説明

ワイヤレス通信システム内での無線ベアラトラフィックに基づくユーザ機器への専用チャネルリソースの割振りの管理

一実施形態において、アクセスネットワークは、専用チャネル状態(たとえばCELL_DCH状態)のユーザ機器(UE)と、そのUEと少なくとも1つの他のUEとの間の通信セッションを調停しているアプリケーションサーバとの間の所与のタイプの無線ベアラ(たとえば、遅延敏感および/または高優先度通信セッションに関連すると予想される無線ベアラなど)に関連付けられたトラフィックを監視する。監視されたトラフィックに基づいて、アクセスネットワークは、UEを、専用チャネル状態から選択的に移行させる。たとえば、タイマーの満了前に所与のタイプの無線ベアラ上のトラフィックが検出された場合、UEは、専用チャネル状態のままでいることが許可され得る。代わりに、タイマーの満了前に所与のタイプの無線ベアラ上のトラフィックが検出されない場合、UEは、専用チャネル状態から(たとえば、CELL_FACH、CELL_PCH、またはURA_PCH状態に)移行され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
米国特許法第119条に基づく優先権の主張
本特許出願は、本出願の譲受人に譲渡され、参照により明白に本明細書に組み込まれる、2010年2月5日に出願された「MANAGING DEDICATED CHANNEL RESOURCE ALLOCATION TO USER EQUIPMENT BASED ON RADIO BEARER TRAFFIC WITHIN A WIRELESS COMMUNICATIONS SYSTEM」という名称の仮出願第61/301,929号の優先権を主張する。
【0002】
同時係属特許出願の参照
本特許出願は、各々本出願の譲受人に譲渡され、参照により明白に本明細書に組み込まれる、2010年1月25日に出願された「SELECTIVE ALLOCATION OF DEDICATED CHANNEL (DCH) RESOURCES WITHIN A WIRELESS COMMUNICATIONS SYSTEM」という名称の同時係属米国特許仮出願第61/297,963号、および2010年5月17日に出願された「TRANSITIONING A USER EQUIPMENT (UE) TO A DEDICATED CHANNEL STATE DURING SETUP OF A COMMUNICATION SESSION DURING A WIRELESS COMMUNICATIONS SYSTEM」という名称の同時係属米国出願第12/781,666号に関する。
【0003】
本発明の実施形態は、ワイヤレス通信システム内での無線ベアラトラフィックに基づくユーザ機器への専用チャネルリソースの割振りの管理に関する。
【背景技術】
【0004】
ワイヤレス通信システムは、第1世代のアナログワイヤレス電話サービス(1G)、第2世代(2G)のデジタルワイヤレス電話サービス(中間の2.5Gおよび2.75Gのネットワークを含む)、および第3世代(3G)の高速データ/インターネット対応ワイヤレスサービスを含めて、様々な世代を通じて発展してきた。セルラーおよびパーソナル通信サービス(PCS)システムを含めて、現在、多くの異なるタイプのワイヤレス通信システムが使用されている。既知のセルラーシステムの例には、セルラー式のAnalog Advanced Mobile Phone System(AMPS)、および符号分割多元接続(CDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、時分割多元接続(TDMA)、TDMAの変形のGlobal System for Mobile(GSM(登録商標))接続に基づくデジタルセルラーシステム、ならびにTDMAとCDMAの両方の技術を使用したより新しいハイブリッドデジタル通信システムなどがある。
【0005】
CDMAモバイル通信を提供するための方法は、米国では、米国電気通信工業会/米国電子工業会によってTIA/EIA/IS-95-Aで「Mobile Station-Base Station Compatibility Standard for Dual-Mode Wideband Spread Spectrum Cellular System」という名称で標準化されており、これは本明細書ではIS-95と呼ぶ。複合のAMPSおよびCDMAシステムは、TIA/EIA規格IS-98に記載されている。他の通信システムは、広帯域CDMA(W-CDMA)、CDMA2000(たとえばCDMA2000 1xEV-DO標準など)またはTD-SCDMAと呼ばれるものを対象とする、IMT-2000/UM、または国際移動電気通信システム2000/ユニバーサルモバイル通信システムの規格に記載されている。
【0006】
W-CDMAワイヤレス通信システムにおいて、ユーザ機器(UE)は、基地局に隣接するまたは基地局の周囲の特定の地理的領域内の通信リンクまたはサービスをサポートする固定位置のノードB(セルサイトまたはセルとも呼ばれる)から信号を受信する。ノードBは、一般にサービス品質(QoS)要求に基づいてトラフィックを区別するための方法をサポートする標準Internet Engineering Task Force (IETF)ベースのプロトコルを使用したパケットデータネットワークであるアクセスネットワーク(AN)/無線アクセスネットワーク(RAN)にエントリーポイントを提供する。したがって、ノードBは、一般に、オーバージエアインターフェースを介してUEと、またインターネットプロトコル(IP)ネットワークデータパケットを介してRANと対話する。
【0007】
ワイヤレス通信システムにおいて、プッシュツートーク(PTT)機能は、サービスセクタおよび消費者に普及しつつある。PTTは、たとえばW-CDMA、CDMA、FDMA、TDMA、GSM(登録商標)など、標準的な商用のワイヤレスインフラストラクチャ上で動作する「ディスパッチ」ボイスサービスをサポートすることができる。ディスパッチモデルにおいて、エンドポイント(たとえばUE)の間の通信は、仮想グループ内で行われ、そこで1人の「話者」の声が1人または複数人の「受話者」に送信される。このタイプの通信の単一のインスタンスは、通常、ディスパッチ呼(dispatch call)、または単にPTT呼と呼ばれる。PTT呼は、呼の特徴を定義するグループのインスタンス化である。グループは、本質的に、メンバーリスト、およびたとえばグループ名またはグループ識別情報などの関連する情報によって定義される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態において、アクセスネットワークは、専用チャネル状態(たとえばCELL_DCH状態)のユーザ機器(UE)と、そのUEと少なくとも1つの他のUEとの間の通信セッションを調停しているアプリケーションサーバとの間の所与のタイプの無線ベアラ(たとえば、遅延敏感および/または高優先度通信セッションに関連すると予想される無線ベアラなど)に関連付けられたトラフィックを監視する。監視されたトラフィックに基づいて、アクセスネットワークは、UEを、専用チャネル状態から選択的に移行させる。たとえば、タイマーの満了前に所与のタイプの無線ベアラ上のトラフィックが検出された場合、UEは、専用チャネル状態のままでいることが許可され得る。代わりに、タイマーの満了前に所与のタイプの無線ベアラ上のトラフィックが検出されない場合、UEは、専用チャネル状態から(たとえば、CELL_FACH、CELL_PCH、またはURA_PCH状態に)移行され得る。
【0009】
本発明の実施形態のより完全な理解、およびその付随する利点の多くは、以下の詳細な説明を添付の図面と併せ読んでよりよく理解すると、容易に得られる。添付の図面は、単に説明のために提示されているにすぎず、本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の少なくとも1つの実施形態による、ユーザ機器および無線アクセスネットワークをサポートするワイヤレスネットワークアーキテクチャを示す図である。
【図2A】本発明の一実施形態による図1のコアネットワークを示す図である。
【図2B】図1のワイヤレス通信システムの一例をより詳細に示す図である。
【図3】本発明の少なくとも1つの実施形態によるユーザ機器の例を示す図である。
【図4A】本発明の少なくとも1つの実施形態による、アクセスネットワークによって所与のユーザ機器(UE)をCELL_FACH状態とCELL_DCH状態との間で移行させるプロセスを示す図である。
【図4B】本発明の一実施形態による、発信側UEをCELL_DCH状態に選択的に移行させるプロセスを示す図である。
【図4C】本発明の一実施形態による、発信側UEをCELL_DCH状態に選択的に移行させる別のプロセスを示す図である。
【図4D】本発明の一実施形態による、ターゲットUEをCELL_DCH状態に選択的に移行させるプロセスを示す図である。
【図4E】本発明の一実施形態による、送信側UEをCELL_DCH状態に選択的に移行させるプロセスを示す図である。
【図4F】本発明の一実施形態による、送信側UEをCELL_DCH状態に選択的に移行させる別のプロセスを示す図である。
【図4G】本発明の一実施形態による、ターゲットUEをCELL_DCH状態に選択的に移行させる別のプロセスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の態様を、本発明の特定の実施形態を対象とする以下の説明および関連する図面に開示する。本発明の範囲から逸脱することなく、代替実施形態を考案することができる。さらに、本発明の重要な詳細を不明瞭にしないために、本発明の周知の要素については、詳しく説明しない、または省略する。
【0012】
「例示的」および/または「例」という語は、本明細書では、「例、実例、または例示としての役割を果たす」ことを意味するために使用される。「例示的」および/または「例」として本明細書で説明する任意の実施形態は、必ずしも、他の実施形態よりも好ましいまたは有利であると解釈されるわけではない。同様に、「本発明の実施形態」という用語は、本発明のすべての実施形態が論じられた特徴、利点、または動作モードを含むことを必要としない。
【0013】
さらに、多くの実施形態は、たとえば、コンピューティングデバイスの要素によって実行されるアクションのシーケンスに関して説明される。本明細書で説明する様々なアクションは、特定の回路(たとえば、特定用途向け集積回路(ASIC))によって、1つまたは複数のプロセッサによって実行されるプログラム命令によって、または両方の組合せによって実行することができることを認識されよう。さらに、本明細書で説明するこれらのアクションのシーケンスは、実行時に、本明細書で説明する機能を関連するプロセッサに実行させる対応する1組のコンピュータ命令を記憶する任意の形態のコンピュータ可読記憶媒体内に完全に組み込まれると考えることができる。したがって、本発明の様々な態様は、いくつかの異なる形態で組み込むことができ、そのすべては、請求された主題の範囲内であると企図されている。さらに、本明細書で説明する実施形態のそれぞれについて、任意のそのような実施形態の対応する形態は、本明細書では、たとえば、記載のアクションを実行する「ように構成されたロジック」として説明され得る。
【0014】
本明細書ではユーザ機器(UE)と呼ばれる高データレート(HDR)加入者局は、モバイルでも固定でもよく、ノードBと呼ばれ得る1つまたは複数のアクセスポイント(AP)と通信することができる。UEは、ノードBのうちの1つまたは複数を介して、無線ネットワークコントローラ(RNC)との間でデータパケットを送受信する。ノードBおよびRNCは、無線アクセスネットワーク(RAN)と呼ばれるネットワークの部分である。無線アクセスネットワークは、複数のUE間に音声およびデータパケットをトランスポートすることができる。
【0015】
無線アクセスネットワークは、無線アクセスネットワークの外部の追加のネットワークにさらに接続されていてもよく、そのようなコアネットワークは、特定のキャリア関連のサーバおよびデバイス、ならびに企業内イントラネット、インターネット、公衆交換電話網(PSTN)、サービング汎用パケット無線サービス(GPRS)サポートノード(SGSN)、ゲートウェイGPRSサポートノード(GGSN)など他のネットワークへの接続を含んでおり、各UEとそのようなネットワークとの間で音声およびデータパケットをトランスポートすることができる。1つまたは複数のノードBとのアクティブなトラフィックチャネル接続を確立したUEは、アクティブなUEと呼ぶことができ、トラフィック状態であると呼ぶことができる。1つまたは複数のノードBとのアクティブなトラフィックチャネル(TCH)接続を確立する過程にあるUEは、接続セットアップ状態であると呼ぶことができる。UEは、ワイヤレスチャネルまたは有線のチャネルを介して通信する任意のデータデバイスとすることができる。UEは、さらに、限定はしないが、PCカード、コンパクトフラッシュ(登録商標)デバイス、外付けまたは内蔵のモデム、またはワイヤレスまたは有線の電話を含むいくつかのタイプのデバイスのうちの任意のものでもよい。UEが信号をノードBに送る通信リンクは、アップリンクチャネル(たとえば、逆方向トラフィックチャネル、制御チャネル、アクセスチャネルなど)と呼ばれる。ノードBが信号をUEに送る通信リンクは、ダウンリンクチャネル(たとえば、ページングチャネル、制御チャネル、ブロードキャストチャネル、順方向トラフィックチャネルなど)と呼ばれる。本明細書で使用する場合、トラフィックチャネル(TCH)という用語は、アップリンク/逆方向、またはダウンリンク/順方向トラフィックチャネルのいずれかを指し得る。
【0016】
図1は、本発明の少なくとも1つの実施形態によるワイヤレス通信システム100の例示的な一実施形態のブロック図を示す。システム100は、パケット交換データネットワーク(たとえばイントラネット、インターネット、および/またはコアネットワーク126)とUE102、108、110、112との間にデータ接続を提供するネットワーク機器にアクセス端末102を接続することができるアクセスネットワークまたは無線アクセスネットワーク(RAN)120と、エアインターフェース104を介して通信している携帯電話102などのUEを含むことができる。本明細書に示すように、UEは、携帯電話102、携帯情報端末108、ここでは双方向テキストページャ、さらにはワイヤレス通信ポータルを有する個別のコンピュータプラットフォーム112と示されるページャ110とすることができる。したがって、本発明の実施形態は、それだけには限定されないが、ワイヤレスモデム、PCMCIAカード、パーソナルコンピュータ、電話、またはそれらの任意の組合せまたは部分的組合せを含めて、ワイヤレス通信ポータルを含む、またはワイヤレス通信機能を有する任意の形態のアクセス端末において実現することができる。さらに、本明細書で使用するように、他の通信プロトコル(すなわちW-CDMA以外)における「UE」という用語は、互換的に「アクセス端末」、「AT」、「ワイヤレスデバイス」、「クライアントデバイス」、「モバイル端末」、「移動局」、およびそれらの変形と呼ばれ得る。
【0017】
再び図1を参照すると、ワイヤレス通信システム100の構成要素、および本発明の例示的な実施形態の要素の相互関係は、図示の構成に限定されない。システム100は、例にすぎず、ワイヤレスクライアントコンピューティングデバイス102、108、110、112などの遠隔UEが、オーバージエアで互いの間で、および/またはそれだけには限定されないが、コアネットワーク126、インターネット、PSTN、SGSN、GGSN、および/または他のリモートサーバを含めて、エアインターフェース104およびRAN120を介して接続される構成要素の間で通信することができる任意のシステムを含むことができる。
【0018】
RAN120は、RNC122に送られる(一般的にデータパケットとして送られる)メッセージを制御する。RNC122は、サービング汎用パケット無線サービス(GPRS)サポートノード(SGSN)とUE102/108/110/112との間のベアラチャネル(すなわち、データチャネル)のシグナリング、確立、およびティアダウンを行う役目を果たす。また、リンクレイヤ暗号化が可能な場合、RNC122は、エアインターフェース104を介してコンテンツを転送する前に、コンテンツを暗号化する。RNC122の機能は、当技術分野でよく知られており、簡潔のためにこれ以上は説明しない。コアネットワーク126は、ネットワーク、インターネット、および/または公衆交換電話網(PSTN)によってRNC122と通信することができる。代わりに、RNC122は、インターネットまたは外部ネットワークに直接接続することができる。一般的に、コアネットワーク126とRNC122との間のネットワークまたはインターネット接続は、データを転送し、PSTNは、ボイス情報を転送する。RNC122は、複数のノードB124に接続することができる。コアネットワーク126と同様の方法で、RNC122は、一般的に、データ転送および/またはボイス情報転送のために、ネットワーク、インターネット、および/またはPSTNによってノードB124に接続される。ノードB124は、データメッセージを、たとえば携帯電話102などのUEにワイヤレスでブロードキャストすることができる。当技術分野で知られているように、ノードB124、RNC122、および他の構成要素は、RAN120を形成することができる。しかしながら、代替構成が使用されてもよく、本発明は、図示の構成に限定されない。たとえば、別の実施形態では、RNC122、およびノードB124のうちの1つまたは複数の機能は、RNC122とノードB124の両方の機能を有する単一の「ハイブリッド」モジュールに縮小することができる。
【0019】
図2Aは、本発明の一実施形態によるコアネットワーク126を示す。特に、図2Aは、W-CDMAシステム内に実装される汎用パケット無線サービス(GPRS)コアネットワークの構成要素を示す。図2Aの実施形態では、コアネットワーク126は、サービングGPRSサポートノード(SGSN)160、ゲートウェイGPRSサポートノード(GGSN)165、およびインターネット175を含む。しかしながら、代替実施形態では、インターネット175および/または他の構成要素の部分がコアネットワークの外部に配置されていてもよいことを諒解されたい。
【0020】
一般に、GPRSは、インターネットプロトコル(IP)パケットを送信するために、Global System for Mobile communications(GSM(登録商標))電話によって使用されるプロトコルである。GPRSコアネットワーク(たとえば、GGSN165および1つまたは複数のSGSN160)は、GPRSシステムの中央部であり、W-CDMAベースの3Gネットワークのサポートも提供する。GPRSコアネットワークは、GSM(登録商標)コアネットワークの一体部であり、GSM(登録商標)およびW-CDMAネットワークにおけるIPパケットサービスのモビリティ管理、セッション管理、およびトランスポートを提供する。
【0021】
GPRSトンネリングプロトコル(GTP)は、GPRSコアネットワークの限定的なIPプロトコルである。GTPは、GGSN165において、まるで1つの位置からインターネットに接続し続けながら、GSM(登録商標)またはW-CDMAネットワークのエンドユーザ(たとえば、アクセス端末)があちこちに移動することができるプロトコルである。これは、加入者のデータを加入者の現在のSSGN160から、加入者のセッションを処理しているGGSN165に転送することによって達成される。
【0022】
GTPの3つの形態、すなわち(i)GTP-U、(ii)GTP-C、および(iii)GTP'(GTP Prime)がGPRSコアネットワークによって使用される。GTP-Uは、パケットデータプロトコル(PDP)コンテキストごとに分離されたトンネルでのユーザデータの転送に使用される。GTP-Cは、制御シグナリング(たとえば、PDPコンテキストのセットアップおよび削除、GSN到達可能性の検証、加入者があるSGSNから別のSGSNに移動したときなどの更新または変更)に使用される。GTP'は、GSNから課金機能への課金データの転送のために使用される。
【0023】
図2Aを参照すると、GGSN165は、GPRSバックボーンネットワーク(図示せず)と外部パケットデータネットワーク175との間のインターフェースとして働く。GGSN165は、関連するパケットデータプロトコル(PDP)形式(たとえば、IPまたはPPP)のパケットデータを、SGSN160から来るGPRSパケットから抽出し、対応するパケットデータネットワーク上でパケットを発送する。他方の方向では、着信データパケットは、GGSN165によってSGSN160に向けられ、SGSN160は、RAN120によってサービスされる宛先のUEの無線アクセスベアラ(RAB)を管理し、制御する。それによって、GGSN165は、ターゲットUEの現在のSGSNアドレス、およびそのユーザのプロファイルをそのロケーションレジスタ(たとえば、PDPコンテキスト内)に記憶する。GGSNは、IPアドレス割当ての役目を果たし、接続されたUEのデフォルトルータである。また、GGSNは、認証および課金機能を実行する。
【0024】
一例では、SGSN160は、コアネットワーク126内の多くのSGSNのうちの1つの代表である。各SGSNは、関連する地理的サービスエリア内で、UEからおよびUEにデータパケットを配信する役目を果たす。SGSN160のタスクには、パケットルーティングおよび転送、モビリティ管理(たとえば、接続/切断およびロケーション管理)、論理リンク管理、および認証および課金機能などがある。SGSNのロケーションレジスタは、位置情報(たとえば、現在のセル、現在のVLRなど)、および、たとえばユーザまたはUEごとに1つまたは複数のPDPコンテキスト内など、SGSN160に登録されたすべてのGPRSユーザのユーザプロファイル(たとえば、パケットデータネットワークで使用するIMSI、PDPアドレスなど)を記憶する。したがって、SGSNは、(i)GGSN165からのダウンリンクGTPパケットの逆トンネリング、(ii)GGSN165方向のIPパケットのアップリンクトンネル、(iii)UEがSGSNサービスエリアの間を移動するときのモビリティ管理の実行、(iv)モバイル加入者の支払い請求の役目を果たす。当業者なら諒解するように、(i)〜(iv)の他に、GSM/EDGEネットワークのために構成されたSGSNは、W-CDMAネットワークのために構成されたSGSNと比較して、わずかに異なる機能を有する。
【0025】
RAN120(またはユニバーサルモバイル通信システム(UMTS)システムアーキテクチャにおけるUTRANなど)は、フレームリレーまたはIPなどの送信プロトコルによって、Iuインターフェースを介してSGSN160と通信する。SGSN160は、SGSN160および他のSGSN(図示せず)と内部のGGSNとの間のIPベースのインターフェースであり、上記で定義されたGTPプロトコル(たとえば、GTP-U、GTP-C、GTP'など)を使用するGnインターフェースを介してGGSN165と通信する。図2Aには示されていないが、Gnインターフェースは、ドメインネームシステム(DNS)によっても使用される。GGSN165は、公衆データネットワーク(PDN)(図示せず)に、次にインターネット175に、IPプロトコルによるGiインターフェースを介して直接、またはワイヤレスアプリケーションプロトコル(WAP)ゲートウェイを介して接続される。
【0026】
PDPコンテキストは、UEがアクティブなGPRSセッションを有するとき、特定のUEの通信セッション情報を含む、SGSN160とGGSN165の両方に存在するデータ構造である。UEは、GPRS通信セッションを開始することを望むとき、まず、SGSN160に接続し、次いでGGSN165によりPDPコンテキストを起動させなければならない。これによって、加入者が現在訪問しているSGSN160、およびUEのアクセスポイントにサービスしているGGSN165において、PDPコンテキストデータ構造が割り振られる。
【0027】
図2Bは、図1のワイヤレス通信システム100の一例をより詳細に示す。特に、図2Bを参照すると、UE1…Nは、異なるパケットデータネットワークのエンドポイントによってサービスされる位置でRAN120に接続するものとして示されている。図2Bの例は、W-CDMAシステムおよび用語に固有のものであるが、1xEV-DOシステムに適合するために図2Bをどのように変更することができるかが諒解されよう。したがって、UE1およびUE3は、第1のパケットデータネットワークエンドポイント162(たとえば、SGSN、GGSN、PDSN、ホームエージェント(HA)、外部エージェント(FA)などに対応し得る)によってサービスされる部分でRAN120に接続する。第1のパケットデータネットワークエンドポイント162は、次に、ルーティングユニット188を介して、インターネット175、および/または認証、認可、およびアカウンティング(AAA)サーバ182、プロビジョニングサーバ184、インターネットプロトコル(IP)マルチメディアサブシステム(IMS)/セッション開始プロトコル(SIP)登録サーバ186、および/またはアプリケーションサーバ170のうちの1つまたは複数に接続する。UE2およびUE5…Nは、第2のパケットデータネットワークエンドポイント164(たとえば、SGSN、GGSN、PDSN、FA、HAなどに対応し得る)によってサービスされる部分でRAN120に接続する。第1のパケットデータネットワークエンドポイント162と同様に、第2のパケットデータネットワークエンドポイント164は、次に、ルーティングユニット188を介して、インターネット175、および/またはAAAサーバ182、プロビジョニングサーバ184、IMS/SIP登録サーバ186、および/またはアプリケーションサーバ170のうちの1つまたは複数に接続する。UE4は、直接インターネット175に接続し、次いでインターネット175を介して、上記のシステム構成要素のうちのいずれかに接続することができる。
【0028】
図2Bを参照すると、UE1、UE3、およびUE5…Nは、ワイヤレス携帯電話として示され、UE2は、ワイヤレスタブレット型PCとして示され、UE4は、有線のデスクトップステーションとして示されている。しかしながら、他の実施形態では、ワイヤレス通信システム100は任意のタイプのUEに接続することができ、図2Bに示される例は、システム内に実装され得るUEのタイプを制限するものではないことが諒解されよう。また、AAA182、プロビジョニングサーバ184、IMS/SIP登録サーバ186、およびアプリケーションサーバ170はそれぞれ、構造的に別のサーバとして示されているが、本発明の少なくとも1つの実施形態において、これらのサーバのうちの1つまたは複数は、統合されていてもよい。
【0029】
さらに、図2Bを参照すると、アプリケーションサーバ170は、複数のメディア制御コンプレックス(MCC)1…N170B、および複数の地域ディスパッチャ1…N170Aを含むものとして示されている。一括して、地域ディスパッチャ170AおよびMCC170Bは、アプリケーションサーバ170内に含まれており、これは、少なくとも1つの実施形態において、ワイヤレス通信システム100内の通信セッション(たとえば、IPユニキャストおよび/またはIPマルチキャストプロトコルを介した半二重グループ通信セッション)を調停するように集合的に機能するサーバの分散ネットワークに対応し得る。たとえば、アプリケーションサーバ170によって調停される通信セッションは、理論上、システム100内のどこかに位置するUE間で行われ得るので、調停された通信セッションの待ち時間を減らすために(たとえば、北米のMCCが中国にあるセッション参加者間で媒体をあちこち中継しないように)、複数の地域ディスパッチャ170AおよびMCCが分散される。したがって、アプリケーションサーバ170を参照すると、関連する機能は、地域ディスパッチャ170Aのうちの1つまたは複数、および/またはMCC170Bのうちの1つまたは複数によって実施することができることを諒解されよう。地域ディスパッチャ170Aは、全般的に、通信セッションを確立することに関連する任意の機能(たとえば、UE間のシグナリングメッセージの処理、告知メッセージのスケジューリングおよび/または送信など)を受け持ち、MCC170Bは、通話中シグナリング、調停された通信セッション中の媒体の実際の交換を行うことを含めて、呼インスタンスの間の通信セッションをホストする役目を果たす。
【0030】
図3を参照すると、たとえば携帯電話などのUE200(ここではワイヤレスデバイス)は、プラットフォーム202を有し、プラットフォーム202は、RAN120から送信され、最終的にはコアネットワーク126、インターネット、および/または他のリモートサーバおよびネットワークから来る可能性がある、ソフトウェアアプリケーション、データ、および/またはコマンドを受信し、実行することができる。プラットフォーム202は、特定用途向け集積回路(「ASIC」208)または他のプロセッサ、マイクロプロセッサ、論理回路、または他のデータ処理デバイスに動作可能に結合されたトランシーバ206を含むことができる。ASIC208または他のプロセッサは、ワイヤレスデバイスのメモリ212内の任意の常駐プログラムとインターフェースするアプリケーションプログラミングインターフェース(「API」)210層を実行する。メモリ212は、読取り専用またはランダムアクセスメモリ(RAMおよびROM)、EEPROM、フラッシュカード、またはコンピュータプラットフォームに共通の任意のメモリから構成することができる。プラットフォーム202は、メモリ212においてあまり使用されないアプリケーションを保持することができるローカルデータベース214も含み得る。ローカルデータベース214は、一般的に、フラッシュメモリセルであるが、たとえば磁気媒体、EEPROM、光学媒体、テープ、ソフトまたはハードディスクなど、当技術分野で知られている任意の二次記憶デバイスとすることができる。内部プラットフォーム202の構成要素は、当技術分野で知られているように、構成要素の中でも、アンテナ222、ディスプレイ224、プッシュツートークボタン228、およびキーパッド226などの外部デバイスに動作可能に結合されてもよい。
【0031】
したがって、本発明の一実施形態は、本明細書で説明した機能を実行する能力を含むUEを含むことができる。当業者ならば諒解するように、様々な論理素子は、本明細書で開示する機能を行うために、個別の要素、プロセッサ上で実行されるソフトウェアモジュール、またはソフトウェアとハードウェアの任意の組合せに組み込むことができる。たとえば、ASIC208、メモリ212、API210、およびローカルデータベース214はすべて、本明細書で開示する様々な機能をロードし、記憶し、実行するために協働的に使用することができ、したがって、これらの機能を実行するロジックは、様々な要素上に分散され得る。代わりに、機能を1つの個別部品に組み込むことができる。したがって、図3のUE200の特徴は、単に例示にすぎないものとみなされ、本発明は、示された特徴または構成に限定されない。
【0032】
UE102またはUE200とRAN120との間のワイヤレス通信は、たとえば符号分割多元接続(CDMA)、W-CDMA、時分割多元接続(TDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、直交周波数分割多元(OFDM)、Global System for Mobile Communications (GSM(登録商標))、またはワイヤレス通信ネットワークまたはデータ通信ネットワークで使用され得る他のプロトコルなど、異なる技術に基づき得る。たとえば、W-CDMAでは、データ通信は、一般的に、クライアントデバイス102、ノードB124、およびRNC122の間である。RNC122は、コアネットワーク126、PSTN、インターネット、仮想専用ネットワーク、SGSN、GGSNなど複数のデータネットワークに接続することができ、したがって、UE102またはUE200は、より広い通信ネットワークにアクセスすることができる。上記で説明し、当技術分野で知られているように、ボイス送信、および/またはデータは、様々なネットワークおよび構成を使用してRANからUEに送信することができる。したがって、本明細書で提供する例は、本発明の実施形態を限定するためのものではなく、単に本発明の実施形態の態様の説明を助けるためのものにすぎない。
【0033】
以下、本発明の実施形態は、全般的に、W-CDMAプロトコルおよび関連する用語に従って説明される(たとえば、移動局(MS)、モバイルユニット(MU)、アクセス端末(AT)などの代わりにUE、EV-DOでのBSCとは異なりRNC、EV-DOでのBSまたはMPT/BSとは異なりノードBなど)。しかしながら、W-CDMA以外のワイヤレス通信プロトコルに関連して本発明の実施形態をどのように適用することができるかは、当業者によって容易に諒解されよう。
【0034】
従来のサーバ調停型通信セッション(たとえば、半二重プロトコル、全二重プロトコル、VoIP、グループ・セッション・オーバーIPユニキャスト、グループ・セッション・オーバーIPマルチキャスト、プッシュツートーク(PTT)セッション、プッシュツートランスファー(PTX)セッションなどを介する)では、セッションまたは呼発信者は、アプリケーションサーバ170に通信セッションを開始する旨の要求を送り、アプリケーションサーバ170は次いで、呼の1つまたは複数のターゲットに送信するために、呼告知メッセージをRAN120に転送する。
【0035】
ユーザ機器(UE)は、ユニバーサル移動通信サービス(UMTS)地上波無線アクセスネットワーク(UTRAN)(たとえば、RAN120)において、アイドルモードまたは無線リソース制御(RRC)接続モードのいずれかとすることができる。
【0036】
UEモビリティおよびアクティビティに基づいて、RRC接続モードである間、RAN120は、いくつかのRRC下位状態、すなわちCELL_PCH、URA_PCH、CELL_FACH、およびCELL_DCH状態の間で移行するようUEに指示することができ、これらは次のように特徴づけることができる。
CELL_DCH状態では、アップリンクおよびダウンリンクにおいて、UEには専用物理チャネルが割り振られ、UEは、その現在のアクティブセットによってセルレベルで認識され、UEには専用トランスポートチャネル、ダウンリンクおよびアップリンク(TDD)共有トランスポートチャネルが割り当てられており、これらのトランスポートチャネルの組合せをUEによって使用することができる。
CELL_FACH状態では、UEには専用物理チャネルは割り振られず、UEは、順方向アクセスチャネル(FACH)を連続的に監視し、UEは、アップリンクにおけるデフォルトの共通または共有トランスポートチャネル(たとえば、チャネルを取得し、送信電力を調整するための電力ランプアップ手順による競合ベースのチャネルであるランダムアクセスチャネル(RACH))が割り当てられ、UEはそのトランスポートチャネルのアクセス手順に従って送信することができ、UEの位置は、UEが前のセル更新を最後に行ったセルによってセルレベルでRAN120によって認識され、TDDモードでは、1つまたは複数のUSCHまたはDSCHトランスポートチャネルが確立されている可能性がある。
CELL_PCH状態では、UEには専用物理チャネルは割り振られず、UEは、アルゴリズムでPCHを選択し、関連するPICHを介して選択されたPCHを、DRXを使用して監視し、アップリンクアクティビティは不可であり、UEの位置は、UEがCELL_FACH状態でセル更新を最後に行ったセルによってセルレベルでRAN120によって認識される。
URA_PCH状態では、UEには専用物理チャネルは割り振られず、UEは、アルゴリズムでPCHを選択し、関連するPICHを介して選択されたPCHを、DRXを使用して監視し、アップリンクアクティビティは不可であり、UEの位置は、CELL_FACH状態で最後のURA更新中にUEに割り当てられたUTRAN登録エリア(URA)によって登録エリアレベルでRAN120に認識される。
【0037】
したがって、URA_PCH状態(またはCELL_PCH状態)は、UEが定期的に起動して、ページングインジケータチャネル(PICH)、および必要な場合、関連するダウンリンクページングチャネル(PCH)をチェックする休止状態に対応し、セル再選択、定期的なセル更新、アップリンクデータ送信、ページング応答、再度入ったサービスエリアのイベントについては、UEは、CELL_FACH状態に入ってセル更新メッセージを送ることができる。CELL_FACH状態では、UEは、ランダムアクセスチャネル(RACH)上でメッセージを送り、順方向アクセスチャネル(FACH)を監視することができる。FACHは、RAN120からのダウンリンク通信を運び、セカンダリ共通制御物理チャネル(S-CCPCH)にマップされる。CELL_FACH状態から、UEは、CELL_FACH状態でのメッセージングに基づいてトラフィックチャネル(TCH)が得られた後、CELL_DCH状態になり得る。無線リソース制御(RRC)接続モードでの従来の専用トラフィックチャネル(DTCH)からトランスポートチャネルへのマッピングを示す表が、次の通り、Table 1(表1)に示される。
【0038】
【表1】

【0039】
表記(rel. 8)および(rel. 7)は、関連する3GPPリリースを示し、監視またはアクセスのために、示されたチャネルが導入されている。
【0040】
アプリケーションサーバ170によって調停される通信セッションは、少なくとも1つの実施形態では、遅延敏感または高優先度のアプリケーションおよび/またはサービスに関連付けられ得る。たとえば、アプリケーションサーバ170は、少なくとも1つの実施形態ではPTTサーバに対応することができ、PTTセッションにおける重要な基準は、高速セッションセットアップ、およびセッションの全体にわたって所与のレベルのサービス品質(QoS)を維持することであることが諒解されよう。
【0041】
上記で説明したように、RRC接続モードで、所与のUEは、RAN120とデータを交換するためにCELL_DCHまたはCELL_FACHのいずれかで動作することができ、それによって、所与のUEはアプリケーションサーバ170に達することができる。上記のように、CELL_DCH状態では、アップリンク/ダウンリンク無線ベアラは、専用物理チャネルリソース(たとえば、UL DCH、DL DCH、E-DCH、F-DPCH、HS-DPCCHなど)を消費する。これらのリソースの一部は、高速共有チャネル(すなわち、HSDPA)の操作のためにも消費される。CELL_FACH状態では、アップリンク/ダウンリンク無線ベアラは、共通トランスポートチャネル(RACH/FACH)にマップされる。それによって、CELL_FACH状態では、専用物理チャネルリソースの消費はない。
【0042】
従来、RAN120は、実質的にRAN120(たとえば、RAN120のサービングRNC122)で測定される、または1つまたは複数の測定報告で所与のUE自体から報告されるトラフィック量に基づいて、CELL_FACHとCELL_DCHとの間で所与のUEを移行させる。具体的には、アップリンクにおいて測定され、および/または報告される、または、ダウンリンクにおいて測定され、および/または報告されるUEの関連するトラフィック量がCELL_DCH状態への移行を決定するためにRAN120によって使用されるEvent 4a閾値のうちの1つまたは複数よりも高いとき、RAN120は、従来、特定のUEをCELL_FACH状態からCELL_DCH状態に移行させるように構成することができる。
【0043】
しかしながら、UEのCELL_DCHへの移行をトリガするためのトラフィック量が不十分である間、アプリケーションサーバ170に移動する、またはアプリケーションサーバ170から移動するかなりの量のトラフィックが遅延敏感であり得る(たとえば、待ち時間、ジッタなどを低減するための高QoS要件)。したがって、本発明の少なくとも1つの実施形態において、RAN120は、図4A〜図4Fを参照して後述するように、(i)UE向けのアプリケーションサーバ170からの指定された無線アクセスベアラ(RAB)(または対応するRB)についてのダウンリンク上での1つまたは複数のデータパケットを受信する、または(ii)アプリケーションサーバ170向けの指定されたRBについてのアップリンク上でのUEからの1つまたは複数のデータパケットを受信するときはいつでも、UEをCELL_DCH状態に移行させるように構成され得る。
【0044】
RAN120によって(たとえば、RAN120のサービングRNCによって)CELL_FACH状態とCELL_DCH状態との間で所与のUEが移行されるプロセスについて、図4Aに関して説明する。特に、図4A(ならびに以下で説明する他の図)は、本発明の一実施形態による、システム100が広帯域符号分割多元接続(W-CDMA)を使用するユニバーサルモバイル通信システム(UMTS)に対応するUE状態移行プロセスを示す。しかしながら、図4A(および以下で説明する他の図)がどのようにW-CDMA以外のプロトコルによる通信セッションを対象とし得るかは、当業者であれば諒解されよう。さらに、アプリケーションサーバ170がPTTサーバに対応する、本明細書で言及するいくつかのシグナリングメッセージについて説明する。しかしながら、他の実施形態が、システム100のUEにPTT以外のサービス(たとえば、プッシュツートランスファー(PTX)サービス、VoIPサービス、グループ-テキストセッションなど)を提供するサーバを対象とし得ることは諒解されよう。したがって、本発明の実施形態は、高QoSおよび/または他の場合遅延敏感から利益を得る任意のサービスを対象としており、この場合、関連するUEのCELL_DCHへの移行を引き起こすために、サービスのための通常のトラフィック量が必ずしもEvent 4a TVM閾値を超えるというわけではない。
【0045】
図4Aを参照すると、RAN120(たとえば、RAN120のサービングRNC)は、400Aで所与のUEに関連付けられたデータパケットを受信する。一例では、受信されたデータパケットは、アプリケーションサーバ170から受信することができ、所定のUEを対象にすることができ、その場合、所与のUEは、データパケットのターゲットUEに対応する。代替例では、受信されたデータパケットは、所与のUEから受信することができ、アプリケーションサーバ170を対象にすることができ、その場合、所与のUEは、データパケットの発信側UEに対応する。
【0046】
400Aでデータパケットを受信すると、RAN120は、405Aで、データパケットが高QoSおよび/または遅延敏感RBに関連付けられているかどうかを決定するために、データパケットのRBを評価する。RAN120は、410Aで、データパケットが高QoS RBに関連付けられていないことを決定した場合、415Aで、データパケットに関連付けられた所与のUEをCELL_DCH状態に移行させない。そうではなく、RAN120は、データパケットが高QoS RBに関連付けられていることを決定した場合、420Aで、データパケットに関連付けられた所与のUEをCELL_DCH状態に移行させる。
【0047】
また、所定のUEのCELL_DCHへの移行をトリガするデータパケットが受信されたことを検出すると、425Aで、RAN120は、所与の満了期間を有するタイマーを開始する。所与の満了期間は、所与のUEのトラフィック量によって所与のUEが通常はCELL_DCH状態のままでいることが許可されないとしても、UEがCELL_DCH状態のままでいることが許可される期間に対応する。425Aのタイマーの開始が420AのCELL_DCHへの移行の後に行われるものとして示されているが、これらの操作の順序は、本発明の他の実施形態では逆に行う、または同時に行うことができることを諒解されよう。
【0048】
425Aでタイマーを開始した後、RAN120は、430Aで、タイマーの満了前にRAN120で所与のUEに関連付けられた別のデータパケット(たとえば、UEに送信するためのもの、または所与のUEから受信されるためのもの)が受信されたかどうかを決定する。タイマーの満了前にデータパケットが受信されなかった場合、435Aで、RAN120は、所与のUEをCELL_DCH状態から移行させる(たとえば、CELL_FACH状態に戻す、CELL_PCHまたはURA_PCH状態に移行させる)。そうではなく、タイマーの満了前にデータパケットが受信された場合、RAN120は、405Aの前のデータパケットの評価と同様に、440Aで、データパケットが高QoSおよび/または遅延敏感RBに関連付けられているかどうかを決定するために、データパケットのRBを評価する。
【0049】
RAN120は、445Aで、データパケットが高QoS RBに関連付けられていないことを決定した場合、450Aで、タイマーが満了したかどうかを決定する。RAN120は、450Aで、タイマーが満了していることを決定した場合、435Aで、所与のUEをCELL_DCH状態から移行させる。そうではなく、タイマーが満了していることをRAN120が決定した場合、プロセスは430Aに戻り、タイマー(リセットされていない)は稼働し続ける。445Aに戻り、RAN120は、データパケットが高QoS RBに関連付けられていることを決定した場合、455Aで、タイマーをリセットし、所与のUEをCELL_DCH状態に維持し、その後、プロセスは430Aに戻り、タイマー(リセットされていない)は稼働し続ける。
【0050】
図4Bは、本発明の一実施形態による、発信側UEをCELL_DCH状態に移行させるプロセスを示す。特に、図4Bは、図4Aのプロセスの例示的な一実装形態を示す。
【0051】
図4Bを参照すると、400Bで所与のUE(「発信側UE」)がURA_PCHまたはCELL_PCH状態で動作しており、405Bおよび410Bで所与のUEがセル更新手順を実行し、それによって、セル更新手順後、415Bで、CELL_FACH状態に移行すると仮定する。CELL_FACH状態である間、所与のUEは、(たとえば、所与のUEのユーザがPTTボタンを押すことに応答して)アプリケーションサーバ170によって調停すべき通信セッションを開始することを決定し、それによって、所与のUEは、420Bおよび425Bで、RAN120にRACH上で呼要求メッセージの無線リンク制御(RLC)パケットデータユニット(PDU)を送信する。RAN120は、420Bおよび425Bで、所与のUEからRACH上で呼要求メッセージのRLC PDUを受信し、430Bで、アプリケーションサーバ170に呼要求メッセージを転送する。
【0052】
図4Bの実施形態では、一例では、420Bの送信は、呼要求の第1のRLC PDUに対応し、425Bの送信は、呼要求の第2のRLC PDUに対応する。一例では、所与のUEは、呼要求メッセージのサイズにより、異なるオーバージエア(OTA)送信で所与の間隔で呼要求メッセージの複数のRLC PDUを送信するように構成され得る。次いで、RAN120は、呼要求メッセージの複数のRLC PDUを統合して、430Bで、単一の呼要求メッセージを、有線リンクを介してアプリケーションサーバ170に送る。
【0053】
諒解されるように、425Bでの呼要求メッセージの第2のRLC PDUの受信は、図4Bの実施形態では、図4Aの400Aで受信されたデータパケットに対応する。したがって、所与のUEから呼要求メッセージを受信する(または呼要求メッセージの最終的なRLC PDUを受信する)と、RAN120は、(たとえば、関連するRB識別子(ID)をチェックすることによって)呼要求メッセージを評価し、(たとえば、図4Aの405Aの場合のように)435Bで、呼要求メッセージが高QoS(たとえば、低遅延および低ジッタ)を必要とするRBに関連付けられていることを決定する。
【0054】
たとえば、PTTなど、QoS集約的サービスを提供するアプリケーションサーバ170とRBとの関連付けによって、RAN120を、呼要求メッセージのRB IDが高QoSに関連付けられていることがわかるように事前に構成することができる。上記のように、アプリケーションサーバ170のRB IDが高QoSの指示にマップされるように、RAN120でRB IDを事前に構成することができる。所与のUEが(アプリケーションサーバ170に)RAB上でパケットを送っている旨のRAN120(たとえば、具体的には、RAN120のサービングRNC)の決定は、所与のUEのCELL_DCH状態への移行をトリガするよう機能する。
【0055】
したがって、RAN120は、(たとえば図4Aの425Aの場合のように)440Bで、所与の満了期間を有するタイマーを開始し、次いで、445Bで、FACHを介して所与のUEにチャネル再構成メッセージを送信することによって、所与のUEのCELL_DCH状態への移行を容易にする。諒解されるように、チャネル再構成メッセージは、無線ベアラ、トランスポートチャネル、または物理チャネルが再構成すべき所与のUEの上位層であるかどうかに基づいて、無線ベアラ(RB)再構成メッセージ、トランスポートチャネル(TCH)再構成メッセージ、または物理チャネル(PhyCh)再構成メッセージとして構成することができる。
【0056】
445Bのチャネル再構成メッセージを受信すると、所与のUEは、450Bで、CELL_FACH状態からCELL_DCH状態に移行する。図4Bには示されていないが、450Bの移行は、チャネル再構成メッセージを復号すること、L1同期手順などを含むことができる。次いで所与のUEは、455Bで、チャネル再構成完了メッセージを逆方向リンクDCHまたはE-DCH上でRAN120に送ることによってチャネル再構成メッセージに応答する。
【0057】
図4Cは、別の本発明の実施形態による、発信側UEをCELL_DCH状態に移行させるプロセスを示す。特に、図4Cは、図4Aのプロセスの別の例示的な実装形態を示す。
【0058】
図4Cを参照すると、400C〜420Cはそれぞれ、図4Bの400B〜420Bに対応し、したがって、簡潔のためにこれ以上は説明しない。図4Cの実施形態では、図4Bの425Bで行われるものとして示される呼要求メッセージの第2のRLC PDUの送信は、この時点ではまだ行われない。たとえば、RAN120のサービングRNCは、呼要求メッセージの第2のRLC PDUが発信側UEによって送られる前に、RAN120が呼要求メッセージの第1のRLC PDUに応答するように、呼要求メッセージの第1のRLC PDUを十分な速度で処理することができる。
【0059】
したがって、呼要求メッセージの第2のRLC PDUが送信される前に、次に425C〜445Cが実行され、425C〜445Cはそれぞれ、図4Bの435B〜455Bに対応する。この時点で、所与のUEがCELL_DCH状態に移行した後、所与のUEは、450Cで、呼要求メッセージの第2のRLC PDUを送信する。所与のUEは現在CELL_DCH状態であるので、450Cの送信は、逆方向リンクDCHまたはE-DCH上で行われる。450Cで呼要求メッセージの第2のRLC PDUを受信した後、RAN120は、455Cで、アプリケーションサーバ170に呼要求メッセージを転送する。また、この時点で、RAN120は、呼要求メッセージを評価し、460Cで、呼要求メッセージがアプリケーションサーバ170のRB-IDにマップされることを決定し、(たとえば、図4Aの440A、445A、および455Aの場合のように)465Cでタイマーをリセットする。
【0060】
図4Bおよび図4Cは、発信側UEとアプリケーションサーバ170との間のトラフィックに応答したCELL_DCH状態への発信側UEの移行に関連するが、図4Dは、アプリケーションサーバ170がターゲットUEに送るべきデータ(たとえば、告知メッセージ)を有するときのターゲットUEのCELL_DCH状態への移行を対象とする。
【0061】
図4Dを参照すると、アプリケーションサーバ170が所与のUE(「ターゲットUE」)への通信セッションを開始するよう要求され、400Dで、ターゲットUEがCELL_FACHで動作していると仮定する。諒解されるように、ターゲットUEがまだCELL_FACH状態ではない代替実施形態では、ターゲットUEを、ページングし、セル更新手順を介してCELL_FACH状態に移行させることができる。したがって、405Dで、アプリケーションサーバ170は、呼告知メッセージをRAN120に送り、RAN120は、FACH上でターゲットUEに呼告知メッセージを送信する。また、アプリケーションサーバ170から呼告知メッセージを受信すると、RAN120は、(たとえば、関連するRB IDをチェックすることによって)呼告知メッセージを評価し、(たとえば、図4Aの405Aの場合のように)415Cで、呼告知メッセージが高QoS(たとえば、低遅延および低ジッタ)を必要とするRBに関連付けられていることを決定する。
【0062】
たとえば、PTTなど、QoS集約的サービスを提供するアプリケーションサーバ170とRBとの関連付けによって、RAN120を、呼告知メッセージのRB IDが高QoSに関連付けられていることがわかるように事前に構成することができる。上記のように、アプリケーションサーバ170のRB IDが高QoSの指示にマップされるように、RAN120でRB IDを事前に構成することができる。アプリケーションサーバ170が(アプリケーションサーバ170の)RAB上でパケットを送っている旨のRAN120(たとえば、具体的には、RAN120のサービングRNC)の決定は、ターゲットUEのCELL_DCH状態への移行をトリガするよう機能する。
【0063】
したがって、RAN120は、(たとえば図4Aの425Aの場合のように)420Dで、所与の満了期間を有するタイマーを開始し、425Dで、FACHを介して所与のUEにチャネル再構成メッセージを送信することによって、所与のUEのCELL_DCH状態への移行を容易にする。諒解されるように、チャネル再構成メッセージは、無線ベアラ、トランスポートチャネル、または物理チャネルが再構成すべき所与のUEの上位層であるかどうかに基づいて、無線ベアラ(RB)再構成メッセージ、トランスポートチャネル(TCH)再構成メッセージ、または物理チャネル(PhyCh)再構成メッセージとして構成することができる。
【0064】
425Dのチャネル再構成メッセージを受信すると、所与のUEは、430Dで、CELL_FACH状態からCELL_DCH状態に移行する。図4Dには示されていないが、430Dの移行は、チャネル再構成メッセージを復号すること、L1同期手順などを含むことができる。次いで所与のUEは、435Dで、チャネル再構成完了メッセージを逆方向リンクDCHまたはE-DCH上でRAN120に送ることによってチャネル再構成メッセージに応答する。次いで、所与のUEは、440Dで、逆方向リンクDCHまたはE-DCH上でRAN120に告知ACKメッセージを送り、RAN120は、445Dで、告知ACKメッセージをアプリケーションサーバ170に転送する。また、RAN120は、440Dの告知ACKメッセージを評価し、450Dで、告知ACKメッセージがアプリケーションサーバ170のRB-IDにマップされることを決定し、(たとえば、図4Aの440A、445A、および455Aの場合のように)455Dでタイマーをリセットする。
【0065】
図4E〜図4Gは、図4Aの例示的な実装形態を示しており、所与のUE(たとえば、ターゲットUEまたは発信側UE)とアプリケーションサーバ170との間の通信セッション中に、RAN120が、CELL_FACH状態とCELL_DCH状態との間で所与のUEを選択的に移行させるために、タイマーの監視と連動して、それらの間で交換されるデータパケットを評価する。
【0066】
図4Eを参照すると、所与のUEは、すでにCELL_DCH状態であり、400Eで、アプリケーションサーバ170との通信セッションに従事していると仮定する。したがって、所与のUEは、405Eで、高QoS RB(たとえば、アプリケーションサーバ170に関連付けられたRB)で、逆方向リンクDCHまたはE-DCH上で、データパケット#Nを送信する。RAN120は、データパケット#Nを受信し、410Eで、データパケット#Nをアプリケーションサーバ170に転送する。
【0067】
また、RAN120は、405Eのデータパケット#Nを評価し、415Eで、データパケット#Nをアプリケーションサーバ170のRB-IDにマップすることを決定し、それによって、RAN120は、図4Aの場合のように、420Eで、タイマーを開始またはリセットする。たとえば、所与のUEが発信側UEであり、データパケット#Nが最初の呼要求メッセージに対応する場合、420Eは、図4Aの425Aの場合のように、タイマーを開始することに対応する。別の例では、前のデータパケットに基づいて、所与のUEについて、CELL_DCH移行タイマーがすでに稼働中である場合、420Eは、図4Aの455Aの場合のように、タイマーをリセットすることに対応する。
【0068】
次に、所与のUEは、425E、430E、および435Eで、所与のUEから、アップリンクトラフィック量が所与の閾値を下回ることを示す(Event 4b)についての定期的な測定報告を送信する。しかしながら、実際のデータパケットは、この期間中、所与のUEに、または所与のUEから送られない。420Eで開始したタイマーが満了していない限り、RAN120は、(たとえばEvent 4bの測定報告を受信しても、従来はCELL_DCHからの移行をトリガすることになるが)UEをCELL_DCHから移行させない。ある時点において、タイマーは、(たとえば、450Aの場合のように)440Eで、RAN120で満了する。次いでこれは、445Eで、DCHまたはHS-DSCH上でチャネル再構成メッセージを送ることによって、所与のUEをCELL_DCH状態からCELL_FACH状態に移行させるようRAN120をトリガする。所与のUEは、445Eのチャネル再構成メッセージを受信し、450Eで、それ自体をCELL_FACH状態に移行させ、その後、所与のUEは、455Eで、RACH上でRB再構成完了メッセージをRAN120に送信する。
【0069】
図4Fを参照すると、400F〜430Fは、図4Eの400E〜430Eに対応し、したがって、簡潔のためにこれ以上は説明しない。次に、タイマーの満了前に、所与のUEは、435Fで、高QoS RB(たとえば、アプリケーションサーバ170に関連付けられたRB)で、逆方向リンクDCHまたはE-DCH上で、データパケット#N+1を送信する。RAN120は、データパケット#N+1を受信し、440Fで、データパケット#N+1をアプリケーションサーバ170に転送する。RAN120は、435Fのデータパケット#N+1を評価し、445Fで、データパケット#N+1をアプリケーションサーバ170のRB-IDにマップすることを決定し、それによって、RAN120は、図4Aの445Aの場合のように、450Fで、タイマーをリセットする。
【0070】
図4Gは、通信セッション中、図4Gに示されるUEがデータパケット(たとえばメディアパケット)を受信しているターゲットUEにより明確に対応することを除いて、いくつかの点で図4Eに類似する。さらなる一例では、図4Gは、図4Dのプロセスの継続を潜在的に表し得る。
【0071】
図4Gを参照すると、ターゲットUEは、すでにCELL_DCH状態であり、400Gで、アプリケーションサーバ170との通信セッションに従事していると仮定する。したがって、アプリケーションサーバ170は、405Gで、高QoS RBで、データパケット#NをRAN120に転送し、RAN120は、410Gで、順方向リンクDCHまたはE-DCHで、データパケット#NをターゲットUEに送信する。RAN120は、405Gのデータパケット#Nを評価し、415Gで、データパケット#Nをアプリケーションサーバ170のRB-IDにマップすることを決定し、それによって、RAN120は、図4Aの場合のように、420Gで、タイマーを開始またはリセットする。
【0072】
次に、アプリケーションサーバ170は、425Gで、高QoS RBで、別のデータパケット#N+1をRAN120に転送し、RAN120は、430Gで、順方向リンクDCHまたはE-DCHで、データパケット#N+1をターゲットUEに送信する。RAN120は、425Gのデータパケット#N+1を評価し、435Gで、データパケット#N+1をアプリケーションサーバ170のRB-IDにマップすることを決定し、それによって、RAN120は、440Gで、タイマーをリセットする。
【0073】
本発明の上記で説明した実施形態における参照は、全体的に、「呼」および「セッション」の用語を互換的に使用しているが、任意の呼および/またはセッションは、異なる当事者間の実際の呼を含むものとして、または技術的に「呼」とみなされない可能性があるデータトランスポートセッションの代わりとして解釈されるものとすることを諒解されよう。また、上記実施形態は、全体的に、PTTセッションに関して説明されているが、他の実施形態は、たとえばプッシュツートランスファー(PTX)セッション、緊急VoIP呼など、任意のタイプの通信セッションを対象としてもよい。
【0074】
情報および信号は、多種多様な技術および技法のいずれかを使用して表すことができることを当業者は諒解されよう。たとえば、上記説明の全体にわたって参照され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁界または磁性粒子、光場または光学粒子、またはそれらの任意の組合せによって表すことができる。
【0075】
さらに、本明細書で開示した実施形態に関連して説明した様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両方の組合せとして実装できることを、当業者は諒解されよう。ハードウェアおよびソフトウェアのこの互換性を明確に示すために、様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップについて、それらの機能に関して概括的に上記で説明してきた。こうした機能がハードウェアとして実装されるか、ソフトウェアとして実装されるかは、特定の適用例、およびシステム全体に課せられる設計制約に依存する。当業者は説明した機能を特定の適用例ごとに様々な方法で実装することができるが、こうした実装の決定は、本発明の範囲からの逸脱をもたらすものと解釈されないものとする。
【0076】
本明細書で開示する実施形態に関して説明する様々な例示的な論理ブロック、モジュール、および回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートまたはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、または本明細書で説明する機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せで実装または実行することができる。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサでもよいが、代替として、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシンでもよい。プロセッサは、たとえばDSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連動する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成など、コンピューティングデバイスの組合せとして実装することもできる。
【0077】
本明細書で開示する実施形態に関して説明する方法、シーケンス、および/またはアルゴリズムは、直接ハードウェアにおいて、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールにおいて、または2つの組合せにおいて具現化することができる。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、取外し可能ディスク、CD-ROM、または当技術分野で知られている任意の他の形態の記憶媒体に常駐していてもよい。例示的な記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取ることができ、情報を書き込むことができるようにプロセッサに結合される。代替として、記憶媒体は、プロセッサに一体化されていてもよい。プロセッサおよび記憶媒体は、ASICに常駐していてもよい。ASICは、ユーザ端末(たとえば、アクセス端末)に常駐していてもよい。代替として、プロセッサおよび記憶媒体は、ユーザ端末の個別構成要素として常駐していてもよい。
【0078】
1つまたは複数の例示的な実施形態では、説明した機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せで実装できる。ソフトウェアで実装した場合、これらの機能をコンピュータ可読媒体上の1つまたは複数の命令もしくはコードに記憶し、またはそれを介して送信することができる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体と通信媒体の両方を含み、ある位置から別の位置へのコンピュータプログラムの転送を容易にするあらゆる媒体を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされ得る任意の使用可能な媒体とすることができる。限定ではなく、例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROM、または他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置もしくは他の磁気記憶デバイス、または命令もしくはデータ構造の形式で所望のプログラムコードを運び、または記憶するために使用でき、コンピュータによってアクセスされ得る任意の他の媒体を含むことができる。また、任意の接続は、厳密には、コンピュータ可読媒体と呼ばれる。たとえば、ソフトウェアが同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、またはたとえば赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術を使用してウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術は媒体の定義内に含まれる。本明細書で使用する場合、ディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(CD)、レーザディスク、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フレキシブルディスク、およびブルーレイディスクを含み、ディスク(disk)は、通常、磁気的にデータを再生し、ディスク(disc)は、レーザで光学的にデータを再生する。上記の組合せもコンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるものとする。
【0079】
上記の開示は本発明の例示的な実施形態を示すが、添付の特許請求の範囲によって定義された本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更および修正を本明細書において加えることができることを留意されたい。本明細書で説明する本発明の実施形態による機能、ステップ、および/または方法クレームのアクションが任意の特定の順序で実行される必要はない。さらに、本発明の要素は、単数で記載され、または請求されているが、単数への制限が明示的に述べられない限り、複数は企図される。
【符号の説明】
【0080】
100 ワイヤレス通信システム
102 携帯電話
104 エアインターフェース
108 携帯情報端末
110 ページャ
112 コンピュータプラットフォーム
120 無線アクセスネットワーク
122 RNC
124 ノードB
126 コアネットワーク
160 サービングGPRSサポートノード
162 第1のパケットデータネットワークエンドポイント
164 第2のパケットデータネットワークエンドポイント
165 ゲートウェイGPRSサポートノード
170 アプリケーションサーバ
170A 地域ディスパッチャ
170B メディア制御コンプレックス
175 インターネット
182 認証、認可、およびアカウンティング(AAA)サーバ
184 プロビジョニングサーバ
186 インターネットプロトコル(IP)マルチメディアサブシステム(IMS)/セッション開始プロトコル(SIP)登録サーバ
188 ルーティングユニット
200 UE
202 プラットフォーム
206 トランシーバ
208 ASIC
210 API
212 メモリ
214 ローカルデータベース
222 アンテナ
224 ディスプレイ
226 キーパッド
228 プッシュツートークボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所与のワイヤレス通信プロトコルに従って動作するワイヤレス通信システム内の通信セッションをサポートするように構成されたアクセスネットワークを動作させる方法であって、
専用チャネル状態のユーザ機器(UE)と、前記UEと少なくとも1つの他のUEとの間の通信セッションを調停しているアプリケーションサーバとの間の所与のタイプの無線ベアラに関連付けられたトラフィックを監視するステップと、
前記所与のタイプの前記無線ベアラに関連付けられた前記監視されたトラフィックに基づいて、前記UEを前記専用チャネル状態から選択的に移行させるステップと
を含む方法。
【請求項2】
監視する前記ステップが、前記所与のタイプの前記無線ベアラに関連付けられた第1のデータパケットを検出し、
監視する前記ステップが前記第1のデータパケットを検出した後、所与の満了期間を有するタイマーを開始するステップ
をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記タイマーの満了前に前記所与のタイプの前記無線ベアラに関連して、1つまたは複数の追加のデータパケットが検出されたかどうかを決定するステップ
をさらに含む請求項2に記載の方法。
【請求項4】
決定する前記ステップが、前記タイマーの満了前に前記所与のタイプの前記無線ベアラに関連して、追加のデータパケットが検出されないことを決定する請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記決定に応答して、選択的に移行させる前記ステップが、前記UEを前記専用チャネル状態から移行させる
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記UEを前記専用チャネル状態から移行させる前記ステップが、前記UEをCELL_FACH状態、CELL_PCH状態、またはURA_PCH状態に移行させる請求項5に記載の方法。
【請求項7】
決定する前記ステップが、前記タイマーの満了前に前記所与のタイプの前記無線ベアラに関連して、前記1つまたは複数の追加のデータパケットが検出されたことを決定する請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記決定に応答して、選択的に移行させる前記ステップが、前記UEが前記専用チャネル状態のままでいることを許可する
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記決定に応答して、前記所与の満了期間を有する前記タイマーをリセットするステップと、
前記リセットされたタイマーの間、決定する前記ステップを繰り返すステップと
をさらに含む請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記UEが、前記アプリケーションサーバによる前記通信セッションのセットアップを要求するように構成された呼メッセージの第1の部分を以前送っており、
前記アクセスネットワークが、前記呼メッセージの前記第1の部分に応答して、前記UEを前記専用チャネル状態に移行させており、
前記1つまたは複数の追加のデータパケットが、前記UEによって送られ、前記アプリケーションサーバによる前記通信セッションのセットアップを要求するように構成された前記呼メッセージの第2の部分を含む
請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記呼メッセージの前記第1および第2の部分が、前記呼メッセージの第1および第2の無線リンク制御(RLC)パケットデータユニット(PDU)に対応する請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記アクセスネットワークが、前記UEに前記通信セッションを告知するように構成された呼告知メッセージに応答して、前記UEを前記専用チャネル状態に移行させており、
前記1つまたは複数の追加のデータパケットが、前記呼告知メッセージに対する前記UEからの肯定応答を含む
請求項7に記載の方法。
【請求項13】
前記1つまたは複数の追加のデータパケットが、前記UEによって送信され、前記少なくとも1つの他のUEを対象にした前記通信セッションの1つまたは複数のマルチメディアデータパケットに対応する請求項7に記載の方法。
【請求項14】
前記1つまたは複数の追加のデータパケットが、前記UEへの送信のために、前記アクセスネットワークで受信された前記通信セッションの1つまたは複数のマルチメディアデータパケットに対応する請求項7に記載の方法。
【請求項15】
前記タイマーの満了前に、前記通信セッションに関連付けられており、しかし前記所与のタイプの前記無線ベアラに関連付けられていない1つまたは複数のメッセージを前記UEから受信するステップ
をさらに含み、前記1つまたは複数のメッセージの受信が前記タイマーをリセットするよう機能しない
請求項3に記載の方法。
【請求項16】
前記1つまたは複数のメッセージがアップリンクトラフィック量を示す1つまたは複数の測定報告に対応する請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記UEが前記専用チャネル状態ではない間に、前記UEから、前記アプリケーションサーバによる前記通信セッションのセットアップを要求するように構成された前記呼メッセージの少なくとも一部分を受信するステップと、
前記呼メッセージの前記少なくとも一部分が前記所与のタイプの前記無線ベアラに関連付けられていることを決定するステップと、
前記UEを前記専用チャネル状態に移行させるステップと
をさらに含み、監視する前記ステップ、および選択的に移行させる前記ステップが、移行させる前記ステップの後に行われる
請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記UEが前記専用チャネル状態ではない間に、前記アプリケーションサーバから、前記UEに前記通信セッションを告知するように構成された呼告知メッセージを受信するステップと、
前記呼告知メッセージが前記所与のタイプの前記無線ベアラに関連付けられていることを決定するステップと、
前記UEを前記専用チャネル状態に移行させるステップと
をさらに含み、監視する前記ステップ、および選択的に移行させる前記ステップが、移行させる前記ステップの後に行われる
請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記所与のタイプの前記無線ベアラが、高優先度レベル、高サービス品質(QoS)要求、および/または遅延敏感または低レイテンシトラフィックに関連付けられている無線ベアラに対応する請求項1に記載の方法。
【請求項20】
所与のワイヤレス通信プロトコルに従って動作するワイヤレス通信システム内の通信セッションをサポートするように構成されたアクセスネットワークであって、
専用チャネル状態のユーザ機器(UE)と、前記UEと少なくとも1つの他のUEとの間の通信セッションを調停しているアプリケーションサーバとの間の所与のタイプの無線ベアラに関連付けられたトラフィックを監視するための手段と、
前記所与のタイプの前記無線ベアラに関連付けられた前記監視されたトラフィックに基づいて、前記UEを前記専用チャネル状態から選択的に移行させるための手段と
を含むアクセスネットワーク。
【請求項21】
所与のワイヤレス通信プロトコルに従って動作するワイヤレス通信システム内の通信セッションをサポートするように構成されたアクセスネットワークであって、
専用チャネル状態のユーザ機器(UE)と、前記UEと少なくとも1つの他のUEとの間の通信セッションを調停しているアプリケーションサーバとの間の所与のタイプの無線ベアラに関連付けられたトラフィックを監視するように構成されたロジックと、
前記所与のタイプの前記無線ベアラに関連付けられた前記監視されたトラフィックに基づいて、前記UEを前記専用チャネル状態から選択的に移行させるように構成されたロジックと
を含むアクセスネットワーク。
【請求項22】
所与のワイヤレス通信プロトコルに従って動作するワイヤレス通信システム内の通信セッションをサポートするように構成されたアクセスネットワークによって実行されると、前記アクセスネットワークにアクションを実行させる命令を記録するコンピュータ可読記録媒体であって、前記命令が、
専用チャネル状態のユーザ機器(UE)と、前記UEと少なくとも1つの他のUEとの間の通信セッションを調停しているアプリケーションサーバとの間の所与のタイプの無線ベアラに関連付けられたトラフィックを監視するためのプログラムコードと、
前記所与のタイプの前記無線ベアラに関連付けられた前記監視されたトラフィックに基づいて、前記UEを前記専用チャネル状態から選択的に移行させるためのプログラムコードと
を含むコンピュータ可読記録媒体。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図4F】
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【図4G】
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【公表番号】特表2013−519303(P2013−519303A)
【公表日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−552050(P2012−552050)
【出願日】平成23年2月2日(2011.2.2)
【国際出願番号】PCT/US2011/023433
【国際公開番号】WO2011/097272
【国際公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(507364838)クアルコム,インコーポレイテッド (446)
【Fターム(参考)】