説明

ロキソプロフェン及びクレマスチンを含有する医薬組成物

【課題】優れた薬理作用を有する医薬組成物の提供。
【解決手段】ロキソプロフェン又はその塩、及びクレマスチン又はその塩を含有する医薬組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロキソプロフェン又はその塩、及びクレマスチン又はその塩を含有する医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ロキソプロフェン又はその塩は、非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAID)の一種であり、関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群、歯痛、急性上気道炎、手術後・外傷後・抜歯後等の消炎・鎮痛・解熱に有効なものとして知られている(非特許文献1)。
【0003】
一方、クレマスチン又はその塩は、抗ヒスタミン作用を有し、抗ヒスタミン成分として、総合感冒薬や鼻炎用内服薬等に用いられている薬物である(非特許文献2)。
【0004】
ロキソプロフェン又はその塩は、その優れた薬理作用から、様々な薬物と組合わせることが検討されている。当該組み合わせにより得られる作用としては、例えば、カフェイン、エテンザミドやアセトアミノフェンと組合わせることによる消炎・鎮痛・解熱効果の増強作用(特許文献1)、カルビノキサミンマレイン酸塩、ケトチフェンフマル酸塩、メキタジンやエピナスチン塩酸塩と組合わせることによる鼻閉症状の改善作用(特許文献2)、アゼラスチン塩酸塩やメキタジンと組み合わせることによる杯細胞過形成抑制作用(特許文献3)、ブロムヘキシン塩酸塩やアンブロキソール塩酸塩と組合わせることによる咳嗽症状に対する効果の増強作用(特許文献4)及び杯細胞過形成抑制作用(特許文献5)等が知られている。
【0005】
そして、ロキソプロフェン又はその塩とクレマスチン又はその塩の2成分の組合わせも既に知られている。具体的には、ロキソプロフェンとクレマスチンフマル酸塩を組合わせることによる抗ヒスタミン作用の増強作用(特許文献6)が知られている。
さらに、特許文献6においては、同じく抗ヒスタミン作用の増強作用が知られるロキソプロフェンとクロルフェニラミンマレイン酸塩の組合わせにおいて、鎮痛作用が増強されることが開示されている。
【0006】
しかしながら、ロキソプロフェン又はその塩とクレマスチン又はその塩を組合わせた場合における鎮痛作用の増強については全く知られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−139971号公報
【特許文献2】特開2001−199882号公報
【特許文献3】特開2008−169193号公報
【特許文献4】特開2001−172175号公報
【特許文献5】特開2008−13542号公報
【特許文献6】特開2000−143505号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】第15改正日本薬局方解説書 株式会社廣川書店 第C−4790−4795頁
【非特許文献2】OTCハンドブック 2008−09 株式会社学術情報流通センター 第231−232頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、優れた薬理作用を有する医薬組成物の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そこで、本発明者は、鋭意検討したところ、ロキソプロフェン又はその塩と、クレマスチン又はその塩の組み合わせが、ロキソプロフェンとクロルフェニラミンとの組み合わせからは予想できない格別に優れた鎮痛作用を有し、医薬として有用であることを見出した。
【0011】
すなわち、本発明は、ロキソプロフェン又はその塩、及びクレマスチン又はその塩を含有する医薬組成物を提供するものである。
【発明の効果】
【0012】
ロキソプロフェン又はその塩とクレマスチン又はその塩の組み合わせは、優れた鎮痛作用を奏する。従って、本発明によれば、優れた薬理作用を有する医薬組成物を提供することができる。
【0013】
また、クレマスチン又はその塩は、ロキソプロフェン又はその塩に起因する消化管障害に対し抑制作用を有する。従って、本発明によれば、優れた薬理作用を有し、ロキソプロフェン又はその塩に起因する消化管障害が抑制された安全性に優れる医薬組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の医薬組成物に用いられる「ロキソプロフェン又はその塩」には、ロキソプロフェンのみならず、ロキソプロフェンの薬学上許容される塩、さらにはロキソプロフェンやその薬学上許容される塩と水やアルコール等との溶媒和物が含まれる。これらは公知の化合物であり、公知の方法により製造できるほか、市販のものを用いることができる。本発明において、ロキソプロフェン又はその塩としては、ロキソプロフェンナトリウム水和物(化学名:Monosodium 2-[4-[(2-oxocyclopentyl)methyl]phenyl]propanoate dihydrate)が好ましい。
【0015】
本発明の医薬組成物におけるロキソプロフェン又はその塩の含有量は特に限定されず、服用者の性別、年齢、症状等に応じて、適宜検討して決定すればよい。例えば、1日あたり、ロキソプロフェンナトリウム無水物換算で10〜300mg、より好適には30〜240mg、特に好適には60〜180mg服用できる量を含有せしめることができる。
本発明においては、ロキソプロフェン又はその塩を医薬組成物全質量に対して、ロキソプロフェン無水物換算で0.4〜50質量%含有するのが好ましく、0.8〜25質量%含有するのがより好ましく、1.2〜20質量%含有するのがさらに好ましく、1.6〜15質量%含有するのがさらにより好ましく、2.0〜12質量%含有するのが特に好ましい。
【0016】
本発明において、「クレマスチン又はその塩」には、クレマスチンそのもののほか、クレマスチンの薬学上許容される塩も含まれる。クレマスチン又はその塩の具体例としては例えば、クレマスチン、クレマスチンフマル酸塩等が挙げられ、本発明においては、クレマスチンフマル酸塩が好ましい。これらは公知の化合物であり、公知の方法により製造できるほか、市販のものを用いることができる。
【0017】
本発明の医薬組成物におけるクレマスチン又はその塩の含有量は特に限定されず、服用者の性別、年齢、症状等に応じて、適宜検討して決定すればよい。例えば、1日当たり、クレマスチンのフリー体として0.01〜5mg、より好適には0.05〜3mg、さらに好適には0.1〜2mg、特に好適には0.2〜2mg服用できる量を含有せしめることができる。なお、クレマスチンフマル酸塩1.34mgはクレマスチンのフリー体として1mgに相当するものである。
本発明においては、クレマスチン又はその塩を医薬組成物全質量に対して、クレマスチンのフリー体換算で0.008〜0.4質量%含有するのが好ましく、0.01〜0.2質量%含有するのがより好ましく、0.015〜0.15質量%含有するのが特に好ましい。
【0018】
本発明の医薬組成物におけるロキソプロフェン又はその塩とクレマスチン又はその塩との含有比は特に限定されず、上述した各成分の1日当たりの服用量に応じて適宜検討して決定すればよいが、ロキソプロフェン又はその塩をロキソプロフェンナトリウム無水物換算で1質量部に対し、クレマスチン又はその塩をクレマスチンのフリー体換算で0.0006〜300質量部含有するものが好ましく、0.001〜0.5質量部含有するものがより好ましく、0.0012〜0.1質量部含有するものがさらに好ましく、0.002〜0.03質量部含有するものが特に好ましい。
【0019】
本発明の医薬組成物は、例えば、第十五改正日本薬局方 製剤総則等に記載の公知の方法により製造することができる。また、剤形は、特に限定されるものではなく、固形状、半固形状、液状のいずれの形状であってもよく、その利用目的等に応じて医薬品において通常利用される形状とすることができる。具体的には例えば、錠剤(チュアブル錠、発泡錠、口腔内崩壊錠などを含む)、トローチ剤、ドロップ剤、硬カプセル剤、軟カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、丸剤、ドライシロップ剤、坐剤、パップ剤、プラスター剤などの固形製剤;舐剤、チューインガム剤、ゼリー剤、ゼリー状ドロップ剤、ホイップ剤、軟膏剤、クリーム剤、フォーム剤、インへラー剤、ナザールジェル剤などの半固形製剤;シロップ剤、ドリンク剤、懸濁剤、酒精剤、液剤、点眼剤、エアゾール剤、噴霧剤、スプレー剤などの液状製剤などの、第十五改正日本薬局方 製剤総則等に記載の剤形とすることができる。
本発明においては、服用の簡便性や薬物服用量の管理等の点で、ロキソプロフェン又はその塩、及びクレマスチン又はその塩を含む固形製剤であるのが好ましく、錠剤、カプセル剤、丸剤、顆粒剤、散剤及び細粒剤からなる群より選ばれる固形製剤であるのがより好ましく、錠剤又はカプセル剤であるのが特に好ましい。
【0020】
本発明の医薬組成物の服用経路としては、経口及び経直腸や経膣等の非経口が挙げられ、経口投与が好ましい。また、本発明の医薬組成物は、例えば、1日につき1〜4回程度に分けて、食前、食間、食後、就寝前等に服用することができる。
【0021】
本発明の医薬組成物には、医薬成分として、ロキソプロフェン又はその塩、クレマスチン又はその塩以外の薬物、例えば、解熱鎮痛剤、抗ヒスタミン剤、鎮咳剤、ノスカピン類、気管支拡張剤、去痰剤、催眠鎮静剤、ビタミン類、抗炎症剤、胃粘膜保護剤、抗コリン剤、生薬類、漢方処方、カフェイン類、キサンチン系成分等からなる群より選ばれる1種又は2種以上を含んでいても良い。
【0022】
解熱鎮痛剤としては、例えば、アスピリン、アスピリンアルミニウム、アセトアミノフェン、イソプロピルアンチピリン、イブプロフェン、エテンザミド、サザピリン、サリチルアミド、サリチル酸ナトリウム、チアラミド塩酸塩、ラクチルフェネチジン等が挙げられる。
【0023】
抗ヒスタミン剤としては、例えば、アゼラスチン塩酸塩、アリメマジン酒石酸塩、イソチペンジル塩酸塩、イプロヘプチン塩酸塩、エバスチン、エピナスチン塩酸塩、エメダスチンフマル酸塩、オキサトミド、オロパタジン塩酸塩、カルビノキサミンジフェニルジスルホン酸塩、カルビノキサミンマレイン酸塩、d−クロルフェニラミンマレイン酸塩、dl−クロルフェニラミンマレイン酸塩、ケトチフェンフマル酸塩、ジフェテロール塩酸塩、ジフェテロールリン酸塩、ジフェニルピラリン塩酸塩、ジフェニルピラリンテオクル酸塩、ジフェンヒドラミン塩酸塩、ジフェンヒドラミンサリチル酸塩、ジフェンヒドラミンタンニン酸塩、シプロヘプタジン塩酸塩水和物、セチリジン塩酸塩、トリプロリジン塩酸塩、トリペレナミン塩酸塩、トンジルアミン塩酸塩、フェキソフェナジン、フェネタジン塩酸塩、プロメタジン塩酸塩、プロメタジンメチレン二サリチル酸塩、ベポタスチンベシル酸塩、ホモクロルシクリジン塩酸塩、メキタジン、メトジラジン塩酸塩、メブヒドロリンナパジシル酸塩、ロラタジン等が挙げられる。
【0024】
鎮咳剤としては、例えば、アロクラミド塩酸塩、エプラジノン塩酸塩、カルベタペンタンクエン酸塩、クロペラスチン塩酸塩、クロペラスチンフェンジゾ酸塩、コデインリン酸塩、ジヒドロコデインリン酸塩、ジブナートナトリウム、ジメモルファンリン酸塩、デキストロメトルファン臭化水素酸塩、デキストロメトルファン・フェノールフタリン塩、チペピジンクエン酸塩、チペピジンヒベンズ酸塩等が挙げられる。
【0025】
ノスカピン類としては、例えば、ノスカピン塩酸塩、ノスカピン等が挙げられる。
気管支拡張剤としては、例えば、トリメトキノール塩酸塩、フェニルプロパノールアミン塩酸塩、フェニレフリン塩酸塩、l−メチルエフェドリン塩酸塩、dl−メチルエフェドリン塩酸塩、l−メチルエフェドリンサッカリン塩、dl−メチルエフェドリンサッカリン塩、プソイドエフェドリン塩酸塩、プソイドエフェドリン硫酸塩、メトキシフェナミン塩酸塩等が挙げられる。
【0026】
去痰剤としては、例えば、アンブロキソール塩酸塩、アンモニア・ウイキョウ精、エチルシステイン塩酸塩、塩化アンモニウム、カルボシステイン、グアイフェネシン、グアヤコールスルホン酸カリウム、クレゾールスルホン酸カリウム、ブロムヘキシン塩酸塩、メチルシステイン塩酸塩、l−メントール、リゾチーム塩酸塩等が挙げられる。
【0027】
催眠鎮静剤としては、例えば、アリルイソプロピルアセチル尿素やブロムワレリル尿素等が挙げられる。
ビタミン類としては、例えば、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB5、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ヘスペリジン及びその誘導体並びにそれらの塩類等(例えば、チアミン、チアミン塩化物塩酸塩、チアミン硝化物、ジセチアミン塩酸塩、セトチアミン塩酸塩、フルスルチアミン、フルスルチアミン塩酸塩、オクトチアミン、シコチアミン、チアミンジスルフィド、ビスイブチアミン、ビスベンチアミン、プロスルチアミン、ベンフォチアミン、リボフラビン、リボフラビンリン酸エステル、リボフラビン酪酸エステル、リン酸リボフラビンナトリウム、パンテノール、パンテチン、パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウム、ピリドキシン塩酸塩、ピリドキサールリン酸エステル、シアノコバラミン、メコバラミン、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム、ヘスペリジン等)が挙げられる。
【0028】
抗炎症剤としては、例えば、グリチルリチン酸及びその誘導体並びにそれらの塩類(例えば、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム等)、セアプローゼ、セミアルカリプロティナーゼ、セラペプターゼ、トラネキサム酸、プロクターゼ、プロナーゼ、ブロメライン等が挙げられる。
【0029】
胃粘膜保護剤としては、例えば、アミノ酢酸、アルジオキサ、ケイ酸マグネシウム、ゲファルナート、合成ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロタルサイト、酸化マグネシウム、ジヒドロキシアルミニウム・アミノ酢酸塩(アルミニウムグリシネート)、水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム混合乾燥ゲル、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウムの共沈生成物、水酸化アルミニウム・炭酸カルシウム・炭酸マグネシウムの共沈生成物、水酸化マグネシウム・硫酸アルミニウムカリウムの共沈生成物、スクラルファート、セトラキサート塩酸塩、ソファルコン、炭酸マグネシウム、テプレノン、銅クロロフィリンカリウム、銅クロロフィリンナトリウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、メチルメチオニンスルホニウムクロリド等が挙げられる。
【0030】
抗コリン薬としては、例えば、オキシフェンサイクリミン塩酸塩、ジサイクロミン塩酸塩、メチキセン塩酸塩、スコポラミン臭化水素酸塩、ダツラエキス、チペピジウム臭化物、メチルアトロピン臭化物、メチルアニソトロピン臭化物、メチルスコポラミン臭化物、メチル−l−ヒヨスチアミン臭化物、メチルベナクチジウム臭化物、ピレンゼピン塩酸塩、ブチルスコポラミン臭化物、ベラドンナアルカロイド、ベラドンナエキス、ベラドンナ総アルカロイド、ヨウ化イソプロパミド、ヨウ化ジフェニルピペリジノメチルジオキソラン、ロートエキス、ロート根、ロート根総アルカロイドクエン酸塩等が挙げられる。
【0031】
生薬類としては、例えば、アカメガシワ(赤芽柏)、アセンヤク(阿仙薬)、インヨウカク(淫羊霍)、ウイキョウ(茴香)、ウコン(鬱金)、エンゴサク(延胡索)、エンメイソウ(延命草)、オウゴン(黄岑)、オウセイ(黄精)、オウバク(黄柏)、オウヒ(桜皮)、オウレン(黄連)、オンジ(遠志)、ガジュツ(我朮)、カノコソウ(鹿子草)、カミツレ、カロニン(か楼仁)、カンゾウ(甘草)、キキョウ(桔梗)、キョウニン(杏仁)、クコシ(枸杞子)、クコヨウ(枸杞葉)、ケイガイ(荊芥)、ケイヒ(桂皮)、ケツメイシ(決明子)、ゲンチアナ、ゲンノショウコ(現証拠)、コウブシ(香附子)、ゴオウ(牛黄)、ゴミシ(五味子)、サイシン(細辛)、サンショウ(山椒)、シオン(紫苑)、ジコッピ(地骨皮)、シャクヤク(芍薬)、ジャコウ(麝香)、シャジン(沙参)、シャゼンシ(車前子)、シャゼンソウ(車前草)、獣胆(ユウタン(熊胆)を含む)、ショウキョウ(生姜)、ジリュウ(地竜)、シンイ(辛夷)、セキサン(石蒜)、セネガ、センキュウ(川きゅう)、ゼンコ(前胡)、センブリ(千振)、ソウジュツ(蒼朮)、ソウハクヒ(桑白皮)、ソヨウ(蘇葉)、タイサン(大蒜)、チクセツニンジン(竹節人参)、チョウジ(丁子)、チンピ(陳皮)、トウキ(当帰)、トコン(吐根)、ナンテンジツ(南天実)、ニンジン(人参)、バイモ(貝母)、バクモンドウ(麦門冬)、ハッカ(薄荷)、ハンゲ(半夏)、バンコウカ(番紅花)、ハンピ(反鼻)、ビャクシ(白し)、ビャクジュツ(白朮)、ブクリョウ(茯苓)、ボタンピ(牡丹皮)、ボレイ(牡蠣)、マオウ(麻黄)、ロクジョウ(鹿茸)等の生薬及びこれらの抽出物(エキス、チンキ、乾燥エキス等)等が挙げられる。
【0032】
漢方処方としては、例えば、カッコントウ(葛根湯)、ケイシトウ(桂枝湯)、コウソサン(香蘇散)、サイコケイシトウ(柴胡桂枝湯)、ショウサイコトウ(小柴胡湯)、ショウセイリュウトウ(小青竜湯)、バクモンドウトウ(麦門冬湯)、ハンゲコウボクトウ(半夏厚朴湯)マオウトウ(麻黄湯)等が挙げられる。
【0033】
カフェイン類としては、例えば、カフェイン、無水カフェイン、安息香酸ナトリウムカフェイン等が挙げられる。
【0034】
キサンチン系成分としては、例えば、アミノフィリン、ジプロフィリン、テオフィリン、プロキシフィリン等が挙げられる。
【0035】
なお、本発明の医薬組成物としては、以下の(a)以外のものが好ましい。
【0036】
(a)ロキソプロフェンナトリウム2水和物 60mg(無水物として換算)、フマル酸クレマスチン 5mg、ステアリン酸マグネシウム 7mg、結晶セルロース 60mg、デンプン 205mg、乳糖 13mgを含有する錠剤。
【0037】
本発明の医薬組成物は、下記試験例1に示すとおり、優れた鎮痛作用を有することから、痛みを伴う各種疾患・症状に有効であることが明らかである。
従って、本発明の医薬組成物としては、ロキソプロフェン又はその塩、及びクレマスチン又はその塩を含有する鎮痛用組成物が好ましく、より具体的には、頭痛、歯痛、抜歯後の疼痛、咽頭痛、耳痛、関節痛、神経痛、腰痛、筋肉痛、肩こり痛、打撲痛、骨折痛、ねんざ痛、月経痛(生理痛)及び外傷痛から選ばれる1種以上の痛みの鎮痛;のどの痛み、頭痛、関節の痛み及び筋肉の痛みから選ばれる1種以上の症状の緩和(なお、当該「のどの痛み」としては、かぜの諸症状としてののどの痛み及び急性鼻炎、アレルギー性鼻炎又は副鼻腔炎による諸症状としてののどの痛みを含む。また、「頭痛」、「関節の痛み」及び「筋肉の痛み」としては、かぜの諸症状としてのこれらの症状を含む。)に用いられる医薬として好適に利用できる。
また、本発明の医薬組成物の好適な具体例としては、下記組成物(A)〜(C)からなる群より選ばれる1種以上:
(A)ロキソプロフェン又はその塩、及びクレマスチン又はその塩を含有する、頭痛、歯痛、抜歯後の疼痛、咽頭痛、耳痛、関節痛、神経痛、腰痛、筋肉痛、肩こり痛、打撲痛、骨折痛、ねんざ痛、月経痛(生理痛)及び外傷痛から選ばれる1種以上の痛みの鎮痛用組成物、
(B)ロキソプロフェン又はその塩、及びクレマスチン又はその塩を含有する、のどの痛み、頭痛、関節の痛み及び筋肉の痛みから選ばれる1種以上の症状の緩和(かぜの諸症状としてののどの痛み、頭痛、関節の痛み及び筋肉の痛みから選ばれる1種以上の症状の緩和を含む)用組成物、並びに
(C)ロキソプロフェン又はその塩、及びクレマスチン又はその塩を含有する、のどの痛みの緩和(急性鼻炎、アレルギー性鼻炎又は副鼻腔炎による諸症状としてののどの痛みの緩和を含む)用組成物
が挙げられ、上記組成物(B)が特に好ましい。
【0038】
また、ロキソプロフェンはNSAIDの1種であり、副作用として消化管障害(胃粘膜障害、潰瘍形成等)が問題となるが、下記試験例2に具体的に開示されているとおり、クレマスチン又はその塩が、当該ロキソプロフェンに起因する消化管障害に対し抑制作用を有すること、特にロキソプロフェン又はその塩をロキソプロフェンナトリウム無水物換算で約140質量部に対し、クレマスチン又はその塩をクレマスチンのフリー体換算で約0.5質量部以上、より好適には約1質量部以上、さらにより好適には1〜200質量部、特に好適には1〜8.5質量部の割合で組合わせて投与した場合に消化管障害抑制作用が顕著であることが見出された。
従って、ロキソプロフェン又はその塩、及びクレマスチン又はその塩を含有する本発明の医薬組成物は、ロキソプロフェン又はその塩に起因する消化管障害が抑制されるため安全性に優れるという有利な効果を有する。
また、従来よりロキソプロフェンを含有する医薬においては投与禁忌とされている消化性潰瘍の罹患者や、慎重投与とされている消化性潰瘍の既往歴のある患者であっても安全に服用することができ、ロキソプロフェン又はその塩、及びクレマスチン又はその塩を含有する本発明の医薬組成物は、消化性潰瘍の罹患者及び/又は消化性潰瘍の既往歴のある者に投与するための医薬組成物としても好適に利用できる。
さらに、本発明によれば、クレマスチン又はその塩を有効成分として含有する、アルミノプロフェン、アンピロキシカム、アンフェナク、イブプロフェン、インドメタシン、エトドラク、エピリゾール、オキサプロジン、ケトプロフェン、ザルトプロフェン、ジクロフェナク、スリンダク、セレコキシブ、チアプロフェン酸、チアラミド、テノキシカム、トルフェナム酸、ナブメトン、ナプロキセン、ピロキシカム、プラノプロフェン、フルフェナム酸、フルルビプロフェン、プログルメタシン、メフェナム酸、メロキシカム、モフェゾラク、ロキソプロフェン及びロルノキシカム並びにこれらの塩等の非ステロイド性消炎鎮痛剤(好適にはロキソプロフェン又はその塩)に起因する消化管障害(例えば、NSAID潰瘍)の軽減又は抑制剤を提供できる。
【実施例】
【0039】
以下に実施例等を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例等に何ら限定されるものではない。
[試験例1]鎮痛試験
5〜6週齢のWistar系雄性ラット(体重102.7〜120.5g)の右後肢足の疼痛閾値を測定し、「炎症惹起前疼痛閾値」とした。
炎症惹起前疼痛閾値の測定後、右後肢足蹠に20%酵母液を100μL皮下投与して炎症を惹起した。炎症惹起3時間後に疼痛閾値を測定し、「薬物投与前疼痛閾値」とした。
薬物投与前疼痛閾値の測定直後に被験薬物を経口投与し、当該薬物投与の1時間後を測定ポイントとして疼痛閾値を測定し、「薬物投与後疼痛閾値」とした。
なお、疼痛閾値は、ランダルセリット式鎮痛効果測定装置(MK−201D:室町機械(株)製)を用いて測定した。
【0040】
被験薬物は、それぞれ以下の群構成に従い投与した。
1:ロキソプロフェンナトリウム水和物 単独投与群(以下、「LX単独」と表記する。)
ロキソプロフェンナトリウム水和物を0.1mg/kg体重の用量で、0.5%メチルセルロース溶液に溶解又は懸濁させて投与した。
【0041】
2:d−クロルフェニラミンマレイン酸塩 単独投与群(以下、「CM単独」と表記する。)
d−クロルフェニラミンマレイン酸塩を1mg/kg体重の用量で、0.5%メチルセルロース溶液に溶解又は懸濁させて投与した。
3:ロキソプロフェンナトリウム水和物とd−クロルフェニラミンマレイン酸塩の2成分併用投与群(以下、「LX+CM」と表記する。)
ロキソプロフェンナトリウム水和物を0.1mg/kg体重の用量で、d−クロルフェニラミンマレイン酸塩を1mg/kg体重の用量で、0.5%メチルセルロース溶液に溶解又は懸濁させて、同時に投与した。
【0042】
4:クレマスチンフマル酸塩3mg/kg 単独投与群(以下、「CF単独(3mg/kg)」と表記する。)
クレマスチンフマル酸塩を3mg/kg体重の用量で、0.5%メチルセルロース溶液に溶解又は懸濁させて投与した。
5:ロキソプロフェンナトリウム水和物とクレマスチンフマル酸塩3mg/kgの2成分併用投与群(以下、「LX+CF(3mg/kg)」と表記する。)
ロキソプロフェンナトリウム水和物を0.1mg/kg体重の用量で、クレマスチンフマル酸塩を3mg/kg体重の用量で、0.5%メチルセルロース溶液に溶解又は懸濁させて、同時に投与した。
6:クレマスチンフマル酸塩30mg/kg 単独投与群(以下、「CF単独(30mg/kg)」と表記する。)
クレマスチンフマル酸塩を30mg/kg体重の用量で、0.5%メチルセルロース溶液に溶解又は懸濁させて投与した。
7:ロキソプロフェンナトリウム水和物とクレマスチンフマル酸塩30mg/kgの2成分併用投与群(以下、「LX+CF(30mg/kg)」と表記する。)
ロキソプロフェンナトリウム水和物を0.1mg/kg体重の用量で、クレマスチンフマル酸塩を30mg/kg体重の用量で、0.5%メチルセルロース溶液に溶解又は懸濁させて、同時に投与した。
【0043】
上記試験にて得られた疼痛閾値から、以下の式に従い、疼痛改善率を算出した。
【0044】
疼痛改善率(%)=(薬物投与後疼痛閾値−薬物投与前疼痛閾値)/(炎症惹起前疼痛閾値−薬物投与前疼痛閾値)×100
【0045】
さらに、ロキソプロフェンナトリウム水和物と組合わせることによる鎮痛作用の増強を評価するため、2成分併用投与群(「LX+CM」、「LX+CF(3mg/kg)」及び「LX+CF(30mg/kg)」)については、それぞれ対応する抗ヒスタミン剤の単独投与群(「CM単独」、「CF単独(3mg/kg)」及び「CF単独(30mg/kg)」)と比較した疼痛改善率の増加割合を、「鎮痛作用の増強率」として以下の式に従い算出した。
【0046】
鎮痛作用の増強率=2成分併用投与群の疼痛改善率の平均値/抗ヒスタミン剤の単独投与群の疼痛改善率の平均値
【0047】
なお、被験薬物投与群それぞれ各群につき、4匹のラットを使用した。
結果を表1に示す。なお、疼痛改善率は、各群当りの平均値±標準誤差で表示した。
【0048】
【表1】

【0049】
表1に示す試験結果より、ロキソプロフェンナトリウム水和物とd−クロルフェニラミンマレイン酸塩の組合せ(第3群)においては、d−クロルフェニラミンマレイン酸塩の単独投与群(第2群)と比較して疼痛改善率の増加は殆ど認められなかった(約1.4倍程度の増加)。
一方、ロキソプロフェンナトリウム水和物とクレマスチンフマル酸塩の組合わせ(第5群及び第7群)においては、対応するクレマスチンフマル酸塩の単独投与群(それぞれ第4群及び第6群)と比較して約30倍超もの疼痛改善率の増加が認められた(第5群において約32倍、第7群において約34倍の増加)。
このことから、ロキソプロフェンナトリウム水和物とクレマスチンフマル酸塩の組合わせが、ロキソプロフェンナトリウム水和物とd−クロルフェニラミンマレイン酸塩の組合わせからは予想できないほど優れた鎮痛作用の増強を示す組合せであることが明らかとなった。
また、ロキソプロフェンナトリウム水和物とクレマスチンフマル酸塩の組合わせは、優れた鎮痛作用を有することが明らかとなった(第5群の疼痛改善率:約41%、第7群の疼痛改善率:約68%)。
【0050】
以上の試験結果から、ロキソプロフェン又はその塩とクレマスチン又はその塩とを組み合わせることにより、ロキソプロフェン又はその塩とクロルフェニラミン又はその塩との組合わせからは予想できない程の、格別に優れた鎮痛作用が奏されることが明らかとなった。
【0051】
[試験例2]ロキソプロフェン誘発消化管障害抑制試験
8週齢のWistar系雄性ラットを用い、被験薬物投与群、及び溶媒投与群(対照群)それぞれ1群当り4〜8匹として試験を実施した。ラットは、試験開始の16時間以上前より絶食とした。水の摂取は試験開始前1時間までは自由摂取とし、以後絶水とした。
被験薬物として、クレマスチンフマル酸塩(以下、「CF」と表記する。)を0.5%メチルセルロース溶液に溶解又は懸濁し、所定量(1mg/5mL/kg体重)を経口投与した。また、溶媒投与群には0.5%メチルセルロース溶液のみ(以下、「0.5%MC」と表記する。)をそれぞれ同容量(5mL/kg体重)経口投与した。
被験薬物又は溶媒の投与1時間後に、ロキソプロフェンナトリウム水和物120mg/2mL生理食塩水/kg体重を経口投与し、胃粘膜障害を誘発した。ロキソプロフェンナトリウム水和物の投与5時間後、ラットを頚椎脱臼により安楽死させ、噴門部を結紮し胃を摘出した。幽門部から胃内に1%ホルマリン溶液10mLを注入し、幽門部を結紮後、胃全体を同ホルマリン溶液中に約20分間浸漬して軽度に固定した。
【0052】
胃粘膜障害の程度の評価は、胃を大弯に沿って切開した後、実体顕微鏡下にて腺胃部に発生した個々の損傷(びらん)の長さ(mm)を測定することにより行い、ラット1匹当たりの損傷の総和を潰瘍指数とし、被験薬物投与群、及び溶媒投与群それぞれ各群につき、潰瘍指数(平均値±標準誤差)を算出した。また、以下の式に従い、溶媒投与群の潰瘍指数の平均値を100%とした場合における被験薬物による潰瘍抑制率(%)を算出した。
【0053】
潰瘍抑制率(%)=(溶媒投与群における潰瘍指数の平均値−被験薬物投与群における潰瘍指数の平均値)/溶媒投与群における潰瘍指数の平均値×100
【0054】
結果を表2に示す。なお、潰瘍指数は各群当りの平均値±標準誤差で表示した。
【0055】
【表2】

【0056】
表2から明らかなように、ロキソプロフェンナトリウム水和物120mg/kg(ロキソプロフェンナトリウム無水物換算で約106mg/kg)投与した場合に生じる胃粘膜障害につき、クレマスチンフマル酸塩を少なくとも1mg/kg(クレマスチンのフリー体換算で約0.75mg/kg)投与すること(すなわち、組合わせ比率としては、ロキソプロフェン又はその塩をロキソプロフェンナトリウム無水物換算で約141質量部に対し、クレマスチン又はその塩をクレマスチンのフリー体換算で約1質量部)により抑制できることが明らかとなった。
【0057】
以上の試験結果から、クレマスチン又はその塩が、ロキソプロフェン又はその塩に起因する消化管障害に対し抑制作用を有することが明らかとなった。また、クレマスチン又はその塩は、ロキソプロフェンと同様に消化管障害を引き起こす他のNSAIDに対しても、同様の抑制作用を有するものと考えられた。
【0058】
[実施例1]
9錠(1日量)中に以下の成分を含有する錠剤を、第十五改正日本薬局方 製剤総則の「錠剤」の項に準じて、常法により製造した。
ロキソプロフェンナトリウム水和物(大和薬品工業製:商品名 日本薬局方 ロキソプロフェンナトリウム水和物) 204.3mg
クレマスチンフマル酸塩(ダイト製:商品名 クレマスチンフマル酸塩) 1.34mgヒドロキシプロピルセルロース 72.9mg
カルメロースカルシウム 243mg
結晶セルロース 1884.16mg
ステアリン酸マグネシウム 24.3mg
【0059】
かぜに伴う諸症状(のどの痛み、頭痛、関節の痛み及び筋肉の痛み)を訴えている成人男性(30歳)に、同意のうえ実施例1の錠剤を1回3錠 1日3回毎食後の用法で2日間投薬した。投薬後、上記諸症状に関しヒアリングしたところ、いずれの症状についても緩和された旨の回答が得られた。
【0060】
[実施例2]
6錠(1日量)中に以下の成分を含有する錠剤を、第十五改正日本薬局方 製剤総則の「錠剤」の項に準じて、常法により製造した。
ロキソプロフェンナトリウム水和物(大和薬品工業製:商品名 日本薬局方 ロキソプロフェンナトリウム水和物) 204.3mg
クレマスチンフマル酸塩(ダイト製:商品名 クレマスチンフマル酸塩) 1.34mgトラネキサム酸 750mg
dl−メチルエフェドリン塩酸塩 60mg
ブロムヘキシン塩酸塩 12mg
ジヒドロコデインリン酸塩 24mg
チアミン硝化物(ビタミンB1硝酸塩) 25mg
リボフラビン(ビタミンB2) 12mg
トレハロース 600mg
結晶セルロース 467.36mg
マクロゴール6000 60mg
クロスカルメロースナトリウム 80mg
ポリビニルアルコール 1mg
軽質無水ケイ酸 24mg
硬化油 65mg
ステアリン酸マグネシウム 44mg
【産業上の利用可能性】
【0061】
ロキソプロフェン又はその塩と、クレマスチン又はその塩を併用すると、優れた鎮痛作用を奏する。従って、本発明によれば、優れた薬理作用を奏する医薬組成物を提供することができ、医薬品産業において好適に利用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロキソプロフェン又はその塩、及びクレマスチン又はその塩を含有する医薬組成物。
【請求項2】
ロキソプロフェン又はその塩が、ロキソプロフェンナトリウム水和物である請求項1記載の医薬組成物。
【請求項3】
ロキソプロフェン又はその塩を、ロキソプロフェンナトリウム無水物換算で、10〜300mgを1日量として含有する請求項1又は2記載の医薬組成物。
【請求項4】
クレマスチン又はその塩が、クレマスチンフマル酸塩である請求項1〜3のいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項5】
クレマスチン又はその塩を、クレマスチンのフリー体換算で、0.01〜5mgを1日量として含有する請求項1〜4のいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項6】
鎮痛用組成物である、請求項1〜5のいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項7】
のどの痛み、頭痛、関節の痛み及び筋肉の痛みから選ばれる1種以上の症状の緩和に用いられるものである、請求項1〜6のいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項8】
のどの痛み、頭痛、関節の痛み及び筋肉の痛みから選ばれる1種以上の症状が、かぜの諸症状としてのものである、請求項7記載の医薬組成物。
【請求項9】
消化性潰瘍の罹患者及び/又は消化性潰瘍の既往歴のある者に投与するためのものである、請求項1〜8のいずれか1項記載の医薬組成物。

【公開番号】特開2011−225555(P2011−225555A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−77068(P2011−77068)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000163006)興和株式会社 (618)
【Fターム(参考)】