ルーバー
【課題】送風ダクトの下流側の端部との間からの空気の漏れや送風ダクトに対するルーバー本体のガタつきを防止できる構造でありながら、外観品質を向上させることができ、ガーニッシュの色の自由度を上げることができ、部品点数を少なくすることができ、製作コストを低廉化することができるルーバーを提供する。
【解決手段】ルーバー本体24の上流側の端部24Jの嵌合部26が送風ダクト11の下流側の端部11Kの被嵌合部16に内嵌し、空気送風部1から送風ダクト10に送風された空気を車室内W1に案内して吹き出すルーバーであって、被嵌合部16の被嵌合面16Mに圧接して被嵌合面16Mとの間からの空気の漏れを阻止する空気漏れ阻止リブ27が嵌合部26に立設されている。
【解決手段】ルーバー本体24の上流側の端部24Jの嵌合部26が送風ダクト11の下流側の端部11Kの被嵌合部16に内嵌し、空気送風部1から送風ダクト10に送風された空気を車室内W1に案内して吹き出すルーバーであって、被嵌合部16の被嵌合面16Mに圧接して被嵌合面16Mとの間からの空気の漏れを阻止する空気漏れ阻止リブ27が嵌合部26に立設されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、
ルーバー本体の上流側の端部の嵌合部が送風ダクトの下流側の端部の被嵌合部に内嵌し、
空気送風部から送風ダクトに送風された空気を車室内に案内して吹き出すルーバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ルーバー本体の上流側の端部の嵌合部は送風ダクトの下流側の端部の被嵌合部に直接内嵌していた。しかしながら、この構造では次のような問題があった。
すなわち、車両に搭載されたHVAC(空気調整機)等の空気送風部からの空気を送風する送風ダクトの下流側の端部は、ルーバーの組付け性を向上させるため、送風ダクトの下流側の端部の開口は後ろ上方を向いている。
その上、送風ダクトの下流側の端部とルーバー本体の上流側の端部にはそれぞれ抜き勾配がつけられて、前者が下流側に向かって少しだけ広がるテーパ筒状に形成されているのに対し、後者は、上流側に向かって少しだけ広がるテーパ筒状に形成されている。
そのために、送風ダクトの下流側の端部の被嵌合面とルーバー本体の上流側の端部の嵌合面とは平行になっていない。
このような構造において、従来のように、ルーバー本体の上流側の端部の嵌合部を送風ダクトの下流側の端部の被嵌合部に直接内嵌させるレイアウトでは、ルーバーの上流側の端部と送風ダクトの下流側の端部の間に隙間ができてしまい、前記隙間からの空気の漏れやルーバーのガタつき等が発生しやすかった。
この問題を解消するために、図7に示すように、ルーバー20のルーバー本体24をガーニッシュ30に組み付け、その組み付け状態でガーニッシュ30の嵌合筒部30Aを送風ダクト10の下流側の端部10Kの被嵌合部16に嵌合させて、送風ダクト10の下流側の端部10Kとルーバー本体24の上流側の端部24Jの間にガーニッシュ30を介在させる手段があった。図7の符号25はルーバー20の横フィンである。
別の手段として、ルーバー本体の上流側の端面にウレタン製のパッキング材を貼り付け、ルーバー本体の上流側の端面と、送風ダクトの下流側の拡径した端部に設けられた前記下流側を向く段差面との間にパッキング材を介在させる手段や、嵌合部に熱膨張率の異なる樹脂を積層する手段(特許文献1参照)があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−36752号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、送風ダクトの下流側の端部とルーバー本体の上流側の端部の間にガーニッシュを介在させる手段では、ルーバーの隣り合うフィン同士の間からガーニッシュが乗員に見える可能性があり、ルーバーとガーニッシュの色が異なる場合、例えばルーバーが黒、送風ダクトが黒でガーニッシュが白の場合、見映えが悪くなっていた。そのために、送風ダクトとガーニッシュの色を同じにするなど、ガーニッシュの色に配慮する必要があり、ガーニッシュの色の自由度が低くなっていた。
また、ルーバー本体の上流側の端面と、送風ダクトの下流側の拡径した端部に設けられた前記下流側を向く段差面との間にパッキング材を介在させる手段では、部品点数が多くなる上に、パッキング材を組み付ける組み付け工数が増え、パッキング材の材料費分の製品コストが高くなっていた。嵌合部に熱膨張率の異なる樹脂を積層する手段でも同様の問題がある。
本発明は上記実状に鑑みて成されたもので、その目的は、送風ダクトの下流側の端部とルーバー本体の上流側の端部との間からの空気の漏れや送風ダクトに対するルーバー本体のガタつきを防止できる構造でありながら、外観品質を向上させることができ、ガーニッシュの色の自由度を上げることができ、部品点数を少なくすることができ、製作コストを低廉化することができるルーバーを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の特徴は、
ルーバー本体の上流側の端部の嵌合部が送風ダクトの下流側の端部の被嵌合部に内嵌し、
空気送風部から送風ダクトに送風された空気を車室内に案内して吹き出すルーバーであって、
前記被嵌合部の被嵌合面に圧接して前記被嵌合面との間からの空気の漏れを阻止する空気漏れ阻止リブが前記嵌合部に立設されている点にある。(請求項1)
【0006】
この構成によれば、ルーバー本体の上流側の端部の嵌合部に立設された空気漏れ阻止リブが、送風ダクトの下流側の端部に設けられた被嵌合部の被嵌合面に圧接するから、送風ダクトの下流側の端部とルーバー本体の上流側の端部との間からの空気の漏れを前記空気漏れ阻止リブで阻止することができ、ルーバー本体のガタつきを防止することができる。
また、送風ダクトの下流側の端部とルーバー本体の上流側の端部との間にガーニッシュを介在させていないので、ルーバーの隣り合うフィン同士の間からガーニッシュが乗員に見える不具合が発生することがない。従って、送風ダクトの下流側の端部とルーバー本体の上流側の端部との間にガーニッシュを介在させた構造に比べると、ルーバーの外観品質を向上させることができる。さらに、ガーニッシュの色を送風ダクトの色やルーバーの色に合わせなくてもよくなって、ガーニッシュの色の自由度を上げることができる。
そして、送風ダクトの下流側の端部とルーバー本体の上流側の端部の間にパッキング材を介在させていないので、部品点数の増加や重量の増加を抑制することができるとともに、組み付け工数の増加を抑制することができ、材料費分の製品コストが高くなることを抑制することができる。(請求項1)
【0007】
本発明において、
前記空気漏れ阻止リブは前記嵌合部に、その全周にわたって立設されていると、送風ダクトの下流側の端部とルーバー本体の上流側の端部との間からの空気漏れを前記空気漏れ阻止リブでより確実に阻止することができ、ルーバー本体のガタつきをより確実に防止することができる。(請求項2)
【0008】
本発明において、
前記空気漏れ阻止リブは前記ルーバー本体の上流側の開口端よりも前記ルーバー本体の下流側に位置し、
前記被嵌合部を前記空気漏れ阻止リブに案内するガイドリブが、前記開口端と前記空気漏れ阻止リブとの間の前記ルーバー本体の嵌合部に立設され、
前記ガイドリブは前記空気漏れ阻止リブ側ほど高さ寸法が高い三角リブ状に形成されていると、次の作用を奏することができる。(請求項3)
【0009】
前記被嵌合部を前記空気漏れ阻止リブに案内するガイドリブが、前記開口端と前記空気漏れ阻止リブとの間の前記ルーバー本体の嵌合部に立設されているから、ルーバー本体の上流側の端部の嵌合部を送風ダクトの下流側の端部の被嵌合部に内嵌させる際にガイドリブがガイド機能を発揮して、前記嵌合部を前記被嵌合部に円滑に内嵌させることができ、組み付け性を向上させることができる。
また、前記ガイドリブは前記空気漏れ阻止リブ側ほど高さ寸法が高い三角リブ状に形成されているから、簡素なリブ構造でありながら、ガイド機能を十分発揮することができる。(請求項3)
【0010】
本発明において、
前記ガイドリブは前記空気漏れ阻止リブに接続していると、ルーバー本体の剛性を上げることができ、ルーバー本体の変形を防ぐことができて、ルーバー本体の送風ダクトへの組み付け性を向上させることができる。また、ルーバー本体の嵌合部の剛性を上げることができ、内部を流れる温冷風によりルーバー本体が熱変形することを防ぐことができて、空気漏れをより確実に防止することができる。(請求項4)
【0011】
本発明において、
前記空気漏れ阻止リブの頂面は前記ルーバー本体の下流側ほど前記ルーバー本体の外周面との距離が長い傾斜面に構成されていると、次の作用を奏することができる。(請求項5)
【0012】
前記空気漏れ阻止リブの頂面は前記ルーバー本体の下流側ほど前記ルーバー本体の外周面との距離が長い傾斜面に構成されているから、ルーバー本体の上流側の端部の嵌合部を送風ダクトの下流側の端部の被嵌合部に内嵌させる際に空気漏れ阻止リブの頂面がガイド機能を発揮して、前記嵌合部を前記被嵌合部に円滑に内嵌させることができ、組み付け性を向上させることができる。また、前記嵌合部が被嵌合部に嵌合した後の密着性を向上させることができる。(請求項5)
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、
送風ダクトの下流側の端部とルーバー本体の上流側の端部との間からの空気の漏れや送風ダクトに対するルーバー本体のガタつきを防止できる構造でありながら、外観品質を向上させることができ、ガーニッシュの色の自由度を上げることができ、部品点数を少なくすることができ、製作コストを低廉化できるルーバーを提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】自動車の送風構造の分解斜視図
【図2】組み付け前のガーニッシュとルーバーを示す斜視図
【図3】ベントダクトと、ルーバーが組み付けられたガーニッシュとを示す斜視図
【図4】ベントダクトとルーバーを示す斜視図
【図5】組み付け状態のベントダクトとガーニッシュとルーバーの縦側断面図
【図6】ルーバーの上流側の端部の斜視図
【図7】従来の技術の縦側断面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
図1に自動車の送風構造を示してある。この送風構造はHVAC1(Heating Ventilating Air−Conditioning、空気送風部に相当)を備え、HVAC1で温度調整した空気をベントダクト10(送風ダクトに相当)に送風し、インストルメントパネルに設けられた後述の各ルーバー(左右一対の内側ルーバー20、左右一対の外側ルーバー)などから車室内W1(図5参照)に吹き出すよう構成されている。
【0016】
HVAC1は、空気取り入れ部2と空気調整部3と送風部4を備え、ダッシュパネル5とインストルメントパネルの間に搭載されてフロアパネルとダッシュパネル5に支持されている。
【0017】
図1〜図3に示すように、乗員に対向するインストルメントパネルの縦壁部に横長の長方形状のガーニッシュ30が取り付けられている。ガーニッシュ30には、操作パネル取り付け用の中央開口部38が車両の左右中央側に位置するように形成され、中央開口部38の両側に左右一対の内側開口部31(車幅方向で内側に位置する開口部)が形成されている。そして、前記左右一対の内側開口部31に、車幅方向で内側に位置する左右一対の内側ルーバー20が各別に取り付けられている。
【0018】
また、インストルメントパネルの縦壁部の左端部に左側開口部が形成され、縦壁部の右端部に右側開口部が形成されている。さらに、前記右側開口部に重なるガーニッシュ30の外側開口部32(図1参照)に外側ルーバーが取り付けられ、前記左側開口部に重なる別のガーニッシュの外側開口部に別の外側ルーバーが取り付けられている。
【0019】
そして、左右一対の内側ルーバー20と左右一対の外側ルーバーがベントダクト10を介してHVAC1の空気送出口と連通接続している。各ルーバー20はHVAC1からベントダクト10に送風された空気を車室内W1(図5参照)に案内して吹き出す。
【0020】
図1,図3に示すように、前記ベントダクト10は左右一対の内側ダクト部11と左右一対の外側ダクト部12(図3においては左の外側ルーバーは描かれていない)とから成り、左右一対の内側ルーバー20が左右一対の内側ダクト部11の下流側の端部11K(送風ダクトの下流側の端部に相当)に各別に連通接続し、左右一対の外側ルーバーが左右一対の外側ダクト部12の下流側の端部12Kに各別に連通接続している。
【0021】
[内側ルーバー20の構造、及び内側ルーバー20の取り付け構造]
図4,図5に示すように、内側ルーバー20は、縦長の角筒状のルーバー本体24と、ルーバー本体24の両側壁24Sに架け渡された複数の横フィン25と、複数の横フィン25の上流側でルーバー本体24の上下両壁24Tに架け渡された複数の縦フィン29とを備えている。
【0022】
ルーバー本体24の軸芯方向中央よりも下流側の部分は下流側に向かって広がるテーパー筒状に形成されている。また、ルーバー本体24の軸芯方向中央よりも上流側の部分は、上流側に向かって広がるテーパー筒状に形成されている。そして、ルーバー本体24の下流側の端部24Kは残部に対して拡径している。
【0023】
前記複数の横フィン25は横軸芯周りに回転自在に構成され、複数の縦フィン29は縦軸芯周りに回転自在に構成されている。また、複数の横フィン25のうち上下中央側の隣り合う一対の横フィン25同士の間から車室内側W1に舌片状の操作片35が突出している。この操作片35を上下に操作することで、前記複数の横フィン25が前記横軸芯周りに上下に揺動し、操作片35を左右に操作することで、前記複数の縦フィン29が前記縦軸芯周りに左右に揺動して、車室内W1への空気の吹き出し方向を調整する。
【0024】
前記ルーバー本体24の下流側の端部24Kには複数の係合爪が形成され、前記複数の係合爪が、ガーニッシュ30の内側開口部31に形成された複数の係合部に各別に係合している。
【0025】
図5,図6に示すように、ルーバー本体24の上流側の端部24Jの外周部に嵌合部26が設けられ、この嵌合部26が、内側ダクト部11の下流側の端部11Kに設けられた被嵌合部16に内嵌している。そして、内側ダクト部11の被嵌合部16の被嵌合面16Mに圧接して前記被嵌合面16Mとの間からの空気の漏れを阻止する空気漏れ阻止リブ27が、前記嵌合部26に全周にわたって立設されている。前記空気漏れ阻止リブ27の頂面27Tはルーバー本体24の下流側ほどルーバー本体24の外周面24Gとの距離が長い傾斜面に構成されている。
【0026】
図5に示すように、前記空気漏れ阻止リブ27はルーバー本体24の上流側の開口端24J1よりもルーバー本体24の下流側に位置している。そして、内側ダクト部11の被嵌合部16をルーバー本体24の空気漏れ阻止リブ27に案内する複数のガイドリブ28が、前記開口端24J1と空気漏れ阻止リブ27との間のルーバー本体24の嵌合部26に立設されている。
【0027】
前記複数のガイドリブ28はルーバー本体24の嵌合部26の全周にわたって分散配設されている。本実施形態では、一例として、ルーバー本体24の上壁24Tと下壁24Tに2個ずつ設けられ、左右一対の側壁24Sに3個ずつ設けられている(ガイドリブ28の数は上記の数に限られず、上記以外の数であってもよい)。
【0028】
このガイドリブ28は前記空気漏れ阻止リブ27側ほど(下流側ほど)高さ寸法が高い三角リブ状に形成されてルーバー本体24の軸芯方向に延び、ガイドリブ28の空気漏れ阻止リブ27側の頂面が空気漏れ阻止リブ27の頂面27Tに滑らかに連なっている。ガイドリブ28の下流側の端部28Kは空気漏れ阻止リブ27の両壁面27S1,27S2のうち上流側の壁面27S1に接続している。
【0029】
上記の構造により、
(1) ルーバー本体24の上流側の端部24Jの嵌合部26に立設された空気漏れ阻止リブ27が、ベントダクト10の内側ダクト部11の下流側の端部11Kに設けられた被嵌合部16の被嵌合面16Mに圧接する。これにより、嵌合部26と被嵌合部16との間からの下流側への空気の漏れを空気漏れ阻止リブ27で阻止することができ、ルーバー本体24のガタつきを防止することができる。
また、前記内側ダクト部11の下流側の端部11Kとルーバー本体24の上流側の端部24Jとの間にガーニッシュ30を介在させていないので、ルーバー20の横フィン25や縦フィン29の隣り合うもの同士の間から色の異なるガーニッシュ30が乗員に見える不具合が発生することがない。
従って、前記内側ダクト部11の下流側の端部11Kとルーバー本体24の上流側の端部24Jとの間にガーニッシュ30を介在させた構造に比べると、ルーバー20の外観品質を向上させることができる。さらに、ガーニッシュ30の色をベントダクト10の色やルーバー20の色に合わせなくてもよくなって、ガーニッシュ30の色の自由度を上げることができる。
そして、ルーバー本体24の上流側の端部24Jと内側ダクト部11の下流側の端部11Kとの間にパッキング材を介在させていないので、部品点数の増加や重量の増加を抑制することができるとともに、組み付け工数の増加を抑制することができ、材料費分の製品コストが高くなることを抑制することができる。
【0030】
(2) 前記空気漏れ阻止リブ27は前記嵌合部26に、その全周にわたって立設されているから、内側ダクト部11の下流側の端部11Kとルーバー本体24の上流側の端部24Jとの間からの空気の漏れを空気漏れ阻止リブ27でより確実に阻止することができ、ルーバー本体24のガタつきをより確実に防止することができる。
【0031】
(3) 前記被嵌合部16を前記空気漏れ阻止リブ27に案内するガイドリブ28が、前記開口端24J1と空気漏れ阻止リブ27との間のルーバー本体24の嵌合部26に立設されているから、ルーバー本体24の上流側の端部24Jの嵌合部26を内側ダクト部11の下流側の端部11Kの被嵌合部16に内嵌させる際にガイドリブ28がガイド機能を発揮して、嵌合部26を被嵌合部16に円滑に内嵌させることができ、組み付け性を向上させることができる。
また、ガイドリブ28は空気漏れ阻止リブ27側ほど高さ寸法が高い三角リブ状に形成されているから、簡素なリブ構造でありながらガイド機能を十分発揮することができる。
【0032】
(4) 前記ガイドリブ28は空気漏れ阻止リブ27に接続しているから、ルーバー本体24の剛性を上げることができ、ルーバー本体24の変形を防ぐことができて、ルーバー本体24のベントダクト10(内側ダクト部11の下流側の端部11K)への組み付け性を向上させることができる。また、ルーバー本体24の嵌合部26の剛性を上げることができて、内部を流れる温冷風によりルーバー本体24が熱変形することを防ぐことができて、空気漏れをより確実に防止することができる。
【0033】
(5) 前記空気漏れ阻止リブ27の頂面27Tはルーバー本体24の下流側ほどルーバー本体24の外周面24Gとの距離が長い傾斜面に構成されているから、ルーバー本体24の上流側の端部24Jの嵌合部26を内側ダクト部11の下流側の端部11Kの被嵌合部16に内嵌させる際に空気漏れ阻止リブ27の頂面27Tがガイド機能を発揮して、嵌合部26を被嵌合部16に円滑に内嵌させることができ、組み付け性を向上させることができる。また、嵌合部26が被嵌合部16に嵌合した後の密着性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0034】
1 空気送風部(HVAC)
10 送風ダクト(ベントダクト)
11K 送風ダクトの下流側の端部(ベントダクトの内側ダクト部の下流側の端部)
16 被嵌合部
16M 被嵌合面
24 ルーバー本体
24J ルーバー本体の上流側の端部
24J1 開口端
24G ルーバー本体の外周面
26 嵌合部
27 空気漏れ阻止リブ
27T 空気漏れ阻止リブの頂面
28 ガイドリブ
W1 車室内
【技術分野】
【0001】
本発明は、
ルーバー本体の上流側の端部の嵌合部が送風ダクトの下流側の端部の被嵌合部に内嵌し、
空気送風部から送風ダクトに送風された空気を車室内に案内して吹き出すルーバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ルーバー本体の上流側の端部の嵌合部は送風ダクトの下流側の端部の被嵌合部に直接内嵌していた。しかしながら、この構造では次のような問題があった。
すなわち、車両に搭載されたHVAC(空気調整機)等の空気送風部からの空気を送風する送風ダクトの下流側の端部は、ルーバーの組付け性を向上させるため、送風ダクトの下流側の端部の開口は後ろ上方を向いている。
その上、送風ダクトの下流側の端部とルーバー本体の上流側の端部にはそれぞれ抜き勾配がつけられて、前者が下流側に向かって少しだけ広がるテーパ筒状に形成されているのに対し、後者は、上流側に向かって少しだけ広がるテーパ筒状に形成されている。
そのために、送風ダクトの下流側の端部の被嵌合面とルーバー本体の上流側の端部の嵌合面とは平行になっていない。
このような構造において、従来のように、ルーバー本体の上流側の端部の嵌合部を送風ダクトの下流側の端部の被嵌合部に直接内嵌させるレイアウトでは、ルーバーの上流側の端部と送風ダクトの下流側の端部の間に隙間ができてしまい、前記隙間からの空気の漏れやルーバーのガタつき等が発生しやすかった。
この問題を解消するために、図7に示すように、ルーバー20のルーバー本体24をガーニッシュ30に組み付け、その組み付け状態でガーニッシュ30の嵌合筒部30Aを送風ダクト10の下流側の端部10Kの被嵌合部16に嵌合させて、送風ダクト10の下流側の端部10Kとルーバー本体24の上流側の端部24Jの間にガーニッシュ30を介在させる手段があった。図7の符号25はルーバー20の横フィンである。
別の手段として、ルーバー本体の上流側の端面にウレタン製のパッキング材を貼り付け、ルーバー本体の上流側の端面と、送風ダクトの下流側の拡径した端部に設けられた前記下流側を向く段差面との間にパッキング材を介在させる手段や、嵌合部に熱膨張率の異なる樹脂を積層する手段(特許文献1参照)があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−36752号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、送風ダクトの下流側の端部とルーバー本体の上流側の端部の間にガーニッシュを介在させる手段では、ルーバーの隣り合うフィン同士の間からガーニッシュが乗員に見える可能性があり、ルーバーとガーニッシュの色が異なる場合、例えばルーバーが黒、送風ダクトが黒でガーニッシュが白の場合、見映えが悪くなっていた。そのために、送風ダクトとガーニッシュの色を同じにするなど、ガーニッシュの色に配慮する必要があり、ガーニッシュの色の自由度が低くなっていた。
また、ルーバー本体の上流側の端面と、送風ダクトの下流側の拡径した端部に設けられた前記下流側を向く段差面との間にパッキング材を介在させる手段では、部品点数が多くなる上に、パッキング材を組み付ける組み付け工数が増え、パッキング材の材料費分の製品コストが高くなっていた。嵌合部に熱膨張率の異なる樹脂を積層する手段でも同様の問題がある。
本発明は上記実状に鑑みて成されたもので、その目的は、送風ダクトの下流側の端部とルーバー本体の上流側の端部との間からの空気の漏れや送風ダクトに対するルーバー本体のガタつきを防止できる構造でありながら、外観品質を向上させることができ、ガーニッシュの色の自由度を上げることができ、部品点数を少なくすることができ、製作コストを低廉化することができるルーバーを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の特徴は、
ルーバー本体の上流側の端部の嵌合部が送風ダクトの下流側の端部の被嵌合部に内嵌し、
空気送風部から送風ダクトに送風された空気を車室内に案内して吹き出すルーバーであって、
前記被嵌合部の被嵌合面に圧接して前記被嵌合面との間からの空気の漏れを阻止する空気漏れ阻止リブが前記嵌合部に立設されている点にある。(請求項1)
【0006】
この構成によれば、ルーバー本体の上流側の端部の嵌合部に立設された空気漏れ阻止リブが、送風ダクトの下流側の端部に設けられた被嵌合部の被嵌合面に圧接するから、送風ダクトの下流側の端部とルーバー本体の上流側の端部との間からの空気の漏れを前記空気漏れ阻止リブで阻止することができ、ルーバー本体のガタつきを防止することができる。
また、送風ダクトの下流側の端部とルーバー本体の上流側の端部との間にガーニッシュを介在させていないので、ルーバーの隣り合うフィン同士の間からガーニッシュが乗員に見える不具合が発生することがない。従って、送風ダクトの下流側の端部とルーバー本体の上流側の端部との間にガーニッシュを介在させた構造に比べると、ルーバーの外観品質を向上させることができる。さらに、ガーニッシュの色を送風ダクトの色やルーバーの色に合わせなくてもよくなって、ガーニッシュの色の自由度を上げることができる。
そして、送風ダクトの下流側の端部とルーバー本体の上流側の端部の間にパッキング材を介在させていないので、部品点数の増加や重量の増加を抑制することができるとともに、組み付け工数の増加を抑制することができ、材料費分の製品コストが高くなることを抑制することができる。(請求項1)
【0007】
本発明において、
前記空気漏れ阻止リブは前記嵌合部に、その全周にわたって立設されていると、送風ダクトの下流側の端部とルーバー本体の上流側の端部との間からの空気漏れを前記空気漏れ阻止リブでより確実に阻止することができ、ルーバー本体のガタつきをより確実に防止することができる。(請求項2)
【0008】
本発明において、
前記空気漏れ阻止リブは前記ルーバー本体の上流側の開口端よりも前記ルーバー本体の下流側に位置し、
前記被嵌合部を前記空気漏れ阻止リブに案内するガイドリブが、前記開口端と前記空気漏れ阻止リブとの間の前記ルーバー本体の嵌合部に立設され、
前記ガイドリブは前記空気漏れ阻止リブ側ほど高さ寸法が高い三角リブ状に形成されていると、次の作用を奏することができる。(請求項3)
【0009】
前記被嵌合部を前記空気漏れ阻止リブに案内するガイドリブが、前記開口端と前記空気漏れ阻止リブとの間の前記ルーバー本体の嵌合部に立設されているから、ルーバー本体の上流側の端部の嵌合部を送風ダクトの下流側の端部の被嵌合部に内嵌させる際にガイドリブがガイド機能を発揮して、前記嵌合部を前記被嵌合部に円滑に内嵌させることができ、組み付け性を向上させることができる。
また、前記ガイドリブは前記空気漏れ阻止リブ側ほど高さ寸法が高い三角リブ状に形成されているから、簡素なリブ構造でありながら、ガイド機能を十分発揮することができる。(請求項3)
【0010】
本発明において、
前記ガイドリブは前記空気漏れ阻止リブに接続していると、ルーバー本体の剛性を上げることができ、ルーバー本体の変形を防ぐことができて、ルーバー本体の送風ダクトへの組み付け性を向上させることができる。また、ルーバー本体の嵌合部の剛性を上げることができ、内部を流れる温冷風によりルーバー本体が熱変形することを防ぐことができて、空気漏れをより確実に防止することができる。(請求項4)
【0011】
本発明において、
前記空気漏れ阻止リブの頂面は前記ルーバー本体の下流側ほど前記ルーバー本体の外周面との距離が長い傾斜面に構成されていると、次の作用を奏することができる。(請求項5)
【0012】
前記空気漏れ阻止リブの頂面は前記ルーバー本体の下流側ほど前記ルーバー本体の外周面との距離が長い傾斜面に構成されているから、ルーバー本体の上流側の端部の嵌合部を送風ダクトの下流側の端部の被嵌合部に内嵌させる際に空気漏れ阻止リブの頂面がガイド機能を発揮して、前記嵌合部を前記被嵌合部に円滑に内嵌させることができ、組み付け性を向上させることができる。また、前記嵌合部が被嵌合部に嵌合した後の密着性を向上させることができる。(請求項5)
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、
送風ダクトの下流側の端部とルーバー本体の上流側の端部との間からの空気の漏れや送風ダクトに対するルーバー本体のガタつきを防止できる構造でありながら、外観品質を向上させることができ、ガーニッシュの色の自由度を上げることができ、部品点数を少なくすることができ、製作コストを低廉化できるルーバーを提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】自動車の送風構造の分解斜視図
【図2】組み付け前のガーニッシュとルーバーを示す斜視図
【図3】ベントダクトと、ルーバーが組み付けられたガーニッシュとを示す斜視図
【図4】ベントダクトとルーバーを示す斜視図
【図5】組み付け状態のベントダクトとガーニッシュとルーバーの縦側断面図
【図6】ルーバーの上流側の端部の斜視図
【図7】従来の技術の縦側断面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
図1に自動車の送風構造を示してある。この送風構造はHVAC1(Heating Ventilating Air−Conditioning、空気送風部に相当)を備え、HVAC1で温度調整した空気をベントダクト10(送風ダクトに相当)に送風し、インストルメントパネルに設けられた後述の各ルーバー(左右一対の内側ルーバー20、左右一対の外側ルーバー)などから車室内W1(図5参照)に吹き出すよう構成されている。
【0016】
HVAC1は、空気取り入れ部2と空気調整部3と送風部4を備え、ダッシュパネル5とインストルメントパネルの間に搭載されてフロアパネルとダッシュパネル5に支持されている。
【0017】
図1〜図3に示すように、乗員に対向するインストルメントパネルの縦壁部に横長の長方形状のガーニッシュ30が取り付けられている。ガーニッシュ30には、操作パネル取り付け用の中央開口部38が車両の左右中央側に位置するように形成され、中央開口部38の両側に左右一対の内側開口部31(車幅方向で内側に位置する開口部)が形成されている。そして、前記左右一対の内側開口部31に、車幅方向で内側に位置する左右一対の内側ルーバー20が各別に取り付けられている。
【0018】
また、インストルメントパネルの縦壁部の左端部に左側開口部が形成され、縦壁部の右端部に右側開口部が形成されている。さらに、前記右側開口部に重なるガーニッシュ30の外側開口部32(図1参照)に外側ルーバーが取り付けられ、前記左側開口部に重なる別のガーニッシュの外側開口部に別の外側ルーバーが取り付けられている。
【0019】
そして、左右一対の内側ルーバー20と左右一対の外側ルーバーがベントダクト10を介してHVAC1の空気送出口と連通接続している。各ルーバー20はHVAC1からベントダクト10に送風された空気を車室内W1(図5参照)に案内して吹き出す。
【0020】
図1,図3に示すように、前記ベントダクト10は左右一対の内側ダクト部11と左右一対の外側ダクト部12(図3においては左の外側ルーバーは描かれていない)とから成り、左右一対の内側ルーバー20が左右一対の内側ダクト部11の下流側の端部11K(送風ダクトの下流側の端部に相当)に各別に連通接続し、左右一対の外側ルーバーが左右一対の外側ダクト部12の下流側の端部12Kに各別に連通接続している。
【0021】
[内側ルーバー20の構造、及び内側ルーバー20の取り付け構造]
図4,図5に示すように、内側ルーバー20は、縦長の角筒状のルーバー本体24と、ルーバー本体24の両側壁24Sに架け渡された複数の横フィン25と、複数の横フィン25の上流側でルーバー本体24の上下両壁24Tに架け渡された複数の縦フィン29とを備えている。
【0022】
ルーバー本体24の軸芯方向中央よりも下流側の部分は下流側に向かって広がるテーパー筒状に形成されている。また、ルーバー本体24の軸芯方向中央よりも上流側の部分は、上流側に向かって広がるテーパー筒状に形成されている。そして、ルーバー本体24の下流側の端部24Kは残部に対して拡径している。
【0023】
前記複数の横フィン25は横軸芯周りに回転自在に構成され、複数の縦フィン29は縦軸芯周りに回転自在に構成されている。また、複数の横フィン25のうち上下中央側の隣り合う一対の横フィン25同士の間から車室内側W1に舌片状の操作片35が突出している。この操作片35を上下に操作することで、前記複数の横フィン25が前記横軸芯周りに上下に揺動し、操作片35を左右に操作することで、前記複数の縦フィン29が前記縦軸芯周りに左右に揺動して、車室内W1への空気の吹き出し方向を調整する。
【0024】
前記ルーバー本体24の下流側の端部24Kには複数の係合爪が形成され、前記複数の係合爪が、ガーニッシュ30の内側開口部31に形成された複数の係合部に各別に係合している。
【0025】
図5,図6に示すように、ルーバー本体24の上流側の端部24Jの外周部に嵌合部26が設けられ、この嵌合部26が、内側ダクト部11の下流側の端部11Kに設けられた被嵌合部16に内嵌している。そして、内側ダクト部11の被嵌合部16の被嵌合面16Mに圧接して前記被嵌合面16Mとの間からの空気の漏れを阻止する空気漏れ阻止リブ27が、前記嵌合部26に全周にわたって立設されている。前記空気漏れ阻止リブ27の頂面27Tはルーバー本体24の下流側ほどルーバー本体24の外周面24Gとの距離が長い傾斜面に構成されている。
【0026】
図5に示すように、前記空気漏れ阻止リブ27はルーバー本体24の上流側の開口端24J1よりもルーバー本体24の下流側に位置している。そして、内側ダクト部11の被嵌合部16をルーバー本体24の空気漏れ阻止リブ27に案内する複数のガイドリブ28が、前記開口端24J1と空気漏れ阻止リブ27との間のルーバー本体24の嵌合部26に立設されている。
【0027】
前記複数のガイドリブ28はルーバー本体24の嵌合部26の全周にわたって分散配設されている。本実施形態では、一例として、ルーバー本体24の上壁24Tと下壁24Tに2個ずつ設けられ、左右一対の側壁24Sに3個ずつ設けられている(ガイドリブ28の数は上記の数に限られず、上記以外の数であってもよい)。
【0028】
このガイドリブ28は前記空気漏れ阻止リブ27側ほど(下流側ほど)高さ寸法が高い三角リブ状に形成されてルーバー本体24の軸芯方向に延び、ガイドリブ28の空気漏れ阻止リブ27側の頂面が空気漏れ阻止リブ27の頂面27Tに滑らかに連なっている。ガイドリブ28の下流側の端部28Kは空気漏れ阻止リブ27の両壁面27S1,27S2のうち上流側の壁面27S1に接続している。
【0029】
上記の構造により、
(1) ルーバー本体24の上流側の端部24Jの嵌合部26に立設された空気漏れ阻止リブ27が、ベントダクト10の内側ダクト部11の下流側の端部11Kに設けられた被嵌合部16の被嵌合面16Mに圧接する。これにより、嵌合部26と被嵌合部16との間からの下流側への空気の漏れを空気漏れ阻止リブ27で阻止することができ、ルーバー本体24のガタつきを防止することができる。
また、前記内側ダクト部11の下流側の端部11Kとルーバー本体24の上流側の端部24Jとの間にガーニッシュ30を介在させていないので、ルーバー20の横フィン25や縦フィン29の隣り合うもの同士の間から色の異なるガーニッシュ30が乗員に見える不具合が発生することがない。
従って、前記内側ダクト部11の下流側の端部11Kとルーバー本体24の上流側の端部24Jとの間にガーニッシュ30を介在させた構造に比べると、ルーバー20の外観品質を向上させることができる。さらに、ガーニッシュ30の色をベントダクト10の色やルーバー20の色に合わせなくてもよくなって、ガーニッシュ30の色の自由度を上げることができる。
そして、ルーバー本体24の上流側の端部24Jと内側ダクト部11の下流側の端部11Kとの間にパッキング材を介在させていないので、部品点数の増加や重量の増加を抑制することができるとともに、組み付け工数の増加を抑制することができ、材料費分の製品コストが高くなることを抑制することができる。
【0030】
(2) 前記空気漏れ阻止リブ27は前記嵌合部26に、その全周にわたって立設されているから、内側ダクト部11の下流側の端部11Kとルーバー本体24の上流側の端部24Jとの間からの空気の漏れを空気漏れ阻止リブ27でより確実に阻止することができ、ルーバー本体24のガタつきをより確実に防止することができる。
【0031】
(3) 前記被嵌合部16を前記空気漏れ阻止リブ27に案内するガイドリブ28が、前記開口端24J1と空気漏れ阻止リブ27との間のルーバー本体24の嵌合部26に立設されているから、ルーバー本体24の上流側の端部24Jの嵌合部26を内側ダクト部11の下流側の端部11Kの被嵌合部16に内嵌させる際にガイドリブ28がガイド機能を発揮して、嵌合部26を被嵌合部16に円滑に内嵌させることができ、組み付け性を向上させることができる。
また、ガイドリブ28は空気漏れ阻止リブ27側ほど高さ寸法が高い三角リブ状に形成されているから、簡素なリブ構造でありながらガイド機能を十分発揮することができる。
【0032】
(4) 前記ガイドリブ28は空気漏れ阻止リブ27に接続しているから、ルーバー本体24の剛性を上げることができ、ルーバー本体24の変形を防ぐことができて、ルーバー本体24のベントダクト10(内側ダクト部11の下流側の端部11K)への組み付け性を向上させることができる。また、ルーバー本体24の嵌合部26の剛性を上げることができて、内部を流れる温冷風によりルーバー本体24が熱変形することを防ぐことができて、空気漏れをより確実に防止することができる。
【0033】
(5) 前記空気漏れ阻止リブ27の頂面27Tはルーバー本体24の下流側ほどルーバー本体24の外周面24Gとの距離が長い傾斜面に構成されているから、ルーバー本体24の上流側の端部24Jの嵌合部26を内側ダクト部11の下流側の端部11Kの被嵌合部16に内嵌させる際に空気漏れ阻止リブ27の頂面27Tがガイド機能を発揮して、嵌合部26を被嵌合部16に円滑に内嵌させることができ、組み付け性を向上させることができる。また、嵌合部26が被嵌合部16に嵌合した後の密着性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0034】
1 空気送風部(HVAC)
10 送風ダクト(ベントダクト)
11K 送風ダクトの下流側の端部(ベントダクトの内側ダクト部の下流側の端部)
16 被嵌合部
16M 被嵌合面
24 ルーバー本体
24J ルーバー本体の上流側の端部
24J1 開口端
24G ルーバー本体の外周面
26 嵌合部
27 空気漏れ阻止リブ
27T 空気漏れ阻止リブの頂面
28 ガイドリブ
W1 車室内
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ルーバー本体の上流側の端部の嵌合部が送風ダクトの下流側の端部の被嵌合部に内嵌し、
空気送風部から送風ダクトに送風された空気を車室内に案内して吹き出すルーバーであって、
前記被嵌合部の被嵌合面に圧接して前記被嵌合面との間からの空気の漏れを阻止する空気漏れ阻止リブが前記嵌合部に立設されているルーバー。
【請求項2】
前記空気漏れ阻止リブは前記嵌合部に、その全周にわたって立設されている請求項1記載のルーバー。
【請求項3】
前記空気漏れ阻止リブは前記ルーバー本体の上流側の開口端よりも前記ルーバー本体の下流側に位置し、
前記被嵌合部を前記空気漏れ阻止リブに案内するガイドリブが、前記開口端と前記空気漏れ阻止リブとの間の前記ルーバー本体の嵌合部に立設され、
前記ガイドリブは前記空気漏れ阻止リブ側ほど高さ寸法が高い三角リブ状に形成されている請求項1又は2記載のルーバー。
【請求項4】
前記ガイドリブは前記空気漏れ阻止リブに接続している請求項3記載のルーバー。
【請求項5】
前記空気漏れ阻止リブの頂面は前記ルーバー本体の下流側ほど前記ルーバー本体の外周面との距離が長い傾斜面に構成されている請求項1〜4のいずれか一つに記載のルーバー。
【請求項1】
ルーバー本体の上流側の端部の嵌合部が送風ダクトの下流側の端部の被嵌合部に内嵌し、
空気送風部から送風ダクトに送風された空気を車室内に案内して吹き出すルーバーであって、
前記被嵌合部の被嵌合面に圧接して前記被嵌合面との間からの空気の漏れを阻止する空気漏れ阻止リブが前記嵌合部に立設されているルーバー。
【請求項2】
前記空気漏れ阻止リブは前記嵌合部に、その全周にわたって立設されている請求項1記載のルーバー。
【請求項3】
前記空気漏れ阻止リブは前記ルーバー本体の上流側の開口端よりも前記ルーバー本体の下流側に位置し、
前記被嵌合部を前記空気漏れ阻止リブに案内するガイドリブが、前記開口端と前記空気漏れ阻止リブとの間の前記ルーバー本体の嵌合部に立設され、
前記ガイドリブは前記空気漏れ阻止リブ側ほど高さ寸法が高い三角リブ状に形成されている請求項1又は2記載のルーバー。
【請求項4】
前記ガイドリブは前記空気漏れ阻止リブに接続している請求項3記載のルーバー。
【請求項5】
前記空気漏れ阻止リブの頂面は前記ルーバー本体の下流側ほど前記ルーバー本体の外周面との距離が長い傾斜面に構成されている請求項1〜4のいずれか一つに記載のルーバー。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【公開番号】特開2012−111431(P2012−111431A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−263939(P2010−263939)
【出願日】平成22年11月26日(2010.11.26)
【出願人】(000002082)スズキ株式会社 (3,196)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月26日(2010.11.26)
【出願人】(000002082)スズキ株式会社 (3,196)
【Fターム(参考)】
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