説明

リードのない無線心電図測定システムと心臓の生体活動電位測定方法

【課題】リード線のない測定システムを提供すること。
【解決手段】上記システムは、上記患者身体に付着するのに適した少なくとも1つの多重−接触生体電位電極組合わせ部−上記電極組合わせ部は電子パッチ層と1回用電極層を含む−;上記患者身体の表面と連結するための複数の接触点を上記心臓の電気活動に応答して短い−誘導心電図信号を測定する上記1回用電極層;及び上記接触点からの上記測定された短い−誘導信号に基づいて推定された長い−誘導心電図信号を計算する伝達関数を生成するように提供され構成された処理部を含むことを特徴とするリードのない測定システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
1.技術分野
本発明は、心臓で発生する生体電位信号を測定する無線(wireless)心電図(ECG、Electrocardiogram)生体電位測定装置に関するものである。より詳細には、本発明は非常に短い間隔の電極接触点で心臓の生体電位活動を測定する、しかし、現存する標準測定方法と密接に対応する心電図波形を維持して波形の形態、振幅及び周波数成分を保存する新規の改善されたリード線のない(leadless)無線心電図測定システム及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
2.発明の背景になる技術
当該技術分野に周知のように、医療従事者は心臓の生体電位電気活動の測定である心電図を皮膚表面から獲得するために、心電計(electrocardiograph)を広く用いる。従来の12−誘導心電計は、心臓信号である生体電位を測定し双極誘導または単極誘導を通じてその測定された生体電位を12−誘導心電図に転送するために、普通電極を通じて一終端は患者の身体に付着され、他終端は心電計に付着される少なくとも10個の電線を必要とする。
【0003】
心電図測定は200年以上行われてきたものであって、測定ベクトル誘導の標準配置は医学及び工学分野で採択されてきた。誘導の構成と配置に関するこのような標準は、皮膚表面の測定点の実際の離隔を要求し、2つの離れた点をリード線を通じて測定増幅器に連結する必要がある。このような電極接触点間の相当な離隔は、測定電極点間の皮膚表面面積を最大にし、従って上記接触電極間のインピーダンスと測定された電圧電位を最大にする。
【0004】
初期には、このような方法が測定の質、信号−対−雑音比、そして費用制限を満足させる電子技術の不足によって心電図測定のために必要であった。しかし、現在は電子解像度、雑音除去、増幅強化は接触電極間の離隔距離がはるかに短くなって心電図測定を可能にする。しかし、心電図測定標準は、接触電極間の大きな離隔距離を維持する初期の電極配置を主に設定して採択してきた。
【0005】
上記測定増幅器は心電図測定に理想的に用いられる。上記測定増幅器は、一般に共通基準電極を2つの双極(bipolar)入力に用いて共通モード雑音を除去し、二つの測定電極間の電位差を上記測定された生体電位値として増幅する。この生体電位は、心臓筋肉の分極と脱分極に起因した心臓の収縮と弛緩によって動的に変化する。上記電気活動は、洞房結節(sinoatrial node、SAノード)から始まって心房上方からプルキンエ繊維(Purkinje fibers)を通じて心臓筋肉の心室部に広がっていく。
【0006】
上記電気活動は、心臓筋肉から皮膚に上がってくるようになり、伝導性皮膚層を通過して消滅する。皮膚が電気的インピーダンスを有するため、電気電流の伝導度は測定方向と測定電極間の離隔距離に応じて変わる。上記皮膚インピーダンスは、皮膚の水和状態(hydration status)、血流拡張剤(vasodilator)または収縮剤(vasoconstrictor)、薬物、心拍出量等を含む様々な要素によって動的に変わる。
【0007】
上記12−誘導心電図は、心臓の電気活動に対する3つの近似的な直交方向の空間情報を提供するということを知ることができる。即ち、上記直交方向は、(1)右側から左側への方向、(2)上部から下部への方向、(3)前後方向である。従って、上記標準心電図測定は、誘導V1からV6の記録を得るための胸または全胸部に付着する6つの電極と、誘導I、II、III、AVR、AVL、AVFの記録を獲得するための腕と脚に付着する4つの電極を含む。患者に10個の電極を付けた後、10個の電線を心電計の該当端子と既に設定された位置の関連電極に連結しなければならない。
【0008】
Khairなどによる特許文献1(米国特許第6、441、747号)とNgなどによる特許文献2(特許第6、496、705号)において、本体とパッチ電極に連結された個別無線遠隔プログラムが可能な送受信機を含む生体電位信号収集のためのプログラム可能な無線システムが開示されている。上記本体は、無線技術を用いて登録、環境設定、データ収集及び転送命令を行うことによって送受信部を管理する。上記無線送受信部からの生体電位信号は、逆多重化され、規格インターフェースを通じてディスプレイのための従来の心電図モニタに転送される。
【0009】
また、Istvanなどによる特許文献3(米国特許第7、403、808号)は、患者の心臓からの電気信号を検出し、遠隔測定法を通じて遠隔の本体にデジタル方式の信号を無線で転送する心臓モニタリングシステムを開示している。上記本体は、上記デジタル信号を心電図モニタによって読み出すことができるアナログ信号に変換する。
【0010】
Bessonなどによる特許文献4(米国特許第5、862、803号)は、評価部と患者身体に配列される多数の電極を含む無線医療診断及びモニタリング装備を開示している。それぞれの電極は、1つの半導体チップに集積された基本センサ、センサ制御部、送受信部、そして転送制御ユニットを含む。
【0011】
Jacob Segalowitzによる特許文献5(米国特許第4、981、141号)は、心臓信号センシング電極が、本体内に位置するそれぞれの無線転送部とこれに対応するそれぞれの無線受信部によって心臓信号モニタ/記録機に連結される心電図モニタリングシステムを開示している。
【0012】
従来の心電図装備が作動中に直面する短所のうち1つは、その装備が皮膚の最大表面積を必要とする上記電極接触点間の大きい離隔を用いるということであり、その結果、接触電極を通じてのインピーダンスと測定電圧を最大化させるようになる。従来心電図装備技術の他の短所は、電極に連結された多数の長い線がたびたび患者に妨害物になり、患者の自由な動きを制限することである。さらに、端子線は使用中によく互いにもつれて、従って医療陣や医療技術者が取り扱うに当たって難しくて面倒になる。また、従来の心電図装備とそれに付ける電極は、相対的に広い空間を占めるという問題点を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許第6,441,747号明細書
【特許文献2】米国特許第6,496,705号明細書
【特許文献3】米国特許第7,403,808号明細書
【特許文献4】米国特許第5,862,803号明細書
【特許文献5】米国特許第4,981,141号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
従って、より効率よく動作する心臓の生体電位電気活動を測定するリードのない無線心電図測定システムと方法を提供することが好ましい。また、上記心電図測定システムが心電図を得るために用いられる従来の心電計の使用と関連して論議された従来技術の上述した全ての短所を克服することが要求される。本発明は上述した米国特許第6、441、747号、第6、496、705号、第7、403、808号、第5、862、803号、及び第4、981、141号に対する重要な改善策を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の要約
本発明の無線心電図測定システムは、モデルの入力波形を示す短い距離(約1−3インチで、「短い−誘導」という)間測定された最小の生体電位測定値を用いてリードのない形態で心電図を測定し、その後その心電図測定値を多数の数学的識別モデル(関数)の入力として用いて、そのモデルの出力で示されるようになる標準12−誘導心電図形態でマッピング(mapping)する。最終出力は標準心電図誘導で測定される最大12−誘導までの心電図を推定して計算した心電図として最終使用者に提供される。短い−誘導測定は、測定点間の近接性のため延長されたリード線を必要とせず、測定電極接触点は、測定値の導電のために皮膚表面と接触する多数の接触点を含む1つの電極パッチに集積され得る。
【0016】
上述した背景説明に照らして、本発明の目的は、改善されたデザインと性能で心臓の生体電位電気活動を測定するリードのない無線心電図測定システムと方法を提供するものである。また本発明の他の目的は、より短い電極接触点間の距離を通じた測定を用いて心臓の生体電位電気活動を測定するリード線のない無線心電図測定システムと方法を提供するものである。また本発明の他の目的は、皮膚表面の接触点の間の要求される面積と形態がより小さくて簡便な心電図測定システムと方法を提供するものである。また本発明の他の目的は、末端電極に連結されるリード線を除去することによって患者の安らかさをより増進させ、使用しやすくそして精度を低減させずに医療陣に配置の融通性を提供して、従来の心電図装置よりはるかに小さい空間を占める心電図測定システムと方法を提供するものである。
【0017】
本発明の上述した目的と他の目的、特徴と長所は、患者の身体において心臓の生体電位電気活動を測定する患者身体への付着に適した最小1つ以上の「多重−接触生体電位電極組合わせ部」を含むリードのない無線通信心電図測定システムにより提供される。上記電極組合わせ部は、電子パッチ層と1回用電極層で構成される。上記1回用電極層は、患者の身体表面と連結される多数の接触点を有し、心臓の電気活動による短い−誘導心電図信号を測定するように設定される。
【0018】
より有用に、本発明の電子パッチ層は、本体または他のパッチ電極組合わせ部と無線通信で送信と受信を行う送受信部を追加で含む。
【0019】
また、処理部が多数の接触点から測定された短い−誘導心電図信号から標準の長い−誘導心電図信号を計算する伝達関数を発生させるように構成される。上記本体は、1回用電極層に位置した多数の接触点と通信を送受信する無線送受信部を含む。上記無線送受信機で受信した無線通信は、長い−誘導心電図信号を含む。
【0020】
また、有用な情報を表示するためのモニタが連結され、本体から長い−誘導心電図信号を受信してその有用な情報をディスプレイする。
【0021】
リードのない無線心電図測定システムの上述した、そして他の特徴と長所は、参照番号に対応する部分に割り当てられた、本書類の一部である多数の図面を用いて後述する説明と参照からより明確になるものであるように、それぞれに、それらの組合わせに、または動作と使用モードに起因する。それらの実施と特徴は、特定範囲に制限されずに、例として図示されるシステム、道具、そして方法を通じて記述されて説明される。
【0022】
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
患者身体内の生体電位電気活動を測定するリードのない測定システムにおいて、
上記患者身体に付着するのに適した少なくとも1つの多重−接触生体電位電極組合わせ部−上記電極組合わせ部は電子パッチ層と1回用電極層を含む−;
上記患者身体の表面と連結するための複数の接触点を上記心臓の電気活動に応答して短い−誘導心電図信号を測定する上記1回用電極層;及び
上記接触点からの上記測定された短い−誘導信号に基づいて推定された長い−誘導心電図信号を計算する伝達関数を生成するように提供され構成された処理部を含むことを特徴とするリードのない測定システム。
(項目2)
モニタが上記推定された長い−誘導生体電位信号と他の有用な情報を表示するための上記推定された長い−誘導生体電位信号を受信するように連結されることを特徴とする上記項目のいずれかに記載のリードのない測定システム。
(項目3)
上記リードのない生体電位システムは無線で動作し、上記電子パッチ層は本体と無線通信で送信して受信する送受信部を含み、そして上記本体は、上記1回用電極層内の上記接触点と送信して受信する無線送受信部を含み、上記本体内の上記無線送受信部によって受信された上記無線通信は、上記推定された長い−誘導生体電位信号、測定された長いー誘導生体電位信号及び測定された短いー誘導生体電位信号のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする上記項目のいずれかに記載のリードのない測定システム。
(項目4)
上記少なくとも1つ以上の多重−接触生体電位電極組合わせ部が、少なくとも1つの多重−接触生体電位電極組合わせ部と通信し、上記通信は、測定された信号、推定された信号、伝達関数及び他の有用な情報を含むことを特徴とする上記項目のいずれかに記載のリードのない測定システム。
(項目5)
上記生体電位信号は、心電図(ECG)、心臓内電位図(EGM)、 脳電図(EEG)、筋電図(EMG)、眼電図(EOG)、誘発生体電位刺激信号及び誘発生体電位信号のうち1つであることを特徴とする上記項目のいずれかに記載のリードのない測定システム。
(項目6)
上記少なくとも1つの電極組合わせ部は、少なくとも他の電極組合わせ部と通信することを特徴とする上記項目のいずれかに記載のリードのない測定システム。
(項目7)
上記処理部は、上記電極組合わせ部の上記電子パッチ層、上記モニタ及び上記本体のうち1つに配置されていることを特徴とする上記項目のいずれかに記載のリードのない測定システム。
(項目8)
上記処理部は、上記伝達関数を定義するためにシステム識別技術を用い、上記伝達関数は、上記複数の接触点から測定された短いー誘導生体電位信号及び他の推定された長いー誘導生体電位信号に基づいて推定される長いー誘導生体電位信号を計算することを特徴とする上記項目のいずれかに記載のリードのない測定システム。
(項目9)
上記システム識別技術は、線形状態―空間モデルを用いることを特徴とする上記項目のいずれかに記載のリードのない測定システム。
(項目10)
患者身体内生体電位電気活動を測定する測定システムにおいて、
患者身体の要求される位置に少なくとも1つの多重−接触生体電位電極組合わせ部を付着するための手段;
上記1つの多重−接触生体電位電極組合わせ部からの入力である測定される短い−誘導信号を獲得するための手段;
上記1つの多重−接触生体電位電極組合わせ部からの出力である測定される長い−誘導信号を獲得するための手段;
処理部で入力である測定される短い−誘導信号と長い−誘導信号間のシステム伝達関数を求めるためにシステム識別を行うための手段;
入力である測定される短い−誘導信号、伝達関数、測定される長い−誘導信号、そして推定される長い−誘導信号のうち1つを、他の電極組合わせ部のうち1つと本体に転送するための手段;及び
出力で長い−誘導信号を連続的に推定するために、入力である短い−誘導信号を連続的に測定し識別されたシステム伝達関数を用いる手段
を含むことを特徴とする測定システム。
(項目11)
上記システムは、リード線のないことを特徴とする上記項目のいずれかに記載の測定システム。
(項目12)
入力である測定される短い−誘導信号、伝達関数、測定される長い−誘導信号、そして推定される長い−誘導信号のうち1つを転送する手段が、無線転送であることを特徴とする上記項目のいずれかに記載の測定システム。
(項目13)
上記生体電位電気活動は、少なくとも心電図、心臓内電位図、脳電図、筋電図、眼電図、誘発生体電位刺激信号、誘発生体電位信号のうち1つに該当することを特徴とする上記項目のいずれかに記載の測定システム。
(項目14)
入力である測定される短い−誘導信号と出力である長い−誘導信号間のシステム伝達関数をモデリングするためにシステム識別を連続的に行う手段が、上記1つ以上の電極組合わせ部と本体に提供されることを特徴とする上記項目のいずれかに記載の測定システム。
(項目15)
上記短い−誘導信号、上記識別された伝達関数、そして上記長い−誘導信号にうち1つが、心臓、脳、身体、臓器、そして血液構成成分の濃度のうち1つ以上の生理的情報を提供することを特徴とする上記項目のいずれかに記載の測定システム。
(項目15a)
患者身体内生体電位電気活動を測定する測定システムにおいて、改良は、
患者身体の要求される位置に少なくとも1つの多重−接触生体電位電極組合わせ部を付着すること;
上記1つの多重−接触生体電位電極組合わせ部からの入力である測定される短い−誘導信号を獲得すること;
上記1つの多重−接触生体電位電極組合わせ部からの出力である測定される長い−誘導信号を獲得すること;
処理部で入力である測定される短い−誘導信号と長い−誘導信号間のシステム伝達関数を求めるためにシステム識別を行うこと;
入力である測定される短い−誘導信号、伝達関数、測定される長い−誘導信号、そして推定される長い−誘導信号のうち1つを、他の電極組合わせ部のうち1つと本体に転送すること;及び
出力で長い−誘導信号を連続的に推定するために、入力である短い−誘導信号を連続的に測定し識別されたシステム伝達関数を用いること
を含むことを特徴とする測定システム。
(項目16a)
上記システムは、リード線のないことを特徴とする上記項目のいずれかに記載の測定システム。
(項目17a)
入力である測定される短い−誘導信号、伝達関数、測定される長い−誘導信号、そして推定される長い−誘導信号のうち1つを転送する手段が、無線転送であることを特徴とする上記項目のいずれかに記載の測定システム。
(項目18a)
上記生体電位電気活動は、少なくとも心電図、心臓内電位図、脳電図、筋電図、眼電図、誘発生体電位刺激信号、誘発生体電位信号のうち1つに該当することを特徴とする上記項目のいずれかに記載の測定システム。
(項目19a)
入力である測定される短い−誘導信号と出力である長い−誘導信号間のシステム伝達関数をモデリングするためにシステム識別を連続的に行う手段が、上記1つ以上の電極組合わせ部と本体に提供されることを特徴とする上記項目のいずれかに記載の測定システム。
(項目20a)
上記短い−誘導信号、上記識別された伝達関数、そして上記長い−誘導信号にうち1つが、心臓、脳、身体、臓器、そして血液構成成分の濃度のうち1つ以上の生理的情報を提供することを特徴とする上記項目のいずれかに記載の測定システム。
【0023】
摘要
患者身体内の心臓の生体電位電気活動を測定するリード線のない無線通信心電図測定システムは、患者身体への付着に適するように考案された最小1つ以上の多重−接触生体電位電極組合わせ部を含む。その電極組合わせ部は、電子パッチ層と1回用電極層で構成される。その1回用電極層は、患者の身体表面と連結される多数の接触点を有し、心臓の電気活動に対する短い−誘導心電図信号を測定するように構成される。処理部が提供され、多数の接触点で測定した短い−誘導心電図信号を基盤に推定される長い−誘導心電図信号を計算する伝達関数を生成するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、本発明の原理によって構成された、「短い−誘導」を用いて心電図信号を獲得して心電図モニタに伝達する、患者に使用された無線心電図測定システムを概略的に示した図面である。
【図1a】図1(a)〜1(f)は、本発明の多数の電極組合わせ部を患者身体に付ける時に好ましい多様な位置を示した図面である。
【図1b】図1(a)〜1(f)は、本発明の多数の電極組合わせ部を患者身体に付ける時に好ましい多様な位置を示した図面である。
【図1c】図1(a)〜1(f)は、本発明の多数の電極組合わせ部を患者身体に付ける時に好ましい多様な位置を示した図面である。
【図1d】図1(a)〜1(f)は、本発明の多数の電極組合わせ部を患者身体に付ける時に好ましい多様な位置を示した図面である。
【図1e】図1(a)〜1(f)は、本発明の多数の電極組合わせ部を患者身体に付ける時に好ましい多様な位置を示した図面である。
【図1f】図1(a)〜1(f)は、本発明の多数の電極組合わせ部を患者身体に付ける時に好ましい多様な位置を示した図面である。
【図1g】図1(g)は、標準心電図測定システムのそれぞれの四肢(limb)誘導信号と前胸部(precordial)誘導信号を得るために患者身体に配置した電極16a−16dと18a−18fを示した図面である。
【図2】図2は、電子パッチ層が1回用電極層と分離されて別途に示された、図1の多数の接触電極を有する生体電位電極組合わせ部を示した拡大斜視図である。
【図2a】図2(a)〜2(g)は、多数の接触点が表面に配置された1回用電極層の多様な配置形態を示した図面である。
【図2b】図2(a)〜2(g)は、多数の接触点が表面に配置された1回用電極層の多様な配置形態を示した図面である。
【図2c】図2(a)〜2(g)は、多数の接触点が表面に配置された1回用電極層の多様な配置形態を示した図面である。
【図2d】図2(a)〜2(g)は、多数の接触点が表面に配置された1回用電極層の多様な配置形態を示した図面である。
【図2e】図2(a)〜2(g)は、多数の接触点が表面に配置された1回用電極層の多様な配置形態を示した図面である。
【図2f】図2(a)〜2(g)は、多数の接触点が表面に配置された1回用電極層の多様な配置形態を示した図面である。
【図2g】図2(a)〜2(g)は、多数の接触点が表面に配置された1回用電極層の多様な配置形態を示した図面である。
【図3】図3は、図1と図2に図示した電子パッチ層を示したブロックダイヤグラムである。
【図4】図4は、図1に図示した本体(base unit)を示したブロックダイヤグラムである。
【図5】図5は、入力時系列(time series)と出力時系列間の時間領域と周波数領域の関係を図示したシステム伝達関数を示した図面である。
【図6】図6は、本発明の一実施例によるキャリブレーション過程を示したフローチャートである。
【図7】図7は、本発明の他の実施例によるキャリブレーション過程を示したフローチャートである。
【図8】図8は、本発明の一実施例によるキャリブレーション過程を再設定する過程を示したフローチャートである。
【図9a】図9(a)〜9(d)は、電極組合わせ部を患者の頭の頭皮に配置する多様な位置を示した図面である。
【図9b】図9(a)〜9(d)は、電極組合わせ部を患者の頭の頭皮に配置する多様な位置を示した図面である。
【図9c】図9(a)〜9(d)は、電極組合わせ部を患者の頭の頭皮に配置する多様な位置を示した図面である。
【図9d】図9(a)〜9(d)は、電極組合わせ部を患者の頭の頭皮に配置する多様な位置を示した図面である。
【図10】図10は、本発明の一実施例による生理的媒介変数モニタリング過程を示したフローチャートである。
【図11a】図11(a)〜11(d)は、RA、LA、そしてLLの位置で測定した短い−誘導信号から推定された標準長い−誘導I、II、II信号の例を示した図面である。
【図11b】図11(a)〜11(d)は、RA、LA、そしてLLの位置で測定した短い−誘導信号から推定された標準長い−誘導I、II、II信号の例を示した図面である。
【図11c】図11(a)〜11(d)は、RA、LA、そしてLLの位置で測定した短い−誘導信号から推定された標準長い−誘導I、II、II信号の例を示した図面である。
【図11d】図11(a)〜11(d)は、RA、LA、そしてLLの位置で測定した短い−誘導信号から推定された標準長い−誘導I、II、II信号の例を示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の詳細な説明
本発明において公開する実施例を詳細に説明する前に、心臓の生体電位電気活動を測定するためのリードのない(leadless)無線通信心電図システムと連係して詳細に説明され図面によって図示された本発明は、発明の範囲及び思想を制限するためではなく、その実施に関する限り具体的な例に対する説明の利便性がその目的であることを最初から明確に認識するべきである。
【0026】
図面の様々な側面を詳細に参照すると、患者の身体の心臓生体電位電気活動を測定するための、参照符号10で指定され、本発明の原理によって構成された、リードのない無線心電図測定システムが図1に示されている。上記心電図測定システム(10)は、身体(12)から「短い−誘導」心電図心臓信号を獲得し、上記信号を無線で受信部またはユニット(本体(14))に転送する。上記本体(14)は、上記心臓信号を、意味のある情報を医療陣や医療技術者にディスプレイする心電図モニタ(16)に転送する。
【0027】
図1(g)に示した通り、標準心電図測定システム(10a)は、四肢誘導信号(I、II及びIII)を得るために患者の身体に配置した多数の電極または接触点(16a、16b及び16c)を含む。上記電極または接触点(16a)は、患者の左腕または肩(LA)に付着される。上記電極(16b)は、患者の右腕または肩(RA)に付着される。上記電極(16c)は、患者の左足または左側下腹部(LL)に付着される。上記電極(16d)は、患者の右足または右側下腹部(RL)に付着される。また、前胸部誘導信号(V1、V2、V3、V4、V5及びV6)を得るために胸または前胸部に付着された多数の電極または接触点(18a、18b、18c、18d、18e及び18f)が図1(g)に示されている。要約すると、標準12−誘導心電図システムは次のように定義される。
・LAとRA間の標準四肢誘導I
・RAとLL間の標準四肢誘導II
・LAとLL間の標準四肢誘導III
・計算された増幅誘導aVF、aVR、そしてaVL
・V1:第4肋間胸骨右縁
・V2:第4肋間胸骨左縁
・V3:V2とV4の中間部位
・V4:第5肋間と左側鎖骨中央線が会う部位
・V5:V4と水平である前腋窩(anterior axillary)部位
・V6:V5と水平である腋窩中央線部位
さらに、本発明の心電図測定システム(10)は、電子パッチ層(22)とそのパッチ層(22)を自身の上に付着する1回用電極層(24)を有する患者身体(12)に置かれる、1つ以上の多重−接触生体電位電極組合わせ部(20)を含む。図2に示した通り、上記電極層(24)は、測定を行うために患者皮膚表面と連結される接触(26a−26e)で構成される多数(5つ)の接触点または感知点を含む。上記電極層(24)は5つの接触点で示されているが、より多くまたはより少ない数の接触点が必要に応じて用いられることが可能であるということは、当業者が明確に認識できることである。しかし、本発明においては、3つ、4つ、または5つの接触点を用いることが好ましい。
【0028】
参考として、電極層(24)の接触点(26a〜26e)を通じて測定された心電図波形は、図1(g)の電極(16a〜16d及び18a〜18f)から獲得された心電図測定である標準接触誘導配置形態である「標準誘導」または「長い−誘導」と区別されるように、「短い−誘導」として言及される。上記電極パッチ層(22)は、1つのマイクロチップで集積されることができる、測定を行う全ての電子装置を含む。26fと26gで表示された電極パッチ層(22)上の多数(2つまたは3つが好ましい)の接触は、外部または延長されたリード線を通じて多数(2つまたは3つが好ましい)の遠距離長い−誘導を連結するようにキャリブレーション時間の間使用されることができる。連結された時に、接触(26f及び26g)は標準長い−誘導電極に対するそのパッチの基準電位電極として動作し、基準になる単極チャンネル信号を収集できるようにする。例えば、誘導Iのような双極チャンネル信号を得るためには、上記2つの基準誘導(26f−16a(LA)及び26g−16b(RA))を減算することができる。このキャリブレーション過程が簡単に行われるために、標準電極位置に連結するリードがその位置に置かれた標準接着式電極と連結されることができるが、または好ましくは、上記延長されたリードの終端が臨時に短時間(約5−10秒間)の間皮膚表面と接触する時に生体電位を測定できる非接着式伝導性表面を有する。長い−誘導信号を測定する時に用いる基準接触点は、短い−誘導信号を測定する時に用いる基準接触点と異なるが、同一の基準接触点を用いることもできる。
【0029】
図2(a)〜図2(g)は、それぞれその表面に配置された多数の接触点(26)を有する1回用電極層(24)の多様な構成を示す。本発明の電極層(24)が同一の電極層に1つの接触点の代わりに多数の接触点または接触(26a〜26e)を有することを除けば、上記電極層(24)は一般的な心電図電極と同じ方式である、AgClゲルと皮膚に付着される接着層のようなインピーダンスマッチング伝導層と皮膚を接触させる伝導性接触体として作られることができる。多数の心電図チャンネルは、「短い−誘導」方式の電極層(24)に付着される単一電子パッチ層(22)から測定されることができる。
【0030】
無線装置として、上記電子パッチ層(22)は、作動中にすべての利用可能なバッテリ電力消耗を減らす必要があり、それは効率よく計算を行うソフトウェアサブシステム及びアルゴリズムを意味するだけでなく、低電力電子部品を用いて設計することを意味する。連結リンク状態、パッチグループ状態、警告または上記電子パッチ層の動作状態を示す情報を患者に伝達するためのLEDなどを、パッチ層表面に提供することができる。さらに、LED色相及び/又は瞬き及び/又はスピーカ音及び/又はディスプレイ及び/又は無線情報は、動作状態、警告、キャリブレーション過程のための使用者指針、または使用履歴及び重要状況のメモリへの格納のような状況を表示する多様な手段として用いられることができる。
【0031】
図1(a)〜1(f)は、本発明の多数の電極組合わせ部(20)が患者身体(12)に配置されることができる多様な好ましい位置を示す。多重−接触生体電位電極組合わせ部(20)は、図1(b)に示した通り、多くの情報を有する最も強い信号が得られる、患者の心臓付近の皮膚に配置されることが好ましい。直交する「短い−誘導」の方向は、重複しない、しかし、独立的でより多くの情報を含む信号成分を生成する。
【0032】
他の実施例として、多数の電極組合わせ部(20)が心臓付近に配置されることができるが、その真上に置かれる必要はない。例えば、図1(a)に示したように、心臓中心から離れた心臓の横や近傍に配置することができる。これと類似して、女性に用いられる場合、上記電極組合わせ部を乳房の下方ではなく乳房の上方に、より便利に配置することもできる。他の実施例として、上記電極組合わせ部は、図1(c)のように胴体、左肩、右肩、左または右の臀部近傍、または背中や心臓の後方のような皮膚のあらゆる所に配置されることができる。このような電極組合わせ部の接触位置の選定に関する柔軟性は、位値選定の制約をなくし、容易な心電図測定パッチの使用という重要な長所を提供する。本発明のリードのない心電図測定システムは、簡単なキャリブレーション段階を除いた連続的な測定の間に、図3の32a、32bのように遠く離れた電極を連結するためにリード線を延長することを必要としない重要な長所を有する。
【0033】
1つ以上である多数の電極組合わせ部は、遠隔の本体と無線通信をするための、または多数の電極組合わせ部間の無線通信のための無線送受信機を有してenableになる電子パッチ層を含む。一実施例として、多数の電極組合わせ部と本体は、当該分野において周知の無線ネットワークトポロジー(例えば、Zigbee(登録商標)無線送受信機を用いてenableされる)において動作する。他の実施例では、多数の電子組合わせ部と本体が、1つの本体と電極組合わせ部通信を可能にする、当該分野に周知の無線スターネットワークトポロジー(例えば、zigbeeまたはbluetooth無線送受信機によりenableされる)において動作する。網ネットワークトポロジーは、上記スターネットワークトポロジーと比較すると、多数の電極組合わせ部と遠距離に位置した本体間の堅固で余分な通信路を有するという追加の長所を有する。網ネットワークにおいて、RFチャンネル通路のフェーディングまたはインタラプトによって1つ以上の無線電極組合わせ部と遠距離に位置したモニタ間の通信がもし切れると、この電極組合わせ部は、残りの無線電極組合わせ部のいずれかを通じてそれらのデータを交信するように試みるはずである。多数の電極組合わせ部は、短い−誘導または長い−誘導、または求めた伝達関数、または他の有用な情報のような測定されたまたは評価された生体電位に関する情報を互いにまたは本体と共有できる。
【0034】
図3は、1回用電極層(24)に多数の接触(26a〜26e)と連結された図2の電子パッチ層(22)を示したブロックダイアグラムである。多数の接触(26a、26b、26d及び26e)から得る「短い−誘導」信号で定義された電気心臓信号は、それぞれの前置増幅端(28a〜28d)の最初の入力として提供される。接触(26c)は、基準接地を提供し、前置増幅端(28a〜28d)のそれぞれに2番目の入力として連結される。また、電極(16a)(図1(g))から得る「標準誘導」または「長い−誘導」信号で定義された心臓信号と基準信号は、外部リード線(32a及び32b)を通じて前置増幅端30aに連結される。電極(16b)(図1(g))から得る“標準誘導”または“長い−誘導”信号で定義された心臓信号と上記基準信号は、外部リード線(34a及び34b)を通じて前置増幅端(30b)に連結される。電極(16c)(図1(g))から得る「標準誘導」または「長い−誘導」信号で定義された心臓信号と上記基準信号は、外部リード線(36a及び36b)を通じて前置増幅端(30c)に連結される。
【0035】
前置増幅端(28a〜28d)の出力は、マルチプレクサ(multiplexer、40)を通じて高利得増幅器(38)に連結される。上記高利得増幅器(38)の出力から得られるアナログ信号は、ベースラインオフセットを除去するための高域通過フィルタ、サンプリングアンチ−エイリアシング(anti−aliasing)低域通過フィルタ及び雑音ノッチフィルタから構成される信号調停器(41)に提供され、その後A/D変換器(42)に入力されてフィルタリングされ、サンプリングされてデジタル信号に変換される。このようなデジタル信号は、システム識別処理装置(45)を含むマイクロコントローラ/デジタル信号処理機(44)に提供される。これと類似して、前置増幅器端(30a〜30c)の出力は、上記マルチプレクサ(40)を通じて信号調停器(41)及びA/D変換器(42)に入力される。
【0036】
システム識別モデル処理装置(45)は、前置増幅端(28a〜28d)から得た多数の入力心電図「短い−誘導」測定波形ベクトルを、前置増幅端(30a〜30c)から得た多数の「長い−誘導」心電図出力波形ベクトルと関連させるマッピング(mapping)機能を行う。入力である「短い−誘導」信号と出力である「長い−誘導」信号間のシステム関係を説明するシステム識別モデル構造、次数及びパラメータはメモリ(46)に格納される。上記マイクロコントローラまたはデジタル信号処理機(44)は、上記本体(14)からの命令及びメッセージを処理し、メモリ(46)に格納されたプログラム命令を実行させる。上記処理されたデジタル心電図信号は、その後低電力内蔵RFアンテナ(54)を介して上記受信本体(14)に転送されることができるようにに、バッファ(48)及びRF送受信モジュール(52)と連結されたエンコーダ/デコーダ(50)に転送される。バッテリ/電源(47a)は、DC電力を供給するための多様な部品に連結される。ユーザーインターフェース(47b)は、使用者が多様な所望の命令を制御して入力できるように、ボタン、LED、またはディスプレイ画面を含む。
【0037】
それぞれの「短い−誘導」を測定するために、少なくとも3つの接触(陽極接触、陰極接触、そして基準接触)が双極測定のために必要であるということは当業者にとって自明な事実である。各接触点(26a〜26e)における生体電位は、正常な標準心電図測定方法と類似して増幅器(38)に送られる。しかし、「短い−誘導」増幅器の利得は、標準リード増幅器の利得より大きいことも可能である。標準「長い−誘導」の電圧が一般に1mVから数十mVである一方、「短い−誘導」の間検出される典型的な電圧は数十または数百μVであろう。増幅器(28a〜28d)と高利得増幅器(38)が一般的な測定増幅器として動作するように構成されるということをまた認識しなければならない。
【0038】
図4は、図1の受信本体(14)を示したブロックダイアグラムである。上記受信本体(14)は、低電力RFアンテナ(56)を含む。一実施例として、本体(14)は、多重−接触電極組合わせ部(20)から転送された「短い−誘導」で測定されたデジタル心電図信号を受信する。選択的に、本体(14)は、キャリブレーションの間図1(g)の電極(16a〜16c(18a〜18f))から「長い−誘導」で)測定されたデジタル心電図信号を受信する。他の実施例として、本体(14)は、多重接触電極組合わせ部(20)から転送された、推定された「長い−誘導」デジタル心電図信号を受信する。図11(a)〜11(d)は、短い−誘導のみを基盤に推定された長い−誘導信号を出力する伝達関数、好ましくは多重入力−単一出力(MISO、multiple input single output)構造の線形状態−空間モデルを生成する測定された標準長い−誘導、誘導I、誘導II、そして誘導IIIで短い−誘導のマッピングを説明するための図面である。また、上記本体は、上記処理されたデジタル心電図信号を受信するRFアンテナと連結されるRF送受信モジュール(58)を含み、上記信号をエンコーダ/デコーダ(60)に転送する。マイクロコントローラ/デジタル信号処理機(DSP、62)は、メモリ(64)に格納されたプログラムされた実行命令によって上記デジタル心電図信号を処理する上記エンコーダ/デコーダ(60)の出力端に連結される。上記マイクロコントローラからの心電図信号は、デジタルデータをアナログ形態に変換するためにD/A変換器(68)及びバッファ(66)に転送される。上記アナログ信号は、増幅器/信号調停器(70)に転送され、その後あたかも上記信号が標準「長い−誘導」線電極から生成されたもののように心電図モニタ(16)に転送される。
【0039】
バッテリ/電源(67a)は、DC電力を供給するための複数の部品に連結される。ユーザーインターフェース装置(69a)は、使用者が多様な所望の命令を制御して入力できるようにマイクロコントローラ/DSP(62)に連結され、上記ユーザーインターフェースは、警告、構成情報及び多数の電極組合わせ部の状態情報だけでなく上記受信された信号と推論された重要な情報を表示するディスプレイモニタを含むことができる。データ履歴記録機(69b)は、全てのシステム情報を永久メモリ/ハードドライブに格納できるようにする。データ通信インターフェース(69c)は、すべての利用可能なデジタル情報の通信を許諾する、例えばインターネットを介したりTCP/IPプロトコル、またはセルラモバイルネットワーク、または局所無線網を通じて情報を外部システムに転送する過程を含む。
【0040】
システム識別モデル処理装置(45)が電極組合わせ部(20)のマイクロコントローラ/DSP(44)内に位置するものとして示されたが、上記システム識別処理装置(45)は、上記電子組合わせ部のパッチ層(22)内の電子装置のために必要な電源の大きさを減らすために、受信本体(14)のマイクロコントローラ/DSP(62)に対案的に位置することもできる。システム識別モデル処理装置(45)は、2つの方法、(1)直接システム識別と、(2)ブラインド(blind)システム識別を用いて、患者個人のために適切に識別されることができるシステムモデルを生成する。
【0041】
上記直接システム識別方式は、上記「短い−誘導」測定と上記標準心電図「長い−誘導」測定の間の2つの波形ベクトルの関係を示す伝達関数またはマッピングモデルを適切に把握する従来のシステム識別方法を適用するものである。「短い−誘導」信号を、入力を上記標準「長い−誘導」を示す出力(応答)にマッピングさせる所定の伝達関数特性を有するシステムへの入力(刺激)とみなすことによって、多様な従来のシステム識別道具は、上記システムの関係を適切に説明する最適のシステム次数、システム構造及びパラメータ値を決定するために適用されることができる。
【0042】
利用可能な多くの道具及びシステム識別戦略があるけれど、本発明の実施例は、状態空間法を用いる直接システム識別法、好ましくは後述する多重入力−単一出力(MISO)構成内で上記直接システム識別法を用いる。上記状態空間MISOシステム識別は、システム識別方法をリードのない心電図測定の新しい適用に具現できるようにし、システム識別学問分野が実際の具現可能なリード線のない心電図測定を実現するように拡大適用される。
【0043】
図5は、入力X(t)と出力Y(t)間の時間領域及び周波数領域での関係を示すシステム伝達関数G(t)を示した図面である。図面から分かるように、時間領域の出力Y(t)は、上記入力X(t)と伝達関数G(t)のコンボリューション(convolution)値である。一方、周波数領域の出力Y(f)は、入力X(f)が単に乗じられる。これと同様に、いかなる線形伝達関数も、非パラメータモデル(インパルス応答、周波数応答)またはパラメータモデル(状態空間、伝達関数、Auto−progressive AR、雑音ARXを有するAuto−regressive AR、Auto−regressive Moving Average ARMA、Auto−regressive Moving Average ARMAX、Box−Jenkins、出力エラー、一般化した線形を含む多項式モデル)を含む他の線形モデル構造または形態で表現されることができる。一実施例において、伝達関数と状態空間モデル識別関数を線形状態空間モデル構造に表現することは、システム入力が与えられた時、システム出力の近似値または推定値を最適化させるようにそのモデル次数を変換させてシステムモデルが容易に適応するようにする。
【0044】
状態空間モデル(後述する参考文献Kailath参考4)は次のように定義される。
x(k+1)=Ax(k)+Bu(k)
y(k)=Cx(k)+Du(k)+n(k)
ここで、u(k)、y(k)、そしてx(k)は、それぞれシステムの入力、出力、そして状態を示す実数である時間列であり、n(k)は、入力シーケンスu(k)とは独立的なものとして仮定した雑音を示す実数である時間列である。A、B、C及びDは、係数ベクトルを示す。
【0045】
状態空間モデルの2式両辺にフーリエ変換を適用すれば次の結果式を得る。結果式においてsup.は、上付き添字(superscript)を、exp.は、指数(exponent)を示す。
(exp.sup.jw)X(w)=AX(w)+BU(w)
Y(w)=CY(w)+DU(w)+N(w)
ここで、wは周波数項、jは虚数部を示し、そして、Y(w)、U(w)、X(w)、N(w)は、周波数変換された出力、入力、雑音及び状態変数である。上記変数A、B、C、Dは、係数ベクトルである。ここで、
G(exp.sup.jw)=G(z)、at z=exp.sup.jw=
D+C((zI−A).sup.−1)B、at z=exp.sup.jw及び、
Y(w)=G(exp.sup.jw)U(w)+N(w)
は、システムの周波数応答関数(FRF)である。Iは、単位行列を意味し、sup.−1は、逆行列を意味する。
【0046】
また、多くの他の従来のシステム識別方法が存在し、それらは本発明において好む状態空間方法と実質的に同等に行われることができる。それらは(a)線形システム識別(linear system identification、SYSID)方法、(b)非線形システム識別方法、及び(c)ブラインドシステム識別方法を含む。それぞれの背景は、その方法に関する従来技術を詳細に説明するアルゴリズムを言及する時に詳細に論議する。言及された方法は、SISO(single input single output)、MISO(multiple input single output)、SIMO(single input (stimulus) multiple output (response))、そしてMIMO(multiple input multiple output)方式に適用される。本発明は、一般性の毀損なく後述する他のシステム識別方法のうちいかなるものでも、そして上述した入力と出力のどの構成でも同等に用いることができる。
【0047】
例えば、線形システム推定とシステム識別方法について説明した、付録の参考1〜6で言及したように、上記線形SYSIDパラメータと非パラメータ方法は次を含む:
・AR
・ARX
・ARMA
・ARMAX
・一般化された線形(Generalized Linear)
・出力エラー(Output Error)
・Box−Jones
・連続伝達関数(continuous transfer function)
・不連続伝達関数(Discrete transfer function)
・インパルス実現(Impulse realization)
・ユーザー定義モデル(User defined model)
・主成分部分空間識別(Principal components subspace identification)
・周波数応答関数からの不連続周波数伝達関数(Discrete frequency transfer function from frequency response function)
・周波数応答関数からの連続周波数伝達関数(Continuous frequency transfer function from frequency response function)
・最尤法(Maximum likelihood methods)
非線形SYSID方法は、次を含む:
・神経網(Neural Networks)
・パージロジック(Fuzzy Logic)
・ボルテラシリーズ(Volterra Series)
・Weiner models(LMS、or recursive least square based)
・Wavelets analysis
・非線形状態−空間モデル(Nonlinear state−space models)
ブラインドシステム識別方法は、次を含む:
・Laguerre model based
・Deconvolution methods
本発明のシステム識別方法は、もし、例えば、単一入力チャンネルが単一出力チャンネルにマッピングされると、SISOであることも可能であり、また好ましくは、もし識別されたシステムが多数の入力チャンネル(刺激、測定された「短い−誘導」)を1つの出力チャンネル(応答、標準「長い−誘導」)にマッピングさせることによって決定されるのであればMISOであることも可能である。多重入力マッピングはさらに多くの情報を提供し、従ってさらに高い精度のマッピングによる出力を得るようにする。また、複数の下位システム識別を複数回行わずにシステム識別方法を1回のみ適用する時、「短い−誘導」で測定された入力信号が多重出力応答(標準「長い−誘導」)を計算することに用いられると、MIMO方式が用いられることも可能である。また、SIMO方法は、1つの「短い−誘導」が多重出力(標準「長い−誘導」)とのシステム関係を決定するための入力として用いられる時に適用されることができる。
【0048】
さらに、初めて識別されたシステムから新たに計算された出力誘導は、それらと他の出力(応答、標準リード)との関係を示す他の2番目に識別された伝達関数の入力(刺激)として用いられることができる。この過程は、必要に応じて3番目に識別された伝達関数を決定するために再度繰り返されることができる。しかし、そのような伝達関数推定値それぞれを用いて、追加の推定値を計算するために推定値を用いることは、全体的な推定値の精度を落とす。全体的な最後の伝達関数は、(周波数領域において)全ての最初の段階と2番目の段階の伝達関数全てを乗じたものになる。
【0049】
モデルを予測してその予測されたモデル出力を、他のモデルを予測する入力として用いる再帰還(recursive)モデリング方法は、最適の統合モデルを追求する。これを達成するために、最初のモデルは、モデルとして予測された出力が実際の出力と非常によく一致するようにする、高い信頼性と良質を有するように識別されなければならない。
【0050】
最初の段階で識別された最適なモデルは、エラーの蓄積を防止し、後の2番目のモデルとそのモデルの応答の推定値識別において予測の質が速やかに下落することを防止する。
【0051】
図6は、標準「長い−誘導」が直接システム識別装置の出力として用いられる時に用いる、キャリブレーション過程のフローチャート(600)を示す。まず、段階602において電極組合わせ部(20)を、図1(a)〜1(f)に示したように患者皮膚上の所望の位置に配置または付着する。段階604において、インピーダンスモニタリングは、電極層(24)と患者皮膚の間に電気的連結が適切になされたかを決定できるようにする。段階606において、電極組合わせ部(20)は、入力である「短い−誘導」信号の心電図データ収集を始める。また、受信本体(14)は、図2の電極層(24)上の26(a)〜26(e)のような全ての電気接触点が、入力である「短い−誘導」信号の心電図データ収集を始めるように指示することもできる。上記段階606は、図4の受信本体(14)と結合された装置(69a)、または上記電極組合わせ部(20)上のユーザーインターフェース(47b)のような、所定の適切なユーザーインターフェースで入力した使用者の命令に応答して始まることもできる。
【0052】
段階608において、図1(g)に見られる位置に置かれた標準電極16(a)〜16(d)と18(a)〜18(f)のうち少なくとも2つの電極は、キャリブレーション過程中「短い−誘導」信号を得るために実質的に同時にキャリブレーション波形を得るのに用いられたり、または受信本体(14)または電極組合わせ部(20)内に包含された上記信号処理機内の伝達関数のシステム識別過程は、上記標準心電図システムで用いられる標準電極の位置で得る1、3、5、または12誘導のような「長い−誘導」信号の数をマッピングするように設定される。同様に、上記設定は、上記受信本体(14)または上記電極組合わせ部(20)と関連したユーザーインターフェース装置(69a)を通じて達成されることができる。段階610において、電極組合わせ部(20)は、キャリブレーションまたはシステム識別に用いられる希望標準「長い−誘導」波形を収集する。段階612において、電極組合わせ部(20)は、上記伝達関数システム識別モデルの計算のために、「短い−誘導」と標準「長い−誘導」心電図波形全てを受信本体(14)に実質的に同時に転送する。
【0053】
具体的には、本発明の一実施例において、接触点20a(または20b)で電極組合わせ部(20)を図1(g)の身体上の標準電極位置16(a)〜16(d)と18(a)〜18(f)のうちある1つと連結する1つの延長されたリード線は、上記2つの接触点間の基準(単極)電圧電位を得るための手段になることができる。上記過程は、2番目の標準電極身体位置で2番目の基準電圧電位を得るために少なくとも1回繰り返される。上記2つの基準電位測定結果は、上記2つの標準接触点間の電位差を計算できるようにする。上記電位差(双極)は、標準心電図双極「長い−誘導」のうち1つを示す。もし、1つの「長い−誘導」が実際に単極であれば、単一基準測定が上記「長い−誘導」を示すことができる。上記「長い−誘導」測定過程は、全ての「長い−誘導」が上記キャリブレーション過程の間マッピングされる時まで繰り返される。他の実施例として、接触点(20aまたは20b)で電極組合わせ部(20)を図1(g)の身体位置の標準電極(16(a)〜16(d)及び18(a)〜18(f))のうち少なくとも任意の2つとそれぞれ連結する、少なくとも2つの延長リード線は、それぞれの延長されたリード線による2つの接触点間の電圧電位差(双極性)を得るための手段を提供する。この実施例は、上記キャリブレーションマッピング過程を加速化させる。延長されたリード線は、好ましくは、装置の外部に連結されたり、またはこれがキャリブレーション過程中にのみ用いられて生体電位を測定するために皮膚上に配置するに適した伝導接触終端を含むため、上記パッチ電極組合わせ部に縛られたり、その中に入れることができる。基準または差等生体電位が「長い−誘導」のために毎回獲得され、また少なくとも1つの「短い−誘導」生体電位信号が患者の皮膚と接触するパッチ電極組合わせ部(20)の任意の内部電極の間に実質的に同時に測定されなければならない。図3の32(a)〜36(a)及び32(b)〜36(b)のような接触は、標準「長い−誘導」及び「短い−誘導」を実質的に同時に獲得するために上記標準リード接触点(16(a)〜16(c))から電極組合わせ部(20)内のパッチ層(22)の測定電子装置と臨時的に連結される。上記入力である「短い−誘導」心電図波形と上記出力である「長い−誘導」心電図波形は、短時間、例えば5−10秒の間交互に転送される。上記測定は、所望の配置の「長い−誘導」のために単に数秒の短時間の間のみ必要である。上記実質的に同時に測定された「長い−誘導」信号(出力)と「短い−誘導」信号(入力)は、キャリブレーション伝達関数またはモデル、好ましくは線形状態空間モデル形態の伝達関数を計算するように上記信号調停器期により処理される。段階614において、上記受信本体(14)は、測定された入力である「短い−誘導」心電図波形と希望出力標準「長い−誘導」心電図波形の間のシステム関係をモデリングするためにDSP(62)を用いてシステム識別を行う。
【0054】
上記状態空間システムモデル構造と係数は、電極組合わせ部(20)と連係したメモリ(46)または標準心電図「長い−誘導」波形を推定するために段階616での上記受信本体(14)と連係したメモリ(64)内に格納される。段階618においては、測定される付加的な標準リードがあるか否かが決定される。もしそうであれば、上記段階610から上記段階錠616までが繰り返されるはずである。もしそうでなければ、上記過程は段階620に移動する。
【0055】
上記段階620において、電極組合わせ部(20)で標準「長い−誘導」波形を獲得するのをストップし、上記標準リード接触点と上記電極組合わせ部間に臨時的に連結された上記リード線が除去される。その後、電極組合わせ部(20)は、連続的に「短い−誘導」波形を取得し、それらを受信本体(14)に転送するように既に決定されたシステム識別モデルを用いて、連続的な測定動作モードとして機能するように設定される。段階622において、上記受信本体または上記電極組合わせ部は、出力標準「長い−誘導」心電図波形を連続的に推定するように上記連続的に測定された入力「短い−誘導」心電図波形とメモリに格納されたシステム識別モデルを用いる。段階624において、上記本体または上記電極組合わせ部は、上記標準「長い−誘導」心電図波形をディスプレイしたり、後処理過程を行ったり、格納する。最後に、段階626において、上記本体は、上記標準「長い−誘導」心電図波形をアナログ形態で発生させたり、意味ある情報を医療陣や使用者に示すためにモニタ16に転送する。
【0056】
図7は、標準「長い−誘導」が上記直接システム識別装置の出力として用いられる時に用いることができる、大体のキャリブレーション過程のフローチャート700を示す。図7のキャリブレーション過程は、上記入力「短い−誘導」及び上記所望の出力「標準誘導」間のシステム関係をモデル化する上記システム識別過程を除けば、図6の過程と実質的に同一であり、上記所望の出力「標準−誘導」が上記本体(14)(の)代わりに上記電極組合わせ部(20)で行われる。
【0057】
特に、段階702において、上記電極部は、患者皮膚上で所望の位置に付着される。段階704において、上記電極層と患者の皮膚間に優れた電気的連結がなされたかを決定するためのインピーダンスモニタリングを行う。段階706において、上記電極層の電気接触は、上記入力「短い−誘導」信号の心電図データ獲得を始める。上記段階706は、上記電極組合わせ部(20)または上記電極組合わせ部または上記本体のうち1つと結合された適切なユーザーインターフェースを手段として使用者命令により自動的に始まることができる。
【0058】
段階708において、上記標準電極は準備され、上記電極組合わせ部は標準心電図システムで用いられる、1、3、5、または12誘導と同じ誘導の数にマッピングされるように設定される。再度、上記設定は、上記電極組合わせ部または上記本体と関連したユーザーインターフェースを通じて達成できる。段階710において、上記電極組合わせ部は、キャリブレーションまたはシステム識別に用いられる希望標準「長い−誘導」波形を収集する。具体的には、延長されたリード線は標準「長い−誘導」及び「短い−誘導」を実質的に同時に獲得するように上記標準誘導接触点から上記電極組合わせ部の上記パッチ層の測定電子装置に臨時的に連結される。
【0059】
段階714において、上記電極組合わせ部は、測定された入力「短い−誘導」心電図波形と上記希望出力標準「長い−誘導」心電図波形間のシステム関係をモデリングするDSPを通じて、システム識別を行う。上記状態空間システムモデル構造と係数は、標準心電図「長い−誘導」波形を推定することに用いるために、段階716の電極組合わせ部と関連したメモリに格納される。段階718において、測定される付加的な標準誘導があるか否かが決定される。もし測定しなければならない場合は、段階710から716までを繰り返す必要があり、そうでない場合は、上記過程は段階720に進行される。
【0060】
上記段階720において、上記電極組合わせ部の標準「長い−誘導」波形の収集が終了され、上記標準誘導接触点と上記電極組合わせ部の間に臨時的に連結されたリード線が除去される。続いて、上記電極組合わせ部は、「短い−誘導」波形を連続的に収集するように既に決定されたシステム識別モデルを用いて連続的な測定動作モードとして動作するように設定される。段階722において、上記電極組合わせ部は、上記出力標準心電図「長い−誘導」波形を連続的に推定するようにするために、連続的に測定された入力「短い−誘導」心電図波形とメモリに格納されたシステム識別モデルを用いる。段階724において、上記電極組合わせ部は、推定された標準「長い−誘導」心電図波形をディスプレイしたり、後処理過程を行ったり、または上記本体に転送する。最後に、段階726において、上記本体は、上記推定された標準「長い−誘導」心電図波形を表示したり、格納したり、アナログ信号として発生させたり、医療陣や使用者にその信号波形と意味ある関連した情報を表示するためにモニタに再転送する。
【0061】
もし以前キャリブレーションから推薦された持続時間が超えたり、上記電極組合わせ部によってモニタリングされたインピーダンス値の実質的な変化が発生したり上記電極組合わせ部の再配置、除去及代替によって、上記推定された標準誘導信号の品質が低下した場合には、再−キャリブレーション過程が必要な場合がある。上記システム識別モデルは、以前キャリブレーションモデルの再使用、信号品質、変化した成分の識別の比較の目的で、または連続的な動作を目的として以前または新たなキャリブレーションを受諾するために、メモリに格納した入力及び/又は出力の再使用を許容することができる。
【0062】
図8に新しいモデルシステム識別過程に対する初期化段階として、以前に認識されたシステムモデルパラメータまたは係数を再用いる再−キャリブレーション過程システムモデルのフローチャート800を示す。即ち、新しいシステムモデルパラメータは、初期化段階として以前システムを始めることによって発見される。具体的には、段階802において、上記1回用電極層は、患者身体の同一の位置に再度配置される。段階804において、上記以前システムモデル係数は、適応型システム識別過程を初期化するために再度用いられる。段階806において、「短い−誘導」を標準「長い−誘導」にマッピングするモデルパラメータや係数を適応的に発見することによって生成される上記以前システムモデルは再識別される。
【0063】
上記再−キャリブレーション過程は、相当類似した、しかし出力標準「長い−誘導」をさらに良く推定するようにする、より最適化されたシステム識別を容易にする。さらに、システムが容認の難しい状態に発散することを避けるために、上記以前に発見されたシステムパラメータから得た妥当な範囲(上限または下限)内に識別されたシステムパラメータの推定を制限することも可能である。
【0064】
本発明によるリードのない無線通信心電図測定システム及び方法は、従来技術と比べて次の長所を有する:
(1)本発明は、標準誘導心電図測定と臨床的に同等の結果を提供する;
(2)本発明は、精度を高めるために各患者ごと個別的に調整されるキャリブレーションを用いる;
(3)本発明は、患者と医療提供者の費用を節減し、医療提供者のリード線を区分する時間を短縮する;
(4)本発明は、リードを除去するため、動きに起因した雑音(特別にホールターモニタとストレスモニタにおいて)を実質的に減少させる;
(5)本発明は、体液と接触する線に起因した感染の発生を減少させる;
(6)本発明は、線を除去することによって患者の安らぎを増進させる;
(7)本発明は、引っ張り落とされる線による誘導−オフ警告発生を除去する;
(8)本発明は、誤ったリード線連結の可能性を除去する;
(9)本発明は、単一の無線パッチを用いて標準多重−誘導心電図を提供する。従って、完璧な診断用12−誘導、5−誘導、または3−誘導心電図を生成するために要求されるリードの数を減らす;
(10)本発明は、ストレス心電図モニタリング、ホールターモニタリング、そして移植型心臓拍動器または体内や体外除細動器の連続的な体表心電図モニタリングを含む市場拡大の可能性を提供する。
【0065】
上述した内容から、リードのない心電図測定システムは、患者身体に付着した少なくとも1つの多重−接触電極組合わせ部と少なくとも1つの多重−接触電極組合わせ部と通信する1つの遠隔モニタを含む。上記電極組合わせ部は、患者皮膚と接触する多数の接触点を有する電極層、好ましくは皮膚の屈曲に容易に付着できる弾力性のあるポリマー膜で作られた電極層及び上記電子部品が装着される上記電極層の上に位置する電子パッチ層を含む。
【0066】
本発明のシステムは、必要な場合、測定された誘導信号に対する他の誘導推定値を提供する向上した機能として、標準12−誘導心電図システムに対する追加装置または補助装置としても用いることができる。例えば、リードの接触が切れた場合(電極が落ちた場合)またはリードが動いたり信号に雑音が混在した場合、測定された雑音エラーを補償したりその誤って測定された標準誘導信号を標準誘導信号として計算された推定値に完全に代替することができる。上記推定値は、入力として他の良好な標準リードから得たデータ及び上記入力を現在推定中の誤った出力信号を関連させる識別モデルを用いるによって誘導されることができる。このような戦略は、雑音因子についてさらに強くなるようにすることによって標準12−誘導心電図収集を向上させる。即ち、リードのない心電図アルゴリズムと方法は、独立したプラットフォームとしてではなく現存する心電図プラットフォームに対する補助手段としても用いられる。
【0067】
不整脈心電図、徐脈心電図、頻脈心電図、心房または心室細動などを含む非正常な心電図パターンを検出、認識、分類、そして警告するアルゴリズムを組み合わせれば、非正常である状況を能動的に検出し、上記状況に対する警告発生を可能にできる。上記電子パッチは、選択事項として警告音を発生させる警告スピーカを内蔵できたり、もし接続されていれば警告を広く知らせることができるように警告状態を無線通信モニタに転送したり、警告する非正常心電図区間の即時の検討のためにその非正常デジタル心電図波形データを含む警告状態と情報を送るE−Mailを転送したり、応急状況電話番号に警告メッセージを送ったり、上記警告メッセージを文字メッセージ受信電話番号に送ることができる。また、遠隔モニタと通信網が接続されていない場合、上記警告イベントをメモリに格納できる。上記電子パッチ間の全ての情報の相互検証は、可能な場合、電子パッチそれぞれから独立的に検出したイベントをマッチングさせることができる。上記相互検証イベントを説明する表が上記モニタで発生することができ、または上記情報を収集したチャンネル/パッチまたは計算されたチャンネルを各自のグラフに表現して同等に示すことができる。上記モニタは、また、上記収集されたり計算された生体電位チャンネルの実際の位置を、人体図と連係した近似的なグラフで表示することができる。
【0068】
本発明に対して上述した内容は、主に心電図波形の処理に焦点を合せてきたが、心電図は、皮膚上で測定される、関心の対象である様々な生体電位生理信号のうち1つであるということを明確に認識しなければならない。関心の対象となる他の信号は、脳電図(EEG)、筋電図(EMG)、眼電図(EOG)、そして心臓内電位図(EGM)などを含む。移植型心臓拍動器は、一般的に心臓筋肉内部または外部から直接心臓内電位図(EGM、electrogram)を測定する。入力される心臓内電位図と出力である標準12誘導体表心電図をマッピングするシステムモデルは求めることができ、従って、心筋に位置した電気刺激のための電極位置に関係なく、心臓拍動器が連続的な体表心電図モニタリングを提供することができ、医療陣の心臓内電位図解釈を単純化できる。上記心臓内電位図による体表心電図の形状は、心臓内電位図信号を解釈する難しさに比べ、より直観的に連続的診断解釈を可能にする。影響を受ける心臓組織の位置と測定リード接触点の位置に応じて、心臓内電位図は他の患者に対する他の情報を提供することもできるが、体表心電図は、心臓電気活動の解釈においてより一般的で標準的な観点になる。
【0069】
また、誘発生体電位は誘発された入力と測定された出力生体電位応答の関係を示すシステムを識別するのに用いられる。例えば、誘発入力はある多数の周波数と振幅において強度が変わる光学的光刺激、または変化する多数の周波数と振幅を有する聴覚パルスまたは波形、または多数の周波数と振幅において相対的に高い電圧と低い電流特性を有する(筋電図刺激のような)、一般的に皮膚や筋肉に印加される電気刺激信号を含むことができる。いかなる形態でも、測定された誘発生体電位は出力として作用することができる一方、誘発信号は入力として作用することができ、多数の入力と多数の出力は、その後推定される出力と実際の出力間の最も近接した類似性を有するモデルを識別するためのシステム識別道具に送られる。
【0070】
リードのない心電図に関する本発明の全ての記述と思想に対する類似の、同等の論拠は、上述した神経学的観点の異なる生体電気生理信号にも適用できる。本発明の思想は、一般性を損なうことなく、他の周波数範囲やスペクトル帯域、そして脳電図、筋電図、または眼電図を測定するための身体のどの部位にも同等に適用されることもでき、拡張されることもできる。類似の電子的構成と無線転送プロトコルと情報の交換は、上述した生体電気生理信号を測定することに適用できる。
【0071】
より詳細には、上述したリードのない心電図測定システム、アルゴリズム、そして方法は、動作周波数範囲、フィルタ周波数範囲、チャンネル数、そして増幅利得を脳電図収集に適するように変更した後、同等の方法で動作するようにリードのない脳電図に適用されるように拡張することができる。図9(a)〜9(d)に、本発明の電極組合わせ部が患者の頭皮に配置されることができる多様な位置を示した。リードのない脳電図装置は、もう1つの生体電位である脳電図測定にチャンネル間マッピング伝達関数(識別されたモデル)を求める目的で同等の方式が適用されることができ、従って脳電図をモニタリングする間、測定された少数の短い−誘導脳電図信号(入力)を用いて推定されて計算された脳電図誘導(出力)信号を提供することによって、脳電図リード線(出力チャンネル)の数を著しく減らすことができる。例えば、要求される脳電図チャンネルの数を包括的な脳電図モンタージュ(電極組合わせ方法)から1、2、または3つのチャンネルに減少させ、測定された脳電図チャンネルの最小セットを入力として用い、また測定された入力チャンネルと残りの出力チャンネル間の関係を示す多数の識別されたシステムモデルを用いて推定した脳電図の計算値によって残りの脳電図チャンネルを代替することができる。
【0072】
計算された標準誘導脳電図波形は、入力短い−誘導脳電図波形、そして標準誘導と上記入力短い−誘導間関係を示す伝達関数のシステムモデルを用いて推定する。入力として用いられた上記短い−誘導は、それ自体で他の異なる標準誘導になり得る。即ち、標準誘導のうち、いくつは短い脳電図誘導で動作するように用いられることができ、他の標準誘導の伝達関数を推定するためのシステム識別過程の入力として用いられることができる。従って、いくつかの脳電図標準誘導が測定されることができ、残りの誘導を相当正確に推定することができる。上述した方法は、著しく減少した数の誘導を用いて包括的な脳電図モンタージュ誘導を収集できるようにする。
【0073】
また、上述した従来の直接(線形または非線形)またはブラインドシステム識別方法は、脳の生体電位活動発生ソースをモニタリングするための新たな応用分野に適用されることができる。脳の各半球で測定された多数の生体電位は、発生するソース信号と信号の位置を推定するのに、十分に用いられることができる。上記方法は、「短い−誘導」信号を認識されたシステムモデルの出力で他の誘導を推定することに用い、その後モデルの出力信号とそのモデルの誘導から実際に測定された信号を比較することによって具現されることができる。上記比較は、共通の情報成分を除去する一方、このようなチャンネルの独特または新しい情報成分を示す差等信号を発生させる。このような方法は、上記成分を前葉または後葉のうち1つから、または左半球や右半球のうち1つから起因したものとして分離するのに用いることができ、または一方の半球から他方の半球に交差するものとして分類するのに用いることができる。上記区分は、非正常な生体電位活動のソースを分離しその位置を決定するために重要である。非正常な生体電位活動のソースは、腫瘍、発作誘発位置、パーキンソン誘発組織、または鎮静剤による各半球の効果や合わせた効果を含む。
【0074】
上述したように、本発明によるリードのない心電図システムは、心電図と変化する皮膚インピーダンスの影響を導電する患者の身体特性をモデル化する。上記識別されたパラメータとモデルは、患者皮膚表面上の特定の位置(または電極が皮下電極または移植型である場合、皮膚内側)で測定された生体電位間の伝達関数(システムモデル)を記述する。しかし、上述したモデルパラメータの動的変化は、電極が接触する測定位置が固定された場合、時間に応じた患者身体の動的な状態変化を表すことができる。皮膚表面心電図の関係を示す患者の伝達関数(システムモデル)の自動化されたモデリングは、患者身体の変化に対する非侵襲的動的なモニタリングを可能にする。患者身体を表現する識別されたモデルパラメータの動的な変化は、そのモデルパラメータに影響を与える生理的因子を頻繁にモニタリングするのに用いられる非侵襲的指標として用いることができる。上記因子のいくつかの例は、心拍出量、そして水分含有状態レベル、そして血管系の誘発された血管収縮または血管拡張効果などである。
【0075】
図10を参照すると、患者身体変化の動的非侵襲的モニタリングのための生理パラメータモニタリング過程の実施例のフローチャート1000が示されている。段階1002において、多数の選択された入力生理変数または入力解釈変数と、選択された多数の出力生理変数または出力解釈変数間の生理的関係を最もよく見せている基本モデル(構造と次数)とそのパラメータ(値)の識別が生成される。入力と出力の間の上述した関係は、上記モデルが実際を反映するように物理的、化学的、または電気的意味を有しなければならない。実際の出力との出力推定エラーを最小化させる適切なモデル次数とモデル構造を選択するモデル最適化は重要である。
【0076】
段階1004において、以前と同一の測定位置で求める多数の入力と多数の出力の新しい情報を用いる(基本モデルと同一のモデル構造と次数を用いる)モデルパラメータを反復的に再識別することは、連続的にそして反復的に行われる。モデル再識別は、根本的なモデル変化に必要な頻度と間隔で行われる。モデルサンプリング頻度は、モデルパラメータの変化で表現される動的システム変化の代表的な値を得るために、モデルパラメータの予想される動的変化より少なくとも2倍にならなければならない。以前に識別されたモデルは、モデルパラメータを再認識するためまたは実際の出力と推定出力の差として測定されるそのパラメータの適合度を最適化するための、初期条件の一部として用いられることもできる。
【0077】
関心の対象になる生理学的または解釈的パラメータの動的変化を代表したり、その変化と密接な関連性を示す時間に応じた動的変化のために識別された、モデル構造内の各パラメータは、段階1006においてモニタリングされる。即ち、システムパラメータの全てのものは、生理的または解釈的目標パラメータとの非常に密接な関連関係を提供する根本的なシステムモデルの変化(入力が変わったこととは異なり)を反映する。例えば、多数の心電図波形を関連付けるシステムは、根本的な組織の電気的特性を示したり思想し、時間に応じたその特性の変化は関心の対象になる多数の変数と密接な関連関係を有することができる。例として、多数のモデルパラメータは、心拍出量または水和状態変化に応じて心電図が測定される組織の電気的特性を変化させる流動的水和状態に対するより優れた敏感度(sensitivity)と特異性(specificity)を提供することもできる。識別されたモデルの他のパラメータは、腫瘍患者または手術中の患者が体験する痛みとストレスに対するより優れた敏感度と特異性を提供することもできる。また、識別されたモデルの他のパラメータは、患者のグルコースレベルに対してはるかに高い敏感度と特異性を提供することもできる。
【0078】
段階1008において、二次的に識別されたモデル関数は、高い敏感度と特異性を有する多数の基本モデルパラメータが要求される、生理的または解釈的ターゲットパラメータ(または「観察された生理的パラメータ」)と関連するように生成される。これは、基本モデル識別と選択された頻度の連続的な再認識に必要な入力と出力のみを用いて、要求される生理的または解釈的ターゲットパラメータを効果的に推定して予測できるようにする。例えば、グルコース、呼吸、心拍出量、または水和状態をモニタリングするために心電図生体電位波形入力と出力を用いるものである。
【0079】
段階1010において、例えば、基本システム識別モデルパラメータに関する入力と出力として心電図生体電位を用いることによって、胸の流体含有量に応じて最高の敏感度または特異性を有する、変化したり動的なパラメータを決定でき、従って、鬱血性心不全のような非正常な状況発生を検出することに用いることができる。これと類似して、最適に得られた、好ましい実施例は、状態空間、システム識別モデルの1つまたはそれ以上の係数は、その敏感度と特異性を維持しながら時間に応じて濃度が変わるグルコースと関連付けることができ、従って、変わるグルコース濃度とその関係を示すシステムモデルの1つまたはそれ以上の係数の変化間の関係を識別することができる。
【0080】
時間に応じた(測定された入力)システムモデル係数の変化で表現されるシステムに対する好ましい観察可能な(要求される出力)生理的、化学的効果間の上述した関係は、その2つの入力と出力変数を関連付ける二次的なシステム識別過程によってより十分に定義されることができる。従って、上述した基本システム識別段階1002は、非侵襲的に測定された生体表面電気電位間の生理学的そして解剖学的システムについて説明し、上記繰り返されるシステム説明は、観察が要求されるあるパラメータに起因して、時間に応じたその変化に対する洞察力を提供する。他の面として、二次的なシステム識別段階1008は、変化する上記モデルのシステム識別係数と要求される変わる観察値間の上述した関係を形成し、従って前者(入力として)を二次的なシステム識別モデルに用いることによって後者(出力として)を予測することができる。
【0081】
特性化、パターン、分類、状況検出、予測、そして警告発生のようなパラメータに対する後処理は、段階1012において行われる。最後に、選択段階である1014において、意思決定支援(開ループ)システムまたは完全な閉ループが、関心の対象である観察された生理的パラメータに影響を与える薬物注入に用いられることができる。
【0082】
本発明の好ましい実施例を説明し、示したが、本発明の本質的思想が損なわれることなく多様な変更と修正と代替が可能であるということを、当該分野に熟練した者は認識できるものである。また、上述した中心思想から逸脱することなく、特別な状況や本発明に対する教育の資料として適するように様々な修正が可能である。従って、本発明が最適な方式で行われることと考慮して公開した特別な実施例に限定されるわけではないということだけでなく、後述する発明の請求の範囲の思想に含まれる全ての具現方式を含むということは意図するところである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者身体内の生体電位電気活動を測定するリードのない測定システムにおいて、
上記患者身体に付着するのに適した少なくとも1つの多重−接触生体電位電極組合わせ部−上記電極組合わせ部は電子パッチ層と1回用電極層を含む−;
上記患者身体の表面と連結するための複数の接触点を上記心臓の電気活動に応答して短い−誘導心電図信号を測定する上記1回用電極層;及び
上記接触点からの上記測定された短い−誘導信号に基づいて推定された長い−誘導心電図信号を計算する伝達関数を生成するように提供され構成された処理部を含むことを特徴とするリードのない測定システム。
【請求項2】
モニタが上記推定された長い−誘導生体電位信号と他の有用な情報を表示するための上記推定された長い−誘導生体電位信号を受信するように連結されることを特徴とする請求項1に記載のリードのない測定システム。
【請求項3】
上記リードのない生体電位システムは無線で動作し、上記電子パッチ層は本体と無線通信で送信して受信する送受信部を含み、そして上記本体は、上記1回用電極層内の上記接触点と送信して受信する無線送受信部を含み、上記本体内の上記無線送受信部によって受信された上記無線通信は、上記推定された長い−誘導生体電位信号、測定された長いー誘導生体電位信号及び測定された短いー誘導生体電位信号のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載のリードのない測定システム。
【請求項4】
上記少なくとも1つ以上の多重−接触生体電位電極組合わせ部が、少なくとも1つの多重−接触生体電位電極組合わせ部と通信し、上記通信は、測定された信号、推定された信号、伝達関数及び他の有用な情報を含むことを特徴とする請求項1に記載のリードのない測定システム。
【請求項5】
上記生体電位信号は、心電図(ECG)、心臓内電位図(EGM)、 脳電図(EEG)、筋電図(EMG)、眼電図(EOG)、誘発生体電位刺激信号及び誘発生体電位信号のうち1つであることを特徴とする請求項1に記載のリードのない測定システム。
【請求項6】
上記少なくとも1つの電極組合わせ部は、少なくとも他の電極組合わせ部と通信することを特徴とする請求項1に記載のリードのない測定システム。
【請求項7】
上記処理部は、上記電極組合わせ部の上記電子パッチ層、上記モニタ及び上記本体のうち1つに配置されていることを特徴とする請求項1に記載のリードのない測定システム。
【請求項8】
上記処理部は、上記伝達関数を定義するためにシステム識別技術を用い、上記伝達関数は、上記複数の接触点から測定された短いー誘導生体電位信号及び他の推定された長いー誘導生体電位信号に基づいて推定される長いー誘導生体電位信号を計算することを特徴とする請求項1に記載のリードのない測定システム。
【請求項9】
上記システム識別技術は、線形状態―空間モデルを用いることを特徴とする請求項1に記載のリードのない測定システム。
【請求項10】
患者身体内生体電位電気活動を測定する測定システムにおいて、
患者身体の要求される位置に少なくとも1つの多重−接触生体電位電極組合わせ部を付着するための手段;
上記1つの多重−接触生体電位電極組合わせ部からの入力である測定される短い−誘導信号を獲得するための手段;
上記1つの多重−接触生体電位電極組合わせ部からの出力である測定される長い−誘導信号を獲得するための手段;
処理部で入力である測定される短い−誘導信号と長い−誘導信号間のシステム伝達関数を求めるためにシステム識別を行うための手段;
入力である測定される短い−誘導信号、伝達関数、測定される長い−誘導信号、そして推定される長い−誘導信号のうち1つを、他の電極組合わせ部のうち1つと本体に転送するための手段;及び
出力で長い−誘導信号を連続的に推定するために、入力である短い−誘導信号を連続的に測定し識別されたシステム伝達関数を用いる手段
を含むことを特徴とする測定システム。
【請求項11】
上記システムは、リード線のないことを特徴とする請求項10に記載の測定システム。
【請求項12】
入力である測定される短い−誘導信号、伝達関数、測定される長い−誘導信号、そして推定される長い−誘導信号のうち1つを転送する手段が、無線転送であることを特徴とする請求項10に記載の測定システム。
【請求項13】
上記生体電位電気活動は、少なくとも心電図、心臓内電位図、脳電図、筋電図、眼電図、誘発生体電位刺激信号、誘発生体電位信号のうち1つに該当することを特徴とする請求項10に記載の測定システム。
【請求項14】
入力である測定される短い−誘導信号と出力である長い−誘導信号間のシステム伝達関数をモデリングするためにシステム識別を連続的に行う手段が、上記1つ以上の電極組合わせ部と本体に提供されることを特徴とする請求項10に記載の測定システム。
【請求項15】
上記短い−誘導信号、上記識別された伝達関数、そして上記長い−誘導信号にうち1つが、心臓、脳、身体、臓器、そして血液構成成分の濃度のうち1つ以上の生理的情報を提供することを特徴とする請求項10に記載の測定システム。

【図1】
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【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図1d】
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【図1e】
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【図1f】
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【図1g】
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【図2】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図2d】
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【図2e】
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【図2f】
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【図2g】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9a】
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【図9b】
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【図9c】
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【図9d】
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【図10】
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【図11a】
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【図11b】
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【図11c】
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【図11d】
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【公開番号】特開2012−139484(P2012−139484A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−237789(P2011−237789)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(511262935)
【Fターム(参考)】