説明

ロール紙を包装する方法およびそれに用いられる包装箱

【課題】包装材料のシートを使用してロール紙を包装する方法であって、知られている方法に関連する欠点が解消される包装箱と、包装箱および封鎖部材を作製するために使用される包装材料のシートを提供する。
【解決手段】包装材料のシートを使用してロール紙を包装する方法であって、包装材料のシートには、互いに平行に延び、シートの隣接した部分同士の境を成すいくつかの折り目または折り線3が加えられ、紙ロール11用の多角形の包装箱1を形成するように包装材料のシートが折り目または折り線のまわりに折り曲げられ、この包装箱は、互いに角度を成すシートの部分4,5,6,7,8,9,10から形成され、包装箱の内側に包装箱の両端付近で間仕切り13が装着される包装材料のシートを使用してロール紙を包装する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装材料のシートを使用してロール紙を包装する方法であって、包装材料のシートには、互いに平行に延び、シートの隣接した部分同士の境を成すいくつかの折り目または折り線が加えられ、紙ロール用の多角形の包装箱を形成するように包装材料のシートが折り目または折り線のまわりに折り曲げられ、この包装箱は、互いに角度を成すシートの部分から形成され、包装箱の内側に包装箱の両端付近で間仕切りが装着される、包装材料のシートを使用してロール紙を包装する方法に関する。本発明はさらに、そのようにして作製された包装箱と包装箱に使用されるシートとに関する。
【背景技術】
【0002】
この種類の方法は、米国特許第5941476号明細書から導き出され得る。これによると、いくつかのロールが、中央に位置決めされた連結ロッドによって相互連結された2つの円形ディスクの間に封入され、円形ディスクはそれらの外周をシートの部分の内側側面と接触させている。さらに、両端付近に、平坦なディスクによって形成された間仕切りであって、シートの部分に付けられた切欠き部の中に連結する突起部が設けられた間仕切りが装着される。これによって複雑な構造が生じるとともに、間仕切りと包装箱のシートの部分との間の連結が弱くなる。
【0003】
製品を受け入れるための箱が米国特許第3314531号明細書から知られている。この箱は、横断面が六角形である2つの摺動する箱部分から構成される。これらの箱部の一方の内側に、包装される製品を受け入れる保持器が配置され、これに続いて他方の箱部分が、製品を受け入れる保持器を含んだ箱部の上を摺動される。各箱部の端付近には、その端内に受け入れられ、問題の箱部の内側側面に接続される曲折縁部を備えた間仕切りが設けられる。しかし、この知られている包装箱も、特に大量の包装材料を使用した複雑な構造を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第5941476号明細書
【特許文献2】米国特許第3314531号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、知られている方法に関連する欠点が解消されることが可能な方法を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によると、このことは、包装材料のシートを折り目または折り線のまわりに折り曲げながらロールのまわりに堅く直接装着することによって、包装箱を、包装箱内に受け入れられるロールのまわりに堅く装着することによって達成されることが可能であり、そこでは、包装材料のシートは、このようにロールのまわりに形成された包装箱が、包装箱内に受け入れられたロールの両端で、包装箱内に受け入れられたロールを越えて突き出るように寸法付けされており、包装箱のそれぞれの端の内側に、包装材料のシートによって形成された一体型の封鎖部材が装着され、この封鎖部材は、包装箱の内側に装着されたロールの端に接触する間仕切りであってその寸法がロールのまわりに形成された包装箱の内部多角形横断面に少なくとも実質的に対応した間仕切りと、間仕切りとともに1つのユニットを形成した縁部であって間仕切りを取り巻くように曲げ折られ、包装箱のシートの部分の内側側面に接触した縁部とから構成され、シートの部分が互いに角度を成す。
【0007】
本発明による方法を適用することによって、包装箱の内側の頑丈な包囲体が、さらなる道具を使用せずに達成され得る。さらに、ともに全体を形成した曲折縁部と一緒に包装箱の両端の内側に装着された間仕切りによって、包装箱の両端の頑丈な構造が達成されて、包装箱の両端で受け取られた衝撃の結果、包装箱の内側に受け入れられたロールの損傷が防止されることが可能になる。この包装箱のこの頑丈に具現された両端は、包装箱およびその内容物の位置を移動することを目的として、包装箱を手または機械的移送手段によって握持するために利用されることも可能である。
【0008】
包囲部材の曲折縁部は、包装箱のシートの部分の内側側面に糊づけされることが好ましく、シートの部分同士は互いに角度を成す。また、包装材料をロールのまわりに折り曲げる間に、包装箱に多角形の横断面がもたらされることも好ましい。包装材料として特に厚紙が使用され、包装箱は、包装箱の両端が、包装箱によって取り囲まれたロールの両端を0.5cmから5cm分突き出るように形成される。
【0009】
以上のように、本発明による方法の利点は、もはや1つまたは複数のロール紙を適切に包装するために複数の異なった大判シートを確保しておく必要がないということである。包装材料をシートの形態で確保しておくだけでよく、そこから要望に応じて、大判シートから形成された包装箱の内側に1つまたは複数のロール紙が包装されることが可能になるような寸法の大判シートが作製される。これによって、確保する包装材料の材料コストに大幅な節約がもたらされ、また、ロール紙が本発明による包装箱の内側で可能な限り堅く包装されることが望ましい場合に、ロール紙の寸法に、より大きな融通性がもたらされる。
【0010】
添付図面によって本発明をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】包装箱の構成要素を互いに離して示した、本発明による包装箱の一実施形態の斜視図である。
【図2】図1に示した包装箱が作製されることが可能な大判シートを示す図である。
【図3】本発明による包装箱の他の可能な実施形態の概略図である。
【図4】本発明による包装箱の他の可能な実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1に示した包装箱1は多角形の横断面を有する。包装箱は、図2で示した包装材料のシート2によって形成される。包装材料のシートは、例えば厚紙または適切なプラスチック材料などから構成されてもよい。
【0013】
包装材料のシート2は、シートに加えられた、互いに平行に延びたいくつかの折り目または折り線3によって7つの隣接したシートの部分4から10に分割される。図1に示した包装箱1を形成するために、シートの部分4から10は、図1で示した六角形状に、折り目または折り線3のまわりに互いに対して折り曲げられ、これによってシートの部分4はシートの部分10の外側側面に接触して終端し、例えば糊づけによってそこに貼り付けられる。包装箱1は、紙ロール11がシートの部分5から10の内側側面に接触して紙ロール11が包装箱1の内側に堅く受け入れられ得るように形成される。
【0014】
これも図1から明らかなように、包装箱1は、包装箱の両端が、例えば0.5cmから5cmなどの特定距離分、紙ロール11の両端を越えて突き出るように形成される。したがって、包装箱の両端は封鎖部材12によって封鎖される。封鎖部材12はそれぞれ間仕切り13とそれに接合した縁部14とから構成される。縁部14は間仕切り13を取り巻くように曲げ折られ、間仕切りとともに全体を形成し、間仕切り13に対して直角に位置決めされる。間仕切り13の形状は、間仕切り13が包装箱1の内部領域の内側に堅く装着されることが可能となるように、横断面が六角形である包装箱1の内部形状に合わせされる。各封鎖部材12は、間仕切り13が紙ロール11の該当端と接触し、曲折縁部14が間仕切り13から包装箱の外側端に向かって延在するように、箱の内側に装着される。曲折縁部14は、適切な接着剤によってシートの部分5から10の内側側面に接合される。包装箱1の内側の紙ロール11の頑丈な包囲体がこのようにして達成され得ることが明らかであり、寸法に切断された大判シート2から包装箱が容易に折り曲げて作製され得る。
【0015】
上述の包囲部材12を包囲箱1の両端の内側に装着することによって、紙ロール11を越えて突き出た包装箱1の両端の機能的補強も達成される。これは、一つには、曲折縁部14をシートの部分5から10の内側側面に装着した結果生じる、紙ロール11を越えて突き出た包装箱の端の二重層実施形態による。これらの頑丈な端は、包装箱の両端上に及ぼされた衝撃による紙ロール11の両端への望ましくない損傷を防止する。さらに、このタイプの補強端は、包装箱に対して損傷を与えるリスクなく、包装箱を移動する目的で包装箱を手または機械的道具によって把持するのによく役立つ。
【0016】
図3は、2つの紙ロール16を受け入れるために使用される包装箱15の実施形態の概略図を示している。このタイプの包装箱15は、上述の、図1に示した包装箱1と同様の方法で構成され得ることが明らかであるが、図3から明らかなように、シートの形態の包装材料に様々な幅のシートの部分が形成され、それらから、折り目または折り線によって包装箱15が折り曲げられて作製される。
【0017】
このことは、3つの紙ロール18を受け入れることを目的とした図4に示した包装箱17にも当てはまる。ここでも、包装箱17は、様々な幅のシートの部分が形成されるように折り目が加えられたシート形態の包装材料によって形成される。
【0018】
本発明の精神および保護範囲内で、包装箱の上述の実施形態に変化および/または追加が加えられ得ることが明らかである。例えば、包装箱に、糊づけされることが可能な、または包装箱の残りの部分と同じシート材料から形成されることが可能な追加の取手を設けることも可能である。
【符号の説明】
【0019】
1、15、17 包装箱
2 包装材料のシート
3 折り目または折り線
4、5、6、7、8、9、10 シートの部分
11、16、18 紙ロール
12 封鎖部材
13 間仕切り
14 縁部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装材料のシートを使用してロール紙を包装する方法にして、包装材料のシートには、互いに平行に延び、シートの隣接した部分同士の境を成すいくつかの折り目または折り線が加えられ、紙ロール用の多角形の包装箱を形成するように包装材料のシートが折り目または折り線のまわりに折り曲げられ、この包装箱が、互いに角度を成すシートの部分から形成され、包装箱の内側に包装箱の両端付近で間仕切りが装着される、包装材料のシートを使用してロール紙を包装する方法であって、包装材料のシートを折り目または折り線のまわりに折り曲げながらロールのまわりに堅く直接装着することによって、包装箱が、包装箱内に受け入れられるロールのまわりに堅く装着され、そこでは、包装材料のシートは、このようにロールのまわりに形成された包装箱が、包装箱内に受け入れられたロールの両端で、包装箱内に受け入れられたロールを越えて突き出るように寸法付けされており、包装箱のそれぞれの端の内側に、包装材料のシートによって形成された一体型の封鎖部材が装着され、この封鎖部材は、包装箱の内側に装着されたロールの端に接触する間仕切りであってその寸法がロールのまわりに形成された包装箱の内部多角形横断面に少なくとも実質的に対応した間仕切りと、間仕切りとともに1つのユニットを形成した縁部であって間仕切りを取り巻くように曲げ折られ、包装箱のシートの部分の内側側面に接触した縁部とから構成され、シートの部分が互いに角度を成すことを特徴とする、方法。
【請求項2】
封鎖部材の曲折縁部が包装箱のシートの部分の内側側面に糊づけされ、シートの部分が互いに角度を成すことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
包装材料をロールのまわりに折り曲げる間に、包装箱に六角形の横断面がもたらされることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
包装材料として厚紙が使用されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
包装箱は、包装箱の端が、包装箱によって取り囲まれたロールの端を越えて0.5cmから5cm分突き出すように形成されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の方法を使用して作製される、包装箱。
【請求項7】
請求項6に記載の包装箱を作製するために使用される包装材料のシート。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の方法に用いられる封鎖部材を作製するために使用される、包装材料のシート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−149371(P2009−149371A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−295171(P2008−295171)
【出願日】平成20年11月19日(2008.11.19)
【出願人】(390039435)オセ−テクノロジーズ・ベー・ヴエー (103)
【氏名又は名称原語表記】OCE’−NEDERLAND BESLOTEN VENNOOTSHAP
【Fターム(参考)】