説明

レーダ装置

【課題】周波数選定範囲が狭い場合であっても、目標検出性能および追尾能力を向上できるレーダ装置を提供する。
【解決手段】送受信したPRI間の信号をフーリエ変換して得られたドプラ周波数軸上において目標の検出処理および追尾処理を含む処理を行うレーダ装置において、PRIの基準時間をオフセットさせることによって、位相パターンのドプラ周波数軸に対する傾きが異なる複数の複素ウェイトを算出するウェイト演算部45と、算出された複数の複素ウェイトが順次設定されることにより形成されたフーリエ変換によるフィルタバンクによってフィルタデータを得るフーリエ変換処理部42と、得られた複数のフィルタデータから、フィルタバンクを構成するフィルタ毎に、複数の複素ウェイト間の最大値を検出する最大値選定処理部43と、最大値選定処理部における検出結果に基づいて目標を検出する目標検出処理部44とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチパス環境下で目標を観測するレーダ装置に関し、特にマルチパスによる受信信号のレベル低下を排除する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、受信信号をフーリエ変換し、ドプラ周波数のフィルタバンクを用いて目標を検出するレーダ装置が知られている。このようなレーダ装置では、マルチパス環境下においては、目標から反射されて直接に到達する直接波と途中で海面や地表などで反射されて到達するマルチパス波とが合成されてアンテナに入力されるため、目標までの距離によっては受信電力が急激に低下する(非特許文献1、p.49−55参照)。その結果、目標の検出や追随維持ができないという問題を生じていた。この問題は、アンテナの角度特性であるビームパターンの場合でも同様である。
【0003】
このような問題の対策として、複数の周波数を使用して、受信電力の急激なレベル低下点をずらすことにより得られる受信信号の最大値を使用する周波数ダイバーシティ法が知られている(例えば、非特許文献1、p.269−272参照)。
【非特許文献1】吉田孝監修、「改訂 レーダ技術」、初版、社団法人電子情報通信学会、平成15年2月15日
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来のレーダ装置では、周波数ダイバーシティ法を利用する場合に、周波数を変えると、ドプラ周波数軸のフィルタバンク上で同じフィルタに直接波とマルチパス波が混在する場合についても周波数ダイバーシティ効果は期待できるが、周波数の可変幅に制約があり、周波数選択範囲が狭い場合には、大きな効果は期待できないという問題がある。
【0005】
本発明は、上述した問題を解消するためになされたものであり、その課題は、周波数選定範囲が狭い場合であっても、目標検出性能および追尾能力を向上させることができるレーダ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明に係るレーダ装置は、上記課題を解決するために、送受信したパルス繰り返し周期(PRI:Pulse Repetition Interval)間の信号をフーリエ変換して得られたドプラ周波数軸上において目標の検出処理および追尾処理を含むレーダ信号処理を行うレーダ装置において、PRIの基準時間をオフセットさせることによって、位相パターンのドプラ周波数軸に対する傾きが異なる複数の複素ウェイトを算出するウェイト演算部と、ウェイト演算部で算出された複数の複素ウェイトが順次設定されることにより形成されたフーリエ変換によるフィルタバンクによってフィルタデータを得るフーリエ変換処理部と、フーリエ変換処理部で得られた複数のフィルタデータから、フィルタバンクを構成するフィルタ毎に、複数の複素ウェイト間の最大値を検出する最大値選定処理部と、最大値選定処理部における検出結果に基づいて目標を検出する目標検出処理部とを備えたことを特徴とする。
【0007】
また、第2の発明に係るレーダ装置は、送受信したパルス繰り返し周期(PRI:Pulse Repetition Interval)間の信号をフーリエ変換して得られたドプラ周波数軸上において目標の検出処理および追尾処理を含むレーダ信号処理を行うレーダ装置において、位相パターンの傾きが異なる所望のフィルタバンクが形成されるようにフーリエ変換の複数の複素ウェイトを算出するウェイト演算部と、ウェイト演算部で算出された複数の複素ウェイトが順次設定されることにより形成されたフーリエ変換によるフィルタバンクによってフィルタデータを得るフーリエ変換処理部と、フーリエ変換処理部で得られた複数のフィルタデータから、フィルタバンクを構成するフィルタ毎に、複数の複素ウェイト間の最大値を検出する最大値選定処理部と、最大値選定処理部における検出結果に基づいて目標を検出する目標検出処理部とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
第1の発明に係るレーダ装置によれば、PRIの基準時間をオフセットさせてフィルタバンク出力の位相パターンの傾きを変えることにより、直接波とマルチパス波の位相関係をずらせて、距離に対するドプラ周波数のレベル低下点を変化させ、複数の複素ウェイトによるフィルタバンクにおいて、同一のバンク間の最大値をとって受信信号とするので、マルチパスに起因するレベル低下の少ない受信信号を用いて目標の検出処理や追随処理を実施できる。その結果、検出確率や追尾維持率を向上させることができる。
【0009】
第2の発明に係るレーダ装置によれば、位相パターンに傾きを持たせた所望のフィルタバンクを逆フーリエ変換により求めてフィルタバンク出力の位相パターンの傾きを変えることにより、直接波とマルチパス波の位相関係をずらせて、距離に対するドプラ周波数のレベル低下点を変化させ、複数の複素ウェイトによるフィルタバンクにおいて、同一バンク間の最大値をとって受信信号とする。これにより、マルチパスに起因するレベル低下の少ない受信信号を用いて目標の検出処理や追随処理を実施できるので、検出確率や追尾維持率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施例に係るレーダ装置を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【実施例1】
【0011】
図1は、本発明の実施例1に係るレーダ装置の構成を示すブロック図である。このレーダ装置は、アンテナ1、送信器2、受信器3および信号処理器4から構成されている。
【0012】
アンテナ1は、複数のアンテナ素子を備えており、フェーズドアレイ構成をとっている。このアンテナ1は、送信器2から送られてくる送信信号を空中に向けて送信するとともに、空中からの信号、つまり目標からの直接波およびマルチパス波を受信し、受信器3に送る。
【0013】
送信器2は、送信信号を生成してアンテナ1に送る。受信器3は、アンテナ1から送られてくる受信信号の周波数を変換し、さらにデジタル信号に変換する。この受信器3で得られたデジタル信号は、受信デジタル信号として信号処理器4に送られる。
【0014】
信号処理器4は、MTI(Moving Target Indicator;移動目標検出)処理部41、DFT(Discrete Fourier Transformation;離散フーリエ変換)処理部42、最大値選定処理部43、目標検出処理部44およびレーダ制御部45から構成されている。
【0015】
MTI処理部41は、受信器3から送られてくる受信デジタル信号に対し、レーダの種類に応じて、クラッタを抑圧するMTI処理等を行う。このMTI処理部41においてMTI処理がなされた信号は、DFT処理部42に送られる。
【0016】
DFT処理部42は、本発明のフーリエ変換処理部に対応し、ドプラ周波数の異なる目標を分離検出するために、MTI処理部41から送られてくる信号に対し、レーダ制御部45から送られてくる複素ウェイトを適用して、パルス繰り返し周期(PRI:Pulse Repetition Interval)単位のフィルタバンク処理である離散フーリエ変換処理を行う。このDFT処理部42における離散フーリエ変換処理の結果は、最大値選定処理部43に送られる。なお、DFT処理部42では、DFT処理の代わりに、FFT(Fast Fourier Transform;高速フーリエ変換)処理を行うように構成することもできる。
【0017】
最大値選定処理部43は、フィルタバンクを構成する各フィルタについて、複数のオフセット(詳細後述)間、換言すれば、複数の複素ウェイト間の最大値を検出する。この最大値選定処理部43で得られた最大値は、目標検出処理部44に送られる。
【0018】
目標検出処理部44は、最大値選定処理部43から距離毎に順次送られてくるフィルタバンクを構成するフィルタ毎の最大値に基づき目標検出処理または追随処理といったレーダ信号処理を実行する。この目標検出処理部44における検出結果は、目標情報として外部に送出される。
【0019】
レーダ制御部45は、本発明のウェイト演算部に対応し、複数のオフセットに対するウェイト演算を行う。このレーダ制御部44におけるウェイト演算によって得られた複素ウェイトは、DFT処理部42に送られる。
【0020】
次に、上記のように構成される本発明の実施例1に係るレーダ装置の動作を説明する。まず、レーダ装置の動作の概略を、図2乃至図5を参照しながら説明する。
【0021】
図2は、フィルタバンクを構成する1つのフィルタにおける、距離に対する受信信号の振幅レベルの変化を説明するための図である。従来のレーダ装置では、例えばDFT処理部42に対しオフセットしない複素ウェイト(例えばオフセット1の複素ウェイト)が与えられる。この場合、直接波とマルチパス波との干渉に起因して、距離によっては振幅レベルの落ち込みが大きい部分Aが発生する。
【0022】
これに対し、本発明の実施例1に係るレーダ装置では、複数のオフセット(図2に示す例ではオフセット1とオフセット2)を有する複素ウェイトをDFT処理部42に与えることによって、落ち込みが発生する距離が異なる(オフセット2の場合は、部分Bで振幅レベルの落ち込みが大きくなる)複数の受信信号を取得し、これら複数の受信信号の各距離における最大値(太線で示す)を検出して受信信号とする。従って、落ち込みが少ない、略フラットな振幅レベルを有する受信信号を得ることができる。
【0023】
ここで、オフセットについて説明する。図3(a)は、所定のPRIを基準時間とし、太線で示すような位相勾配を有する複素ウェイトを各アンテナ素子から得られる受信信号に与える状態を示している。図3(b)は、基準時間にオフセットLを加えた状態を示している。この場合、位相勾配は同じであるが、各アンテナ素子からの受信信号に与えられる複素ウェイトの位相は太線で示すように変化する。従って、図3(a)に示す場合に較べて、大きい位相が各アンテナ素子からの受信信号に与えられる。
【0024】
図4は、図3(a)に示すような、オフセットされていない複素ウェイトがアンテナ1からの受信信号に与えられたときの振幅特性および位相特性を示す。この場合、位相パターンはドプラ周波数に対して一定であるので、直接波とマルチパス波との位相特性は同じになり、直接波の位相とマルチパス波の位相が相違することに起因して、図2のオフセット1に示すように、所定の距離で受信信号の振幅レベルが落ち込む部分Aが発生する。
【0025】
これに対して、図5は、図3(b)に示す基準時間にオフセットLが加えられた複素ウェイトがアンテナ1からの受信信号に与えられたときの振幅特性および位相特性を示す。この場合、振幅特性はオフセットされていない場合と同じであるが、位相パターンはドプラ周波数に対して傾きを有する。この位相パターンの傾きは、オフセットLが大きくなるに連れて大きくなる。従って、直接波とマルチパス波との位相特性はオフセット量に応じて異なることになる。その結果、図2のオフセット2に示すように、フィルタバンクを構成する1つのフィルタにおける受信信号の振幅レベルは、オフセットされていない場合と異なる距離の部分Bで落ち込む。そこで、各距離について、複数のオフセットに対して得られる複数のフィルタ毎の受信信号の最大値を最終的な受信信号として選択すれば、図2の太線で示すように、落ち込みが少ない、略フラットな振幅レベルを有するドプラ周波数毎の受信信号を得ることができる。
【0026】
次に、本発明の実施例1に係るレーダ装置の詳細な動作を、図6に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0027】
まず、所定の距離に対して、所定のオフセットによるウェイト演算が実行される(ステップS10)。即ち、レーダ制御部45は、受信ビームの複素ウェイトを算出する。次に、フィルタバンクの形成が行われる(ステップS11)。即ち、ステップS10で算出された複素ウェイトが、DFT処理部42に設定される。
【0028】
次に、フィルタデータ取得が行われる(ステップS12)。即ち、DFT処理部42は、下記式(1)に従って、DFT処理、つまり離散フーリエ変換処理を行う。
【数1】

【0029】
ここで、X(n)はMTI処理部41から入力される受信信号(n=1〜N)、nはPRI番号(n=1〜N)、NはPRI数、npはセット番号pのオフセット量(図2参照)、Wdft(n)はDFTの窓関数、b(p,m)はDFT後の信号(m=1〜M、p=1〜P)、Pはセット数、mはフィルタバンクを構成するフィルタの番号(m=1〜M)、jは虚数単位である
このステップS12で取得された離散フーリエ変換の結果は、最大値選定処理部43に送られる。次に、全フィルタセット取得が完了したかどうか、つまり全てのオフセットに対するフィルタデータの取得が完了したかどうかが調べられる(ステップS13)。ここで、全てのオフセットに対するフィルタデータの取得が完了していないことが判断されると、シーケンスはステップS10に戻り、上述した処理が繰り返される。
【0030】
一方、ステップS13において、全フィルタセット取得が完了したことが判断されると、最大値検出が行われる(ステップS14)。即ち、最大値選定処理部43は、フィルタバンクを構成するフィルタ毎に、npの異なる複数のフィルタ間で、次式により最大値bmaxを得る。この最大値選定処理部43で得られたフィルタ毎の最大値は、目標検出処理部44に送られる。
【数2】

【0031】
ここで、max[ ]は最大値を表す。
【0032】
次に、全ての距離に対するデータ取得が終了したかどうかが調べられる(ステップS15)。ここで、全ての距離に対するデータ取得が終了していないことが判断されると、次の距離が選択され(ステップS16)、その後、シーケンスはステップS10に戻って上述した動作が繰り返される。
【0033】
そして、ステップS15において、データ取得が終了したことが判断されると、受信信号を取得する処理は終了する。その後、図示は省略するが、目標検出処理部44において、目標検出処理が行われる。
【0034】
以上説明したように、本発明の実施例1に係るレーダ装置によれば、PRIの基準時間をオフセットさせてフィルタバンク出力の位相パターンの傾きを変えることにより、直接波とマルチパス波の位相関係をずらせて、距離に対するドプラ周波数のレベル低下点を変化させ、複数の複素ウェイトによるフィルタバンクにおいて、同一のバンク間の最大値をとって受信信号とする。これにより、マルチパスに起因するレベル低下の少ない受信信号を用いて目標の検出処理や追随処理を実施できるので、検出確率や追尾維持率を向上させることができる。
【実施例2】
【0035】
本発明の実施例2に係るレーダ装置は、フィルタバンクを形成する際に、位相パターンに所望の傾きを持たせた所望のフィルタバンクを合成するようにしたものである。
【0036】
本発明の実施例2に係るレーダ装置の構成は、信号処理器4のレーダ制御部45で実行される処理内容が異なる点を除けば、図1に示した実施例1に係るレーダ装置の構成と同じである。以下では、相違する部分についてのみ説明する。
【0037】
レーダ制御部45は、例えば図5に示すような振幅特性および傾きを持たせた位相特性(位相パターン)を有する所望フィルタバンクをあらかじめ用意しておき、この用意された所望フィルタバンクを逆フーリエ変換して複素ウェイトを算出する。
【0038】
次に、本発明の実施例2に係るレーダ装置の詳細な動作を、図7に示すフローチャートを参照しながら説明する。図7に示すフローチャートは、図6に示した実施例1に係るフローチャートにおけるステップS10のオフセットによるウェイト演算処理を、所望フィルタバンクの逆フーリエ変換によるウェイト演算処理に変更してステップS20としたものである。
【0039】
まず、ステップS20のウェイト演算処理では、例えば図5に示すような、あらかじめ作成された位相パターンに傾きを持たせた所望フィルタバンクbdを逆フーリエ変換により求めて複数の複素ウェイトW(p、n)が算出される。即ち、レーダ制御部45は、受信ビームの複素ウェイトW(p、n)を、下記式(3)に従って、所望フィルタバンクbdの逆フーリエ変換により算出する。この算出された複素ウェイトW(p、n)は、DFT処理部42に送られる。
【0040】
次に、フィルタバンクの形成が行われる(ステップS11)。即ち、ステップS10で算出された複素ウェイトが、DFT処理部42に設定される。次に、フィルタデータ取得が行われる(ステップS12)。即ち、DFT処理部42は、下記式(4)に従って、DFT処理、つまり離散フーリエ変換処理を行う。以下の処理は、図6のフローチャートを参照して説明した実施例1に係るレーダ装置における処理と同じである。
【数3】

【数4】

【0041】
ここで、W(p,n)はセット番号pのn番目の素子の複素ウェイト(n=1〜N、p=1〜P)、Pはセット数、bd(p,m)は位相パターンの異なる所望フィルタバンク(m=1〜M)、mは位相パターンを規定する周波数番号(m=1〜M)、b(p,m)は形成フィルタバンク(m=1〜M)である。
【0042】
以上説明したように、本発明の実施例2に係るレーダ装置によれば、位相パターンに傾きを持たせた所望のフィルタバンクを逆フーリエ変換により求めてフィルタバンク出力の位相パターンの傾きを変えることにより、直接波とマルチパス波の位相関係をずらせて、距離に対するドプラ周波数のレベル低下点を変化させ、複数の複素ウェイトによるフィルタバンクにおいて、同一バンク間の最大値をとって受信信号とする。これにより、マルチパスに起因するレベル低下の少ない受信信号を用いて目標の検出処理や追随処理を実施できるので、検出確率や追尾維持率を向上させることができる。
【0043】
なお、上述した実施例1および実施例2に係るレーダ装置では、位相パターンが異なる傾きをもつ複数のフィルタを用いて、直接波とマルチパス波の位相関係を変えて、マルチパスによるレベル低下を防ぐことが目的であるため、他のフィルタバンク形成方法を用いることもできる。また、大きい効果が得られる位相パターンのみではなく、振幅パターンの差違も含めて、レベル低下を防ぐように構成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の実施例1に係るレーダ装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の実施例1に係るレーダ装置の距離に対する振幅レベルの変化を説明するための図である。
【図3】本発明の実施例1に係るレーダ装置で使用されるオフセットを説明するための図である。
【図4】本発明の実施例1に係るレーダ装置のオフセットがない場合の振幅特性および位相特性を説明するための図である。
【図5】本発明の実施例1に係るレーダ装置のオフセットがある場合の振幅特性および位相特性を説明するための図である。
【図6】本発明の実施例1に係るレーダ装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施例2に係るレーダ装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0045】
1 アンテナ
2 送信器
3 受信器
4 信号処理器
41 MTI処理部
42 DFT処理部
43 最大値選定処理部
44 目標検出処理部
45 レーダ制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送受信したパルス繰り返し周期(PRI:Pulse Repetition Interval)間の信号をフーリエ変換して得られたドプラ周波数軸上において目標の検出処理および追尾処理を含むレーダ信号処理を行うレーダ装置において、
前記PRIの基準時間をオフセットさせることによって、位相パターンのドプラ周波数軸に対する傾きが異なる複数の複素ウェイトを算出するウェイト演算部と、
前記ウェイト演算部で算出された複数の複素ウェイトが順次設定されることにより形成されたフーリエ変換によるフィルタバンクによってフィルタデータを得るフーリエ変換処理部と、
前記フーリエ変換処理部で得られた複数のフィルタデータから、フィルタバンクを構成するフィルタ毎に、複数の複素ウェイト間の最大値を検出する最大値選定処理部と、
前記最大値選定処理部における検出結果に基づいて目標を検出する目標検出処理部と、
を備えたことを特徴とするレーダ装置。
【請求項2】
送受信したパルス繰り返し周期(PRI:Pulse Repetition Interval)間の信号をフーリエ変換して得られたドプラ周波数軸上において目標の検出処理および追尾処理を含むレーダ信号処理を行うレーダ装置において、
位相パターンの傾きが異なる所望のフィルタバンクが形成されるようにフーリエ変換の複数の複素ウェイトを算出するウェイト演算部と、
前記ウェイト演算部で算出された複数の複素ウェイトが順次設定されることにより形成されたフーリエ変換によるフィルタバンクによってフィルタデータを得るフーリエ変換処理部と、
前記フーリエ変換処理部で得られた複数のフィルタデータから、フィルタバンクを構成するフィルタ毎に、複数の複素ウェイト間の最大値を検出する最大値選定処理部と、
前記最大値選定処理部における検出結果に基づいて目標を検出する目標検出処理部と、
を備えたことを特徴とするレーダ装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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