説明

ワイヤー式洗浄ボタン装置及びそれを備えたトイレブース

【課題】フラッシュバルブ装置を自由に配置できるトイレブース構造と、停電などで電磁駆動によるフラッシュバルブ装置の開閉操作ができない場合でも、手動開閉レバーを操作して洗浄水を供給できるワイヤー式洗浄ボタン装置及びそれを備えたトイレブースを提供することを目的とする。
【解決手段】仕切りパネル22で個別に区切られたトイレブース100において、水洗便器40に洗浄水を供給するフラッシュバルブ装置50の開閉手段51を操作する装置80であって、仕切りパネル22に設置されるプッシュボタン2に連動して動作する駆動部を備えた押圧操作装置1と、プッシュボタン1の押圧操作で駆動部により牽引されるワイヤー11を具備する制御ケーブル10と、ワイヤー11が牽引されることでフラッシュバルブ装置50の開閉手段51を操作する開閉駆動装置30から成ることを特徴とするワイヤー式洗浄ボタン装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オフィスやビルに設置されているユニット式のトイレ設備に設置されている水洗便器において、統合パネルに組み込まれた放水を制御するフラッシュバルブ装置の放水弁を開閉操作するためのワイヤー式洗浄ボタン装置及びそれを備えたトイレブースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オフィスやビルに設置されているトイレ設備には、水洗便器を洗浄する洗浄水を制御するための装置として、水道管に接続されたフラッシュバルブ装置が水洗便器の側面や後部、或いは便器に接続されたタンク内、和式の場合は前方に配置されている。
【0003】
これらのトイレ設備は各階の数箇所に設置するため、設置を簡略にするため統一仕様のトイレブースを複数個まとめて縦配置、或いは横一列や向かい合わせて配置されている場合が多く、放水バルブを操作するためのフラッシュバルブ装置の位置も統一されている。
【0004】
例えば、図9に示す複合ビルなどに設置されている一般的なトイレブースは、単独のトイレットペーパホルダー240や、水洗便器200の横に従来のフラッシュバルブ装置210が配置されている。また水道管220とストップバルブ221を介して接続されたフラッシュバルブ装置210は、放水バルブ212を開閉する開閉レバー211の操作により洗浄水が放水管230を通って水洗便器200に供給され便器201内の排泄物を洗浄して排水される配置となっている。
【0005】
例えば、水洗便器に取り付けられたフラッシュバルブ装置の配置については、フラッシュバルブ装置と手動操作装置の取り付け位置の自由度を増すと共に、操作性を高め更にメンテナンスを容易にする水洗便器のフラッシュバルブ装置が開示されている(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−317481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、従来のフラッシュバルブ装置の基本構造は、手動操作用の開閉レバーとフラッシュバルブ装置が一体となっているため、洋式の場合は水洗便器の背後、或いは側面に配置する必要があり、フラッシュバルブ装置の設置位置の自由度が制限され、或いは設置位置によっては開閉レバーの操作性が悪くなるという問題があった。
【0008】
また、ホテルやオフィス等の複合ビルに設置されるトイレ設備は高級化すると共に、統一仕様のトイレブースを複数並べて設置されるため、水洗便器とフラッシュバルブ装置の配置には、操作性能と美観、及び容易なメンテナンス性能を兼備えた配置が要求されている。
【0009】
また、美観を損なうフラッシュバルブ装置を隠した構造を実現するため、最近の遠隔操作パネルには、有線或いは無線により駆動される電磁駆動式フラッシュバルブ装置が設置されている。この電磁駆動式フラッシュバルブ装置の場合、トイレブースとフラッシュバルブ装置を化粧パネルなどで隔てて配置できる等の美観の向上と配置の自由度が増す反面、故障した場合にフラッシュバルブ装置の手動開閉レバーの操作が困難になる問題と、メンテナンスの際にフラッシュバルブ装置の点検には化粧パネルを取り外す必要があった。
【0010】
本発明は、以上の問題点に着目して成されたもので、美観を損なうフラッシュバルブ装置の配置位置をトイレブースと化粧パネルで隔てて自由に配置できる統一仕様のトイレブース構造と、停電などで遠隔操作パネルからの電磁駆動によるフラッシュバルブ装置の開閉操作ができない場合でも、フラッシュバルブ装置の手動開閉レバーを操作可能にして水洗便器に洗浄水を供給できるワイヤー式洗浄ボタン装置及びそれを備えたトイレブースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は上述の目的を達成するため、以下(1)〜(9)の構成を備えるものである。
【0012】
(1)仕切りパネルで個別に区切られたトイレブースに設置された水洗便器に洗浄水を供給するフラッシュバルブ装置の開閉手段を開閉するための装置であって、前記仕切りパネルに組み込まれる固定パネルに設置されるプッシュボタンと、該プッシュボタンの押圧操作に連動して動作する駆動部とを備えた押圧操作装置と、該押圧操作装置の前記プッシュボタンの押圧操作で前記駆動部により牽引されるワイヤーを具備する制御ケーブルと、前記ワイヤーが牽引されることで前記フラッシュバルブ装置の前記開閉手段を開閉する開閉駆動装置とから成ることを特徴とするワイヤー式洗浄ボタン装置。
【0013】
(2)前記押圧操作装置の駆動部は、前記固定パネルに穿孔された穴に嵌入された前記プッシュボタンの押圧操作を伝達する押圧軸材と、前記固定パネル背面の台座に固定された支持部材に支点軸材で回転可能に取り付けられたL字状の揺動部材とを有し、前記押圧軸材が前記揺動部材の一端を押し上げることで牽引される前記ワイヤーの端部が、前記揺動部材の他方の端部に係止されていることを特徴とする前記(1)記載のワイヤー式洗浄ボタン装置。
【0014】
(3)前記開閉駆動装置は、前記フラッシュバルブ装置に固定クランプと支持金具で固定され、該支持金具の端部に垂直に形成された固定板と、該固定板に蝶番で可動可能に取り付けられた傾動板とを有し、該傾動板が前記フラッシュバルブ装置の前記開閉手段を傾倒可能に係止し、更に前記傾動板には前記押圧操作装置により牽引される前記ワイヤーの他方の端部が係止されることを特徴とする前記(1)または(2)記載のワイヤー式洗浄ボタン装置。
【0015】
(4)前記開閉駆動装置が、前記フラッシュバルブ装置に固定クランプと固定板とで固定され、該固定板には蝶番で可動可能に取り付けられた傾動板を有し、該傾動板が前記フラッシュバルブ装置の前記開閉手段を傾倒可能に係止し、更に傾動板には前記押圧操作装置により牽引される前記ワイヤーの他方の端部が係止されることを特徴とする前記(1)または(2)記載のワイヤー式洗浄ボタン装置。
【0016】
(5)前記押圧操作装置の駆動部は、変形可能に菱形状に連結されたリンク材の一か所の連結部が支持部材に係止され、該係止された連結部と対向する連結部には前記プッシュボタンの押圧操作を伝達する押圧軸材が係止され、更に前記制御ケーブルを係止したリンク材の他の連結部と、該連結部に対向する連結部には前記ワイヤーの端部が係止されることを特徴とする前記(1)乃至(4)いずれか1項に記載のワイヤー式洗浄ボタン装置。
【0017】
(6)前記押圧操作装置の駆動部は、前記プッシュボタンに連結された押圧軸材の先端部に連続する歯を形成したラックと、該ラックの歯に噛み合わされた歯車のピニオンとを有し、該ピニオンが回転する際に連動して前記ワイヤーを牽引するための牽引アームを有することを特徴とする前記(1)乃至(4)いずれか1項に記載のワイヤー式洗浄ボタン装置。
【0018】
(7)前記押圧操作装置の駆動部は、前記プッシュボタンに連結された押圧軸材の先端部に形成されたボールネジ外筒と、該ボールネジ外筒の内壁に取り付けられたボールネジ用ベアリングと、支持部材に設置された固定部材に一方の端部を回転自在に係止され、且つボールネジ用ベアリングが嵌入される螺旋溝が形成されたボールネジとを有し、前記プッシュボタンを押圧する際、ボールネジ用ベアリングが螺旋溝に沿って移動しボールネジが回転するのに連動して、ボールネジには前記ワイヤーを牽引するための牽引アームを有することを特徴とする前記(1)乃至(4)いずれか1項に記載のワイヤー式洗浄ボタン装置。
【0019】
(8)前記(1)乃至(7)のいずれか1項に記載されたワイヤー式洗浄ボタン装置であって、前記トイレブースを複数連結して配置する際、前記ワイヤー式洗浄ボタン装置が各トイレブースの所定の位置に設置されることを特徴とするワイヤー式洗浄ボタン装置を備えたトイレブース。
【0020】
(9)前記(1)乃至(7)のいずれか1項に記載のワイヤー式洗浄ボタン装置であって、前記トイレブースに設置されるトイレットペーパ、予備のペーパーホルダー、及び便座クリーナが収納されている統合パネルに、前記押圧操作装置が組み込まれることを特徴とするワイヤー式洗浄ボタン装置を備えたトイレブース。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ホテルやオフィス等の複合ビルに設置されるトイレ設備の高級化に対応して、トイレブースの仕様を統一し、且つ美観を損なうフラッシュバルブ装置をトイレブースと化粧パネルで隔てて配置することを可能にして、更に停電により電磁駆動によるフラッシュバルブ装置の開閉操作ができない場合でも、フラッシュバルブ装置に装備されている手動の開閉レバーを操作して水洗便器に洗浄水を供給できるワイヤー式洗浄ボタン装置及びそれを備えたトイレブースを提供することができる。
【0022】
また、統一仕様のトイレブースにおいて、フラッシュバルブ装置を化粧パネルなどで隔てて配置することでフラッシュバルブ装置のメンテナンス性を損なうことがないように、トイレブースの化粧パネルにメンテナンス用の点検扉を予め設けてメンテナンス性能を備えることで、トイレブースの美観と利用者の操作性に優れたワイヤー式洗浄ボタン装置及びそれを備えたトイレブースを提供することができる。
【0023】
また、ワイヤー式洗浄ボタン装置を装備するトイレブースが、フラッシュバルブ装置の位置や水道及び汚水配管の位置を統一した仕様でユニット化されているため、和式トイレから洋式トイレへの仕様変更する場合でも、設置変更期間を短縮して低コストで設置工事が簡単に行えるワイヤー式洗浄ボタン装置及びそれを備えたトイレブースを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本実施例のワイヤー式洗浄ボタン装置とフラッシュバルブの接続図
【図2】ワイヤー式洗浄ボタン装置の手動装置の部品構成図
【図3】傾動装置によるフラッシュバルブ装置の開閉レバーの動作図、(a)放水バルブ閉鎖の状態、(b)放水バルブ開放の状態
【図4】本実施例のワイヤー式洗浄ボタン装置の使用例を示す図
【図5】ワイヤー式洗浄ボタン装置を備えたトイレブースを使った仕様変更の配置例を示す図
【図6】フラッシュバルブの構造の違いに対応した傾動装置の構成図
【図7】本実施例のワイヤー式洗浄ボタン装置の他の構成例を示す図
【図8】本実施例のワイヤー式洗浄ボタン装置の開閉ボタン装置の他の構成例を示す図
【図9】従来のトイレブースを示す図
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明を実施するための形態を、図面に基づいて詳しく説明する。
【実施例1】
【0026】
図1に示す本実施例のワイヤー式洗浄ボタン装置80は、押圧操作装置1と傾動装置30と制御ケーブル10から構成されている。既存のフラッシュバルブ装置50には、ワイヤー式洗浄ボタン装置80の押圧操作装置1に接続された制御ケーブル10を介して開閉駆動される傾動装置30が、フラッシュバルブ装置50の開閉手段の開閉レバー51に取り付けられている。またオプション装備として、フラッシュバルブ装置50の開閉駆動装置としては、内蔵された放水弁の開閉操作を電磁駆動方式で行う電磁バルブ駆動装置53を備えた構成もある。
【0027】
トイレブースを個別に区切る仕切りパネル内側の化粧パネルには、トイレットペーパホルダーなどを統合したサニタリーボックス20(図4)が着脱可能に取り付けられ、該サニタリーボックス20の取り付け方は、化粧パネルに埋め込んで取り付ける方式であっても良い。
【0028】
更にサニタリーボックス20に直接、或いは着脱可能に設置される固定パネル21には、ワイヤー式洗浄ボタン装置80の押圧操作装置1のプッシュボタン2と、固定パネル21の背面でプッシュボタン2に連結された押圧軸5の先端のボールプランジャー6が、支持部材8に支点軸材14で揺動可能に固定されたL字状の揺動部材7の一端を押し上げて、揺動部材7の他方の端部にボールエンド11aで一方の端部が係止された制御ケーブル10のワイヤー11が牽引される構造となっている。
【0029】
その結果、フラッシュバルブ装置50の開閉レバー51に取り付けられたワイヤー式洗浄ボタン装置80の傾動装置30では、傾動板34にボールエンド11bで他方の端部が係止されたワイヤー11が牽引されて傾動板34が傾いて駆動レバー51を傾倒させて放水バルブ52内部の開閉弁を開き、水道管60に接続されたストップバルブ61の吸水管62から洗浄水が放水管70を通って水洗便器に供給される。
【0030】
制御ケーブル10の構造は、鞘管と鞘管の内部に移動可能に挿入されたワイヤー11で構成され、鞘管の両端には制御ケーブル11のストロークを調整できるアジャスター付きケーブルキャップ(以下ケーブルキャップと記す)12,13を備え、ワイヤー11のストロークの調整はアジャストナット12a,13aとロックナット12b,13bの位置を調整して行う。尚鞘管に取り付けられるアジャスターとケーブルキャップとは、個別の部品構成であっても良い。
【0031】
<フラッシュバルブ装置の構成>
フラッシュバルブ装置50は、図1に示すように水道管60に接続された逆流防止機構を有するストップバルブ61の給水管62から洗浄水が放水バルブ52に供給される。フラッシュバルブ装置50の開閉操作は、放水バルブ52の内部の放水弁を手動で開閉する開閉レバー51、またはオプション仕様で無線或いは有線で接続された遠隔操作パネルのセンサースイッチやタッチスイッチ等の電磁式スイッチからの電気信号によって、放水バルブ52の放水弁の開閉操作を電磁駆動方式で行う電磁バルブ駆動装置53によって行われる。
【0032】
標準仕様のフラッシュバルブ装置50には、ワイヤー式洗浄ボタン装置80の内、開閉レバー51を操作する傾動装置30のみが取り付けられ、ワイヤー式洗浄ボタン装置80の押圧操作装置1のプッシュボタン2を押し込む操作を、駆動部が制御ケーブル10のワイヤー11の牽引力に変換して傾動装置30の傾動板34を牽引し、開閉レバー51を傾倒させることで放水弁の開閉操作を行う構造となっている。
【0033】
<ワイヤー式洗浄ボタン装置の押圧操作装置の構成>
図2において、ワイヤー式洗浄ボタン装置80を構成する押圧操作装置1の部品構成を説明する。サニタリーボックス20に着脱可能に設置された固定パネル21に穿孔されたボタン穴21aとほぼ同一の径を有するプッシュボタン2は、その裏側の中央に形成された穴2aに押圧軸材5を嵌入し、嵌入された押圧軸材5の先端にはボールプランジャー6がねじ込まれ、また押圧軸材5にはプッシュボタン2を係止するEリング5aが取り付けられる。
【0034】
固定パネル21の裏面にネジ止めされた台座9には、ボタン穴21aの軸線に沿って台座9に穿孔されたブッシュ穴9aにフランジ付き無給油ブッシュ3を挿入し、台座9を挟んでフランジ付き無給油ブッシュ3を台座9に固定するカラー4が取り付けられている。このフランジ付き無給油ブッシュ3には押圧軸材5が挿入され、プッシュボタン2を押した際のスムーズな押圧動作を可能にする。
【0035】
また、フランジ付き無給油ブッシュ3から突き出た押圧軸材5には、プッシュボタン2を係止して脱落を防止し、プッシュボタン2のストロークを制限する機能を備えたEリング5aが所定の位置に取り付けられている。プッシュボタン2のストロークの微調整は、押圧軸材5の先端に嵌入されたボールプランジャー6のねじ込む深さで調整し、揺動部材7の揺動の変位量を制限している。
【0036】
ネジ止め或いはリベット等で台座9に垂直に固定された支持部材8は、その支持部材8の側面に穿孔された軸穴8bに挿入され、両端をEリング14a,14bで固定された支点軸材14を有し、更に支持部材8の正面には制御ケーブル10の鞘管端部のケーブルキャップ12を固定するケーブル穴8aが穿孔されている。
【0037】
支持部材8に揺動部材7を係止する支点軸材14には、支持部材8と揺動部材7の接触面の滑りを良くする樹脂製ワッシャー14c,14dを具備している。支点軸材14で揺動可能に係止されたL字状の揺動部材7は、プッシュボタン2を押すことで、押圧軸材5の先端にねじ込まれたボールプランジャー6が揺動部材7の端部を押し上げることで、支点軸材14を中心に揺動部材7が回転し揺動される。その際、揺動部材7の他方の端部に穿孔された穴7aに、ボールエンド11aで係止された制御ケーブル10のワイヤー11が、揺動により牽引される構造となっている。
【0038】
牽引されるワイヤー11のストロークは、支持部材8のケーブル穴8aに固定された制御ケーブル10の鞘管端部のケーブルキャップ12に取り付けられているアジャストナット12aとロックナット12bの固定位置によって調整することができる。
【0039】
<ワイヤー式洗浄ボタン装置の傾動装置の構成>
図3(a),図3(b)に示すワイヤー式洗浄ボタン装置80を構成する傾動装置30の動作図より、フラッシュバルブ装置50の開閉レバー51に取り付けられた傾動装置30の構造は、放水バルブ52の放水管70との接続部に着脱可能に装着された固定クランプ31と支持金具32がネジ38で固定され、支持金具32の端部に垂直に形成された固定板33と、その固定板33に蝶番35で取り付けられた傾動板34を有している。固定板33と傾動板34には、其々開閉レバー51を通すレバー穴33a,34aが穿孔され、更に固定板33と傾動板34には制御ケーブル10を取り付けるためのケーブル穴33b,34bが形成されている。
【0040】
制御ケーブル10のケーブルキャップ13は、固定板33のケーブル穴33bにアジャストナット13aとロックナット13bで調整可能に取り付けられ、制御ケーブル10の鞘管に挿入されているワイヤー11は、傾動板34のケーブル穴34bを通した後、ボールエンド11bで圧着処理して係止されている。ワイヤー式洗浄ボタン装置80の押圧操作装置1のプッシュボタン2を押すことによって、制御ケーブル10の鞘管に挿入されたワイヤー11が牽引され、ワイヤー11が係止された傾動板34が傾動される。
【0041】
傾動板34を牽引するワイヤー11のストロークは、固定板33のケーブル穴33bに固定された制御ケーブル10のケーブルキャップ13に取り付けられているアジャストナット13aとロックナット13bの固定位置によって調整することができる。
【0042】
<トイレブースの仕様>
図4は化粧パネル22で個別に区切られユニット化された、統一仕様のワイヤー式洗浄ボタン装置80を備えたトイレブース100を示す例である。トイレブース100の仕様は、入り口のドアと化粧パネル22で四方を囲われ、水道給水管設備104とフラッシュバルブ装置50、水洗便器40とその汚水排水配管設備105、化粧パネル22に取り付けられたサニタリーボックス20を一つのユニットとして製造され、トイレブース100間の水道給水管設備104と汚水配水管設備105を接続することで複数連結が可能な構造となっている。
【0043】
サニタリーボックス20は、トイレでの洗う、拭く、流すなどの動作に対応して公共トイレに求められる高い機能性と耐久性、及び安全性を兼備えた統合パネルで、トイレブース100の側面の化粧パネル22に着脱可能に埋め込まれたパネルで、ワイヤー式洗浄ボタン装置80の押圧操作装置1や、電磁式の遠隔操作パネル55などの洗浄操作ボタンの他に、トイレットペーパや予備のペーパーホルダー、及び便座クリーナ等の用途に応じて様々な機能を追加することが可能で、デザイン性を加味し機能美を備えた統一仕様の統合パネルである。
【0044】
図4(a)に示す標準装備のトイレブース100に装備されるフラッシュバルブ装置50の開閉操作は、側面の化粧パネル22に組み込まれたサニタリーボックス20の押圧操作装置1と、制御ケーブル10で駆動される傾動装置30とで構成されるワイヤー式洗浄ボタン装置80によって開閉される。
【0045】
図4(b)に示すオプション仕様のトイレブース100において、サニタリーブボックス20に組み込まれた開閉駆動装置には、無線或いは有線の遠隔操作パネル55の洗浄ボタンの操作信号によってフラッシュバルブ装置50の開閉操作を電磁駆動方式で行う電磁バルブ駆動装置53と、停電などの非常用として、点検パネル25に取り付けられた押圧操作装置1と制御ケーブル10により駆動される傾動装置30とで構成されるワイヤー式洗浄ボタン装置80の両方を装備している。
【0046】
水洗便器40の背後の化粧パネル22に設置された点検パネル25は、フラッシュバルブ装置50を点検するための着脱式或いは開閉式のパネルで、水道給水管設備104やフラッシュバルブ装置50の点検及び整備の際の作業性を考慮した開口部の大きさを確保し、且つ美観を考慮してトイレブース100の化粧パネル22と同一のパネルで形成されている。
【0047】
図5は、雑居ビルなどに設置されている2連の横向き和式仕様のトイレブース120から、洋式の縦向き3連の構造を持つワイヤー式洗浄ボタン装置80を備えたトイレブース100に仕様変更を示すものである。和式仕様のトイレブース120及び洋式のトイレブース100も、水道給水管設備104とフラッシュバルブ装置50、水洗便器40とその汚水排水配管設備105が一つのユニットとして製造されているため、トイレブース間で連結されている水道給水管設備104と汚水配水管設備105をビルに設置されている既存の水道管及び汚水配管に接続することで、連結するトイレブース100の数を設置場所の広さに合わせて自由に連結数を増減することが可能な構造となっている。
【0048】
従って、本実施例のワイヤー式洗浄ボタン装置80は押圧操作装置1と傾動装置30を装備することで、フラッシュバルブ装置50の設置位置及び水道給水管設備104、汚水配水管設備105取り付け位置を統一してユニット化したトイレブース100を連結し複数組み合わせることができる。その結果、顧客の様々な要求に対しても設置工事期間の短縮を図り、且つ低コストで設置できるワイヤー式洗浄ボタン装置80を備えたトイレブース100を提供することが可能となる。
【0049】
尚、本実施例ではフラッシュバルブ装置50の設置位置を水洗便座40の背面の化粧パネル22の後方に配置した構成で説明しているが、側面のサニタリーボックス20の後方にフラッシュバルブ装置50を設置する構成の仕様のトイレブース100であっても良く、フラッシュバルブ装置50の設置位置は、任意の位置に設置可能であり本発明を制限するものではない。
【実施例2】
【0050】
既存のトイレブースの場合、トイレの洗う、拭く、流すなどの動作に対応してトイレットペーパや予備のペーパーホルダー、及び便座クリーナ等の用途に応じて様々な機能を追加された統一仕様のサニタリーボックス20が組み込まれているのが常である。それらのサニタリーボックス20に、本実施例のワイヤー式洗浄ボタン装置80を後から組み込むことができる構成を説明する。
【0051】
また、市販のフラッシュバルブ装置50の開閉手段には、開閉レバー51の他に開閉ボタン55による開閉方式があるため、ワイヤー式洗浄ボタン装置80の新たな構成についても説明する。
【0052】
図6(a)に示すワイヤー式洗浄ボタン装置80を構成する傾動装置130は、市販されている既存のフラッシュバルブ装置50の構造が製造元により開閉レバー51の取り付け位置が異なる構造を有するため、其々の製造元の構造に対応した傾動装置130を示している。
【0053】
また、製造元の違いによるフラッシュバルブ装置50の開閉手段の構造には、開閉レバー51を使用せず押圧式の開閉ボタン55(図7)を備えるフラッシュバルブ装置50があり、図6(b)はその開閉ボタン55に対応した開閉ボタン押圧装置140の構造を示すものである。
【0054】
図6(a)の傾動装置130と図3で説明した傾動装置30との違いは、固定クランプ31に対応する支持金具32を必要としない構造で、固定クランプ131が直に固定板133にネジ138で取り付けられる構造となっている。
【0055】
その他の構造において、固定板133に蝶番135で取り付けられた傾動板134を有し、固定板133と傾動板134には其々開閉レバー51を通すレバー穴133a,134aが穿孔され、更に固定板133と傾動板134には制御ケーブル10の取り付けるためのケーブル穴133b,134bが形成される構造は、図3に示した傾動装置30と同一で、動作に関しても違いはない。
【0056】
図6(b)に示した開閉ボタン押圧装置140は、フラッシュバルブ装置50の開閉手段が傾動式の開閉レバー51と異なり、押圧式の開閉ボタン55に対応した開閉ボタン押圧装置140を示す構成である。フラッシュバルブ装置50の開閉ボタン55をテコの原理を利用して半球突起143が制御ケーブル10のワイヤー11が牽引されることにより押圧する構造で、固定クランプ141と支持金具142がネジ148で取り付けられる構造となっている。支持金具142の一方の端部に設けられたケーブル穴142aに制御ケーブル10のケーブルキャップ13が固定され、ワイヤー11は連結された固定クランプ141と支持金具142の他方の端部に支点軸材145で回転可能に固定された傾動板144の他方の端部にボールエンド11bで固定される。
【0057】
ワイヤー11が牽引されることで傾動板144が支点軸材145を軸として回転し、半球突起143が開閉ボタン55を押圧する構造となっている。
【0058】
図7に示すワイヤー式洗浄ボタン装置80は、フラッシュバルブ装置50の開閉手段が開閉ボタン55を有する場合で、その押圧式の開閉ボタン55に対応した開閉ボタン押圧装置150を具備する構成図である。図7(a)は押圧操作装置1の駆動部がリンク材を菱形状に連結した菱形リンク91と、フラッシュバルブ50の開閉ボタン55を押す押圧軸152を駆動する菱形リンク151を組み合わせた構成で、押圧操作装置1と開閉ボタン装置150の両方に四個のリンク材を菱形状に変形可能に連結し、形成された菱形の対角線の伸縮を駆動力として利用したリンク構造である。
【0059】
図7(b)は押圧操作装置1のプッシュボタン2が押された際、駆動部の菱形リンク91と、フラッシュバルブ50の開閉ボタン55を押す押圧軸152を駆動する菱形リンク151との連携動作を示している。
【0060】
図7(a),図7(b)に示す菱形リンク91,151を組み合わせた構成では、プッシュボタン2を押すことで押圧軸材5の先端のボールプランジャー6が菱形リンク91の連結部91fを押し上げると、対向する連結部91cが支持部材8に回転可能に係止されているため、菱形リンク91の動作は、連結部91gに係止された制御ケーブル10の鞘管と、連結部91hに係止されたワイヤー11とを牽引するように変形する。そのため開閉ボタン装置150の菱形リンク151では、対角線上の連結部151gと連結部151hに渡された制御ケーブル10のワイヤー11が牽引されることで変形し、菱形リンク151の連結部151eが支持金具154に回転可能に係止されていることで、連結部151fに係止された押圧軸152がフラッシュバルブ50の開閉ボタン55を押圧し、フラッシュバルブ装置50の開閉弁を開放する。
【0061】
図7(c)に示すラック&ピニオンを利用したワイヤー式洗浄ボタン装置80の構成は、歯竿と呼ばれる平行に歯が刻まれたラック92,161と円形の歯車のピニオン93,163とを組み合わせた構成で、押圧操作装置1と開閉ボタン装置150の両方にラック&ピニオンを利用している。
【0062】
プッシュボタン2を押すことで、一部がカットされた円形のピニオン93が回転し、噛み合わされたラック92が平行移動し、係止された制御ケーブル10のワイヤー11が牽引される。そのため開閉ボタン装置150のピニオン163に係止されたワイヤー11が牽引されてピニオン163が回転し、噛み合わされたラック161に取り付けられた押圧軸152がフラッシュバルブ装置50の開閉ボタン55を押圧し、フラッシュバルブ装置50の開閉弁を開放する。
【0063】
図8は、図2に示した押圧操作装置1の構造をより小型簡略化した新たな構成を示すものである。図8(a)に示す押圧操作装置1の駆動部は、図2で示した押圧操作装置1をより小型簡略化した構造で、固定パネル21に形成されたボタン穴21aを移動するプッシュボタン2の動きを妨げない程度に台座9の厚みを薄くし、押圧軸材5を保持するカラー4の厚みも薄くして、更に押圧軸材5とボールプランジャー6も薄くすることで固定パネル21の背面の駆動部の突出幅を詰めた構造となっている。駆動部の突出幅を抑えることで、既存サニタリーボックス20や化粧パネル22に後付けで設置する際、設置スペースに柔軟に対応する構造を有している。
【0064】
図8(a)に示す支持部材8に支点軸材94aで回転可能に係止された揺動部材94は、実施例1とは異なりプッシュボタン2側に折れ曲がった形状で、制御ケーブル10のワイヤー11を押圧軸材5方向に牽引する構造となっている。
【0065】
図8(b)は、図7(c)に示したラック&ピニオンを小型簡略化した構造で、プッシュボタン2に連結された押圧軸材5の先端部に歯を形成したラック95として利用し、噛み合わされた歯車のピニオン96に制御ケーブル10のワイヤー11を係止した牽引アーム96aを形成した構造で、ピニオン96の回転に連動してワイヤー11を牽引する構造である。
【0066】
図8(c)は、ボールペンなどに利用されている斜めに当接した駆動片97aと回転片98aとの働きで直線運動を回転運動に変えるプッシュノック方式の構造で、押圧軸材5の先端部に設けられた駆動軸材97が回転軸材98に移動可能に挿入され、対向する回転軸材98には戻しスプリング99の抗力が加えられている。プッシュボタン2が押されることで駆動軸材97に形成された駆動片97aが回転軸材98に形成された回転片98aに接触すると、斜めに形成された当接面の働きで回転片98aが回転軸材98を回転する方向に力を受けるため、回転軸材98の牽引アーム98bに係止された制御ケーブル10のワイヤー11が回転軸材98に巻きとられるように牽引される構造となっている。
【0067】
図8(d)は、プッシュボタン2の押圧軸材5と一体となったボールネジ外筒190の内壁に取り付けられたボールネジ用ベアリング191が、支持部材8に設置された固定部材192bに回転自在に係止されたボールネジ192の螺旋溝192aに嵌入され、プッシュボタン2を押すことでボールネジ用ベアリング191が螺旋溝192aに沿って移動することでボールネジ192が回転し、ボールネジ192の牽引アーム192cに係止された制御ケーブル10のワイヤー11が巻きとられるように牽引される構造となっている。
【0068】
図8に示した駆動方法は、フラッシュバルブ装置50の開閉機構が開閉ボタン装置の場合、開閉ボタン55を押す開閉ボタン装置150の駆動機構として使用することも可能である。
【0069】
上述した押圧操作装置1の構成は、既存のサニタリーボックス20に後付けで組み込むことが可能であり、既存のトイレブースの一部仕様を変更する際、ワイヤー式洗浄ボタン装置80を構成する押圧操作装置1、傾動装置30及び開閉ボタン装置140,150を単独で組み込むことができる汎用性のあるワイヤー式洗浄ボタン装置80を提供することができる。
【0070】
以上、本実施例によれば公衆トイレやホテル、オフィス等の複合ビルに設置されるトイレ設備の仕様変更に対応して、トイレブースの仕様を統一し、且つ美観を損なうフラッシュバルブ装置をトイレブースと化粧パネルで隔てて配置することを可能にし、更に停電により電磁駆動によるフラッシュバルブ装置の開閉操作ができない場合でも、フラッシュバルブ装置の手動の開閉レバーを操作して水洗便器に洗浄水を供給できる押圧操作装置と制御ケーブル及び傾動装置或いは開閉ボタン装置で構成されるワイヤー式洗浄ボタン装置及びそれを備えたトイレブースを提供することができる。
【0071】
また、統一仕様のワイヤー式洗浄ボタン装置を備えたトイレブースにおいて、フラッシュバルブ装置を化粧パネルなどで隔てて配置することでフラッシュバルブ装置のメンテナンス性を損なうことがないように、トイレブースの化粧パネルにメンテナンス用の点検扉を予め設けてメンテナンス性能を備えることで、トイレブースの美観と利用者の操作性に優れたワイヤー式洗浄ボタン装置及びそれを備えたトイレブースを提供することができる。
【0072】
また、ワイヤー式洗浄ボタン装置を備えたトイレブースが統一仕様でユニット化されているため、和式トイレから洋式トイレへの設置変更期間を短縮して低コストで設置工事が簡単に行えるワイヤー式洗浄ボタン装置及びそれを備えたトイレブースを提供することができる。
【0073】
更に、既存のトイレ施設に本実施例のワイヤー式洗浄ボタン装置のうち、制御ケーブルによる駆動が可能であれば、押圧操作装置や傾動装置或いは開閉ボタン装置を単独で交換設置することも可能な汎用性に優れたワイヤー式洗浄ボタン装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0074】
1 押圧操作装置
2 プッシュボタン
3 フランジ付き無給油ブッシュ
4 カラー
5 押圧軸材
6 ボールプランジャー
7 揺動部材
8 支持部材
9 台座
10 制御ケーブル
11 ワイヤー
12 アジャスター付きケーブルキャップ
13 アジャスター付きケーブルキャップ
14 支点軸材
20 サニタリーボックス
21 固定パネル
22 化粧パネル
25 点検パネル
30 傾動装置(開閉駆動装置に対応)
31 固定クランプ
32 支持金具
33 固定板
34 傾動板
35 蝶番
38 ネジ
40 水洗便器
50 フラッシュバルブ
51 開閉レバー(開閉手段に対応)
52 放水バルブ
53 電磁バルブ駆動装置(開閉駆動装置に対応)
55 開閉ボタン(開閉手段に対応)
60 水道管
61 ストップバルブ
62 給水管
70 放水管
80 ワイヤー式洗浄ボタン装置
91 菱形リンク
91e リンクガイド溝
92 ラック
93 ピニオン
94 揺動部材
94a 支点軸
95 ラック
96 ピニオン
97 傾斜押圧軸材
98 傾斜回転軸材
99 戻り用スプリング
100 トイレブース
104 水道給水管設備
105 汚水配水管設備
120 和式トイレブース
130 傾動装置
131 固定クランプ
132 支持金具
133 固定板
134 傾動板
135 蝶番
138 ネジ
140 開閉ボタン装置
141 固定クランプ
142 支持金具
143 半球突起
144 傾動板
145 支点軸材
148 ネジ
150 開閉ボタン装置(開閉駆動装置に対応)
151 菱形リンク
152 押圧軸
153 固定クランプ
154 支持金具
161 ラック
162 ピニオン
190 ボールネジ外筒
191 ベアリング
192 ボールネジ
200 水洗便器
201 便器
210 フラッシュバルブ
211 開閉レバー
212 放水バルブ
220 水道管
221 ストップバルブ
230 放水管
240 トイレットペーパホルダー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
仕切りパネルで個別に区切られたトイレブースに設置された水洗便器に洗浄水を供給するフラッシュバルブ装置の開閉手段を開閉するための装置であって、
前記仕切りパネルに組み込まれる固定パネルに設置されるプッシュボタンと、該プッシュボタンの押圧操作に連動して動作する駆動部とを備えた押圧操作装置と、
該押圧操作装置の前記プッシュボタンの押圧操作で前記駆動部により牽引されるワイヤーを具備する制御ケーブルと、
前記ワイヤーが牽引されることで前記フラッシュバルブ装置の前記開閉手段を開閉する開閉駆動装置とから成ることを特徴とするワイヤー式洗浄ボタン装置。
【請求項2】
前記押圧操作装置の駆動部は、
前記固定パネルに穿孔された穴に嵌入された前記プッシュボタンの押圧操作を伝達する押圧軸材と、
前記固定パネル背面の台座に固定された支持部材に支点軸材で回転可能に取り付けられたL字状の揺動部材とを有し、
前記押圧軸材が前記揺動部材の一端を押し上げることで牽引される前記ワイヤーの端部が、前記揺動部材の他方の端部に係止されていることを特徴とする請求項1記載のワイヤー式洗浄ボタン装置。
【請求項3】
前記開閉駆動装置は、
前記フラッシュバルブ装置に固定クランプと支持金具で固定され、該支持金具の端部に垂直に形成された固定板と、
該固定板に蝶番で可動可能に取り付けられた傾動板とを有し、
該傾動板が前記フラッシュバルブ装置の前記開閉手段を傾倒可能に係止し、
更に前記傾動板には前記押圧操作装置により牽引される前記ワイヤーの他方の端部が係止されることを特徴とする請求項1または請求項2記載のワイヤー式洗浄ボタン装置。
【請求項4】
前記開閉駆動装置が、
前記フラッシュバルブ装置に固定クランプと固定板とで固定され、
該固定板には蝶番で可動可能に取り付けられた傾動板を有し、
該傾動板が前記フラッシュバルブ装置の前記開閉手段を傾倒可能に係止し、
更に傾動板には前記押圧操作装置により牽引される前記ワイヤーの他方の端部が係止されることを特徴とする請求項1または請求項2記載のワイヤー式洗浄ボタン装置。
【請求項5】
前記押圧操作装置の駆動部は、
変形可能に菱形状に連結されたリンク材の一か所の連結部が支持部材に係止され、
該係止された連結部と対向する連結部には前記プッシュボタンの押圧操作を伝達する押圧軸材が係止され、
更に前記制御ケーブルを係止したリンク材の他の連結部と、該連結部に対向する連結部には前記ワイヤーの端部が係止されることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項に記載のワイヤー式洗浄ボタン装置。
【請求項6】
前記押圧操作装置の駆動部は、
前記プッシュボタンに連結された押圧軸材の先端部に連続する歯を形成したラックと、
該ラックの歯に噛み合わされた歯車のピニオンとを有し、
該ピニオンが回転する際に連動して前記ワイヤーを牽引するための牽引アームを有することを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項に記載のワイヤー式洗浄ボタン装置。
【請求項7】
前記押圧操作装置の駆動部は、
前記プッシュボタンに連結された押圧軸材の先端部に形成されたボールネジ外筒と、
該ボールネジ外筒の内壁に取り付けられたボールネジ用ベアリングと、
支持部材に設置された固定部材に一方の端部を回転自在に係止され、且つボールネジ用ベアリングが嵌入される螺旋溝が形成されたボールネジとを有し、
前記プッシュボタンを押圧する際、ボールネジ用ベアリングが螺旋溝に沿って移動しボールネジが回転するのに連動して、
ボールネジには前記ワイヤーを牽引するための牽引アームを有することを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項に記載のワイヤー式洗浄ボタン装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載されたワイヤー式洗浄ボタン装置であって、
前記トイレブースを複数連結して配置する際、前記ワイヤー式洗浄ボタン装置が各トイレブースの所定の位置に設置されることを特徴とするワイヤー式洗浄ボタン装置を備えたトイレブース。
【請求項9】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載のワイヤー式洗浄ボタン装置であって、
前記トイレブースに設置されるトイレットペーパ、予備のペーパーホルダー、及び便座クリーナが収納されている統合パネルに、前記押圧操作装置が組み込まれることを特徴とするワイヤー式洗浄ボタン装置を備えたトイレブース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−107442(P2012−107442A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−257861(P2010−257861)
【出願日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(506182309)株式会社エスミー (4)
【Fターム(参考)】