説明

レバー・スイッチ装置

【課題】レバースイッチ装置の小型化を可能とする。
【解決手段】
第1,第2のアーム19,23間に形成され可動体31に対する第1,第2のレバー13,15の回転に対し第1,第2のアーム19,23の動きを規制する規制壁49と、第1,第2の嵌合部45,47に形成され第1,第2のレバー13,15の軸回転による第1,第2のアーム19,23の回転移動により第1,第2のアーム19,23と係合し第1,第2の可動盤41,43に接点動作を行なわせる係合壁45a,45b,47a,47bとを備えことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の前照灯などの接点操作を行うレバー・スイッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のレバー・スイッチ装置としては、例えば図10、図11に示すようなものがある。図10は、レバー・スイッチ装置の取り付け関係を示す分解斜視図、図11は、レバー・スイッチ装置のスイッチ部周辺を示す断面図である。
【0003】
図10、図11の、レバー・スイッチ装置101は、電気的な操作指示を行うもので、例えば、ターン・シグナル・スイッチ、パッシング・スイッチ、メイン・ディマ切換えスイッチ、及びワイパ・ウォッシャ・スイッチ等の機能を備えている。
【0004】
前記レバー・スイッチ装置101は、操作レバー103とスイッチ部105とを備え、スイッチ部105がステアリング・コラム104に固定されたボディ106側に装着される構成となっている。
【0005】
前記操作レバー103は、第1,第2,第3のレバー109,107,111を備えている。
【0006】
前記第1のレバー109は、一端に回転ノブ112が固定され他端側に第1の操作杆113が取り付けられている。前記第2のレバー107は、一端に固定ノブ114が取り付けられ、他端に節度体支持筒115が一体形成されている。節度体支持筒115に第2の操作杆117が設けられている。
【0007】
第3のレバー111は、第1のレバー109の外周側に回転自在に配置され、先端側に第3の操作杆119を備えている。
【0008】
その他、節度ばね121及び節度体123等を備えている。
【0009】
前記スイッチ部105には、ケース125内に可動体127が配置され、軸127aにより回転自在に支持されている。この可動体127に第4の操作杆129が設けられている。可動体127には、前記第1のレバー109が軸107aにより回転可能に支持されている。ケース125の下部には、極盤131が配置されている。前記極盤131の上面側には、複数の固定接点が設けられている。極盤131上には第1の可動盤133、第2の可動盤135、第3の可動盤137、第4の可動盤139が配置されている。第1,第3,第4の可動盤133,137,139は、操作レバー103のレバー軸交差方向(図11において紙面直交方向)に直線移動可能に配置され、前記第2の可動盤135は、レバー軸方向(図11において左右方向)に直線移動可能に配置されている。
【0010】
前記第1の可動盤133の直線移動によって前照灯が点灯、消灯され、第2の可動盤135の直線移動によってメイン、ディマの切り換え及びパッシングが行われ、前記第3の可動盤137の直線移動によってフォグランプをオン、オフさせ、前記第4の可動盤139の直線移動によって方向指示灯を点滅させる構成となっている。
【0011】
この第1,第2,第3,第4の可動盤133,135,137,139を前記直線移動させるために、第1,第3,第4の可動盤133,137,139には係合部141,143,145が設けられ、第2の可動盤135には穴部147が設けられている。
【0012】
そして、例えば、前記第1のレバー109を回転ノブ112の操作により軸回転操作すると第1の操作杆113が連動し、第1の操作杆113が係合部141に係合力を与えて第1の可動盤133がレバー軸交差方向へ移動する。この移動により前記のように前照灯が点消灯する。第3のレバー111の軸回転操作による第3の可動盤137の移動も同様である。
【0013】
メイン、ディマの切り換え及びパッシングのために、操作レバー103を軸107a周りに揺動操作すると第2の操作杆117を介して第2の可動盤135がレバー軸方向へ直線移動する。
【0014】
このとき、第1の操作杆113、第3の操作杆119は、係合部141,143に沿った方向へ移動するから第1,第3の可動盤133,137は動作しない。
【0015】
方向指示灯を点滅させるために、操作レバー103を軸127a周りに揺動操作すると第4の操作杆129を介して第4の可動盤139がレバー軸交差方向へ直線移動する。
【0016】
このとき、第1,第3の操作杆113,119は、係合部141,143に係合する紙面直交方向へ動作するが、同方向での係合部141,143に対するクリアランスの設定により係合部141,143に係合せず、第1,第3の可動盤133,137は動作しない。
【0017】
こうして、各種レバー操作を円滑に行わせることができる。
【0018】
しかし、かかる構造では、操作レバー103を軸107a周りに揺動操作したとき第1の操作杆113,第3の操作杆119がそれぞれ第3の可動盤137(係合部143),第1の可動盤133(係合部141)と干渉するのを避ける上で、軸127aの軸心と、レバー軸方向後側に配置される第3の操作杆119との間の距離を大きく離さざるを得ない。
【0019】
そのため、レバー軸方向のスイッチ部105の幅が大きくなってしまうという問題があった。
【0020】
さらに、操作レバー103を軸127a周りに揺動操作した時、第3の操作杆119は軸127aの軸心に隣接して配置した場合に比べ、軸127aの軸心から離れている分レバー軸交差方向(紙面直交方向)に直線移動する距離が大きくなる。
【0021】
このため、前述の第3の操作杆119の移動位置と、第3レバー111の回転操作により作動する第3の可動盤137に接離する固定接点配置位置との距離が、第3の操作杆119と軸127aの軸心とが離れている分大きく離れ、第3のレバー111の回転操作による第3の可動盤137の接点動作を安定的に行えない可能性がある。
【0022】
そこで、第3のレバー111の回転操作による第3の可動盤137の接点動作を確実に行うため、第3の操作杆119を長くして第3の可動盤137の移動距離を確保することも考えられるが、こうすると図11における上下方向のスイッチ部105の高さが大きくなってしまうという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0023】
【特許文献1】特開平11−250772号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
解決しようとする問題点は、レバースイッチ装置が大型化する点である。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明は、レバースイッチ装置を小型化することを可能とするために、ケースに回転自在に支持された可動体と、前記ケース側の極盤に沿って前記可動体の回転軸心に直交する方向へ移動可能に配置されて前記極盤に対し接点動作を行う第1,第2の可動盤と、前記可動体に揺動回転自在に支持され同心で軸回転可能に配置された第1,第2のレバーとを備えたレバー・スイッチ装置であって、前記第1,第2の可動盤に設けられ前記可動体の回転軸心を挟んで隣接する第1,第2の嵌合部と、前記第1,第2のレバーにそのレバー軸と直交する軸心で基部がレバー軸に沿って回転可能且つレバー軸周り回転不能に支持され先端部が前記可動体の回転軸心を挟んで隣接し前記第1,第2の嵌合部に嵌合する第1,第2のアームと、前記第1,第2のアーム間に形成され前記可動体に対する前記第1,第2のレバーの回転に対し前記第1,第2のアームのレバー軸方向への動きを規制する規制壁と、前記第1,第2の嵌合部に形成され前記第1,第2のレバーの軸回転による前記第1,第2のアームの回転移動により該第1,第2のアームと係合し前記第1,第2の可動盤に接点動作を行なわせる係合壁とを備えたことを主な特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明は、上記手段により、第1,第2のアームが第1,第2の嵌合部に嵌合する先端部を可動体の回転軸に近づけることができ、レバースイッチ装置を小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】左右レバー・スイッチ装置を取り付け関係で示す全体分解斜視図である。(実施例1)
【図2】操作レバー及びスイッチ部の断面図である。(実施例1)
【図3】要部拡大断面図である。(実施例1)
【図4】ケース・カバーを取り外して示す要部の斜視図である。(実施例1)
【図5】極盤及びアンダー・カバーを外して示す要部の下面図である。(実施例1)
【図6】極盤、アンダー・カバー、及び第2の可動盤を外して示す要部の下面図である。(実施例1)
【図7】極盤、アンダー・カバー、及び第1の可動盤を外して示す要部の下面図である。(実施例1)
【図8】第1のアーム及び第1の可動盤の関係を示し第1,第2のレバー側から見た斜視図である。(実施例1)
【図9】第1,第2のアーム及び第2の可動盤の関係を示し反第1,第2のレバー側から見た斜視図である。(実施例1)
【図10】レバー・スイッチ装置の取り付け関係を示す分解斜視図である。(従来例)
【図11】レバー・スイッチ装置のスイッチ部周辺を示す断面図である。(従来例)
【発明を実施するための形態】
【0028】
レバースイッチ装置を小型化することを可能にするという目的を、第1,第2の可動盤に設けられ可動体の回転軸心を挟んで隣接する第1,第2の嵌合部と、第1,第2のレバーにその軸心と直交する軸心で基部が回転可能に支持され先端部が前記可動体の回転軸心を挟んで隣接し前記第1,第2の嵌合部に嵌合する第1,第2のアームと、前記第1,第2のアーム間に形成され前記可動体に対する前記第1,第2のレバーの回転に対し前記第1,第2のアームのレバー軸方向への動きを規制する規制壁と、前記第1,第2の嵌合部に形成され前記第1,第2のレバーの軸回転による前記第1,第2のアームの回転移動により該第1,第2のアームと係合し前記第1,第2の可動盤に接点動作を行なわせる係合壁とを備えたことにより実現した。
【実施例1】
【0029】
[概略構成]
図1は、本発明の実施例1を適用したレバー・スイッチ装置を取り付け関係で示す全体分解斜視図である。
【0030】
図1のレバー・スイッチ装置1は、電気的な操作指示を行うもので、例えば、ターン・シグナル・スイッチ、パッシング・スイッチ、メイン・ディマ切換えスイッチ、及び前照灯スイッチ等の機能を備えている。
【0031】
前記レバー・スイッチ装置1は、操作レバー3,5とスイッチ部7,9とを備え、スイッチ部7,9は、ステアリング・コラムに固定されたボディ側に装着されている。
【0032】
ここで、本発明実施例を、一方の操作レバー3及びスイッチ部7で説明する。
【0033】
図2は、操作レバー及びスイッチ部の断面図、図3は、要部の拡大断面図である。
【0034】
図1のように、前記操作レバー3は、矢印A,B方向(ステアリング・ホイールに沿った方向),同C,D方向(ステアリング・コラムに沿った方向)へ揺動自在となっている。
【0035】
前記操作レバー3は、例えばターン・シグナル・スイッチの機能を有し、矢印A又はBの方向に操作すると、ターン・シグナルが点滅する。操作レバー3は、例えばパッシング・スイッチの機能も有し、矢印Cの限界まで操作すると、前照灯が一時的に点灯する。操作レバー3は、例えばメイン・ディマ・スイッチの機能を有し、矢印C又はDの方向に通常操作すると、前照灯のメイン・ディマの切り換えを行う。操作レバー3は、例えば前照灯スイッチ等の機能を有し、第1の回転ノブ10の操作により、例えば前照灯とスモールランプとを点灯、消灯させ、第2の回転ノブ12の操作で、例えばフォグランプをオン、オフする。
【0036】
前記操作レバー3は、第1のレバー13及び該第1のレバー13が同軸に貫通配置される中空の第2のレバー15を備えている。第1,第2のレバー13,15は、後述する可動盤を極盤に沿って移動させる操作軸である。なお、第1,第2のレバー13,15は、第3のレバー16に同軸に配置されている。
【0037】
前記第1のレバー13の一端には、クリック・ブロック17を介して前記第1の回転ノブ10が取り付けられ、他端側に第1のアーム19が取り付けられている。前記第2のレバー15の一端には、前記第2の回転ノブ12が取り付けられ、他端側に第2のアーム23が取り付けられている。
【0038】
前記スイッチ部7は、ケース25と該ケース25の上側に嵌着されるケース・カバー27とを備えている。図2,図3のように前記ケース25内には、仕切壁29が設けられ、該仕切壁29の一側に可動体31が配置されている。この可動体31は、端部の軸33が前記ケース・カバー27に回転自在に軸支されている。この可動体31に対し、前記操作レバー3が第3のレバー16に形成された軸35によって矢印C又はDの方向に回転自在に支持されている。
【0039】
可動体31の回転軸心は、ターン・シグナル・スイッチを動作させる際の操作レバー3の揺動中心であり、T/S回転軸Pとする。
【0040】
前記仕切壁29の下側には、極盤37が配置されている。この極盤37の上面側には、複数の固定接点が設けられている。極盤37の下面側にはダイオード等の素子類が実装されている。極盤37の下側には、アンダー・カバー39が設けられている。
【0041】
前記仕切壁29の下側において、前記極盤37上には第1の可動盤41、第2の可動盤43等が配置されている。第1,第2の可動盤41,43は、ステアリング・ホイールに沿った方向(図2,図3の紙面直交方向)へともに直線的に平行移動可能に配置されている。
【0042】
前記第1の可動盤41の直線移動によって前照灯が点灯、消灯され、第2の可動盤43の直線移動によってフォグランプをオン、オフする構成となっている。
[第1,第2のアーム及び第1,第2の可動盤]
図4は、ケース・カバー及び可動体を取り外して示す要部の斜視図、図5は、極盤及びアンダー・カバーを外して示す要部の下面図、図6は、極盤、アンダー・カバー、及び第2の可動盤を外して示す要部の下面図、図7は、極盤、アンダー・カバー、及び第1の可動盤を外して示す要部の下面図である。
【0043】
図3〜図7のように、前記第1,第2の可動盤41,43には、第1,第2の嵌合部45,47がそれぞれ一体に形成されている。第1,第2の嵌合部45,47は、第1,第2の可動盤41,43に対しT/S回転軸P側へオフセットして配置されている。
【0044】
第1,第2の嵌合部45,47は、一側が開放され三方を囲む断面形状に形成されている。この第1,第2の嵌合部45,47の両壁は、図8,図9のように第1,第2の可動盤41,43の直線移動方向において第1,第2の係合壁45a,45b、47a,47bとなっている。
【0045】
第1,第2の嵌合部45,47は、第1,第2の係合壁45a,45b、47a,47bと壁45c,47cとで三方を囲む断面形状となり、開放側がケース25に形成した規制壁49に対向し、隣接配置されている。壁45c,47cは、規制壁49に対し互いに間隔を設けて対向配置している。
【0046】
なお、規制壁49は、第1,第2の嵌合部45,47の何れかに一体に形成することも両方に形成することもできる。
【0047】
こうして、第1,第2の嵌合部45,47は、規制壁49を挟んで隣接する。
【0048】
この第1,第2の嵌合部45,47に前記第1,第2のアーム19,23の第1,第2の先端部19a,23aが嵌合している。
【0049】
規制壁49は、可動体31のT/S回転軸P上で、前記第1,第2のアーム19,23間に配置されている。この規制壁49は、前記第1,第2のレバー13,15の軸35を中心とした前記可動体31に対する回転(ステアリング・コラムに沿った方向の回転)に対し、前記第1,第2のアーム19,23の動きを規制する。
【0050】
図8は、第1のアーム及び第1の可動盤の関係を示し第1,第2のレバー側から見た斜視図、図9は、第1,第2のアーム及び第2の可動盤の関係を示し反第1,第2のレバー側から見た斜視図である。
【0051】
図3,図8のように、第1のアーム19は、前記第1の先端部19aに枠状の第1の基部19bが一体に形成されたものである。第1のアーム19の第1の先端部19aには、前記隣接側がカットされた第1の半球部19cが設けられている。第1の半球部19cを含めて第1の先端部19aの隣接側は、平面部19dに形成されている。この平面部19dは、T/S回転軸Pを挟んで規制壁49に対面している。
【0052】
第1の基部19bは、枠型に形成され、中央にリブ19baが設けられている。第2のレバー15先端及びこの第2のレバー15から突出した第1のレバー13先端も外周囲が矩形状に形成され、スリット15a,13aを備えている。
【0053】
第1のアーム19の第1の基部19bは、第1のレバー13先端に嵌合し、リブ19baがスリット13aに嵌合している。この取り付けにより第1のレバー13の軸周りに対する第1のアーム19の回り止めが行われている。
【0054】
この第1のアーム19の第1の基部19bは、第1のレバー13先端にピボット19eを介して回転可能に支持されている。
【0055】
第1のレバー13先端への第1の基部19bの嵌合による回り止めとピボット19eによる回転支持とにより、第1のアーム19は、第1のレバー13に対し、そのレバー軸に沿って回転可能且つレバー軸周りに回転不能に取り付けられている。
【0056】
なお、第1の基部19bのピボット19eと第1のレバー13の嵌合のみによっても、第1のレバー13の軸周りに対する第1のアーム19の回り止めが可能であるが、この嵌合部分への荷重により該嵌合が外れることも考えられ、リブ19baとスリット13aとを嵌合させて回り止めを確実に防止している。
【0057】
この取り付け状態で、第1のアーム19の第1の先端部19aは、前記のように第1の嵌合部45に嵌合する。この第1のアーム19の第1の先端部19aは、第1の可動盤41の直線移動方向で第1の嵌合部45の第1の係合壁45a,45bに対しクリアランスを有している。
【0058】
図3,図9のように、第2のアーム23及び第2の嵌合部47も、第1のアーム19及び第1の嵌合部45と同様に構成されている。
【0059】
第2のアーム23は前記第2の先端部23aに枠状の第2の基部23bが一体に形成されており、第2の基部23bが第2のレバー15先端に嵌合している。第2のアーム23の第2の先端部23aには、前記隣接側がカットされた第2の半球部23cが設けられている。第2の半球部23cを含めて第2の先端部23aの隣接側は、T/S回転軸Pに沿った平面部23dに形成されている。
【0060】
第2のアーム23は第2のレバー15への嵌合部分がT/S回転軸Pより離れており、第2のアーム23の先端部23aがT/S回転軸Pに隣接した位置で第2の可動盤43の嵌合部47に配置できるように、第2のアーム23は第2のレバー15との嵌合部分から第2のレバー15先端側に向けて断面視略くの字形に屈曲した形状となっている。
【0061】
したがって、第1のアーム19、第2のアーム23ともT/S回転軸Pに隣接した位置で対応する可動盤41,43の嵌合部45、47と嵌合でき、しかもそれぞれT/S回転軸Pから略等距離に配置できる。
【0062】
この取り付けにより第2のレバー15の軸周りに対する第2のアーム23の回り止めが行われている。
【0063】
この第2のアーム23の第2の基部23bは、第2のレバー15先端にピボット23eを介して回転可能に取り付けられている。
【0064】
第2のレバー15先端への第1の基部23bの嵌合による回り止めとピボット23eによる回転支持とにより、第2のアーム23は、第2のレバー15に対し、そのレバー軸に沿って回転可能且つレバー軸周りに回転不能に取り付けられている。
【0065】
この取り付け状態で、第2のアーム23の第2の先端部23aは、第2の嵌合部47に嵌合する。この第2のアーム23の第2の先端部23aは、第2の可動盤43の直線移動方向で第2の嵌合部47の第2の係合壁47a,47bに対しクリアランスを有している。
【0066】
なお、半球部19c、23cは、操作レバー3を矢印C又はDの方向に操作したとき、第1、第2のアーム19、23のあらゆる動きに対して壁45c、47cとの間で均一な接触となるよう(点接触できるよう)にするため半球形状としてある。
【0067】
かかる構成において、操作レバー3を矢印A又はBの方向に操作し、ターン・シグナルを点滅させるとき、第1,第2のアーム19,23の第1,第2の先端部19a,23aは、T/S回転軸Pの周りで僅かに旋回するだけであり、第1,第2の嵌合部45,47内での僅かなクリアランス内で相対移動ができる。
【0068】
このため、操作レバー3のターン・シグナルを点滅させる操作では、第1,第2の可動盤41,43が連動することはなく、直線移動はしない。
【0069】
操作レバー3を矢印C又はDの方向に操作し、前照灯のメイン・ディマの切り換え等を行うとき、第1,第2のアーム19,23は、第1,第2の嵌合部45,47の壁45c,47c、規制壁49に係合して動作が規制される。この規制により誤動作を防止することができる。
【0070】
このとき、第1,第2のレバー13,15に対し第1,第2のアーム19,23の基部19b,23bがピボット19e,23eにより回転することができ、第1,第2の可動盤41,43から反力を受けることなく操作レバー3の矢印C又はDの方向への操作を無理無く行わせることができる。
【0071】
第1の回転ノブ10を操作すると第1のレバー13が軸回転し、第1のアーム19が連動回転する。この第1のアーム19の回転により第1の先端部19aが第1の嵌合部45に対するクリアランス以上に動作し、第1の係合壁45a,45bに係合して第1の可動盤41を直線移動させることができる。
【0072】
この第1の可動盤41の直線移動により、前照灯とスモールランプとを点灯、消灯させることができる。
【0073】
第2の回転ノブ12を操作すると第2のレバー15が軸回転し、第2のアーム23が連動回転する。この第2のアーム23の回転により第2の先端部23aが第2の嵌合部47に対するクリアランス以上に動作し、第2の係合壁47a,47bに係合して第2の可動盤43を直線移動させることができる。
【0074】
この第2の可動盤43の直線移動により、フォグランプをオン、オフさせることができる。
[実施例の効果]
本発明の実施例は、ケース25に回転自在に支持された可動体31と、前記ケース25側の極盤37に沿って前記可動体31の回転軸心に直交する方向へ移動可能に配置されて前記極盤37に対し接点動作を行う第1,第2の可動盤41,43と、前記可動体31に回転自在に支持され同心で軸回転可能に配置された第1,第2のレバー13,15とを備えたレバー・スイッチ装置1であって、前記第1,第2の可動盤41,43に設けられ前記可動体31の回転軸心を挟んで隣接する第1,第2の嵌合部45,47と、前記第1,第2のレバー13,15にそのレバー軸と直交する軸心で基部19b,23bがレバー軸に沿って回転可能且つレバー軸周り回転不能に支持され第1,第2の先端部19a,23aが前記可動体31の回転軸心を挟んで隣接し前記第1,第2の嵌合部45,47に嵌合する第1,第2のアーム19,23と、前記第1,第2のアーム19,23間に形成され前記可動体31に対する前記第1,第2のレバー13,15の回転に対し前記第1,第2のアーム19,23のレバー軸方向への動きを規制する規制壁49と、前記第1,第2の嵌合部45,47に形成され前記第1,第2のレバー13,15の軸回転による前記第1,第2のアーム19,23の回転移動により該第1,第2のアーム19,23と係合し前記第1,第2の可動盤41,43に接点動作を行なわせる係合壁45a,45b,47a,47bとを備えた。
【0075】
このため、第1,第2のアーム19,23が第1,第2の嵌合部45,47に嵌合する第1,第2の先端部19a,23aをT/S回転軸Pに近づけることができ、スイッチ部7の操作レバー3の軸方向の幅を小さくできる。
【0076】
しかも、第1,第2のアーム19,23が第1,第2の嵌合部45,47に嵌合する第1,第2の先端部19a,23aをT/S回転軸Pに近づけることができるため、第1,第2のアーム19,23操作レバー3をT/S回転軸P周りに操作したときに第1,第2の回転ノブ10,12による第1,第2のレバー13,15の軸回転操作に伴って第1,第2の可動盤41,43の接点動作を確実にする上で、従来のように操作杆を長くしなくでも良いので、スイッチ部7の操作レバー3の軸方向と直行する方向の幅を小さくできる。
【0077】
前記第1,第2のアーム19,23の第1の先端部19a,23aに、それぞれの隣接側がカットされた第1の半球部19c,23cを設けた。
【0078】
このため、第1,第2の先端部19a,23aをT/S回転軸Pにより近づけることができ、また操作レバー3を矢印C又はDの方向に操作したとき、第1、第2のアーム19、23のあらゆる動きに対して、第1、第2のアーム19、23が壁45c、47cとの間で作動ができ、第1,2可動盤41,43から反力を受けることなく、操作レバー3の矢印C又はDの方向への操作を無理なく行わせることができる。
【0079】
前記第1,第2の嵌合部に、前記規制壁に対しそれぞれ間隔をあけて対向する壁が形成されている。
【0080】
このため、操作レバー3をC,D方向に操作した時前記壁により第1,第2のアーム19、23の作動を規制することにより誤動作を防止できる。
【0081】
すなわち、例えば操作レバー3をD方向に操作した時前記壁により第1のアーム19が第1の嵌合部45よりレバー軸方向に抜けることがないため、この状態で第1回動ノブ10(操作レバー3)をスモールランプ点灯位置に回動操作しても第1可動盤41は作動しスモールランプを確実に点灯できる。
【符号の説明】
【0082】
1 レバー・スイッチ装置
3,5 操作レバー
13 第1のレバー
15 第第2のレバー
19 第1のアーム
19a 先端部
19b 基部
23 第2のアーム
23a 先端部
23b 基部
25 ケース
31 可動体
37 極盤
41 第1の可動盤
43 第2の可動盤
45 第1の嵌合部
45a,45b 係合壁
45c 壁
47 第2の嵌合部
47a,47b 係合壁
47c 壁
49 規制壁
P T/S回転軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースに回転自在に支持された可動体と、
前記ケース側の極盤に沿って前記可動体の回転軸心に直交する方向へ移動可能に配置されて前記極盤に対し接点動作を行う第1,第2の可動盤と、
前記可動体に揺動回転自在に支持され同心で軸回転可能に配置された第1,第2のレバーと、
を備えたレバー・スイッチ装置であって、
前記第1,第2の可動盤に設けられ前記可動体の回転軸心を挟んで隣接する第1,第2の嵌合部と、
前記第1,第2のレバーにそのレバー軸と直交する軸心で基部がレバー軸に沿って回転可能且つレバー軸周り回転不能に支持され先端部が前記可動体の回転軸心を挟んで隣接し前記第1,第2の嵌合部に嵌合する第1,第2のアームと、
前記第1,第2のアーム間に形成され前記可動体に対する前記第1,第2のレバーの回転に対し前記第1,第2のアームのレバー軸方向への動きを規制する規制壁と、
前記第1,第2のレバーの軸回転による前記第1,第2のアームの回転移動により該第1,第2のアームと係合し前記第1,第2の可動盤に接点動作を行なわせる係合壁とを備え
たことを特徴とするレバー・スイッチ装置。
【請求項2】
請求項1記載のスイッチ構造であって、
前記第1,第2のアームの先端部に、それぞれの隣接側がカットされた半球部を設けた、
ことを特徴とするレバー・スイッチ装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載のスイッチ構造であって、
前記第1,第2の嵌合部に、前記規制壁に対しそれぞれ間隔を設けて対向する壁が形成されている、
ことを特徴とするレバー・スイッチ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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