説明

レアな事象の検知における強調された染料比率弁別のための新規な免疫的細胞の着色方法

【課題】血液にじみ分析等における、低い濃度及び高い濃度の細胞検知及び弁別を行う。
【解決手段】細胞を含むサンプルを準備する方法であって、細胞を含む第1の材料をスライドの上に配置し、第1のタイプの抗体を追加し、第2のタイプの抗体を追加し、第1のマーカーを、第1のタイプの抗体及び第2のタイプの抗体の1つと関連付け、第2のマーカーを、第1のタイプの抗体及び第2のタイプの抗体の1つと対応付けるステップを含み、準備されたサンプルが真のポジティブ画像事象から殆どの偽ポジティブを弁別し除去するためのフィルタリングを可能とするために十分なスペクトラム解像度を有する信号を放射するように構成され、更に、興味の対象である細胞であるかを決定するための、より高い解像度の検知方法によって確認される方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、レーザ・ベースの検知システムに関連する。そして、血液にじみ(blood smears)、生物学的分析(assays)等における、低い濃度及び高い濃度の細胞検知及び弁別に関連して特別の応用分野を持つ。そして、そのような特別の応用分野への特別の参照とともに説明される。しかし、本コンセプトは、種々の実質的に平面の表面及びサンプルの上の、他のタイプの、低い、又は高い濃度の特徴(features)の検知及び弁別にも応用が見出されることが理解されるべきである。
【0002】
レーザ・ベースの検知システムは、印刷、生物/生命及び医学科学を含む多くの産業で広く用いられている。そして、他の検知システムの中でも、バイオチップ・リーダ、及び、レーザ走査細胞メータ(cytometers)において具体化されている。
【0003】
そのような装置の1つのカテゴリーにおいて高い解像度を実現するために、レーザ光が、顕微鏡のためのレンズに類似するレンズ(objectives)を通じて案内される。これらのレンズは、マルチプルのレンズ要素を利用して、高拡大、及び、しばしば、近ミクロン、又は、サブ・ミクロンの解像度を実現する。励起光と放射光の双方は、これらのレンズを通じて案内されるので、レンズの重い荷重、及び、それらの小さな開口(aperture)が、速度であって、当該速度においてレーザ光が移動され得る速度を制限し、それによって、サンプルの走査の速度を制限する。
【0004】
【特許文献1】米国特許出願2004/0071330号
【特許文献2】米国特許出願2004/0071332号
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
興味の対象である、潜在的な細胞を含むサンプルを準備し、新規の励起及び放射の収集(collection)のためにレーザ・ベースのシステムのレーザを使用するための方法、及び、直接及び比率ベースの測定のための、得られたデータの使用を含むデータの利用が提供される。1から20μm又はそれより大きい直径の範囲を有し、従来的なより方又は新規なやり方で蛍光を励起するレーザ・スポットを採用する画像化システムにおいて、準備されたサンプルは、獲得された画像化事象の中の正しいポジティブから殆どの誤りポジティブ(positives)を弁別し、除去するためのフィルタリングを可能とするために十分なスペクトラム特性を持つ信号を放射(emit)するように構成される。これらのフィルタリングされた事象(events)は、その後、画像され、短い時間内において、蛍光顕微鏡のような、他の、より高い解像度の装置で確認(confirmed)され得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図1を参照して、ファイバ・アレイ走査技術(FAST)を採用するイメージャ10の1つの実施例が示される。イメージャ10は、スライド16の表面の少なくとも一部の上に配置された生物学的滲み(smear)14を持つサンプル12を検査する。
【0007】
細胞研究の従来技術で知られているように、サンプル12は、対象から血液又は血液の一部分のような、しかしこれに限定されない、生物学的液体のサンプルを引出す(drawing)ことによって準備される。好ましい実施例において、サンプルは、スライドに付着した細胞(cell)の単層である。特に、赤い細胞が除去された血液細胞が、考えられる。液体サンプルは、異なった種類の生物学的分子に選択的に結合(bonds)する、蛍光を染めるために結合された(conjugated)生物学的マーカーのような、しかしこれに限定されない蛍光材料で処理される。蛍光材料は、たんぱく質、核酸(nucleic acid)、又は、他の分子のような細胞の表面上に、又は、その中に存在し得る。選択された癌細胞タイプ、胎児(fetal)細胞、又は、考慮されるべき他の適切な細胞を含む、医学的関心の対象である、いくつかの異なった細胞タイプをマーキングするために適切なマーカが、業界で知られている。脳細胞、肝臓細胞のような他の器官、及び、バクテリア細胞またはウイルス、及び、他のものを含む、膨大な細胞タイプのためのマーキング材料を開発するための作業が為されている。マーキング材料は、好ましくは、選択された波長又はスペクトラムの光、X線照射、電子ビーム照射、等による照射のような、選択された励起照射に応じて、蛍光又は燐光のような特徴的な発光出力を放射する。特徴的なルミネセンスは、一般的に、特徴的な波長、又は、波長のスペクトラム範囲を持つ。有機的染料(即ち、フルオロフォア(fluorphores))が、支配的なタグ付け工程である一方、量子ドット(quantum dots)及びナノ粒子プローブとして知られる他のマーカの使用を含む他の技術が存在する。これら、及び他の材料及び技術を用いるシステムが、有利に、本出願のコンセプトを採用し得る。
【0008】
より小さいサイズは、実装に依存する。しかし、例として、生物学的液体において、100万細胞当たり、関心の対象の約1つという、希薄な細胞の細胞濃度(cell concentration)に対する1つの状況においては、滲み14は、百万から5000万、或いはそれより多い細胞を含み得、約10cm2から100cm2或いはそれより広い面積を占有し得る。勿論、サンプル内の予想される細胞の濃度、及び、所望の最小測定可能な細胞濃度に適した、より大きい、又は、より小さい滲み(smears)が準備され得る。
【0009】
サンプル12は、サンプル12をサポートする、線形的に移動可能なトラック20を含む、イメージャ移動(translation)ステージ18(部分図に示される)の上に載置される。モータ22は、歯車装置(gearing)を介してトラック20と接続し、トラック20及びサポートされたサンプル12を、x方向(矢印28で示される)内のy方向(矢印26によって示される)に沿って移動する。
【0010】
光ファイバの束のような光パイプ30は、サンプル12の近傍の第1の端部32、及び、サンプル12から離れた(distal from)第2の端部34、を含む。第1の端部32は、全体的に線形(linear)な、或いは、高アスペクト比の、矩形の入力開口(aperture)36を規定するアレンジメントにおいて互いに実質的に並行にされた複数の第1のファイバ端(fiber ends)を含む。入力開口36の長い方の寸法(dimension)は、X方向と整列される(aligned)。
【0011】
光ファイバの束30は、第2の端部34が、コンパクトな、全体的に円形の(circular)出力開口38を規定する複数の第2のファイバ端を含むように、第1の端部32から第2の端部34へ至る間の断面寸法、及び、形状を変形(morphs)させる、或いは、変化させる。
【0012】
適切な実施例における走査放射(光)源40は、生物学的滲み14のマーキングで用いられるマーキング材料を励起するように選択された波長又は波長範囲で励起光(放射ビーム)44を生成するレーザ42を含む。励起光44は、電気的入力に応じて回転する(矢印48で示される)反射的表面を有するガルバノメータ(galvanometer)46によって角張って(angularly)走査される。光学的合焦レンズ50は、角張って走査された励起光64を、サンプル12の上に、そして、より特定的に、生物学的滲み14の上に合焦する。ガルバノメータ46によって生成された、角張った走査は、好ましくは、スポット(spot)の形状(form)である、励起光の線形のスゥイーピング(linear sweeping)又は高速走査(矢印52で示される)に変換される(translates into)。このスポットの形状は、現時点では、入力開口36の下に、そして、入力開口36の長い方の寸法に平行にアレンジされた線形軌跡(linear trajectory)に沿った生物学的滲み14上で、その直径が8μm又はそれより大きい。
【0013】
電気的制御ユニット56は、ガルバノメータ46及び移動ステージ(translation stage)18と通信して、サンプル12の軌跡54及び線形移動26に沿って、放射ビーム44の線形スゥイーピング又は走査52を調整して、軌跡54の全長(span)と、入力開口32の長い寸法、の小さい方によってX方向において制限される(bounded)サンプルの選択された領域に亘る放射ビーム44のラスタリング(rastering)を有効化(effectuate)する。好ましくは、軌跡54の全長は実質的に、入力開口32の長い方の寸法と整合する(comport with)。
【0014】
走査放射源40及び入力開口36は、固定された相対位置にアレンジされ、ガルバノメータ46は、X方法に沿った、励起ビーム44の線形のスゥイーピングを与え、サンプル12は、移動ステージ18によって、Y方向に沿って線形に移動されることによって、2次元的ラスタリングを有効化(effectuate)する。
【0015】
適切な信号検知器58が配置されて、出力開口38から発せられた、収集された特徴的な(characteristic)放射(luminescence)を検知する。第1のレンズ60は、レーザ光のように、しかしこれに限定されずに、実質的に光をコリメート(collimate)する。ブロッキング・フィルタ62が選択的に提供されて、収集された光から、散乱されたレーザ光を除去する。
【0016】
コリメートされた、収集された光を、光検知器アレンジメント66の上に合焦するために、第2のレンズ64が提供され得る。コンパクトな出力開口38と、合焦光学系60、64を結合することによって、単一の光検知器であり得る光検知器66は、空間的に分散された線形入力開口36のための信号検知を提供する。取り扱われる細胞によって生成される、一般的に低い、収集された特徴的な放射強度(intensities)に起因して、光検知器98は好ましくは、光電子増倍管(photomultiplier)チューブ(tube)である。
【0017】
電気的制御ユニット56は、ガルバノメータ46及び移動ステージ18と通信して、サンプルに亘って放射ビーム44をラスタリング(raster)する。放射ビーム44と、生物学的にじみ4内の扱われた細胞の相互作用によって生成される特徴的な放射は、入力開口36によって収集され、光ファイバの束30によって出力開口38にチャネリング(channeled)され、信号検知器58によって検知される。電気的制御ユニット56は、光検知器66から、検知された信号を受信し、検知された信号を、サンプル12上の放射ビーム44の位置的座標と対応させる(correlates)。
【0018】
電気的制御ユニット56は、適切な形で、検知された信号、及び、空間座標情報をフォーマッティングし、情報を内部メモリ内に記憶し、情報を、磁気又は光ディスクのような不揮発性の記憶媒体に書き込み、座標が空間座標情報にマッピングされ、強度(intensity)又はカラーが検知された信号強度にマッピングされた画像要素のアレイを含む画像表現をフォーマッティングし、ディスプレイ68等の上に表示する。
【0019】
上述のように、走査オペレーション中には、レー・ザビームによって生成されたスポットと、サンプル内のタグ付けされた細胞の相互作用が、これらのタグ(又はマーカ)が、蛍光のような放射を、発することを引き起こすことになる。通常、これらのタグは、細胞内に集合され(clustered)、放射スポットによる走査によって、それらが励起され、再放射(reemit)したときに、高い強度の画素を生成する。以下の議論について、検知された未知のタグのクラスタ(cluster)は、「画像事象(image event)」として説明される。この「画像事象(image event)」に対しては、更なる調査がなされることが保証される。放射スポットのサイズは、イメージング装置の解像度を規定する。
【0020】
そのような小さな構造(structures)で作業を行うときに、汚れやほこりの粒子のようなノイズ、又は、その他の細胞が、サンプル12の上に発見され得る。そして、獲得された画像情報に影響を与え得る。特に、イメージャ10は、レアな細胞(rare cells)の識別とは無関係な画像データを蓄積し得る。時として、このノイズが、「偽のポジティブ(false positives)」として検知され得る。画像獲得及び処理中に、このノイズを除去することが望ましい。それ故、電気的制御ユニット80、及び/又は、システム10の他の要素を介して、フィルタリング手順が実施され、レアな細胞と関連しない情報を除去する。フィルタリング技術は、画素のナンバー、強度、考察の対象である画像事象のフェーズ(phase)及び形状、を含むフィルタリング・オペレーションを実行するために、画像事象(image event)の種々の特性(characteristics)を使用し得る。
【0021】
1つの実施例において、調査中の画像事象の画素の数(number)をカウンティングすることによって、画像事象は、レアでない細胞(偽のポジティブ)、又は、レアな細胞(真のポジティブ)画像事象として分類され得る。調査対象のレアな細胞タグ・クラスタの大体のサイズを知ることによって、画素の数が指定された範囲より少ないか、当該範囲より大きいかのいずれかを有する、それらの画像事象をフィルタリング(filter out)するための範囲が、設定され得る。例えば、もし、レアな細胞の範囲が、1から12の範囲内の画素の数に相関することが知られるならば、12より大きい画素範囲を有する画像事象は、フィルタリング・オペレーションにおいて除去され得る。
【0022】
他のフィルタリングの実施例において、画像事象の形状が、無関係の情報をフィルタリングするために用いられる。特に、多くの場合において、レアな細胞、又は、レアな細胞のクラスタに関連している画像事象は、画像化され、放射スポットのインパルス応答によって滲まされているレアな細胞に対応する既知の形状を持ち得る。もし、検知された形状が、関連するレアな細胞、及び/又は、レアな細胞のクラスタのために予想されたものとは異なるものならば、これは、検知された画像事象が、ほこり、又は、汚れの粒子、又は、サンプルからの他の無関係な信号のようなノイズであるということを指示することになろう。このアレンジメントにおいて、フィルタリングにおいて支援するために、既知のパターン・マッチングのソフトウエアが、画像化システム10において実装され得る。このフィルタリング・オペレーションにおいて、スポット自身の解像度サイズに比して、より詳細な構造を持った画像事象を観察しないことが予想され得る。特に、構造自身はより小さいかもしれないにも関わらず、画像事象はスポット・サイズより小さくないかもしれない。
【0023】
レアでない細胞画像事象から、レアな細胞画像事象を識別するために使用され得る、更なるフィルタリング工程は、調査中の画像事象の強度を追跡することによるものである。例えば、より高い強度が、画素獲得位相(phase)と同位相であるレアな細胞画像事象に対して検知され得ること、及び、より高い強度が、より少ない画素をも与え得ること、が予測され得る。位相を外れた画像事象は、それらのエネルギーが、いくつかの隣接画素と共有されることによって、画素当たりの強度はより小さいが、より多くの画素を提供することになり得る。更に、いくつかの特定的でない(non-specific)細胞(即ち、レアな細胞に関連しない細胞)におけるタグの結合(binding)においては、画像事象を生成し得るが、それらの画像事象は、レアな細胞結合(binding)クラスタから予測される強度に比して、より低い強度を持ち得る。
【0024】
以上においては、レアな細胞事象(真のポジティブ)を、画像化システムによって検知された画像事象からスクリーニング(screen)するために使用され得る技術を説明する。
【0025】
しかし、いくつかの偽のポジティブが検知され、上述のフィルタリング概念を採用することによって考慮の対象から除去され得る一方、偽のオイジティブの多くが、除去されないことになる。何故なら、使用されるフィルタリング基準は、余りに厳密に設定され得ないからである。例えば、真のポジティブのポテンシャル逆効果(potential adverse effect)に起因して、フィルタがサイズ/強度基準を採用するときに、サイズ/強度値に対する特定のパラメータは、全ての偽ポジティブが除去されるようなレベルに設定され得ない。特に、1つの状況において、不顕性の(occult)癌細胞の汚染(stain)パターンは不規則的であり、不正確又は未知であり、それ故、もし、厳格な(即ち狭い)サイズ/強度基準が設定されるならば見逃され得る。従って、現存するフィルタリング技術は、調査される必要のある偽ポジティブの量を、管理可能な量まで下げる能力を持たない。この無能力に対する1つの特定の理由は、上述のFASTタイプのレーザ・ベースの画像化技術における、不十分は空間的解像度に起因する。
【0026】
FASTのような、大規模なビュー/ファースト(view/fast)走査システムにおける不十分な空間的解像度の問題に取り組むやり方は、サンプルの準備を、検知手順中に、真のポジティブ細胞に特有の、スペクトラム的に弁別可能なサンプルの特性が、放射されるようなやり方に改善することである。
【0027】
従って、上述のフィルタリング技術に加えて、及び/又は、それとの組合せで、準備されたサンプルのスペクトル的な特性を改善して、画像事象間のより容易な弁別を可能とすることによって、偽ポジティブがFASTベースのタイプのシステムにおいて最小化され得る。
【0028】
従来的な蛍光顕微鏡分析(即ち、FASTでないタイプのイメージャ)において、特にマルチプル・カラーの顕微鏡分析での応用において、広帯域の励起源(例えば、高圧水銀アークランプ、キセノン・ランプ)が、特定のフルオロフォア(fluorophores)(又は染料(dyes))を励起するために最適化されたバンドパス又はロングパス(longpass)フィルタとともに使用される。フルオロフォア(fluorophores)とプライマリの抗体が一緒にされ、それらが細胞ターゲット(抗原(antigen))に結合されるときに、適切に照射された際にアセンブリ全体が蛍光発光するように、フルオロフォア(fluorophores)は、プライマリの抗体に事前に結合され(pre-conjugated)得る。或いは、フルオロフォア結合された(fluorophore-conjugated)セカンダリの抗体が、使用され得る。そして、このセカンダリは、それが、特別にプライマリの抗体をターゲットとするように、ホスト(当該ホスト内でプライマリが高められた(raised))からの血清によって免疫される。セカンダリの抗体を用ることは、信号増幅に起因して、より明るい信号が得られるという利点を持つ。何故なら、セカンダリの抗体のマルチプルのコピーが、単一のプライマリの抗体に結合し得ることによって、画像事象の弁別についてのより大きな容易性を提供し得るからである。
【0029】
レーザ・ベースの走査システムにおいて、レーザ・スポット・サイズは、通常、数ミクロンから10ミクロンの範囲内にある。PARC(出願人)のFASTシステムにおいては、スポット・サイズは直径において、大体、8μm又はそれより大きい。これは、人間の血液細胞(〜10μm)のサイズ、及び、潜在的な循環している癌細胞のサイズに近い。それ故、細胞の構造的特性を観察(view)するために必要とされる、サブ・ミクロンの解像度を提供することはできない。FASTイメージャにおいてガルバノメータを伴ったレーザ走査を用いることは高速を実現できるが、それは、この、より低い解像度の犠牲の下での話となる。つまり、特定の画像事象が、自動蛍光欠陥(auto-fluorescent artifact)、染料集合(dye aggregate)であり得る偽のポジティブを表すか、又は、真のポジジティブ、即ち、本当にラベリング(genuinely labeled)された細胞ターゲット、を表すかを弁別するために不十分な解像度である。
【0030】
従って、蛍光の単一の帯域(single band)のためのサイズ及び強度の分析、及び/又は、説明されたフィルタリング技術のみの使用は、有効な偽ポジティブ除去のためには十分であり得ないかもしれない。何故なら、多くの他の事項が、真のポジティブの蛍光パターンに類似する蛍光パターンを与え得る、即ち、それらのストークのシフト(Stoke's Shift)が、真のポジティブに付着したフルオロフォア(fluorophores)のストークのシフトに類似する、或いは、それと同一であるからである。ここで、ストークのシフトは、吸収されたクアンタ(quanta)、と、放射されたクアンタ(quanta)の間の波長において異なることが知られている。放射された波長は、エネルギー保存に起因して、入射波長より長いか、或いは、それと等しい。差があれば、その差は、材料の原子格子内に、熱として吸収されている。
【0031】
蛍光パターンに影響を与え得る他の事項には、血液サンプル及び小さなほこり粒子又は染料集合からの自動蛍光(auto fluorescence)が含まれる。例えば、血流内を循環している潜在的なエピセリアル(epitherial)(癌的でありそうな(likely cancerious))をターゲットとするために、逆時計方向のプライマリ抗体(マウス・アンチ・ヒューマン(mouse anti-human))が、1:100希釈において使用されること、及び、ターゲットとされた細胞を識別するために、Alexa 488結合のやぎアンチ・マウス(Alexa 488-conjugated goat anti-mouse)のようなセカンダリの抗体を、1:1000の希釈において使用することが想定される。準備され、FASTタイプのイメージャによってスキャンされた一般的なサンプルにおいて、数千又はそれより多い潜在的なヒット又は画像事象が、Alexa 488の通常の放射バンド、即ち、525nm +/- 20nmにおいて登録され得る。しかし、少し(a few)だけが、真のポジティブであり得、又は、真のポジティブは全く存在しないかもしれない。真のポジティブと偽のポジティブの間の、強度、及び/又は、スポット・サイズにおける差は、単純に言えば、弁別可能とさせるためには十分には明確ではない。偽のポジティブを弁別するための、この無能力は、潜在的な数千のこれらの偽のポジティブを画像化するために顕微鏡分析の膨大な時間を費やすという結果をもたらす。それゆえ、偽のポジティブから、真のポジティブをより良く弁別するために、サンプルに蛍光抗体結合(fluorescent antibody conjugates)が適用される方法における新規な戦略が実現され、それによって、偽のポジティブをスクリーン・アウト(screen out)するために適用されるフィルタリングを改善するための追加の情報を生成する。
【0032】
特に、サンプルの改善されたスペクトラムの特性は、真のポジティブを特有的に識別する放射比シグニチャ(emission ratio signatures)を生成するために同じ細胞をターゲット化する(target)ための種々のやり方で、背景蛍光を除去するための非従来的な励起及び放射方法を用いることによって、及び、マルチプルのマーカー(例えば、染料(dyes)等)を採用することによって、実現され得る。1つの場合において、非従来的な励起(excitation)及び放射(emission)は、レーザ及びマーカー又はタグを一緒に採用することを含み、この場合には、マーカー又はタグの最適な蛍光をもたらさない。以下の議論において、例は、蛍光染料としてのマーカーを参照する。しかし、他の適切なマーカーもまた、本概念とともに使用するために適切であることが理解されるべきである。
【0033】
以上の説明が、FASTシステムを議論してきた一方、以下の戦略は、励起のために単一のレーザを用いる、他の発光(例えば、蛍光等)システムに適用され得ることが理解されるべきである。更に、説明された戦略及び概念は、第1のレーザを用いる一方、他のレーザ(1つあるいはそれより多い)が、追加の情報のための他のタグを励起する(exciting)ために使える状態にされる(freed-up)ことによって特定性を増加させるために、2つ或いはそれより多いレーザを採用しているシステムにおいても採用され得る。
【0034】
図2に示される第1の実装において、セカンダリの抗体に対して、1つの結合された(即ち関連した(associated))フルオロフォア(fluorophore conjugated)を用いる替わりに、2つが用いられる。特に、この手順は、既知の技術によって、関心の対象の細胞ターゲット72に結び付けられた(bound to)プライマリの抗体(1stAB)70を説明する。細胞ターゲットは、図1に示されるように、サンプルと共にスライド上に配置された材料の一部である。次に、2つの異なったフルオロフォア76(*)、78(+)のバージョンを有する(同じタイプの)マルチプルのセカンダリの抗体74が、それに選択的に結合される(selectively conjugated thereto)。結合されたフルオロフォア76,78の双方は、同じプライマリの抗体70をターゲット化するように意図されている。
【0035】
異なった濃度において使用されたときに、それらの放射強度は、使用される濃度を反映する。例えば、Alexa 488 やぎアンチ・マウス及びAlexa 555 やぎアンチ・マウスが、プライマリのマウス・アンチ・ヒューマンサイト・ケラチン(cytokeratin)をターゲット化し、競合させる(compete for)ために使用され得る。しかし、選択されたAlexa 染料の量子特性(quantum properties)を列挙する、以下の表1に示されるように、そして、Alexa染料の励起及び放射曲線(488及び555)を示す図3に説明されるように、488nmレーザが使用されるときに、Alexa 488は、Alexa 555(14.2%)より高い効率(カリフィルニアのCarlsbadのMolecular Probe/Invitrogen Corporationからのデータによると75.1%)において励起される。図3において、Alexa染料(EX_488(80)、EX_555(82)、EM_488(84)、及び、EM_555(86))の励起及び放射スペクトラムが、吸収又は放射効率(%効率).対.波長(波長(nm))によってプロットされる。
【0036】
表1

【0037】
サンプルのスペクトラムの解像度を改善するための、本出願の第1の手順を引き続き参照すると、Alexa 488抗体の量(例えば14)に比して、Alexa 555のより大きな量の(例えば16)抗体(特に、Alexa 555に結合されたやぎアンチ・マウス抗体)が、用いられる。より特定すると、Alexa 488(18)抗体と比較した、100:1の濃度(concentration)比におけるAlexa 555(16)が提供される。これによって、(図1のレーザ42のような)488nmのレーザによって励起されたときのAlexa 488の放射強度より大きい、Alexa 555放射強度(及び/又は、収集され得る放射されたフォトンの量)を生成することが可能となる。勿論、所望のスペクトラム解像度を提供する、非対称なマーカーアレンジメントを生成するために、他の濃度比も適用され得る。
【0038】
更に、例えば血液自動蛍光(auto fluorescence)は、一般的に、488nmレーザによって励起されたときに、Alexa 488(〜525nm)の放射ピークの周りに放射ピークを持ち、Alexa 555(〜580nm)のピークにおいて非常に少ないピーク持つか、全くピークを持たない。1つの488nmレーザによって励起された際の、種々の癌細胞ライン(cancer cell lines)の試験は、Alexa 488染料に対して100:1でAlexa 555染料が使用されたときに、事実上、決定された真のポジティブの全てが、1.0より大きい放射強度比(画素当たりの平均強度の形式において、580nm対525nm)を持ち、真のポジティブの大多数が、2又はそれより大きいことを示した。偽のポジティブの大多数は、1.0より小さい比を持つことが決定された。それ故、1.0又はそれより小さい放射比を持つ「画像事象」は、無視され得、蛍光顕微鏡のような、より高い解像度の装置の使用によって画像化されない。いくつかの偽のポジティブは、セカンダリの抗体のランダムな集合から生じる(stemmming)。或いは、非特定的に結合されている(non-specifically bound)プライマリは、>1.0の放射比をも持ち得、これにより、上述の手順を用いてフィルタ・アウト(filtered out)されないことになる。試験された癌細胞ラインについて、上述の比が関連するものと考えられる一方、他の細胞・ライン又は患者のサンプル(patient sample)が、偽のポジティブ及び真のポジティブと関連する、異なった比を持ち得ると理解される。それ故、これらの細胞サンプルに対して、これらの他の細胞サンプルの試験によって得られた比は、勿論、フィルタリングのために使用されることになる。
【0039】
従って、上述の「非対象的な」セカンダリの抗体染料(antibody-dye)の濃度を使用し、フィルタリング・パラメータとして適切な放射比カットオフを選択することによって、偽のポジティブの量が、大きく削減される。
【0040】
上述の非対称コンセプトは、偽ポジティブの改善された検知及び除去を提供するが、この手順に関連するいくつかの問題が存在する。特に、Alexa 488放射の、Alexa 555 放射領域(〜580nm。Alexa 488放射のテイル、例えば、図3のEM_488(84)、を参照。)へのしみだし(bleeding)と組み合わされた、488nmレーザによるAlexa 5551の低い励起効率は、実質的に十分高い、Alexa 555の量を使用することを要求する。更に、弱い信号、そしてそれによる非検知を避けるために、Alexa 488濃度は、通常の、又は、広く用いられている1000x希釈に比して、余りにも低い値ではあり得ない。例えば、実質的に、全ての真のポジティブが、>1.0の放射比を持つ高い確率を保証するためにAlexa 555が30x希釈において使用される一方、Alexa 488は、3000x希釈において使用されうる。しかし、一般的なセカンダリの抗体ストック(例えば、1mLあたり2mg)の30x希釈は、「非常に濃い(very concentrated)」と考えられ、これは、非特定の染色(non-specific staining)に起因して、より多くの偽ポジティブの可能性をも増加させる。
【0041】
非対称実装(implementation)における第2の問題は、単一のプライマリ抗体70に結合する(binding to)2つのセカンダリ抗体76、78の競合的な性質が、そのような結合(bonding)が、しばしば、異なった実験に亘って、特に、容易に飽和され得る低い抗原表現レベル(antigen expression level)を持つ細胞において、無矛盾(consistent)ではなくなり得るという結果を意味することである。
【0042】
図4に戻って、ここに表されるのは、サンプルのスペクトラム的な弁別性を改善するために使用される第2のアプローチである。このアプローチにおいて、2つのフルオロフォア結合された(fluorophore-conjugated)セカンダリの抗体を用いる替わりに、1つの(又は第1の)フルオロフォア 90(+)が、関心の対象の細胞94に結合される(bound)、プライマリの抗体92に結合(conjugated)される。他の(又は第2の)フルオロフォア 96(*)は、フルオロフォア結合されたプライマリ(又は1番目のタイプ(1st type))抗体92をターゲット化するために選択され準備された、セカンダリのタイプの抗体98に結合される。図4に記載されるように、この結合は、順次的であり、非競合的であり、完了する(go to completion)ことが許される。
【0043】
上述の特定の例は、(プライマリの抗体としての)Alexa 488マウス・アンチ・ヒューマン・シトケラチン(cytokeratin)92、及び、(セカンダリの抗体タイプとしての)Alexa 555やぎアンチ・マウス98を採用する。このスキームにおいて、セカンダリ抗体結合されたフルオロフォア(secondary antibody conjugated fluorphore)(Alexa 555)96の信号が増幅されるが、プライマリの結合された(conjugated)フルオロフォア(Alexa 488)90は、より弱いチャンネルである。
【0044】
第3のアプローチに戻って、図2との関係で議論されたように、弱く励起されたチャンネル(例えば、Alexa 555)に対して高い第2の抗体濃度(concentration)を用いる替わりに、図5で示されるコンセプトは、セカンダリの抗体(例えばAlex 555)を増幅するための、Tyramide信号増幅(TSA)のような、酵素(enzyme)ベースの信号増幅方法を使用する手順を説明する。
【0045】
Tyramide信号増幅は、信号を増幅する化学的反応に接触作用を及ぼすために酵素を使用することを含む。図5において、関心の対象の細胞102に結合された(bound)、非結合された(non-conjugated)プライマリの抗体100が用いられる。しかし、通常の染料結合された第2の抗体(dye-conjugated 2nd antibody)の替わりに、酵素わさびペルオキシダーゼ(horse radish peroxidase:HRP)106に結合された(conjugated)第2の抗体104が使用されて、プライマリの抗体100をターゲット化(target)する。次に、非反応性フォーム(form)の、フルオロフォア染料(例えば、Alexa 555)、過酸化水素H2O2 112 (Δ)、及び、ティラミド混合物(tyramide mixture)114(□)、のような、マーカー110(*)を含む試液(reagent)、が適用される(applied)。(H22)112の存在下でのHRP106は、非反応性のティラマイド114を、求核(nucleophilic)たんぱく質チロシン(tyrosine)側鎖に束ねられる(binding to)ことによる、束ねられた(bound)2番目の抗体(bound 2nd antibody)104の場所の近傍に析出する(deposits)、短命の自由基(short-lived free-radical)のティラマイド・フォーム114'(M)に変換する。この自由基のメカニズムは、マルチプルの反応的なフルオロフォア・ティラマイド(110、114')が、析出されることを可能とすることによって、染料(dye)110からの信号を増幅する。変換されたフルオロフォア・ティラマイド(110、114')の短命の(short-lived)性質は、それらが、分散(diffuse)せず、2番目(2nd)の抗体タイプ104の近傍で局所的に滞在(stay)することを意味する。このスキームにおいては、染料110(例えば、Alexa 555)は、第2の抗体104に直接結合された染料(例えば、Alexa 488)に比して、非常に大きな倍数だけ(many more times)増幅され得る。
【0046】
本手順は、染料110とは異なったレベルにおいて、他のセカンダリの抗体104への結合のフォームで、他の染料(例えば、Alexa 488)116を取り込むことによる、非対称染料濃度を生成するための、TSAの使用を介して取得可能な増幅コンセプトを利用する。そして、特定の実施例において、染料116の量は、染料110の量より少なくなろう。TSAが、増幅技術として引用された一方、他の既知の生物学的増幅技術もまた、使用され得る。
【0047】
図6を参照して、ここには、サンプルのスペクトラム的な解像度を増加させるための更なる手順が示される。この例においては、第1のタイプ(プライマリ)の抗体120が、再度、既知の技術を用いて、関心の対象の細胞122に結合される(bound)。この手順は、次に、2番目(2nd)のタイプの(セカンダリの)抗体126と関連する単一のフルオロフォア染料124を用いる。これは、それ自身で、1番目(1st)の抗体120をターゲット化するように構成される。単一の染料124は、放射が収集されて新規なやり方で使用されるような、非従来的なやり方で励起される。
【0048】
1つの例において、染料124は、Alexa 555であり得、Alexa 555結合された抗体(Alexa 555 conjugated antibody)126は、488nmレーザによって励起(excited)される。488nmレーザでの、その励起効率は、たった、14.2%なので(表1参照)、わずかに、より高い、Alexa 555の濃度が使用される。例えば、染料の通常の1000x希釈の替わりに、150x希釈が使用されて、励起効率における損失を補償する。この希釈は、調査中のサンプルの上に適用されるべき(燐酸塩(phosphate)バッファされた塩水(saline)のような)バッファにおける抗体染料(又はマーカー)の希釈である。より特定的には、希釈は、約1000x希釈という、受け入れられた業界標準より、6から7倍少ない範囲内にある。次に、Alexa 555が励起されるときに、その通常の放射ピーク(〜585nm)の周りの十分な蛍光が、画像化システムによって効率的に収集され得る。このアプローチの利点は、血液自動蛍光(blood auto fluorescence)(即ち、488nmレーザで励起されたときに、その殆どが、525nmの周りの放射ピークの近傍で発生する)から生じる偽のポジティブの数が、劇的に削減されることである。中程度の濃度が使用されるので、抗体の高濃度(concentration)に起因する染料の集合は、大きく削減される。濃度(concentration)の試験は、種々の表現レベルの細胞ラインを用いることに影響を与えるが、全ての真のポジティブが、検知される間、偽のポジティブは管理可能なレベルに保持され得る。
【0049】
代替的な手順において、これらの画像化事象の蛍光が引き受けられ(undertaken)、殆どの自動蛍光(autofluorescence)が発生するような、より短い放射波長(例えば、488nmレーザを用いたときに525nm)において収集され得る。より長い波長(例えば、Alexa 555染料に対して585nm)における放射と一緒に、それらの比率は、偽のポジティブをフィルタリング・アウトするための、追加の顕著なデータの組を与える。
【0050】
他のサンプル準備手順は、商業的に入手可能なタンデム染料((Molecular Probes Division of Invitrogen Corporationから販売される)DyeMer 488/630)のようなタンデム(tandem)染料を採用する。例えば、図7は、DyeMer 4881630染料に対する吸収カーブを示す。これは、それが、615nmの周りのそのメインの吸収ピークの他に、488nmにおいて、良く励起するが、放射カーブ150によって示されるように、その殆どの放射が、630nmにおけるピークの周りにあることを示す。タンデム染料は、2つの染料の結合(conjugates)であり、第1の染料の放射が、第2の染料によって吸収されるものである。第1の染料からの放射の大多数が吸収されるが、小さなパーセントが、依然として、その通常の波長(即ち、Alexa 488に対して525nm)内で放射されることになる。それゆえ、525nmと630nmの周りの双方の放射を収集することによって、自動蛍光ではなく、むしろタンデム・タイプの染料の比率を表す比率が得られ得る。特徴、サイズ、及び/又は、強度のような、しかし、それに限定されない他の情報とカップルされて、そして、本出願書類で以前に議論された基準の組のような、フィルタリング基準の組を適用することによって、染料集合(dye aggregates)からの、多くの数の偽ポジティブが、除去される。
【0051】
上述のようなコンセプトを用いて、レーザ・ベースの走査工程中に、本発明の発明者達は、10-5及びそれより良い特定性(specificity)を実現した。換言すれば、約百万の細胞を有するサンプルに対して、偽のポジティブは、たったの10細胞に制限され得る。これらの細胞(真のポジティブ、及び、フィルタリング後の削減された偽のポジティブ)は、次に、顕微鏡的システムのような、より高い解像度検知システムによって、短い次官で検討され得る。
【0052】
種々のこれまでに開示された、及び、他の特徴及び機能、又は、その代替物が、多くの他の異なったシステム又はアプリケーションに、望ましく結合され得ることが理解されるであろう。また、種々の、現在予測できない、又は、予期されない、その、代替物、修正、変形、又は、改善が、当業者によって、後に為され得ることが理解されるであろう。そして、これらは、添付の請求項に包含されることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本出願の実施例によって形成された画像化装置の斜視図を示す。
【図2】拮抗的獲得方法(competitive acquisition method)における2つの2次的抗体を採用するラベリング・スキームを表す図を示す。
【図3】Alexa染料の励起及び放射スペクトラムを示す。
【図4】結合された(conjugated)プライマリ及び結合されたセカンダリ方法のシーケンシャルなアプリケーションを採用するラベリング・スキームを示す。
【図5】信号の印加のためのTyramid信号アプリケーションを採用するラベリング・スキームを示す。
【図6】単一染料構成(single dye configuration)を採用するスペクトラム解像度を改善するための更なる手順を示す。
【図7】サンプルのスペクトラム解像度を改善するために出力信号の比率が用いられる、二重染料増幅手順(dual dye amplification procedure)の使用の出力を示す。
【符号の説明】
【0054】
10 イメージャ
12 サンプル
14 生物学的滲み
16 スライド
18 ステージ
20 線形的に移動可能なトラック
22 モータ
26 線形移動
28 矢印
30 光パイプ
32 第1の端部
34 第2の端部
36 矩形の入力開口(aperture)
38 出力開口
40 走査放射(光)源
42 レーザ
44 励起光(放射ビーム)
46 ガルバノメータ(galvanometer)
48 矢印
50 光学的合焦レンズ
52 矢印
54 サンプル12の軌跡
56 電気的制御ユニット
58 信号検知器
60 第1のレンズ
62 ブロッキング・フィルタ
64 励起光
66 光検知器アレンジメント
68 ディスプレイ
70 プライマリの抗体(1stAB)
72 細胞ターゲット
74 セカンダリの抗体
76 フルオロフォア
78 フルオロフォア
80 電気的制御ユニット
82 EX_555
84 EM_488
86 EM_555
90 フルオロフォア(Alexa 488)
92 プライマリの抗体
94 関心の対象の細胞
96 セカンダリ抗体結合されたフルオロフォア(secondary antibody conjugated fluorphore)(Alexa 555)
98 光検知器
100 非結合された(non-conjugated)プライマリの抗体
102 関心の対象の細胞
104 第2の抗体
106 酵素わさびペルオキシダーゼ(horse radish peroxidase:HRP)
110 マーカー
112 過酸化水素H2O2
114 ティラミド混合物(tyramide mixture)
114’ 短命の自由基(short-lived free-radical)のティラマイド・フォーム
116 他の染料(例えば、Alexa 488)
120 第1のタイプ(プライマリ)の抗体
122 関心の対象の細胞
124 単一のフルオロフォア染料
126 2番目(2nd)のタイプの(セカンダリの)抗体
150 放射カーブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
興味の対象である潜在的な細胞(potential cells of interest)を含む画像事象(imaging events)を検知することが意図される、レーザ・ベースの走査システムで使用するために、興味の対象である潜在的な細胞を含むサンプルを準備する方法であって、
前記興味の対象である潜在的な細胞を含む第1の材料を、スライドの上に配置し、
前記興味の対象である潜在的な細胞をターゲット化する(target)ように構成された、少なくとも第1のタイプの抗体を追加し、
前記第1のタイプの抗体をターゲット化するように構成された第2のタイプの抗体を追加し、
少なくとも第1のマーカー又はタグを、前記第1のタイプの抗体及び前記第2のタイプの抗体の少なくとも1つと関連付け(associating)、そして、
第2のマーカー又はタグを、前記第1のタイプの抗体及び前記第2のタイプの抗体の少なくとも1つと対応付ける、
ステップを含み、
前記レーザ・ベースの走査システムによって動作されたときに、前記準備されたサンプルが、真のポジティブ画像事象から、殆どの偽ポジティブを弁別し、除去するためのフィルタリングを可能とするために十分なスペクトラム解像度を有する信号を放射するように構成され、フィルタリングされた画像化事象が、次に、それらが真に、興味の対象である細胞であるかを決定するための、より高い解像度の検知方法によって確認される(confirmed)方法。
【請求項2】
前記第1のマーカー又はタグの量、及び前記第2のマーカーの量が、等しくない、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のマーカー又はタグが、前記第1のタイプの抗体と関連付けられ、前記第2のタイプのマーカー又はタグが、前記第2のタイプの抗体と関連付けられている、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
興味の対象である潜在的な細胞を含むサンプルを走査するための、レーザ走査システムであって、
スライドであって、当該スライド上にサンプルが配置されるスライドをサポートするイメージャ・ステージ、
励起光波長において励起光を放射する光源、及び、放射された蛍光を、前記サンプルに衝突するコリメートされた励起光に変換する光学系であって、前記励起光と前記サンプルの間の相互作用が、当該励起光の波長とは異なった波長においてルミネセンス光を生成するものであり、
前記ルミネセンス光の少なくとも一部を収集するようにされた入力開口、及び、
前記入力開口と光学的に連絡し、前記入力開口によって収集された前記ルミネセンス光を放射する出力開口、
を備え、
獲得された画像化事象に対して、偽のポジティブと真のポジティブの間を弁別するために十分なスペクトル的な解像度を有する信号を放射するために前記サンプルが準備され、当該真のポジティブが、興味の対象である細胞の検知を確認するものである、
レーザ走査システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−192819(P2007−192819A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−2559(P2007−2559)
【出願日】平成19年1月10日(2007.1.10)
【出願人】(504407000)パロ アルト リサーチ センター インコーポレイテッド (65)
【Fターム(参考)】