説明

ロールフィルム切断システムの切断副産物除去装置

【課題】ロールフィルムのレーザ切断時に発生する副産物を連続的に吸引して除去する切断副産物除去装置を提供する。
【解決手段】レーザーカッター50のレーザーヘッド125から照射されるレーザービームが通過可能なギャップが設けられ、レーザーヘッド125と対向するようにロールフィルムの幅方向に配置されてロールフィルムの位置を固定可能な吸着部材と、吸着部材のギャップ方向に選択的に接近または離隔可能に設けられて副産物を吸入可能な吸入部材140と、吸入部材140を往復移動させることができる往復移動部材150とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロールフィルム切断システムの切断副産物除去装置に関するものであって、より詳しくは、例えば、偏光フィルムロールのようなロールフィルムをレーザーを用いて切断するとき、ロールフィルムの走行を妨げないながらも、発生する切断副産物を吸入して除去可能なロールフィルム切断システムの切断副産物除去装置に関する。
【0002】
本出願は、2010年06月14日出願の韓国特許出願第10‐2010‐0055993号及び2011年05月16日出願の韓国特許出願第10‐2011‐0045793号に基づく優先権を主張し、該当出願の明細書および図面に開示された内容は、すべて本出願に援用される。
【背景技術】
【0003】
一般に、液晶表示装置は、液晶層を挟んで互いに向かい合う面であってそれぞれ電界生成電極が形成された一対の透明絶縁基板からなった液晶パネルを必須に備え、電界生成電極間の電場変化を通じて液晶分子の配向を人為的に調節し、この過程で変化する光の透過率を利用して様々な画像を表示する。
【0004】
液晶パネルの上下面にはそれぞれ液晶表示装置の液晶配向変化を可視化する偏光フィルムが配置される。偏光フィルムは、透過側と一致する偏光成分の光を透過させる。液晶表示装置は液晶パネルの上下面に配置された偏光フィルムの透過軸の配置と液晶の配列特性とによって光の透過程度を決定する。
【0005】
業界に知られた多様な方式によって製造されたロール状の偏光フィルム(以下、「偏光フィルムロール」と称する)は、機械式カッター(例えば、裁断プレスまたはスーパーカッター)によって対応する液晶表示装置のサイズごとに裁断(切断)されるべきである。
【0006】
ところが、偏光フィルムロールを裁断プレスやスーパーカッターのような機械式カッターで切断する場合、切断された面は面取り工程を経なければならず、偏光フィルムロールの切断過程で多量の粉塵が発生するので、追加工程コスト及び環境処理コストが発生する。これは、生産コストの上昇及び生産性低下をもたらす。これを改善するために、最近にはレーザーを用いて偏光フィルムロールを切断する装置が開発されている。そして、偏光フィルムロールをレーザー加工機で切断する場合、レーザーのパワーから発生する切断副産物はサクションユニット(suction unit)によって吸入及び除去される。しかし、このようなサクションユニットは自らの吸入力によって偏光フィルムロールの移送を妨げるので、分離された偏光フィルムを移送するか、切断される偏光フィルムロールを供給するためにはサクションユニットの作動を一時中断させる必要がある。このようなサクションユニットの一時中断過程においては、レーザー切断システムの周囲に浮遊する切断副産物が、切断された偏光フィルム(または偏光フィルムロール)を汚染させる可能性が非常に高かった。それだけでなく、このような切断副産物は、レーザー切断装置そのものを汚染させるか、故障をもたらし得る問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上述した問題点を解決するために創案されたものであって、レーザーを用いて偏光フィルムロールのようなロールフィルムを切断するロールフィルム切断システムにおいて、偏光フィルムロールの移送を妨げないながらも、偏光フィルムロールをレーザーを用いて切断するとき発生する切断副産物を連続的に吸入して除去可能なロールフィルム切断システムの切断副産物除去装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記のような課題を達成するための本発明の望ましい例示的実施例によるロールフィルム切断システムの切断副産物除去装置は、レーザーカッターのレーザーヘッドから照射されるレーザービームが通過可能なギャップが設けられ、前記レーザーヘッドと対向するように前記ロールフィルムの幅方向に配置されて前記ロールフィルムの位置を固定可能な吸着部材と、前記吸着部材の前記ギャップ方向に選択的に接近または離隔可能に設けられて前記副産物を吸入可能な吸入部材と、前記吸入部材を往復移動させることができる往復移動部材とを備える。
【0009】
望ましくは、前記吸着部材は、複数の真空吸着孔が予め定められたパターンでそれぞれ設けられ、前記ギャップを形成可能に互いに離隔して配置された一対の吸着プレートを備える。
【0010】
望ましくは、前記吸入部材は、前記吸着部材の前記ギャップに近接して位置する吸入部と、前記吸入部と連通する吸入ボディーと、前記吸入部から吸入される前記副産物を排出可能に前記吸入ボディーに連通した排出部とを備える。
【0011】
望ましくは、前記吸入部は、前記吸着部材のギャップに位置する、細長く形成されたフラットノズルを備える。
【0012】
望ましくは、前記往復移動部材は、前記吸着部材に連結された作動ロッドを含むアクチュエーターと、前記吸着部材の往復移動をガイド可能なガイド棒とを備える。
【0013】
望ましくは、前記アクチュエーターは、空圧または油圧シリンダーを備える。
【0014】
望ましくは、前記アクチュエーターと前記ガイド棒とは、前記吸着部材を基準にして対称的にそれぞれ配置される一対で設けられる。
【0015】
望ましくは、前記往復移動部材は、前記ロールフィルムが前記吸着部材に吸着または解除されることによって前記吸入部材を昇・下降させることで、前記吸入部材の上端部レベルと前記ロールフィルムの底面レベルとの間隔を選択的に変化させる。
【0016】
望ましくは、除去装置は、前記ロールフィルムの上部へと飛散する副産物を集塵可能な第1集塵部材をさらに備える。
【0017】
望ましくは、前記第1集塵部材は、前記ロールフィルムの上部で前記レーザーヘッドの両側に配置され入口がそれぞれ設けられた一対の集塵ボディーと、それぞれの前記入口と連通するように前記レーザーヘッド方向に突設された一対の集塵ノズルと、前記集塵ボディーにそれぞれ設けられた排出口とを備える。
【0018】
望ましくは、除去装置は、前記吸入部材の下部に設けられた第2集塵部材をさらに備える。
【0019】
望ましくは、前記第2集塵部材は、前記ロールフィルムの幅方向に配置された第2集塵ボディーと、前記第2集塵ボディーと連通するように設けられた第2集塵ノズルと、前記第2集塵ボディーに設けられた第2排出部とを備える。
【0020】
望ましくは、前記ロールフィルムは、偏光フィルムロールまたは立体映像ディスプレイ機器用パターン化されたリターダ(patterned retarder)フィルムロールである。
【発明の効果】
【0021】
本発明によるロールフィルム切断システムの切断副産物除去装置は、次のような効果を奏する。
【0022】
第一、レーザーカッターを用いて偏光フィルムロールのようなロールフィルムを幅方向に切断する場合、ロールフィルムを吸着する吸着部材に対して切断副産物を吸入する吸入部材を選択的に移動させることで、吸入部材の下部陰圧によってロールフィルムを再び供給するときフィルムの端が吸着部材(パッド)にぶつかる現象を防止することで、作業の安定化、迅速化を図ることができる。
【0023】
第二、第1集塵部材及び/または第2集塵部材を付加することで、レーザー切断によって発生する副産物をさらに完璧に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
上述の本発明の要約だけでなく、後述する本発明の望ましい実施例の詳細な説明は添付した図面を参照すればさらによく理解できるであろう。本出願の望ましい例示的実施例によるロールフィルム切断システムの切断副産物除去装置を説明するために、望ましい実施例の図面が図示される。しかし、本出願はそのような図面に示された正確な装置及び手段にのみ限定されないと理解すべきである。
【図1】本発明の望ましい例示的実施例によるロールフィルム切断システムを概略的に示す全体構成図である。
【図2】図1に示すロールフィルム切断システムのレーザーカッター部分を抜粋して示す斜視図である。
【図3】図2の正面図である。
【図4】図2の左側面図である。
【図5】図2の吸着部材部分を抜粋して示す斜視図である。
【図6】本発明の望ましい例示的実施例による吸着部材の吸着パッドの変形例を概略的に示す斜視図である。
【図7】本発明の望ましい例示的実施例による切断副産物除去装置の動作を説明するための構成図である。
【図8】本発明の望ましい例示的実施例による切断副産物除去装置の動作を説明するための構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下の詳細な説明で使われた特定の用語は便宜を図るためのものであって制限的なものではない。「右」、「左」、「上面」及び「下面」との単語は参照した図面における方向を示す。「内側に」及び「外側に」との単語はそれぞれ指定された装置、システム及びその部材の幾何学的中心に向かうか、それから遠ざかる方向を示す。「前方」、「後方」、「上方」、「下方」及びその関連単語または語句は参照した図面における位置及び方位を示すものであって制限的なものではない。このような用語は前記で挙げられた単語、その派生語及び類似した意味の単語を含む。
【0026】
本発明の特定の例示的実施例は、図面を参照しながら説明する。
【0027】
図1は、本発明の望ましい例示的実施例によるロールフィルム切断システムを概略的に示す全体構成図である。
【0028】
図1を参照すれば、ロールフィルム切断システム1は、ロール状に巻き取りされた偏光フィルムロールを回転可能に支持して供給する巻き出し(unwinding)装置10と、巻き出し装置10から供給される偏光フィルムロールFを平らに伸ばす一方、偏光フィルムロールFが停止または移動する場合、ロールの一定のテンションを制御することができるダンサー(dancer)装置20と、ダンサー装置20を介して伸びた偏光フィルムロールを一定の速度で一定に移送させる一方、偏光フィルムロールの進行方向の寸法精度を決定するインフィード(infeed)装置30と、インフィード装置30によって移送される偏光フィルムロールに裁断する部分(例えば、幅方向の裁断線またはマーキングライン)をマーキングし検査するマーキング検査装置40と、マーキング検査装置40でマーキングされたマーキングラインに沿って偏光フィルムロールFをレーザービームで切断するレーザーカッター50と、レーザーカッター50によって偏光フィルムロールFから切断されて形成された偏光フィルムを排出する排出装置60と、排出装置60から排出された偏光フィルムを移送して包装容器に入れて包装する包装装置70とを備える。
【0029】
本発明の望ましい例示的実施例による切断副産物除去装置100は、レーザーカッター50とともに作動する。従って、巻き出し装置10、ダンサー装置20、インフィード装置30、マーキング検査装置40、排出装置60及び包装装置70は、偏光フィルムロール切断システムの一般的な構成であるので、本明細書ではその詳細な説明を省略する。
【0030】
図2は、図1に示すロールフィルム切断システムのレーザーカッター部分を抜粋して示す斜視図である。
【0031】
図2を参照すれば、レーザーカッター50は、フレーム110に設けられたレーザーソース122と、レーザーソース122から放射されるレーザービームの方向を変化させるためにフレーム110に設けられた光反射組立体124と、フレーム110に設けられたリニアモーター111によって偏光フィルムロールFの幅方向に往復移動可能に設けられた移動ブロック118に設けられ、光反射組立体124の端からレーザービームを受光する受光部127と、偏光フィルムロールFの方にレーザービームを照射するレーザーヘッド125とを備える。
【0032】
レーザーソース122は、切断対象ロールフィルムFの厚さ範囲に適用性が高く、亀裂及び表示欠陥が発生しないようにするためにCOレーザーを使用する。なお、レーザーソース122は現在当業界に知られているか、これから開発されるすべてのレーザービーム発生装置を含むことを当業者は十分理解できるであろう。
【0033】
光反射組立体124は、複数の反射鏡から構成され、レーザーソース122から放射されるレーザービームの方向を変化させるためにレーザーソース122の端に設けられた第1光反射部126と、第1光反射部126と直交するように配置された第2光反射部128と、レーザーヘッド125の受光部127と対応するように設けられた第3光反射部121とを備える。これによって、レーザーヘッド125の受光部127と第3光反射部121とは同一線上に位置するように設定される。従って、レーザーヘッド125がリニアモーター111によって偏光フィルムロールFの幅方向に移動しても、第3光反射部121を介して出光されるレーザービームはレーザーヘッド125の受光部127に安定的に伝達できる。
【0034】
端のレーザーノズル129が偏光フィルムロールFに向かうように、レーザーヘッド125はリニアモーター111に結合された移動ブロック118に垂直に配置される。レーザーヘッド125は、必要に応じて偏光フィルムロールFの幅方向だけでなく、その長手方向に移動可能に構成できることは当業者は十分理解できるであろう。
【0035】
フレーム110は、ベースフレーム112に複数の支持フレーム114が結合され、支持フレーム114に設けられたメインフレーム116を備える。メインフレーム116の内部空間には、偏光フィルムロールFから分離された偏光フィルムを移送するための移送コンベヤー(図示せず)が設けられる。また、上述のレーザーカッターの主要部品はメインフレーム116の上面に設けられる。
【0036】
本発明の望ましい実施例による切断副産物除去装置100は、上述のように、レーザーカッター50のレーザーヘッド125によって偏光フィルムロールFが幅方向に切断されるとき発生する副産物を吸入して除去するためのものであって、供給される偏光フィルムロールFを吸着固定することができ、レーザーヘッド125から照射されるレーザービームが通過可能なギャップ(C;図6及び図7参照)が設けられた吸着部材130と、副産物を吸入できるように吸着部材130のギャップ(C)方向に選択的に接近または離隔可能に設けられた吸入部材140と、吸入部材140を往復移動させるようにフレーム110に設けられた往復移動部材150とを備える。
【0037】
図3は図2の正面図であり、図4は図2の左側面図であり、図5は図2の吸着部材部分を抜粋して示す斜視図である。
【0038】
図2から図5を参照すれば、吸着部材130は、レーザーカッター50のレーザーヘッド125に対向するように偏光フィルムロールFの幅方向に長く配置される。吸着部材130は複数の真空吸着孔132が予め定められたパターンでそれぞれ設けられ、ギャップ(C)を形成できるように互いに所定間隔(例えば、4mmから8mm)離隔して配置された一対の吸着プレート134・136を備える。
【0039】
図5を参照すれば、吸着部材130はフレーム110を横切って設けられ、互いに離隔して配置された一対の吸着フレーム139と、それぞれの吸着フレーム139に設けられた吸着ブラケット131と、偏光フィルムロールFの下面が接触するように吸着ブラケット131にそれぞれ設けられ、複数の真空吸着孔132が所定パターンで設けられた吸着パッド133・135とを備える。それぞれの吸着パッド133・135に設けられる真空吸着孔132は、偏光フィルムロールFの進行方向に対して所定の角度だけ傾くように形成されたスロット形状である。また、真空吸着孔132は真空ポンプ(図示せず)と連通する。
【0040】
図6は、本発明の望ましい例示的実施例による吸着部材の吸着パッドの変形例を概略的に示す斜視図である。
【0041】
図6を参照すれば、変形された実施例によるそれぞれの吸着パッド230は、対応する吸着ブラケット131に付着するための長孔232と、例えば「王」字状にパッド本体236に貫通形成され、互いに所定間隔(C)離隔された複数の吸着孔234とを備える。
【0042】
吸着部材130のギャップ(C)の間隔及び/または真空吸着孔132のパターンは、切断される偏光フィルムロールFのサイズによって多様に設計できることを当業者は十分理解できるであろう。
【0043】
図2から図5を参照すれば、吸入部材140は、吸着部材130のギャップ(C)に近接して位置する吸入部142と、吸入部142と連通する吸入ボディー144と、吸入部142から吸入される副産物を外部に排出できるように吸入ボディー144に連通した排出部146とを備える。
【0044】
吸入部142は、吸着部材130のギャップ(C)に挿入できるように漏斗口のように細長い断面を有するフラットノズルと吸入ボディー144とを連結する漏斗部を備える。フラットノズルは、吸入部材140と干渉しない程度に十分な高さを有することが望ましい。漏斗部は、吸入ボディー144と密封結合される。吸入ボディー144は、偏光フィルムロールFの幅方向に長く延長される略直方体状を有する。排出部146は、吸入ボディー144の側面に設けられた4つの排出管を備える。それぞれの排出部146のそれぞれの排出管は図示しない集塵部と連結できる。吸入部142と連通した吸入ボディー144は吸入ブラケット148に固定され、吸入ブラケット148は後述する往復移動部材150の作動ロッド152に固定される。
【0045】
往復移動部材150は、吸着部材130に連結された作動ロッド152を含むアクチュエーター154と、吸着部材130の往復移動をガイド可能なガイド棒156とを備える。アクチュエーター154は、空圧または油圧シリンダーを使用することが望ましい。また、アクチュエーター154はモーターに代替できることは当業者に自明である。アクチュエーター154とガイド棒156とは、吸着部材130を基準にして対称的にそれぞれ側面に一対で設けられる。また、図3に示すように、ガイド棒156は、排出管が設けられた面と対向する面に取り付けられる。従って、アクチュエーター154が作動すれば、吸入ブラケット148はガイド棒156によって案内されて昇・下降することで、吸入部材140が往復移動できる。
【0046】
往復移動部材150は偏光フィルムロールFが吸着部材130に吸着または解除されることによって吸入部材140を昇・下降させることで、吸入部材140の吸入部142の上端部レベルと偏光フィルムロールFの底面レベルとの間隔を選択的に変化させる。すなわち、往復移動部材150は、偏光フィルムロールFが吸着部材130に吸着された状態でレーザーヘッド125が偏光フィルムロールFを幅方向に切断した後、吸入部材140を所定間隔下方に移動させることで、吸入部材140の吸入部142の下部陰圧によって、偏光フィルムロールFを再び供給するとき偏光フィルムロールFの切断面が吸着部材130の吸着パッド135にかかる現象を防止するためのものである。
【0047】
本発明の望ましい例示的実施例による副産物除去装置100は、偏光フィルムロールFの上部へと飛散する副産物を集塵可能な第1集塵部材160と、吸入部材140の下部に設けられた第2集塵部材170とを備える。
【0048】
第1集塵部材160は、偏光フィルムロールFの上部でレーザーヘッド125の両側に配置され、入口がそれぞれ設けられた一対の集塵ボディー162と、それぞれの入口と連通するようにレーザーヘッド125方向に突設された一対の集塵ノズル164と、集塵ボディー164にそれぞれ設けられた排出口166とを備える。
【0049】
第2集塵部材170は、偏光フィルムロールFの幅方向に配置された第2集塵ボディー172と、第2集塵ボディー172と連通するように設けられた第2集塵ノズル174と、第2集塵ボディー172に設けられた第2排出部176とを備える。
【0050】
このように構成された本発明の望ましい例示的実施例によるロールフィルム切断システムの切断副産物除去装置の動作を説明する。
【0051】
図7及び図8は、本発明の望ましい例示的実施例による切断副産物除去装置の動作を説明するための構成図である。
【0052】
まず、図7に示すように、偏光フィルムロールFが図示しない移送手段(コンベヤー)によって吸着部材130の吸着プレート134・136の上を通ってメインフレーム116の内部に移送されるとき、吸入部材140の吸入部142は往復移動部材150のアクチュエーター154によって吸着部材130のギャップ(C)の間で下降されている。これは、偏光フィルムロールFが投入されるか、切断された偏光フィルムロールFが前方(図7の右側)に進むとき、吸入部材140の吸引力によって偏光フィルムロールFの端が右側の吸着プレート136(吸入パッド135)にかかることを防止するためである。従って、偏光フィルムロールFの端は、右側の吸着プレート134・136にかかることなくスムーズに進める。
【0053】
次いで、偏光フィルムロールFが定められた位置(切断位置)に移送が完了すれば、図示しないセンサーの感知及び制御部の制御によって移送手段(コンベヤー)の作動が止まる。すると、図8に示すように、往復移動部材150のアクチュエーター154は、吸入部142の端が偏光フィルムロールFの下面に近接するように吸入部材140を上昇させる。
【0054】
そして、制御部は、吸着部材130を作動させて真空吸着孔132を通じて偏光フィルムロールFの位置を固定する。これと同時に、制御部は吸入部材140を作動させて吸入部142を通してレーザーヘッド125によって切断される副産物を吸入する準備をする。
【0055】
次いで、レーザーヘッド125は、偏光フィルムロールFの幅方向に移動しながら偏光フィルムロールFを幅方向に切断する。この過程において、発生する切断副産物は吸着部材130の吸着プレート134・136の間に位置した吸入部材140の吸入部142を通して吸入され、吸入ボディー144及び排出部146を通して排出される。
【0056】
一方、前記第1集塵部材160は、偏光フィルムロールFがレーザーヘッド125によって切断されながら偏光フィルムロールFの上部へと飛散する副産物を集塵して除去し、第2集塵部材170は、吸入部材140と第1集塵部材160を通じて吸入されずに落下する切断副産物を集塵して除去する。
【0057】
したがって、本発明の望ましい例示的実施例による切断副産物除去装置100は、偏光フィルムロールFをレーザー切断するとき発生する切断副産物を連続的に吸入して除去することで、偏光フィルムロールFそのもの及びレーザーカッター50の汚染及び損傷を防止し、偏光フィルムロールFの移送を容易にすることができる。
【0058】
本発明の望ましい実施例によるロールフィルム切断システムは、偏光フィルムロールを例として説明したが、このようなロールフィルムは立体映像ディスプレイ機器用のパターン化されたリターダフィルムロールにも適用できることを当業者はよく理解できるであろう。
【0059】
上述の詳細な説明及び図面は本発明の望ましい実施例を示す一方、添付した請求項で定義されたように、本発明の思想及び範囲を逸脱しない限り、多様な付加物、変形物、組み合わせ及び/または代替物があり得ることを理解すべきである。特に、本発明は他の要素、物質、成分を利用して本発明の必須特徴から逸脱しない範囲内で、他の特定の形態、構造、配列、比率として具現できることを当業者は理解できるであろう。本発明の原則を逸脱しない限り、特定の環境及び作動条件に特に適するようになった構造、配列、比率、物質、成分の多くの変形とともに、本発明が使用できることを当業者は理解できるであろう。また、本明細書で説明された特徴は単独で使うこともでき、他の特徴と組み合わせて使うこともできる。例えば、一つの実施例に関連して説明された特徴は、他の実施例で説明された特徴とともに、及び/または相互交換されて使われ得る。従って、現在開示された実施例はすべての面において制限的ものではなく説明的なものとして見なされるべきであり、発明の範囲は添付した請求範囲によって示されるが、上述の詳細な説明によって限定されてはいけない。
【0060】
添付した請求範囲の広い範囲を逸脱しない限り本発明の多様な変形及び変更が可能なのは当業者は理解できるであろう。このようなもののうち何れかは既に上述されており、その他のものは当業者に明白であろう。
【符号の説明】
【0061】
1…ロールフィルム切断システム
10…巻き出し装置
20…ダンサー装置
30…インフィード装置
40…マーキング検査装置
50…レーザーカッター
60…排出装置
70…包装装置
100…切断副産物除去装置
110…フレーム
111…リニアモーター
112…ベースフレーム
114…支持フレーム
116…メインフレーム
118…移動ブロック
122…レーザーソース
124…光反射組立体
125…レーザーヘッド
127…受光部
129…レーザーノズル
130…吸着部材
131…吸着ブラケット
132…吸着孔
133・135、230…吸着パッド
134、136…吸着プレート
139…吸着フレーム
140…吸入部材
142…吸入部
144…吸入ボディー
146…排出部
148…吸入ブラケット
150…往復移動部材
152…作動ロッド
154…アクチュエーター
156…ガイド棒
160…第1集塵部材
170…第2集塵部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
幅方向に移動可能なレーザーカッターによってロールフィルムが幅方向に切断されるとき発生する副産物を吸入して除去するロールフィルム切断システムの切断副産物除去装置であって、
前記レーザーカッターのレーザーヘッドから照射されるレーザービームが通過可能なギャップが設けられ、前記レーザーヘッドと対向するように前記ロールフィルムの幅方向に配置されて前記ロールフィルムの位置を固定可能な吸着部材と、
前記吸着部材の前記ギャップ方向に選択的に接近または離隔可能に設けられて前記副産物を吸入可能な吸入部材と、
前記吸入部材を往復移動させることができる往復移動部材と
を備えることを特徴とするロールフィルム切断システムの切断副産物除去装置。
【請求項2】
前記吸着部材は、複数の真空吸着孔が予め定められたパターンでそれぞれ設けられ、前記ギャップを形成可能に互いに離隔して配置された一対の吸着プレートを備えることを特徴とする請求項1に記載のロールフィルム切断システムの切断副産物除去装置。
【請求項3】
前記吸入部材は、
前記吸着部材の前記ギャップに近接して位置する吸入部と、
前記吸入部と連通する吸入ボディーと、
前記吸入部から吸入される前記副産物を排出可能に前記吸入ボディーに連通した排出部と
を備えることを特徴とする請求項1または2に記載のロールフィルム切断システムの切断副産物除去装置。
【請求項4】
前記吸入部は、前記吸着部材のギャップに位置する、細長く形成されたフラットノズルを備えることを特徴とする請求項3に記載のロールフィルム切断システムの切断副産物除去装置。
【請求項5】
前記往復移動部材は、
前記吸着部材に連結された作動ロッドを含むアクチュエーターと、
前記吸着部材の往復移動をガイド可能なガイド棒とを備えることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載のロールフィルム切断システムの切断副産物除去装置。
【請求項6】
前記アクチュエーターは、空圧または油圧シリンダーを備えることを特徴とする請求項5に記載のロールフィルム切断システムの切断副産物除去装置。
【請求項7】
前記アクチュエーターと前記ガイド棒とは、前記吸着部材を基準にして対称的にそれぞれ配置される一対で設けられることを特徴とする請求項5または6に記載のロールフィルム切断システムの切断副産物除去装置。
【請求項8】
前記往復移動部材は、
前記ロールフィルムが前記吸着部材に吸着または解除されることによって前記吸入部材を上昇及び下降させることで、前記吸入部材の上端部レベルと前記ロールフィルムの底面レベルとの間隔を選択的に変化させることを特徴とする請求項5から7の何れか1項に記載のロールフィルム切断システムの切断副産物除去装置。
【請求項9】
前記ロールフィルムの上部へと飛散する副産物を集塵可能な第1集塵部材をさらに備えることを特徴とする請求項1から8の何れか1項に記載のロールフィルム切断システムの切断副産物除去装置。
【請求項10】
前記第1集塵部材は、
前記ロールフィルムの上部で前記レーザーヘッドの両側に配置され入口がそれぞれ設けられた一対の集塵ボディーと、
それぞれの前記入口と連通するように前記レーザーヘッド方向に突設された一対の集塵ノズルと、
前記集塵ボディーにそれぞれ設けられた排出口とを備えることを特徴とする請求項9に記載のロールフィルム切断システムの切断副産物除去装置。
【請求項11】
前記吸入部材の下部に設けられた第2集塵部材をさらに備えることを特徴とする請求項1から10の何れか1項に記載のロールフィルム切断システムの切断副産物除去装置。
【請求項12】
前記第2集塵部材は、
前記ロールフィルムの幅方向に配置された第2集塵ボディーと、
前記第2集塵ボディーと連通するように設けられた第2集塵ノズルと、
前記第2集塵ボディーに設けられた第2排出部とを備えることを特徴とする請求項11に記載のロールフィルム切断システムの切断副産物除去装置。
【請求項13】
前記ロールフィルムは、偏光フィルムロールであることを特徴とする請求項1から12の何れか1項に記載のロールフィルム切断システムの切断副産物除去装置。
【請求項14】
前記ロールフィルムは、立体映像ディスプレイ機器用パターン化されたリターダフィルムロールであることを特徴とする請求項1から12の何れか1項に記載のロールフィルム切断システムの切断副産物除去装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−674(P2012−674A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−132456(P2011−132456)
【出願日】平成23年6月14日(2011.6.14)
【出願人】(500239823)エルジー・ケム・リミテッド (1,221)
【出願人】(511144837)エヌエス カンパニー リミテッド (3)
【Fターム(参考)】