説明

ローラの洗浄脱水装置及び洗浄脱水方法

【課題】塗装材又は保護層形成材を吸収して蓄える材質のローラを、簡便な手順で洗浄及び脱水するとともに、ローラの性能劣化を防止する。
【解決手段】本体部52は、ローラ40の両端を回転自在に装着する第1支軸110及び第2支軸112と、装着されたローラ40の方向に指向した複数の微小孔116、118を備えるパイプ106、108と、噴出ノズル128から噴出する圧縮空気を受けて第1支軸110を回転させる風車126とを有する。パイプ106、108に対しては圧縮空気又は洗浄液が選択的に供給される。ローラ40は、風車126の作用及び、洗浄液又は圧縮空気が側面に吹き付けられる作用によって回転する。ローラ40は軸心中空部40aを有し、第1支軸110の中心軸122から軸心中空部40aに洗浄液を供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗装材又は保護層形成材を吸収して蓄える材質のローラを塗布作業に使用した後に、該ローラを洗浄及び脱水するローラの洗浄脱水装置及び洗浄脱水方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両は、製造後にユーザに手渡されるまでに屋外ストックヤードで保管されたり、トレーラ、船等で搬送されることが多い。この間、車両は粉塵、金属粉、塩分、油分、酸、直射日光等に曝されることから、長時間の保管及び搬送の間には、車両の外表面における複数の塗装層のうち表面層の品質が侵されるおそれがある。このような事態を防ぐため、車両出荷前の段階において塗装部に剥離性保護層を形成させる方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。剥離性保護層は液状ラップ材である保護層形成材(ストリッパブルペイントとも呼ばれる)を塗布して乾燥させることにより形成され、塗装部を保護することができる。また、除去する際には容易に剥離させることができるとともに、通常の保管時には自然に剥離してしまうことがない。
【0003】
剥離性保護層が乾燥する前の保護層形成材を塗布する工程では、ローラに保護層形成材を付着させて、複数の作業者がローラを転がして保護層形成材の塗布を行っている。
【0004】
このような作業者の作業を軽減し、且つ、作業の品質を均一にするためには産業用のロボットを採用し、該ロボットに保護層形成材を車両に塗布するためのローラを設けることが検討される。
【0005】
ところで、保護層形成材を作業者によって塗布する場合とロボットを用いて塗布する場合のいずれの場合においても、ローラの性能を十分発揮させるためには定期的に洗浄する必要がある。
【0006】
塗布作業に使用した塗布ローラを洗浄するために、別の洗浄用ローラを設け、該洗浄用ローラを洗浄液に浸漬させつつ塗布ローラに圧接しながら回転駆動する装置が提案されている(例えば、特許文献2)。この装置によれば、塗布ローラに付着している塗布液の固化を防止できて好適である。
【0007】
【特許文献1】特開2001−89697号公報
【特許文献2】特開平6−233951号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、前記特許文献2で開示されている装置は、ローラをロボットに装着したまま洗浄することから、ロボットの動作休止時間を利用して洗浄することとなる。したがって、洗浄する時間に制約があり、必ずしも十分な洗浄が行えない。また、洗浄後に脱水や乾燥させることもできない。さらに、保護層形成材を十分に吸収させることのできるローラには植毛体を用いることがあるが、該ローラを洗浄ローラに圧接する洗浄装置では、植毛体が縮れたり縺れるおそれがある。
【0009】
したがって、ローラの機能を十分に発揮させるためには、定期的に交換して洗浄及び乾燥(又は脱水)させることが望ましいが、この一連の作業は作業者にとって多大な負担となる。特に、ロボットを採用する場合には、塗布作業そのものがロボットによって自動化されても、洗浄作業を作業者に負担させると自動化が十分に達成されたことにならない。
【0010】
また、このようにローラを定期的に交換し、洗浄するという作業は、塗布材が保護層形成材である場合に限らず、一般の塗装材を用いる場合にも必要とされ、洗浄作業が作業者の負担となっている。
【0011】
本出願人は、このような課題を鑑みて、特願2004−94199号に記載されたローラの洗浄脱水装置及び洗浄脱水方法を提案した。このローラの洗浄脱水装置及び洗浄脱水方法によれば、塗装材又は保護層形成材を吸収して蓄える材質のローラを、簡便な手順で洗浄及び脱水することができる。
【0012】
本発明は前記の特願2004−94199号の発明に関連してなされたものであって、塗装材又は保護層形成材を吸収して蓄える材質のローラを、一層簡便な手順で洗浄及び脱水し、ローラの性能劣化を防止することを可能にするローラの洗浄脱水装置及び洗浄脱水方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係るローラの洗浄脱水装置は、塗装材又は保護層形成材を吸収して蓄える材質のローラを回転自在に装着可能な支軸と、
前記支軸と略平行に設けられ、装着された前記ローラの方向に指向した複数の微小孔を備える管路と、
前記管路に圧縮空気及び洗浄液の少なくとも一方を選択的に供給及び遮断する流体供給手段と、
を有することを特徴とする。
【0014】
このように、流体供給手段によって管路に対して洗浄液と圧縮空気とを選択的に切換供給することができるため、ローラに対して微小孔から洗浄液を吹き付けることによって洗浄を行い、圧縮空気を吹き付けることによって脱水を行うことができる。また、洗浄液と圧縮空気を同時に吹き付けることによって、洗浄効果を高めることができる。
【0015】
ローラは洗浄液又は圧縮空気が吹き付けられることによって回転するため、吹き付け圧力及び遠心力によって洗浄及び脱水が一層効果的且つ短時間に行われる。また、ローラの表面を押圧する部材がないことから、ローラの性能劣化を防止することができる。洗浄工程と脱水工程は、同一のローラに対して連続的に行ってもよいし、異なるローラに対して選択的に行ってもよい。また、ローラを異なる手順で洗浄、脱水する場合にも汎用的に利用可能である。
【0016】
この場合、前記ローラは軸心中空部を備え、
前記支軸を介して前記ローラの前記軸心中空部に洗浄液を供給する中空部洗浄液供給手段を有するようにしてもよい。軸心中空部に供給された洗浄液は遠心力により内面から外面に染みて進出して、放出されるため、ローラの内面から外面に亘る全域を洗浄することができる。
【0017】
さらに、圧縮空気を受けることにより前記支軸を回転させる受風部と、
前記受風部に圧縮空気を吹き付ける回転駆動手段とを有すると、ローラが洗浄液を吸収して重くなる場合でも、該ローラを確実に回転させることができる。
【0018】
前記支軸は、前記ローラの一端を支持する第1支軸と、他端を支持する第2支軸とからなり、
前記第1支軸及び前記第2支軸は、それぞれ向き合う方向に階段状に縮径する縮径部を有し、
前記第1支軸及び前記第2支軸の少なくとも一方は前記ローラの軸心中空部に挿入するように進退自在であって、軸方向の位置決めを行う係止部を備えるようにしてもよい。
【0019】
これにより、縮径部の各径に対応した複数の内径のローラを適用することができる。また、前記第1支軸及び前記第2支軸の少なくとも一方は軸方向に進退自在であることからローラを装着しやすく、しかも係止部により軸方向の位置決めがなされることから回転時にローラが抜けることがなく、確実に洗浄、脱水を行うことができる。
【0020】
さらに、前記支軸と前記管路は、開閉可能なカバーで覆われていると、脱水された水分が外部に飛散したり、圧縮空気が外部に噴出されることがない。また、カバーを開いてローラの着脱を容易に行うことができる。
【0021】
また、本発明は、塗装材又は保護層形成材を吸収して蓄える材質で、軸心中空部から塗装材又は保護層形成材を供給可能なローラを回転自在に装着可能な支軸と、
前記支軸を介して前記軸心中空部に洗浄液を供給する中空部洗浄液供給手段と、
前記支軸に装着された前記ローラを回転させる回転駆動手段と、
を有することを特徴とする。
【0022】
軸心中空部に供給された洗浄液はローラの遠心力により内面から外面に染みて放出され、ローラを簡便に洗浄することができる。
【0023】
本発明に係るローラの洗浄脱水方法は、塗装材又は保護層形成材を吸収して蓄える材質で、軸心中空部から塗装材又は保護層形成材を供給可能なローラを回転自在な支軸に装着するステップと、
前記支軸を介して前記ローラの前記軸心中空部に洗浄液を供給するとともに、前記支軸に設けられた受風部に圧縮空気を吹き付けて回転させ、前記ローラを洗浄するステップと、
前記軸心中空部に対する洗浄液の供給を停止させるとともに、前記受風部に圧縮空気を吹き付けて回転させ、前記ローラを脱水するステップと、
を有することを特徴とする。
【0024】
このようなステップを順に行うことにより、洗浄液が軸心中空部から染みて、遠心力で外部に放出されるため、ローラの内面及び外面を簡便な手順で洗浄及び脱水することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係るローラの洗浄脱水装置及び洗浄脱水方法によれば、管路の微小孔から洗浄液及び圧縮空気を選択的に噴出させることができ、塗装材又は保護層形成材を吸収して蓄える材質のローラを、簡便な手順で洗浄及び脱水することができる。
【0026】
また、本発明に係るローラの洗浄脱水装置は、微小孔を有する管路に対して洗浄液及び圧縮空気を選択的に供給可能であることから、ローラを異なる手順で洗浄、脱水する場合にも汎用的に利用可能である。
【0027】
さらに、洗浄液をローラの軸心中空部に供給することによって、洗浄液が軸心中空部から染みて遠心力で外部に放出されるため、ローラの内面及び外面を簡便な手順で洗浄することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明に係るローラの洗浄脱水装置及び洗浄脱水方法について実施の形態を挙げ、添付の図1〜図12を参照しながら説明する。
【0029】
先ず、本実施の形態に係る洗浄脱水装置50(図3参照)及び洗浄脱水方法で洗浄及び脱水する対象物となるローラ40及びハンドローラ41について図1及び図2を参照しながら説明する。
【0030】
図1に示すように、ローラ40は、例えば、自動車の搬送ライン12に設けられた保護層形成材の塗布装置10で用いられる。この保護層形成材の塗布装置10は、塗装の終了した車両14に対して保護層形成材を塗布するものであり、産業用ロボットである3台のロボット16a、16b、16cと、システム全体の制御を行う制御部18と、保護層形成材が収容されたタンク20と、該タンク20から各ロボット16a、16b、16cに連通する塗布材管路22と、水供給源24からロボット16a、16b、16cへ水を供給する水管路26とを有する。ロボット16a、16b、16cはそれぞれ制御部18に接続されたロボットコントローラ28a、28b、28cによって制御される。
【0031】
ロボット16a及び16cは、搬送ライン12における車両14の進行方向左手側に設けられ、ロボット16bは、進行方向右手側に設けられている。また、ロボット16aは進行方向前方、ロボット16bは進行方向の中程、ロボット16cは進行方向後方に備えられている。ロボット16a、16b、16cは搬送ライン12と平行なスライドレール30上を移動可能である。
【0032】
塗布材管路22の途中にはポンプ32が設けられており、タンク20から保護層形成材を吸い上げてロボット16a、16b、16cへ供給する。また、保護層形成材は、図示しないヒータと温度計とによって適温となるように制御されている。ロボット16a、16b、16cの先端部には、それぞれ塗布材管路22によって保護層形成材が供給されるローラ機構部34が設けられている。
【0033】
ローラ機構部34は、ロボット16a、16b、16cに取り付けられており、先端に円筒形状で植毛体のローラ40を有する。
【0034】
ローラ40は、それぞれホルダ42に回転自在に取り付けられており、ホルダ42の一端には塗布材管路22が接続されている。ローラ40の軸心中空部40aには、塗布材管路22から保護層形成材が供給され、ローラ40の表面ににじみ出るようになっている。また、ローラ40はホルダ42に対して着脱自在である。
【0035】
図2に示すように、円筒形状で植毛体のハンドローラ41は、柄180aを備えるローラフレーム180に回転自在に装着され、人手による塗布作業に用いられ、図1に示す塗布工程ステーションとは別の工程で用いられる。ハンドローラ41は、内径及び幅が前記ローラ40よりも小さく設定されている。また、ハンドローラ41は、図示しないトレー上の塗剤に浸すことにより塗剤を染み込ませる型式であって、前記のローラ40のように内径側から塗剤が染み込む型式とは異なる。ハンドローラ41はローラフレーム180に対して着脱自在である。
【0036】
ローラ40及びハンドローラ41は、植毛体に限らず、保護層形成材を吸収して蓄えることのできる材質であればよく、例えば、スポンジ等でもよい。
【0037】
保護層形成材の材料は、アクリル系コポリマ剤を主成分とするものであって、好ましくは、ガラス転移温度の異なる2種のアクリル系コポリマ部分を有するものであるとよい。具体的には、例えば、前記の特許文献1で示されている保護層形成材を用いるとよい。また、保護層形成材は、水との混合割合及び温度の変化によって粘度を調整することができ、しかも、乾燥すると車両14に密着して粉塵、金属粉、塩分、油分、酸、直射日光等から車両14の塗装部を化学的及び物理的に保護することができる。さらに、車両14をユーザに納品の際等で除去するときには、容易に剥離させることができる。
【0038】
次に、本実施の形態に係る洗浄脱水装置50について説明する。
【0039】
図3に示すように、洗浄脱水装置50は、箱形の本体部52と、該本体部52を支持する脚部54と、該脚部54から前方に延出した位置に設けられた操作部56とを有する。本体部52及び操作部56は、正面に起立した操作者が操作しやすい位置及び高さに設定されている。本体部52の底面には2つの排水ホース58a、58bが設けられており、図示しない排水処理部に接続されている。本体部52の裏面には排気ホース60が設けられており、図示しない排気処理部に接続されている。
【0040】
図4に示すように、操作部(流体供給手段)56には、圧縮空気の供給源62に接続された風車用空気開閉弁64及び側面用空気開閉弁(流体供給手段)66と、洗浄液としての水(又はアルコール水溶液等)を供給するポンプ68に接続された軸心用洗浄液開閉弁(中空部洗浄液供給手段)70及び側面用洗浄液開閉弁(流体供給手段)72が設けられている。これらの4つの開閉弁は手動式である。本体部52の側面には、後述するパイプ106及び108に吐出口が接続された集合継手74及び76が設けられている。
【0041】
風車用空気開閉弁64及び軸心用洗浄液開閉弁70は、それぞれパイプ78、80により本体部52の側壁102aに接続されている。側面用空気開閉弁66の下流側は直後の分岐継手82により2本のパイプ84a及び84bに分岐して、それぞれ集合継手74及び76の一方の入口部に接続されている。側面用洗浄液開閉弁72の下流側は直後の分岐継手86により2本のパイプ88a及び88bに分岐して、それぞれ集合継手74及び76の他方の入口部に接続されている。なお、図4における管路のうち実線は洗浄液の供給部を示し、破線は圧縮空気の供給部を示す。
【0042】
図5〜図7に示すように、本体部52は、下カバー102と、開閉可能な上カバー104と、下カバー102の長手方向に延在する2本のパイプ(管路)106、108と、該パイプ106、108と略平行に設けられ、ローラ40及びハンドローラ41を回転自在に装着することのできる第1支軸110及び第2支軸112とを有する。パイプ106及びパイプ108は、それぞれ下カバー102の長手方向の側壁102a、102bに固定されている。上カバー104を閉じたとき、該上カバー104はロック114により下カバー102に固定可能である。
【0043】
パイプ106及びパイプ108の一端は、下カバー102の一方の側壁102aを通り前記の集合継手74及び76に連通している。つまり、側面用洗浄液開閉弁72を開くとともに側面用空気開閉弁66を閉じることによりパイプ106及び108に対して洗浄液を供給することができ、側面用空気開閉弁66を開くとともに側面用洗浄液開閉弁72を閉じることにより圧縮空気を供給することができる(図4参照)。
【0044】
パイプ106及びパイプ108の他端は下カバー102の他方の側壁102bの近傍で塞がれている。また、パイプ106及びパイプ108の側面には、ローラ40の方向に開口する複数の微小孔116及び微小孔118が設けられ、所定間隔でパイプ106及びパイプ108のほぼ全長に亘って設けられている。
【0045】
パイプ106の微小孔116は、圧縮空気がローラ40の軸心O(図9参照)よりやや上方に吹き付けられるように調整されており、パイプ108の微小孔118は、軸心Oよりやや下方に吹き付けられるように調整されている。また、パイプ106及び108は、軸心Oを中心として180°の位置に設けられている。ローラ40に圧縮空気を吹き付けるためのパイプは3本以上であってもよく、この場合、各パイプは、軸心Oを中心とした等角度の位置に設けられているとよい。これにより、ローラ40に対してバランスよく圧縮空気を吹き付けることができる。
【0046】
第1支軸110は、側壁102aにおいて側壁102bへ向かう方向(以下、矢印B1方向とし、反対方向を矢印B2方向とする)に突出するように設けられており、固定部120と、該固定部120から矢印B1方向に延在する中空の中心軸122と、該中心軸122に対して回転可能な異径部(縮径部)124と、該異径部124の矢印B2方向に一体的に設けられた風車(受風部)126とを有する。
【0047】
中心軸122の軸心中空部は、前記パイプ80に連通しており(図6参照)、前記軸心用洗浄液開閉弁70を開操作することにより、パイプ80及び中心軸122の先端部122aを介して第1支軸110に装着されたローラ40の軸心中空部40aに洗浄液を噴出させることができる。
【0048】
風車126は、圧縮空気の周方向流れを複数の羽根126aが受けて駆動される型である。該風車126の図6中手前側近傍には前記パイプ78に連通するとともに下方側の羽根126aに指向する噴出ノズル(回転駆動手段)128が設けられており、前記風車用空気開閉弁64を開くことにより該噴出ノズル128から圧縮空気が噴出されて風車126及び異径部124を回転させることができる。
【0049】
異径部124は、矢印B1方向に向かって階段状に縮径する2つの径部、つまり大径部124aと小径部124bとを備える。大径部124aの端部には環状突起124cが設けられている。小径部124bの外径はハンドローラ41の内径と等しく、大径部124aの外径はローラ40の内径と等しい。
【0050】
第2支軸112は、側壁102bの孔130を通る中心軸132と、該中心軸132の矢印B1方向に設けられた円柱部134と、矢印B2方向で下カバー102の内部に設けられた異径部136と、円柱部134から径方向に延在する係止ロッド138とを有する。係止ロッド138は外方先端にばね受部140を備え、該ばね受部140と円柱部134との間には、円柱部134に近い側から順に円筒つまみ142及びスプリング144が嵌合されている。スプリング144の両端はばね受部140及び円筒つまみ142に当接してやや圧縮されており、円筒つまみ142はスプリング144の弾性力により筒148に対して強く当接して固定されている。このように円筒つまみ142は、係止ロッド138の係止位置を移動させる際のつまみ部として用いられるとともに、係止ロッド138を固定するストッパとして作用する。
【0051】
異径部136は、矢印B2方向に向かって階段状に縮径する2つの径部、つまり大径部136aと小径部136bとを備える。異径部136と前記異径部124は対称な形状であり、それぞれ向き合う方向に階段状に縮径している。大径部136aの端部には環状突起136cが設けられている。小径部136bの外径はハンドローラ41の内径及び前記小径部124bの外径と等しい。大径部136aの外径はローラ40の内径及び前記大径部124aの外径と等しい。
【0052】
大径部124aの軸方向長さと大径部136aの軸方向長さを加算した長さは、ローラ40の長さL1(図7参照)とハンドローラ41の長さL2(図2参照)との差(L1−L2)と等しく設定されている。これにより、ローラ40の装着時とハンドローラ41を装着時で、係止ロッド138の係合を同じ位置(位置決切欠160b)とすることができる。
【0053】
大径部124a及び136aの周面には、Oリング150a、150bが設けられており、該Oリング150a、150bがローラ40の軸心中空部40aの内面に当接することによって、軸心中空部40aから洗浄液が軸方向に漏出することを防止できる。
【0054】
本体部52の底面には前記排水ホース58a、58b(図3参照)に連通する排水孔152、154が設けられており、後側面には前記排気ホース60に連通する排気孔156が設けられている。
【0055】
側壁102bから矢印B1方向に向かって筒148が延在しており、該筒148には軸方向のスライド用切欠部158と、該スライド用切欠部158から径方向下方に向かって4つの位置決切欠160a、160b、160c、160dが設けられている。筒148はスライド用切欠部158を有することから断面C字形状である。
【0056】
前記係止ロッド138の径はスライド用切欠部158の幅よりやや小さく、円筒つまみ142をばね受部140の方向に引き寄せて円筒つまみ142を筒148から離間させることにより係止ロッド138がスライド用切欠部158に沿って矢印B1及びB2方向にスライド可能となり、このとき前記円柱部134が筒148の内周に沿って摺動して、第2支軸112が軸方向に進退する。
【0057】
係止ロッド138は、位置決切欠160a、160b、160c、160dのうちいずれか1つに選択的に挿入され、第2支軸112の軸方向の位置決めがなされ、円筒つまみ142を離すことにより、該円筒つまみ142は再びスプリング144の弾性力により筒148に対して強く当接して固定される。
【0058】
なお、洗浄脱水装置50では、パイプ106の微小孔116をローラ40を回転させるのに適当な角度とし、パイプ108の微小孔118をハンドローラ41を回転させるのに適当な角度として使い分けてもよい。
【0059】
次に、このように構成される洗浄脱水装置50を用いてローラ40(図7参照)の洗浄及び脱水を行う方法について、図8を参照しながら説明する。ローラ40(及びハンドローラ41)は、使用により保護層形成材が吸収されている。また、保護層形成材はローラ40の両端部においてやや乾燥して固化している。さらに、ローラ40は車両14の表面に押圧、転動されることによって、植毛体がやや縺れるとともに縮れた状態となっている。
【0060】
先ず、ステップS1において、ローラ40を第1支軸110及び第2支軸112により回転自在に支持する。具体的には、図7に示すように、円筒つまみ142をばね受部140の方向に引き寄せて筒148から離間させながら係止ロッド138をスライド用切欠部158内においてやや矢印B1方向にスライドさせ、第2支軸112の小径部136bを第1支軸110の小径部124bから長さL1よりも長い距離だけ離間させておき、この間にローラ40を配置させる。
【0061】
次に、係止ロッド138を矢印B2方向にスライドさせて位置決切欠160bの上方まで移動させた後、下に降ろして円筒つまみ142を離して該位置決切欠160bに係止させる。つまり、係止ロッド138を図7における矢印Cに沿って移動させる。これにより、大径部124a及び大径部136aはローラ40の両端から内径部に挿入されてローラ40を回転可能に支持する(図5参照)。これにより、ローラ40の内面は、Oリング150a、150bによって軸方向に対して液密に保持される。また、円筒つまみ142はスプリング144の弾性力によりストッパとして作用し、係止ロッド138は筒148に対して固定される。
【0062】
ステップS2において、上カバー104を閉じてロック114により固定する。
【0063】
ステップS3において、ローラ40の洗浄を開始する。具体的には、風車用空気開閉弁64を開いて、噴出ノズル128から圧縮空気を噴出させることにより風車126及びローラ40を回転させる。また、軸心用洗浄液開閉弁70及び側面用洗浄液開閉弁72を開いて、パイプ106、パイプ108及び中心軸122の先端部122aに洗浄液を供給する。この場合、側面用空気開閉弁66は閉じておく。
【0064】
パイプ106及び108に供給された洗浄液は、微小孔116及び118から勢いよく噴出されてローラ40の側面に吹き付けられ、ローラ40を一層高速に回転させる(回転駆動手段)とともに、植毛体に吸収されている保護層形成材を溶解して洗浄する。また、ローラ40の側面に洗浄液が吹き付けられることによって植毛体の縺れや縮れが解かれて、伸ばされる。
【0065】
微小孔116、118はパイプ106、108の側面に多数設けられていることから、洗浄液はローラ40の略全面に吹き付けられ、ローラ40を十分に洗浄することができる。ローラ40から飛ばされた水分は、下カバー102及び上カバー104によって遮られ、外部に飛散することがなく、排水ホース58a及び58bから適切に排出される。
【0066】
図9に示すように、微小孔116から噴出される洗浄液はローラ40の軸心Oより上方に吹き付けられ、微小孔118から噴出される洗浄液は軸心Oより下方に吹き付けられる。パイプ106が図9におけるローラ40の左側に配置され、パイプ108がローラ40の右側に配置されている場合、ローラ40は軸心Oを中心とした回転力を受けて時計方向に勢いよく回転する。微小孔116及び118から噴出される洗浄液の力はバランスして、ローラ40に対する回転力以外のせん断力等の力は略0となる。
【0067】
また、第2支軸112は係止ロッド138により軸方向の位置決めがなされるとともにスプリング144の弾性力により円筒つまみ142が係止ロッド138を固定していることから、回転時にローラ40が抜けることがなく確実に洗浄を行うことができる。第1支軸110の中心軸122は固定部120により固定されているとともに、第2支軸112の円柱部134の周囲を筒148が当接して覆っていることから、ローラ40は洗浄液を受けてもがたつくことがなく、安定して回転する。
【0068】
また、先端部122aから供給される洗浄液はローラ40の軸心中空部40aに噴出され、ローラ40の遠心力によって植毛体の部分の内面から外面に向かって染み込み保護層形成材を溶解して洗浄し、外面から放出される。したがって、ローラ40の内面から外面に亘る全域を洗浄することができる。
【0069】
ローラ40の軸心中空部40a内の洗浄液は、Oリング150a、150bの作用によって軸方向に漏れることが防止されて、植毛体の部分に確実に染み込む。この際、ローラ40は洗浄液を吸収して重くなるが、風車126の作用によって確実且つ高速に回転可能である。
【0070】
微小孔116、118及び先端部122aからローラ40に供給された洗浄液は、保護層形成材を溶解した後に遠心力によって流し落とされ、排水ホース58a及び58bから排出される。また、先端部122aから噴出した圧縮空気は滞留することなく排気ホース60から排気されるため、空気の流れがスムーズとなり風車126を回転させやすい。
【0071】
なお、このステップS3において、ローラ40の材質又は汚れの程度等によっては、軸心用洗浄液開閉弁70及び側面用洗浄液開閉弁72のいずれか一方のみを開いて、軸心中空部40a又は側面のいずれか一方のみから洗浄液を供給するようにしてもよい。
【0072】
ステップS4において、洗浄を所定の時間継続した後に、軸心用洗浄液開閉弁70及び側面用洗浄液開閉弁72を閉じ、洗浄処理を終了する。
【0073】
ステップS5において、側面用空気開閉弁66を開いて脱水処理を開始する。すなわち、側面用空気開閉弁66を開くことによって、パイプ106及びパイプ108の複数の微小孔116及び118から圧縮空気を噴出してローラ40の側面に吹き付ける。このとき、風車用空気開閉弁64は開けたままにしておく。
【0074】
風車126の作用、及び圧縮空気が側面に吹き付けられる作用によって、ローラ40は勢いよく回転し、空気の圧力と遠心力とにより、吸収している洗浄液が飛ばされて脱水される。また、ローラ40の側面に圧縮空気が吹き付けられることによって植毛体の縺れや縮れが一層解かれて、伸ばされる。また、植毛体の奥の方まで空気が送り込まれ植毛体が直立復帰する。
【0075】
微小孔116、118はパイプ106、108の側面に多数設けられていることから、圧縮空気はローラ40の略全面に吹き付けられ、ローラ40を十分に脱水することができる。
【0076】
なお、このステップS5において、ローラ40のサイズ、重量又は汚れの程度等によっては、風車用空気開閉弁64及び側面用空気開閉弁66のいずれか一方のみを開いて、風車126による駆動か、又は側面に対する圧縮空気の吹き付けのいずれか一方のみでローラ40を駆動するようにしてもよい。
【0077】
次に、ステップS6において、風車用空気開閉弁64、側面用空気開閉弁66、軸心用洗浄液開閉弁70及び側面用洗浄液開閉弁72の全てを閉じて脱水処理を終了する。
【0078】
ステップS7において、ローラ40の回転を停止させた後、上カバー104を開け、洗浄及び脱水の終了したローラ40を第1支軸110、第2支軸112から抜き取り、所定の場所に移して乾燥させる。この抜取り作業は、前記の通り、円筒つまみ142をばね受部140の方向に引き寄せて円筒つまみ142を筒148から離間させながら、係止ロッド138を矢印B1方向にスライドすることにより行われ、ローラ40を容易に取り出すことができる。
【0079】
ローラ40は、洗浄脱水装置50によって予め脱水されていることから早く乾燥させることができる。また、ローラ40は、洗浄脱水装置50の作用によって、植毛体の縺れや縮れが解かれるとともに植毛体が伸ばされていることから、塗布装置10で使用される前の状態に略戻っており、ローラ40の性能劣化を防止できる。つまり、次にローラ40を使用するときには、保護層形成材を十分に吸収して蓄えることができ、塗布面の塗膜が十分な厚さを有し、しかも塗りむらが発生しない。
【0080】
さらに、洗浄脱水装置50には、ローラ40の表面を押圧するような部材が存在しないことから、ローラ40の長寿命化を図ることができる。ローラ48の両端部においてやや乾燥して固化していた保護層形成材は洗浄されて除去される。
【0081】
なお、ローラ40に染み込んでいる塗剤の種類や含浸量に応じて、前記の脱水処理(ステップS4、S5)が終了した後に、所定の溶剤にしばらくの間浸漬させて塗剤を溶解させ、その後脱水処理のみを再度行ってもよい。
【0082】
次に、洗浄脱水装置50を用いて、ハンドローラ41(図2参照)の洗浄及び脱水を行う方法について、図10を参照しながら説明する。
【0083】
先ず、ステップS101において、ハンドローラ41を第1支軸110及び第2支軸112により回転自在に支持する。このステップS101は、前記ステップS1と同じ手順であって、係止ロッド138を矢印Cに沿って移動させて位置決切欠160bに係止させることにより行われるが、ハンドローラ41は、前記ローラ40よりも内径が小さいため、小径部124b及び小径部136bに嵌合して回転可能に支持される(図11参照)。
【0084】
次に、ステップS102において、前記ステップS2と同様に上カバー104を閉じる。
【0085】
ステップS103において、風車用空気開閉弁64及び側面用洗浄液開閉弁72を開いてハンドローラ41の洗浄を開始する。このとき、前記ステップS3と異なり軸心用洗浄液開閉弁70は閉じておく。ハンドローラ41は軸心中空部41aから液体を染み込ませることができないため、軸心中空部41aに洗浄液を供給しても洗浄作業に供せられないからである。
【0086】
ステップS104において、側面用洗浄液開閉弁72を閉じて洗浄処理を終了する。
【0087】
以降のステップS105〜ステップS107は、前記ステップS5〜ステップS7と同様に行われる。
【0088】
上記したように、本実施の形態に係る洗浄脱水装置50では異径部124及び異径部136の2つの径に対応したローラ40及びハンドローラ41を適用することができる。また、第2支軸112は軸方向に進退自在であってローラ40及びハンドローラ41を装着しやすい。
【0089】
さらに、係止ロッド138を位置決切欠160a、160c及び160dに挿入することにより、長さの異なる他のローラを適用することができる。異径部124及び136の段数を3段以上の異なる径とすることにより、さらに多種の内径のローラを適用することができる。
【0090】
また、洗浄を行う処理であるステップS3及びS103において、ポンプ68から供給する洗浄液の種類を途中で変更するようにしてもよい。例えば、洗浄処理の前半にはアルコール水溶液を供給して保護層形成材を溶解させやすくし、後半には水を供給してすすぎ洗いを行うようにしてもよい。
【0091】
ステップS3及びS103においては、汚れの種類に応じて、軸心用洗浄液開閉弁70及び側面用洗浄液開閉弁72の両方を開き(又は、適当な開度に調整し)、パイプ106及びパイプ108の複数の微小孔116及び118から圧縮空気と洗浄液とを混合した霧状態で噴出させるようにしてもよい。これにより、洗浄液と圧縮空気とによりローラ40の植毛体はより激しく撹拌されるため、洗浄効果を高めることができる。
【0092】
洗浄脱水装置50及び該洗浄脱水方法によれば、風車用空気開閉弁64、側面用空気開閉弁66、軸心用洗浄液開閉弁70及び側面用洗浄液開閉弁72を操作するだけの簡便な手順でローラ40及びハンドローラ41を洗浄することができ、ローラ40及びハンドローラ41の性能劣化を防止できる。
【0093】
また、側面用空気開閉弁66及び側面用洗浄液開閉弁72の操作によってパイプ106、108に対して洗浄液と圧縮空気とを選択的に供給することができるため、ローラ40及びハンドローラ41に対して微小孔116、118から洗浄液を吹き付けることによって洗浄を行い、その後に圧縮空気を吹き付けることによって脱水を行うことができる。この場合、ローラ40及びハンドローラ41の取付位置を変更することなく洗浄処理と脱水処理とを連続的に行うため、工程移行時間のない迅速な処理が可能である。
【0094】
洗浄脱水装置50は、風車用空気開閉弁64、側面用空気開閉弁66、軸心用洗浄液開閉弁70及び側面用洗浄液開閉弁72のオン・オフ的で単純な開閉動作で操作可能であって習熟が不要である。
【0095】
ローラ40及びハンドローラ41は洗浄液又は圧縮空気が吹き付けられることによって回転するため、吹き付け圧力及び遠心力によって洗浄及び脱水が効果的且つ短時間に行われる。
【0096】
洗浄脱水装置50によれば、操作者はローラ40及びハンドローラ41の表面に付着する保護層形成材及び洗浄液を直接的に触れる必要がほとんどないため、手袋の使用や手洗いの手間が省かれる。
【0097】
さらに、洗浄脱水装置50は、洗浄液の供給手段として中心軸122の先端部122aから噴出させる手段と、微小孔116及び118から噴出させる手段が利用可能であって、一方、洗浄、脱水のためローラ40、ハンドローラ41を回転させる手段として、圧縮空気を噴出ノズル128から噴出させる手段と、微小孔116及び118から噴出させる手段が利用可能である。したがって、洗浄、脱水するローラ40、ハンドローラ41の材質、サイズ、重量又は汚れの程度等によって、種々の組合せの洗浄、脱水方法が実現可能であって、汎用的に利用可能である。
【0098】
また、ローラ40及びハンドローラ41の材質は植毛体として説明したが、スポンジ等の材質であっても略同様の効果を奏する。
【0099】
中心軸122及び132には上カバー104を開くことに連動して第1支軸110及び第2支軸112を停止させる適当なブレーキ機構を設けてもよい。
【0100】
なお、一層の自動化を図るため、図12に示すような洗浄脱水装置50aにより洗浄及び脱水処理を行うようにしてもよい。洗浄脱水装置50aは、前記の風車用空気開閉弁64、側面用空気開閉弁66、軸心用洗浄液開閉弁70及び側面用洗浄液開閉弁72に相当する風車用空気電磁開閉弁64a、側面用空気電磁開閉弁66a、軸心用洗浄液電磁開閉弁70a及び側面用洗浄液電磁開閉弁72aを有し、図示しない運転ボタン及び運転ランプと連動させながらPLC(Programmable Logic Controller)170の作用下に自動的な開閉切換動作を行う。この場合、係止ロッド138が位置決切欠160a〜160dに係合したことを検出する係合センサ172、及び上カバー104が閉じられてロック114により固定されたことを検出するカバーセンサ174の信号を参照して、係止ロッド138の係合及び上カバー104の閉鎖が不完全であるときには動作を停止するインターロックを設けてもよい。洗浄脱水装置50aの運転ボタンは、ローラ40を洗浄、脱水するための第1運転ボタンと、ハンドローラ41を洗浄、脱水するための第2運転ボタンとに分けて設け、それぞれ異なる処理(図8及び図10参照)を行うようにしてもよい。
【0101】
パイプ106、108に対して洗浄液と圧縮空気とを選択的に切換供給するための回路は、図4に示す回路に限らないことはもちろんである。
【0102】
本発明に係るローラの洗浄脱水装置及び洗浄脱水方法は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成乃至工程を採り得ることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】保護層形成材の塗布装置の斜視図である。
【図2】ハンドローラの斜視図である。
【図3】洗浄脱水装置の斜視図である。
【図4】洗浄脱水装置の空気及び洗浄液の複合的な供給回路図である。
【図5】洗浄脱水装置の本体部の斜視図である。
【図6】洗浄脱水装置の風車の近傍を示す一部拡大斜視図である。
【図7】洗浄脱水装置に内径の大きいローラを取り付ける様子を示す平面図である。
【図8】ローラの洗浄脱水方法の手順を示すフローチャートである。
【図9】ローラを脱水している状態を示す洗浄脱水装置の一部断面側面図である。
【図10】ハンドローラの洗浄脱水方法の手順を示すフローチャートである。
【図11】洗浄脱水装置に内径の小さいハンドローラを取り付けた平面図である。
【図12】変形例に係る洗浄脱水装置の斜視図である。
【符号の説明】
【0104】
10…塗布装置 40…ローラ
40a、41a…軸心中空部 41…ハンドローラ
50、50a…洗浄脱水装置 52…本体部
56…操作部 64…風車用空気開閉弁
66…側面用空気開閉弁 70…軸心用洗浄液開閉弁
72…側面用洗浄液開閉弁 102…下カバー
104…上カバー 106、108…パイプ
110…第1支軸 112…第2支軸
114…ロック 116、118…微小孔
122a…先端部 124、136…異径部
124a、136a…大径部 124b、136b…小径部
126…風車 128…噴出ノズル
142…円筒つまみ 150a、150b…Oリング
160a〜160d…位置決切欠

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗装材又は保護層形成材を吸収して蓄える材質のローラを回転自在に装着可能な支軸と、
前記支軸と略平行に設けられ、装着された前記ローラの方向に指向した複数の微小孔を備える管路と、
前記管路に圧縮空気及び洗浄液の少なくとも一方を選択的に供給及び遮断する流体供給手段と、
を有することを特徴とするローラの洗浄脱水装置。
【請求項2】
請求項1記載のローラの洗浄脱水装置において、
前記ローラは軸心中空部を備え、
前記支軸を介して前記軸心中空部に洗浄液を供給する中空部洗浄液供給手段を有することを特徴とするローラの洗浄脱水装置。
【請求項3】
請求項1記載のローラの洗浄脱水装置において、
さらに、圧縮空気を受けることにより前記支軸を回転させる受風部と、
前記受風部に圧縮空気を吹き付ける回転駆動手段と、
を有することを特徴とするローラの洗浄脱水装置。
【請求項4】
請求項1記載のローラの洗浄脱水装置において、
前記支軸は、前記ローラの一端を支持する第1支軸と、他端を支持する第2支軸とからなり、
前記第1支軸及び前記第2支軸は、それぞれ向き合う方向に階段状に縮径する縮径部を有し、
前記第1支軸及び前記第2支軸の少なくとも一方は前記ローラの軸心中空部に挿入するように進退自在であって、軸方向の位置決めを行う係止部を備えることを特徴とするローラの洗浄脱水装置。
【請求項5】
請求項1記載のローラの洗浄脱水装置において、
前記支軸と前記管路は、開閉可能なカバーで覆われていることを特徴とするローラの洗浄脱水装置。
【請求項6】
塗装材又は保護層形成材を吸収して蓄える材質で、軸心中空部から塗装材又は保護層形成材を供給可能なローラを回転自在に装着可能な支軸と、
前記支軸を介して前記軸心中空部に洗浄液を供給する中空部洗浄液供給手段と、
前記支軸に装着された前記ローラを回転させる回転駆動手段と、
を有することを特徴とするローラの洗浄脱水装置。
【請求項7】
塗装材又は保護層形成材を吸収して蓄える材質で、軸心中空部から塗装材又は保護層形成材を供給可能なローラを回転自在な支軸に装着するステップと、
前記支軸を介して前記ローラの前記軸心中空部に洗浄液を供給するとともに、前記支軸に設けられた受風部に圧縮空気を吹き付けて回転させ、前記ローラを洗浄するステップと、
前記軸心中空部に対する洗浄液の供給を停止させるとともに、前記受風部に圧縮空気を吹き付けて回転させ、前記ローラを脱水するステップと、
を有することを特徴とするローラの洗浄脱水方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−87996(P2006−87996A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−274600(P2004−274600)
【出願日】平成16年9月22日(2004.9.22)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】