説明

ロータリースイッチの選択メニュー別ハプティックフィーリング差別化方法

【課題】表示窓を注視しなくても各種メニューの位置を容易に認知できるようにしたロータリースイッチの選択メニュー別ハプティックフィーリング差別化方法を提供する。
【解決手段】電子製品の各種機能の具現のために、ハプティックロータリースイッチを操作しながら各種メニューを選択する時、メインメニューの項目の選択時、メインメニューから下位メニューにまたは下位メニューからメインメニューに移動する時、また、各下位メニューの項目の選択時に、振動及び回動抵抗によるハプティックフィーリングが異なって表出するようにしたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロータリースイッチの選択メニュー別ハプティックフィーリング差別化方法に係り、より詳細には、電子製品の各種機能をセッティングまたは選択するためにロータリースイッチをスクロールする時のハプティックフィーリングを、各メニュー別に差別化できるようにしたロータリースイッチの選択メニュー別ハプティックフィーリング差別化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ハプティクス(Haptics)は、触覚(Haptic)を用いてユーザに各種情報を提供するための技術分野の一つであって、主に人間が触感を受け入れ、物体を認識するか、または感情を発生させる過程を研究し、これを情報提供用の機器などに結び付けている。
【0003】
このように、ハプティクスを用いた技術は、携帯電話、自動車、感性が要求されるロボットなどのような多様な分野に適用されており、人工的な触感を作りだすための段階によって触感認知、触感モデリング及びレンダリング、触感生成機器製作の過程などを経て製品化されており、その一例として携帯電話のタッチ操作スイッチと、車両のクラスターメニューを制御するためにステアリングホイールに装着されるロータリースイッチなどが挙げられる。
【0004】
一方、自動車のステアリングホイールには、多様なスイッチ装置が集約して装着されているが、各種の便宜装置及び電装品などの個数が増加するに伴い、これを操作する運転手の操作利便性を向上させるために、ステアリングホイールに装着されるスイッチ類も増加している。このため、走行中にユーザがスイッチを操作するためにステアリングホイール側に注意力が分散し、走行中の安全性を低下させる恐れがある。
【0005】
韓国登録特許947,729には、運転者の走行利便性及び安全性を考慮すると同時に、運転者の走行集中力を維持させることができるスイッチ類の一種として、ステアリングホイールに設けられるステアリングホイールハプティックスイッチユニットが開示されている。
これは、回転力を生成するハプティックロータリースイッチ駆動部と、回転力の伝達を受けるハプティックロータリースイッチノブを備えるハプティックロータリースイッチ部と、ハプティックロータリースイッチ感知センサとハプティックロータリースイッチ感知対応部とを有するハプティックロータリースイッチ感知部とを備え、振動及び回動抵抗により触感を感じることができるようにしたステアリングホイールハプティックスイッチユニットである。
【0006】
しかし、運転者が各種メニューを選択するためにハプティックロータリースイッチを操作するとき、各メニューごとに振動及び回動抵抗による触感が同一に伝達され、走行のための前方注視の状況でいかなるメニューを選択したかを判断し難い短所があり、結局、運転者は、走行中にメニューをディスプレイしているクラスターの表示窓を継続して注視しなければならないので、走行安全性が落ちる短所がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−140810号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記問題点を勘案してなされたものであって、各種メニューを選択するためのハプティックロータリースイッチのスクロール操作時、メインメニュー項目の選択時、そしてメインメニューから下位メニューへの移動時、また、各下位メニュー項目の選択時に、振動及び回動抵抗による触感がユーザにとって互いに異なるように伝達されるようにして、表示窓を注視しなくても各種メニューの位置を容易に認知できるようにしたロータリースイッチの選択メニュー別ハプティックフィーリング差別化方法を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するためになされた本発明は、電子製品の各種機能の具現のために、ハプティックロータリースイッチを操作しながら各種メニューを選択する時、メインメニュー項目の選択時、メインメニューから下位メニューにまたは下位メニューからメインメニューに移動する時、また、各下位メニューの項目の選択時に、振動及び回動抵抗によるハプティックフィーリングが異なって表出するようにしたことを特徴とする。
【0010】
本発明の望ましい具体例として、前記メインメニュー及び下位メニュー別ハプティックフィーリングの強度は、ユーザ設定モードにより、強いフィーリング、正常フィーリング、弱いフィーリングにセッティング調節できることを特徴とする。
【0011】
また、前記メインメニュー及び下位メニューの各項目をスクロールする時のハプティック強度が互いに異なるようにセッティングされることを特徴とする。
【0012】
前記メインメニューをはじめとして各下位メニューの項目を選択するためのスクロール時のハプティックフィーリングの強度より、メインメニューから下位メニューにまたは下位メニューからメインメニューに移動する時のハプティックフィーリングの強度の方が大きく設定されることを特徴とする。
【0013】
前記メインメニューをはじめとして各下位メニューの項目を選択するためのスクロール時のハプティックフィーリングの強度より、最上位から最下位の項目へ移動する時の、または、最下位から最上位の項目へ移動する時のハプティックフィーリングの強度の方が大きく設定されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、各種の電子製品の機能を選択するためのハプティックロータリースイッチのスクロール時に、各メニュー別の移動時に差別化されたハプティックフィーリングの強度を提供することにより、ブラインドコントロールが可能である。
例えば、車両のステアリングホイールにハプティックロータリースイッチを装着し、クラスターディスプレイに表示される各種メニュー(車両設定(ドア及びシートなどの位置調節など)、トリップコンピュータ、AVシステムの操作及び設定)を選択するためのスクロール時に、各メニュー別にハプティックフィーリングを互いに異なるように差別化することにより、ユーザの知識によって現在のメニュー項目及び位置を容易に認知することができるので、ディスプレイ画面を見なくても、スイッチの操作及びメニューの選択ができるブラインドコントロールが可能であり、これにより走行時に前方注視の状態が維持され、安全運転が確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明によるハプティックロータリースイッチが設けられた例を示す概略図である。
【図2】(a)、(b)は、本発明によるハプティックロータリースイッチのハプティック強度を調節する例を示す概略図である。
【図3】本発明によるハプティックロータリースイッチのハプティック強度を調節する例を示すフローチャートである。
【図4】本発明によるハプティックロータリースイッチのメニュー選択のためのスクロール時のハプティック強度を差別化させた例を説明する概略図である。
【図5】本発明によるハプティックロータリースイッチのメニュー選択のためのスクロール時のハプティック強度を差別化させた例を説明する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の望ましい実施例を添付図面を参照して詳細に説明する。
本発明は、各種の電子機器(携帯電話、ロボットなど)に搭載され、ユーザに触感及び振動による情報を伝達するためのハプティックロータリースイッチに関し、以下では、本発明の理解を促進するために、ハプティックロータリースイッチが車両のステアリングホイールに設けられた場合を例にして説明する。
図1に示すように、車両のステアリングホイールには、ハプティックロータリースイッチ10が装着されており、このハプティックロータリースイッチ10のスクロール操作によるメニュー選択の画面であるフルTFT‐LCDクラスター表示窓20が、運転席全面に構成されている。
特に、上記ハプティックロータリースイッチ10は、振動及び回動抵抗による触感をユーザに伝達するための振動モータ(図示せず)を含み、この振動モータには、振動の強度などを制御するための制御器(図示せず)が連結される。
【0017】
車両の各種機能を具現するために、ハプティックロータリースイッチ10のスクロール操作によって選択されるメニューは、メインメニュー(30:計器板設定、トリップコンピュータ、AVシステム制御、ドアロック及びシート位置の調節などのような車両状態設定など)と、各メインメニュー30のサブメニューである第1の下位メニュー(32:例えば、メインメニューである車両状態設定のサブメニューとしてドアの自動ロック、乗下車シートの連動など)と、第1の下位メニュー32のサブメニューである第2の下位メニュー(34:例えば、第1の下位メニューであるドアの自動ロックのサブメニューとしてのオン及びオフ)とを含んで構成される。
本発明によれば、ハプティックロータリースイッチ10をスクロール操作しながら各種メニューを選択する時、各メニュー別に振動及び回動抵抗によるハプティックフィーリングが異なって表出するようにした点、即ち、制御器の制御信号に応じて振動モータの振動強度などが異なって表出するようにした点に特徴がある。
【0018】
言い換えれば、ハプティックロータリースイッチ10をスクロール操作しながらメインメニュー30の項目選択のためのスクロール時、メインメニュー30から第1の下位メニュー32に、または第1の下位メニュー32からメインメニュー30に移動する時、第1の下位メニュー32から第2の下位メニュー34に、または第2の下位メニュー34から第1の下位メニュー32に移動する時、各下位メニュー32、34の各項目の選択のためのスクロール時に、ハプティックフィーリングが互いに異なって表出するようにすることにより、運転手は、各メニューがディスプレイされるクラスター画面を見なくても、ブラインドコントロールを実施することができ、これにより走行時に前方注視の状態が維持され、安全運転を図ることができる。
【0019】
このとき、上記のようにメインメニュー30及び各下位メニュー32、34別、そしてメインメニュー30から下位メニュー32、34に移動する時、または、下位メニュー32、34からメインメニュー30に移動する時に、制御部で振動モータに印加される電流の大きさ及び波形を制御し、振動モータの強度などが調節されるようにすることにより、ユーザは、ハプティックフィーリングを互いに異なって感じるようになる。
上記メインメニュー及び下位メニュー別ハプティックフィーリングの強度(例えば、振動モータの振動強度)を、ユーザ設定モードにより、強いフィーリング、正常フィーリング、弱いフィーリングにセッティング調節することができる。
【0020】
より詳細には、一般の男性と中年以上の男性、そして男性と女性間にハプティックフィーリングを感じる程度が異なるため、図2の(b)及び図3に示すように、強いフィーリング、正常フィーリング、弱いフィーリングも、一般の男性、中年以上の男性、女性の3段階に区分してセッティングできるようにする。
また、ユーザ設定モードによるハプティックフィーリングの程度が調節できるだけでなく、クラスター画面にディスプレイされるメインメニュー及び各下位メニューに対するハプティックフィーリングも互いに異なるように設定することができ、図3に示すように、フィーリング開始ポイントがセンターに設定される場合には、スクロール時にハプティックフィーリングが両端または上下端のメニュー項目まで同一に提供され、両端または上下端のメニュー項目に到達すれば、より大きな強度のハプティックフィーリングが提供されるようにする。
【0021】
もちろん、ハプティックロータリースイッチのフィーリング開始ポイントは、センターではなく、両端または上下端のメニュー項目に設定されてもよく、この場合にも同様に、両端または上下端のメニュー項目では大きな強度のハプティックフィーリングが提供され、また、両端または上下端のメニュー項目間に存在する項目をスクロールする時には、同一の強度のハプティックフィーリングが提供されるようにする。
また、車両の各種機能を選択するためのメインメニュー30及び下位メニュー32、34の各項目をスクロールする時のハプティック強度が互いに異なるようにセッティングされる。
【0022】
即ち、図4に示すように、メインメニュー30の各項目間を移動するスクロール時に、各項目に移動するハプティックの強度と、第1の下位メニュー32の各項目間を移動するスクロール時に、各項目に移動するハプティックの強度と、第2の下位メニュー34の各項目間を移動するスクロール時に、各項目に移動するハプティックの強度とを互いに異なるように制御することにより、運転手が直接クラスター画面にディスプレイされるメニューを見なくても、現在カーソルがメインメニューにあるか、または第1及び第2の下位メニューにあるかを、ハプティックの強度によって容易に認知することができる。
【0023】
また、図5に示すように、上記メインメニュー30をはじめとして各下位メニュー32、34の項目を選択するためのスクロール時のハプティックフィーリングの強度より、メインメニュー30からそのサブメニューである第1及び第2の下位メニュー32、34に移動する時、または、第1及び第2の下位メニュー32、34からメインメニュー30に移動する時のハプティックフィーリングの強度の方を大きく設定することにより、ユーザは、直接クラスター画面にディスプレイされるメニューを見なくても、メインメニューから下位メニューに、または下位メニューからメインメニューに移動したかを容易に認知することができる。
【0024】
また、上記メインメニュー30をはじめとして各下位メニュー32、34の項目を選択するためのスクロール時に、即ちメニュー項目を選択せずにスクロールのみを続ける場合、最上位から最下位への項目に移動する時、または、最下位から最上位への項目に移動する時のハプティックフィーリングの強度を、最上位と最下位との間の項目間をスクロールする時よりも大きく設定することにより、クラスター画面にディスプレイされるメニューの状態を見なくても、現在カーソルが最上位の項目から最下位の項目へ移動していることを容易に認知することができる。
【0025】
このように、各種の電子製品の機能選択のためのハプティックロータリースイッチのスクロール時に、各メニュー別のスクロール移動時のハプティックフィーリングの強度を差別化させることにより、ユーザのブラインドコントロールを可能とし、特にハプティックロータリースイッチが車両に適用された場合、クラスターのディスプレイ画面を見なくても、メニューの選択が可能であるため、運転者の前方注視の状態が維持され、安全運転を図ることができる。
【符号の説明】
【0026】
10 ハプティックロータリースイッチ
20 クラスター表示窓
30 メインメニュー
32 第1の下位メニュー
34 第2の下位メニュー


【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子製品の各種機能の具現のために、ハプティックロータリースイッチを操作しながら各種メニューを選択する時、メインメニュー項目の選択時、メインメニューから下位メニューにまたは下位メニューからメインメニューに移動する時、また、各下位メニュー項目の選択時に、振動及び回動抵抗によるハプティックフィーリングが異なって表出するようにしたことを特徴とするロータリースイッチの選択メニュー別ハプティックフィーリング差別化方法。
【請求項2】
前記メインメニュー及び下位メニュー別ハプティックフィーリングの強度は、ユーザ設定モードにより、強いフィーリング、正常フィーリング、弱いフィーリングにセッティング調節できることを特徴とする請求項1に記載のロータリースイッチの選択メニュー別ハプティックフィーリング差別化方法。
【請求項3】
前記メインメニュー及び下位メニューの各項目別に移動する時のハプティック強度が互いに異なるようにセッティングされることを特徴とする請求項1に記載のロータリースイッチの選択メニュー別ハプティックフィーリング差別化方法。
【請求項4】
前記メインメニューをはじめとして各下位メニューの項目を選択するためのスクロール時のハプティックフィーリングの強度より、メインメニューから下位メニューにまたは下位メニューからメインメニューに移動する時のハプティックフィーリングの強度の方が大きく設定されることを特徴とする請求項1または請求項3に記載のロータリースイッチの選択メニュー別ハプティックフィーリング差別化方法。
【請求項5】
前記メインメニューをはじめとして各下位メニューの項目を選択するためのスクロール時のハプティックフィーリングの強度より、最上位から最下位の項目へ移動する時の、または、最下位から最上位の項目へ移動する時のハプティックフィーリングの強度の方が大きく設定されることを特徴とする請求項1または請求項3に記載のロータリースイッチの選択メニュー別ハプティックフィーリング差別化方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−113684(P2012−113684A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−57834(P2011−57834)
【出願日】平成23年3月16日(2011.3.16)
【出願人】(591251636)現代自動車株式会社 (1,064)
【出願人】(500518050)起亞自動車株式会社 (449)
【Fターム(参考)】