説明

ロール状印刷媒体の印刷管理方法及びロール状印刷媒体の印刷管理システム

【課題】 ロール状印刷媒体に印刷を施す印刷装置の利用状況に応じた管理を行い、その
利便性を向上したロール状印刷媒体の印刷管理方法及びロール状印刷媒体の印刷管理シス
テムを提供する。
【解決手段】 印刷を実行する前に、印刷管理ユニットが、印刷情報PIに基づいてロー
ル紙予定使用量及びインク予定使用量を算出し、これらロール紙予定使用量及びインク予
定使用量に基づく印刷料金を表示して課金を受ける。そして、印刷管理ユニットが印刷料
金の課金を完了すると、印刷手段が、印刷情報PIに基づく印刷を実行して、ロール紙実
使用量及びインク実使用量に基づくロール紙残量情報及びカートリッジ残量情報を生成し
、各ICタグのロール紙情報及びカートリッジ情報を更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロール状印刷媒体の印刷管理方法及びロール状印刷媒体の印刷管理システム
に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ポスター等の大判用紙を印刷する印刷装置には、連続する長い印刷用紙(ロール
紙)上に印刷を施すロール紙プリンタが利用されている。このロール紙プリンタは、順次
送り出されるロール紙上に所望するサイズの印刷を施し、印刷済みの領域をロール紙から
切り離す(カットする)ことによって、1枚分の印刷物を形成する。
【0003】
ところで、ロール紙プリンタでは、1体のロール紙に対して異なるサイズ(例えば、A
0サイズやA3サイズ等)の印刷を施すため、ロール紙の残量が少なくなると、所望する
1枚分の使用量に対してロール紙が不足し、1枚分の印刷を中断する虞がある。
【0004】
そこで、従来より、こうした印刷の中断を回避するために、ロール紙プリンタにおいて
は、ロール紙の残量を検出する技術が提案されている(例えば、特許文献1)。この特許
文献1に記載する技術では、ロール紙の残量を記憶する記憶素子、いわゆるICタグをロ
ール紙本体に設けている。そして、印刷を実行する都度、ロール紙プリンタが、カットし
たロール紙の長さ(使用量)を計測して、印刷前の残量から計測した使用量を減算し、印
刷後の残量を再びICタグに記憶する。これによって、印刷する前のロール紙の残量を正
確に把握することができ、印刷の中断を回避することができる。
【特許文献1】特開2003−54803号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、写真画像等、カット紙を印刷するカット紙プリンタでは、用紙サイズに限り
があるため、1枚の印刷に使用する用紙やインクの使用量を概ね規格化することができる
。そのため、印刷を代行するサービスとしてカット紙プリンタを利用する場合には、カッ
ト紙の枚数に相対した金額を利用料金にすることができる。つまり、カット紙プリンタは
、コインラック等、カット紙毎に所定の料金を徴収する課金装置を接続するだけで、24
時間人を介することなく印刷を管理することができる。こうした利便性により、カット紙
プリンタは、コンビニエンスストア等に設置されて広く利用されている。
【0006】
しかしながら、美術大学等で利用されるロール紙プリンタでは、印刷する都度、用紙の
サイズ、色感、光沢等に合わせてロール紙を変更する場合が殆どである。そのため、ロー
ル紙の使用量や種別、さらにはインクの使用量や種別等、ロール紙プリンタの利用状況に
応じた料金を算出して徴収できれば、その印刷の管理を容易にすることができ、ひいては
ロール紙プリンタの設置範囲を広げることができる。
【0007】
また、ロール紙プリンタは、印刷するサイズが大きいため、カット紙プリンタと比較す
ると、印刷に要する時間が長くなり、印刷を実行するための待ち時間が長くなる。そのた
め、予め定めた時間に印刷することができれば、ロール紙プリンタによる印刷の管理をさ
らに容易にすることができ、ロール紙プリンタの利用範囲を広げることができる。
【0008】
このように、ロール紙プリンタを用いた印刷管理システムでは、ユーザの選択する利用
状況に応じて課金や予約等を行うことが望まれる。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、ロール状印
刷媒体に印刷を施す印刷装置の利用状況に応じた管理を行い、その利便性を向上したロー
ル状印刷媒体の印刷管理方法及びロール状印刷媒体の印刷管理システムを提供することに
ある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明におけるロール状印刷媒体の印刷管理方法は、液体収容体の収容する液体をロー
ル状印刷媒体に噴射して印刷する印刷装置に設けられた管理ユニットによって前記印刷装
置の印刷を管理するロール状印刷媒体の印刷管理方法において、前記管理ユニットは、前
記印刷装置が印刷情報に基づく印刷を実行する前に、前記印刷情報に基づいて、印刷に使
用する前記ロール状印刷媒体の予定使用量及び前記液体の予定使用量を算出し、前記ロー
ル状印刷媒体の予定使用量及び前記液体の予定使用量に基づいて、前記印刷情報の印刷に
伴う料金を算出し、その料金に相対する課金を受けたときに前記印刷情報の印刷を前記印
刷装置に対して許可する。
【0010】
本発明のロール状印刷媒体の管理方法によれば、印刷を実行する前に印刷情報に基づく
料金を算出し、その料金に相対する課金を受けるまで印刷を待機することができる。この
ため、印刷情報に相対する課金、すなわち印刷装置の利用状況に応じた管理を行うことが
でき、その利便性を向上することができる。
【0011】
このロール状印刷媒体の印刷管理方法は、前記印刷情報が、印刷画像のサイズを示す印
刷条件情報と印刷データとを有し、前記ロール状印刷媒体の予定使用量が、前記印刷条件
情報に基づいて算出され、前記液体の予定使用量が、前記印刷データに基づいて算出され
る。
【0012】
このロール状印刷媒体の印刷管理方法によれば、印刷画像のサイズ情報を含む印刷条件
情報に基づいてロール状印刷媒体の予定使用量を算出することができ、印刷データに基づ
いて液体の予定使用量を算出することができる。従って、印刷情報に応じた料金を算出す
ることができ、印刷情報に相対する課金、すなわち印刷装置の利用状況に応じた管理を行
うことができる。
【0013】
このロール状印刷媒体の印刷管理方法は、前記ロール状印刷媒体は、印刷を実行した後
に前記印刷装置の検出するロール状印刷媒体の実使用量に基づいて算出されるロール状印
刷媒体の残量を記憶する記憶素子を備え、前記液体収容体は、印刷を実行した後に前記印
刷装置の検出する液体の実使用量に基づいて算出される液体の残量を記憶する記憶素子を
備え、前記管理ユニットは、印刷を実行する前に前記ロール状印刷媒体の残量が前記ロー
ル状印刷媒体の予定使用量以上であって、かつ前記液体の残量が前記液体の予定使用量以
上であるときに印刷の実行を許可する。
【0014】
このロール状印刷媒体の印刷管理方法によれば、ロール状印刷媒体及び液体収容体にそ
れぞれ記憶素子を設け、同記憶素子に記憶した残量が予定使用量以上であるときに限り、
課金及び印刷を実行することができる。従って、ロール状印刷媒体及び液体の不足による
印刷の中断を確実に回避することができる。すなわち、印刷装置の利用状況に応じた管理
を行うことができ、その利便性を向上することができる。
【0015】
本発明におけるロール状印刷媒体の印刷管理方法は、液体収容体の収容する液体をロー
ル状印刷媒体に噴射して印刷する印刷装置に設けられた管理ユニットによって前記印刷装
置の印刷を管理するロール状印刷媒体の印刷管理方法において、前記管理ユニットは、前
記印刷装置が印刷情報に基づく印刷を実行した後に、前記印刷装置の検出した前記ロール
状印刷媒体の実使用量及び前記液体の実使用量に基づいて、前記印刷情報の印刷に伴う料
金を算出し、その料金に相対する課金を受けたときに、印刷した領域をロール状印刷媒体
から切り離して前記印刷情報の印刷を終了する。
【0016】
本発明のロール状印刷媒体の管理方法によれば、印刷を実行した後に印刷装置の検出結
果に基づく料金を算出し、その料金に相対する課金を受けるまで印刷の終了を延期するこ
とができる。このため、印刷状況に相対する課金、すなわち印刷装置の利用状況に応じた
管理を行うことができ、その利便性を向上することができる。
【0017】
このロール状印刷媒体の印刷管理方法は、前記ロール状印刷媒体が、印刷を実行した後
に前記印刷装置の検出するロール状印刷媒体の実使用量に基づいて算出されるロール状印
刷媒体の残量を記憶する記憶素子を備え、前記液体収容体は、印刷を実行した後に前記印
刷装置の検出する液体の実使用量に基づいて算出される液体の残量を記憶する記憶素子を
備え、前記管理ユニットは、印刷を実行する前に前記ロール状印刷媒体の残量が前記印刷
情報に基づく印刷を実行するためのロール状印刷媒体基準値以上であって、かつ前記液体
の残量が前記印刷情報に基づく印刷を実行するための液体基準値以上であるときに印刷の
実行を許可する。
【0018】
このロール状印刷媒体の印刷管理方法によれば、ロール状印刷媒体及び液体収容体にそ
れぞれ記憶素子を設け、同記憶素子に記憶した残量が印刷情報に基づく印刷を実行するた
めの各基準値以上であるときに限り、課金及び印刷を実行することができる。従って、ロ
ール状印刷媒体及び液体の不足による印刷の中断を確実に回避することができる。すなわ
ち、印刷装置の利用状況に応じた管理を行うことができ、その利便性を向上することがで
きる。
【0019】
このロール状印刷媒体の印刷管理方法は、前記印刷情報を記憶する記憶部を備えた管理
センタが、印刷の予約を受け付けて、前記印刷情報と、ユーザを識別するユーザ識別情報
と、印刷を開始する開始日時とを関連付けて前記記憶部に記憶し、前記開始日時に基づい
て前記ユーザ識別情報を前記管理ユニットから受信するときに、前記記憶部から前記印刷
情報を読み出して前記印刷装置に送信する。
【0020】
このロール紙印刷媒体の印刷管理方法によれば、印刷管理センタが、印刷情報、ユーザ
識別情報及び開始日時を関連付けて記憶し、その開始日時に同ユーザ識別情報を受信する
と、そのユーザ識別情報に関連づけられる印刷情報を印刷装置に送信する。従って、所望
の開始日時に印刷を実行することができ、印刷に要するロール状印刷媒体や液体収容体を
予め準備することができる。その結果、ロール状印刷媒体及び液体の不足による印刷の中
断をさらに回避することができる。
【0021】
本発明におけるロール状印刷媒体の印刷管理システムは、液体収容体の収容する液体を
ロール状印刷媒体に噴射して印刷する印刷装置と、その印刷装置に設けられる管理ユニッ
トによって前記印刷装置の印刷を管理するロール状印刷媒体の印刷管理システムにおいて
、前記管理ユニットは、前記印刷装置が印刷情報に基づく印刷を実行する前に、前記印刷
装置から読み出した前記印刷情報に基づいて、印刷に使用する前記ロール状印刷媒体の予
定使用量及び前記液体の予定使用量を算出し、前記ロール状印刷媒体の予定使用量及び前
記液体の予定使用量に基づいて、前記印刷情報の印刷に伴う料金を算出する料金算出手段
と、その料金に相対する課金を受けて前記印刷情報の印刷を前記印刷装置に対して許可す
る課金処理手段とを備えた。
【0022】
本発明のロール状印刷媒体の印刷管理システムによれば、印刷を実行する前に印刷情報
に基づく料金を算出し、その料金に相対する課金を受けるまで印刷を待機することができ
る。このため、印刷情報に相対する課金、すなわち印刷装置の利用状況に応じた管理を行
うことができ、その利便性を向上することができる。
【0023】
本発明におけるロール状印刷媒体の印刷管理システムは、液体収容体の収容する液体を
ロール状印刷媒体に噴射して印刷する印刷装置と、その印刷装置に設けられる管理ユニッ
トによって前記印刷装置の印刷を管理するロール状印刷媒体の印刷管理システムにおいて
、前記管理ユニットは、前記印刷装置が印刷情報に基づく印刷を実行した後に、前記印刷
装置の検出した前記ロール状印刷媒体の実使用量及び前記液体の実使用量に基づいて、前
記印刷情報の印刷に伴う料金を算出する料金算出手段と、その料金に相対する課金を受け
て、印刷した領域をロール状印刷媒体から切り離すことを許可する課金処理手段とを備え
た。
【0024】
本発明のロール状印刷媒体の印刷管理システムによれば、印刷を実行した後に印刷装置
の検出結果に基づく料金を算出し、その料金に相対する課金を受けるまで印刷の終了を延
期することができる。このため、印刷状況に相対する課金、すなわち印刷装置の利用状況
に応じた管理を行うことができ、その利便性を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図1〜図9に従って説明する。図1は、本実
施形態の印刷管理システムを説明するためのシステム構成図である。
【0026】
図1において、印刷管理システムは、複数の印刷装置としてのロール紙プリンタ10、
複数のユーザ端末11及び管理センタ12を備えている。なお、本実施形態において、印
刷管理システムは、大判のデザイン画像等を印刷するデザインスクールに敷設されている

【0027】
ユーザ端末11は、ユーザの利用するコンピュータ端末であって、本実施形態ではデザ
インスクールの建物2階F2に設置されている。ユーザ端末11は、パーソナルコンピュ
ータ等であって、図示しないCPU、RAMやハードディスクなどの記憶手段、キーボー
ドなどの入力手段11a、ディスプレイなどの出力手段11b、モデムなどの通信手段を
有している。ロール紙プリンタ10を利用するユーザは、このユーザ端末11を用いて、
所望する画像データに基づいた印刷情報PIを生成する。
【0028】
印刷情報PIは、ユーザの所望する印刷を実行するための情報であって、図4に示すよ
うに、ユーザ識別情報UIDと、そのユーザ識別情報UIDに関連付けられる印刷データ
PD及び印刷条件情報PCIからなる情報である。ユーザ識別情報UIDは、ユーザを一
意に識別するための情報であって、本実施形態では予めユーザに付与されたユーザID番
号とする。印刷データPDは、所望する画像データをユーザ端末11によってデータ変換
して生成するデータである。印刷条件情報PCIは、印刷の条件を示す情報であって、印
刷する画像のサイズや印刷枚数等である。
【0029】
管理センタ12は、ロール紙プリンタ10の印刷を管理するための管理サーバ等であっ
て、図1に示すように、管理コンピュータ13及び記憶部14を備えている。管理コンピ
ュータ13は、ユーザ端末11とロール紙プリンタ10の間で情報の授受を管理し、印刷
要求の受付や各種情報(例えば、印刷情報PI)の転送等を行う。記憶部14は、管理コ
ンピュータ13がユーザ端末11からの印刷要求等を受付けるため各種プログラムや同プ
ログラムを実行するための各種情報を記憶する。その記憶部14は、図1に示すように、
ユーザ情報記憶領域14a、印刷情報記憶領域14b及び印刷履歴情報記憶領域14cを
有している。
【0030】
ユーザ情報記憶領域14aは、ロール紙プリンタ10を利用することができるユーザの
ユーザ識別情報UIDを含むユーザ情報(例えば、ユーザの氏名(漢字、カタカナ)、住
所、電話番号、生年月日、性別、e−mailアドレス等)を記憶する領域である。印刷
情報記憶領域14bは、管理コンピュータ13の受信した印刷情報PIを記憶する領域で
ある。印刷履歴情報記憶領域14cは、ロール紙プリンタ10の利用状況を確認するため
の印刷履歴情報(例えばユーザID番号や印刷日時等)を記憶する領域である。
【0031】
そして、管理コンピュータ13は、ネットワークNを介してユーザ端末11から印刷要
求を受付け、受信した印刷情報PIを記憶部14に記憶する。また、管理コンピュータ1
3は、ネットワークNを介してロール紙プリンタ10から印刷情報PIの転送要求を受け
、記憶部14から印刷情報PIを読み出して同印刷情報PIをロール紙プリンタ10に送
信する。
【0032】
ロール紙プリンタ10は、液体としてのインクを噴射して印刷画像を形成する、いわゆ
るインクジェット式プリンタであって、本実施形態では前記デザインスクールの建物1階
F1に設置されている。そのロール紙プリンタ10には、ロール状印刷媒体としてのロー
ル紙15、液体収容体としてのインクカートリッジ(以下単に、カートリッジという。)
16、記録ヘッドH(図2参照)、紙送りモータ(以下単に、PFモータ)(図2参照)
M及びカッターC(図2参照)が備えられている。
【0033】
ロール紙15は、一方向(搬送方向)に長い用紙を円筒状の芯部に巻きつけたものであ
って、ロール紙プリンタ10に着脱可能に取り付けられる。そのロール紙15の芯部内周
面には、非接触で情報の授受を行う記憶素子としてのロール紙ICタグ15aが取り付け
られている。なお、このロール紙15は、建物1階F1に多数保管されている。そして、
印刷を実行する都度、ユーザによって、その種類(例えば、光沢紙やマット紙等)やサイ
ズが変更されてロール紙プリンタ10にセットされる。
【0034】
カートリッジ16は、液体としてのインクを記録ヘッドHに供給可能に収容するもので
あって、ロール紙プリンタ10に着脱可能に取り付けられる。そのカートリッジ16の一
側面には、図1に示すように、非接触で情報の授受を行う記憶素子としてのカートリッジ
ICタグ16aが取り付けられている。なお、このカートリッジ16は、ロール紙15と
同じく、建物1階F1に多数保管されている。そして、印刷を実行する都度、ユーザによ
って、その種類(例えば、染料インクや顔料インク等)等が変更されてロール紙プリンタ
10にセットされる。
【0035】
記録ヘッドHは、カートリッジ16から供給されるインクをロール紙15上に噴射する
ものである。その記録ヘッドHには、インクを噴射する図示しない噴射ノズルと、その噴
射ノズル内の容積を拡大縮小する図示しないピエゾ素子が多数備えられている。そして、
印刷データに基づく駆動信号(印加電圧データ)を記録ヘッドHに入力すると、記録ヘッ
ドHは、ピエゾ素子を伸縮振動して相対する噴射ノズルからドット単位のインクを噴射す
る。
【0036】
PFモータMは、図示しない紙送り機構を駆動して、ロール紙15を記録ヘッドH側に
紙送りするものである。そのPFモータMには、モータの回転数に相対して所定の電気信
号を出力する回転数センサMS(図2参照)が設けられている。
【0037】
カッターCは、紙送りモータMによって紙送りされる印刷済みの領域をロール紙15か
ら切り離すものである。
そして、ロール紙プリンタ10は、PFモータM(紙送り機構)を駆動してロール紙1
5を記録ヘッドH側に送り出す。次に、ロール紙プリンタ10は、カートリッジ16内の
インクを記録ヘッドHに供給し、同記録ヘッドHを駆動してロール紙15上にインクを噴
射する。続いて、ロール紙プリンタ10は、インクを噴射した領域(印刷済みの領域)を
カッターCで切り離し、1枚の印刷物を形成する。
(ロール紙ICタグ15a及びカートリッジICタグ16a)
図3は、ロール紙ICタグ15a及びカートリッジICタグ16aの電気的構成を示す
ブロック図である。なお、カートリッジICタグ16aは、ロール紙ICタグ15aと同
じ電気的構成であるため、説明の便宜上、その重複する内容の記載を省略する。
【0038】
図3に示すように、ロール紙ICタグ15aは、整流回路部18、制御回路部19、変
復調回路部20、記憶部21及びアンテナ部22を備えている。
整流回路部18は、アンテナ部22を介して得た電磁波を整流し、直流電圧に変換して
図示しないキャパシタに電力を供給する。そのキャパシタは瞬時に充電可能であり、充電
後に外部と電気的に遮断することによって、供給された電力を保持するようになっている
。また、キャパシタは、保持した電力を制御回路部19、変復調回路部20及び記憶部2
1に供給して各部を駆動可能にするようになっている。つまり、ロール紙ICタグ15a
は、受信する電磁波によって直流電力を生成する、いわゆる非接触型のICタグである。
【0039】
変復調回路部20は、アンテナ部22の受信した電磁波を制御信号として復調し、制御
回路部19に入力する。制御回路部19は、入力される各種制御信号に基づいて各部を制
御する。
【0040】
記憶部21は、ロール紙15に関する情報(ロール紙情報RI)を記憶する。
ロール紙情報RIは、図5に示すように、ロール紙識別情報RID、ロール紙種別情報
RCI、ロール紙残量情報RRI及びロール紙履歴情報RHIからなる情報である。ロー
ル紙識別情報RIDは、ロール紙15を一意に識別するための情報であって、本実施形態
ではロール紙15の製造番号とする。ロール紙種別情報RCIは、ロール紙15のサイズ
(例えば、横方向の長さと搬送方向の長さ等)、ロール紙15の種類(例えば、光沢紙や
ラスター紙等)に関する情報である。ロール紙残量情報RRIは、ロール紙15の残量を
示す情報である。なお、ロール紙残量情報RRIは、初期情報として未使用時のロール紙
の長さが記憶され、印刷する都度、使用した長さ分だけ減算して更新される情報である。
ロール紙履歴情報RHIは、ロール紙15の使用履歴を示す情報であって、ロール紙の使
用量や使用日時等に関する情報である。
【0041】
そして、例えば、変復調回路部20の復調した制御信号が記憶部21からロール紙識別
情報RIDを読み出す制御信号であると、制御回路部19は、記憶部21に記憶したロー
ル紙識別情報RIDを読み出し、変復調回路部20がこれを変調してアンテナ部22から
電磁波として出力する。一方、復調した制御信号が記憶部21にロール紙残量情報RRI
を書き込む制御信号であると、制御回路部19は、復調されたロール紙残量情報RRIを
記憶部21に書き込む。
【0042】
カートリッジICタグ16aは、その記憶部21に、カートリッジ16に関する情報(
カートリッジ情報CI)が記憶されている。
カートリッジ情報CIは、図6に示すように、カートリッジ識別情報CID、カートリ
ッジ種別情報CCI、カートリッジ残量情報CRI及びカートリッジ履歴情報CHIから
なる情報である。カートリッジ識別情報CIDは、カートリッジ16を一意に識別するた
めの情報であって、本実施形態ではカートリッジ16の製造番号とする。カートリッジ種
別情報CCIは、カートリッジ16の収容するインクの種別(例えば、染料インクや顔料
インク等)やインクの色(シアン、マゼンタ、イエロ、ブラック等)である。カートリッ
ジ残量情報CRIは、カートリッジ16内のインク残量を示す情報である。なお、カート
リッジ残量情報CRIは、初期情報として製造時に収容されるインクの容量が記憶され、
印刷する都度、使用した容量分だけ減算して更新される情報である。カートリッジ履歴情
報CHIは、カートリッジ16の使用履歴を示す情報であって、インクの使用量や使用日
時等に関する情報である。
【0043】
そして、例えば、変復調回路部20の復調した制御信号が記憶部21からカートリッジ
識別情報CIDを読み出す制御信号であると、制御回路部19は、記憶部21に記憶した
カートリッジ識別情報CIDを読み出し、変復調回路部20がこれを変調してアンテナ部
22から電磁波として出力する。一方、復調した制御信号が記憶部21にカートリッジ残
量情報CRIを書き込む制御信号であると、制御回路部19は、復調されたカートリッジ
残量情報CRIを記憶部21に書き込む。
【0044】
図2は、ロール紙プリンタ10の構成を示すブロック図である。図2に示すように、ロ
ール紙プリンタ10には、印刷手段30及び印刷管理ユニット40が備えられている。
(印刷手段30)
印刷手段30には、CPU31、ROM32、RAM33、I/F34、記録ヘッド駆
動回路部35、紙送りモータ駆動回路部(PFモータ駆動回路部36)、カッター駆動回
路37、第1リード・ライト装置38及び第2リード・ライト装置39がバス30aを介
して電気的に接続されている。
【0045】
CPU31は、ROM32に記憶される各種プログラムに従って印刷を実行するための
各種演算処理動作を実行する。
ROM32は、各種プログラムと同プログラムを実行するための各種データが記憶され
ている。例えば、ROM32には、印刷を実行するための印刷プログラムが記憶されてい
る。また、ROM32には、インク種別データと回転数データとが記憶されている。
【0046】
インク種別データは、インクの種別毎に設定されるデータであって、駆動電圧データと
ドットデータとを有している。駆動電圧データは、ピエゾ素子に印加する印加電圧のパタ
ーンを示すデータであって、インクの種別毎に規格化したタイマデータである。ドットデ
ータは、印刷に使用したインク量(インク実使用量)を算出するためのデータであって、
インクの種別毎に設定されるドット単位のインク容量である。
【0047】
回転数データは、搬送したロール紙15の搬送方向の長さ(ロール紙実使用量)を算出
するためのデータであって、PFモータMの回転数で規格化したロール紙15の長さであ
る。
【0048】
RAM33は、CPU31の作業領域であって、CPU31によって演算処理された各
種演算処理結果を一時的に記憶する。
I/F34は、ネットワークNを介して印刷手段30(印刷管理ユニット40)と管理
センタ12との間の各種情報の授受を可能にするインターフェースである。例えば、I/
F34は、印刷情報PIを管理センタ12から印刷手段30(印刷管理ユニット40)に
送信する。そのI/F24には、管理ユニットI/F34aが設けられている。管理ユニ
ットI/F34aは、印刷手段30と印刷管理ユニット40との間で各種情報の授受を可
能にするインターフェースである。例えば、管理ユニットI/F34aは、印刷を終了し
た旨の信号を印刷手段30から印刷管理ユニット40に送信する。
【0049】
記録ヘッド駆動回路部35は、CPU31の入力する駆動電圧データを変換して各ピエ
ゾ素子に印加する印加電圧データを生成し、印刷データPDに基づく電圧の時間的変化で
あるパルスを発生する。その記録ヘッド駆動回路部35には、図2に示すように、各イン
ク色のドット数、すなわち各カートリッジ16に相対するドット数を印加電圧データに基
づいてカウントするドットカウンタ35aが設けられている。そして、CPU31は、ド
ットカウンタ35aのカウント値に基づくドットデータ(ドット単位のインク容量)を参
照してドットカウンタ35aのカウントするドット数に基づきインク実使用量を算出する

【0050】
PFモータ駆動回路部36は、CPU31の入力する駆動信号に基づいてPFモータM
を駆動して紙送り機構を駆動する。そのPFモータ駆動回路部36には、図2に示すよう
に、回転数センサMSから出力される信号を変換してPFモータの搬送方向への回転数を
カウントする回転数カウンタ36aが設けられている。そして、CPU31は、回転数デ
ータ(回転数で規格化したロール紙15の長さ)を参照して回転数カウンタ36aのカウ
ントする回転数に基づきロール紙実使用量を算出する。
【0051】
カッター駆動回路37は、CPU31の入力する駆動信号に基づいてカッターCを駆動
させ、印刷済みの領域をロール紙15から切り離すようになっている。
第1リード・ライト装置38は、ロール紙ICタグ15aと非接触で更新する装置であ
って、受信装置38a及び送信装置38bを備えている。第1リード・ライト装置38は
、受信装置38aを介してロール紙ICタグ15aの記憶部21に書き込まれているロー
ル紙情報RIを受信するとともに、送信装置38bを介して記憶部21に書き込むための
ロール紙情報RIを送信する。
【0052】
第2リード・ライト装置39は、カートリッジICタグ16aと非接触で更新する装置
であって、受信装置39a及び送信装置39bを備えている。第2リード・ライト装置3
9は、受信装置39aを介してカートリッジICタグ16aの記憶部21に書き込まれて
いるカートリッジ情報CIを受信するとともに、送信装置39bを介して記憶部21に書
き込むためのカートリッジ情報CIを送信する。
(印刷管理ユニット40)
印刷管理ユニット40には、料金算出手段を構成するCPU41、ROM42、RAM
43、入力部44、I/F45、記憶装置46、表示部47、及び課金処理手段としての
課金装置48がバス40aを介して電気的に接続されている。
【0053】
CPU41は、ROM42に記憶された各種プログラムに従ってロール紙プリンタ10
の印刷を管理するための各種演算処理動作を行う。RAM43は、CPU41の作業領域
であって、CPU41の各種演算処理結果を一時的に記憶する。
【0054】
入力部44は、各種ボタンから構成されるキーボード等であって、その操作に基づくボ
タン信号はCPU41に出力される。例えば、入力部44は、ユーザID番号(ユーザ識
別情報UID)に相対するボタンを押下することによって、ユーザ識別情報UIDをCP
U41に出力する。
【0055】
I/F45は、印刷管理ユニット40と印刷手段30との間で各種情報の授受を可能に
するインターフェースである。例えば、I/F45は、印刷を実行する旨の情報を印刷管
理ユニット40から印刷手段30に送信する。
【0056】
記憶装置46は、印刷管理ユニット40が印刷に伴う料金(印刷料金)を管理するため
の各種情報を記憶するものであって、例えばハードディスク等の記憶装置である。その記
憶装置46には、ユーザ情報記憶領域46a、料金演算情報記憶領域46b及び課金履歴
情報記憶領域46cが形成されている。
【0057】
ユーザ情報記憶領域46aは、管理センタ12の記憶部14(ユーザ情報記憶領域14
a)に記憶されるユーザ識別情報UIDと同じユーザ識別情報UIDを記憶する領域であ
る。これによって、管理センタ12で行うユーザの認証を印刷管理ユニット40(ロール
紙プリンタ10)でも行えるようにしている。
【0058】
料金演算情報記憶領域46bは、図7に示すように、ロール紙使用量演算情報URI、
インク使用量演算情報UII及び印刷料金情報UCIを記憶する領域である。
ロール紙使用量演算情報URIは、予め印刷に使用するロール紙15の搬送方向の長さ
(ロール紙予定使用量)を演算するための情報である。つまり、ロール紙使用量演算情報
URIは、印刷条件情報PCIに含まれる印刷画像のサイズ(例えば、A0やA3)をロ
ール紙15の横幅(ロール紙種別情報RCI)に規格化した長さに関する情報である。そ
して、CPU41は、ロール紙使用量演算情報URI(長さ情報)を参照して印刷枚数(
印刷条件情報PCI)に基づくロール紙予定使用量を算出する。
【0059】
インク使用量演算情報UIIは、予め印刷に使用するインクの容量(インク予定使用量
)を算出するための情報である。つまり、インク使用量演算情報UIIは、印刷データP
Dを各インク色のドット数に変換可能にする情報と、前記ドットデータ(インクの種別毎
に設定されるドット単位のインク容量)とからなる情報である。そして、CPU41は、
インク使用量演算情報UIIを参照して印刷データPDに基づく各色のドット数を算出し
、ドットデータを参照して算出したドット数に基づくインク予定使用量を算出する。
【0060】
印刷料金情報UCIは、印刷料金を算出するための情報であって、前記ロール紙使用量
及び前記インク使用量に対応して予め設定された料金テーブル等の金額情報である。そし
て、CPU41は、印刷料金情報UCIを参照して前記ロール紙予定使用量及び前記イン
ク予定使用量に基づく印刷料金を算出する。
【0061】
課金履歴情報記憶領域46cは、課金処理の状況を記憶するための課金履歴情報を記憶
する領域である。課金履歴情報は、ロール紙プリンタ10を利用したユーザのユーザID
番号(ユーザ識別情報UID)、同ユーザの課金した印刷料金、課金した日時等からなる
情報であって、ロール紙プリンタ10を利用するユーザが課金を済ませたか否かを示す情
報である。
【0062】
表示部47は、LCD等のデバイスからなり、CPU41から入力される各種制御信号
に基づいて各種メッセージ(例えばユーザID番号、印刷料金、エラーメッセージやステ
ータス等)を表示する。
【0063】
課金装置48は、ロール紙プリンタ10の利用に対する課金を行う場合に、印刷料金を
受け取るための装置であって、例えばコインラック等である。課金装置48は、つり銭と
して使用可能な現金と、ユーザが投入した現金とをそれぞれ格納して、印刷料金に対する
清算処理を行う。
【0064】
次に、上記する印刷管理システムを利用した印刷動作について以下に説明する。
(印刷要求の受付)
今、ロール紙プリンタ10を利用するユーザがユーザ端末11から管理センタ12にア
クセスして印刷情報PIを送信し、同印刷情報PIに基づく印刷を要求する。すると、管
理コンピュータ13は、印刷情報PIを受信して、同印刷情報PIからユーザ識別情報U
ID(ユーザID番号)を読み出す。次に、管理コンピュータ13は、記憶部14のユー
ザ情報記憶領域14aを検索して、読み出したユーザID番号が予め登録されたものであ
るか否かを判断する。
【0065】
そして、管理コンピュータ13は、同印刷情報PIが予め登録されたものである判断を
すると、受信した印刷情報PIを印刷情報記憶領域14bに記憶して印刷要求の受付を終
了する。ちなみに、管理コンピュータ13は、印刷情報PIが予め登録されたものでない
判断をすると、その印刷情報PIを削除して印刷要求を受付けない旨をユーザ端末11に
通知する。
【0066】
つまり、管理センタ12は、ユーザ情報記憶領域14aに記憶したユーザID番号を参
照して、予め登録されたユーザの印刷要求のみを受付けて印刷情報PIを記憶する。
(印刷情報PIの取得)
図8は、ロール紙プリンタ10による印刷情報PIの取得動作を示すフローチャートで
ある。
【0067】
まず、ロール紙プリンタ10を利用するユーザが、ロール紙プリンタ10(印刷管理ユ
ニット40)の入力部44から所有するユーザID番号を入力する(ステップS11)。
すると、印刷管理ユニット40(CPU41)は、記憶装置46(ユーザ情報記憶領域4
6a)を検索して同ユーザID番号が予め登録されたものであるか否かを判断する(ステ
ップS12)。次に、CPU41は、入力されたユーザID番号が予め登録されたもので
ある判断をすると(ステップS12においてYES)、同ユーザID番号を管理コンピュ
ータ13に送信する(ステップS13)。
【0068】
管理コンピュータ13は、ユーザID番号を受信すると(ステップS21)、印刷情報
記憶領域14bを検索して同ユーザID番号を含む印刷情報PIを読み出し、その印刷情
報PIをユーザの利用するロール紙プリンタ10(CPU41)に送信する(ステップS
22)。
【0069】
続いて、ロール紙プリンタ10(CPU41)は、ユーザの所望する印刷情報PIを管
理コンピュータ13から受信して印刷情報PIの取得動作を終了する(ステップS14)
。ちなみに、CPU41は、入力部44から入力されるユーザID番号が予め登録された
ものでない判断をすると(ステップS12においてNO)、表示部47にユーザID番号
の再入力を促すメッセージ等を表示して印刷情報PIの取得動作を終了する。
(印刷動作)
図9は、ロール紙プリンタ10による印刷動作を示すフローチャートである。
【0070】
ロール紙プリンタ10(CPU41)は、印刷情報PIを取得すると、同印刷情報PI
をRAM43に記憶するとともに、記憶装置46(料金演算情報記憶領域46b)からロ
ール紙使用量演算情報URI及びインク使用量演算情報UIIを読み出す。次に、CPU
41は、ロール紙使用量演算情報URIを参照して印刷条件情報PCIに基づくロール紙
予定使用量を算出し、インク使用量演算情報UIIを参照して印刷データPDに基づくイ
ンク予定使用量を算出する(ステップS31)。続いて、CPU41は、各予定使用量を
RAM43に記憶するとともに、I/F45,34を介して各予定使用量の算出を終了し
た旨の信号を印刷手段30に送信する。
【0071】
印刷手段30(CPU31)は、各予定使用量の算出を終了した旨の信号を受信すると
、第1及び第2リード・ライト装置38,39を駆動して、ロール紙ICタグ15a及び
カートリッジICタグ16aからそれぞれロール紙情報RI及びカートリッジ情報CIを
読み出す(ステップS32)。次に、CPU31は、ロール紙情報RI及びカートリッジ
情報CIからそれぞれロール紙残量情報RRI及びカートリッジ残量情報CRIを読み出
し、I/F45,34を介して各残量情報RRI,CRIを印刷管理ユニット40に送信
する。
【0072】
印刷管理ユニット40(CPU41)は、各残量情報RRI,CRIを受信すると、ロ
ール紙15の残量がロール紙予定使用量以上であって、かつカートリッジ16の残量がイ
ンク予定使用量以上であるか否かを判断する(ステップS33)。CPU41は、各残量
がそれぞれ各予定使用量以上である判断をすると(ステップS33においてYES)、記
憶装置46(料金演算情報記憶領域46b)の印刷料金情報UCIを参照して前記ロール
紙予定使用量及び前記インク予定使用量に基づく印刷料金を算出する。そして、前記印刷
料金に相当する金額の現金が課金装置48に投入されるまで印刷料金を表示部47に表示
する(ステップS34,S35)。ちなみに、ロール紙15あるいはカートリッジ16の
残量が予定使用量未満である判断をすると(ステップS33においてNO)、CPU41
は、残量が不足している旨のメッセージを表示部47に表示し、印刷情報PIを削除して
印刷動作を終了する(ステップS33a,S40)。
【0073】
そして、印刷料金に相当する金額の現金が課金装置48に投入されると、課金装置48
は、清算処理を終了した旨の信号をCPU41に出力するとともに、ユーザID番号と印
刷料金とを関連付けて課金履歴情報に付加し、同課金履歴情報の更新を行う。これによっ
て、清算処理後、不測事由によって印刷を中断する場合があっても、印刷前に課金した履
歴を残すことができ、印刷情報PIの印刷に対する課金を補償することができる。
【0074】
次に、CPU41は、課金装置48から清算処理を終了した旨の信号を受けると(ステ
ップS35においてYES)、I/F45,34を介して印刷手段30に印刷情報PIと
印刷を実行する旨の信号を送信する。
【0075】
印刷手段30(CPU31)は、印刷情報PIと印刷を実行する旨の信号を受信すると
、同印刷情報PIに基づく印刷を開始する(ステップS36)。すなわち、CPU31は
、印刷情報PIを参照して、PFモータ駆動回路部36にPFモータM(紙送り機構)を
駆動させる。同時に、CPU31は、カートリッジ情報CIからカートリッジ種別情報C
CIを読み出し、同カートリッジ種別情報CCI(各インクの種別)に相対する駆動電圧
データを記録ヘッド駆動回路部35に出力する。記録ヘッド駆動回路部35は、CPU3
1の入力する駆動電圧データを変換して各ピエゾ素子に印加する印加電圧データを生成し
、同印加電圧データに基づいて記録ヘッドHを駆動する。
【0076】
この際、回転数カウンタ36aは、回転数センサMSに基づいてPFモータMの回転数
をカウントする。また、ドットカウンタ35aは、各カートリッジ16に対応したドット
数をカウントする。
【0077】
そして、印刷情報PIに基づく印刷を終了すると、CPU31は、ROM32に記憶さ
れる回転数データを参照して回転数カウンタ36aのカウントした回転数に基づくロール
紙実使用量を算出する。同時に、CPU31は、ROM32に記憶されるドットデータを
参照してドットカウンタ35aのカウントしたドット数に基づくインク実使用量を算出す
る。次に、CPU31は、各ICタグ15a,16aから読み出したロール紙残量情報R
RI及びカートリッジ残量情報CRIから対応する実使用量を減算し、減算後のロール紙
残量情報RRI及びカートリッジ残量情報CRIを生成する。同時に、CPU31は、前
記各実使用量及び使用日時をロール紙履歴情報RHI及びカートリッジ履歴情報CHIに
付加して、各ICタグ15a,16aの記憶するロール紙情報RI及びカートリッジ情報
CIを更新する(ステップS37)。これによって、各ICタグ15a,16aには、常
に、ロール紙実使用量及びインク実使用量に基づくロール紙残量情報RRI及びカートリ
ッジ残量情報CRIが記憶される。
【0078】
ロール紙情報RI及びカートリッジ情報CIを更新すると、CPU31は、カッター駆
動回路37にカッターCを駆動させ、印刷済みの領域をロール紙15から切り離す(ステ
ップS38)。これによって、印刷情報PIに基づく1枚の印刷物が形成される。なお、
複数の印刷枚数を印刷する場合には、上記した印刷手段30による印刷(ステップS36
〜S38)を繰り返す。
【0079】
続いて、CPU31は、印刷情報PIに基づいた印刷物を形成すると、印刷を終了した
旨の信号を管理センタ12に送信する(ステップS39)。管理センタ12は、印刷を終
了した旨の信号を受信すると、印刷履歴情報(ユーザID番号や印刷日時)を生成して印
刷履歴情報記憶領域14cに記憶し、印刷情報PIを削除する(ステップS41)。また
、ロール紙プリンタ10(CPU31,41)は、それぞれRAM33,43に記憶した
印刷情報PIを削除して印刷動作を終了する。
【0080】
上記実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、印刷を実行する前に、印刷管理ユニット40が、印刷情報P
Iに基づいてロール紙予定使用量及びインク予定使用量を算出し、これらロール紙予定使
用量及びインク予定使用量に基づく印刷料金を表示して課金するようにした。従って、印
刷情報PIに基づく印刷料金を予め確認して課金することができる。その結果、ロール紙
プリンタ10の利用状況に応じた管理を行うことができ、その利便性を向上することがで
きる。
【0081】
(2)上記実施形態では、印刷を実行する前に、印刷管理ユニット40が、印刷情報P
Iに基づいて各予定使用量を算出し、同各使用量が各ICタグ15a,16aに記憶され
る各残量以上であるときに、印刷の実行を許可するようにした。これによって、ロール紙
15あるいはカートリッジ16の残量不足による印刷の中断を確実に回避することができ
る。その結果、ロール紙プリンタ10の利用状況に応じた管理を行うことができ、その利
便性をさらに向上することができる。
【0082】
(3)上記実施形態では、印刷を実行する前に、印刷管理ユニット40が、印刷料金の
清算処理を行って課金履歴情報を更新するようにした。これによって、清算処理後、不測
事由によって印刷を中断する場合であっても、印刷前に課金した履歴を残すことができ、
印刷情報PIの印刷に対する課金を補償することができる。
【0083】
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態を、図10に従って説明する。尚、第2実施形
態では、第1実施形態におけるロール紙プリンタ10の印刷動作を変更したものであり、
その他の点では第1実施形態と同一の構成になっている。そのため以下では、これらの変
更点について詳細に説明する。
【0084】
図10は、第2実施形態におけるロール紙プリンタ10の印刷動作を示すフローチャー
トである。なお、印刷手段30のROM32には、ロール紙プリンタ10の許容する最大
サイズ(例えば、A0サイズ)の印刷に使用するロール紙15の実使用量(ロール状印刷
媒体基準値としてのロール紙基準値)及びカートリッジ16の実使用量(液体基準値とし
てのインク基準値)が記憶されている。
【0085】
まず、ロール紙プリンタ10が、ユーザの所望する印刷情報PIを前記と同様に管理コ
ンピュータ13から受信して取得する。すると、印刷手段30(CPU31)は、第1及
び第2リード・ライト装置38,39を駆動して、ロール紙ICタグ15a及びカートリ
ッジICタグ16aからそれぞれロール紙情報RI及びカートリッジ情報CIを読み出す
(ステップS51)。次に、CPU31は、ロール紙情報RI及びカートリッジ情報CI
からそれぞれロール紙残量情報RRI及びカートリッジ残量情報CRIを読み出し、各残
量がROM32に記憶される各基準値以上であるか否かを判断する(ステップS52)。
【0086】
CPU31は、各残量が各基準値以上である判断をすると(ステップS52においてY
ES)、印刷情報PIに基づく印刷を開始する(ステップS53)。この際、回転数カウ
ンタ36aは、回転数センサMSに基づいてPFモータMの回転数をカウントする。また
、ドットカウンタ35aは、各カートリッジ16に相対するドット数をカウントする。
【0087】
次に、CPU31は、印刷情報PIに基づく印刷を終了すると、回転数センサMS及び
ドットカウンタ35aのカウントに基づいて、ロール紙実使用量及びインク実使用量を算
出する。続いて、CPU31は、各ICタグ15a,16aから読み出したロール紙残量
情報RRI及びカートリッジ残量情報CRIから対応する実使用量を減算し、減算後のロ
ール紙残量情報RRI及びカートリッジ残量情報CRIを生成する。同時に、CPU31
は、各実使用量及び使用日時をロール紙履歴情報RHI及びカートリッジ履歴情報CHI
に付加して、各ICタグ15a,16aの記憶するロール紙情報RI及びカートリッジ情
報CIを更新する(ステップS54,S55)。ちなみに、CPU31は、各残量が各基
準値未満である判断をすると(ステップS52においてNO)、残量が不足している旨の
メッセージを表示部47に表示し、印刷情報PIを削除して印刷動作を終了する(ステッ
プS52a,S60)。
【0088】
CPU31は、ロール紙情報RI及びカートリッジ情報CIを更新すると、印刷管理ユ
ニット40に各実使用量を出力して印刷料金の算出を指示する。
印刷管理ユニット40(CPU41)は、印刷料金を算出する指示を受けると、印刷料
金情報UCIを参照して前記ロール紙実使用量及び前記インク実使用量に基づく印刷料金
を算出し、同印刷料金に相当する金額の現金が課金装置48に投入されるまで印刷料金を
表示部47に表示する(ステップS56,S57)。そして、印刷料金に相当する金額の
現金が課金装置48に投入されると(ステップS57においてYES)、課金装置48は
、清算処理を終了した旨の信号をCPU41に出力するとともに、ユーザID番号と印刷
料金を課金履歴情報に付加して同課金履歴情報の更新を行う。
【0089】
CPU41は、課金装置48から清算処理を終了した旨の信号を受けると、印刷手段3
0に課金処理を終了した旨の信号を出力する。印刷手段30(CPU31)は、印刷管理
ユニット40から課金処理を終了した旨の信号を受けると、カッター駆動回路37にカッ
ターCを駆動させ、印刷済みの領域をロール紙15から切り離す(ステップS58)。こ
れによって、印刷情報PIに基づく1枚の印刷物が形成される。つまり、印刷管理ユニッ
ト40(CPU41)は、課金装置48による課金処理を終了しない限り、印刷済み領域
の切り離しを指示しない。なお、複数の印刷枚数を印刷する場合には、上記する印刷手段
30による印刷を繰り返す(ステップS51〜S55)。
【0090】
上記実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、印刷を実行した後に、印刷管理ユニット40が、回転数カウ
ンタ36a及びドットカウンタ35aのカウントに基づいてロール紙実使用量及びインク
実使用量を算出し、これらロール紙実使用量及びインク実使用量に基づく印刷料金を表示
して課金するようにした。従って、印刷状況に応じた印刷料金を正確に算出して課金する
ことができる。その結果、ロール紙プリンタ10の利用状況に応じた管理を行うことがで
き、その利便性を向上することができる。
【0091】
(2)上記実施形態では、印刷を実行した後に、課金装置48による課金処理を終了し
た時に限り、印刷管理ユニット40が、印刷手段30に対して印刷済み領域の切り離しを
指示するようにした。これによって、ロール紙プリンタ10の形成した印刷物に対して、
確実に印刷料金を課金することができる。その結果、ロール紙プリンタ10の利用状況に
応じた管理を行うことができ、その利便性をさらに向上することができる。
【0092】
(第3実施形態)
次に、本発明を具体化した第3実施形態を、図11〜図13に従って説明する。尚、第
3実施形態では、第1実施形態における印刷要求の受付及び印刷情報PIの取得を変更し
たものであり、その他の点では第1実施形態と同一の構成になっている。そのため以下で
は、これらの変更点について詳細に説明する。
(印刷予約の受付)
図11は印刷予約情報の内容を示す図であり、図12は印刷要求の受付を示すフローチ
ャートである。
【0093】
管理センタ12の記憶部14(印刷履歴情報記憶領域14c)は、ロール紙プリンタ1
0の利用予約を示す印刷予約情報PRIと、印刷を予約するための画面(印刷予約画面)
をユーザ端末11に表示させる予約画面表示情報とを記憶している。
【0094】
印刷予約情報PRIは、管理センタ12の受付けた予約内容を示す情報であって、図1
1に示すように、ユーザ識別情報UID、プリンタ識別情報PID、予約出力日時RDI
、印刷データPD及び印刷条件情報PCIからなる。プリンタ識別情報PIDは、ロール
紙プリンタ10を一意に識別するための情報であって、本実施形態では各ロール紙プリン
タ10に予め付与されるプリンタID番号とする。予約出力日時RDIは、印刷情報PI
を印刷するためにユーザがロール紙プリンタ10の利用を所望する日時である。
【0095】
まず、ロール紙プリンタ10を利用するユーザがユーザ端末11から管理センタ12に
アクセスして印刷予約画面を表示する要求を行うと(ステップS71)、管理センタ12
は、印刷予約画面を表示するための予約画面表示情報をユーザ端末11に送信する(ステ
ップS81)。この予約表示画面は、ユーザによって、ユーザ識別情報UID、プリンタ
識別情報PID、予約出力日時RDI、印刷データPD及び印刷条件情報PCIに関する
情報の入力を可能にしている。
【0096】
ユーザ端末11は、管理センタ12から予約画面表示情報を受信すると、同予約画面表
示情報に基づいて印刷を予約するための印刷予約画面を表示する(ステップS72)。次
に、ユーザがこの印刷予約画面上でユーザ識別情報UID、プリンタ識別情報PID、予
約出力日時RDI、印刷データPD及び印刷条件情報PCIに関する情報の入力を行うと
、ユーザ端末11は、入力した情報に基づいて印刷予約情報PRIを生成し、同印刷予約
情報PRIを管理センタ12に送信する(ステップS73)。
【0097】
管理センタ12は、ユーザ端末11から印刷予約情報PRIを受信すると(ステップS
82)、記憶部14に記憶した印刷予約情報PRIに基づいて予約が可能か否かを判断す
る(ステップS83)。すなわち、管理センタ12は、印刷予約情報PRIを受信した時
に、同印刷予約情報PRIに含まれるプリンタ識別情報PID及び予約出力日時RDIを
参照して、記憶部14(予め記憶したプリンタ識別情報PID及び予約出力日時RDI)
を検索する。つまり、管理センタ12は、ユーザの予約しようとしている日時であって利
用しようとしているロール紙プリンタ10に他の予約が入っていないかどうか確認する。
【0098】
管理センタ12は、受信した印刷予約情報PRIが予約可能である判断をすると(ステ
ップS83においてYES)、受信した印刷予約情報PRIを記憶部14(印刷履歴情報
記憶領域14c)に記憶する(ステップS84)。次に、管理センタ12は、印刷予約情
報PRIを記憶部14に記憶すると、印刷予約の完了をユーザ端末11に通知して印刷予
約の受付を終了する(ステップS85)。ちなみに、管理センタ12は、受信した印刷予
約情報PRIが予約不能である判断をすると(ステップS83においてNO)、印刷予約
が不可能である旨をユーザ端末11に通知して印刷予約の受付を終了する(ステップS8
3a)。
【0099】
(印刷情報PIの取得)
図13は、印刷情報PIの取得動作を示すフローチャートである。
今、ロール紙プリンタ10(CPU41)は、入力部44から入力されたユーザID番
号を予め登録されたものである判断をすると、同ユーザID番号と同ロール紙プリンタ1
0のプリンタID番号を管理センタ12に送信する(ステップS11〜S13)。
【0100】
管理センタ12は、ロール紙プリンタ10からユーザID番号とプリンタID番号を受
信すると(ステップS21)、同ユーザID番号(ユーザ識別情報UID)を参照して印
刷履歴情報記憶領域14cを検索し、同ユーザID番号に関連付けられる印刷予約情報P
RIを読み出す(ステップS21a)。次に、管理センタ12は、前記印刷予約情報PR
Iからプリンタ識別情報PID及び予約出力日時RDIを読み出す。続いて、管理センタ
12は、読み出したプリンタ識別情報PIDと受信したプリンタID番号とが同一である
か否かを判断するとともに、現日時が予約出力日時RDIに相当するものか否かを判断し
、印刷の実行が可能か否かを判断する。
【0101】
管理センタ12は、印刷の実行が可能であると判断すると、印刷情報PI(ユーザ識別
情報UID、印刷データPD及び印刷条件情報PCI)を生成してロール紙プリンタ10
に送信する(ステップS22)。ロール紙プリンタ10は、管理センタ12から印刷情報
PIを受信すると、印刷情報PIの取得動作を終了する(ステップS14)。
【0102】
上記実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、管理センタ12が、ユーザ端末11に予約画面表示情報を送
信するとともに、ユーザ端末11の生成した印刷予約情報PRIを受信して、予約するこ
とができるか否かを判断するようにした。また、管理センタ12が、予約することができ
る印刷予約情報PRIのみを記憶部14に記憶し、同印刷予約情報PRIに含まれるユー
ザ識別情報UIDを受信したときに同印刷予約情報PRIに含まれる印刷情報PIをロー
ル紙プリンタ10に送信するようにした。
【0103】
従って、予約した日時に予め指定したロール紙プリンタ10を使用することができる。
そのため、印刷を開始するための待ち時間を低減することができる。ひいては、ロール紙
プリンタ10の利用状況に応じた管理を行うことができ、その利便性を向上することがで
きる。
【0104】
なお、上記各実施形態は以下のように具体化してもよい。
・上記実施形態では、ロール紙プリンタ10が、管理センタ12から印刷情報PIを取
得するようにした。これに限らず、記憶媒体(例えば、CDやUSBメモリなど)に記憶
される情報(印刷情報PI)を読み取り可能にする読み取り手段をロール紙プリンタ10
に設け、同記憶媒体から印刷情報PIを取得するようにしても良い。
【0105】
・上記実施形態では、PFモータMの回転数に基づいてロール紙実使用量をロール紙1
5の長さで算出するようにしたが、これに限らず、例えばロール紙15の重量を検出する
重量センサをロール紙プリンタ10に設けて、ロール紙実使用量をロール紙15の重量で
算出するようにしてもよい。さらには、インク実使用量も同じく、カートリッジ16の重
量で算出するようにしてもよく、ロール紙15及びカートリッジ16の残量を規定できる
パラメータであればよい。
【0106】
・上記実施形態では、管理センタ12が、ユーザ端末11から要求される印刷予約を受
付けるようにした。これに限らず、ロール紙プリンタ10の記憶装置46に印刷予約情報
PRIや予約画面表示情報等を記憶し、ロール紙プリンタ10が、印刷予約を受付けるよ
うにしても良い。さらには、ロール紙プリンタ10の表示部47に印刷予約画面を表示し
、同ロール紙プリンタ10の入力部44から印刷の予約を行うようにしても良い。
【0107】
・上記実施形態では、課金装置48が印刷料金に相当する現金を徴収するようにしたが
、これに限らず、印刷料金に相当する金額データ(例えば、プリペイドカードに記憶され
る金額データ等)を徴収するようにしても良い。
【0108】
・上記実施形態では、ユーザ識別情報UIDをユーザID番号として具体化したが、こ
れに限らず、例えばユーザの名前などであってもよく、ユーザ情報記憶領域14aのユー
ザ情報に記憶される情報であってユーザを一意に識別できる情報であればよい。
【0109】
・上記実施形態では、印刷装置としてのロール紙プリンタ10が印刷手段30及び印刷
管理ユニット40を備え、印刷に関する処理を印刷手段30に実行させ、印刷料金の課金
に関する処理を印刷管理ユニット40に実行させるようにした。これに限らず、印刷手段
30に記憶装置46、表示部47、課金装置48等を設け、CPU31に印刷料金の課金
に関する処理などを実行させるようにしてもよい。
【0110】
・上記実施形態では、印刷装置としてのロール紙プリンタ10が印刷手段30及び印刷
管理ユニット40を備える構成にした。この際、印刷管理ユニット40を、ロール紙プリ
ンタ10の筐体内に配置する構成であってもよく、あるいはロール紙プリンタ10の筐体
外に別体として配置する構成でもよい。
【0111】
・上記第1実施形態では、ロール紙残量情報RRIとカートリッジ残量情報CRIをそ
れぞれロール紙実使用量とインク実使用量に基づいて更新するようにしたが、これに限ら
ず、ロール紙予定使用量とインク予定使用量とに基づいて更新するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】第1実施形態の印刷管理システムの構成を示すブロック図。
【図2】同じく、ロール紙プリンタの電気的構成を示すブロック図。
【図3】同じく、ICタグの電気的構成を示すブロック図。
【図4】同じく、印刷情報を示す図。
【図5】同じく、ロール紙情報を示す図。
【図6】同じく、カートリッジ情報を示す図。
【図7】同じく、料金演算情報記憶領域に記録する情報を示す図。
【図8】同じく、印刷情報の取得動作を示すフローチャート。
【図9】同じく、印刷動作を示すフローチャート。
【図10】第2実施形態の印刷動作を示すフローチャート。
【図11】第3実施形態の印刷予約情報を示す図。
【図12】同じく、印刷予約の受付動作を示すフローチャート。
【図13】同じく、印刷情報の取得動作を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0113】
10…印刷装置としてのロール紙プリンタ、11…ユーザ端末、12…管理センタ、14
…記憶部、15…ロール状印刷媒体としてのロール紙、15a…記憶素子としてのロール
紙ICタグ、16…液体収容体としてのインクカートリッジ、16a…記憶素子としての
カートリッジICタグ、30…印刷手段、40…印刷管理ユニット、41…料金算出手段
を構成するCPU、PI…印刷情報、PD…印刷データ、PCI…印刷条件情報、UID
…ユーザ識別情報。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体収容体の収容する液体をロール状印刷媒体に噴射して印刷する印刷装置に設けられた
管理ユニットによって前記印刷装置の印刷を管理するロール状印刷媒体の印刷管理方法に
おいて、
前記管理ユニットは、
前記印刷装置が印刷情報に基づく印刷を実行する前に、
前記印刷情報に基づいて、印刷に使用する前記ロール状印刷媒体の予定使用量及び前記
液体の予定使用量を算出し、前記ロール状印刷媒体の予定使用量及び前記液体の予定使用
量に基づいて、前記印刷情報の印刷に伴う料金を算出し、その料金に相対する課金を受け
たときに前記印刷情報の印刷を前記印刷装置に対して許可する
ことを特徴とするロール状印刷媒体の印刷管理方法。
【請求項2】
請求項1に記載するロール状印刷媒体の印刷管理方法において、
前記印刷情報は、印刷画像のサイズを示す印刷条件情報と印刷データとを有し、
前記ロール状印刷媒体の予定使用量は、前記印刷条件情報に基づいて算出され、
前記液体の予定使用量は、前記印刷データに基づいて算出される
ことを特徴とするロール状印刷媒体の印刷管理方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載するロール状印刷媒体の印刷管理方法において、
前記ロール状印刷媒体は、印刷を実行した後に前記印刷装置の検出するロール状印刷媒
体の実使用量に基づいて算出されるロール状印刷媒体の残量を記憶する記憶素子を備え、
前記液体収容体は、印刷を実行した後に前記印刷装置の検出する液体の実使用量に基づ
いて算出される液体の残量を記憶する記憶素子を備え、
前記管理ユニットは、印刷を実行する前に、前記ロール状印刷媒体の残量が前記ロール
状印刷媒体の予定使用量以上であって、かつ前記液体の残量が前記液体の予定使用量以上
であるときに印刷の実行を許可する
ことを特徴とするロール状印刷媒体の印刷管理方法。
【請求項4】
液体収容体の収容する液体をロール状印刷媒体に噴射して印刷する印刷装置に設けられた
管理ユニットによって前記印刷装置の印刷を管理するロール状印刷媒体の印刷管理方法に
おいて、
前記管理ユニットは、
前記印刷装置が印刷情報に基づく印刷を実行した後に、
前記印刷装置の検出した前記ロール状印刷媒体の実使用量及び前記液体の実使用量に基
づいて、前記印刷情報の印刷に伴う料金を算出し、その料金に相対する課金を受けたとき
に、印刷した領域をロール状印刷媒体から切り離して前記印刷情報の印刷を終了する
ことを特徴とするロール状印刷媒体の印刷管理方法。
【請求項5】
請求項4に記載するロール状印刷媒体の印刷管理方法において、
前記ロール状印刷媒体は、印刷を実行した後に前記印刷装置の検出するロール状印刷媒
体の実使用量に基づいて算出されるロール状印刷媒体の残量を記憶する記憶素子を備え、
前記液体収容体は、印刷を実行した後に前記印刷装置の検出する液体の実使用量に基づ
いて算出される液体の残量を記憶する記憶素子を備え、
前記管理ユニットは、印刷を実行する前に、前記ロール状印刷媒体の残量が前記印刷情
報に基づく印刷を実行するためのロール状印刷媒体基準値以上であって、かつ前記液体の
残量が前記印刷情報に基づく印刷を実行するための液体基準値以上であるときに印刷の実
行を許可する
ことを特徴とするロール状印刷媒体の印刷管理方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1つに記載するロール状印刷媒体の印刷管理方法において、
前記印刷情報を記憶する記憶部を備えた管理センタが、
印刷の予約を受け付けて、前記印刷情報と、ユーザを識別するユーザ識別情報と、印刷
を開始する開始日時とを関連付けて前記記憶部に記憶し、
前記開始日時に基づいて前記ユーザ識別情報を前記管理ユニットから受信するときに、
前記記憶部から前記印刷情報を読み出して前記印刷装置に送信する
ことを特徴とするロール状印刷媒体の印刷管理方法。
【請求項7】
液体収容体の収容する液体をロール状印刷媒体に噴射して印刷する印刷装置と、その印刷
装置に設けられる管理ユニットによって前記印刷装置の印刷を管理するロール状印刷媒体
の印刷管理システムにおいて、
前記管理ユニットは、
前記印刷装置が印刷情報に基づく印刷を実行する前に、
前記印刷情報に基づいて、印刷に使用する前記ロール状印刷媒体の予定使用量及び前記
液体の予定使用量を算出し、前記ロール状印刷媒体の予定使用量及び前記液体の予定使用
量に基づいて、前記印刷情報の印刷に伴う料金を算出する料金算出手段と、
その料金に相対する課金を受けて前記印刷情報の印刷を前記印刷装置に対して許可する
課金処理手段とを備えた
ことを特徴とするロール状印刷媒体の印刷管理システム。
【請求項8】
液体収容体の収容する液体をロール状印刷媒体に噴射して印刷する印刷装置と、その印刷
装置に設けられる管理ユニットによって前記印刷装置の印刷を管理するロール状印刷媒体
の印刷管理システムにおいて、
前記管理ユニットは、
前記印刷装置が印刷情報に基づく印刷を実行した後に、
前記印刷装置の検出した前記ロール状印刷媒体の実使用量及び前記液体の実使用量に基
づいて、前記印刷情報の印刷に伴う料金を算出する料金算出手段と、
その料金に相対する課金を受けて、印刷した領域をロール状印刷媒体から切り離すこと
を許可する課金処理手段とを備えた
ことを特徴とするロール状印刷媒体の印刷管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−103082(P2006−103082A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−291060(P2004−291060)
【出願日】平成16年10月4日(2004.10.4)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】