レイアウト選択装置、レイアウト選択方法、レイアウト選択プログラムおよびコンピュータ読み取り可能な記録媒体、ならびに、コンテンツ表示装置およびコンテンツ作成方法
【課題】文書や画像からなるコンテンツを表示する際、複数のレイアウトから最適なレイアウトを選択することができるレイアウト選択装置を提供する。
【解決手段】コンテンツを表示する表示領域の大きさおよびアスペクト比と、コンテンツを表示するときに用いられる複数のレイアウトの各々の大きさおよびアスペクト比とを検出する検出部11と、複数のレイアウトの各々を用いてコンテンツを表示領域に表示させたときにおける、各レイアウトと表示領域との一致の度合いを表わす一致指標を、各々の大きさおよびアスペクト比を用いて複数のレイアウト毎に算出する算出部12と、複数のレイアウトの各一致指標同士を比較することによって、コンテンツを表示領域に表示させるときに、複数のレイアウトからいずれのレイアウトを選択するべきかを決定する決定部13とを備えるレイアウト選択装置10である。
【解決手段】コンテンツを表示する表示領域の大きさおよびアスペクト比と、コンテンツを表示するときに用いられる複数のレイアウトの各々の大きさおよびアスペクト比とを検出する検出部11と、複数のレイアウトの各々を用いてコンテンツを表示領域に表示させたときにおける、各レイアウトと表示領域との一致の度合いを表わす一致指標を、各々の大きさおよびアスペクト比を用いて複数のレイアウト毎に算出する算出部12と、複数のレイアウトの各一致指標同士を比較することによって、コンテンツを表示領域に表示させるときに、複数のレイアウトからいずれのレイアウトを選択するべきかを決定する決定部13とを備えるレイアウト選択装置10である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書や画像からなるコンテンツを表示する際、コンテンツの最適なレイアウトを選択可能なレイアウト選択装置、レイアウト選択方法、レイアウト選択プログラムおよびコンピュータ読み取り可能な記録媒体、ならびに、コンテンツ表示装置およびコンテンツ作成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電子書籍端末が商品化され、一般家庭に普及し始めている。このような電子書籍端末は、利用者からの指示に応じて、たとえば無線通信を介して、電子新聞や電子雑誌といった電子書籍データを取得できるようになっている。また、利用者が電子書籍データを読むことができるようにするため、表示機能としての表示画面や、利用者からの指示を受け取るため、ユーザーインターフェイス機能としての入力デバイスが搭載されている。
【0003】
ところで、このような電子書籍端末に限らず、パーソナルコンピュータやPDA、携帯電話機といった、コンテンツを表示する表示画面を備えた表示装置では、一般に、表示画面のアスペクト比や、インチ数といったその大きさは多種多様である。コンテンツ作成者は、自身が作成したコンテンツが、どのような表示画面に表示される場合であっても、その表示画面において最適なレイアウト、つまり、最適な見せ方を用いて、表示装置のユーザーにコンテンツを見せたいと希望するのが通常である。
【0004】
このような状況を考慮して、表示画面を表わす指標の1つであるアスペクト比が異なる表示画面に対し、コンテンツの内容を破綻させること無く、効率的に画像、映像を出力する画像出力方法が提案されている(たとえば、特許文献1を参照)。
【0005】
この画像出力方法では、表示画面を複数の領域に分割するための分割パターンを表示画面のアスペクト比に対応付けて予め規定しておき、出力対象となる表示画面を、そのアスペクト比に対応する分割パターンに従って複数の領域に分割する。そして、たとえば、コンテンツである1つの画像を表示画面に表示させる際、分割された複数の領域それぞれに対する、複数の分割画像を生成し、生成した分割画像を複数の領域に対してそれぞれ出力する。
【0006】
このため、表示画面のアスペクト比に対応付けて表示画面の分割パターンを決めておくことにより、表示画面全体を効率よく利用することが可能となる。
【0007】
また、この画像出力方法では、表示画面を分割して得られる複数の領域のうち、主領域が表示画面のアスペクト比によらず、所定の縦横比を有するように表示画面を分割する。そして、主領域には、表示画面のアスペクト比によらず、所定の縦横比を有する画像を生成して出力する。
【0008】
このため、アスペクト比の異なる表示画面を分割して得られる主領域を相似形とし、各主領域に同一の画像を表示することにより、主領域に表示する画像は、表示画面のアスペクト比を意識せずに作成し、主領域に歪みやカケのない状態で表示することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許第3761559号公報(平成18年1月20日登録)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1の画像出力方法では、表示画面を複数の領域に分割するための分割パターンを表示画面のアスペクト比に対応付けて予め規定しておくものであった。このため、表示画面の分割の仕方によっては、コンテンツ作成者が希望する、最適な見せ方にあったレイアウトにはならないことがあった。
【0011】
また、分割された複数の領域それぞれに対する分割画像を生成して、それら複数の領域に対してそれぞれ出力する必要があった。このため、やはり、分割画像の生成の仕方によっては、コンテンツ作成者が希望する、最適な見せ方にあったレイアウトにはならないことがあった。
【0012】
さらに、表示画面のアスペクト比によらず、主に表示したいコンテンツを表示する表示領域である「主領域」は、所定の縦横比により表示されるものであった。このため、表示画面のアスペクト比に応じたコンテンツの表示を行なうことができず、多種多様な表示画面の表示装置の各々に、コンテンツを最適な見せ方で表示することは困難であった。
【0013】
上記課題に鑑み、本発明の目的は、文書や画像からなるコンテンツを表示する際、複数のレイアウトから最適なレイアウトを選択することができるレイアウト選択装置、レイアウト選択方法、レイアウト選択プログラムおよびコンピュータ読み取り可能な記録媒体、ならびに、コンテンツ表示装置およびコンテンツ作成方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、本発明に係るレイアウト選択装置は、コンテンツを表示する表示領域の大きさおよびアスペクト比と、前記コンテンツを表示するときに用いられる複数のレイアウトの各大きさおよびアスペクト比と、を検出する検出手段と、前記複数のレイアウトの各々を用いて前記コンテンツを前記表示領域に表示させたときにおける、用いたレイアウトと前記表示領域との一致の度合いを表わす一致指標を、前記検出手段によって検出された前記各々の大きさおよびアスペクト比を用いて前記複数のレイアウト毎に算出する算出手段と、前記算出手段によって算出された前記複数のレイアウトの各一致指標同士を比較することによって、前記コンテンツを前記表示領域に表示させるときに、前記複数のレイアウトからいずれのレイアウトを選択するべきかを決定する決定手段とを備える。
【0015】
この構成によれば、コンテンツを表示する表示領域の大きさおよびアスペクト比と、コンテンツを表示するときに用いられる複数のレイアウトの各大きさおよびアスペクト比と、を検出し、表示領域および各レイアウトの各々の大きさおよびアスペクト比を用いて、複数のレイアウト毎に一致指標を算出する。
【0016】
この一致指標は、各レイアウトと表示領域との一致の度合いを表わす指標である。
【0017】
このため、コンテンツを表示領域に表示させるときに、各レイアウトの一致指標同士を比較することによって、表示領域との一致度合いの高いレイアウトを選択すべきレイアウトとして決定することができる。
【0018】
たとえばコンテンツ作成者は、自身が作成したコンテンツを表示する際に用いることを希望し、複数のレイアウトを予め準備する場合がある。
【0019】
このような場合でも、コンテンツを表示する際、複数のレイアウトから最適なレイアウトを選択することができる。
【0020】
前記算出手段は、前記複数のレイアウトの各大きさに関し、各レイアウトの大きさを構成する長辺および短辺のうち、各レイアウトを前記表示領域の内部に納まるようにしつつ、各レイアウトを拡大縮小したときにおける、前記表示領域の大きさを構成する長辺および短辺のいずれかと一致する辺である一致辺を特定し、その特定された一致辺についての拡大縮小前の長さに対する拡大縮小後の長さの比を、前記一致指標に含まれる拡縮率として前記複数のレイアウト毎に設定する拡縮率設定手段と、前記表示領域および前記複数のレイアウトの各アスペクト比に関し、各アスペクト比が表わす横と縦との比から、横と縦のうちのいずれか一方を1とする数値である換算値に換算し、前記表示領域のアスペクト比の換算値と、前記複数のレイアウトの各換算値との差分を、前記一致指標に含まれるアスペクト比差分として前記複数のレイアウト毎に設定するアスペクト比差分設定手段とを含むことが好ましい。
【0021】
この場合、各レイアウトと表示領域との一致の度合いを拡縮率やアスペクト比差分を用いて数値化することができる。
【0022】
このため、各レイアウトの一致指標同士の比較を数値による比較によって行なうことができるので、一致指標同士の比較を効率良く、且つ、精度良く行なうことができる。
【0023】
前記決定手段は、前記一致辺についての拡大縮小前後の長さが等しいときにおける比を前記拡縮率の基準値としたとき、前記拡縮率設定手段によって設定された前記複数のレイアウトの各拡縮率同士を比較し、前記基準値に一致する拡縮率、または、前記基準値に最も近い拡縮率を持つレイアウトを抽出する拡縮率抽出手段と、前記アスペクト比差分設定手段によって設定された前記複数のレイアウトの各アスペクト比差分同士を比較し、最も小さいアスペクト比差分を持つレイアウトを抽出するアスペクト比差分抽出手段とを含むことが好ましい。
【0024】
この場合、各レイアウトの一致指標同士の比較を数値の大小関係に基づいて行なうことができるので、基準値に一致する拡縮率、基準値に最も近い拡縮率、および、最も小さいアスペクト比差分の抽出を効率良く、且つ、精度良く行なうことができる。
【0025】
前記決定手段は、前記拡縮率抽出手段および前記アスペクト比差分抽出手段のいずれか一方を用いて前記複数のレイアウトから少なくとも1つのレイアウトを含む第1のレイアウトグループを抽出し、前記第1のレイアウトグループに複数のレイアウトが含まれるとき、前記拡縮率抽出手段および前記アスペクト比差分抽出手段のいずれか他方を用いて前記第1のレイアウトグループから少なくとも1つのレイアウトを含む第2のレイアウトグループを抽出することが好ましい。
【0026】
この場合、拡縮率抽出手段およびアスペクト比差分抽出手段のいずれか一方を用いて複数のレイアウトから少なくとも1つのレイアウトを含む第1のレイアウトグループを抽出し、第1のレイアウトグループに複数のレイアウトが含まれるとき、拡縮率抽出手段およびアスペクト比差分抽出手段のいずれか他方を用いて第1のレイアウトグループから少なくとも1つのレイアウトを含む第2のレイアウトグループを抽出する。
【0027】
このため、2つの指標である拡縮率およびアスペクト比差分を用いても、効率よく、選択すべきレイアウトを決定することができる。
【0028】
前記決定手段は、前記第2のレイアウトグループに複数のレイアウトが含まれるとき、含まれる複数のレイアウトの各々が横書きであるか縦書きであるかを判断基準として、選択すべきレイアウトを決定することが好ましい。
【0029】
この場合、たとえば、ユーザーから表示領域に表示すべきレイアウトが指示された場合、その指示に基づくレイアウトの決定をすることができる。
【0030】
本発明に係るコンテンツ表示装置は、上記のレイアウト選択装置と、前記レイアウト選択装置によって選択されたレイアウトを用いて、コンテンツを表示領域に表示する表示装置とを備える。
【0031】
この構成によれば、コンテンツを表示する表示領域の大きさおよびアスペクト比と、前記コンテンツを表示するときに用いられる複数のレイアウトの各大きさおよびアスペクト比と、を検出し、表示領域および各レイアウトの各々の大きさおよびアスペクト比を用いて、複数のレイアウト毎に一致指標を算出する。
【0032】
この一致指標は、各レイアウトと表示領域との一致の度合いを表わす指標である。
【0033】
このため、コンテンツを表示領域に表示させるときに、各レイアウトの一致指標同士を比較することによって、表示領域との一致度合いの高いレイアウトを選択すべきレイアウトとして決定することができる。
【0034】
たとえばコンテンツ作成者は、自身が作成したコンテンツを表示する際に用いることを希望し、複数のレイアウトを予め準備する場合がある。
【0035】
このような場合でも、コンテンツを表示する際、複数のレイアウトから最適なレイアウトを選択することができる。
【0036】
本発明に係るレイアウト選択方法は、コンテンツを表示する表示領域の大きさおよびアスペクト比と、前記コンテンツを表示するときに用いられる複数のレイアウトの各大きさおよびアスペクト比と、を検出する検出工程と、前記複数のレイアウトの各々を用いて前記コンテンツを前記表示領域に表示させたときにおける、用いたレイアウトと前記表示領域との一致の度合いを表わす一致指標を、前記検出工程にて検出された前記各々の大きさおよびアスペクト比を用いて前記複数のレイアウト毎に算出する算出工程と、前記算出工程にて算出された前記複数のレイアウトの各一致指標同士を比較することによって、前記コンテンツを前記表示領域に表示させるときに、前記複数のレイアウトからいずれのレイアウトを選択するべきかを決定する決定工程とを含む。
【0037】
この構成によれば、コンテンツを表示する表示領域の大きさおよびアスペクト比と、前記コンテンツを表示するときに用いられる複数のレイアウトの各大きさおよびアスペクト比と、を検出し、表示領域および各レイアウトの各々の大きさおよびアスペクト比を用いて、複数のレイアウト毎に一致指標を算出する。
【0038】
この一致指標は、各レイアウトと表示領域との一致の度合いを表わす指標である。
【0039】
このため、コンテンツを表示領域に表示させるときに、各レイアウトの一致指標同士を比較することによって、表示領域との一致度合いの高いレイアウトを選択すべきレイアウトとして決定することができる。
【0040】
たとえばコンテンツ作成者は、自身が作成したコンテンツを表示する際に用いることを希望し、複数のレイアウトを予め準備する場合がある。
【0041】
このような場合でも、コンテンツを表示する際、複数のレイアウトから最適なレイアウトを選択することができる。
【0042】
本発明に係るコンテンツ作成方法は、上記のレイアウト選択装置によってレイアウトが選択されるコンテンツの作成方法であって、前記コンテンツの内容を判断基準として、前記複数のレイアウトを決定するレイアウト決定工程と、前記レイアウト決定工程にて決定された前記複数のレイアウトを表わすレイアウト情報を前記コンテンツに書き込むレイアウト情報書き込み工程とを含む。
【0043】
この構成によれば、コンテンツを表示する表示領域の大きさおよびアスペクト比と、前記コンテンツを表示するときに用いられる複数のレイアウトの各大きさおよびアスペクト比と、を検出し、表示領域および各レイアウトの各々の大きさおよびアスペクト比を用いて、複数のレイアウト毎に一致指標を算出する。
【0044】
この一致指標は、各レイアウトと表示領域との一致の度合いを表わす指標である。
【0045】
このため、コンテンツを表示領域に表示させるときに、各レイアウトの一致指標同士を比較することによって、表示領域との一致度合いの高いレイアウトを選択すべきレイアウトとして決定することができる。
【0046】
たとえばコンテンツ作成者は、自身が作成したコンテンツを表示する際に用いることを希望し、複数のレイアウトを予め準備する場合がある。
【0047】
このような場合でも、コンテンツを表示する際、複数のレイアウトから最適なレイアウトを選択することができる。
【0048】
なお、前記レイアウト選択装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを前記各手段として動作させることにより前記レイアウト選択装置をコンピュータにて実現させるレイアウト選択装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0049】
本発明のレイアウト選択装置は、コンテンツを表示する表示領域の大きさおよびアスペクト比と、前記コンテンツを表示するときに用いられる複数のレイアウトの各大きさおよびアスペクト比と、を検出する検出手段と、前記複数のレイアウトの各々を用いて前記コンテンツを前記表示領域に表示させたときにおける、用いたレイアウトと前記表示領域との一致の度合いを表わす一致指標を、前記検出手段によって検出された前記各々の大きさおよびアスペクト比を用いて前記複数のレイアウト毎に算出する算出手段と、前記算出手段によって算出された前記複数のレイアウトの各一致指標同士を比較することによって、前記コンテンツを前記表示領域に表示させるときに、前記複数のレイアウトからいずれのレイアウトを選択するべきかを決定する決定手段とを備える。
【0050】
それゆえ、文書や画像からなるコンテンツを表示する際、複数のレイアウトから最適なレイアウトを選択することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の一実施形態に係るレイアウト選択装置を備える電子書籍端末の構成を示すブロック図である。
【図2】コンテンツの一構成例を説明する説明図である。
【図3】コンテンツデータに書き込まれた複数のレイアウトデータを説明するための概念図である。
【図4】表示領域の大きさおよびアスペクト比を説明する説明図であり、(a)は、上記電子書籍端末の表示画面全体が上記表示領域の場合を示し、(b)は、上記電子書籍端末の表示画面のうち、その中心付近の領域が上記表示領域の場合を示し、(c)は、上記電子書籍端末の表示画面のうち、その右隅付近の領域が上記表示領域の場合を示す。
【図5】各レイアウトと表示領域との一致の度合いを表わす一致指標の算出を説明するための説明図である。
【図6】拡縮率を説明するための説明図である。
【図7】アスペクト比差分を説明するための説明図である。
【図8】上記レイアウト選択装置の動作を説明するフローチャートである。
【図9】上記レイアウト選択装置の動作を説明するフローチャートである。
【図10】複数のレイアウトデータが書き込まれたコンテンツデータを説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0053】
本発明に係るレイアウト選択装置は、コンテンツを表示する表示領域の大きさおよびアスペクト比と、コンテンツを表示するときに用いられる複数のレイアウトの各大きさおよびアスペクト比と、を検出し、複数のレイアウトの各々を用いてコンテンツを表示領域に表示させたときにおける、用いたレイアウトと表示領域との一致の度合いを表わす一致指標を、表示領域の大きさおよびアスペクト比と、複数のレイアウトの各大きさおよびアスペクト比とを用いて、複数のレイアウト毎に算出する。
【0054】
そして、本発明に係るレイアウト選択装置は、このようにして算出された複数のレイアウトの各一致指標同士を比較することによって、コンテンツを表示領域に表示させるときに、複数のレイアウトからいずれのレイアウトを選択するべきかを決定するものである。
【0055】
ここで、複数のレイアウトとは、電子書籍データといった文書や画像からなるコンテンツを作成するコンテンツ作成者が、自身が作成したコンテンツが表示領域、たとえば、電子書籍端末の表示画面全体やその表示画面の一部の領域(以下、表示画面全体とその一部の領域とをあわせて、単に「表示領域」と呼ぶこともある。)に表示される際、その表示に用いられるレイアウトである。
【0056】
たとえば、コンテンツ作成者は、自身のコンテンツを電子書籍端末のユーザーに読まれる際、そのコンテンツのレイアウト、つまり、そのコンテンツの見せ方を自由に変更されてしまうことを嫌う傾向にある。コンテンツ作成者は、自身が望む見せ方でコンテンツをユーザーに提供することを期待するものである。
【0057】
この複数のレイアウトは、コンテンツ作成者が予め準備するものであり、自身が作成したコンテンツの内容を鑑み、コンテンツ作成者が自ら作成する。上で述べたように、ユーザーがコンテンツを読む際に利用する、電子書籍端末等の表示装置では、その表示領域の大きさやアスペクト比は多種多様なものがある。コンテンツ作成者は、どのような大きさ、アスペクト比の表示領域にコンテンツが表示される場合でも、自身が希望するレイアウトで表示されるよう、複数のレイアウトを予め準備する。
【0058】
一方、一致指標とは、上で述べたように、各レイアウトと表示領域との一致の度合いを表わすものである。この一致の度合いは、具体的には、コンテンツを表示領域に表示させたとき、その表示に用いたレイアウトと表示領域とが完全に一致するときに一致の度合いが最も高い。レイアウトおよび表示領域を表わす指標として、それらの大きさおよびアスペクト比を用いた場合、その大きさおよびアスペクト比が共に一致するとき、上記の一致の度合いが最も高くなる。レイアウトと表示領域との間において、大きさまたはアスペクト比の少なくとも一方が異なれば異なるほど、上記の一致の度合いが低くなる。
【0059】
ここで、レイアウトおよび表示領域の大きさは、たとえば、各々を構成する矩形の長辺、短辺のそれぞれの長さを用いて表わすことができる。また、アスペクト比は、たとえば、各々の「横対縦」または「縦対横」の比の形で表わすことができる。
【0060】
レイアウト選択装置は、コンテンツ作成者によって予め準備された複数のレイアウトの各々に関し、上述した一致の度合いを表わす一致指標を算出する。レイアウト選択装置は、この一致指標同士を比較し、その比較結果から、コンテンツを表示領域に表示させるときに、複数のレイアウトからいずれのレイアウトを選択するべきかを決定する。
【0061】
電子書籍端末は、このようなレイアウト選択装置を備えることにより、予め準備された複数のレイアウトから、最適なレイアウトを選択することができるので、電子書籍端末の多種多様な表示領域のいずれにおいても、最適な見え方でコンテンツを表示することができる。
【0062】
なお、レイアウト選択装置の適用は、電子書籍端末に限定されるものではなく、文書や画像からなるコンテンツを無線通信により、取得し、表示画面上に表示するパーソナルコンピュータに備えてもよい。また、人によって持ち運ばれることにより移動可能な装置に備えてもよい。例えば、ゲーム機器、携帯電話、PDA等の携帯情報端末、ノート型パーソナルコンピュータ等である。いずれの装置においても、同様の効果を奏することができる。
【0063】
以下、本発明の実施の形態では、レイアウト選択装置を備えた電子書籍端末を例に実施の形態として説明する。
【0064】
以下、図面を用いて電子書籍端末の構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る電子書籍端末の構成を示すブロック図である。
【0065】
図1に示すように、本発明の実施形態に係る電子書籍端末(コンテンツ表示装置)1は、コンテンツデータを取得する取得部21と、コンテンツの表示位置を指定する指定部22と、コンテンツデータを分解および解読し、レイアウトデータを生成するパース部23と、パース部23によって生成されるレイアウトデータを記憶するレイアウトデータ記憶部24と、レイアウトデータを用いて段組みレイアウトデータを生成する段組みレイアウト生成部25と、段組みレイアウト生成部25によって生成される段組みレイアウトデータを基に行レイアウトデータを生成する行レイアウト生成部26と、イベントデータを生成し、行レイアウト生成部26によって生成される行レイアウトデータに割り当てるイベントデータ生成部27と、段組みレイアウトデータおよび行レイアウトデータからなる段組みデータを記憶する段組みデータ記憶部28と、段組みデータ記憶部28に記憶された段組みデータを用いて段組み処理する段組み処理部29とを備えている。
【0066】
さらに、電子書籍端末1は、パース部23が複数のレイアウトデータを生成した場合に、複数のレイアウトからいずれか1つのレイアウトを選択するレイアウト選択装置10を備えている。
【0067】
また、さらに、電子書籍端末1は、指定部22によって指定された表示位置に表示すべきコンテンツのすべてに対し、段組み処理部29による段組み処理が実行されたか否かを判定するレイアウト判定部30と、表示位置に表示すべきコンテンツのすべての段組み処理が終了すると、それらコンテンツを表示するコンテンツ表示部31と、コンテンツ表示部31によるコンテンツ表示の際、そのコンテンツに必要となる画像データや音声データ等を生成するデータ生成部32と、レイアウトデータ記憶部24に記憶されたレイアウトデータを変更する変更部35とを備えている。
【0068】
取得部21は、表示位置が指定されると、その表示位置に表示すべきコンテンツデータを取得する。このコンテンツデータは、書籍をデジタルデータにし、コンテンツ表示部31によって表示可能なコンテンツデータであり、動画データ、静止画データ、音声データなどが含まれる。取得部21は、電子書籍端末1にダウンロードする構成でコンテンツデータを取得する構成で実現されてもよいし、あるいは、ダウンロードせずにWeb上でアクセスしてコンテンツデータに取得する構成で実現されてもよい。
【0069】
また、取得部21は、ユーザーの操作入力、あるいは前回表示位置からの表示といった、上記の表示位置の指定に基づき、コンテンツデータ内の最小単位(ブロック)のデータを、必要となる領域分(レイアウトする必要がある領域分)だけ取得する。たとえば、コンテンツデータを説明するための概略図である図2において、取得部21は、Nブロックからなるコンテンツデータ40のうち、指定された表示位置である〔M−1〕、〔M〕、〔M+1〕のそれぞれのコンテンツデータ、この順に取得することになる。
【0070】
指定部22は、ユーザーの操作入力、あるいは前回の表示位置に基づき、今回の表示位置を指定する。指定部22は、自身が指定する表示位置を取得部21に出力する。指定部22は、ユーザーの操作入力に基づき、表示位置を指定するために、ユーザーインターフェイス機能としての入力デバイス、たとえば、キーボート等を用いることができる。また、指定部22は、前回の表示位置に基づき、表示位置を指定するためには、前回の表示位置を記憶するための一時記憶装置、たとえば、フラッシュメモリやSRAMといった書き込み消去可能な半導体メモリを備えていればよい。
【0071】
パース部23は、取得部21が取得した1ブロック分のコンテンツデータをパース、たとえば、分解、解読する。そして、パース部23は、全体のレイアウトを決めるレイアウトデータ(段数、余白、行間、文字間指定等に関するデータ)と、行をレイアウトするための行要素データ(コンテンツデータ内のフォントサイズの変更・拡大や、ルビ情報等に関するデータ)とを読み出す(準備する)。
【0072】
たとえば、パース部23は、〔M−1〕ブロックのデータを解析し、コンテンツデータ内のレイアウトデータおよび行要素データを取得、解読する。パース部23は、レイアウトデータおよび、行要素データをレイアウトデータ記憶部24に出力し、記憶する。なお、パース部23は、リンクジャンプの操作等に関するイベント情報を読み出すこともある。また、パース部23は、レイアウトデータについてはレイアウト選択装置10に出力してもよい。
【0073】
さらに、パース部23は、全体のレイアウトを決めるレイアウトデータを、最初に読み込む領域(ヘッダ領域等)から読み出しておき、レイアウトデータ記憶部24等の記憶部に記憶させておいてもよい。
【0074】
ここで、取得部21によって取得されるコンテンツデータには、上で述べたように、複数のレイアウトデータが予め準備されている場合がある。たとえば、図3では、1つのコンテンツデータ50内に6つのレイアウトA〜Fをそれぞれ決めるための6つのレイアウトデータが保持されている。レイアウトA〜Fは、たとえば、以下のようなレイアウトである。
【0075】
(1)レイアウトAは、アスペクト比(横対縦)が2:1、長辺がa1、短辺がa2であり、レイアウトA内に配置される文書、画像等は縦書きである。
【0076】
(2)レイアウトBは、アスペクト比(横対縦)が2:1、長辺がb1、短辺がb2であり、レイアウトB内に配置される文書、画像等は横書きである。
【0077】
(3)レイアウトCは、アスペクト比(横対縦)が2:1、長辺がc1、短辺がc2であり、レイアウトC内に配置される文書、画像等は横書きである。
【0078】
(4)レイアウトDは、アスペクト比(横対縦)が1:2、長辺がd1、短辺がd2であり、レイアウトD内に配置される文書、画像等は縦書きである。
【0079】
(5)レイアウトEは、アスペクト比(横対縦)が1:2、長辺がe1、短辺がe2であり、レイアウトE内に配置される文書、画像等は縦書きである。
【0080】
(6)レイアウトFは、アスペクト比(横対縦)が1:1、一辺がfであり、レイアウトF内に配置される文書、画像等は横書きである。
【0081】
なお、上で述べた文書や画像等はレイアウトデータに含めず、別途、文書データや画像データといったデータ構造を持てるようにしてもよい。
【0082】
コンテンツデータ50は、このような6つのレイアウトA〜Fをそれぞれ決めるための6つのレイアウトデータを保持している。この6つのレイアウトA〜Fは、上で述べたように、たとえば、このコンテンツデータ50の作成者が予め準備するものであり、コンテンツデータ50に含まれる文書、画像等を表示する際に用いられるレイアウトである。
【0083】
なお、このようなレイアウトデータは、たとえば、図10に示すように、コンテンツデータ内に書き込まれている。図10に示すコンテンツデータは、(600ピクセル,1024ピクセル)のレイアウト(縦表示2段組横書き記事用)、(800ピクセル,1366ピクセル)のレイアウト(縦表示2段組横書き記事用)、(1366ピクセル,800ピクセル)のレイアウト(横表示2段組横書き記事用)、(600ピクセル,400ピクセル)のレイアウト(横表示2段組横書き記事用)、(600ピクセル,400ピクセル)のレイアウト(横表示2段組縦書き記事用)、といった5つのレイアウトデータ(レイアウト情報)が書き込まれている。
【0084】
このようなレイアウトデータは、たとえば、コンテンツ作成者によって予め作成され、コンテンツデータ内に書き込まれることになる。当然、コンテンツ作成者は、コンテンツの内容に基づき、これら複数のレイアウトを作成し、コンテンツデータ内に書き込むことになる。
【0085】
パース部23は、このようにコンテンツデータ内に複数のレイアウトデータが含まれている場合、それらすべてのレイアウトデータを取得、解読し、レイアウトデータ記憶部24に出力する。
【0086】
レイアウトデータ記憶部24は、パース部23によって取得、解読される行要素データを記憶する。また、レイアウトデータ記憶部24は、パース部23によって取得、解読された複数のレイアウトデータを記憶する。そのうちから、レイアウト選択装置10によって、後述するように、1つのレイアウトデータが選択される。レイアウトデータ記憶部24は、たとえば図3の例であれば、レイアウトA〜Fのいずれか1つのレイアウトを決めるためのレイアウトデータがレイアウト選択装置10によって選択されることになる。
【0087】
なお、パース部23によって取得、解読された複数のレイアウトデータがレイアウト選択装置10に出力される場合であれば、レイアウトデータ記憶部24は、レイアウト選択装置10によって選択された1つのレイアウトデータを記憶する。レイアウトデータ記憶部24は、レイアウトA〜Fのいずれか1つのレイアウトを決めるためのレイアウトデータをレイアウト選択装置10から受け取り、それを記憶する。
【0088】
また、レイアウトデータ記憶部24は、たとえば、ハードディスクドライブなどの磁気ディスク装置や半導体メモリ等の公知の記憶装置から適宜選択して用いることができる。
【0089】
段組みレイアウト生成部25は、レイアウトデータ記憶部24に記憶されたレイアウトデータを用いて、指定部22によって指定された表示位置における、全体のレイアウトを示す段組みレイアウトデータを生成する。この段組みレイアウトデータでは、たとえば、2段組、フォントサイズ10dot、余白0dot、行間:標準フォントサイズの50%、文字間0dotといった設定がなされる。また、段組みレイアウトデータには、テキストデータや画像データの割付の情報も保持される。
【0090】
また、段組みレイアウト生成部25は、イベントデータ生成部27によって生成される、動画、音声等のマルチメディアデータ、リンク移動等の各種イベント情報を、対応する行要素に割り当てる動作を行なってもよい。
【0091】
行レイアウト生成部26は、段組みレイアウト生成部25によって生成された段組みレイアウトを参照しつつ、パース部23によって取得、解読された行要素データを用いて、各行のレイアウトを示す行レイアウトデータを生成する。
【0092】
段組みデータ記憶部28は、このようにして生成される段組みレイアウトデータおよび行レイアウトデータを、段組みデータとして記憶する。段組みデータ記憶部28は、たとえば、ハードディスクドライブなどの磁気ディスク装置や半導体メモリ等の公知の記憶装置から適宜選択して用いることができる。
【0093】
なお、段組みレイアウト生成部25は、変更部35によって、コンテンツに設定されているレイアウトデータが切り替わった場合や、ユーザーが設定を切り替えた場合などの再度情報を取得する必要がある場合には、レイアウトデータ記憶部24から新たなレイアウトデータを取得する。
【0094】
段組み処理部29は、段組みデータ記憶部28に記憶された段組みデータを用いて各段内に各行を配置し、段組み処理を実行する。段組み処理部29は、その段組み処理結果をレイアウト判定部30に出力する。
【0095】
レイアウト判定部30は、現在表示している領域中のすべてのレイアウトが生成されているかどうかを判定する。レイアウトが終了されていない場合は、その旨を取得部21に通知する。取得部21は、その通知を受けて、次のブロックのコンテンツデータを取得する。この動作は、表示領域内のすべてのレイアウトが生成されるまで繰り返される。図2の例であれば、〔M−1〕、〔M〕、〔M+1〕のすべてのレイアウトが生成されるまで、すなわち、レイアウト判定部30が現在表示している領域中のすべてのレイアウトが生成されたと判定するまで、上記レイアウトの生成が繰り返される。
【0096】
コンテンツ表示部31は、生成されたレイアウトに基づき、実際に文字、画像等の要素を表示する。ここで、リンクで紐付けられていたり、行要素として設定されていたりした動画、音声などのマルチメディアデータ、または、行要素として表示する必要のある画像データが存在する場合もある。その場合、コンテンツ表示部31は、データ生成部32によって生成されたデータを取得したうえで、音声・動画の再生や、画像の表示を行なう。
【0097】
データ生成部32は、レイアウト内で必要になった画像、音声データ等の表示再生に必要となる、各種コーデックでコーディングされたデータを再生可能な形式に変換する。具体的には、メディアデータ生成部33、画像デコード部34が、マルチメディアデータの生成、制御、画像データの表示可能なデータへの変換(デコード)を行なう。そして、データ生成部32は、その変換データをコンテンツ表示部31に対して出力する。
【0098】
(レイアウト選択装置10)
レイアウト選択装置10は、コンテンツを表示する表示領域の大きさおよびアスペクト比と、コンテンツを表示するときに用いられる複数のレイアウトの各大きさおよびアスペクト比と、を検出する検出部(検出手段)11と、複数のレイアウトの各々を用いてコンテンツを表示領域に表示させたときにおける、用いたレイアウトと表示領域との一致の度合いを表わす一致指標を、検出手段によって検出された各々の大きさおよびアスペクト比を用いて複数のレイアウト毎に算出する算出部(算出手段)12と、算出部12によって算出された複数のレイアウトの各一致指標同士を比較することによって、コンテンツを表示領域に表示させるときに、複数のレイアウトからいずれのレイアウトを選択するべきかを決定する決定部(決定手段)13とを備えている。
【0099】
(検出部11)
検出部11は、コンテンツ表示部31からコンテンツを表示する表示領域の大きさおよびアスペクト比を検出する。検出部11によって検出される表示領域は、電子書籍端末1の表示画面(図示省略)全体である場合もあるし、その一部の領域である場合もある。要は、検出部11によって検出される表示領域は、取得部21によって取得されたコンテンツが、コンテンツ表示部31によって表示されるべき表示領域のことを意味する。
【0100】
検出部11は、たとえば図4に示す表示領域の大きさおよびアスペクト比を検出する。図4(a)は、電子書籍端末1aの表示画面60a全体が上記の表示領域の場合を示している。また、図4(b)は、電子書籍端末1aの表示画面60bのうち、その中心付近の領域61bが上記の表示領域の場合を示し、図4(c)は、電子書籍端末1cの表示画面60cのうち、その右隅付近の領域61cが上記の表示領域の場合を示している。
【0101】
各電子書籍端末1a〜1cは、たとえば、以下のような表示領域を持っている。
【0102】
(1)電子書籍端末1aの表示領域(表示画面)60aは、アスペクト比(縦対横)が2:1、長辺がA1、短辺がA2である。なお、表示領域60a内に配置される文書、画像等は横書き、縦書きのいずれであってもよい。ただし、横書き、縦書きのいずれか一方に初期設定されるのが一般的である。
【0103】
(2)電子書籍端末1bは、アスペクト比(縦対横)が2:1、長辺がB1、短辺がB2である。なお、表示領域61b内に配置される文書、画像等は横書き、縦書きのいずれであってもよい。ただし、横書き、縦書きのいずれか一方に初期設定されるのが一般的である。
【0104】
(3)電子書籍端末1cは、アスペクト比(縦対横)が1:2、長辺がC1、短辺がC2である。なお、表示領域61c内に配置される文書、画像等は横書き、縦書きのいずれであってもよい。ただし、横書き、縦書きのいずれか一方に初期設定されるのが一般的である。
【0105】
また、検出部11は、レイアウトデータ記憶部24から、パース部23によって取得、解読された複数のレイアウトデータを読み取ると、各レイアウトデータの大きさおよびアスペクト比を検出する。たとえば図3の場合であれば、上で述べたような6つのレイアウトA〜Fの各大きさおよびアスペクト比を検出する。なお、検出部11は、各レイアウトの大きさおよびアスペクト比に加えて、各レイアウトが横書きなのか、縦書きなのかについても、各レイアウトから検出するようにしてもよい。
【0106】
(算出部12)
算出部12は、検出部11によって検出された、表示領域の大きさおよびアスペクト比と、複数のレイアウトの各大きさおよびアスペクト比とを、検出部11から受け取る。算出部12は、各レイアウトに関し、各レイアウトを用いてコンテンツを表示領域に表示させたときにおける、各レイアウトと表示領域との一致の度合い、すなわち、上述した一致指標を算出する。
【0107】
算出部12は、たとえば、図4(a)の表示領域60aの大きさおよびアスペクト比と、図4のレイアウトA〜Fの各大きさおよびアスペクト比と、を受け取ると、図5に示すよう、表示領域60aに各レイアウトA〜Fを用いてコンテンツを表示させたとき、各レイアウトと表示領域との一致の度合いを表わす一致指標を算出する。
【0108】
算出部12は、後述する拡縮率およびアスペクト比差分を算出するために、拡縮率を複数のレイアウト毎に設定する拡縮率設定部(拡縮率設定手段)14と、アスペクト比差分を複数のレイアウト毎に設定するアスペクト比差分設定部(アスペクト比差分設定手段)15とを有している。
【0109】
(拡縮率設定部14およびアスペクト比差分設定部15)
上で述べた一致指標は、次の2つの指標を用いことができる。
【0110】
(1)拡大率および縮小率(以下、単に「拡縮率」と呼ぶ。)
(2)アスペクト比差分
先ず、図6を用いて拡縮率について説明する。図6は、図4(a)の表示領域60aに図3のレイアウトDを用いてコンテンツを表示させる場合を示している。
【0111】
図6(a)に示すように、レイアウトDを用いた場合、レイアウトDは表示領域60aよりも大きさが小さいため、レイアウトDの拡大処理が必要である。そこで、図6(b)に示すように、レイアウトDの拡大処理を行なえばよい。ただし、この拡大処理は、レイアウトDのアスペクト比を維持しつつ、実行する。
【0112】
したがって、図6(c)に示すように、レイアウトDの長辺d1が表示領域60aの短辺A2と一致するまで、この拡大処理を実行すればよい。
【0113】
この場合、上記の拡縮率は、レイアウトDの長辺d1が表示領域60aの短辺A2と一致したときにおける、レイアウトDの長辺d1の拡大前後における長さの比となる。つまり、図6の場合であれば、拡縮率は「A2の長さ/d1の長さ」となる。このような場合を「長辺一致(フィット)」という。
【0114】
もちろん、他のレイアウトでは、各レイアウトの短辺が表示領域60aの短辺と一致するまで拡大させる場合もある。このような場合を「短辺一致(フィット)」という。
【0115】
さらに、図6では、レイアウトが表示領域60aよりも小さい場合を用いて説明しているが、レイアウトが表示領域60aよりも大きい場合もあることはもちろんである。この場合、レイアウトの縮小処理が必要となり、その縮小処理において、各レイアウトの短辺が表示領域60aの短辺と一致するまで縮小すればよい。
【0116】
この縮小処理を行なった場合でも、上記と同様、拡縮率は、レイアウトの長辺および短辺のいずれかが表示領域60aの長辺および短辺のいずれかと一致したときにおける、レイアウトのその一致した辺の縮小前後における長さの比となる。
【0117】
すなわち、拡縮率は、各レイアウトの大きさを構成する長辺および短辺のうち、各レイアウトを表示領域60aの内部に納まるようにしつつ、各レイアウトを拡大縮小したときにおける、表示領域60aの大きさを構成する長辺および短辺のいずれかと一致する辺である一致辺を特定し、その特定された一致辺についての拡大縮小前の長さに対する拡大縮小後の長さの比である。
【0118】
(拡縮率決定手順)
ここで、拡縮率決定手順を説明する。ここでは、表示領域の長辺がA1、短辺がA2であり、レイアウトの長辺がB1、短辺がB2である場合を例とする。
【0119】
レイアウトに関し、上述したような長辺フィットおよび短辺フィットを、それぞれ、実行する。その際、長辺フィット時の拡縮率と短辺フィット時の拡縮率との比較を行なう。表示領域のA1およびA2と、レイアウトのB1およびB2との大小関係によって、以下の(1)〜(5)のいずれかの処理を行なう。
【0120】
(1)表示領域のA1、A2ともに、レイアウトのB1、B2よりも小さい場合、長辺、短辺ともに縮小する。この場合、レイアウトのB1を表示領域に納めるために、長辺フィット時の縮小率を選択する。長辺、短辺フィット時の縮小率を比較すると、長辺フィット時の縮小率の方が大きくなるが、長辺フィット時の縮小率を選択する。
【0121】
(2)表示領域のA1、A2ともに、レイアウトのB1、B2よりも大きい場合、長辺、短辺ともに拡大する。この場合、レイアウトのB1を表示領域に納めるため、長辺フィット時の拡大率を選択する。なお、長辺、短辺フィット時の拡大率を比較すると、長辺フィット時の拡大率が小さくなる。よって、長辺フィット時の拡大率を選択することになる。
【0122】
(3)表示領域のA1よりもレイアウトのB1が大きく、表示領域のA2よりもレイアウト領域のB2が小さい場合、レイアウトのB1を表示領域に納めるため、長辺フィット時の縮小率を選択する。
【0123】
(4)表示領域のA1よりもレイアウトのB2が小さく、表示領域のA2よりもレイアウトのB1が大きい場合、レイアウト領域B1を表示領域に納めるため、長辺フィット時の縮小率を選択する。
【0124】
(5)表示領域のA1よりもレイアウトのB1が小さく、表示領域のA2よりもレイアウトのB2が大きい場合、レイアウトのB1を表示領域に納めるために、短辺フィット時の縮小率を選択する。
【0125】
このようにして、レイアウト毎に決定した拡縮率を比較し、最も小さい拡縮率を決定する。これにより、コンテンツデータで最も小さい拡縮率を持つレイアウトを選択することができる。
【0126】
なお、縮小率は、実際には、その逆数によって、拡大率と比較しなければならない。たとえば、表示領域が100:100、レイアウトAが50:50、レイアウトBが200:200の場合、レイアウトAの拡大率は200%となる。一方、レイアウトBは、その縮小率が50%となる。ここで、このまま、この拡大率と縮小率とを比較すると、常に縮小率が選択されることになる。よって、縮小率が計算された場合には、逆数をとり、その逆数と拡大率と比較する必要がある。この場合、上で述べたレイアウトBの縮小率は200となる。
【0127】
次に、図7を用いてアスペクト比差分について説明する。図7は、図6と同様、図4(a)の表示領域60aに図3のレイアウトDを用いてコンテンツを表示させる場合を示している。
【0128】
図7に示すように、レイアウトDのアスペクト比(横対縦)は「1:2」、表示領域60aのアスペクト比(横対縦)は「2:1」となっている。ここで、たとえば、縦を「1」とすれば、レイアウトDのアスペクト比は「0.5」、表示領域60aのアスペクト比は「2」となる。つまり、縦を「1」とする各アスペクト比の換算値が、上記の「0.5」と「2」となる。
【0129】
アスペクト比差分は、このような換算値同士の差分である。通常、整数比で表わされるアスペクト比をこのような換算を行なうことによって、両者の差分を容易に算出することが可能となる。
【0130】
ここでは、縦を「1」とする換算を行なったが、もちろん、横を「1」とする換算を行なっても構わない。要は、表示領域60a、各レイアウトのいずれの換算を行なう場合にも、「1」にする方向(縦または横)が同一であればよい。
【0131】
すなわち、アスペクト比差分は、表示領域60aおよび各レイアウトの各アスペクト比が表わす横と縦との比から、横と縦のうちのいずれか一方を1とする数値である換算値に換算し、表示領域60aのアスペクト比の換算値と、各レイアウトの換算値との差分である。
【0132】
このようにして、算出部12は、拡縮率設定部14を用いて拡縮率を複数のレイアウト毎に設定すると共に、アスペクト比差分設定部15を用いてアスペクト比差分を複数のレイアウト毎に設定する。
【0133】
(決定部13)
決定部13は、算出部12が拡縮率設定部(拡縮率設定手段)14およびアスペクト比差分設定部15を用いて複数のレイアウト毎に設定された拡縮率およびアスペクト比差分を受け取ると、各拡縮率同士、各アスペクト比差分同士を比較する。決定部13は、その比較結果を用いて、コンテンツを表示領域に表示する際に選択すべきレイアウトを、複数のレイアウトのうちから決定する。
【0134】
決定部13は、各レイアウトの拡縮率同士を比較する拡縮率抽出部(拡縮率抽出手段)16と、各レイアウトのアスペクト比差分同士を比較するアスペクト比差分抽出部(アスペクト比差分抽出手段)17と、を有している。
【0135】
(拡縮率抽出部16およびアスペクト比差分抽出部17)
一致指標は、拡縮率とアスペクト比差分とを含んでいる。このため、決定部13は、上述したように、各レイアウトの拡縮率同士を比較する拡縮率抽出部16と、各レイアウトのアスペクト比差分同士を比較するアスペクト比差分抽出部17と、を有している。
【0136】
拡縮率抽出部16は、各レイアウトに設定された拡縮率同士を比較する際、先ず、上で述べた一致辺が拡大縮小前後において等しいときの比を基準値として設定する。一致辺が拡大縮小前後で等しいことから、その基準値と等しい拡縮率を持つレイアウトは、拡大処理も縮小処理も不要となる。
【0137】
すなわち、拡縮率がこの基準値に一致するレイアウトを用いれば、その大きさを拡大処理、縮小処理する必要はなく、コンテンツをそのレイアウトで表示領域に表示することができる。もちろん、拡縮率が一致しなくても、この基準値に近ければ近いほど、元のレイアウトに近いレイアウトでコンテンツを表示することができることはいうまでもない。
【0138】
拡縮率抽出部16は、各レイアウトに設定された拡縮率を受け取ると、このような基準値を設定し、各レイアウトの拡縮率のうち、基準値と一致する拡縮率を抽出する。拡縮率抽出部16は、各レイアウトの拡縮率の中に基準値と一致する拡縮率がなければ、基準値に最も近い拡縮率を抽出する。
【0139】
アスペクト比差分抽出部17は、各レイアウトに設定されたアスペクト比差分を受け取ると、各レイアウトのアスペクト比差分のうち、最も小さいアスペクト比差分を抽出する。
【0140】
アスペクト比差分が小さければ小さいほど、レイアウトのアスペクト比と表示領域のアスペクト比とは近いといえる。もちろん、アスペクト比差分がゼロの場合、レイアウトと表示領域とはアスペクト比が一致する。
【0141】
したがって、アスペクト比差分が最も小さいレイアウトを用いることによって、元のレイアウトに近いレイアウトでコンテンツを表示領域に表示することができる。
【0142】
アスペクト比差分抽出部17は、各レイアウトに設定されたアスペクト比差分を受け取ると、各レイアウトのアスペクト比差分のうち、最も小さいアスペクト比差分を抽出する。
【0143】
このようにして、決定部13は、拡縮率抽出部16を用いて各レイアウトの拡縮率のうちから基準値に一致する拡縮率、または、基準値に最も近い拡縮率を抽出すると共に、アスペクト比差分抽出部17を用いて各レイアウトのアスペクト比差分のうちから最も小さいアスペクト比差分を抽出する。
【0144】
そして、決定部13は、拡縮率抽出部16によって抽出された拡縮率と、アスペクト比差分抽出部17によって抽出されたアスペクト比差分とを用いて、複数のレイアウトからいずれのレイアウトを選択するべきかを決定する。決定部13が、拡縮率抽出部16の抽出結果と、アスペクト比差分抽出部17の抽出結果とを、どのようにして用い、1つのレイアウトを決定するかについては、以下の(レイアウト選択装置10の動作)で説明する。
【0145】
(レイアウト選択装置10の動作)
次に、レイアウト選択装置10の動作について説明する。
【0146】
上述したように、一致指標は、拡縮率と、アスペクト比差分とを、用いことができる。このため、レイアウト選択装置10には、たとえば、ユーザーからの指示に基づき、拡縮率とアスペクト比差分のうち、いずれを優先し、レイアウトを選択するかが設定される。
【0147】
なお、ユーザーからの指示に代えて、コンテンツデータ内に予め規定して、コンテンツデータからの指示に基づき、いずれかを優先するようにしてもよい。あるいは、電子書籍端末1に予め規定して、電子書籍端末1からの指示に基づき、いずれかを優先するようにしてもよい。
【0148】
以下では、先ず、アスペクト比差分を優先する場合を説明し、次に、拡縮率を優先する場合を説明する。
【0149】
(アスペクト比差分を優先)
図8は、アスペクト比差分を優先したときのレイアウト選択装置10の動作を示すフローチャートである。
【0150】
図8において、先ず、検出部11は、コンテンツ表示部31からコンテンツを表示する表示領域の大きさおよびアスペクト比を検出する。また、検出部11は、表示領域の大きさおよびアスペクト比を検出する(ステップS101)。
【0151】
次に、算出部12は、検出部11の検出結果を受け取ると、拡縮率設定部14を用いて拡縮率を複数のレイアウト毎に設定すると共に、アスペクト比差分設定部15を用いてアスペクト比差分を複数のレイアウト毎に設定する(ステップS102)。本ステップS102での拡縮率設定部14およびアスペクト比差分設定部15の各々の動作については、上述したので、ここでは説明を繰り返さない。
【0152】
次に、決定部13は、複数のレイアウト毎に設定された拡縮率およびアスペクト比差分を受け取ると、アスペクト比差分抽出部17を用いて、各レイアウトのアスペクト比差分のうち、ゼロであるアスペクト比差分の有無を判断する(ステップS103)。
【0153】
ゼロであるアスペクト比差分が有り(ステップS103YES)、かつ、そのゼロであるアスペクト比差分が1つであれば(ステップS104NO)、決定部13は、そのアスペクト比差分を持つレイアウトを選択すべきレイアウトに決定し(ステップS105)、レイアウト選択装置10の動作が終了する。
【0154】
一方、上記のステップS104においてゼロであるアスペクト比差分が複数有れば(ステップS104YES)、優先対象をアスペクト比差分から拡縮率に変更し、後述するステップS106に進む。本ステップS104においてゼロであるアスペクト比差分が複数有る場合、それらのアスペクト比差分を持つレイアウトを第1のレイアウトグループとして分類する。
【0155】
上記のステップS103においてゼロであるアスペクト比差分が無ければ(ステップS103NO)、決定部13は、アスペクト比差分抽出部17を用いて、今度は、各レイアウトのアスペクト比差分のうち、ゼロに最も近いアスペクト比差分を抽出する(ステップS107)。
【0156】
ゼロに最も近いアスペクト比差分が1つであれば(ステップS108NO)、決定部13は、そのアスペクト比差分を持つレイアウトを選択すべきレイアウトに決定し(ステップS105)、レイアウト選択装置10の動作が終了する。
【0157】
一方、上記のステップS108においてゼロに最も近いアスペクト比差分が複数有れば(ステップS108YES)、優先対象をアスペクト比差分から拡縮率に変更し、後述するステップS106に進む。本ステップS108においてゼロに最も近いアスペクト比差分が複数有る場合、それらのアスペクト比差分を持つレイアウトを上記の第1のレイアウトグループとして分類する。
【0158】
決定部13は、拡縮率抽出部16を用いて、上記の第1のレイアウトグループに含まれる各レイアウトの拡縮率のうち、基準値に一致する拡縮率の有無を判断する(ステップS106)。
【0159】
基準値に一致する拡縮率が有り(ステップS106YES)、かつ、その基準値に一致する拡縮率が1つであれば(ステップS109NO)、決定部13は、その拡縮率を持つレイアウトを選択すべきレイアウトに決定し(ステップS110)、レイアウト選択装置10の動作が終了する。
【0160】
一方、上記のステップS109において基準値に一致する拡縮率が複数有れば(ステップS109YES)、後述するステップS111に進む。本ステップS109において基準値に一致する拡縮率が複数有る場合、それらの拡縮率を持つレイアウトを第2のレイアウトグループとして分類する。
【0161】
上記のステップS106において基準値に一致する拡縮率が無ければ(ステップS106NO)、決定部13は、拡縮率抽出部16を用いて、今度は、各レイアウトの拡縮率のうち、基準値に最も近い拡縮率を抽出する(ステップS112)。
【0162】
基準値に最も近い拡縮率が1つであれば(ステップS113NO)、決定部13は、その拡縮率を持つレイアウトを選択すべきレイアウトに決定し(ステップS110)、レイアウト選択装置10の動作が終了する。
【0163】
一方、上記のステップS113において基準値に最も近い拡縮率が複数有れば(ステップS113YES)、後述するステップS111に進む。本ステップS113において基準値に最も近い拡縮率が複数有る場合、それらの拡縮率を持つレイアウトを第2のレイアウトグループとして分類する。
【0164】
第2のレイアウトグループに複数のレイアウトが含まれる場合、決定部13は、それらのレイアウトのうち、ユーザーからの指示に基づく横書き、または、縦書きのレイアウトいずれか1つを選択すべきレイアウトに決定する(ステップS111)。
【0165】
なお、本ステップS111において、レイアウトデータに縦書き、または、横書きが設定されている場合は、ユーザーからの指示よりも、レイアウトデータの設定が優先されることになる。
【0166】
具体的には、先ず、レイアウトデータに縦書き、または、横書きの設定が省略されていれば、上述した表示領域の初期設定を読み込み、その初期設定に従い、縦書き、または、横書きの表示を行なう。もちろん、この場合、電子書籍端末1側からの設定変更は可能である。
【0167】
また、レイアウトデータの設定と表示領域の初期設定とが異なる場合、レイアウトデータの設定に従い、表示領域の設定が変更されることになる。この場合、電子書籍端末1側からの設定変更は不可となる。
【0168】
さらに、縦書きと横書きの2つのレイアウトデータが存在した場合、表示領域の初期設定に従い、縦書き、または、横書きの表示を行なう。この場合、電子書籍端末1側からの設定変更は可能である。
【0169】
なお、このような縦書きと横書きとの設定の比較処理を行っても、複数のレイアウトデータが残る場合、第3のレイアウトグループが分類される。この場合、たとえば、第3のレイアウトグループから、上で述べた拡縮率のうち縮小率が設定されたレイアウトデータを選択すればよい。
【0170】
また、第3のレイアウトグループで拡縮率のうち縮小率まで同じレイアウトが複数あった場合は、それらのうちから任意の1つを選択するようにすればよい。
【0171】
このようにして、レイアウト選択装置10の動作が終了する。
【0172】
(拡縮率を優先)
図9は、拡縮率を優先したときのレイアウト選択装置10の動作を示すフローチャートである。
【0173】
図9において、先ず、検出部11は、コンテンツ表示部31からコンテンツを表示する表示領域の大きさおよびアスペクト比を検出する。また、検出部11は、表示領域の大きさおよびアスペクト比を検出する(ステップS201)。
【0174】
次に、算出部12は、検出部11の検出結果を受け取ると、拡縮率設定部14を用いて拡縮率を複数のレイアウト毎に設定すると共に、アスペクト比差分設定部15を用いてアスペクト比差分を複数のレイアウト毎に設定する(ステップS202)。本ステップS202での拡縮率設定部14およびアスペクト比差分設定部15の各々の動作については、上述したので、ここでは説明を繰り返さない。
【0175】
次に、決定部13は、複数のレイアウト毎に設定された拡縮率およびアスペクト比差分を受け取ると、拡縮率抽出部16を用いて、各レイアウトの拡縮率のうち、基準値に一致する拡縮率の有無を判断する(ステップS203)。
【0176】
基準値に一致する拡縮率が有り(ステップS203YES)、かつ、その基準値に一致する拡縮率が1つであれば(ステップS204NO)、決定部13は、そのアスペクト比差分を持つレイアウトを選択すべきレイアウトに決定し(ステップS205)、レイアウト選択装置10の動作が終了する。
【0177】
一方、上記のステップS204において基準値に一致する拡縮率が複数有れば(ステップS204YES)、優先対象を拡縮率からアスペクト比差分に変更し、後述するステップS206に進む。本ステップS204において基準値に一致する拡縮率が複数有る場合、それらの拡縮率を持つレイアウトを第1のレイアウトグループとして分類する。
【0178】
上記のステップS203において基準値に一致する拡縮率が無ければ(ステップS203NO)、決定部13は、拡縮率抽出部16を用いて、今度は、各レイアウトの拡縮率のうち、基準値に最も近い拡縮率を抽出する(ステップS207)。
【0179】
基準値に最も近い拡縮率が1つであれば(ステップS208NO)、決定部13は、その拡縮率を持つレイアウトを選択すべきレイアウトに決定し(ステップS205)、レイアウト選択装置10の動作が終了する。
【0180】
一方、上記のステップS208において基準値に最も近いアスペクト比差分が複数有れば(ステップS208YES)、優先対象を拡縮率からアスペクト比差分に変更し、後述するステップS206に進む。本ステップS208において基準値に最も近い拡縮率が複数有る場合、それらの拡縮率を持つレイアウトを上記の第1のレイアウトグループとして分類する。
【0181】
決定部13は、アスペクト比差分抽出部17を用いて、上記の第1のレイアウトグループに含まれる各レイアウトのアスペクト比差分のうち、ゼロであるアスペクト比差分の有無を判断する(ステップS206)。
【0182】
ゼロであるアスペクト比差分が有り(ステップS206YES)、かつ、そのゼロであるアスペクト比差分が1つであれば(ステップS209NO)、決定部13は、そのアスペクト比差分を持つレイアウトを選択すべきレイアウトに決定し(ステップS210)、レイアウト選択装置10の動作が終了する。
【0183】
一方、上記のステップS209において基準値に一致する拡縮率が複数有れば(ステップS209YES)、後述するステップS211に進む。本ステップS209においてゼロであるアスペクト比差分が複数有る場合、それらのアスペクト比差分を持つレイアウトを第2のレイアウトグループとして分類する。
【0184】
上記のステップS206においてゼロであるアスペクト比差分が無ければ(ステップS206NO)、決定部13は、アスペクト比差分抽出部17を用いて、今度は、各レイアウトのアスペクト比差分のうち、ゼロに最も近いアスペクト比差分を抽出する(ステップS212)。
【0185】
ゼロに最も近いアスペクト比差分が1つであれば(ステップS213NO)、決定部13は、そのアスペクト比差分を持つレイアウトを選択すべきレイアウトに決定し(ステップS210)、レイアウト選択装置10の動作が終了する。
【0186】
一方、上記のステップS213においてゼロに最も近いアスペクト比差分が複数有れば(ステップS213YES)、後述するステップS211に進む。本ステップS213においてゼロに最も近いアスペクト比差分が複数有る場合、それらのアスペクト比差分を持つレイアウトを第2のレイアウトグループとして分類する。
【0187】
第2のレイアウトグループに複数のレイアウトが含まれる場合、決定部13は、それらのレイアウトのうち、ユーザーからの指示に基づく横書き、または、縦書きのレイアウトいずれか1つを選択すべきレイアウトに決定する(ステップS211)。
【0188】
本ステップS211においても、上記のステップS111と同様、レイアウトデータに縦書き、または、横書きが設定されている場合は、ユーザーからの指示よりも、レイアウトデータの設定が優先されることになる。
【0189】
このようにして、レイアウト選択装置10の動作が終了する。
【0190】
以上説明したように、本実施形態によれば、電子書籍端末1は、コンテンツを表示する表示領域の大きさおよびアスペクト比と、コンテンツを表示するときに用いられる複数のレイアウトの各大きさおよびアスペクト比と、を検出し、表示領域および各レイアウトの各々の大きさおよびアスペクト比を用いて、複数のレイアウト毎に一致指標を算出する。この一致指標は、各レイアウトと表示領域との一致の度合いを表わす指標である。
【0191】
このため、コンテンツを表示領域に表示させるときに、各レイアウトの一致指標同士を比較することによって、表示領域との一致度合いの高いレイアウトを選択すべきレイアウトとして決定することができる。
【0192】
したがって、コンテンツを表示する際、複数のレイアウトから最適なレイアウトを選択することができる。
【0193】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0194】
最後に、レイアウト選択装置10の各ブロックは、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0195】
すなわち、レイアウト選択装置10は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、前記プログラムを格納したROM(read only memory)、前記プログラムを展開するRAM(random access memory)、前記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)等を備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるレイアウト選択装置10の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、レイアウト選択装置10に供給し、そのコンピュータ(又はCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0196】
前記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやコンパクトディスク−ROM/MO/MD/デジタルビデオデイスク/コンパクトディスク−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系等を用いることができる。
【0197】
また、レイアウト選択装置10を通信ネットワークと接続可能に構成し、前記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、前記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0198】
本発明は、文書や画像からなるコンテンツを無線通信により、取得し、表示画面上に表示する電子書籍端末、ゲーム機器、携帯電話、PDA等の携帯情報端末、ノート型パーソナルコンピュータに好適である。
【符号の説明】
【0199】
1、1a、1b、1c 電子書籍端末(コンテンツ表示装置)
10 レイアウト選択装置
11 検出部(検出手段)
12 算出部(算出手段)
13 決定部(決定手段)
14 拡縮率設定部(拡縮率設定手段)
15 アスペクト比差分設定部(アスペクト比差分設定手段)
16 拡縮率抽出部(拡縮率抽出手段)
17 アスペクト比差分抽出部(アスペクト比差分抽出手段)
40、50 コンテンツ(コンテンツデータ)
60a 表示領域(表示画面)
61b、61c 表示領域
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書や画像からなるコンテンツを表示する際、コンテンツの最適なレイアウトを選択可能なレイアウト選択装置、レイアウト選択方法、レイアウト選択プログラムおよびコンピュータ読み取り可能な記録媒体、ならびに、コンテンツ表示装置およびコンテンツ作成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電子書籍端末が商品化され、一般家庭に普及し始めている。このような電子書籍端末は、利用者からの指示に応じて、たとえば無線通信を介して、電子新聞や電子雑誌といった電子書籍データを取得できるようになっている。また、利用者が電子書籍データを読むことができるようにするため、表示機能としての表示画面や、利用者からの指示を受け取るため、ユーザーインターフェイス機能としての入力デバイスが搭載されている。
【0003】
ところで、このような電子書籍端末に限らず、パーソナルコンピュータやPDA、携帯電話機といった、コンテンツを表示する表示画面を備えた表示装置では、一般に、表示画面のアスペクト比や、インチ数といったその大きさは多種多様である。コンテンツ作成者は、自身が作成したコンテンツが、どのような表示画面に表示される場合であっても、その表示画面において最適なレイアウト、つまり、最適な見せ方を用いて、表示装置のユーザーにコンテンツを見せたいと希望するのが通常である。
【0004】
このような状況を考慮して、表示画面を表わす指標の1つであるアスペクト比が異なる表示画面に対し、コンテンツの内容を破綻させること無く、効率的に画像、映像を出力する画像出力方法が提案されている(たとえば、特許文献1を参照)。
【0005】
この画像出力方法では、表示画面を複数の領域に分割するための分割パターンを表示画面のアスペクト比に対応付けて予め規定しておき、出力対象となる表示画面を、そのアスペクト比に対応する分割パターンに従って複数の領域に分割する。そして、たとえば、コンテンツである1つの画像を表示画面に表示させる際、分割された複数の領域それぞれに対する、複数の分割画像を生成し、生成した分割画像を複数の領域に対してそれぞれ出力する。
【0006】
このため、表示画面のアスペクト比に対応付けて表示画面の分割パターンを決めておくことにより、表示画面全体を効率よく利用することが可能となる。
【0007】
また、この画像出力方法では、表示画面を分割して得られる複数の領域のうち、主領域が表示画面のアスペクト比によらず、所定の縦横比を有するように表示画面を分割する。そして、主領域には、表示画面のアスペクト比によらず、所定の縦横比を有する画像を生成して出力する。
【0008】
このため、アスペクト比の異なる表示画面を分割して得られる主領域を相似形とし、各主領域に同一の画像を表示することにより、主領域に表示する画像は、表示画面のアスペクト比を意識せずに作成し、主領域に歪みやカケのない状態で表示することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許第3761559号公報(平成18年1月20日登録)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1の画像出力方法では、表示画面を複数の領域に分割するための分割パターンを表示画面のアスペクト比に対応付けて予め規定しておくものであった。このため、表示画面の分割の仕方によっては、コンテンツ作成者が希望する、最適な見せ方にあったレイアウトにはならないことがあった。
【0011】
また、分割された複数の領域それぞれに対する分割画像を生成して、それら複数の領域に対してそれぞれ出力する必要があった。このため、やはり、分割画像の生成の仕方によっては、コンテンツ作成者が希望する、最適な見せ方にあったレイアウトにはならないことがあった。
【0012】
さらに、表示画面のアスペクト比によらず、主に表示したいコンテンツを表示する表示領域である「主領域」は、所定の縦横比により表示されるものであった。このため、表示画面のアスペクト比に応じたコンテンツの表示を行なうことができず、多種多様な表示画面の表示装置の各々に、コンテンツを最適な見せ方で表示することは困難であった。
【0013】
上記課題に鑑み、本発明の目的は、文書や画像からなるコンテンツを表示する際、複数のレイアウトから最適なレイアウトを選択することができるレイアウト選択装置、レイアウト選択方法、レイアウト選択プログラムおよびコンピュータ読み取り可能な記録媒体、ならびに、コンテンツ表示装置およびコンテンツ作成方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、本発明に係るレイアウト選択装置は、コンテンツを表示する表示領域の大きさおよびアスペクト比と、前記コンテンツを表示するときに用いられる複数のレイアウトの各大きさおよびアスペクト比と、を検出する検出手段と、前記複数のレイアウトの各々を用いて前記コンテンツを前記表示領域に表示させたときにおける、用いたレイアウトと前記表示領域との一致の度合いを表わす一致指標を、前記検出手段によって検出された前記各々の大きさおよびアスペクト比を用いて前記複数のレイアウト毎に算出する算出手段と、前記算出手段によって算出された前記複数のレイアウトの各一致指標同士を比較することによって、前記コンテンツを前記表示領域に表示させるときに、前記複数のレイアウトからいずれのレイアウトを選択するべきかを決定する決定手段とを備える。
【0015】
この構成によれば、コンテンツを表示する表示領域の大きさおよびアスペクト比と、コンテンツを表示するときに用いられる複数のレイアウトの各大きさおよびアスペクト比と、を検出し、表示領域および各レイアウトの各々の大きさおよびアスペクト比を用いて、複数のレイアウト毎に一致指標を算出する。
【0016】
この一致指標は、各レイアウトと表示領域との一致の度合いを表わす指標である。
【0017】
このため、コンテンツを表示領域に表示させるときに、各レイアウトの一致指標同士を比較することによって、表示領域との一致度合いの高いレイアウトを選択すべきレイアウトとして決定することができる。
【0018】
たとえばコンテンツ作成者は、自身が作成したコンテンツを表示する際に用いることを希望し、複数のレイアウトを予め準備する場合がある。
【0019】
このような場合でも、コンテンツを表示する際、複数のレイアウトから最適なレイアウトを選択することができる。
【0020】
前記算出手段は、前記複数のレイアウトの各大きさに関し、各レイアウトの大きさを構成する長辺および短辺のうち、各レイアウトを前記表示領域の内部に納まるようにしつつ、各レイアウトを拡大縮小したときにおける、前記表示領域の大きさを構成する長辺および短辺のいずれかと一致する辺である一致辺を特定し、その特定された一致辺についての拡大縮小前の長さに対する拡大縮小後の長さの比を、前記一致指標に含まれる拡縮率として前記複数のレイアウト毎に設定する拡縮率設定手段と、前記表示領域および前記複数のレイアウトの各アスペクト比に関し、各アスペクト比が表わす横と縦との比から、横と縦のうちのいずれか一方を1とする数値である換算値に換算し、前記表示領域のアスペクト比の換算値と、前記複数のレイアウトの各換算値との差分を、前記一致指標に含まれるアスペクト比差分として前記複数のレイアウト毎に設定するアスペクト比差分設定手段とを含むことが好ましい。
【0021】
この場合、各レイアウトと表示領域との一致の度合いを拡縮率やアスペクト比差分を用いて数値化することができる。
【0022】
このため、各レイアウトの一致指標同士の比較を数値による比較によって行なうことができるので、一致指標同士の比較を効率良く、且つ、精度良く行なうことができる。
【0023】
前記決定手段は、前記一致辺についての拡大縮小前後の長さが等しいときにおける比を前記拡縮率の基準値としたとき、前記拡縮率設定手段によって設定された前記複数のレイアウトの各拡縮率同士を比較し、前記基準値に一致する拡縮率、または、前記基準値に最も近い拡縮率を持つレイアウトを抽出する拡縮率抽出手段と、前記アスペクト比差分設定手段によって設定された前記複数のレイアウトの各アスペクト比差分同士を比較し、最も小さいアスペクト比差分を持つレイアウトを抽出するアスペクト比差分抽出手段とを含むことが好ましい。
【0024】
この場合、各レイアウトの一致指標同士の比較を数値の大小関係に基づいて行なうことができるので、基準値に一致する拡縮率、基準値に最も近い拡縮率、および、最も小さいアスペクト比差分の抽出を効率良く、且つ、精度良く行なうことができる。
【0025】
前記決定手段は、前記拡縮率抽出手段および前記アスペクト比差分抽出手段のいずれか一方を用いて前記複数のレイアウトから少なくとも1つのレイアウトを含む第1のレイアウトグループを抽出し、前記第1のレイアウトグループに複数のレイアウトが含まれるとき、前記拡縮率抽出手段および前記アスペクト比差分抽出手段のいずれか他方を用いて前記第1のレイアウトグループから少なくとも1つのレイアウトを含む第2のレイアウトグループを抽出することが好ましい。
【0026】
この場合、拡縮率抽出手段およびアスペクト比差分抽出手段のいずれか一方を用いて複数のレイアウトから少なくとも1つのレイアウトを含む第1のレイアウトグループを抽出し、第1のレイアウトグループに複数のレイアウトが含まれるとき、拡縮率抽出手段およびアスペクト比差分抽出手段のいずれか他方を用いて第1のレイアウトグループから少なくとも1つのレイアウトを含む第2のレイアウトグループを抽出する。
【0027】
このため、2つの指標である拡縮率およびアスペクト比差分を用いても、効率よく、選択すべきレイアウトを決定することができる。
【0028】
前記決定手段は、前記第2のレイアウトグループに複数のレイアウトが含まれるとき、含まれる複数のレイアウトの各々が横書きであるか縦書きであるかを判断基準として、選択すべきレイアウトを決定することが好ましい。
【0029】
この場合、たとえば、ユーザーから表示領域に表示すべきレイアウトが指示された場合、その指示に基づくレイアウトの決定をすることができる。
【0030】
本発明に係るコンテンツ表示装置は、上記のレイアウト選択装置と、前記レイアウト選択装置によって選択されたレイアウトを用いて、コンテンツを表示領域に表示する表示装置とを備える。
【0031】
この構成によれば、コンテンツを表示する表示領域の大きさおよびアスペクト比と、前記コンテンツを表示するときに用いられる複数のレイアウトの各大きさおよびアスペクト比と、を検出し、表示領域および各レイアウトの各々の大きさおよびアスペクト比を用いて、複数のレイアウト毎に一致指標を算出する。
【0032】
この一致指標は、各レイアウトと表示領域との一致の度合いを表わす指標である。
【0033】
このため、コンテンツを表示領域に表示させるときに、各レイアウトの一致指標同士を比較することによって、表示領域との一致度合いの高いレイアウトを選択すべきレイアウトとして決定することができる。
【0034】
たとえばコンテンツ作成者は、自身が作成したコンテンツを表示する際に用いることを希望し、複数のレイアウトを予め準備する場合がある。
【0035】
このような場合でも、コンテンツを表示する際、複数のレイアウトから最適なレイアウトを選択することができる。
【0036】
本発明に係るレイアウト選択方法は、コンテンツを表示する表示領域の大きさおよびアスペクト比と、前記コンテンツを表示するときに用いられる複数のレイアウトの各大きさおよびアスペクト比と、を検出する検出工程と、前記複数のレイアウトの各々を用いて前記コンテンツを前記表示領域に表示させたときにおける、用いたレイアウトと前記表示領域との一致の度合いを表わす一致指標を、前記検出工程にて検出された前記各々の大きさおよびアスペクト比を用いて前記複数のレイアウト毎に算出する算出工程と、前記算出工程にて算出された前記複数のレイアウトの各一致指標同士を比較することによって、前記コンテンツを前記表示領域に表示させるときに、前記複数のレイアウトからいずれのレイアウトを選択するべきかを決定する決定工程とを含む。
【0037】
この構成によれば、コンテンツを表示する表示領域の大きさおよびアスペクト比と、前記コンテンツを表示するときに用いられる複数のレイアウトの各大きさおよびアスペクト比と、を検出し、表示領域および各レイアウトの各々の大きさおよびアスペクト比を用いて、複数のレイアウト毎に一致指標を算出する。
【0038】
この一致指標は、各レイアウトと表示領域との一致の度合いを表わす指標である。
【0039】
このため、コンテンツを表示領域に表示させるときに、各レイアウトの一致指標同士を比較することによって、表示領域との一致度合いの高いレイアウトを選択すべきレイアウトとして決定することができる。
【0040】
たとえばコンテンツ作成者は、自身が作成したコンテンツを表示する際に用いることを希望し、複数のレイアウトを予め準備する場合がある。
【0041】
このような場合でも、コンテンツを表示する際、複数のレイアウトから最適なレイアウトを選択することができる。
【0042】
本発明に係るコンテンツ作成方法は、上記のレイアウト選択装置によってレイアウトが選択されるコンテンツの作成方法であって、前記コンテンツの内容を判断基準として、前記複数のレイアウトを決定するレイアウト決定工程と、前記レイアウト決定工程にて決定された前記複数のレイアウトを表わすレイアウト情報を前記コンテンツに書き込むレイアウト情報書き込み工程とを含む。
【0043】
この構成によれば、コンテンツを表示する表示領域の大きさおよびアスペクト比と、前記コンテンツを表示するときに用いられる複数のレイアウトの各大きさおよびアスペクト比と、を検出し、表示領域および各レイアウトの各々の大きさおよびアスペクト比を用いて、複数のレイアウト毎に一致指標を算出する。
【0044】
この一致指標は、各レイアウトと表示領域との一致の度合いを表わす指標である。
【0045】
このため、コンテンツを表示領域に表示させるときに、各レイアウトの一致指標同士を比較することによって、表示領域との一致度合いの高いレイアウトを選択すべきレイアウトとして決定することができる。
【0046】
たとえばコンテンツ作成者は、自身が作成したコンテンツを表示する際に用いることを希望し、複数のレイアウトを予め準備する場合がある。
【0047】
このような場合でも、コンテンツを表示する際、複数のレイアウトから最適なレイアウトを選択することができる。
【0048】
なお、前記レイアウト選択装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを前記各手段として動作させることにより前記レイアウト選択装置をコンピュータにて実現させるレイアウト選択装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0049】
本発明のレイアウト選択装置は、コンテンツを表示する表示領域の大きさおよびアスペクト比と、前記コンテンツを表示するときに用いられる複数のレイアウトの各大きさおよびアスペクト比と、を検出する検出手段と、前記複数のレイアウトの各々を用いて前記コンテンツを前記表示領域に表示させたときにおける、用いたレイアウトと前記表示領域との一致の度合いを表わす一致指標を、前記検出手段によって検出された前記各々の大きさおよびアスペクト比を用いて前記複数のレイアウト毎に算出する算出手段と、前記算出手段によって算出された前記複数のレイアウトの各一致指標同士を比較することによって、前記コンテンツを前記表示領域に表示させるときに、前記複数のレイアウトからいずれのレイアウトを選択するべきかを決定する決定手段とを備える。
【0050】
それゆえ、文書や画像からなるコンテンツを表示する際、複数のレイアウトから最適なレイアウトを選択することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の一実施形態に係るレイアウト選択装置を備える電子書籍端末の構成を示すブロック図である。
【図2】コンテンツの一構成例を説明する説明図である。
【図3】コンテンツデータに書き込まれた複数のレイアウトデータを説明するための概念図である。
【図4】表示領域の大きさおよびアスペクト比を説明する説明図であり、(a)は、上記電子書籍端末の表示画面全体が上記表示領域の場合を示し、(b)は、上記電子書籍端末の表示画面のうち、その中心付近の領域が上記表示領域の場合を示し、(c)は、上記電子書籍端末の表示画面のうち、その右隅付近の領域が上記表示領域の場合を示す。
【図5】各レイアウトと表示領域との一致の度合いを表わす一致指標の算出を説明するための説明図である。
【図6】拡縮率を説明するための説明図である。
【図7】アスペクト比差分を説明するための説明図である。
【図8】上記レイアウト選択装置の動作を説明するフローチャートである。
【図9】上記レイアウト選択装置の動作を説明するフローチャートである。
【図10】複数のレイアウトデータが書き込まれたコンテンツデータを説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0053】
本発明に係るレイアウト選択装置は、コンテンツを表示する表示領域の大きさおよびアスペクト比と、コンテンツを表示するときに用いられる複数のレイアウトの各大きさおよびアスペクト比と、を検出し、複数のレイアウトの各々を用いてコンテンツを表示領域に表示させたときにおける、用いたレイアウトと表示領域との一致の度合いを表わす一致指標を、表示領域の大きさおよびアスペクト比と、複数のレイアウトの各大きさおよびアスペクト比とを用いて、複数のレイアウト毎に算出する。
【0054】
そして、本発明に係るレイアウト選択装置は、このようにして算出された複数のレイアウトの各一致指標同士を比較することによって、コンテンツを表示領域に表示させるときに、複数のレイアウトからいずれのレイアウトを選択するべきかを決定するものである。
【0055】
ここで、複数のレイアウトとは、電子書籍データといった文書や画像からなるコンテンツを作成するコンテンツ作成者が、自身が作成したコンテンツが表示領域、たとえば、電子書籍端末の表示画面全体やその表示画面の一部の領域(以下、表示画面全体とその一部の領域とをあわせて、単に「表示領域」と呼ぶこともある。)に表示される際、その表示に用いられるレイアウトである。
【0056】
たとえば、コンテンツ作成者は、自身のコンテンツを電子書籍端末のユーザーに読まれる際、そのコンテンツのレイアウト、つまり、そのコンテンツの見せ方を自由に変更されてしまうことを嫌う傾向にある。コンテンツ作成者は、自身が望む見せ方でコンテンツをユーザーに提供することを期待するものである。
【0057】
この複数のレイアウトは、コンテンツ作成者が予め準備するものであり、自身が作成したコンテンツの内容を鑑み、コンテンツ作成者が自ら作成する。上で述べたように、ユーザーがコンテンツを読む際に利用する、電子書籍端末等の表示装置では、その表示領域の大きさやアスペクト比は多種多様なものがある。コンテンツ作成者は、どのような大きさ、アスペクト比の表示領域にコンテンツが表示される場合でも、自身が希望するレイアウトで表示されるよう、複数のレイアウトを予め準備する。
【0058】
一方、一致指標とは、上で述べたように、各レイアウトと表示領域との一致の度合いを表わすものである。この一致の度合いは、具体的には、コンテンツを表示領域に表示させたとき、その表示に用いたレイアウトと表示領域とが完全に一致するときに一致の度合いが最も高い。レイアウトおよび表示領域を表わす指標として、それらの大きさおよびアスペクト比を用いた場合、その大きさおよびアスペクト比が共に一致するとき、上記の一致の度合いが最も高くなる。レイアウトと表示領域との間において、大きさまたはアスペクト比の少なくとも一方が異なれば異なるほど、上記の一致の度合いが低くなる。
【0059】
ここで、レイアウトおよび表示領域の大きさは、たとえば、各々を構成する矩形の長辺、短辺のそれぞれの長さを用いて表わすことができる。また、アスペクト比は、たとえば、各々の「横対縦」または「縦対横」の比の形で表わすことができる。
【0060】
レイアウト選択装置は、コンテンツ作成者によって予め準備された複数のレイアウトの各々に関し、上述した一致の度合いを表わす一致指標を算出する。レイアウト選択装置は、この一致指標同士を比較し、その比較結果から、コンテンツを表示領域に表示させるときに、複数のレイアウトからいずれのレイアウトを選択するべきかを決定する。
【0061】
電子書籍端末は、このようなレイアウト選択装置を備えることにより、予め準備された複数のレイアウトから、最適なレイアウトを選択することができるので、電子書籍端末の多種多様な表示領域のいずれにおいても、最適な見え方でコンテンツを表示することができる。
【0062】
なお、レイアウト選択装置の適用は、電子書籍端末に限定されるものではなく、文書や画像からなるコンテンツを無線通信により、取得し、表示画面上に表示するパーソナルコンピュータに備えてもよい。また、人によって持ち運ばれることにより移動可能な装置に備えてもよい。例えば、ゲーム機器、携帯電話、PDA等の携帯情報端末、ノート型パーソナルコンピュータ等である。いずれの装置においても、同様の効果を奏することができる。
【0063】
以下、本発明の実施の形態では、レイアウト選択装置を備えた電子書籍端末を例に実施の形態として説明する。
【0064】
以下、図面を用いて電子書籍端末の構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る電子書籍端末の構成を示すブロック図である。
【0065】
図1に示すように、本発明の実施形態に係る電子書籍端末(コンテンツ表示装置)1は、コンテンツデータを取得する取得部21と、コンテンツの表示位置を指定する指定部22と、コンテンツデータを分解および解読し、レイアウトデータを生成するパース部23と、パース部23によって生成されるレイアウトデータを記憶するレイアウトデータ記憶部24と、レイアウトデータを用いて段組みレイアウトデータを生成する段組みレイアウト生成部25と、段組みレイアウト生成部25によって生成される段組みレイアウトデータを基に行レイアウトデータを生成する行レイアウト生成部26と、イベントデータを生成し、行レイアウト生成部26によって生成される行レイアウトデータに割り当てるイベントデータ生成部27と、段組みレイアウトデータおよび行レイアウトデータからなる段組みデータを記憶する段組みデータ記憶部28と、段組みデータ記憶部28に記憶された段組みデータを用いて段組み処理する段組み処理部29とを備えている。
【0066】
さらに、電子書籍端末1は、パース部23が複数のレイアウトデータを生成した場合に、複数のレイアウトからいずれか1つのレイアウトを選択するレイアウト選択装置10を備えている。
【0067】
また、さらに、電子書籍端末1は、指定部22によって指定された表示位置に表示すべきコンテンツのすべてに対し、段組み処理部29による段組み処理が実行されたか否かを判定するレイアウト判定部30と、表示位置に表示すべきコンテンツのすべての段組み処理が終了すると、それらコンテンツを表示するコンテンツ表示部31と、コンテンツ表示部31によるコンテンツ表示の際、そのコンテンツに必要となる画像データや音声データ等を生成するデータ生成部32と、レイアウトデータ記憶部24に記憶されたレイアウトデータを変更する変更部35とを備えている。
【0068】
取得部21は、表示位置が指定されると、その表示位置に表示すべきコンテンツデータを取得する。このコンテンツデータは、書籍をデジタルデータにし、コンテンツ表示部31によって表示可能なコンテンツデータであり、動画データ、静止画データ、音声データなどが含まれる。取得部21は、電子書籍端末1にダウンロードする構成でコンテンツデータを取得する構成で実現されてもよいし、あるいは、ダウンロードせずにWeb上でアクセスしてコンテンツデータに取得する構成で実現されてもよい。
【0069】
また、取得部21は、ユーザーの操作入力、あるいは前回表示位置からの表示といった、上記の表示位置の指定に基づき、コンテンツデータ内の最小単位(ブロック)のデータを、必要となる領域分(レイアウトする必要がある領域分)だけ取得する。たとえば、コンテンツデータを説明するための概略図である図2において、取得部21は、Nブロックからなるコンテンツデータ40のうち、指定された表示位置である〔M−1〕、〔M〕、〔M+1〕のそれぞれのコンテンツデータ、この順に取得することになる。
【0070】
指定部22は、ユーザーの操作入力、あるいは前回の表示位置に基づき、今回の表示位置を指定する。指定部22は、自身が指定する表示位置を取得部21に出力する。指定部22は、ユーザーの操作入力に基づき、表示位置を指定するために、ユーザーインターフェイス機能としての入力デバイス、たとえば、キーボート等を用いることができる。また、指定部22は、前回の表示位置に基づき、表示位置を指定するためには、前回の表示位置を記憶するための一時記憶装置、たとえば、フラッシュメモリやSRAMといった書き込み消去可能な半導体メモリを備えていればよい。
【0071】
パース部23は、取得部21が取得した1ブロック分のコンテンツデータをパース、たとえば、分解、解読する。そして、パース部23は、全体のレイアウトを決めるレイアウトデータ(段数、余白、行間、文字間指定等に関するデータ)と、行をレイアウトするための行要素データ(コンテンツデータ内のフォントサイズの変更・拡大や、ルビ情報等に関するデータ)とを読み出す(準備する)。
【0072】
たとえば、パース部23は、〔M−1〕ブロックのデータを解析し、コンテンツデータ内のレイアウトデータおよび行要素データを取得、解読する。パース部23は、レイアウトデータおよび、行要素データをレイアウトデータ記憶部24に出力し、記憶する。なお、パース部23は、リンクジャンプの操作等に関するイベント情報を読み出すこともある。また、パース部23は、レイアウトデータについてはレイアウト選択装置10に出力してもよい。
【0073】
さらに、パース部23は、全体のレイアウトを決めるレイアウトデータを、最初に読み込む領域(ヘッダ領域等)から読み出しておき、レイアウトデータ記憶部24等の記憶部に記憶させておいてもよい。
【0074】
ここで、取得部21によって取得されるコンテンツデータには、上で述べたように、複数のレイアウトデータが予め準備されている場合がある。たとえば、図3では、1つのコンテンツデータ50内に6つのレイアウトA〜Fをそれぞれ決めるための6つのレイアウトデータが保持されている。レイアウトA〜Fは、たとえば、以下のようなレイアウトである。
【0075】
(1)レイアウトAは、アスペクト比(横対縦)が2:1、長辺がa1、短辺がa2であり、レイアウトA内に配置される文書、画像等は縦書きである。
【0076】
(2)レイアウトBは、アスペクト比(横対縦)が2:1、長辺がb1、短辺がb2であり、レイアウトB内に配置される文書、画像等は横書きである。
【0077】
(3)レイアウトCは、アスペクト比(横対縦)が2:1、長辺がc1、短辺がc2であり、レイアウトC内に配置される文書、画像等は横書きである。
【0078】
(4)レイアウトDは、アスペクト比(横対縦)が1:2、長辺がd1、短辺がd2であり、レイアウトD内に配置される文書、画像等は縦書きである。
【0079】
(5)レイアウトEは、アスペクト比(横対縦)が1:2、長辺がe1、短辺がe2であり、レイアウトE内に配置される文書、画像等は縦書きである。
【0080】
(6)レイアウトFは、アスペクト比(横対縦)が1:1、一辺がfであり、レイアウトF内に配置される文書、画像等は横書きである。
【0081】
なお、上で述べた文書や画像等はレイアウトデータに含めず、別途、文書データや画像データといったデータ構造を持てるようにしてもよい。
【0082】
コンテンツデータ50は、このような6つのレイアウトA〜Fをそれぞれ決めるための6つのレイアウトデータを保持している。この6つのレイアウトA〜Fは、上で述べたように、たとえば、このコンテンツデータ50の作成者が予め準備するものであり、コンテンツデータ50に含まれる文書、画像等を表示する際に用いられるレイアウトである。
【0083】
なお、このようなレイアウトデータは、たとえば、図10に示すように、コンテンツデータ内に書き込まれている。図10に示すコンテンツデータは、(600ピクセル,1024ピクセル)のレイアウト(縦表示2段組横書き記事用)、(800ピクセル,1366ピクセル)のレイアウト(縦表示2段組横書き記事用)、(1366ピクセル,800ピクセル)のレイアウト(横表示2段組横書き記事用)、(600ピクセル,400ピクセル)のレイアウト(横表示2段組横書き記事用)、(600ピクセル,400ピクセル)のレイアウト(横表示2段組縦書き記事用)、といった5つのレイアウトデータ(レイアウト情報)が書き込まれている。
【0084】
このようなレイアウトデータは、たとえば、コンテンツ作成者によって予め作成され、コンテンツデータ内に書き込まれることになる。当然、コンテンツ作成者は、コンテンツの内容に基づき、これら複数のレイアウトを作成し、コンテンツデータ内に書き込むことになる。
【0085】
パース部23は、このようにコンテンツデータ内に複数のレイアウトデータが含まれている場合、それらすべてのレイアウトデータを取得、解読し、レイアウトデータ記憶部24に出力する。
【0086】
レイアウトデータ記憶部24は、パース部23によって取得、解読される行要素データを記憶する。また、レイアウトデータ記憶部24は、パース部23によって取得、解読された複数のレイアウトデータを記憶する。そのうちから、レイアウト選択装置10によって、後述するように、1つのレイアウトデータが選択される。レイアウトデータ記憶部24は、たとえば図3の例であれば、レイアウトA〜Fのいずれか1つのレイアウトを決めるためのレイアウトデータがレイアウト選択装置10によって選択されることになる。
【0087】
なお、パース部23によって取得、解読された複数のレイアウトデータがレイアウト選択装置10に出力される場合であれば、レイアウトデータ記憶部24は、レイアウト選択装置10によって選択された1つのレイアウトデータを記憶する。レイアウトデータ記憶部24は、レイアウトA〜Fのいずれか1つのレイアウトを決めるためのレイアウトデータをレイアウト選択装置10から受け取り、それを記憶する。
【0088】
また、レイアウトデータ記憶部24は、たとえば、ハードディスクドライブなどの磁気ディスク装置や半導体メモリ等の公知の記憶装置から適宜選択して用いることができる。
【0089】
段組みレイアウト生成部25は、レイアウトデータ記憶部24に記憶されたレイアウトデータを用いて、指定部22によって指定された表示位置における、全体のレイアウトを示す段組みレイアウトデータを生成する。この段組みレイアウトデータでは、たとえば、2段組、フォントサイズ10dot、余白0dot、行間:標準フォントサイズの50%、文字間0dotといった設定がなされる。また、段組みレイアウトデータには、テキストデータや画像データの割付の情報も保持される。
【0090】
また、段組みレイアウト生成部25は、イベントデータ生成部27によって生成される、動画、音声等のマルチメディアデータ、リンク移動等の各種イベント情報を、対応する行要素に割り当てる動作を行なってもよい。
【0091】
行レイアウト生成部26は、段組みレイアウト生成部25によって生成された段組みレイアウトを参照しつつ、パース部23によって取得、解読された行要素データを用いて、各行のレイアウトを示す行レイアウトデータを生成する。
【0092】
段組みデータ記憶部28は、このようにして生成される段組みレイアウトデータおよび行レイアウトデータを、段組みデータとして記憶する。段組みデータ記憶部28は、たとえば、ハードディスクドライブなどの磁気ディスク装置や半導体メモリ等の公知の記憶装置から適宜選択して用いることができる。
【0093】
なお、段組みレイアウト生成部25は、変更部35によって、コンテンツに設定されているレイアウトデータが切り替わった場合や、ユーザーが設定を切り替えた場合などの再度情報を取得する必要がある場合には、レイアウトデータ記憶部24から新たなレイアウトデータを取得する。
【0094】
段組み処理部29は、段組みデータ記憶部28に記憶された段組みデータを用いて各段内に各行を配置し、段組み処理を実行する。段組み処理部29は、その段組み処理結果をレイアウト判定部30に出力する。
【0095】
レイアウト判定部30は、現在表示している領域中のすべてのレイアウトが生成されているかどうかを判定する。レイアウトが終了されていない場合は、その旨を取得部21に通知する。取得部21は、その通知を受けて、次のブロックのコンテンツデータを取得する。この動作は、表示領域内のすべてのレイアウトが生成されるまで繰り返される。図2の例であれば、〔M−1〕、〔M〕、〔M+1〕のすべてのレイアウトが生成されるまで、すなわち、レイアウト判定部30が現在表示している領域中のすべてのレイアウトが生成されたと判定するまで、上記レイアウトの生成が繰り返される。
【0096】
コンテンツ表示部31は、生成されたレイアウトに基づき、実際に文字、画像等の要素を表示する。ここで、リンクで紐付けられていたり、行要素として設定されていたりした動画、音声などのマルチメディアデータ、または、行要素として表示する必要のある画像データが存在する場合もある。その場合、コンテンツ表示部31は、データ生成部32によって生成されたデータを取得したうえで、音声・動画の再生や、画像の表示を行なう。
【0097】
データ生成部32は、レイアウト内で必要になった画像、音声データ等の表示再生に必要となる、各種コーデックでコーディングされたデータを再生可能な形式に変換する。具体的には、メディアデータ生成部33、画像デコード部34が、マルチメディアデータの生成、制御、画像データの表示可能なデータへの変換(デコード)を行なう。そして、データ生成部32は、その変換データをコンテンツ表示部31に対して出力する。
【0098】
(レイアウト選択装置10)
レイアウト選択装置10は、コンテンツを表示する表示領域の大きさおよびアスペクト比と、コンテンツを表示するときに用いられる複数のレイアウトの各大きさおよびアスペクト比と、を検出する検出部(検出手段)11と、複数のレイアウトの各々を用いてコンテンツを表示領域に表示させたときにおける、用いたレイアウトと表示領域との一致の度合いを表わす一致指標を、検出手段によって検出された各々の大きさおよびアスペクト比を用いて複数のレイアウト毎に算出する算出部(算出手段)12と、算出部12によって算出された複数のレイアウトの各一致指標同士を比較することによって、コンテンツを表示領域に表示させるときに、複数のレイアウトからいずれのレイアウトを選択するべきかを決定する決定部(決定手段)13とを備えている。
【0099】
(検出部11)
検出部11は、コンテンツ表示部31からコンテンツを表示する表示領域の大きさおよびアスペクト比を検出する。検出部11によって検出される表示領域は、電子書籍端末1の表示画面(図示省略)全体である場合もあるし、その一部の領域である場合もある。要は、検出部11によって検出される表示領域は、取得部21によって取得されたコンテンツが、コンテンツ表示部31によって表示されるべき表示領域のことを意味する。
【0100】
検出部11は、たとえば図4に示す表示領域の大きさおよびアスペクト比を検出する。図4(a)は、電子書籍端末1aの表示画面60a全体が上記の表示領域の場合を示している。また、図4(b)は、電子書籍端末1aの表示画面60bのうち、その中心付近の領域61bが上記の表示領域の場合を示し、図4(c)は、電子書籍端末1cの表示画面60cのうち、その右隅付近の領域61cが上記の表示領域の場合を示している。
【0101】
各電子書籍端末1a〜1cは、たとえば、以下のような表示領域を持っている。
【0102】
(1)電子書籍端末1aの表示領域(表示画面)60aは、アスペクト比(縦対横)が2:1、長辺がA1、短辺がA2である。なお、表示領域60a内に配置される文書、画像等は横書き、縦書きのいずれであってもよい。ただし、横書き、縦書きのいずれか一方に初期設定されるのが一般的である。
【0103】
(2)電子書籍端末1bは、アスペクト比(縦対横)が2:1、長辺がB1、短辺がB2である。なお、表示領域61b内に配置される文書、画像等は横書き、縦書きのいずれであってもよい。ただし、横書き、縦書きのいずれか一方に初期設定されるのが一般的である。
【0104】
(3)電子書籍端末1cは、アスペクト比(縦対横)が1:2、長辺がC1、短辺がC2である。なお、表示領域61c内に配置される文書、画像等は横書き、縦書きのいずれであってもよい。ただし、横書き、縦書きのいずれか一方に初期設定されるのが一般的である。
【0105】
また、検出部11は、レイアウトデータ記憶部24から、パース部23によって取得、解読された複数のレイアウトデータを読み取ると、各レイアウトデータの大きさおよびアスペクト比を検出する。たとえば図3の場合であれば、上で述べたような6つのレイアウトA〜Fの各大きさおよびアスペクト比を検出する。なお、検出部11は、各レイアウトの大きさおよびアスペクト比に加えて、各レイアウトが横書きなのか、縦書きなのかについても、各レイアウトから検出するようにしてもよい。
【0106】
(算出部12)
算出部12は、検出部11によって検出された、表示領域の大きさおよびアスペクト比と、複数のレイアウトの各大きさおよびアスペクト比とを、検出部11から受け取る。算出部12は、各レイアウトに関し、各レイアウトを用いてコンテンツを表示領域に表示させたときにおける、各レイアウトと表示領域との一致の度合い、すなわち、上述した一致指標を算出する。
【0107】
算出部12は、たとえば、図4(a)の表示領域60aの大きさおよびアスペクト比と、図4のレイアウトA〜Fの各大きさおよびアスペクト比と、を受け取ると、図5に示すよう、表示領域60aに各レイアウトA〜Fを用いてコンテンツを表示させたとき、各レイアウトと表示領域との一致の度合いを表わす一致指標を算出する。
【0108】
算出部12は、後述する拡縮率およびアスペクト比差分を算出するために、拡縮率を複数のレイアウト毎に設定する拡縮率設定部(拡縮率設定手段)14と、アスペクト比差分を複数のレイアウト毎に設定するアスペクト比差分設定部(アスペクト比差分設定手段)15とを有している。
【0109】
(拡縮率設定部14およびアスペクト比差分設定部15)
上で述べた一致指標は、次の2つの指標を用いことができる。
【0110】
(1)拡大率および縮小率(以下、単に「拡縮率」と呼ぶ。)
(2)アスペクト比差分
先ず、図6を用いて拡縮率について説明する。図6は、図4(a)の表示領域60aに図3のレイアウトDを用いてコンテンツを表示させる場合を示している。
【0111】
図6(a)に示すように、レイアウトDを用いた場合、レイアウトDは表示領域60aよりも大きさが小さいため、レイアウトDの拡大処理が必要である。そこで、図6(b)に示すように、レイアウトDの拡大処理を行なえばよい。ただし、この拡大処理は、レイアウトDのアスペクト比を維持しつつ、実行する。
【0112】
したがって、図6(c)に示すように、レイアウトDの長辺d1が表示領域60aの短辺A2と一致するまで、この拡大処理を実行すればよい。
【0113】
この場合、上記の拡縮率は、レイアウトDの長辺d1が表示領域60aの短辺A2と一致したときにおける、レイアウトDの長辺d1の拡大前後における長さの比となる。つまり、図6の場合であれば、拡縮率は「A2の長さ/d1の長さ」となる。このような場合を「長辺一致(フィット)」という。
【0114】
もちろん、他のレイアウトでは、各レイアウトの短辺が表示領域60aの短辺と一致するまで拡大させる場合もある。このような場合を「短辺一致(フィット)」という。
【0115】
さらに、図6では、レイアウトが表示領域60aよりも小さい場合を用いて説明しているが、レイアウトが表示領域60aよりも大きい場合もあることはもちろんである。この場合、レイアウトの縮小処理が必要となり、その縮小処理において、各レイアウトの短辺が表示領域60aの短辺と一致するまで縮小すればよい。
【0116】
この縮小処理を行なった場合でも、上記と同様、拡縮率は、レイアウトの長辺および短辺のいずれかが表示領域60aの長辺および短辺のいずれかと一致したときにおける、レイアウトのその一致した辺の縮小前後における長さの比となる。
【0117】
すなわち、拡縮率は、各レイアウトの大きさを構成する長辺および短辺のうち、各レイアウトを表示領域60aの内部に納まるようにしつつ、各レイアウトを拡大縮小したときにおける、表示領域60aの大きさを構成する長辺および短辺のいずれかと一致する辺である一致辺を特定し、その特定された一致辺についての拡大縮小前の長さに対する拡大縮小後の長さの比である。
【0118】
(拡縮率決定手順)
ここで、拡縮率決定手順を説明する。ここでは、表示領域の長辺がA1、短辺がA2であり、レイアウトの長辺がB1、短辺がB2である場合を例とする。
【0119】
レイアウトに関し、上述したような長辺フィットおよび短辺フィットを、それぞれ、実行する。その際、長辺フィット時の拡縮率と短辺フィット時の拡縮率との比較を行なう。表示領域のA1およびA2と、レイアウトのB1およびB2との大小関係によって、以下の(1)〜(5)のいずれかの処理を行なう。
【0120】
(1)表示領域のA1、A2ともに、レイアウトのB1、B2よりも小さい場合、長辺、短辺ともに縮小する。この場合、レイアウトのB1を表示領域に納めるために、長辺フィット時の縮小率を選択する。長辺、短辺フィット時の縮小率を比較すると、長辺フィット時の縮小率の方が大きくなるが、長辺フィット時の縮小率を選択する。
【0121】
(2)表示領域のA1、A2ともに、レイアウトのB1、B2よりも大きい場合、長辺、短辺ともに拡大する。この場合、レイアウトのB1を表示領域に納めるため、長辺フィット時の拡大率を選択する。なお、長辺、短辺フィット時の拡大率を比較すると、長辺フィット時の拡大率が小さくなる。よって、長辺フィット時の拡大率を選択することになる。
【0122】
(3)表示領域のA1よりもレイアウトのB1が大きく、表示領域のA2よりもレイアウト領域のB2が小さい場合、レイアウトのB1を表示領域に納めるため、長辺フィット時の縮小率を選択する。
【0123】
(4)表示領域のA1よりもレイアウトのB2が小さく、表示領域のA2よりもレイアウトのB1が大きい場合、レイアウト領域B1を表示領域に納めるため、長辺フィット時の縮小率を選択する。
【0124】
(5)表示領域のA1よりもレイアウトのB1が小さく、表示領域のA2よりもレイアウトのB2が大きい場合、レイアウトのB1を表示領域に納めるために、短辺フィット時の縮小率を選択する。
【0125】
このようにして、レイアウト毎に決定した拡縮率を比較し、最も小さい拡縮率を決定する。これにより、コンテンツデータで最も小さい拡縮率を持つレイアウトを選択することができる。
【0126】
なお、縮小率は、実際には、その逆数によって、拡大率と比較しなければならない。たとえば、表示領域が100:100、レイアウトAが50:50、レイアウトBが200:200の場合、レイアウトAの拡大率は200%となる。一方、レイアウトBは、その縮小率が50%となる。ここで、このまま、この拡大率と縮小率とを比較すると、常に縮小率が選択されることになる。よって、縮小率が計算された場合には、逆数をとり、その逆数と拡大率と比較する必要がある。この場合、上で述べたレイアウトBの縮小率は200となる。
【0127】
次に、図7を用いてアスペクト比差分について説明する。図7は、図6と同様、図4(a)の表示領域60aに図3のレイアウトDを用いてコンテンツを表示させる場合を示している。
【0128】
図7に示すように、レイアウトDのアスペクト比(横対縦)は「1:2」、表示領域60aのアスペクト比(横対縦)は「2:1」となっている。ここで、たとえば、縦を「1」とすれば、レイアウトDのアスペクト比は「0.5」、表示領域60aのアスペクト比は「2」となる。つまり、縦を「1」とする各アスペクト比の換算値が、上記の「0.5」と「2」となる。
【0129】
アスペクト比差分は、このような換算値同士の差分である。通常、整数比で表わされるアスペクト比をこのような換算を行なうことによって、両者の差分を容易に算出することが可能となる。
【0130】
ここでは、縦を「1」とする換算を行なったが、もちろん、横を「1」とする換算を行なっても構わない。要は、表示領域60a、各レイアウトのいずれの換算を行なう場合にも、「1」にする方向(縦または横)が同一であればよい。
【0131】
すなわち、アスペクト比差分は、表示領域60aおよび各レイアウトの各アスペクト比が表わす横と縦との比から、横と縦のうちのいずれか一方を1とする数値である換算値に換算し、表示領域60aのアスペクト比の換算値と、各レイアウトの換算値との差分である。
【0132】
このようにして、算出部12は、拡縮率設定部14を用いて拡縮率を複数のレイアウト毎に設定すると共に、アスペクト比差分設定部15を用いてアスペクト比差分を複数のレイアウト毎に設定する。
【0133】
(決定部13)
決定部13は、算出部12が拡縮率設定部(拡縮率設定手段)14およびアスペクト比差分設定部15を用いて複数のレイアウト毎に設定された拡縮率およびアスペクト比差分を受け取ると、各拡縮率同士、各アスペクト比差分同士を比較する。決定部13は、その比較結果を用いて、コンテンツを表示領域に表示する際に選択すべきレイアウトを、複数のレイアウトのうちから決定する。
【0134】
決定部13は、各レイアウトの拡縮率同士を比較する拡縮率抽出部(拡縮率抽出手段)16と、各レイアウトのアスペクト比差分同士を比較するアスペクト比差分抽出部(アスペクト比差分抽出手段)17と、を有している。
【0135】
(拡縮率抽出部16およびアスペクト比差分抽出部17)
一致指標は、拡縮率とアスペクト比差分とを含んでいる。このため、決定部13は、上述したように、各レイアウトの拡縮率同士を比較する拡縮率抽出部16と、各レイアウトのアスペクト比差分同士を比較するアスペクト比差分抽出部17と、を有している。
【0136】
拡縮率抽出部16は、各レイアウトに設定された拡縮率同士を比較する際、先ず、上で述べた一致辺が拡大縮小前後において等しいときの比を基準値として設定する。一致辺が拡大縮小前後で等しいことから、その基準値と等しい拡縮率を持つレイアウトは、拡大処理も縮小処理も不要となる。
【0137】
すなわち、拡縮率がこの基準値に一致するレイアウトを用いれば、その大きさを拡大処理、縮小処理する必要はなく、コンテンツをそのレイアウトで表示領域に表示することができる。もちろん、拡縮率が一致しなくても、この基準値に近ければ近いほど、元のレイアウトに近いレイアウトでコンテンツを表示することができることはいうまでもない。
【0138】
拡縮率抽出部16は、各レイアウトに設定された拡縮率を受け取ると、このような基準値を設定し、各レイアウトの拡縮率のうち、基準値と一致する拡縮率を抽出する。拡縮率抽出部16は、各レイアウトの拡縮率の中に基準値と一致する拡縮率がなければ、基準値に最も近い拡縮率を抽出する。
【0139】
アスペクト比差分抽出部17は、各レイアウトに設定されたアスペクト比差分を受け取ると、各レイアウトのアスペクト比差分のうち、最も小さいアスペクト比差分を抽出する。
【0140】
アスペクト比差分が小さければ小さいほど、レイアウトのアスペクト比と表示領域のアスペクト比とは近いといえる。もちろん、アスペクト比差分がゼロの場合、レイアウトと表示領域とはアスペクト比が一致する。
【0141】
したがって、アスペクト比差分が最も小さいレイアウトを用いることによって、元のレイアウトに近いレイアウトでコンテンツを表示領域に表示することができる。
【0142】
アスペクト比差分抽出部17は、各レイアウトに設定されたアスペクト比差分を受け取ると、各レイアウトのアスペクト比差分のうち、最も小さいアスペクト比差分を抽出する。
【0143】
このようにして、決定部13は、拡縮率抽出部16を用いて各レイアウトの拡縮率のうちから基準値に一致する拡縮率、または、基準値に最も近い拡縮率を抽出すると共に、アスペクト比差分抽出部17を用いて各レイアウトのアスペクト比差分のうちから最も小さいアスペクト比差分を抽出する。
【0144】
そして、決定部13は、拡縮率抽出部16によって抽出された拡縮率と、アスペクト比差分抽出部17によって抽出されたアスペクト比差分とを用いて、複数のレイアウトからいずれのレイアウトを選択するべきかを決定する。決定部13が、拡縮率抽出部16の抽出結果と、アスペクト比差分抽出部17の抽出結果とを、どのようにして用い、1つのレイアウトを決定するかについては、以下の(レイアウト選択装置10の動作)で説明する。
【0145】
(レイアウト選択装置10の動作)
次に、レイアウト選択装置10の動作について説明する。
【0146】
上述したように、一致指標は、拡縮率と、アスペクト比差分とを、用いことができる。このため、レイアウト選択装置10には、たとえば、ユーザーからの指示に基づき、拡縮率とアスペクト比差分のうち、いずれを優先し、レイアウトを選択するかが設定される。
【0147】
なお、ユーザーからの指示に代えて、コンテンツデータ内に予め規定して、コンテンツデータからの指示に基づき、いずれかを優先するようにしてもよい。あるいは、電子書籍端末1に予め規定して、電子書籍端末1からの指示に基づき、いずれかを優先するようにしてもよい。
【0148】
以下では、先ず、アスペクト比差分を優先する場合を説明し、次に、拡縮率を優先する場合を説明する。
【0149】
(アスペクト比差分を優先)
図8は、アスペクト比差分を優先したときのレイアウト選択装置10の動作を示すフローチャートである。
【0150】
図8において、先ず、検出部11は、コンテンツ表示部31からコンテンツを表示する表示領域の大きさおよびアスペクト比を検出する。また、検出部11は、表示領域の大きさおよびアスペクト比を検出する(ステップS101)。
【0151】
次に、算出部12は、検出部11の検出結果を受け取ると、拡縮率設定部14を用いて拡縮率を複数のレイアウト毎に設定すると共に、アスペクト比差分設定部15を用いてアスペクト比差分を複数のレイアウト毎に設定する(ステップS102)。本ステップS102での拡縮率設定部14およびアスペクト比差分設定部15の各々の動作については、上述したので、ここでは説明を繰り返さない。
【0152】
次に、決定部13は、複数のレイアウト毎に設定された拡縮率およびアスペクト比差分を受け取ると、アスペクト比差分抽出部17を用いて、各レイアウトのアスペクト比差分のうち、ゼロであるアスペクト比差分の有無を判断する(ステップS103)。
【0153】
ゼロであるアスペクト比差分が有り(ステップS103YES)、かつ、そのゼロであるアスペクト比差分が1つであれば(ステップS104NO)、決定部13は、そのアスペクト比差分を持つレイアウトを選択すべきレイアウトに決定し(ステップS105)、レイアウト選択装置10の動作が終了する。
【0154】
一方、上記のステップS104においてゼロであるアスペクト比差分が複数有れば(ステップS104YES)、優先対象をアスペクト比差分から拡縮率に変更し、後述するステップS106に進む。本ステップS104においてゼロであるアスペクト比差分が複数有る場合、それらのアスペクト比差分を持つレイアウトを第1のレイアウトグループとして分類する。
【0155】
上記のステップS103においてゼロであるアスペクト比差分が無ければ(ステップS103NO)、決定部13は、アスペクト比差分抽出部17を用いて、今度は、各レイアウトのアスペクト比差分のうち、ゼロに最も近いアスペクト比差分を抽出する(ステップS107)。
【0156】
ゼロに最も近いアスペクト比差分が1つであれば(ステップS108NO)、決定部13は、そのアスペクト比差分を持つレイアウトを選択すべきレイアウトに決定し(ステップS105)、レイアウト選択装置10の動作が終了する。
【0157】
一方、上記のステップS108においてゼロに最も近いアスペクト比差分が複数有れば(ステップS108YES)、優先対象をアスペクト比差分から拡縮率に変更し、後述するステップS106に進む。本ステップS108においてゼロに最も近いアスペクト比差分が複数有る場合、それらのアスペクト比差分を持つレイアウトを上記の第1のレイアウトグループとして分類する。
【0158】
決定部13は、拡縮率抽出部16を用いて、上記の第1のレイアウトグループに含まれる各レイアウトの拡縮率のうち、基準値に一致する拡縮率の有無を判断する(ステップS106)。
【0159】
基準値に一致する拡縮率が有り(ステップS106YES)、かつ、その基準値に一致する拡縮率が1つであれば(ステップS109NO)、決定部13は、その拡縮率を持つレイアウトを選択すべきレイアウトに決定し(ステップS110)、レイアウト選択装置10の動作が終了する。
【0160】
一方、上記のステップS109において基準値に一致する拡縮率が複数有れば(ステップS109YES)、後述するステップS111に進む。本ステップS109において基準値に一致する拡縮率が複数有る場合、それらの拡縮率を持つレイアウトを第2のレイアウトグループとして分類する。
【0161】
上記のステップS106において基準値に一致する拡縮率が無ければ(ステップS106NO)、決定部13は、拡縮率抽出部16を用いて、今度は、各レイアウトの拡縮率のうち、基準値に最も近い拡縮率を抽出する(ステップS112)。
【0162】
基準値に最も近い拡縮率が1つであれば(ステップS113NO)、決定部13は、その拡縮率を持つレイアウトを選択すべきレイアウトに決定し(ステップS110)、レイアウト選択装置10の動作が終了する。
【0163】
一方、上記のステップS113において基準値に最も近い拡縮率が複数有れば(ステップS113YES)、後述するステップS111に進む。本ステップS113において基準値に最も近い拡縮率が複数有る場合、それらの拡縮率を持つレイアウトを第2のレイアウトグループとして分類する。
【0164】
第2のレイアウトグループに複数のレイアウトが含まれる場合、決定部13は、それらのレイアウトのうち、ユーザーからの指示に基づく横書き、または、縦書きのレイアウトいずれか1つを選択すべきレイアウトに決定する(ステップS111)。
【0165】
なお、本ステップS111において、レイアウトデータに縦書き、または、横書きが設定されている場合は、ユーザーからの指示よりも、レイアウトデータの設定が優先されることになる。
【0166】
具体的には、先ず、レイアウトデータに縦書き、または、横書きの設定が省略されていれば、上述した表示領域の初期設定を読み込み、その初期設定に従い、縦書き、または、横書きの表示を行なう。もちろん、この場合、電子書籍端末1側からの設定変更は可能である。
【0167】
また、レイアウトデータの設定と表示領域の初期設定とが異なる場合、レイアウトデータの設定に従い、表示領域の設定が変更されることになる。この場合、電子書籍端末1側からの設定変更は不可となる。
【0168】
さらに、縦書きと横書きの2つのレイアウトデータが存在した場合、表示領域の初期設定に従い、縦書き、または、横書きの表示を行なう。この場合、電子書籍端末1側からの設定変更は可能である。
【0169】
なお、このような縦書きと横書きとの設定の比較処理を行っても、複数のレイアウトデータが残る場合、第3のレイアウトグループが分類される。この場合、たとえば、第3のレイアウトグループから、上で述べた拡縮率のうち縮小率が設定されたレイアウトデータを選択すればよい。
【0170】
また、第3のレイアウトグループで拡縮率のうち縮小率まで同じレイアウトが複数あった場合は、それらのうちから任意の1つを選択するようにすればよい。
【0171】
このようにして、レイアウト選択装置10の動作が終了する。
【0172】
(拡縮率を優先)
図9は、拡縮率を優先したときのレイアウト選択装置10の動作を示すフローチャートである。
【0173】
図9において、先ず、検出部11は、コンテンツ表示部31からコンテンツを表示する表示領域の大きさおよびアスペクト比を検出する。また、検出部11は、表示領域の大きさおよびアスペクト比を検出する(ステップS201)。
【0174】
次に、算出部12は、検出部11の検出結果を受け取ると、拡縮率設定部14を用いて拡縮率を複数のレイアウト毎に設定すると共に、アスペクト比差分設定部15を用いてアスペクト比差分を複数のレイアウト毎に設定する(ステップS202)。本ステップS202での拡縮率設定部14およびアスペクト比差分設定部15の各々の動作については、上述したので、ここでは説明を繰り返さない。
【0175】
次に、決定部13は、複数のレイアウト毎に設定された拡縮率およびアスペクト比差分を受け取ると、拡縮率抽出部16を用いて、各レイアウトの拡縮率のうち、基準値に一致する拡縮率の有無を判断する(ステップS203)。
【0176】
基準値に一致する拡縮率が有り(ステップS203YES)、かつ、その基準値に一致する拡縮率が1つであれば(ステップS204NO)、決定部13は、そのアスペクト比差分を持つレイアウトを選択すべきレイアウトに決定し(ステップS205)、レイアウト選択装置10の動作が終了する。
【0177】
一方、上記のステップS204において基準値に一致する拡縮率が複数有れば(ステップS204YES)、優先対象を拡縮率からアスペクト比差分に変更し、後述するステップS206に進む。本ステップS204において基準値に一致する拡縮率が複数有る場合、それらの拡縮率を持つレイアウトを第1のレイアウトグループとして分類する。
【0178】
上記のステップS203において基準値に一致する拡縮率が無ければ(ステップS203NO)、決定部13は、拡縮率抽出部16を用いて、今度は、各レイアウトの拡縮率のうち、基準値に最も近い拡縮率を抽出する(ステップS207)。
【0179】
基準値に最も近い拡縮率が1つであれば(ステップS208NO)、決定部13は、その拡縮率を持つレイアウトを選択すべきレイアウトに決定し(ステップS205)、レイアウト選択装置10の動作が終了する。
【0180】
一方、上記のステップS208において基準値に最も近いアスペクト比差分が複数有れば(ステップS208YES)、優先対象を拡縮率からアスペクト比差分に変更し、後述するステップS206に進む。本ステップS208において基準値に最も近い拡縮率が複数有る場合、それらの拡縮率を持つレイアウトを上記の第1のレイアウトグループとして分類する。
【0181】
決定部13は、アスペクト比差分抽出部17を用いて、上記の第1のレイアウトグループに含まれる各レイアウトのアスペクト比差分のうち、ゼロであるアスペクト比差分の有無を判断する(ステップS206)。
【0182】
ゼロであるアスペクト比差分が有り(ステップS206YES)、かつ、そのゼロであるアスペクト比差分が1つであれば(ステップS209NO)、決定部13は、そのアスペクト比差分を持つレイアウトを選択すべきレイアウトに決定し(ステップS210)、レイアウト選択装置10の動作が終了する。
【0183】
一方、上記のステップS209において基準値に一致する拡縮率が複数有れば(ステップS209YES)、後述するステップS211に進む。本ステップS209においてゼロであるアスペクト比差分が複数有る場合、それらのアスペクト比差分を持つレイアウトを第2のレイアウトグループとして分類する。
【0184】
上記のステップS206においてゼロであるアスペクト比差分が無ければ(ステップS206NO)、決定部13は、アスペクト比差分抽出部17を用いて、今度は、各レイアウトのアスペクト比差分のうち、ゼロに最も近いアスペクト比差分を抽出する(ステップS212)。
【0185】
ゼロに最も近いアスペクト比差分が1つであれば(ステップS213NO)、決定部13は、そのアスペクト比差分を持つレイアウトを選択すべきレイアウトに決定し(ステップS210)、レイアウト選択装置10の動作が終了する。
【0186】
一方、上記のステップS213においてゼロに最も近いアスペクト比差分が複数有れば(ステップS213YES)、後述するステップS211に進む。本ステップS213においてゼロに最も近いアスペクト比差分が複数有る場合、それらのアスペクト比差分を持つレイアウトを第2のレイアウトグループとして分類する。
【0187】
第2のレイアウトグループに複数のレイアウトが含まれる場合、決定部13は、それらのレイアウトのうち、ユーザーからの指示に基づく横書き、または、縦書きのレイアウトいずれか1つを選択すべきレイアウトに決定する(ステップS211)。
【0188】
本ステップS211においても、上記のステップS111と同様、レイアウトデータに縦書き、または、横書きが設定されている場合は、ユーザーからの指示よりも、レイアウトデータの設定が優先されることになる。
【0189】
このようにして、レイアウト選択装置10の動作が終了する。
【0190】
以上説明したように、本実施形態によれば、電子書籍端末1は、コンテンツを表示する表示領域の大きさおよびアスペクト比と、コンテンツを表示するときに用いられる複数のレイアウトの各大きさおよびアスペクト比と、を検出し、表示領域および各レイアウトの各々の大きさおよびアスペクト比を用いて、複数のレイアウト毎に一致指標を算出する。この一致指標は、各レイアウトと表示領域との一致の度合いを表わす指標である。
【0191】
このため、コンテンツを表示領域に表示させるときに、各レイアウトの一致指標同士を比較することによって、表示領域との一致度合いの高いレイアウトを選択すべきレイアウトとして決定することができる。
【0192】
したがって、コンテンツを表示する際、複数のレイアウトから最適なレイアウトを選択することができる。
【0193】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0194】
最後に、レイアウト選択装置10の各ブロックは、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0195】
すなわち、レイアウト選択装置10は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、前記プログラムを格納したROM(read only memory)、前記プログラムを展開するRAM(random access memory)、前記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)等を備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるレイアウト選択装置10の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、レイアウト選択装置10に供給し、そのコンピュータ(又はCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0196】
前記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやコンパクトディスク−ROM/MO/MD/デジタルビデオデイスク/コンパクトディスク−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系等を用いることができる。
【0197】
また、レイアウト選択装置10を通信ネットワークと接続可能に構成し、前記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、前記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0198】
本発明は、文書や画像からなるコンテンツを無線通信により、取得し、表示画面上に表示する電子書籍端末、ゲーム機器、携帯電話、PDA等の携帯情報端末、ノート型パーソナルコンピュータに好適である。
【符号の説明】
【0199】
1、1a、1b、1c 電子書籍端末(コンテンツ表示装置)
10 レイアウト選択装置
11 検出部(検出手段)
12 算出部(算出手段)
13 決定部(決定手段)
14 拡縮率設定部(拡縮率設定手段)
15 アスペクト比差分設定部(アスペクト比差分設定手段)
16 拡縮率抽出部(拡縮率抽出手段)
17 アスペクト比差分抽出部(アスペクト比差分抽出手段)
40、50 コンテンツ(コンテンツデータ)
60a 表示領域(表示画面)
61b、61c 表示領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツを表示する表示領域の大きさおよびアスペクト比と、前記コンテンツを表示するときに用いられる複数のレイアウトの各大きさおよびアスペクト比と、を検出する検出手段と、
前記複数のレイアウトの各々を用いて前記コンテンツを前記表示領域に表示させたときにおける、用いたレイアウトと前記表示領域との一致の度合いを表わす一致指標を、前記検出手段によって検出された前記各々の大きさおよびアスペクト比を用いて前記複数のレイアウト毎に算出する算出手段と、
前記算出手段によって算出された前記複数のレイアウトの各一致指標同士を比較することによって、前記コンテンツを前記表示領域に表示させるときに、前記複数のレイアウトからいずれのレイアウトを選択するべきかを決定する決定手段と
を備えることを特徴とするレイアウト選択装置。
【請求項2】
前記算出手段は、
前記複数のレイアウトの各大きさに関し、各レイアウトの大きさを構成する長辺および短辺のうち、各レイアウトを前記表示領域の内部に納まるようにしつつ、各レイアウトを拡大縮小したときにおける、前記表示領域の大きさを構成する長辺および短辺のいずれかと一致する辺である一致辺を特定し、その特定された一致辺についての拡大縮小前の長さに対する拡大縮小後の長さの比を、前記一致指標に含まれる拡縮率として前記複数のレイアウト毎に設定する拡縮率設定手段と、
前記表示領域および前記複数のレイアウトの各アスペクト比に関し、各アスペクト比が表わす横と縦との比から、横と縦のうちのいずれか一方を1とする数値である換算値に換算し、前記表示領域のアスペクト比の換算値と、前記複数のレイアウトの各換算値との差分を、前記一致指標に含まれるアスペクト比差分として前記複数のレイアウト毎に設定するアスペクト比差分設定手段と
を含むことを特徴とする請求項1に記載のレイアウト選択装置。
【請求項3】
前記決定手段は、
前記一致辺についての拡大縮小前後の長さが等しいときにおける比を前記拡縮率の基準値としたとき、前記拡縮率設定手段によって設定された前記複数のレイアウトの各拡縮率同士を比較し、前記基準値に一致する拡縮率、または、前記基準値に最も近い拡縮率を持つレイアウトを抽出する拡縮率抽出手段と、
前記アスペクト比差分設定手段によって設定された前記複数のレイアウトの各アスペクト比差分同士を比較し、最も小さいアスペクト比差分を持つレイアウトを抽出するアスペクト比差分抽出手段と
を含むことを特徴とする請求項2に記載のレイアウト選択装置。
【請求項4】
前記決定手段は、
前記拡縮率抽出手段および前記アスペクト比差分抽出手段のいずれか一方を用いて前記複数のレイアウトから少なくとも1つのレイアウトを含む第1のレイアウトグループを抽出し、
前記第1のレイアウトグループに複数のレイアウトが含まれるとき、前記拡縮率抽出手段および前記アスペクト比差分抽出手段のいずれか他方を用いて前記第1のレイアウトグループから少なくとも1つのレイアウトを含む第2のレイアウトグループを抽出することを特徴とする請求項3に記載のレイアウト選択装置。
【請求項5】
前記決定手段は、前記第2のレイアウトグループに複数のレイアウトが含まれるとき、含まれる複数のレイアウトの各々が横書きであるか縦書きであるかを判断基準として、選択すべきレイアウトを決定することを特徴とする請求項4に記載のレイアウト選択装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のレイアウト選択装置と、
前記レイアウト選択装置によって選択されたレイアウトを用いて、コンテンツを表示領域に表示する表示装置と
を備えることを特徴とするコンテンツ表示装置。
【請求項7】
コンテンツを表示する表示領域の大きさおよびアスペクト比と、前記コンテンツを表示するときに用いられる複数のレイアウトの各大きさおよびアスペクト比と、を検出する検出工程と、
前記複数のレイアウトの各々を用いて前記コンテンツを前記表示領域に表示させたときにおける、用いたレイアウトと前記表示領域との一致の度合いを表わす一致指標を、前記検出工程にて検出された前記各々の大きさおよびアスペクト比を用いて前記複数のレイアウト毎に算出する算出工程と、
前記算出工程にて算出された前記複数のレイアウトの各一致指標同士を比較することによって、前記コンテンツを前記表示領域に表示させるときに、前記複数のレイアウトからいずれのレイアウトを選択するべきかを決定する決定工程と
を含むことを特徴とするレイアウト選択方法。
【請求項8】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のレイアウト選択装置における各手段としてコンピュータを動作させるためのレイアウト選択プログラム。
【請求項9】
請求項8に記載のレイアウト選択プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項10】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のレイアウト選択装置によってレイアウトが選択されるコンテンツの作成方法であって、
前記コンテンツの内容を判断基準として、前記複数のレイアウトを決定するレイアウト決定工程と、
前記レイアウト決定工程にて決定された前記複数のレイアウトを表わすレイアウト情報を前記コンテンツに書き込むレイアウト情報書き込み工程と
を含むことを特徴とするコンテンツの作成方法。
【請求項1】
コンテンツを表示する表示領域の大きさおよびアスペクト比と、前記コンテンツを表示するときに用いられる複数のレイアウトの各大きさおよびアスペクト比と、を検出する検出手段と、
前記複数のレイアウトの各々を用いて前記コンテンツを前記表示領域に表示させたときにおける、用いたレイアウトと前記表示領域との一致の度合いを表わす一致指標を、前記検出手段によって検出された前記各々の大きさおよびアスペクト比を用いて前記複数のレイアウト毎に算出する算出手段と、
前記算出手段によって算出された前記複数のレイアウトの各一致指標同士を比較することによって、前記コンテンツを前記表示領域に表示させるときに、前記複数のレイアウトからいずれのレイアウトを選択するべきかを決定する決定手段と
を備えることを特徴とするレイアウト選択装置。
【請求項2】
前記算出手段は、
前記複数のレイアウトの各大きさに関し、各レイアウトの大きさを構成する長辺および短辺のうち、各レイアウトを前記表示領域の内部に納まるようにしつつ、各レイアウトを拡大縮小したときにおける、前記表示領域の大きさを構成する長辺および短辺のいずれかと一致する辺である一致辺を特定し、その特定された一致辺についての拡大縮小前の長さに対する拡大縮小後の長さの比を、前記一致指標に含まれる拡縮率として前記複数のレイアウト毎に設定する拡縮率設定手段と、
前記表示領域および前記複数のレイアウトの各アスペクト比に関し、各アスペクト比が表わす横と縦との比から、横と縦のうちのいずれか一方を1とする数値である換算値に換算し、前記表示領域のアスペクト比の換算値と、前記複数のレイアウトの各換算値との差分を、前記一致指標に含まれるアスペクト比差分として前記複数のレイアウト毎に設定するアスペクト比差分設定手段と
を含むことを特徴とする請求項1に記載のレイアウト選択装置。
【請求項3】
前記決定手段は、
前記一致辺についての拡大縮小前後の長さが等しいときにおける比を前記拡縮率の基準値としたとき、前記拡縮率設定手段によって設定された前記複数のレイアウトの各拡縮率同士を比較し、前記基準値に一致する拡縮率、または、前記基準値に最も近い拡縮率を持つレイアウトを抽出する拡縮率抽出手段と、
前記アスペクト比差分設定手段によって設定された前記複数のレイアウトの各アスペクト比差分同士を比較し、最も小さいアスペクト比差分を持つレイアウトを抽出するアスペクト比差分抽出手段と
を含むことを特徴とする請求項2に記載のレイアウト選択装置。
【請求項4】
前記決定手段は、
前記拡縮率抽出手段および前記アスペクト比差分抽出手段のいずれか一方を用いて前記複数のレイアウトから少なくとも1つのレイアウトを含む第1のレイアウトグループを抽出し、
前記第1のレイアウトグループに複数のレイアウトが含まれるとき、前記拡縮率抽出手段および前記アスペクト比差分抽出手段のいずれか他方を用いて前記第1のレイアウトグループから少なくとも1つのレイアウトを含む第2のレイアウトグループを抽出することを特徴とする請求項3に記載のレイアウト選択装置。
【請求項5】
前記決定手段は、前記第2のレイアウトグループに複数のレイアウトが含まれるとき、含まれる複数のレイアウトの各々が横書きであるか縦書きであるかを判断基準として、選択すべきレイアウトを決定することを特徴とする請求項4に記載のレイアウト選択装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のレイアウト選択装置と、
前記レイアウト選択装置によって選択されたレイアウトを用いて、コンテンツを表示領域に表示する表示装置と
を備えることを特徴とするコンテンツ表示装置。
【請求項7】
コンテンツを表示する表示領域の大きさおよびアスペクト比と、前記コンテンツを表示するときに用いられる複数のレイアウトの各大きさおよびアスペクト比と、を検出する検出工程と、
前記複数のレイアウトの各々を用いて前記コンテンツを前記表示領域に表示させたときにおける、用いたレイアウトと前記表示領域との一致の度合いを表わす一致指標を、前記検出工程にて検出された前記各々の大きさおよびアスペクト比を用いて前記複数のレイアウト毎に算出する算出工程と、
前記算出工程にて算出された前記複数のレイアウトの各一致指標同士を比較することによって、前記コンテンツを前記表示領域に表示させるときに、前記複数のレイアウトからいずれのレイアウトを選択するべきかを決定する決定工程と
を含むことを特徴とするレイアウト選択方法。
【請求項8】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のレイアウト選択装置における各手段としてコンピュータを動作させるためのレイアウト選択プログラム。
【請求項9】
請求項8に記載のレイアウト選択プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項10】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のレイアウト選択装置によってレイアウトが選択されるコンテンツの作成方法であって、
前記コンテンツの内容を判断基準として、前記複数のレイアウトを決定するレイアウト決定工程と、
前記レイアウト決定工程にて決定された前記複数のレイアウトを表わすレイアウト情報を前記コンテンツに書き込むレイアウト情報書き込み工程と
を含むことを特徴とするコンテンツの作成方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2012−69006(P2012−69006A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−214510(P2010−214510)
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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