説明

ワイヤーボンディング作業における酸化軽減のためのガス配送システム

【解決手段】 ワイヤーボンディング装置は提供される。前記ワイヤーボンディング装置は、ボンディングツールの中を通って延長するようなワイヤーの一端に、フリーエアボールを形成するようなボンディングツール、及び電極を含むものであり、ここで、前記フリーエアボールは前記ワイヤーボンディング装置のフリーエアボール形成領域で形成されるものである。前記ワイヤーボンディング装置は、ワイヤーボンディング作業中に半導体素子を保持するボンドサイト領域をもまた含むものである。前記ワイヤーボンディング装置は、カバーガスを、(1)前記ボンドサイト領域(そこでは、前記カバーガスは、前記ガス配送機構の少なくとも1つの開口部の中を通って噴出されるものである)、及び(2)前記フリーエアボール形成領域へと、提供するように構成されたガス配送機構をもまた含むものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は2008年6月10日付で出願された米国仮特許出願第61/060,189号の利益を主張するものであり、この参照によって当該仮特許出願の内容は本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、半導体素子のワイヤーボンディングに関し、より具体的には、ワイヤーボンディング装置の特定の領域にカバーガスを提供するものである。
【背景技術】
【0003】
様々な半導体素子の製造業者の間では、多くの場合、ワイヤーボンディングの技術は半導体素子の構成要素を接続するのに用いられる。例えば、ワイヤーボンド(またはワイヤーループ)は半導体のダイとリードフレーム上にある接点との間に配線を提供するのに多く使用される。典型的な従来のワイヤーボンディング作業は、(1)(例えばボールボンディングを使って)フリーエアボールをダイ上の第1のボンディング地点にボンディングし、第1のボンドを形成すること、(2)ワイヤーを前記第1のボンドからリードフレーム上の第2のボンディング地点へと延長すること、(3)前記延長されたワイヤーの端部を前記第2のボンディング地点へボンディングし、第2のボンドを形成すること、そして(4)前記ワイヤーを切断することを含む。このようなボールボンディング作業では、電子式フレームオフ(electronic frame off:EFO)ワンド、又は電極、またはこれらと同様のものが、前記フリーエアボールを前記ワイヤーの端部に形成する工程(1)で通常使用される。
【0004】
多くの場合、金ワイヤーは(本質的に酸素に反応しないため)ワイヤーボンディング加工において使用される。しかしながら、特定の用途ではむしろ、より反応性の高い金属(例えば、銅、銀、パラジウム、アルミニウムなど)が使用される。これらのより反応性の高い金属は、例えば、酸素中で反応し、前記ワイヤー(及び、又はまたはワイヤー端部またはテール)に、ワイヤーボンディングには好ましくない酸化物、又は酸化反応を形成することがある。
【0005】
その様な酸化反応の可能性を考慮して、特定のワイヤーボンディングシステムは、前記EFOワンドによる前記フリーエアボール形成中に、ワイヤーの端部にカバーガスを提供するサブシステムを含む。例えば、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6,234,376号はその様なシステムを開示している。
【0006】
加えて、ワイヤーボンディング装置の様々なサブシステムは、ボンドサイト領域におけるボンディングワイヤーの酸化の可能性を軽減する目的で、カバーガスを前記ワイヤーボンディング装置の前記ボンドサイト領域に提供するために使用される。前記ボンドサイト領域にカバーガスを提供する典型的なサブシステムとは、米国特許出願番号第2007/0284421号、及び第2007/0251980号と、米国特許番号第5,265,788号、第5,395,037号、第6,866,182号、及び第7,182,793号を含む。
【0007】
ワイヤーボンディングにおいて、酸化を軽減するような、改良済みの構造を提供することが望まれる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る典型的な実施形態によってワイヤーボンディング装置は提供される。前記ワイヤーボンディング装置は、ボンディングツールと、前記ボンディングツール中を通って延長しているワイヤーの端部にフリーエアボールを形成するような電極とを含み、前記フリーエアボールは前記ワイヤーボンディング装置のフリーエアボール形成領域にて形成されるものである。前記ワイヤーボンディング装置は、ワイヤーボンディング作業中に半導体素子を保持するボンドサイト領域をもまた含むものである。前記ワイヤーボンディング装置は、カバーガスを、(1)前記ボンドサイト領域(カバーガスは前記ガス配送機構の少なくとも一つの開口部の中を通って当該ボンドサイト領域へと噴出されるものである)、及び(2)前記フリーエアボール形成領域へと提供するように構成された、ガス配送機構(例えば、ガス配送構造)をもまた含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明は、以下の詳細な説明を添付の図面と合わせ読めば最もよく理解される。一般の慣行に従って、図面の様々な形状は原寸に比例していないことを強調しておく。それどころか、明確化のため、様々な形状の寸法は任意に拡大縮小されている。図面として含まれるのは以下の図である。
【図1A】図1Aは、本発明の典型的な実施形態に従ったワイヤーボンディングシステムの一部の斜視図である。
【図1B】図1Bは、図1Aの一部の詳細図である。
【図1C】図1Cは、本発明の典型的な実施形態に従ったデバイスクランプのウィンドウの一部を覆うカバーを含むガス配送機構の斜視図である。
【図1D】図1Dは、図1Aの一部の上面詳細図である。
【図1E】図1Eは、本発明の典型的な実施形態に従った、図1Aのワイヤーボンディング装置のガス配送機構の一部の上面図である。
【図1F】図1Fは、図1Gの一部の正面図であって、1F−1F線に沿ったものである。
【図1G】図1Gは、本発明の典型的な実施形態に従った、図1Aのワイヤーボンディング装置のガス配送機構の筐体の底面部の斜視図であり、電極の先端部に隣接する絶縁体を含むものである。
【図1H】図1Hは、本発明の典型的な実施形態に従った、図1Aのワイヤーボンディング装置のガス配送機構の筐体の底面部の斜視図であり、電極の先端部に隣接する絶縁体を含まないものである。
【図2】図2は、本発明の典型的な実施形態に従った、もう一つのガス配送機構の一部の上面斜視図である。
【図3】図3は、本発明の典型的な実施形態に従った、さらにもう一つのガス配送機構の一部の上面斜視図である。
【図4A】図4Aは、本発明の典型的な実施形態に従った、さらにもう一つのガス配送機構の一部の上面斜視図である。
【図4B】図4Bは、図4Aの前記ガス配送機構の一部の底面斜視図である。
【図5A】図5Aは、本発明の典型的な実施形態に従った、ガス配送機構素子を含むワイヤーボンディング装置の素子の正面斜視図である。
【図5B】図5Bは、図5Aの前記素子の底面斜視図である。
【図5C】図5Cは、図5Aの前記素子の正面図である。
【図6A】図6Aは、本発明の典型的な実施形態に従った、ワイヤーボンディング装置の特定の構成要素を統合したガス配送機構の一部の正面斜視図である。
【図6B】図6Bは、図6Aのガス配送機構の一部の側面斜視図である。
【図6C】図6Cは、特定の内部詳細を隠線で示した、図6Aのガス配送機構の一部の上面図である。
【図6D】図6Dは、図6Aのガス配送機構の一部の正面斜視切り取り図である。
【図7A】図7Aは、本発明の典型的な実施形態に従った、ワイヤーボンディング装置の特定の構成要素を統合したガス配送機構の一部の正面斜視図である。
【図7B】図7Bは、図7Aのガス配送機構の一部の側面斜視図である。
【図7C】図7Cは、特定の内部詳細を隠線で示した、図7Aのガス配送機構の一部の上面図である。
【図7D】図7Dは、7Aのガス配送機構の一部の底面斜視図である。
【図7E】図7Eは、図7Aのガス配送機構の一部の正面斜視切り取り図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
米国特許第6,234,376号は、米国特許出願番号第2007/0284421号、及び第2007/0251980号と同様に、ワイヤーボンディング技術における酸化軽減システムに関連するものであり、それらの文献全体は参照によってここに組み込まれる。
【0011】
当該技術の当業者であれば理解するように、前記ボンドサイト領域とは、ワイヤーボンディング装置のうち、実質的にワイヤーボンディングの形成(例えば、ワイヤーの一部をボンディング地点へとボンディング、又は溶接すること)を、行う部分を指す。例えば、リードフレームストリップ搬送装置は、ワイヤーボンディング作業中、前記ワイヤーボンディング装置のヒートブロックによって支持されることがあり、しかも、前記ワイヤーボンディング装置のクランプによって固定されることがある。このような場合、ワイヤーボンディング中の、前記リードフレーム、又は装置のうち、ウィンドウクランプ(window clamp)の装置開口部の中を通って接近可能な部分が、前記ボンドサイト領域であると見なすことができる。さらに、当業者によって理解される通り、前記フリーエアボール形成領域とは、ワイヤーボンディング中にフリーエアボールが形成される地点を指す。このような地点とは、他の構成要素によって定義される傾向があり、前記フリーエアボールを形成する電極の先端の地点、前記ボンディングツールの地点、前記ボンディングツールから前記ワイヤーが延長される地点、又は長さ、等を含む(機械によって、これらの地点は異なったり変わったりすることがある)。
【0012】
本発明は、(1)フリーエアボールが形成される前記電子式フレームオフ(the electronic flame−off:EFO)領域(例えば、前記フリーエアボール領域)、及び(2)前記ボンドサイト領域の、それぞれへのカバーガス(例えば、フォーミングガス)の流れを統合するようなガス配送機構、又はシステムに関するものである。特定の実施形態では、EFO電極は、いずれの前記地点におけるガスの流れの妨げとならないよう、少なくとも部分的に前記ガス配送システム内に位置決めされるものである。前記EFO領域に提供される前記カバーガスは、フリーエアボール形成中の酸化の可能性を軽減する一方、前記ボンドサイト領域に提供される前記カバーガスは、ボンディング作業中の前記ワイヤーの酸化の可能性を軽減する。前記フリーエアボール形成領域、及び前記ボンドサイト領域に単一の機構、又は構造を用いてカバーガスを提供することによって、数々の利点が得られる。例えば、単純で費用効率の高い機構が提供される。加えて、前記ワイヤーボンディング装置の複合的構造の軽減によって、ワイヤーボンディング作業中の可視性と接近性が促進される。さらに、他の配置に比べてボンドヘッドの好ましい範囲内での動作は促進される。
【0013】
本発明の特定の典型的な実施形態によると、ガス(例えば、窒素やアルゴン等を含むガスなどのカバーガス)(ここで前記ガスは、水素のような還元性のガスを含んでも含まなくてもよい)は、(1)ワイヤーボンディング装置の前記電子式フレームオフ作業の付近、及び(2)ワイヤーボンディング装置の前記ボンドサイト領域の付近、に提供されるものである。例えば、ワイヤーボンディング作業中、前記ガスの一定的(又は可変的、若しくは制御的)な供給は、ワイヤーボンディング作業中に、前記ワイヤーの酸化の可能性の軽減が起きるよう、(1)ワイヤーボンディング装置の前記電子式フレームオフ作業の付近、及び(2)ワイヤーボンディング装置の前記ボンドサイト領域の付近に提供されるものである。使用される前記ガス(及び温度)次第では、フリーエアボールの形成中適用する還元性ガスの効果と類似するような、前記ワイヤーに既に存在した酸化物、又は酸化の軽減があり得る。
【0014】
例えば、ボールボンディング中に使われるフリーエアボールの形成中に、前記ワイヤー、又はフリーエアボールの酸化の可能性を軽減するカバーガスを提供することが好ましい。なぜならそのような酸化は、好ましくないワイヤーボンドやそれと同様のものを生じる結果となることがあるからである。さらに、ワイヤーボンディング作業中は、ワイヤーループの完成後(そして、次のフリーエアボールの形成の前)に、ワイヤーテール(例えば、キャピラリーチップからつるされたワイヤーの端部)は酸素または同等のものにさらされ、前記ワイヤーテールに酸化物の形成を生じる結果となることがある。たとえ、前記ワイヤーテールは後にフリーエアボールへと形成されるものであったとしても、そのような酸化物はボンディングにおいて好ましくないものである。もちろん、その間に前記ワイヤー(及び、又はまたはワイヤー端部)の酸化の可能性の軽減が好ましいとされるような、ワイヤーボンディング作業における他の段階も存在し、例えばとりわけ、(1)前記ボンドサイト領域において、第2のボンドを形成するとき、(2)形成されたフリーエアボールを前記ボンドサイト領域へと他のものと一緒に低下させるとき等がある。本発明は、これらの場合に、前記ガスの供給を、(1)ワイヤーボンディング装置の前記電子式フレームオフ作業の付近、及び(2)ワイヤーボンディング装置の前記ボンドサイト領域の付近、に提供することによって対処するものである。
【0015】
図1Aはワイヤーボンディング装置10(様々な構成要素は分かり易くするように取り除かれている)を図示する。ワイヤーボンディング装置10は、ボンディング地点の間にワイヤーループを形成するように(例えば、前記ワイヤーボンディング装置のXYテーブルを使用して)移動された様々な構成要素を含む、ボンドヘッドアセンブリ100を含むものである。ワイヤーボンディング装置10は、前記装置を所定の位置でワイヤーボンディングを行うように固定するデバイスクランプ102(ウィンドウクランプや、クランプインサート(clamp insert)と呼ばれることがある)をもまた含む。図1Bに提供される詳細図を参照すると、ボンドヘッド100によって運ばれる様々な素子が図示され、変換器(transdeucer)104、及びボンディングツール106が含まれる。ガス配送機構110もまた図示され、その中を通ってボンディングツール106は延長しているものである。さらに具体的には、ボンディングツール106は、ガス配送機構110の開口部110cの中を通って延長しているものである。ボンディングツール106は、ボンディング地点の間にワイヤーループ配線を形成することに使用される。前記ボンディング地点とは、ボンドサイト領域108の一部であり、デバイスクランプ102のデバイス開口部102a(ウィンドウとしても知られる)の中を通り、ボンディングツール106に接近可能なものである。以下に詳細に説明される通り、ガス配送機構110はガス(例えば、カバーガス)を、(1)ワイヤーボンディング装置の前記電子式フレームオフ作業の付近、及び(2)ワイヤーボンディング装置の前記ボンドサイト領域の付近、に提供することに使用される。図1Bに示される通り、この実施例においては、ガス配送機構110はEFO(電子式フレームオフ)電極支持構造100aによって支持され、ワイヤーボンディング装置10の前記XYテーブルによって運ばれる。
【0016】
図1Cは本発明による典型的な実施形態を図示するものであり、そこでは、カバー112はデバイスクランプ102のデバイス開口部102aの一部に被さるように提供されるものである。例えば、カバー112は(例えば、XYテーブルの動作によって)デバイス開口部102aの一部を覆うように差し出されるようガス配送機構110(又はEFO電極支持構造110aの他の部分)へと固定されてもよく、それによってボンドサイト領域108から前記カバーガスが漏れる速度を軽減するものである(従ってカバーガスのコストを抑え、前記ボンディングワイヤーの部分が酸化する可能性を軽減する前記カバーガスの実用性を向上するものである)。
【0017】
図1Dはガス配送機構110の断面斜視図であって、ガス配送機構110の空洞部(cabity)110a、及び110bの一部を図示するものである。図1Dにおいて、ボンディングツール106はボンディング位置にて示され、そこでは、前記ボンディングツールの先端部が、ボンドサイト領域108中のボンディング地点へとワイヤーの一部(図示なし)をボンディングすることに使用される。しかしながら、フリーエアボール形成位置においては、ボンディングツール106の前記先端部分がガス配送機構110の内部、又は隣になるように、ボンディングツール106は(図1Dに示される状態と比べて)上がっていると理解される。このような位置において、電子式フレームオフワンド(図1G、及び図1Hに示される)は、ボンディングツール106の前記先端部分から延長しているワイヤーの一端にフリーエアボールを形成するのに使用される。なぜなら前記フリーエアボールは、ガス配送機構110のガスで満ちた空洞部の内部、又は隣に形成されるからであり、前記フリーエアボールは、酸化の可能性が軽減された環境の中で形成されてもよい。
【0018】
ガス配送機構110は、上面部分と底面部分を含むことがあり、それらは集合的に空洞部110a及び110bと定義される。図1Eは、ガス配送機構110の内部部分を図示する(例えば、ガス配送機構110の前記上面は、当該図において透明である)。ガス配送機構110は空洞部110a、及び空洞部110bを定義する。空洞部110aは、(1)第1のガスインレット114(例えば、ガス供給パイプ、又はチューブ114)と、(2)前記電子式フレームオフ作業の付近との間を、ガス配送経路として定義する。さらに具体的には、図1Eに矢印で示される通り、ガスの流れ(例えば、制御されたガス供給)は、第1のガスインレット114に提供される。前記ガスは、第1のガスインレット114から、空洞部110aによって提供される前記経路に沿って流れる。空洞部110aによって提供される前記経路は、フリーエアボールがなされる(例えば、電子式フレームオフ作業の付近であって、フリーエアボール形成地点として知られるような)前記領域へと延長される。図1Eに示される通り、電極118(例えば、フリーエアボールを形成するのに使用される電子式フレームオフ装置の電極)は、電極118の先端が空洞部110a内で終結するようガス配送機構110をの中を通って延長される。当業者によって理解される通り、電子式フレームオフ装置は、フリーエアボールを形成するような(ボンディングツール106のような)ボンディングツールから延長されるワイヤーの一端を溶かすことに使用される(電極118のような)電極を通常含むものである。図1Eに示される通り、ガスは空洞部110aの中を通り、ボンディングツール106の周囲、及び電極118の先端の隣を流れるものである。それによって、前記ガスを前記電子式フレームオフ作業の付近に提供する(前記ガス経路は連続的な矢印によって図示される)。
【0019】
図1Eは空洞部110bもまた示される。空洞部110bは、(1)第2のガスインレット116(例えば、ガス供給パイプ、又はチューブ116)と、(2)ワイヤーボンディング装置の前記ボンドサイト領域の付近、との間を、ガス配送経路として定義する。さらに具体的には、図1Eに矢印で示される通り、ガス経路(例えば、制御されたガス供給)は、第2のガスインレット116に提供される。前記ガスは、第2のガスインレット116から、空洞部110bによって提供される前記経路に沿って流れる。空洞部110aによって提供される前記経路は、複数の貫通穴110b3、110b4、110b5、110b6、及び110b7へと延長している。図1Eに示される通り、ガスは、空洞部110bの中を流れ、貫通穴110b3、110b4、110b5、110b6、及び110b7へと(その中を通って)導かれていく。前記ガスはそれから、貫通穴110b3、110b4、110b5、110b6、及び110b7から前記ワイヤーボンディング装置の前記ボンドサイト領域に向かって下向きに流れる。それによって、ガスは前記ボンドサイト領域へと提供され、前記ワイヤー及び、又は又はワイヤー一端の酸化の可能性を軽減する。
【0020】
図1Fは、図1Eの一部の正面図であって、ガス配送機構110の上面部分110B、及び底面部分110Aを図示する1E−1E線に沿ったものである。本断面図は、空洞部110a及び110bの一部の図と、貫通穴110b3及び110b6の一部の図も同様に提供する。図1Eに示される通り、ガスは(矢印で示される通り)、貫通穴110b3及び110b6中を通過し、ボンドサイト領域108(ワイヤーボンドがなされる装置120はボンドサイト領域108に位置する)へと向かって流れる。
【0021】
上記で提供される通り、ガス配送機構110は上面部分110A及び底面部分110Aを含む。図1G〜1Hは、底面部分110Bの2つのバリエーションを図示する。図1G〜1Hに示される通り、底面部分110Bは空洞部110aの底面部分110a1を定義するものである。同様に、底面部分は、空洞部110b(貫通穴110b3、110b4、110b5、110b6、及び110b7を含む)の底面部分110b1を定義するものである。上面部分110Bは、図1G〜1Hには示されないが、空洞部110a及び110bの対応する部分を定義する。)さらに、底面部分110Aは、ボンディングツール106を受け入れるように構成された(例えば、図1Bを参照)(上面部分110B(図示なし)は開口部110cの対応する部分を定義する)開口部110cの開口部分110c1を定義する。また、図1G及び1Hに含まれるのは、底面部分110Aにおいて定義される凹部A1及びA2がある。これらの凹部A1及びA2は、上面部分110B(図示なし)の対応する凹部と併用して、ガスインレット114及び116を受け入れる(例えば、ガス供給パイプ114及び116)。ガスインレット114及び116は、空洞部110a及び110bのそれぞれにガスを提供する。図1G〜1Hは、電極118の前記先端部の2つの異なる構成をもまた図示するものである。すなわち、図1Gでは絶縁体120(例えば、セラミックや同等の素材からなる絶縁ブッシング)は電極118の前記先端部に提供される。絶縁体120は、フリーエアボールを形成する電極118からの火花を前記ワイヤーの一端へと誘導するために提供される(前記ワイヤーは図1Gに図示なし)。さらに特定すると、火花は、電極118の全長に沿う何れかの地点からではなく、電極118の最も先端から誘導されるものである。さらに、絶縁封止剤、又は接着剤は、火花をさらに誘導するために、電極118の前記先端部を受け入れる絶縁体120の穴に提供されてもよい。対照的に、図1Hでは、電極118の前記先端部は絶縁体120のような絶縁体によって受け入れられるものではない。
【0022】
図1A〜1Hにおいて図示される本発明の前記典型的な実施形態は2つのガス供給源(例えば、ガスインレット、又はパイプ114、及び116の中を通って提供されるガス)を含む一方、単一のガス供給源、又はパイプが、ガス供給機構110へとガスを供給することもあり得ると理解される。
【0023】
図1A〜1Lについて上述される通り、ガス配送機構であって、(1)ワイヤーボンディング装置の前記電子式フレームオフ作業の付近、及び(2)ワイヤーボンディング装置の前記ボンドサイト領域の付近、にガスを提供するようなガス配送機構が提供される。しかしながら、本発明は、図1A〜1Hに示される構成に限定されるものではない。事実、本発明の範囲内で考慮される複数の構成が存在する。様々なさらなる典型的な構成は、図2、図3、図4A〜4B、図5A〜5C、図6A〜6E、及び図7A〜7Eに図示される。
【0024】
図2を参照すると、ガス配送機構の底面部分210Aは図示される(上述の上面部分110Bに類似する様式で作動する当該上面部分は、簡略化のため省略される)。ガス配送空洞部は、空洞底面部分210a1(及び、図示されない上面部分)によって部分的に定義される空洞部と共に、前記ガス配送機構において定義される。底面部分210Aは、ガスインレット214(例えば、ガス供給パイプ214)からのガスを受け入れる。電極218の先端部は、フリーエアボールを形成するフレームオフ作業が行われる領域210c1へと延長している。底面部分210Aは、開口部210a3、210a4、210a5、210a6、210a7、及び210a8も定義する。ガスが、ガスインレット、又はパイプ214を介して前記ガス配送機構へと配送される際、前記ガスは前記空洞部の中を通って、(1)フリーエアボールを形成する領域210c1(ここで前記ガスは、開口部212a、及び212bの中を通って前記空洞部から領域210c1へと移動するものである)、及び(2)前記ボンドサイト領域(開口部210a3、210a4、210a5、210a6、210a7、及び210a8を介するものである)へと、延長されるものである。
【0025】
図3を参照すると、ガス配送機構の底面部分310Aは図示される(上述の上面部分110Bに類似する様式で作動する当該上面部分は、簡略化のため省略される)。ガス配送空洞部は、空洞底面部分310a1(及び、図示されない上面部分)によって部分的に定義される空洞部と共に、前記ガス配送機構において定義される。底面部分310Aは、ガス供給インレット314(例えば、ガス供給パイプ314)からのガスを受け入れる。電極318は、ガスインレット、又はパイプ314の中を通って延長しているものであり、電極318の先端部は、フリーエアボールを形成するフレームオフ作業が行われる領域310c1へと延長している。底面部分310Aは、開口部310a3、310a4、310a5、310a6、310a7、及び310a8も定義する。ガスが、ガスインレット、又はパイプ314を介して前記ガス配送機構へと配送される際、前記ガスは前記空洞部を通って、(1)フリーエアボールを形成する領域310c1(ここで前記ガスは、開口部312a、及び312bを通って前記空洞部から領域310c1へと移動するものである)、及び(2)開口部310a3、310a4、310a5、310a6、310a7、及び310a8を介して前記ボンドサイト領域へと、延長されるものである。
【0026】
図4A〜4Bは、ガス配送機構410を図示する。ガス配送機構410は、上面部分410A、及び底面部分410Bを含み、それらは、ガスインレット、又は供給パイプ414からのガスを受け入れる内部空洞部を集合的に定義するものである。ガス配送機構410を前記ワイヤーボンディング装置の支持構造へと固定(anchor)するようなアンカー構造420を含む。電極418の先端部は、フリーエアボールを形成する領域410c1へと延長している。底面部分410Bは、開口部410a3、410a4、410a5、410a6、410a7、410a8、410a9、及び410a10を定義する。ガスが、ガスインレット、又はパイプ414を介して前記ガス配送機構410へと配送される際、前記ガスは前記内部空洞部の中を通って、(1)フリーエアボールを形成する前記領域410c1(ここで、前記ガスは開口部414aの中を通って前記空洞部から領域210c1へと移動する(ガスの流れを示す矢印を参照))、及び(2)410a3、410a4、410a5、410a6、410a7、410a8、410a9、及び410a10を介して前記ボンドサイト領域へと、延長されるものである。ガス配送機構410は、側面オープニング430をもまた定義し、このオープニングは例えば、オペレーター及び、又はワイヤーボンディングツールが(スイング、そうでなければ移動によって)そこに接近し、フリーエアボールを形成する領域410c1の隣に位置決めするのを可能にするものである。
【0027】
図5A〜5Cは、ガス配送機構510におけるワイヤーボンディング装置の特定の構成要素を図示する(例えば、先細形、又は漏斗形の本体部分を含む)。さらに特定すると、変換器504(例えば、超音波変換器)は、ボンディングツール506を保持するものである。ボンディングツール506の先端部分は、フリーエアボールの形成するために、ガス配送機構510の開口部510cの中を通り延長するよう構成されるものである(図5A〜5Cに図示される通り)。ガス供給パイプ514は、開口部510bを介してガス配送機構510へとガスを供給する。電極518の先端部は、開口部510aを介してガス配送機構510のフリーエアボール形成領域へと延長するものである。ガス配送パイプ514を介してガスが前記ガス配送機構510へと配送される際、前記ガスは、(1)フリーエアボールを形成するガス配送機構510の内側の前記領域、及び(2)ガス配送機構510の底面の拡大済みオープニングを介して、前記ボンドサイト領域(図5Bに図示あり)へと、延長するものである。ガス配送機構510の前記漏斗形の側壁は先細加工され、そして、ガス配送機構510の上面の開口部510cは、ガス配送機構510の底面の大きなオープニングよりも小さいものである(直径D1は明らかに直径D2より小さい図5Cを参照。従って、ガス配送機構10より噴出されるガスは、ほとんどが、開口部510cの中からではなく底面の前記拡大済みオープニングの中を通って出ていくことになる。これは、ボンディングツール506が開口部510cの中に延長する際に特に顕著となり、従って開口部510cの中から部分的にガスが流出するのを妨げることとなる。
【0028】
図6A〜6Dは、ガス配送機構60の一部の様々な図や、図1A〜1Hに示されるものと類似するワイヤーボンディング装置の他の部分を図示する。さらに具体的には、前記ワイヤーボンディング装置は、デバイスクランプ602、変換機604、ボンディングツール606、及びガス配送機構610を含むものである。図6A〜6Dには、電極618の先端がガス配送機構610の開口部618aの中を通って延長するような電極618も含まれる。ガス配送機構610は、ワイヤーボンディング作業中にボンディングツール606を受け入れるよう構成されている先細加工された貫通穴610cを定義するものである。本発明に関する典型的な本実施形態においては、貫通穴610cとは前記フリーエアボール形成領域のことである。さらに具体的には、フリーエアボールの形成中、ボンディングツール606から延長されるワイヤーの一端は前記フリーエアボール形成領域に位置決めされるものである(例えば、貫通穴610c内)。前記ワイヤーの一端にフリーエアボールを形成するのに使用される電極618の先端部もまた、前記フリーエアボール形成領域に位置決めされる。カバーガスは、ガスインレット614を介して提供され、前記カバーガスは空洞部、又は経路622の中を通って移動し、ガスアウトレット622aにおいて貫通穴610cへと出ていく。従って、前記カバーガスは、貫通穴610cにおけるフリーエアボールの形成中の酸化に対する保護を提供する。
【0029】
ワイヤーボンディング作業中ボンディングツール606は、下向きに(少なくとも部分的に通過するように)貫通穴610cへとさらに延長するものであり、ワイヤーバンプ(wire bumps)、又はワイヤーループを前記ボンドサイト領域のワイヤーボンディングがなされる装置上に形成する。ガスアウトレット622aから貫通穴610cへと噴出される前記カバーガスは、ボンドサイト領域へと、貫通穴610cの下側のオープニングの中を通って下向きに移動する傾向がある。さらに具体的には、貫通穴610は先細加工されているため、底面での前記貫通穴の直径を比べた場合、貫通穴610の直径はガス配送機構610の上面ではより小さいものである(例えば、直径D1は図6Dにおける直径D2よりも小さい)。従って、より多くのカバーガスが、前記上面よりも前記底面の貫通穴610cを通って出ていく傾向が得られるであろう。加えて、ワイヤーボンディング作業の特定の作業部分の間、ボンディングツール606は貫通穴610cの上面部分の大部分を封鎖し、従って貫通穴610cの上面を通ってカバーガスが流出する可能性を実質的にに軽減する。従って、貫通穴610cから出ていく前記カバーガスの大部分が前記ボンドサイト領域に向かって下向きに誘導される。従って、ワイヤーボンディング作業中の酸化からの保護をさらに提供するものである。
【0030】
図7A〜7Eは図6A〜6Dに示される前記機構610と非常に似通った動作を行う、もう1つのガス配送機構710(及びワイヤー本ディ装置のそれに対応する部分)を図示する。さらに具体的には、前記ワイヤーボンディング装置は、デバイスクランプ702、変換器704、ボンディングツール706、(開口部718aの中を通って延長するような先端の部分を有するものである)電極718、及びガス配送機構710を含む。ガス配送機構710は、ワイヤーボンディング作業中にボンディングツール706を受け入れるよう構成された貫通穴710c(例えば、フリーエアボール形成領域710c)を定義するものである。カバーガスは、ガスインレット714を介して提供され、前記カバーガスは空洞部、又は経路722の中を通って移動し、フリーエアボール形成中に、酸化に対する保護のためのカバーガスを提供するため、ガスアウトレット722aにて貫通穴710cへと出ていく。図6A〜6Dに関して上述の通り、貫通穴710は先細加工されているため(及び、ボンディングツール706による貫通穴710cの上面部分の部分的閉鎖のため)より多くのカバーガスは、貫通穴710cの上面部分よりも底面部分にて出ていく傾向がある。それによって、カバーガスを前記ボンドサイト領域へ向かって提供するものである。
【0031】
図7A〜7Eは、ガスアウトレット624aにてガス配送機構710を出ていくようなカバーガスを、空洞部又は経路624の中を通って提供する付加的なガスインレット716を図示する。出ていくカバーガスがワイヤーボンディング装置のボンドサイト領域へと誘導されるように、ガスアウトレット624aはガス配送機構710の底面側に提供されるものである。従って、図6A〜6Dに示される本発明の典型的な実施形態とは対照的に(ここで前記ボンドサイト領域に提供される前記カバーガスは、フリーエアボール形成領域610cに提供されるカバーガスと同じものであって、領域610cを通って領域610cの中を通って出ていくものである。)、ガス配送機構710は、ガスインレット616、空洞部又は経路624、及びガスアウトレット624aを介して前記ボンドサイト領域への付加的なカバーガスの源をもまた含む。従って、(前記フリーエアボール形成領域から下向きに延長される前記ガスによって提供される保護に加えて)前記ボンドサイト領域での酸化の可能性に対する付加的な保護が提供される。
【0032】
ここに開示される様々な典型的なガス配送機構は、ワイヤーボンディング装置の様々な構造によって支持され、例えば、ワイヤーボンディング装置の前記ボンドヘッドがある。例えば、前記ガス配送機構は、とりわけ、EFO構造によって支持されることがある。
【0033】
ここに開示される様々な典型的なガス配送機構は、数々の異なる素材で形成されてもよい。金属(例えば、ステンレス鋼)が考えられる一方、前記ガス配送機構は前記EFO電極からの火花に非常に接近しているため、前記ガス配送機構の本体を形成するためには、絶縁性で、且つおそらく耐熱性の素材、例えばセラミックや、ポリイミドがとりわけ好まれることがある。
【0034】
ガス供給源(例えば、ガス供給チューブ又はパイプ等)からのカバーガスの流れは、ワイヤーボンディング作業全体の間、連像的なカバーガスの流れでよい。その他の方法としては、前記流れは制御済みの流れで(例えば、制御装置を使ってワイヤーボンディング装置と統合され制御されるもの)、例えば、酸化の可能性について最も懸念される間中(例えば、フリーエアボール形成中)は、提供されるものであってもよい。
【0035】
ここに提供される図面は、カバーガスを、(1)ワイヤーボンディング装置の前記電子式フレームオフ作業の付近、及び(2)ワイヤーボンディング装置の前記ボンドサイト領域の付近へと、誘導するような典型的な構造を図示するものである。しかしながら、前記発明は図示される構成だけに限定されるものではない。本発明は、カバーガスを、(1)ワイヤーボンディング装置の前記電子式フレームオフ作業の付近、及び(2)ワイヤーボンディング装置の前記ボンドサイト領域の付近の、両方に提供するような、いかなる構造、システム、又は工程をも考慮するものである。さらに、前記ガス配送機構は、望ましいガスの流れと前記フリーエアボール形成領域、及び前記ボンドサイト領域への分配を提供するガスインレット(例えば、インレットガスパイプ)をいくつも含むことができる。
【0036】
本発明が反応性の金属(例えば、銅やアルミニウム等)から形成されたワイヤーと関連して使用される際、前記カバーガスは、好ましくは、前記金属と非反応性であって、還元性である。例えば、カバーガスは、窒素やアルゴンのような不活性ガスであると効率的である。還元性のガス(例えば、水素)は、存在し得るいかなる酸素と反応するように加えられてもよい。しかしながら、本発明の前記カバーガスシステムは、前記カバーガス中での水素の必要性を無しに、前記ボンドサイト領域から空気を除くために活用されるものである。これは、高い発火性を持つ水素を大量に使用することは困難なことから、前記発明のさらなる利点である。
【0037】
本発明の教示は、例えば金ワイヤー等の非反応性のボンディングワイヤーと関連して活用されてもよい。例えば、前記カバーガスは、前記ボンドサイト領域において、クリーンなガスのシールドを提供するために活用することもでき、それによって金線ループの形成に望ましい環境を提供するものである。
【0038】
本発明は、窒素やアルゴン等の(水素などのガスの形成をする場合としない場合の)カバーガスに関連するものとして主に記述されてきたが、それらに限定されるものではない。ボンディングワイヤーとして使用される前記金属と望ましくない反応をしない限りは、如何なるガスが活用されてもよい。
【0039】
本発明は、ワイヤーループを形成するワイヤーボンディング装置、伝導性バンプ(バンピング装置、又はウエハーバンピング装置)を形成するワイヤーボンディング装置、ワイヤーループと伝導性バンプ等の両方を形成する装置、に活用されるものであると理解される。
【0040】
本発明は、本明細書において特定の実施形態への参照によって図示、及び記述されているが、当該発明は本明細書において示される詳細に限定されることを意図するものではない。むしろ、本発明から逸脱することなく、特許請求の範囲の均等物の範囲内において、細部に、さまざまな変更を行うことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤーボンディング装置であって、
ボンディングツールと、
前記ボンディングツールの中を通って延長しているワイヤーの一端にフリーエアボールを形成する電極であって、前記フリーエアボールは、前記ワイヤーボンディング装置のフリーエアボール形成領域において形成されるものである、電極と、
ワイヤーボンディング作業中に半導体素子を保持するボンドサイト領域と、
ガス配送機構であって、カバーガスを、
(1)前記ボンドサイト領域であって、そこでは前記カバーガスは、ガス配送機構の少なくとも一つの開口部の中を通って前記ボンドサイト領域へと噴出されるものである前記ボンドサイト領域、及び
(2)前記フリーエアボール形成領域
へ提供するように構成された、ガス配送機構と
を有するワイヤーボンディング装置。
【請求項2】
請求項1記載のワイヤーボンディング装置において、
前記ガス配送機構は、前記ガス配送機構の上面側から前記ガス配送機構の底面側への貫通穴を定義するものであり、この貫通穴はワイヤーボンディング作業中に前記ボンディングツールを受け入れるように構成されるものである
ワイヤーボンディング装置。
【請求項3】
請求項2記載のワイヤーボンディング装置において、前記ガス配送機構によって定義される前記貫通穴は、前記フリーエアボール形成領域を含むものである
ワイヤーボンディング装置。
【請求項4】
請求項3記載のワイヤーボンディング装置において、前記貫通穴は、先細加工がされたものである
ワイヤーボンディング装置。
【請求項5】
請求項4記載のワイヤーボンディング装置において、前記先細加工済みの貫通穴の前記上面側における直径は、前記先細加工済みの貫通穴の前記底面側における直径よりも大きいものである
ワイヤーボンディング装置。
【請求項6】
請求項4記載のワイヤーボンディング装置において、前記先細加工済みの貫通穴の前記底面側における直径は、前記先細加工済みの貫通穴の前記上面側における直径よりも大きいものである
ワイヤーボンディング装置。
【請求項7】
請求項3記載のワイヤーボンディング装置において、前記ガス配送機構は、第1のガスインレットを含むものであり、
当該第1のガスインレットは前記カバーガスを前記フリーエアボール形成領域に提供し、このガスインレットによって提供される前記カバーガスの少なくとも一部が前記フリーエアボール形成領域を出ていき前記ボンドサイト領域へと誘導されるものである
ワイヤーボンディング装置。
【請求項8】
請求項7記載のワイヤーボンディング装置において、前記ガス配送機構は、第2のガスインレットを含むものであり、
当該第2のガスインレットは前記ガス配送機構によって定義される空洞部にカバーガスを提供し、ここで当該空洞部は前記フリーエアボール領域とは区別されるものであって、前記第2のガスインレットによって提供されるカバーガスの少なくとも一部が前記空洞部を出ていき前記ボンドサイト領域へと誘導されるものである
ワイヤーボンディング装置。
【請求項9】
請求項1記載のワイヤーボンディング装置において、前記ガス配送機構のこの少なくとも1つの開口部は、前記カバーガスが前記ボンドサイト領域へとその中を通って噴出されるような複数の開口部を含むものである
ワイヤーボンディング装置。
【請求項10】
請求項9記載のワイヤーボンディング装置において、前記複数の開口部は、前記ガス配送機構の底面側によって定義されるものである
ワイヤーボンディング装置。
【請求項11】
請求項1記載のワイヤーボンディング装置において、前記ガス配送機構は、
(1)少なくとも1つのガスインレットから前記カバーガスを受け入れそのうえ前記カバーガスを前記ボンドサイト領域へと提供する第1の空洞部と、及び
(2)少なくとも1つのガスインレットから前記カバーガスを受け入れそのうえ前記カバーガスを前記フリーエアボール形成領域へと提供する第2の空洞部とを定義するものである
ワイヤーボンディング装置。
【請求項12】
請求項11記載のワイヤーボンディング装置において、前記少なくとも1つのガスインレットは、前記カバーガスを前記第1の空洞部に提供する第1のガスインレットと、前記カバーガスを第2の空洞部に提供する第2のガスインレットとを含むものである
ワイヤーボンディング装置。
【請求項13】
請求項1記載のワイヤーボンディング装置において、さらに、
ワイヤーボンディング作業中に前記半導体素子を固定するデバイスクランプを有するものであり、
当該デバイスクランプは、デバイス開口部を定義するものであって、このデバイス開口部を通して前記ボンディングツールは前記半導体素子に接近可能となり前記ボンドサイト領域においてワイヤーボンディング作業を行うものであり、
このワイヤーボンディング装置は、さらに、
ワイヤーボンディング作業中に前記デバイス開口部の少なくとも一部を覆うカバーを有するものである
ワイヤーボンディング装置。
【請求項14】
請求項1記載のワイヤーボンディング装置において、前記電極は、ガス配送機構の一部の中を通って延長するものであり、前記電極の先端は前記フリーエアボール形成領域に位置決めされるものである
ワイヤーボンディング装置。
【請求項15】
請求項15記載のワイヤーボンディング装置において、さらに、
前記フリーエアボール形成領域に隣接する前記電極の前記先端部分を囲う絶縁体を有するものである
ワイヤーボンディング装置。
【請求項16】
請求項1記載のワイヤーボンディング装置において、
前記ガス配送機構は、ガス供給から前記カバーガスを受け入れるガスインレットを含み、
前記電極は、前記ガスインレットの中を通って延長するものである
ワイヤーボンディング装置。
【請求項17】
請求項1記載のワイヤーボンディング装置において、
前記ガス配送機構は、側面オープニングを定義するものであり、このガス配送機構の側壁は前記ワイヤーボンディング作業中に前記ボンディングツールを完全に囲うものではない
ワイヤーボンディング装置。
【請求項18】
請求項1記載のワイヤーボンディング装置において、
前記ガス配送機構は漏斗形の本体部分を含むものであり、この漏斗形の本体部分は、
(1)前記ボンディングツールを受け入れる前記漏斗形の本体部分の上面にある第1のオープニングと、及び
(2)前記ボンドサイト領域に向かって前記カバーガスの噴出を行う前記漏斗形の本体部分の底面にある第2のオープニングとを定義するものである
ワイヤーボンディング装置。
【請求項19】
請求項18記載のワイヤーボンディング装置において、
前記第1のオープニングは、前記第2のオープニングの直径よりも小さな直径を有するものである
ワイヤーボンディング装置。
【請求項20】
請求項19記載のワイヤーボンディング装置において、
前記第2のオープニングは、前記第1のオープニングの直径よりも小さな直径を有するものである
ワイヤーボンディング装置。
【請求項21】
請求項18記載のワイヤーボンディング装置において、
前記漏斗形の本体部分は、先細加工された側壁を含むものであり、それによって前記漏斗形の本体部分の直径は前記本体部分の側面での直径と比べて上面でのほうが大きいものである
ワイヤーボンディング装置。
【請求項22】
ワイヤーボンディング作業に関するカバーガスを提供するよう構成されたガス配送機構であって:
本体部分であって、この本体部分の上面側からこの本体部分の底面側へと延長している貫通穴を定義するものであり、当該本体部分は電極を受け入れるよう構成され、かつ当該本体部分は前記電極の先端部分を受け入れるよう構成された貫通穴と同じ場所にあるような開口部を定義する、本体部分と;
ガスインレットであって、前記本体部分にカバーガスを提供するものであり、当該本体部分はこのガスインレットからの前記カバーガスを受け入れる空洞部を定義し、かつ当該空洞部は前記貫通穴においてガスアウトレットを含む、ガスインレットと;
を有するガス配送機構。
【請求項23】
請求項22記載のガス配送機構において、前記貫通穴は前記上面側と前記底面側の間が先細加工されているものである
ガス配送機構。
【請求項24】
請求項23記載のガス配送機構において、前記底面側において前記先細加工済みの貫通穴の直径は、前記上面側の前記先細加工済みの完結穴の直径よりも大きなものである
ガス配送機構。
【請求項25】
請求項23記載のガス配送機構において、前記上面側において前記先細加工済みの貫通穴の直径は、前記底面側の前記先細加工済みの完結穴の直径よりも大きなものである
ガス配送機構。
【請求項26】
請求項22記載のガス配送機構において、前記ガスアウトレットに隣接する前記空洞部の部分は曲線状の経路に続くものである
ガス配送機構。
【請求項27】
請求項22記載のガス配送機構において、さらに、
第2のガスインレットを有し、この第2のガスインレットは前記ガス配送機構によって定義される第2の空洞部にカバーガスを提供するように構成されるものであり、かつ前記第2の空洞部は前記本体部分の底面側の第2のガスアウトレットを含むものである
ガス配送機構。
【請求項28】
請求項27記載のガス配送機構において、前記第2の空洞部の一部は、
(1)前記上面側と前記底面側との間の本体部分の領域からと、及び
(2)前記底面側における前記第2のガスアウトレットからの角度に続くものである
ガス配送機構。
【請求項29】
請求項22記載のガス配送機構において、前記本体部分は、ポリイミド素材で形成されるものである
ガス配送機構。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図1F】
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【図1G】
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【図1H】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【公表番号】特表2012−504317(P2012−504317A)
【公表日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−513596(P2011−513596)
【出願日】平成21年6月8日(2009.6.8)
【国際出願番号】PCT/US2009/046535
【国際公開番号】WO2009/152066
【国際公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(506395943)クリック アンド ソッファ インダストリーズ、インク. (11)
【Fターム(参考)】