説明

ループ検知機能付きフロアスイッチ監視システムおよび監視方法、ならびそのためのプログラム

【課題】ループ検知用専用機器を設置せずに、ネットワークループ発生時、管理者へループ発生とその発生場所を通知し、ポート利用状況を出力する。
【解決手段】ループ検知機能付きフロアスイッチ110からのループ検知を示すログ情報をスイッチログDB104上で監視し、ループが検知された場合、スイッチポート管理DB106を参照し、該ログ情報に含まれるフロアスイッチ識別名からスイッチの設置場所、スイッチ上のポートNOから接続LANケーブルNO、および接続機器の設置位置、設置位置図面を示す設置図面IDを特定し、該設置図面IDによりLAN配線図面管理DB108に予め登録してある図面を読み出し、該画面上に前記特定されたループ発生スイッチの設置場所、接続LANケーブルNO、および接続機器の設置位置を画面に表示し警報で通知する。ポートの通信量を集計しポート管理資料109として出力するようにしてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ループ検知機能付きフロアスイッチを用いて構成されているLAN上で、ネットワークループが発生した場合のループ検知通報、発生場所を建屋、フロアのCAD図面上に表示する機能、および、ループ検知機能付きフロアスイッチ内各LAN接続ポートの稼動状況表示を行うことが可能なループ検知機能付きフロアスイッチ管理システムおよび監視方法、ならびそのためのプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の技術では、LAN障害を管理するために、主に次の方法が用いられている。
(1)第1の方法は、専用の状態検出装置を設置し、障害発生時、障害箇所までの距離情報を含む障害通知データをネットワーク管理装置へ通知、ネットワーク管理装置では、上記障害通知を解析し、物理的障害位置をレイアウト表示画面に表示する方法であり、例えば特開平9−6571号公報(特許文献1)に開示されている。
【0003】
(2)第2の方法は、ネットワークループ発生時の影響を最小限にするため、ネットワークループ検知機能を機器本体に組み込んでおき、ネットワークループが検知されたら該当ポートの通信を遮断する機能を持つフロアスイッチを用いる方法であり、代表的な製品には、日立電線(株)APRESIA(日立電線(株)の登録商標)などの製品がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−6571号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般的に、LANは、通常「メインスイッチ」→「フロアスイッチ」→「島ハブ」→「端末機器」の如く「メインスイッチ」を頂点とする階層構造で構築される。ネットワーク上の重大障害(ネットワーク停止につながる障害)にネットワークループ発生がある。このネットワークループ発生などの障害を検知して対策するために上述した方法が提案されているが、この従来技術には次のような問題点がある。
【0006】
(1)特許文献1に記載された上記第1の方法では、ネットワークループを検知するために専用の状態検出装置を設置する必要があるが、管理対象ネットワークの拡張と変化に対応するためにはこの専用の状態検出装置の設置数が多大になり、それに伴って該専用の状態検出装置の性能維持管理の手間も多大になるという問題がある。
【0007】
(2)ネットワークループは、島ハブを誤接続、つまり、端末機器を島ハブに接続しようとしたとき、LANケーブルの一端を島ハブのポートに接続し、反対側の一端を端末機器に接続すべきところを、誤って、同じ島ハブあるいは同じレベルの島ハブに誤接続することにより発生する。
【0008】
上記第2の方法においては、このような誤接続を排除するため、島ハブを介さず、直接、ネットワークループ検知機能を持つフロアスイッチと端末機器を接続し、もしネットワークループが発生した場合には、該ネットワークループを起こしたポートを自動検知し、該当ポートの通信機能を停止(ポート閉塞)するようにしている。しかし、このポート閉塞はフロアスイッチ内のログファイルへ保存されるだけで、ネットワーク管理者への通知や、発生場所の情報はフロアスイッチの外に出されることはない。
【0009】
(3)また、ネットワークループを起こした端末機器を特定するためには、フロアスイッチ内ポートと端末機器を直接接続する必要がある。LANケーブル接続ポートはフロアスイッチ1台に付き24個または48個ある。
【0010】
このLANケーブル接続ポートにLANケーブルが未接続であれば、未使用ポートとしてLAN回線増設時に使用することができるが、未使用ポートがなく、かつLAN回線増設が必要な場合は、フロアスイッチ本体を新たに購入する必要がある。
【0011】
しかしながら、実態として、LANケーブルが接続されていても未使用状態のポートも存在する。LANケーブルが接続されていてもそれが未使用状態のポートであるか否かを判別するためには、通信中であれば点滅するリンクアップランプを確認すればよく、もしリンクアップランプが点滅していればその瞬間そのポートは使用中であると判断することができる。
【0012】
しかし、このランプが消灯している場合、端末機器は接続してあるが電源が投入されていないのか、または、端末機器自体接続されていないのかの判断がつかないという問題がある。
【0013】
この状況でLAN回線を増設しようとすると、未使用ポートが有りながら、そのポートが有効活用されず、新規にフロアスイッチを増設することとなり、結果的に無駄な費用が発生することとなる。
【0014】
そこで本発明の目的は、ネットワークループ検知用の専用機器を設置せず、ネットワークループ検知機能を持つフロアスイッチと端末機器を直接接続し、ネットワークループを監視し、ネットワークループ発生時、ネットワーク管理者へループ発生とその発生場所を通知し、かつ、フロアスイッチのポート利用状況を出力することが可能なループ検知機能付きフロアスイッチ管理システムおよび監視方法、ならびそのためのプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、ループ検知機能付きフロアスイッチからのループ検知を示すログ情報をスイッチログDB上で監視し、ループが検知された場合、スイッチポート管理DBを参照し、該ログ情報に含まれるフロアスイッチ識別名からスイッチの設置場所、スイッチ上のポートNOから接続LANケーブルNO、および接続機器の設置位置、設置位置図面を示す設置図面IDを特定し、該設置図面IDにより予め登録してある図面を読み出し、該画面上に前記特定されたループ発生スイッチの設置場所、接続LANケーブルNO、および接続機器の設置位置を画面に表示したり警報で通知するようにしたものである。さらに、ループ検知機能付きフロアスイッチ内のポート使用状況(通信量)を集計し、ポートを管理するための資料として出力するようにしてもよい。
【0016】
以下に、本発明の構成を詳細に記述する。
a)本発明に係るループ検知機能付きフロアスイッチ監視システムは、LANを構成するループ検知機能付きフロアスイッチを監視するループ検知機能付きフロアスイッチ監視システムにおいて、前記ループ検知機能付きフロアスイッチ毎のログ情報を格納するスイッチログDBと、ループ検知機能付きフロアスイッチ毎のIPアドレス,設置位置情報,設置図面ID、該ループ検知機能付きフロアスイッチにおける各ポートNO,各ポートNOに対応するポートに接続されるLAN回線NO,該LAN回線NOに対応するLAN回線に接続される接続機器の設置位置情報,該各ポートNOに対応するポート統計情報を格納するスイッチポート管理DBと、前記設置図面ID毎の図面情報を格納するLAN配線図面管理DBと、前記ループ検知機能付きフロアスイッチにおいてループが検知された場合に、当該ループが検知されたフロアスイッチ識別名と、ループ発生ポートNOを含めたメッセージとを、ループ検知時のログ情報として前記スイッチログDBに格納する手段と、前記スイッチログDBのログ情報を監視する監視手段と、該監視手段による監視の結果、ループの検知が判明した場合、該ループが検知されたフロアスイッチ識別名およびポートNOを該スイッチログDBに格納されているログ情報から取り出す手段と、該取り出したフロアスイッチ識別名およびポートNOを元に、前記スイッチポート管理DBをアクセスし、該フロアスイッチの設置位置情報、接続されるLAN回線NO、LAN回線の接続機器設置位置、および設置図面IDを特定する手段と、前記LAN配線図面管理DBから該特定された設置図面IDに対応する設置図面データを取り出す手段と、前記LAN配線図面管理DBから取り出した設置図面データ上に、前記スイッチポート管理DBにより特定されたフロアスイッチの設置位置情報、接続されるLAN回線NO、LAN回線の接続機器設置位置を表示通知する手段を有することを特徴としている。
【0017】
b)また、上記a)において、さらに、前記スイッチポート管理DBの内容をポート管理資料として出力する手段を有する。ことを特徴としている。
【0018】
c)また、上記a)またはb)において、前記ログ情報がメッセージ出力日付け,メッセージ出力時刻,メッセージID,メッセージを含むこと、前記設置位置情報が設置建屋名,設置フロア,スイッチ設置X座標,スイッチ設置Y座標を含むこと、あるいは、前記ポート統計情報がポートを通過する通信量であることを特徴としている。
【0019】
d)本発明に係るプログラムは、コンピュータ(フロアスイッチ監視サーバ)を、上記ループ検知機能付きフロアスイッチ監視システムにおける各手段として機能させるためのプログラムである。
【0020】
e)本発明に係るループ検知機能付きフロアスイッチ監視方法は、ループ検知機能付きフロアスイッチ毎のログ情報を格納するスイッチログDBと、ループ検知機能付きフロアスイッチ毎のIPアドレス,設置位置情報,設置図面ID、該ループ検知機能付きフロアスイッチにおける各ポートNO,各ポートNOに対応するポートに接続されるLAN回線NO,該LAN回線NOに対応するLAN回線に接続される接続機器の設置位置情報,該各ポートNOに対応するポート統計情報を格納するスイッチポート管理DBと、前記設置図面ID毎の図面情報を格納するLAN配線図面管理DBを備え、LANを構成するループ検知機能付きフロアスイッチを監視するコンピュータを用いたループ検知機能付きフロアスイッチ監視方法において、前記ループ検知機能付きフロアスイッチにおいてループが検知された場合に、当該ループが検知されたフロアスイッチ識別名と、ループ発生ポートNOを含めたメッセージとを、ループ検知時のログ情報として前記スイッチログDBに格納するステップと、前記スイッチログDBのログ情報を監視する監視ステップと、該監視ステップによる監視の結果、ループの検知が判明した場合、該ループが検知されたフロアスイッチ識別名およびポートNOを該スイッチログDBに格納されているログ情報から取り出すステップと、該取り出したフロアスイッチ識別名およびポートNOを元に、前記スイッチポート管理DBをアクセスし、該フロアスイッチの設置位置情報、接続されるLAN回線NO、LAN回線の接続機器設置位置、および設置図面IDを特定するステップと、前記LAN配線図面管理DBから該特定された設置図面IDに対応する設置図面データを取り出すステップと、前記LAN配線図面管理DBから取り出した設置図面データ上に、前記スイッチポート管理DBにより特定されたフロアスイッチの設置位置情報、接続されるLAN回線NO、LAN回線の接続機器設置位置を表示通知するステップとを有することを特徴としている。
【0021】
f)また、上記e)において、さらに、前記スイッチポート管理DBの内容をポート管理資料として出力するステップを有することを特徴としている。
【0022】
g)また、上記e)またはf)において、前記ログ情報がメッセージ出力日付け,メッセージ出力時刻,メッセージID,メッセージを含むこと、前記設置位置情報が設置建屋名,設置フロア,スイッチ設置X座標,スイッチ設置Y座標を含むこと、あるいは前記ポート統計情報がポートを通過する通信量であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0023】
本発明を適用すると、ネットワークループ発生の検知、発生場所の特定が容易となり、迅速な対策が可能になる。また、フロアスイッチポートの使用状況集計結果から、ポート使用状況の判別が可能となり、未使用ポートの有効活用が行え、フロアスイッチ増設費用を抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に係るループ検知機能付きフロアスイッチ監視システムの全体を示す構成図である。
【図2】本発明に係るループ検知機能付きフロアスイッチ監視システム全体の処理動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明に係るスイッチログ取得実行部の処理動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明に係るスイッチポート管理実行部の処理動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明に係るスイッチループ検知実行部の処理動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明に係るスイッチログ情報ベースの構成とデータ例を示す図である。
【図7】本発明に係るスイッチポート管理データベースの構成とデータ例を示す図である。
【図8】本発明に係るLAN配線図面管理データベースの構成とデータ例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明に係るループ検知機能付きフロアスイッチ監視システムを、図面を用いて詳細に説明する。
【0026】
図1は、本発明に係るネットワークループ監視システムの全体を示す構成図である。
【0027】
同図において、101はフロアスイッチ監視サーバ、102はフロアスイッチ監視システム、103はスイッチログ取得実行部、104はスイッチログDB、105はスイッチポート管理実行部、106はスイッチポート管理DB、107はループ検知発報および発生位置表示実行部、108はLAN配線図面管理DB、109はポート管理資料、110はフロアスイッチ、111はLAN接続機器を、それぞれ示している。
【0028】
フロアスイッチ監視システム102は、フロアスイッチ監視サーバ101上で動作し、スイッチ名(フロアスイッチ名)、スイッチIPアドレス、設置場所、スイッチポートとLAN回線対応情報、LAN接続機器の位置情報、および、ポート稼動情報などを格納するスイッチポート管理DB106からフロアスイッチ名を取り出す。
【0029】
フロアスイッチ110には、パソコン、プリンタなどのLAN接続機器111が接続されており、この間の通信量、ループ発生時メッセージなどがフロアスイッチ上のログファイルに出力される。
【0030】
このログファイルから、メッセージの出力日付け、メッセージの出力時刻、メッセージID、およびメッセージ(メッセージ内容)などを格納するスイッチログDB104へ出力する機能を有するスイッチログ取得実行部103と、スイッチポート管理DB106からスイッチ名、スイッチIPアドレスを取り出し、各スイッチ上各ポートの通信量(ポート統計情報)をスイッチポート管理DB106に出力するとともに、ポートの稼動状況(ポート統計情報である通信量)などのスイッチポート管理DB106の内容を記載したポート管理資料109を出力する機能を有するスイッチポート管理実行部105と、スイッチログDB104を常時監視し、ネットワークループが検知された場合、そのネットワークループが発生したフロアスイッチ、ポートNOから、LAN回線NO,LAN接続位置を取り出し、LAN配線図面管理DB108から取り出した設置図面CADデータと合わせ、ネットワーク112を介してループ発生位置表示装置113のフロア図面上に表示(図中114)する機能を有するループ検知発報および発生位置表示実行部107とから構成される。
【0031】
次に、フロアスイッチ監視システム102の動作を説明する前に、スイッチログDB104、スイッチポート管理DB106、およびLAN配線図面管理DB108のデータベース構成について説明する。
【0032】
図6は、スイッチログDB104のデータ構成例を示す図であり、同図(a)は項目の説明を、同図(b)はデータ例を示している。
【0033】
同図(a)に示すように、スイッチログDB104は、フロアスイッチ個別に付与した識別名を示す「スイッチ名(フロアスイッチ名)」、メッセージ出力年月日を示す「出力日付け(yyyymmddの標記)」、メッセージ出力時刻を示す「出力時刻(hhmmss.ssの標記)」、出力メッセージ固有のメッセージIDを示す「メッセージID」、メッセージ内容(テキスト形式)を示す「メッセージ」の各項目を有している。同図(b)は具体的なデータ例である。
【0034】
図7は、スイッチポート管理DB106のデータ構成例を示す図であり、同図(a)は項目の説明を、同図(b)はデータ例を示している。
【0035】
同図(a)に示すように、スイッチポート管理DB106は、スイッチ(フロアスイッチ)個別に付与した識別名を示す「スイッチ名(フロアスイッチ名)」、スイッチに設定されているIPアドレスを示す「スイッチIPアドレス」、スイッチが設置されている建物名を示す「設置建屋名」、スイッチが設置されている階数を示す「設置フロア」、スイッチが設置されている建物、フロアのCAD図面識別名を示す「設置図面ID」、スイッチが設置されている場所を表す設置図面上X座標を示す「スイッチ設置X座標」、スイッチが設置されている場所を表す設置図面上Y座標を示す「スイッチ設置Y座標」、スイッチ上のポート番号を示す「ポートNO」、該「ポートNO」のポートに接続されるLAN回線番号を示す「LAN回線NO」、該「LAN回線NO」の回線の接続機器設置場所を表す設置図面上のX座標を示す「LAN接続位置X」、該「LAN回線NO」の回線の接続機器設置場所を表す設置図面上のY座標を示す「LAN接続位置Y」、上記「ポートNO」のポート統計情報として該ポートを通過した通信量(ポートデータ通信量)を示す「ポート通信量」の各項目を有している。同図(b)は具体的なデータ例である。
【0036】
図8は、LAN配線図面管理DB108のデータ構成例を示す図であり、同図(a)は項目の説明を、同図(b)はデータ例を示している。
【0037】
同図(a)に示すように、LAN配線図面管理DB108は、スイッチが設置されている建物、フロアのCAD図面識別名を示す「設置図面ID」、図面縮尺(1/1XXXX)を例えば“XXXX”として記述する「図面縮尺」、設置図面CADデータを示す「設置図面データ」の各項目を有している。同図(b)は具体的なデータ例である。
【0038】
図2は、フロアスイッチ監視システム102の全体の動作を示すフローチャートである。
【0039】
同図に示すように、フロアスイッチ監視システム102が起動され、システム停止でない間(ステップS201:N)、ログ取出しタイミングがくると(ステップS202:Y)、スイッチログ取得実行部103の処理(ステップS203)、スイッチポート管理実行部105の処理(ステップS204)、およびループ検知発報および発生位置表示実行部107の処理(ステップS205)を順次実行する。
【0040】
スイッチログ取得実行部103、スイッチポート管理実行部105、およびループ検知発報および発生位置表示実行部107は、フロアスイッチ監視システム102が起動された後は該フロアスイッチ監視システムに常駐し、システム停止(ステップS201:Y)と同時に停止する。
【0041】
ステップS202のログ取出しタイミング(ログ取り出し間隔)は、ネットワーク運用特性、例えば、ネットワーク障害に対し、極めてシビアな即時対応が迫られる所では、ログ取り出しタイミングの間隔を短くしネットワーク障害検知速度を上げ、逆に、あまりシビアでなく即時対応が不要な所では、ログ取り出しタイミングの間隔を長くしネットワーク障害検知速度を下げるなど、その場所に応じて決められる。
【0042】
スイッチログ取得実行部103の処理(ステップS203)では、スイッチポート管理DB106から、ループ検知機能付きフロアスイッチを識別する識別名、IPアドレスを取出し、取出したIPアドレスを用いてループ検知機能付きフロアスイッチにアクセスし、該ループ検知機能付きフロアスイッチから出力されるログ情報(図6に示すように、スイッチ名,出力日付け,出力時刻,メッセージID,メッセージからなる)をスイッチログDB104へ常時格納する。
【0043】
スイッチポート管理実行部105の処理(ステップS204)では、スイッチポート管理DB106から、ループ検知機能付きフロアスイッチを識別する識別名、IPアドレスを取出し、取出したIPアドレスによりループ検知機能付きフロアスイッチをアクセスし、該ループ検知機能付きフロアスイッチ上のLAN接続ポート(24個または48個)ごとの通信量(ポート統計情報)を取出し、スイッチポート管理DB106へ出力する。
【0044】
ループ検知発報および発生位置表示実行部107の処理(ステップS205)では、スイッチログDB104を常時監視し、ループ発生メッセージを検知したら、スイッチポート管理DB106から、ループ発生LAN回線情報(LAN回線NO,LAN接続位置座標)と、発生スイッチ情報(接続スイッチ名、接続スイッチIPアドレス、スイッチ設置場所、設置フロア図面名)を取出し、LAN配線図面管理DB108の図面情報と合わせ、ループ発生位置表示装置上にループ発生位置を表示する。
【0045】
図3は、スイッチログ取得実行部103が行う処理(図2のステップS203)の動作の詳細を示すフローチャートである。
【0046】
同図に示すように、まず、スイッチポート管理DB303(図1のスイッチポート管理DB106に対応)からフロアスイッチ情報(フロアスイッチ名、IPアドレス)を取出す(図中302)(ステップS301)。
【0047】
次に、全スイッチに対する処理が完了するまで(ステップS304:N)、取出したフロアスイッチ情報(フロアスイッチ名、IPアドレス)を用いてフロアスイッチ本体にアクセスし、ログ情報を取り出す(ステップS305)。
【0048】
次に、取出したログ情報(図6に示すように、スイッチ名,出力日付け,出力時刻,メッセージID,メッセージからなる)をスイッチログDB308(図1のスイッチログDB104に対応)へ出力(図中307)する(ステップS306)。この動作をフロアスイッチ全てに対し実行し、全フロアスイッチに対する処理が完了したら(ステップS304:Y)、処理を終了する。
【0049】
図4は、スイッチポート管理実行部105が行う処理(図2のステップS204)の動作の詳細を示すフローチャートである。
【0050】
同図に示すように、まず、スイッチポート管理DB403(図1のスイッチポート管理DB106に対応)から全フロアスイッチ情報(スイッチ名、IPアドレス)を取出し(図中402)(ステップS401)、サーバコア上のスイッチ情報テーブル405へ出力する(図中404)。
【0051】
次に、サーバコア上のスイッチ情報テーブル405から1フロアスイッチのスイッチ名、IPアドレスを取出す(ステップS406)。
【0052】
次に、取り出したフロアスイッチのIPアドレスによりフロアスイッチ本体へアクセスし、コマンドを使用してポート統計情報(ポートを通過した通信量)を取出す(ステップS407)。
【0053】
次に、取出したポート統計情報をスイッチポート管理DB410(図1のスイッチポート管理DB106に対応)へ出力(図中409)する(ステップS408)。これを1フロアスイッチ上の全てのポート(通常24個または48個)に対し行う(ステップS411)。
【0054】
1フロアスイッチ上の全ポートが完了後(ステップS411:Y)、全てのフロアスイッチが終了(ステップS412:Y)するまで同じ処理を繰り返す。
【0055】
ポート管理資料414は、スイッチポート管理DB410(図1のスイッチポート管理DB106に対応)の内容を記載したもので、任意のタイミングで出力することができ(図中413)、特に管理者やエンジニアなどがフロアスイッチの動作状況を把握するに有益な資料となる。
【0056】
図5は、ループ検知発報および発生位置表示実行部107が行う処理(図2のステップS205)の動作の詳細を示すフローチャートである。
【0057】
同図に示すように、まず、スイッチログDB503(図1のスイッチログDB104に対応)のログ情報をテキスト形式で常に監視する(図中502)(ステップS501)。
【0058】
次に、ログ情報上にループが検知されたことを意味するループ検知メッセージが出力されたか判定し(ステップS504)、出力されていない場合は(ステップS504:なし)、ステップS501に戻ってログ情報の監視を続ける。ループ検知メッセージか否かの判定は、スイッチログDB503のメッセージIDがループの検出を示すメッセージ(発生ポートNOを含む)を示す特定のメッセージIDであるか否かによって行われる。
【0059】
ループ検知を示すログ情報が出力された場合(ステップS504:あり)、スイッチログDB503(図1のスイッチログDB104に対応)から該ループ検知を示すログ情報を取出し(図中505)、該ログ情報内のフロアスイッチ名とループが発生したポートのポートNO(発生ポートNO)を取出す(ステップS506)。
【0060】
次に、取り出したフロアスイッチ名と発生ポートNOをもとに、スイッチポート管理DB509(図1のスイッチポート管理DB106に対応)をアクセスし、該フロアスイッチ名に対応するスイッチの設置図面ID,スイッチ設置X座標,スイッチ設置Y座標、および発生ポートNOに対応するLAN回線NO,LAN接続位置X,およびLAN接続位置Yを取出す(図中508)(ステップS507)。
【0061】
次に、(イ)前記取り出したスイッチの設置図面IDと、スイッチ設置X座標,スイッチ設置Y座標をキーとしてLAN配線図面管理DB512(図1のLAN配線図面管理DB108に対応)からループ発生場所図面情報を取出し(図中511)、(ロ)この取出した図面情報上に、LAN接続位置X座標とLAN接続位置Y座標で示されるループ発生接続機器の位置をマージ(合成)し、ループ発生位置表示装置513に表示する(図中514)(ステップS510)。
【0062】
また、このとき、ループが発生したことを管理者に報知するためのループ発生警報手段を設けることができる。ループ発生警報手段としては、例えばブザーなどの音声や光(フロアスイッチ監視サーバに取り付けた発光装置や画面上の点滅表示など)などを利用することができる。
【0063】
なお、スイッチログ取得実行部103,スイッチポート管理実行部105,ループ検知発報および発生位置表示実行部107によって行われる図2〜図5に示した処理は、フロアスイッチ監視サーバ101を構成するコンピュータのCPUやメモリ、レジスタなどのハードウェアにより各処理に対応するプログラムを実行することにより実現される。これらの各処理に対応するプログラムは、FD、CD−ROM、DVDなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体や、インターネットなどのネットワークを介して市場に流通させることができる。
【符号の説明】
【0064】
101 フロアスイッチ監視サーバ
102 フロアスイッチ監視システム
103 スイッチログ取得実行部
104 スイッチログデータベース
105 スイッチポート管理実行部
106 スイッチポート管理データベース
107 ループ検知発報および発生位置表示実行部
108 LAN配線図面管理データベース
109 ポート管理資料
110 フロアスイッチ
111 LAN接続機器(パソコン、プリンタ)
112 ネットワーク
113 ループ発生位置表示装置
114 ループ発生位置表示画面例

【特許請求の範囲】
【請求項1】
LANを構成するループ検知機能付きフロアスイッチを監視するループ検知機能付きフロアスイッチ監視システムにおいて、
前記ループ検知機能付きフロアスイッチ毎のログ情報を格納するスイッチログDBと、
ループ検知機能付きフロアスイッチ毎のIPアドレス,設置位置情報,設置図面ID、該ループ検知機能付きフロアスイッチにおける各ポートNO,各ポートNOに対応するポートに接続されるLAN回線NO,該LAN回線NOに対応するLAN回線に接続される接続機器の設置位置情報,該各ポートNOに対応するポート統計情報を格納するスイッチポート管理DBと、
前記設置図面ID毎の図面情報を格納するLAN配線図面管理DBと、
前記ループ検知機能付きフロアスイッチにおいてループが検知された場合に、当該ループが検知されたフロアスイッチ識別名と、ループ発生ポートNOを含めたメッセージとを、ループ検知時のログ情報として前記スイッチログDBに格納する手段と、
前記スイッチログDBのログ情報を監視する監視手段と、
該監視手段による監視の結果、ループの検知が判明した場合、該ループが検知されたフロアスイッチ識別名およびポートNOを該スイッチログDBに格納されているログ情報から取り出す手段と、
該取り出したフロアスイッチ識別名およびポートNOを元に、前記スイッチポート管理DBをアクセスし、該フロアスイッチの設置位置情報、接続されるLAN回線NO、LAN回線の接続機器設置位置、および設置図面IDを特定する手段と、
前記LAN配線図面管理DBから該特定された設置図面IDに対応する設置図面データを取り出す手段と、
前記LAN配線図面管理DBから取り出した設置図面データ上に、前記スイッチポート管理DBにより特定されたフロアスイッチの設置位置情報、接続されるLAN回線NO、LAN回線の接続機器設置位置を表示通知する手段と
を有することを特徴とするループ検知機能付きフロアスイッチ監視システム。
【請求項2】
請求項1に記載のループ検知機能付きフロアスイッチ監視システムにおいて、
さらに、前記スイッチポート管理DBの内容をポート管理資料として出力する手段を有することを特徴とするループ検知機能付きフロアスイッチ監視システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載のループ検知機能付きフロアスイッチ監視システムにおいて、
前記ログ情報は、メッセージ出力日付け,メッセージ出力時刻,メッセージID,メッセージを含むことを特徴とするループ検知機能付きフロアスイッチ監視システム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載のループ検知機能付きフロアスイッチ監視システムにおいて、
前記設置位置情報は、設置建屋名,設置フロア,スイッチ設置X座標,スイッチ設置Y座標を含むことを特徴とするループ検知機能付きフロアスイッチ監視システム。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載のループ検知機能付きフロアスイッチ監視システムにおいて、
前記ポート統計情報は、ポートを通過する通信量であることを特徴とするループ検知機能付きフロアスイッチ監視システム。
【請求項6】
コンピュータを、請求項1から5のいずれかに記載のループ検知機能付きフロアスイッチ監視システムにおける各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項7】
ループ検知機能付きフロアスイッチ毎のログ情報を格納するスイッチログDBと、ループ検知機能付きフロアスイッチ毎のIPアドレス,設置位置情報,設置図面ID、該ループ検知機能付きフロアスイッチにおける各ポートNO,各ポートNOに対応するポートに接続されるLAN回線NO,該LAN回線NOに対応するLAN回線に接続される接続機器の設置位置情報,該各ポートNOに対応するポート統計情報を格納するスイッチポート管理DBと、前記設置図面ID毎の図面情報を格納するLAN配線図面管理DBを備え、LANを構成するループ検知機能付きフロアスイッチを監視するコンピュータを用いたループ検知機能付きフロアスイッチ監視方法において、
前記ループ検知機能付きフロアスイッチにおいてループが検知された場合に、当該ループが検知されたフロアスイッチ識別名と、ループ発生ポートNOを含めたメッセージとを、ループ検知時のログ情報として前記スイッチログDBに格納するステップと、
前記スイッチログDBのログ情報を監視する監視ステップと、
該監視ステップによる監視の結果、ループの検知が判明した場合、該ループが検知されたフロアスイッチ識別名およびポートNOを該スイッチログDBに格納されているログ情報から取り出すステップと、
該取り出したフロアスイッチ識別名およびポートNOを元に、前記スイッチポート管理DBをアクセスし、該フロアスイッチの設置位置情報、接続されるLAN回線NO、LAN回線の接続機器設置位置、および設置図面IDを特定するステップと、
前記LAN配線図面管理DBから該特定された設置図面IDに対応する設置図面データを取り出すステップと、
前記LAN配線図面管理DBから取り出した設置図面データ上に、前記スイッチポート管理DBにより特定されたフロアスイッチの設置位置情報、接続されるLAN回線NO、LAN回線の接続機器設置位置を表示通知するステップと
を有することを特徴とするループ検知機能付きフロアスイッチ監視方法。
【請求項8】
請求項7に記載のループ検知機能付きフロアスイッチ監視方法において、
さらに、前記スイッチポート管理DBの内容をポート管理資料として出力するステップを有することを特徴とするループ検知機能付きフロアスイッチ監視方法。
【請求項9】
請求項7または8に記載のループ検知機能付きフロアスイッチ監視方法において、
前記ログ情報は、メッセージ出力日付け,メッセージ出力時刻,メッセージID,メッセージを含むことを特徴とするループ検知機能付きフロアスイッチ監視方法。
【請求項10】
請求項7から9のいずれかに記載のループ検知機能付きフロアスイッチ監視方法において、
前記設置位置情報は、設置建屋名,設置フロア,スイッチ設置X座標,スイッチ設置Y座標を含むことを特徴とするループ検知機能付きフロアスイッチ監視方法。
【請求項11】
請求項7から10のいずれかに記載のループ検知機能付きフロアスイッチ監視方法において、
前記ポート統計情報は、ポートを通過する通信量であることを特徴とするループ検知機能付きフロアスイッチ監視方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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