ロード・ビーム、ヘッド・サスペンション、及び荷重曲げ方法
【課題】ばね部の曲げ込み量の厳密な管理をなくして目標とするロード・ビームの負荷荷重の荷重値を容易に得ることが可能なロード・ビームを提供する。
【解決手段】剛体部17及びばね部19を備えキャリッジ・アーム側のベース部3に前記ばね部19を介して支持されて剛体部17先端のヘッド部に負荷荷重を与えるヘッド・サスペンション1のロード・ビーム5であって、ばね部19が、剛体部17基端の幅方向両側に設けられた一対の脚部21a,21bと、該一対の脚部21a,21bに各別に設けられ前記幅方向に沿った曲げ線25a,25bにより曲げ込まれた荷重曲げ部23a,23bとを備え、曲げ線25a,25bが、前記延設方向前後に位置ずれして配置されていることを特徴とする。
【解決手段】剛体部17及びばね部19を備えキャリッジ・アーム側のベース部3に前記ばね部19を介して支持されて剛体部17先端のヘッド部に負荷荷重を与えるヘッド・サスペンション1のロード・ビーム5であって、ばね部19が、剛体部17基端の幅方向両側に設けられた一対の脚部21a,21bと、該一対の脚部21a,21bに各別に設けられ前記幅方向に沿った曲げ線25a,25bにより曲げ込まれた荷重曲げ部23a,23bとを備え、曲げ線25a,25bが、前記延設方向前後に位置ずれして配置されていることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘッド部に負荷荷重を与えるためのロード・ビーム、ヘッド・サスペンション、及び荷重曲げ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のハード・ディスク・ドライブのヘッド・サスペンションは、例えば特許文献1等のように、キャリッジ側のアームにベース部が取り付けられ、ベース部にロード・ビームが支持されている。
【0003】
ロード・ビームは、剛体部及びばね部を備え、ばね部を介してベース部に片持ち状に支持され剛体部先端のヘッド部に負荷荷重を与えるようになっている。ばね部は、曲げ加工された荷重曲げ部を備えており、その荷重曲げ部の曲げ込み量に応じた負荷荷重を発生させる。
【0004】
このようなヘッド・サスペンションでは、ディスクが高速回転すると、ヘッド部がロード・ビームの負荷荷重に抗してディスクから僅かに浮上しデータの読み書きを行わせる。
【0005】
このヘッド部の浮上量は、ロード・ビームの負荷荷重の荷重値(以下、「サスペンション荷重値」とも称する)に依存しており、近年のハード・ディスク・ドライブでは、ディスクの高密度化に伴ってサスペンション荷重値のコントロールが非常に重要となってきている。
【0006】
サスペンション荷重値は、通常、ロード・ビームがベース部に片持ち状に支持されることから、ばね部の荷重曲げ部の曲げ込み量と線形の相関関係を有する。このため、サスペンション荷重値のコントロールは、荷重曲げ部の曲げ込み量の厳密な管理によって行われている。
【0007】
具体的には、荷重曲げ部の曲げ加工時に、金型による曲げ込み量で目標とするサスペンション荷重値を狙い、製品完成後に、更にレーザー照射等による曲げ込み量の調整を行うことでサスペンション荷重値の高精度化が図られる。
【0008】
また、近年の高度なサスペンション荷重値のコントロール要求を満たすには、金型による荷重曲げ部の曲げ加工の段階でも曲げ込み量を厳密に管理する必要性が生じている。
【0009】
このためには、金型の精度も厳密に管理する必要があり、金型メンテナンスのための工数が増加するばかりか、それによる製造ラインの停止時間が増加する等の問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第5471734号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
解決しようとする問題点は、目標とするロード・ビームの負荷荷重の荷重値を得るために、ばね部の曲げ込み量の厳密な管理が必要な点である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、ばね部の曲げ込み量の厳密な管理をなくして目標とするロード・ビームの負荷荷重の荷重値を容易に得るために、剛体部及びばね部を備えキャリッジ・アーム側のベース部に前記ばね部を介して支持されて前記剛体部先端のヘッド部に負荷荷重を与えるヘッド・サスペンションのロード・ビームであって、前記ばね部は、前記剛体部基端の幅方向両側に設けられた一対の脚部と、該一対の脚部に各別に設けられ前記幅方向に沿った曲げ線により曲げ込まれた荷重曲げ部とを備え、該荷重曲げ部の曲げ線は、前記延設方向前後に位置ずれして配置されたことを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、ばね部の曲げ込み量の厳密な管理をなくして目標とするロード・ビームの負荷荷重の荷重値を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】ヘッド・サスペンションを示す平面図である(実施例1)。
【図2】ロード・ビームのばね部に対する荷重曲げ方法を示す平面図である(実施例1)。
【図3】(a)及び(b)は、図2の幅方向両側から見た要部側図面である(実施例1)。
【図4】図2の要部正面図である(実施例1)。
【図5】図3(a)の荷重曲げ時のダイとばね部との関係を示す要部拡大概念図、(b)は、(a)のダイを変形したものである(実施例1)。
【図6】変形例に係るロード・ビームのばね部に対する荷重曲げ方法を示す平面図である(実施例1)。
【図7】(a)及び(b)は、図2の幅方向両側から見た要部側図面である(実施例1)。
【図8】図6の要部正面図である(実施例1)。
【図9】図7(a)の荷重曲げ時のダイとばね部との関係を示す要部拡大概念図である(実施例1)。
【図10】異なる荷重曲げ方法によるばね部の曲げ込み量と負荷荷重との関係を示す図表である(実施例1)。
【図11】ヘッド・サスペンションの荷重特性を示す図表である(実施例1)。
【図12】(a)及び(b)は、ロード・ビームの幅方向両側の輪郭による高低差を示す図表である(実施例1)。
【発明を実施するための形態】
【0015】
ばね部の曲げ込み量の厳密な管理をなくして目標とするロード・ビームの負荷荷重の荷重値を容易に得るという目的を、ばね部の荷重曲げ部の曲げ線を延設方向前後に位置ずれさせることで実現した。
【実施例1】
【0016】
[ヘッド・サスペンション]
図1は、本発明の実施例1に係るロード・ビームを適用したヘッド・サスペンションを示す平面図である。
【0017】
図1のヘッド・サスペンション1は、ベース部3と、ロード・ビーム5と、フレキシャ7とを備えている。
ベース部3は、ステンレス等の導電性材料からなるベース・プレート6を備えている。ベース・プレート6は、ボス部8が一体に形成され、ボス部8を介して図示しないキャリッジ側のアーム(キャリッジ・アーム)に取り付けられる。これにより、ヘッド・サスペンション1は、ディスクに対して旋回駆動されるようになっている。 ベース・プレート6には、補強プレート9の基端側を重ねてレーザー溶接等によって接合されている。この補強プレート9の先端側には、開口部11内に圧電素子13が取り付けられている。開口部11の幅方向両側には、U字状の可撓部15a,15bが設けられている。補強プレート9の先端部には、ロード・ビーム5が結合されている。
【0018】
ロード・ビーム5は、データの読み書き用のヘッド部(図示せず)に負荷荷重を与えるもので、剛体部17とばね部19とを備えている。剛体部17は、例えばステンレス鋼等からなる板状に形成され、その厚みは、例えば30μm程度に設定されている。
【0019】
剛体部17の先端側は、ヘッド部を支持し、剛体部17の基端には、ばね部19が一体に設けられている。なお、ばね部19は、剛体部17とは別体に形成し、剛体部17に対してレーザー溶接等によって接合する構成でも良い。
【0020】
ばね部19は、脚部21a,21bと荷重曲げ部23a,23bとを備えている。脚部21a,21bは、剛体部17基端の幅方向両側に一対設けられている。この脚部21a,21bは、剛体部17基端からベース・プレート6側に延設された板状になっている。脚部21a,21bの端部は、補強プレート9の先端部に重ね合わせられてレーザー溶接等により接合されている。
【0021】
これにより、ロード・ビーム5は、ベース部3にばね部19を介して支持されて剛体部17先端のヘッド部に負荷荷重を与える構成となっている。
【0022】
荷重曲げ部23a,23bは、脚部21a,21bの幅方向に沿った曲げ線25a,25bにより曲げ込まれ、負荷荷重を発生させる。荷重曲げ部23a,23bの曲げ線25a,25bは、ロード・ビーム5の延設方向で前後に位置ずれして配置されている。
【0023】
本実施例では、一方の曲げ線25aが相対的に後方に位置し他方の曲げ線25bが相対的に前方に位置している。ただし、曲げ線25a,25bの前後関係は、逆に設定することも可能である。
【0024】
曲げ線25a,25bの位置ずれ量D1は、後述するように目標とするロード・ビーム5の負荷荷重の荷重値(サスペンション荷重値)に応じて変更される。
【0025】
フレキシャ7は、金属基板27上に配線パターン29が形成されている。このフレキシャ7は、ロード・ビーム5の先端側からベース部3側に延設され、レーザー溶接等によって剛体部17及びベース部3に適所で固着されている。
【0026】
フレキシャ7の先端部には、タング部31が片持ち状に設けられている。タング部31には、ヘッド部が装着される。ヘッド部は、このタング部31を介してロード・ビーム5の剛体部17先端に支持される。ヘッド部には、フレキシャ7の配線パターン29の一端が接続される。配線パターン29の他端は、ベース部3を超えて外部端子に接続される。また、配線パターン29は、その中間部が圧電素子13に接続されている。
【0027】
このように構成された本実施例のヘッド・サスペンション1では、ばね部19の荷重曲げ部23a,23bの曲げ線25a,25bが、ロード・ビーム5の延設方向前後に位置ずれして配置されているので、荷重曲げ部23a,23bの曲げ込み量の厳密な管理をなくして、目標とするサスペンション荷重値を容易に得ることができる。
【0028】
すなわち、ヘッド・サスペンション1では、後述するように、荷重曲げ部23a,23bの曲げ込み量が曲げ線25a,25bの位置ずれ量D1に応じた所定の曲げ込み量以上になると、サスペンション荷重値が増減せずに略一定に遷移する。
【0029】
このため、ヘッド・サスペンション1では、所定の曲げ込み量以上にばね部19の荷重曲げ部23a,23bの曲げ込みを行わせれば、曲げ線25a,25bの位置ずれ量D1に応じた一定遷移部分で目標とするサスペンション荷重値を容易に得ることができる。
【0030】
本実施例のばね部19の荷重曲げ部23a,23bの曲げ込みは、荷重曲げ方法によって行われる。
[荷重曲げ方法]
図2は、本発明の実施例1に係るロード・ビームのばね部に対する荷重曲げ方法を示す平面図、図3(a)及び(b)は、同幅方向両側から見た要部側図面、図4は、同要部正面図、図5(a)は、図3(a)の要部拡大概念図、図5(b)は、図5(a)のダイを変形したものである。
【0031】
本実施例の荷重曲げ方法では、図2〜図5(a)のように、まず、ダイ33上にロード・ビーム5のばね部19からベース部3の先端側にかけて設置する。ダイ33は、ダイ本体35の両側からロード・ビーム5の延設方向に沿って設けられた延設部37a,37bを有し、この延設部37a,37bがばね部19の脚部21a,21b下方に位置する。
【0032】
延設部37a,37bは、異なる長さに設定され、その縁部が直線状のエッジ部39a,39bを構成する。このエッジ部39a,39bは、ばね部19の脚部21a,21bに対し、ロード・ビーム5の延設方向前後に位置ずれした状態で幅方向に沿って接触する。
【0033】
次いで、図3のように、アッパー・パッド41をベース部3上に位置させてダイ33との間でベース部3を挟持する。
【0034】
この状態で、図4のように、パンチ43を下降させてばね部19の脚部21a,21bに荷重曲げ部23a,23bを曲げ加工する。パンチ43は、パンチ本体45から下方側に同一長さで延設された押圧部47a,47bを有している。この押圧部47a,47bが一体的に移動して、図2のダイ33のエッジ部39a,39bに対するロード・ビーム5上の隣接部分49a,49bをダイ33側へ押圧する。
【0035】
この結果、ばね部19の脚部21a,21bは、図5(a)のように、延設部37a,37bのエッジ部39a,39bに沿って曲げ込まれて図1のような荷重曲げ部23a,23bが形成される。従って、本実施例では、ダイ33のエッジ部39a,39bがばね部19の荷重曲げ部23a,23bの曲げ線25a,25bを規定し、エッジ部39a,39bの位置ずれ量D2が曲げ線25a,25bの位置ずれ量D1となる。
【0036】
なお、実施例1の方法では、ダイ33の形状を図5(b)のように変形することも可能である。すなわち、ダイ33Aは、同一長さの延設部37Aa,37Abを有している。一方の延設部37Aaは、ばね部19の設置面20に対する凹状の段部22を有している。
【0037】
この段部22により、一方の延設部37Aaの縁部は、他方の延設部37Abの縁部と設置面20上で延設方向後方に偏倚している。偏倚した縁部は、エッジ部39Aaを構成している。なお、エッジ部39Abは、上記実施例1と同様に延設部37Abの縁部によって構成されている。
【0038】
従って、変形例のエッジ部39Aa,39Abは、段部22により設置面20上で延設方向前後に位置ずれした縁部からなっている。かかる変形例においても、上記実施例1と同様の荷重曲げ部23a,23bの曲げ込みを行うことができる。
【0039】
図6は、実施例1の変形例に係るロード・ビームのばね部に対する荷重曲げ方法を示す平面図、図7(a)及び(b)は、同幅方向両側から見た要部側図面、図8は、同要部正面図、図9は、図7(a)の荷重曲げ時のダイとばね部との関係を示す要部拡大概念図である。
【0040】
変形例の荷重曲げ方法でも、図6〜図9のように、ダイ51上にロード・ビーム5のばね部19を設置する。ダイ51は、設置面53に対する凹状の段部55を有している。この段部55により上下方向(曲げ込み方向)で位置ずれした設置面53及び段部55の縁部は、それぞれ直線状の設置面側及び段部側エッジ部57a,57bを構成する。
【0041】
これらの設置面側及び段部側エッジ部部57a,57bが、ばね部19の脚部21a,21bに対してロード・ビーム5の幅方向に沿って位置する。
【0042】
次いで、図7のように、アッパー・パッド41を下降させてベース部3をダイ33の設置面53との間で挟持する。
【0043】
この状態で、図8のように、パンチ59を下降させてばね部19の脚部21a,21bに荷重曲げ部23a,23bを曲げ加工する。パンチ59は、パンチ本体61から下方側に向けて異なる長さで延設された設置面側及び段部側押圧部63a,63bを有している。この設置面側及び段部側押圧部63a,63bが一体的に移動して、図6のダイ51の設置面側及び段部側エッジ部57a,57bに対するロード・ビーム5上の隣接部分49a,49bをダイ51側へ押圧する。
【0044】
パンチ59は、設置面側押圧部63bが相対的に短く、段部側押圧部63aがダイ51の段部55の深さD3分だけ相対的に長く形成されている。このため、段部側隣接部分49aが、パンチ59の段部側押圧部63aによって先に押圧される。この押圧により、脚部21aは、図9のように、ダイ51の段部55内での弾性変形が許容される。
【0045】
弾性変形が進むと、脚部21aは、ダイ51の段部側エッジ部57aに接触する。同時に、パンチ59の設置面側押圧部63bがばね部19の脚部21bに接触することになる。従って、設置面側隣接部分49bが、脚部21aの弾性変形の進行後に押圧される。ただし、かかる脚部21aの接触と設置面側押圧部63bの接触とは、同時でなくてもよく、時間差を有するように設定することも可能である。
【0046】
つまり、変形例に係る荷重曲げ方法では、ダイ51の段部55の深さD3とパンチ61の設置面側及び段部側押圧部63a,63bとの関係により、結果的に脚部21a,21bのエッジ部57a,57bへの接触状態で隣接部分49a,49bを押圧できればよい。
【0047】
この状態でパンチ59が更に下降すると、脚部21a,21bには、ダイ51の設置面側及び段部側エッジ部57a,57bに沿って曲げ込まれた荷重曲げ部23a,23bが形成される(図1参照)。従って、本変形例では、ダイ51の設置面側及び段部側エッジ部57a,57bが、ばね部19の荷重曲げ部23a,23bの曲げ線25a,25bを規定する。
【0048】
段部側の曲げ線25aは、脚部21aの弾性変形に応じて設置面側の曲げ線25bよりもベース部3側に偏倚した位置に規定される。このため、曲げ線25a,25bの位置ずれ量D1は、ダイ51の段部55の深さD3、つまり設置面側及び段部側エッジ部57a,57bの高低差に基づいて規定されることになる。なお、深さD3は、曲げ線25a,25bの位置ずれ量D1に応じて変更されるが、本実施例では、例えば10〜30μm程度に設定する。
[ヘッド・サスペンションの特性]
(曲げ込み特性)
図10は、異なる荷重曲げ方法によるばね部の曲げ込み量と負荷荷重との関係を示す図表である。なお、図10の縦軸は負荷荷重を示し、横軸は曲げ込み量を示している。
【0049】
図10中の実施例1A〜1Dは、本実施例のヘッド・サスペンション1、つまりばね部19の荷重曲げ部23a,23bの曲げ線25a,25bがロード・ビーム5の延設方向で前後に位置ずれして配置された場合の測定結果である。
【0050】
なお、実施例1A,1Bは、実施例1に係る荷重曲げ方法によるもので、ダイ33のエッジ部39a,39bのずれ量(パンチ・ダイ前後差)D2が100μm、50μmに設定されている。一方、実施例1C,1Dは、変形例に係る荷重曲げ方法によるもので、ダイ51の段部55の深さ(パンチ・ダイ高さ段差)D3が30μm、10μmに設定されている。
【0051】
また、図10中の比較例は、一般的なばね部を有するもの、つまりばね部の荷重曲げ部の曲げ線をロード・ビームの幅方向に沿った同一直線状に配置した場合の測定結果である。
【0052】
図10のように、実施例1A〜1Dでは、荷重曲げ部23a,23bの曲げ込み量を増加させていくと、曲げ線25a,25bの位置ずれ量D1に応じた所定の曲げ込み量までサスペンション荷重が線形に増加する。そして、所定の曲げ込み量を超えた後は、曲げ込み量を増加させても、サスペンション荷重値がほぼ増減することなく一定に遷移する。
【0053】
この結果より、本実施例のヘッド・サスペンション1では、ばね部19の荷重曲げ部23a,23bの曲げ込みを所定の曲げ込み量以上に行わせれば、ほぼ一定に遷移する部分によって目標とするサスペンション荷重値を容易に得ることができるのが分かる。
【0054】
一方、比較例では、荷重曲げ部の曲げ込み量を増加させていくと、常にサスペンション荷重が線形に増加していく。このため、目標とするサスペンション荷重値を得るためには、ばね部の曲げ込み量の厳密な管理が必要となる。
【0055】
(サスペンションの荷重特性)
図11は、本発明の実施例1に係るヘッド・サスペンションの荷重特性を示す図表である。なお、図11の縦軸は負荷荷重を示し、横軸はZハイト(取付位置)を示している。
【0056】
図11から明らかなように、本実施例のヘッド・サスペンション1は、上記のように曲げ線25a,25bを延設方向の前後に位置ずれさせても、一般的なばね部を有するヘッド・サスペンションと同様にばね定数一定の線形特性を得ることができる。
【0057】
(オフトラック特性)
図12(a)及び(b)は、ロード・ビームの幅方向両側の輪郭による高低差を示す図表である。なお、図12の縦軸は高さ、横軸は延設方向の長さを示している。また、図12の輪郭線65a,65bは、ヘッド・サスペンション1のロード・ビーム5部分を示しており、左端がヘッド部側、中央部の最も低い部分が剛体部17の中間部、右端側の起伏部分がばね部19となっている。また、図12(a)は、実施例1に係る荷重曲げ方法によるもの、図12(b)は、変形例に係る荷重曲げ方法によるものである。
【0058】
図12のように、本実施例のヘッド・サスペンション1は、ばね部19の曲げ線25a,25bのずれにより幅方向の両側に高低差が生じている。このため、ヘッド・サスペンション1は、全体として傾いた状態でキャリッジ・アームに取り付けられることになる。結果として、ディスク・フラッターによるトランスジューサー(ヘッド部)の位置決め性悪化を改善することができる(TMR抑止効果)。
【0059】
また、両側の高低差は、変形例に係る荷重曲げ方法による場合の方が大きくなっている。このことから、実施例1及び変形例の荷重曲げ方法を選択的に用いれば、TMR抑止効果の強さに応じた傾きを付与することが可能となる。
[実施例1の効果]
本実施例のヘッド・サスペンション1に適用されるロード・ビーム5は、ばね部19が、剛体部17基端の幅方向両側に設けられた一対の脚部21a,21bと、該一対の脚部21a,21bに各別に設けられ前記幅方向に沿った曲げ線25a,25bにより曲げ込まれた荷重曲げ部23a,23bとを備え、曲げ線25a,25bが、前記延設方向前後に位置ずれして配置されている。
【0060】
このため、ロード・ビーム5では、ばね部19の荷重曲げ部23a,23bを曲げ線25a,25bのずれ量に応じた所定の曲げ込み量以上とすることで、サスペンション荷重値を略一定に遷移させることができる。
【0061】
従って、ロード・ビーム5では、ばね部19の荷重曲げ部23a,23bの曲げ込みを所定の曲げ込み量以上に行わせれば、曲げ線25a,25bのずれ量に応じた略一定に遷移する部分によって目標とするサスペンション荷重値を容易且つ確実に得ることができる。
【0062】
結果として、本実施例では、ばね部19の曲げ込み量の厳密な管理をなくすことができると共に金型の管理が容易となって生産性の向上をも図ることができる。
【0063】
しかも、本実施例のロード・ビーム5は、曲げ線25a,25bを延設方向の前後に位置ずれさせても、一般的なばね部を有するヘッド・サスペンションと同様、ばね定数一定の線形特性を有することができる。
【0064】
さらに、ロード・ビーム5は、ばね部19の曲げ線25a,25bのずれにより幅方向の両側に高低差が生じさせることができるので、ディスク・フラッターによるヘッド部の位置決め性悪化を改善することができる。
【0065】
このロード・ビーム5を有するヘッド・サスペンション1も、同様の効果を奏することができる。
【0066】
また、本実施例の荷重曲げ方法は、一対の直線状のエッジ部39a,39b(57a,57b)を有したダイ33(51)上にばね部19を設置し、エッジ部39a,39b(57a,57b)をばね部19の一対の脚部21a,21bに対して延設方向前後に位置ずれした状態で幅方向に沿って接触させ、脚部21a,21bをエッジ部39a,39b(57a,57b)に沿ってダイ33(51)側に曲げ込んで荷重曲げ部23a,23bを形成する。
【0067】
従って、本実施例の荷重曲げ方法では、容易且つ確実に脚部21a,21bに対して曲げ線25a,25bが延設方向前後に位置ずれした荷重曲げ部23a,23bを形成することができる。
【0068】
また、ダイ33が異なる長さの一対の延設部37a,37bを有し、エッジ部39a,39bが延設部37a,37bの縁部からなる場合は、延設部37a,37bの長さに基づいて曲げ線25a,25bが延設方向前後に位置ずれした荷重曲げ部23a,23bを確実に形成することができる。この結果、延設部37a,37bの長さ設定により、ばね部19の曲げ線25a,25bのずれ量を容易に調整することができる。
【0069】
また、図5の変形されたダイ33Aでは、設置面20に対する凹状の段部22を有し、一対のエッジ部39Aa,39Abは、段部22により設置面20上で延設方向前後に位置ずれしたダイ33Aの縁部からなる。
【0070】
かかるダイ33Aを用いた場合は、段部22の長さ設定により、ばね部19の曲げ線25a,25bのずれ量を容易に調整することができる。
【0071】
一方、ダイ51が設置面53に対する凹状の段部55を有し、エッジ部57a,57bがダイ51の設置面53及び段部55の縁部からなる場合は、段部55の深さD3に基づいて曲げ線25a,25bが延設方向前後に位置ずれした荷重曲げ部23a,23bを確実に形成することができる。この結果、段部55の深さ設定により、ばね部19の曲げ線25a,25bのずれ量を容易に調整することができる。
【0072】
この場合、曲げ込みは、設置面側及び段部側エッジ部57a,57bに対するロード・ビーム5上の隣接部分49a,49bをダイ51側へ押圧することで行われ、段部側隣接部分49aを先に押圧して段部側脚部21aを弾性変形させ、設置面側隣接部分49bを段部側脚部21aを弾性変形の進行後に押圧する。
【0073】
このため、荷重曲げ部23a,23bの曲げ込み開始時期を近接させることができ、曲げ込み量の差を低減することができる。結果として、荷重曲げ部23a,23bは、その一方が曲げ込み不十分となるようなことを防止でき、所定の曲げ込み量以上での確実な曲げ込み形成が可能となる。
【0074】
さらに、段部側脚部21aが段部側エッジ部57aに接触したときに設置面側隣接部分49bを押圧すれば、両隣接部分49a,49bの曲げ込み開始時期を同期することができ、より確実に荷重曲げ部23a,23bの曲げ込み量の差を低減することができる。
【0075】
さらに、この場合は、隣接部分49a,49bの押圧を押圧方向で相対的に短い設置面側押圧部63bと相対的に長い段部側押圧部63aとをダイ側に一体的に移動させて行うことで、ヘッド・サスペンション1の製造時のタクト・アップを図ることができる。
【符号の説明】
【0076】
1 ヘッド・サスペンション
3 ベース部
5 ロード・ビーム
17 剛体部
19 ばね部
21a,21b 脚部
23a,23b 荷重曲げ部
25a,25b 曲げ線
33 ダイ
39a,39b,57a,57b エッジ部
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘッド部に負荷荷重を与えるためのロード・ビーム、ヘッド・サスペンション、及び荷重曲げ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のハード・ディスク・ドライブのヘッド・サスペンションは、例えば特許文献1等のように、キャリッジ側のアームにベース部が取り付けられ、ベース部にロード・ビームが支持されている。
【0003】
ロード・ビームは、剛体部及びばね部を備え、ばね部を介してベース部に片持ち状に支持され剛体部先端のヘッド部に負荷荷重を与えるようになっている。ばね部は、曲げ加工された荷重曲げ部を備えており、その荷重曲げ部の曲げ込み量に応じた負荷荷重を発生させる。
【0004】
このようなヘッド・サスペンションでは、ディスクが高速回転すると、ヘッド部がロード・ビームの負荷荷重に抗してディスクから僅かに浮上しデータの読み書きを行わせる。
【0005】
このヘッド部の浮上量は、ロード・ビームの負荷荷重の荷重値(以下、「サスペンション荷重値」とも称する)に依存しており、近年のハード・ディスク・ドライブでは、ディスクの高密度化に伴ってサスペンション荷重値のコントロールが非常に重要となってきている。
【0006】
サスペンション荷重値は、通常、ロード・ビームがベース部に片持ち状に支持されることから、ばね部の荷重曲げ部の曲げ込み量と線形の相関関係を有する。このため、サスペンション荷重値のコントロールは、荷重曲げ部の曲げ込み量の厳密な管理によって行われている。
【0007】
具体的には、荷重曲げ部の曲げ加工時に、金型による曲げ込み量で目標とするサスペンション荷重値を狙い、製品完成後に、更にレーザー照射等による曲げ込み量の調整を行うことでサスペンション荷重値の高精度化が図られる。
【0008】
また、近年の高度なサスペンション荷重値のコントロール要求を満たすには、金型による荷重曲げ部の曲げ加工の段階でも曲げ込み量を厳密に管理する必要性が生じている。
【0009】
このためには、金型の精度も厳密に管理する必要があり、金型メンテナンスのための工数が増加するばかりか、それによる製造ラインの停止時間が増加する等の問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第5471734号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
解決しようとする問題点は、目標とするロード・ビームの負荷荷重の荷重値を得るために、ばね部の曲げ込み量の厳密な管理が必要な点である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、ばね部の曲げ込み量の厳密な管理をなくして目標とするロード・ビームの負荷荷重の荷重値を容易に得るために、剛体部及びばね部を備えキャリッジ・アーム側のベース部に前記ばね部を介して支持されて前記剛体部先端のヘッド部に負荷荷重を与えるヘッド・サスペンションのロード・ビームであって、前記ばね部は、前記剛体部基端の幅方向両側に設けられた一対の脚部と、該一対の脚部に各別に設けられ前記幅方向に沿った曲げ線により曲げ込まれた荷重曲げ部とを備え、該荷重曲げ部の曲げ線は、前記延設方向前後に位置ずれして配置されたことを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、ばね部の曲げ込み量の厳密な管理をなくして目標とするロード・ビームの負荷荷重の荷重値を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】ヘッド・サスペンションを示す平面図である(実施例1)。
【図2】ロード・ビームのばね部に対する荷重曲げ方法を示す平面図である(実施例1)。
【図3】(a)及び(b)は、図2の幅方向両側から見た要部側図面である(実施例1)。
【図4】図2の要部正面図である(実施例1)。
【図5】図3(a)の荷重曲げ時のダイとばね部との関係を示す要部拡大概念図、(b)は、(a)のダイを変形したものである(実施例1)。
【図6】変形例に係るロード・ビームのばね部に対する荷重曲げ方法を示す平面図である(実施例1)。
【図7】(a)及び(b)は、図2の幅方向両側から見た要部側図面である(実施例1)。
【図8】図6の要部正面図である(実施例1)。
【図9】図7(a)の荷重曲げ時のダイとばね部との関係を示す要部拡大概念図である(実施例1)。
【図10】異なる荷重曲げ方法によるばね部の曲げ込み量と負荷荷重との関係を示す図表である(実施例1)。
【図11】ヘッド・サスペンションの荷重特性を示す図表である(実施例1)。
【図12】(a)及び(b)は、ロード・ビームの幅方向両側の輪郭による高低差を示す図表である(実施例1)。
【発明を実施するための形態】
【0015】
ばね部の曲げ込み量の厳密な管理をなくして目標とするロード・ビームの負荷荷重の荷重値を容易に得るという目的を、ばね部の荷重曲げ部の曲げ線を延設方向前後に位置ずれさせることで実現した。
【実施例1】
【0016】
[ヘッド・サスペンション]
図1は、本発明の実施例1に係るロード・ビームを適用したヘッド・サスペンションを示す平面図である。
【0017】
図1のヘッド・サスペンション1は、ベース部3と、ロード・ビーム5と、フレキシャ7とを備えている。
ベース部3は、ステンレス等の導電性材料からなるベース・プレート6を備えている。ベース・プレート6は、ボス部8が一体に形成され、ボス部8を介して図示しないキャリッジ側のアーム(キャリッジ・アーム)に取り付けられる。これにより、ヘッド・サスペンション1は、ディスクに対して旋回駆動されるようになっている。 ベース・プレート6には、補強プレート9の基端側を重ねてレーザー溶接等によって接合されている。この補強プレート9の先端側には、開口部11内に圧電素子13が取り付けられている。開口部11の幅方向両側には、U字状の可撓部15a,15bが設けられている。補強プレート9の先端部には、ロード・ビーム5が結合されている。
【0018】
ロード・ビーム5は、データの読み書き用のヘッド部(図示せず)に負荷荷重を与えるもので、剛体部17とばね部19とを備えている。剛体部17は、例えばステンレス鋼等からなる板状に形成され、その厚みは、例えば30μm程度に設定されている。
【0019】
剛体部17の先端側は、ヘッド部を支持し、剛体部17の基端には、ばね部19が一体に設けられている。なお、ばね部19は、剛体部17とは別体に形成し、剛体部17に対してレーザー溶接等によって接合する構成でも良い。
【0020】
ばね部19は、脚部21a,21bと荷重曲げ部23a,23bとを備えている。脚部21a,21bは、剛体部17基端の幅方向両側に一対設けられている。この脚部21a,21bは、剛体部17基端からベース・プレート6側に延設された板状になっている。脚部21a,21bの端部は、補強プレート9の先端部に重ね合わせられてレーザー溶接等により接合されている。
【0021】
これにより、ロード・ビーム5は、ベース部3にばね部19を介して支持されて剛体部17先端のヘッド部に負荷荷重を与える構成となっている。
【0022】
荷重曲げ部23a,23bは、脚部21a,21bの幅方向に沿った曲げ線25a,25bにより曲げ込まれ、負荷荷重を発生させる。荷重曲げ部23a,23bの曲げ線25a,25bは、ロード・ビーム5の延設方向で前後に位置ずれして配置されている。
【0023】
本実施例では、一方の曲げ線25aが相対的に後方に位置し他方の曲げ線25bが相対的に前方に位置している。ただし、曲げ線25a,25bの前後関係は、逆に設定することも可能である。
【0024】
曲げ線25a,25bの位置ずれ量D1は、後述するように目標とするロード・ビーム5の負荷荷重の荷重値(サスペンション荷重値)に応じて変更される。
【0025】
フレキシャ7は、金属基板27上に配線パターン29が形成されている。このフレキシャ7は、ロード・ビーム5の先端側からベース部3側に延設され、レーザー溶接等によって剛体部17及びベース部3に適所で固着されている。
【0026】
フレキシャ7の先端部には、タング部31が片持ち状に設けられている。タング部31には、ヘッド部が装着される。ヘッド部は、このタング部31を介してロード・ビーム5の剛体部17先端に支持される。ヘッド部には、フレキシャ7の配線パターン29の一端が接続される。配線パターン29の他端は、ベース部3を超えて外部端子に接続される。また、配線パターン29は、その中間部が圧電素子13に接続されている。
【0027】
このように構成された本実施例のヘッド・サスペンション1では、ばね部19の荷重曲げ部23a,23bの曲げ線25a,25bが、ロード・ビーム5の延設方向前後に位置ずれして配置されているので、荷重曲げ部23a,23bの曲げ込み量の厳密な管理をなくして、目標とするサスペンション荷重値を容易に得ることができる。
【0028】
すなわち、ヘッド・サスペンション1では、後述するように、荷重曲げ部23a,23bの曲げ込み量が曲げ線25a,25bの位置ずれ量D1に応じた所定の曲げ込み量以上になると、サスペンション荷重値が増減せずに略一定に遷移する。
【0029】
このため、ヘッド・サスペンション1では、所定の曲げ込み量以上にばね部19の荷重曲げ部23a,23bの曲げ込みを行わせれば、曲げ線25a,25bの位置ずれ量D1に応じた一定遷移部分で目標とするサスペンション荷重値を容易に得ることができる。
【0030】
本実施例のばね部19の荷重曲げ部23a,23bの曲げ込みは、荷重曲げ方法によって行われる。
[荷重曲げ方法]
図2は、本発明の実施例1に係るロード・ビームのばね部に対する荷重曲げ方法を示す平面図、図3(a)及び(b)は、同幅方向両側から見た要部側図面、図4は、同要部正面図、図5(a)は、図3(a)の要部拡大概念図、図5(b)は、図5(a)のダイを変形したものである。
【0031】
本実施例の荷重曲げ方法では、図2〜図5(a)のように、まず、ダイ33上にロード・ビーム5のばね部19からベース部3の先端側にかけて設置する。ダイ33は、ダイ本体35の両側からロード・ビーム5の延設方向に沿って設けられた延設部37a,37bを有し、この延設部37a,37bがばね部19の脚部21a,21b下方に位置する。
【0032】
延設部37a,37bは、異なる長さに設定され、その縁部が直線状のエッジ部39a,39bを構成する。このエッジ部39a,39bは、ばね部19の脚部21a,21bに対し、ロード・ビーム5の延設方向前後に位置ずれした状態で幅方向に沿って接触する。
【0033】
次いで、図3のように、アッパー・パッド41をベース部3上に位置させてダイ33との間でベース部3を挟持する。
【0034】
この状態で、図4のように、パンチ43を下降させてばね部19の脚部21a,21bに荷重曲げ部23a,23bを曲げ加工する。パンチ43は、パンチ本体45から下方側に同一長さで延設された押圧部47a,47bを有している。この押圧部47a,47bが一体的に移動して、図2のダイ33のエッジ部39a,39bに対するロード・ビーム5上の隣接部分49a,49bをダイ33側へ押圧する。
【0035】
この結果、ばね部19の脚部21a,21bは、図5(a)のように、延設部37a,37bのエッジ部39a,39bに沿って曲げ込まれて図1のような荷重曲げ部23a,23bが形成される。従って、本実施例では、ダイ33のエッジ部39a,39bがばね部19の荷重曲げ部23a,23bの曲げ線25a,25bを規定し、エッジ部39a,39bの位置ずれ量D2が曲げ線25a,25bの位置ずれ量D1となる。
【0036】
なお、実施例1の方法では、ダイ33の形状を図5(b)のように変形することも可能である。すなわち、ダイ33Aは、同一長さの延設部37Aa,37Abを有している。一方の延設部37Aaは、ばね部19の設置面20に対する凹状の段部22を有している。
【0037】
この段部22により、一方の延設部37Aaの縁部は、他方の延設部37Abの縁部と設置面20上で延設方向後方に偏倚している。偏倚した縁部は、エッジ部39Aaを構成している。なお、エッジ部39Abは、上記実施例1と同様に延設部37Abの縁部によって構成されている。
【0038】
従って、変形例のエッジ部39Aa,39Abは、段部22により設置面20上で延設方向前後に位置ずれした縁部からなっている。かかる変形例においても、上記実施例1と同様の荷重曲げ部23a,23bの曲げ込みを行うことができる。
【0039】
図6は、実施例1の変形例に係るロード・ビームのばね部に対する荷重曲げ方法を示す平面図、図7(a)及び(b)は、同幅方向両側から見た要部側図面、図8は、同要部正面図、図9は、図7(a)の荷重曲げ時のダイとばね部との関係を示す要部拡大概念図である。
【0040】
変形例の荷重曲げ方法でも、図6〜図9のように、ダイ51上にロード・ビーム5のばね部19を設置する。ダイ51は、設置面53に対する凹状の段部55を有している。この段部55により上下方向(曲げ込み方向)で位置ずれした設置面53及び段部55の縁部は、それぞれ直線状の設置面側及び段部側エッジ部57a,57bを構成する。
【0041】
これらの設置面側及び段部側エッジ部部57a,57bが、ばね部19の脚部21a,21bに対してロード・ビーム5の幅方向に沿って位置する。
【0042】
次いで、図7のように、アッパー・パッド41を下降させてベース部3をダイ33の設置面53との間で挟持する。
【0043】
この状態で、図8のように、パンチ59を下降させてばね部19の脚部21a,21bに荷重曲げ部23a,23bを曲げ加工する。パンチ59は、パンチ本体61から下方側に向けて異なる長さで延設された設置面側及び段部側押圧部63a,63bを有している。この設置面側及び段部側押圧部63a,63bが一体的に移動して、図6のダイ51の設置面側及び段部側エッジ部57a,57bに対するロード・ビーム5上の隣接部分49a,49bをダイ51側へ押圧する。
【0044】
パンチ59は、設置面側押圧部63bが相対的に短く、段部側押圧部63aがダイ51の段部55の深さD3分だけ相対的に長く形成されている。このため、段部側隣接部分49aが、パンチ59の段部側押圧部63aによって先に押圧される。この押圧により、脚部21aは、図9のように、ダイ51の段部55内での弾性変形が許容される。
【0045】
弾性変形が進むと、脚部21aは、ダイ51の段部側エッジ部57aに接触する。同時に、パンチ59の設置面側押圧部63bがばね部19の脚部21bに接触することになる。従って、設置面側隣接部分49bが、脚部21aの弾性変形の進行後に押圧される。ただし、かかる脚部21aの接触と設置面側押圧部63bの接触とは、同時でなくてもよく、時間差を有するように設定することも可能である。
【0046】
つまり、変形例に係る荷重曲げ方法では、ダイ51の段部55の深さD3とパンチ61の設置面側及び段部側押圧部63a,63bとの関係により、結果的に脚部21a,21bのエッジ部57a,57bへの接触状態で隣接部分49a,49bを押圧できればよい。
【0047】
この状態でパンチ59が更に下降すると、脚部21a,21bには、ダイ51の設置面側及び段部側エッジ部57a,57bに沿って曲げ込まれた荷重曲げ部23a,23bが形成される(図1参照)。従って、本変形例では、ダイ51の設置面側及び段部側エッジ部57a,57bが、ばね部19の荷重曲げ部23a,23bの曲げ線25a,25bを規定する。
【0048】
段部側の曲げ線25aは、脚部21aの弾性変形に応じて設置面側の曲げ線25bよりもベース部3側に偏倚した位置に規定される。このため、曲げ線25a,25bの位置ずれ量D1は、ダイ51の段部55の深さD3、つまり設置面側及び段部側エッジ部57a,57bの高低差に基づいて規定されることになる。なお、深さD3は、曲げ線25a,25bの位置ずれ量D1に応じて変更されるが、本実施例では、例えば10〜30μm程度に設定する。
[ヘッド・サスペンションの特性]
(曲げ込み特性)
図10は、異なる荷重曲げ方法によるばね部の曲げ込み量と負荷荷重との関係を示す図表である。なお、図10の縦軸は負荷荷重を示し、横軸は曲げ込み量を示している。
【0049】
図10中の実施例1A〜1Dは、本実施例のヘッド・サスペンション1、つまりばね部19の荷重曲げ部23a,23bの曲げ線25a,25bがロード・ビーム5の延設方向で前後に位置ずれして配置された場合の測定結果である。
【0050】
なお、実施例1A,1Bは、実施例1に係る荷重曲げ方法によるもので、ダイ33のエッジ部39a,39bのずれ量(パンチ・ダイ前後差)D2が100μm、50μmに設定されている。一方、実施例1C,1Dは、変形例に係る荷重曲げ方法によるもので、ダイ51の段部55の深さ(パンチ・ダイ高さ段差)D3が30μm、10μmに設定されている。
【0051】
また、図10中の比較例は、一般的なばね部を有するもの、つまりばね部の荷重曲げ部の曲げ線をロード・ビームの幅方向に沿った同一直線状に配置した場合の測定結果である。
【0052】
図10のように、実施例1A〜1Dでは、荷重曲げ部23a,23bの曲げ込み量を増加させていくと、曲げ線25a,25bの位置ずれ量D1に応じた所定の曲げ込み量までサスペンション荷重が線形に増加する。そして、所定の曲げ込み量を超えた後は、曲げ込み量を増加させても、サスペンション荷重値がほぼ増減することなく一定に遷移する。
【0053】
この結果より、本実施例のヘッド・サスペンション1では、ばね部19の荷重曲げ部23a,23bの曲げ込みを所定の曲げ込み量以上に行わせれば、ほぼ一定に遷移する部分によって目標とするサスペンション荷重値を容易に得ることができるのが分かる。
【0054】
一方、比較例では、荷重曲げ部の曲げ込み量を増加させていくと、常にサスペンション荷重が線形に増加していく。このため、目標とするサスペンション荷重値を得るためには、ばね部の曲げ込み量の厳密な管理が必要となる。
【0055】
(サスペンションの荷重特性)
図11は、本発明の実施例1に係るヘッド・サスペンションの荷重特性を示す図表である。なお、図11の縦軸は負荷荷重を示し、横軸はZハイト(取付位置)を示している。
【0056】
図11から明らかなように、本実施例のヘッド・サスペンション1は、上記のように曲げ線25a,25bを延設方向の前後に位置ずれさせても、一般的なばね部を有するヘッド・サスペンションと同様にばね定数一定の線形特性を得ることができる。
【0057】
(オフトラック特性)
図12(a)及び(b)は、ロード・ビームの幅方向両側の輪郭による高低差を示す図表である。なお、図12の縦軸は高さ、横軸は延設方向の長さを示している。また、図12の輪郭線65a,65bは、ヘッド・サスペンション1のロード・ビーム5部分を示しており、左端がヘッド部側、中央部の最も低い部分が剛体部17の中間部、右端側の起伏部分がばね部19となっている。また、図12(a)は、実施例1に係る荷重曲げ方法によるもの、図12(b)は、変形例に係る荷重曲げ方法によるものである。
【0058】
図12のように、本実施例のヘッド・サスペンション1は、ばね部19の曲げ線25a,25bのずれにより幅方向の両側に高低差が生じている。このため、ヘッド・サスペンション1は、全体として傾いた状態でキャリッジ・アームに取り付けられることになる。結果として、ディスク・フラッターによるトランスジューサー(ヘッド部)の位置決め性悪化を改善することができる(TMR抑止効果)。
【0059】
また、両側の高低差は、変形例に係る荷重曲げ方法による場合の方が大きくなっている。このことから、実施例1及び変形例の荷重曲げ方法を選択的に用いれば、TMR抑止効果の強さに応じた傾きを付与することが可能となる。
[実施例1の効果]
本実施例のヘッド・サスペンション1に適用されるロード・ビーム5は、ばね部19が、剛体部17基端の幅方向両側に設けられた一対の脚部21a,21bと、該一対の脚部21a,21bに各別に設けられ前記幅方向に沿った曲げ線25a,25bにより曲げ込まれた荷重曲げ部23a,23bとを備え、曲げ線25a,25bが、前記延設方向前後に位置ずれして配置されている。
【0060】
このため、ロード・ビーム5では、ばね部19の荷重曲げ部23a,23bを曲げ線25a,25bのずれ量に応じた所定の曲げ込み量以上とすることで、サスペンション荷重値を略一定に遷移させることができる。
【0061】
従って、ロード・ビーム5では、ばね部19の荷重曲げ部23a,23bの曲げ込みを所定の曲げ込み量以上に行わせれば、曲げ線25a,25bのずれ量に応じた略一定に遷移する部分によって目標とするサスペンション荷重値を容易且つ確実に得ることができる。
【0062】
結果として、本実施例では、ばね部19の曲げ込み量の厳密な管理をなくすことができると共に金型の管理が容易となって生産性の向上をも図ることができる。
【0063】
しかも、本実施例のロード・ビーム5は、曲げ線25a,25bを延設方向の前後に位置ずれさせても、一般的なばね部を有するヘッド・サスペンションと同様、ばね定数一定の線形特性を有することができる。
【0064】
さらに、ロード・ビーム5は、ばね部19の曲げ線25a,25bのずれにより幅方向の両側に高低差が生じさせることができるので、ディスク・フラッターによるヘッド部の位置決め性悪化を改善することができる。
【0065】
このロード・ビーム5を有するヘッド・サスペンション1も、同様の効果を奏することができる。
【0066】
また、本実施例の荷重曲げ方法は、一対の直線状のエッジ部39a,39b(57a,57b)を有したダイ33(51)上にばね部19を設置し、エッジ部39a,39b(57a,57b)をばね部19の一対の脚部21a,21bに対して延設方向前後に位置ずれした状態で幅方向に沿って接触させ、脚部21a,21bをエッジ部39a,39b(57a,57b)に沿ってダイ33(51)側に曲げ込んで荷重曲げ部23a,23bを形成する。
【0067】
従って、本実施例の荷重曲げ方法では、容易且つ確実に脚部21a,21bに対して曲げ線25a,25bが延設方向前後に位置ずれした荷重曲げ部23a,23bを形成することができる。
【0068】
また、ダイ33が異なる長さの一対の延設部37a,37bを有し、エッジ部39a,39bが延設部37a,37bの縁部からなる場合は、延設部37a,37bの長さに基づいて曲げ線25a,25bが延設方向前後に位置ずれした荷重曲げ部23a,23bを確実に形成することができる。この結果、延設部37a,37bの長さ設定により、ばね部19の曲げ線25a,25bのずれ量を容易に調整することができる。
【0069】
また、図5の変形されたダイ33Aでは、設置面20に対する凹状の段部22を有し、一対のエッジ部39Aa,39Abは、段部22により設置面20上で延設方向前後に位置ずれしたダイ33Aの縁部からなる。
【0070】
かかるダイ33Aを用いた場合は、段部22の長さ設定により、ばね部19の曲げ線25a,25bのずれ量を容易に調整することができる。
【0071】
一方、ダイ51が設置面53に対する凹状の段部55を有し、エッジ部57a,57bがダイ51の設置面53及び段部55の縁部からなる場合は、段部55の深さD3に基づいて曲げ線25a,25bが延設方向前後に位置ずれした荷重曲げ部23a,23bを確実に形成することができる。この結果、段部55の深さ設定により、ばね部19の曲げ線25a,25bのずれ量を容易に調整することができる。
【0072】
この場合、曲げ込みは、設置面側及び段部側エッジ部57a,57bに対するロード・ビーム5上の隣接部分49a,49bをダイ51側へ押圧することで行われ、段部側隣接部分49aを先に押圧して段部側脚部21aを弾性変形させ、設置面側隣接部分49bを段部側脚部21aを弾性変形の進行後に押圧する。
【0073】
このため、荷重曲げ部23a,23bの曲げ込み開始時期を近接させることができ、曲げ込み量の差を低減することができる。結果として、荷重曲げ部23a,23bは、その一方が曲げ込み不十分となるようなことを防止でき、所定の曲げ込み量以上での確実な曲げ込み形成が可能となる。
【0074】
さらに、段部側脚部21aが段部側エッジ部57aに接触したときに設置面側隣接部分49bを押圧すれば、両隣接部分49a,49bの曲げ込み開始時期を同期することができ、より確実に荷重曲げ部23a,23bの曲げ込み量の差を低減することができる。
【0075】
さらに、この場合は、隣接部分49a,49bの押圧を押圧方向で相対的に短い設置面側押圧部63bと相対的に長い段部側押圧部63aとをダイ側に一体的に移動させて行うことで、ヘッド・サスペンション1の製造時のタクト・アップを図ることができる。
【符号の説明】
【0076】
1 ヘッド・サスペンション
3 ベース部
5 ロード・ビーム
17 剛体部
19 ばね部
21a,21b 脚部
23a,23b 荷重曲げ部
25a,25b 曲げ線
33 ダイ
39a,39b,57a,57b エッジ部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
剛体部及びばね部を備えキャリッジ・アーム側のベース部に前記ばね部を介して支持されて前記剛体部先端のヘッド部に負荷荷重を与えるヘッド・サスペンションのロード・ビームであって、
前記ばね部は、前記剛体部基端の幅方向両側に設けられた一対の脚部と、該一対の脚部に各別に設けられ前記幅方向に沿った曲げ線により曲げ込まれた荷重曲げ部とを備え、
該荷重曲げ部の曲げ線は、前記延設方向前後に位置ずれして配置された、
ことを特徴とするロード・ビーム。
【請求項2】
請求項1記載のロード・ビームを備えたヘッド・サスペンションであって、
前記キャリッジ・アームに取り付けられる共に前記ロード・ビームの前記剛体部を前記ばね部を介して支持するベース部と、
前記ロード・ビームに取り付けられて前記ヘッド部を支持するフレキシャとを備えた、
ことを特徴とするヘッド・サスペンション。
【請求項3】
請求項1記載のロード・ビームの荷重曲げ方法であって、
一対の直線状のエッジ部を有したダイ上に前記ばね部を設置し、
前記一対のエッジ部を前記ばね部の一対の脚部に対して前記延設方向前後に位置ずれした状態で前記幅方向に沿って接触させ、
前記一対の脚部を前記一対のエッジ部に沿って前記ダイ側に曲げ込んで前記荷重曲げ部を形成する、
ことを特徴とする荷重曲げ方法。
【請求項4】
請求項3記載のロード・ビームの荷重曲げ方法であって、
前記ダイは、異なる長さの一対の延設部を有し、
前記エッジ部は、前記一対の延設部の縁部からなる、
ことを特徴とする荷重曲げ方法。
【請求項5】
請求項3記載のロード・ビームの荷重曲げ方法であって、
前記ダイは、前記ばね部の設置面に対する凹状の段部を有し、
前記一対のエッジ部は、前記段部により前記設置面上で前記延設方向前後に位置ずれした縁部からなる、
ことを特徴とする荷重曲げ方法。
【請求項6】
請求項3記載のロード・ビームの荷重曲げ方法であって、
前記ダイは、前記ばね部の設置面に対する凹状の段部を有し、
前記一対のエッジ部は、前記段部により前記曲げ込み方向で位置ずれした縁部からなる、
ことを特徴とする荷重曲げ方法。
【請求項7】
請求項6記載の荷重曲げ方法であって、
前記曲げ込みは、前記エッジ部に対する前記ロード・ビーム上の隣接部分を前記ダイ側へ押圧することで行われ、
前記段部側エッジ部に対する段部側隣接部分を、先に押圧して前記段部側の脚部を弾性変形させ、
前記設置面側エッジ部に対する設置面側隣接部分を、前記弾性変形の進行後に押圧する、
ことを特徴とする荷重曲げ方法。
【請求項8】
請求項7記載の荷重曲げ方法であって、
前記段部側及び設置面側隣接部分の押圧を、前記押圧方向で相対的に長い段部側押圧部と相対的に短い設置面側押圧部とを前記ダイ側に一体的に移動させて行う、
ことを特徴とする荷重曲げ方法。
【請求項1】
剛体部及びばね部を備えキャリッジ・アーム側のベース部に前記ばね部を介して支持されて前記剛体部先端のヘッド部に負荷荷重を与えるヘッド・サスペンションのロード・ビームであって、
前記ばね部は、前記剛体部基端の幅方向両側に設けられた一対の脚部と、該一対の脚部に各別に設けられ前記幅方向に沿った曲げ線により曲げ込まれた荷重曲げ部とを備え、
該荷重曲げ部の曲げ線は、前記延設方向前後に位置ずれして配置された、
ことを特徴とするロード・ビーム。
【請求項2】
請求項1記載のロード・ビームを備えたヘッド・サスペンションであって、
前記キャリッジ・アームに取り付けられる共に前記ロード・ビームの前記剛体部を前記ばね部を介して支持するベース部と、
前記ロード・ビームに取り付けられて前記ヘッド部を支持するフレキシャとを備えた、
ことを特徴とするヘッド・サスペンション。
【請求項3】
請求項1記載のロード・ビームの荷重曲げ方法であって、
一対の直線状のエッジ部を有したダイ上に前記ばね部を設置し、
前記一対のエッジ部を前記ばね部の一対の脚部に対して前記延設方向前後に位置ずれした状態で前記幅方向に沿って接触させ、
前記一対の脚部を前記一対のエッジ部に沿って前記ダイ側に曲げ込んで前記荷重曲げ部を形成する、
ことを特徴とする荷重曲げ方法。
【請求項4】
請求項3記載のロード・ビームの荷重曲げ方法であって、
前記ダイは、異なる長さの一対の延設部を有し、
前記エッジ部は、前記一対の延設部の縁部からなる、
ことを特徴とする荷重曲げ方法。
【請求項5】
請求項3記載のロード・ビームの荷重曲げ方法であって、
前記ダイは、前記ばね部の設置面に対する凹状の段部を有し、
前記一対のエッジ部は、前記段部により前記設置面上で前記延設方向前後に位置ずれした縁部からなる、
ことを特徴とする荷重曲げ方法。
【請求項6】
請求項3記載のロード・ビームの荷重曲げ方法であって、
前記ダイは、前記ばね部の設置面に対する凹状の段部を有し、
前記一対のエッジ部は、前記段部により前記曲げ込み方向で位置ずれした縁部からなる、
ことを特徴とする荷重曲げ方法。
【請求項7】
請求項6記載の荷重曲げ方法であって、
前記曲げ込みは、前記エッジ部に対する前記ロード・ビーム上の隣接部分を前記ダイ側へ押圧することで行われ、
前記段部側エッジ部に対する段部側隣接部分を、先に押圧して前記段部側の脚部を弾性変形させ、
前記設置面側エッジ部に対する設置面側隣接部分を、前記弾性変形の進行後に押圧する、
ことを特徴とする荷重曲げ方法。
【請求項8】
請求項7記載の荷重曲げ方法であって、
前記段部側及び設置面側隣接部分の押圧を、前記押圧方向で相対的に長い段部側押圧部と相対的に短い設置面側押圧部とを前記ダイ側に一体的に移動させて行う、
ことを特徴とする荷重曲げ方法。
【図3】
【図4】
【図5】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図1】
【図2】
【図6】
【図4】
【図5】
【図7】
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【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図1】
【図2】
【図6】
【公開番号】特開2013−54812(P2013−54812A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−194353(P2011−194353)
【出願日】平成23年9月6日(2011.9.6)
【出願人】(000004640)日本発條株式会社 (1,048)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月6日(2011.9.6)
【出願人】(000004640)日本発條株式会社 (1,048)
【Fターム(参考)】
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