説明

レバースイッチ装置

【課題】操作ノブの機能内容に変更があっても新規のスイッチ操作レバーの製造を不要とし、部品点数を削減してコストの低廉化及び部品管理の簡素化を図ることができるレバースイッチ装置を提供する。
【解決手段】自動車に配置され、レバー取付部を有する装置本体と、装置本体のレバー取付部に操作可能に取り付けられ、操作ノブを回動可能に保持するスイッチ操作レバー11とを備え、スイッチ操作レバー11は、操作ノブの機能の内容に対応する情報を表示し、かつ操作ノブ12の回動角に応じて情報の表示を切り換える表示器13を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レバースイッチ装置に関し、特に自動車等の車両のワイパ動作やライトの点灯・消灯をスイッチ操作レバーの操作によって行うためのレバースイッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車には、ウィンドウの汚れや雨滴等を払拭するワイパを動作させるためのレバースイッチ装置が装備されている。
【0003】
従来、この種のレバースイッチ装置は、ワイパを動作させるための操作ノブを回動可能に保持するスイッチ操作レバーと、このスイッチ操作レバーを回動可能に取り付ける装置本体とを備えている(特許文献1)。そして、自動車の運転者(操作者)がスイッチ操作レバーの回動操作によって例えば「MIST(ミスト)」,「OFF(停止)」,「INT(間欠)」,「LO(低速)」及び「HI(高速)」等の各モードを選択し得るように構成されている。
【0004】
このようなレバースイッチ装置は、スイッチ操作レバーに操作ノブの機能の内容に対応する情報が印刷表示されている。そして、印刷表示された情報に基づいて操作ノブが操作され、各機能が実行される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−332665号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のレバースイッチ装置においては、操作ノブの機能の内容に対応する情報がスイッチ操作レバーに印刷表示されているため、例えば車種の変更に伴い操作ノブの機能の内容が異なると、新規のスイッチ操作レバーを製造する必要が生じる。この結果、部品点数が嵩み、コスト高になるばかりか、部品管理を煩雑にするという問題があった。
【0007】
従って、本発明の目的は、操作ノブの機能内容に変更があっても新規のスイッチ操作レバーの製造を不要とし、もってコストの低廉化及び部品管理の簡素化を図ることができるレバースイッチ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために、以下のレバースイッチ装置を提供する。
【0009】
(1)車両に配置され、レバー取付部を有する装置本体と、前記装置本体のレバー取付部に操作可能に取り付けられ、操作ノブを回動可能に保持するスイッチ操作レバーとを備え、前記スイッチ操作レバーは、少なくとも前記操作ノブの機能の内容に対応する情報を表示し、かつ前記操作ノブの回動角に応じて前記情報の表示を切り換える表示器を有する。
【0010】
(2)上記(1)に記載のレバースイッチ装置において、前記表示器は、前記情報の表示の切り換えを実行するための制御信号を出力する制御部に接続されている。
【0011】
(3)上記(1)に記載のレバースイッチ装置において、前記操作ノブは、前記表示器を内蔵し、前記表示器の表示情報を視認可能な光透過性部材によって形成されている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、操作ノブの機能内容に変更があっても新規のスイッチ操作レバーの製造を不要とし、部品点数を削減してコストの低廉化及び部品管理の簡素化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態に係るレバースイッチ装置が適用された車両を説明するために示す正面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るレバースイッチ装置を説明するために示す斜視図である。図2(a)はワイパスイッチ装置を、また図2(b)はライトスイッチ装置をそれぞれ示す。
【図3】本発明の実施の形態に係るレバースイッチ装置を説明するために示すブロック図である。
【図4】(a)及び(b)は、本発明の実施の形態に係るレバースイッチ装置としてのワイパスイッチ装置の動作(1)を説明するために示す斜視図と断面図である。図4(a)は斜視図を、また図4(b)は断面図をそれぞれ示す。
【図5】(a)及び(b)は、本発明の実施の形態に係るレバースイッチ装置としてのワイパスイッチ装置の動作(2)を説明するために示す斜視図と断面図である。図5(a)は斜視図を、また図5(b)は断面図をそれぞれ示す。
【図6】(a)及び(b)は、本発明の実施の形態に係るレバースイッチ装置としてのライトスイッチ装置の動作(1)を説明するために示す斜視図と断面図である。図6(a)は斜視図を、また図6(b)は断面図をそれぞれ示す。
【図7】(a)及び(b)は、本発明の実施の形態に係るレバースイッチ装置としてのライトスイッチ装置の動作(2)を説明するために示す斜視図と断面図である。図7(a)は斜視図を、また図7(b)は断面図をそれぞれ示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
〔実施の形態〕
図1は、本発明の実施の形態に係るレバースイッチ装置が適用された自動車を示す。図1に示すように、自動車100内において、ステアリングコラム101の上部には、レバースイッチ装置としてのワイパスイッチ装置1及びライトスイッチ装置2がステアリングシャフト(図示せず)に関して左右対称となるような位置に配置されている。ステアリングシャフトの上部には、ワイパスイッチ装置1及びライトスイッチ装置2の運転席側に位置するステアリングホイール102が配置されている。また、ステアリングコラム101の片側側部には、ステアリングホイール102の前方に位置するイグニッションスイッチ103が配置されている。
【0015】
(ワイパスイッチ装置1の構成)
図2(a)は、本実施の形態に係るワイパスイッチ装置を示す。図2(a)に示すように、ワイパスイッチ装置1は、装置本体10及びスイッチ操作レバー11を有し、ステアリングホイール102の左側に着脱可能に配置されている。
【0016】
装置本体10は、初期のスイッチポジションSを含む複数のスイッチポジションS〜S、及び複数のスイッチポジションS〜Sに対応する複数の固定接点(図示せず)を有し、自動車100内のステアリングコラム101に配置されている。
【0017】
スイッチ操作レバー11は、装置本体10の複数の固定接点に対応する複数の可動接点(図示せず)、及び表示器13(後述)を収容する内部空間11aを有し、装置本体10のレバー取付部に操作可能に取り付けられ、全体が例えばPMMA(ポリメタクリル酸メチル)樹脂からなる光透過性部材によって形成されている。そして、スイッチ操作レバー11は、その回動操作による可動接点の装置本体10における固定接点への接触によって自動車100のワイパ(図示せず)を動作・停止させるためのスイッチ信号をスイッチECU3(後述)に出力するように構成されている。これにより、ワイパの「HIGH」及び「MID」・「LOW」・「OFF」の各モード(機能)が実行される。スイッチ操作レバー11には、ワイパの間欠動作速度を可変するための操作ノブ12が回動可能に保持されている。
【0018】
操作ノブ12は、ポテンショメータ等の第1角度検出センサを内蔵し、全体がPMMA樹脂等の光透過性部材によって形成されている。そして、操作ノブ12は、その回動操作によって自動車100のワイパを間欠動作させるためのセンサ信号を第1角度検出センサからスイッチECU3に出力し、ノブ回動量に応じてワイパの間欠動作速度を可変する機能を実行するように構成されている。図2(a)においては、ワイパの速度を最大とする間欠動作が実行されている。
【0019】
(ライトスイッチ装置2の構成)
図2(b)は、本実施の形態に係るライトスイッチ装置を示す。図2(b)に示すように、ライトスイッチ装置2は、装置本体20及びスイッチ操作レバー21を有し、ステアリングホイール102の右側に着脱可能に配置されている。
【0020】
装置本体20は、複数のスイッチポジション(図示せず)に対応する複数の固定接点(図示せず)を有し、自動車100のステアリングコラム101に配置されている。
【0021】
スイッチ操作レバー21は、装置本体20の複数の固定接点に対応する複数の可動接点(図示せず)、及び表示器14(後述)を収容する内部空間21aを有し、装置本体20のレバー取付部に操作可能に取り付けられ、全体が例えばPMMA(ポリメタクリル酸メチル)樹脂からなる光透過性部材によって形成されている。そして、スイッチ操作レバー21は、その回動操作による可動接点の装置本体20における固定接点の接触によってディマ・パッシング動作を行うためのスイッチ信号をスイッチECU3に出力し、ディマ・パッシング用のスイッチ操作レバーとして機能するように構成されている。スイッチ操作レバー21には、自動車100のヘッドライト(図示せず)等を点灯・消灯する操作ノブ22が回動可能に保持されている。
【0022】
操作ノブ22は、ロータリーエンコーダ等の第2角度検出センサを内蔵し、全体がPMMA等の光透過性部材によって形成されている。そして、操作ノブ22は、その回動操作によって自動車100のヘッドライト(図示せず)等を点灯・消灯するためのセンサ信号を第2角度検出センサからスイッチECU3に出力し、その機能としてのヘッドライト等の各モード(「AUTO」又は「ON」・「POS」・「OFF」)を実行するように構成されている。図2(b)においては、ヘッドライト等のモードとして「ON」が実行されている。
【0023】
(レバースイッチ装置の制御系)
図3は、本発明の実施の形態に係るレバースイッチ装置の接続状態を示す。図3に示すように、ワイパスイッチ装置1及びライトスイッチ装置2は、操作ノブ12,22の回動角に基づいてその機能を実行するための制御信号を出力する制御部としてのスイッチECU(Electronic Control Unit:ECU)3に接続されている。
【0024】
ワイパスイッチ装置1は、スイッチ操作レバー11に操作ノブ12の機能(ワイパの間欠動作速度を可変する機能)の内容に対応する情報、及びワイパ8の各モード(「HIGH」又は「MID」・「LOW」・「OFF」)の内容に対応する情報等を表示する表示器13が内蔵されている。
【0025】
表示器13は、スイッチ操作レバー11内に固定され、かつスイッチECU3に接続されている。そして、表示器13は、操作ノブ12の回動角に応じてスイッチECU3から制御信号を入力し、操作ノブ12の機能の内容に対応する情報(ワイパ8の間欠動作速度を示す数字情報又はパターン情報)を多段階に切り換え表示するように構成されている。また、表示器13は、スイッチ操作レバー11の可動接点と装置本体12の固定接点との接触によって制御信号をスイッチECU3から入力し、ワイパ8の各モードに対応する情報(「HIGH」及び「MID」・「LOW」・「OFF」の文字情報)等を切り換え表示するように構成されている。表示器13としては液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display:LCD)や有機エレクトロルミネッセンス(Organic Electro Luminescence:OEL)が用いられる。
【0026】
一方、ライトスイッチ装置2は、スイッチ操作レバー21に操作ノブ22の機能としてのヘッドライト等の各モード(「AUTO」及び「ON」・「POS」・「OFF」)の内容に対応する情報、及びディマ・パッシング(機能)の内容に対応する情報等を表示する表示器14が内蔵されている。
【0027】
表示器14は、スイッチ操作レバー21内に固定され、かつスイッチECU3に接続されている。そして、表示器14は、操作ノブ22の回動角に応じてスイッチECU3から制御信号を入力し、操作ノブ22の機能の内容に対応する情報(「AUTO」及び「ON」・「POS」・「OFF」の文字情報)を切り換え表示するように構成されている。また、表示器14は、スイッチ操作レバー21の可動接点と装置本体22の固定接点との接触によってスイッチECU3から制御信号を入力し、ディマ・パッシングの内容に対応する情報等を切り換え表示するように構成されている。表示器14としては、表示器13と同様にLCDやOELが用いられる。
【0028】
スイッチECU3は、マイクロコンピュータ3a及び不揮発メモリ3bを有し、メータECU4及びボディECU5等に車内LAN(Local Area Network)6を介して接続されている。マイクロコンピュータ3aは、不揮発メモリ3bに接続され、不揮発メモリ3bからの情報に基づいて表示器13,14に対する情報(操作ノブ12,22の機能の内容に対応する情報)の表示の切り換えを実行するための制御信号を出力するように構成されている。不揮発メモリ3bには、自動車100に関する種々の情報が格納されている。これら情報は、ボディECU5に格納されており、スイッチECU3に対する電源の投入直後に不揮発メモリ3bに書き込まれる。自動車100に関する情報としては、使用国名情報及び自動車コード情報がある。使用国名情報から左/右ハンドル車の区別が、また自動車コード情報からワイパの間欠動作(INT)機能の有無がそれぞれ認識される。
【0029】
スイッチECU3には、ヘッドライト等のライト7が、ワイパ8の駆動源となるワイパ駆動用モータ9がそれぞれ接続されている。この場合、図3に破線で示すように、スイッチECU3に車内LAN6を介してボディECU5,ワイパECU34を接続し、これらボディECU5,ワイパECU34のうちボディECU5にライト7を、またワイパECU34にワイパ駆動用モータ9をそれぞれ接続してもよい。また、スイッチECU3には、操作ノブ12,22の回動角をそれぞれ検出する第1角度検出センサ31,第2角度検出センサ32が、また自動車100周辺の明るさ(光量)を検出する光電センサ33がそれぞれ接続されている。
【0030】
そして、スイッチECU3は、第1角度センサ31のセンサ信号を入力して操作ノブ12の機能の内容に対応する情報(ワイパ8の間欠動作速度を示す数字情報又はパターン情報)の表示を実行するための制御信号を表示器13に出力するとともに、ワイパ8の間欠動作速度を可変するための制御信号をワイパ駆動用モータ9に出力するように構成されている。また、スイッチECU3は、スイッチ操作レバー11の可動接点と装置本体12の固定接点との接触によるスイッチ信号を入力して「HIGH」又は「MID」・「LOW」・「OFF」の表示を実行するための制御信号を表示器13に出力するとともに、ワイパ8を駆動・停止するための制御信号をワイパ駆動用モータ9に出力するように構成されている。ここで、ワイパ駆動用モータ9がスイッチECU3に車内LAN6及びワイパECU34を介して接続されている場合には、ワイパ8を駆動・停止するための制御信号がスイッチECU3から車内LAN6及びワイパECU34を介してワイパ駆動用モータ9に出力される。
【0031】
一方、スイッチECU3は、第2角度検出センサ32のセンサ信号を入力して「AUTO」又は「ON」・「POS」・「OFF」の表示を実行するための制御信号を表示器14に出力するとともに、光電センサ33のセンサ信号を入力してライト7を点灯・消灯するための制御信号をライト7に出力するように構成されている。ここで、ライト7がスイッチECU3に車内LAN6及びボディECU5を介して接続されている場合には、ライト7を点灯・消灯するための制御信号がスイッチECU3から車内LAN6及びボディECU5を介して出力される。また、スイッチECU3は、スイッチ操作レバー21の可動接点と装置本体22の固定接点との接触によってスイッチ信号を入力し、ディマ・パッシングの内容に対応する情報の表示を実行するための制御信号を表示器14に出力するとともに、ディマ・パッシングを実行するための制御信号をディマ・パッシング用の駆動源(図示せず)に出力するように構成されている。
【0032】
第1角度検出センサ31としてはポテンショメータの代わりに可変磁気抵抗センサ(Variable Reluctance Sensor:VRS)を、また第2角度検出センサ32としてはロータリエンコーダの代わりに磁気抵抗センサ(Magneto Resistance Sensor:MRS)をそれぞれ用いてもよい。
【0033】
光電センサ33としては、フォトダイオード,フォトトランジスタが用いられる。
【0034】
〔レバースイッチ装置の動作〕
次に、本発明の実施の形態に係るレバースイッチ装置の動作につき、図4〜図7を用いて説明する。
【0035】
(ワイパスイッチ装置1の動作)
図4(a)及び(b)は、ワイパスイッチ装置の動作(1)を説明するために示す断面図と斜視図である。図5(a)及び(b)は、ワイパスイッチ装置の動作(2)を説明するために示す断面図と斜視図である。
【0036】
図4(a)及び(b)に示すように、操作ノブ12を回動始端位置(「INT」のOFF位置)から矢印m方向に回動操作して回動中間位置に配置すると、間欠動作速度Vを示すパターン情報が表示器13に表示される。このため、表示器13に表示されたパターン情報が操作ノブ12を透過して視認される。同時に、第1角度検出センサ31が操作ノブ12の回動角θを検出してスイッチECU3にセンサ信号を出力する。これに伴い、スイッチECU3が第1角度検出センサ31からセンサ信号を入力して制御信号をワイパ駆動用モータ9に出力する。ここで、ワイパ駆動用モータ9がスイッチECU3に車内LAN6及びワイパECU34を介して接続されている場合には、ワイパ8を駆動・停止するための制御信号がスイッチECU3から車内LAN6及びワイパECU34を介してワイパ駆動用モータ9に出力される。このため、操作ノブ12の回動角に応じた一定の速度V(図示せず)をもってワイパ8の間欠動作が実行される。
【0037】
図5(a)及び(b)に示すように、操作ノブ12を回動中間位置から矢印m方向に回動操作して回動終端位置に配置すると、間欠動作速度V(図示せず:V<V)を示すパターン情報が表示器13に表示される。このため、表示器13に表示された情報が操作ノブ12を透過して視認される。同時に、第1角度検出センサ31が操作ノブ12の回動始端位置からの回動角θ(θ<θ)を検出してスイッチECU3にセンサ信号を出力する。これに伴い、スイッチECU3が第1角度検出センサ31からセンサ信号を入力して制御信号をワイパ駆動用モータ9に出力する。ここで、ワイパ駆動用モータ9がスイッチECU3に車内LAN6及びワイパECU34を介して接続されている場合には、ワイパ8を駆動・停止するための制御信号がスイッチECU3から車内LAN6及びワイパECU34を介してワイパ駆動用モータ9に出力される。このため、操作ノブ12の回動角に応じた一定の速度Vをもってワイパ8の間欠動作が実行される。
【0038】
(ライトスイッチ装置2の動作)
図6(a)及び(b)は、ライトスイッチ装置の動作(1)を説明するために示す断面図と斜視図である。図7(a)及び(b)は、ライトスイッチ装置の動作(2)を説明するために示す断面図と斜視図である。
【0039】
図6(a)及び(b)に示すように、操作ノブ22を回動始端位置(「OFF」位置)から矢印n方向に所定の回動角θで回動操作して回動中間位置に配置すると、ライト7の機能内容に対応する「AUTO」及び「ON」・「POS」・「OFF」の文字情報のうち「ON」の文字情報が表示器14に表示される。このため、表示器14に表示された「ON」の文字情報が操作ノブ22を透過して視認される。同時に、第2角度検出センサ32が操作ノブ22の回動角θを検出してスイッチECU3にセンサ信号を出力する。これに伴い、スイッチECU3が第2角度検出センサ32からセンサ信号を入力して制御信号をライト7に出力する。ここで、ライト7がスイッチECU3に車内LAN6及びボディECU5を介して接続されている場合には、ライト7を点灯・消灯するための制御信号がスイッチECU3から車内LAN6及びボディECU5を介して出力される。このため、操作ノブ22の回動角θに応じた機能(ライト7の点灯)が実行される。
【0040】
図7(a)及び(b)に示すように、操作ノブ22の回動始端位置から矢印n方向に所定の回動角θ(θ<θ)で回動操作して回動終端位置に配置すると、ライト7の機能内容に対応する「AUTO」及び「ON」・「POS」・「OFF」の文字情報のうち「AUTO」の文字情報が表示器14に表示される。このため、表示器14に表示された「AUTO」の文字情報が操作ノブ12を透過して視認される。同時に、第2角度検出センサ32が操作ノブ22の回動角θを検出してスイッチECU3にセンサ信号を出力する。これに伴い、スイッチECU3が第2角度検出センサ32からセンサ信号を入力する。ここで、スイッチECU3が光電センサ33からセンサ信号を入力すると、ライト7を自動点灯するための制御信号をライト7に出力する。ここで、ライト7がスイッチECU3に車内LAN6及びボディECU5を介して接続されている場合には、ライト7を点灯・消灯するための制御信号がスイッチECU3から車内LAN6及びボディECU5を介して出力される。このため、操作ノブ22の回動角θに応じた機能(ライト7の自動点灯)が実行される。
【0041】
[実施の形態の効果]
以上説明した実施の形態によれば、次に示す効果が得られる。
【0042】
操作ノブ12,22の機能内容に変更(増加・減少)があっても新規のスイッチ操作レバーの製造を不要とし、部品点数を削減してコストの低廉化及び部品管理の簡素化を図ることができる。
【0043】
以上、本発明のレバースイッチ装置を上記の実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能であり、例えば次に示すような変形も可能である。
【0044】
(1)本実施の形態では、レバースイッチ装置の接点機構が固定接点及び可動接点の組み合わせからなる場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、磁石及びホールIC(Integrated Circuit)の組み合わせでもよい。ホールICの代わりに、MR(Magneto Resistance Effect)素子やGMR(Giant Magneto Resistance Effect)素子等の磁気素子を用いてよい。
【0045】
(2)本実施の形態では、スイッチ操作レバー11,21及び操作ノブ12,22がPMMA樹脂からなる光透過性部材によって形成されている場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、例えばPC(ポリカーボネート)樹脂からなる光透過性部材によってスイッチ操作レバー及び操作ノブを形成してもよい。スイッチ操作レバー及び操作ノブとしては、その内部の表示器(表示情報)が視認可能であれば、光透過性部材が着色されていてもよい。
【0046】
(3)本実施の形態では、自動車100の座席側から見てワイパスイッチ装置1がステアリングホイール102の左側に、またライトスイッチ装置2がステアリングホイール102の右側にそれぞれ配置されている場合(右ハンドル車)について説明したが、本発明はこれに限定されず、左ハンドル車である場合にはステアリングホイールの右側にワイパスイッチ装置を、またステアリングホイールの左側にライトスイッチ装置がそれぞれ配置されている。
【0047】
(4)実施の形態では自動車に適用する場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、他の車両にも本実施の形態の場合と同様に適用可能である。
【符号の説明】
【0048】
1…ワイパスイッチ装置、2…ライトスイッチ装置、3…スイッチECU、3a…マイクロコンピュータ、3b…不揮発メモリ、4…メータECU、5…ボディECU、6…LAN、7…ライト、8…ワイパ、9…ワイパ駆動用モータ、10…装置本体、11…スイッチ操作レバー、12…操作ノブ、13…表示器、14…表示器、31…第1角度検出センサ、32…第2角度検出センサ、33…光電センサ、34…ワイパECU、100…自動車、101…ステアリングコラム、102…ステアリングホイール、103…イグニッションスイッチ、S〜S…スイッチポジション

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レバー取付部を有する装置本体と、
前記装置本体のレバー取付部に操作可能に取り付けられ、操作ノブを回動可能に保持するスイッチ操作レバーとを備え、
前記スイッチ操作レバーは、少なくとも前記操作ノブの機能の内容に対応する情報を表示し、かつ前記操作ノブの回動角に応じて前記情報の表示を切り換える表示器を有する
レバースイッチ装置。
【請求項2】
前記表示器は、前記情報の表示の切り換えを実行するための制御信号を出力する制御部に接続されている請求項1に記載のレバースイッチ装置。
【請求項3】
前記操作ノブは、前記表示器を内蔵し、前記表示器の表示情報を視認可能な光透過性部材によって形成されている請求項1に記載のレバースイッチ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−182569(P2010−182569A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−26004(P2009−26004)
【出願日】平成21年2月6日(2009.2.6)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】