説明

ロゴサイン等任意図形表示用銅基盤LEDユニットの発明

【課題】本発明の課題は、ロゴサイン、チャネル文字などのLED電飾板設置に当たり、任意の発光素子配置を要求する顧客に、適切な価格での設計施工を実現し、電飾広告のLED化を促進することである。
【解決手段】要求される任意の形状に対応して、光源素子の任意の配置が可能な銅基盤を提供する。チャネル文字などの表示すべき形状が与えられた時、標準的CAD技術によって裁断データを自動生成し、均質な光源素子の配置設計、光源素子をつなぐ回路図の設計、回路図切削データ生成機能を一括で提供する。これによって、LED光源製作費用、現場での施工コストを共に削減する。
併せて、銅を基盤とすることで、光源素子から発生する熱処理の効率化も実現する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、任意の発光形状を表現するために、複数の発光素子を、任意の位置に配置する光源基盤装置、及び発光素子をつなぐ回路設計及び切削に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ロゴサイン、広告看板、チャネル文字看板などの光源として、蛍光管やネオン管が用いられてきた。しかし、長寿命、省エネルギーなど、光源として総合的な利点から、発光ダイオード(LED)が利用されるようになっている。
【0003】
複数のLED光源から構成され、ロゴサイン、文字チャネルなどの電飾広告として利用される、LEDモジュールにおいて、LED光源の配置方式は様々である。例えば、複数のLED光源をあらかじめ基板上に均等に面的に配置し、それを切り取ることで得られるLEDモジュール。
LED光源を直線的に配置したライン光源、LEDを一ヶ所に集中させたスポット光源、個々のLEDモジュールをケーブルでつないで自由曲面、曲線に対応可能とした自在ユニット光源などである。
【0004】
LED光源を、直線的に配置したライン光源は、折り曲げることができないため、細い曲線の発光表現は不可能である。
直線の組み合わせ、直線近似が可能な形状、文字に適用領域が限定される。
【0005】
また、自在ユニット光源の場合、低価格化を志向して100ボルト電源への直接続方式となっている。この場合、熱処理と、熱に起因した電源回路側への雑音電波の発生があり、やはり適用領域に制約がある。
【0006】
LED配置方式の多様化は、従来のネオン管などの光源と同等の、自由局面からの均質な発光光源の要求が強いことに起因している。従来のネオン管方式の場合、ネオン管自身の加工が容易であり、ロゴサインや、文字チャネルに合わせてネオン管を加工することで、自由な直線、曲線光源を提供することができた。
このため、発光にむらがなく、均質な図形、チャネル文字の発光表現が可能であった。
【0007】
LEDの場合、点光源の集合体として光源ユニットを構成する必要があり、従来の蛍光管自身の加工ではなく、光源の最適配置方式、配置ユニットの形状、配置対象ロゴパターンへの適切な発光素子の配置、発光素子を結ぶ回路設計とその実装が課題となる。
【0008】
既存の発明は光源ユニットの構成、基盤装置の関するものが中心であり、任意の形状の図形、ロゴサイン、チャネル文字のLEDによる表現に当たっては、要求される図形ごとに、基盤ボードの素材設定から光源素子の設定、配置方式、回路配線の方式を選定する必要がある。このため、光源基盤の品質にばらつきが大きくなっている。また設計方式が異なるため、LED配置設計工数の増加、施工時の配線ミスの発生により、設置コストが高くなっている。このため、結果としてLEDの普及が阻害されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2008−227011号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の課題は、発光形状として任意のロゴサイン、チャネル文字、図形が与えられたとき、光源としての均質化の要求に応えつつ、適切な価格で高品質な光源基盤装置を提供することで、電飾広告のLED化を促進することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以上のような課題を解決するために、本発明は、以下のものを提供する。
【0012】
(1)任意の図形、ロゴサイン表示用に複数の発光素子を、銅基盤上に最少3ミリメートル間隔で任意に配置できる光源基盤装置。
【0013】
本発明によれば、発光形状として、表示したい任意の図形・文字の提示を受けたとき、現在の光源素子の幅である3ミリメートル以上の領域については、銅基盤上に任意に光源素子を配置設計することが可能となる。配置設計後に光源素子を実装するため、配置設計者の自由度が高くなり、均質な光源提供が求められる、光源基盤装置の品質を安定させることができる。
【0014】
(2)要求される任意の発光形状に対応して、銅基板の切断情報、取付用ボルト穴の配置、発光素子の配置、回路図切削情報の生成が一括して行えるLED光源基盤装置。
【0015】
提供される、任意の発光表示図形、ロゴ、チャネル文字を標準的なCAD技術によって、銅基盤上に展開し、銅基盤自動切断データの生成、壁などへの取付ドリル穴、電源ケーブルの通し穴、光源素子の配置設計、光源素子をつなぐ回路設計、回路図切削データ生成を一括で行うことが可能となる。
これによってそれぞれの配置の矛盾、施工時のドリル穴の切削ミスによる障害を完全に回避できる。
【0016】
(3)標準的な発光素子を、銅基盤上に配置することで、放熱効果が向上するLED光源装置。
【0017】
LED光源は、消費電力は少ないが、発熱量は多い。特に電飾板には注目を集めるため、複数光源を、集積して配置する。このため、発熱に対する対策は重要である。
放熱機能が高い銅基盤に、光源ユニットを配置した本発明によって、放熱を効率化できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る、光源基盤装置によれば、原理的にLED発光素子の幅以上の任意の形状に対して、標準的なCAD技術を適用することで、光源基盤設計と基板のカットデータなどの生成が一元的に実施できる。
基盤材質を銅に統一することで、設計、製造コストの低減が期待できる。
また、回路図切削データに生成を、設計工程で行うことにより、施工時の配線ミスの防止と施工コストは削減できる。
また、銅の材質特性としての放熱機能によりに、光源ユニットが発生する熱の自然法熱ができる。
これによって、電飾広告LED化の障害となっていた、設置コストを大きく下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】顧客から提示される表示希望図面である。
【図2】実現形状図でありCADによる設計図面である
【図3】光源配置と回路設計図である
【図4】ロゴ配置の試作事例である。
【図5】光源として突起状の樹脂タイプSMB試作である
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の最適な実施の形態について、図1〜図5を参照して詳細に説明する。
【0021】
図1は、顧客から提示を受ける、発光させたいロゴ、チャネル文字原案図面である。
この形状をLED光源で表示することが求められるが、現在利用できるLED発光素子が、配置に必要とする幅3ミリメートルなどの制約はまったく考慮されていない。原図である。
【0022】
図2は提供を受けた図1を、標準的なCADシステムによってデジタル化するとともに、発光素子の制約を反映しつつ、できるだけ原図に忠実に、発光表示可能な図形を作成したものである。これが実現する、図形デザイン、ロゴ、チャネル文字となる。
【0023】
この図面に対して、設計者が独自のデザインノウハウを生かしてLED発光素子の均質な配置を行う。併せて、電飾版を壁などに取り付けるために必要な、ボルト穴の口径を決定、電源装置から電飾版への電源コードの通過穴を適切に配置する。
一括して配置設計することで、相互の矛盾、施工、取付時点での負荷軽減と、作業ミスの発生は回避される。
【0024】
図3は回路図である。配置されたLED発光素子をつなぐ回路を、適切に配線する。この工程も設計者の経験とノウハウを必要とし、設計者によって配線効率は変化する。
【0025】
以上の工程で作成された図面から標準的なCAD技術によって、銅基盤の形状に合わせた切断データ、光源素子をつなぐ回路図切削、取付ドリル穴、電源ケーブル穴の穿孔データを自動生成し、そのデータによって、銅基盤の自動加工を行う。
【0026】
加工された銅基盤上に付されたマークの上に、LED発光素子を配置する。発光素子は突起素子が効果的な場合は、樹脂タイプSMDを配置する。
手作業となるが、配置場所はマークされているため、機械的な作業となり、特別なノウハウは不要である。
【0027】
電飾板に立体感を持たせるため、一定の幅がある外枠にLED発光素子が配置され、電源ケーブルが通された銅基板光源装置を設置し、取付穴を利用してボルトなどで壁に固定することで、電飾版の設置が終了する。
【実施例1】
【0028】
図4は通常タイプの試作例、図5は突起タイプの試作例である。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明に係るLED光源基盤装置は任意形状、ロゴの表示が求められる広告看板、電飾広告用途におけるLED化に有用である。
【符号の説明】
【0030】
1. 1.顧客提示形状図
2.実現電飾板設計図
2.1 取付用ボルト穴
3.LED光源銅基盤
3.1 LED発光素子配置ポイント
3.2 回路図および切削図
3.3 取付用ボルト穴(2.1に同じ)
3.4 電源ケーブル用穴
4.ロゴ配置試作
4.1 LED発光素子
5.突起タイプ試作配置
5.1 突起状樹脂タイプLED光源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
任意の図形、ロゴサイン、チャネル文字表示用に複数の発光素子が、銅基盤上に最少3ミリメートル間隔で配置できるLED光源基盤装置。
【請求項2】
要求される任意の発光形状に対応して、銅基板の切断情報、取付用ボルト穴の配置、発光素子の配置、回路図切削情報の生成が一括して行えるLED光源基盤装置。
【請求項3】
標準的な発光素子を、銅基盤上に配置することで、放熱効果が向上するLED光源基盤装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2013−41085(P2013−41085A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−177503(P2011−177503)
【出願日】平成23年8月15日(2011.8.15)
【出願人】(711006946)
【Fターム(参考)】