説明

ログファイル収集システム、サーバ、ログファイル収集方法、ログ出力方法およびプログラム

【課題】ログファイルの収集対象のサーバの数が増加していく場合でも、ログファイルを送受信する際に用いられるネットワークへの負荷を低減するとともに、新たなログファイルを記憶することができなくなるのを回避する。
【解決手段】複数のサーバと、ログファイル収集サーバとを有するログファイル収集システムであって、複数のサーバのそれぞれは、アプリケーションのソースコードに記載された文字列のうち、当該アプリケーションから出力されるログにて用いられる所定の文字列を、当該所定の文字列よりも容量が小さな文字列情報に変換する制御部と、アプリケーションから出力されたログを含むログファイルをログファイル収集サーバへ送信する通信部とを有し、ログファイル収集サーバは、複数のサーバのそれぞれから送信されたログファイルを受信する通信部と、通信部にて受信されたログファイルを記憶するログファイル記憶部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ログファイルを収集するログファイル収集サーバを有するログファイル収集システム、サーバ、ログファイル収集方法、ログ出力方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のサーバからログファイルを収集する方法としては、UNIX(登録商標)における標準的なログ出力方式(プロトコル)がある(例えば、非特許文献1参照)。なお、ログファイルを収集する目的は、問題発生時にその問題の原因を特定したり、パフォーマンスの管理を行ったりするためである。
【0003】
非特許文献1に開示されているログ出力方式では、OS(Operating System)や、ログファイルの収集対象のサーバが実行するアプリケーションから出力されたログを含むログファイルを、ログファイルを収集するログ収集サーバへネットワークを介して送信する。なお、ログは、テキスト形式で記載されている。ログファイルを受信したログファイル収集サーバは、受信したログファイルを標準のファイルシステムで記憶する。
【0004】
ログファイル収集サーバは、記憶しているログファイルの容量が増大した場合、古いログファイルをアーカイブ化する。そして、ログファイル収集サーバは、アーカイブ化したログファイルが一定量を超えた場合、それを削除する。
【0005】
また、大規模環境におけるログファイルの収集を目的とした技術が例えば、非特許文献2に開示されている。
【0006】
非特許文献2に開示されている技術では、分散ファイルシステムによってテキスト形式で記載されたログを含むログファイルを記憶する。そのため、ログファイルの収集対象のサーバの数が増加した場合でも一箇所のサーバでログファイルを収集することが可能である。また、記憶しているログファイルの容量が増大した場合でも、分散ファイルシステムに新たなサーバを追加することで記憶可能なログファイルの容量を増加させることができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】C.Lonvick. RFC3164: The BSD syslog Protocol, August 2001. http://www.ietf.org/rfc/rfc3164.txt
【非特許文献2】Ariel Rabkin, Randy Katz. "Chukwa: A system for reliable large-scale log collection", 24th Large Installation System Administration Conference(LISA'10), San Jose, CA, USA, Nov 7-12, 2010.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した非特許文献1および非特許文献2に開示されている技術では、ログファイルの収集対象のサーバの数が増加していく場合、ログファイルの収集対象のサーバと、ログファイル収集サーバとの間のネットワークへの負荷が大きくなっていくという問題点がある。
【0009】
また、上述した非特許文献1および非特許文献2に開示されている技術では、ログファイルの収集対象のサーバの数が増加していく場合、アーカイブ化やサーバの追加等を高頻度で行わなければ、新たなログファイルを記憶することができなくなってしまうという問題点がある。
【0010】
本発明は、ログファイルの収集対象のサーバの数が増加していく場合でも、ログファイルを送受信する際に用いられるネットワークへの負荷を低減するとともに、新たなログファイルを記憶することができなくなるのを回避することを可能にするログファイル収集システム、サーバ、ログファイル収集方法、ログ出力方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために本発明のログファイル収集システムは、ログを出力する機能を備えたアプリケーションを実行する複数のサーバと、ログを含むログファイルを収集するログファイル収集サーバとを有するログファイル収集システムであって、
前記複数のサーバのそれぞれは、
前記アプリケーションのソースコードに記載された文字列のうち、当該アプリケーションから出力されるログにて用いられる所定の文字列を、当該所定の文字列に対応付けられた情報であり、当該所定の文字列よりも容量が小さな文字列情報に変換する第1の制御部と、
前記アプリケーションから出力されたログを含むログファイルを前記ログファイル収集サーバへ送信する第1の通信部と、を有し、
前記ログファイル収集サーバは、
前記複数のサーバのそれぞれから送信されたログファイルを受信する第2の通信部と、
前記第2の通信部にて受信されたログファイルを記憶するログファイル記憶部と、を有する。
【0012】
また、上記目的を達成するために本発明のサーバは、ログファイルを出力する機能を備えたアプリケーションを実行するサーバであって、
前記アプリケーションのソースコードに記載された文字列のうち、当該アプリケーションから出力されるログにて用いられる所定の文字列を、当該所定の文字列に対応付けられた情報であり、当該所定の文字列よりも容量が小さな文字列情報に変換する制御部と、
前記アプリケーションから出力されたログを含むログファイルを、ログファイルを収集するログファイル収集サーバへ送信する通信部と、を有する。
【0013】
また、上記目的を達成するために本発明のログファイル収集方法は、ログを出力する機能を備えたアプリケーションを実行する複数のサーバと、ログを含むログファイルを収集するログファイル収集サーバとを有するログファイル収集システムにおけるログファイル収集方法であって、
前記複数のサーバのそれぞれが、前記アプリケーションのソースコードに記載された文字列のうち、当該アプリケーションから出力されるログにて用いられる所定の文字列を、当該所定の文字列に対応付けられた情報であり、当該所定の文字列よりも容量が小さな文字列情報に変換する処理と、
前記複数のサーバのそれぞれが、前記アプリケーションから出力されたログを含むログファイルを前記ログファイル収集サーバへ送信する処理と、
前記ログファイル収集サーバが、前記複数のサーバのそれぞれから送信されたログファイルを受信する処理と、
前記ログファイル収集サーバが、前記受信したログファイルを記憶する処理と、を有する。
【0014】
また、上記目的を達成するために本発明のログ出力方法は、ログファイルを出力する機能を備えたアプリケーションを実行するサーバにおけるログ出力方法であって、
前記アプリケーションのソースコードに記載された文字列のうち、当該アプリケーションから出力されるログにて用いられる所定の文字列を、当該所定の文字列に対応付けられた情報であり、当該所定の文字列よりも容量が小さな文字列情報に変換する処理と、
前記アプリケーションから出力されたログを含むログファイルを、ログファイルを収集するログファイル収集サーバへ送信する処理と、を有する。
【0015】
また、上記目的を達成するために本発明のプログラムは、ログファイルを出力する機能を備えたアプリケーションを実行するサーバに、
前記アプリケーションのソースコードに記載された文字列のうち、当該アプリケーションから出力されるログにて用いられる所定の文字列を、当該所定の文字列に対応付けられた情報であり、当該所定の文字列よりも容量が小さな文字列情報に変換する機能と、
前記アプリケーションから出力されたログを含むログファイルを、ログファイルを収集するログファイル収集サーバへ送信する機能と、を実現させる。
【発明の効果】
【0016】
本発明は以上説明したように構成されているので、ログファイルの収集対象のサーバの数が増加していく場合でも、ログファイルを送受信する際に用いられるネットワークへの負荷を低減するとともに、新たなログファイルを記憶することができなくなるのを回避することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明のログファイル収集システムの実施の一形態の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した変換表記憶部が備える変換表の一例を示す図である。
【図3】図1に示した制御部がアプリケーションのソースコードに記載された文字列を文字列IDに変換する動作を説明するための図であり、(a)は変換前の状態の一例を示す図、(b)は変換後の状態の一例を示す図である。
【図4】図1〜図3に示したログファイル収集システムにおいてログファイル収集サーバに記憶されたログファイルがユーザ等によって検索されるときの動作の一例を説明するためのフローチャートである。
【図5】図1に示した変換表記憶部が備える変換表の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0019】
図1は、本発明のログファイル収集システムの実施の一形態の構成を示すブロック図である。
【0020】
本実施形態のログファイル収集システムは図1に示すように、ログを出力する機能を備えた複数のアプリケーションのそれぞれを実行するサーバ10−1〜10−nと、ログファイル収集サーバ20とを備えている。
【0021】
サーバ10−1〜10−nのそれぞれは、変換表記憶部11と、第1の制御部である制御部12と、第1の通信部である通信部13とを備えている。
【0022】
変換表記憶部11は、変換表を備えている。変換表は、複数のアプリケーションのそれぞれから出力されるログにて用いられる複数の所定の文字列のそれぞれと、その複数の所定の文字列のそれぞれを識別し、その文字列よりも容量が小さな文字列情報である文字列ID(IDentification)とを対応付けて記憶している。なお、変換表記憶部11は、複数のアプリケーション毎に変換表を備えている。
【0023】
図2は、図1に示した変換表記憶部11が備える変換表の一例を示す図である。
【0024】
図2に示すように変換表では例えば、ログにて用いられる所定の文字列(Recovering storage directory)と、文字列ID(2)とが対応付けられている。
【0025】
なお、本実施形態では、文字列IDを数字とするが、対応する文字列よりも容量が小さければ、文字列IDは数字に限定されない。
【0026】
再度、図1を参照すると、制御部12は、複数のアプリケーションを記憶している。制御部12は、複数のアプリケーションのそれぞれのソースコードに記載された文字列のうち、変換表記憶部11が備えるそのアプリケーションの変換表に記憶されている文字列と同じ文字列を、その文字列に対応する文字列IDに変換する。そして、制御部12は、変換後のソースコードをコンパイルして実行する。なお、このように文字列を文字列IDに変換しても、アプリケーションの実行に支障はない。そして、制御部12は、複数のアプリケーションのそれぞれから出力されたログを含むログファイルを、複数のアプリケーション毎に生成する。そして、制御部12は、生成したログファイルを通信部13へ出力する。なお、ログファイルは例えば、アプリケーションから出力されたログが所定の容量に達したときや、予め決められた時間に生成される。また、ログファイルには、そのログファイルに含まれるログを出力したアプリケーションを識別することが可能なログファイル名が付与される。
【0027】
図3は、図1に示した制御部12がアプリケーションのソースコードに記載された文字列を文字列IDに変換する動作を説明するための図であり、(a)は変換前の状態の一例を示す図、(b)は変換後の状態の一例を示す図である。なお、ここでは、変換表記憶部11が備える変換表が図2に示したものである場合について説明する。
【0028】
図3(a)に示す文字列のうち、is not a directoryと、Recovering storage directoryと、from previous upgradeと、Reducing replication for fileと、.New replication isとのそれぞれは、図2に示した変換表に記憶されている文字列である。
【0029】
従って、これらの文字列のそれぞれは図3(b)に示すように、変換表において対応する文字列IDに変換される。
【0030】
なお、本実施形態において変換表にて記憶される所定の文字列は例えば、複数のアプリケーションのそれぞれのソースコードに記載された文字列のうち、そのままログに引用される慣用的な文字列である。図3(a)および図3(b)に示すrootPathと、Pathと、srcと、replicationとは、ログとして出力される際にアプリケーションの実行状態に応じて変化する文字列であるため、変換表による変換対象となっていない。
【0031】
再度、図1を参照すると、通信部13は、制御部12から出力されたログファイルを受け付ける。そして、通信部13は、受け付けたログファイルをログファイル収集サーバ20へ送信する。
【0032】
ログファイル収集サーバ20は、変換表記憶部21と、第2の通信部である通信部22と、第2の制御部である制御部23と、ログファイル記憶部24と、入力部25と、出力部26とを備えている。
【0033】
変換表記憶部21は、変換表を備えている。変換表記憶部21が備える変換表は、変換表記憶部11が備える変換表と同一の構成および内容である。また、変換表記憶部21は、変換表記憶部11と同様に、複数のアプリケーション毎に変換表を備えている。
【0034】
通信部22は、サーバ10−1〜10−nのそれぞれから送信されたログファイルを受信する。そして、通信部22は、受信したログファイルを制御部23へ出力する。
【0035】
制御部23は、通信部22から出力されたログファイルを受け付ける。そして、制御部23は、受け付けたログファイルのログファイル名を確認する。そして、制御部23は、受け付けたログファイルのログファイル名に基づき、受け付けたログファイルを複数のアプリケーション毎にログファイル記憶部24に記憶させる。また、制御部23は、入力部25から出力された検索用情報を受け付ける。検索用情報とは、ログファイル記憶部24に記憶されたログファイルに含まれるログを検索する際のキーワードと、検索対象のアプリケーション名とを含む情報である。なお、キーワードは、1つまたは複数の単語から構成される。そして、制御部23は、受け付けた検索用情報に含まれるキーワードおよびアプリケーション名に応じたログを、ログファイル記憶部24に記憶されたログファイルから抽出する。そして、制御部23は、抽出したログに含まれる文字列IDを、変換表記憶部21が備える変換表において対応する文字列に変換したログを生成する。そして、制御部23は、生成したログを出力部26に出力させる。なお、制御部23が、ログを生成する動作の詳細については、後述する動作フローにて説明する。
【0036】
入力部25は、上述したキーワードおよびアプリケーション名の入力を外部から受け付ける。具体的には、入力部25は、キーボードやマウス等の入力装置を備え、ユーザ等がその入力装置を操作することで入力したキーワードおよびアプリケーション名を受け付ける。そして、入力部25は、受け付けたキーワードおよびアプリケーション名を含む検索用情報を制御部23へ出力する。なお、入力部25は、通信機能を備え、キーワードおよびアプリケーション名を外部から受信するものであってもよい。
【0037】
出力部26は、制御部23にて生成されたログを外部に出力する。具体的には、出力部26は、画面を備え、制御部23にて生成されたログをその画面上に表示する。なお、出力部26は、制御部23にて生成されたログを外部に出力する機能を有していればよく、例えば印刷機能を備え、制御部23にて生成されたログを印刷するものであってもよい。また、出力部26は、例えば通信機能を備え、制御部23にて生成されたログを、予め決められた外部の装置へ送信するものであってもよい。
【0038】
以下に、上記のように構成されたログファイル収集システムの動作について説明する。
ここでは、ログファイル収集サーバ20に記憶されたログファイルがユーザ等によって検索されるときのログファイル収集サーバ20の動作について説明する。
【0039】
図4は、図1〜図3に示したログファイル収集システムにおいてログファイル収集サーバ20に記憶されたログファイルがユーザ等によって検索されるときの動作の一例を説明するためのフローチャートである。また、図5は、図1に示した変換表記憶部11,21が備える変換表の他の例を示す図である。
【0040】
ここでは、変換表が図5に示したものである場合について説明する。なお、図5に示した変換表は、複数のアプリケーションのうちアプリケーションAの変換表であるものとする。
【0041】
入力部25は、キーワードおよびアプリケーション名の入力を受け付ける(ステップS1)。ここでは、入力部25は、アプリケーションAを示すアプリケーション名を受け付けたものとする。
【0042】
キーワードおよびアプリケーション名の入力を受け付けた入力部25は、受け付けたキーワードおよびアプリケーション名を含む検索用情報を制御部23へ出力する。
【0043】
入力部25から出力された検索用情報を受け付けた制御部23は、受け付けた検索用情報に含まれるキーワードが、変換表記憶部21が備えるアプリケーションAの変換表に記憶された文字列と完全に一致するかどうかを確認する(ステップS2)。ここで、完全に一致する場合とは、キーワードが例えば「ABCD」という4つの単語から構成されるとすると、「A」,「B」,「C」,「D」のそれぞれや、「AB」と「C」と「D」とのそれぞれや、「ABCD」等の文字列が、変換表に記憶されている場合である。すなわち、キーワードが、変換表に記憶された文字列を含み、かつ、変換表に記憶された文字列だけで構成される場合である。
【0044】
ステップS2における確認の結果、受け付けた検索用情報に含まれるキーワードが、変換表記憶部21が備えるアプリケーションAの変換表に記憶された文字列と完全に一致する場合、制御部23は、その一致する文字列に対応する文字列IDを変換表から取得する(ステップS3)。具体的には、受け付けた検索用情報に含まれるキーワードが例えば“error”であるとすると、制御部23は、図5に示した変換表において“Error”または“error”に対応する文字列ID(100,200)を取得することになる。
【0045】
次に、制御部23は、ログファイル記憶部24に記憶されたアプリケーションAのログファイルの中から、取得した文字列IDを含むログを抽出する(ステップS4)。
【0046】
次に、制御部23は、抽出したログに含まれる文字列IDを、変換表記憶部21が備えるアプリケーションAの変換表において対応する文字列に変換したログを生成する(ステップS5)。
【0047】
そして、制御部23は、生成したログを出力部26に出力させる(ステップS6)。
【0048】
一方、ステップS2における確認の結果、受け付けた検索用情報に含まれるキーワードが、変換表記憶部21が備えるアプリケーションAの変換表に記憶された文字列と完全に一致しない場合、制御部23は、受け付けた検索用情報に含まれるキーワードが、変換表記憶部21が備えるアプリケーションAの変換表に記憶された文字列と部分的に一致するかどうかを確認する(ステップS7)。ここで、部分的に一致する場合とは、キーワードが例えば「ABCD」という4つの単語から構成されるとすると、少なくとも、「A」,「B」,「C」,「D」のいずれかや「AB」等の文字列が、変換表に記憶されている場合である。すなわち、キーワードが、変換表に記憶された文字列と、変換表に記憶された文字列以外の文字列との両方を含む場合である。
【0049】
ステップS7における確認の結果、受け付けた検索用情報に含まれるキーワードが、変換表記憶部21が備えるアプリケーションAの変換表に記憶された文字列と部分的に一致する場合、制御部23は、その一致する文字列に対応する文字列IDを変換表から取得する(ステップS8)。具体的には、受け付けた検索用情報に含まれるキーワードが例えば“FileA is not a directory”である場合、制御部23は、図5に示した変換表において”is not a directory“に対応する文字列ID(1)を取得することになる。
【0050】
次に、制御部23は、ログファイル記憶部24に記憶されたアプリケーションAのログファイルの中から、取得した文字列IDを含むログを第1のログとして抽出する(ステップS9)。
【0051】
次に、制御部23は、受け付けた検索用情報に含まれるキーワードを構成する単語のうち、変換表記憶部21が備えるアプリケーションAの変換表に記憶された文字列と一致しない単語を含むログを、ログファイル記憶部24に記憶されたアプリケーションAのログファイルの中から第2のログとして取得する(ステップS10)。具体的には、受け付けた検索用情報に含まれるキーワードが例えば“FileA is not a directory”である場合、変換表記憶部21が備えるアプリケーションAの変換表に記憶された文字列と一致しない単語は、“FileA”である。そのため、制御部23は、ログファイル記憶部24に記憶されたアプリケーションAのログファイルの中から“File A”を含むログを第2のログとして取得する。
【0052】
次に、制御部23は、取得した第1のログと第2のログとの中から、両方に共通するログを抽出する(ステップS11)。そして、ステップS5の動作へ遷移する。
【0053】
一方、ステップS7における確認の結果、受け付けた検索用情報に含まれるキーワードが、変換表記憶部21が備えるアプリケーションAの変換表に記憶された文字列と部分的に一致しない場合、制御部23は、ログファイル記憶部24に記憶されたアプリケーションAのログファイルの中から、受け付けた検索用情報に含まれるキーワードを含むログを抽出する(ステップS12)。なお、受け付けた検索用情報に含まれるキーワードが、変換表記憶部21が備えるアプリケーションAの変換表に記憶された文字列と部分的に一致しない場合とは例えば、そのキーワードが年月日および時分を示す“2011-03-22 08:10”等の場合である。
【0054】
次に、制御部23は、変換表記憶部21が備えるアプリケーションAの変換表に記憶された文字列IDが、抽出したログに含まれているかどうかを確認する(ステップS13)。
【0055】
ステップS13における確認の結果、変換表記憶部21が備えるアプリケーションAの変換表に記憶された文字列IDが、抽出したログに含まれている場合、ステップS5の動作へ遷移する。
【0056】
一方、ステップS13における確認の結果、変換表記憶部21が備えるアプリケーションAの変換表に記憶された文字列IDが、抽出したログに含まれていない場合、抽出したログを出力部26に出力させる(ステップS14)。
【0057】
このように本実施形態においてサーバ10−1〜10−nのそれぞれは、アプリケーションのソースコードに記載された文字列のうち、当該アプリケーションから出力されるログにて用いられる所定の文字列を、当該所定の文字列に対応付けられた情報であり、当該所定の文字列よりも容量が小さな文字列IDに変換する制御部12を有する。
【0058】
また、サーバ10−1〜10−nのそれぞれは、アプリケーションから出力されたログを含むログファイルをログファイル収集サーバ20へ送信する通信部13を有する。
【0059】
そして、ログファイル収集サーバ20は、サーバ10−1〜10−nのそれぞれから送信されたログファイルを受信する通信部22を有する。
【0060】
また、ログファイル収集サーバ20は、通信部22にて受信されたログファイルを記憶するログファイル記憶部24を有する。
【0061】
これにより、ログファイルの収集対象のサーバの数が増加していく場合でも、ログファイルを送受信する際に用いられるネットワークへの負荷を低減するとともに、新たなログファイルを記憶することができなくなるのを回避することが可能となる。
【0062】
なお、本実施形態においては、変換表記憶部11,21が、複数のアプリケーション毎に変換表を備える場合について説明した。但し、1つのアプリケーションにおいてログファイルを出力するプロセスが複数存在する場合には、変換表記憶部11,21は、その複数のプロセス毎に変換表を備えるようにしてもよい。
【0063】
また、本実施形態においては、アプリケーションから出力されるログに用いられる文字列を変換表にて記憶する対象とした場合について説明したが、例えばミドルウェアから出力されるログに用いられる文字列を変換表にて記憶する対象とすることも可能である。なお、ソースコード中の文字列を文字列IDに変換してコンパイルすることが可能であれば、OSから出力されるログに用いられる文字列を変換表にて記憶する対象とすることも可能である。
【0064】
また、本発明においては、サーバ内の処理は上述の専用のハードウェアにより実現されるもの以外に、その機能を実現するためのプログラムをサーバにて読取可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムをサーバに読み込ませ、実行するものであっても良い。サーバにて読取可能な記録媒体とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、DVD、CDなどの移設可能な記録媒体の他、サーバに内蔵されたHDDなどを指す。
【符号の説明】
【0065】
10−1〜10−n サーバ
11,21 変換表記憶部
12,23 制御部
13,22 通信部
20 ログファイル収集サーバ
24 ログファイル記憶部
25 入力部
26 出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ログを出力する機能を備えたアプリケーションを実行する複数のサーバと、ログを含むログファイルを収集するログファイル収集サーバとを有するログファイル収集システムであって、
前記複数のサーバのそれぞれは、
前記アプリケーションのソースコードに記載された文字列のうち、当該アプリケーションから出力されるログにて用いられる所定の文字列を、当該所定の文字列に対応付けられた情報であり、当該所定の文字列よりも容量が小さな文字列情報に変換する第1の制御部と、
前記アプリケーションから出力されたログを含むログファイルを前記ログファイル収集サーバへ送信する第1の通信部と、を有し、
前記ログファイル収集サーバは、
前記複数のサーバのそれぞれから送信されたログファイルを受信する第2の通信部と、
前記第2の通信部にて受信されたログファイルを記憶するログファイル記憶部と、を有するログファイル収集システム。
【請求項2】
請求項1に記載のログファイル収集システムにおいて、
前記ログファイル収集サーバは、
前記ログファイル記憶部に記憶されたログファイルに含まれるログを検索するためのキーワードを受け付ける入力部と、
前記入力部にて受け付けられたキーワードが前記所定の文字列を含むかどうかを確認する第2の制御部と、をさらに有し、
前記第2の制御部は、前記入力部にて受け付けられたキーワードが前記所定の文字列を含む場合、前記ログファイル記憶部に記憶されたログファイルの中から、当該所定の文字列に対応する文字列情報を含むログを抽出し、該抽出したログに含まれる文字列情報を、当該文字列情報に対応する所定の文字列に変換し、前記入力部にて受け付けられたキーワードが前記所定の文字列を含まない場合、前記ログファイル記憶部に記憶されたログファイルの中から、当該キーワードを含むログを抽出し、該抽出したログに前記文字列情報が含まれる場合、当該文字列情報を、当該文字列情報に対応する所定の文字列に変換するログファイル収集システム。
【請求項3】
ログファイルを出力する機能を備えたアプリケーションを実行するサーバであって、
前記アプリケーションのソースコードに記載された文字列のうち、当該アプリケーションから出力されるログにて用いられる所定の文字列を、当該所定の文字列に対応付けられた情報であり、当該所定の文字列よりも容量が小さな文字列情報に変換する制御部と、
前記アプリケーションから出力されたログを含むログファイルを、ログファイルを収集するログファイル収集サーバへ送信する通信部と、を有するサーバ。
【請求項4】
ログを出力する機能を備えたアプリケーションを実行する複数のサーバと、ログを含むログファイルを収集するログファイル収集サーバとを有するログファイル収集システムにおけるログファイル収集方法であって、
前記複数のサーバのそれぞれが、前記アプリケーションのソースコードに記載された文字列のうち、当該アプリケーションから出力されるログにて用いられる所定の文字列を、当該所定の文字列に対応付けられた情報であり、当該所定の文字列よりも容量が小さな文字列情報に変換する処理と、
前記複数のサーバのそれぞれが、前記アプリケーションから出力されたログを含むログファイルを前記ログファイル収集サーバへ送信する処理と、
前記ログファイル収集サーバが、前記複数のサーバのそれぞれから送信されたログファイルを受信する処理と、
前記ログファイル収集サーバが、前記受信したログファイルを記憶する処理と、を有するログファイル収集方法。
【請求項5】
請求項4に記載のログファイル収集方法において、
前記ログファイル収集サーバが、前記記憶したログファイルに含まれるログを検索するためのキーワードを受け付ける処理と、
前記ログファイル収集サーバが、前記受け付けたキーワードが前記所定の文字列を含む場合、前記記憶したログファイルの中から、当該所定の文字列に対応する文字列情報を含むログを抽出し、該抽出したログに含まれる文字列情報を、当該文字列情報に対応する所定の文字列に変換する処理と、
前記ログファイル収集サーバが、前記受け付けたキーワードが前記所定の文字列を含まない場合、前記記憶したログファイルの中から、当該キーワードを含むログを抽出し、該抽出したログに前記文字列情報が含まれる場合、当該文字列情報を、当該文字列情報に対応する所定の文字列に変換する処理と、をさらに有するログファイル収集方法。
【請求項6】
ログファイルを出力する機能を備えたアプリケーションを実行するサーバにおけるログ出力方法であって、
前記アプリケーションのソースコードに記載された文字列のうち、当該アプリケーションから出力されるログにて用いられる所定の文字列を、当該所定の文字列に対応付けられた情報であり、当該所定の文字列よりも容量が小さな文字列情報に変換する処理と、
前記アプリケーションから出力されたログを含むログファイルを、ログファイルを収集するログファイル収集サーバへ送信する処理と、を有するログ出力方法。
【請求項7】
ログファイルを出力する機能を備えたアプリケーションを実行するサーバに、
前記アプリケーションのソースコードに記載された文字列のうち、当該アプリケーションから出力されるログにて用いられる所定の文字列を、当該所定の文字列に対応付けられた情報であり、当該所定の文字列よりも容量が小さな文字列情報に変換する機能と、
前記アプリケーションから出力されたログを含むログファイルを、ログファイルを収集するログファイル収集サーバへ送信する機能と、を実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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