説明

ルーバーの取付構造及び取付治具

【課題】ルーバーの取付強度を一層高める方法を提供する。
【解決手段】取付部材は、取付ボルト31が挿通される挿通孔24が設けられた本体部22と、ルーバー10のリップ部12を避けるように設けられる溝部23と、溝部23内に位置したルーバー10のリップ部12と係合する係合片25と、ルーバー10の端面部13の内面に当接される当接部26とを有する。取付部材は、取付ボルト31が挿通孔24に挿入された状態で、ルーバー10の開口部11より挿入されると、取付部材の溝部23の側壁と係合片25との間にリップ部12が挿入され、係合片25がリップ部12に係合されると共に、挿通孔24に挿入された取付ボルト31が横梁5の取付孔7に挿通され、締め付けられる。すると、取付部材の当接部26がルーバー10の端面部13を横梁5に圧接し、挟み込む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高架道路等の桁下裏面の横梁となる支持部材に取り付けられるルーバーの取付構造及び取付治具に関する。
【背景技術】
【0002】
ルーバーの取付構造としては、例えば特許文献1のものがある。特許文献1のルーバー取付構造は、高架道路等の桁下裏面の小梁へルーバーを取り付けるものであり、図19に示すように、桁下裏面側に間隔をあけてほぼ水平に設置された複数の小梁101と、小梁101へ取り付ける複数のルーバー102と、取付金具103とで構成されている。小梁101は、下部に水平方向のフランジ101aを有し、同フランジ101aのルーバー取付位置にボルト孔104が形成されている。ルーバー102は、垂直断面が中空構造であり、その上辺中央部の長手方向に平行な開口部105を有し、この開口部105の開口縁に下向きのリップ105aが設けられている。
【0003】
取付金具103は、金具106と取付ボルト107とから構成される。金具106の上面は、平坦な中央部の両側にルーバー102の下向きのリップ105aを受け止める受け溝部108が形成されている。また、中央部には、ボルト孔109が形成されている。中央部の下面には、ボルト孔109へ通した取付ボルト107のボルト頭部107aを回転しないように拘束する拘束壁111が間隔をあけて両側に形成されている。拘束壁111の下端部内側には、取付ボルト107のボルト頭部107aを通すことは可能であるが抜き難い鉤部111aが取付ボルト107のボルト頭部107aの高さに相当する位置に形成されている。
【0004】
取付ボルト107は、金具106の中央部のボルト孔104へ通され、そのボルト頭部107aは拘束壁111と鉤部111aにて支持されている。
【0005】
ルーバー102は、小梁101に対して直交する方向に配置され、その上辺が小梁101のフランジ101aの下面に当てがわれる。取付金具103は、その受け溝部108にルーバー102の下向きのリップ105aを受け止め、取付ボルト107をフランジ101aのボルト孔109へ上向きに通し、上方からワッシャ113を存してナット112をねじ込んで締結されている。
【0006】
特許文献1に示す取付構造において、取付ボルト107とナット112による締結力は、ボルト頭部107aの領域において、直接的には金具106と小梁101のフランジ101aとに働くのみで、ルーバー102には働かない。ルーバー102は、金具106の両側の圧接面部114と小梁101のフランジ101aとの間に挟み込まれているだけである。すなわち、ルーバー102の固定は、金具106の剛性に依存してしまっている。
【0007】
また、金具106は、受け溝部108が形成されているので、幅広であり、また、ルーバー102を更に幅狭にすることも困難となる。ルーバー102は、幅広であるほど、吸音率が下がる傾向にあるが、金具106を用いると、ルーバー102は、更に幅狭なものにすることが難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第3920706号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、ルーバーの取付強度を一層高めることが出来るルーバーの取付構造及び取付治具を提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明は、取付部材を小型化してルーバーを幅狭にし吸音率の向上を実現するルバーの取付構造及び取付治具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係るルーバーの取付構造は、ルーバーと、上記ルーバーが取り付けられる取付孔が形成された支持部材と、上記ルーバーを上記支持部材に取り付ける取付治具とを備える。上記ルーバーの上側は、支持部材に当接する端面部が設けられ、該端面部に開口部が設けられ、該開口部の相対する平行な端部が内側に折曲されてリップ部が設けられる。
【0012】
上記取付治具は、取付部材と、取付ボルトとを有する。
【0013】
上記取付部材は、上記ルーバーの開口部より上記ルーバー内に挿入され、上記取付ボルトが挿通される挿通孔が設けられた本体部と、上記ルーバーのリップ部を避けるように設けられる溝部と、上記溝部に設けられ上記溝部内に位置した上記ルーバーのリップ部と係合する係合片と、上記溝部の外側に設けられ上記ルーバーの端面部の内面に当接される当接部とを有する。
【0014】
上記取付部材は、上記取付ボルトが上記挿通孔に挿入された状態で、上記ルーバーの開口部より上記ルーバー内に挿入されると、上記取付部材の溝部の側壁と上記係合片との間に上記ルーバーのリップ部が挿入され、上記取付部材の開口部に挿入された上記係合片が上記リップ部に係合されると共に、上記取付部材の挿通孔に挿入された取付ボルトが上記支持部材の取付孔に挿通され、締め付けられると、上記取付部材の当接部が、上記ルーバーの端面部を上記支持部材に圧接し、上記支持部材とで挟み込む。
【0015】
例えば、上記取付部材の本体部は、平面視略矩形であり、長辺が上記開口部の幅より長く、上記取付部材は、上記長辺を上記ルーバーの開口部の長手方向と平行にして該開口部より上記ルーバー内に挿入され、上記本体部の長辺が上記開口部の長手方向と略直交するように回転されると、上記取付部材の溝部に上記ルーバーのリップ部が挿入可能な状態となる。
【0016】
更に、上記取付部材の本体部には、上記取付ボルトの挿入側に、上記取付ボルトのボルト頭部と係合する落下防止片が設けられてもよい。また、上記取付部材の本体部には、上記取付ボルトの挿入側に、上記取付ボルトのボルト頭部の周囲を包囲する側壁によって、上記ボルト頭部に対応した形状の収納凹部が設けられ、上記収納凹部には、上記ボルト頭部が嵌入されるようにしてもよい。
【0017】
例えば、上記リップ部は、先端が幅方向中央に向かう傾斜片である。また、上記リップ部は、先端を折り返して形成し、上記取付部材の係合片が係合する段差部が設けられている。例えば、上記段差部は、先端を、上記端面部と略平行となるように折り返して構成したり、反対向きに折り返して構成することが出来る。
【0018】
上記取付部材の係合片の高さは、上記当接部の高さとほぼ同じ又は低い。
【0019】
また、本発明に係る、上側が、幅方向の両側に、長手方向に沿って略平坦な端面部が設けられ、該端面部の間に長手方向に沿った開口部が設けられ、該開口部の相対する平行な端部が内側に折曲されてリップ部が設けられているルーバーを、上記ルーバーが取り付けられる取付孔が形成された支持部材に取り付ける取付治具は、以上のようなルーバーの取付構造に用いられる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、取付ボルトが挿通孔に挿入された状態で、ルーバーの開口部よりルーバー内に挿入されると、取付部材の溝部の側壁と係合片との間にルーバーのリップ部が挿入され、取付部材の開口部に挿入された係合片がリップ部に係合されると共に、取付部材の挿通孔に挿入された取付ボルトが支持部材の取付孔に挿通され、締め付けられると、取付部材の当接部が、ルーバーの端面部を支持部材に圧接し、支持部材とで挟み込む。したがって、取付ボルトが通る溝部の両側の当接部で支持部材に対してルーバーの端面部を押さえ付けるように働く。したがって、この取付構造では、取付ボルトによる締結力を有効に利用して、ルーバーを支持部材に確実で強固に固定することが出来る。
【0021】
リップ部を、先端が幅方向中央に向かう傾斜片で構成することで、傾斜片と係合片が係合出来るようにすることができ、更に、先端を折り返して形成し、係合片が係合する段差部を設けることで、一層、係合片がリップ部から脱落することを防止することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係る高架道路等の桁下裏面側の足場兼用吸音システムが実施される部分の横断面図である。
【図2】横梁に取り付けられるルーバーの縦断面図である。
【図3】取付部材をルーバーの開口部より内部に挿入した状態を示す斜視図である。
【図4】取付治具を構成する取付部材、取付ボルト等を示す斜視図である。
【図5】取付部材をルーバーの開口部より内部に挿入し90°回転させた状態を示す斜視図である。
【図6】取付ボルトが仮止めされた取付部材をルーバーの開口部から挿入する直前の状態を示したものであり、(A)が平面図、(B)が正面図、(C)が側面図である。
【図7】取付ボルトが仮止めされた取付部材をルーバーの開口部を押し広げて挿入している状態を示したものであり、(A)が平面図、(B)が正面図、(C)が側面図である。
【図8】取付ボルトが仮止めされた取付部材がルーバーに挿入された状態を示したものであり、(A)が平面図、(B)が正面図、(C)が側面図である。
【図9】取付ボルトが仮止めされた取付部材がルーバーに挿入され、取付部材が略90°回転された状態を示したものであり、(A)が平面図、(B)が正面図、(C)が側面図である。
【図10】取付ボルト付き取付部材がルーバーの開口部に仮止めされた状態を示したものであり、(A)が平面図、(B)が正面図、(C)が側面図である。
【図11】ルーバーが取付部材を存して横梁のフランジ部に固定された状態を示したものであり、(A)が平面図、(B)が正面図、(C)が側面図である。
【図12】ルーバーのリップ部の傾斜片を垂直片と水平片とで構成された段差部にしたルーバーの取付構造の変形例1を示す側面図である。
【図13】ルーバーのリップ部の傾斜片に代えた折り返し片によって段差部を設けたルーバーの取付構造の変形例2を示す側面図である。
【図14】取付部材の係合片の形状を略(逆)C字状にした変形例を示す斜視図である。
【図15】取付ボルトの変形例を示す側面図である。
【図16】取付部材の変形例の斜視図である。
【図17】取付部材を示す図であり、(A)が側面図、(B)がX−X断面図、(C)がY−Y断面図である。
【図18】取付部材の更なる変形例であり、図17(B)のX−X断面図に相当する断面図である。
【図19】従来のルーバー取付構造を示した正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明が適用されたルーバーの取付構造及び取付治具について、図面を参照して
説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.概説
2.ルーバー
3.横梁
4.取付治具
5.取付方法
6.ルーバーのリップ部の変形例1
7.ルーバーのリップ部の変形例2
8.取付部材の係合片の変形例1
9.取付ボルトの変形例
10.取付部材の変形例1
11.取付部材の変形例2
【0024】
[1.概説]
図1に示すように、高架道路等2の桁下裏面には、交通騒音レベルの低減のため、地上の一般道路3の交通騒音等を吸音する吸音システム1がある。この吸音システム1では、高架道路2の桁下裏面側に吊り材4によって吊り下げた支持部材となる横梁5に、吸音部材や化粧部材となるルーバー10が水平方向に配設されている。すなわち、高架道路の裏面側に吊り材4で吊り下げたH形鋼等の横梁5は、図示例では道路の長手方向に間隔をあけて道路幅方向に略水平に設置されている。この吸音システム1は、高架道路2の桁下裏面側に付設されることで所謂裏面吸音効果を発現する。すなわち、高架下の一般道路3を走行する車両の騒音は、互いに隣接するルーバー10の間で反復反射し、更に、横梁5の部分に配設された吸音材に吸音される。つまり、騒音は、ルーバー10の間で反復反射されることで減衰され、更に、吸音材によって吸音される。
【0025】
[2.ルーバー]
ルーバー10は、図2及び図3に示すように、本発明が適用された取付治具で横梁5に取り付けられる。このルーバー10のそれぞれは、鋼板を中空に折り曲げ成形した均等断面で長い長尺部材であり、道路の長手方向に沿って略平行に複数配置されている。具体的に、先端部が鋭角部となり、両側に、相対して平行な側面部10bが連続して設けられている。このような形状のルーバー10では、鋭角部10aの傾斜面に音が入射しても、隣り合うルーバー10の基端部側の方向に音を反射させることができる。すなわち、音が鋭角部10aに入射しても、一般道路3(音源)側に反射することを防止出来る。すなわち、ルーバー10では、ルーバー10の鋭角部10aや側面部10bに入射した音を、横梁5の部分に配設された吸音材側に導くことが出来る。
【0026】
各ルーバー10は、横梁5に取り付けられた際、隣り合うルーバー10と密接させても良いし、離間させても良い。離間させる場合には、例えば、100mm程度の間隙を存して配置される。ルーバー10は、上面が横梁のフランジ部に当接される端面部13となっている。ここでは、上面の幅方向略中央部に、長手方向に沿って開口部11が設けられている。開口部11の相対する平行な端部は、内側に折曲され、リップ部12が設けられている。リップ部12は、先端が幅方向中央に向かって下側に傾斜した傾斜片12aとなっている。
【0027】
このように構成される開口部11の幅方向の両側は、略平坦な面で構成された端面部13となっている。開口部11の両側の端面部13は、H形鋼等の横梁5に取り付けられた際、横梁5のフランジ部の平坦な面に当接され、更に、本発明が適用された取付治具20と横梁5のフランジ部6とに挟み込まれる部分となる。端面部13は、平坦が好ましいが、緩やかな曲面であったり、凹凸があっても良い。ルーバー10は、開口部11が拡幅する方向にやや撓むことで、以下に説明する取付治具20の取付部材21を開口部11よりルーバー10の内部に挿入出来る。
【0028】
ルーバー10としては、鋭角部10aや側面部10bに、複数の貫通孔が種々のパターンで設けられていても良い。また、先端部が鋭角部ではなく、平坦な面、すなわち断面が略台形状であっても良い。また、先端部は、鋭角ではなく、鈍角であっても良い。また、曲面形状であっても良い。すなわち、ルーバー10の形状は特に限定されるものではない。また、開口部13は、上述のように、長手方向に相対した両端(短辺)が開放されたスリット状ではなく、多角形や略円形の開口であっても良い。すなわち、端面部13は、閉塞されており、閉塞面に、開口部13が打ち抜き等で形成されていても良い。
【0029】
[3.横梁]
図1及び図3に示すように、高架道路の裏面側に主桁から吊り材4で吊り下げられる横梁5は、例えばH形鋼であって、一対のフランジ部が高さ方向に並ぶように、吊り材4に固定される。ルーバー10は、横梁5となるH形鋼の下側のフランジ部6に固定される。ルーバー10が固定されるフランジ部6には、ルーバー10を取り付けるための取付治具20が取付孔7が設けられている。
【0030】
[4.取付治具]
図3及び図4に示すように、ルーバー10を横梁5のフランジ部6に取り付ける取付治具20は、ルーバー10を横梁5のフランジ部6に押さえ付ける取付部材21と、取付部材21を介してルーバー10を横梁5のフランジ部6に締め付ける取付ボルト31とを備えている。また、取付ボルト31に取り付けられるワッシャ32とナット33とを備えている。
【0031】
図3及び図4に示すように、取付治具20を構成する取付部材21は、ポリアセタール(POM:polyacetal, polyoxymethylene)樹脂、ポリアミド(PA:polyamide)樹脂、ポリプロピレン (polypropylene)樹脂等の合成樹脂を射出成形してなり、平面視略矩形を成す本体部22を有する。この取付部材21の色は、白色等特に限定されるものではないが、樹脂にカーボンを混合し、黒色にし、紫外線に対して耐性を有するようにすることが好ましい。この本体部22は、平面視をしたとき、後述するリブ28,28の突出量を含む長辺の長さLが少なくとも、ルーバー10の開口部11の幅Wより長くなるように形成されている。また、短辺の長さSは、開口部11の幅Wより短くても良いが、ここではやや開口部11の幅Wより長くなるように形成されている。取付部材21は、図3に示すように、本体部22の長辺と開口部11の長手方向とが平行となる状態で、開口部11の幅Wを拡幅するようにルーバー10を撓ませて、ルーバー10内に挿入され、更に、図5に示すように、ルーバー10の内部で、略90°回転され、本体部22の長辺が開口部11に跨るようにすることによって、取付部材21からのルーバー10の落下が防止される。また、本体部22の長辺の長さLは、ルーバー10内の空間部の幅と略一致されており、横梁5のフランジ部6に設置する際等に、ルーバー10の相対する側面が内側に撓み過ぎないようにもしている。
【0032】
この本体部22には、図4及び図5に示すように、上面に、ルーバー10の開口部11の両側にあるリップ部12の傾斜片12aを避けるように溝部23が形成されている。ルーバー10内に取付部材21が挿入され引き上げられる際、溝部23には、リップ部12の傾斜片12aが挿入されることになる。この溝部23の底面には、ルーバー10を横梁5のフランジ部6に締め付ける取付ボルト31が挿入される挿通孔24が本体部22を貫通して設けられている。
【0033】
溝部23の底面には、図4及び図5に示すように、挿通孔24の両側に、溝部23内に位置したルーバー10のリップ部12の傾斜片12aと係合する係合片25,25が本体部22の短辺と略平行となるように立設されている。また、係合片25,25は、開口部11の幅と同じ程度の間隔で互いに平行に離間して設けられている。係合片25,25は、先端部に、立設方向に略垂直な外向きに、突起25a,25aが突設されている。突起25a,25aは、先端の外側の面が傾斜面となっており、リップ部12,12の傾斜片12a,12a間に進入し易くしている。このような、係合片25,25は、溝部23に、リップ部12の傾斜片12a,12aが挿入されるとき、傾斜片12a,12aの先端に押されて内側に撓み、又は、傾斜片12a,12aを押して開口部11を拡幅し、傾斜片12a,12aの先端を乗り越えたとき、撓んだ係合片25,25又は傾斜片12a,12aが元の状態に復帰することで、突起25a,25aが傾斜片12a,12aに係合される。すなわち、傾斜片12a,12aは、係合片25,25と溝部23の側壁との間に挿入されることになる。
【0034】
更に、係合片25,25の更に外側の溝部23の両側には、溝部23の側壁を構成するように、当接部26,26が形成されている。当接部26,26は、ルーバー10の開口部11の両側の端面部13,13に当接又は圧接される部分であり、平坦に形成されている。ここで、当接部26,26は、係合片25,25と略同じ高さ又は低く形成されている。これにより、係合片25,25の先端が横梁5のフランジ部6に突き当たらないようにし、ルーバー10の端面部13,13と横梁5のフランジ部6とが密着するようにしている。例えば、係合片25,25は、ルーバー10の横梁5のフランジ部6に当接される端面部13の厚さ分、当接部26,26より高くても、係合片25,25の先端が横梁5のフランジ部6に突き当たらないようにすることが出来る。なお、当接部26,26も、緩やかな曲面であったり、凹凸を有していても良い。
【0035】
本体部22の下面、すなわち取付ボルト31の挿通孔24への挿入側には、図3−図5に示すように、挿通した取付ボルト31の落下を防止する落下防止片27,27が設けられている。落下防止片27,27は、本体部22の下面において、本体部22を貫穿した挿通孔24の両側に設けられ、取付ボルト31のボルト頭部31bを仮止めする。具体的に、落下防止片27,27の先端部には、内側に向かって突起27a,27aが返し状に設けられている。すなわち、落下防止片27,27は、取付ボルト31のボルト頭部31bを通すことは可能であるが抜き難いものとなっている。
【0036】
ここで、取付ボルト31は、ねじ部31aとボルト頭部31bとを備えた一般的なねじ部材である。ここでは、ボルト頭部31bが六角形を成す六角ボルトが用いられている。取付ボルト31は、ボルト頭部31bが多角形を成すものを用いることで、落下防止片27,27の内側の平坦な面とボルト頭部31bの各辺の側面が面接触して、回転しないように出来る。すなわち、ボルト頭部31bが多角形の取付ボルト31を用いたときには、落下防止片27,27を、取付ボルト31の回転防止片として機能させることも出来る。このような取付ボルト31は、本体部22の下面側から挿通孔24に挿入される。取付部材21は、下面側から挿通孔24に取付ボルト31が挿入され、ボルト頭部31bが落下防止片27,27の突起27a,27aに係合され仮止めされた状態で、ルーバー10の開口部11より本体部22の長辺と開口部11の長手方向とが平行な状態でルーバー10内に挿入される。
【0037】
本体部22の短辺側の側面部には、リブ28,28が設けられている。リブ28,28は、上面側端面が当接部26,26と連続した面一の面となり、当接部26,26の面積を拡大する。また、リブ28,28は、外側面がルーバー10の相対する側面が内側に当接し、ルーバー10の相対する側面が内側に撓み過ぎないようにもする。なお、当接部26,26の面積を大きくするにあたっては、リブ28,28を設けるのではなく、当接部26,26を肉厚に形成し、ルーバー10の端面部13,13の内面と当接する面積が拡大するようにしてもよい。また、リブ28,28を設ける場合には、本体部22の短辺側の側面部に、2つ以上設けるようにしても良い。
【0038】
[5.取付方法]
ルーバー10を横梁5のフランジ部6に取り付けるにあたっては、図6(A)−図6(C)に示すように、取付ボルト31のねじ部31aを、取付部材21の下面側から挿通孔24に挿通し、ボルト頭部31bを、取付部材21の下面にある一対の落下防止片27,27の突起27a,27aに係合させ、取付部材21に対して取付ボルト31を仮止めする。次いで、取付ボルト31が仮止めされた取付部材21は、落下防止片27,27がある下面側を挿入端として、ルーバー10の開口部11に挿入される。この際、取付部材21の向きは、本体部22の長辺と開口部11の長手方向とが略平行となる状態にして、ルーバー10の開口部11に挿入される。
【0039】
次いで、図7(A)−図7(C)に示すように、取付ボルト31が仮止めされた取付部材21は、ここでは、本体部22の短辺の長さSが開口部11の幅Wより長い。そこで、取付部材21は、本体部22の長辺と開口部11の長手方向とが平行な状態で、リップ部12,12の傾斜片12a,12aを撓ませて、幅Wが拡幅するように押し広げ、ルーバー10内に挿入される。なお、本体部22の短辺の長さSが開口部11の幅Wより短いときには、取付部材21のルーバー10への挿入作業を一層容易に行うことが出来る。
【0040】
図3及び図8(A)−図8(C)に示すように、取付ボルト31が仮止めされた取付部材21がルーバー10内に挿入されると、ルーバー10は、撓んだ傾斜片12a,12a等が復帰し、開口部11の幅も元に戻る。このとき、取付ボルト31のねじ部31aは、ルーバー10の開口部11より外方に突出した状態が保持されている。
【0041】
次いで、図5及び図9(A)−図9(C)に示すように、取付ボルト31が仮止めされた取付部材21は、開口部11よりルーバー10内に挿入された状態において、略90°回転され(図9(A)中両矢印参照)、本体部22の短辺と開口部11の長手方向とが平行な状態で、本体部22の長辺が開口部11を跨ぐ状態にされる。例えば、この作業は、取付ボルト31のボルト頭部31bが落下防止片27,27によって保持され、取付ボルト31が取付部材21に対して回転止めされているので、作業者がルーバー10の開口部11より外方に突出した取付ボルト31のねじ部31aを回転することによって容易に行うことが出来る。かくして、取付部材21の本体部22に設けられた一対の係合片25,25は、ルーバー10の開口部11のリップ部12,12の傾斜片12a,12aの略下側において、傾斜片12a,12aと略平行に位置する。
【0042】
次いで、図10(A)−図10(C)に示すように、ルーバー10の開口部11より外方に突出した状態が保持されている取付ボルト31が上側に引き上げられると、ルーバー10の開口部11のリップ部12,12の傾斜片12a,12aは、係合片25,25と溝部23の側壁との間に挿入される。これと共に、係合片25,25は、傾斜片12a,12aの先端に押されて内側に撓み、又は、傾斜片12a,12aを押して開口部11を拡幅し、傾斜片12a,12aの先端を乗り越えたとき、撓んだ係合片25,25又は傾斜片12a,12aが復帰することで、突起25a,25aが傾斜片12a,12aに係合される。これにより、取付部材21は、取付ボルト31が落下しない状態でルーバー10に仮止めされたことになる。したがって、作業者は、次工程において、横梁5のフランジ部6への取付作業を、取付部材21がルーバー10より外れることや取付ボルト31が取付部材21からルーバー10内に落下することを気にすることなく、容易に行うことが出来る。また、ルーバー10の開口部11に取付ボルト31付き取付部材21が仮止めされた以降において、取付部材21のリブ28,28は、外側面がルーバー10の相対する側面が内側に当接しルーバー10の相対する側面が内側に撓み過ぎ変形しないようにすることが出来る。
【0043】
この後、図11(A)−図11(C)に示すように、ルーバー10に取付部材21が仮止めされて開口部11より外方に突出した取付ボルト31は、横梁5のフランジ部6の取付孔7に挿通され、更に、フランジ部6の反対面よりワッシャ32を存してナット33が締め付けられる。取付ボルト31のねじ部31aにナット33が締め付けられると、フランジ部6に対してルーバー10が引き寄せられる。すなわち、取付部材21の溝部23の両側にある当接部26,26は、締結力によって、ルーバー10の内側よりルーバー10の端面部13,13を持ち上げ、横梁5のフランジ部6に圧接し、端面部13,13をフランジ部6とで挟み込む。これによって、ルーバー10は、取付部材21を介して横梁5のフランジ部6に取り付けられることになる。
【0044】
以上のようなルーバー10の取付構造では、取付ボルト31とナット33による締結力がボルト頭部31bとナット33(ワッシャ32)の領域だけでなく、取付ボルト31が通る溝部23の両側の当接部26,26で横梁5のフランジ部6に対してルーバー10の端面部13,13を押さえ付けるように働く。したがって、この取付構造では、取付ボルト31とナット33による締結力を有効に利用して、ルーバー10を横梁5のフランジ部6に確実で強固に固定することが出来る。また、取付部材21は、本体部22の中央部に溝部23を設け、溝部23の底面に設けた係合片25,25と溝部23の側壁との間に、ルーバー10のリップ部12,12の傾斜片12a,12aが挿入されるようにしたので、リップ部12,12の間隔を一層近づけることが出来る。したがって、この取付部材21を用いたときには、ルーバー10の開口部11の幅を狭めることができ、更に、ルーバー10の幅を狭めることができ、吸音率の向上を実現することが出来る。更に、取付部材21は、ルーバー10の内部で、本体部22の長辺が開口部11を幅方向に跨るように配設されることから、取付部材21からのルーバー10の落下を防止することが出来る。
【0045】
[6.ルーバーのリップ部の変形例1]
図12に、ルーバー10のリップ部の変形例1を示す。この取付構造に用いるルーバー10は、開口部11を構成するリップ部12,12が傾斜片12a,12aではなく、端面部13,13に対して垂直な垂直片41,41と、垂直片41,41と垂直で端面部13,13と平行な水平片42,42とで段差部40を構成したことを特徴とする。リップ部12,12の垂直片41,41と水平片42,42は、開口部11の相対する平行な端部を折曲することによって形成することが出来る。この取付構造では、取付部材21の係合片25,25の突起25a,25aが水平片42,42に上述の傾斜片12a,12aの場合より水平片42,42に一層確実に係合する。したがって、ルーバー10の横梁5のフランジ部6への取付作業を行っている際に、取付部材21がルーバー10内に誤って落下してしまうおそれを一層小さくすることが出来る。
【0046】
[7.ルーバーのリップ部の変形例2]
図13に、ルーバー10のリップ部の変形例2を示す。この取付構造に用いるルーバー10は、開口部11を構成するリップ部12,12が端面部13,13に対して垂直な垂直片44,44の先端を180°折り返して折り返し片45,45を設けることによって段差部43を構成したことを特徴とする。リップ部12,12の垂直片44,44や折り返し片45,45は、開口部11の相対する平行な端部を折曲することによって形成することが出来る。この取付構造では、取付部材21の係合片25,25の突起25a,25aが上述の傾斜片12a,12aの場合より折り返し片45,45で形成された段差部43,43に一層確実に係合する。したがって、ルーバー10の横梁5のフランジ部6への取付作業を行っている際に、取付部材21がルーバー10内に誤って落下してしまうおそれを一層小さくすることが出来る。また、段差部43,43は、垂直片44,44と折り返し片45,45とで2重になっていることから、機械的強度も向上させることが出来る。
【0047】
[8.取付部材の係合片の変形例1]
図14は、取付部材の係合片の変形例1を示す。ここでの取付部材21の係合片51,51は、一方が略C字状をなし、他方が逆C字状をなし、開口側が向き合うように形成されている。そして、一対の係合片51,51の最も外側に突起状に突出した部分が係合部52,52となっている。一対の係合部52,52は、ルーバー10のリップ部12,12を構成する傾斜片12a,12aや段差部40又は43(図12,図13参照)に係合される。
【0048】
すなわち、ルーバー10の開口部11より外方に突出した状態が保持されている取付ボルト31が上側に引き上げられると、ルーバー10の開口部11のリップ部12,12の傾斜片12a,12aや段差部40又は43は、係合片51,51と溝部23の側壁との間に挿入される。これと共に、係合片51,51は、傾斜片12a,12aや段差部40又は43の先端に押されて内側に撓み、又は、傾斜片12a,12aや段差部40又は43を押して開口部11を拡幅し、傾斜片12a,12aや段差部40又は43の先端を乗り越えたとき、撓んだ係合片51,51又は傾斜片12a,12aや段差部40又は43が復帰することで、傾斜片12a,12aや段差部40又は43に係合される。
【0049】
[9.取付ボルトの変形例]
図15に示すように、取付ボルト31の先端部には、直径線方向に貫通したピン孔53が設けられている。ナット33がねじ部31aに締め付けられた後、露出したねじ部31aの先端部にあるピン孔53には、止めピン54を差すことが出来る。これにより、ナット33の緩み止めを実現出来る。
【0050】
[10.取付部材の変形例1]
図16及び図17には、取付部材21の変形例1を示す。図16及び図17の取付部材21は、上述した取付ボルト31の落下を防止する落下防止片27,27(図3参照)に代えて、ボルト頭部31bに対応した形状の収納凹部61を有することを特徴とする。すなわち、平面視略矩形を成す本体部22は、周囲の側面60が取付ボルト31の挿通孔24への挿入側に延長して設けられ、内側に、挿通孔24と連通して収納凹部61が設けられている。収納凹部61は、ボルト頭部31bの周囲を囲繞する側壁61aを有し、ボルト頭部31bの厚さと略同じ深さで、底面の中央部で挿通孔24と連通している。収納凹部61は、ボルト頭部31bに対応した形状、ここでは六角形を成し、ほぼ同じ大きさに設けられることで、ボルト頭部31bが嵌入されてこれを保持する。収納凹部61は、ボルト頭部31bの周囲を側壁61aで囲むように構成されることで、落下防止片27,27(図3参照)よりも強度が増し、取付ボルト31にナット33を締め付ける際に側壁61aが加わる回転力によっても変形又は破損しないようになっている。
【0051】
収納凹部61の側壁61aには、ボルト頭部31bを確実に保持するための圧接突部62が設けられている。ここでは、圧接突部62は、各側壁61aの幅方向略中央部に、深さ方向に亘って僅かに突出して形成され、ボルト頭部31bの側面と圧接されることで、収納凹部61内に確実に保持する。圧接突部62は、収納凹部61の開口端側に、ボルト頭部31bの挿入ガイド部となる傾斜部62aを設けて、ボルト頭部31bを圧接挿入がし易くしている。なお、圧接突部62は、少なくとも、側壁61aに1カ所形成されていれば良いが、好ましくは、3つ以上、更に好ましくは、各側壁61aに形成することが良い。また、収納凹部61は、ボルト頭部31bとの大きさとの関係を考慮して調整して、圧接突部62を形成することなく、側壁61aでボルト頭部31bを圧接保持するようにしても良い。更に、収納凹部61の深さは、ボルト頭部31bの厚さより深くても、浅くても良いが、深い方がボルト頭部31bを一層確実に保持することが出来る。
【0052】
本体部22の側面60の短辺側には、高さ方向に第一リブ28a,28aが設けられている。第一リブ28a,28aは、ボルト頭部31bが収納凹部61に圧接保持され、取付ボルト31にナット33を締め付ける際に、側壁61aが加わる回転力によって変形又は破損しないように補強する。また、本体部22の側面60の短辺側には、溝部23の開口端に沿って第二リブ28b,28bが設けられている。第二リブ28b,28bは、外側面がルーバー10の相対する側面10b,10bの内面に確実に当接し、取付ボルト31にナット33を締め付ける際に回転力(締結力)を確りと受け、取付ボルト31とナット33とを強固に締結できるようにする。勿論、第二リブ28b,28bは、上面側端面が当接部26,26と連続した面一の面となり、当接部26,26の面積を拡大する効果も有する。また、第一及び第二リブ28a,28bは、外側面がルーバー10の相対する側面が内側に当接し、ルーバー10の相対する側面が内側に撓み過ぎないようにもする。なお、ここでは、第一リブ28a,28aと第二リブ28b,28bとが連続してT字状に形成されているが、両者は、非連続であっても良い。
【0053】
ルーバー10を横梁5のフランジ部6に取り付けるときには、先ず、取付ボルト31のねじ部31aを、取付部材21の下面側から挿通孔24に挿通し、ボルト頭部31bを、収納凹部61に嵌入し、取付部材21に対して取付ボルト31を仮止めする。ボルト頭部31bは、側面が圧接突部62に圧接されることで、収納状態が保持され、収納凹部61から落下しないようになる。また、圧接突部62は、傾斜部62aが収納凹部61の開口端側に設けられていることで、円滑に、ボルト頭部31bを収納凹部61に嵌入することが出来る。次いで、取付ボルト31が収納凹部61に仮止めされた取付部材21は、向きを、本体部22の長辺と開口部11の長手方向とが略平行となる状態にして、収納凹部61がある下面側を挿入端として、ルーバー10の開口部11に挿入される(図6−図8参照)。
【0054】
次いで、取付ボルト31が収納凹部61に仮止めされた取付部材21は、開口部11よりルーバー10内に挿入された状態において、略90°回転され(図9(A)中両矢印参照)、本体部22の短辺と開口部11の長手方向とが平行な状態で、本体部22の長辺が開口部11を跨ぐ状態にされる。例えば、この作業は、取付ボルト31のボルト頭部31bが収納凹部61によって確実に保持され、取付ボルト31が取付部材21に対して回転止めされているので、作業者がルーバー10の開口部11より外方に突出した取付ボルト31のねじ部31aを回転することによって容易に行うことが出来る。
【0055】
次いで、ルーバー10の開口部11より外方に突出した状態が保持されている取付ボルト31が上側に引き上げられると、ルーバー10の開口部11のリップ部12,12の傾斜片12a,12aは、係合片25,25と溝部23の側壁との間に挿入され、係合片25,25と係合する(図9及び図10参照)。これにより、取付部材21は、取付ボルト31が落下しない状態でルーバー10に仮止めされる。したがって、作業者は、次工程において、横梁5のフランジ部6への取付作業を、取付部材21がルーバー10より外れることや取付ボルト31が取付部材21の収納凹部61からルーバー10内に落下することを気にすることなく、容易に行うことが出来る。
【0056】
この後、ルーバー10に取付部材21が仮止めされて開口部11より外方に突出した取付ボルト31は、横梁5のフランジ部6の取付孔7に挿通され、更に、フランジ部6の反対面よりワッシャ32を存してナット33が締め付けられる。取付ボルト31のねじ部31aにナット33が締め付けられると、フランジ部6に対してルーバー10が引き寄せられる。すなわち、取付部材21の溝部23の両側にある当接部26,26は、締結力によって、ルーバー10の内側よりルーバー10の端面部13,13を持ち上げ、横梁5のフランジ部6に圧接し、端面部13,13をフランジ部6とで挟み込む。これによって、ルーバー10は、取付部材21を介して横梁5のフランジ部6に取り付けられることになる(図11参照)。この際、取付ボルト31は、ボルト頭部31bが収納凹部61によって全体が強固な状態で保持されているので、回転力を確実に受けることが出来、取付ボルト31に対してナット33を強固に締め付けることが出来る。加えて、第二リブ28b,28bは、外側面が取付ボルト31にナット33を締め付ける際にルーバー10の相対する側面10b,10bの内面に確実に当接して、回転力を確実に受けるので、一層、取付ボルト31に対してナット33を強固に締め付けることが出来る。
【0057】
[11.取付部材の変形例2]
図18には、図16及び図17に示した取付部材21の変形例を示す。この取付部材では、図16及び図17に示した取付部材21の収納凹部61の開口端に、内側に向かって挿通孔24に挿通した取付ボルト31の落下を防止する落下防止突起66,66が設けられている。例えば、落下防止突起66,66は、側面60を下方に延長し、収納凹部61の開口端の下側に形成することが出来る。勿論、収納凹部61を若干浅く形成し、開口端に落下防止突起66,66を形成するようにしても良い。このような落下防止突起66,66は、ルーバー10の取付作業時、仮に、収納凹部61から脱落することがあっても、ボルト頭部31bが係合することで、取付ボルト31が取付部材21からルーバー10内に落下することを防止することが出来る。この取付部材21には、落下防止突起66,66を金型で成形するための抜き孔66aが形成される。なお、落下防止突起66,66は、収納凹部61の開口端の全周に亘って設けても良いが、取付ボルト31が落下しないのであれば、収納凹部61の開口端の一部にだけ設けても良い。
【符号の説明】
【0058】
1 吸音システム、2 高架道路等、3 一般道路、4 吊り材、5 横梁、6 フランジ部、7 取付孔、10 ルーバー、10a 鋭角部、10b 側面部、11 開口部、12 リップ部、12a 傾斜片、13 端面部、20 取付治具、21 取付部材、22 本体部、23 溝部、24 挿通孔、25 係合片、25a,25a 突起、26 当接部、27,27 落下防止片、27a,27a 突起、28,28 リブ、28a 第一リブ、28b 第二リブ、31 取付ボルト、31a ねじ部、31b ボルト頭部、32 ワッシャ、33 ナット、40,43 段差部、41 垂直片、42 水平片、44 垂直片、45 折り返し片、51 係合片、52 係合部、53 ピン孔、54 止めピン、60 側面、61 収納凹部、62 圧接突部、62a 傾斜部、66 落下防止突起、66a 抜き孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ルーバーと、
上記ルーバーが取り付けられる取付孔が形成された支持部材と、
上記ルーバーを上記支持部材に取り付ける取付治具とを備え、
上記ルーバーの上側は、支持部材に当接する端面部が設けられ、該端面部に開口部が設けられ、該開口部の相対する平行な端部が内側に折曲されてリップ部が設けられ、
上記取付治具は、取付部材と、取付ボルトとを有し、
上記取付部材は、上記ルーバーの開口部より上記ルーバー内に挿入され、上記取付ボルトが挿通される挿通孔が設けられた本体部と、
上記ルーバーのリップ部を避けるように設けられる溝部と、
上記溝部に設けられ上記溝部内に位置した上記ルーバーのリップ部と係合する係合片と、
上記溝部の外側に設けられ上記ルーバーの端面部の内面に当接される当接部とを有し、
上記取付部材は、上記取付ボルトが上記挿通孔に挿入された状態で、上記ルーバーの開口部より上記ルーバー内に挿入されると、上記取付部材の溝部の側壁と上記係合片との間に上記ルーバーのリップ部が挿入され、
上記取付部材の開口部に挿入された上記係合片が上記リップ部に係合されると共に、上記取付部材の挿通孔に挿入された取付ボルトが上記支持部材の取付孔に挿通され、締め付けられると、上記取付部材の当接部が、上記ルーバーの端面部を上記支持部材に圧接し、上記支持部材とで挟み込むことを特徴とするルーバーの取付構造。
【請求項2】
上記取付部材の本体部は、平面視略矩形であり、長辺が上記開口部の幅より長く、
上記取付部材は、上記長辺を上記ルーバーの開口部の長手方向と平行にして該開口部より上記ルーバー内に挿入され、
上記本体部の長辺が上記開口部の長手方向と略直交するように回転されると、上記取付部材の溝部に上記ルーバーのリップ部が挿入可能な状態となることを特徴とする請求項1記載のルーバーの取付構造。
【請求項3】
上記取付部材の本体部には、上記取付ボルトの挿入側に、上記取付ボルトのボルト頭部と係合する落下防止片が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のルーバーの取付構造。
【請求項4】
上記取付部材の本体部には、上記取付ボルトの挿入側に、上記取付ボルトのボルト頭部の周囲を囲繞する側壁によって、上記ボルト頭部に対応した形状の収納凹部が設けられ、
上記収納凹部には、上記ボルト頭部が嵌入されることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のルーバーの取付構造。
【請求項5】
上記リップ部は、先端が幅方向中央に向かう傾斜片であることを特徴とする請求項1−請求項4のうち何れか1項記載のルーバーの取付構造。
【請求項6】
上記リップ部は、先端を折り返して形成し、上記取付部材の係合片が係合する段差部が設けられていることを特徴とする請求項1−請求項4のうち何れか1項記載のルーバーの取付構造。
【請求項7】
上記取付部材の係合片の高さは、上記当接部の高さとほぼ同じ又は低いことを特徴とする請求項1−請求項6のうち何れか1項記載のルーバーの取付構造。
【請求項8】
上側に、支持部材に当接する端面部が設けられ、該端面部に開口部が設けられ、該開口部の相対する平行な端部が内側に折曲されてリップ部が設けられているルーバーを、上記ルーバーが取り付けられる取付孔が形成された上記支持部材に取り付ける取付治具であって、
当該取付治具は、取付部材と、取付ボルトとを有し、
上記取付部材は、上記ルーバーの開口部より上記ルーバー内に挿入され、上記取付ボルトが挿通される挿通孔が設けられた本体部と、
上記ルーバーのリップ部を避けるように設けられる溝部と、
上記溝部に設けられ上記溝部内に位置した上記ルーバーのリップ部と係合する係合片と、
上記溝部の外側に設けられ上記ルーバーの端面部の内面に当接される当接部とを有し、
上記取付部材は、上記取付ボルトが上記挿通孔に挿入された状態で、上記ルーバーの開口部より上記ルーバー内に挿入されると、上記取付部材の溝部の側壁と上記係合片との間に上記ルーバーのリップ部が挿入され、
上記取付部材の開口部に挿入された上記係合片が上記リップ部に係合されると共に、上記取付部材の挿通孔に挿入された取付ボルトが上記支持部材の取付孔に挿通され、締め付けられると、上記取付部材の当接部が、上記ルーバーの端面部を上記支持部材に圧接し、上記支持部材とで挟み込むことを特徴とするルーバーの取付治具。
【請求項9】
上記取付部材の本体部は、平面視略矩形であり、長辺が上記開口部の幅より長く、
上記取付部材は、上記長辺を上記ルーバーの開口部の長手方向と平行にして該開口部より上記ルーバー内に挿入され、
上記本体部の長辺が上記開口部の長手方向と略直交するように回転されると、上記取付部材の溝部に上記ルーバーのリップ部が挿入可能な状態となることを特徴とする請求項8記載のルーバーの取付治具。
【請求項10】
上記取付部材の本体部には、上記取付ボルトの挿入側に、上記取付ボルトのボルト頭部と係合する落下防止片が設けられていることを特徴とする請求項8又は請求項9記載のルーバーの取付治具。
【請求項11】
上記取付部材の本体部には、上記取付ボルトの挿入側に、上記取付ボルトのボルト頭部の周囲を囲繞する側壁によって、上記ボルト頭部に対応した形状の収納凹部が設けられ、
上記収納凹部には、上記ボルト頭部が嵌入されることを特徴とする請求項8又は請求項9記載のルーバーの取付治具。
【請求項12】
上記リップ部は、先端が幅方向中央に向かう傾斜片であることを特徴とする請求項8−請求項11のうち何れか1項記載のルーバーの取付治具。
【請求項13】
上記リップ部は、先端を折り返して形成し、上記取付部材の係合片が係合する段差部が設けられていることを特徴とする請求項8−請求項11のうち何れか1項記載のルーバーの取付治具。
【請求項14】
上記取付部材の係合片の高さは、上記当接部の高さと略同じ又は低いことを特徴とする請求項8−請求項13のうち何れか1項記載のルーバーの取付治具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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