ22のサイドシフトが行われて(STEP.25)、コンテナ20の段積み作業や段ばらし作業、中抜き、落とし込み作業が行われる。
【0034】
[サイドシフト検出器の第2例]
サイドシフト検出器30にシフト距離検出器50を設けた場合には、図6に示すように、実荷重に対応して、複数のサイドシフト限を設定することができる。すなわち、実荷重が最大荷重と荷重Aの範囲では、サイドシフト限aを設定し、また実荷重が荷重Aと荷重Bの範囲では、サイドシフト限bを設定し、実荷重が荷重Bと荷重Cの範囲では、サイドシフト限cを設定する。これにより、スプレッダ22をサイドシフト可能な範囲が広がり、安全かつ効率よく荷役作業を行うことができる。
【0035】
[実施例の効果]
上記実施例によれば、ブーム21の傾斜角およびブーム21の長さと、昇降シリンダ23の伸展側油室の油圧から演算された荷の実荷重が、許容荷重を越えると、インターロックコントローラ61によりブーム21の上昇、下降および伸展を規制して、ブーム21の収縮のみを可能するとともに、スプレッダ22がサイドシフト限を越えると、ブーム21の上昇、下降と伸展とをそれぞれ規制して、ブーム21の収縮のみを可能とすることにより、スプレッダに保持されたコンテナ20に偏心荷重が生じるような場合でも、安全に荷役作業を行うことができる。
【0036】
また荷の実荷重がシフト設定荷重を越えたり、またはブームの傾斜角度がシフト設定角度を越えたり、あるいはスプレッダの実揚高がシフト設定揚高を越えると、インターロックコントローラ61によりサイドシフトシリンダ47が偏心荷重の増大側にサイドシフトさせるのを規制することができ、さらに荷の偏心荷重が増大するのを防止することができるので、荷の偏心荷重に対する安全性をさらに高めることができる。
【符号の説明】
【0037】
11 車体
15 荷役作業装置
19 サイドシフト装置
20 コンテナ
21 ブーム
22 スプレッダ
23 昇降シリンダ
24 伸縮シリンダ
25 作業操作レバー
26 サイドシフトスイッチ
27 ブーム角度検出器
28 ブーム長さ検出器
29 シリンダ油圧検出器
30 サイドシフト検出器
36 旋回装置
37 シフト支持台
44 ツイストロック装置
45 シフトレール
47 サイドシフトシリンダ
48R,48L シフト限近接スイッチ
49R,49L 検出片
50 シフト距離検出器
51 作業用油圧装置
52 昇降用コントロールバルブ
53 伸縮用コントロールバルブ
54 シフト用コントロールバルブ
56U 上昇用ロックバルブ
56D 下降用ロックバルブ
56F 伸展用ロックバルブ
56R 収縮用ロックバルブ
57U インターロック用リレー
57D インターロック用リレー
57F インターロック用リレー
57R インターロック用リレー
58R シフトロック用リレー
58L シフトロック用リレー
61 インターロックコントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体に、水平軸心周りに起伏自在に支持されて伸縮自在なブームと、当該ブームの先端部にサイドシフト装置を介してサイドシフト位置を調整自在に設けられた荷保持具と、当該ブームを起伏する昇降シリンダと、当該ブームを伸縮する伸縮シリンダと、前記サイドシフト装置を駆動するシフト駆動装置と、を具備したリーチスタッカの荷役作業用安全装置であって、
ブームの傾斜角を検出するブーム角検出器と、
ブームの長さを検出するブーム長さ検出器と、
昇降シリンダの伸展側油室の油圧を検出するシリンダ油圧検出器と、
荷保持具のサイドシフト量を検出するサイドシフト検出器と、
昇降シリンダおよび伸縮シリンダならびにシフト駆動装置の操作を規制可能なインターロックコントローラとを具備し、
前記インターロックコントローラは、前記ブーム角検出器により検出されたブームの実傾斜角、および前記ブーム長さ検出器により検出されたブームの実長さ、ならびに前記シリンダ油圧検出器により検出された昇降シリンダの伸展側油室の油圧から荷の実荷重を演算し、当該荷の実荷重が許容荷重を超えるとブームの上昇、下降と伸展とをそれぞれ規制し、かつ前記サイドシフト検出器により荷保持具がサイドシフト限を越えたのが検出されると、ブームの上昇、下降と伸展とをそれぞれ規制するように構成された
ことを特徴とするリーチスタッカの荷役作業用安全装置。
【請求項2】
インターロックコントローラは、
荷の実荷重およびブームの実傾斜角ならびに荷保持具の実揚高の何れかがそれぞれのシフト設定値を越えると、シフト駆動装置による荷の偏心荷重が増大する側への移動を規制するように構成された
ことを特徴とする請求項1記載のリーチスタッカの荷役作業用安全装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2011−51769(P2011−51769A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−204195(P2009−204195)
【出願日】平成21年9月4日(2009.9.4)
【出願人】(000003241)TCM株式会社 (319)
【Fターム(参考)】