説明

レトルト殺菌管理方法とその管理装置

【課題】レトルト殺菌において、ICタグを用いて効率的な自動化をし、殺菌の確実性を高め殺菌が適切に行われなかった時の再殺菌も効率的に行えるようにした方法および装置を提供する。
【解決手段】レトルト殺菌を開始した後、レトルト殺菌温度が一定温度を超えた時から、予め設定した間隔時間毎に計測したレトルト殺菌温度と加熱時間とを記録媒体7にリアルタイムに記録し、殺菌終了後、前記記録媒体7に記録されたレトルト殺菌温度と加熱時間とからなる殺菌環境情報から、前記間隔時間毎の致死率を算出するとともに、その致死率と加熱時間を積算して総和として実測F値を算出し、その実測F値が予め定めた目標F値の上下限値の範囲内に入っているか否かによってレトルト殺菌処理の適否の判別と殺菌効果の程度を把握できる構成にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、殺菌用のレトルト台車(以下、「バスケット」と呼ぶこともある)などの搬送部材内に収納された缶詰やパウチ、カップなどの食品の殺菌工程で確実に殺菌処理の適否を判定するレトルト殺菌管理方法と、その殺菌効果のレベルを数値的に把握することができるようにしたレトルト殺菌管理装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
食品缶詰などの殺菌には、安全管理上から加圧高温下に所定時間保持する加熱殺菌が行われ、通常、レトルト釜内に食品缶詰をバスケットと呼ばれる台車に収納されてレトルト殺菌が行われる。近年、このような加熱殺菌システムにおいては、生産効率を高めるためにレトルト殺菌を自動化したものが普及している。このシステムにおいては、予め定められた順序に従い、レトルト釜内へのレトルト台車の搬入(入庫)から、殺菌処理、搬出(出庫)までの動作を自動的に制御してレトルト殺菌処理が行われていた。
【0003】
しかしながら、多品種少ロットの生産においては、手動でバスケットを一台毎、レトルト釜に出し入れする手動式のレトルト殺菌装置の存在も少なくない。このような手動式のレトルト殺菌装置においては、人為的ミスで未殺菌のまま出荷してしまう虞があり、被殺菌物が確実に加熱殺菌されたことを管理する必要がある。
【0004】
そのため、例えば、滅菌カード(別名ケミカルインジケータとも言う)をレトルト台車毎に貼付して加熱殺菌処理により、滅菌カードの示温材の色が変色していることを確認することで、そのレトルト台車の殺菌処理が確実に行われたかどうかを確認するものや、バーコードと示温インクを塗布した監視札上の示温インクの消色を確認するものが特許文献1に開示されている。
【0005】
これに対して、個々の製品にICタグをそれぞれ取り付けて、殺菌装置内で殺菌装置のリーダーでICタグのメモリを読み出し、その殺菌条件が、殺菌装置に設定された殺菌条件と合致しているかを確認するものが特許文献2に開示されている。
【0006】
【特許文献1】特開2002−131145号公報
【特許文献2】特開2006−306407号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記の特許文献1に開示されている示温材を使用するものは、有機溶剤を使用して示温インクをインクジェットプリンターで繰り返し印字する必要があるため、環境に悪影響を及ぼすといった環境負荷を増大する問題がある。
【0008】
また、特許文献2に開示されている発明では、個々の製品に取り付けられたICタグへの書き込みは、レトルト加熱殺菌前の製造段階で行われ、充填密封時における内容物の識別情報や内容物に合致する予定殺菌条件などがICタグに書き込まれて、それ以降の工程ではICタグへの書き込みは行われない。そして、レトルト殺菌時に個々のICタグから読み出した条件が加熱殺菌装置に設定された条件と合致したものかどうか確認することにとどまり、殺菌が成功するにせよ失敗するにせよ、被殺菌物(例えば、缶詰やレトルト食品)に対してどの程度の殺菌効果が得られたのかを判別することはできない。
【0009】
通常、食品衛生法・容器包装詰加圧加熱殺菌食品の基準規格で定められている殺菌条件では、「pHが4.6を超え、かつ、水分活性が0.94を超える容器包装詰加圧加熱殺菌食品にあっては中心温度120℃で4分間加熱する方法又はこれと同等以上の効力を有する方法であること」とされ、ボツリヌス菌を殺滅させる条件で規格が作られている。
【0010】
缶詰の殺菌を例にとると、例えば115℃×30分、120℃×15分と表すように殺菌温度と殺菌時間とで殺菌条件が表示される。特許文献2には、この殺菌温度と殺菌時間とをレトルト実施条件としてレトルト処理装置にセットされることになる。そして、レトルトの運転が開始されると、レトルトを制御するシーケンサー内部に温度履歴が記憶され蓄えられ、一方、レトルト内に設置したリーダーのアンテナで内容物ごとに定められた殺菌条件をICタグから読み出し、両者が合致していることの確認を行うことが開示されている。しかしながら、誤ったレトルト実施条件の設定を間違えて入力した場合や、レトルト処理中で不慮のトラブル(停電等による殺菌処理の中断や各種センサの不良)が発生した場合、そのトラブルを処理した後に、ラインを再起動してレトルト処理を行うことになるが、確実に殺菌処理されたか否かの判別がつかず、殺菌が不十分または未殺菌の製品が商品として出荷される虞がある。したがって、処理した被殺菌物を廃棄せざるを得ず生産ロスにつながるといった問題が未だ解決されていない。
【0011】
本発明は、前記従来技術の課題に鑑みなされたものであり、食品の殺菌工程で確実に殺菌処理されたかどうかの判定とともに、その殺菌処理でどの程度の殺菌効果を受けたのかを数値的に把握することができるようにしたため、被殺菌物に対して、殺菌が成功した場合はもちろん、停電等の何らかの原因で失敗または中断した場合でも被殺菌物を廃棄することなく、よりきめ細やかな対応がとれるレトルト殺菌管理方法とその管理装置とを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、複数の被殺菌物を収納した搬送部材毎に、情報の書き込みおよび読み取りが可能な記録媒体(以下、ICタグとも呼ぶ)を取り付けて、前記複数の被殺菌物のレトルト殺菌中に前記記録媒体に書き込まれた殺菌環境情報から前記被殺菌物の加熱殺菌の適否を判別する一方、前記加熱殺菌の適否の判別後に前記記録媒体に書き込まれている情報を初期化することにより前記記録媒体を繰り返し使用可能にしたレトルト殺菌管理方法であって、レトルト殺菌を開始した後、レトルト殺菌温度が一定温度を超えた時から、予め設定した間隔時間毎に計測したレトルト殺菌温度と加熱時間とを前記記録媒体にリアルタイムに記録し、殺菌終了後、前記記録媒体に記録されたレトルト殺菌温度と加熱時間とからなる殺菌環境情報から、下記式(1)より致死率を算出するとともに、下記式(2)より実測F値を算出し、その実測F値が予め定めた上下限値の範囲内に入っているか否かによってレトルト殺菌処理の適否を判別することを特徴とするレトルト殺菌管理方法である。
【数3】

(式中、Liは、各レトルト殺菌温度における致死率、Tiは、各レトルト殺菌温度(℃)、Δtは、間隔時間(分)、Fは、実測F値を表す。)
【0013】
請求項2の発明は、複数の被殺菌物を収納した搬送部材をレトルト釜に入れ、前記被殺菌物の加熱殺菌の適否を判別するレトルト殺菌管理装置において、前記搬送部材毎に取り付けられた、情報の書き込みおよび読み出しを無線で行うことのできる記録媒体と、前記搬送部材に前記被殺菌物を収納するローダー位置と、前記搬送部材から前記被殺菌物を払い出すアンローダー位置と、前記搬送部材を前記レトルト釜搬入位置および搬出位置と、前記レトルト釜の内部とのそれぞれに設置され、前記記録媒体と情報を無線で送受信するリーダライタ用伝送手段と、前記ローダー位置で前記記録媒体から前記搬送部材の番号を読み取り、かつ予め用意された製品情報を前記記録媒体に書き込む製品情報設定手段と、前記レトルト釜搬入位置で前記記録媒体に、予め用意された製品搬入情報を書き込む搬入情報設定手段と、前記レトルト釜の内部で前記記録媒体に、予め設定した間隔時間毎に計測したレトルト釜内温度と加熱時間とからなる殺菌環境情報を記録するモニタ手段と、前記レトルト釜からの搬出位置で、前記記録媒体に書き込まれた全ての情報を読み取って転送する転送手段と、その転送手段から転送された前記記録媒体の情報における前記レトルト釜内温度および加熱時間に基づき、下記式(1)より前記搬送部材毎の被殺菌物の致死率Liを算出するとともに、下記式(2)より算出される実測F値とその前記実測F値についての予め定めた上下限値とを比較して前記実測F値が前記上下限値の範囲内にあるか否かに基づき前記搬送部材毎の前記被殺菌物の殺菌の適否を判別する判定手段と、前記アンローダー位置で、前記搬送部材に取り付けられている前記記録媒体の情報を前記搬送部材の識別番号を除いて消去して繰り返して使用可能にする初期化手段とを備えていることを特徴とするレトルト殺菌管理装置である。
【数4】

(式中、Liは、各レトルト殺菌温度における致死率、Tiは、各レトルト殺菌温度(℃)、Δtは、間隔時間(分)、Fは、実測F値を表す。)
【0014】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記記録媒体に書き込まれた情報と共に前記実測F値を時系列的に出力する生産履歴出力手段を更に備えていることを特徴とするレトルト殺菌管理装置である。
【0015】
請求項4の発明は、請求項2または3の発明において、前記モニタ手段は、殺菌環境情報を記録する開始時間とその記録を行う間隔時間とを変更可能に構成されていることを特徴とするレトルト殺菌管理装置である。
【発明の効果】
【0016】
本発明の構成によるレトルト殺菌管理方法によれば、殺菌終了した後ICタグに記録された情報から各搬送部材について加熱の全行程を通して、予め設定した間隔時間毎の致死率、および刻々と変化する加熱温度での殺菌効果を基準温度に換算し、致死率と加熱時間を積算した加熱効果の総和からなる実測F値を求めることにより、この実測F値と予め設定されたF値とを比較してF値の上下限の範囲内にあるか否かを搬送部材単位で判別し、正規の殺菌効果との差を的確に把握することができる。
【0017】
また、本発明の構成によると、被殺菌物毎にICタグを取り付ける必要がなく、判別した後、ICタグの通信情報を初期化することにより繰り返し使用を可能とするため、その二つの効果で製造コストの低減化が図ることができる。
【0018】
さらに、ICタグへはリーダライタ用伝送手段側から非接触電力伝送で電力を供給するため、半永久的に繰返し使用でき、滅菌カード方式に比べ、有機溶剤を使用しないため環境負荷が少なくて済み、更には、業務のオペレーションを自動化あるいは簡素化し、人為的なミスの防止やシステムのリアルタイム性向上などの効果を奏する。
【0019】
また、本発明の構成による管理装置によれば、搬送部材に取り付けられたICタグを用いることで、搬送部材毎に加熱殺菌中の殺菌環境情報をモニタし、レトルト殺菌処理後、該リーダライタ用伝送手段を介してICタグに書き込まれた、実際の加熱殺菌工程で得られた殺菌環境情報に基づき、実測F値を算出することによって、予め設定された目標F値の上下限の範囲内で殺菌が行われた事の有無の確認とどの程度の殺菌効果を受けたのかを搬送部材毎に確認できる。また、目標の上下限の範囲から外れた場合は警報等によりオペレータに通知したり、必要により自動でアンローダーを停止させたりすることができ、しかも生産履歴表示の情報から正規の殺菌効果との差を把握することができ、停電等の何らかの原因で不完全殺菌の場合には、再加熱殺菌をどの程度行えば適正なレトルト殺菌となるかが判断でき、廃棄処理することなく未殺菌物を追加殺菌することにより生産ロスを回避することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に、図面を参照して、この発明の一実施の形態に係るレトルト殺菌管理システムについて説明する。図1は、本実施の形態の全体構成を示すブロック構成図である。内容物が密封された缶詰の場合の例を示す。多数の缶詰1が収納されるレトルト台車(以下、バスケットと呼ぶ)2を循環させる搬送路3が設けられており、この搬送路3は例えばローラコンベアにより構成されており、その搬送路3に沿って、図中矢印で示すように、バスケット2が循環される。この搬送路3には、バスケット2内へ缶詰1の積み込みを行うローダー4が設けられ、そのローダー4に隣接して設けられ、缶詰1の加熱殺菌を行うレトルト釜5が接続され、バスケット2から缶詰1の取り出しを行うアンローダー6が設けられている。したがってバスケット2は、搬送路上を本図におけるローダー4からレトルト釜5へ移動し、レトルト釜5からアンローダー6への経路で搬送され、再びローダー4へと戻されるようになっている。なお、本例では、一つのレトルト釜5を例示しているが、複数のレトルト釜5が並列配置されている場合もあり、そのような場合は搬送路3が分岐して各レトルト釜5に搬送されるように接続されている構成であってもよい。
【0021】
レトルト釜5は、例えば円筒形の圧力容器で構成され、一端側から1台又はそれ以上のバスケット2が搬入(入庫)されて、例えば一括して加熱殺菌処理し、殺菌終了後、バスケット2を他端側から搬出(出庫)させるようになっている。また、搬入口と搬出口が同じ側にあるレトルト釜5の場合には、搬送路3の搬入と搬出とが共用化されるように構成される。
【0022】
各バスケット2には、それぞれICタグ7が取り付けられ、レトルト殺菌装置に設けられたFA用パーソナルコンピュータ(以下FA用PCと呼ぶ)8からの指令により、各種の情報を搬送路3のそれぞれに配置されたリーダライタ用アンテナ9a〜9gを介して書き込み・読み込みができるようになっている。
【0023】
前記ICタグ7は、アクティブ型REIDタグ(タグに内蔵されている電池を使って、自ら電波を発信する)とパッシブ型RFIDタグ(電池不要で安価、小型にできる)の大きく2つに分類されるが、本例では、ICチップとアンテナコイルをセラミックスで焼き固めた、耐熱性、耐水性、耐圧性に優れ高温高圧の水蒸気殺菌に十分耐えうることが出来るパッシブ型RFIDタグ(例えば、KRDコーポレーション株式会社製の“フレックスタグ”)を使用する。このICタグ7は、まわりの金属面に電波を吸収したりして通信障害を起こさないように磁性体シートを介してバスケット2の側面又は下面に貼り付けられる。またリーダライタ用アンテナ9a〜9g(以下、単にアンテナ9a〜9gと呼ぶ)は電波を利用して非接触通信で読み書きできるものであれば公知のアンテナを用いることができる。
【0024】
ICタグ7と無線で送受信可能なアンテナ9a〜9gのうち、バスケット2に缶詰1を収納するローダー4の位置にアンテナ9aが設けられ、前記バスケット2をレトルト釜5へ搬入する位置にアンテナ9bが設けられ、レトルト釜5内にアンテナ9c,9d,9eが設けられ、前記バスケット2をレトルト釜5から搬出する位置にアンテナ9fが設けられ、前記バスケット2から缶詰1を払い出すアンローダー6の位置にアンテナ9gがそれぞれ設けられている。
【0025】
リーダライタ・切替器10が、各アンテナ9a〜9gとFA用PC8とLANとにてネットワーク11に接続されている。また、リーダライタ・切替器10に複数のアンテナを接続して使用できるが、電波の減衰があることから、リーダライタ・切替器10の出力の大きさに合わせたアンテナ9a〜9gを接続する必要がある。また、前記FA用PC8は、レトルト釜5でバスケット2のICタグ7に確認情報を送信したり、ICタグ7からデータを受信したりする指令を発して、レトルト釜5での加熱殺菌状況をこれらの情報に基づいて殺菌処理判定ソフト12により殺菌処理の適否を判定し、その判定結果をモニタ画面に表示する機能を備えている。
【0026】
本発明は、殺菌処理判定ソフト12が、転送されたICタグ7のデータを処理テーブルに項目別に記入するだけでなく、レトルト殺菌処理後に、殺菌処理中にモニタされたICタグ7の殺菌環境情報のデータから前記バスケット2の間隔時間毎の致死率Liを算出し、致死率Liと加熱時間を積算した殺菌効果の総和である実測F値を算出できるように構成されていることが重要な点である。これにより、予め定められたF値の上下限値とを比較して許容範囲内にあるか否かに基づきバスケット2毎の殺菌の適否を判別するにあたり、レトルト殺菌処理工程の適否だけでなく、殺菌効果の程度、つまり目標のF値に対して実測F値が数値的に把握でき殺菌効果のレベルが分かる。例えば、何かのトラブルでレトルト殺菌装置が正常に作動しているか確認できない場合でも、そのロットを廃棄することなく、実測F値から不足分だけの殺菌効果のレトルト殺菌を追加して行えば出荷できることになり生産ロスを回避することが可能となる。
【0027】
次に、アンテナ9a〜9gとICタグ7の送受信および読み込み・書き込みについて以下に説明する。アンテナ9aは、前記ローダー4の位置に配置され、FA用PC8の指令により、バスケット2がローダー4の位置に搬送されてきたことをセンサ(図示せず)が検知すると、アンテナ9aから電波を発し、ICタグ7からバスケット番号を読み取ったり、ICタグ7に予め入力された製品情報(製造銘柄、被殺菌物の製造年月日、容量、F値とその上下限値等)の書き込み等を行う。なお、読み取り・書き込みを行う情報はこれらに限定されない。
【0028】
アンテナ9bは、レトルト釜5の搬入位置に配置され、FA用PC8の指令により、バスケット2がレトルト釜5の入口に搬送されてきたことをセンサ(図示せず)が検知すると、ICタグ7に、予めFA用PC8に入力された製品搬入情報(レトルト釜番号、バスケット2の加熱殺菌装置への搬入時刻)の書き込みを行う。
【0029】
アンテナ9c,9d,9eは、レトルト釜5内に搬入されたバスケット2毎に取り付けられた各々のICタグ7に対応する位置に配置され、そしてFA用PC8の指令により、各バスケット2がレトルト釜5の所定の位置にセットされると、各ICタグ7に、予め設定した間隔時間毎に計測したレトルト釜5内の温度と加熱時間とからなる殺菌環境情報をリアルタイムに記録する。なお、昇温時と加熱温度をキープしている時で間隔時間を適宜変更して、加熱温度をキープしている間隔を長くし、ICタグ7へのデータを圧縮することがコスト的に好ましい。
【0030】
アンテナ9fは、レトルト釜5の搬出位置に配置され、FA用PC8の指令により、バスケット2がレトルト釜5から出車して出口に搬送されてきたことをセンサ(図示せず)が検知すると、バスケット2のICタグ7に書き込まれた全ての情報を読み取り、FA用PC8の殺菌処理判定ソフト12へ転送する。
【0031】
アンテナ9gは、アンローダー6の位置に配置され、バスケット2に取り付けられている前記ICタグ7の情報を消去して初期化し、次のレトルト加熱殺菌処理に繰り返して使用可能にする。但し、ICタグ7自身を特定するための識別コードNo.は、消去されない。
【0032】
次に、殺菌処理判定ソフト12によるレトルト殺菌管理操作について説明する。上記の各アンテナ9a〜9gよりリーダライタ・切替器10を介してFA用PC8に転送されたICタグ7のデータは、一旦処理テーブルに書き込まれ、さらに前記バスケット2の間隔時間毎の殺菌温度と加熱時間とからなる殺菌環境情報に基づいて、下記の式(1)および(2)に従って致死率Liと実測F値とを算出する。ここで、FA用PC8で、レトルト釜5出口のアンテナ9fから送られたデータを元に、殺菌処理番号を時系列に処理テーブルに登録ナンバリングして、その殺菌処理番号毎にレトルト釜番号、殺菌時間(入車時刻と出車時刻から算出)その時の温度データを表示登録する。
【数5】

【0033】
上記数式において、Li=各温度における致死率、Tr=基準温度{121.1(℃)}、Ti=間隔時間毎の加熱温度(℃)、Z=加熱時間を1/10に短縮するのに必要な上昇温度(殺菌対象菌であるボツリヌス菌の代表値は10)、Δtは間隔時間(単位は分もしくは秒またはその両方)とする。また、予め定められたF値の上下限値と比較して許容範囲内にあるか否かに基づきバスケット2毎の殺菌の適否を判別する。
【0034】
ここで、F値について更に詳述すると、F値とは、細菌を一定時間で加熱したとき、全ての細菌を死滅させるのに要する加熱時間であり、ボツリヌス菌の致死時間(121.1℃で1分間で全滅)を基準として、121.1℃における細菌の致死時間で示される。例えば、毒性の高いボツリヌス菌の発育危険度の高いミルク入りコーヒー飲料などの内容物は、例えば、121.1℃で20〜30分相当の厳しい殺菌条件(この場合、F値は20〜30)が必要とされ、それに比べてボツリヌス菌の発育危険度の低い緑茶類は、121.1℃で10分程度とそれほど高くない殺菌条件(この場合、F値は10)の加熱で済むことから、高い殺菌効果は必要とされない。逆に、過度に加熱を加え殺菌効果を高めてしまうと、味、色などが著しく劣化する虞がある。なお、殺菌効果を簡略的に求めるやり方として、致死率表(121.1℃で1分間殺菌したものを1とする(社団法人 缶詰協会発行の缶詰手帳に掲載されている))から換算して、加熱時間と致死率Liを積算した総和F値が使われる。
【0035】
ところが、食品等の被殺菌物の種類、容器の材質や容量によって加熱処理条件が変わるため、殺菌条件は一定パターンでは対応できず、多品種少ロット対応するにはその都度殺菌条件を変えなければならず、また、加熱冷却のパターンもレトルト釜特有のパターンがあって温度が変化したり、レトルト釜の大きさによっても複雑に変化したりしている。このような観点から、包括的な殺菌効果を管理する方法とは異なる本発明による殺菌効果F値による管理は、レトルト釜毎に個別対応でき、各種製品に適切なレトルト殺菌処理が行えるというメリットがある。
【0036】
なお、各レトルト釜の殺菌温度は、各レトルト釜の専用温度計13と温度センサ14にて実温度を測定し、LAN経由にて各レトルト釜5内のアンテナ9c,9d,9eに送信され、レトルト殺菌中の各バスケット2に取り付けられたICタグ7に実温度値がリアルタイムに書き込まれる。また、製造銘柄毎の目標F値に対する実測F値を算出することで上下限管理幅内での殺菌が正常に行われた事をバスケット毎に確認し、管理幅を外れた場合は警報等によりオペレータに通知し、必要により自動でアンローダー6を停止する構成となっている。
【0037】
上記構成による本実施形態のレトルト殺菌装置の殺菌管理システムについて、図2のフローチャートを用いて説明する。なお、図2において破線で囲んだ部分が、この発明の主な特徴的部分である。まず、レトルト殺菌装置のレトルト殺菌処理が行われる前に、予め製品情報(被殺菌物の銘柄、製造年月日、容量、必要な殺菌条件)をFA用PC8に入力することで殺菌処理判定フローが準備される(ステップS101)。
【0038】
FA用PC8内に判定処理用の処理テーブルが作成される。このテーブルのフォーマットは何種類かあり、任意に選択できるようになっている(ステップS102)。
【0039】
ICタグ7を取り付けた各バスケット2に、各被殺菌物が積載および収納されると、ICタグ7からバスケット番号を読み取り処理テーブルにバスケット番号を記入する(ステップS103)。
【0040】
ローダー4の位置で予め入力された製品情報をリーダライタ・切替器10を介してアンテナ9aによりICタグ7への書き込みが実行される(ステップS104)。
【0041】
ローダー4からレトルト釜5にバスケット2が搬送される。そしてレトルト釜5の入口で、リーダライタ・切替器10を介してアンテナ9bにより、各バスケット2に取り付けたICタグ7に、レトルト釜5への入車時刻とレトルト釜番号の書き込みが実行される(ステップS105)。なお、複数のレトルト釜が配置されている場合はそのいずれかのレトルト釜になる構成としてもよい。
【0042】
ついで、レトルト殺菌処理が開始される(ステップS106)。なお、レトルト殺菌開始直後ではレトルト釜5の温度が低く、また立ち上がり方が緩いため、レトルト釜5の温度がある一定温度を超えた時点から測定することによりICタグ7のメモリを小さくでき経済的である。本例では50℃を超えると殺菌が開始されたと見なす(ステップS107)。
【0043】
また、レトルト釜5の温度を一定の間隔時間(昇温時は20秒〜30秒単位、キープ時は1分〜3分単位)毎に測定し、LAN経由でアンテナ9c,9d,9eに送信され殺菌処理中の各バスケット2に殺菌環境情報、即ち加熱時間と温度とを各ICタグ7にリアルタイムに書き込むことが実行される(ステップS108)。
【0044】
レトルト釜5の温度がある一定温度より低くなった時点で測定を終了することによりICタグ7のメモリを小さくでき経済的である。本例ではレトルト温度が50℃より低くなると殺菌処理が終了されたと見なし、殺菌環境情報の書き込みも終了する(ステップS109)。
【0045】
レトルト釜5の出口アンテナ9fで、各バスケット2に取り付けられたICタグ7から全ての情報(製品情報、殺菌環境情報、バスケット番号、レトルト釜5への入車時刻と出車時刻など)をFA用PC8に転送する(ステップS110)。
【0046】
FA用PC8でレトルト釜5の出口アンテナ9fもしくはアンローダー6の位置のアンテナ9gから送られたデータをもとに間隔時間毎の致死率Liと、殺菌効果を示す実測F値を算出する(ステップS111)。
【0047】
ついで、算出したF値が予めFA用PC8に入力してある銘柄毎に設定した目標とするF値の上限値と下限値との範囲内かどうかを確認して、範囲内であれば殺菌処理完了とする(ステップS112)。
【0048】
また、範囲外であれば、殺菌不良として警報・表示機器16より異常警報を出し、ライン停止装置17にてラインを停止させる(ステップS113)。
【0049】
FA用PC8は、これらのデータ(製造年月日、銘柄、殺菌処理番号、レトルト釜番号、殺菌時間、レトルト釜5への入車時刻、出車時刻、目標F値およびその上下限値、殺菌完了およびその適否)を登録し、日報として日報/月報プリンタ18で出力(ステップS114)および処理テーブルに前記データを記録・保存する(ステップS115)。
【0050】
一方、レトルト釜5から出たバスケット2は、リーダライタ・切替器10を介してアンテナ9fにより、ICタグ7に書き込まれていたデータを消去し初期化する。こうすることにより、ICタグ7を被殺菌物につけるのと違って、繰り返し使用が可能になり経済的である。そして被殺菌物がレトルト釜5から取り出されて空になった状態でバスケット2はアンローダー6からローダー4に戻される(ステップS116)。
【0051】
次に、ICタグ7へのデータを圧縮する動作を、図3のフローチャートに沿って説明する。ステップS201において、記録開始温度Tsを任意に設定し記録開始温度になったら温度測定を開始する。その温度は例えば50℃である。
【0052】
ついで、ステップS202において、レトルト加熱殺菌の温度すなわち測定温度Tを読み込む。また、ステップS203において、タイマーを作動させる。これは温度測定の間隔を決めるためのものであり、そのインターバルは例えば5秒である。
【0053】
こうして設定および測定された温度Ts,TがステップS204で比較される。すなわち測定温度Tが記録開始温度Ts以上か否かが判断される。その判断結果が否定的な場合、温度が十分に上昇していないので、ステップS202に戻って温度測定を継続する。
【0054】
これに対してステップS204で肯定的に判断された場合には、ついでステップS205において、温度測定を開始し、また、ステップS206において、タイマーを作動させる。そしてステップS207において、前回測定温度T0と今回測定温度Tとを比較し、その温度差ΔTを算出する。算出された温度差ΔTが設定された判定温度差以内か否かを判断する(ステップS208)。その判定温度差は例えば±0.5℃である。ついで、その判断結果が肯定的な場合、すなわち同一温度であると見なされた場合、ステップS205に戻って温度測定を継続する。
【0055】
これに対してステップS208で否定的に判断された場合には、ついでステップS209において測定温度と経過時間とが記録される。また、ステップS210において記録終了温度TEが設定され、ステップS211において測定温度と記録終了温度とを比較し、測定温度が記録終了温度よりも温度が高いか否かが判断される。その判断結果が肯定的な場合は再度ステップS205に戻って温度測定を継続する。これに対して否定的な判断結果が下された場合においては、温度記録終了となる。
【0056】
上記構成により、バスケット2はFA用PC8で一元管理され、バスケット2毎に殺菌環境情報を記録して、ICタグ情報とFA用PC8内部情報を常に照合することによって殺菌工程はより確実に管理され、殺菌完了(OK)あるいは殺菌不良(NG)なのかをFA用PC8に登録し日報/月報として出力することができるのでレトルト殺菌処理工程の状態を日付毎および月別毎に把握することができる。また、確実な品質管理が行えるという効果を奏する。
【0057】
更に、ICタグ7を利用することでバスケット2毎の確実な殺菌処理を管理することができ、その製造状況を記録することにより確実な品質管理が実現できる。また、FA用PC8を自社内のネットワーク11に接続すれば遠隔地に在する管理セクションにて製造現場に出向かずに殺菌工程をリアルタイムにモニタすることができる。
【0058】
また、万が一、設定条件を間違えた場合、あるいは停電などのトラブルで殺菌処理が中断した場合は、ICタグ7にそれまでの経過データが記録されており、それを解析することにより、どの程度まで殺菌処理が行われたかを実測F値で知ることができる。そのため、適切な殺菌条件で追加殺菌することができ生産ロスを削減することができる。
【0059】
また、出荷前に実測F値を確認することができるため、過度な殺菌が行われて内容物を品質劣化させることはなく、市場クレームの防止に役立つという効果がある。従来のように示温インクを用いないで管理する方法であるため、環境に対する影響すなわち環境負荷をなくすことができる。
【その他の実施形態】
【0060】
前記実施形態では、レトルト釜5においてレトルト殺菌処理を行う例を示したが、複数のレトルト釜5を用いることもできる。レトルト釜専用温度計12との通信エラーや故障でデータ収集が出来なかった場合は、レトルト釜既存温度調節計14の測定温度データを利用しバックアップとしてもよい。前記実施例はバスケット2にICタグ7を取り付けているが、バスケット2をレトルト用のトレーにも応用することができる。
【0061】
前記実施形態は、レトルト釜5の雰囲気温度データをもとにF値を算出し、それを製品の殺菌効果としているが、レトルト釜5の形、大きさ、および特性により、また、包装容器の形態や、内容物の粘性などによって、実製品とレトルト釜雰囲気とで目標温度に到達する時間に差がでてくる場合があるが、その場合には、予め本製造の前にレトルト釜5の温度特性(温度分布、効率など)を調査しておくようにする。この点に関しては、レトルト釜5の中にある被殺菌物の中へ温度センサ14を挿入して、その被殺菌物の温度を測定してF値計算による殺菌効果が目標に達しているかを確認して本製造を実施している。その時のレトルト釜雰囲気温度データをもとに今回の基準になるF値を換算するように補正することもできる。
【0062】
通常、被殺菌物の中心温度の上がり方は、レトルト釜5やバスケット2の形状、大きさ、レトルト釜内へ収容するバスケットの数等によりそれぞれ違う。特に固形物の場合、例えば、被殺菌物の中心温度を125℃に昇温させるのに、レトルト釜5が大きくかつ収容するバスケット2が少ないレトルト釜では10分間で目標温度に達するが、レトルト釜5が小さくかつバスケット2の収容が多いレトルト釜では昇温効率が悪く、15分間かかる場合がある。また、昇温効率を左右する条件として、包装容器の形態やレトルト釜5に供給される蒸気量の大小も関係する。そこで、各々の条件下で被殺菌物中心温度とレトルト釜雰囲気温度データを予め実測しておき、その実測データに基づきレトルト釜雰囲気温度によるF値換算が、被殺菌物中心温度によるF値換算に合うようプラスマイナスの補正値(±α)を割りだして各レトルト釜の特性値、各被殺菌物の固有値として設定する。つまり製品情報入力時に昇温時・キープ時・冷却時のF値補正値として各レトルト釜の特性値、各被殺菌物の固有値を入力することにより被殺菌物F値(レトルト釜雰囲気F値±α=被殺菌物F値)を算出することで、被殺菌物の殺菌の適否判別を更に精度良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明のレトルト殺菌管理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明のレトルト殺菌管理システムにおける制御の一例を説明するためのフローチャートである。
【図3】温度モニタ・記録部分での制御を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0064】
1…缶詰、 2…バスケット、 3…搬送路、 4…ローダー、 5…レトルト釜、 6…アンローダー、 7…ICタグ、 8…FA用パーソナルコンピュータ、 9…リーダライタ用アンテナ、 10…リーダ・ライタ切替器、 11…ネットワーク、 12…殺菌処理判定ソフト、 13…レトルト釜専用温度計、 14…温度センサ、 15…レトルト釜既存温度調節計、 16…警報・表示装置、 17…ライン停止装置、 18…日報/月報プリンタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の被殺菌物を収納した搬送部材毎に、情報の書き込みおよび読み取りが可能な記録媒体を取り付けて、前記複数の被殺菌物のレトルト殺菌中に前記記録媒体に書き込まれた殺菌環境情報から前記被殺菌物の加熱殺菌の適否を判別する一方、前記加熱殺菌の適否の判別後に前記記録媒体に書き込まれている情報を初期化することにより前記記録媒体を繰り返し使用可能にしたレトルト殺菌管理方法であって、
レトルト殺菌を開始した後、レトルト殺菌温度が一定温度を超えた時から、予め設定した間隔時間毎に計測したレトルト殺菌温度と加熱時間とを前記記録媒体にリアルタイムに記録し、
殺菌終了後、前記記録媒体に記録されたレトルト殺菌温度と加熱時間とからなる殺菌環境情報から、下記式(1)より致死率を算出するとともに、下記式(2)より実測F値を算出し、
その実測F値が予め定めた上下限値の範囲内に入っているか否かによってレトルト殺菌処理の適否を判別する
ことを特徴とするレトルト殺菌管理方法。
【数1】

(式中、Liは、各レトルト殺菌温度における致死率、Tiは、各レトルト殺菌温度(℃)、Δtは、間隔時間(分)、Fは、実測F値を表す。)
【請求項2】
複数の被殺菌物を収納した搬送部材をレトルト釜に入れ、前記被殺菌物の加熱殺菌の適否を判別するレトルト殺菌管理装置において、
前記搬送部材毎に取り付けられた、情報の書き込みおよび読み出しを無線で行うことのできる記録媒体と、
前記搬送部材に前記被殺菌物を収納するローダー位置と、前記搬送部材から前記被殺菌物を払い出すアンローダー位置と、前記搬送部材を前記レトルト釜搬入位置および搬出位置と、前記レトルト釜の内部とのそれぞれに設置され、前記記録媒体と情報を無線で送受信するリーダライタ用伝送手段と、
前記ローダー位置で前記記録媒体から前記搬送部材の番号を読み取り、かつ予め用意された製品情報を前記記録媒体に書き込む製品情報設定手段と、
前記レトルト釜搬入位置で前記記録媒体に、予め用意された製品搬入情報を書き込む搬入情報設定手段と、
前記レトルト釜の内部で前記記録媒体に、予め設定した間隔時間毎に計測したレトルト釜内温度と加熱時間とからなる殺菌環境情報を記録するモニタ手段と、
前記レトルト釜からの搬出位置で、前記記録媒体に書き込まれた全ての情報を読み取って転送する転送手段と、
その転送手段から転送された前記記録媒体の情報における前記レトルト釜内温度および加熱時間に基づき、下記式(1)より前記搬送部材毎の前記被殺菌物の致死率Liを算出するとともに、下記式(2)より算出される実測F値とその前記実測F値についての予め定めた上下限値とを比較して前記実測F値が前記上下限値の範囲内にあるか否かに基づき前記搬送部材毎の前記被殺菌物の殺菌の適否を判別する判定手段と、
前記アンローダー位置で、前記搬送部材に取り付けられている前記記録媒体の情報を前記搬送部材の識別番号を除いて消去して繰り返して使用可能にする初期化手段と
を備えていることを特徴とするレトルト殺菌管理装置。
【数2】

(式中、Liは、各レトルト殺菌温度における致死率、Tiは、各レトルト殺菌温度(℃)、Δtは、間隔時間(分)、Fは、実測F値を表す。)
【請求項3】
前記記録媒体に書き込まれた情報と共に前記実測F値を時系列的に出力する生産履歴出力手段を更に備えていることを特徴とする請求項2記載のレトルト殺菌管理装置。
【請求項4】
前記モニタ手段は、殺菌環境情報を記録する開始時間とその記録を行う間隔時間を変更可能に構成されていることを特徴とする請求項2または3記載のレトルト殺菌管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−29151(P2010−29151A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−197004(P2008−197004)
【出願日】平成20年7月30日(2008.7.30)
【出願人】(000208455)大和製罐株式会社 (309)
【Fターム(参考)】