説明

ワイパー装置

可撓性材料の細長いワイパーブレード(2)と、弾性を有する細長いキャリア要素とを備えたワイパー装置であって、前記ワイパーブレード(2)は、拭き取られるフロントガラスに当接して配置されることができ、縦方向で対向する縦溝を含み、該縦溝に前記キャリア要素の間隔を空けている縦ストリップ(4)が配置され、該縦ストリップ(4)の隣接端(5)は個々の連結部品(6)によって相互接続され、さらに、振動ワイパーアームに関する連結装置を備え、少なくとも一つの連結部品(6)は前記縦ストリップ(4)の近傍に係合する係合部材(15)を備え、前記ストリップ(4)は前記係合部材(4)によって形成された溝(16)に装着され、前記ストリップ及び前記連結部品(6)はスナップ連結によってスライド自在に連結される特徴をもっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可撓性材料の細長いワイパーブレードと、弾性を有する細長いキャリア要素とを備えたワイパー装置であって、ワイパーブレードは、拭き取られるフロントガラスに当接して配置されることができ、その縦方向で対向する縦溝を含み、キャリア要素の間隔を空けた縦ストリップが溝に配置され、縦ストリップの隣接端は、個々の連結部品に相互接続され、振動ワイパーアームに関する連結装置を備えているワイパー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このようなワイパー装置は、一般に周知である。従来のワイパー装置は、特に、”ヨークなし”のワイパー装置として設計され、相互に回転自在に連結された複数のヨークで作られていないが、ワイパーブレードは、所定の曲率を有するキャリア要素によって付勢されている。従来のワイパー装置の振動アームは、その一方の側に突出ピンを備え、連結部品の孔を通して横向きに挿入されている。
【0003】
従来のワイパー装置の一つの欠点は、縦ストリップの隣接端及び連結部品(実際には”エンドキャップ”と呼ばれている)は、耐久性のある堅固な方法で連結されていない。特に、連結の信頼性が時の経過と共に低下するので、ストライプに連結された連結部品は緩むかもしれない。貧弱な連結の結果として、従来のワイパー装置の寿命は著しく短くなる。
【0004】
本発明の目的は、上述した従来技術の欠点を解決することである。特に、縦ストライプ及び連結部品(”エンドキャップ”)が耐久性のある堅固な方法で相互に連結されたワイパー装置を提供することである。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的を達成するために、序文で言及された種類のワイパー装置は、少なくとも一つの連結部品は、ストリップが係合部材によって形成された溝に装着されるように、縦ストリップの周囲に係合する係合部材を備え、前記ストリップと前記連結部品とが、スナップ連結手段によって摺動自在に連結されたことを特徴とする。前記ストリップの隣接端上で前記連結部品をスライドさせることによって、又は逆に、すなわち、前記連結部品の中へ前記ストリップの隣接端をスライドさせることによって、これらの部品間の信頼性に優れるスナップ連結が実現される。スナップ連結は、特に、互いに協働する孔又は開口及び突出部を備えている。
【0006】
本発明によるワイパー装置の一つの好ましい実施形態において、スナップ連結は前記ストリップ上で横方向突出手段を備えている。好ましくは、前記横方向突出手段は、個々のストリップの縦方向の縁から横に延びる少なくとも一つの突出部を備え、前記突出部は連結部品上で係止部の間に配置されている。他の好ましい形態において、前記横方向突出手段は、個々のストリップの縦方向の縁から横に延びる少なくとも二つの係止部を備え、前記係止部は連結部品上の突出部の両側に配置されている。
【0007】
本発明によるワイパー装置の他の好ましい実施形態において、前記横方向突出手段は、個々のストリップの縦方向の内縁から横方向に延びている。他の場合において、前記横方向突出手段は、個々のストリップの外側にある縦方向の縁から横方向に延びている。
【0008】
本発明によるワイパー装置の他の好ましい実施形態において、係合部材は前記連結部品と一体である。連結部品は、特に、プラスチックの一体物である。
【0009】
本発明によるワイパー装置の他の好ましい実施形態において、前記連結部品は、ワイパーブレードが自由に前記連結部品を挿通してスライドすることができるように、その自由端において開口を備えている。言い換えると、連結部品(”エンドキャップ”)は、ワイパーブレードを保持しない。その結果、連結部品は、連結部品内の縦ストリップに沿ってワイパーブレードの相対的移動を許容する。したがって、このワイパー装置の拭き取り特性を改善する。
【0010】
本発明によるワイパー装置の他の好ましい実施形態において、スポイラが備えられ、スポイラの端部は連結部品に装着されている。スポイラは、好ましくはワイパーブレードに着脱可能に連結されている別体の構成要素であり、連結部品は前記スポイラの端部上をスライドすることができる。
【0011】
本発明は、さらに、本発明によるワイパー装置の製造方法に関し、対向する縦溝が可撓性材料の細長いワイパーブレードの縦方向に形成され、ワイパーブレードは拭き取られるフロントガラスに当接して配置され、キャリア要素の縦ストリップは実質的に間隔を空けた関係でワイパーブレードの溝にはめ込まれ、前記縦ストリップの隣接端は個々の連結部品に相互接続され、連結装置は振動ワイパーアームに関して備えられている、製造方法において、前記ストリップと少なくとも一つの連結部品は、スナップ連結によってスライド自在に連結され、前記連結部品の係合部材は、前記ストリップが前記係合部材によって形成された溝に装着されるように、縦ストリップの周りで係合することを特徴とする。
【0012】
本発明は、図面を参照してより詳細に説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は、本発明によるワイパー装置1の好ましい改良形態を示す。ワイパー装置は、エラストマーのワイパーブレード2から組み立てられている。ワイパーブレードの縦方向において、対向する縦溝3が形成されている。縦ストリップ4は、縦溝に係合するばね帯金から作られている。ストリップ4は、ゴム製ワイパーブレードに関する可撓性のキャリアを形成する。言わば、ゴム製ワイパーブレードは湾曲した位置で付勢されている(作動位置における曲率は、拭き取られるフロントガラスの曲率である)。ストリップ4の隣接端5は、ワイパー装置1の両端で連結部品6によって相互に連結されている。ワイパー装置1は、さらに、振動アーム8に関する連結装置7と、スポイラ9とを備えている。
【0014】
図2は、図1のワイパー装置の自由端を示す。一方、図3は存在しているワイパーブレード2を有しない自由端の底面図を示す。対応する部品は同じ参照符号で示されている。図2,4及び5から示されるように(後者の二つの図は、分離した構成部材としての連結部品6の斜視図を示している)、連結部品6は、連結部品6の内側でストリップ4に沿うワイパーブレード2の相対的移動を許容するための開口10を備えている。その結果、連結部品6は使用中にワイパーブレード2の動きを阻止しない。連結部品6は、プラスチックから一体成形されている。
【0015】
ストリップ4の平面図に関して図6を参照すると、ストリップ4は、ストリップ4の縦方向の内縁12から横方向に延びる突出部11を備えている。連結部品6がストリップ4の隣接端5にスライド自在に固定されるとき、パチンまたはカチッという音を生じつつ連結が行われる。突出部11は、連結部品6の内側の係止部13の間でパチンまたはカチッと音を生じる。個々の突出部11は、これらの係止部13の間の小さい溝14に入る。したがって、ストリップ4は、連結部品6に関して縦方向の如何なる動作も阻止する。また、個々の連結部品6は、一体形成された二つの係合部材15を備えている。係合部材15は、ストリップ4をスライドさせるための溝16を形成するように、ストリップ4の近傍に係合する。係合部材15は、ストリップ4が連結部材6に関する横断方向の如何なる動きも阻止することを保証する。個々の連結部品6は、スポイラ9の自由端を収容するキャビティ17を有している。
【0016】
連結部品6の自由端から離れている方の係止部13は、傾斜した上面を有しているため、ストリップ4上における連結部品6のスライドには大きな力がかからない。一方、突出部11は、ストリップ4からの連結部品6の外れが容易に生じない溝14の内側に係合する。また、連結部品6の自由端の方の係止部13は、個々のストリップ4の上端が、係止部13と連結部品6の壁(側壁)との間に配置されるように、ストリップが共通の一定距離に保たれることを保証する。
【0017】
本発明は、示されている実施形態に制限されるものではなく、追加されたクレームの範囲内に含まれる他の実施形態にも適用する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明によるワイパー装置の好ましい実施形態の斜視図である。
【図2−6】図1のワイパー装置の詳細を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性材料の細長いワイパーブレードと、弾性を有する細長いキャリア要素とを備えたワイパー装置であって、前記ワイパーブレードは、拭き取られるフロントガラスに当接して配置されることができ、縦方向で対向する縦溝を含み、該縦溝に前記キャリア要素の間隔を空けている縦ストリップが配置され、該縦ストリップの隣接端は個々の連結部品によって相互接続され、さらに、振動ワイパーアームに関する連結装置を備えたワイパー装置において、
少なくとも一つの連結部品は前記縦ストリップの近傍に係合する係合部材を備え、前記ストリップは前記係合部材によって形成された溝に装着され、前記ストリップ及び前記連結部品はスナップ連結によってスライド自在に連結されることを特徴とするワイパー装置。
【請求項2】
前記スナップ連結は、前記ストリップ上で横方向突出手段を備えている請求項1に記載のワイパー装置。
【請求項3】
前記横方向突出手段は、個々のストリップの縦方向の縁から横方向に突出する少なくとも一つの突出部を備え、前記突出部は前記連結部品上において複数の係止部の間に配置されている請求項2に記載のワイパー装置。
【請求項4】
前記横方向突出手段は、個々のストリップの縦方向の縁から横方向に突出する少なくとも2つの係止部を備え、該係止部は前記連結部品上において突出部の両側に配置されている請求項2又は3に記載のワイパー装置。
【請求項5】
前記横方向突出手段は、個々のストリップの縦方向の内縁から横方向に延びている請求項2〜4の何れか1項に記載のワイパー装置。
【請求項6】
前記横方向突出手段は、個々のストリップの縦方向の外縁から横方向に延びている請求項2〜5の何れか1項に記載のワイパー装置。
【請求項7】
前記係合部材は、前記連結部品と一体である請求項1〜6の何れか1項に記載のワイパー装置。
【請求項8】
前記連結部品は自由端において開口を備え、前記ワイパーブレードが前記連結部品を通って自由にスライドすることができる請求項1〜7の何れか1項に記載のワイパー装置。
【請求項9】
スポイラが備えられ、該スポイラの端部が前記連結部品に装着されている請求項1〜8の何れか1項に記載のワイパー装置。
【請求項10】
請求項1〜9の何れか1項に記載のワイパー装置の製造方法であって、対向する縦溝が可撓性材料の細長いワイパーブレードの縦方向に形成され、ワイパーブレードが拭き取られるフロントガラスに当接して配置され、前記縦溝にキャリア要素の縦ストリップが実質的に間隔を空けた関係ではめ込まれ、前記縦ストリップの隣接端が個々の連結部品に相互接続され、連結装置が振動ワイパーアームを備える、ワイパー装置の製造方法において、前記ストリップと少なくとも一つの連結部品は、スナップ連結によってスライド自在に連結され、前記連結部品の係合部材は前記縦ストリップの近傍に係合し、前記ストリップが前記係合部材によって形成された溝に装着されることを特徴とするワイパー装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−513404(P2009−513404A)
【公表日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−516162(P2006−516162)
【出願日】平成16年6月17日(2004.6.17)
【国際出願番号】PCT/EP2004/051152
【国際公開番号】WO2005/000646
【国際公開日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【出願人】(502173615)フェデラル−モーグル ソシエテ アノニム (12)
【Fターム(参考)】