説明

ロードセル

【課題】計測箇所に固定される固定ブロック2と、変位可能な可動ブロック5とに亘って薄板材からなる弾性ビーム3を連結し、可動ブロック5の変位に伴う弾性ビーム3の撓み変形を検出するよう構成したロードセルにおいて、弾性アーム3の撓み変形における支点のずれの発生を阻止して、計測精度の低下を防止する。
【解決手段】固定ブロック2と可動ブロック5とに亘って連結する弾性ビーム3の両端部を、固定ブロック2および可動ブロック5と押圧板6,7とで押圧挟持して連結支持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組立て型のロバーバル機構を備えたロードセルに関する。
【背景技術】
【0002】
ロードセルに用いられるロバーバル機構としては、単一の素材を切り抜き切削して、計測箇所に連結固定する固定部、変位可能な可動部、および、撓み変形可能な弾性ビーム部とを一体に形成した一体型のものと、薄板材からなる弾性ビームを固定ブロックと可動ブロックに亘って架設連結した組立て型のもの(例えば、特許文献1参照)とが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−151047号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ロバーバル機構を有する一体型のロードセルでは、単一の素材を用いた簡素で取り扱いやすい構造であるが、その反面、素材を大きく切り抜き切削するために素材の無駄が多くて材料コストが高いものとなる。また、加工された形状によって特性が画一化されたものとなり、要求される特性が変わればそれに応じたものを製作し直す必要があり、また、弾性ビーム部など一部に損傷が発生したような場合でも全体を取り替える必要があった。
【0005】
これに対して、ロバーバル機構を有する組立て型のロードセルでは、部品数は多くなるが、各部品は歩留まりよく加工することができ、全体としては安価に製作することができる。また、仕様の異なる弾性ビームと可動ブロックとの組み合わせで種々の特性のものを得ることができ、要求される特性に応じたものを容易かつ安価に製作することができる。また、一部の部品が損傷しても容易に交換することができる。
【0006】
このように組立て型のロードセルは、上記したような利点を有するのであるが、例えば、上記特許文献1では、弾性ビームを固定ブロックおよび可動ブロックに亘って架設連結するのに、単純にボルトで弾性ビームを各ブロックに締付け連結した構造であったために、負荷によって弾性ビームが撓み変形する際に、ボルト締付け箇所から外れた箇所で、弾性ビームの一部が固定ブロックや可動ブロックのビーム取付け面から局部的に浮き上がり変形してしまうことがある。このロバーバル機構においては、固定ブロックや可動ブロックのビーム取付け面の端縁を、弾性ビームの撓み変形における支点として設計しているのであるが、上記のように弾性ビームが固定ブロックや可動ブロックのビーム取付け面から浮き上がり変形することで前記支点がずれて計測精度が低下してしまう。
【0007】
本発明は、このような実情に着目してなされたものであって、組立て型のロバーバル機構を備えたロードセルにおいて、弾性ビームの撓み変形時における支点ずれの発生を阻止して、計測精度の低下を防止することを主たる目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明では次のように構成している。
【0009】
(1)本発明に係るロードセルは、固定ブロックと、変位可能な可動ブロックと、前記固定ブロックおよび前記可動ブロックの上部を連結する上ビームと、前記固定ブロックおよび前記可動ブロックの下部を連結する下ビームとを備えるロードセルであって、前記上ビームの両端部を、前記固定ブロックおよび前記可動ブロックの各上面に対して各押圧部材の押圧面によってそれぞれ押圧挟持して前記固定ブロックおよび前記可動ブロックの上部を連結する一方、前記下ビームの両端部を、前記固定ブロックおよび前記可動ブロックの各下面に対して各押圧部材の押圧面によってそれぞれ押圧挟持して前記固定ブロックおよび前記可動ブロックの下部を連結する。
【0010】
本発明のロードセルによると、上ビームおよび下ビームの両端部は、押圧部材の押圧面と、固定ブロックまたは可動ブロックの上面または下面との間に強固に挟持されることになり、負荷を受けて各ビームが撓み変形する際に、固定ブロックおよび可動ブロックの上面または下面からの浮き上がり変形が、押圧面によって阻止され、固定ブロックおよび可動ブロックの各ビームに対する支点の位置がずれることがなく、計測精度が低下するのを防止することができる。
【0011】
(2)本発明のロードセルの好ましい実施態様では、前記上ビームおよび前記下ビームは、撓み変形可能な弾性を有する薄板材からなると共に、一対の起歪部をそれぞれ有し、前記上ビームおよび前記下ビームの少なくともいずれか一方のビームの前記起歪部には、歪検出素子が取付けられ、前記各押圧部材は、前記固定ブロックまたは前記可動ブロックの上面または下面に締付け固定される板材からなる。
【0012】
この実施態様によると、固定ブロックおよび可動ブロックの上面または下面と、各押圧部材の押圧面とによって、薄板材からなる上下の各ビームの両端部をそれぞれ挟み、前記各押圧部材を、前記各ブロックの上面または下面にそれぞれ締付け固定することによって、各ビームの両端部を、各ブロック体と各押圧部材とによって面で強固に押圧挟持することができると共に、負荷を受けて各ビームが撓み変形すると、その変形量を起歪部に取付けられた歪検出素子によって検出することができる。
【0013】
(3)本発明のロードセルの別の実施態様では、前記上ビームの前記一対の起歪部の間には、リブが上方へ折り曲げ突設され、前記下ビームの前記一対の起歪部の間には、リブが下方へ折り曲げ突設され、前記固定ブロックと前記可動ブロックと前記上下の両ビームとによって囲まれた空間内に部品を設ける。
【0014】
この実施態様によると、リブの突設によって両起歪部の間のビーム部分の剛性を高めて、ここでの撓み変形を抑制し、起歪部に一層効率よく撓み変形を集中させて計測することができる。また、上ビームのリブは上方へ、下ビームのリブは下方へそれぞれ突設されるので、固定ブロックと可動ブロックと上下の両ビームとによって囲まれた空間内に、リブが突出することがなく、前記空間内を有効に利用して部品を設けることができる。
【0015】
(4)上記(3)の実施態様では、前記部品をウエイト部品とし、該ウエイト部品を前記可動ブロックに連結してもよい。
【0016】
この実施態様によると、負荷によって変位する可動部分の重量調整を前記ウエイト部品によって任意に行うことができ、当該ロードセルの固有振動数を調整することができる。
【0017】
(5)上記(4)の実施態様では、前記固定ブロックを、計測箇所に固定し、前記計測箇所の振動を検出するようにしてもよい。
【0018】
この実施態様によると、例えば、被計量物を計量する計量装置が設置されている箇所に近接して当該ロードセルを設置し、前記計量装置が設置されている箇所の振動、いわゆる、床振動を当該ロードセルで検出し、これによって、計量装置の計量信号から当該ロードセルで検出した床振動成分を除去して被計量物の計量値を補正するといったことが可能となる。
【0019】
しかも、ウエイト部品によって、当該ロードセルの固有振動を、計量装置の重量計測用のロードセルの固有振動に合わせることができる。
【0020】
(6)本発明のロードセルの別の実施態様では、前記上ビームおよび前記下ビームの各一端部を、前記固定ブロックの上面および下面に対してそれぞれ押圧挟持する二つの押圧部材の少なくともいずれか一方の押圧部材には、前記可動ブロックに連結された前記部品の変位限界を当接規制するストッパを設ける。
【0021】
この実施態様によると、可動ブロックに連結されると共に、固定ブロックと可動ブロックと上下の両ビームとによって囲まれた空間内に配置された部品の変位限界を当接規制することで、上ビームまたは下ビームの変形量を制限し、
過負荷によって各ビームや歪検出素子が損傷するのを回避することができる。しかも、ストッパは、ビームの端部を押圧するための押圧部材に設けられると共に、部品との当接によって変位を規制するので、過負荷によるビームの変形量を制限して保護する過負荷保護装置を構成するための部品として、押圧部材及び部品を兼用することになり、その分、部品点数を削減することができる。
【発明の効果】
【0022】
このように、本発明のロードセルによれば、組立て型のロバーバル機構を備えたロードセルにおいて、弾性ビームの撓み変形時における支点ずれの発生を阻止して、計測精度の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は本発明の実施形態に係るロードセルの斜視図である。
【図2】図2は図1のロードセルの縦断側面図である。
【図3】図3は図1のロードセルの平面図である。
【図4】図4は図1のロードセルの側面図である。
【図5】図5は図1のロードセルの分解斜視図である。
【図6】図6は本発明の他の実施形態に係るロードセルの斜視図である。
【図7】図7は図6のロードセルの平面図である。
【図8】図8は図6のロードセルの側面図である。
【図9】図9は本発明の更に他の実施形態のロードセルの斜視図である。
【図10】図10は図9のロードセルの平面図である。
【図11】図11は図9のロードセルの側面図である。
【図12】図12は本発明の更に他の実施形態のロードセルの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面によって本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0025】
(実施形態1)
図1は本発明の一実施形態に係るロードセルの斜視図であり、図2はその縦断側面図であり、図3はその平面図であり、図4はその側面図であり、図5は、その分解斜視図である。
【0026】
この実施形態のロードセル1は、被計量物の重量を計測する計量装置において、重量計測用のロードセルを設置する箇所に近接して設置され、その箇所の振動、いわゆる床振動を検出することで、本来の重量計測用のロードセルの検出出力から床振動成分を除去して計量値を補正するために用いられる。
【0027】
ロードセル1は、振動の計測箇所に固定される固定ブロック2と、変位可能な可動ブロック5と、両ブロック2,5の上部および下部をそれぞれ連結する上ビームおよび下ビームとしての上下一対の弾性ビーム3と、各弾性ビーム3の前後方向(図2及び図3の左右方向)の二箇所にそれぞれ貼り付けられた歪検出素子としてのストレインゲージ4と、ビーム固定用の押圧部材としての上下各一対の押圧板6,7と、可動ブロック5に連結されたウエイト部品8とを備える組立て型のロバーバル機構で構成されている。
【0028】
前記固定ブロック2は、直方体状に切削された金属ブロック体からなり、その上下面は、ビーム取付け面として各弾性ビーム3の各一端部をそれぞれ連結するための二つの取付け孔10が前後方向に沿って間隔をあけてそれぞれ形成されている。固定ブロック2の前面には、該固定ブロック2を計測箇所に締付け固定するための二つの取付け孔9が上下方向に沿って間隔をあけてそれぞれ形成されている。
【0029】
前記可動ブロック5も、直方体状に切削された金属ブロック体からなり、その上下面は、ビーム取付け面として各弾性ビーム3の各他端部をそれぞれ連結するための二つの取付け孔12が左右方向に沿って間隔をあけてそれぞれ形成されている。また、可動ブロック5の前面には、ウエイト部品8を連結するための前後に貫通する二つのウエイト取付け孔14が上下方向に沿って間隔をあけてそれぞれ形成されている。
【0030】
平行な上下一対の弾性ビーム3は、板バネ材などの金属、例えば、アルミニウム製の薄板材を打抜きプレス加工して形成されたものであり、同一仕様のものが表裏反転して各ブロック2,5に装着される。
【0031】
各弾性ビーム3は、撓み変形可能な弾性を有する薄板材からなると共に、固定ブロック2と可動ブロック5との間に、前後一対の起歪部3aが所定の前後スパンをもってくびれ形成されると共に、両起歪部3aの間においてはビームの両側辺からリブ3bがそれぞれ折り曲げ突設され、両起歪部3aの間におけるビーム部分の剛性を高めて変形を抑制することで起歪部3aに撓み変形が集中されるようになっている。上側の弾性ビーム3のリブ3bは、上方へ、下側の弾性ビーム3のリブ3bは、下方へそれぞれ突出するように各ブロック2,5にそれぞれ連結される。これによって、各リブ3bが、上下の弾性ビーム3間の空間へのウエイト部品8の取付けの邪魔にならないようにしている。
【0032】
また、前記ストレインゲージ4は、起歪部3aの表面に貼付け固定され、起歪部3aに生じる歪が電気抵抗値の変動に変換される。このようにストレインゲージ4は、弾性ビーム3を構成する薄板材に貼付ければよく、一体型のロードセルのように、その上面および下面にストレインゲージをそれぞれ貼付ける必要がなく、貼付け作業が容易となる。
【0033】
各弾性ビーム3の一端部は、該一端部が連結される固定ブロック2の上下面に対応して前後方向に長く形成されると共に、固定ブロック2の二つの取付け孔10に取付けられるボルト11がそれぞれ挿通する二つの挿通孔20を有している。各弾性ビーム3の他端部は、該他端部が連結される可動ブロック5の上下面にそれぞれ対応して左右方向に長く形成されると共に、可動ブロック5の二つの取付け孔12に取付けられるボルト13がそれぞれ挿通する二つの挿通孔21を有している。
【0034】
上下の各弾性ビーム3の各一端部を、固定ブロック2の上下面に対してそれぞれ押圧挟持する上下一対の押圧板6は、固定ブロック2の上下面に対応した矩形板状の側部からウエイト部品8側へ向けてアーム部6aが、延出され、その延出端部にナット22を介してねじ込み装着したストッパ16がウエイト部品8の上面および下面に所定の間隙をもってそれぞれ対向するように配備される。押圧板6は、固定ブロック2の上下面の二つの取付け孔10に取付けられるボルト11が挿通する二つの挿通孔23を有している。
【0035】
上下の各弾性ビーム3の各他端部を、可動ブロック5の上下面に対してそれぞれ押圧挟持する上下一対の押圧部材7は、可動ブロック5の上下面に対応した矩形板状であって、可動ブロック5の上下面の二つの取付け孔12に取付けられるボルト13が挿通する二つの挿通孔24を有している。
【0036】
ウエイト部品8は、上述の計量装置の重量計測用のロードセルの固有振動数に合わせて振動検出用のロードセル1における可動部分の重量調整を行うものであり、所望の重量となるように直方体形に切削された金属ブロック体からなる。このウエイト部品8は、固定ブロック2と可動ブロック5との間に形成された空間スペースに挿入され、ウエイト取付け孔14に挿通したボルト15によって可動ブロック5の背面に締め付け固定される。
【0037】
この実施形態のロードセル1では、上下の各弾性ビーム3の一端部を、固定ブロック2の上下面と各押圧板6の押圧面とでそれらの端縁を揃えた状態で挟持してボルト11で締付け固定する一方、各弾性ビーム3の他端部を、可動ブロック5の上下面と各押圧板7の押圧面とでそれらの端縁を揃えた状態で挟持してボルト13で締付け固定するので、負荷を受けて各弾性ビーム3が撓み変形する際に、固定ブロック2および可動ブロック5の上面または下面から浮き上がり変形するのが押圧板6,7によって阻止され、固定ブロック2および可動ブロック5の各弾性ビーム3に対する支点の位置が不変となり、図3に示されるように起歪部間の距離Dが一定となり、計測精度の低下を防止することができる。
【0038】
しかも、この実施形態では、固定ブロック2を剛性の大きいブラケット等を介して計測箇所にボルト締め固定し、ロードセル1に作用する振動によって弾性ビーム3が上下への撓み変形することで、4個のストレインゲージ4をブリッジ接続した演算回路からの出力が変動し、その出力から計測箇所に加わった振動を検出することができる。
【0039】
更に、この実施形態では、固定ブロック2にボルト11によって締付け固定される押圧板6のアーム部6aには、ストッパ16が設けられているので、このストッパ16によってウエイト部品8の上方および下方への変位限界を当接規制することができ、これによって、弾性ビーム3の変形量を制限して、過負荷によって弾性ビーム3やストレインゲージ4が損傷するのを回避することができる。しかも、ストッパ16は、弾性ビーム3を押圧するための押圧板6に設けられると共に、重量を調整するウエイト部品8との当接によって変位を規制するので、過負荷による弾性ビーム3の変形量を制限して保護する過負荷保護装置を構成する部品として、押圧板6及びウエイト部品8を兼用することになり、専用の部品を設ける必要がなく、部品点数を削減することができる。
【0040】
(実施形態2)
図6は本発明の他の実施形態の斜視図であり、図7はその平面図であり、図8はその側面図であり、上述の実施形態に対応する部分には、同一の参照符号を付す。
【0041】
この実施形態のロードセル1では、固定ブロック2と可動ブロック5とを共用可能な同一仕様に形成することで、弾性ビーム3を前後および左右に対称な形状のものにすることができ、取付け時における部品の方向性がなく、組付け作業性が高まる。また、固定ブロック2と可動ブロック5とを同一仕様に形成することで、前後の押圧板6,7も共用可能な同一仕様のものにすることができ、部品の種類を少なくして加工コストを低減するのに有効となる。
【0042】
なお、図示しないが、この場合も、固定側の押圧板6にストッパ16を設けてウエイト部品8に対向させることで、過負荷に対する耐久性を高めることができる。
【0043】
(実施形態3)
図9は本発明の更に他の実施形態の斜視図であり、図10はその平面図であり、図11はその側面図であり、上述の実施形態に対応する部分には、同一の参照符号を付す。
【0044】
この実施形態のロードセル1では、その可動部分の重量が、ウエイト部品8を設けることなく、上述の計量装置の荷重計測用のロードセルの固有振動数に見合った重量となっているので、ウエイト部品8を省略している。
【0045】
この実施形態では、固定ブロック2と可動ブロック5と上下の各弾性ビーム3とによって囲まれる空間には、ウエイト部品8等の部品を設けていないので、上側の弾性ビーム3のリブ3bは、下方へ、下側の弾性ビーム3のリブ3bは、上方へ突出させている。
【0046】
なお、他の実施形態として、固定ブロック2と可動ブロック5と上下の各弾性ビーム3とによって囲まれた空間に、A/D変換回路などの回路部品等を設け、ロードセルを用いたセンサ全体のコンパクト化を図ることもできる。この場合、自由状態における可動系の重心位置が起歪部間の中心に近づくように回路部品等を可動ブロック5側に装着することで、モーメント誤差を少なくして計測誤差を低減することができる。
【0047】
(その他の実施形態)
上述の各実施形態では、上下の両弾性ビーム3にストレインゲージ4をそれぞれ取付けたけれども、本発明の他の実施形態として、いずれか一方の弾性ビーム3のみにスレインゲージ4を取付けてもよい。
【0048】
上述の各実施形態では薄板材からなる弾性ビーム3の撓み変形をストレインゲージ4で直接に検出するようにしているが、弾性ビーム3の撓み変形を可動ブロック5の変位として検出する形態とすることもできる。例えば、図12に示すように、固定ブロック2に取付け部27を介して固定電極板25を取付ける一方、この固定電極25に対向するように取付け部28を介して可動ブロック5に可動電極板26を取付け、可動ブロック5の変位を両電極板25,26の間の静電容量変化として検出することも可能である。
【符号の説明】
【0049】
2 固定ブロック
3 弾性ビーム
3a 起歪部
3b リブ
4 ストレインゲージ
5 可動ブロック
6,7 押圧板
8 ウエイト部品
16 ストッパ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定ブロックと、変位可能な可動ブロックと、前記固定ブロックおよび前記可動ブロックの上部を連結する上ビームと、前記固定ブロックおよび前記可動ブロックの下部を連結する下ビームとを備えるロードセルであって、
前記上ビームの両端部を、前記固定ブロックおよび前記可動ブロックの各上面に対して各押圧部材の押圧面によってそれぞれ押圧挟持して前記固定ブロックおよび前記可動ブロックの上部を連結する一方、
前記下ビームの両端部を、前記固定ブロックおよび前記可動ブロックの各下面に対して各押圧部材の押圧面によってそれぞれ押圧挟持して前記固定ブロックおよび前記可動ブロックの下部を連結する、
ことを特徴とするロードセル。
【請求項2】
前記上ビームおよび前記下ビームは、撓み変形可能な弾性を有する薄板材からなると共に、一対の起歪部をそれぞれ有し、
前記上ビームおよび前記下ビームの少なくともいずれか一方のビームの前記起歪部には、歪検出素子が取付けられ、
前記各押圧部材は、前記固定ブロックまたは前記可動ブロックの上面または下面に締付け固定される板材からなる、
請求項1に記載のロードセル。
【請求項3】
前記上ビームの前記一対の起歪部の間には、リブが上方へ折り曲げ突設され、前記下ビームの前記一対の起歪部の間には、リブが下方へ折り曲げ突設され、
前記固定ブロックと前記可動ブロックと前記上下の両ビームとによって囲まれた空間内に部品を設ける、
請求項1または2に記載のロードセル。
【請求項4】
前記部品がウエイト部品であり、該ウエイト部品を前記可動ブロックに連結する、
請求項3に記載のロードセル。
【請求項5】
前記固定ブロックが、計測箇所に固定され、前記計測箇所の振動を検出する、
請求項4に記載のロードセル。
【請求項6】
前記上ビームおよび前記下ビームの各一端部を、前記固定ブロックの上面および下面に対してそれぞれ押圧挟持する二つの押圧部材の少なくともいずれか一方の押圧部材には、前記可動ブロックに連結された前記部品の変位限界を当接規制するストッパを設ける、
請求項3ないし5のいずれかに記載のロードセル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−118005(P2012−118005A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−270274(P2010−270274)
【出願日】平成22年12月3日(2010.12.3)
【出願人】(000208444)大和製衡株式会社 (535)
【Fターム(参考)】