説明

ワイヤレス生体情報センシングシステム

【課題】低消費電力化して小型電池で長時間計測できるワイヤレス生体情報センシングシステムを実現する。
【解決手段】時間基準を配信する統括ユニットと、それを受信する複数の計測ユニットと、複数の計測ユニットの稼動条件や時間を管理する稼動管理ユニットと、を備える。統括ユニットは、複数の計測ユニットからの信号を受信し、生体信号を復調して、記憶、伝送、表示する。また、計測ユニットは、A/D変換部とデータ処理部と送受信部とを備え、配信された時間基準に従って生体信号計測を行い、統括ユニットにワイヤレス送信する。稼動管理ユニットは、1)計測ユニットのデータ処理部を起動し、2)A/D変換部を起動し各計測ユニットでの同時計測後に、3)A/D変換部とデータ処理部を省電力状態にし、4)計測ユニットの優先順位でデータ処理部と送信部を起動して送信し、(5)送信後にデータ処理部と送信部を省電力状態にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のワイヤレス生体情報センサーの全センサーについて一斉サンプリング可能で、しかもワイヤレス生体情報センサー数を必要に応じて変えられるスケーラブルな大規模計測システムに用いるもので、自由に動き回る生体からの複数の生体信号を同期してサンプリングし、そのサンプリングで得られるデジタルデータを間欠的に送信するセンシングシステムであって、極力低消費電力化して小型の電池で長時間計測できる様にするに当たって問題となる演算処理ユニットの待機−起動状態制御時の時間タイミングのランダムなずれを、時分割多重方式を維持したまま解決したワイヤレス生体情報センシングシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
人間の臓器の活動を外部から非侵襲にモニターする手段として、臓器近傍の皮膚の表面に多数の電極を配置し、電極を介して得られる電気信号から臓器の電気生理活動を解析する手段が開発され、実用に供されている。例えば、心臓の周りや心臓を挟む身体の表皮に多数の電極を配置することにより、心臓の運動を生みだす心筋肉の活動状態を3次元でリアルタイムに計測することが可能である。医療診断や相互比較のために、配置する多数の電極の位置は、例えば12誘導法のように、標準化されている。また、頭頸部を中心に多数の電極を配置することにより、脳神経活動を計測する方法および装置が多数実用に供されている。医療診断のため、例えば国際10−20法のように、電極の設置場所は国際標準化されているが、128あるいはそれ以上の電極数を有する大規模な計測システムも実用化され、3次元の脳神経活動の詳細な計測に供されている。
【0003】
このような生体電気生理活動計測において、被験者を拘束せず日常生活空間での活動に近い状態で計測実施することは、計測を実施する影響を低減するという観点から臨床および基礎医学上意義がある。このため、被験者を拘束しない以下の特許文献1から3に例示する種々の無線計測システムが開発され、実施されている。
【0004】
特許文献1(特開平05−298589号公報)には、被検者の拘束感を改善し、かつ長時間安定化して生体計測ができるとともに、遠隔地において生体信号をリアルタイムでモニタリングすることができる、生体信号計測装置が開示されている。これは、心電電極には送信機が一体化されており、この送信機には心電電極を含む複数の心電電極からの心電図信号が入力されるものである。送信機に入力された心電図信号は、変調部において送信に必要な周波数に変調された後に無線で送信される。この送信波は、無線中継機で受信され、上記周波数とは異なる周波数に変調された後、心電図モニターへ向けて送信される。無線中継機から出力された送信波は心電図モニターで受信され、表示部において心電図波形として時々刻々表示され、医師等によってモニタリングされる。
【0005】
特許文献2(特開平09−271466号公報)には、ノイズの影響を受けることなく、且つ信号線が介在することによる種々の不具合を解消することのできる生体信号収集装置及び生体情報処理システムが開示されている。これは、生体電極を一方面の略全面に渡ってマトリクス状に配置し、各生体電極を中心部に電極素子が配置された吸着盤を備える構成とするものである。そしてホストシステムとの間をアンテナを介して無線で通信可能に構成し、全体を可撓性を有する様に構成し、患者の胸部に載置し、所望位置を押圧して吸着盤で電極素子を皮膚表面と接触状他とすることにより所望位置の生体電極よりの心電図情報を収集を可能とし、収集結果を無線送信するものである。
【0006】
特許文献3(特表2003−533262号公報)には、人の頭に配置される支持構造物に配置され、前記人の脳波に従う信号を生じる複数の電極と、前記電極で検知された電気信号を増幅するための増幅手段と、前記増幅された信号を処理し、前記信号から特定の精神状態を認識し、前記認識された精神状態を表示する信号を発生させるためのデータ処理手段と、前記認識された精神状態に相当する信号をコンピュータに送るための送信機手段とからなる脳の活動を認識するためのシステムが開示されている。
【0007】
特許文献3に記載されたワイヤレス脳波計測システムは、主にシリアルデータ通信ヘルメットと合成ユニットから構成される。前記ヘルメットは、電極、アンテナ、データバスおよび電源ケーブルおよび個別電極に接続する入出力回路(I/O)および電源ケーブルから成る。電極は頭皮接触部と信号増幅器から成り、接触部位の電位を高入力インピーダンス増幅器によりアナログの電気信号を出力する。増幅器は同相雑音が除去可能な作動型増幅器であり、電源雑音等広く計測環境に浮遊する電磁雑音を除去できるようになっている。これらアナログ信号は電極毎に合成ユニットに接続され、アナログデジタル変換器を経てデジタル信号処理回路(DSP)により波形解析処理されたのち、診断される。診断された結果は、合成ユニット内のメモリに蓄積できる外、送受信ユニットによりシリアル通信ヘルメットに装着されたアンテナを介してホストコンピュータとの情報交換をすることが可能となっている。また、多チャンネルのアナログ信号は、時分割多重処理によりDSPで処理される。時分割するためのマルチプレクサーはシリアル通信ヘルメットに配置することも可能であるが、DSPに集積化されていないものは制御信号のスキュー等により動作が不安定となるため、DSP側に配置されている。
【0008】
この特許文献3に示される脳波等の生体情報計測においては、計測目的に応じてチャンネル数や帯域を最適化することが望ましい。しかし、これには、チャンネル数を変更する毎に処理回路を更新しなければならなかった。これは、被験者毎に複数の電極の情報を集約し、被験者に装着した合成ユニットによりデータをデジタル化して、意味付けなどの処理を行うためである。さらに、チャンネル数の増大とともにマルチプレクサーの規模およびDSPの処理スピードを飛躍的に増大させる必要があり、その結果として、大容量のバッテリパックや高速のDSPを冷却するためのファンなどの付加装置が必要であった。これは、別の観点では、現実的な計測環境下では被験者が装着できる装備に上限があり、用いる計測器数の規模が制約されることを意味する。
【0009】
これらのシステムは、多数の電極からの電気信号をアナログ信号処理部を経てデジタル変換し、変換されたデジタルデータを演算処理した後、高周波キャリアを用いて無線伝送する手段とバッテリー電源を備えているため、被験者は拘束されることなく活動することができる。
【0010】
また、特許文献4(特開2004−242217号公報)あるいは特許文献5(特開平10−124169号公報)に示すような計測システムでは、消費電力低減のため、CPUを必要な時にだけ起動、不要のときには停止をする起動−待機状態制御が行われている。
【0011】
特許文献4には、CPUなど制御素子の動作速度切り替えをきめ細かく行って効果的な省電力制御を実現することができる消費電力制御装置や方法などを開示されている。複数の消費電力モードのいずれかに従って消費電力を制御する消費電力制御装置において、外部からの信号入力または予め設定されたタイミングを起点にして所定の経過時間を計測し、前記経過時間が経過した時点から所定の時間、別の消費電力モードに切り替えるクロック切り替え制御回路と、切り替えられた消費電力モードに従って動作周波数を切り替えるPLLとを備えたものである。
【0012】
特許文献5には、CPUクロックの周波数切替え又は供給停止に連動して、内部の他の回路の動作クロックを制御し、CPUクロックの周波数低下に伴う消費電力の低減をCPUにとどまらずIOコントローラ等の内部回路にも波及させて省電力効果の向上を図ったシステムコントローラが開示されている。これは、クロック制御部は、クロック停止によるパワーセーブモードフラグの設定下に於いて、ストップグラントステートの状態検知信号(STP−GRT)を受けると、クロック停止制御信号(SPXCK)を出力して、CPUへのCPUクロックの供給を断つとともに、ISAバス制御部、DMAコントローラ、赤外線通信コントローラ、シリアルI/Oコントローラ等への動作クロックの供給を断つ、というものである。
【0013】
さて、医学・生理学的要請から、チャンネル数を増加させ大規模化した生体の電気信号活動計測システムが必要となる場合がある。このとき、処理するべきデータ量もチャンネル数とともに増大する。このような大規模化に伴い、データ処理部に対しては高性能化もとより無線伝送容量の増大が求められる。しかし、これらの要求条件は、消費電力を増大させてバッテリーで計測可能な時間を大幅に制限すると同時に、装置自体を大型化させて被験者の装着感を憎悪させることで計測結果を干渉する。
【0014】
そこで、並列分散処法を利用した計測システムの構築が進められている。すなわち、多数の電極からの信号を唯一の演算ユニットで処理するのではなく、複数の演算ユニットがグループ化された電極からの信号を独立に処理して無線伝送し、無線の受信局側でそれら複数のグループからのデータを統合処理することにより、システムを大型化せずにスケーラブルに多チャンネル計測システムが構築される。
【0015】
このような分散処理型計測システムにおいては、分散配置されたユニットを唯一の時間基準により制御して同期させることが必要である。このため、基準となるクロック信号を配信して分散システムの各要素がクロック信号に同期をするように各々のクロックまたはイベントタイマーを同期させることにより同期計測が達成される。
【0016】
例えば、特許文献6(米国特許第6441747号明細書)には、医療用モニタリング用のプログラム可能なワイヤレスシステムが開示されている。これは、ベースユニットと、それぞれワイヤレスの遠隔プログラム可能な生体センサー送受信器の複数とを備えるものである。このベースユニットは、登録、配置、データ収集、送信命令の発行などをワイヤレス技術を用いて行うことで、上記送受信器を統括する。ワイヤレスの上記送受信器からの生体情報は、復調され、標準的なインターフェースを通じて表示用モニターに供給される。この特許文献6に開示されたワイヤレスシステムは、ベースユニットから広域時間信号(global time signal)が送信されると、それぞれの生体センサー送受信器が、一斉に取得した信号をベースユニットへ転送する、というものである。データの収集は、ベースユニットから収集命令がセンサーへ伝達されることで開始される。また、収集したデータの伝送は、ベースユニットからの指令で始まる。また、複数のセンサーを単一の周波数チャネルで活用するために、時分割多重を行うが、上記の広域時間信号をワイヤレスシステムにおける時間基準としている。
【0017】
一方、低消費電力化を優先すると、CPUの起動タイミングが常に一定でなく、またCPU間でのばらつきもあることから、クロック周波数を一致させることはできてもクロック位相まで制御した完全同期を達成することが困難となる。このような位相のずれは、刺激応答の時間変化に有用な情報を有する電気生理学的計測においては致命的な障害となる。ここで、完全同期が困難となるのは、演算ユニット(CPU)の待機状態−起動状態間をサンプリング周期毎にアクティブに制御しようとすると、外部からの一斉の起動信号に対して、各々のCPUは独立に起動するためであり、時間タイミングがユニット毎にずれ、同期したサンプリング測定が阻害される。
【0018】
本発明は、計測システムに、統括ユニットと複数の計測ユニットとを含む点では、上記特許文献3と同様である。しかし、次の点においては明らかに異なるものである。つまり、上記統括ユニットは、時間基準を配信し、複数の計測ユニットからの送信信号を受信し、生体信号を復調して、記憶、伝送、あるいは表示するものである。さらに、それぞれの計測ユニットは、センサー部と送受信部とを備え、上記時間基準を受信し、配信された時間基準に位相同期可能な信号発生器の出力に従って生体信号計測を行い、上記統括ユニットに計測データをワイヤレス送信するものである。さらに、本発明では、計測ユニットに搭載する電池を小型化して、被験者の行動と干渉しないようにするために、計測ユニットの省電力化を図るものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】特開平05−298589号公報
【特許文献2】特開平09−271466号公報
【特許文献3】特表2003−533262号公報
【特許文献4】特開2004−242217号公報
【特許文献5】特開平10−124169号公報
【特許文献6】米国特許第6441747号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
自由に動き回る複数の験体の生体情報を実時間で同時に記録する計測システムでは、上記の様に験体につけた携帯型計測器と、それぞれの携帯型計測器からの計測データを受け取り統合する基地局とを、ワイヤレス通信で連結することが望ましい。しかし、3次元の脳神経活動の詳細な計測を行う場合の様に、多数の生体信号を同期してサンプリングし、得られるデジタルデータを送信するセンシングシステムでは、消費電力が増大する傾向にあり、長時間連続して計測するには大容量の電池を必要としていたので、被験者の行動に干渉する場合があった。
【0021】
このため、複数のワイヤレス生体情報センサーの全センサーについて一斉サンプリング可能で、しかもワイヤレス生体情報センサー数を必要に応じて変えられるスケーラブルな大規模計測システムに用いるもので、自由に動き回る生体からの複数の生体信号を同期してサンプリングし、そのサンプリングで得られるデジタルデータをワイヤレスで送信するセンシングシステムであって、極力低消費電力化して小型の電池で長時間計測できる様にしたワイヤレス生体情報センシングシステムが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明のワイヤレス生体情報センシングシステムは、概観すると、複数のワイヤレス生体情報センサーの全センサーについて一斉サンプリング可能で、しかもワイヤレス生体情報センサー数を必要に応じて変えられるスケーラブルな大規模計測システムに用いるもので、自由に動き回る生体からの複数の生体信号を同期してサンプリングし、そのサンプリングで得られるデジタルデータをワイヤレスで間欠的に送信するセンシングシステムであって、極力低消費電力化して小型の電池で長時間計測できる様にするに当たって問題となる演算処理ユニットの待機−起動状態制御時の時間タイミングのランダムなずれを、時分割多重方式を維持したまま解決したものである。
【0023】
より明確に示すと、本発明は、ワイヤレス生体情報センシングシステムであって、時間基準を配信する統括ユニットと、
上記時間基準を受信する複数の計測ユニットと、
複数の上記計測ユニットの稼動条件または稼動時間を管理する稼動管理ユニットと、を備えるものである。上記統括ユニットは、複数の上記計測ユニットからの送信信号を受信し、上記計測ユニットからの生体信号を復調して、記憶、伝送、あるいは表示するものである。また、上記計測ユニットは、アナログデジタル変換部とデジタルデータ処理部と送受信部とを備え、配信された時間基準に位相同期可能な信号発生器の出力に従って生体信号計測を行い、上記統括ユニットに計測データをワイヤレス送信するものである。また、上記稼動管理ユニットは、(1)自身の管理下にあるそれぞれの上記計測ユニットのデジタルデータ処理部を起動し、(2)続いてアナログデジタル変換部を起動し、計測を行う動作をそれぞれの上記計測ユニットで同時に行った後に、(3)上記アナログデジタル変換部と上記デジタルデータ処理部を省電力状態にし、(4)上記計測ユニットのそれぞれに付与された優先順位に従って、上記デジタルデータ処理部と上記送信部を起動して送信を行い、(5)該送信後に上記デジタルデータ処理部と上記送信部を省電力状態にするものである。
【0024】
また、上記稼動管理ユニットは、タイマー部と、上記計測ユニットの稼動条件または稼動時間を管理する演算部とを備え、該タイマー部が該演算部の稼動時間帯を管理するものである。
【0025】
上記計測ユニットに具備された、アナログデジタル変換部、デジタルデータ処理部、および送受信部の稼動条件または稼動時間は、上記稼動管理ユニットの演算部から制御するものである。
【0026】
上記計測ユニットは、さらにイベントタイマーを備え、
上記稼動管理ユニットは、該イベントタイマーを管理することで
上記計測ユニットのアナログデジタル変換部、デジタルデータ処理部、および送受信部の稼動条件または稼動時間を管理するものである。
【0027】
また、上記計測ユニットの上記送信部は送信時のキャリア周波数を制御するキャリア周波数制御手段を備え、上記受信ユニットは上記キャリア周波数を弁別し送信信号を復調する復調手段を備えるものである。ここで、上記稼動管理ユニットは、同一タイミングで送信する複数の計測ユニットが上記送信キャリアを互いに輻輳なく異なるキャリア周波数で一斉に送信する様に上記キャリア周波数制御手段を管理するものである。
【発明の効果】
【0028】
複数のワイヤレス生体情報センサーの全センサーについて一斉サンプリング可能で、しかもワイヤレス生体情報センサー数を必要に応じて変えられるスケーラブルな大規模計測システムに用いるもので、自由に動き回る生体からの複数の生体信号を同期してサンプリングし、そのサンプリングで得られるデジタルデータをワイヤレスで送信するセンシングシステムであって、極力低消費電力化して小型の電池で長時間計測できる様にしたワイヤレス生体情報センシングシステムが実現できる。さらに、時間多重方式と周波数多重方式を組み合わせたデータ送信方式により、低消費電力化のために単一チャンネルのデータ転送速度を制限しても、大規模なセンシングシステムが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明のワイヤレス生体情報センシングシステムを示すブロック図である。複数の計測ユニットと統括ユニットとを備え、上記統括ユニットは、複数の上記計測ユニットへ時間基準を送信するとともに、上記計測ユニットから送信される信号を受信し復調して、記憶、伝送、あるいは表示する。また、上記計測ユニットは、センサー部と送受信部とを備え、配信された時間基準基づいたタイミングで生体信号計測を行い、上記統括ユニットに計測データをワイヤレス送信する。
【図2】図1の構成からさらに省電力化したワイヤレス生体情報センシングシステムの例を示す図である。これは、生体信号を測定し送信する複数の計測ユニット20と、上記計測ユニット20からのそれぞれの送信データを受信する複数の受信ユニット30と、上記計測ユニット20の稼動条件または稼動時間を管理する稼動管理ユニット10、を備える点で図1の場合と同じである。しかし、上記計測ユニット20は、第2イベントタイマー27を備え、これに従って、アナログ信号処理部21と、デジタル信号処理部22と、送信部23を管理する点が異なる。
【図3】図1の稼動管理ユニットが、8個の計測ユニットを管理するタイムチャート例を示す図である。
【図4】上記稼動管理ユニット10が、上記計測ユニットの上記アナログ信号処理部21、上記デジタル信号処理部22あるいは上記送信部23の稼動条件または稼動時間を、管理する際に用いるタイムチャート例を示す図である。稼動管理ユニット10は、イベントタイマー11に従って、CPU(演算装置)12が、メモリ13に記憶された詳細手順を、配信手段14を用いて、トリガーパルス用信号線1を介してそれぞれの計測ユニット20に配信する。ここで、各計測ユニット内部のイベントの管理は、第2イベントタイマー27が行う。イベントタイマー11からのパルス(A)を発して、それぞれの計測ユニットの第2イベントタイマー27を起動し、(1)上記計測ユニット20の上記デジタル信号処理部22を起動する。(2)続いて上記アナログ信号処理部21を起動し、上記計測動作をそれぞれの上記計測ユニットで同時に行った後に、(3)上記アナログ信号処理部21と上記デジタル信号処理部22がデータの記憶を行った後、これらを省電力状態にし、(4)上記計測ユニットのそれぞれに付与された優先順位に従って、順次上記計測ユニット20の上記デジタル信号処理部22と上記送信部23を起動して送信を行う。デジタル信号処理部22を起動するのは、デジタルデータを送信するためである。次に、(5)該送信後に上記デジタル信号処理部と上記送信部を省電力状態にする。
【図5】上記計測ユニットの上記送信部は送信時のキャリア周波数を制御するキャリア周波数制御手段を備え、上記稼動管理ユニットは、同一タイミングで送信する複数の計測ユニットが上記送信キャリアを互いに輻輳なく異なるキャリア周波数で一斉に送信する様に上記キャリア周波数制御手段を管理する場合のタイムチャートを示す図である。一斉にデータを送信するユニット毎に送信キャリア周波数を制御し、周波数多重方式により一斉にデータを、キャリア周波数f1、f2で一斉に送信する方式を示している。複数の受信ユニットはキャリア周波数に対応した信号を周波数多重信号の中から選択的に弁別する手段を有している。第一のイベントタイマーはサンプリングを行うタイミングを正確に発生している。また、各計測ユニット毎に第二のイベントタイマーが備えられ、第一のイベントタイマーからのトリガー信号を受けて、計測開始を示すイベントトリガーを遅延時間τ1で発生するとともに、送信を開始するイベントトリガーを遅延時間τnで発生する。τnは計測ユニット毎に定められた優先順位に従って予め計測ユニットに記憶させている。この時間は優先順位に従って異なり、隣接する順位で送信時間が重なることで輻輳することを防止する様に、必要十分な時間間隔:τi+1−τi+1(i=1、2、・・・、n−1)を定めている。
【図6】(a)は、計測ユニットとそれに接続する探査電極と共通に用いる基準電極の組を頭部に装着した例を示し、際標準(10−20法)に基づく脳波計を4chの計測ユニットで構成した場合の実施例を示す図である。耳電極A1、A2を共通のマイナス電極とする。Fz、Cz、Pzは計測ユニットのコモン電極を接続する。探査電極は頭部の任意の場所に装着可能であるが、通常は脳波計測の国際標準で定められた部位に装着される。基準電極は4つのユニットとも耳たぶに集約している。(b)は、(a)の計測ユニットと電極等を帽子に装着した例を示す。送信モジュールに対応した受信モジュールを用いて、受信し、受信信号は、USBでPCに取り込まれる。
【図7】本発明を、ワイヤレスの多人数脳波計測システムとしても用いる例を示す模式図である。この場合のワイヤレス生体情報センシングシステム300は、時間基準信号に従って動作する刺激発生手段310を備えるものである。その刺激発生手段からのインパルス様の刺激を複数の被験者に同時に与え、その刺激によって惹起される生体信号を計測ユニット200で計測して比較する。
【図8】12誘導心電計測システムを4チャンネルの計測ユニット3台で構成する実施例を示す図である。分離抵抗は測定電極間での短絡を防止するために挿入している。時間管理ユニットは脳波形と同様に3つの計測ユニットに対して時間規準クロックを配信する様に接続する(図では諸略している)。(a)は、本発明を、電極を身体部分、特に心臓部分に設置して心電波計測システムとして用いる例を示す。電極E1とE2は腕に、E3と共通電極COMは足に設置し、E4からE9は、心臓の周りに配置する。(b)は、(a)の場合の各電極とモジュール(計測ユニット)との結線図例である。増幅器はI誘導〜III誘導、aVR誘導、aVL誘導、aVF誘導、V1誘導〜V6誘導の規定に従って、加減算を行う増幅器である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下に、この発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の説明においては、同じ機能あるいは類似の機能をもった装置に、特別な理由がない場合には、同じ符号を用いるものとする。
【実施例1】
【0031】
図1に本発明のワイヤレス生体情報センシングシステムの例を示す。これは、生体信号を測定し送信する複数の計測ユニット20と、上記計測ユニット20からのそれぞれの送信データを受信する複数の受信ユニット30と、上記計測ユニット20の稼動条件または稼動時間を管理する稼動管理ユニット10、を備えるものである。上記計測ユニット20は、測定電極26から入力したアナログ信号を処理してデジタル信号に変換する計測動作を行うアナログ信号処理部21と、前記デジタル信号を入力して処理し一時的に保存するデジタル信号処理部22と、前記デジタル信号を送信する送信部23と、を備えている。
【0032】
例えば、1つの稼動管理ユニットは、8個の計測ユニットを管理する。つまり、稼動管理ユニット10は、チャンネル数n=8のそれぞれのチャネルを用いて計測ユニットと通信を行い、計測ユニット20の印加電圧などの稼動条件または稼動開始や終了時間などの稼動時間を稼動設定部24に設定して管理する。例えば、図3に示すタイムチャートに従って管理する。
(1)自身の管理下にあるそれぞれの上記計測ユニット(n個あるとする)20の上記デジタル信号処理部22を起動する。稼動管理ユニット10は、イベントタイマー11に従って、CPU(演算装置)12が、メモリ13に記憶された内容を、配信手段14を用いて、データバス2あるいはトリガーパルス用信号線1を介してそれぞれの計測ユニット20に配信する(A)。各計測ユニット20では、自身向けのトリガーパルスの配信があると、設定部の内容に従って、デジタル信号処理部22を起動する(B1、・・・、Bn)。
(2)続いて上記アナログ信号処理部21を起動し(C1、・・・、Cn)、計測動作をそれぞれの上記計測ユニット20で同時に行う。
(3)上記計測ユニット20のそれぞれに付与された優先順位に従って、上記送信部23を起動してアンテナ25から送信を行う(D1、・・・、Dn)。これは、稼動管理ユニット10からのそれぞれの計測ユニット向けのトリガーパルスによって管理される。
(4)該送信後に上記デジタル信号処理部22と上記送信部23を省電力状態にする。省電力状態にするタイミングは、それぞれの送信部が送信終了となった直後であることが望ましい。それぞれの計測ユニットが送信を終了するまでの時間は既知であり、稼動設定部には、その時間を設定しておく。
(5)また、送信された信号を、それぞれの計測ユニットに対応した受信ユニットで受信する。
【0033】
図1に示す構成では、稼動管理ユニット10は、イベントタイマー11に従って、CPU(演算装置)12が、メモリ13に記憶された内容を、配信手段14を用いて、データバス2あるいはトリガーパルス用信号線1を介してそれぞれの計測ユニット20に配信する。各計測ユニット20では、自身向けのトリガーパルスの配信があると、設定部の内容に従って、デジタル信号処理部22、アナログ信号処理部21、送信部23を上記の様に起動する。
【0034】
上記の省電力状態とは、印加電圧を低下させるか、論理回路のクロック周波数を低下させたりして低消費電力にした状態を指す。
【0035】
これにより、待機‐起動の状態遷移に伴う送信ユニット毎の絶対時間のずれに依存することなく、複数のチャンネルに対して同期したサンプリングを行うことができる。また、測定データの送信に於いては、周波数多重と時間多重を併用することで大量のデータを、それぞれ対応する受信ユニットを介して収集することが可能である。また、それぞれの計測ユニットは、独立した基本単位として構成することで、この計測システムは基本単位の逓倍毎にスケーラブルにシステムを変更することが可能となる。
【実施例2】
【0036】
図2に、さらに省電力化したワイヤレス生体情報センシングシステムの例を示す。これは、生体信号を測定し送信する複数の計測ユニット20と、上記計測ユニット20からのそれぞれの送信データを受信する複数の受信ユニット30と、上記計測ユニット20の稼動条件または稼動時間を管理する稼動管理ユニット10、を備える点で上記の実施例1の場合と同じである。しかし、上記計測ユニット20は、第2イベントタイマー27を備え、これに従って、アナログ信号処理部21と、デジタル信号処理部22と、送信部23を管理する点が異なる点である。
【0037】
上記稼動管理ユニット10は、上記計測ユニットの上記アナログ信号処理部21、上記デジタル信号処理部22あるいは上記送信部23の稼動条件または稼動時間を、例えば、図4に示すタイムチャートに従って管理する。稼動管理ユニット10は、イベントタイマー11に従って、CPU(演算装置)12が、メモリ13に記憶された詳細手順を、配信手段14を用いて、トリガーパルス用信号線1を介してそれぞれの計測ユニット20に配信する。ここで、各計測ユニット内部のイベントの管理は、第2イベントタイマー27が行う。
イベントタイマー11からのパルス(A)を発して、それぞれの計測ユニットの第2イベントタイマー27を起動し、(1)上記計測ユニット20の上記デジタル信号処理部22を起動する。(2)続いて上記アナログ信号処理部21を起動し、上記計測動作をそれぞれの上記計測ユニットで同時に行った後に、(3)上記アナログ信号処理部21と上記デジタル信号処理部22がデータの記憶を行った後、これらを省電力状態にし、(4)上記計測ユニットのそれぞれに付与された優先順位に従って、順次上記計測ユニット20の上記デジタル信号処理部22と上記送信部23を起動して送信を行う。デジタル信号処理部22を起動するのは、デジタルデータを送信するためである。次に、(5)該送信後に上記デジタル信号処理部と上記送信部を省電力状態にするものである。
【0038】
また、図5は、上記計測ユニットの上記送信部は送信時のキャリア周波数を制御するキャリア周波数制御手段を備え、上記稼動管理ユニットは、同一タイミングで送信する複数の計測ユニットが上記送信キャリアを互いに輻輳なく異なるキャリア周波数で一斉に送信する様に上記キャリア周波数制御手段を管理する場合のタイムチャートを示す図である。一斉にデータを送信するユニット毎に送信キャリア周波数を制御し、周波数多重方式により一斉にデータを、キャリア周波数f1、f2で一斉に送信する方式を示している。複数の受信ユニットはキャリア周波数に対応した信号を周波数多重信号の中から選択的に弁別する手段を有している。第一のイベントタイマーはサンプリングを行うタイミングを正確に発生している。また、各計測ユニット毎に第二のイベントタイマーが備えられ、第一のイベントタイマーからのトリガー信号を受けて、計測開始を示すイベントトリガーを遅延時間τ1で発生するとともに、送信を開始するイベントトリガーを遅延時間τnで発生する。τnは計測ユニット毎に定められた優先順位に従って予め計測ユニットに記憶させている。この時間は優先順位に従って異なり、隣接する順位で送信時間が重なることで輻輳することを防止する様に、必要十分な時間間隔:τi+1−τi+1(i=1、2、・・・、n−1)を定めている。このような時間多重と周波数多重の複合送信方式により、時間多重数n(τ1、・・・、τn)と周波数多重数k(f1、f2、・・・、fk)との積nkまで収容計測ユニット数を拡張することができる。
【0039】
図6(a)は、計測ユニットとそれに接続する探査電極の4組と共通に用いる基準電極の組を頭部に装着した例を示す。探査電極は頭部の任意の場所に装着可能であるが、通常は脳波計測の国際標準で定められた部位に装着される。基準電極は4つのユニットとも耳たぶに集約している。図6(b)は、図6(a)計測ユニットと電極等を帽子に装着した例を示す。送信モジュールに対応した受信モジュールを用いて、受信し、受信信号は、USBでPCに取り込まれる。
【0040】
また、図7に示すように、本発明のワイヤレス生体情報センシングシステムは、ワイヤレスの多人数脳波計測システムとしても用いることができる。この場合のワイヤレス生体情報センシングシステム300は、時間基準信号に従って動作する刺激発生手段310を備えるものである。その刺激発生手段からのインパルス様の刺激を複数の被験者に同時に与え、その刺激によって惹起される生体信号を計測ユニット200で計測して比較するものである。
【0041】
これは、例えば映像や音響などの感性に対する何らかの刺激が複数の被験者あるいは被験動物に与える影響の差異を、生体信号の差異でデータ化する際に用いるものである。このシステムによって、例えば、何らかの映像が被験者に与える影響を、生体信号の差異でデータ化することができる。
【0042】
このためには、図7に示す様に(1)刺激開始のマーカーが埋め込まれたコンテンツを制御する視聴覚情報制御装置312を用いる。この装置は、被験者や被験動物に、映像や音声の、単発で強烈な刺激や繰返し起こる微小な刺激を提示する際のタイミングなどの提示条件を設定することが主な役目である。また、(2)コンテンツを被験者に視覚、聴覚またはその両方の方法で表示する視聴覚情報表示装置311を用いる。この視聴覚情報表示装置としては、通常の画像表示装置や音源に留まらず、白色あるいは単色の照明や、超音波源や超低周波源、あるいは、視聴覚を妨害する擾乱源やノイズ源などを含む。視聴覚情報表示装置311と視聴覚情報制御装置312とが刺激発生手段310を構成する。また、(3)上記視聴覚情報表示装置近傍に設置され表示情報から刺激点を検出する刺激マーカー検出器330を用いる。これが刺激開始時点信号を入力する入力手段となる。これは、実際に刺激が被験者に表示される刺激は、回路遅延等により視聴覚情報制御装置からコンテンツに埋め込まれた刺激マーカーと時間的に異なるためであり、被験者の近くに設置することが望ましい場合もある。表示装置に提示される刺激点の情報を被験者と同じ空間で検出することにより、回路遅延や伝播遅延等の影響を除去することができる。刺激開始時点信号は、刺激と同期した信号でも、刺激の開示時点を予告する信号でもよい。
【0043】
12誘導心電計測システムを4チャンネルの計測ユニット3台で構成する実施例を図8にしめす。分離抵抗は測定電極間での短絡を防止するために挿入している。時間管理ユニットは脳波形と同様に3つの計測ユニットに対して時間規準クロックを配信する様に接続する(図では諸略している)。(a)は、本発明を、電極を身体部分、特に心臓部分に設置して心電波計測システムとして用いる例を示す。電極E1とE2は腕に、E3と共通電極COMは足に設置し、E4からE9は、心臓の周りに配置する。(b)は、(a)の場合の各電極とモジュール(計測ユニット)との結線図例である。増幅器はI誘導からIII誘導、aVR誘導、aVL誘導、aVF誘導、V1誘導〜V6誘導の規定に従って、加減算を行う増幅器である。
【0044】
また、上記電極E1〜E9を妊婦の腹部に設置して胎児の心電波計測システムとして用いることも可能である。この場合は、心電2母体の心電図と胎児の心電図を分離するために、複数の電極で計測することが必要であり、なるべく多数の電極を用いることが望ましい。これは、心電波形は計測電極を結ぶ方向に対する心筋の伝導ベクトルの射影であることを用いて胎児の心電図を得るためである。つまり、胎児と母体の心臓の位置をそれぞれ個別に推定しながら、多くの方向での心電波形を同時計測することにより、胎児と母体の心電波形を分離することが可能であり、これは、本発明のワイヤレス生体情報センシングシステムによって母体の自由度を損なうことなく実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
多人数の脳波および心電を一斉に計測する場合、心電計には脳波計と同じ基本構成のものを用いることができる。ただし、心電に対応する電位は脳波のそれよりも約100倍程度大きいため、脳波計で最適化された計測ユニットを使用することが困難な場合がある。このときは、ADCの分解能を増大すると同時に信号増幅器の利得を下げてダイナミックレンジに余裕を持たせることにより心電と脳波両方に対応する計測ユニットを構築することができる。なお、データ取得後に蓄積された時系列のデジタルデータに対して計算上フィルタリング演算処理することにより、心電と脳波の測定帯域の差を補償することができる。
【符号の説明】
【0046】
1 トリガーパルス用信号線
2 データバス
10 稼動管理ユニット
11 イベントタイマー
12 CPU
13 メモリ
14 配信手段
20 計測ユニット
21 アナログ信号処理部
22 デジタル信号処理部
23 送信部
24 稼動設定部
25 アンテナ
26 測定電極
27 第2イベントタイマー
30 受信ユニット
31 アンテナ
300 ワイヤレス生体情報センシングシステム
310 刺激発生手段
311 視聴覚情報表示装置
312 視聴覚情報制御装置
330 刺激マーカー検出器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体信号を測定し送信する複数の計測ユニットと、
上記計測ユニットからのそれぞれの送信データを受信する複数の受信ユニットと、
上記計測ユニットの稼動条件または稼動時間を管理する稼動管理ユニットと、
を備え、
上記計測ユニットは、測定電極から入力したアナログ信号を処理してデジタル信号に変換する計測動作を行うアナログ信号処理部と、前記デジタル信号を入力して処理し一時的に保存するデジタル信号処理部と、前記デジタル信号を送信する送信部と、を備え、
上記稼動管理ユニットは、上記計測ユニットの上記アナログ信号処理部、上記デジタル信号処理部あるいは上記送信部の稼動条件または稼動時間を管理し、(1)自身の管理下にあるそれぞれの上記計測ユニットの上記デジタル信号処理部を起動し、(2)続いて上記アナログ信号処理部を起動し、上記計測動作をそれぞれの上記計測ユニットで同時に行った後に、(3)上記アナログ信号処理部を省電力状態にし、(4)上記計測ユニットのそれぞれに付与された優先順位に従って、順次上記計測ユニットの上記送信部を起動して送信を行い、(5)該送信後に上記デジタル信号処理部と上記送信部を省電力状態にするものである、
ことを特徴とするワイヤレス生体情報センシングシステム。
【請求項2】
上記稼動管理ユニットは、上記計測ユニットの上記アナログ信号処理部、上記デジタル信号処理部あるいは上記送信部の稼動条件または稼動時間を管理し、(1)自身の管理下にあるそれぞれの上記計測ユニットの上記デジタル信号処理部を起動し、(2)続いて上記アナログ信号処理部を起動し、上記計測動作をそれぞれの上記計測ユニットで同時に行った後に、(3)上記アナログ信号処理部と上記デジタル信号処理部を省電力状態にし、(4)上記計測ユニットのそれぞれに付与された優先順位に従って、順次上記計測ユニットの上記デジタル信号処理部と上記送信部を起動して送信を行い、(5)該送信後に上記デジタル信号処理部と上記送信部を省電力状態にするものである、
ことを特徴とする請求項1に記載のワイヤレス生体情報センシングシステム。
【請求項3】
上記稼動管理ユニットは、タイマー部と、上記計測ユニットの稼動条件または稼動時間を管理する演算部とを備え、該タイマー部が該演算部の稼動時間帯を管理するものであることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか1つに記載のワイヤレス生体情報センシングシステム。
【請求項4】
上記計測ユニットに具備された、アナログ信号処理部、デジタル信号処理部、および送受信部の稼動条件または稼動時間は、上記稼動管理ユニットの演算部から制御するものであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載のワイヤレス生体情報センシングシステム。
【請求項5】
上記計測ユニットは、さらにイベントタイマーを備え、
上記稼動管理ユニットは、該イベントタイマーを管理することで
上記計測ユニットのアナログデジタル変換部、デジタルデータ処理部、および送受信部の稼動条件または稼動時間を管理するものであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載のワイヤレス生体情報センシングシステム。
【請求項6】
上記計測ユニットの上記送信部は送信時のキャリア周波数を制御するキャリア周波数制御手段を備え、
上記受信ユニットは上記キャリア周波数を弁別し送信信号を復調する復調手段を備え、
上記稼動管理ユニットは、同一タイミングで送信する複数の計測ユニットが上記送信キャリアを互いに輻輳なく異なるキャリア周波数で一斉に送信するように上記キャリア周波数制御手段を管理することを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載のワイヤレス生体情報センシングシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−34840(P2012−34840A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−177666(P2010−177666)
【出願日】平成22年8月6日(2010.8.6)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)独立行政法人科学技術振興機構委託「戦略的創造研究推進事業」の一環、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(301022471)独立行政法人情報通信研究機構 (1,071)
【Fターム(参考)】