説明

レンジ補正プログラム、レンジ補正方法及びレンジ補正装置

【課題】デジタル画像のレンジ補正において過度な補正を抑制すること。
【解決手段】判別量算出部131が、画像データ及びイグジフ情報からEV値、SD点及びHL点を算出する。そして、レンジ補正方式決定部132が、EV値、SD点及びHL点に基づいて補正対象画像がハイキー画像であるかローキー画像であるか薄暗い画像であるかを判定する。そして、レンジ補正実行部133が、ハイキー画像である場合にはSDレンジ抑制を行い、ローキー画像である場合にはHLレンジ抑制を行い、薄暗い画像である場合には、HLSDレンジ抑制を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像のダイナミックレンジを補正するレンジ補正プログラム、レンジ補正方法及びレンジ補正装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラなどで撮影された画像を補正する技術の一つとして、階調レベルのダイナミックレンジを補正するレンジ補正がある。レンジ補正では、画像を構成する画素の階調レベルに関してヒストグラムを作成し、階調レベルの大きいほう及び小さいほうから画素数が所定の割合(例えば1%)にあたる階調レベルをそれぞれハイライト点及びシャドー点として特定する。そして、ハイライト点が最大階調レベルに対応し、シャドー点が最小階調レベルに対応するように各画素の階調レベルを補正する。
【0003】
また、画像を補正する他の技術として、階調補正に用いる補正曲線をハイライト点、シャドー点及びヒストグラムのバランスに基づいて選択する技術も開発されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−77616号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、単にレンジ補正を行うと、ハイライト側に画素が集中している吹雪の画像で雪が降り止んだように見えたり、シャドー側に画素が集中している夜景画像でノイズが出るなどの問題がある。また、ヒストグラムの中央付近のみに画素が集中しているような薄暗い画像でもレンジ補正を行うとノイズが目立つという問題がある。このような問題は、過補正により発生する問題である。
【0006】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、不適切なレンジ補正を抑制し、画質を向上させることができるレンジ補正プログラム、レンジ補正方法及びレンジ補正装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の開示するレンジ補正装置は、一つの態様において、画像を構成する画素の輝度について、明るいほうから画素数が第1の所定の割合にあたる値をハイライト点として特定し、暗いほうから画素数が第2の所定の割合にあたる値をシャドー点として特定するHLSD点特定部と、前記画像のイグジフ情報から露出量を算出する露出量算出部と、前記HLSD点特定部により特定されたハイライト点及びシャドー点並びに前記露出量算出部により算出された露出量に基づいてレンジ補正方式を決定するレンジ補正方式決定部と、前記レンジ補正方式決定部により決定されたレンジ補正方式に基づいて画像のレンジ補正を行うレンジ補正実行部とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本願の開示するレンジ補正プログラム、レンジ補正方法及びレンジ補正装置の一つの態様によれば、画像のレンジ補正において過度なレンジ補正を抑制することによって画質を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本実施例に係る画像処理装置が選択的に実行する4つのレンジ補正方式を説明するための説明図である。
【図2】図2は、本実施例に係る画像処理装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図3】図3は、画像データ記憶部が記憶する画像データ及びイグジフ情報の一例を示す図である。
【図4】図4は、レンジ補正部の構成を示す機能ブロック図である。
【図5】図5は、レンジ補正部の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】図6は、本実施例に係るレンジ補正プログラムを実行するコンピュータの構成を示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、本願の開示するレンジ補正プログラム、レンジ補正方法及びレンジ補正装置の好適な実施例を詳細に説明する。なお、本実施例では、本願の開示する技術を静止画像に適用した場合を中心に説明するが、本願の開示する技術を動画像に適用することもできる。
【実施例】
【0011】
まず、本実施例に係る画像処理装置が選択的に実行する4つのレンジ補正方式について説明する。図1は、本実施例に係る画像処理装置が選択的に実行する4つのレンジ補正方式を説明するための説明図である。図1に示すヒストグラムは、各画素の輝度を0〜255の階調レベルで表した場合の画素の度数を示している。
【0012】
図1(a)は、夜景画像のようにシャドー側に画素が集中するローキー画像につき、該画像を構成する各画素の輝度値について作成したヒストグラムを示す。図1(b)は、吹雪の画像のようにハイライト側に画素が集中するハイキー画像につき、該画像を構成する各画素の輝度値について作成したヒストグラムを示す。図1(c)は、中央付近に画素が集中する薄暗い画像につき、該画像を構成する各画素の輝度値について作成したヒストグラムを示す。図1(d)は、偏りがないその他の画像につき、該画像を構成する各画素の輝度値について作成したヒストグラムを示す。なお、以下の説明では、「ハイライト」をHLで表し、シャドーを「SD」で表す。
【0013】
本実施例に係る画像処理装置は、図1(a)に示すローキー画像に対しては、HL領域のレンジ補正を抑制するHLレンジ抑制を行う。具体的には、SD点を階調レベル0に対応させ、HL点はHL点のままとしてレンジ補正を行う。
【0014】
また、図1(b)に示すハイキー画像に対しては、SD領域のレンジ補正を抑制するSDレンジ抑制を行う。具体的には、SD点はSD点のままとし、HL点を階調レベル255に対応させるレンジ補正を行う。
【0015】
また、図1(c)に示す薄暗い画像に対しては、HL領域及びSD領域のレンジ補正を抑制するHLSDレンジ抑制を行う。すなわち、レンジ補正を行わない。また、その他の画像に対しては、HL領域及びSD領域のいずれも抑制を行わない従来のレンジ補正を行う。
【0016】
また、本実施例に係る画像処理装置は、補正対象の画像がローキー画像であるかハイキー画像であるか薄暗い画像であるかを輝度に関するヒストグラムの特性だけに基づいて判定するのではなく、イグジフ(Exif)情報にも基づいて判定する。ここで、イグジフ情報とは、画像の付加情報であり、解像度、撮影日時、ISO(感度)、シャッタースピード、絞り値などが含まれる。
【0017】
このように、本実施例に係る画像処理装置は、補正対象画像がローキー画像であるかハイキー画像であるか薄暗い画像であるかをSD点、HL点及びイグジフ情報に基づいて判定することによって、レンジ補正を抑制すべきか否かを正確に判定することができる。
【0018】
次に、本実施例に係る画像処理装置100の構成について説明する。図2は、本実施例に係る画像処理装置100の構成を示す機能ブロック図である。図2に示すように、画像処理装置100は、画像入力部110と、画像データ記憶部120と、レンジ補正部130と、明るさ補正部140と、彩度補正部150と、シャープネス部160と、画像出力部170と、UI部180とを有する。
【0019】
画像入力部110は、デジタルカメラなどで撮影された画像のデータ及びイグジフ情報をSDカードから読み込んで画像データ記憶部120に書き込む処理部である。なお、画像入力部110は、SDカードの代わりに、DVDやハードディスクなど他の記憶装置から画像データ及びイグジフ情報を読み込むこともできる。
【0020】
画像データ記憶部120は、画像入力部110によりSDカードから読み込まれた画像データ及びイグジフ情報を記憶する記憶部である。また、画像データ記憶部120は、レンジ補正部130、明るさ補正部140、彩度補正部150及びシャープネス部160により補正が行われた画像データを記憶する。また、画像データ記憶部120は、レンジ補正部130により算出される輝度などのデータも記憶する。
【0021】
図3は、画像データ記憶部120が記憶する画像データ及びイグジフ情報の一例を示す図である。図3に示すように、画像データ記憶部120は、画像データとして各画素のR、G、Bの値を記憶する。なお、ここでは、解像度が1024×1024であり、階調レベルが0〜255である場合を示す。また、画像データ記憶部120は、イグジフ情報として、解像度、絞り値、シャッタースピード、ISOなどを記憶する。
【0022】
レンジ補正部130は、画像データ記憶部120から画像データ及びイグジフ情報を読み出し、レンジ補正を行う処理部であり、補正結果を画像データ記憶部120に書き込む。なお、レンジ補正部130の詳細については後述する。
【0023】
明るさ補正部140は、レンジ補正部130により補正された画像データを画像データ記憶部120から読み出し、暗い画像に対しては明変換を行い、明るい画像に対しては暗変換を行うことによって画像の明るさを補正する処理部である。明るさ補正部140は、補正結果を画像データ記憶部120に書き込む。
【0024】
彩度補正部150は、明るさ補正部140により補正された画像データを画像データ記憶部120から読み出し、画像の彩度すなわち鮮やかさを補正する処理部であり、補正結果を画像データ記憶部120に書き込む。
【0025】
シャープネス部160は、彩度補正部150により補正された画像データを画像データ記憶部120から読み出し、シャープな画像に補正する処理部であり、補正結果を画像データ記憶部120に書き込む。
【0026】
画像出力部170は、シャープネス部160により補正された画像データを画像データ記憶部120から読み出し、利用者の指示に基づいてプリンタまたは表示装置に画像を出力する処理部である。
【0027】
UI部180は、利用者がマウスやキーボードを用いて行う指示を受け付ける処理部である。例えば、UI部180は、利用者からの画像読み込み指示を受け付けて画像入力部110に画像データ及びイグジフ情報の入力を指示し、利用者からの出力装置指定を受け付けて画像出力部170に通知する。
【0028】
次に、レンジ補正部130の詳細について説明する。図4は、レンジ補正部130の構成を示す機能ブロック図である。図4に示すように、レンジ補正部130は、判別量算出部131と、レンジ補正方式決定部132と、レンジ補正実行部133とを有する。
【0029】
判別量算出部131は、画像データ記憶部120から画像データ及びイグジフ情報を読み出して、SD点、HL点、HL点−SD点及び撮影時の露出量を表す値としてEV値を算出する処理部である。ここで、EV値は以下の式により算出される。なお、EV値は理論上は±無限大の値を取り得るが、自然画の撮影環境においては、だいたい−3〜+15の値となる。
EV=log2(絞り値)2−log2(シャッタースピード)−log2(ISO/100)
【0030】
また、判別量算出部131は、各画素についてRGB値から輝度Y=0.299R+0.587G+0.114Bを計算し、256階調レベルのヒストグラムを作成して、SD点及びHL点を算出する。具体的には、判別量算出部131は、階調レベル255から画素数をカウントして総画素数の0.2%に達する階調レベル値をHL点とし、階調レベル0から画素数をカウントして総画素数の0.1%に達する階調レベル値をSD点とする。なお、閾値「0.2%」や「0.1%」は一例であり、他の値とすることもできる。
【0031】
レンジ補正方式決定部132は、画像がハイキー画像であるかローキー画像であるか薄暗い画像であるか、あるいは、その他の画像であるかを判定し、レンジ補正方式を決定する処理部である。ここで、レンジ補正方式決定部132は、画像がハイキー画像であるかローキー画像であるか薄暗い画像であるか、あるいは、その他の画像であるかをEV値、SD点、HL点及びHL点−SD点に基づいて判定する。
【0032】
具体的には、レンジ補正方式決定部132は、以下のようにレンジ補正方式を決定する。
(1)SD点>50かつHL−SD<70
薄暗い画像 ・・・HLSDレンジ抑制
(2)SD点>50かつHL−SD≧70かつEV>8
ハイキー画像・・・SDレンジ抑制
(3)SD点≦50かつHL点<64かつEV<5
ローキー画像・・・HLレンジ抑制
(4)その他
その他の画像・・・従来のレンジ補正
【0033】
このように、レンジ補正方式決定部132がEV値、SD点、HL点及びHL点−SD点に基づいてレンジ補正方式を決定することにより、レンジ補正において過補正をなくし、画質の向上・安定を実現することができる。なお、レンジ補正方式の決定に用いる閾値「50」、「70」、「8」、「64」、「5」は一例であり、他の値とすることもできる。
【0034】
レンジ補正実行部133は、レンジ補正方式決定部132により決定されたレンジ補正方式に基づいてレンジ補正を行う処理部である。すなわち、レンジ補正実行部133は、ハイキー画像に対してはSDレンジ抑制を行い、薄暗い画像に対してはHLSDレンジ抑制を行い、ローキー画像に対してはHLレンジ抑制を行う。
【0035】
次に、レンジ補正部130の処理手順について説明する。図5は、レンジ補正部130の処理手順を示すフローチャートである。図5に示すように、まず、判別量算出部131が、判別量すなわちEV値、SD点、HL点及びHL点−SD点を算出する(ステップS1)。
【0036】
そして、レンジ補正方式決定部132が、SD点が50より大きいか否かを判定し(ステップS2)、SD点が50より大きい場合には、HL点−SD点が70より小さいか否かを判定する(ステップS3)。
【0037】
その結果、HL点−SD点が70より小さい場合には、補正対象画像が薄暗い画像であると判定して、レンジ補正方式をHLSDレンジ抑制と決定する(ステップS4)。一方、HL点−SD点が70より小さくない場合には、EV値が8より大きいか否かを判定する(ステップS5)。
【0038】
その結果、EV値が8より大きい場合には、補正対象画像がハイキー画像であると判定して、レンジ補正方式をSDレンジ抑制と決定する(ステップS6)。一方、EV値が8より大きくない場合には、補正対象画像がその他の画像であると判定して、レンジ補正方式を従来のレンジ補正と決定する(ステップS10)。
【0039】
また、SD点が50より大きくない場合には、HL点が64より小さいか否かを判定する(ステップS7)。その結果、HL点が64より小さい場合には、EV値が5より小さいか否かを判定する(ステップS8)。
【0040】
その結果、EV値が5より小さい場合には、補正対象画像がローキー画像であると判定して、レンジ補正方式をHLレンジ抑制と決定する(ステップS9)。一方、EV値が5より小さくない場合には、補正対象画像がその他の画像であると判定して、レンジ補正方式を従来のレンジ補正と決定する(ステップS10)。
【0041】
そして、レンジ補正実行部133が、レンジ補正方式決定部132により決定された補正方式でレンジ補正を行う(ステップS11)。
【0042】
このように、判別量算出部131が判別量を算出し、レンジ補正方式決定部132が判別量に基づいてレンジ補正方式を決定することによって、レンジ補正を適切に抑制することができる。
【0043】
上述してきたように、本実施例では、レンジ補正部130は、EV値、SD点及びHL点に基づいて補正対象画像がハイキー画像であるかローキー画像であるか薄暗い画像であるかを判定して、レンジ補正方式を決定する。そして、レンジ補正部130は、決定したレンジ補正方式に基づいてレンジ補正を行うこととしたので、レンジ補正を適切に抑制し、画質を向上させることができる。
【0044】
ハイキー画像を従来技術によってレンジ補正すると、高い輝度値の画素を無理やり低い輝度値に変更する補正を行うことになる。この結果、例えば、ハイキー画像である吹雪の画像で雪が降り止んだように見えてしまう画像になってしまうことがある。本実施例によれば、ハイキー画像に対しては、レンジ補正方式をSDレンジ抑制に決定するので、高い輝度値の画素を、無理やり低い輝度値に変更するような補正を抑制することができ、上述のような問題の発生を抑止することが可能になる。
【0045】
また、ローキー画像を従来技術によってレンジ補正すると、低い輝度値の画素を無理やり高い輝度値に変更する補正を行うことになる。この結果、例えば、ローキー画像である夜景画像でノイズが目立つ画像になってしまうことがある。本実施例によれば、ローキー画像に対しては、レンジ補正方式をHLレンジ抑制に決定するので、低い輝度値の画素を、無理やり高い輝度値に変更するような補正を抑制することができ、上述のような問題の発生を抑止することが可能になる。
【0046】
また、輝度値が階調の中央付近に固まっている画像を従来技術によってレンジ補正すると、中程度の輝度値の画素を無理やり高い輝度値や低い輝度値に変更する補正を行うことになる。この結果、例えば、中程度の輝度値付近のみに画素が集中している画像である薄暗い画像でノイズが目立つ画像になってしまうことがある。本実施例によれば、中程度の輝度値付近のみに画素が集中している画像に対しては、レンジ補正方式をHLSDレンジ抑制に決定するので、中程度の輝度値の画素を、無理やり高い輝度値や低い輝度値に変更するような補正を抑制することができ、上述のような問題の発生を抑止することが可能になる。
【0047】
なお、本実施例では、レンジ補正部について説明したが、レンジ補正部の機能をソフトウェアによって実現することで、レンジ補正プログラムを得ることができる。そこで、レンジ補正プログラムを実行するコンピュータについて説明する。
【0048】
図6は、本実施例に係るレンジ補正プログラムを実行するコンピュータの構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、コンピュータ200は、RAM210と、CPU220と、HDD230と、LANインタフェース240と、表示装置250と、DVDドライブ260と、USBインタフェース270とを有する。
【0049】
RAM210は、プログラムやプログラムの実行途中結果などを記憶するメモリであり、CPU220は、RAM210からプログラムを読み出して実行する中央処理装置である。HDD230は、プログラムやデータを格納するディスク装置であり、LANインタフェース240は、コンピュータ200をLAN経由で他のコンピュータに接続するためのインタフェースである。表示装置250は、画像などを表示する装置であり、DVDドライブ260は、DVDの読み書きを行う装置である。USBインタフェース270は、マウス、キーボード、プリンタ、SDカードリーダなどの機器を接続するためのインタフェースであり、複数個の機器を接続することができる。
【0050】
そして、コンピュータ200において実行されるレンジ補正プログラム211は、DVDに記憶され、DVDドライブ260によってDVDから読み出されてコンピュータ200にインストールされる。あるいは、レンジ補正プログラム211は、LANインタフェース240を介して接続された他のコンピュータシステムのデータベースなどに記憶され、これらのデータベースから読み出されてコンピュータ200にインストールされる。そして、インストールされたレンジ補正プログラム211は、HDD230に記憶され、RAM210に読み出されてCPU220によって実行される。
【符号の説明】
【0051】
100 画像処理装置
110 画像入力部
120 画像データ記憶部
130 レンジ補正部
131 判別量算出部
132 レンジ補正方式決定部
133 レンジ補正実行部
140 明るさ補正部
150 彩度補正部
160 シャープネス部
170 画像出力部
180 UI部
200 コンピュータ
210 RAM
211 レンジ補正プログラム
220 CPU
230 HDD
240 LANインタフェース
250 表示装置
260 DVDドライブ
270 USBインタフェース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を構成する画素の輝度について、明るいほうから画素数が第1の所定の割合にあたる値をハイライト点として特定し、暗いほうから画素数が第2の所定の割合にあたる値をシャドー点として特定するHLSD点特定手順と、
前記画像のイグジフ情報から露出量を算出する露出量算出手順と、
前記HLSD点特定手順により特定されたハイライト点及びシャドー点並びに前記露出量算出手順により算出された露出量に基づいてレンジ補正方式を決定するレンジ補正方式決定手順と、
前記レンジ補正方式決定手順により決定されたレンジ補正方式に基づいて画像のレンジ補正を行うレンジ補正実行手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とするレンジ補正プログラム。
【請求項2】
前記レンジ補正方式決定手順は、画像がローキー画像であるかハイキー画像であるか薄暗い画像であるかを前記ハイライト点及びシャドー点並びに露出量に基づいて判定し、ローキー画像に対してはハイライト領域でのレンジ補正を抑制するHLレンジ抑制にレンジ補正方式を決定し、ハイキー画像に対してはシャドー領域でのレンジ補正を抑制するSDレンジ抑制にレンジ補正方式を決定し、薄暗い画像に対してはハイライト領域及びシャドー領域でのレンジ補正を抑制するHLSDレンジ抑制にレンジ補正方式を決定することを特徴とする請求項1に記載のレンジ補正プログラム。
【請求項3】
前記レンジ補正方式決定手順は、シャドー点が第1の閾値より大きく、かつ、ハイライト点とシャドー点との差が第2の閾値より小さい場合には、画像が薄暗い画像であると判定し、シャドー点が第1の閾値より大きく、かつ、ハイライト点とシャドー点との差が第2の閾値以上であり、かつ、露出量が第3の閾値よりも大きい場合には、画像がハイキー画像であると判定し、シャドー点が第1の閾値以下であり、かつ、ハイライト点が第4の閾値より小さく、かつ、露出量が第5の閾値よりも小さい場合には、画像がローキー画像であると判定することを特徴とする請求項2に記載のレンジ補正プログラム。
【請求項4】
画像を構成する画素の輝度について、明るいほうから画素数が第1の所定の割合にあたる値をハイライト点として特定し、暗いほうから画素数が第2の所定の割合にあたる値をシャドー点として特定するHLSD点特定ステップと、
前記画像のイグジフ情報から露出量を算出する露出量算出ステップと、
前記HLSD点特定ステップにより特定されたハイライト点及びシャドー点並びに前記露出量算出ステップにより算出された露出量に基づいてレンジ補正方式を決定するレンジ補正方式決定ステップと、
前記レンジ補正方式決定ステップにより決定されたレンジ補正方式に基づいて画像のレンジ補正を行うレンジ補正実行ステップと
を含んだことを特徴とするレンジ補正方法。
【請求項5】
画像を構成する画素の輝度について、明るいほうから画素数が第1の所定の割合にあたる値をハイライト点として特定し、暗いほうから画素数が第2の所定の割合にあたる値をシャドー点として特定するHLSD点特定部と、
前記画像のイグジフ情報から露出量を算出する露出量算出部と、
前記HLSD点特定部により特定されたハイライト点及びシャドー点並びに前記露出量算出部により算出された露出量に基づいてレンジ補正方式を決定するレンジ補正方式決定部と、
前記レンジ補正方式決定部により決定されたレンジ補正方式に基づいて画像のレンジ補正を行うレンジ補正実行部と
を備えたことを特徴とするレンジ補正装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−237878(P2010−237878A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−83759(P2009−83759)
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】