説明

レンジフード

【課題】フィルタ部材の清掃機能を備えたレンジフードであって、遠心力や水などを使用することなくフィルタ部材から付着物を取り除くことが可能であること、清掃機能を低下させることなく長期にわたり継続させることが可能であること、送風機の運転停止に連動させてフィルタ部材の清掃を開始させることが可能であることにある。
【解決手段】汚染空気Gを吸い込み捕獲する吸込み口8から屋外に排気する吐出し口7に至る排気風路10に、フィルタ部材11を回転可能に具備するフィルタ清掃装置Bを配設し、フィルタ部材11を駆動回転させるモータ16a、フィルタ部材11のフィルタ面11a,11bに付着している汚れを取り除く付着物除去部材17a,17b、付着物除去部材17a,17bを支持する支持部材17cを備え、フィルタ部材11の駆動回転によって汚れをフィルタ部材11のフィルタ面11a,11bから取り除くように構成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調理中に発生する汚染空気(汚染物質)を吸い込み捕集して屋外に排気するレンジフードに係り、特に、汚染空気中に含まれている油脂分や塵埃などを分離回収するフィルタ部材の清掃を行うフィルタ清掃機能を備えたレンジフードに関する。
【背景技術】
【0002】
レンジフードには、調理中に加熱調理器や調理鍋などから舞い上がってくる廃ガスや油煙などの汚染空気を吸い込み捕集するための略下向きなどに開口させた吸込み口(捕獲空間)が設けられている。そして、吸い込み捕集された汚染空気を吐出し口から排気ダクトを介して屋外に排気する排気風路に、汚染空気中に含まれている油脂分や塵埃などを分離回収(捕獲)するためのフィルタ部材が備えられている。
ちなみに、フィルタ部材としては、カットベンドタイプ、或いはパンチングメタルタイプ、そしてラス網などからなる網目状タイプなどが一般的に知られている。
【0003】
ところで、汚染空気中に含まれている油脂分などのフィルタ部材による分離回収は、汚染空気がフィルタ部材を通り抜けるときの衝突(接触)などによる油脂分のフィルタ部材への付着によって行われるようになっている。
例えば、パンチングメタルタイプのフィルタ部材の場合では、汚染空気の下流側に向けて突出する立上り孔縁部を備えて無数に開口されている通気孔を汚染空気が通り抜けるときに、排気風路の上流側に位置するフィルタ部材の表面や立上り孔縁部への汚染空気の衝突(接触)によって油脂分が表面や通気孔の立上り孔縁部などに付着されて回収されるようになっている。
すなわち、レンジフードのフィルタ部材は、汚染空気が通り抜ける細かい孔の集合によって形成されているために、使用とともに徐々に堆積される油脂分などの付着物(汚れ)によって孔が塞がれる目詰まりを引き起こし、ひいては吸引力が低下するなどの様々な不具合が生じる原因となる。そのために、付着物を取り除く清掃(洗浄)を定期的に行う必要がある。
【0004】
しかし、フィルタ部材から付着物を取り除くためには、レンジフード内の排気風路に取り付けられているフィルタ部材を取り外し、シンクなどでブラシなどの清掃用具を用いて丸洗い(水洗い)しなければならない。そして、付着物を取り除いた後は排気風路にフィルタ部材を戻す取り付け作業が必要となる。
このように、フィルタ部材から付着物を取り除く作業は、大変面倒で手間が掛かるものとなっていた。特に、フィルタ部材の表面などにこびり付くように付着している頑固な油脂分の除去にはかなりの労力と手間が掛かるものとなっていた。
【0005】
そこで、このような面倒で手間の掛かるフィルタ部材の清掃(洗浄)作業を軽減するために、フィルタ部材をレンジフードから取り外すことなく、油脂分や塵埃などの付着物を取り除くフィルタ清掃機能を備えたレンジフードが提案されている(例えば、特許文献1などを参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−292248号公報(段落番号0026、および図1参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1の記載では、フィルタ部材(グリスフィルタ)の表面に接しながら移動するブラシ(汚れ拭取り手段)によって、フィルタ部材に付着する汚れを取り除く構成を採用している。
しかしながら、このような従来技術では、フィルタ部材から取り除かれた汚れがブラシの植毛繊維の間に入り込んでしまい、特に、取り除かれた油脂分が植毛繊維の間に入り込んで固まり、ひいては、汚れをフィルタ部材の表面から取り除くブラシ本来の掃き取り作用が低下してしまうおそれがある。
そして、使用とともに植毛繊維の間に油脂分が徐々に堆積し、最悪の場合には植毛繊維の間に入り込んだ油脂分によって植毛繊維同士が結合してしまい、ブラシ自体の目詰まりを引き起こして掃き取り作用が完全に失ってしまうおそれがあった。
そのために、ブラシを用いた従来技術では、清掃のためのブラシそのものを定期的に取り外して、植毛繊維の間に入り込んだ油脂分などの汚れを取り除く必要があった。
また、植毛繊維の間に入り込んで固まってしまった油脂分を取り除くことはかなりの労力を必要とするばかりか、取り除くことができずに、新しいものと交換せざる得ない状態を招くおそれがあった。
【0008】
そこで、本発明は、前記課題を解消するために創案されたものであり、フィルタ部材の清掃機能を備えたレンジフードであって、遠心力や水などを使用することなくフィルタ部材から付着物を取り除くことが可能であること、清掃機能を低下させることなく長期にわたり継続させることが可能であること、送風機の運転停止に連動させてフィルタ部材の清掃を開始させることが可能であること、排気下流側に面するフィルタ面に付着した汚れを排気上流側に面するフィルタ面側に押し出しながら取り除くことを可能にしたこと、などを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、本発明では、調理中の汚染空気を吸い込み捕獲する吸込み口から汚染空気を屋外に排気する吐出し口に至る排気風路にフィルタ部材を配設しているレンジフードであって、
前記フィルタ部材を回転可能に具備するフィルタ清掃装置を前記排気風路に、排気上流側と排気下流側とを仕切るように配設してなり、前記フィルタ清掃装置は、円盤形状に形成されている前記フィルタ部材を駆動回転させる駆動手段と、回転する前記フィルタ部材のフィルタ面に沿わせて線状または面状に圧接させて、該フィルタ部材に付着している付着物を取り除く付着物除去手段とを備えて構成されてなり、前記駆動手段は、モータと、このモータの動力を前記フィルタ部材に伝達する動力伝達機構とから構成されていることを特徴とする。
【0010】
ここで、前記動力伝達機構は、前記モータの出力軸に取り付けられる第1の歯車と、前記フィルタ部材の外周に沿って設けられて前記第1の歯車に噛合する第2の歯車とから構成されていること、などの構成を採用することが好適なものとなる。
【0011】
また、前記付着物除去手段は、前記フィルタ部材の回転中心部近傍からその外周に至る該フィルタ部材の半径直線上、または、当該半径直線に対して斜めの直線上に位置して配設されていること、前記付着物除去手段は、少なくとも前記フィルタ部材の回転中心部近傍からその外周に至る長さに形成されて、前記フィルタ部材のフィルタ面に沿わせて線状または面状に圧接させる1乃至複数の付着物除去部材と、この付着物除去部材を支持する支持部材とを備えて構成され、前記付着物除去部材および前記支持部材の何れか一方または双方が、前記フィルタ部材側に付勢されていること、が好適なものとなる。
さらに、前記付着物除去部材は、略平面板状に形成されていること、前記付着物除去部材は、油脂分や水分の吸収作用に優れた素材からなるシート材を着脱自在に装着し得るように形成されていること、前記フィルタ部材に、親水性または撥水性の表面処理が施されていること、などの構成を採用することが好適なものとなる。
【0012】
また、前記フィルタ部材を挟み、排気風路の排気上流側に面するフィルタ面に沿わせて前記付着物除去手段を配設し、排気風路の排気下流側に面するフィルタ面に沿わせてフィルタ受け部材を配設していること、前記フィルタ受け部材は、前記フィルタ部材の回転中心部近傍からその外周に至る程度の長さを有する円筒状または円柱状に形成されて、フィルタ面への接触により前記フィルタ部材の駆動回転とともに回転すること、前記フィルタ受け部材は、少なくともフィルタ面に接触する外周部分が弾性材料により形成されて、前記フィルタ部材の駆動回転とともに回転するときに、該フィルタ部材に設けられている汚染空気の通気口に弾性的に入り込むようにしていること、などの構成を採用することが好適なものとなる。
【0013】
また、前記フィルタ清掃装置は、前記フィルタ部材を回転可能に支持収容するユニットケースを備え、前記ユニットケースは、開口中心部を、前記フィルタ部材の回転中心部と略一致させた汚染空気の通気開口部を備え、該通気開口部に、前記開口中心部からその開口円周縁に至る前記付着物除去手段の取付け部を備えてなり、前記支持部材は、前記開口中心部からその開口円周縁に至る軸線上において回転可能で、かつ、前記フィルタ部材側に付勢回転された状態で前記取付け部に取り付けられ、前記フィルタ部材の駆動回転によって、前記支持部材が付勢回転方向に抗する回転方向に回転したときに、前記付着物除去部材の先端側を接触させて、該先端側から付着物を取り除く接触部を前記取付け部に備えていること、前記支持部材に、前記フィルタ部材側に向けて突出させた回転動作凸部を備え、前記回転動作凸部と対向する前記フィルタ部材の回転円周上に、該フィルタ部材の駆動回転によって前記回転動作凸部が乗り上げて、前記支持部材を付勢回転方向に抗する回転方向に回転させることを繰り返す回転起動凸部を備えていること、などの構成を採用することが好適なものとなる。
【0014】
また、前記フィルタ部材に、親水性または撥水性の表面処理が施されていることが好適なものとなる。
【0015】
また、汚染空気を吸い込み捕獲する吸引力を発生(伝播)させる送風機の運転が停止したときに、前記フィルタ清掃装置の運転(フィルタ部材を駆動回転)させる連動運転制御装置を備えていることが好適で、この場合、送風機の運転が停止してから予め定められている設定時間にてフィルタ部材を駆動回転させるようにすることが好適なものとなる。
【0016】
このような構成によれば、汚染空気中から分離回収されてフィルタ部材に付着している油脂分や塵埃などの汚れは、モータによって駆動回転するフィルタ部材のフィルタ面に線状または面状に圧接されている付着物除去手段によって取り除かれて、フィルタ面の清掃が行われる。
このとき、フィルタ部材の駆動回転は、モータによって回転する第1の歯車からフィルタ部材の外周に沿って備えられている第2の歯車を介して行われる。また、付着物除去手段が、フィルタ部材の回転中心部からその外周縁に至る該フィルタ部材の半径直線に対してフィルタ面と平行とする斜め線上に位置して配設されている場合、フィルタ面から取り除かれた汚れは、フィルタ部材の駆動回転によって、フィルタ部材の回転中心部側、または、外周縁部側の何れかにおける付着物除去手段の片側に寄せ集められる。特に、フィルタ部材の外周縁部側における付着物除去手段の片側に寄せ集められることで、汚れのフィルタ面への再付着を防ぎながら、付着物除去手段によって取り除かれた汚れをフィルタ面から効率的に、かつ、確実に取り除くことができる。
【0017】
また、付着物除去部材を、例えば、フィルタ部材の回転方向に並列させて支持部材に複数備えている構成からなる付着物除去手段を採用することで、フィルタ面の汚れを取り除く清掃効果(洗浄効果)の向上が図られる。
また、付着物除去部材が略平面板状、例えば、フィルタ面に圧接させる先端側が先細の略ヘラ形状に形成されている場合、フィルタ面にへばり付くように付着している油脂分などの汚れを取り除くときに、ヘラ先で汚れを掻き落すように取り除くことができるので、有効である。そして、付着物除去部材が、油や水分の吸収作用に優れた素材からなるシート材を着脱自在に装着し得るように形成されている場合では、フィルタ面から汚れを拭き取られるように取り除くことができる。
【0018】
また、排気風路の排気上流側にフィルタ部材のフィルタ面に圧接状態で配設される付着物除去手段によるフィルタ部材の排気下流側への撓みなど変形は、排気下流側に配設されるフィルタ受け部材によって抑えられる。
また、フィルタ受け部材がフィルタ部材の駆動回転とともに回転するときに、フィルタ受け部材の外周部分が、通気口に弾性的に入り込む、または、付着物除去手段が配設されている排気風路の排気上流側に弾性的に飛び出すことで、排気上流側に面するフィルタ面側から排気下流側に面するフィルタ面側に流れ込むなどによって、排気下流側のフィルタ面に付着している油脂分などの汚れを、フィルタ部材の通気口から排気上流側のフィルタ面側に押し出すことができる。これにより、排気上流側のフィルタ面側に押し出された汚れを、当該フィルタ面に沿って圧接されている付着物除去手段によって取り除くことができる。
【0019】
また、フィルタ部材の駆動回転によって、支持部材を、フィルタ部材方向への付勢回転方向に抗して回転させて、フィルタ面から取り除かれて付着物除去部材に付着している汚れなどの付着物を、該付着物除去部材から払い落として取り除くようにした構成を採用することで、付着物除去部材に付着物が付着(堆積)されていない状態で、付着物除去部材をフィルタ面に圧接させてフィルタ面から汚れを取り除く清掃を継続させることができる。例えば、回転起動凸部がフィルタ部材の回転円周の1ヶ所に備えられている場合では、フィルタ部材が一回転するたびに、フィルタ面から取り除かれて付着物除去部材に付着されている付着物を取り除いて、付着物が付着していないきれいな付着物除去部材を再びフィルタ面に圧接させてフィルタ面から汚れを取り除く清掃を継続させることができる。
【0020】
また、フィルタ部材に親水性または撥水性の表面処理が施されていることで、汚れなどの溜まりを防ぎ、汚れが落ち易くなることから、付着物除去部材によって速やかに、かつ、簡単に取り除くことができる。
【0021】
また、調理が終わり、送風機の運転が停止したときに、フィルタ部材を自動的に駆動回転させる構成を採用することで、汚染空気中から分離回収された油脂分がフィルタ面に付着した直後において取り除くことができる。つまり、フィルタ部材に付着回収された油脂分が、フィルタ面にへばり付くように硬化する以前にフィルタ面から取り除くことができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明のレンジフードによれば、フィルタ部材を高速回転させるなどによる遠心力の利用や水などを使用することなく、駆動回転するフィルタ部材のフィルタ面から付着物などの汚れを、線状または面状に圧接させた付着物除去手段によって取り除くことができる。
これにより、高速回転させるなどの高価なモータ使用による製品の高騰を抑えることができ、しかも、継続して湿気に晒されることによる腐食などの発生を抑え、チッキン壁面などのへの悪影響をも抑えることができる。
【0023】
また、フィルタ面から汚れを取り除く付着物除去手段として、略ヘラ形状の付着物除去部材を使用、また、油脂分や水分の吸収作用に優れた素材からなるシート材を着脱自在に装着し得る付着物除去部材を使用していることで、油脂分などの汚れをフィルタ面から取り除くのに有効で、また、使用者がタオルなどを用いて汚れを拭き取るときの行為に近い状態で、汚れをフィルタ面から取り除くことができる。
【0024】
また、フィルタ部材の駆動回転中(フィルタ面の清掃中)において、フィルタ面から取り除かれて付着物除去部材の先端側に付着した付着物を払い落としながらフィルタ面から汚れを取り除く清掃を継続させることができる。
これにより、清掃機能を低下させることなく長期使用が可能となる。つまり、使用者に対するメンテナンスなどの手間を軽減させることができる。
【0025】
また、送風機の運転停止に連動させてフィルタ部材の清掃を開始させることができることで、特に、廃ガスや油煙など汚染空気中から分離回収された直後の油脂分をフィルタ面から取り除くことができる。つまり、油脂分がフィルタ面にへばり付くように硬化する以前に取り除くことができる。
これにより、油脂分の除去効率がよく、しかも、清掃時間の短縮化が図られて省エネ効果をも期待することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本実施形態に係るレンジフードを示す縦断側面図である。
【図2】同レンジフードの要部(フィルタ清掃装置の設置部分)を示し、(a)は、フィルタ清掃装置の全体を拡大して示す断面図であり、(b)は、その一部をさらに拡大して示す断面図である。
【図3】図2の(b)のIII-III線断面図である。
【図4】本実施形態に係るフィルタ清掃装置の分解斜視図である。
【図5】図4の続きを示すフィルタ清掃装置の分解斜視図である。
【図6】同フィルタ清掃装置の第1の実施形態に係る付着物除去手段の分解斜視図である。
【図7】組み立てた状態の同付着物除去手段を示し、(a)は、同斜視図であり、(b)は、(a)のb−b線拡大断面図であり、(c)は、他の実施形態を示す同拡大断面図である。
【図8】フィルタ受け部材の他の実施形態を示す要部の拡大断面図である。
【図9】図8のIX−IX線断面図である。
【図10】送風機の運転停止に連動させてフィルタ清掃装置の運転を開始させる連動運転制御装置の概略構成を示す構成ブロック図である。
【図11】フィルタ部材の回転角速度を監視するフィルタ監視制御装置を備えている本実施形態に係るレンジフードの概略構成を示すブロック図である。
【図12】フィルタ監視制御装置によるフィルタ部材の回転角速度の監視動作の一例を示すフローチャートである。
【図13】第2の実施形態に係る付着物除去手段を示し、(a)は、斜視図であり、(b)は、(a)のb−b線拡大断面図である。
【図14】第3の実施形態に係る付着物除去手段を示し、(a)は、斜視図であり、(b)は、(a)のb−b線拡大断面図である。
【図15】同付着物除去手段と、この付着物除去手段が取り付けられるフィルタケースの取付け部を斜め下方から見上げたときの斜視図である。
【図16】同付着物除去手段を取付け部に取り付けた状態を示し、(a)は、一部を破断した状態で示すフィルタケース(フィルタ清掃装置)の底面図であり、(b)は、要部の拡大断面図である。
【図17】フィルタ部材の駆動回転に伴う同付着物除去手段の動きを示す概略説明図であり、(a)は、フィルタ部材に付着している汚れが、付着物除去部材によって取り除かれる直前の状態を示し、(b)は、支持部材の回転動作凸部がフィルタ部材の回転起動凸部を乗り上がり始めて、支持部材が枢着部を支点に付勢回転方向に抗した方向へ回転動作を開始する直前の状態を示し、(c)は、継続する回転動作凸部の回転起動凸部の頂部へ向けた乗り上がり、それに伴う支持部材の回転動作、そして付着物除去部材の付勢回転方向への回転動作によって、付着物除去部材の先端側が取付け部の接触部に接触し始めた直前の状態を示し、(d)は、継続する回転動作凸部の回転起動凸部の頂部へ向けた乗り上がり、それに伴う支持部材の回転動作、そして付着物除去部材の回転動作によって、汚れが付着している付着物除去部材の先端部分が接触部に接触した状態を示し、(e)は、更に継続する回転動作凸部の回転起動凸部の頂部に向けた乗り上がり、それに伴う支持部材の回転動作、そして付着物除去部材の回転動作によって、付着物除去部材の先端部分に付着している汚れの接触部への接触によって、付着物除去部材の先端部分に付着している汚れが掻き落された状態を示し、(f)は、付着物除去部材から汚れが掻き落された後に、回転起動凸部の頂部を乗り越えた回転動作凸部が回転起動凸部を下り始め、それに伴い支持部材が付勢回転方向(aの状態に戻る方向)への回転動作を開始するその直前を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係るレンジフードを示す縦断面図であり、図2および図3は、要部を拡大して示す断面図である。
なお、レンジフードとしては、捕獲空間が浅く形成されている薄型(平型)タイプと、捕獲空間が深く形成されている深型タイプとの2種類に大別されるが、本実施形態では、図1に示すように、薄型タイプのレンジフードを挙げて説明する。また、薄型タイプのレンジフードでは、フード部の上に送風機が縦置きに設置される縦置きタイプと、送風機が横置きに設置される横置きタイプとがあるが、本実施形態では、図1に示すように、横置きタイプのレンジフードを挙げて説明する。
【0028】
≪レンジフードの構成≫
レンジフードAは、調理中に発生する油煙、湯煙(水蒸気)、熱気、そして廃ガスなどの汚染空気Gを吸込み捕集し、図示省略の排気ダクトを通して屋外に排気するように構成されている。
このレンジフードAは、図1に示すように、薄型(平型)で下向きに開口する捕獲空間Mを有するフード部1と、このフード部1の上に設置される送風機2と、捕獲空間Mの下向き開口部に取り付けられる整流板3とを備えて構成されている。
【0029】
このように、フード部1の上に送風機2を設置している薄型のレンジフードAは、周知の設置構造によってキッチンに取り付け設置される。例えば、図1に示すように、送風機2の後記する送風機ボックス2aがL形の吊り金具4を用いたネジ止めなどによってキッチン壁Kに取り付けられて、図示省略の加熱調理器の略真上に位置して設置される。
【0030】
フード部1は、下向き開口する扁平箱型に形成され、開口内側にオイルパネル5が取り付けられることで、所望の深さを有する下向き凹部形状の捕獲空間Mが開口内側に備えられるようになっている。
オイルパネル5は、周辺縁部を残して上方に膨出させた凹みを備え、周辺縁部がフード部1の開口内側にスポット溶着やネジ止めなどの止着手段を用いて取り付けられるように形成されている。
これにより、フード部1の厚さ(高さ)内に収まる深さで、キッチン壁面Kに突き合わせされるフード部1の背面側(図1紙面右側)からキッチン側(図1紙面左側)に位置するフード部1の前面側に至るにしたがって深さが徐々に深くなる捕獲空間Mが、フード部1の開口内側に形成される。
【0031】
また、フード部1は、送風機2が設置される背面側に位置する天板1aの一部に、捕獲空間Mに連通させた送風機設置部6を天板1aよりも高く備えて、後述のフィルタ清掃装置Bを構成する駆動手段16のモータ16aを内設し得る空間を、捕獲空間Mと送風機ボックス2aとの間に確保するようにしている。つまり、図1に示すように、捕獲空間Mに連通させてオイルパネル5に取り付けられるフィルタ清掃装置Bをフード部1内に組み込み内設し得るようにしている。
【0032】
送風機2は、図1に示すように、下面を開口させた略四角形状の箱型に形成されている送風機ボックス2aの内部に、ファンケーシング2bを横置き状態で内設してなる。
ファンケーシング2bは、排気ダクトが接続される吐出し口7を有するボリュート形状に形成され、ファンモータ2cに軸支されて同軸上に収容される排気ファン2dを収容している。
【0033】
整流板3は、捕獲空間Mの下向き開口部の開口形状よりも小さい平板形状に形成されて、捕獲空間Mに開閉・係脱自在に取り付けられる。これにより、図1に示すように、整流板3の周囲各辺縁部と捕獲空間Mの開口周縁部との間に汚染空気Gの吸込み口8が確保されて、汚染空気Gが整流板3に沿って吸込み口8から捕獲空間M内に勢い良く吸気(捕集)されるようになっている。
【0034】
また、レンジフードAは、図1に示すように、フード部1の調理者側である前面部にスイッチ操作部9を備えている。
このスイッチ操作部9は、送風機2およびフィルタ清掃装置Bの運転開始と運転停止との切り替え、そして、送風機2の運転(強・中・弱)切り替えなどの操作を行うタッチやプッシュタイプなどからなるスイッチ類(図示省略)を備えている。
【0035】
そして、このように構成されているレンジフードAの吸込み口8から吐出し口7に至る排気風路10に、フィルタ部材11を回転可能に具備するフィルタ清掃装置Bを配設している。
これにより、吸込み口8から捕獲空間Mに吸い込み捕獲された汚染空気Gが排気風路10を通り吐出し口7側へと吸引されて流れるとき、汚染空気中から分離回収されてフィルタ部材11に付着した油脂分や塵埃などの汚れ(付着物)を、フィルタ部材11を駆動回転させることでフィルタ部材11から掻き落とすように取り除くことができるように構成している。
【0036】
≪フィルタ部材の構成≫
フィルタ部材11は、周知のカットベンドタイプ、或いはパンチングメタルタイプ、そしてラス網などからなる網目状タイプなどからなり、本実施形態では、後記の図4に示すように、パンチングメタルタイプを採用し、適宜の外径寸法を有する円盤形状に形成している。
すなわち、フィルタ部材11は、図3および後記の図5に示すように、排気風路10の排気上流側と排気下流側に面するフィルタ面11a,11bに通じる無数の通気孔11−1を備え、回転中心部が回転部材12、回転支軸部材13、そして上下の止め部材14によってフィルタ清掃装置Bの後記するフィルタケース15の間において回転可能に支持収容されるように形成されている。
【0037】
また、フィルタ部材11は、フィルタ面11a,11bに親水性または撥水性の表面処理が施されている。これにより、汚れなどの溜まりを防ぎ、フィルタ清掃装置Bの後記する付着物除去部材17a,17bなどによってフィルタ面11aから汚れを速やかに、かつ、簡単に取り除くことができるようにしている。
【0038】
≪フィルタ清掃装置の構成≫
図4および図5は、第1の実施形態に係る付着物除去手段を備えたフィルタ清掃装置を示す分解斜視図である。ここでは、図1〜図3を適宜参照しながら説明する。
なお、図4および図5に示すフィルタケース15の方向性において、紙面斜め下向き右側がレンジフードAの前側(調理者側)となり、紙面斜め上向き左側がレンジフードAの後側(キッチン壁K側)となり、紙面斜め上向き右側と斜め下向き左側がレンジフードAの左右両側になる。
【0039】
フィルタ清掃装置Bは、フィルタ部材11を回転可能に具備するとともに、使用とともにフィルタ部材11のフィルタ面11aに付着して堆積する油脂分や塵埃などの汚れを、フィルタ面11aから掻き落とすように取り除いてフィルタ面11aの清掃を行うものである。
このフィルタ清掃装置Bは、図2、図4および図5に示すように、フィルタ部材11を回転可能に支持収容するフィルタケース15と、フィルタ部材11を所定の回転角速度にて駆動回転させる駆動手段16と、排気風路10の排気上流側に面するフィルタ部材11のフィルタ面11aに沿わせて線状または面状に圧接させる付着物除去手段17と、排気風路10の排気下流側に面するフィルタ部材11のフィルタ面11bに沿わせて配設するフィルタ受け部材18とを備えて構成されている。
【0040】
≪フィルタケースの構成≫
フィルタケース15は、鋼板やその他の不燃性材料を用いてフィルタ部材11の外径よりも大きめの各辺寸法を有する底面視で略四角形状に形成されている上下に2分割されたケース部15a,15bから形成されている。
そして、上下のケース部15a,15bのうち、上側ケース部15aは、図4に示すように、両側縁辺部における前側縁辺部寄りに、外向きに延設させた取付け片部19−1をそれぞれ備えている。一方、下側ケース部15bは、図5に示すように、後側縁辺部に沿わせて外向きに屈曲させた取付け掛止片部19−2を備えている。
これにより、フィルタケース15は、前側寄りの両取付け片部19−1のネジ止めと、後側の取付け掛止片部19−2のオイルパネル5への引っ掛けによって、オイルパネル5に係脱自在に装着されるように形成されている。つまり、フィルタ部材11を具備するフィルタ清掃装置Bは、適宜取り外し可能な状態で、レンジフードAの排気風路10に、排気上流側と排気下流側とを仕切るように配設される。
【0041】
また、上下のケース部15a,15bは、開口中心部をフィルタ部材11の回転中心部と略一致させて開口した通気開口部20a,20bをそれぞれ備えているとともに、通気開口部20a,20aの一部に、開口中心部から開口円周縁に至るように付着物除去手段17の取付け部21a,21bをそれぞれ備えている。
【0042】
上下の通気開口部20a,20bは、フィルタ部材11の直径よりも僅かに小さい開口径にて上下のケース部15a,15bに円形形状にそれぞれ備えられている。これにより、吸引口8から捕獲空間Mに吸引捕獲された汚染空気Gが、上下のケース部15a,15bの間に位置して回転可能に支持収容されるフィルタ部材11を通過して下流の吐出し口7へと吸引されて流れるようになっている。
【0043】
上下の取付け部21a,21bは、通気開口部20a,20bの開口円周縁の一部(下側ケース部15aの後側縁辺部側に位置する円周縁部)から開口中心部の近傍に向けた底面視で内向きの略山形形状や略二等辺三角形状などの突出形状にて形成されている。また、上下の取付け部21a,21bは、通気開口部20a,20bの開口中心部の線上と同軸上とする上下の止め部材14の軸支孔22a,22bをそれぞれ備えている。
これにより、上下の取付け部21a,21bにそれぞれ備えられている軸支孔22a,22bに、図2に示すように、フィルタ部材11の回転中心部にネジ止めによって取り付けられる回転部材12を、回転支軸部材13と上下の止め部材14とによって取り付けることで、上下の取付け部21a,21bの部分を除いて、上下の通気開口部20a,20bに露出させた(臨ませた)状態でフィルタ部材11を、上下のケース部15a,15bの間に回転可能に支持収容し得るようにしている。
なお、図示を省略しているが、上下の取付け部21a,21bの通気開口部20a,20bの開口円周縁の一部から開口中心部の近傍に向けた突出形状は、長方形状などの略矩形形状などであってもよい。
【0044】
また、上下の取付け部21a,21bのうち、図5に示すように、下側ケース部15bの取付け部21bに付着物除去手段17の取付け開口部23が開口されている。
この取付け開口部23は、下側取付け部21bの内向き突出端側から下側ケース部15bの後側縁辺部側に向けた略長孔形状に開口されている。
【0045】
また、下側ケース部15bの取付け部21bの内向き突出端側には、取付け開口部23の一側短辺開口縁に沿わせてバネ材からなる挟持片部材24が備えられている。
これにより、図2に示すように、付着物除去手段17の後記する支持部材17cの一側短辺枠側に設けられている掛止溝43を、取付け開口部23の他側短辺開口縁に嵌め合せ掛止させた状態で、支持部材17cの他側短辺枠側に設けられている掛止凹欠部44を挟持片部材24に弾発的に掛止させることによって、付着物除去手段17の支持部材17cおよび後記する第1,第2の付着物除去部材17a,17bを、上下のケース部15a,15bの間に臨ませた状態で、付着物除去手段17が下側取付け部21bに掛脱自在に取り付けられるようにしている。
【0046】
また、下側ケース部15bには、図5に示すように、トレイ取付け部25−1をそれぞれ備えている。このトレイ取付け部25−1は、下側ケース部15bの後側縁辺部側に位置する取付け開口部23の両側に所定の間隔をおいて互いに向き合うようにそれぞれ折り曲げ形成されて、オイルトレイ(油受け)25の後側が抜き挿し自在に係止されるようになっている。
【0047】
また、下側ケース部15bには、図5に示すように、整流板支持部26がそれぞれ備えられている。この整流板支持部26は、下側ケース部15bからフック形状に垂設されて、整流板3の後側縁辺部を取り外し係脱自在で、かつ、開閉回動可能に支持するように形成されている。
【0048】
一方、上側ケース部15aのコーナー1ヶ所には、図4に示すように、窓孔27が備えられている。この窓孔27は、駆動手段16を構成する後記の動力伝達機構16bの第1の歯車31の外径よりも一回りほど大きく開口されている。
これにより、駆動手段16を構成する後記のモータ16aを上側ケース部15aの外側(排気下流側)に取付け状態で、その出力軸30に固着される第1の歯車31を、上下のケース部15a,15bの間に臨ませ内在し得るようにしている。つまり、上下のケース部15a,15bの間に回転可能に支持収容されるフィルタ部材11の外周に沿って備えられる動力伝達機構16bの後記する第2の歯車32に対して第1の歯車31を噛合連繋し得るようになっている。
【0049】
また、上側ケース部15aは、通気開口部20aの開口周縁に沿わせたその円周数ヶ所に歯車支持部材28を備えている。この歯車支持部材28は、フィルタ部材11の外周に沿わせたリング径にて形成される第2の歯車32のリング外周縁部を外側から掴むように支持する掴持部を備えている。
これにより、上側ケース部15aは、通気開口部20a,20bの開口中心部を回転支軸部として第2の歯車32を、内側に回転可能に支持し得るように形成されている。
なお、図示を省略しているが、歯車支持部材28は、合成樹脂材などからなる潤滑性の高い部材を掴持部の内側に備えて、第2の歯車32を滑り性よく回転可能に掴持し得るようになっている。
【0050】
≪駆動手段の構成≫
このように形成されている上下のケース部15a,15bの間に回転可能に支持収容されるフィルタ部材11を駆動回転させる駆動手段16は、モータ16aと、このモータ16aの動力をフィルタ部材11に伝達する動力伝達機構16bとを備えて構成されている。
モータ16aは、モータ支持台29を介して上側ケース部15a側に設置される。
モータ支持台29は、略櫓形状に形成されており、窓孔27の開口中心線上に位置させた上側ケース部15aのコーナー部外側(排気下流側)にネジ止め設置される。これにより、モータ6aの出力軸30を、窓孔27から上下のケース部15a,15bの間に下向き突出状に内在させるようにしている。
【0051】
このようにして、上側ケース部15aに設置されるモータ16aは、フード部1のスイッチ操作部9に備えられている図示省略のフィルタ清掃用スイッチに電気的に接続されている。
これにより、フィルタ清掃用スイッチのON操作によって起動し、動力伝達機構16bを介してフィルタ部材11を駆動回転させ、OFF操作によって停止するようになっている。つまり、フィルタ清掃装置Bは、スイッチ操作部9のフィルタ清掃スイッチのON/OFF操作によって、運転を開始、停止するようになっている。
【0052】
動力伝達機構16bは、フィルタ部材11の清掃のときに、フィルタ部材11を駆動回転させる上で最適な回転角速度にモータ16aの回転角速度を減速する役目を成す。
この動力伝達機構16bは、モータ16aの出力軸30に取り付けられる第1の歯車31と、フィルタ部材11の外周に沿って取り付けられる第2の歯車32とを備えて構成されている。
第1の歯車31は、所定の外径を有するピニオンギア(小歯車)であり、モータ16aの出力軸30に回転不能に固着される。
【0053】
第2の歯車32は、フィルタ部材11の外周径に相当するリング径にて形成されているリング部材の外周に刻設されるラックギア(大歯車)であり、フィルタ部材11の外周にリング部材をネジ止めなどによって取り付けることで、当該外周に沿って備えられるようになっている。
【0054】
また、第2の歯車32が形成されるリング部材の外周には、第2の歯車32が形成される外周部分を除いて一回りほど大きい外径にて突出させたリング外周縁部が設けられている。
これにより、リング外周縁部を円周数ヶ所の歯車支持部材28の掴持部に対して掴持させて、フィルタ部材11をフィルタケース15内に、回転支軸部材13を支点に回転可能に支持収容し得るようにしている。つまり、モータ16aの動力よって駆動回転し得るようにフィルタ部材11をフィルタケース15内に回転可能に支持収容させる。
【0055】
≪第1の実施形態に係る付着物除去手段の構成≫
図6は、第1の実施形態に係る付着物除去手段を示す分解斜視図であり、図7は、同組立て状態の斜視図および断面図である。
付着部除去手段17は、フィルタ部材11の駆動回転のもとで、排気風路10の排気上流側に面するフィルタ面11aに付着されている油脂分や塵埃などの汚れを、フィルタ面11aから掻き落とすように取り除くものである。
この付着物除去手段17は、フィルタ部材11のフィルタ面11aに沿わせて適宜の弾性力にて線状または面状に圧接させるように配設する第1の付着物除去部材17aおよび第2の付着物除去部材17bと、この第1,第2の付着物除去部材17a,17bをフィルタ面11aの方向に常時付勢させた状態で支持する支持部材17cと、排気風路10の排気下流側に面するフィルタ部材11のフィルタ面11bに沿わせて配設するフィルタ受け部材18とを備えて構成されている。
【0056】
≪第1,第2の付着物除去部材の構成≫
第1,第2の付着物除去部材17a,17bは、フィルタ部材11の回転方向に並列させて支持部材17cに支持されて、フィルタ部材11の清掃時にフィルタ面11aに付着している汚れを、フィルタ面11aから協同で掻き落とすように取り除く役目を成すものである。
【0057】
第1の付着物除去部材17aは、適宜の弾性を有する不燃性材料を用いて、フィルタ部材11の半径に相当する長さで、所定の幅を有する略平面板状に形成されている。
具体的に説明すると、第1の付着物除去部材17aは、後端側17a−2(図6において紙面斜め下向き右側)を回転軸支部33となし、この回転軸支部33から先端側17a−1(図6において紙面斜め上向き左側)を先細状とする断面視で略ヘラ形状に形成されている。
そして、この第1の付着物除去部材17aは、回転軸支部33の両端に回転軸部34をそれぞれ備えている。
これにより、第1の付着物除去部材17aは、回転軸部34に巻回させた状態で支持部材17cとの間にわたり弾装されるバネ材35によって、図7の(b)に示すように、略ヘラ形状を呈する先端側17a−1がフィルタ部材11のフィルタ面11a方向に常時付勢された状態で支持部材17cに回転可能に取り付け支持されるようになっている。
【0058】
一方、第2の付着物除去部材17bは、第1の付着物除去部材17aと同じ材料を用いて、該第1の付着物除去部材17aと略同じ長さで、断面縦長の柱状に形成されている。
そして、図6および図7に示すように、フィルタ部材11のフィルタ面11aに圧接させる柱状先端側17b−1を略半円形状となし、支持部材17cに支持させる柱状後端側17b−2における長さ方向中央部位の両側には長手方向に延びる係止凸部36を備えている。
これにより、第2の付着物除去部材17bは、図7の(b)に示すように、係止凸部36を支持部材17cの後記するスライド孔部37に対して遊嵌状に係合させることによって、フィルタ面11a方向に移動可能とする状態で支持部材17cに取り付け支持されるようになっている。
【0059】
また、第2の付着物除去部材17bは、図6および図7の(b)に示すように、支持部材17cに支持される後端側17b−2の端面における長手方向両側にバネ取付け凹部38を備えている。
これにより、第2の付着物除去部材17bは、バネ取付け凹部38に一端側が固着されるバネ材39によって、先端側17b−1がフィルタ部材11のフィルタ面11a方向に常時付勢された状態で支持部材17cに移動可能(スライド可能)に取り付け支持されるようになっている。
【0060】
[第2の付着物除去部材の他の実施形態の説明]
また、第2の付着物除去部材17bは、図7の(c)に示すように、油や水分の吸収作用に優れた素材からなるシート材40を先端側17b−1に装着し得るように形成されている。
シート材40は、第2の付着物除去部材17bの長手方向略全長に至る長さで、その先端側17b−1から高さ方向(図7の(c)において紙面上下方向)の途中部位に至る範囲で第2の付着物除去部材17bの先端側17b−1を包み込む幅を有する略帯状に形成されている。
そして、このシート材40は、第2の付着物除去部材17bに止め具41によって着脱交換可能に装着されるように形成されている。
【0061】
止め具41は、適度のフレキシブルを有する材料や適度の伸縮性を有する材料などから、付着物除去部材17bの横断面形状に沿うリング状や端部同士が締結し得るバンド状に形成されている。
これにより、シート材40を第2の付着物除去部材17bに対して着脱交換可能に装着し得るようにしている。つまり、大量の油脂分や水などが浸透して汚れがひどいときなどには、第2の付着物除去部材17bからシート材40を取り外して洗うまたは新しいものと交換するなどを適宜行うことができるなっている。
【0062】
≪支持部材の構成≫
支持部材17cは、適宜の剛性を有する不燃性材料を用いて、下側ケース部15bの取付け開口部23と略同径の大きさを有する底面視で略矩形形状の枠状に形成されている。
そして、この支持部材17cは、その一側短辺枠側に掛止辺部42を有する掛止溝43を備えているとともに、他側短辺枠側に掛止凹欠部44を備えて、前記したように、取付け開口部23に掛脱自在に取り付けられるように形成されている。
これにより、フィルタ清掃装置BをレンジフードAから取り外すことなく、支持部材17cのみを取り外して、この支持部材17cを含めて第1,第2の付着物除去部材17a,17bをシンクなどにおいて丸洗いすることができる。
【0063】
また、支持部材17cは、図6および図7に示すように、両側短辺枠の略中央部に位置する内側に略U字形状の枢着部45を備えている。これにより、支持部材17cは、第1の付着物除去部材17aの回転軸支部33を回転可能で、かつ、バネ材35によって、略ヘラ形状を呈する先端側17a−1をフィルタ面11a方向に常時付勢させた状態で第1の付着物除去部材17aを支持し得るように形成されている。
【0064】
また、支持部材17cは、図7に示すように、第1の付着物除去部材17aが回転可能に支持される位置よりも一側長辺側(第1の付着物除部材17aのバネ材35による付勢回転方向に抗する回転方向側)に、第2の付着物除去部材17bをフィルタ面11a方向に向けて移動可能に支持するための凹状溝46を備えている。
この凹状溝46は、第2の付着物除去部材17bの長さ形状および幅形状に略適合させた凹溝形状にて所定の深さに形成されているとともに、その長さ方向中央部における両溝壁に係止孔部37を備えて、前記したように、第2の付着物除去部材17bをフィルタ面11a方向に移動可能とする状態でその後端側17b−2が支持部材17cに取り付け支持されるようになっている。
【0065】
このように構成されている第1の実施形態に係る付着物除去手段17は、底面視で略矩形形状の枠状に形成されている支持部材17cの両側短辺枠間に、第1,第2の付着物除去部材17a,17bを、フィルタ部材11のフィルタ面11a方向に付勢させた状態で、なおかつ、フィルタ部材11の回転方向に並列させて備えている構成を成して、図1および図2に示すように、支持部材17cに設けられている掛止溝43の下側ケース部15bの取付け開口部23の短辺開口縁への嵌め込み掛止と挟持片部材24よる弾発保持によって下側ケース部15bの取付け部21bに掛脱自在に取付け配設されるものである。
【0066】
≪フィルタ受け部材の構成≫
フィルタ受け部材18は、排気風路10の排気下流側に面するフィルタ部材11のフィルタ面11bに圧接させた状態で、その半径方向に沿わされる付着物除去手段17の第1,第2の付着物除去部材17a,17bに押されてフィルタ部材11が、排気下流側へ撓むなどの変形を防ぐ役目、そして排気下流側に面するフィルタ面11bに付着した汚れを、フィルタ部材11の通気孔11−1から排気上流側に面するフィルタ面11a側に押し出す役目を成すものである。
【0067】
このフィルタ受け部材18は、図1〜図4に示すように、第1,第2の付着物除去部材17a,17bの長さと略同じ程度の長さを有する角型柱状(ブロック形状)に形成されている。そして、フィルタ受け部材18は、長さ方向両側にネジ取付け孔47を備えて、図2および図3に示すように、止めネジ48を用いて上側ケース部15bの内側にネジ止めにて取り付けられるように形成されている。
これにより、フィルタ受け部材18は、図3に示すように、フィルタ部材11を挟んで、第1,第2の付着物除去部材17a,17bが配設されている排気上流側のフィルタ部材11のフィルタ面11aに対し、反対側(裏面側)の排気下流側のフィルタ部材11のフィルタ面11bに沿って配設される。
【0068】
[フィルタ受け部材の他の実施形態の説明]
図8および図9は、フィルタ受け部材の他の実施形態を示す要部の拡大断面図である。
また、本実施形態に係るフィルタ受け部材18−1は、図8および図9に示すように、フィルタ面11bに接触する外周部分が弾性材料により形成されて、フィルタ部材11の駆動回転とともに回転するときに、該フィルタ部材11に設けられている通気口11−1に弾性的に入り込むように形成されている。
すなわち、フィルタ受け部材18−1は、円筒状の回転芯材49を備え、その外周に弾性ゴム材や弾性ウレタン材などの弾性材料を用いて適宜の外周径(直径)に形成されている円筒外周体50を取り付けた構成を成している。
そして、フィルタ受け部材18−1は、図8および図9に示すように、フィルタケース15の上側ケース部15bの内側にブラケット51によって回動可能に取り付けられるように形成されている。
これにより、フィルタ受け部材18−1は、図9に示すように、フィルタ部材11のフィルタ面11b側への接触によってフィルタ部材11の駆動回転とともに回転するようになっている。
【0069】
このように形成されているフィルタ受け部材18−1は、図9に示すように、第1の付着物除去部材17aの先端側17a−1が圧接される排気上流側のフィルタ面11aの裏側、つまり、排気下流側のフィルタ面11bにおいて、第1の付着物除去部材17aの先端側17a−1の圧接位置よりもフィルタ部材11の回転方向Xの後方に位置して配設される。
これにより、フィルタ受け部材18−1は、フィルタ部材11の駆動回転とともに回転すると同時に、フィルタ面11bに接する外周部分が、図9に示すように、フィルタ部材11の通気口11−1に弾性的に入り込むことで、フィルタ面11a側からフィルタ面11b側に流れ込んで付着している汚れを、フィルタ部材11の通気口11−1からフィルタ面11a側に押し出す。
つまり、付着物除去部材17aの先端側17a−1が圧接されているフィルタ面11aの圧接位置より先に、フィルタ面11b側に付着している汚れを、フィルタ受け部材18−1によって通気口11−1からフィルタ面11a側に押し出しながら、当該フィルタ面11aに沿って圧接されている付着物除去手段17の第1,第2の付着物除去部材17a,17bによって取り除くことができる。
【0070】
[作用説明]
つぎに、第1の実施形態に係る付着物除去手段17を備えるフィルタ清掃装置Bを適用させたレンジフードAについて簡単に説明する。
調理が終わり、使用者が操作スイッチ部9を操作して送風機2の運転を停止させた後に、操作スチッチ部9のフィルタ清掃スイッチをON操作すると、フィルタ清掃装置Bのモータ16aが起動し、該モータ16aから出力される動力が、第1の歯車31、第2の歯車32を介してフィルタ部材11に伝達され、フィルタ部材11が所定の回転角速度で駆動回転し、フィルタ清掃装置Bの運転が開始する。
フィルタ部材11が駆動回転すると、調理中に汚染空気G中から分離されて排気上流側に面するフィルタ面11aに付着回収された油脂分や塵埃などの汚れは、フィルタ面11aに沿って圧接されている第1の付着物除去部材17aと第2の付着物除去部材17bとによってフィルタ面11aから取り除かれる。例えば、第1の付着物除去部材17aの場合は、略ヘラ形状をなす先端側17a−1で、フィルタ面11aから汚れを掻き落すように取り除く。そして、第2の付着物除去部材17bの場合は、第1の付着物除去部材17aに取り除かれずに残る汚れを、フィルタ面11aから擦り取るように取り除くものである。
このようにして、第1の付着物除去部材17aと第2の付着物除去部材17bとによってフィルタ面10aから取り除かれた汚れは、下方のオイルトレイ25に落下して回収される。
【0071】
そして、フィルタ清掃装置Bを一定時間運転させたところで、使用者による操作スチッチ部9のフィルタ清掃スイッチのOFF操作によってモータ16aが止まり、フィルタ清掃装置Bの運転が停止する。
なお、フィルタ清掃装置Bの運転時間は、予め定められている設定時間によって行われ、設定時間が経過したところで、モータ16aが止まり、運転が自動的に停止するようにすることもできる。
【0072】
[他の実施形態の説明]
また、本実施形態では、送風機2の運転がスイッチ操作部9の操作により停止(ファンモータ2cが停止)したときに、その運転停止に連動させてフィルタ部材11を駆動回転させる連動運転制御装置52を備えている。
つまり、調理が終わり、使用者がフード部1のスイッチ操作部9の図示省略の送風機運転スイッチのOFF操作により送風機2の運転が停止したときに、その停止に連動させてフィルタ部材11を、予め定められた設定時間Tにて駆動回転させるように構成している。
図10は、送風機の運転停止に連動させてフィルタ清掃装置の運転を開始させる連動運転制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【0073】
連動運転制御装置52は、使用者がスイッチ操作部9を操作して送風機2の運転を停止させたとき、その運転停止に連動させてフィルタ清掃装置Bのモータ16aを起動(作動)させてフィルタ清掃装置Bの運転を開始させ、そしてフィルタ清掃装置Bの運転開始から設定時間Tが経過した後に、モータ16aを停止させてフィルタ清掃装置Bの運転を停止させるマイクロコンピュータ100を備えている。
【0074】
マイクロコンピュータ100には、送風機2の運転が停止したときに連動させてフィルタ清掃装置Bのモータ16aを作動させ、設定時間Tが経過したときにモータ16aを停止させる運転制御手段101と、この運転制御手段101によりモータ16aの起動したときに、動作開始して予め定められている設定時間Tをカウントするタイマ手段102、これらの各機能などが内蔵されている。
【0075】
運転制御手段101は、使用者によるスイッチ操作部9の操作により送風機2の運転が停止(ファンモータ2cが停止)したときに、フィルタ清掃装置Bのモータ16aを起動させ、タイマ手段102によりフィルタ清掃装置Bの運転時間(設定時間T)がカウントされたときに、モータ16aを停止させるように構成されている。
【0076】
タイマ手段102は、運転制御手段102によってフィルタ清掃装置Bのモータ16aが起動した時点で動作を開始し、予め定められている設定時間Tのカウントを開始するように構成されている。
【0077】
[作用説明]
このように構成されている連動運転制御装置52をフィルタ清掃装置Bに備えてなる本実施形態に係るレンジフードAによれば、調理が終わり、使用者によるスイッチ操作部9の操作によって送風機2の運転が停止すると、フィルタ清掃装置Bのモータ16aが起動してフィルタ部材11を駆動回転させ、前記の実施形態のように、フィルタ面11aに付着回収された油脂分や塵埃などの汚れは、フィルタ面11aに沿ってそれぞれ圧接されている付着物除去手段17の第1の付着物除去部材17aおよび第2の付着物除去部材17bによってフィルタ面11aから取り除かれる。
【0078】
[他の実施形態の説明]
また、本実施形態では、フィルタ部材11の駆動回転を逆転させる制御装置を備えている。具体的には、フィルタ部材11の回転角速度を検知してフィルタ部材11の駆動回転を逆回転させるフィルタ監視制御装置53を備えている。
図11は、フィルタ部材の回転角速度を監視するフィルタ監視制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【0079】
フィルタ監視制御装置53は、フィルタ部材11の回動角速度を検知するセンサ54と、このセンサ54により検知された回転角速度値の結果によって、フィルタ部材11のフィルタ面11aから取り除かれて第1,第2の付着物除去部材17a,17bの先端側17a−1,17b−1への汚れの付着堆積度合いやフィルタ面11aへの付着堆積度合いなどを判定するとともに、汚れが付着堆積していると判定したときに、フィルタ清掃装置Bのモータ16aを逆回転させるマイクロコンピュータ200とを備えて構成されている。
【0080】
センサ54は、フィルタ部材11を駆動回転させての清掃中に、例えば、モータ16aの出力軸30の回転角速度を検知するように、出力軸30に位置して配置される。
【0081】
なお、センサ54によるフィルタ部材11の回転角速度の検知としては、モータ16aの出力軸30以外に、例えば、フィルタ部材11の回転中心部をフィルタケース15内に回転可能に支持する回転支軸部材13やフィルタ面11a,11bなどによって直接検知することもできる。
【0082】
マイクロコンピュータ200には、図11に示すように、センサ54により検知された検知回転角速度値ωtと、予め定められている設定回転角速度値ω0とを比較する判定手段201と、この判定手段201により検知回転角速度値ωtが設定回転角速度値ω0より小さいと判定されたときに、フィルタ清掃装置Bのモータ16aを逆回転させてフィルタ部材11を逆転運転させる設定時間Tが経過したときにモータ16aを停止させる逆転運転制御手段202と、この逆転運転制御手段202によりフィルタ部材11が逆転運転を開始したときに、動作を開始して設定時間Tをカウントするタイマ手段203、などの各機能が内蔵されている。
センサ54、判定手段201、逆転運転制御手段202、タイマ手段203は、フィルタ清掃装置Bに運転中に機能するように設定されている。
【0083】
判定手段201は、センサ54から出力されてくる検知回転角速度値ωtと、予め定められている設定回転角速度値ω0とを比較し、検知回転角速度値ωtが設定回転角速度値ω0よりも小さいときに、第1,第2の付着物除去部材17a,17bの先端側17a−1,17b−1に汚れが付着堆積およびフィルタ部材11に汚れが付着堆積していると判定し、フィルタ清掃装置Bのモータ16aを逆回転させるモータ逆回転信号を逆転運転制御手段202に出力するように構成されている。
【0084】
逆転運転制御手段202は、判定手段201から出力されてくるモータ逆回転信号に基づいてモータ16aを逆回転させ、タイマ手段203から出力されてくるカウント信号(モータ停止信号)によりモータ16aの逆転回転を停止するように構成されている。
【0085】
タイマ手段203は、逆転運転制御手段202によってフィルタ清掃装置Bのモータ16aが逆回転してフィルタ部材11が逆転運転を開始した時点で動作を開始し、予め定められている設定時間T(例えば、3〜5分位)をカウントするように構成されている。
【0086】
[作用説明]
つぎに、このように構成されているフィルタ監視制御装置53を備えているフィルタ清掃装置Bを適用させた本実施形態に係るレンジフードAについて説明する。
図12は、フィルタ監視制御装置によるフィルタ部材の回転角速度の監視動作の一例を示すフローチャートである。
フィルタ清掃装置Bの運転中、フィルタ部材11を駆動回転させるモータ16aの出力軸30の回転角速度がセンサ54によって検知され、判定手段201により検知回転角速度値ωtと設定回転角速度値ω0とを比較することをフィルタ監視制御装置53によって逐次実行させる。
具体的に述べると、モータ16aによりフィルタ部材11を駆動回転させて、フィルタ面11aにそれぞれ圧接されている付着物除去手段17の第1,第2の付着物除去部材17a,17bとによってフィルタ面11aから汚れを取り除くフィルタ部材11の清掃中、モータ16aの出力軸30の回転角速度がセンサ54によって検知され(ステップ55)、検知された検知回転角速度値ωtは、判定手段201へと出力される。判定手段201に検知回転角速度値ωtが入力されてくると、判定手段201による検知回転角速度値ωtと設定回転角速度値ω0とを比較する判定が実行される(ステップ56)。
【0087】
判定手段201によって、検知回転角速度値ωtが設定回転角速度値ω0よりも小さいと判定(YESと判定)されると(ステップ56)、第1、第の付着物除去部材17aと第2の付着物除去部材17bに、フィルタ面11aから取り除かれた汚れが付着堆積していると判定し(ステップ57)、逆転運転制御手段202に運転開始信号が出力される。
逆転運転制御手段202は、判定手段201から運転開始信号が入力されてきた時点で、フィルタ清掃装置Bのモータ16aを逆回転させる。つまり、フィルタ部材11の駆動回転を逆回転させる。このとき、検知回転角速度値ωtが設定回転角速度値ω0より小さくないと判定(NOと判定)されると、ステップ55に戻される。
【0088】
モータ16aの逆回転によりフィルタ部材11の駆動回転が逆回転を開始すると、タイマ手段203は、動作を開始し、フィルタ部材11を逆回転させる逆転運転の設定時間Tのカウントを実行する(ステップ58)。
【0089】
タイマ手段203によるフィルタ部材11の逆転運転の設定時間Tのカウントが実行され、設定時間Tに達すると、タイマ手段203から逆転運転制御手段202に運転停止信号が出力される。逆転運転制御手段202は、タイマ手段203から逆転運転停止信号が入力されてきた時点で、フィルタ清掃装置Bのモータ16aの逆回転を停止する。
このとき、フィルタ部材11の逆回転による第1,第2の付着物除去部材17a,17bに対する汚れの付着堆積度合いが改善されず、判定手段201から逆転運転制御手段202に運転開始信号が出力されてくると、タイマ手段203によるフィルタ部材11の逆転運転の設定時間Tがカウント実行された場合でも、モータ16aは停止することなく、継続してフィルタ部材11の駆動回転を逆回転させる。
【0090】
このように、フィルタ監視制御装置53を備えているフィルタ清掃装置Bを適用させた本実施形態に係るレンジフードAによれば、フィルタ面11aから汚れを取り除くときのフィルタ部材11の回転角速度を検知して、その検知結果によってフィルタ部材11の駆動回転を自動的に逆回転させることができので、フィルタ面11aから取り除かれて付着物除去部材17a,17bの先端側17a−1,17b−1に付着堆積した汚れや異物などを、当該先端側17a−1,17b−1から取り除くことができる。
これにより、フィルタ面11aから汚れを取り除く清掃機能を低下させることなく、長期間にわたり使用を継続させることができる。つまり、使用者に対するメンテナンスなどの手間を軽減させることができる。
また、フィルタ部材11を駆動回転させるモータ16aへの過剰負荷などを抑えて、過剰負荷によるモータ16aの短期間での故障を防ぐことができる。つまり、モータ16aの耐用年数を延ばすことができるなどの効果を期待することができる。
【0091】
≪第2の実施形態に係る付着物除去手段の構成≫
つぎに、第2の実施形態に係る付着物除去手段60について説明する。
図13は、第2の実施形態に係る付着物除去手段を示す斜視図および断面図である。
なお、この第2の実施形態に係る付着物除去手段60は、図13の(a)および(b)に示すように、第1の付着物除去部材60aおよび第2の付着物除去部材60bの形態を変え、なおかつ、この第1の付着物除去部材60aと第2の付着物除去部材60bとのそれぞれの先端側60a−1,60b−1をフィルタ部材11のフィルタ面11aにそれぞれ圧接させる手法として、第1,第2両付着物除去部材60a,60bの間にわたり弾装されるバネ材61によって行う構成を採用している。それ以外の構成要素は前記の第1の実施形態と基本的に同じことから同じ符合を付することで重複説明は省略する。
【0092】
すなわち、第1の付着物除去部材60aは、図13の(b)に示すように、支持部材60c内に回動可能に支持された状態において、後端側の回動軸支部62から第2の付着物除去部材60bが移動可能に組み込まれる方向に向けて延設させたバネ受け腕辺部63を備えている。
このバネ受け辺部63には、第2の付着物除去部材60b側に備えられる後記のバネ取付け凹部65と対向する位置にバネ材61の他端側が固着されるバネ取付け凹部64が備えられている。
【0093】
一方、第2の付着物除去部材60bは、先端側60b−1を幅方向両側に分離させ、さらにその分離部分を略ヘラ形状に形成してなる形状を呈している。そして、第2の付着物除去部材60bは、支持部材60cに支持される後端側の端面における長手方向両側に、前記第1の実施例詳述の第2の付着物除去部材17bのバネ取付け凹部38と同じバネ取付け凹部65を備えている。
【0094】
支持部材60cは、前記第1の実施例詳述の支持部材17cと基本的に同じ構造(形状)を呈している。
【0095】
このように形成されている第2の付着物除去手段60によれば、第1の付着物除去部材60aの先端側60a−1と第2の付着物除去部材60bの先端側60b−1のフィルタ部材11のフィルタ面11aに対する圧接を同じ状態に保つことができる。つまり、先端側60a−1,60b−1は、均一(均等)なバネ圧によってフィルタ部材11のフィルタ面11aに圧接される。
また、第2の付着物除去部材60bの先端側60b−1は、第1の付着物除去部材60aの先端側60a−1と略同じヘラ形状としていることで、第1の付着物除去部材60aによる汚れの掻き落し除去後においてフィルタ面11aに付着残留している油脂分や塵埃などの汚れを掻き落すように取り除くことができる。
【0096】
≪第3の実施形態に係る付着物除去手段の構成≫
つぎに、第3の実施形態に係る付着物除去手段70について説明する。
図14は、第3の実施形態に係る付着物除去手段を示す斜視図および断面図であり、図15は、付着物除去手段の下側ケース部の取付け部への取付け状態を示す斜視図であり、図16は、同取り付けた状態を示す平面図および要部を拡大して示す断面図である。
なお、この第3の実施形態に係る付着物除去手段70は、図14の(b)に示すように、第1の付着物除去部材70aの形態を変え、なおかつ、図16の(b)に示すように、支持部材70cをフィルタケース15の取付け部21b側に回転可能に装着してなる構成を採用している。それ以外の構成要素は前記の第1および第2の実施形態と基本的に同じことから同じ符合を付することで重複説明は省略する。
【0097】
すなわち、第1の付着物除去部材70aは、図14の(b)に示すように、円筒形状に形成されている後端側70a−2の回動軸支部72から略ヘラ形状の先端側70a−1を形成してなる形状を呈している。
【0098】
そして、支持部材70cは、第2の付着物除去部材70bが移動可能に装着されている一側長辺側に位置させた両側短辺に回転枢着凸部73を備えている。
これにより、支持部材70cは、図15に示すように、下側ケース15bの取付け開口部23の一側長辺開口縁側における両側短辺口縁側位置して折り曲げ垂設されている両側の回転支持部74の間に回転可能で、かつ、バネ材75によって、第1の付着物除去部材70aが装着されている他側長辺側がフィルタ部材11の方向に常時付勢されるように下側ケース部15の取付け部21bに装着されるようになっている。
つまり、支持部材70cは、図16の(b)に示すように、第1の付着物除去部材70aのバネ材76による回転付勢方向に対して逆向き回転方向に常時付勢されて、両側の枢着部Pを支点とする回転によって第1の付着物除去部材70aが装着されている他側長辺側が、取付け開口部23の他側長辺開口縁の縁辺面に対して接離自在(実線の状態と二点鎖線の状態)となるように取付け部21bに装着される。
【0099】
また、支持部材70cは、図15および図16に示すように、フィルタ部材11の外周側に位置する一側短辺側に、フィルタ部材11方向に向けて突出させた回転動作凸部77を備えている。
この回動動作凸部77は、フィルタ部材11側に備えられる後記の回転起動凸部78に、フィルタ部材11の駆動回転のもとで乗り上げることで、支持部材70cが枢着部Pを支点としてバネ材75による回転付勢方向に抗して回動するように、支持部材7cの一側端側に形成されている。
【0100】
回転起動凸部78は、第2の歯車32に取り付けられているフィルタ部材11の外周の1乃至数ヶ所、図示例では、1ヶ所に略山形凸状に設けられて、フィルタ部材11が一回転する毎に、支持部材70cの回動動作凸部77の乗り上がることを繰り返すようにしている。
【0101】
また、支持部材70cの回動動作凸部77が回動起動凸部78に乗り上げり、支持部材70cが枢着部Pを支点とする回転付勢方向に抗する方向に回転動作したときに(図16(b)の二点鎖線の状態)、第1の付着物除去部材70aの先端側70a−1を接触させて、当該先端側70a−1に付着している汚れ(付着物)を払い落とす接触部79を、取付け開口部23の他側長辺開口縁に沿って備えている。
【0102】
接触部79は、支持部材70cが回転可能で、バネ材75によってフィルタ部材11方向に回転付勢させるように軸支装着されている取付け開口部23の一側長辺開口縁に対し、対向する反対側の他側長辺開口縁に沿って折り曲げ形成されている。
これにより、支持部材70cの回転動作凸部77が回転起動凸部78に乗り上げたときの軸支部Pを支点とする回転付勢方向に抗した支持部材70cの回転動作によって、フィルタ面11aから離れる第1の付着物除去部材70aの先端側70a−1を、該付着物除去部材70aの回転付勢方向の回転によって接触させて、当該先端側70a−1に付着している付着物を払い落とすように構成している。
【0103】
[作用の説明]
つぎに、以上のように構成されている第3の付着物除去手段70を備えているフィルタ清掃装置Bが適用された本実施形態に係るレンジフードBについて簡単に説明する。
図17は、フィルタ部材の駆動回転に伴う第3の付着物除去手段70の動きを示す概略説明図である。
まず、前記した実施例形態詳述のように、汚染空気G中からフィルタ面11aに回収付着されている油脂分や塵埃などの汚れ(付着物)が、駆動回転するフィルタ部材11の一回転中に、図17の(a)および(b)に示すように、フィルタ部材11(フィルタ面11a)にバネ材76によって圧接されている第1の付着物除去部材70aの先端側70a−1によって掻き落すように取り除かれ、図17の(c)に示すように、第1の付着物除去部材70aの先端側70a−1に付着堆積する。
【0104】
そして、フィルタ部材11の駆動回転によって、その外周に備えられている回転起動凸部78が、図17の(a)に示すように、二点鎖線の位置から実線の位置へと移動されてきて支持部材70cの回転動作凸部77へと接近する。すると、図17の(b)に示すように、回転動作凸部77が回転起動凸部78に乗り上げ始める。
回転動作凸部77が回転起動凸部78に乗り上がり始めると、支持部材70cは、図17の(b)〜(d)に示すように、軸支部Pを支点とする回転付勢方向に抗した回転動作方向に徐々に回転する動作を開始する。すると、フィルタ部材11(フィルタ面11a)に圧接されていた第1の付着物除去部材70aの先端側70a−1がフィルタ部材11から徐々に離れる動作を開始する。
先端側70a−1がフィルタ部材11から離れると、第1の付着物除去部材70aは、図17の(b)に示すように、バネ材76による回転付勢方向に回転し始め、同回転付勢方向に存在している接触部79に接触する。
【0105】
そして、さらに継続する回転動作凸部77の回転起動凸部78への乗り上がりが、図17の(d)および(e)に示すように、回転起動凸部78の頂部へと近づき、軸支部Pを支点とする回転付勢方向に抗した支持部材70cのさらなる回転動作によって、第1の付着物除去部材70aの先端側70a−1に付着堆積していた汚れが、接触部79との接触によって先端側70a−1から払い落とされる。
先端側70a−1から払い落とされた汚れ(付着物)は、図17の(f)に示すように、下方のオイルトレイ25に落下して回収される。
以後、前記動作が、駆動回転するフィルタ部材11の一回転ごとに繰り返される。つまり、フィルタ部材11の駆動回転中(フィルタ面11aの清掃中)において、フィルタ部材11の一回転ごとに、フィルタ面11aから取り除かれて第1の付着物除去部材70aの先端側70a−1に付着堆積した付着物を払い落としながらフィルタ面11aから汚れを取り除く清掃を継続させることができる。
【0106】
なお、本発明の実施形態の具体的な構成は、前記した各実施形態に限られるものではなく、請求項1から請求項16に記載の本発明の要旨を逸脱しない範囲で設計変更などがあっても本発明に含まれるものである。
例えば、駆動手段16を構成する動力伝達機構16bを、モータ16aの出力軸30に小径のプーリーを取り付け、フィルタ部材11の外周には大径なプーリーを取り付けて、両プーリーにVベルトやタイミングベルトを巻回架け渡す、または、小径なスプロケット、大径なスプロケットをそれぞれ取り付けて、両スプロケットにチェーンを巻回架け渡すなどによって構成することができる。
また、モータ16aを、減速歯車機構を備えているものとすることができる。
【0107】
また、付着物除去手段17,60,70を、フィルタ部材11の回転中心部からその外周に至るフィルタ部材11の半径直線上に対して、フィルタ部材11(フィルタ面11a)と平行とする斜め線上に位置させて配設することができる。
【0108】
また、回転動作凸部77の乗り上がりによって支持部材70aに回転動作を起させる回転起動凸部78のフィルタ部材11の外周に対する配設を、フィルタ部材11に中心を通る対角線上の2ヶ所に設けるなど数ヶ所に配設することができる。
【0109】
また、フィルタ部材11の駆動回転の逆転は、汚れを取り除くフィルタ面11a,11bの清掃後に、所定の回転数または所定の時間逆転するように設定することができる。また、フィルタ面11a,11bの清掃中にフィルタ部材11の駆動回転(正転)と交互に、1乃至数回または所定の時間逆転するように設定することができる。
また、スイッチ操作部9にフィルタ逆転用スイッチを備えて、使用者によるON操作によってフィルタ部材11が所定の回転数または所定の時間逆転するように設定することができる。
【符号の説明】
【0110】
A レンジフード
B フィルタ清掃装置
1 フード部
2 送風機
7 吐出し口
8 吸込み口
10 排気風路
11 フィルタ部材
11a,11b フィルタ面
11−1 通気孔
15 フィルタケース
15a 上側ケース部
15b 下側ケース部
16 駆動手段
16a モータ
16b 動力伝達機構
17,60,70 付着物除去手段
17a,60a,70a 第1付着物除去部材
17b,60b,70b 第2付着物除去部材
17c,60c,70c 支持部材
21a,21b 取付け部
23 取付け開口部
30 出力軸(モータ)
31 第1の歯車
32 第2の歯車
52 連動運転制御装置
53 フィルタ監視制御装置(制御装置)
77 回転動作凸部
78 回転起動凸部
79 接触部
G 汚染空気

【特許請求の範囲】
【請求項1】
調理中の汚染空気を吸い込み捕獲する吸込み口から汚染空気を屋外に排気する吐出し口に至る排気風路にフィルタ部材を配設しているレンジフードであって、
前記フィルタ部材を回転可能に具備するフィルタ清掃装置を、前記排気風路に、排気上流側と排気下流側とを仕切るように配設してなり、
前記フィルタ清掃装置は、円盤形状に形成されている前記フィルタ部材を駆動回転させる駆動手段と、
前記フィルタ部材のフィルタ面に沿わせて線状または面状に圧接させて、該フィルタ部材に付着している付着物を取り除く付着物除去手段と、を備えてなり、
前記駆動手段は、モータと、
このモータの動力を前記フィルタ部材に伝達する動力伝達機構と、から構成されていることを特徴とするレンジフード。
【請求項2】
前記動力伝達機構は、前記モータにより回転する第1の歯車と、
前記フィルタ部材の外周に沿って設けられて前記第1の歯車に噛合する第2の歯車と、から構成されていることを特徴とする請求項1に記載のレンジフード
【請求項3】
前記付着物除去手段は、前記フィルタ部材の回転中心部近傍からその外周に至る該フィルタ部材の半径直線上に位置して、または、当該半径直線に対して斜め線上に位置して配設されていることを特徴とする請求項1または2に記載のレンジフード。
【請求項4】
前記付着物除去手段は、前記フィルタ部材の回転中心部近傍からその外周に至る程度の長さに形成されて、前記フィルタ部材のフィルタ面に沿わせて線状または面状に圧接させる1乃至複数の付着物除去部材と、
この付着物除去部材を支持する支持部材と、から構成され、
前記付着物除去部材および前記支持部材の何れか一方または双方が、前記フィルタ部材側に付勢されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のレンジフード。
【請求項5】
前記付着物除去部材は、略平面板状に形成されていることを特徴とする請求項4に記載のレンジフード。
【請求項6】
前記付着物除去部材は、油や水分の吸収作用に優れた素材からなるシート材を着脱自在に装着し得るように形成されていることを特徴とする請求項4に記載のレンジフード。
【請求項7】
前記フィルタ部材を挟み、排気風路の排気上流側に面するフィルタ面に沿わせて前記付着物除去手段を配設するとともに、排気風路の排気下流側に面するフィルタ面に沿わせてフィルタ受け部材を配設していることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載のレンジフード。
【請求項8】
前記フィルタ受け部材は、前記フィルタ部材の回転中心部近傍からその外周に至る程度の長さを有する円筒状または円柱状に形成されて、フィルタ面への接触により前記フィルタ部材の駆動回転とともに回転することを特徴とする請求項7に記載のレンジフード。
【請求項9】
前記フィルタ受け部材は、少なくともフィルタ面に接触する外周部分が弾性材料により形成されて、前記フィルタ部材の駆動回転とともに回転するときに、該フィルタ部材に設けられている汚染空気の通気口に弾性的に入り込むようにしていることを特徴とする請求項7または8に記載のレンジフード。
【請求項10】
前記フィルタ清掃装置は、前記フィルタ部材を回転可能に支持収容するユニットケースを備え、
前記ユニットケースは、開口中心部を、前記フィルタ部材の回転中心部と略一致させた汚染空気の通気開口部を備え、該通気開口部に、前記開口中心部からその開口円周縁に至る前記付着物除去手段の取付け部を備えてなり、
前記支持部材は、フィルタ面と平行な軸を中心に回転可能で、かつ、前記フィルタ部材側に付勢回転された状態で前記取付け部に取り付けられ、
前記フィルタ部材の駆動回転によって、前記支持部材が付勢回転方向に抗する回転方向に回転したときに、前記付着物除去部材を接触させて、該付着物除去部材から付着物を取り除くための接触部を前記取付け部に備えていることを特徴とする請求項4〜9の何れかに記載のレンジフード。
【請求項11】
前記支持部材に、前記フィルタ部材側に向けて突出させた回転動作凸部を備え、
前記回転動作凸部と対向する前記フィルタ部材の回転円周上に、該フィルタ部材の駆動回転によって前記回転動作凸部が乗り上げて、前記支持部材を付勢回転方向に抗する回転方向に回転させることを繰り返す回転起動凸部を備えていることを特徴とする請求項4〜10の何れかに記載のレンジフード。
【請求項12】
前記フィルタ部材に、親水性または撥水性の表面処理が施されていることを特徴とする請求項1〜11の何れかに記載のレンジフード。
【請求項13】
汚染空気を吸い込み捕獲する吸引力を発生させる送風機の運転が停止したときに、前記フィルタ清掃装置の運転を開始させる連動運転制御装置を備えていることを特徴とする請求項1〜12の何れかに記載のレンジフード。
【請求項14】
前記フィルタ部材の駆動回転を逆転させる制御装置を備えていることを特徴とする請求項1〜13の何れかに記載のレンジフード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−232005(P2011−232005A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−104594(P2010−104594)
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【出願人】(000237374)富士工業株式会社 (112)
【Fターム(参考)】