説明

レーザレーダ及びレーザレーダによる境界監視方法

【課題】境界監視用に使用する場合において、監視コストの低減を実現したうえで、フェンス付近の計測対象の三次元データを生成することが可能であるレーザレーダ及びレーザレーダによる境界監視方法を提供する。
【解決手段】投光部2と、投光部2から発したレーザ光LTを走査する走査部3と、計測対象領域で反射して戻った反射レーザ光LRを受ける受光部4と、レーザ光LTの投光タイミング及び走査部3による走査を制御する制御部5と、計測対象の距離情報を取得する演算部6を備え、走査部3は、中心軸31と直交する底面32aに対する角度が互いに異なる複数の斜面32bを有する角錐台形状を成すポリゴンミラー32と、ポリゴンミラーを回転させるモータ33を具備していて、モータ33が一回転する毎に角度分解能を算出し、ポリゴンミラー32の角度を算出して制御部5に出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、領域を仕切る境界柵部、例えば、工場などの施設領域と外部とを仕切るフェンスの近傍を監視するのに利用されるレーザレーダ及びレーザレーダによる境界監視方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、上記した領域を仕切る境界柵部の近傍を監視するレーザレーダとしては、例えば、レーザ光を発する投光部と、この投光部から発したレーザ光を二次元的に走査する走査部と、この走査部によるレーザ光走査により計測対象で反射して戻るレーザ光を受ける受光部を備えたものがあり、このようなレーザレーダにおいて、一般的に、走査部は、投光部から発したレーザ光を境界柵部に沿う方向に走査するポリゴンミラーを具備した一方の光学走査機構と、この光学走査機構のポリゴンミラーからのレーザ光を境界柵部を貫く方向に走査するガルバノスキャナを具備した他方の光学走査機構を有するものとなっている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このレーザレーダを境界監視用に使用する場合、走査部が、互いに独立する二系統の光学走査機構を有している都合上、レーザレーダの価格が高額になって、監視コストの上昇を避け得ない。
そこで、監視コストの低減を図るべく、側面の傾斜角度を互いに違えた多角錐台形状のポリゴンミラーを用いることで光学走査機構を一つにまとめた車両間距離検出用のレーザレーダ(例えば、特許文献2参照)を境界監視用に使用することが提案されている。
【特許文献1】特開2005-69975号
【特許文献2】特開2005-291787号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記した車両間距離検出用のレーザレーダを境界監視用に使用する場合、価格を低く抑えつつ、多角錐台形状のポリゴンミラーによりレーザ光を二次元的に走査して境界柵部付近の計測対象までの距離を検出することはできるものの、計測対象の三次元データを生成することができないという問題があり、この問題を解決することが従来の課題となっていた。
【0005】
本発明は、上述した従来の課題に着目してなされたもので、境界監視用に使用する場合において、監視コストの低減を実現したうえで、境界柵部付近の計測対象の三次元データを生成することが可能であるレーザレーダ及びレーザレーダによる境界監視方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に係る発明は、レーザ光を発する投光部と、この投光部から発したレーザ光を二次元的に走査する走査部と、この走査部によるレーザ光走査により計測対象で反射して戻った反射レーザ光を前記走査部を介して受ける受光部と、前記投光部にレーザ光の投光指令を発すると共に前記走査部による走査を制御する制御部と、この制御部から与えられるレーザ光の投光タイミング及び前記受光部から与えられる反射レーザ光の受光タイミングに基づいて前記計測対象の距離情報を取得する距離演算部を備えたレーザレーダにおいて、前記走査部は、中心軸と直交する底面及びこの底面に対する角度が互いに異なる複数の斜面を有する角錐台形状を成すポリゴンミラーと、このポリゴンミラーをその中心軸回りに回転させるモータを具備し、前記モータが一回転する毎に角度分解能を算出して、現在のポリゴンミラーの角度を算出して前記制御部に出力する構成としたことを特徴としており、このレーザレーダの構成を前述の従来の課題を解決するための手段としている。
【0007】
また、本発明の請求項2に係る発明は、領域を仕切る境界柵部の近傍を監視するレーザレーダであって、レーザ光を発する投光部と、この投光部から発したレーザ光を二次元的に走査する走査部と、この走査部によるレーザ光走査により計測対象で反射して戻った反射レーザ光を前記走査部を介して受ける受光部と、前記投光部にレーザ光の投光指令を発すると共に前記走査部による走査を制御する制御部と、この制御部から与えられるレーザ光の投光タイミング及び前記受光部から与えられる反射レーザ光の受光タイミングに基づいて前記計測対象の距離情報を取得する距離演算部を備えたレーザレーダにおいて、前記走査部は、中心軸と直交する底面及びこの底面に対する角度が互いに異なる複数の斜面を有する角錐台形状を成すポリゴンミラーと、このポリゴンミラーをその中心軸回りに回転させるモータを具備していて、前記ポリゴンミラーの中心軸が前記境界柵部を貫く方向に沿うべく該ポリゴンミラーが配置されると共に、前記投光部及び受光部の各光軸が前記ポリゴンミラーの中心軸に沿い且つ該中心軸の下側に位置する斜面に向くべく該投光部及び受光部がそれぞれ配置され、前記モータが一回転する毎に角度分解能を算出して、現在のポリゴンミラーの角度を算出して前記制御部に出力する構成としたことを特徴としており、このレーザレーダの構成を前述の従来の課題を解決するための手段としている。
【0008】
一方、本発明の請求項3に係る発明は、請求項1に記載のレーザレーダにより、領域を仕切る境界柵部の近傍を監視するに際して、走査部のポリゴンミラーの中心軸が前記境界柵部を貫く方向に沿うべく該ポリゴンミラーを配置すると共に、投光部及び受光部の各光軸が前記ポリゴンミラーの中心軸に沿い且つ該中心軸の下側に位置する斜面に向くべく該投光部及び受光部をそれぞれ配置し、前記走査部のポリゴンミラーを回転させつつ前記投光部からレーザ光を投光して、前記境界柵部に沿う方向及び該境界柵部を貫く方向にレーザ光を走査し、この走査部によるレーザ光走査により計測対象で反射して戻った反射レーザ光を前記走査部のポリゴンミラーを介して受光部で受ける構成としたことを特徴としており、このレーザレーダによる境界監視方法の構成を前述の従来の課題を解決するための手段としている。
【0009】
本発明のレーザレーダ及びレーザレーダによる境界監視方法において、投光部から発するレーザ光としては、半導体レーザや固体レーザやガスレーザなどを用いることができ、信号波形がパルス状や位相変調した正弦波状を成すレーザ光が使用される。
また、本発明のレーザレーダにおける走査部のポリゴンミラーは、四角錐台や六角錐台などの多角錐型台形状を成しているが、中心軸と直交する底面に対する角度が互いに異なる複数の斜面は、底面に対する角度が、例えば、1度ずつ異なるように成形する。
【0010】
そして、この走査部のポリゴンミラーは、領域を仕切る境界柵部の近傍を監視する場合において、図3(a)に示すように、その回転中心である中心軸31が境界柵部Fを貫く方向(図示左右方向)に沿うように設置し、この際、投光部2(及び受光部)は、この投光部2からのレーザ光LTがポリゴンミラー32の中心軸31とほぼ平行で且つこの中心軸31の下側に位置する斜面32bに当たるように設置する。
【0011】
このレーザレーダでは、パルス状や位相変調した正弦波状のレーザ光を境界柵部の近傍の計測対象に照射し、反射して戻ってくるまでの時間を計測して距離演算部により処理することで、計測対象までの距離を求めることができる。
このとき、制御部による制御によって上記走査部が動作しており、すなわち、ポリゴンミラー32が中心軸31回りに回転しており、図3(b)に示すように、ポリゴンミラー32の一つの斜面32bに投光部2(及び受光部)からのレーザ光LTが当たっている間は、レーザ光LTが境界柵部Fに沿う方向(図示上下方向)に走査され、図4に示すように、レーザ光LTがポリゴンミラー32の一つの斜面32bから次の斜面32bに当たるようになると、この斜面32bの底面32aに対する角度が一つ前の斜面32bと異なる分だけ、レーザ光LTが境界柵部Fを貫く方向にシフトしつつ境界柵部Fに沿う方向に走査され、これらの動作が繰り返されることにより、境界柵部Fに沿う方向及び境界柵部Fを貫く方向の二次元走査が成されることとなる。
【0012】
このように、本発明のレーザレーダでは、中心軸と直交する底面に対する角度を互いに違えた複数の斜面を有する多角錐台形状のポリゴンミラーを用いることで、走査部の光学走査機構を一つにまとめるようにしているので、境界監視用に使用する場合において、レーザレーダのコストの低減が図られて、監視コストが低く抑えられることとなる。
また、本発明のレーザレーダでは、走査部において、モータが一回転する毎に角度分解能を算出し、現在のポリゴンミラーの角度を算出して制御部に出力するようにしているので、制御部では、距離演算部から得た距離情報と、走査部から得たポリゴンミラーの角度情報とから、三次元データを生成し得ることとなる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の請求項1に係るレーザレーダでは、上記した構成としたから、コストの低減を実現したうえで、計測対象の三次元データを生成することが可能であるという非常に優れた効果がもたらされる。
また、本発明の請求項2に係るレーザレーダ及び請求項3に係るレーザレーダによる境界監視方法では、上記した構成としているので、監視コストの低減を実現しつつ、境界柵部付近の計測対象の三次元データを生成することが可能であるという非常に優れた効果がもたらされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明に係るレーザレーダ及びレーザレーダによる境界監視方法を図面に基づいて説明する。
図1〜図5は、本発明に係るレーザレーダの一実施形態を示しており、この実施形態では、本発明に係るレーザレーダを工場などの施設領域と外部とを仕切るフェンス(境界柵部)の近傍を監視するのに用いた場合を例に挙げて説明する。
【0015】
図1に示すように、このレーザレーダ1は、パルス状のレーザ光LTを発する投光部2と、この投光部2から発したレーザ光LTを二次元的に走査する走査部3と、この走査部3によるレーザ光LTの走査により走査範囲内の計測対象で反射して戻った反射レーザ光LRを走査部3を介して受ける受光部4と、投光部2にレーザ光LTの投光指令を発すると共に走査部3による走査を制御する制御部5と、この制御部5から与えられるレーザ光LTの投光タイミング及び受光部4から与えられる反射レーザ光LRの受光タイミングに基づいて計測対象の距離情報を取得する距離演算部6を備えている。
【0016】
走査部3は、図2に示すように、中心軸31と直交する底面32a及びこの底面32aに対する角度が互いに異なる複数(本実施形態では4枚)の斜面32bを有する角錐台形状を成すポリゴンミラー32と、このポリゴンミラー32をその中心軸31回りに回転させるモータ33を具備しており、この走査部3は、投光部2や受光部4などとともに図示しない支柱などの立設物に取り付けられるようになっている。
【0017】
この場合、ポリゴンミラー32は、図3(a)に示すように、その中心軸31がフェンスFを貫く方向(図示左右方向)に沿うようにして配置してあり、一方、投光部2(及び受光部4)は、この投光部2からのレーザ光LTがポリゴンミラー32の中心軸31とほぼ平行で且つこの中心軸31の下側に位置する斜面32bに当たるように配置してある。
つまり、中心軸31回りに回転するポリゴンミラー32の一つの斜面32bに投光部2からのレーザ光LTが当たっている間は、図3(b)に示すように、レーザ光LTがフェンスFに沿う方向(図示上下方向)に走査され、図4に示すように、レーザ光LTがポリゴンミラー32の一つの斜面32bから次の斜面32bに当たるようになると、この斜面32bの底面32aに対する角度が一つ前の斜面32bと異なる分だけ、レーザ光LTがフェンスFを貫く方向にシフトしつつフェンスFに沿う方向に走査され、走査部3において、これらの動作を繰り返し行わせることで、フェンスFに沿う方向及びフェンスFを貫く方向の二次元走査を行うことができるようにしている。
【0018】
また、この走査部3では、モータ33が一回転する毎に角度分解能を算出して、現在のポリゴンミラー32の角度を算出して制御部5に出力するようにしている。
具体的には、モータ33にインクリメンタル式ロータリエンコーダが取り付けられている場合には、このエンコーダから、モータ33が一回転する毎に一発の原点信号、及び、一定角度回る毎に一発のパルス信号(例えば、0.1°回る毎に一発、すなわち、モータ33の一回転で3600発のパルス信号)が出力される場合において、図5に示すように、ステップS1において原点信号が到来すると、ステップS2において演算変数として有するカウント値Cntを0にリセットし、ステップS3においてパルス信号が到来すると、ステップS4においてカウント値Cntをインクリメント(+1)して、ステップS5において、ポリゴンミラー32の角度値Degを算出する。
【0019】
この際、ロータリエンコーダの原点位置と、ポリゴンミラー32の機械的原点位置とが厳密に言って一致していない場合に備えて、オフセット量Ofstを定数として保持し、また、カウント値Cntをポリゴンミラー32の角度値Degに換算するための角度分解能Dresを定数として保持する(例えば、上記したように、エンコーダからモータ33の一回転で3600発のパルス信号が出力される場合であれば、角度分解能Dresは0.1[°/パルス]になる)。
【0020】
つまり、ポリゴンミラー32の角度値Degは、 (Cnt−Ofst)×Dresに基づいて算出されることとなる。
なお、モータ33にインクリメンタル式ロータリエンコーダが取り付けられていない場合には、モータ33から出力される一回転に一発の原点信号と、モータ33とは非同期の内部クロック(一定周波数の矩形波)を用いる。
【0021】
図6に示すように、ステップS11において原点信号が到来すると、ステップS12において演算変数として有するカウント値Cntを基準カウント値Crefとして保持すると共に、カウント値Cntをポリゴンミラー32の角度値Degに換算するための角度分解能Dresを基準カウント値Crefから算出し(モータ33一回転の360°を基準カウント値Crefで除算した結果を角度分解能Dresとし)、続いて、ステップS13においてCnt値を0にリセットする。
【0022】
そして、ステップS14において内部クロックの立ち上がり信号(又は立ち下り信号)が到来すると、ステップS15においてカウント値Cntをインクリメント(+1)して、ステップS16において、ポリゴンミラー32の角度値Degを算出する。
この場合も、オフセット量Ofstを定数として保持し、したがって、ポリゴンミラー32の角度値Degは、(Cnt−Ofst)×Dresに基づいて算出されることとなる。
【0023】
すなわち、モータ33が一回転する毎に角度分解能を算出して、一回転前の回転速度が現在の回転速度と同一であると見なして現在のポリゴンミラー32の角度を算出する。
上記したこの実施形態に係るレーザレーダ1では、パルス状や位相変調した正弦波状のレーザ光LTをフェンスFの近傍の計測対象に照射し、反射して戻ってくるまでの時間を計測して距離演算部6により処理することで、計測対象までの距離を求めることができる。
【0024】
この際、制御部5による制御によって上記走査部3の多角錐台形状を成すポリゴンミラー32を動作させてレーザ光LTをフェンスFに沿う方向及びフェンスFを貫く方向に(二次元的に)走査させ、この制御部5において、この走査部3のポリゴンミラー32から得た角度情報と、距離演算部6から得た距離情報とから、三次元データを生成して外部に出力するものとなっている。
【0025】
このように、上記したレーザレーダ1では、中心軸31と直交する底面32aに対する角度を互いに違えた4枚の斜面32bを有する多角錐台形状のポリゴンミラー32を用いることで、走査部3の光学走査機構を一つにまとめるようにしているので、本実施形態のように、境界監視用に使用する場合において、レーザレーダ1のコストの低減が図られて、監視コストが低く抑えられることとなる。
【0026】
また、上記したこの実施形態に係るレーザレーダ1では、走査部3において、モータ33が一回転する毎に角度分解能を算出し、現在のポリゴンミラー32の角度を算出して制御部5に出力するようにしているので、制御部5において、三次元データを生成して外部に出力し得ることとなる。
上記した実施形態では、本発明に係るレーザレーダを工場などの施設領域と外部とを仕切るフェンスの近傍を監視するのに用いた場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、踏み切りや交差点の監視に用いることも可能である。
【0027】
また、本発明に係るレーザレーダの構成は、上記した実施形態によるレーザレーダ1の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係るレーザレーダの一実施形態を示すブロック図である。
【図2】図1におけるレーザレーダの走査部に対する投光部及び受光部の位置関係を示す斜視説明図である。
【図3】図1におけるレーザレーダの走査部及び投光部の位置関係を示す簡略側面説明図(a)及び簡略平面説明図(b)である。
【図4】図1に示したレーザレーダの走査部におけるポリゴンミラーの動作説明図(a),(b)である。
【図5】図1におけるレーザレーダのポリゴンミラーの一角度算出要領を示すフローチャートである。
【図6】図1におけるレーザレーダのポリゴンミラーの他の角度算出要領を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0029】
1 レーザレーダ
2 投光部
3 走査部
31 ポリゴンミラーの中心軸
32 ポリゴンミラー
32a ポリゴンミラーの底面
32b ポリゴンミラーの斜面
33 モータ
4 受光部
5 制御部
6 距離演算部
LR 反射レーザ光
LT 投光レーザ光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光を発する投光部と、
この投光部から発したレーザ光を二次元的に走査する走査部と、
この走査部によるレーザ光走査により計測対象で反射して戻った反射レーザ光を前記走査部を介して受ける受光部と、
前記投光部にレーザ光の投光指令を発すると共に前記走査部による走査を制御する制御部と、
この制御部から与えられるレーザ光の投光タイミング及び前記受光部から与えられる反射レーザ光の受光タイミングに基づいて前記計測対象の距離情報を取得する距離演算部を備えたレーザレーダにおいて、
前記走査部は、中心軸と直交する底面及びこの底面に対する角度が互いに異なる複数の斜面を有する角錐台形状を成すポリゴンミラーと、このポリゴンミラーをその中心軸回りに回転させるモータを具備し、前記モータが一回転する毎に角度分解能を算出して、現在のポリゴンミラーの角度を算出して前記制御部に出力する
ことを特徴とするレーザレーダ。
【請求項2】
領域を仕切る境界柵部の近傍を監視するレーザレーダであって、
レーザ光を発する投光部と、
この投光部から発したレーザ光を二次元的に走査する走査部と、
この走査部によるレーザ光走査により計測対象で反射して戻った反射レーザ光を前記走査部を介して受ける受光部と、
前記投光部にレーザ光の投光指令を発すると共に前記走査部による走査を制御する制御部と、
この制御部から与えられるレーザ光の投光タイミング及び前記受光部から与えられる反射レーザ光の受光タイミングに基づいて前記計測対象の距離情報を取得する距離演算部を備えたレーザレーダにおいて、
前記走査部は、中心軸と直交する底面及びこの底面に対する角度が互いに異なる複数の斜面を有する角錐台形状を成すポリゴンミラーと、このポリゴンミラーをその中心軸回りに回転させるモータを具備していて、前記ポリゴンミラーの中心軸が前記境界柵部を貫く方向に沿うべく該ポリゴンミラーが配置されると共に、前記投光部及び受光部の各光軸が前記ポリゴンミラーの中心軸に沿い且つ該中心軸の下側に位置する斜面に向くべく該投光部及び受光部がそれぞれ配置され、前記モータが一回転する毎に角度分解能を算出して、現在のポリゴンミラーの角度を算出して前記制御部に出力する
ことを特徴とするレーザレーダ。
【請求項3】
請求項1に記載のレーザレーダにより、領域を仕切る境界柵部の近傍を監視するに際して、
走査部のポリゴンミラーの中心軸が前記境界柵部を貫く方向に沿うべく該ポリゴンミラーを配置すると共に、投光部及び受光部の各光軸が前記ポリゴンミラーの中心軸に沿い且つ該中心軸の下側に位置する斜面に向くべく該投光部及び受光部をそれぞれ配置し、
前記走査部のポリゴンミラーを回転させつつ前記投光部からレーザ光を投光して、前記境界柵部に沿う方向及び該境界柵部を貫く方向にレーザ光を走査し、
この走査部によるレーザ光走査により計測対象で反射して戻った反射レーザ光を前記走査部のポリゴンミラーを介して受光部で受ける
ことを特徴とするレーザレーダによる境界監視方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−66101(P2010−66101A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−232131(P2008−232131)
【出願日】平成20年9月10日(2008.9.10)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】