説明

ワイヤレス送信機の構成

【課題】移動ワイヤレス通信送信機における方法を提供する。
【解決手段】この方法は、送信機の電力関連情報、例えば、送信機ヘッドルーム情報および送信機の相互変調歪み情報を取得し(200)、取得した送信機の電力関連情報に基づいて、送信機チャネル構成、例えば、フレーム・サイズの変更を要求する(210)。別の実施形態では、送信機がソフト・ハンドオフ状態にあるか否かに基づいて、チャネル構成を変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤレス通信に関する。より詳細には、情報の中でも、特に、送信機の電力関連情報、現在の送信機構成情報、およびソフト・ハンドオフ情報のうちの1つに基づいた、ワイヤレス送信機の構成、送信装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ワイヤレス通信の用途では、一般に、電力増幅器の設計、例えば、サイズ決めや調整は、帯域内および帯域外歪み要件を満たしつつ、最悪の場合の信号および/または送信機の構成に対処するように行われている。例えば、要求する隣接チャネル漏洩率(ACLR:Adjacent Channel Leakage Ratio)を達成するために、相互変調(IM:inter-modulation)歪みレベルの上昇を避けるように出力電力を増大させた増幅器を設計すると、電流ドレインが増大し、その結果、移動端末においては、熱消散が増加し、バッテリの短寿命化を招く。
【0003】
ワイヤレス通信ネットワークの中には、電力増幅器(PA:power amplifier )が不適切なヘッドルームを有すると、特定の移動デバイスの送信機チャネル構成により、PAの相互変調(IM)歪みが増大するものがある。その(IM)歪みは、ピーク対平均比率(PAR:peak-to-average ratio )情報によって、あるいは歪みレベルに相関する他の何らかの測定基準によって表すことができる。PAヘッドルームは、所与の基準信号または送信機構成に対してより高いレベルのRMS出力電力を生成するため、かつ/あるいは最大レートのRMS電力レベルにおいてより高いピーク対平均電力比率(PAR)を有する信号を増幅するために使用可能な電力余裕の尺度である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
相互変調歪み(IMD:inter-modulation distortion )を閾値を超えて増大させるとともに、特定のデータ・レートまたはトランスポート・フォーマットの組み合わせ(TFC:transport format combination)に対応する移動デバイスの送信機構成全体を計画することが提案されている。
【0005】
本開示の種々の態様、特徴および利点は、以下の詳細な説明を、以下に説明する添付図面と共に注意深く検討することによって、当業者には一層明白となろう。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】ワイヤレス通信システムの一例。
【図2】プロセス・フロー図の一例。
【図3】プロセス・フロー図の別の例。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は、多数の基地局110を備えているワイヤレス・セルラ通信ネットワーク100の一例を示し、多数の基地局はセルに分割された地理的領域全域に分散され、各セルを対応する基地局が担当する。多数の基地局は、コントローラ120によって通信可能に相互接続されており、コントローラ120は、通例、ゲートウェイを通じて公衆電話交換網(PSTN:public switched telephone data network)130およびパケット・データ・ネットワーク(PDN:packet data network )140に結合されている。また、ネットワークは、データ経路設定、進入制御、リソース割り当て、加入者請求書発行、端末認証等を含む管理機能も備えており、一般に当業者には知られているように、これらは、別のネットワーク要素によって制御される。移動ワイヤレス・デバイス、例えば、端末102は、ネットワーク100を通じて、音声および/またはデータを、別の移動ワイヤレス・デバイスと、また、PSTNまたはPDNのような他のネットワークと通信する。これも一般に当業者には知られていることである。
【0008】
一実施形態では、セルラ・ネットワークは第3世代パートナーシップ・プロジェクト(3GPP:3rd Generation Partnership Project)ユニバーサル・モバイル・テレコミュ
ニケーション・システム(UMTS:Universal Mobile Telecommunication System )W−CDMAネットワークであり、このネットワークでは、基地局をノード−Bと呼び、コントローラを無線ネットワーク・コントローラ(RNC:radio network controller)と呼び、移動端末はユーザ機器(UE:user equipment)として知られている。W−CDMAシステムでは、移動デバイスには、共通のキャリア周波数上において異なる拡散およびスクランブリング符号が割り当てられる。送信は、割り当てられた符号との乗算によって拡散され、信号を広い帯域全域に拡散する。受信機においては、これらの符号を用いて、受信した信号を逆拡散することによって、元の信号を再現する。各基地局は、パイロット専用の符号と、ブロードキャスト信号とを有し、移動局はこれらの信号を用いて、担当セルを選択する。他の実施形態では、ネットワークは他のいずれの形式を有してもよく、かつ/あるいは他の何らかの通信プロトコル、例えば、次世代プロトコルにしたがって実施されてもよい。
【0009】
一実施形態では、ワイヤレス送信機は、情報の中でも、特に、送信機の電力関連情報、現在の送信機の構成、例えば、トランスポート・フォーマット関連情報、およびソフト・ハンドオフ情報のうちの1つ以上に基づいて、チャネル構成の変更について通知する。送信機チャネル構成とは、例えば、異なる物理チャネルの数およびチャネル毎のチャネル化符号の選択、フレーム・サイズ、各チャネルの利得レベル、チャネルの時間および符号多重化、各チャネルの拡散係数、各チャネルに割り当てた変調分岐(modulation branch) 、ならびにその他のあらゆる適切な関連変調および符号化パラメータのうちのいずれか1つ以上である。一実施形態では、送信機は、例えば、レイヤ1(物理レイヤ)またはレイヤ3メッセージにおいてワイヤレス通信ネットワークに通知することによって、チャネル構成の変更を要求する。他の実施形態では、送信機は、ローカルにチャネルを構成する。例えば、送信機は移動ワイヤレス端末の一部であり、UEがチャネル構成を決定しチャネルを再構成することができると想定して、再構成要求を、再構成可能なローカルなプロセッサに宛てるようにしてもよい。
【0010】
3G通信システムは、高速ダウンリンク・パケット・アクセス(HSDPA:High Speed Downlink Packet Access )サービスとして知られている高速ダウンリンク・データ・サービス、および高速アップリンク・パケット・アクセス・サービス(HSUPA:High Speed Uplink Packet Access )として知られている高速アップリンク・データ・サービスを含む。HSDPAおよびHSUPAは、無線環境の動的な変動に応答して、変調フォーマットおよび符号レートを変更して提供する。また、HSDPAおよびHSUPAは、混成自動反復要求(H−ARQ:Hybrid Automatic Repeat reQuest )として知られている再送信方式も用い、元の送信およびあらゆるパケット再送信からのデータをソフト結合(soft combining)することによって、冗長性を徐々に高めていく。
【0011】
パケット・サービス加入者は、セルの端縁を含むセルラ・カバレッジ区域全域においてデータ・レートが均一であると考えている。現在の3G通信システムの展開(deployment)では、10msまたは20ms送信時間間隔(TTI:transmission time interval)に基づいて、通例ソフト・ハンドオフ(SHO:soft handoff)領域であるセルの端縁において、64Kpbsが利用可能となっている。特定の情報ビット・ブロック・サイズ(TBS)の送信では、一般には、小さい方のフレーム・サイズ、例えば2msTTIには、大きい方のフレーム・サイズ、例えば、10msTTIに必要な電力と比較して、追加の電力が必要となる。また、相互変調(IM)歪みは、符号多重化と共に増大する傾向がある。例えば、HSUPAでは、改良専用物理制御チャネル(E−DPCCH:enhanced dedicated physical control channel )は、改良専用物理データ・チャネル(E−DPDCH:enhanced dedicated physical data channel)と符号多重化される。IM歪みは、したがって、一般に、変調フォーマットに依存し、例えば、E−DPDCH/E−DPCCHを10msTTIで符号分割多重化(CDM:code division multiplexing)する場合や、E−DPDCH/E−DPCCHを10msTTIで時分割多重化(TDM:time division multiplexing)する場合によって異なる。
【0012】
用途の中には、特定の情報ビット・ブロック・サイズ(TBS)に対してフレーム・サイズを大きくすると、電力要件を低減すること、および/または相補変調歪みを低減することができる場合がある。一例の3G通信システムでは、例えば、セルの端縁において2msの代わりに10ms送信時間間隔(TTI)を用いると、大きくなったフレーム・サイズによって得られる処理利得の増大によって、電力が減少する。例えば、2msTTIで640ビットを送るには320Kbpsデータ・レートが必要であるが、10msTTIで640ビットを送るには64Kbpsデータ・レートで済む。この例では、同じブロック・エラー率(BLER:Block Error rate)では、5msTTIは、2msTTIに対して必要な電力レベルが1/5に減少する。混成ARQでは、より高いBLERを目標とすることができるので、10msおよび2msTTIの場合双方において所与のデータ・レートに対する電力レベルを減少させることができる。この効果は、TTIが小さい程大きいが、CDM多重化との特定の最少データ・レート/フレーム・サイズの組み合わせを補償するには十分でない。EDPDCH/E−DPCCH符号分割多重化の用途に対して多少高めにした電力レベルでは、E−DPCCH電力利得は、10msTTIでは2msTTIよりも、DPCCH電力利得に対して一層低下させることができる。電力利得を低減すると、PARの低減が得られ、相対的な最大出力電力レベルを高めることができることによって、例えば、カバレッジ区域即ちセルの端縁において、高データ・レート化を達成することができる。したがって、先に示唆したように、実施形態によっては、UEは、当該UEが監視する状態に基づいて、フレーム・サイズの変更を要求することがある。あるいは、UEおよび/またはRNCから受信する情報に基づいて、ネットワークによって、例えば、図1におけるノード−B110によって、フレーム・サイズを変更することができる。これについては、更に詳しく以下で説明する。
【0013】
図2のプロセス図200に示す特定的な一実施態様では、UEは、送信機の電力関連情報、例えば、現在または今後必要なUEの電力レベルがUE電力増幅器(PA)の最大電力レベルを超過するか否かについての情報、を得る。送信機の電力関連情報の他の例は、現在または今後必要なPA電力レベルのために、隣接するチャネルの漏洩率(ACLR)が指定レベルを超過するか否かについての情報である。この後者の情報は、UE上に格納されている参照テーブルから得ることもできる。また、電力関連情報は、送信機ヘッドルームおよび/または相互変調(IM)歪みの尺度にもなり得る。UEは、ピーク対平均電力比(PAR)またはIM歪みと相関するその他の何らかの測定基準の変化に基づいて、IM歪みを監視することができる。また、IM歪みを、IM歪みをチャネル構成にマップする参照テーブルを用いて間接的に、あるいはBc/Bd区切り点およびBhs値に基づいて3GPP、公開5仕様において確立されているような、1組の規則に基づいて決定することもできる。
【0014】
図2において、ブロック220では、UEは、チャネル構成、例えば、フレーム・サイズの変化を、送信機の電力関連情報に基づいて要求する。例えば、フレーム・サイズを変更する判断は、UEの現在または今後の要求電力レベルが、UEの電力増幅器(PA)の最大電力レベルを超過するか否かに基づけばよい。あるいは、フレーム・サイズの変更は、現在または今後の要求PA電力レベルが、隣接するチャネルの漏洩率(ACLR)が指定値を超える原因となるか否かに基づいてもよい。別の実施形態では、サイズの変更は、送信機のヘッドルーム情報に基づいている。例えば、ヘッドルームが所定レベルよりも減少したときに、UEはフレーム・サイズの増大を通知することができる。別の実施形態では、フレーム・サイズの変更は相互変調(IM)歪みに基づくことができる。例えば、IM歪みが所定値よりも増大すると、フレーム・サイズの増大を通知する。別の実施形態では、変更したフレーム・サイズは、移動デバイスの送信機構成のみ、あるいは送信機の電力関連情報との組み合わせにも基づく。一般に、動的にフレーム・サイズを変更する基準として、電力関連基準のいずれか1つ以上を、単独であるいは組み合わせて用いればよい。しかしながら、先に示唆したように、チャネル構成の変更は、現在または過去のチャネル構成、トランスポート・フォーマット、およびソフト・ハンドオフを含む他の基準に基づくこともできる。これについては以下で更に詳しく説明する。
【0015】
一例では、既存のデータ・レートを維持すること、あるいはデータ・レートを高めることによって、対応するいかなるレイテンシ増加も抑制される状況では、フレーム・サイズを大きくすることができる。コントローラ、例えば、RNCは、要求に応答して、フレーム・サイズを変更するか否かについて最終的な判断を行う。ネットワークは、レイヤ1またはレイヤ3シグナリングを通じて、フレーム・サイズの変更を通知することもできる。一般に、ネットワークは、起動時にフレーム・サイズ、例えば、TTIを変更するようにUEに通知する。
【0016】
一実施形態では、ワイヤレス通信インフラストラクチャ要素、例えば、基地局またはノード−Bは、移動ワイヤレス通信デバイスについての電力関連情報、トランスポート・フォーマット関連情報、またはソフト・ハンドオフ情報のうちの1つを取得する。次いで、基地局は、電力関連情報、トランスポート・フォーマット関連情報、およびソフト・ハンドオフ情報のうちの1つに基づいて、移動ワイヤレス通信デバイスのためにチャネルを構成する。
【0017】
一実施形態では、例えば、ノード−Bは、UE電力増幅器PARおよび最大電力レベルを制御するために、電力余裕フィードバック情報、SHO状態情報、および/または推定PAR情報(受信したE−TFCIから推論した移動デバイスの送信機構成に基づく)に基づいて、E−DCH TTIサイズを構成する。「時間およびレート」スケジュールは、UEのレートまたは電力レベルおよびスケジューリング時間間隔を制御するために、アクティブ集合のノード−Bにスケジューリングを許可することを意味する。スケジューリング間隔とは、UEに送信を許可する時間間隔である。UEは、周期的な、あるいはイベントに基づく電力余裕フィードバック、およびバッファ占有情報をノード−Bへ送信する。ネットワーク要素、例えば、ノード−Bは、参照テーブルに基づいて、あるいはUEから受信したトランスポート・フォーマット結合指示(E−TFCI)値に基づいて、UEのPARを推定することができる。「レート制御」スケジューリングとは、UEが用いる属性を制御し、その送信レートまたは電力レベルを決定するが、UEの送信開始時間や送信期間を直接的に決定しないような、アクティブ集合のノード−Bのシグナリングを意味する。
【0018】
別の実施形態では、基地局は、送信機のIM歪み、またはそれが限度を超えているか否かを、送信機からの情報に基づいて推論することができ、次いで、相互変調(IM)歪みを閾値を超えて増加させる移動デバイスの送信機構成に関してスケジューリングを行う。送信機からの情報は、電力ステータスおよびトランスポート・フォーマット情報、例えば、レート指示またはトランスポート・フォーマット関連情報、あるいはトランスポート・フォーマット結合指示とすることができ、レート、変調、およびその他のアップリンク送信に関連する送信機の構成情報を含む。あるいは、送信機は、その歪み電力レベルが限度を過えたか否かに基づいて、特定の構成で送信するか否かについて判定することもできる。他の可能性は、Nチャネル停止/待機混成ARQプロトコルを用いることに基づく、パケット当たりの目標とする送信数のような、送信特性を変更することである。
【0019】
図1において、UE、例えば、端末102がセル間を移動すると、1箇所よりも多い基地局による重複カバレッジ領域に進入する。これらの重複領域内では、UEは1箇所よりも多い基地局、即ち、セル・サイトによって、ソフト・ハンドオフ(SHO)と呼ばれる状態での対応を受ける。一般に、SHOは、UEが特定の基地局の1つよりも多いセクタによる対応を受けている状況も意味する。セクタは、セルと呼ばれることもある。担当セルとは、UEが受信する許可やその他のシグナリングの発信元の、アクティブ集合のセルのことである。通例ソフト・ハンドオフ領域と呼ばれるセルの境界即ち端縁付近にある多重カバレッジ領域内にUEがあって、UEが同時に1箇所よりも多いアクティブ集合のセルと同時に通信する場合、多数のセルがアクティブ集合の中にあることも考えられる。新たなセルが、集合内にある1つよりも多い他の既存のセルに加えて、アクティブ集合に追加されるとき、UEはソフト・ハンドオフ(SHO)状態となる。
【0020】
別の実施形態では、UEがソフト・ハンドオフ状態にあるか否かに基づいて、フレーム・サイズを変更する。図3のプロセス・フロー図300の例では、310において、UEがソフト・ハンドオフ状態にあるか否か判定を行う。一実施形態では、この判定をUEにおいて行い、別の実施形態では、この判定をネットワークにおいて、例えば、無線ネットワーク・コントローラ(RNC:radio network controller)において行う。UEは、アクティブ・セル集合を維持する。別個のセル・サイトが1つよりも多い場合、または同じセルからのセクタが1つよりも多い場合は、ソフト・ハンドオフを示す。図3では、ブロック320において、セルのアクティブ集合が1つよりも多いセルを含む場合、フレーム・サイズを変更する。一実施形態では、UEは、アクティブ・セル集合が1つよりも多いセル・サイトを含む場合、フレーム・サイズの変更、例えば、増大を要求する。また、UEがもはやハンドオフ状態にない場合、例えば、アクティブ・セル集合が、1箇所よりも多いセル・サイトからのセルを有することから、単一のセル・サイトからの少なくとも1つのセルを有するように構成されたときに、UEはフレーム・サイズの縮小を要求することもできる。一般に、SHOは、UEがセルの端縁付近にあり、特定のレートおよび移動デバイス送信機構成に対する電力またはIMまたはACLR要件を満たすためには、より大きなTTIサイズを保証するとよい場合を暗示している。
【0021】
UEがフレーム・サイズの変更を要求する実施形態では、UEは、レイヤ1およびレイヤ3シグナリングを用いて、ネットワークに通知する。コントローラ、例えば、RNCは、フレーム・サイズを変更すべきか否かについて最終判断を行う。実施形態の中には、UEがソフト・ハンドオフに入ると、自動的にフレーム・サイズを増大させる場合もある。ネットワークの中には、例えば、3GPP、公開6プロトコルでは、UEのSHO状態を察知するものもある。実施形態の中には、ネットワークが、フレーム・サイズを変更する前に、UEのSHO状態に加えて、移動デバイスの送信機構成も考慮にいれると良い場合もある。いずれの場合でも、ネットワークは、レイヤ1またはレイヤ3を通じてフレーム・サイズの変更をUEに通知する。一般に、ネットワークは、起動時にUEがフレーム・サイズ、例えば、TTIを変更するように通知する。
【0022】
実施形態の中には、このような変更から得られる効果を損なうのを回避するために、送信機のチャネル構成の変更の頻度を制限することが望ましい場合もある。例えば、変更間の時間に基づいて、送信チャネル構成変更を判断する場合、および/または送信機チャネル構成変更を誘発するために用いられるイベントを濾過して不要な変更を誘発する可能性を低下させることにより、ある種のヒステリシスが含まれる可能性がある。
【0023】
このように、該当する多重化、例えば、CMDまたはTDM、およびフレーム・サイズ、例えば、2msまたは10msTTIを改良アップリンク・データおよび改良アップリング制御チャネルUEで選択することによって、大きな電力増幅器を必要とせずに、セル端縁においてデータ・レート有効範囲を維持および/または拡大する。HSUPAの用途の例では、フレーム・サイズを2msTTIおよび10msTTI間で切り換えると、混
成ARQプロトコルのNチャネル全てを用いる場合、および単一のHARQチャネル(バースト・データ・レート)のみを用いる場合に所与の遅延に対して達成することができる、より高いデータ・レートが維持されることによって、有効範囲が拡大する。
【0024】
本開示、および現在その最良の態様と見なされるものについて、本発明者による所有を確立し、当業者がそれを行い用いることができるように記載したが、ここに開示した実施形態の例には多くの等価物があり、実施形態の例によってではなく添付した特許請求の範囲によって限定される、本発明の範囲および主旨から逸脱せずに、修正や変形も行えることは理解され認められよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動ワイヤレス通信デバイスにおける方法であって、
前記移動ワイヤレス通信デバイスについてのトランスポート・フォーマット関連情報および送信電力関連情報を取得すること、
前記移動ワイヤレス通信デバイスについての前記トランスポート・フォーマット関連情報および送信電力関連情報に基づいて、前記移動ワイヤレス通信デバイスについての送信機チャネル構成を構成すること、
前記送信機チャネル構成と共に送信すること、
を備える方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
前記送信機チャネル構成を構成することは、チャネル・フレーム・サイズを変更することを含む、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法において、
前記移動ワイヤレス通信デバイスについての現在の送信機チャネル構成情報に基づいて、前記チャネル・フレーム・サイズは変更される、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法において、
前記移動ワイヤレス通信デバイスについての前記送信機チャネル構成を構成することは、符号または時間多重化のうちの一方に基づいて構成することを含む、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法において、
前記移動ワイヤレス通信デバイスについての前記送信機チャネル構成を構成することは、物理チャネルの数、チャネル化符号、および各物理チャネルの拡散係数を構成することを含む、方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法において、
前記移動ワイヤレス通信デバイスについての現在の送信機チャネル構成情報に基づいて、物理チャネルの数、チャネル化符号、および各物理チャネルの拡散係数は変更される、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法において、
前記移動ワイヤレス通信デバイスについての前記送信機チャネル構成を構成することは、各チャネルの変調および符号化パラメータを構成することを含む、方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法において、
前記移動ワイヤレス通信デバイスについての現在の送信機チャネル構成情報に基づいて各チャネルの変調および符号化パラメータは変更される、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法において、
前記送信電力関連情報は電力増幅器ヘッドルーム、ACLR、相互変調歪み(IMD)、ピーク対平均比率(PAR)情報のいずれかを含む、方法。
【請求項10】
ワイヤレス通信インフラストラクチャ要素における方法であって、
前記移動ワイヤレス通信インフラストラクチャ要素によってサービスを受ける移動ワイヤレス通信デバイスについてのトランスポート・フォーマット関連情報、および送信電力関連情報を取得すること、
前記移動ワイヤレス通信デバイスについての前記トランスポート・フォーマット関連情報および前記送信電力関連情報に基づいて前記移動ワイヤレス通信デバイスについての送信機チャネル構成を構成すること、
を備える方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法において、
前記送信機チャネル構成を構成することは、チャネル・フレーム・サイズを変更することを含む、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法において、
前記移動ワイヤレス通信デバイスについての現在の送信機チャネル構成情報に基づいて前記チャネル・フレーム・サイズは変更される、方法。
【請求項13】
請求項10に記載の方法において、
前記移動ワイヤレス通信デバイスについての前記送信機チャネル構成を構成することは、符号または時間多重化のうちの一方に基づいて構成することを含む、方法。
【請求項14】
請求項10に記載の方法において、
前記移動ワイヤレス通信デバイスについての前記送信機チャネル構成を構成することは、各チャネルの変調および符号化パラメータを構成することを含む、方法。
【請求項15】
請求項10に記載の方法において、
前記送信電力関連情報は、電力増幅器ヘッドルーム、ACLR、相互変調歪み(IMD)、ピーク対平均比率(PAR)情報のいずれかを含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−278664(P2009−278664A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−193441(P2009−193441)
【出願日】平成21年8月24日(2009.8.24)
【分割の表示】特願2005−266776(P2005−266776)の分割
【原出願日】平成17年9月14日(2005.9.14)
【出願人】(390009597)モトローラ・インコーポレイテッド (649)
【氏名又は名称原語表記】MOTOROLA INCORPORATED
【Fターム(参考)】