ロータ及びモータ
【課題】本発明は、ロータの周方向に等ピッチの形成された爪状磁極間に配置される極間磁石がロータの回転にて飛び出さないように簡単な構成で実現することができるロータを提供する。
【解決手段】第1ロータ10の第1爪状磁極11と第2ロータ20の第2爪状磁極21との間に配置される第1及び第2極間磁石31,32をそれぞれロータ7の軸方向の長さより長くした。そして、第1及び第2極間磁石31,32が突出した第1コアベースの反対向面と第1及び第2極間磁石31,32が突出した第2コアベースの反対向面に、第1及び第2飛散防止部材51,52を形成した。第1及び第2極間磁石31,32は、第1及び第2飛散防止部材51,52によって、軸方向及び径方向に強固に固定することから、ロータ7が回転した時、遠心力で軸方向及び径方向に飛び出しが規制される。
【解決手段】第1ロータ10の第1爪状磁極11と第2ロータ20の第2爪状磁極21との間に配置される第1及び第2極間磁石31,32をそれぞれロータ7の軸方向の長さより長くした。そして、第1及び第2極間磁石31,32が突出した第1コアベースの反対向面と第1及び第2極間磁石31,32が突出した第2コアベースの反対向面に、第1及び第2飛散防止部材51,52を形成した。第1及び第2極間磁石31,32は、第1及び第2飛散防止部材51,52によって、軸方向及び径方向に強固に固定することから、ロータ7が回転した時、遠心力で軸方向及び径方向に飛び出しが規制される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、爪状磁極を有するロータコアを配置したロータ構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
モータに使用されるロータとして、周方向に複数の爪状の磁極を有するロータコアと、ロータコア内に配設された永久磁石とによって構成され、永久磁石の磁束により、各爪状磁極を交互に異なる磁極に機能させるいわゆる永久磁石界磁のランデル型構造のロータが知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
このランデル型構造のロータにおいて、複数の爪状磁極の極間には、永久磁石よりなる極間磁石が配置される。この極間磁石は、ロータの回転に伴う遠心力で飛び出してしまう可能性があることから、それぞれ個々に爪状磁極に対して固定する構造にしていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平5−43749号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、極間磁石をそれぞれ個々に爪状磁極間に固定するためには、非常に高度で、精度の高い組み付けが要求され、かつ、組立工数が増大する。そのため、部品数が増え、効率のよい製造方法で極間磁石をそれぞれ個々に爪状磁極間に固定することはできなかった。
【0006】
本発明は上記問題点を解消するためになされたものであって、その目的は、ロータの周方向に等ピッチの形成された爪状磁極間に配置される極間磁石がロータの回転にて飛び出さないように簡単な構成で実現することができるロータ及びモータを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、第1コアベースの外周部に、等間隔に複数の第1爪状磁極を軸方向に延出形成した第1ロータコアと、第2コアベースの外周部に、等間隔に複数の第2爪状磁極を軸方向に延出形成し、前記各第2爪状磁極をそれぞれ対応する前記第1ロータコアの各第1爪状磁極間に配置した第2ロータコアと、前記第1ロータコアと第2ロータコアとの間に配置され、前記軸方向に磁化され、前記第1爪状磁極を第1の磁極として機能させ、前記第2爪状磁極を第2の磁極として機能させる界磁磁石と、前記第1爪状磁極と前記第2爪状磁極との間に配置され、前記第1及び第2爪状磁極と同極極となるように磁化された極間磁石とを備えたロータであって、前記各極間磁石の軸方向の長さを前記ロータの軸方向よりも長くし、そのロータから出ている部分を固定部材にて固定したことを特徴とするロータ。
【0008】
請求項1の発明によれば、各極間磁石のロータから突出した部分が固定部材にて固定され、極間磁石はロータの回転によりロータから外れることはない。
請求項2の発明は、請求項1に記載のロータにおいて、前記固定部材は、合成樹脂であって、前記ロータから出ている極間磁石の部分を樹脂モールドして形成した。
【0009】
請求項2の発明によれば、各極間磁石のロータから突出した部分を合成樹脂にて固定したことで、極間磁石の露出を防ぎ極間磁石はロータの回転によりロータから外れることはない。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載のロータにおいて、前記固定部材は、前記ロータの軸方向の両側面のみに設け、そのロータから出ている部分を固定部材にて固定した。
【0011】
請求項3の発明によれば、固定部材は、ロータの軸方向の両側面のみに設け、径方向の突出形成させないことから、ステータとロータとの間にエアギャップを短くでき、モータの出力を向上させることができる。
【0012】
請求項4の発明は、請求項1に記載のロータにおいて、前記固定部材は、固定板であって、前記ロータから出ている極間磁石の部分をロータの軸方向の側面から固定した。
請求項4の発明によれば、各極間磁石のロータから突出した部分を固定板にて固定したことで、確実に極間磁石はロータの回転によりロータから外れることはない。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のロータにおいて、前記固定板は、非磁性体よりなる固定板であって、前記ロータから出ている極間磁石の部分をロータの軸方向の少なくともいずれか一方の側面から固定した。
【0014】
請求項5の発明によれば、固定板を非磁性体にしたことで、磁束の流れを変えることなく極間磁石はロータの回転によりロータから外れることはない。また、固定板を第1及び第2ロータコアと別部材であってそれぞれ一体部材なので、部品数が少なくコスト低減を図ることができる。
【0015】
請求項6の発明は、請求項4に記載のロータにおいて、前記固定板は、磁性体の固定板であって、前記ロータから出ている極間磁石の部分をロータの軸方向の少なくともいずれか一方の側面から固定した。
【0016】
請求項6の発明によれば、固定板を磁性体にしたことで、磁気回路を広げ磁気抵抗を小さくでき、モータの出力向上を図ることができる。また、固定板を、磁性体で形成したことから、同固定板を第1及び第2ロータコアの一部としてロータの軸方向の長さを調整することができる。
【0017】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のロータにおいて、前記固定板は、磁石であって、前記ロータから出ている部分をロータの軸方向の少なくともいずれか一方の側面から固定した。
【0018】
請求項7の発明によれば、固定板を磁石とすることで、磁束漏れ防止も図れる。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載のロータを、複数重ね合わせたロータであって、その重ね合わせたられたロータ間から出ている極間磁石の部分を固定部材にて固定したことを特徴とするロータ。
【0019】
請求項8の発明によれば、複数重ね合わせることで、極間磁石がロータの回転によりロータから外れることはない高トルクを発生させるロータにできる。
請求項9に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載のロータを、複数重ね合わせたロータであって、その複数重ね合わせロータから出ている部分をロータの軸方向の少なくともいずれか一方の側面から固定したことを特徴とするロータ。
【0020】
請求項9の発明によれば、複数重ね合わせることとで、極間磁石がロータの回転によりロータから外れることはない高トルクを発生させるロータにできる。
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれか1項に記載のロータを備えたことを特徴とするモータ。
【0021】
請求項10の発明によれば、小型で、高出力のモータを得ることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、ロータの周方向に等ピッチの形成された爪状磁極間に配置される極間磁石をロータの回転にて飛び出さないように簡単な構成で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】第1実施形態のブラシレスモータの断面図。
【図2】ロータの第1ロータコア側から見た斜視図。
【図3】ロータの第2ロータコア側見た斜視図。
【図4】ロータの正面図。
【図5】ロータの軸方向の断面図。
【図6】(a)図2のa−a線断面図、(b)図2のb−b線断面図、(c)図2のc−c線断面図。
【図7】ロータの分解斜視図。
【図8】第2実施形態のロータの第1ロータコア側からみた斜視図。
【図9】ロータの第1固定板の斜視図。
【図10】ロータの第2固定板の斜視図。
【図11】ロータの軸方向の断面図。
【図12】第3実施形態のロータの第1ロータコア側からみた斜視図。
【図13】ロータの第1固定板の斜視図。
【図14】ロータの第2固定板の斜視図。
【図15】ロータの軸方向の断面図。
【図16】第3実施形態の第1及び第2固定板の別例を説明するための断面図。
【図17】第4実施形態のタンデム構造のロータの斜視図。
【図18】第4実施形態のロータの別例を示す斜視図。
【図19】第5実施形態のロータの斜視図。
【図20】第5実施形態のロータの別れを示す斜視図。
【図21】第6実施形態のロータの斜視図。
【図22】第6実施形態のロータの別れを示す斜視図。
【図23】第2実施形態のロータをタンデム構造にした場合の別例を示すロータの軸方向の断面図。
【図24】第3実施形態のロータをタンデム構造にした場合の別例を示すロータの軸方向の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図1〜図7に従って説明する。
図1に示すように、ブラシレスモータ1のモータケース2は、有底筒状に形成されたケースハウジング3と、同ケースハウジング3のフロント側の開口部を閉塞するフロントカバー4とを有している。ケースハウジング3の内周面にはステータ5が固定されている。ステータ5のステータコア6は、鋼板よりなるステータコア片6aを複数積層して形成されている。
【0025】
ステータ5の内側には、図1に示すように、ロータ7が配設され、回転軸8に貫挿固着されている。回転軸8は、本実施形態では非磁性体の金属のシャフトであって、ケースハウジング3の底部及びフロントカバー4に設けられた軸受け9a,9bにより回転可能に支持されている。回転軸8に固着されたロータ7は、ランデル型構造のロータである。
【0026】
ロータ7は、図2、図3及び図7に示すように、第1ロータコア10と、同第1ロータコア10と相対向して配置される第2ロータコア20と、第1ロータコア10と第2ロータコア20との間に配設される環状磁石30(図5、図6(b)及び図7参照)を有している。
【0027】
(第1ロータコア10)
第1ロータコア10は、図7に示すように、第1コアベース12を有し、回転軸8に固着されている。
【0028】
第1コアベース12の外周面12aには等間隔に5個の第1アーム部13が径方向に延出形成されている。第1アーム部13の第2ロータコア20側の先端部には、軸方向であって第2ロータコア20に向かって第1爪状磁極11が延出形成されている。
【0029】
つまり、第1ロータコア10は、第1コアベース12に形成した5個の第1アーム部13から第1爪状磁極11が第2ロータコア20に向かって形成されている。
この第1爪状磁極11の周方向の幅は、隣り合う第1爪状磁極11との間隔に比べて小さくなるように形成されている。これによって、第1コアベース12には、周方向に、第1爪状磁極11が軸方向に向かって櫛歯状に配置される。
【0030】
各第1爪状磁極11は、軸方向から見ると扇状に形成され、各第1爪状磁極11の外周面11a及び内周面11bは第1コアベース12と同心円となる。第1爪状磁極11の内周面11bの内径は、第1コアベース12外径に比べて長くなっている。そして、各第1爪状磁極11は、図7において、その周方向の第2ロータコア20から見て時計回りの第1側面11c及び反時計回りの第2側面11dは平面であって回転軸8の中心軸線Cと直交するようになっている。従って、各第1爪状磁極11は、図4に示すように、径方向から見ると軸方向に長い長方形状となる。
【0031】
(第2ロータコア20)
第2ロータコア20は、図7に示すように、第2コアベース22を有し、回転軸8に固着されている。
【0032】
第2コアベース22の外周面22aには等間隔に5個の第2アーム部23が径方向に延出形成されている。第2アーム部23の第1ロータコア10側の先端部には、軸方向であって第1ロータコア10に向かって第2爪状磁極21が延出形成されている。
【0033】
つまり、第2ロータコア20は、第2コアベース22に形成した5個の第2アーム部23から第2爪状磁極21が第1ロータコア10に向かって形成されている。
この第2爪状磁極21の周方向の幅は、隣り合う第2爪状磁極21との間隔に比べて小さくなるように形成されている。これによって、第2コアベース22には、周方向に、第2爪状磁極21が軸方向に向かって櫛歯状に配置される。
【0034】
また、各第2爪状磁極21は、軸方向からの平面視で扇状に形成され、各第2爪状磁極21の外周面21a及び内周面21bは第2コアベース22と同心円となる。そして、第2爪状磁極21の内周面21bの内径は、第2コアベース22の外径に比べて長くなっている。そして、各第2爪状磁極21は、図7において、その周方向の第1ロータコア10側から見て時計回りの第1側面21c及び反時計回りの第2側面21dは平面であって回転軸8の中心軸線Cと直交するようになっている。従って、各第2爪状磁極21は、図4に示すように、径方向から見ると軸方向に長い長方形状となる。
【0035】
しかも、各第2爪状磁極21の時計回りの第1側面21cは、それぞれ相対向する各第1爪状磁極11の時計回りの第1側面11cと平行に対峙する。同様に、各第2爪状磁極21の反時計回りの第2側面21dは、それぞれ相対向する各第1爪状磁極11の反時計回りの第2側面11dと平行に対峙する。
【0036】
第2ロータコア20は、第1ロータコア10と、図5に示すように、環状磁石30を挟んで重ね合わされる。詳述すると、第2ロータコア20は、軸方向に延びた各第2爪状磁極21が、第1ロータコア10の各第1爪状磁極11の間にそれぞれ嵌合するように、第1ロータコア10に対して、重ね合わされる。このとき、第1及び第2第1爪状磁極11,21の周方向の幅は、それぞれ隣り合う第1及び第2爪状磁極11,21の周方向の間隔よりも小さいため、隣り合う第1爪状磁極11と第2爪状磁極21の周方向の両側面が離間されるようになっている。
【0037】
また、第1ロータコア10と第2ロータコア20が環状磁石30を介して挟持固定されている状態で、第1爪状磁極11の先端面11eは第2コアベース22の反対向面22cと、第2爪状磁極21の先端面21eは第1コアベース12の反対向面12cとそれぞれ同一平面上にあるように形成されている。
【0038】
(環状磁石30)
図7及び図4に示すように、第1ロータコア10と第2ロータコア20の間に挟持された環状磁石30は、軸方向の両側面30a,30bが第1及び第2コアベース12,22の対向面12b,22bにそれぞれ当接されている。環状磁石30の外周面30cは、第1及び第2コアベース12,22の外周面12a,22aと中心軸線Cを中心とした同心円で形成され、その環状磁石30の外径は第1及び第2コアベース12,22の外径と同一となるように形成されている。
【0039】
環状磁石30は、軸方向に磁化され、第1コアベース12側をN極、第2コアベース22側をS極となるように磁化されている。従って、この環状磁石30によって、第1ロータコア10の各第1爪状磁極11はN極(第1の磁極)として機能し、第2ロータコア20の各第2爪状磁極21は、S極(第2の磁極)として機能する。
【0040】
(第1及び第2極間磁石31,32)
第1爪状磁極11の第1側面11cと第2爪状磁極21の第1側面21cとの間には、軸方向に長い四角柱状の第1極間磁石31がそれぞれ挟持固着されている。各第1極間磁石31は、その軸方向の両端部が、それぞれ第1及び第2コアベース12,22の反対向面12c,22cから長さDだけ突出形成されている。また、第1極間磁石31の径方向の外側面は、第1及び第2爪状磁極11,21の外周面11a,21aと同一曲面となるように形成されている。
【0041】
各第1極間磁石31は、周方向に磁化され、N極として機能している第1爪状磁極11側を同極のN極となるように、また、S極として機能している第2爪状磁極21側を同極のS極となるようにそれぞれ磁化されている。
【0042】
一方、第1爪状磁極11の第2側面11dと第2爪状磁極21の第2側面21dとの間には、軸方向に長い四角柱状の第2極間磁石32がそれぞれ挟持固着されている。各第2極間磁石32は、その軸方向の両端部が、第1極間磁石31と同様に、それぞれ第1及び第2コアベース12,22の反対向面12c,22cから長さDだけ突出形成されている。また、第2極間磁石32の径方向の外側面は、第1及び第2爪状磁極11,21の外周面11a,21aと同一曲面となるように形成されている。
【0043】
各第2極間磁石32は、周方向に磁化され、N極として機能している第1爪状磁極11側を同極のN極となるように、また、S極として機能している第2爪状磁極21側を同極のS極となるようにそれぞれ磁化されている。
【0044】
つまり、第1極間磁石31と第2極間磁石32は、その磁化方向が周方向において逆方向に磁化されている。
(第1背面補助磁石41及び第2背面補助磁石42)
図5に示すように、第2爪状磁極21の内周面21b、環状磁石30の外周面、第1コアベース12、第1及び第2極間磁石31,32にて囲まれ、第1ロータコア10側が開口した空間内には、第1背面補助磁石41がそれぞれ嵌合固着される。
【0045】
第1背面補助磁石41は、径方向に磁化され、第2爪状磁極21の内周面21bに当接する側を、第2爪状磁極21と同極のS極に、第1コアベース12に当接する側を同第1コアベース12と同極のN極となるように磁化されている。
【0046】
図5に示すように、第1爪状磁極11の内周面11b、環状磁石30の外周面、第2コアベース22、第1及び第2極間磁石31,32にて囲まれ、第2ロータコア20側が開口した空間内には、第2背面補助磁石42がそれぞれ嵌合固着される。
【0047】
第2背面補助磁石42は、径方向に磁化され、第1爪状磁極11の内周面11bに当接する側を、第1爪状磁極11と同極のN極に、第2コアベース22に当接する側を同第2コアベース22と同極のS極となるように磁化されている。
【0048】
つまり、第1コアベース12の部分(図5参照)は、図6(a)に示すように、ステータ5側がS極の第1背面補助磁石41として機能する第2爪状磁極21と、第1背面補助磁石41によってN極の突極として機能する第1爪状磁極11とが、周方向に交互に配置される。
【0049】
また、第2コアベース22の部分(図5参照)は、図6(c)に示すように、ステータ5側がN極の第2背面補助磁石42として機能する第1爪状磁極11と、第2背面補助磁石42によってS極の突極として機能する第2爪状磁極21とが、周方向に交互に配置される。
【0050】
さらに、環状磁石30の部分は、図6(b)に示すように、第1背面補助磁石41によってステータ5側がN極として機能する第1爪状磁極11と、第2背面補助磁石42によってステータ5側がS極として機能する第2爪状磁極21とが、周方向に交互に配置されたランデル型構造となる。
【0051】
(第1飛散防止部材51及び第2飛散防止部材52)
第1ロータコア10であって第1及び第2極間磁石31,32が突出した第1コアベース12の反対向面12cには、第1飛散防止部材51が形成されている。第1飛散防止部材51は、突出した第1及び第2極間磁石31,32を含む第1コアベース12の反対向面12c全体を合成樹脂でモールドして形成しもので、第1背面補助磁石41、第1及び第2極間磁石31,32が、軸方向及び径方向に強固に固定される。
【0052】
また、第2ロータコア20であって第1及び第2極間磁石31,32が突出した第2コアベース22の反対向面22cには、第2飛散防止部材52が形成されている。第2飛散防止部材52は、突出した第1及び第2極間磁石31,32を含む第2コアベース22の反対向面22c全体を合成樹脂でモールドしたもので、第2背面補助磁石42、第1及び第2極間磁石31,32が、軸方向及び径方向に強固に固定される。
【0053】
従って、第1及び第2飛散防止部材51,52によって、第1及び第2背面補助磁石41,42、第1及び第2極間磁石31,32が、軸方向及び径方向に強固に固定されることから、ロータ7が回転した時、遠心力で第1背面補助磁石41、第1及び第2極間磁石31,32が、軸方向及び径方向に飛び出すことはない。
【0054】
次に、上記のように構成した第1実施形態の作用を以下に記載する。
第1及び第2極間磁石31,32が突出した第1コアベース12の反対向面12cと第1及び第2極間磁石31,32が突出した第2コアベース22の反対向面22cに、第1及び第2飛散防止部材51,52を形成した。
【0055】
そして、第1及び第2飛散防止部材51,52は、第1及び第2背面補助磁石41,42、第1及び第2極間磁石31,32を、軸方向及び径方向に強固に固定する。これによって、ロータ7が回転した時、遠心力で第1背面補助磁石41、第1及び第2極間磁石31,32は、軸方向及び径方向への飛び出しが規制される。
【0056】
また、第1及び第2飛散防止部材51,52は、第1コアベース12の反対向面12cと第2コアベース22の反対向面22cのみに形成したことから、ステータ5とロータ7のエアギャップを短くできる。
【0057】
上記第1実施形態によれば以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、第1及び第2飛散防止部材51,52によって、第1及び第2極間磁石31,32が露出することなく、軸方向及び径方向に強固に固定される。その結果、ロータ7が回転した時、遠心力で第1及び第2極間磁石31,32は、軸方向及び径方向に飛び出すことはない。
【0058】
(2)本実施形態によれば、第1及び第2飛散防止部材51,52を、第1コアベース12の反対向面12cと第2コアベース22の反対向面22cのみに形成したので、ステータ5とロータ7のエアギャップを短くでき、モータの出力向上を図ることができる。
【0059】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について、図8〜図11に従って説明する。
本実施形態は、ロータ7に設けた第1及び第2背面補助磁石41,42、第1及び第2極間磁石31,32の飛散防止構造に特徴を有し、その他の構成は上記第1実施形態と同様な構成である。そのため説明の便宜上、特徴部分のみ詳細に説明し共通する部分については符号を同じにして省略する。
【0060】
図8〜図11に示すように、第1コアベース12の反対向面12c及び第2コアベース22の反対向面22cには、飛散防止用の第1及び第2固定板61,62がそれぞれ固着されている。第1及び第2固定板61,62は本実施形態では、非磁性体で形成されている。
【0061】
第1固定板61は、図9に示すように、円板部61aを有し、その厚さが第1コアベース12の反対向面12cから突出する第1及び第2極間磁石31,32の長さDと一致する厚さに形成されている。円板部61aの中央部には、回転軸8を貫通する貫通穴61bが貫通形成されている。
【0062】
第1固定板61は、その円板部61aの外周部には10個の嵌合穴61dが等ピッチで貫通形成されている。そして、円板部61aの嵌合穴61d間を支持板部61cとしている。各嵌合穴61dは、第1コアベース12の反対向面12cから突出した第1及び第2極間磁石31,32を嵌合固着する。
【0063】
第2固定板62は、図10に示すように、円板部62aを有し、その厚さが第2コアベース22の反対向面22cから突出する第1及び第2極間磁石31,32の長さDと一致する厚さに形成されている。円板部62aの中央部には、回転軸8を貫通する貫通穴62bが貫通形成されている。
【0064】
第2固定板62は、その円板部62aの外周部には10個の嵌合穴62dが等ピッチで貫通形成されている。そして、円板部62aの嵌合穴62d間を支持板部62cとしている。各嵌合穴62dは、第2コアベース22の反対向面22cから突出した第1及び第2極間磁石31,32を嵌合固着する。
【0065】
次に、上記のように構成した第2実施形態の作用を以下に記載する。
第1及び第2極間磁石31,32が突出した第1コアベース12の反対向面12cと第1及び第2極間磁石31,32が突出した第2コアベース22の反対向面22cに、第1及び第2固定板61,62を形成した。
【0066】
そして、第1及び第2固定板61,62は、第1及び第2背面補助磁石41,42、第1及び第2極間磁石31,32を、軸方向及び径方向に強固に固定する。これによって、ロータ7が回転した時、遠心力で第1背面補助磁石41、第1及び第2極間磁石31,32は、軸方向及び径方向への飛び出しが規制される。
【0067】
また、第1及び第2固定板61,62は、第1コアベース12の反対向面12cと第2コアベース22の反対向面22cのみに形成したことから、ステータ5とロータ7のエアギャップを短くできる。
【0068】
また、第1及び第2固定板61,62を、非磁性体で形成した。第1ロータコア10と第2ロータコア20の間に挟持された環状磁石30から出る磁束は、第1固定板61によって、図11矢印に示すように、第1コアベース12内を通って第1爪状磁極11に案内される。また、第1爪状磁極11からの磁束は、第2固定板62によって、第2コアベース22内を通って環状磁石30に案内される。
【0069】
つまり、第1コアベース12の反対向面12c及び第2コアベース22の反対向面22cから軸線方向に磁束が漏れることはない。
上記第2実施形態によれば、第1実施形態の(1)(2)の効果に加えて以下の効果を有する。
【0070】
(1)本実施形態によれば、第1及び第2固定板61,62を、非磁性体で形成したので、磁束の流れを変えることなく、第1及び第2極間磁石31,32はロータ7の回転によりロータ7から外れることはない。
【0071】
(2)本実施形態では、第1及び第2固定板61,62を第1及び第2ロータコア10,20と別部材であってそれぞれ一体部材なので、部品数が少なくコスト低減を図ることができる。しかも、第1及び第2固定板61,62は、ともに同一形状なので部品管理が容易となる。
【0072】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について、図12〜図15に従って説明する。
本実施形態は、ロータ7に設けた第1及び第2背面補助磁石41,42、第1及び第2極間磁石31,32の飛散防止構造に特徴を有し、その他の構成は上記第1実施形態と同様な構成である。そのため説明の便宜上、特徴部分のみ詳細に説明し共通する部分については符号を同じにして省略する。
【0073】
図12〜図15に示すように、第1コアベース12の反対向面12c及び第2コアベース22の反対向面22cには、飛散防止用の第1及び第2固定板71,72がそれぞれ固着されている。第1及び第2固定板71,72は本実施形態では、磁性体で形成されている。
【0074】
第1固定板71は、図13に示すように、円板部71aを有し、その厚さが第1コアベース12の反対向面12cから突出する第1及び第2極間磁石31,32の長さDと一致する厚さに形成されている。円板部71aの中央部には、回転軸8を貫通する貫通穴71bが貫通形成されている。
【0075】
第1固定板71は、その円板部71aの外周面から径方向に5個の支持板部71cが等ピッチに延出形成されている。各支持板部71cの径方向の先端は、第1ロータコア10に形成された第1アーム部13の先端まで形成されている。
【0076】
また、各支持板部71cに周方向の幅は、第1ロータコア10に形成された第1アーム部13の周方向の幅と一致させている。各支持板部71cの先端部には、円弧状の係止板部71dが周方向に形成されている。
【0077】
そして、第1固定板71は、円板部71aと5個の支持板部71cとで第1コアベース12の反対向面12cを塞ぐとともに、各支持板部71c間から第1及び第2極間磁石31,32を露出させるように第1ロータコア10に固着する。この時、環状の各係止板部71dは、第1爪状磁極11の両側に配置された第1及び第2極間磁石31,32であって第1コアベース12の反対向面12cから突出した部分の一部を係止する。
【0078】
第2固定板72は、図14に示すように、円板部72aを有し、その厚さが第2コアベース22の反対向面22cから突出する第1及び第2極間磁石31,32の長さDと一致する厚さに形成されている。円板部72aの中央部には、回転軸8を貫通する貫通穴72bが貫通形成されている。
【0079】
第2固定板72は、図14に示すように、その円板部72aの外周面から径方向に5個の支持板部72cが等ピッチに延出形成されている。各支持板部72cの径方向の先端は、第2ロータコア20に形成された第2アーム部23の先端まで形成されている。
【0080】
また、各支持板部72cに周方向の幅は、第2ロータコア20に形成された第2アーム部23の周方向の幅と一致させている。各支持板部72cの先端部には、円弧状の係止板部72dが周方向に形成されている。
【0081】
そして、第2固定板72は、円板部72aと5個の支持板部72cとで第2コアベース22の反対向面22cを塞ぐとともに、各支持板部72c間から第1及び第2極間磁石31,32を露出させるように第2ロータコア20に固着する。この時、環状の各係止板部72dは、第2爪状磁極21の両側に配置された第1及び第2極間磁石31,32であって第2コアベース22の反対向面22cから突出した部分の一部を係止する。
【0082】
次に、上記のように構成した第3実施形態の作用を以下に記載する。
第1及び第2極間磁石31,32が突出した第1コアベース12の反対向面12cと第1及び第2極間磁石31,32が突出した第2コアベース22の反対向面22cに、第1及び第2固定板71,72を形成した。
【0083】
第1固定板71は、支持板部71cにて第1及び第2背面補助磁石41,42、第1及び第2極間磁石31,32を軸方向に挟持固定し、係止板部71dにて第1コアベース12の反対向面12cから突出した第1及び第2極間磁石31,32の一部を径方向に係止する。
【0084】
また、第2固定板72は、支持板部72cにて第1及び第2背面補助磁石41,42、第1及び第2極間磁石31,32を軸方向に挟持固定し、係止板部72dにて第2コアベース22の反対向面22cから突出した第1及び第2極間磁石31,32の一部を径方向に係止する。
【0085】
これによって、ロータ7が回転した時、遠心力で第1背面補助磁石41、第1及び第2極間磁石31,32は、軸方向及び径方向への飛び出しが規制される。
また、第1及び第2固定板71,72を、磁性体で形成したので、図15に示すように、磁束が第1及び第2固定板71,72内を通ることができる。その結果、第1ロータコア10の第1コアベース12部分の磁路を、第1及び第2固定板71,72の厚さ分、大きくできる。すなわち、磁気回路を広げることができる。
【0086】
上記第3実施形態によれば、第1及び第2実施形態の(1)及び第2実施形態の(1)(2)の効果に加えて以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、第1及び第2固定板71,72を、磁性体で形成したことから、磁気回路を広げ磁気抵抗を小さくでき、モータの出力向上を図ることができる。
【0087】
(2)本実施形態によれば、第1及び第2固定板71,72を、磁性体で形成したことから、同第1及び第2固定板71,72を第1及び第2ロータコア10,20の一部としてロータ7の軸方向の長さを調整することができる。
【0088】
尚、第3実施形態では、第1及び第2固定板71,72を、磁性体で形成した。これを、第1及び第2固定板71,72を、磁束漏れ防止用の永久磁石で形成して実施してもよい。この場合、図16に示すように、永久磁石からなる第1固定板71は、第1コアベース12側をN極、反第1コアベース12側をS極にし、永久磁石からなる第2固定板72は、第2コアベース22側をS極、反第2コアベース22側をN極にする必要がある。
【0089】
これによって、飛散防止が図れるとともに軸方向の磁束漏れ防止も図れる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
【0090】
本実施形態は、第1及び第2ロータコア10,20からなるロータ7を複数(本実施形態では2個)重ねあわせて1つ(タンデム構造)のロータ80を形成した点に特徴を有する。そのため説明の便宜上、特徴部分のみ詳細に説明し共通する部分については符号を同じにして省略する。
【0091】
図17に示すように、本実施形態のロータ80は、上部ロータ81と下部ロータ82が軸線方向に重なって互いに固定されることによって形成されている。そして、上部ロータ81と下部ロータ82は、第1及び第2極間磁石31a,32aを互いに共有している。
【0092】
上部ロータ81は、第1実施形態で示すロータ7と同様に、第1及び第2ロータコア10,20、環状磁石30、下部ロータ82と共有する第1及び第2極間磁石31a,32aで構成されている。上部ロータ81は、図17において、上側に第1ロータコア10が下側に第2ロータコア20が配置される。
【0093】
そして、上部ロータ81であって第1及び第2爪状磁極11,21の両側にそれぞれ配置される側の第1及び第2極間磁石31a,32aは、それぞれ第1及び第2コアベース12,22の反対向面12c,22cから突出形成されていない構造になっている。つまり、第1及び第2爪状磁極11,21の軸方向の先端面は、それぞれ第1及び第2コアベース12,22の反対向面12c,22cと面一となっている。
【0094】
下部ロータ82は、第1実施形態で示すロータ7と同様に、第1及び第2ロータコア10,20、環状磁石30、上部ロータ81と共有する第1及び第2極間磁石31a,32aで構成されている。下部ロータ82は、図17において、上側に第2ロータコア20が下側に第1ロータコア10が配置される。
【0095】
そして、この下部ロータ82であって第1及び第2爪状磁極11,21の両側にそれぞれ配置される側の第1及び第2極間磁石31a,32aは、それぞれ第1及び第2コアベース12,22の反対向面12c,22cから突出形成されていない構造になっている。つまり、第1及び第2爪状磁極11,21の軸方向の先端面は、それぞれ第1及び第2コアベース12,22の反対向面12c,22cと面一となっている。
【0096】
上部ロータ81と下部ロータ82の間には、所定の間隔、本実施形態では第2実施形態の非磁性体からなる第2固定板62の厚さ分(第1実施形態の第1及び第2極間磁石の突出長さD)の間隔が設けられている。そして、その上部ロータ81と下部ロータ82の間には、第2実施形態の非磁性体からなる図10に示す第2固定板62が配設されている。
【0097】
そして、第2固定板62は、上部ロータ81と下部ロータ82との間に突出した第1及び第2極間磁石31a,32aの部分を、第2固定板62の嵌合穴62dにそれぞれ嵌め込む。そして、第2固定板62は、下部ロータ82の第2コアベース22の反対向面22cに固着される。
【0098】
つまり、上部ロータ81と下部ロータ82が第2固定板62を介して連結固定されて、タンデム構造の1つのロータ80が形成される。
次に、上記のように構成した第4実施形態の作用を以下に記載する。
【0099】
上部ロータ81と下部ロータ82と重ね合わせるとき、第1及び第2極間磁石31a,32aを互いに共有させて重ねる。これによって、上部ロータ81と下部ロータ82が第2固定板62を介してタンデム構造の1つのロータ80が形成される。
【0100】
また、上部ロータ81と下部ロータ82と間に配置した第2固定板62の嵌合穴62dにて、第1及び第2極間磁石31a,32aが、軸方向及び径方向に強固に固定される。これによって、ロータ7が回転した時、遠心力で、第1及び第2極間磁石31a,32aが、軸方向及び径方向に飛び出しが規制される。
【0101】
上記第4実施形態によれば以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、上部ロータ81と下部ロータ82の間に置いて、1つの第2固定板62にて、タンデム構造のロータ80を形成した。従って、上部ロータ81と下部ロータ82を直接重ね合わせ、上下両側から2つの固定手段でタンデム構造のロータを形成するのに比べて部品点数を少なくすることができる。
【0102】
(2)本実施形態によれば、第2固定板62の嵌合穴62dによって、上部及び下部ロータ81,82が共有する第1及び第2極間磁石31a,32aが、軸方向及び径方向に強固に固定される。その結果、ロータ80が回転した時、遠心力で上部及び下部ロータ81,82が共有する第1及び第2極間磁石31a,32aは、軸方向及び径方向に飛び出すことはない。
【0103】
尚、第4実施形態では、上部ロータ81と下部ロータ82の間に、第2固定板62を設けた。これを、図18に示すように、第3実施形態で示した非磁性体よりなる図14に示す第2固定板72を介在させてもよい。勿論、非磁性体あるいは磁性体が好ましいが、この第2固定板72が永久磁石であってもよい。
【0104】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について説明する。
本実施形態は、第4実施形態のタンデム構造のロータ80に設けた第1及び第2極間磁石31a,32aに特徴を有し、それに伴って第1及び第2極間磁石31a,32aの飛散防止構造に特徴を有する。そのため説明の便宜上、特徴部分のみ詳細に説明し共通する部分については符号を同じにして省略する。
【0105】
図19に示すように、上部ロータ81と下部ロータ82は、第4実施形態で示す上部ロータ81及び下部ロータ82と同様に、互いに共有する第1及び第2極間磁石31a,32aを有している。上部ロータ81は、上側に第1ロータコア10が下側に第2ロータコア20が配置され、下部ロータ82は、上側に第2ロータコア20が下側に第1ロータコア10が配置される。そして、上部ロータ81と下部ロータ82との間には、第4実施形態と同様に、第2固定板62が設けられている。
【0106】
第1及び第2極間磁石31a,32aであって上部ロータ81側の端部には、第4実施形態と相違して、それぞれ上部ロータ81の第1コアベース12の反対向面12cから突出形成されている。つまり、第1実施形態と同様に長さDだけ突出させている。そして、上部ロータ81の第1コアベース12の反対向面12cには、第2実施形態で示した第1固定板61がそれぞれ固着されている。
【0107】
また、第1及び第2極間磁石31a,32aであって下部ロータ82側の端部には、第4実施形態と相違して、それぞれ下部ロータ82の第1コアベース12の反対向面12cから突出形成されている。つまり、第1実施形態と同様に長さDだけ突出させている。そして、下部ロータ82の第1コアベース12の反対向面12cには、第2実施形態で示した第1固定板61がそれぞれ固着されている。
【0108】
次に、上記のように構成した第5実施形態の作用を以下に記載する。
第1固定板61を上部ロータ81の第1コアベース12の反対向面12cに固着することにより、上部ロータ81の第1コアベース12の反対向面12cから突出した第1及び第2極間磁石31a,32aの部分が係止される。
【0109】
また、第1固定板61を下部ロータ82の第1コアベース12の反対向面12cに固着することにより、下部ロータ82の第1コアベース12の反対向面12cから突出した第1及び第2極間磁石31a,32aの部分が係止される。
【0110】
これによって、第1及び第2極間磁石31a,32aが、軸方向及び径方向に飛び出しが規制される。
上記第5実施形態によれば以下の効果を有する。
【0111】
(1)本実施形態によれば、上部ロータ81と下部ロータ82の第1コアベース12の反対向面12cに第1固定板61を固着したので、上部及び下部ロータ81,82が共有する第1及び第2極間磁石31a,32aが、軸方向及び径方向に対してより強固に固定される。その結果、タンデム構造のロータ80が回転した時、遠心力にて第1及び第2極間磁石31a,32aは、径方向に飛び出すことはない。
【0112】
尚、第5実施形態では、第1固定板61を上部及び下部ロータ81,82の第1コアベース12の反対向面12cに第1実施形態の第1固定板61を固着した。これを、図20に示すように、第3実施形態で示した非磁性体よりなる第1固定板71を上部及び下部ロータ81,82の第1コアベース12の反対向面12cに第1実施形態の第1固定板61を固着して実施してもよい。
【0113】
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態について説明する。
本実施形態は、第1及び第2極間磁石31a,32aの飛び出し防止構造が、第5実施形態に示すタンデム構造のロータ80と相違する。そのため説明の便宜上、相違する部分のみ詳細に説明し共通する部分については符号を同じにして省略する。
【0114】
図21に示すように、本実施形態のロータ80は、上部ロータ81と下部ロータ82の間に、図14に示す非磁性体よりなる第3実施形態で示した第2固定板72を介在させている。一方、上部及び下部ロータ81,82の第1コアベース12の反対向面12cには、第3実施形態で示した第1固定板71がそれぞれ固着されている。
【0115】
次に、上記のように構成した第6実施形態の作用を以下に記載する。
第1固定板71を上部ロータ81の第1コアベース12の反対向面12cに固着することにより、上部ロータ81の第1コアベース12の反対向面12cから突出した第1及び第2極間磁石31a,32aの部分が係止される。
【0116】
また、第1固定板71を下部ロータ82の第1コアベース12の反対向面12cに固着することにより、下部ロータ82の第1コアベース12の反対向面12cから突出した第1及び第2極間磁石31a,32aの部分が係止される。
【0117】
これによって、第1及び第2極間磁石31a,32aが、軸方向及び径方向に飛び出しが規制される。
上記第6実施形態によれば以下の効果を有する。
【0118】
(1)本実施形態によれば、上部ロータ81と下部ロータ82の第1コアベース12の反対向面12cに第1固定板71を固着したので、上部及び下部ロータ81,82が共有する第1及び第2極間磁石31a,32aが、軸方向及び径方向により強固に固定される。その結果、タンデム構造のロータ80が回転した時、遠心力で第1及び第2極間磁石31a,32aは、径方向に飛び出すことはない。
【0119】
尚、第6実施形態では、上部ロータ81の第1及び第2コアベース12,22の反対向面12c,22cに、第1固定板71を設けた。これを、図22に示すように、第2実施形態で示した非磁性体よりなる第1固定板61を固着させてもよい。
【0120】
また、各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・上記第1〜第3実施形態では、ロータ7の軸方向の両側に固定部材を設けたが、いずれ一方に設けて実施してもよい。
【0121】
・上記第2実施形態において、ロータ7を2つ重ねて、図23に示すタンデム構造のロータ80に応用してもよい。この場合、タンデム構造のロータ80は上部ロータ81と下部ロータ82は、互いに共有する極間磁石31a,32aを有している。
【0122】
そして、上部ロータ81の第2コアベース22の反対向面22cと下部ロータ82の第2コアベース22の反対向面22cとを密接させる。また、上部ロータ81の第1コアベース12の反対向面12cと下部ロータ82の第1コアベース12の反対向面12cに第1固定板61をそれぞれ固着させる。
【0123】
これによって、上部ロータ81と下部ロータ82との間に、第2固定板62が介在しないタンデム構造のロータ80を形成することができる。
・上記第3実施形態において、ロータ7を2つ重ねて、図24に示すタンデム構造のロータ80に応用してもよい。この場合、タンデム構造のロータ80は上部ロータ81と下部ロータ82は、互いに共有する極間磁石31a,32aを有している。
【0124】
そして、上部ロータ81の第2コアベース22の反対向面22cと下部ロータ82の第2コアベース22の反対向面22cとを密接させる。また、上部ロータ81の第1コアベース12の反対向面12cと下部ロータ82の第1コアベース12の反対向面12cに第1固定板71をそれぞれ固着させる。
【0125】
これによって、上部ロータ81と下部ロータ82との間に、第2固定板72が介在しないタンデム構造のロータ80を形成することができる。この場合にも、第1固定板71を永久磁石で形成してもよいことは勿論である。
【符号の説明】
【0126】
1…ブラシレスモータ(モータ)、2…モータケース、3…ケースハウジング、4…フロントカバー、5…ステータ、6…ステータコア、6a…ステータコア片、7…ロータ、8…回転軸、9a,9b…軸受け、10…第1ロータコア、11…第1爪状磁極、11a…外周面、11b…内周面、11c…第1側面、11d…第2側面、11e…先端面、12…第1コアベース、12a…外周面(外周部)、12b…対向面、12c…反対向面、13…第1アーム部、20…第2ロータコア、21…第2爪状磁極、21a…外周面、21b…内周面、21c…第1側面、21d…第2側面、21e…先端面、22…第2コアベース、22a…外周面(外周部)、22b…対向面、22c…反対向面、23…第2アーム部、30…環状磁石(界磁磁石)、30a,30b…側面、30c…外周面、31,31a…第1極間磁石(極間磁石)、32,32a…第2極間磁石(極間磁石)、41…第1背面補助磁石(補助磁石)、42…第2背面補助磁石、51…第1飛散防止部材、52…第2飛散防止部材、61…第1固定板、61a…円板部、61b…貫通穴、61c…支持板部、61d…嵌合穴、62…第2固定部、62a…円板部、62b…貫通穴、62c…支持板部、62d…嵌合穴、71…第1固定板、71a…円板部、71b…貫通穴、71c…支持板部、71d…係止部、72…第2固定板、72a…円板部、72b…貫通穴、72c…支持板部、72d…係止部、80…ロータ、81…上部ロータ、82…下部ロータ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、爪状磁極を有するロータコアを配置したロータ構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
モータに使用されるロータとして、周方向に複数の爪状の磁極を有するロータコアと、ロータコア内に配設された永久磁石とによって構成され、永久磁石の磁束により、各爪状磁極を交互に異なる磁極に機能させるいわゆる永久磁石界磁のランデル型構造のロータが知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
このランデル型構造のロータにおいて、複数の爪状磁極の極間には、永久磁石よりなる極間磁石が配置される。この極間磁石は、ロータの回転に伴う遠心力で飛び出してしまう可能性があることから、それぞれ個々に爪状磁極に対して固定する構造にしていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平5−43749号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、極間磁石をそれぞれ個々に爪状磁極間に固定するためには、非常に高度で、精度の高い組み付けが要求され、かつ、組立工数が増大する。そのため、部品数が増え、効率のよい製造方法で極間磁石をそれぞれ個々に爪状磁極間に固定することはできなかった。
【0006】
本発明は上記問題点を解消するためになされたものであって、その目的は、ロータの周方向に等ピッチの形成された爪状磁極間に配置される極間磁石がロータの回転にて飛び出さないように簡単な構成で実現することができるロータ及びモータを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、第1コアベースの外周部に、等間隔に複数の第1爪状磁極を軸方向に延出形成した第1ロータコアと、第2コアベースの外周部に、等間隔に複数の第2爪状磁極を軸方向に延出形成し、前記各第2爪状磁極をそれぞれ対応する前記第1ロータコアの各第1爪状磁極間に配置した第2ロータコアと、前記第1ロータコアと第2ロータコアとの間に配置され、前記軸方向に磁化され、前記第1爪状磁極を第1の磁極として機能させ、前記第2爪状磁極を第2の磁極として機能させる界磁磁石と、前記第1爪状磁極と前記第2爪状磁極との間に配置され、前記第1及び第2爪状磁極と同極極となるように磁化された極間磁石とを備えたロータであって、前記各極間磁石の軸方向の長さを前記ロータの軸方向よりも長くし、そのロータから出ている部分を固定部材にて固定したことを特徴とするロータ。
【0008】
請求項1の発明によれば、各極間磁石のロータから突出した部分が固定部材にて固定され、極間磁石はロータの回転によりロータから外れることはない。
請求項2の発明は、請求項1に記載のロータにおいて、前記固定部材は、合成樹脂であって、前記ロータから出ている極間磁石の部分を樹脂モールドして形成した。
【0009】
請求項2の発明によれば、各極間磁石のロータから突出した部分を合成樹脂にて固定したことで、極間磁石の露出を防ぎ極間磁石はロータの回転によりロータから外れることはない。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載のロータにおいて、前記固定部材は、前記ロータの軸方向の両側面のみに設け、そのロータから出ている部分を固定部材にて固定した。
【0011】
請求項3の発明によれば、固定部材は、ロータの軸方向の両側面のみに設け、径方向の突出形成させないことから、ステータとロータとの間にエアギャップを短くでき、モータの出力を向上させることができる。
【0012】
請求項4の発明は、請求項1に記載のロータにおいて、前記固定部材は、固定板であって、前記ロータから出ている極間磁石の部分をロータの軸方向の側面から固定した。
請求項4の発明によれば、各極間磁石のロータから突出した部分を固定板にて固定したことで、確実に極間磁石はロータの回転によりロータから外れることはない。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のロータにおいて、前記固定板は、非磁性体よりなる固定板であって、前記ロータから出ている極間磁石の部分をロータの軸方向の少なくともいずれか一方の側面から固定した。
【0014】
請求項5の発明によれば、固定板を非磁性体にしたことで、磁束の流れを変えることなく極間磁石はロータの回転によりロータから外れることはない。また、固定板を第1及び第2ロータコアと別部材であってそれぞれ一体部材なので、部品数が少なくコスト低減を図ることができる。
【0015】
請求項6の発明は、請求項4に記載のロータにおいて、前記固定板は、磁性体の固定板であって、前記ロータから出ている極間磁石の部分をロータの軸方向の少なくともいずれか一方の側面から固定した。
【0016】
請求項6の発明によれば、固定板を磁性体にしたことで、磁気回路を広げ磁気抵抗を小さくでき、モータの出力向上を図ることができる。また、固定板を、磁性体で形成したことから、同固定板を第1及び第2ロータコアの一部としてロータの軸方向の長さを調整することができる。
【0017】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のロータにおいて、前記固定板は、磁石であって、前記ロータから出ている部分をロータの軸方向の少なくともいずれか一方の側面から固定した。
【0018】
請求項7の発明によれば、固定板を磁石とすることで、磁束漏れ防止も図れる。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載のロータを、複数重ね合わせたロータであって、その重ね合わせたられたロータ間から出ている極間磁石の部分を固定部材にて固定したことを特徴とするロータ。
【0019】
請求項8の発明によれば、複数重ね合わせることで、極間磁石がロータの回転によりロータから外れることはない高トルクを発生させるロータにできる。
請求項9に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載のロータを、複数重ね合わせたロータであって、その複数重ね合わせロータから出ている部分をロータの軸方向の少なくともいずれか一方の側面から固定したことを特徴とするロータ。
【0020】
請求項9の発明によれば、複数重ね合わせることとで、極間磁石がロータの回転によりロータから外れることはない高トルクを発生させるロータにできる。
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれか1項に記載のロータを備えたことを特徴とするモータ。
【0021】
請求項10の発明によれば、小型で、高出力のモータを得ることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、ロータの周方向に等ピッチの形成された爪状磁極間に配置される極間磁石をロータの回転にて飛び出さないように簡単な構成で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】第1実施形態のブラシレスモータの断面図。
【図2】ロータの第1ロータコア側から見た斜視図。
【図3】ロータの第2ロータコア側見た斜視図。
【図4】ロータの正面図。
【図5】ロータの軸方向の断面図。
【図6】(a)図2のa−a線断面図、(b)図2のb−b線断面図、(c)図2のc−c線断面図。
【図7】ロータの分解斜視図。
【図8】第2実施形態のロータの第1ロータコア側からみた斜視図。
【図9】ロータの第1固定板の斜視図。
【図10】ロータの第2固定板の斜視図。
【図11】ロータの軸方向の断面図。
【図12】第3実施形態のロータの第1ロータコア側からみた斜視図。
【図13】ロータの第1固定板の斜視図。
【図14】ロータの第2固定板の斜視図。
【図15】ロータの軸方向の断面図。
【図16】第3実施形態の第1及び第2固定板の別例を説明するための断面図。
【図17】第4実施形態のタンデム構造のロータの斜視図。
【図18】第4実施形態のロータの別例を示す斜視図。
【図19】第5実施形態のロータの斜視図。
【図20】第5実施形態のロータの別れを示す斜視図。
【図21】第6実施形態のロータの斜視図。
【図22】第6実施形態のロータの別れを示す斜視図。
【図23】第2実施形態のロータをタンデム構造にした場合の別例を示すロータの軸方向の断面図。
【図24】第3実施形態のロータをタンデム構造にした場合の別例を示すロータの軸方向の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図1〜図7に従って説明する。
図1に示すように、ブラシレスモータ1のモータケース2は、有底筒状に形成されたケースハウジング3と、同ケースハウジング3のフロント側の開口部を閉塞するフロントカバー4とを有している。ケースハウジング3の内周面にはステータ5が固定されている。ステータ5のステータコア6は、鋼板よりなるステータコア片6aを複数積層して形成されている。
【0025】
ステータ5の内側には、図1に示すように、ロータ7が配設され、回転軸8に貫挿固着されている。回転軸8は、本実施形態では非磁性体の金属のシャフトであって、ケースハウジング3の底部及びフロントカバー4に設けられた軸受け9a,9bにより回転可能に支持されている。回転軸8に固着されたロータ7は、ランデル型構造のロータである。
【0026】
ロータ7は、図2、図3及び図7に示すように、第1ロータコア10と、同第1ロータコア10と相対向して配置される第2ロータコア20と、第1ロータコア10と第2ロータコア20との間に配設される環状磁石30(図5、図6(b)及び図7参照)を有している。
【0027】
(第1ロータコア10)
第1ロータコア10は、図7に示すように、第1コアベース12を有し、回転軸8に固着されている。
【0028】
第1コアベース12の外周面12aには等間隔に5個の第1アーム部13が径方向に延出形成されている。第1アーム部13の第2ロータコア20側の先端部には、軸方向であって第2ロータコア20に向かって第1爪状磁極11が延出形成されている。
【0029】
つまり、第1ロータコア10は、第1コアベース12に形成した5個の第1アーム部13から第1爪状磁極11が第2ロータコア20に向かって形成されている。
この第1爪状磁極11の周方向の幅は、隣り合う第1爪状磁極11との間隔に比べて小さくなるように形成されている。これによって、第1コアベース12には、周方向に、第1爪状磁極11が軸方向に向かって櫛歯状に配置される。
【0030】
各第1爪状磁極11は、軸方向から見ると扇状に形成され、各第1爪状磁極11の外周面11a及び内周面11bは第1コアベース12と同心円となる。第1爪状磁極11の内周面11bの内径は、第1コアベース12外径に比べて長くなっている。そして、各第1爪状磁極11は、図7において、その周方向の第2ロータコア20から見て時計回りの第1側面11c及び反時計回りの第2側面11dは平面であって回転軸8の中心軸線Cと直交するようになっている。従って、各第1爪状磁極11は、図4に示すように、径方向から見ると軸方向に長い長方形状となる。
【0031】
(第2ロータコア20)
第2ロータコア20は、図7に示すように、第2コアベース22を有し、回転軸8に固着されている。
【0032】
第2コアベース22の外周面22aには等間隔に5個の第2アーム部23が径方向に延出形成されている。第2アーム部23の第1ロータコア10側の先端部には、軸方向であって第1ロータコア10に向かって第2爪状磁極21が延出形成されている。
【0033】
つまり、第2ロータコア20は、第2コアベース22に形成した5個の第2アーム部23から第2爪状磁極21が第1ロータコア10に向かって形成されている。
この第2爪状磁極21の周方向の幅は、隣り合う第2爪状磁極21との間隔に比べて小さくなるように形成されている。これによって、第2コアベース22には、周方向に、第2爪状磁極21が軸方向に向かって櫛歯状に配置される。
【0034】
また、各第2爪状磁極21は、軸方向からの平面視で扇状に形成され、各第2爪状磁極21の外周面21a及び内周面21bは第2コアベース22と同心円となる。そして、第2爪状磁極21の内周面21bの内径は、第2コアベース22の外径に比べて長くなっている。そして、各第2爪状磁極21は、図7において、その周方向の第1ロータコア10側から見て時計回りの第1側面21c及び反時計回りの第2側面21dは平面であって回転軸8の中心軸線Cと直交するようになっている。従って、各第2爪状磁極21は、図4に示すように、径方向から見ると軸方向に長い長方形状となる。
【0035】
しかも、各第2爪状磁極21の時計回りの第1側面21cは、それぞれ相対向する各第1爪状磁極11の時計回りの第1側面11cと平行に対峙する。同様に、各第2爪状磁極21の反時計回りの第2側面21dは、それぞれ相対向する各第1爪状磁極11の反時計回りの第2側面11dと平行に対峙する。
【0036】
第2ロータコア20は、第1ロータコア10と、図5に示すように、環状磁石30を挟んで重ね合わされる。詳述すると、第2ロータコア20は、軸方向に延びた各第2爪状磁極21が、第1ロータコア10の各第1爪状磁極11の間にそれぞれ嵌合するように、第1ロータコア10に対して、重ね合わされる。このとき、第1及び第2第1爪状磁極11,21の周方向の幅は、それぞれ隣り合う第1及び第2爪状磁極11,21の周方向の間隔よりも小さいため、隣り合う第1爪状磁極11と第2爪状磁極21の周方向の両側面が離間されるようになっている。
【0037】
また、第1ロータコア10と第2ロータコア20が環状磁石30を介して挟持固定されている状態で、第1爪状磁極11の先端面11eは第2コアベース22の反対向面22cと、第2爪状磁極21の先端面21eは第1コアベース12の反対向面12cとそれぞれ同一平面上にあるように形成されている。
【0038】
(環状磁石30)
図7及び図4に示すように、第1ロータコア10と第2ロータコア20の間に挟持された環状磁石30は、軸方向の両側面30a,30bが第1及び第2コアベース12,22の対向面12b,22bにそれぞれ当接されている。環状磁石30の外周面30cは、第1及び第2コアベース12,22の外周面12a,22aと中心軸線Cを中心とした同心円で形成され、その環状磁石30の外径は第1及び第2コアベース12,22の外径と同一となるように形成されている。
【0039】
環状磁石30は、軸方向に磁化され、第1コアベース12側をN極、第2コアベース22側をS極となるように磁化されている。従って、この環状磁石30によって、第1ロータコア10の各第1爪状磁極11はN極(第1の磁極)として機能し、第2ロータコア20の各第2爪状磁極21は、S極(第2の磁極)として機能する。
【0040】
(第1及び第2極間磁石31,32)
第1爪状磁極11の第1側面11cと第2爪状磁極21の第1側面21cとの間には、軸方向に長い四角柱状の第1極間磁石31がそれぞれ挟持固着されている。各第1極間磁石31は、その軸方向の両端部が、それぞれ第1及び第2コアベース12,22の反対向面12c,22cから長さDだけ突出形成されている。また、第1極間磁石31の径方向の外側面は、第1及び第2爪状磁極11,21の外周面11a,21aと同一曲面となるように形成されている。
【0041】
各第1極間磁石31は、周方向に磁化され、N極として機能している第1爪状磁極11側を同極のN極となるように、また、S極として機能している第2爪状磁極21側を同極のS極となるようにそれぞれ磁化されている。
【0042】
一方、第1爪状磁極11の第2側面11dと第2爪状磁極21の第2側面21dとの間には、軸方向に長い四角柱状の第2極間磁石32がそれぞれ挟持固着されている。各第2極間磁石32は、その軸方向の両端部が、第1極間磁石31と同様に、それぞれ第1及び第2コアベース12,22の反対向面12c,22cから長さDだけ突出形成されている。また、第2極間磁石32の径方向の外側面は、第1及び第2爪状磁極11,21の外周面11a,21aと同一曲面となるように形成されている。
【0043】
各第2極間磁石32は、周方向に磁化され、N極として機能している第1爪状磁極11側を同極のN極となるように、また、S極として機能している第2爪状磁極21側を同極のS極となるようにそれぞれ磁化されている。
【0044】
つまり、第1極間磁石31と第2極間磁石32は、その磁化方向が周方向において逆方向に磁化されている。
(第1背面補助磁石41及び第2背面補助磁石42)
図5に示すように、第2爪状磁極21の内周面21b、環状磁石30の外周面、第1コアベース12、第1及び第2極間磁石31,32にて囲まれ、第1ロータコア10側が開口した空間内には、第1背面補助磁石41がそれぞれ嵌合固着される。
【0045】
第1背面補助磁石41は、径方向に磁化され、第2爪状磁極21の内周面21bに当接する側を、第2爪状磁極21と同極のS極に、第1コアベース12に当接する側を同第1コアベース12と同極のN極となるように磁化されている。
【0046】
図5に示すように、第1爪状磁極11の内周面11b、環状磁石30の外周面、第2コアベース22、第1及び第2極間磁石31,32にて囲まれ、第2ロータコア20側が開口した空間内には、第2背面補助磁石42がそれぞれ嵌合固着される。
【0047】
第2背面補助磁石42は、径方向に磁化され、第1爪状磁極11の内周面11bに当接する側を、第1爪状磁極11と同極のN極に、第2コアベース22に当接する側を同第2コアベース22と同極のS極となるように磁化されている。
【0048】
つまり、第1コアベース12の部分(図5参照)は、図6(a)に示すように、ステータ5側がS極の第1背面補助磁石41として機能する第2爪状磁極21と、第1背面補助磁石41によってN極の突極として機能する第1爪状磁極11とが、周方向に交互に配置される。
【0049】
また、第2コアベース22の部分(図5参照)は、図6(c)に示すように、ステータ5側がN極の第2背面補助磁石42として機能する第1爪状磁極11と、第2背面補助磁石42によってS極の突極として機能する第2爪状磁極21とが、周方向に交互に配置される。
【0050】
さらに、環状磁石30の部分は、図6(b)に示すように、第1背面補助磁石41によってステータ5側がN極として機能する第1爪状磁極11と、第2背面補助磁石42によってステータ5側がS極として機能する第2爪状磁極21とが、周方向に交互に配置されたランデル型構造となる。
【0051】
(第1飛散防止部材51及び第2飛散防止部材52)
第1ロータコア10であって第1及び第2極間磁石31,32が突出した第1コアベース12の反対向面12cには、第1飛散防止部材51が形成されている。第1飛散防止部材51は、突出した第1及び第2極間磁石31,32を含む第1コアベース12の反対向面12c全体を合成樹脂でモールドして形成しもので、第1背面補助磁石41、第1及び第2極間磁石31,32が、軸方向及び径方向に強固に固定される。
【0052】
また、第2ロータコア20であって第1及び第2極間磁石31,32が突出した第2コアベース22の反対向面22cには、第2飛散防止部材52が形成されている。第2飛散防止部材52は、突出した第1及び第2極間磁石31,32を含む第2コアベース22の反対向面22c全体を合成樹脂でモールドしたもので、第2背面補助磁石42、第1及び第2極間磁石31,32が、軸方向及び径方向に強固に固定される。
【0053】
従って、第1及び第2飛散防止部材51,52によって、第1及び第2背面補助磁石41,42、第1及び第2極間磁石31,32が、軸方向及び径方向に強固に固定されることから、ロータ7が回転した時、遠心力で第1背面補助磁石41、第1及び第2極間磁石31,32が、軸方向及び径方向に飛び出すことはない。
【0054】
次に、上記のように構成した第1実施形態の作用を以下に記載する。
第1及び第2極間磁石31,32が突出した第1コアベース12の反対向面12cと第1及び第2極間磁石31,32が突出した第2コアベース22の反対向面22cに、第1及び第2飛散防止部材51,52を形成した。
【0055】
そして、第1及び第2飛散防止部材51,52は、第1及び第2背面補助磁石41,42、第1及び第2極間磁石31,32を、軸方向及び径方向に強固に固定する。これによって、ロータ7が回転した時、遠心力で第1背面補助磁石41、第1及び第2極間磁石31,32は、軸方向及び径方向への飛び出しが規制される。
【0056】
また、第1及び第2飛散防止部材51,52は、第1コアベース12の反対向面12cと第2コアベース22の反対向面22cのみに形成したことから、ステータ5とロータ7のエアギャップを短くできる。
【0057】
上記第1実施形態によれば以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、第1及び第2飛散防止部材51,52によって、第1及び第2極間磁石31,32が露出することなく、軸方向及び径方向に強固に固定される。その結果、ロータ7が回転した時、遠心力で第1及び第2極間磁石31,32は、軸方向及び径方向に飛び出すことはない。
【0058】
(2)本実施形態によれば、第1及び第2飛散防止部材51,52を、第1コアベース12の反対向面12cと第2コアベース22の反対向面22cのみに形成したので、ステータ5とロータ7のエアギャップを短くでき、モータの出力向上を図ることができる。
【0059】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について、図8〜図11に従って説明する。
本実施形態は、ロータ7に設けた第1及び第2背面補助磁石41,42、第1及び第2極間磁石31,32の飛散防止構造に特徴を有し、その他の構成は上記第1実施形態と同様な構成である。そのため説明の便宜上、特徴部分のみ詳細に説明し共通する部分については符号を同じにして省略する。
【0060】
図8〜図11に示すように、第1コアベース12の反対向面12c及び第2コアベース22の反対向面22cには、飛散防止用の第1及び第2固定板61,62がそれぞれ固着されている。第1及び第2固定板61,62は本実施形態では、非磁性体で形成されている。
【0061】
第1固定板61は、図9に示すように、円板部61aを有し、その厚さが第1コアベース12の反対向面12cから突出する第1及び第2極間磁石31,32の長さDと一致する厚さに形成されている。円板部61aの中央部には、回転軸8を貫通する貫通穴61bが貫通形成されている。
【0062】
第1固定板61は、その円板部61aの外周部には10個の嵌合穴61dが等ピッチで貫通形成されている。そして、円板部61aの嵌合穴61d間を支持板部61cとしている。各嵌合穴61dは、第1コアベース12の反対向面12cから突出した第1及び第2極間磁石31,32を嵌合固着する。
【0063】
第2固定板62は、図10に示すように、円板部62aを有し、その厚さが第2コアベース22の反対向面22cから突出する第1及び第2極間磁石31,32の長さDと一致する厚さに形成されている。円板部62aの中央部には、回転軸8を貫通する貫通穴62bが貫通形成されている。
【0064】
第2固定板62は、その円板部62aの外周部には10個の嵌合穴62dが等ピッチで貫通形成されている。そして、円板部62aの嵌合穴62d間を支持板部62cとしている。各嵌合穴62dは、第2コアベース22の反対向面22cから突出した第1及び第2極間磁石31,32を嵌合固着する。
【0065】
次に、上記のように構成した第2実施形態の作用を以下に記載する。
第1及び第2極間磁石31,32が突出した第1コアベース12の反対向面12cと第1及び第2極間磁石31,32が突出した第2コアベース22の反対向面22cに、第1及び第2固定板61,62を形成した。
【0066】
そして、第1及び第2固定板61,62は、第1及び第2背面補助磁石41,42、第1及び第2極間磁石31,32を、軸方向及び径方向に強固に固定する。これによって、ロータ7が回転した時、遠心力で第1背面補助磁石41、第1及び第2極間磁石31,32は、軸方向及び径方向への飛び出しが規制される。
【0067】
また、第1及び第2固定板61,62は、第1コアベース12の反対向面12cと第2コアベース22の反対向面22cのみに形成したことから、ステータ5とロータ7のエアギャップを短くできる。
【0068】
また、第1及び第2固定板61,62を、非磁性体で形成した。第1ロータコア10と第2ロータコア20の間に挟持された環状磁石30から出る磁束は、第1固定板61によって、図11矢印に示すように、第1コアベース12内を通って第1爪状磁極11に案内される。また、第1爪状磁極11からの磁束は、第2固定板62によって、第2コアベース22内を通って環状磁石30に案内される。
【0069】
つまり、第1コアベース12の反対向面12c及び第2コアベース22の反対向面22cから軸線方向に磁束が漏れることはない。
上記第2実施形態によれば、第1実施形態の(1)(2)の効果に加えて以下の効果を有する。
【0070】
(1)本実施形態によれば、第1及び第2固定板61,62を、非磁性体で形成したので、磁束の流れを変えることなく、第1及び第2極間磁石31,32はロータ7の回転によりロータ7から外れることはない。
【0071】
(2)本実施形態では、第1及び第2固定板61,62を第1及び第2ロータコア10,20と別部材であってそれぞれ一体部材なので、部品数が少なくコスト低減を図ることができる。しかも、第1及び第2固定板61,62は、ともに同一形状なので部品管理が容易となる。
【0072】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について、図12〜図15に従って説明する。
本実施形態は、ロータ7に設けた第1及び第2背面補助磁石41,42、第1及び第2極間磁石31,32の飛散防止構造に特徴を有し、その他の構成は上記第1実施形態と同様な構成である。そのため説明の便宜上、特徴部分のみ詳細に説明し共通する部分については符号を同じにして省略する。
【0073】
図12〜図15に示すように、第1コアベース12の反対向面12c及び第2コアベース22の反対向面22cには、飛散防止用の第1及び第2固定板71,72がそれぞれ固着されている。第1及び第2固定板71,72は本実施形態では、磁性体で形成されている。
【0074】
第1固定板71は、図13に示すように、円板部71aを有し、その厚さが第1コアベース12の反対向面12cから突出する第1及び第2極間磁石31,32の長さDと一致する厚さに形成されている。円板部71aの中央部には、回転軸8を貫通する貫通穴71bが貫通形成されている。
【0075】
第1固定板71は、その円板部71aの外周面から径方向に5個の支持板部71cが等ピッチに延出形成されている。各支持板部71cの径方向の先端は、第1ロータコア10に形成された第1アーム部13の先端まで形成されている。
【0076】
また、各支持板部71cに周方向の幅は、第1ロータコア10に形成された第1アーム部13の周方向の幅と一致させている。各支持板部71cの先端部には、円弧状の係止板部71dが周方向に形成されている。
【0077】
そして、第1固定板71は、円板部71aと5個の支持板部71cとで第1コアベース12の反対向面12cを塞ぐとともに、各支持板部71c間から第1及び第2極間磁石31,32を露出させるように第1ロータコア10に固着する。この時、環状の各係止板部71dは、第1爪状磁極11の両側に配置された第1及び第2極間磁石31,32であって第1コアベース12の反対向面12cから突出した部分の一部を係止する。
【0078】
第2固定板72は、図14に示すように、円板部72aを有し、その厚さが第2コアベース22の反対向面22cから突出する第1及び第2極間磁石31,32の長さDと一致する厚さに形成されている。円板部72aの中央部には、回転軸8を貫通する貫通穴72bが貫通形成されている。
【0079】
第2固定板72は、図14に示すように、その円板部72aの外周面から径方向に5個の支持板部72cが等ピッチに延出形成されている。各支持板部72cの径方向の先端は、第2ロータコア20に形成された第2アーム部23の先端まで形成されている。
【0080】
また、各支持板部72cに周方向の幅は、第2ロータコア20に形成された第2アーム部23の周方向の幅と一致させている。各支持板部72cの先端部には、円弧状の係止板部72dが周方向に形成されている。
【0081】
そして、第2固定板72は、円板部72aと5個の支持板部72cとで第2コアベース22の反対向面22cを塞ぐとともに、各支持板部72c間から第1及び第2極間磁石31,32を露出させるように第2ロータコア20に固着する。この時、環状の各係止板部72dは、第2爪状磁極21の両側に配置された第1及び第2極間磁石31,32であって第2コアベース22の反対向面22cから突出した部分の一部を係止する。
【0082】
次に、上記のように構成した第3実施形態の作用を以下に記載する。
第1及び第2極間磁石31,32が突出した第1コアベース12の反対向面12cと第1及び第2極間磁石31,32が突出した第2コアベース22の反対向面22cに、第1及び第2固定板71,72を形成した。
【0083】
第1固定板71は、支持板部71cにて第1及び第2背面補助磁石41,42、第1及び第2極間磁石31,32を軸方向に挟持固定し、係止板部71dにて第1コアベース12の反対向面12cから突出した第1及び第2極間磁石31,32の一部を径方向に係止する。
【0084】
また、第2固定板72は、支持板部72cにて第1及び第2背面補助磁石41,42、第1及び第2極間磁石31,32を軸方向に挟持固定し、係止板部72dにて第2コアベース22の反対向面22cから突出した第1及び第2極間磁石31,32の一部を径方向に係止する。
【0085】
これによって、ロータ7が回転した時、遠心力で第1背面補助磁石41、第1及び第2極間磁石31,32は、軸方向及び径方向への飛び出しが規制される。
また、第1及び第2固定板71,72を、磁性体で形成したので、図15に示すように、磁束が第1及び第2固定板71,72内を通ることができる。その結果、第1ロータコア10の第1コアベース12部分の磁路を、第1及び第2固定板71,72の厚さ分、大きくできる。すなわち、磁気回路を広げることができる。
【0086】
上記第3実施形態によれば、第1及び第2実施形態の(1)及び第2実施形態の(1)(2)の効果に加えて以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、第1及び第2固定板71,72を、磁性体で形成したことから、磁気回路を広げ磁気抵抗を小さくでき、モータの出力向上を図ることができる。
【0087】
(2)本実施形態によれば、第1及び第2固定板71,72を、磁性体で形成したことから、同第1及び第2固定板71,72を第1及び第2ロータコア10,20の一部としてロータ7の軸方向の長さを調整することができる。
【0088】
尚、第3実施形態では、第1及び第2固定板71,72を、磁性体で形成した。これを、第1及び第2固定板71,72を、磁束漏れ防止用の永久磁石で形成して実施してもよい。この場合、図16に示すように、永久磁石からなる第1固定板71は、第1コアベース12側をN極、反第1コアベース12側をS極にし、永久磁石からなる第2固定板72は、第2コアベース22側をS極、反第2コアベース22側をN極にする必要がある。
【0089】
これによって、飛散防止が図れるとともに軸方向の磁束漏れ防止も図れる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
【0090】
本実施形態は、第1及び第2ロータコア10,20からなるロータ7を複数(本実施形態では2個)重ねあわせて1つ(タンデム構造)のロータ80を形成した点に特徴を有する。そのため説明の便宜上、特徴部分のみ詳細に説明し共通する部分については符号を同じにして省略する。
【0091】
図17に示すように、本実施形態のロータ80は、上部ロータ81と下部ロータ82が軸線方向に重なって互いに固定されることによって形成されている。そして、上部ロータ81と下部ロータ82は、第1及び第2極間磁石31a,32aを互いに共有している。
【0092】
上部ロータ81は、第1実施形態で示すロータ7と同様に、第1及び第2ロータコア10,20、環状磁石30、下部ロータ82と共有する第1及び第2極間磁石31a,32aで構成されている。上部ロータ81は、図17において、上側に第1ロータコア10が下側に第2ロータコア20が配置される。
【0093】
そして、上部ロータ81であって第1及び第2爪状磁極11,21の両側にそれぞれ配置される側の第1及び第2極間磁石31a,32aは、それぞれ第1及び第2コアベース12,22の反対向面12c,22cから突出形成されていない構造になっている。つまり、第1及び第2爪状磁極11,21の軸方向の先端面は、それぞれ第1及び第2コアベース12,22の反対向面12c,22cと面一となっている。
【0094】
下部ロータ82は、第1実施形態で示すロータ7と同様に、第1及び第2ロータコア10,20、環状磁石30、上部ロータ81と共有する第1及び第2極間磁石31a,32aで構成されている。下部ロータ82は、図17において、上側に第2ロータコア20が下側に第1ロータコア10が配置される。
【0095】
そして、この下部ロータ82であって第1及び第2爪状磁極11,21の両側にそれぞれ配置される側の第1及び第2極間磁石31a,32aは、それぞれ第1及び第2コアベース12,22の反対向面12c,22cから突出形成されていない構造になっている。つまり、第1及び第2爪状磁極11,21の軸方向の先端面は、それぞれ第1及び第2コアベース12,22の反対向面12c,22cと面一となっている。
【0096】
上部ロータ81と下部ロータ82の間には、所定の間隔、本実施形態では第2実施形態の非磁性体からなる第2固定板62の厚さ分(第1実施形態の第1及び第2極間磁石の突出長さD)の間隔が設けられている。そして、その上部ロータ81と下部ロータ82の間には、第2実施形態の非磁性体からなる図10に示す第2固定板62が配設されている。
【0097】
そして、第2固定板62は、上部ロータ81と下部ロータ82との間に突出した第1及び第2極間磁石31a,32aの部分を、第2固定板62の嵌合穴62dにそれぞれ嵌め込む。そして、第2固定板62は、下部ロータ82の第2コアベース22の反対向面22cに固着される。
【0098】
つまり、上部ロータ81と下部ロータ82が第2固定板62を介して連結固定されて、タンデム構造の1つのロータ80が形成される。
次に、上記のように構成した第4実施形態の作用を以下に記載する。
【0099】
上部ロータ81と下部ロータ82と重ね合わせるとき、第1及び第2極間磁石31a,32aを互いに共有させて重ねる。これによって、上部ロータ81と下部ロータ82が第2固定板62を介してタンデム構造の1つのロータ80が形成される。
【0100】
また、上部ロータ81と下部ロータ82と間に配置した第2固定板62の嵌合穴62dにて、第1及び第2極間磁石31a,32aが、軸方向及び径方向に強固に固定される。これによって、ロータ7が回転した時、遠心力で、第1及び第2極間磁石31a,32aが、軸方向及び径方向に飛び出しが規制される。
【0101】
上記第4実施形態によれば以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、上部ロータ81と下部ロータ82の間に置いて、1つの第2固定板62にて、タンデム構造のロータ80を形成した。従って、上部ロータ81と下部ロータ82を直接重ね合わせ、上下両側から2つの固定手段でタンデム構造のロータを形成するのに比べて部品点数を少なくすることができる。
【0102】
(2)本実施形態によれば、第2固定板62の嵌合穴62dによって、上部及び下部ロータ81,82が共有する第1及び第2極間磁石31a,32aが、軸方向及び径方向に強固に固定される。その結果、ロータ80が回転した時、遠心力で上部及び下部ロータ81,82が共有する第1及び第2極間磁石31a,32aは、軸方向及び径方向に飛び出すことはない。
【0103】
尚、第4実施形態では、上部ロータ81と下部ロータ82の間に、第2固定板62を設けた。これを、図18に示すように、第3実施形態で示した非磁性体よりなる図14に示す第2固定板72を介在させてもよい。勿論、非磁性体あるいは磁性体が好ましいが、この第2固定板72が永久磁石であってもよい。
【0104】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について説明する。
本実施形態は、第4実施形態のタンデム構造のロータ80に設けた第1及び第2極間磁石31a,32aに特徴を有し、それに伴って第1及び第2極間磁石31a,32aの飛散防止構造に特徴を有する。そのため説明の便宜上、特徴部分のみ詳細に説明し共通する部分については符号を同じにして省略する。
【0105】
図19に示すように、上部ロータ81と下部ロータ82は、第4実施形態で示す上部ロータ81及び下部ロータ82と同様に、互いに共有する第1及び第2極間磁石31a,32aを有している。上部ロータ81は、上側に第1ロータコア10が下側に第2ロータコア20が配置され、下部ロータ82は、上側に第2ロータコア20が下側に第1ロータコア10が配置される。そして、上部ロータ81と下部ロータ82との間には、第4実施形態と同様に、第2固定板62が設けられている。
【0106】
第1及び第2極間磁石31a,32aであって上部ロータ81側の端部には、第4実施形態と相違して、それぞれ上部ロータ81の第1コアベース12の反対向面12cから突出形成されている。つまり、第1実施形態と同様に長さDだけ突出させている。そして、上部ロータ81の第1コアベース12の反対向面12cには、第2実施形態で示した第1固定板61がそれぞれ固着されている。
【0107】
また、第1及び第2極間磁石31a,32aであって下部ロータ82側の端部には、第4実施形態と相違して、それぞれ下部ロータ82の第1コアベース12の反対向面12cから突出形成されている。つまり、第1実施形態と同様に長さDだけ突出させている。そして、下部ロータ82の第1コアベース12の反対向面12cには、第2実施形態で示した第1固定板61がそれぞれ固着されている。
【0108】
次に、上記のように構成した第5実施形態の作用を以下に記載する。
第1固定板61を上部ロータ81の第1コアベース12の反対向面12cに固着することにより、上部ロータ81の第1コアベース12の反対向面12cから突出した第1及び第2極間磁石31a,32aの部分が係止される。
【0109】
また、第1固定板61を下部ロータ82の第1コアベース12の反対向面12cに固着することにより、下部ロータ82の第1コアベース12の反対向面12cから突出した第1及び第2極間磁石31a,32aの部分が係止される。
【0110】
これによって、第1及び第2極間磁石31a,32aが、軸方向及び径方向に飛び出しが規制される。
上記第5実施形態によれば以下の効果を有する。
【0111】
(1)本実施形態によれば、上部ロータ81と下部ロータ82の第1コアベース12の反対向面12cに第1固定板61を固着したので、上部及び下部ロータ81,82が共有する第1及び第2極間磁石31a,32aが、軸方向及び径方向に対してより強固に固定される。その結果、タンデム構造のロータ80が回転した時、遠心力にて第1及び第2極間磁石31a,32aは、径方向に飛び出すことはない。
【0112】
尚、第5実施形態では、第1固定板61を上部及び下部ロータ81,82の第1コアベース12の反対向面12cに第1実施形態の第1固定板61を固着した。これを、図20に示すように、第3実施形態で示した非磁性体よりなる第1固定板71を上部及び下部ロータ81,82の第1コアベース12の反対向面12cに第1実施形態の第1固定板61を固着して実施してもよい。
【0113】
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態について説明する。
本実施形態は、第1及び第2極間磁石31a,32aの飛び出し防止構造が、第5実施形態に示すタンデム構造のロータ80と相違する。そのため説明の便宜上、相違する部分のみ詳細に説明し共通する部分については符号を同じにして省略する。
【0114】
図21に示すように、本実施形態のロータ80は、上部ロータ81と下部ロータ82の間に、図14に示す非磁性体よりなる第3実施形態で示した第2固定板72を介在させている。一方、上部及び下部ロータ81,82の第1コアベース12の反対向面12cには、第3実施形態で示した第1固定板71がそれぞれ固着されている。
【0115】
次に、上記のように構成した第6実施形態の作用を以下に記載する。
第1固定板71を上部ロータ81の第1コアベース12の反対向面12cに固着することにより、上部ロータ81の第1コアベース12の反対向面12cから突出した第1及び第2極間磁石31a,32aの部分が係止される。
【0116】
また、第1固定板71を下部ロータ82の第1コアベース12の反対向面12cに固着することにより、下部ロータ82の第1コアベース12の反対向面12cから突出した第1及び第2極間磁石31a,32aの部分が係止される。
【0117】
これによって、第1及び第2極間磁石31a,32aが、軸方向及び径方向に飛び出しが規制される。
上記第6実施形態によれば以下の効果を有する。
【0118】
(1)本実施形態によれば、上部ロータ81と下部ロータ82の第1コアベース12の反対向面12cに第1固定板71を固着したので、上部及び下部ロータ81,82が共有する第1及び第2極間磁石31a,32aが、軸方向及び径方向により強固に固定される。その結果、タンデム構造のロータ80が回転した時、遠心力で第1及び第2極間磁石31a,32aは、径方向に飛び出すことはない。
【0119】
尚、第6実施形態では、上部ロータ81の第1及び第2コアベース12,22の反対向面12c,22cに、第1固定板71を設けた。これを、図22に示すように、第2実施形態で示した非磁性体よりなる第1固定板61を固着させてもよい。
【0120】
また、各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・上記第1〜第3実施形態では、ロータ7の軸方向の両側に固定部材を設けたが、いずれ一方に設けて実施してもよい。
【0121】
・上記第2実施形態において、ロータ7を2つ重ねて、図23に示すタンデム構造のロータ80に応用してもよい。この場合、タンデム構造のロータ80は上部ロータ81と下部ロータ82は、互いに共有する極間磁石31a,32aを有している。
【0122】
そして、上部ロータ81の第2コアベース22の反対向面22cと下部ロータ82の第2コアベース22の反対向面22cとを密接させる。また、上部ロータ81の第1コアベース12の反対向面12cと下部ロータ82の第1コアベース12の反対向面12cに第1固定板61をそれぞれ固着させる。
【0123】
これによって、上部ロータ81と下部ロータ82との間に、第2固定板62が介在しないタンデム構造のロータ80を形成することができる。
・上記第3実施形態において、ロータ7を2つ重ねて、図24に示すタンデム構造のロータ80に応用してもよい。この場合、タンデム構造のロータ80は上部ロータ81と下部ロータ82は、互いに共有する極間磁石31a,32aを有している。
【0124】
そして、上部ロータ81の第2コアベース22の反対向面22cと下部ロータ82の第2コアベース22の反対向面22cとを密接させる。また、上部ロータ81の第1コアベース12の反対向面12cと下部ロータ82の第1コアベース12の反対向面12cに第1固定板71をそれぞれ固着させる。
【0125】
これによって、上部ロータ81と下部ロータ82との間に、第2固定板72が介在しないタンデム構造のロータ80を形成することができる。この場合にも、第1固定板71を永久磁石で形成してもよいことは勿論である。
【符号の説明】
【0126】
1…ブラシレスモータ(モータ)、2…モータケース、3…ケースハウジング、4…フロントカバー、5…ステータ、6…ステータコア、6a…ステータコア片、7…ロータ、8…回転軸、9a,9b…軸受け、10…第1ロータコア、11…第1爪状磁極、11a…外周面、11b…内周面、11c…第1側面、11d…第2側面、11e…先端面、12…第1コアベース、12a…外周面(外周部)、12b…対向面、12c…反対向面、13…第1アーム部、20…第2ロータコア、21…第2爪状磁極、21a…外周面、21b…内周面、21c…第1側面、21d…第2側面、21e…先端面、22…第2コアベース、22a…外周面(外周部)、22b…対向面、22c…反対向面、23…第2アーム部、30…環状磁石(界磁磁石)、30a,30b…側面、30c…外周面、31,31a…第1極間磁石(極間磁石)、32,32a…第2極間磁石(極間磁石)、41…第1背面補助磁石(補助磁石)、42…第2背面補助磁石、51…第1飛散防止部材、52…第2飛散防止部材、61…第1固定板、61a…円板部、61b…貫通穴、61c…支持板部、61d…嵌合穴、62…第2固定部、62a…円板部、62b…貫通穴、62c…支持板部、62d…嵌合穴、71…第1固定板、71a…円板部、71b…貫通穴、71c…支持板部、71d…係止部、72…第2固定板、72a…円板部、72b…貫通穴、72c…支持板部、72d…係止部、80…ロータ、81…上部ロータ、82…下部ロータ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1コアベースの外周部に、等間隔に複数の第1爪状磁極を軸方向に延出形成した第1ロータコアと、
第2コアベースの外周部に、等間隔に複数の第2爪状磁極を軸方向に延出形成し、前記各第2爪状磁極をそれぞれ対応する前記第1ロータコアの各第1爪状磁極間に配置した第2ロータコアと、
前記第1ロータコアと第2ロータコアとの間に配置され、前記軸方向に磁化され、前記第1爪状磁極を第1の磁極として機能させ、前記第2爪状磁極を第2の磁極として機能させる界磁磁石と、
前記第1爪状磁極と前記第2爪状磁極との間に配置され、前記第1及び第2爪状磁極と同極極となるように磁化された極間磁石と
を備えたロータであって、
前記各極間磁石の軸方向の長さを前記ロータの軸方向よりも長くし、そのロータから出ている部分を固定部材にて固定したことを特徴とするロータ。
【請求項2】
請求項1に記載のロータにおいて、
前記固定部材は、合成樹脂であって、前記ロータから出ている極間磁石の部分を樹脂モールドして形成したことを特徴とするロータ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のロータにおいて、
前記固定部材は、前記ロータの軸方向の両側面のみに設け、そのロータから出ている部分を固定部材にて固定したことを特徴とするロータ。
【請求項4】
請求項1に記載のロータにおいて、
前記固定部材は、固定板であって、前記ロータから出ている極間磁石の部分をロータの軸方向の側面から固定したことを特徴とするロータ。
【請求項5】
請求項4に記載のロータにおいて、
前記固定板は、非磁性体よりなる固定板であって、前記ロータから出ている極間磁石の部分をロータの軸方向の少なくともいずれか一方の側面から固定したことを特徴とするロータ。
【請求項6】
請求項4に記載のロータにおいて、
前記固定板は、磁性体の固定板であって、前記ロータから出ている極間磁石の部分をロータの軸方向の少なくともいずれか一方の側面から固定したことを特徴とするロータ。
【請求項7】
請求項6に記載のロータにおいて、
前記固定板は、磁石であって、前記ロータから出ている部分をロータの軸方向の少なくともいずれか一方の側面から固定したことを特徴とするロータ。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のロータを、複数重ね合わせたロータであって、
その重ね合わせたられたロータ間から出ている極間磁石の部分を固定部材にて固定したことを特徴とするロータ。
【請求項9】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のロータを、複数重ね合わせたロータであって、
その複数重ね合わせロータから出ている部分をロータの軸方向の少なくともいずれか一方の側面から固定したことを特徴とするロータ。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載のロータを備えたことを特徴とするモータ。
【請求項1】
第1コアベースの外周部に、等間隔に複数の第1爪状磁極を軸方向に延出形成した第1ロータコアと、
第2コアベースの外周部に、等間隔に複数の第2爪状磁極を軸方向に延出形成し、前記各第2爪状磁極をそれぞれ対応する前記第1ロータコアの各第1爪状磁極間に配置した第2ロータコアと、
前記第1ロータコアと第2ロータコアとの間に配置され、前記軸方向に磁化され、前記第1爪状磁極を第1の磁極として機能させ、前記第2爪状磁極を第2の磁極として機能させる界磁磁石と、
前記第1爪状磁極と前記第2爪状磁極との間に配置され、前記第1及び第2爪状磁極と同極極となるように磁化された極間磁石と
を備えたロータであって、
前記各極間磁石の軸方向の長さを前記ロータの軸方向よりも長くし、そのロータから出ている部分を固定部材にて固定したことを特徴とするロータ。
【請求項2】
請求項1に記載のロータにおいて、
前記固定部材は、合成樹脂であって、前記ロータから出ている極間磁石の部分を樹脂モールドして形成したことを特徴とするロータ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のロータにおいて、
前記固定部材は、前記ロータの軸方向の両側面のみに設け、そのロータから出ている部分を固定部材にて固定したことを特徴とするロータ。
【請求項4】
請求項1に記載のロータにおいて、
前記固定部材は、固定板であって、前記ロータから出ている極間磁石の部分をロータの軸方向の側面から固定したことを特徴とするロータ。
【請求項5】
請求項4に記載のロータにおいて、
前記固定板は、非磁性体よりなる固定板であって、前記ロータから出ている極間磁石の部分をロータの軸方向の少なくともいずれか一方の側面から固定したことを特徴とするロータ。
【請求項6】
請求項4に記載のロータにおいて、
前記固定板は、磁性体の固定板であって、前記ロータから出ている極間磁石の部分をロータの軸方向の少なくともいずれか一方の側面から固定したことを特徴とするロータ。
【請求項7】
請求項6に記載のロータにおいて、
前記固定板は、磁石であって、前記ロータから出ている部分をロータの軸方向の少なくともいずれか一方の側面から固定したことを特徴とするロータ。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のロータを、複数重ね合わせたロータであって、
その重ね合わせたられたロータ間から出ている極間磁石の部分を固定部材にて固定したことを特徴とするロータ。
【請求項9】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のロータを、複数重ね合わせたロータであって、
その複数重ね合わせロータから出ている部分をロータの軸方向の少なくともいずれか一方の側面から固定したことを特徴とするロータ。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載のロータを備えたことを特徴とするモータ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
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【図8】
【図9】
【図10】
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【図23】
【図24】
【公開番号】特開2013−99105(P2013−99105A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−239517(P2011−239517)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000101352)アスモ株式会社 (1,622)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000101352)アスモ株式会社 (1,622)
【Fターム(参考)】
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