説明

ワイパーブレードを連結する手段を備える自動車用ワイパー

【課題】ワイパーアームとワイパーブレード取り付け部材の着脱を容易にする。
【解決手段】ワイパーブレード12の取り付け部材22を取り付け部材22に連結されたコネクタ18によりワイパーアーム16の端部に連結するもので、コネクタ18は断面が逆U状であり、取り付け部材22の中央連結部20に嵌合しうる基体32を備え、長手方向にスライドさせてワイパーアーム16の前端部14に挿入され、かつ前記ワイパーアーム16を長手方向に固定する手段を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイパーアームにワイパーブレードを連結するための好適な手段を備える自動車用ワイパーに関する。
【背景技術】
【0002】
より詳しく言うと、本発明は、ワイパーブレードに連結されたコネクタにより、ワイパーブレードが水平軸の周りでワイパーアームの前端に連結されている、自動車用ワイパーに関する。
【0003】
ワイパーアームの端部にワイパーブレードが連結されている従来のワイパーでは、前記コネクタは、ワイパーブレードの連結ロッドに対して、径方向に変形されて一体化され、かつワイパーアームの前端は、長手方向に湾曲されて、フックが形成されている。このフックに、ワイパーブレードに取り付けたコネクタを、後方から前方へ向かって、長手方向に挿入しなければならない。
【0004】
上記した連結部は剛質で小型であるために、また、美的観点から、コネクタは、連結ロッドにより連結されたワイパーブレードの2つの側片の間に挟まれるようになっている。また、ワイパーアームのフックにコネクタを引っかけることができるように、ワイパーアームの2つの側片の間における前端に、ワイパーブレードに連結されたコネクタの前部を挿入する必要がある。
【0005】
上述のように取り付けると、信頼性は高くなるが、コネクタをワイパーアームの前端にうまく挿入することができるように、連結ロッドの前部にあるワイパーブレードの上部に、孔を設ける必要がある。この孔の少なくとも一部は、ワイパーアームにワイパーブレードを取り付けた後にも見えてしまう。
【0006】
ワイパーアームにワイパーブレードを連結させる連結手段により、経験の乏しい人でも、ワイパーブレードを着脱できるようにすることが提案されている。自動車の所有者は、自分で上述した作業を簡単に行って、ワイパーブレードを定期的に交換することができれば、喜ばしいに違いない。
【0007】
また、車両の外側にあって、見えてしまう部材であるワイパーは、美的特性を有し、不連続さができるだけ存在しないことが好ましい。
【0008】
本願発明に関連する先行技術としては、以下の特許文献1〜4を挙げることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平8−225063号公報
【特許文献2】実願昭61−89145号(実開昭62−200062号)のマイクロフィルム
【特許文献3】仏国特許出願公開第2453757号明細書
【特許文献4】仏国特許出願公開第2759048号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述したワイパーでは、コネクタは、平行で長手方向に延び、ワイパーブレードが挿入される2つの垂直の側片により保持される連結手段を備え、ワイパーブレードにコネクタを取り付けることができるように、前記側片は、取り付け位置に向かって互いに反対方向に広げられた後、連結位置へ戻され、連結位置では、コネクタの連結手段は、ワイパーブレードの相補的な手段と協働し、ワイパーブレードの側面は、ワイパーアームの端部の側方にある2つのフランジの間に挿入される。フランジは、コネクタの側面が連結位置から取り付け位置へ向かって、側方へ広がるのを防止している。
【0011】
前記コネクタは、断面が逆U状であり、ワイパーブレード、すなわち、後方へ向かって延びる2つの側片を有する基体を備えている。
【0012】
コネクタは、長手方向にスライドさせて、ワイパーアームの前端へ挿入される。コネクタは、ワイパーアームの長手方向に固定するための手段を備えている。そのため、コネクタの側片は、ワイパーアームの前端側方にある2つのフランジと対向し、前方へ向かって解放する内側面により形成された2つの収容部に、長手方向に挿入される。コネクタは、フランジの間に、前方から後方へ長手方向に挿入される。
【0013】
ワイパーアームの前端は、2つのフランジを連結する上壁を備え、コネクタは、水平方向に後方へ延びる弾性の舌片を備え、水平軸まわりのヒンジを形成する前端により、舌片は基体と連結され、舌片は、ワイパーアームの前端の上部の内面と対向して延び、舌片は、コネクタをワイパーアームに長手方向に固定するために、ワイパーアームの上片に形成された対応する係止孔に嵌合される係止ボスを備え、係止ボスは、弾性の舌片が旋回運動すると、下方へ向かって後退し、コネクタは、ワイパーアームから長手方向に解放される。
【0014】
本発明は、このような種類の改良されたワイパーに関し、特に、ワイパーアームにワイパーブレードを連結する連結手段が破損した時に、その他の部材が、少なくとも部分的に外れることがないようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するため、本発明は、コネクタが、垂直方向に平行で長手方向に延び、取り付け部材の中央連結部が挿入される2つの側片により保持される連結手段を備え、コネクタは、断面が逆U状であり、取り付け部材の中央連結部を挟む基体と、基体の後方へ延びる2つの側壁とを備え、コネクタをワイパーアームの前端部へ長手方向にスライドさせて挿入するようになっており、かつコネクタは、ワイパーアームに、長手方向に固定する手段を備えている自動車用ワイパーにおいて、コネクタは、取り付け部材の中央連結部に対向して設けられた孔を、垂直方向の遊びをもって貫通する保持ロッドを備えていることを特徴とする自動車用ワイパーを提供するものである。
【0016】
本発明の他の特徴は、次の通りである。
━保持ロッドの下方自由端は、コネクタを取り付け部材に垂直方向に遊びをもって保持する突出部を備えている。
━保持ロッドは、長手方向を向く孔へ、長手方向の遊びをもって挿入されている。
━ワイパーアームの前端部は、上壁を備え、コネクタは、水平方向に後方へ延びる弾性の舌片を備え、水平軸まわりのヒンジを形成する前端により、舌片は基体と連結され、舌片は、ワイパーアームの下面と対向して延び、舌片は、コネクタをワイパーアームに長手方向に固定するために、ワイパーアームの上面に設けられた対応する係止孔に嵌合しうる係止ボスを備え、保持ロッドは、コネクタの舌片の下面から垂直方向へ延びている。
━弾性の舌片が旋回運動することにより、係止ボスは下方へ後退し、ワイパーアームからコネクタが長手方向に解放される。
━ワイパーアームの前端部は、ワイパーアームに対するワイパーブレードの取り付け位置において、取り付け部材の外側面のリリーフ部の前方を向く部分に延び、かつ、リリーフ部と対向する係止縁を備えている。
━コネクタの側壁は、ワイパーアームの前端部の側方にある2つのフランジの間に挿入され、前記係止縁は、フランジの下縁を形成している。
━外側面のリリーフ部の前縁は、取り付け部材の外側面を長手方向に区切る当接縁となっている。
━前記リリーフ部は、長手方向を向く上縁により上方へ向かって垂直方向に区切られ、コネクタがワイパーアームに挿入される時に、ワイパーアームの前端部の案内路となるように傾いている。
━コネクタは、ワイパーアームの前端部の側方にあるフランジの間へ、前方から後方へ長手方向に挿入される。
━コネクタの側壁は、コネクタを、取り付け部材の中央連結部に連結できるように、取り付け位置に向かって互いに離され、コネクタの連結手段は、取り付け部材の相補的な手段と協働し、ワイパーブレードの取り付け部材の側片は、ワイパーアームの前端部の側方にある2つのフランジの間に挿入されて、コネクタの側壁が連結位置から取り付け位置へ広がらないようになっている。
━コネクタの側壁は、水平軸を有する円形の2つの突起を備え、突起は、2つの側片と対向して、互いに離れており、取り付け部材の中央連結部の側壁に形成された対応する円形孔に嵌合し、側片を連結位置とし、ワイパーブレードにコネクタが取り付けられている。
【0017】
本発明の他の特徴及び利点は、図面を参照する詳細な説明により明らかになると思う。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明によるワイパーを構成する主要な部材の分解斜視図である。
【図2】図1に示す主要な部材が取り付けられたワイパーの側片図である。
【図3】図2に示すワイパーの垂直断面図である。
【図4】コネクタを取り付ける際のワイパーアームの前端部を示す側片図である。
【図5】取り付け部材に案内されて前方へ送られたワイパーアームの長手方向断面を示す側片図である。
【図6】図2に示すワイパーの拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本実施例では、理解を容易とするために、図面に関して、水平、垂直、上方、下方、前方及び後方等の用語を、非限定的に用いることとする。また、図1において、左側を前方、右側を後方とする。
【0020】
ワイパー(10)は、長手方向に延びるワイパーアーム(16)の前端部(14)において、水平軸(A1)の周りに関節連結されるようになっているワイパーブレード(12)を備えている。
【0021】
ワイパー(10)は、長手方向の垂直面(P)に関して対称となっている。
【0022】
コネクタ(18)が、ワイパーブレード(12)の補強部となっている取り付け部材(22)の中央連結部(20)に取付られ、かつ、ワイパーアーム(16)の前端部(14)に固定されるようになっている。
【0023】
図面からわかるように、取り付け部材(22)の中央連結部(20)は、互いに平行で、水平軸(A1)まわりの円形孔(26)を有する長手方向の2つの側壁(24)を備えている。2つの側壁(24)は、上壁(28)により連結され、上壁(28)には、コネクタ(18)と対応する位置に、長手方向のスリット(30)が設けられている。
【0024】
コネクタ(18)は、逆U状の断面であって、互いに平行な2つの垂直の側壁(34)と、上壁(36)とを有する基体(32)を備えている。基体(32)は、ワイパーブレード(12)の取り付け部材(22)の中央連結部(20)に嵌合しうるようになっている。
【0025】
基体(32)の後縁(38)からは、平行な2つの側片(40)が、基体(32)の側壁(34)の延長部分として、後方に向かって長手方向に延びている。側片(40)は、垂直方向を向くプレートであり、自由な状態の時には、互いに平行である。しかし、側片(40)を弾性変形させて、側壁(34)から離すこともできる。
【0026】
側片(40)の後端は、上壁(36)と同一面にある水平の支持片(41)により連結されている。
【0027】
側片(40)が延びている側壁(34)の内側面(44)(図6参照)には、水平軸(A1)上において、対向して相手側の側片(40)の方を向く円柱状の突起(46)が設けられている。自由な状態の時には、内側面(44)は、取り付け部材(22)の中央連結部(20)の厚さだけ、互いに離れている。
【0028】
しかして、自由な状態では、突起(46)は、側壁(24)の円形孔(26)に嵌合しうるようになっている。
【0029】
これに対し、側片(40)を(弾性変形して)互い離し、突起(46)を円形孔(26)から抜き外すと、コネクタ(18)を、取り付け部材(22)から垂直方向に取り外すことができるようになる。
【0030】
突起(46)を、ワイパーブレード(12)に設けたり、コネクタ(18)の側壁(34)に設けた孔に嵌合させるようにしてもよい。
【0031】
コネクタ(18)がワイパーブレード(12)に対して、十分な隙間をもって回転できるように、取り付け部材(22)の上壁(28)とコネクタ(18)の基体(32)の上壁(36)との間に、十分な隙間が設けられている。
【0032】
側片(40)が延びているコネクタ(18)の側壁(34)は、ワイパーアーム(16)の前端部(14)の内側に挿入されて、広がらないようになっている。このようにして、コネクタ(18)を、ワイパーブレード(12)に取り付け、ワイパーアーム(16)の前端部(14)に挿入する際に、突起(46)が円形孔(26)に嵌合して、コネクタ(18)がワイパーブレード(12)から外れることがないようになっている。
【0033】
ワイパーアーム(16)の前端部(14)には、上壁(50)により連結された垂直方向の2つのフランジ(48)(48)が設けられ、その間には、コネクタ(18)における側片(40)が延びている側壁(34)を挿入しうるようになっている。
【0034】
両側のフランジ(48)(48)の内側には、側片(40)が延びている側壁(34)と同じ形状で、互いに対向する収容部(52)が、前方から後方へ長手方向に形成されている。収容部(52)の下端には、内側を向く係止片(53)が設けられ、それにより、コネクタ(18)は、長手方向のスライド以外の運動をすることはできないようになっている。
【0035】
ワイパーアーム(16)の前端部(14)と取り付け部材(22)は、互いの延長線上に設けられ、ワイパーブレード(12)とワイパーアーム(16)とは、美的特性を有するようにして連結されている。
コネクタ(18)は、フランジ(48)(48)の間に長手方向に挿入され、ワイパーアーム(16)の前端部(14)により覆われている。
【0036】
図5からわかるように、ワイパーブレード(12)は、ワイパーアーム(16)に取り付けられ、側片(40)が延びているコネクタ(18)の各側壁(34)は、動くことなく、すなわち、連結を解除することなく、取り付け部材(22)の側壁(24)とワイパーアーム(16)のフランジ(48)との間に挿入されている。
【0037】
ワイパーアーム(16)の前端部(14)の内側に、コネクタ(18)を長手方向に固定できる手段を設けてもよい。この手段は、消耗したワイパーブレード(12)を交換できるように、コネクタ(18)を容易に解放できるようになっているのが好ましい。
【0038】
コネクタ(18)は、例えば、水平の板から形成され、コネクタ(18)の基体(32)の上壁(36)の延長線上に、後方へ向かって延びる舌片(56)を備えている。舌片(56)の前端(58)は、水平方向の軸を有するヒンジを形成している。
【0039】
コネクタ(18)を、ワイパーアーム(16)の前端部(14)に挿入すると、舌片(56)の上面は、前端部(14)の下面(62)と対向する。
【0040】
舌片(56)の上面は、コネクタ(18)を長手方向に運動させないようにする係止ボス(64)となっており、係止ボス(64)は、ワイパーアーム(16)の上壁(50)に設けた角孔(66)に嵌合しうるようになっている。
【0041】
ワイパーアーム(16)の前端部(14)から突出する係止ボス(64)の表面を押して、角形の係止孔(66)を通過させると、舌片(56)は、その前端(58)を水平軸とするヒンジとなって、弾性力に反発して回動する。このようにして、係止ボス(64)を係止孔(66)から外し、コネクタ(18)を、ワイパーアーム(16)の前端部(14)の前方に向かって、長手方向に外すことができる。
【0042】
このワイパー(10)は、次のステップにより組み立てられる。
【0043】
まず、コネクタ(18)の側片(40)を互いに離すように広げ、ワイパーブレード(12)の取り付け部材(22)の中央連結部(20)を挾むように、コネクタ(18)を垂直方向に上方から下方に向かって挿入する。
【0044】
次に、ワイパーブレード(12)とコネクタ(18)とのユニットを、ワイパーアーム(16)の前端部(14)の内側に、前方から後方へ長手方向に挿入して、側片(40)が延びているコネクタ(18)の側壁(34)を、前端部(14)のフランジ(48)により形成された収容部(52)に嵌合させる。
【0045】
この作業の際には、係止ボス(64)を下方に隠す必要がある。係止ボス(64)の表面を下方及び後方に傾斜させることにより、係止ボス(64)を下方に隠すことができる。
【0046】
係止ボス(64)が、ワイパーアーム(16)の係止孔(66)と長手方向に対向すると、係止ボス(64)は、係止孔(66)に嵌合し、舌片(56)は、弾性運動して、自由位置に復帰する。それにより、コネクタ(18)、すなわちワイパーブレード(12)は、ワイパーアーム(16)に対して前方に移動できなくなる。
【0047】
本発明によれば、ワイパー(10)の、ある要素が破損した時に、ワイパーアーム(16)の前端部(14)にワイパーブレード(12)を保持して、ワイパーの信頼性を高める手段を備えている。
【0048】
その目的を実現するために、前記コネクタ(18)は、舌片(56)の下面(72)から、取り付け部材(22)の中央連結部(20)の方へ向かって垂直方向に延びる保持ロッド(70)を備えている。保持ロッド(70)は、中央連結部(20)の上壁(28)に形成されたスリット(30)を貫通している。
【0049】
通常使用時には、保持ロッド(70)は、周囲の部材の影響を受けることなく作用できるように、長手方向の遊びをもって、スリット(30)内に挿入されている。
【0050】
保持ロッド(70)の下方自由端(74)は、上壁(28)の下面(29)において、後方へ延びる突出部またはフックとなっており、通常使用時には、周囲の部材の影響を受けることなく作用できるように、垂直方向に大きな遊びを有している。
【0051】
また、ワイパーアーム(16)の前端部(14)における垂直方向を向く各フランジ(48)の下縁には、後方へ長手方向に延びる係止縁(76)が形成されている。ワイパーアーム(16)に対するコネクタ(18)及びワイパーブレード(12)の取り付け位置及び連結位置において、係止縁(76)は、長手方向の少しの遊びをもって、中央連結部(20)の外側面と対向する。
【0052】
より詳しく言うと、取り付け部材(22)の各側壁(24)の外面には、前端に垂直方向の当接縁(78)を有し、かつ長手方向に後上方へ傾斜する上縁(80)を有する前下方へ向かって傾斜する肉厚のリリーフ部(77)が形成されている。
【0053】
係止ボス(64)、すなわち舌片(56)が破損しても、係止縁(76)と当接縁(78)とが係合しているので、取り付け部材(22)が、ワイパーアーム(16)の前端部(14)から、長手方向に外れることはない。
【0054】
また、係止ボス(64)の保持ロッド(70)が、取り付け部材(22)を保持しているので、下方自由端(74)により、係止ボス(64)及び舌片(56)が垂直方向に外れることがない。
【0055】
2つの突起(46)が破損した場合には、上述したのと同様に、保持ロッド(70)は、取り付け部材(22)を長手方向に保持しており、保持ロッド(70)が破損しても、係止縁(76)と当接縁(78)とが係合しているので、取り付け部材(22)は、ワイパーアーム(16)の前端部(14)に保持されたままとなる。
【0056】
図5からわかるように、リリーフ部(77)の上縁(80)が傾斜しているので、ワイパーアーム(16)の前端部(14)が案内され、前端部(14)は、取り付け部材(22)に保持されているコネクタ(18)と直線をなすように取り付けられる。それにより、ワイパーブレード(12)をワイパーアーム(16)へ容易に取り付けることができるようになる。
【0057】
また、上縁(80)をやや凸状に湾曲させると、ワイパーアーム(16)の前端部(14)を、取り付け部材(22)に自由な角度で取り付けることができるようになる。
【0058】
通常動作時における、係止孔(66)内での係止ボス(64)の後方の影響及び反復的な衝撃を防止するために、コネクタ(18)の基体(32)の各側壁(34)の下方前端には、前方を向く突片(82)が設けられている。突片(82)は、ワイパーアーム(16)の前端部(14)のフランジ(48)の対応する係止片(53)の前端に形成されたノッチ(84)と係合するようになっている。
【符号の説明】
【0059】
10 ワイパー
12 ワイパーブレード
14 前端部
16 ワイパーアーム
18 コネクタ
20 中央連結部
22 取り付け部材
24 側壁
26 円形孔
28 上壁
29 下面
30 スリット
32 基体
34 側壁
36 上壁
38 後縁
40 側片
41 支持片
44 内側面
46 突起
48 フランジ
50 上壁
52 収容部
53 係止片
56 舌片
58 前端
60 上面
62 下面
64 係止ボス
66 係止孔
70 保持ロッド
72 下面
74 下方自由端
76 係止縁
77 リリーフ部
78 当接縁
80 上縁
82 突片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロントガラス用ワイパー装置であって、
ワイパーブレード(12)上に与えられ、揺動するアーム(16)が、コネクタ(18)が介在して、前記アーム(16)の一端近傍の枢軸軸の周りに、枢動自在に接続される、中央連結部(20)と、
前記中央連結部(20)を前記アーム(8)上に保持するための第1の保持手段及び第2の保持手段と、
を備え、
前記第1の保持手段は、前記アーム(16)に形成された係止孔(66)に係合する弾性の舌片(56)を、前記コネクタ(18)上に少なくとも1つ備え、
前記第2の保持手段は、前記アーム(16)上に少なくとも1つの第1の停止面(76)と、前記中央連結部(20)上に少なくとも1つの第2の停止面(78)とを備え、
前記第1の停止面(76)及び第2の停止面(78)は正常運転時には、互いに離間し、前記第1の保持手段が正常に動作しない場合は、前記中央連結部(20)は前記揺動アーム(16)に対して相対的に動き、第1の停止面(76)と第2の停止面(78)とが接するまで第2の停止面(78)が前記第1の停止面(76)の方へ動かし、
前記第2の停止面(78)はこれと対応して、ワイパブレード(12)の長手方向を前記揺動アーム(16)の自由端の方に向かって、前記第1の停止面(76)の方へと動き、
前記アーム(16)は、前記コネクタ(18)との接続の位置で、少なくとも略U字形の断面を有し、前記第1の停止面(76)は、前記U字形の断面の側部ないし脚部上に与えられ、
前記第1の停止面(76)は、内向きに延在する横断面である係止片(53)によって形成され、
前記U字断面(48)の側部ないし脚部のそれぞれは、前記U字形の断面(48)の側部ないし脚部と一体であり前記コネクタ(18)の対向し合う丸い長手側面に係合する、内向に曲がった係止片(53)として、形成される、クランプ部材を備え、縦方向への中央連結部(20)又は前記コネクタ(18)上への前記アーム(16)の保持性を更に高めることを特徴とするワイパー装置。
【請求項2】
前記アーム(16)は、前記コネクタ(18)との接続の位置で少なくとも略U字形の横断面を有し、前記係止孔(66)は、前記U字形の横断面の底面(50)に与えられることを特徴とする請求項1に記載のワイパー装置。
【請求項3】
前記係止孔(66)は、閉じた外周を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のワイパー装置。
【請求項4】
前記第2の停止面(78)は、リリーフ部分(77)によって形成されることを特徴とする請求項1〜3に記載のワイパー装置。
【請求項5】
前記中央連結部(20)は、前記コネクタ(18)内に配置されることを特徴とする請求項1〜4に記載のワイパー装置。
【請求項6】
前記コネクタ(18)は、前記コネクタ(18)の枢動自在に係合する突起(46)によって、前記中央連結部(20)上に与えられたリセス内の前記枢軸の位置で、前記中央連結部(20)に取付られることを特徴とする請求項5に記載のワイパー装置。
【請求項7】
前記コネクタ(18)は、前記ワイパブレード(12)の前記コネクタ(18)の前記中央連結部(20)に枢動自在に係合している突起によって、前記コネクタ(18)に与えられたリセス内の前記枢軸の位置で、前記中央連結部(20)に取り付けられることを特徴とする請求項5に記載のワイパー装置。
【請求項8】
前記コネクタ(18)は、プラスチック製であることを特徴とする請求項1〜7に記載のワイパー装置。
【請求項9】
前記アーム(16)と、前記中央連結部(20)と、前記コネクタ(18)とのそれぞれが、単一の部材により形成されていることを特徴とする請求項1〜8に記載のワイパー装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−201538(P2011−201538A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−125444(P2011−125444)
【出願日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【分割の表示】特願2000−592171(P2000−592171)の分割
【原出願日】平成11年12月15日(1999.12.15)
【出願人】(590003744)ヴァレオ システム デシュヤージュ (74)
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
【Fターム(参考)】