説明

レーザ熱転写ドナーフィルム、レーザ熱転写装置、レーザ熱転写法及び有機発光素子の製造方法

【課題】アクセプタ基板とドナーフィルムを磁力によってラミネーティングするレーザ熱転写装置及びこれを利用した有機発光素子の製造方法を提供する。
【解決手段】アクセプタ基板と、アクセプタ基板上に接合される転写層を具備し、永久磁石を含むドナーフィルムとが順次積層され、永久磁石と磁気力を形成する電磁石を含む基板ステージと、ドナーフィルムにレーザを照射するレーザ発信器と、基板ステージを内部に具備するチャンバとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はレーザ熱転写ドナーフィルム、レーザ熱転写装置、レーザ熱転写法及び有機発光素子の製造方法に関し、より詳細には、アクセプタ基板とドナーフィルムを磁力によってラミネーティングするレーザ熱転写装置及びこれを利用した有機発光素子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の適用分野は特定産業分野に限定されるのではなく、多様に適用することができるが、有機発光素子製作の時有機発光層等を形成するのに有用であると予想される。有機発光素子は、第1電極と第2電極間に発光層を形成し、電極の間に電圧を印加することで、発光層で正孔と電子が合わせられることで自体発光する素子である。
【0003】
以下では有機発光素子に用いられるレーザ熱転写装置を基準として本発明の従来の技術及び本発明の構成等が説明されるが本発明がこれに限定されるのではない。
【0004】
レーザ熱転写法は、基材基板、光熱変換層、及び転写層を含むドナー基板にレーザを照射させて基材基板を通過したレーザを光熱変換層で熱に変化させて光熱変換層を変形膨脹させることで、隣接した転写層を変形膨脹させてアクセプタ基板に転写層が接着されて転写されるようにする方法である。
【0005】
レーザ熱転写法を施す場合、発光層の転写が行われるチャンバ内部は、発光素子形成の時の他の蒸着工程と同調されるようにするために真空状態が行われることが好ましいが、従来の真空状態で主に行われる場合、ドナー基板とアクセプタ基板の間に異物や空間が生ずるようになって転写層の転写がよく行われないという問題点がある。よって、レーザ熱転写法において、ドナー基板とアクセプタ基板をラミネーティングさせる方法は重要な意味を持ち、これを解決するためのさまざまな方案が研究されている。
【0006】
図20は、上述した問題点を解決するための従来の技術によるレーザ熱転写装置の部分断面図である。これによれば、レーザ熱転写装置10は、チャンバ11内部に位置する基板ステージ12及びチャンバ11上部に位置したレーザ照射装置13を含んで構成される。基板ステージ12は、チャンバ11に導入されるアクセプタ基板14とドナーフィルム15をそれぞれ順次位置させるためのステージである。
【0007】
この時、アクセプタ基板14とドナーフィルム15の間に異物1や空間なしにラミネーティングされるために、レーザ熱転写が行われるチャンバ11内部を真空で維持せず、基板ステージ12下部にホース16を連結して真空ポンプPで吸いこみ、アクセプタ基板14とドナーフィルム15を合着させる。
【0008】
しかし、このような従来の技術においてもアクセプタ基板14とドナーフィルム15の間の異物1と空間が発生することを完全に防止することができず、かつ、チャンバ11内部の真空状態を維持することができなくなるため、製品の寿命および信頼性に良くない影響を及ぼすことが知られている。
【0009】
一方、従来のレーザ熱転写装置及びこれを利用した有機発光素子の製造方法に関する技術を記載した文献としては、下記特許文献1ないし3がある。
【特許文献1】特開2004−355949号公報
【特許文献2】特開2004−296224号公報
【特許文献3】米国特許第4,377,339号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、従来の技術の問題点を解決するために案出されたものであり、本発明の目的は、レーザ熱転写が真空状態で行われ、アクセプタ基板とドナー基板の間に異物や空間が生じないようにするレーザ熱転写ドナーフィルムとこれを利用したレーザ熱転写法及び装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するために、本発明の基材基板と転写層の間に光熱変換層を含むレーザ熱転写用ドナーフィルムにおいては、ドナーフィルムが永久磁石を含むことを要旨とする。
【0012】
また、本発明のレーザ熱転写装置は、アクセプタ基板と、アクセプタ基板上に接合される転写層を具備し、永久磁石を含むドナーフィルムとが順次積層され、永久磁石と磁気力を形成する電磁石を含む基板ステージと、ドナーフィルムにレーザを照射するレーザ発信器と、基板ステージを内部に具備するチャンバとを含むことを要旨とする。
【0013】
さらに、本発明の転写層を具備するドナーフィルムにレーザを照射して、転写層をアクセプタ基板に転写させるレーザ熱転写法は、少なくとも一つの電磁石を内蔵した基板ステージ上にアクセプタ基板を位置させるアクセプタ基板移送段階と、アクセプタ基板上に、永久磁石が含まれたドナーフィルムを位置させるドナーフィルム移送段階と、基板ステージの電磁石に電力を印加して、ドナーフィルムとアクセプタ基板を接合するラミネーティング段階と、ドナーフィルムにレーザを照射して、アクセプタ基板に転写層を転写する転写段階とを含むことを要旨とする。
【0014】
そして、本発明のレーザ熱転写法によって第1電極と第2電極の間の発光層が形成される有機発光素子の製造方法は、少なくとも一つの電磁石を含む基板ステージ上に画素定義領域が形成されたアクセプタ基板を位置させるアクセプタ基板移送段階と、アクセプタ基板上に、有機発光層を具備し、永久磁石を含むドナーフィルムを移送させるドナーフィルム移送段階と、基板ステージの電磁石に電力を印加して、ドナーフィルムとアクセプタ基板を接合するラミネーティング段階と、ドナーフィルムにレーザを照射して、アクセプタ基板の画素定義領域に有機発光層を転写する転写段階とを含むことを要旨とする。
【0015】
本発明の別の基材基板と転写層の間に光熱変換層を含むレーザ熱転写用ドナーフィルムにおいては、ドナーフィルムが第1電磁石を含むことを要旨とする。
【0016】
また、本発明の別のレーザ熱転写装置は、アクセプタ基板と、アクセプタ基板上に接合される転写層を具備し、第1電磁石を含むドナーフィルムとが順次積層され、第1電磁石と磁気力を形成する第2電磁石を含む基板ステージと、ドナーフィルムにレーザを照射するレーザ発信器と、基板ステージを内部に含むチャンバとを含むことを要旨とする。
【0017】
さらに、本発明の別の転写層を具備するドナーフィルムにレーザを照射して、転写層をアクセプタ基板に転写させるレーザ熱転写法は、少なくとも一つの第2電磁石を内蔵した基板ステージ上にアクセプタ基板を位置させるアクセプタ基板移送段階と、アクセプタ基板上に、第1電磁石が含まれたドナーフィルムを位置させるドナーフィルム移送段階と、ドナーフィルムの第1電磁石及び基板ステージの第2電磁石に電力を印加して、ドナーフィルムとアクセプタ基板を接合するラミネーティング段階と、ドナーフィルムにレーザを照射して、アクセプタ基板に転写層を転写する転写段階とを含むことを要旨とする。
【0018】
そして、本発明の別のレーザ熱転写法によって第1電極と第2電極の間の発光層が形成される有機発光素子の製造方法は、少なくとも一つの第2電磁石を含む基板ステージ上に画素定義領域が形成されたアクセプタ基板を位置させるアクセプタ基板移送段階と、アクセプタ基板上に、有機発光層を具備し、第1電磁石を含むドナーフィルムを移送させるドナーフィルム移送段階と、ドナーフィルムの第1電磁石及び基板ステージの第2電磁石に電力を印加して、ドナーフィルムとアクセプタ基板を接合するラミネーティング段階と、ドナーフィルムにレーザを照射して、アクセプタ基板の画素定義領域に有機発光層を転写する転写段階とを含むことを要旨とする。
【0019】
また、本発明の別のレーザ熱転写装置は、アクセプタ基板と、アクセプタ基板上に接合される転写層を具備し、電磁石を含むドナーフィルムとが順次積層され、電磁石と磁気力を形成する永久磁石を含む基板ステージと、ドナーフィルムにレーザを照射するレーザ発信器と、基板ステージを内部に含むチャンバとを含むことを要旨とする。
【0020】
本発明の別の転写層を具備するドナーフィルムにレーザを照射して、転写層をアクセプタ基板に転写させるレーザ熱転写法は、少なくとも一つの永久磁石を内蔵した基板ステージ上にアクセプタ基板を位置させるアクセプタ基板移送段階と、アクセプタ基板上に、電磁石が含まれたドナーフィルムを位置させるドナーフィルム移送段階と、ドナーフィルムの電磁石に電力を印加して、ドナーフィルムとアクセプタ基板を接合するラミネーティング段階と、ドナーフィルムにレーザを照射して、アクセプタ基板に転写層を転写する転写段階とを含むことを要旨とする。
【0021】
本発明の別のレーザ熱転写法によって第1電極と第2電極の間の発光層が形成される有機発光素子の製造方法は、少なくとも一つの永久磁石を含む基板ステージ上に画素定義領域が形成されたアクセプタ基板を位置させるアクセプタ基板移送段階と、アクセプタ基板上に、有機発光層を具備し、電磁石を含むドナーフィルムを移送させるドナーフィルム移送段階と、ドナーフィルムの電磁石に電力を印加して、ドナーフィルムとアクセプタ基板を接合するラミネーティング段階と、ドナーフィルムにレーザを照射して、アクセプタ基板の画素定義領域に有機発光層を転写する転写段階とを含むことを要旨とする。
【0022】
本発明のさらに他のレーザ熱転写装置は、アクセプタ基板と、アクセプタ基板上に接合される転写層を具備し、第1永久磁石を含むドナーフィルムとが順次積層され、第1永久磁石と磁気力を形成する第2永久磁石を含む基板ステージと、ドナーフィルムにレーザを照射するレーザ発信器と、基板ステージを内部に含むチャンバとを含むことを要旨とする。
【0023】
本発明のさらに他の転写層を具備するドナーフィルムにレーザを照射して、転写層をアクセプタ基板に転写させるレーザ熱転写法は、少なくとも一つの第2永久磁石を内蔵された基板ステージ上にアクセプタ基板を位置させるアクセプタ基板移送段階と、アクセプタ基板上に、第1永久磁石が含まれたドナーフィルムを位置させるドナーフィルム移送段階と、ドナーフィルムの第1永久磁石と基板ステージの第2永久磁石の磁気力によってアクセプタ基板を接合するラミネーティング段階と、ドナーフィルムにレーザを照射して、アクセプタ基板に転写層を転写する転写段階とを含むことを要旨とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によるレーザ熱転写ドナーフィルムとこれを利用するレーザ熱転写方法及び装置によれば、ドナーフィルムとアクセプタ基板をその間に異物や空いた空間なしにラミネーティングできる。また、真空状態でもドナーフィルムとアクセプタ基板の間のラミネーティングが行われるので、すべて真空下で行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下では本発明のさまざまな実施例を参照しながら本発明をより詳細に説明する。
【0026】
まず、図2ないし図5に示した本発明の永久磁石が含まれるレーザ熱転写ドナーフィルムを説明する。
【0027】
ドナーフィルムは、アクセプタ基板に転写される転写層が具備されたフィルムで、順次積層された基材基板、光熱変換層、及び転写層を含んで構成される。この時、性能向上のために光熱変換層と転写層の間にバッファー層及び層間膜などをさらに含むことができる。
【0028】
レーザ熱転写ドナーフィルムには永久磁石が含まれる。この場合、ドナーフィルムを成す多くの層の間に少なくとも一つの永久磁石層が形成されるか、または、微細粒子で構成される永久磁石を多くの層の中の少なくともいずれか一つの層に含ませる。
【0029】
図2によれば、ドナーフィルム200は、基材基板210上に順次積層された光熱変換層220、永久磁石層230、バッファー層240、層間膜250、及び転写層260で構成される。
【0030】
基材基板210は、ドナーフィルム200の支持体の役割を遂行する基板であり、透明性高分子で構成され、厚さは10ないし500μmが好ましい。この時、ポリエステル、ポリアクリル、ポリエポキシ、ポリエチレン、ポリスチレン等が透明性高分子として使用できるがこれに制限されない。
【0031】
光熱変換層220は、レーザ光を吸収して熱に変換させる光吸水性物質からなる層であり、光熱変換層220の厚さは、使われる光吸水性物質及び形成方法によって違う。金属または金属酸化物等で構成される場合には、真空蒸着法、電子ビーム蒸着法、またはスパッタリングで100ないし5000Åに、有機膜で形成される場合には、押出、グラビア、スピン、ナイフコーティング法で0.1ないし2μmで形成されることが好ましい。
【0032】
光熱変換層220の厚さが前記範囲より薄く形成される場合には、エネルギー吸収率が低くて光熱変換されるエネルギーの量が少なく、膨脹圧力が低くなり、前記範囲より厚く形成される場合には、ドナーフィルム200とアクセプタ基板の間で発生する段差によるエッジオプンの不良が発生し得る。
【0033】
金属または金属酸化物等で構成される光吸水性物質では、光学濃度が0.1ないし0.4であるもので、アルミニウム、銀、クロム、タングステン、スズ、ニッケル、チタン、コバルト、亜鉛、金、銅、タングステン、モリブデン、鉛及びその酸化物等がある。
【0034】
また、有機膜で構成される光合性物質では、カーボンブラック、黒鉛、または赤外線染料が添加された高分子がある。この時、高分子結合樹脂を形成する物質では、例示的にアクリル(メタ)アクリレートオリゴマー、エステル(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーのような(メタ)アクリレートオリゴマー、または前記オリゴマー(メタ)アクリレートモノマーの混合物があるが、これに制限されるのではない。
【0035】
永久磁石層230は、後述するレーザ熱転写装置の基板ステージに設置される電磁石と、お互いに磁気力を形成させるように挿入される層であり、アルニコ磁石(AlNiCo Magnet)、フェライト磁石(Ferrite Magnet)、稀土類磁石、ゴム磁石、フラスチック磁石等を使うことができる。
【0036】
バッファー層240は、転写層260の転写特性向上及び転写後のデバイス寿命向上のために導入する層であり、金属酸化物、金属硫化物または非金属無機化合物や高分子または低分子有機物が用いられる。この時、厚さは0.01ないし2μmで形成することが好ましい。
【0037】
層間膜250は、光熱変換層220を保護するためのもので、高い熱抵抗を持つものが好ましく、有機または無機膜で構成されうる。
【0038】
転写層260は、ドナーフィルム200から分離されてアクセプタ基板に転写される層であり、有機発光素子の製作に利用される場合、発光層を形成するためには高分子または低分子有機発光物質で構成される。また、電子輸送層(ETL)、電子注入層(EIL)、精工輸送層(HTL)、精工注入層(HIL)を形成するためには、それぞれに適する材料で構成される。この時、各転写層260の材料は、限定的ではなく、当業者が容易に想到することができるどんな材料も可能であり、押出、グラビア、スピン、ナイフコーティング、真空蒸着、CVDなどのいずれかの方法で形成することが可能である。
【0039】
前述したように、永久磁石層230をドナーフィルム200に挿入させることで、ドナーフィルム200は磁性を持つようになって、アクセプタ基板上部に位置される時電磁石が内蔵されたレーザ転写装置の基板ステージと相互磁気的引力を形成する。したがって、ドナーフィルム200とアクセプタ基板も磁力によって密着されるような效果がある。
【0040】
本発明の他の実施例によるレーザ熱転写ドナーフィルムは、図3によれば、図2において、永久磁石層230が光熱変換層220とバッファー層240の間に形成されたことと違って、永久磁石層320が光熱変換層330と基材基板310の間に形成されている。それ以外の点では図2と同じなのでこれに対する詳細な説明は略する。
【0041】
本発明のまた他の実施例によるレーザ熱転写ドナーフィルムは、図4によれば、図2及び図3で永久磁石が一つの層を成しながら形成されたことと違って、永久磁石が基材基板410に微細粒子で分散している。
【0042】
すなわち、本実施例でドナーフィルム400は、基材基板410を成す透明性高分子内に永久磁石を微細な粉末で形成し、分散させることで磁性を持つようになる。この時、永久磁石はナノ粒子で形成することができる。
【0043】
さらに、本発明のまた他の実施例によるレーザ熱転写ドナーフィルムは、図5によれば、図4で永久磁石の微細粒子が基材基板410上に分散することと違って、微細永久磁石粒子がバッファー層530に分散する。これで、図4のドナーフィルム400と同じ效果を発揮できる。
【0044】
次に、本発明のレーザ熱転写装置を図面を参照しながら説明する。本発明の一側面によるレーザ熱転写装置は、前述したレーザ熱転写ドナーフィルムが有用に利用されるために考案されたレーザ熱転写装置であるが、必ずしも前述したレーザ熱転写ドナーフィルムのみに使われることに制限されるのではない。
【0045】
図1によれば、レーザ熱転写装置600は、チャンバ610、基板ステージ620、レーザ発信器630を含んで構成される。
【0046】
チャンバ610は、通常のレーザ熱転写装置に使われるチャンバを使うことができ、チャンバ610外部には、永久磁石を含むドナーフィルム(図示せず)及びアクセプタ基板(図示せず)をチャンバ内部に移送するためのロボッド腕等の移送手段(図示せず)が具備される。
【0047】
基板ステージ620は、チャンバ610の底面に位置し、基板ステージ620には少なくとも一つの電磁石625が含まれている。電磁石625は一つの大きい平面磁石であるか、複数個が配列される形態にすることも可能である。電磁石625が配置される類型には制限がないが、ラミネーティングをより有利に遂行するためには、同心円型または横及び縦の複数列に形成されることが好ましい。
【0048】
図6及び図7は、それぞれ基板ステージ620内部に電磁石625が同心円及び複数の列に形成されたことを見せる透視平面図であり、図示していないが、各電磁石には電力を印加する配線が形成される。
【0049】
一方、基板ステージ620は、移動されるための駆動手段(図示せず)をさらに具備できる。例えば、レーザが縦長方向に照射される場合、横長方向に基板ステージを移動させる駆動手段をさらに具備できる。
【0050】
また、基板ステージ620は、アクセプタ基板及びドナーフィルムを収納して装着させる、それぞれの装着手段を具備できる。装着手段は、移送手段によってチャンバ610内に移送されて来たアクセプタ基板が基板ステージの決まった位置に正確に装着されるようにする。
【0051】
本実施例で、装着手段は貫通ホール641、651、ガイドバー643、653、移動プレート645、655、支持台647、657、及び装着ホーム621、623を含んで構成される。この時、ガイドバー643、653は、移動プレート645、655及び支持台647、657に伴って上昇または下降運動するが、ガイドバー643、653が貫通ホール641、651を通過して上昇しながらアクセプタ基板を収容して、降りながらアクセプタ基板を装着ホーム621、623に安着させるようになる構造である。この時、アクセプタ基板及びドナーフィルムの正確な安着のために装着ホームは壁面が斜めに形成されることが好ましい。
【0052】
レーザ発信器630は、チャンバ610の外部または内部に設置され、レーザが上部から照らされうるように設置されることが好ましい。また、レーザ発信器630の概略的が構成図である図8によれば、本実施例でレーザ発信器630は、CWND:YAGレーザ1604nmを使って、2個のガルバノメートルスキャナ631、633を具備し、スキャンレンズ635及びシリンダレンズ636を具備するが、これに制限されない。
【0053】
以下では、図9ないし図16を参照しながら、本発明の他の側面として前述したナーフィルム及びレーザ熱転写装置を利用してドナーフィルムの転写層をアクセプタ基板に転写するレーザ熱転写法の一実施例を説明する。有機発光素子の製作に適用された本実施例のレーザ熱転写法は、アクセプタ基板移送段階、ドナーフィルム移送段階、ラミネーティング段階及び転写段階を含む。
【0054】
クセプタ基板移送段階では、図9に示すように、レーザ熱転写装置のチャンバ610内にアクセプタ基板670を位置させる段階で、アクセプタ基板670は、ロボット腕690などの移送手段によってチャンバ610内に移送される。
【0055】
次に、図10に示すように、チャンバ610内に移送されたアクセプタ基板670は、貫通ホールを通じて上昇したガイドバー643によって支えられる。
【0056】
さらに、図11に示すように、アクセプタ基板670を支えているガイドバー643は、再度下降しながら、アクセプタ基板670を基板ステージ620の装着ホーム621上に正確に位置させる。
【0057】
ドナーフィルム移送段階では、図12に示すように、アクセプタ基板移送段階と同様に、ロボット腕690などの移送手段によってチャンバ610内に移送される。この時、ドナーフィルム680は移送の時にフィルムトレイ681によって移送されることが好ましい。
【0058】
次に、図13に示すように、チャンバ610内に移送されたドナーフィルム680は、貫通ホール651を通じて上昇したガイドバー653によって支えられる。
【0059】
そして、図14に示すように、ドナーフィルム680を支えているガイドバー653は、再度下降しながら、ドナーフィルム680を基板ステージ620の装着ホーム623上に正確に位置させる。
【0060】
ラミネーティング段階では、図15に示すように、基板ステージ620の電磁石625に適切な電力を印加し、ドナーフィルム680に含まれた永久磁石が基板ステージ620の電磁石と磁気的引力を形成することで、ドナーフィルム680とアクセプタ基板670の間が接合される。この時、チャンバ610内部は真空状態を維持するので、ドナーフィルム680とアクセプタ基板670の間には異物や空間が生ずることを極小化し、転写效率が高くなる。
【0061】
ドナーフィルム680とアクセプタ基板670のラミネーティングは、基板ステージ620に内蔵された電磁石の形状に応じて多様な方法で構成される。例えば、基板ステージ620の電磁石が図6のように同心円状に配置される場合、最も内部にある同心円を成す電磁石にさきに電力を印加し、その状態で次の外部にある同心円を成す電磁石に電力を印加し、その状態で、またその外部にある同心円を成す電磁石に電力を印加することによってドナーフィルム680とアクセプタ基板670の間の異物や空間が生成されることを極小化しながらラミネーティングすることができる。
【0062】
また、基板ステージ620の電磁石が図7のように横及び縦に複数の列を形成しながら配置される場合、レーザが照射される電磁石またはその列の電磁石のみに電力を印加し、レーザが照射される部分のみに連続的で局所的なラミネーティングがなされるようにすることで、異物や空間が生成されることをより減らしつつラミネーティングすることができる。
【0063】
転写段階では、図16に示すように、アクセプタ基板670とラミネーティングされたドナーフィルム680上に、レーザ照射装置でレーザを照射してドナーフィルム680に形成された有機発光層をアクセプタ基板670の画素定義領域に転写する。レーザを照射する場合、ドナーフィルム680の光熱変換層が脹れ上がるようになって、これによって、隣接した有機発光層もアクセプタ基板670方向に脹れ上がるようになり、有機発光層がアクセプタ基板670に接触することで転写される。
【0064】
本発明のまた別の実施例によるレーザ熱転写装置は、図17を参照すれば、チャンバ710、基板ステージ720、レーザ発信器730を含んで構成される。
【0065】
この時、基板ステージ720には少なくとも一つの第2電磁石725が含まれている。第2電磁石725は一つの大きい平面磁石であるか、または複数個が配列されうる。第2電磁石725が配置される類型には制限がないが、ラミネーティングをより有利に遂行するためには、同心円型または横及び縦の複数列に形成されることが好ましい。
【0066】
また、アクセプタ基板770上に第1電磁石782が含まれたドナーフィルム780を位置させる。以後、基板ステージ720の第2電磁石725及びドナーフィルム780の第1電磁石782に適切な電力を印加し、ドナーフィルム780に含まれた第1電磁石782が基板ステージ720の第2電磁石725と磁気的引力を形成することで、ドナーフィルム780とアクセプタ基板770の間が接合されるようにする。
【0067】
前述したように、第1電磁石782をドナーフィルム780に挿入させることで、第1電磁石782は磁性を持つようになり、アクセプタ基板770上部に位置される時、第2電磁石725が内蔵されたレーザ転写装置の基板ステージ720と相互磁気的引力を形成する。よって、ドナーフィルム780とアクセプタ基板770も磁力によって密着されるようにする效果がある。
【0068】
説明の便宜上、前記図1ないし図16と同じ構成要素及び方法に対する具体的な説明は略する。
【0069】
本発明のまた別の実施例によるレーザ熱転写装置は、図18を参照すれば、チャンバ810、基板ステージ820、レーザ発信器830を含んで構成される。
【0070】
この時、基板ステージ820には少なくとも一つの永久磁石825が含まれている。また、永久磁石825は一つの大きい平面磁石であるか、または複数個が配列されうる。永久磁石825が配置される類型には制限がないが、ラミネーティングをより有利に遂行するためには同心円型または横及び縦の複数列に形成されることが好ましい。
【0071】
また、アクセプタ基板870上に電磁石882が含まれたドナーフィルム880を位置させる。以後、ドナーフィルム880の電磁石882に適切な電力を印加し、ドナーフィルム880に含まれた電磁石882が基板ステージの永久磁石825と磁気的引力を形成することで、ドナーフィルム880とアクセプタ基板870の間が接合されるようにする。
【0072】
前述したように、電磁石882をドナーフィルム880に挿入させることで、電磁石882が磁性を持つようになり、アクセプタ基板870上部に位置される時、永久磁石825が内蔵されたレーザ転写装置の基板ステージ820と相互磁気的引力を形成する。よって、ドナーフィルム880とアクセプタ基板870も磁力によって密着されるようにする效果がある。
【0073】
説明の便宜上、前記図1ないし図16と同じ構成要素及び方法に対する具体的な説明は略する。
【0074】
本発明のまた別の実施例によるレーザ熱転写装置は、図19を参照すれば、チャンバ910、基板ステージ920、レーザ発信器930を含んで構成される。
【0075】
この時、基板ステージ920には少なくとも一つの第2永久磁石925が含まれている。第2永久磁石925は一つの大きい平面磁石であるか、または複数個が配列されうる。第2永久磁石925が配置される類型には制限がないが、ラミネーティングをより有利に遂行するためには同心円型または横及び縦の複数列に形成されることが好ましい。
【0076】
また、アクセプタ基板970上に第1永久磁石982が含まれたドナーフィルム980を位置させる。第1永久磁石982はレーザ熱転写装置の基板ステージ920に設置される第2永久磁石925とお互いに磁気力を形成するようにするために挿入される層であり、アルニコ磁石、フェライト磁石、稀土類磁石、ゴム磁石等が用いられる。
【0077】
前述したように第1永久磁石982をドナーフィルム980に挿入させることで、アクセプタ基板970上部に位置される時、第2永久磁石925が内蔵されたレーザ転写装置の基板ステージ920と相互磁気的引力を形成する。よって、ドナーフィルム980とアクセプタ基板970も磁力によって密着されるようにする效果がある。
【0078】
説明の便宜上、前記図1ないし図16と同じ構成要素及び方法に対する具体的な説明は略する。
【0079】
本発明は実施例を基準に主に説明したが、発明の要旨と範囲を脱しないで多くの他の可能な修正と変形を構成することができる。例えば、ドナーフィルムに永久磁石を含ませる方法として、追加の有機層または無機層をさらに形成し、その間のいずれか1個所に永久磁石を含ませること、または電磁石を内蔵する基板プレートの形状、模様、位置等を変更すること等は当業者が容易に導出することができる変更である。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の一実施例によるレーザ熱転写装置の構成図。
【図2】本発明の一側面によるレーザ熱転写ドナーフィルムの断面図。
【図3】本発明の一側面によるレーザ熱転写ドナーフィルムの断面図。
【図4】本発明の一側面によるレーザ熱転写ドナーフィルムの断面図。
【図5】本発明の一側面によるレーザ熱転写ドナーフィルムの断面図。
【図6】本発明の一実施例による基板ステージの平面図。
【図7】本発明の一実施例による基板ステージの平面図。
【図8】本発明によるレーザ熱転写装置に適用されたレーザ発信器の概路図。
【図9】本発明の一実施例による有機発光素子の製造方法を説明する工程断面図。
【図10】本発明の一実施例による有機発光素子の製造方法を説明する工程断面図。
【図11】本発明の一実施例による有機発光素子の製造方法を説明する工程断面図。
【図12】本発明の一実施例による有機発光素子の製造方法を説明する工程断面図。
【図13】本発明の一実施例による有機発光素子の製造方法を説明する工程断面図。
【図14】本発明の一実施例による有機発光素子の製造方法を説明する工程断面図。
【図15】本発明の一実施例による有機発光素子の製造方法を説明する工程断面図。
【図16】本発明の一実施例による有機発光素子の製造方法を説明する工程断面図。
【図17】本発明の他の実施例によるレーザ熱転写装置の構成図。
【図18】本発明のまた他の実施例によるレーザ熱転写装置の構成図。
【図19】本発明のさらに他の実施例によるレーザ熱転写装置の構成図。
【図20】従来の技術によるレーザ熱転写装置の部分断面図。
【符号の説明】
【0081】
1 異物
10 レーザ熱転写装置
11 チャンバ
12 基板ステージ
13 レーザ照射装置
14 アクセプタ基板
15 ドナーフィルム
16 ホース
200、300、400、500 ドナーフィルム
210、310、410、510 基材基板
220、330,420、520 光熱変換層
230、320 永久磁石層
240、340、430、530 バッファー層
250、350 440、540 層間膜
260、360、450、550 転写層
600 レーザ熱転写装置
610 チャンバ
620 基板ステージ
621、623 装着ホーム
625 電磁石
630 レーザ発信器
631、633 ガルバノメートルスキャナ
635 スキャンレンズ
636 シリンダレンズ
641、651 貫通ホール
643、653 ガイドバー
645、655 移動プレート
647、657 支持台
670 アクセプタ基板
680 ドナーフィルム
681 フィルムトレイ
690 ロボット腕
710 チャンバ
720 基板ステージ
725 第2電磁石
730 レーザ発信器
770 アクセプタ基板
780 ドナーフィルム
782 第1電磁石
810 チャンバ
820 基板ステージ
825 永久磁石
830 レーザ発信器
870 アクセプタ基板
880 ドナーフィルム
882 電磁石
910 チャンバ
920 基板ステージ
925 第2永久磁石
930 レーザ発信器
970 アクセプタ基板
980 ドナーフィルム
982 第1永久磁石

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材基板と転写層の間に光熱変換層を含むレーザ熱転写用ドナーフィルムにおいて、
前記ドナーフィルムが永久磁石を含むことを特徴とするレーザ熱転写ドナーフィルム。
【請求項2】
前記光熱変換層と前記転写層の間に、バッファー層をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のレーザ熱転写ドナーフィルム。
【請求項3】
前記光熱変換層と前記転写層の間に、層間膜をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のレーザ熱転写ドナーフィルム。
【請求項4】
前記永久磁石は、前記基材基板と前記転写層の間の少なくとも1個所に永久磁石層を成して含まれることを特徴とする請求項3に記載のレーザ熱転写ドナーフィルム。
【請求項5】
前記永久磁石は、前記基材基板と前記光熱変換層の間に永久磁石層を成して含まれることを特徴とする請求項1に記載のレーザ熱転写ドナーフィルム。
【請求項6】
前記永久磁石は、前記ドナーフィルムを構成する少なくとも一つの層に微細粒子として含まれることを特徴とする請求項1に記載のレーザ熱転写ドナーフィルム。
【請求項7】
前記永久磁石は、前記ドナーフィルムの前記基材基板に微細粒子として含まれることを特徴とする請求項1に記載のレーザ熱転写ドナーフィルム。
【請求項8】
前記微細粒子は、ナノ粒子であることを特徴とする請求項6または7に記載のレーザ熱転写ドナーフィルム。
【請求項9】
前記転写層は、有機発光素子の発光層を形成することを特徴とする請求項1に記載のレーザ熱転写ドナーフィルム。
【請求項10】
アクセプタ基板と、前記アクセプタ基板上に接合される転写層を具備し、永久磁石を含むドナーフィルムとが順次積層され、前記永久磁石と磁気力を形成する電磁石を含む基板ステージと、
前記ドナーフィルムにレーザを照射するレーザ発信器と、
前記基板ステージを内部に具備するチャンバ
とを含むことを特徴とするレーザ熱転写装置。
【請求項11】
前記電磁石は、前記基板ステージに同心円を成しながら内蔵されることを特徴とする請求項10に記載のレーザ熱転写装置。
【請求項12】
前記電磁石は、前記基板ステージに横及び縦の行と列を成しながら内蔵されることを特徴とする請求項10に記載のレーザ熱転写装置。
【請求項13】
前記アクセプタ基板を収納して、前記基板ステージ上に位置させるアクセプタ基板装着手段と、
前記ドナーフィルムを収納して、前記基板ステージ上に位置された前記アクセプタ基板上に位置させるドナーフィルム装着手段
とをさらに具備することを特徴とする請求項10に記載のレーザ熱転写装置。
【請求項14】
前記チャンバは、真空状態であることを特徴とする請求項10に記載のレーザ熱転写装置。
【請求項15】
転写層を具備するドナーフィルムにレーザを照射して、前記転写層をアクセプタ基板に転写させるレーザ熱転写法において、
少なくとも一つの電磁石を内蔵した基板ステージ上に前記アクセプタ基板を位置させるアクセプタ基板移送段階と、
前記アクセプタ基板上に、永久磁石が含まれた前記ドナーフィルムを位置させるドナーフィルム移送段階と、
前記基板ステージの前記電磁石に電力を印加して、前記ドナーフィルムと前記アクセプタ基板を接合するラミネーティング段階と、
前記ドナーフィルムにレーザを照射して、前記アクセプタ基板に前記転写層を転写する転写段階
とを含むことを特徴とするレーザ熱転写法。
【請求項16】
前記ラミネーティング段階は、同心円を成して形成された前記電磁石に内部から外部方向に順次電力を印加させ、前記ドナーフィルムと前記アクセプタ基板を内部から外部にラミネーティングすることを特徴とする請求項15に記載のレーザ熱転写法。
【請求項17】
前記ラミネーティング段階は、横及び縦に列を成して配置された前記電磁石に照射されるレーザの経路に沿って順次電力を印加させ、前記ドナーフィルムと前記アクセプタ基板をラミネーティングすることを特徴とする請求項15に記載のレーザ熱転写法。
【請求項18】
前記ドナーフィルム移送段階は、前記ドナーフィルムをフィルムトレイに装着させて位置することを特徴とする請求項15に記載のレーザ熱転写法。
【請求項19】
レーザ熱転写法によって第1電極と第2電極の間の発光層が形成される有機発光素子の製造方法において、
少なくとも一つの電磁石を含む基板ステージ上に画素定義領域が形成されたアクセプタ基板を位置させるアクセプタ基板移送段階と、
前記アクセプタ基板上に、有機発光層を具備し、永久磁石を含むドナーフィルムを移送させるドナーフィルム移送段階と、
前記基板ステージの前記電磁石に電力を印加して、前記ドナーフィルムと前記アクセプタ基板を接合するラミネーティング段階と、
前記ドナーフィルムにレーザを照射して、前記アクセプタ基板の前記画素定義領域に前記有機発光層を転写する転写段階
とを含むことを特徴とする有機発光素子の製造方法。
【請求項20】
基材基板と転写層の間に光熱変換層を含むレーザ熱転写用ドナーフィルムにおいて、
前記ドナーフィルムが第1電磁石を含むことを特徴とするレーザ熱転写ドナーフィルム。
【請求項21】
前記光熱変換層と前記転写層の間に、バッファー層をさらに含むことを特徴とする請求項20に記載のレーザ熱転写ドナーフィルム。
【請求項22】
前記光熱変換層と前記転写層の間に、層間膜をさらに含むことを特徴とする請求項20に記載のレーザ熱転写ドナーフィルム。
【請求項23】
前記第1電磁石は、前記基材基板と前記転写層の間の少なくとも1個所に第1電磁石層を成して含まれることを特徴とする請求項22に記載のレーザ熱転写ドナーフィルム。
【請求項24】
前記第1電磁石は、前記基材基板と前記光熱変換層の間に第1電磁石層を成して含まれることを特徴とする請求項20に記載のレーザ熱転写ドナーフィルム。
【請求項25】
前記転写層は、有機発光素子の発光層を形成することを特徴とする請求項20に記載のレーザ熱転写ドナーフィルム。
【請求項26】
アクセプタ基板と、前記アクセプタ基板上に接合される転写層を具備し、第1電磁石を含むドナーフィルムとが順次積層され、前記第1電磁石と磁気力を形成する第2電磁石を含む基板ステージと、
前記ドナーフィルムにレーザを照射するレーザ発信器と、
前記基板ステージを内部に含むチャンバ
とを含むことを特徴とするレーザ熱転写装置。
【請求項27】
前記第2電磁石は、前記基板ステージに同心円を成しながら内蔵されることを特徴とする請求項26に記載のレーザ熱転写装置。
【請求項28】
前記第2電磁石は、前記基板ステージに横及び縦の行と列を成しながら内蔵されることを特徴とする請求項26に記載のレーザ熱転写装置。
【請求項29】
前記アクセプタ基板を収納して、前記基板ステージ上に位置させるアクセプタ基板装着手段と、
前記ドナーフィルムを収納して、前記基板ステージ上に位置された前記アクセプタ基板上に位置させるドナーフィルム装着手段
とをさらに具備することを特徴とする請求項26に記載のレーザ熱転写装置。
【請求項30】
前記チャンバは、真空状態であることを特徴とする請求項26に記載のレーザ熱転写装置。
【請求項31】
転写層を具備するドナーフィルムにレーザを照射して、前記転写層をアクセプタ基板に転写させるレーザ熱転写法において、
少なくとも一つの第2電磁石を内蔵した基板ステージ上に前記アクセプタ基板を位置させるアクセプタ基板移送段階と、
前記アクセプタ基板上に、第1電磁石が含まれた前記ドナーフィルムを位置させるドナーフィルム移送段階と、
前記ドナーフィルムの前記第1電磁石及び前記基板ステージの前記第2電磁石に電力を印加して、前記ドナーフィルムと前記アクセプタ基板を接合するラミネーティング段階と、
前記ドナーフィルムにレーザを照射して、前記アクセプタ基板に前記転写層を転写する転写段階
とを含むことを特徴とするレーザ熱転写法。
【請求項32】
前記ラミネーティング段階は、同心円を成して配置された前記第2電磁石及び第1電磁石層を形成した前記第1電磁石に内部から外部方向に順次電力を印加させ、前記ドナーフィルムと前記アクセプタ基板を内部から外部にラミネーティングすることを特徴とする請求項31に記載のレーザ熱転写法。
【請求項33】
前記ラミネーティング段階は、横及び縦に列を成して配置された前記第2電磁石に照射されるレーザの経路に沿って順次電力を印加させ、前記ドナーフィルムと前記アクセプタ基板をラミネーティングすることを特徴とする請求項31に記載のレーザ熱転写法。
【請求項34】
前記ドナーフィルム移送段階は、前記ドナーフィルムをフィルムトレイに装着させて位置することを特徴とする請求項31に記載のレーザ熱転写法。
【請求項35】
レーザ熱転写法によって第1電極と第2電極の間の発光層が形成される有機発光素子の製造方法において、
少なくとも一つの第2電磁石を含む基板ステージ上に画素定義領域が形成されたアクセプタ基板を位置させるアクセプタ基板移送段階と、
前記アクセプタ基板上に、有機発光層を具備し、第1電磁石を含むドナーフィルムを移送させるドナーフィルム移送段階と、
前記ドナーフィルムの前記第1電磁石及び前記基板ステージの第2電磁石に電力を印加して、前記ドナーフィルムと前記アクセプタ基板を接合するラミネーティング段階と、
前記ドナーフィルムにレーザを照射して、前記アクセプタ基板の前記画素定義領域に前記有機発光層を転写する転写段階
とを含むことを特徴とする有機発光素子の製造方法。
【請求項36】
アクセプタ基板と、前記アクセプタ基板上に接合される転写層を具備し、電磁石を含むドナーフィルムとが順次積層され、前記電磁石と磁気力を形成する永久磁石を含む基板ステージと、
前記ドナーフィルムにレーザを照射するレーザ発信器と、
前記基板ステージを内部に含むチャンバ
とを含むことを特徴とするレーザ熱転写装置。
【請求項37】
前記永久磁石は、前記基板ステージに同心円を成しながら内蔵されることを特徴とする請求項36に記載のレーザ熱転写装置。
【請求項38】
前記永久磁石は、前記基板ステージに横及び縦の行と列を成しながら内蔵されることを特徴とする請求項36に記載のレーザ熱転写装置。
【請求項39】
前記アクセプタ基板を収納して、前記基板ステージ上に位置させるアクセプタ基板装着手段と、
前記ドナーフィルムを収納して、前記基板ステージ上に位置された前記アクセプタ基板上に位置させるドナーフィルム装着手段
とをさらに具備することを特徴とする請求項36に記載のレーザ熱転写装置。
【請求項40】
前記チャンバは、真空状態であることを特徴とする請求項36に記載のレーザ熱転写装置。
【請求項41】
転写層を具備するドナーフィルムにレーザを照射して、前記転写層をアクセプタ基板に転写させるレーザ熱転写法において、
少なくとも一つの永久磁石を内蔵した基板ステージ上に前記アクセプタ基板を位置させるアクセプタ基板移送段階と、
前記アクセプタ基板上に、電磁石が含まれた前記ドナーフィルムを位置させるドナーフィルム移送段階と、
前記ドナーフィルムの前記電磁石に電力を印加して、前記ドナーフィルムと前記アクセプタ基板を接合するラミネーティング段階と、
前記ドナーフィルムにレーザを照射して、前記アクセプタ基板に前記転写層を転写する転写段階
とを含むことを特徴とするレーザ熱転写法。
【請求項42】
前記ラミネーティング段階は、同心円を成して配置された前記電磁石に内部から外部方向に順次電力を印加させ、前記ドナーフィルムと前記アクセプタ基板を内部から外部にラミネーティングすることを特徴とする請求項41に記載のレーザ熱転写法。
【請求項43】
前記ラミネーティング段階は、横及び縦に列を成して配置された前記電磁石に照射されるレーザの経路に沿って順次電力を印加させ、前記ドナーフィルムと前記アクセプタ基板をラミネーティングすることを特徴とする請求項41に記載のレーザ熱転写法。
【請求項44】
前記ドナーフィルム移送段階は、前記ドナーフィルムをフィルムトレイに装着させて位置することを特徴とする請求項41に記載のレーザ熱転写法。
【請求項45】
レーザ熱転写法によって第1電極と第2電極の間の発光層が形成される有機発光素子の製造方法において、
少なくとも一つの永久磁石を含む基板ステージ上に画素定義領域が形成されたアクセプタ基板を位置させるアクセプタ基板移送段階と、
前記アクセプタ基板上に、有機発光層を具備し、電磁石を含むドナーフィルムを移送させるドナーフィルム移送段階と、
前記ドナーフィルムの前記電磁石に電力を印加して、前記ドナーフィルムと前記アクセプタ基板を接合するラミネーティング段階と、
前記ドナーフィルムにレーザを照射して、前記アクセプタ基板の前記画素定義領域に前記有機発光層を転写する転写段階
とを含むことを特徴とする有機発光素子の製造方法。
【請求項46】
アクセプタ基板と、前記アクセプタ基板上に接合される転写層を具備し、第1永久磁石を含むドナーフィルムとが順次積層され、前記第1永久磁石と磁気力を形成する第2永久磁石を含む基板ステージと、
前記ドナーフィルムにレーザを照射するレーザ発信器と、
前記基板ステージを内部に含むチャンバ
とを含むことを特徴とするレーザ熱転写装置。
【請求項47】
前記第2永久磁石は、前記基板ステージに同心円を成しながら内蔵されることを特徴とする請求項46に記載のレーザ熱転写装置。
【請求項48】
前記第2永久磁石は、前記基板ステージに横及び縦の行と列を成しながら内蔵されることを特徴とする請求項46に記載のレーザ熱転写装置。
【請求項49】
前記アクセプタ基板を収納して、前記基板ステージ上に位置させるアクセプタ基板装着手段と、
前記ドナーフィルムを収納して、前記基板ステージ上に位置された前記アクセプタ基板上に位置させるドナーフィルム装着手段
とをさらに含むことを特徴とする請求項46に記載のレーザ熱転写装置。
【請求項50】
前記チャンバは、真空状態であることを特徴とする請求項46に記載のレーザ熱転写装置。
【請求項51】
転写層を具備するドナーフィルムにレーザを照射して、前記転写層をアクセプタ基板に転写させるレーザ熱転写法において、
少なくとも一つの第2永久磁石を内蔵された基板ステージ上に前記アクセプタ基板を位置させるアクセプタ基板移送段階と、
前記アクセプタ基板上に、第1永久磁石が含まれた前記ドナーフィルムを位置させるドナーフィルム移送段階と、
前記ドナーフィルムの前記第1永久磁石と前記基板ステージの前記第2永久磁石の磁気力によって前記アクセプタ基板を接合するラミネーティング段階と、
前記ドナーフィルムにレーザを照射して、前記アクセプタ基板に前記転写層を転写する転写段階
とを含むことを特徴とするレーザ熱転写法。
【請求項52】
前記ドナーフィルム移送段階は、前記ドナーフィルムをフィルムトレイに装着させて位置することを特徴とする請求項51に記載のレーザ熱転写法。
【請求項53】
レーザ熱転写法によって第1電極と第2電極の間の発光層が形成される有機発光素子の製造方法において、
少なくとも一つの第2永久磁石を含む基板ステージ上に画素定義領域が形成されたアクセプタ基板を位置させるアクセプタ基板移送段階と、
前記アクセプタ基板上に、有機発光層を具備し、第1永久磁石を含むドナーフィルムを移送させるドナーフィルム移送段階と、
前記ドナーフィルムの前記第1永久磁石と前記基板ステージの前記第2永久磁石に電力を印加して、前記ドナーフィルムと前記アクセプタ基板を接合するラミネーティング段階と、
前記ドナーフィルムにレーザを照射して、前記アクセプタ基板の前記画素定義領域に前記有機発光層を転写する転写段階
とを含むことを特徴とする有機発光素子の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2007−62354(P2007−62354A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−61329(P2006−61329)
【出願日】平成18年3月7日(2006.3.7)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】