説明

レーザ切断装置用のベルト清掃システム

【課題】レーザ切断装置に対し紙製品を搬入出移送するのに用いるコンベヤベルトに関し、搬送面を有するコンベヤベルトを清掃するベルト清掃システムを提供する。
【解決手段】ベルト清掃システムはコンベヤベルト16の下側に配置されたローラアセンブリ20を備える。ローラアセンブリ20は、多孔質セラミックで出来た筒状ローラを含む。ローラには、含水性清掃ファイバからなるロールが巻き付けてある。ローラの内部に供給された洗浄液体30は、向けローラ壁の孔を通過して清掃ファイバのロールを湿らせる。ローラアセンブリ20は軸受により回動可能に装着し、ロールの外面をコンベヤベルト面18に対し当接回動させ、それによって湿潤洗浄ファイバがコンベヤベルト面18から紙屑8を連続的に掻き落とす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的に紙のレーザ切断用装置に関する。より詳細には、本開示はレーザ切断装置に対し紙製品を搬入出移送するのに用いるコンベヤベルトに関する。
【背景技術】
【0002】
レーザ切断真空移送ベルト上には、紙屑や汚染物が堆積する。続くパスにおいてレーザが紙屑を加熱し、このことで片や紙屑が移送ベルト上に焼き付けられ、焼き付けられた紙屑が余分なエネルギを吸収し、ベルトをたわませ、ベルトが燃えつきてしまい、早期にベルトに欠陥を生ぜしめる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この課題を解決する従来の手法は、機械を稼働させたまま手あるいは機械的に起動される掻き落としブレードを用いて定期的にベルトを清掃するものである。しかしながら、清掃の間に紙屑が堆積し、ベルトがたわみ、粘着性となり、書類を取り除くのが困難となる。
【0004】
掻き落とした場合、1)紙屑がブレードの掻き落とし端に堆積し、ブレードの効能を低下させ、2)ブレードがベルトを引っ掻き、汚染物の除去をより困難とし、3)移送ベルトのたわみ領域にブレードがアクセスできない。手で清掃した場合、洗浄溶液と紙屑が共に真空引き孔を介して吸引され、ベルトの下側に移動し、そのことが片や駆動上の問題とより多くのベルト欠陥を引き起こすことがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
搬送面を有するコンベヤベルトを清掃するベルト清掃システムが、提供される。システムは、ローラアセンブリと液体供給源とを備える。ローラアセンブリは、含水性材料で構成された清掃ウェブと、この清掃ウェブをコンベヤベルト搬送面に回動当接状態で付勢するローラとを含む。液体供給下位システムは、清掃ウェブに対し洗浄液体を供給する。
【0006】
ローラは多孔質材料で出来たシリンダとすることができ、洗浄ウェブはローラの外面の周囲に巻き付ける清掃ファイバからなるロールとする。
【0007】
液体供給下位システムはローラ内腔に流体連通しており、ローラを洗浄液体が通過して清掃ウェブを湿らせる。
【0008】
液体供給下位システムには洗浄液体を収容するよう適合させた洗浄液体貯槽を含ませることができ、清掃ウェブは近位端部分と遠位端部分とを有する連続ループとする。ローラは清掃ウェブループの近位端部分に配置され、清掃ウェブループの遠位端部分は洗浄液体貯槽内に配置される。
【0009】
液体供給下位システムには、洗浄液体貯槽内に配置されて洗浄ウェブから紙屑を除去する洗浄装置も含めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】コンベヤ上に組み付けた本開示になるベルト清掃システムの第1実施形態の概略図である。
【図2】図1のローラアセンブリの拡大正面図である。
【図3】図2の3−3線に沿って見た断面図である。
【図4】コンベヤ上に組み付けた本開示になるベルト清掃システムの第2実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面を参照すると、ここでは幾つかの図面を通じ同様の参照符号が同様の部分を表わしており、本開示によるベルト清掃システムは一般に符号10で指し示してある。ベルト清掃システム10は、コンベヤベルト、例えばレーザ切断装置に対し製品を搬入出移送するコンベヤベルトのウェブの清掃に用いることができる。
【0012】
図1を参照すると、コンベヤ12はその周りにコンベヤベルト16すなわちウェブが巻き付けられるノーズローラ14を含んでいる。コンベヤベルト16の周縁に密接して配置されているのが、ベルト16の幅を跨ぐベルト清掃システム10からなる第1の実施形態である。ベルト清掃システム10はコンベヤベルト16を実質連続的に清掃し、それによってコンベヤベルト16の搬送面18上に紙屑8が蓄積しないようにし、紙屑がレーザ領域(図示せず)に到達するようなことがある前に紙屑8を取り除く。清掃ベルト面18はレーザを反射し、従来システムに見られるレーザ誘導エッチングやたわみを阻止し、それによってコンベヤベルト16の寿命を引き延ばす。
【0013】
図2と図3をさらに参照すると、ベルト清掃システムはコンベヤベルト16の下側に配置されたローラアセンブリ20を備える。ローラアセンブリ20は、例えば多孔質材料24、例えば多孔質セラミックで出来た筒状ローラ22を含む。ローラ22には、含水性清掃ファイバ28からなるロール26が巻き付けてある。ローラ22の内部32に供給された洗浄液体30は、向けローラ壁34の孔24を通過して清掃ファイバ28のロール26を湿らせる。ローラアセンブリ20は軸受36により回動可能に装着し、ロール26の外面38をコンベヤベルト面18に対し当接回動させ、それによって湿潤洗浄ファイバ28がコンベヤベルト面18から紙屑8を連続的に掻き落とす。駆動システム40は、コンベヤベルト16の回動方向と同方向あるいは逆方向に回動させることができる。
【0014】
洗浄液体30は、供給管路44を介して洗浄液体貯槽42からローラアセンブリ20へ連続的に給送される。洗浄液体30は、重力によりローラアセンブリ20に給送するか、あるいは洗浄液体供給源42を加圧するかあるいは供給管路44内のポンプ46を用いることで、洗浄液体供給源42から押し出すことができる。コンベヤベルト16の清掃に必要な量を上回る洗浄液体30の流れをローラアセンブリ20へ供給することで、自浄機構を組み込むことができる。過剰な洗浄液体流48が、清掃ファイバ28内に埋もれた紙屑8をロール26の外面38へ押す。紙屑8とロール26の外面38上に位置する他の紙屑8は、過剰な洗浄液体流48によりロール26の外面38から洗い落とされる。ローラアセンブリ20の下側に配置した液溜め50が、過剰な洗浄液体流48をこれがローラアセンブリ20から滴下される際に回収する。液溜め50に回収された洗浄液体30は、紙屑8を除去するフィルタ52を通過した後、洗浄液体供給源42へ戻すことができる。
【0015】
図4を参照すると、第2実施形態のベルト清掃システム10’は含水性の布あるいはファイバで出来た清掃ウェブ56からなる連続ループ54を含んでいる。清掃ウェブループ54の近位端58は、通常はコンベヤベルト16の下側からコンベヤベルト16の面18に当接する状態へ押圧される。塗布器60は、清掃ウェブ56をコンベヤベルト面18との当接状態に付勢する。塗布器60は、発泡体ロールやあるいは他のばね付勢型可撓面要素等の回動多孔質ロールであってよい。洗浄ウェブループ54の遠位端部分62は洗浄液体30を収容した貯槽64内に配置されており、ここで貯槽64内に配置された洗浄液体30は洗浄ウェブループ54内に保持された洗浄液体30を補充し、清掃ウェブ56が適切に湿潤されるよう保証する。貯槽64内に配置された洗浄液体30はまた、洗浄ウェブループ54から紙屑8を濯ぎ落とす。被加圧噴霧洗浄器や被加圧多孔質ローラや回動ブラシローラや洗浄ブラシ等の洗浄装置65を貯槽64内に配置し、コンベヤベルト面18から紙屑8を洗浄することができる。
【0016】
蓄積された紙屑8は、ポンプ66を用いて貯槽洗浄液体30を、フィルタ68を介して循環させることで洗浄液体30から取り除くことができる。貯槽液位制御システム70を用いて貯槽64内に十分な液位の洗浄液体30を保ち、洗浄ウェブループ54の遠位端部分62が適切に潜没するよう保証することができる。液位検出器72が、貯槽64内の洗浄液体30の液位に対応する信号を制御システムコントローラ74へ送信する。貯槽64内の洗浄液体30の液位が所定の液位に達すると、制御システムコントローラ74は弁等の流れ制御装置76を作動させ、新規の洗浄液体30が貯槽64内に流入できるようにする。制御システムコントローラ74は、供給管路80内のポンプ78を始動し、洗浄液体30の流れを促すこともできる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ切断装置におよびレーザ切断装置から紙製品を移送する搬送面を有するコンベヤベルトを清掃するベルト清掃システムであって、
含水材料で構成された清掃ウェブと、
前記清掃ウェブをコンベヤベルト搬送面に回動当接状態に付勢するローラと、を含み、それによって前記清掃ウェブが前記コンベヤベルト搬送面を実質連続的に清掃するローラアセンブリと、
前記清掃ウェブに洗浄液体を供給する液体供給下位システムと、を備える、ベルト清掃システム。
【請求項2】
前記ローラは多孔質材料で出来たシリンダであり、該ローラは外面を有し内腔を画成しており、前記洗浄ウェブは前記ローラの外面の周囲に巻き付けた清掃ファイバからなるロールである、請求項1に記載のベルト清掃システム。
【請求項3】
前記液体供給下位システムは前記ローラ内腔に流体連通しており、前記洗浄液体がローラを通過して前記清掃ウェブを湿らせる、請求項2に記載のベルト清掃システム。
【請求項4】
前記液体供給下位システムは、洗浄液体を収容するよう適合させた洗浄液体貯槽を含んでおり、前記清掃ウェブは近位端部分と遠位端部分とを有する連続ループであり、前記ローラを前記清掃ウェブループの近位端部分に配置し、前記清掃ウェブループの遠位端部分を前記洗浄液体貯槽内に配置した、請求項1に記載のベルト清掃システム。
【請求項5】
前記ローラは、前記清掃ウェブの近位端を前記コンベヤベルト搬送面との当接状態に付勢するよう適合させた回動多孔質ロールを備える、請求項4に記載のベルト清掃システム。
【請求項6】
前記液体供給下位システムはまた、洗浄液体貯槽内に配置した清掃装置を含んでおり、前記清掃装置が前記清掃ウェブから紙屑を取り除く、請求項4に記載のベルト清掃システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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