説明

ワイヤレスシーン構成

一例の照明制御構成は、電源と、当該電源に接続された場合に電力を受けるべく動作可能な第1負荷と、当該電源に接続された場合に電力を受けるべく動作可能な第2負荷とを含む。受信機は、ワイヤレス信号に応答して第1負荷、第2負荷、又はその双方を電源に接続するべくプログラム可能である。スイッチは、エネルギー自給部により電力を供給されるワイヤレス送信部を含む。ワイヤレス送信部は、スイッチの作動に応答してワイヤレス信号を受信機に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、エネルギー自給スイッチを使用したシーン制御に関する。
【0002】
関連出願の相互参照
本願は、2007年8月5日出願の米国仮特許出願第60/954007号、及び2008年3月5日出願の米国仮特許出願第61/033838号の優先権を主張する。これら双方は本明細書において参照として組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
ワイヤレス通信を送信するスイッチが周知である。例えば、ワイヤレス通信をガレージドア開閉器へ送信するスイッチがある。多くのスイッチは、バッテリのような交換可能な内部電源を使用してワイヤレス通信の送信に電力を供給する。かかる内部電源の保守を行うことは手間及びコストがかかる。例えば、壁取付けライトスイッチ内のバッテリにアクセスすることは困難であり、かつ時間がかかる場合が多い。交換可能な内部電源ではなく、ワイヤレス通信送信に電力を供給するためのエネルギーを回収するスイッチもある。
【0004】
照明、音響装置等のための複雑な制御システムを含む建物がある。従来の制御システムは、有線に基づくスイッチ及びバッテリに基づくスイッチを含む。これらは双方とも高価で融通が利かないことが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2003/016089(A1)号明細書
【特許文献2】国際公開第03/00538(A)号パンフレット
【特許文献3】欧州特許出願公開第0656612(A)号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2006/012317(A1)号明細書
【特許文献5】国際公開第2006/111934(A)号パンフレット
【特許文献6】国際公開第2007/072325(A)号パンフレット
【発明の概要】
【0006】
一例の照明制御構成は、電源と、当該電源に接続された場合に電力を受けるべく動作可能な第1負荷と、当該電源に接続された場合に電力を受けるべく動作可能な第2負荷とを含む。受信機は、ワイヤレス信号に応答して第1負荷、第2負荷、又はその双方を電源に接続するべくプログラム可能である。スイッチは、エネルギー自給部により電力を供給されるワイヤレス送信部を含む。ワイヤレス送信部は、スイッチの作動に応答してワイヤレス信号を受信機に送信する。
【0007】
他例の照明制御構成は、電源と、当該電源に接続された場合に照明するべく動作可能な第1ライトと、当該電源に接続された場合に照明するべく動作可能な第2ライトとを含む。プログラム可能コントローラは少なくとも1つのシーンを記憶するべく構成される。受信機は、ワイヤレス信号に応答して、かつ、当該シーンに基づいて、第1ライト、第2ライト、又はその双方を電源に接続するべく動作可能である。スイッチは、エネルギー自給部により電力を供給されるワイヤレス送信部を有する。ワイヤレス送信部は、スイッチの作動に応答してワイヤレス信号を受信機に送信する。
【0008】
ワイヤレスセキュリティシステムとともに使用される例示の方法は、少なくとも1つの照明シーンを記憶するようにコントローラをプログラムすることと、スイッチのエネルギー自給部により供給される電力を使用してワイヤレス信号を送信することとを含む。当該方法は、送信されたワイヤレス信号に応答してシーンの1つを開始することを含む。
【0009】
本願発明のこれら及びその他の特徴が以下の明細書及び図面から最もよく理解することができる。図面の簡単な説明は以下のとおりである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】例示の照明制御構成を概略的に示す。
【図2】図2Aは例示の建物内に実装された図1の構成の例示の受信機部分を示す。図2Bは、図2Aの受信機部分を制御する例示のスイッチ部分を示す。
【図3】図3Aは、他例の建物内に実装された図1の構成の他例の受信機部分を示す。図3Bは、図3Aの受信機部分を制御するための図1の例示のスイッチ部分を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1を参照すると、例示の制御構成10は、受信機18とワイヤレス通信を行うスイッチ14を含む。電源22は、第1ライト26a、第2ライト26b、及び第3ライト26cに電力を供給するべく動作可能である。受信機18は、スイッチ14からのワイヤレス通信30に応答してライト26a−26cの1つ以上に電源22を選択的に接続する。
【0012】
この例では、スイッチ14はエネルギー自給式であり、ワイヤレス送信部34及びエネルギー自給部38を含む。エネルギー自給部38は、ワイヤレス送信部34に電力を供給する。ワイヤレス送信部34はワイヤレス通信30を送信する。ワイヤレス通信30を送信するのに適した一例のスイッチ14は、EnOcean(登録商標)から製品番号PTM250として入手可能である。
【0013】
例示のスイッチ14はロッカータイプスイッチであり、当該スイッチ14の一部をスイッチハウジング50内で揺動させることにより作動する。他例のスイッチ作動は、例えばユーザの手の存在を示す運動センサ、又はプッシュボタンタイプのスイッチを含む。一例では、スイッチ14の一部の作動が当該スイッチ14のエネルギー自給部38にエネルギーを供給する。他例では、エネルギー自給部38は、光起電力電池、圧電装置等を介してエネルギーを供給する。したがって、例示のスイッチ14は、ワイヤレス通信30に電力を供給するべく内部電源に依存することがなく、その代わりにワイヤレス通信30に電力を供給するべくエネルギーを回収する。
【0014】
受信機18が多チャンネル受信機として示されるが、受信機18は単チャンネル受信機であってもよい。他例は、異なる数のライト26a−26cに接続された受信機18を含む。
【0015】
他例の制御構成10は、2つ以上の受信機18を使用する。制御構成10内での使用に適した一例の受信機18は、EnOceanから製品番号RCM130Cとして入手可能である。この例では受信機18の位置が固定されているが、他例の受信機は携帯可能である。例えば、他例の受信機18はUSB部分を含み、ひとたび当該USB部分がコンピュータにつながった場合にワイヤレス通信を受信するべく動作可能である(図示せず)。かかる例では、受信機18を移動させて複数のエリアでワイヤレス通信を受信することが容易となる。
【0016】
例示の受信機18はプログラム可能コントローラ46を含む。プログラム可能コントローラ46は、電源22と各ライト26a−26cとの接続、電源22からライト26a−26cへ供給される電力レベル、又はその双方を制御することにより、ライト26a−26cの照明レベルを制御する。本開示により利益を享受する当業者であれば、ライト26a−26cの照明に対してかかる制御を与えるのに適したコントローラを開発することができる。例示のプログラム可能コントローラ46には、マイクロプロセッサ、ラップトップコンピュータ等が含まれる。
【0017】
第1ライト26a、第2ライト26b、及び第3ライト26cは、この例では照明シーンであるシーン42を与える。この例のシーン42では、第1ライト26aは、第2ライト26b及び第3ライト26cの双方よりも明るくされ、第2ライト26bは第3ライト26cよりも明るくされる。また、この例では第3ライト26cはオフとなっている。すなわち、第3ライト26cは、この例示のシーン42において照明を与えていない。他例のシーン42は、例えばステレオ又はコンピュータのような視聴覚機器を含む。
【0018】
ここで図1への参照を続けながら図2を参照すると、図1の例に記載の制御構成10とある程度類似した例示の制御構成110が建物58内に実装される。本開示では、同じ参照番号は適宜同じ要素を示すこととする。また、100又は100の倍数を付加した参照番号は修正要素を示すこととする。修正要素は、特に言及がある場合を除き、対応する元の要素と同じ特徴及び利点を含む。
【0019】
この例では、制御構成110は、4つのライト126a−126d及び2つの受信機118a及び118bを含む。ユーザ66がスイッチ114を作動させる。次にスイッチ114は、受信機118a及び受信機118bの双方にワイヤレス信号130を送信する。受信機118a、118bは、ワイヤレス信号130の受信時に当該受信機118a、118bがライト126a及びライト126dを電源(図示せず)に接続するようにプログラムされる。建物は複数の部屋62a−62dを含む。ライト126aに電力を供給することにより部屋62aが照明され、ライト126dに電力を供給することにより部屋62dが照明される。したがって、この例では、建物58のためのシーン142は、部屋62a及び62dを照明し、部屋62b及び62cを照明しない。他例は、シーン142の一部である部屋62a内のステレオ60への電力分配を制御するべく制御構成110を使用することを含む。さらに他の例は、コンピュータ61、テレビジョン63、シーリングファン64、又は電源コンセント65に電力を供給することを含む。
【0020】
ここで図1への参照を続けながら図3を参照すると、ユーザ66は、家70の外部に取り付けられた受信機218へワイヤレス信号230を送信するべくスイッチ214を作動させる。受信機218は、ワイヤレス信号230に応答してシーン242の照明を開始するべく有線接続(図示せず)を介してプログラムされる。この例では、照明シーン242は、第1の複数のライト226a−226cを照明することを含むが、第2の複数のライト226d−226gを照明することは含まない。この例では、ライト126a、126bが家70の外部エリア74を照明し、ライト126cが内部エリア78を照明する。このようにして、ユーザ66は、スイッチ214を使用して、家70に関連付けられた照明シーン242を遠隔したところから開始することができる。
【0021】
本開示の特徴は、エネルギー自給スイッチを使用して特定の照明シーンを制御することを含む。当該照明シーンは、コントローラをプログラムすることにより変更することができる。本開示の他の特徴は、スイッチが受信機に対して可動であることにある。これにより、スイッチからのワイヤレス通信に電力を供給するための有線接続が不要となる。
【0022】
本発明の好ましい実施例が開示されたが、当業者であれば、所定の修正が本発明の範囲内に収まることがわかる。したがって、本発明の真の範囲及び内容を決定するべく以下の特許請求の範囲を精査する必要がある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源と、
前記電源に接続された場合に電力を受けるべく動作可能な第1負荷と、
前記電源に接続された場合に電力を受けるべく動作可能な第2負荷と、
ワイヤレス信号に応答して前記第1負荷、前記第2負荷、又はその双方を前記電源に接続するべくプログラム可能な受信機と、
エネルギー自給部により電力を供給されるワイヤレス送信部を有するスイッチと
を含み、
前記ワイヤレス送信部は、前記スイッチの作動に応答して前記ワイヤレス信号を前記受信機に送信する制御構成。
【請求項2】
前記ワイヤレス信号に応答して少なくとも1つの第3負荷を前記電源に選択的に接続するべくプログラム可能な第2の受信機を含む、請求項1に記載の制御構成。
【請求項3】
前記第1負荷及び前記第2負荷は第1ライト及び第2ライトであり、
前記受信機は、前記第1負荷が前記第2負荷よりも明るい又は暗い照明を与えるように前記第1負荷及び第2負荷を前記電源に接続するべくプログラム可能である、請求項1に記載の制御構成。
【請求項4】
前記第1負荷及び前記第2負荷は少なくとも1つの内部空間を照明するべく動作可能である、請求項1に記載の制御構成。
【請求項5】
前記エネルギー自給部は、前記スイッチの前記作動からエネルギーを回収する、請求項1に記載の制御構成。
【請求項6】
前記スイッチは、内部空間と外部空間との間で可動である、請求項1に記載の制御構成。
【請求項7】
前記受信機は、前記ワイヤレス信号に応答して第1ライトのための所望の照明レベルとライトのための所望の照明レベルとを与えるシーンに関してプログラム可能である、請求項1に記載の制御構成。
【請求項8】
前記第1負荷は、テレビジョン、視聴覚機器、及びコンピュータの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の制御構成。
【請求項9】
電源と、
前記電源に接続された場合に照明するべく動作可能な第1ライトと
前記電源に接続された場合に照明するべく動作可能な第2ライトと、
少なくとも1つの照明シーンを記憶するべく構成されたプログラム可能コントローラと、
ワイヤレス信号に応答して、かつ、前記少なくとも1つの照明シーンに基づいて、第1ライト、第2ライト、又はその双方を前記電源に接続するべく動作可能な受信機と、
エネルギー自給部により電力を供給されるワイヤレス送信部を有するスイッチと
を含み、
前記ワイヤレス送信部は、前記スイッチの作動に応答して前記ワイヤレス信号を前記受信機に送信する照明制御構成。
【請求項10】
前記スイッチが前記プログラム可能コントローラを含む、請求項9に記載の照明制御構成。
【請求項11】
前記受信機が前記プログラム可能コントローラを含む、請求項9に記載の照明制御構成。
【請求項12】
前記少なくとも1つの照明シーンは、前記第1ライト、前記第2ライト、又はその双方に対する所望の照明レベルを含む、請求項9に記載の照明制御構成。
【請求項13】
前記第1ライトは内部エリアを照明するべく動作可能であり、前記第2ライトは外部エリアを照明するべく動作可能である、請求項9に記載の照明制御構成。
【請求項14】
前記電源に接続された場合に音を生成するべく動作可能なステレオを含む、請求項9に記載の制御構成。
【請求項15】
ワイヤレス制御システムを使用する方法であって、
少なくとも1つのシーンを記憶するべくメモリ部をプログラムすることと、
スイッチのエネルギー自給部が供給する電力を使用してワイヤレス信号を送信することと、
前記送信されたワイヤレス信号に応答して前記少なくとも1つのシーンの1つを開始することと
を含む方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つのシーンは、第1ライト、第2ライト、又はその双方を照明することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つのシーンは、前記第1ライト、前記第2ライト、又はその双方のための所望の照明レベルを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つのシーンに基づいて、前記第1ライト、前記第2ライト、又はその双方を電源に選択的に電気接続することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記送信されたワイヤレス信号に応答して、前記少なくとも1つのシーンは、第1ライトを電源に接続し、第2ライトを電源に接続し、又は前記第1ライト及び前記第2ライトの双方を前記電源に接続し、前記接続は前記少なくとも1つのシーンに依存する、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つのシーンは、前記送信されたワイヤレス信号に応答して受信機が第1ライトを電源に接続すること、第2ライトを電源に接続すること、又は前記第1ライト及び前記第2ライトを前記電源に接続することを開始し、前記接続は前記少なくとも1つの照明シーンに依存する、請求項15に記載の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【公表番号】特表2010−536248(P2010−536248A)
【公表日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−520092(P2010−520092)
【出願日】平成20年7月25日(2008.7.25)
【国際出願番号】PCT/US2008/071124
【国際公開番号】WO2009/020776
【国際公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【出願人】(503322205)マスコ コーポレイション (8)
【Fターム(参考)】