説明

ワイヤレスマウス

【課題】電池の消費量を低減すると共に、誤作動を回避することができるワイヤレスマウスを提供する
【解決手段】本発明に係るワイヤレスマウスは、通常動作モードにおいて、コントローラが、姿勢センサ及び光学センサの各検出信号を取り込んで、(1)マウス筐体の底面が水平下向きであること、(2)マウス筐体の底面が作業テーブルに接した状態でマウス筐体が動いたこと、を常に監視している(ステップS3、S4)。前記2つの条件の少なくともいずれか一方が成立しないときは、パワーセーブモードに移行するので、電池の消費量を提言することができる。また、パワーセーブモードにおいて、オペレータがマウスを持ち上げてクリックスイッチ等を誤って操作しても、パワーセーブモードから復帰しないので、マウスの誤作動を回避することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータ本体へワイヤレスで情報伝達を行うワイヤレスマウスに係り、特に、マウスの移動距離や移動方向を光学的に検知する光学式ワイヤレスマウスに関する。
【背景技術】
【0002】
光学式ワイヤレスマウスは、ボール式マウスのような機械的な可動部分を持たないので、故障が少なくメンテナンスの必要性が少ないといった利点がある(例えば、特許文献1参照)。しかし、マウスの移動距離や移動方向を検出するためにLEDやCCDセンサからなる光学センサを用いるので、マウスに備えられる電池の消費量が大きい。そこで、この種の光学式ワイヤレスマウスでは、パワーセーブモードと呼ばれる、省電力化技術が採用されている。
【0003】
以下、従来の光学式ワイヤレスマウスのパワーセーブモードについて説明する。即ち、クリックボタンやホイールが一定時間にわたり操作されない場合に、光学センサのLEDを消灯することによって、電池の消費量を低減させている。一方、パワーセーブモード状態において、マウス筐体に接触したり、クリックボタン等を操作すると、LEDが点灯してパワーセーブモードから復帰するようになっている。
【特許文献1】特開2004−96548号公報(段落0024〜0026、図2及び図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、通常使用時にマウスを持ち上げると、光学センサのLEDは点灯(あるいは間欠点灯)したままであるので、電池の消費量が大きくなる。
また、パワーセーブモード時にマウスを持ち上げた際に、クリックボタンやホイールを誤って押下すると、意図に反してパワーセーブモードから復帰してしまい、誤作動の原因となる。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、電池の消費量を低減すると共に、誤作動を回避することができるワイヤレスマウスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、コンピュータにワイヤレスで情報を与えるワイヤレスマウスであって、マウス筐体の移動距離及び移動方向を検出するために、前記マウス筐体の底面に設けられた光学センサと、前記マウス筐体の底面が水平下向きであるか否かを検出する姿勢検出手段と、前記光学センサの検出信号を利用して、前記マウス筐体の底面が作業テーブルに接した状態で前記マウス筐体が動いたか否かを検出する接地検出手段と、前記ワイヤレスマウスの動作状態を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、次の2つの条件、即ち、
(1)前記姿勢検出手段が、前記マウス筐体の底面が水平下向きであることを検出し、
(2)前記接地検出手段が、前記マウス筐体の底面が作業テーブルに接した状態で前記マウス筐体が動いたことを検出した
が成立した場合に、前記ワイヤレスマウスを通常使用可能な動作状態にし、前記2つの条件の少なくともいずれか一方が成立しないときは、パワーセーブモードにすることを特徴とする。
【0007】
〔作用・効果〕
請求項1に記載の発明によれば、通常使用時に例えば、オペレータがマウスを持ち上げて、マウス筐体の底面を上に向けたりすると、姿勢検出手段が、マウス筐体の底面が水平下向きでないことを検出するので、マウスはパワーセーブモードになる。これにより、電池の無駄な消費を抑えることができる。また、パワーセーブモードの状態で、マウスを持ち上げて操作しても、姿勢検出手段が、マウス筐体の底面が水平下向きでないことを検出するので、マウスは意図に反してパワーセーブモードから復帰することはない。従って、マウスを持ち上げて操作しても、マウスが誤作動することがない。
【0008】
本発明において、好ましくは、前記制御手段は、前記ワイヤレスマウスが通常使用可能な動作状態にある場合に、前記姿勢検出手段が、前記マウス筐体の底面が水平下向きでないと検出したときは、前記姿勢検出手段は稼動状態であって、少なくとも前記光学センサが非点灯状態である第1のパワーセーブモードに移行する(請求項2に記載の発明)。この構成によれば、マウスが通常使用可能な動作状態にある場合に、マウスを持ち上げたりしてマウス筐体の底面が水平下向きでない状態になると、光学センサが非点灯状態になるので、電池の無駄な消費が抑えられる。
【0009】
本発明において、好ましくは、前記制御手段は、前記ワイヤレスマウスが通常使用可能な動作状態にある場合に、前記姿勢検出手段が、前記マウス筐体の底面が水平下向きであることを検出し、かつ、前記接地検出手段が、前記マウス筐体の底面が作業テーブルに接した状態で前記マウス筐体が動いていないことを検出したときは、前記姿勢検出手段は稼動状態であって、少なくとも前記光学センサは間欠点灯状態である第2のパワーセーブモードに移行する(請求項3に記載の発明)。この構成によれば、マウスが通常使用可能な動作状態にある場合に、マウス筐体の底面が水平下向きであるが、マウス筐体の底面が作業テーブルに接した状態でマウス筐体が動いていない場合は、姿勢検出手段は稼動状態であって、少なくとも光学センサは間欠点灯状態である第2のパワーセーブモードに移行するので、電池の無駄な消費が抑えられる。また、光学センサは間欠点灯状態であるので、マウス筐体の底面が作業テーブルに接した状態でマウス筐体が動いたか否かを常に監視することができる。したがって、マウス筐体の底面が作業テーブルに接した状態でマウス筐体が動いたときは、即座に、ワイヤレスマウスを通常使用可能な動作状態に移行させることができる。
【0010】
本発明において、好ましくは、前記制御手段は、更に、前記ワイヤレスマウスが所定時間にわたり操作されない場合は、前記姿勢検出手段は非稼動状態であって、少なくとも前記光学センサが非点灯状態である第3のパワーセーブモードに移行する(請求項4に記載の発明)。この構成によれば、マウスが所定時間にわたり操作されない場合は、姿勢検出手段は非稼動状態であって、少なくとも光学センサが非点灯状態である第3のパワーセーブモードに移行するので、電池の無駄な消費を一層抑制することができる。
【0011】
本発明において、好ましくは、前記制御手段は、前記ワイヤレスマウスが第3のパワーセーブモードにある場合に、前記ワイヤレスマウスが操作されたときに、前記姿勢検出手段を稼動状態にし、前記姿勢検出手段が、前記マウス筐体の底面が水平下向きであることを検出した場合に、前記光学センサを点灯状態にする(請求項5に記載の発明)。この構成によれば、マウスが第3のパワーセーブモードにある場合に、マウスが操作されたときに、いきなり光学センサを点灯状態にするのではなく、まず姿勢検出手段を稼動状態にし、マウス筐体の底面が水平下向きであることを検出した場合に光学センサを点灯状態にするので、光学センサによる電池の無駄な消費を極力少なくすることができる。また、マウスを持ち上げた状態でマウスを誤って操作したような場合でも、光学センサは点灯状態にならないので、マウスの誤動作を回避することができる。
【0012】
本発明において、好ましくは、前記点灯状態になった光学センサの検出信号を利用して、前記接地検出手段が、前記マウス筐体の底面が作業テーブルに接した状態で前記マウス筐体が動いたことを検出したときは、前記ワイヤレスマウスを通常使用可能な動作状態に復帰させ、一方、前記接地検出手段が、前記マウス筐体の底面が作業テーブルに接した状態で前記マウス筐体が動いていないことを検出したときは、前記第3のパワーセーブモードに戻る(請求項6に記載の発明)。この構成によれば、第3のパワーセーブモードの状態で、マウスが操作されたことに基づき光学センサが点灯状態になった場合にでも、マウス筐体の底面が作業テーブルに接した状態でマウス筐体が動いていないときは、第3のパワーセーブモードに戻るので、電池の無駄な消費を一層抑制することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、マウス筐体の底面が水平下向きであり、かつ、マウス筐体の底面が作業テーブルに接した状態でマウス筐体が動いた場合にワイヤレスマウスを通常使用可能な動作状態にし、それ以外ではパワーセーブモードにするので、電池の無駄な消費を抑えることができるとともに、マウスの誤作動を回避することができる。
【実施例】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
<ワイヤレスマウスの構成>
図1は、実施例に係るワイヤレスマウスを表側からみた外観斜視図であり、図2は、裏側からみた外観斜視図である。
【0015】
図1及び図2において、符号1は、本実施例に係るワイヤレスマウスを示す。このワイヤレスマウス1は、図示しないコンピュータ本体へワイヤレスで情報伝達を行うと共に、図示しないテレビジョンを操作するための操作機能も備えている。
【0016】
ワイヤレスマウス1は、平面視で円形を呈した中空箱状のマウス筐体2を備えている。このマウス筐体1の周面に左クリック用の押ボタンスイッチ(以下、「左クリックスッチ」と呼ぶ)3Lと、右クリック用の押ボタンスイッチ(以下、「右クリックスッチ」と呼ぶ)3Rとが設けられている。左右のクリックスイッチ3L、3Rの間に、ホイール4が設けられている。マウス筐体2の裏面には少し張り出したリング状の凸部5が形成されている。このリング状の凸部5の内側に、テレビジョンを操作するための複数の操作ボタン6がリング状に並べて設けられている。リング状の凸部5の中央部には、後述する光学センサ13(図3参照)からの光が出射される十文字状の窓7が設けられている。
【0017】
図3は、本実施例に係るワイヤレスマウスの構成を示したブロック図である。
図3において、符号10は、ワイヤレスマウスの動作状態を制御するコントローラである。このコントローラ10に、図1及び図2で説明した左右のクリックスイッチ3L、3R、及びテレビジョン操作用の操作ボタン6群が接続されている。さらに、コントローラ10には、テレビジョンに操作情報を送信するための赤外線LED11、RFモジュール12、光学センサ13、ホイールエンコーダ14、姿勢センサ15が接続されている。
【0018】
RFモジュール12は、図示しないコンピュータにマウス筐体2の移動距離や移動方向の他、各種の操作情報を送信するための高周波電力増幅器である。光学センサ13は、マウス筐体2の裏面に設けられた窓7から出射される光を発光するLEDと、ワイヤレスマウス1が置かれる作業テーブルからの反射光を、窓7を経由して受光するCCDセンサとを含む。ホイールエンコーダ14は、図1及び図2に示したホイール4の回転量を電気信号に変換する。姿勢センサ15は、加速度センサで構成されており、マウス筐体2の姿勢を検出する。
【0019】
コントローラ10は、姿勢センサ15の検出信号に基づき、マウス筐体2の底面が水平下向きであるか否を判定する。従って、本実施例における姿勢センサ15及び、コントローラ10の前記姿勢判定機能は、本発明における姿勢検出手段に相当する。
【0020】
コントローラ10は、光学センサ13から照射された光の反射光が検出されるか否かによって、マウス筐体2が作業テーブルに接しているか否かを判定する。また、反射光が検出された場合に、光学センサ13のCCDセンサで受光された画像の変化を監視することにより、マウス筐体が動いたか否かを判定する。従って、本実施例における光センサ2及び、コントローラ10の前記判定機能は、本発明における接地検出手段に相当する。
【0021】
上述したコントローラ10や各種のセンサには、電源部16から直流電圧Vcが給電されている。この電源部16は、電池16aと、パワースイッチ16bと、直流−直流変換回路16cなどを含む。
【0022】
<ワイヤレスマウスの動作>
次に、上述した構成を備えたワイヤレスマウス1の動作、特に、給電モードに係る動作を図4及び図5を用いて説明する。図4は、通常使用状態からパワーセーブモードに移行するときの動作順序を示したフローチャート、図5は、パワーセーブモードから通常使用状態に復帰するときの動作順序を示したフローチャートである。
【0023】
<通常使用状態からパワーセーブモードへの移行動作>
図4を参照して、通常使用状態からパワーセーブモードへの移行動作について説明する。
【0024】
<通常動作モード>
パワースイッチ16bがオン状態になって電源が投入されると、先ず、姿勢センサ15、光学センサ13、及びRFモジュール12にそれぞれ給電されて、これらの要素がON状態になり(ステップS1)、ワイヤレスマウス1が通常使用可能な動作状態になる(ステップS2)。本実施例では、この状態を「通常動作モード」と呼ぶ。
【0025】
通常動作モードにおいて、コントローラ10は、姿勢センサ15及び光学センサ13の各検出信号を取り込んで、
(1)マウス筐体2の底面が水平下向きであること
(2)マウス筐体2の底面が作業テーブルに接した状態でマウス筐体2が動いたこと、 を常に監視している(ステップS3、S4)。
上記(1)及び(2)の2つの条件が成立している場合には、「通常動作モード」を維持する。
【0026】
<第1のパワーセーブモード>
姿勢センサ15が、マウス筐体2の底面が水平下向きでないことを検出した場合には、光学センサ13及びRFモジュール12への給電を停止してオフ状態にする(ステップS5)。この状態が「第1のパワーセーブモード」である(ステップS6)。例えば、通常使用モードにおいて、オペレータがマウス筐体2を持ち上げて傾けると、マウス筐体2の底面の窓7から出射されていた光が消える。これにより電池16aの無駄な消費が抑えられるとともに、オペレータの眼に光センサ13からの光が入射して不快感を与えるのを防止することができる。
【0027】
<第2のパワーセーブモード>
ステップS4において、光学センサ13が、マウス筐体2の底面が作業テーブルに接した状態でマウス筐体2が動いていないこと(以下、単に「非接地状態」ともいう)を検出した場合には、光センサ13を連続点灯状態から間欠点灯状態へ切り換えると共に、RFモジュール12をオフ状態にする(ステップS7)。この状態が「第2のパワーセーブモード」である(ステップS8)。第2のパワーセーブモードにおいて、姿勢センサ15はオン状態であることに留意されたい。したがって、この状態でマウス筐体2を傾けると第1のパワーセーブモードに移行して、光センサ13は間欠点灯状態から消灯状態になる。例えば、マウス筐体2が動かされずに作業テーブルに置かれた状態になると、第2のパワーセーブモードに移行して電池16aの無駄な消費が抑えられる。但し、光センサ13は間欠点灯しているので、マウス筐体2が動かされると、即座にそれを検知して通常動作モードに移行し、光センサ13は連続点灯状態になる。
【0028】
なお、ステップS4では、マウス筐体2の底面が作業テーブルに接した状態でマウス筐体2が動いていない状態が、予め決められた秒数だけ継続した場合に、第2のパワーセーブモードに移行するようになっているので、オペレータが作業中にマウス筐体2を瞬間的に持ち上げた程度では、第2のパワーセーブモードに移行せずに、通常動作モードを維持する。
【0029】
以上に説明した通常動作モード、第1のパワーセーブモード、及び第2のパワーセーブモードでは、姿勢センサ15は常にオンであることに留意されたい。
【0030】
<第3のパワーセーブモード>
コントローラ10は、左右のクリックスイッチ3L、3R、ホイール4が操作されたか否かを常に監視している(ステップS9)。そして、これらの要素が所定時間(本実施例では30分)にわたり操作されていない状態が継続すると、姿勢センサ15、光学センサ13、及びRFモジュール12への給電を停止してオフ状態に移行する(ステップS10)。この状態が「第3のパワーセーブモード」である(ステップS11)。第3のパワーセーブモードでは、姿勢センサ15、光学センサ13、及びRFモジュール12への給電が停止されるので、電池16aの消耗が最も抑制される。従って、このモードでは、光学センサ13は非点灯状態(消灯状態)になっている。
【0031】
第3のパワーセーブモードにおいても、コントローラ10への給電は継続されていることに留意されたい。第3のパワーセーブモードにおいて、コントローラ10は、左右のクリックスイッチ3L、3R、ホイール4が操作された否かを監視しており、これらの何れかの要素が操作されると(ステップS12)、第3のパワーセーブモードから通常動作モードへ移行するための復帰判定を行う(ステップS13)。以下、図5を参照して、復帰判定動作について説明する。
【0032】
<復帰判定>
第3のパワーセーブモードにおいて、左右のクリックスイッチ3L、3R、ホイール4のいずれかが操作されると、コントローラ10は、姿勢センサ15に給電してオン状態(稼動状態)にする(ステップS13−1)。そして、姿勢センサ15の検出信号に基づき、マウス筐体2の底面が水平下向きであるか否かを判定する(ステップS13−2)。マウス筐体2の底面が水平下向きでないことを検出した場合には、ステップS11に戻り、第3のパワーセーブモードを維持する。従って、第3のパワーセーブモードの状態で、オペレータがマウス筐体2を持ち上げて傾けた状態で、左右のクリックスイッチ3L、3Rなどを誤って操作しても、ワイヤレスマウス1は作動しない(第3のパワーセーブモードのままである)ので、ワイヤレスマウス1の誤作動を防止することができる。
【0033】
ステップS13−2において、マウス筐体2の底面が水平下向きであることが検出されると、光学センサ13に給電してON状態にする(ステップS13−3)。そして、マウス筐体2の底面が作業テーブルに接した状態でマウス筐体2が動いたか否かを判定(接地判定)する(ステップS13−4)。接地判定が「No」であれば、ステップS11に戻り、第3のパワーセーブモードを維持する。一方、接地判定が「Yes」であれば、図4に示した通常動作モードに移行し、ワイヤレスマウス1を通常使用可能な状態にする。
【0034】
以上のように、第3のパワーセーブモードにおいて、左右のクリックスイッチ3L、3Rなどが操作された場合に、姿勢センサ15及び光学センサ13の両方をいきなりオン状態にするのではなく、先ず姿勢センサ15をオン状態にしている。そして、マウス筐体2の姿勢を判定し、マウス筐体2が通常使用される姿勢でない(即ち、マウス筐体2の底面が水平下向きでない)場合には、光学センサ13をオン状態にしない。従って、第3のパワーセーブモードにおいて、マウス筐体2を持ち上げて傾けた状態で、誤って左右のクリックスイッチ3L、3Rなどが操作しても、光学センサ13がオン状態にならないので、誤作動の防止と共に、電池16aの無駄な消費を抑えることができる。
【0035】
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0036】
(1)実施例では、テレビジョン操作用の操作ボタン6を備えたワイヤレスマウスを例に採ったが、本発明は、このような操作ボタン6を備えていないワイヤレスマウスにも適用可能である。
(2)実施例では姿勢センサ15を加速度センサで構成したが、姿勢センサはこれに限らず、例えば、ジャイロや地磁気センサを用いても良い。
(3)実施例では、第1及び第2のパワーセーブモードで、RFモジュールをオフ状態にしたが、RFモジュールはオン状態であってもよい。
(4)実施例では、第3のパワーセーブモードにおいて、左右のクリックスイッチ3L、3Rなどが操作された場合に復帰判定を行うように構成したが、マウス筐体2に静電容量スイッチを設けておき、オペレータがマウス筐体2に触れた場合に復帰判定を行うように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】実施例に係るワイヤレスマウスを表側からみた外観斜視図である。
【図2】実施例に係るワイヤレスマウスを裏側からみた外観斜視図である。
【図3】実施例に係るワイヤレスマウスの構成を示したブロック図である。
【図4】通常使用状態からパワーセーブモードに移行するときの動作順序を示したフローチャートである。
【図5】パワーセーブモードから通常使用状態に復帰するときの動作順序を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0038】
1 … ワイヤレスマウス
2 … マウス筐体
3L … 左クリックスイッチ
3R … 右クリックスイッチ
4 … ホイール
10 … コントローラ
12 … RFモジュール
13 … 光学センサ
15 … 姿勢センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータにワイヤレスで情報を与えるワイヤレスマウスであって、
マウス筐体の移動距離及び移動方向を検出するために、前記マウス筐体の底面に設けられた光学センサと、
前記マウス筐体の底面が水平下向きであるか否かを検出する姿勢検出手段と、
前記光学センサの検出信号を利用して、前記マウス筐体の底面が作業テーブルに接した状態で前記マウス筐体が動いたか否かを検出する接地検出手段と、
前記ワイヤレスマウスの動作状態を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、次の2つの条件、即ち、
(1)前記姿勢検出手段が、前記マウス筐体の底面が水平下向きであることを検出し、
(2)前記接地検出手段が、前記マウス筐体の底面が作業テーブルに接した状態で前記マウス筐体が動いたことを検出した
が成立した場合に、前記ワイヤレスマウスを通常使用可能な動作状態にし、
前記2つの条件の少なくともいずれか一方が成立しないときは、パワーセーブモードにする
ことを特徴とするワイヤレスマウス。
【請求項2】
請求項1に記載のワイヤレスマウスにおいて、
前記制御手段は、前記ワイヤレスマウスが通常使用可能な動作状態にある場合に、前記姿勢検出手段が、前記マウス筐体の底面が水平下向きでないと検出したときは、前記姿勢検出手段は稼動状態であって、少なくとも前記光学センサが非点灯状態である第1のパワーセーブモードに移行する
ことを特徴とするワイヤレスマウス。
【請求項3】
請求項1に記載のワイヤレスマウスにおいて、
前記制御手段は、前記ワイヤレスマウスが通常使用可能な動作状態にある場合に、前記姿勢検出手段が、前記マウス筐体の底面が水平下向きであることを検出し、かつ、前記接地検出手段が、前記マウス筐体の底面が作業テーブルに接した状態で前記マウス筐体が動いていないことを検出したときは、前記姿勢検出手段は稼動状態であって、少なくとも前記光学センサは間欠点灯状態である第2のパワーセーブモードに移行する
ことを特徴とするワイヤレスマウス。
【請求項4】
請求項1に記載のワイヤレスマウスにおいて、
前記制御手段は、更に、前記ワイヤレスマウスが所定時間にわたり操作されない場合は、前記姿勢検出手段は非稼動状態であって、少なくとも前記光学センサが非点灯状態である第3のパワーセーブモードに移行する
ことを特徴とするワイヤレスマウス。
【請求項5】
請求項4に記載のワイヤレスマウスにおいて、
前記制御手段は、前記ワイヤレスマウスが第3のパワーセーブモードにある場合に、
前記ワイヤレスマウスが操作されたときに、前記姿勢検出手段を稼動状態にし、前記姿勢検出手段が、前記マウス筐体の底面が水平下向きであることを検出した場合に、前記光学センサを点灯状態にする
ことを特徴とするワイヤレスマウス。
【請求項6】
請求項5に記載のワイヤレスマウスにおいて、
前記点灯状態になった光学センサの検出信号を利用して、前記接地検出手段が、前記マウス筐体の底面が作業テーブルに接した状態で前記マウス筐体が動いたことを検出したときは、前記ワイヤレスマウスを通常使用可能な動作状態に復帰させ、一方、前記接地検出手段が、前記マウス筐体の底面が作業テーブルに接した状態で前記マウス筐体が動いていないことを検出したときは、前記第3のパワーセーブモードに戻る
ことを特徴とするワイヤレスマウス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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