レンズ鏡筒およびレンズ鏡筒システム
【課題】落下時の姿勢や衝撃力の作用状態の変化に対しても安定した強度が得られ、構成部品の数を抑えたレンズ鏡筒を提供する。
【解決手段】レンズ鏡筒1は、固定枠2に回転,進退可能に支持される回転枠3と、回転枠3に進退可能に支持され、3組のカム溝とカムフォロアとを介して前方に繰り出し可能な直進枠4とを有しており、直進枠4の前端面4bには、カムフォロアの光軸O方向の前方の領域を避けた位置に3つの突起部4d1,4d2,4d3を設けている。もし、レンズ鏡筒1が直進枠側から落下した場合、外部障害物に突起部4d1,4d2,4d3のいずれかが突き当たるが、該突起部がカムフォロアの前方の領域を避けて配されていることから衝撃力は、少なくとも2つのカムフォロアで受けて分散されることになり、カムフォロアの嵌合の外れやカム溝の破損を抑えることが可能となる。
【解決手段】レンズ鏡筒1は、固定枠2に回転,進退可能に支持される回転枠3と、回転枠3に進退可能に支持され、3組のカム溝とカムフォロアとを介して前方に繰り出し可能な直進枠4とを有しており、直進枠4の前端面4bには、カムフォロアの光軸O方向の前方の領域を避けた位置に3つの突起部4d1,4d2,4d3を設けている。もし、レンズ鏡筒1が直進枠側から落下した場合、外部障害物に突起部4d1,4d2,4d3のいずれかが突き当たるが、該突起部がカムフォロアの前方の領域を避けて配されていることから衝撃力は、少なくとも2つのカムフォロアで受けて分散されることになり、カムフォロアの嵌合の外れやカム溝の破損を抑えることが可能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズ鏡筒およびレンズ鏡筒外付け部材が着脱可能なレンズ鏡筒システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、落下等による衝撃力に対してレンズ鏡筒を保護するための保護構造に関して、各種の提案がなされている。特許文献1に開示されたものは、固定筒内に進退可能に支持され、変倍レンズを保持する移動環と該移動環を進退駆動するためのカム筒とを有するレンズ鏡筒に関するものであって、上記移動環の外周部には上記固定筒やカム筒に設けられるカム溝に摺動可能に嵌入するコロ(カムフォロア)を設けられている。上記コロは、弾性変形可能な板部材を介して上記移動環に取り付けられている。したがって、上記移動環に落下等による衝撃力が作用した場合、上記板部材が弾性変形することにより上記衝撃力が吸収され、上記コロのカム溝からの外れやカム溝の損傷が防止される。
【0003】
また、特許文献2に開示されたものは、レンズ鏡筒においてその先端部に装着される合成樹脂製の筒状部材に周方向に沿った長穴を複数個設けたものである。上記長穴は、筒部材の軸方向に弾性変形が可能な形状を有しており、上記長穴の前方位置に突起部が配されている。また、上記筒状部材の先端には、フィルタを装着するためのフィルタ枠が上記突起部が当接する状態で嵌入している。このレンズ鏡筒において落下等による衝撃力が上記フィルタ枠に作用した場合、突起部を介して上記長穴部が弾性変形し、上記衝撃力が吸収される。したがって、上記筒状部材、あるいは、該筒状部材に連結されている内蔵部品の変形や破損が防止される。
【特許文献1】特開平8−160277号公報
【特許文献2】特開平9−211286号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1に開示されたレンズ鏡筒では、上記コロを支持するための弾性変形する上記板部材が必要であり、構成部品点数が増える。衝撃力が作用した場所によりコロが受ける衝撃力が変化するので安定した衝撃力の吸収ができない。また、該板部材を配設するためのスペースを確保する必要があり、レンズ鏡筒のコンパクト化、小型化の支障となる。
【0005】
特許文献2に開示されたレンズ鏡筒においても上記筒状部材に上記複数の長穴を設ける必要があり、上記長穴を隠すための部材が必要になるため、レンズ鏡筒の十分な小型化ができない。また、上記筒状部材は、合成樹脂製の部材であることが必要であり、部材の材料に制限がある。
【0006】
本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、構成部品数を抑えつつ、落下時の姿勢や衝撃力の作用状態の変化に対しても安定した強度が得られるレンズ鏡筒、または、レンズ鏡筒外付け部材が着脱可能なレンズ鏡筒システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1記載のレンズ鏡筒は、複数のカム溝を有する第一の枠部材と、複数の上記カム溝の各々に係合する第一のカムフォロアと第二のカムフォロアとを有する第二の枠部材と、上記第二の枠部材が延在する方向に沿った中心軸と第一のカムフォロアとを含む第一の平面と、上記第一のカムフォロアに隣接する第二のカムフォロアと上記中心軸とを含む第二の平面とに挟まれた領域内で、且つ、上記第二の枠部材の端面よりも上記中心軸方向の外側に突出する外部接触部材とを有する。
【0008】
本発明の請求項2に記載のレンズ鏡筒は、請求項1に記載のレンズ鏡筒において、上記外部接触部材は、上記第二の枠部材の外周よりも内側領域にて上記中心軸方向の外側に突出している。
【0009】
本発明の請求項3に記載のレンズ鏡筒は、請求項1に記載のレンズ鏡筒において、上記外部接触部材は、上記第二の枠部材の端面に形成される。
【0010】
本発明の請求項4に記載のレンズ鏡筒システムは、複数のカム溝を有する第一の枠部材と、複数の上記カム溝の各々に係合する第一のカムフォロアと第二のカムフォロア、および、外付け部材を位置決め固定するための取付け部を有する第二の枠部材とを有するレンズ鏡筒と、上記取付け部と係合する係合部と、上記取付け部と係合部とを係合して位置決め固定させた時、上記第二の枠部材が延在する方向に沿った中心軸と上記第一のカムフォロアとを含む第一の平面と、上記中心軸と上記第一のカムフォロアに隣接する上記第二のカムフォロアとを含む第二の平面とに挟まれた領域にて上記第二の枠部材の端面よりも上記中心軸方向の外側に突出する外部接触部材とを有するレンズ鏡筒外付け部材とからなる。
【0011】
本発明の請求項5に記載のレンズ鏡筒システムは、請求項4に記載のレンズ鏡筒システムにおいて、レンズ鏡筒外付け部材がレンズフードである。
【0012】
本発明の請求項6に記載のレンズ鏡筒システムは、請求項4に記載のレンズ鏡筒システムにおいて、レンズ鏡筒外付け部材が保護キャップである。
【0013】
本発明の請求項7に記載のレンズ鏡筒システムは、請求項4に記載のレンズ鏡筒システムにおいて、レンズ鏡筒外付け部材が光学フィルタが保持されるフィルタ保持部材である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、構成部品の数を抑え、落下時の姿勢や衝撃力の作用状態の変化に対しても安定した強度が得られるレンズ鏡筒を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図を用いて本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の第一の実施形態のレンズ鏡筒の分解斜視図である。図2は、上記レンズ鏡筒の直進枠の正面図である。図3は、図1のA−A断面図であって、上記レンズ鏡筒における回転枠のカム溝断面形状を示す。図4は、図2のB−B断面図であって、上記直進枠の先端部の断面形状を示す。図5は、上記レンズ鏡筒の上記直進枠が障害物に突き当たった状態を示す図である。
【0016】
本実施形態のレンズ鏡筒1は、カメラ本体側に固定される固定枠2と、固定枠2の内に回転,進退可能に嵌入される第一の枠部材である金属、または、樹脂製筒形状の回転枠3と、回転枠3内に嵌入され、固定枠に対して直進ガイドされた状態で回転枠3により進退駆動される第二の枠部材である金属、または、樹脂製筒形状の直進枠4と、直進枠4を直進ガイドするための直進ガイドキー5とを有しており、回転枠3および直進枠4とは、直進枠4に保持される撮影レンズ6の光軸Oと一致する中心軸をもつ。但し、レンズ鏡筒の構造によっては、上記中心軸と光軸Oとは必ずしも一致するとは限らないが、少なくとも上記中心軸と光軸Oとは、略平行な軸である。また、以下の説明で光軸O方向の被写体側を前方として説明する。
【0017】
固定枠2にはその内周部に雌ヘリコイドネジ2aおよび直進ガイド溝(図示せず)と、内周前方部に周方向ガイド溝2bが設けられ、さらに、内周部に回転枠3を回転駆動するための駆動ギヤ(図示せず)が配されている。
【0018】
回転枠3には後方外周部に上記駆動ギヤに噛合するギヤ部3aと固定枠2の雌ヘリコイドネジ2aに螺合する雄ヘリコイドネジ3bが重畳して設けられ、内周部に光軸Oに対して斜行する3本(1本のみ図示)のカム溝3cとが設けられる。
【0019】
直進枠4は、光軸Oを有する撮影レンズ6を保持しており、後方外周3分割位置に回転枠3のカム溝3cに摺動可能に嵌入する第一、または、第二のカムフォロアを構成する3つのカムフォロア7a1,7a2,7a3が配され、内周部には光軸Oに平行な2本の直進ガイド溝4cが設けられている。なお、カムフォロア7a1,7a2,7a3は、図3に示すようにそれぞれ回転枠3のテーパー面をもつカム溝3cに嵌入するものとする。
【0020】
さらに、直進枠4の前端面4bには図2,4に示すように外部接触部材を形成する光軸O前方方向に突出する凸球面形状の3つの突起部4d1,4d2,4d3がカムフォロア7a1,7a2,7a3の位置に関連して配されている。
【0021】
すなわち、突起部4d1は、直進枠4が延在する中心軸方向と一致する光軸Oおよびカムフォロア7a1の中心軸とを通る第一の平面と、上記光軸Oおよびカムフォロア7a2の中心軸を通る第二の平面とに挟まれ、外周部4aとレンズ開口部で囲まれた第三の平面領域に配される。具体的には突起部4d1は、図2で前端面4b上のカムフォロア7a1中心の光軸O方向の延長線と光軸Oとを通るL1 線とカムフォロア7a2中心の光軸O方向の延長線と光軸Oとを通るL2 線とに囲まれた領域4b1に配される。
【0022】
同様に突起部4d2も、図2で前端面4b上の上記L2 線とカムフォロア7a3中心の光軸O方向の延長線と光軸Oとを通るL3 線とに囲まれた領域4b2に配される。また、突起部4d3も、図2で前端面4b上にて上記L3 線と上記L1 線とに囲まれた領域4b3に配される。
【0023】
直進ガイドキー5には、円環部外周に突出し、固定枠2の直進ガイド溝に嵌入する突起5b,5cと、光軸O方向の前方(撮影レンズ側)に沿って延出する2本の直進ガイド5aとが設けられる。
【0024】
この直進ガイドキー5は、固定枠2の内周部に突起5b,5cを嵌入した状態で回転枠3の後端部に装着され、回転枠3に対して回転方向には相対回転可能で、光軸O方向には、一体の状態で支持される。そして、突起5b,5cは、固定枠2の直進溝に摺動可能に嵌入し、直進ガイド5aは、直進枠4の直進ガイド溝4cに摺動可能に嵌入する。
【0025】
上述した構成を有するレンズ鏡筒1において、回転枠3および直進枠4が固定枠2内に繰り込まれた状態で回転枠3が所定の方向に上記駆動ギヤを介して所定の角度だけ回動駆動されると、回転枠3は、雌ヘリコイドネジ2aを介して固定枠2から回動しながら繰り出された後、ギヤ部3a,雄ヘリコイドネジ部3bが固定枠2の周方向ガイド溝2bに嵌まり込んだ状態となる。直進枠4は、カム溝3cとカムフォロア7a1,7a2,7a3を介して回転枠3と共に繰り出され、さらに、回転枠3から突出した撮影可能なテレ位置に直進状態で繰り出される。その後のさらなる回転枠3の回動によって直進枠4は、ワイド位置からテレ位置に進退移動する。
【0026】
レンズ鏡筒1の直進枠4は、上述した固定枠2に繰り込まれた状態、および、撮影可能なワイド位置、または、テレ位置に繰り出された状態にて、直進枠4の前端面4bは、常にレンズ鏡筒1の表面に露呈し、突起部4d1,4d2,4d3は、外部と当接可能な状態にある。
【0027】
レンズ鏡筒1が繰り込み状態あるいは繰り出し状態にあるとき(但し、レンズ鏡筒1が沈胴式のものである場合は、繰り出し状態にあるときのみ)、直進枠4の前端面4b側を下方にして外部障害物8、例えば、床面や地面に落下させた場合、図5に示すように突起部4d1,4d2,4d3のいずれか1つ、または、複数が衝突初期において外部障害物8に当たり、直進枠4のカムフォロア7a1,7a2,7a3のいずれか2つ以上と回転枠3のカム溝3cとの間でその衝撃力F0 を受ける。
【0028】
もし、直進枠に上述した突起部4d1,4d2,4d3が配されていない従来のレンズ鏡筒にて、ピン直下、または、その周辺で落下した場合には、その衝撃力は、1本のカムフォロアに作用してしまうことになる。そして、カム溝3cが上述したようにテーパ面を有していればカムフォロア7a1,7a2,7a3との間に嵌合が外れる方向の分力が発生し、直進枠、または、回転枠が変形してカム溝3cとの嵌合が外れてしまったり、あるいは、カム溝3cを傷つけたり、カムフォロアを破損してしまうおそれがあった。
【0029】
これに対して本実施形態のレンズ鏡筒1においては、前述したように突起部4d1,4d2,4d3がカムフォロア7a1,7a2,7a3の間の領域4b1,4b2,4b3に配されており、該突起部4d1,4d2,4d3のいずれかに上記衝撃力F0 が作用したとしても該衝撃力を少なくとも隣り合う第一と第二の2本のカムフォロアで分散して受けることになる。したがって、1本のカムフォロアで受ける力が減じられ、カムフォロア嵌合の外れやカムフォロアの破損、あるいは、カム溝を損傷する等の不具合発生を抑えることが可能になる。
【0030】
なお、本実施形態では、突起部4d1,4d2,4d3が直進枠4に一体的に設けられているが、これに限らず、例えば、直進枠4の前端面に貼付される飾り板等の板状部材に上記突起部4d1,4d2,4d3を設けた構成を採用しても同様の効果が得られる。また、本実施形態における突起部4d1,4d2,4d3は、球面形状を有しているがこれ以外の凸状であっても同様の効果が得られる。
【0031】
上述したように本実施形態のレンズ鏡筒1によれば、直進枠4に対して所定の位置に突起部4d1,4d2,4d3を配するのみで落下等の耐衝撃性の高いものが得られ、複数のカムフォロア7a1,7a2,7a3に対応した複数の突起部4d1,4d2,4d3が設けられていることからいずれの方向に傾いた落下姿勢にも対応できる。また、上記突起部のための配設スペ−スは極めて少なく、部品数を抑え、コンパクト化の支障とならない耐衝撃性の高いレンズ鏡筒が提供できる。
【0032】
次に、本発明の第二の実施形態のレンズ鏡筒について、図6〜8を用いて説明する。
図6は、本実施形態のレンズ鏡筒の直進枠の斜視図である。図7は、上記直進枠の正面図である。図8は、上記直進枠が障害物に突き当たった状態を示す図である。
【0033】
本実施形態のレンズ鏡筒は、前記第一の実施形態のレンズ鏡筒1に対して直進枠4Aの前端面の形状のみが異なる。他の固定枠2,回転枠3,直進ガイドキー5、さらに、直進枠4Aに保持される撮影レンズ6およびカムフォロア7a1,7a2,7a3は、同様のものを適用する。その同様の構成部材に対しては、図1と同一の符号を付し、以下、異なる部分について説明する。
【0034】
本実施形態のレンズ鏡筒に適用される直進枠4Aには、その前端面4Abの3カ所を切り欠いて図6,7に示すように3つの凹部4Ae1,4Ae2,4Ae3が所定の位置に設けられている。
【0035】
凹部4Ae1は、図7の前端面4Ab上でカムフォロア7a1中心の光軸O方向の延長線と光軸Oとを通るL1 線を含む領域に配される。凹部4Ae2は、図7の前端面4Ab上でカムフォロア7a2中心の光軸O方向の延長線と光軸Oとを通るL2 線を含む領域に配される。凹部4Ae3は、図7の前端面4Ab上でカムフォロア7a3中心の光軸O方向延長線と光軸Oとを通るL3 線を含む領域に配される。
【0036】
このレンズ鏡筒では凹部4Ae1,4Ae2,4Ae3の間にある3つに分割された前端面4Abが突状の外部接触部材となる。これらの分割前端面4Abは、直進枠の延在する中心軸方向と一致する光軸Oおよび1つのカムフォロアの中心軸を通る第一の平面と、上記光軸Oおよび該カムフォロアに隣り合うカムフォロアの中心軸を通る第二の平面とに挟まれ、外周部4Aaとレンズ開口部で囲まれた第三の平面領域に配されることになる。
【0037】
本実施形態のレンズ鏡筒が繰り込み状態あるいは繰り出し状態にあるとき(但し、レンズ鏡筒が沈胴式のものである場合は、繰り出し状態にあるときのみ)、直進枠4Aの前端面4Ab側を下方にして外部障害物8、例えば、床面や地面に落下させた場合、図8に示すように分割された前端面4Abのいずれか1つ、または、複数が衝突初期において外部障害物8に当たり、直進枠4Aのカムフォロア7a1,7a2,7a3のいずれかと回転枠3のカム溝3cとの間でその衝撃力F0 を受ける。
【0038】
しかし、上述したように3つに分割された前端面4Abがカムフォロア7a1,7a2,7a3の間の領域にあり、該前端面4Abに上記衝撃力F0 が作用したとしても該衝撃力を少なくとも隣り合う2本のカムフォロアで分散して受けることになる。したがって、1本のカムフォロアで受ける力が減じられ、カムフォロア嵌合の外れやカムフォロアの破損、あるいは、カム溝を損傷する等の不具合発生を抑えることが可能となる。
【0039】
このように本実施形態のレンズ鏡筒においても第一の実施形態のレンズ鏡筒1と同様の効果を奏することができる。
【0040】
次に、本発明の第三の実施形態のレンズ鏡筒について、図9〜11を用いて説明する。
図9は、本実施形態およびその変形例のレンズ鏡筒の直進枠とレンズキャップの斜視図である。図10は、上記直進枠に装着したレンズキャップの正面図である。図11は、上記直進枠に装着したレンズキャップが障害物に突き当たった状態を示す図である。
【0041】
本実施形態のレンズ鏡筒は、前記第一の実施形態のレンズ鏡筒1に対して直進枠4Bにレンズ鏡筒外付け部材であるレンズキャップ(保護キャップ)9が着脱可能なものである。他の固定枠2,回転枠3,直進ガイドキー5、さらに、直進枠4Bに保持される撮影レンズ6およびカムフォロア7a1,7a2,7a3は、同様のものを適用する。その同様の構成部材に対しては、図1と同一の符号を付し、以下、異なる部分について説明する。
【0042】
直進枠4Bの前面に着脱可能なレンズキャップ9は、外部接触部材を形成する頂点9aのある球面状表面を有する部材である。
【0043】
本実施形態のレンズ鏡筒が繰り込み状態あるいは繰り出し状態にあってレンズキャップ9を直進枠4Bに装着した状態でレンズキャップ9側を下方にして外部障害物8、例えば、床面や地面に落下させた場合、図11に示すようにレンズキャップ9の球面部が衝突初期において外部障害物8に当たる。
【0044】
レンズキャップ9の球面部で受けた衝撃力F0 は、直進枠4Bのカムフォロア7a1,7a2,7a3にそれぞれ分散され、回転枠3のカム溝3cで受ける。したがって、1本のカムフォロアで受ける力が減じられ、カムフォロア嵌合の外れやカムフォロアの破損、あるいは、カム溝を損傷する等の不具合発生を抑えることが可能となる。
【0045】
本実施形態のレンズ鏡筒を適用するカメラでは、不用意にカメラを落下、あるいは、障害物にぶつけるようなときには、レンズ鏡筒にレンズキャップを被せているときが多いと考えられ、そのような状態での上述したカムフォロアの破損やカム溝の損傷がより有効的に防止できる。
【0046】
上述したレンズキャップ9は、球面状表面を有するものであったが、それに対する変形例のキャップ9Aとして外部接触部材を形成する1つの凸部頂点9Aaを有する凸曲面の表面を有する外付け部材としてのレンズキャップを提案することもできる。
【0047】
この変形例のレンズキャップ9Aの表面の凸部頂点9Aaの位置は、図10に示す三角領域9c上にあるものとする。三角領域9cは、直進枠4Bに変形例のレンズキャップ9Aを装着した状態にて共通の光軸Oと、それぞれカムフォロア7a1,7a2,7a3の中心の光軸O方向延長線とを通る図10に示されるL1 ,L2 ,L3 線を避けた位置に三角形頂点がある三角形の領域とする。
【0048】
このレンズキャップ9Aは、凸部頂点9Aaの位置を三角形の領域内とするために直進枠4Bに対し、その装着位置を規制する必要がある。直進枠4Bのカムフォロア7a1,7a2,7a3の前方位置にそれぞれ凹部4Bfを設け、レンズキャップ9A側には、該凹部4Bfに係合する凸部9Acを設ける。レンズキャップ装着時、凹部4Bfに凸部9Acを係合させる。したがって、レンズキャップ9Aの装着状態では、レンズキャップ9Aの凸部頂点9Aaが必ず上記三角形の領域に位置する。
【0049】
本変形例のレンズキャップを直進枠4Bに装着した状態でレンズキャップ側から落下させた場合も本レンズキャップの凸部頂点9Aaの近傍が衝突初期にて外部障害物8に当たる。該レンズキャップの該凸部頂点近傍で受けた衝撃力は、直進枠4Bのカムフォロア7a1,7a2,7a3の少なくとも2つにそれぞれ分散され、回転枠3のカム溝3cで受ける。したがって、1本のカムフォロアで受ける力が減じられ、カムフォロア嵌合の外れやカムフォロアの破損、あるいは、カム溝を損傷する等の不具合発生を抑えることが可能となる。なお、本変形例では凹部4Bfの形成箇所は3つとしているが、特にその数は限定されない。
【0050】
次に、本発明の第四の実施形態のレンズ鏡筒について、図12,13を用いて説明する。
図12は、本実施形態のレンズ鏡筒の直進枠とレンズキャップの斜視図である。図13は、上記直進枠に装着したレンズキャップが障害物に突き当たった状態を示す図である。
【0051】
本実施形態のレンズ鏡筒は、前記第一の実施形態のレンズ鏡筒1に対して直進枠4Cにレンズ鏡筒外付け部材であるレンズキャップ(保護キャップ)11が着脱可能なものである。他の固定枠2,回転枠3,直進ガイドキー5、さらに、直進枠4Cに保持される撮影レンズ6およびカムフォロア7a1,7a2,7a3は、同様のものを適用する。その同様の構成部材に対しては、図1と同一の符号を付し、以下、異なる部分について説明する。
【0052】
直進枠4Cの外周4Caの前方部には、図12に示すようにカムフォロア7a1,7a2,7a3の前方対応位置にそれぞれ凹部4Cfが設けられる。
【0053】
直進枠4Cの前面に着脱可能なレンズキャップ11は、前端面11b上に光軸O前方方向に突出する凸球面形状の外部接触部材である3つの突起部11d1,11d2,11d3を有し、さらに、直進枠4Cとの嵌合部内周に凹部4Cfと係合する凸部11cが設けられた外付け部材である。
【0054】
レンズキャップ11の3つの突起部11d1,11d2,11d3は、レンズキャップ11を直進枠4Cに対して凸部11cを凹部4Cfに係合させて装着した状態で所定の関係位置に位置する。
【0055】
詳しく説明すると、直進枠4Cにレンズキャップ11を装着した状態にて突起部11d1は、直進枠が延在する中心軸方向と一致する光軸Oおよびカムフォロア7a1の中心軸を通る第一の平面と、光軸Oとカムフォロア7a2の中心軸を通る第二の平面とに挟まれ、レンズキャップ外周部で囲まれた第三の平面領域に配される。具体的には突起部11d1は、図12に示すように前端面11b上のカムフォロア7a1中心の光軸O方向延長線と光軸Oとを通るL1 線と、カムフォロア7a2中心の光軸O方向延長線と光軸Oとを通るL2 線とに囲まれた領域11b1に配される。
【0056】
同様に突起部11d2も、前端面11b上の上記L2 線とカムフォロア7a3中心の光軸O方向延長線と光軸Oとを通るL3 線とに囲まれた領域11b2に配される。また、突起部11d3も、前端面11b上にて上記L3 線と上記L1 線とに囲まれた領域11b3に配される。
【0057】
本実施形態のレンズ鏡筒が繰り込み状態あるいは繰り出し状態にあって、レンズキャップ11を直進枠4Cに装着した状態でレンズキャップ11側を下方にして外部障害物8、例えば、床面や地面に落下させた場合、図13に示すようにレンズキャップ11の突起部11d1,11d2,11d3のいずれか1つ、または、複数が衝突初期において外部障害物8に当たる。
【0058】
レンズキャップ11の上記突起部で受けた衝撃力F0 は、直進枠4Cのカムフォロア7a1,7a2,7a3のいずれか2つ、または、3つに略分散して回転枠3のカム溝3cで受ける。したがって、1本のカムフォロアで受ける力が減じられ、カムフォロア嵌合の外れやカムフォロアの破損、あるいは、カム溝を損傷する等の不具合発生を抑えることが可能になる。
【0059】
本実施形態のレンズ鏡筒を適用するカメラでも第三実施形態の場合と同様に、レンズキャップを装着した状態で不用意にカメラを落下、あるいは、障害物にぶつけたときのカムフォロアの破損やカム溝の損傷をより有効的に抑えることが可能になる。なお、本実施形態では、凹部4Cfの形成箇所は3つとしたが、特にその数は限定されない。
【0060】
次に、本発明の第五の実施形態のレンズ鏡筒について、図14,15を用いて説明する。
図14は、本実施形態のレンズ鏡筒の直進枠とレンズキャップの斜視図である。図15は、上記直進枠に装着したレンズキャップが障害物に突き当たった状態を示す図である。
【0061】
本実施形態のレンズ鏡筒は、前記第一の実施形態のレンズ鏡筒1に対して直進枠4Dにレンズ鏡筒外付け部材であるレンズキャップ(保護キャップ)12が着脱可能なものである。他の固定枠2,回転枠3,直進ガイドキー5、さらに、直進枠4Dに保持される撮影レンズ6およびカムフォロア7a1,7a2,7a3は、同様のものを適用する。その同様の構成部材に対しては、図1と同一の符号を付し、以下、異なる部分について説明する。
【0062】
直進枠4Dの外周4Daの前方部には、図14に示すようにカムフォロア7a1,7a2,7a3の前方対応位置にそれぞれ凹部4Dfが設けられる。
【0063】
直進枠4Dの前面に着脱可能なレンズキャップ12は、図14に示すように前端面12b上に3つの凹部12e1,12e2,12e3を有し、さらに、直進枠4Dとの嵌合部内周に凹部4Dfと係合する凸部12cが設けられた外付け部材である。
【0064】
レンズキャップ12の3つの凹部12e1,12e2,12e3は、その前端面12bの3カ所を切り欠いて所定の位置に設けられる。
【0065】
すなわち、凹部12e1は、直進枠4Dにレンズキャップ12を装着した状態で前端面12b上でカムフォロア7a1中心の光軸O方向の延長線と光軸Oとを通るL1 線を含む領域に配される。凹部12e2は、前端面12b上でカムフォロア7a2中心の光軸O方向の延長線と光軸Oとを通るL2 線を含む領域に配される。凹部12e3は、前端面12b上でカムフォロア7a3中心の光軸O方向延長線と光軸Oとを通るL3 線を含む領域に配される。
【0066】
このレンズキャップ12では、凹部12e1,12e2,12e3の間にある3つに分割された前端面12bが突起状の外部接触部材となる。これらの分割前端面12bは、直進枠の延在する中心軸方向と一致する光軸Oおよび1つのカムフォロアの中心軸を通る第一の平面と、該光軸Oおよび該カムフォロアに隣り合うカムフォロアの中心軸を通る第二の平面とに挟まれ、外周部4Daで囲まれた第三の平面領域に配される。
【0067】
本実施形態のレンズ鏡筒にレンズキャップ12を装着し、繰り込み状態あるいは繰り出し状態にあるとき、レンズキャップ12を下方にして外部障害物8、例えば、床面や地面に落下させた場合、図15に示すように分割前端面12bのいずれか1つ、または、複数が衝突初期において外部障害物8に当たり、その衝撃力F0 は、直進枠4Dのカムフォロア7a1,7a2,7a3のいずれかと回転枠3のカム溝3cで受ける。
【0068】
ここで、上述のように3つに分割された前端面12bがカムフォロア7a1,7a2,7a3の間の領域にあり、該前端面12bに上記衝撃力F0 が作用したとしても該衝撃力を少なくとも隣り合う2本のカムフォロアで分散して受けることになる。したがって、1本のカムフォロアで受ける力が減じられ、カムフォロア嵌合の外れやカムフォロアやカム溝を損傷を抑えることが可能になる。
【0069】
このように本実施形態のレンズ鏡筒においても第三の実施形態のレンズ鏡筒やその変形例と同様の効果を奏することができる。なお、本実施形態では、凹部4Dfの形成箇所は3つとしたが、特にその数は限定されない。
【0070】
次に、本発明の第六の実施形態のレンズ鏡筒について、図16,17を用いて説明する。
図16は、本実施形態のレンズ鏡筒の直進枠とフィルタ用リングの斜視図である。図17は、上記直進枠に装着したフィルタ用リングが障害物に突き当たった状態を示す図である。
【0071】
本実施形態のレンズ鏡筒は、前記第一の実施形態のレンズ鏡筒1に対して直進枠4Eにレンズ鏡筒外付け部材であるフィルタ用リング(フィルタ保持部材)13が着脱可能なものである。他の固定枠2,回転枠3,直進ガイドキー5、さらに、直進枠4Eに保持される撮影レンズ6およびカムフォロア7a1,7a2,7a3は、同様のものを適用する。その同様の構成部材に対しては、図1と同一の符号を付し、以下、異なる部分について説明する。
【0072】
直進枠4Eの外周4Eaの前方部には、図16に示すようにカムフォロア7a1,7a2,7a3の前方対応位置にそれぞれ凹部4Efが設けられる。
【0073】
直進枠4Eの前面に着脱可能なフィルタ用リング13は、図16に示すようにフィルタ開口部に光学フィルタ14を備え、前端面13b上に外部接触部材である光軸O前方方向に突出する凸球面形状を有する3つの突起部13d1,13d2,13d3が設けられ、さらに、直進枠4Eとの嵌合部内周に凹部4Efと係合する凸部13cが設けられた外付け部材である。
【0074】
3つの突起部13d1,13d2,13d3の前端面13b上の位置は、フィルタ用リング13を直進枠4Eに凹部4Efと凸部13cとを係合させて装着した状態にてカムフォロア7a1,7a2,7a3の位置に関連して配されている。
【0075】
すなわち、フィルタ用リング13を直進枠4Eに装着した状態にて突起部13d1は、直進枠の延在する中心軸方向と一致する光軸Oおよびカムフォロア7a1の中心軸を通る第一の平面と、該光軸Oおよびカムフォロア7a2の中心軸を通る第二の平面とに挟まれ、フィルタ用リング外周部とフィルタ開口部で囲まれた第三の平面領域に配される。具体的には突起部13d1は、図16で前端面13b上のカムフォロア7a1中心の光軸O方向の延長線と光軸Oとを通るL1 線とカムフォロア7a2中心の光軸O方向の延長線と光軸Oとを通るL2 線とに囲まれた領域13b1に配される。
【0076】
同様に突起部13d2も、前端面13b上の上記L2 線とカムフォロア7a3中心の光軸O方向の延長線と光軸Oとを通るL3 線とに囲まれた領域13b2に配される。また、突起部13d3も、前端面13b上にて上記L3 線と上記L1 線とに囲まれた領域13b3に配される。
【0077】
本実施形態のレンズ鏡筒の直進枠4Eにフィルタ用リング13を装着し、繰り込み状態あるいは繰り出し状態にあるとき、フィルタ用リング13を下方にして外部障害物8、例えば、床面や地面に落下させた場合、図17に示すように突起部13d1,13d2,13d3のいずれか1つ、または、複数が衝突初期において外部障害物8に当たり、その衝撃力F0 は、直進枠4Eのカムフォロア7a1,7a2,7a3のいずれかと回転枠3のカム溝3cで受ける。
【0078】
ここで、上述のように突起部13d1,13d2,13d3が直進枠4E側のカムフォロア7a1,7a2,7a3の間の領域にあるので、上記衝撃力F0 は、少なくとも隣り合う2本のカムフォロアで分散して受けることになる。したがって、1本のカムフォロアで受ける力が減じられ、カムフォロア嵌合の外れやカムフォロアの破損、あるいは、カム溝を損傷する等の不具合発生を抑えることが可能になる。
【0079】
このように本実施形態のレンズ鏡筒においても第三の実施形態のレンズ鏡筒やその変形例と同様の効果を奏することができる。なお、本実施形態では、凹部4Efの形成箇所は3つとしたが、特にその数は限定されない。
【0080】
次に、本発明の第七の実施形態のレンズ鏡筒について、図18,19を用いて説明する。
図18は、本実施形態のレンズ鏡筒の直進枠とフィルタ用リングとを分離した状態での側面図である。図19は、図18のX方向矢視図である。
【0081】
本実施形態のレンズ鏡筒は、前記第一の実施形態のレンズ鏡筒1に対して直進枠4Fにレンズ鏡筒外付け部材であるフィルタ用リング(フィルタ保持部材)15が螺合により装着可能とするものである。他の固定枠2,回転枠3,直進ガイドキー5、さらに、直進枠4Fに保持される撮影レンズ6およびカムフォロア7a1,7a2,7a3は、同様のものを適用する。その同様の構成部材に対しては、図1と同一の符号を付し、以下、異なる部分について説明する。
【0082】
直進枠4Fの外周4Faの前方部には図18に示すようにフィルタ用リング螺着用の雄ねじ部4Ffが設けられている。
【0083】
フィルタ用リング15は、図16,19に示すようにフィルタ開口部に光学フィルタ14を備えた金属、または、樹脂製外付け部材であり、内周部に直進枠4Fの雄ねじ部4Ffに螺合可能な雌ネジ15fが設けられ、フィルタ用リング15の前端面15b上には、光軸O前方方向に突出する凸球面形状の3つの外部接触部材である突起部15d1,15d2,15d3が設けられている。該突起部は、フィルタ用リング15を直進枠4Fに螺着した状態のもとでカムフォロア7a1,7a2,7a3の位置に関連して配されている。
【0084】
すなわち、フィルタ用リング15を直進枠4Fに螺着して装着した状態にて突起部15d1は、直進枠の延在する中心方向と一致する光軸Oおよびカムフォロア7a1の中心軸を通る第一の平面と、該光軸Oおよびカムフォロア7a2の中心軸を通る第二の平面とに挟まれ、フィルタ用リング外周部とフィルタ開口部で囲まれた第三の平面領域に配される。
【0085】
具体的には突起部15d1は、図19に示すように前端面15b上のカムフォロア7a1中心の光軸O方向の延長線と光軸Oとを通るL1 線とカムフォロア7a2中心の光軸O方向の延長線と光軸Oとを通るL2 線とに囲まれた領域15b1に配される。
【0086】
同様に突起部15d2も、前端面15b上の上記L2 線とカムフォロア7a3中心の光軸O方向の延長線と光軸Oとを通るL3 線とに囲まれた領域15b2に配される。また、突起部15d3も、前端面15b上にて上記L3 線と上記L1 線とに囲まれた領域15b3に配される。
【0087】
本実施形態のレンズ鏡筒の直進枠4Fにフィルタ用リング15を装着し、繰り込み状態あるいは繰り出し状態にあるとき、フィルタ用リング15を下方にして外部障害物8、例えば、床面や地面に落下させた場合、突起部15d1,15d2,15d3のいずれか1つ、または、複数が衝突初期において外部障害物8に当たり、その衝撃力は、直進枠4Fのカムフォロア7a1,7a2,7a3のいずれかと回転枠3のカム溝3cで受ける。
【0088】
ここで、上述のように突起部15d1,15d2,15d3が直進枠4F側のカムフォロア7a1,7a2,7a3の間の領域にあるので、上記衝撃力は、少なくとも隣り合う2本のカムフォロアで分散して受けることになる。したがって、1本のカムフォロアで受ける力が減じられ、カムフォロア嵌合の外れ、カムフォロアやカム溝の損傷の発生等を抑えることが可能となる。
【0089】
このように本実施形態のレンズ鏡筒においても第三の実施形態のレンズ鏡筒やその変形例と同様の効果を奏することができる。
【0090】
なお、本実施形態のレンズ鏡筒に適用したフィルタ用リング15に代えて直進枠4Fに螺合によって装着することができるレンズ保護用のレンズキャップに対しても上述したフィルタ用リング15と同様の突起部15d1,15d2,15d3を設けることによって、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0091】
次に、本発明の第八の実施形態のレンズ鏡筒について、図20〜22を用いて説明する。
図20は、本実施形態のレンズ鏡筒の直進枠とレンズフードの斜視図である。図21は、上記直進枠に装着したレンズフードの正面図である。図22は、上記直進枠に装着したレンズフードに障害物が突き当ったときの衝撃力の作用状態を示す図である。
【0092】
本実施形態のレンズ鏡筒は、前記第一の実施形態のレンズ鏡筒1に対して直進枠4Gにレンズ鏡筒外付け部材であるレンズフード16が着脱可能なものである。他の固定枠2,回転枠3,直進ガイドキー5、さらに、直進枠4Gに保持される撮影レンズ6およびカムフォロア7a1,7a2,7a3は、同様のものを適用する。その同様の構成部材に対しては、図1と同一の符号を付し、以下、異なる部分について説明する。
【0093】
直進枠4Gの外周4Gaの前方部には、図20に示すようにカムフォロア7a1,7a2,7a3の前方対応位置にそれぞれ凹部4Gfが設けられる。
【0094】
直進枠4Gの前面に着脱可能なレンズフード16は、図20,21に示すように中央開口部16aを備え、前面部に3つの外部接触部材となるフード凸部16d1,16d2,16d3と該凸部の間に3つのフード凹部16bが設けられた外付け部材である。また、直進枠4Gとの嵌合部内周に凹部4Gfと係合可能な凸部16cが設けられる。
【0095】
3つのフード凸部16d1,16d2,16d3の位置は、レンズフード16を直進枠4Gに凹部4Gfと凸部16cとを係合させて装着した状態にてカムフォロア7a1,7a2,7a3の位置に関連して配されている。
【0096】
すなわち、レンズフード16を直進枠4Gに装着した状態にてフード凸部16d1は、直進枠の延在する中心軸方向と一致する光軸Oおよびカムフォロア7a1の中心軸を通る第一の平面と、該光軸Oおよびカムフォロア7a2の中心軸を通る第二の平面とに挟まれ、レンズフード装着部外周と中央開口部16aで囲まれた第三の平面領域から前方に向けて延出して配される。
【0097】
具体的にはフード凸部16d1は、図21でカムフォロア7a1中心の光軸O方向の延長線と光軸Oとを通るL1 線とカムフォロア7a2中心の光軸O方向の延長線と光軸Oとを通るL2 線とに囲まれた領域16b1に配される。
【0098】
同様にフード凸部16d2も、上記L2 線とカムフォロア7a3中心の光軸O方向の延長線と光軸Oとを通るL3 線とに囲まれた領域16b2に配される。また、フード凸部16d3も、上記L3 線と上記L1 線とに囲まれた領域16b3に配される。
【0099】
本実施形態のレンズ鏡筒の直進枠4Gにレンズフード16を装着し、繰り込み状態あるいは繰り出し状態にあるとき、レンズフード16を下方にして外部障害物8、例えば、床面や地面に落下させた場合、図22に示すようにフード凸部16d1,16d2,16d3のいずれか1つ、または、複数が衝突初期において外部障害物8に当たり、その衝撃力F0 は、直進枠4Gのカムフォロア7a1,7a2,7a3のいずれかと回転枠3のカム溝3cで受ける。
【0100】
ここで、上述のようにフード凸部16d1,16d2,16d3が直進枠4G側のカムフォロア7a1,7a2,7a3の間の領域にあるので、上記衝撃力F0 は、少なくとも隣り合う2本のカムフォロアで分散して受けることになる。したがって、1本のカムフォロアで受ける力が減じられ、カムフォロア嵌合の外れやカムフォロアの破損、あるいは、カム溝を損傷する等の不具合発生を抑えることが可能になる。
【0101】
このように本実施形態のレンズ鏡筒においてもレンズフードを装着した状態で第三の実施形態のレンズ鏡筒やその変形例と同様の効果を奏することができる。なお、本実施形態では、凹部4Gfの形成箇所は3つとしたが、特にその数は限定されない。
【0102】
なお、上述した各実施形態における直進枠に設けられるカムフォロア7a1,7a2,7a3は、直進枠部材に対して圧入固着して配されるのみではなく、他に直進枠部材と一体成形で配してもよくもよく、その設置形態に限定する必要はない。さらには、カムフォロアのようなピン構造だけでなく、ガイド溝内を摺勤して鏡枠部材の進退、および/または、回転を伝達する機構を実現できるような鏡枠間支持部材であってもよい。また、カムフォロアは、3つに限らず2つでも4つ以上でもよい。
【0103】
この発明は、上記各実施の形態に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、上記各実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得る。
【産業上の利用可能性】
【0104】
本発明によるレンズ鏡筒は、落下時の姿勢や衝撃力の作用状態の変化に対しても安定した強度が得られ、構成部品の数を抑えたレンズ鏡筒として利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】本発明の第一の実施形態のレンズ鏡筒の分解斜視図である。
【図2】図1のレンズ鏡筒の直進枠の正面図である。
【図3】図1のA−A断面図であって、図1のレンズ鏡筒の回転枠のカム溝断面形状を示す。
【図4】図2のB−B断面図であって、図2の直進枠の先端部の断面形状を示す。
【図5】図1のレンズ鏡筒の直進枠が障害物に突き当たった状態を示す図である。
【図6】本発明の第二実施形態のレンズ鏡筒の直進枠の斜視図である。
【図7】図6の直進枠の正面図である。
【図8】図6の直進枠が障害物に突き当たった状態を示す図である。
【図9】本発明の第三実施形態およびその変形例のレンズ鏡筒の直進枠とレンズキャップの斜視図である。
【図10】図9の直進枠に装着したレンズキャップの正面図である。
【図11】図9の直進枠に装着したレンズキャップが障害物に突き当たった状態を示す図である。
【図12】本発明の第四実施形態のレンズ鏡筒の直進枠とレンズキャップの斜視図である。
【図13】図12の直進枠に装着したレンズキャップが障害物に突き当たった状態を示す図である。
【図14】本発明の第五実施形態のレンズ鏡筒の直進枠とレンズキャップの斜視図である。
【図15】図14の直進枠に装着したレンズキャップが障害物に突き当たった状態を示す図である。
【図16】本発明の第六実施形態のレンズ鏡筒の直進枠とフィルタ用リングの斜視図である。
【図17】図16の直進枠に装着したフィルタ用リングが障害物に突き当たった状態を示す図である。
【図18】本発明の第七実施形態のレンズ鏡筒の直進枠とフィルタ用リングとを分離した状態での側面図である。
【図19】図18のX方向の矢視図である。
【図20】本発明の第八実施形態のレンズ鏡筒の直進枠とレンズフードの斜視図である。
【図21】図20の直進枠に装着したレンズフードの正面図である。
【図22】図20の直進枠に装着したレンズフードに障害物が突き当ったときの衝撃力の作用状態を示す図である。
【符号の説明】
【0106】
3 …回転枠(第一の枠部材)
4,4A,4B,4C,4D,4E,4F,4G
…直進枠(第二の枠部材)
4b…前端面(第二の部材の端面)
4Ab…分割前端面
(第二の部材の端面,外部接触部材)
4d1,4d2,4d3,
11d1,11d2,11d3,
13d1,13d2,13d3,
15d1,15d2,15d3
…突起部(外部接触部材)
12b…分割された前端面(外部接触部材)
9a,9Aa
…頂点(外部接触部材)
16d1,16d2,16d3
…フード凸部(外部接触部材)
9,9A,11,12
…レンズキャップ
(レンズ鏡筒外付け部材,保護キャップ)
13,15
…フィルタ用リング
(レンズ鏡筒外付け部材,フィルタ保持部材)
14 …光学フィルタ
16 …レンズフード(レンズ鏡筒外付け部材)
O …光軸(中心軸)
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズ鏡筒およびレンズ鏡筒外付け部材が着脱可能なレンズ鏡筒システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、落下等による衝撃力に対してレンズ鏡筒を保護するための保護構造に関して、各種の提案がなされている。特許文献1に開示されたものは、固定筒内に進退可能に支持され、変倍レンズを保持する移動環と該移動環を進退駆動するためのカム筒とを有するレンズ鏡筒に関するものであって、上記移動環の外周部には上記固定筒やカム筒に設けられるカム溝に摺動可能に嵌入するコロ(カムフォロア)を設けられている。上記コロは、弾性変形可能な板部材を介して上記移動環に取り付けられている。したがって、上記移動環に落下等による衝撃力が作用した場合、上記板部材が弾性変形することにより上記衝撃力が吸収され、上記コロのカム溝からの外れやカム溝の損傷が防止される。
【0003】
また、特許文献2に開示されたものは、レンズ鏡筒においてその先端部に装着される合成樹脂製の筒状部材に周方向に沿った長穴を複数個設けたものである。上記長穴は、筒部材の軸方向に弾性変形が可能な形状を有しており、上記長穴の前方位置に突起部が配されている。また、上記筒状部材の先端には、フィルタを装着するためのフィルタ枠が上記突起部が当接する状態で嵌入している。このレンズ鏡筒において落下等による衝撃力が上記フィルタ枠に作用した場合、突起部を介して上記長穴部が弾性変形し、上記衝撃力が吸収される。したがって、上記筒状部材、あるいは、該筒状部材に連結されている内蔵部品の変形や破損が防止される。
【特許文献1】特開平8−160277号公報
【特許文献2】特開平9−211286号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1に開示されたレンズ鏡筒では、上記コロを支持するための弾性変形する上記板部材が必要であり、構成部品点数が増える。衝撃力が作用した場所によりコロが受ける衝撃力が変化するので安定した衝撃力の吸収ができない。また、該板部材を配設するためのスペースを確保する必要があり、レンズ鏡筒のコンパクト化、小型化の支障となる。
【0005】
特許文献2に開示されたレンズ鏡筒においても上記筒状部材に上記複数の長穴を設ける必要があり、上記長穴を隠すための部材が必要になるため、レンズ鏡筒の十分な小型化ができない。また、上記筒状部材は、合成樹脂製の部材であることが必要であり、部材の材料に制限がある。
【0006】
本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、構成部品数を抑えつつ、落下時の姿勢や衝撃力の作用状態の変化に対しても安定した強度が得られるレンズ鏡筒、または、レンズ鏡筒外付け部材が着脱可能なレンズ鏡筒システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1記載のレンズ鏡筒は、複数のカム溝を有する第一の枠部材と、複数の上記カム溝の各々に係合する第一のカムフォロアと第二のカムフォロアとを有する第二の枠部材と、上記第二の枠部材が延在する方向に沿った中心軸と第一のカムフォロアとを含む第一の平面と、上記第一のカムフォロアに隣接する第二のカムフォロアと上記中心軸とを含む第二の平面とに挟まれた領域内で、且つ、上記第二の枠部材の端面よりも上記中心軸方向の外側に突出する外部接触部材とを有する。
【0008】
本発明の請求項2に記載のレンズ鏡筒は、請求項1に記載のレンズ鏡筒において、上記外部接触部材は、上記第二の枠部材の外周よりも内側領域にて上記中心軸方向の外側に突出している。
【0009】
本発明の請求項3に記載のレンズ鏡筒は、請求項1に記載のレンズ鏡筒において、上記外部接触部材は、上記第二の枠部材の端面に形成される。
【0010】
本発明の請求項4に記載のレンズ鏡筒システムは、複数のカム溝を有する第一の枠部材と、複数の上記カム溝の各々に係合する第一のカムフォロアと第二のカムフォロア、および、外付け部材を位置決め固定するための取付け部を有する第二の枠部材とを有するレンズ鏡筒と、上記取付け部と係合する係合部と、上記取付け部と係合部とを係合して位置決め固定させた時、上記第二の枠部材が延在する方向に沿った中心軸と上記第一のカムフォロアとを含む第一の平面と、上記中心軸と上記第一のカムフォロアに隣接する上記第二のカムフォロアとを含む第二の平面とに挟まれた領域にて上記第二の枠部材の端面よりも上記中心軸方向の外側に突出する外部接触部材とを有するレンズ鏡筒外付け部材とからなる。
【0011】
本発明の請求項5に記載のレンズ鏡筒システムは、請求項4に記載のレンズ鏡筒システムにおいて、レンズ鏡筒外付け部材がレンズフードである。
【0012】
本発明の請求項6に記載のレンズ鏡筒システムは、請求項4に記載のレンズ鏡筒システムにおいて、レンズ鏡筒外付け部材が保護キャップである。
【0013】
本発明の請求項7に記載のレンズ鏡筒システムは、請求項4に記載のレンズ鏡筒システムにおいて、レンズ鏡筒外付け部材が光学フィルタが保持されるフィルタ保持部材である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、構成部品の数を抑え、落下時の姿勢や衝撃力の作用状態の変化に対しても安定した強度が得られるレンズ鏡筒を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図を用いて本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の第一の実施形態のレンズ鏡筒の分解斜視図である。図2は、上記レンズ鏡筒の直進枠の正面図である。図3は、図1のA−A断面図であって、上記レンズ鏡筒における回転枠のカム溝断面形状を示す。図4は、図2のB−B断面図であって、上記直進枠の先端部の断面形状を示す。図5は、上記レンズ鏡筒の上記直進枠が障害物に突き当たった状態を示す図である。
【0016】
本実施形態のレンズ鏡筒1は、カメラ本体側に固定される固定枠2と、固定枠2の内に回転,進退可能に嵌入される第一の枠部材である金属、または、樹脂製筒形状の回転枠3と、回転枠3内に嵌入され、固定枠に対して直進ガイドされた状態で回転枠3により進退駆動される第二の枠部材である金属、または、樹脂製筒形状の直進枠4と、直進枠4を直進ガイドするための直進ガイドキー5とを有しており、回転枠3および直進枠4とは、直進枠4に保持される撮影レンズ6の光軸Oと一致する中心軸をもつ。但し、レンズ鏡筒の構造によっては、上記中心軸と光軸Oとは必ずしも一致するとは限らないが、少なくとも上記中心軸と光軸Oとは、略平行な軸である。また、以下の説明で光軸O方向の被写体側を前方として説明する。
【0017】
固定枠2にはその内周部に雌ヘリコイドネジ2aおよび直進ガイド溝(図示せず)と、内周前方部に周方向ガイド溝2bが設けられ、さらに、内周部に回転枠3を回転駆動するための駆動ギヤ(図示せず)が配されている。
【0018】
回転枠3には後方外周部に上記駆動ギヤに噛合するギヤ部3aと固定枠2の雌ヘリコイドネジ2aに螺合する雄ヘリコイドネジ3bが重畳して設けられ、内周部に光軸Oに対して斜行する3本(1本のみ図示)のカム溝3cとが設けられる。
【0019】
直進枠4は、光軸Oを有する撮影レンズ6を保持しており、後方外周3分割位置に回転枠3のカム溝3cに摺動可能に嵌入する第一、または、第二のカムフォロアを構成する3つのカムフォロア7a1,7a2,7a3が配され、内周部には光軸Oに平行な2本の直進ガイド溝4cが設けられている。なお、カムフォロア7a1,7a2,7a3は、図3に示すようにそれぞれ回転枠3のテーパー面をもつカム溝3cに嵌入するものとする。
【0020】
さらに、直進枠4の前端面4bには図2,4に示すように外部接触部材を形成する光軸O前方方向に突出する凸球面形状の3つの突起部4d1,4d2,4d3がカムフォロア7a1,7a2,7a3の位置に関連して配されている。
【0021】
すなわち、突起部4d1は、直進枠4が延在する中心軸方向と一致する光軸Oおよびカムフォロア7a1の中心軸とを通る第一の平面と、上記光軸Oおよびカムフォロア7a2の中心軸を通る第二の平面とに挟まれ、外周部4aとレンズ開口部で囲まれた第三の平面領域に配される。具体的には突起部4d1は、図2で前端面4b上のカムフォロア7a1中心の光軸O方向の延長線と光軸Oとを通るL1 線とカムフォロア7a2中心の光軸O方向の延長線と光軸Oとを通るL2 線とに囲まれた領域4b1に配される。
【0022】
同様に突起部4d2も、図2で前端面4b上の上記L2 線とカムフォロア7a3中心の光軸O方向の延長線と光軸Oとを通るL3 線とに囲まれた領域4b2に配される。また、突起部4d3も、図2で前端面4b上にて上記L3 線と上記L1 線とに囲まれた領域4b3に配される。
【0023】
直進ガイドキー5には、円環部外周に突出し、固定枠2の直進ガイド溝に嵌入する突起5b,5cと、光軸O方向の前方(撮影レンズ側)に沿って延出する2本の直進ガイド5aとが設けられる。
【0024】
この直進ガイドキー5は、固定枠2の内周部に突起5b,5cを嵌入した状態で回転枠3の後端部に装着され、回転枠3に対して回転方向には相対回転可能で、光軸O方向には、一体の状態で支持される。そして、突起5b,5cは、固定枠2の直進溝に摺動可能に嵌入し、直進ガイド5aは、直進枠4の直進ガイド溝4cに摺動可能に嵌入する。
【0025】
上述した構成を有するレンズ鏡筒1において、回転枠3および直進枠4が固定枠2内に繰り込まれた状態で回転枠3が所定の方向に上記駆動ギヤを介して所定の角度だけ回動駆動されると、回転枠3は、雌ヘリコイドネジ2aを介して固定枠2から回動しながら繰り出された後、ギヤ部3a,雄ヘリコイドネジ部3bが固定枠2の周方向ガイド溝2bに嵌まり込んだ状態となる。直進枠4は、カム溝3cとカムフォロア7a1,7a2,7a3を介して回転枠3と共に繰り出され、さらに、回転枠3から突出した撮影可能なテレ位置に直進状態で繰り出される。その後のさらなる回転枠3の回動によって直進枠4は、ワイド位置からテレ位置に進退移動する。
【0026】
レンズ鏡筒1の直進枠4は、上述した固定枠2に繰り込まれた状態、および、撮影可能なワイド位置、または、テレ位置に繰り出された状態にて、直進枠4の前端面4bは、常にレンズ鏡筒1の表面に露呈し、突起部4d1,4d2,4d3は、外部と当接可能な状態にある。
【0027】
レンズ鏡筒1が繰り込み状態あるいは繰り出し状態にあるとき(但し、レンズ鏡筒1が沈胴式のものである場合は、繰り出し状態にあるときのみ)、直進枠4の前端面4b側を下方にして外部障害物8、例えば、床面や地面に落下させた場合、図5に示すように突起部4d1,4d2,4d3のいずれか1つ、または、複数が衝突初期において外部障害物8に当たり、直進枠4のカムフォロア7a1,7a2,7a3のいずれか2つ以上と回転枠3のカム溝3cとの間でその衝撃力F0 を受ける。
【0028】
もし、直進枠に上述した突起部4d1,4d2,4d3が配されていない従来のレンズ鏡筒にて、ピン直下、または、その周辺で落下した場合には、その衝撃力は、1本のカムフォロアに作用してしまうことになる。そして、カム溝3cが上述したようにテーパ面を有していればカムフォロア7a1,7a2,7a3との間に嵌合が外れる方向の分力が発生し、直進枠、または、回転枠が変形してカム溝3cとの嵌合が外れてしまったり、あるいは、カム溝3cを傷つけたり、カムフォロアを破損してしまうおそれがあった。
【0029】
これに対して本実施形態のレンズ鏡筒1においては、前述したように突起部4d1,4d2,4d3がカムフォロア7a1,7a2,7a3の間の領域4b1,4b2,4b3に配されており、該突起部4d1,4d2,4d3のいずれかに上記衝撃力F0 が作用したとしても該衝撃力を少なくとも隣り合う第一と第二の2本のカムフォロアで分散して受けることになる。したがって、1本のカムフォロアで受ける力が減じられ、カムフォロア嵌合の外れやカムフォロアの破損、あるいは、カム溝を損傷する等の不具合発生を抑えることが可能になる。
【0030】
なお、本実施形態では、突起部4d1,4d2,4d3が直進枠4に一体的に設けられているが、これに限らず、例えば、直進枠4の前端面に貼付される飾り板等の板状部材に上記突起部4d1,4d2,4d3を設けた構成を採用しても同様の効果が得られる。また、本実施形態における突起部4d1,4d2,4d3は、球面形状を有しているがこれ以外の凸状であっても同様の効果が得られる。
【0031】
上述したように本実施形態のレンズ鏡筒1によれば、直進枠4に対して所定の位置に突起部4d1,4d2,4d3を配するのみで落下等の耐衝撃性の高いものが得られ、複数のカムフォロア7a1,7a2,7a3に対応した複数の突起部4d1,4d2,4d3が設けられていることからいずれの方向に傾いた落下姿勢にも対応できる。また、上記突起部のための配設スペ−スは極めて少なく、部品数を抑え、コンパクト化の支障とならない耐衝撃性の高いレンズ鏡筒が提供できる。
【0032】
次に、本発明の第二の実施形態のレンズ鏡筒について、図6〜8を用いて説明する。
図6は、本実施形態のレンズ鏡筒の直進枠の斜視図である。図7は、上記直進枠の正面図である。図8は、上記直進枠が障害物に突き当たった状態を示す図である。
【0033】
本実施形態のレンズ鏡筒は、前記第一の実施形態のレンズ鏡筒1に対して直進枠4Aの前端面の形状のみが異なる。他の固定枠2,回転枠3,直進ガイドキー5、さらに、直進枠4Aに保持される撮影レンズ6およびカムフォロア7a1,7a2,7a3は、同様のものを適用する。その同様の構成部材に対しては、図1と同一の符号を付し、以下、異なる部分について説明する。
【0034】
本実施形態のレンズ鏡筒に適用される直進枠4Aには、その前端面4Abの3カ所を切り欠いて図6,7に示すように3つの凹部4Ae1,4Ae2,4Ae3が所定の位置に設けられている。
【0035】
凹部4Ae1は、図7の前端面4Ab上でカムフォロア7a1中心の光軸O方向の延長線と光軸Oとを通るL1 線を含む領域に配される。凹部4Ae2は、図7の前端面4Ab上でカムフォロア7a2中心の光軸O方向の延長線と光軸Oとを通るL2 線を含む領域に配される。凹部4Ae3は、図7の前端面4Ab上でカムフォロア7a3中心の光軸O方向延長線と光軸Oとを通るL3 線を含む領域に配される。
【0036】
このレンズ鏡筒では凹部4Ae1,4Ae2,4Ae3の間にある3つに分割された前端面4Abが突状の外部接触部材となる。これらの分割前端面4Abは、直進枠の延在する中心軸方向と一致する光軸Oおよび1つのカムフォロアの中心軸を通る第一の平面と、上記光軸Oおよび該カムフォロアに隣り合うカムフォロアの中心軸を通る第二の平面とに挟まれ、外周部4Aaとレンズ開口部で囲まれた第三の平面領域に配されることになる。
【0037】
本実施形態のレンズ鏡筒が繰り込み状態あるいは繰り出し状態にあるとき(但し、レンズ鏡筒が沈胴式のものである場合は、繰り出し状態にあるときのみ)、直進枠4Aの前端面4Ab側を下方にして外部障害物8、例えば、床面や地面に落下させた場合、図8に示すように分割された前端面4Abのいずれか1つ、または、複数が衝突初期において外部障害物8に当たり、直進枠4Aのカムフォロア7a1,7a2,7a3のいずれかと回転枠3のカム溝3cとの間でその衝撃力F0 を受ける。
【0038】
しかし、上述したように3つに分割された前端面4Abがカムフォロア7a1,7a2,7a3の間の領域にあり、該前端面4Abに上記衝撃力F0 が作用したとしても該衝撃力を少なくとも隣り合う2本のカムフォロアで分散して受けることになる。したがって、1本のカムフォロアで受ける力が減じられ、カムフォロア嵌合の外れやカムフォロアの破損、あるいは、カム溝を損傷する等の不具合発生を抑えることが可能となる。
【0039】
このように本実施形態のレンズ鏡筒においても第一の実施形態のレンズ鏡筒1と同様の効果を奏することができる。
【0040】
次に、本発明の第三の実施形態のレンズ鏡筒について、図9〜11を用いて説明する。
図9は、本実施形態およびその変形例のレンズ鏡筒の直進枠とレンズキャップの斜視図である。図10は、上記直進枠に装着したレンズキャップの正面図である。図11は、上記直進枠に装着したレンズキャップが障害物に突き当たった状態を示す図である。
【0041】
本実施形態のレンズ鏡筒は、前記第一の実施形態のレンズ鏡筒1に対して直進枠4Bにレンズ鏡筒外付け部材であるレンズキャップ(保護キャップ)9が着脱可能なものである。他の固定枠2,回転枠3,直進ガイドキー5、さらに、直進枠4Bに保持される撮影レンズ6およびカムフォロア7a1,7a2,7a3は、同様のものを適用する。その同様の構成部材に対しては、図1と同一の符号を付し、以下、異なる部分について説明する。
【0042】
直進枠4Bの前面に着脱可能なレンズキャップ9は、外部接触部材を形成する頂点9aのある球面状表面を有する部材である。
【0043】
本実施形態のレンズ鏡筒が繰り込み状態あるいは繰り出し状態にあってレンズキャップ9を直進枠4Bに装着した状態でレンズキャップ9側を下方にして外部障害物8、例えば、床面や地面に落下させた場合、図11に示すようにレンズキャップ9の球面部が衝突初期において外部障害物8に当たる。
【0044】
レンズキャップ9の球面部で受けた衝撃力F0 は、直進枠4Bのカムフォロア7a1,7a2,7a3にそれぞれ分散され、回転枠3のカム溝3cで受ける。したがって、1本のカムフォロアで受ける力が減じられ、カムフォロア嵌合の外れやカムフォロアの破損、あるいは、カム溝を損傷する等の不具合発生を抑えることが可能となる。
【0045】
本実施形態のレンズ鏡筒を適用するカメラでは、不用意にカメラを落下、あるいは、障害物にぶつけるようなときには、レンズ鏡筒にレンズキャップを被せているときが多いと考えられ、そのような状態での上述したカムフォロアの破損やカム溝の損傷がより有効的に防止できる。
【0046】
上述したレンズキャップ9は、球面状表面を有するものであったが、それに対する変形例のキャップ9Aとして外部接触部材を形成する1つの凸部頂点9Aaを有する凸曲面の表面を有する外付け部材としてのレンズキャップを提案することもできる。
【0047】
この変形例のレンズキャップ9Aの表面の凸部頂点9Aaの位置は、図10に示す三角領域9c上にあるものとする。三角領域9cは、直進枠4Bに変形例のレンズキャップ9Aを装着した状態にて共通の光軸Oと、それぞれカムフォロア7a1,7a2,7a3の中心の光軸O方向延長線とを通る図10に示されるL1 ,L2 ,L3 線を避けた位置に三角形頂点がある三角形の領域とする。
【0048】
このレンズキャップ9Aは、凸部頂点9Aaの位置を三角形の領域内とするために直進枠4Bに対し、その装着位置を規制する必要がある。直進枠4Bのカムフォロア7a1,7a2,7a3の前方位置にそれぞれ凹部4Bfを設け、レンズキャップ9A側には、該凹部4Bfに係合する凸部9Acを設ける。レンズキャップ装着時、凹部4Bfに凸部9Acを係合させる。したがって、レンズキャップ9Aの装着状態では、レンズキャップ9Aの凸部頂点9Aaが必ず上記三角形の領域に位置する。
【0049】
本変形例のレンズキャップを直進枠4Bに装着した状態でレンズキャップ側から落下させた場合も本レンズキャップの凸部頂点9Aaの近傍が衝突初期にて外部障害物8に当たる。該レンズキャップの該凸部頂点近傍で受けた衝撃力は、直進枠4Bのカムフォロア7a1,7a2,7a3の少なくとも2つにそれぞれ分散され、回転枠3のカム溝3cで受ける。したがって、1本のカムフォロアで受ける力が減じられ、カムフォロア嵌合の外れやカムフォロアの破損、あるいは、カム溝を損傷する等の不具合発生を抑えることが可能となる。なお、本変形例では凹部4Bfの形成箇所は3つとしているが、特にその数は限定されない。
【0050】
次に、本発明の第四の実施形態のレンズ鏡筒について、図12,13を用いて説明する。
図12は、本実施形態のレンズ鏡筒の直進枠とレンズキャップの斜視図である。図13は、上記直進枠に装着したレンズキャップが障害物に突き当たった状態を示す図である。
【0051】
本実施形態のレンズ鏡筒は、前記第一の実施形態のレンズ鏡筒1に対して直進枠4Cにレンズ鏡筒外付け部材であるレンズキャップ(保護キャップ)11が着脱可能なものである。他の固定枠2,回転枠3,直進ガイドキー5、さらに、直進枠4Cに保持される撮影レンズ6およびカムフォロア7a1,7a2,7a3は、同様のものを適用する。その同様の構成部材に対しては、図1と同一の符号を付し、以下、異なる部分について説明する。
【0052】
直進枠4Cの外周4Caの前方部には、図12に示すようにカムフォロア7a1,7a2,7a3の前方対応位置にそれぞれ凹部4Cfが設けられる。
【0053】
直進枠4Cの前面に着脱可能なレンズキャップ11は、前端面11b上に光軸O前方方向に突出する凸球面形状の外部接触部材である3つの突起部11d1,11d2,11d3を有し、さらに、直進枠4Cとの嵌合部内周に凹部4Cfと係合する凸部11cが設けられた外付け部材である。
【0054】
レンズキャップ11の3つの突起部11d1,11d2,11d3は、レンズキャップ11を直進枠4Cに対して凸部11cを凹部4Cfに係合させて装着した状態で所定の関係位置に位置する。
【0055】
詳しく説明すると、直進枠4Cにレンズキャップ11を装着した状態にて突起部11d1は、直進枠が延在する中心軸方向と一致する光軸Oおよびカムフォロア7a1の中心軸を通る第一の平面と、光軸Oとカムフォロア7a2の中心軸を通る第二の平面とに挟まれ、レンズキャップ外周部で囲まれた第三の平面領域に配される。具体的には突起部11d1は、図12に示すように前端面11b上のカムフォロア7a1中心の光軸O方向延長線と光軸Oとを通るL1 線と、カムフォロア7a2中心の光軸O方向延長線と光軸Oとを通るL2 線とに囲まれた領域11b1に配される。
【0056】
同様に突起部11d2も、前端面11b上の上記L2 線とカムフォロア7a3中心の光軸O方向延長線と光軸Oとを通るL3 線とに囲まれた領域11b2に配される。また、突起部11d3も、前端面11b上にて上記L3 線と上記L1 線とに囲まれた領域11b3に配される。
【0057】
本実施形態のレンズ鏡筒が繰り込み状態あるいは繰り出し状態にあって、レンズキャップ11を直進枠4Cに装着した状態でレンズキャップ11側を下方にして外部障害物8、例えば、床面や地面に落下させた場合、図13に示すようにレンズキャップ11の突起部11d1,11d2,11d3のいずれか1つ、または、複数が衝突初期において外部障害物8に当たる。
【0058】
レンズキャップ11の上記突起部で受けた衝撃力F0 は、直進枠4Cのカムフォロア7a1,7a2,7a3のいずれか2つ、または、3つに略分散して回転枠3のカム溝3cで受ける。したがって、1本のカムフォロアで受ける力が減じられ、カムフォロア嵌合の外れやカムフォロアの破損、あるいは、カム溝を損傷する等の不具合発生を抑えることが可能になる。
【0059】
本実施形態のレンズ鏡筒を適用するカメラでも第三実施形態の場合と同様に、レンズキャップを装着した状態で不用意にカメラを落下、あるいは、障害物にぶつけたときのカムフォロアの破損やカム溝の損傷をより有効的に抑えることが可能になる。なお、本実施形態では、凹部4Cfの形成箇所は3つとしたが、特にその数は限定されない。
【0060】
次に、本発明の第五の実施形態のレンズ鏡筒について、図14,15を用いて説明する。
図14は、本実施形態のレンズ鏡筒の直進枠とレンズキャップの斜視図である。図15は、上記直進枠に装着したレンズキャップが障害物に突き当たった状態を示す図である。
【0061】
本実施形態のレンズ鏡筒は、前記第一の実施形態のレンズ鏡筒1に対して直進枠4Dにレンズ鏡筒外付け部材であるレンズキャップ(保護キャップ)12が着脱可能なものである。他の固定枠2,回転枠3,直進ガイドキー5、さらに、直進枠4Dに保持される撮影レンズ6およびカムフォロア7a1,7a2,7a3は、同様のものを適用する。その同様の構成部材に対しては、図1と同一の符号を付し、以下、異なる部分について説明する。
【0062】
直進枠4Dの外周4Daの前方部には、図14に示すようにカムフォロア7a1,7a2,7a3の前方対応位置にそれぞれ凹部4Dfが設けられる。
【0063】
直進枠4Dの前面に着脱可能なレンズキャップ12は、図14に示すように前端面12b上に3つの凹部12e1,12e2,12e3を有し、さらに、直進枠4Dとの嵌合部内周に凹部4Dfと係合する凸部12cが設けられた外付け部材である。
【0064】
レンズキャップ12の3つの凹部12e1,12e2,12e3は、その前端面12bの3カ所を切り欠いて所定の位置に設けられる。
【0065】
すなわち、凹部12e1は、直進枠4Dにレンズキャップ12を装着した状態で前端面12b上でカムフォロア7a1中心の光軸O方向の延長線と光軸Oとを通るL1 線を含む領域に配される。凹部12e2は、前端面12b上でカムフォロア7a2中心の光軸O方向の延長線と光軸Oとを通るL2 線を含む領域に配される。凹部12e3は、前端面12b上でカムフォロア7a3中心の光軸O方向延長線と光軸Oとを通るL3 線を含む領域に配される。
【0066】
このレンズキャップ12では、凹部12e1,12e2,12e3の間にある3つに分割された前端面12bが突起状の外部接触部材となる。これらの分割前端面12bは、直進枠の延在する中心軸方向と一致する光軸Oおよび1つのカムフォロアの中心軸を通る第一の平面と、該光軸Oおよび該カムフォロアに隣り合うカムフォロアの中心軸を通る第二の平面とに挟まれ、外周部4Daで囲まれた第三の平面領域に配される。
【0067】
本実施形態のレンズ鏡筒にレンズキャップ12を装着し、繰り込み状態あるいは繰り出し状態にあるとき、レンズキャップ12を下方にして外部障害物8、例えば、床面や地面に落下させた場合、図15に示すように分割前端面12bのいずれか1つ、または、複数が衝突初期において外部障害物8に当たり、その衝撃力F0 は、直進枠4Dのカムフォロア7a1,7a2,7a3のいずれかと回転枠3のカム溝3cで受ける。
【0068】
ここで、上述のように3つに分割された前端面12bがカムフォロア7a1,7a2,7a3の間の領域にあり、該前端面12bに上記衝撃力F0 が作用したとしても該衝撃力を少なくとも隣り合う2本のカムフォロアで分散して受けることになる。したがって、1本のカムフォロアで受ける力が減じられ、カムフォロア嵌合の外れやカムフォロアやカム溝を損傷を抑えることが可能になる。
【0069】
このように本実施形態のレンズ鏡筒においても第三の実施形態のレンズ鏡筒やその変形例と同様の効果を奏することができる。なお、本実施形態では、凹部4Dfの形成箇所は3つとしたが、特にその数は限定されない。
【0070】
次に、本発明の第六の実施形態のレンズ鏡筒について、図16,17を用いて説明する。
図16は、本実施形態のレンズ鏡筒の直進枠とフィルタ用リングの斜視図である。図17は、上記直進枠に装着したフィルタ用リングが障害物に突き当たった状態を示す図である。
【0071】
本実施形態のレンズ鏡筒は、前記第一の実施形態のレンズ鏡筒1に対して直進枠4Eにレンズ鏡筒外付け部材であるフィルタ用リング(フィルタ保持部材)13が着脱可能なものである。他の固定枠2,回転枠3,直進ガイドキー5、さらに、直進枠4Eに保持される撮影レンズ6およびカムフォロア7a1,7a2,7a3は、同様のものを適用する。その同様の構成部材に対しては、図1と同一の符号を付し、以下、異なる部分について説明する。
【0072】
直進枠4Eの外周4Eaの前方部には、図16に示すようにカムフォロア7a1,7a2,7a3の前方対応位置にそれぞれ凹部4Efが設けられる。
【0073】
直進枠4Eの前面に着脱可能なフィルタ用リング13は、図16に示すようにフィルタ開口部に光学フィルタ14を備え、前端面13b上に外部接触部材である光軸O前方方向に突出する凸球面形状を有する3つの突起部13d1,13d2,13d3が設けられ、さらに、直進枠4Eとの嵌合部内周に凹部4Efと係合する凸部13cが設けられた外付け部材である。
【0074】
3つの突起部13d1,13d2,13d3の前端面13b上の位置は、フィルタ用リング13を直進枠4Eに凹部4Efと凸部13cとを係合させて装着した状態にてカムフォロア7a1,7a2,7a3の位置に関連して配されている。
【0075】
すなわち、フィルタ用リング13を直進枠4Eに装着した状態にて突起部13d1は、直進枠の延在する中心軸方向と一致する光軸Oおよびカムフォロア7a1の中心軸を通る第一の平面と、該光軸Oおよびカムフォロア7a2の中心軸を通る第二の平面とに挟まれ、フィルタ用リング外周部とフィルタ開口部で囲まれた第三の平面領域に配される。具体的には突起部13d1は、図16で前端面13b上のカムフォロア7a1中心の光軸O方向の延長線と光軸Oとを通るL1 線とカムフォロア7a2中心の光軸O方向の延長線と光軸Oとを通るL2 線とに囲まれた領域13b1に配される。
【0076】
同様に突起部13d2も、前端面13b上の上記L2 線とカムフォロア7a3中心の光軸O方向の延長線と光軸Oとを通るL3 線とに囲まれた領域13b2に配される。また、突起部13d3も、前端面13b上にて上記L3 線と上記L1 線とに囲まれた領域13b3に配される。
【0077】
本実施形態のレンズ鏡筒の直進枠4Eにフィルタ用リング13を装着し、繰り込み状態あるいは繰り出し状態にあるとき、フィルタ用リング13を下方にして外部障害物8、例えば、床面や地面に落下させた場合、図17に示すように突起部13d1,13d2,13d3のいずれか1つ、または、複数が衝突初期において外部障害物8に当たり、その衝撃力F0 は、直進枠4Eのカムフォロア7a1,7a2,7a3のいずれかと回転枠3のカム溝3cで受ける。
【0078】
ここで、上述のように突起部13d1,13d2,13d3が直進枠4E側のカムフォロア7a1,7a2,7a3の間の領域にあるので、上記衝撃力F0 は、少なくとも隣り合う2本のカムフォロアで分散して受けることになる。したがって、1本のカムフォロアで受ける力が減じられ、カムフォロア嵌合の外れやカムフォロアの破損、あるいは、カム溝を損傷する等の不具合発生を抑えることが可能になる。
【0079】
このように本実施形態のレンズ鏡筒においても第三の実施形態のレンズ鏡筒やその変形例と同様の効果を奏することができる。なお、本実施形態では、凹部4Efの形成箇所は3つとしたが、特にその数は限定されない。
【0080】
次に、本発明の第七の実施形態のレンズ鏡筒について、図18,19を用いて説明する。
図18は、本実施形態のレンズ鏡筒の直進枠とフィルタ用リングとを分離した状態での側面図である。図19は、図18のX方向矢視図である。
【0081】
本実施形態のレンズ鏡筒は、前記第一の実施形態のレンズ鏡筒1に対して直進枠4Fにレンズ鏡筒外付け部材であるフィルタ用リング(フィルタ保持部材)15が螺合により装着可能とするものである。他の固定枠2,回転枠3,直進ガイドキー5、さらに、直進枠4Fに保持される撮影レンズ6およびカムフォロア7a1,7a2,7a3は、同様のものを適用する。その同様の構成部材に対しては、図1と同一の符号を付し、以下、異なる部分について説明する。
【0082】
直進枠4Fの外周4Faの前方部には図18に示すようにフィルタ用リング螺着用の雄ねじ部4Ffが設けられている。
【0083】
フィルタ用リング15は、図16,19に示すようにフィルタ開口部に光学フィルタ14を備えた金属、または、樹脂製外付け部材であり、内周部に直進枠4Fの雄ねじ部4Ffに螺合可能な雌ネジ15fが設けられ、フィルタ用リング15の前端面15b上には、光軸O前方方向に突出する凸球面形状の3つの外部接触部材である突起部15d1,15d2,15d3が設けられている。該突起部は、フィルタ用リング15を直進枠4Fに螺着した状態のもとでカムフォロア7a1,7a2,7a3の位置に関連して配されている。
【0084】
すなわち、フィルタ用リング15を直進枠4Fに螺着して装着した状態にて突起部15d1は、直進枠の延在する中心方向と一致する光軸Oおよびカムフォロア7a1の中心軸を通る第一の平面と、該光軸Oおよびカムフォロア7a2の中心軸を通る第二の平面とに挟まれ、フィルタ用リング外周部とフィルタ開口部で囲まれた第三の平面領域に配される。
【0085】
具体的には突起部15d1は、図19に示すように前端面15b上のカムフォロア7a1中心の光軸O方向の延長線と光軸Oとを通るL1 線とカムフォロア7a2中心の光軸O方向の延長線と光軸Oとを通るL2 線とに囲まれた領域15b1に配される。
【0086】
同様に突起部15d2も、前端面15b上の上記L2 線とカムフォロア7a3中心の光軸O方向の延長線と光軸Oとを通るL3 線とに囲まれた領域15b2に配される。また、突起部15d3も、前端面15b上にて上記L3 線と上記L1 線とに囲まれた領域15b3に配される。
【0087】
本実施形態のレンズ鏡筒の直進枠4Fにフィルタ用リング15を装着し、繰り込み状態あるいは繰り出し状態にあるとき、フィルタ用リング15を下方にして外部障害物8、例えば、床面や地面に落下させた場合、突起部15d1,15d2,15d3のいずれか1つ、または、複数が衝突初期において外部障害物8に当たり、その衝撃力は、直進枠4Fのカムフォロア7a1,7a2,7a3のいずれかと回転枠3のカム溝3cで受ける。
【0088】
ここで、上述のように突起部15d1,15d2,15d3が直進枠4F側のカムフォロア7a1,7a2,7a3の間の領域にあるので、上記衝撃力は、少なくとも隣り合う2本のカムフォロアで分散して受けることになる。したがって、1本のカムフォロアで受ける力が減じられ、カムフォロア嵌合の外れ、カムフォロアやカム溝の損傷の発生等を抑えることが可能となる。
【0089】
このように本実施形態のレンズ鏡筒においても第三の実施形態のレンズ鏡筒やその変形例と同様の効果を奏することができる。
【0090】
なお、本実施形態のレンズ鏡筒に適用したフィルタ用リング15に代えて直進枠4Fに螺合によって装着することができるレンズ保護用のレンズキャップに対しても上述したフィルタ用リング15と同様の突起部15d1,15d2,15d3を設けることによって、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0091】
次に、本発明の第八の実施形態のレンズ鏡筒について、図20〜22を用いて説明する。
図20は、本実施形態のレンズ鏡筒の直進枠とレンズフードの斜視図である。図21は、上記直進枠に装着したレンズフードの正面図である。図22は、上記直進枠に装着したレンズフードに障害物が突き当ったときの衝撃力の作用状態を示す図である。
【0092】
本実施形態のレンズ鏡筒は、前記第一の実施形態のレンズ鏡筒1に対して直進枠4Gにレンズ鏡筒外付け部材であるレンズフード16が着脱可能なものである。他の固定枠2,回転枠3,直進ガイドキー5、さらに、直進枠4Gに保持される撮影レンズ6およびカムフォロア7a1,7a2,7a3は、同様のものを適用する。その同様の構成部材に対しては、図1と同一の符号を付し、以下、異なる部分について説明する。
【0093】
直進枠4Gの外周4Gaの前方部には、図20に示すようにカムフォロア7a1,7a2,7a3の前方対応位置にそれぞれ凹部4Gfが設けられる。
【0094】
直進枠4Gの前面に着脱可能なレンズフード16は、図20,21に示すように中央開口部16aを備え、前面部に3つの外部接触部材となるフード凸部16d1,16d2,16d3と該凸部の間に3つのフード凹部16bが設けられた外付け部材である。また、直進枠4Gとの嵌合部内周に凹部4Gfと係合可能な凸部16cが設けられる。
【0095】
3つのフード凸部16d1,16d2,16d3の位置は、レンズフード16を直進枠4Gに凹部4Gfと凸部16cとを係合させて装着した状態にてカムフォロア7a1,7a2,7a3の位置に関連して配されている。
【0096】
すなわち、レンズフード16を直進枠4Gに装着した状態にてフード凸部16d1は、直進枠の延在する中心軸方向と一致する光軸Oおよびカムフォロア7a1の中心軸を通る第一の平面と、該光軸Oおよびカムフォロア7a2の中心軸を通る第二の平面とに挟まれ、レンズフード装着部外周と中央開口部16aで囲まれた第三の平面領域から前方に向けて延出して配される。
【0097】
具体的にはフード凸部16d1は、図21でカムフォロア7a1中心の光軸O方向の延長線と光軸Oとを通るL1 線とカムフォロア7a2中心の光軸O方向の延長線と光軸Oとを通るL2 線とに囲まれた領域16b1に配される。
【0098】
同様にフード凸部16d2も、上記L2 線とカムフォロア7a3中心の光軸O方向の延長線と光軸Oとを通るL3 線とに囲まれた領域16b2に配される。また、フード凸部16d3も、上記L3 線と上記L1 線とに囲まれた領域16b3に配される。
【0099】
本実施形態のレンズ鏡筒の直進枠4Gにレンズフード16を装着し、繰り込み状態あるいは繰り出し状態にあるとき、レンズフード16を下方にして外部障害物8、例えば、床面や地面に落下させた場合、図22に示すようにフード凸部16d1,16d2,16d3のいずれか1つ、または、複数が衝突初期において外部障害物8に当たり、その衝撃力F0 は、直進枠4Gのカムフォロア7a1,7a2,7a3のいずれかと回転枠3のカム溝3cで受ける。
【0100】
ここで、上述のようにフード凸部16d1,16d2,16d3が直進枠4G側のカムフォロア7a1,7a2,7a3の間の領域にあるので、上記衝撃力F0 は、少なくとも隣り合う2本のカムフォロアで分散して受けることになる。したがって、1本のカムフォロアで受ける力が減じられ、カムフォロア嵌合の外れやカムフォロアの破損、あるいは、カム溝を損傷する等の不具合発生を抑えることが可能になる。
【0101】
このように本実施形態のレンズ鏡筒においてもレンズフードを装着した状態で第三の実施形態のレンズ鏡筒やその変形例と同様の効果を奏することができる。なお、本実施形態では、凹部4Gfの形成箇所は3つとしたが、特にその数は限定されない。
【0102】
なお、上述した各実施形態における直進枠に設けられるカムフォロア7a1,7a2,7a3は、直進枠部材に対して圧入固着して配されるのみではなく、他に直進枠部材と一体成形で配してもよくもよく、その設置形態に限定する必要はない。さらには、カムフォロアのようなピン構造だけでなく、ガイド溝内を摺勤して鏡枠部材の進退、および/または、回転を伝達する機構を実現できるような鏡枠間支持部材であってもよい。また、カムフォロアは、3つに限らず2つでも4つ以上でもよい。
【0103】
この発明は、上記各実施の形態に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、上記各実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得る。
【産業上の利用可能性】
【0104】
本発明によるレンズ鏡筒は、落下時の姿勢や衝撃力の作用状態の変化に対しても安定した強度が得られ、構成部品の数を抑えたレンズ鏡筒として利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】本発明の第一の実施形態のレンズ鏡筒の分解斜視図である。
【図2】図1のレンズ鏡筒の直進枠の正面図である。
【図3】図1のA−A断面図であって、図1のレンズ鏡筒の回転枠のカム溝断面形状を示す。
【図4】図2のB−B断面図であって、図2の直進枠の先端部の断面形状を示す。
【図5】図1のレンズ鏡筒の直進枠が障害物に突き当たった状態を示す図である。
【図6】本発明の第二実施形態のレンズ鏡筒の直進枠の斜視図である。
【図7】図6の直進枠の正面図である。
【図8】図6の直進枠が障害物に突き当たった状態を示す図である。
【図9】本発明の第三実施形態およびその変形例のレンズ鏡筒の直進枠とレンズキャップの斜視図である。
【図10】図9の直進枠に装着したレンズキャップの正面図である。
【図11】図9の直進枠に装着したレンズキャップが障害物に突き当たった状態を示す図である。
【図12】本発明の第四実施形態のレンズ鏡筒の直進枠とレンズキャップの斜視図である。
【図13】図12の直進枠に装着したレンズキャップが障害物に突き当たった状態を示す図である。
【図14】本発明の第五実施形態のレンズ鏡筒の直進枠とレンズキャップの斜視図である。
【図15】図14の直進枠に装着したレンズキャップが障害物に突き当たった状態を示す図である。
【図16】本発明の第六実施形態のレンズ鏡筒の直進枠とフィルタ用リングの斜視図である。
【図17】図16の直進枠に装着したフィルタ用リングが障害物に突き当たった状態を示す図である。
【図18】本発明の第七実施形態のレンズ鏡筒の直進枠とフィルタ用リングとを分離した状態での側面図である。
【図19】図18のX方向の矢視図である。
【図20】本発明の第八実施形態のレンズ鏡筒の直進枠とレンズフードの斜視図である。
【図21】図20の直進枠に装着したレンズフードの正面図である。
【図22】図20の直進枠に装着したレンズフードに障害物が突き当ったときの衝撃力の作用状態を示す図である。
【符号の説明】
【0106】
3 …回転枠(第一の枠部材)
4,4A,4B,4C,4D,4E,4F,4G
…直進枠(第二の枠部材)
4b…前端面(第二の部材の端面)
4Ab…分割前端面
(第二の部材の端面,外部接触部材)
4d1,4d2,4d3,
11d1,11d2,11d3,
13d1,13d2,13d3,
15d1,15d2,15d3
…突起部(外部接触部材)
12b…分割された前端面(外部接触部材)
9a,9Aa
…頂点(外部接触部材)
16d1,16d2,16d3
…フード凸部(外部接触部材)
9,9A,11,12
…レンズキャップ
(レンズ鏡筒外付け部材,保護キャップ)
13,15
…フィルタ用リング
(レンズ鏡筒外付け部材,フィルタ保持部材)
14 …光学フィルタ
16 …レンズフード(レンズ鏡筒外付け部材)
O …光軸(中心軸)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のカム溝を有する第一の枠部材と、
複数の上記カム溝の各々に係合する第一のカムフォロアと第二のカムフォロアとを有する第二の枠部材と、
上記第二の枠部材が延在する方向に沿った中心軸と上記第一のカムフォロアとを含む第一の平面と、上記中心軸と上記第一のカムフォロアに隣接する上記第二のカムフォロアとを含む第二の平面とに挟まれた領域にて上記第二の枠部材の端面よりも上記中心軸方向の外側に突出する外部接触部材と、
を有することを特徴とするレンズ鏡筒。
【請求項2】
上記外部接触部材は、上記第二の枠部材の外周よりも内側領域にて上記中心軸方向の外側に突出していることを特徴とする請求項1に記載のレンズ鏡筒。
【請求項3】
上記外部接触部材は、上記第二の枠部材の端面に形成されることを特徴とする請求項1記載のレンズ鏡筒。
【請求項4】
複数のカム溝を有する第一の枠部材と、複数の上記カム溝の各々に係合する第一のカムフォロアと第二のカムフォロア、および、外付け部材を位置決め固定するための取付け部を有する第二の枠部材とを有するレンズ鏡筒と、
上記取付け部と係合する係合部と、上記取付け部と係合部とを係合して位置決め固定させた時、上記第二の枠部材が延在する方向に沿った中心軸と上記第一のカムフォロアとを含む第一の平面と、上記中心軸と上記第一のカムフォロアに隣接する上記第二のカムフォロアとを含む第二の平面とに挟まれた領域にて上記第二の枠部材の端面よりも上記中心軸方向の外側に突出する外部接触部材とを有するレンズ鏡筒外付け部材と、
からなることを特徴とするレンズ鏡筒システム。
【請求項5】
上記レンズ鏡筒外付け部材は、レンズフードであることを特徴とする請求項4に記載のレンズ鏡筒システム。
【請求項6】
上記レンズ鏡筒外付け部材は、保護キャップであることを特徴とする請求項4に記載のレンズ鏡筒システム。
【請求項7】
上記レンズ鏡筒外付け部材は、光学フィルタを保持するフィルタ保持部材であることを特徴とする請求項4に記載のレンズ鏡筒システム。
【請求項1】
複数のカム溝を有する第一の枠部材と、
複数の上記カム溝の各々に係合する第一のカムフォロアと第二のカムフォロアとを有する第二の枠部材と、
上記第二の枠部材が延在する方向に沿った中心軸と上記第一のカムフォロアとを含む第一の平面と、上記中心軸と上記第一のカムフォロアに隣接する上記第二のカムフォロアとを含む第二の平面とに挟まれた領域にて上記第二の枠部材の端面よりも上記中心軸方向の外側に突出する外部接触部材と、
を有することを特徴とするレンズ鏡筒。
【請求項2】
上記外部接触部材は、上記第二の枠部材の外周よりも内側領域にて上記中心軸方向の外側に突出していることを特徴とする請求項1に記載のレンズ鏡筒。
【請求項3】
上記外部接触部材は、上記第二の枠部材の端面に形成されることを特徴とする請求項1記載のレンズ鏡筒。
【請求項4】
複数のカム溝を有する第一の枠部材と、複数の上記カム溝の各々に係合する第一のカムフォロアと第二のカムフォロア、および、外付け部材を位置決め固定するための取付け部を有する第二の枠部材とを有するレンズ鏡筒と、
上記取付け部と係合する係合部と、上記取付け部と係合部とを係合して位置決め固定させた時、上記第二の枠部材が延在する方向に沿った中心軸と上記第一のカムフォロアとを含む第一の平面と、上記中心軸と上記第一のカムフォロアに隣接する上記第二のカムフォロアとを含む第二の平面とに挟まれた領域にて上記第二の枠部材の端面よりも上記中心軸方向の外側に突出する外部接触部材とを有するレンズ鏡筒外付け部材と、
からなることを特徴とするレンズ鏡筒システム。
【請求項5】
上記レンズ鏡筒外付け部材は、レンズフードであることを特徴とする請求項4に記載のレンズ鏡筒システム。
【請求項6】
上記レンズ鏡筒外付け部材は、保護キャップであることを特徴とする請求項4に記載のレンズ鏡筒システム。
【請求項7】
上記レンズ鏡筒外付け部材は、光学フィルタを保持するフィルタ保持部材であることを特徴とする請求項4に記載のレンズ鏡筒システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2007−140401(P2007−140401A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−337622(P2005−337622)
【出願日】平成17年11月22日(2005.11.22)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月22日(2005.11.22)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]