説明

ワクチンの製造のためのクロストリジウム・パーフリンジェンスC型細菌の使用

本発明は、ワクチンの製造のためのクロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)C型細菌の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワクチンの製造のためのクロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)C型細菌の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
クロストリジウムはグラム陽性芽胞形成嫌気性細菌である。クロストリジウムは家畜および野生動物の両方の病原体として一般に認識されている。種々のクロストリジウムおよびそれらが引き起こす動物疾患の概説がSonger,J.G.in The Clostridia;Chapter 10:Clostridial Diseases of Animals,Molecular biology and Pathogenesis,Rood,J.I.ら編,Academic Press Ltd(1997)ISBN 0−12−595020−9に記載されている。
【0003】
現在公知のクロストリジウム種のうち、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)は、最も広く存在する細菌病原体であるとみなされうる。すべてのクロストリジウム種のなかで、それは、疑いなく、家畜におけるクロストリジウム腸疾患の最も重要な原因因子である。クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)種は、それが産生する主要毒素に基づいて、A〜E型の5つの型に細分される。
【0004】
クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)AおよびC型ならびにクロストリジウム・ディフィシレ(Clostridium difficile)はブタの主要腸クロストリジウム病原体である。ブタにおけるクロストリジウム腸感染は、Songer,J.G.およびUzal,F.A.(J.Vet.Diagn.Invest 17:528−536(2005))により、より詳細に記載されている。
【0005】
クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)C型はブタ、ウシ、ニワトリ、ヒト、ヒツジ、イヌおよびウマに感染する。子ブタはクロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)C型感染を最も受けやすい。1〜2日齢の子ブタにおいては、該感染は30%〜50%の罹患率および50%〜100%の致命率を招く。より年長の子ブタ(1〜2週齢)は、より長い感染経過を有しうる。成熟雌ブタ(sow)が一般的な感染源である。子ブタの防御のための一般的アプローチはクロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)C型ワクチンでの成熟雌ブタのワクチン接種であり、その後代へ初乳を介して移行する抗体を誘導するためのものである。これは、クロストリジウム感染を最も受けやすい時期の子ブタにおける高レベルの防御をもたらす。そのようなワクチンはトキソイドに基づくものである。通常、それらは、細胞が存在しない解毒上清ワクチンである。トキソイドワクチンは、とりわけ、Springer,S.およびSelbitz,H.−J.(FEMS Immun.and Medical Microbiol.24:333−336(1999))により記載されている。
【0006】
クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)A型は子ヒツジ、ヤギ、子ウシ、ニワトリ、ブタ、ウマ、イヌおよびヒトに感染する。十分に発育したブタにおいては、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)A型は腸の正常フローラのメンバーである。したがって、十分に発育したブタは、腸内のクロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)A型の存在による悪影響を受けないと現在考えられている。しかし、それは新生および離乳ブタにおいて壊死性全腸炎を引き起こしうる。クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)A型に対してブタを防御するためのワクチンは稀少である。現在、ただ1つの(条件付きで許可された)ワクチンが商業的に入手可能であるに過ぎない。この理由の1つは、前記のとおり、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)A型が正常フローラのメンバーであることにあろう。したがって、それが免疫応答を誘発するとは予想されないであろう。その結果、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)A型に対して抗体産生が誘導されるとは予想されないであろう。抗体が誘導されれば、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)A型は、正常フローラのメンバーであるどころか、腸内で生存することさえできないであろう。もう1つの結果として、もちろん、成熟雌ブタは初乳を介してそれらの後代にいずれの防御をも伝達しないと予想されるであろう。理由は何であれ、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)A型は十分な免疫刺激を誘導しないと思われる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】The Clostridia;Chapter 10:Clostridial Diseases of Animals,Molecular biology and Pathogenesis,Rood,J.I.ら編,Academic Press Ltd(1997)ISBN 0−12−595020−9
【非特許文献2】J.Vet.Diagn.Invest 17:528−536(2005)
【非特許文献3】FEMS Immun.and Medical Microbiol.24:333−336(1999)
【発明の概要】
【0008】
驚くべきことに、解毒培養上清を含むクロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)C型ワクチンはクロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)A型感染に対する交差防御を誘導する高い能力を有することが、本発明において見出された。
【0009】
より驚くべきことに、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)C型培養上清での成熟雌ブタ(sow)のワクチン接種はクロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)A型感染に対するそれらの子ブタの有意な防御をもたらすことが見出された。
【0010】
より一層驚くべきことに、このワクチン接種後には、成熟雌ブタでさえも、より良好に機能することが見出された。これは驚くべきことである。なぜなら、前記のとおり、成熟雌ブタのように十分に発育したブタはクロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)A型感染による悪影響を受けないと一般に考えられていたからである。実際にはそれとは逆であることを、この知見は初めて証明するものである。
【0011】
したがって、本発明の第1の実施形態は、十分に発育したブタをクロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)A型感染に対して防御するためのワクチンの製造のための、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)C型細菌の使用に関する。
【0012】
本発明の第2の実施形態は、成熟雌ブタをクロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)A型感染に対して防御するためのワクチンの製造のための、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)C型細菌の使用に関する。
【0013】
本発明の第3の実施形態は、子ブタをクロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)A型感染に対して防御するための成熟雌ブタ用ワクチンの製造のための、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)C型細菌の使用に関する。
【0014】
本発明の第4の実施形態は、子ブタをクロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)A型感染に対して防御するためのワクチンの製造のための、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)C型細菌の使用に関する。
【0015】
当業者に理解されるとおり、実際には、ワクチンの製造のためのクロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)C型細菌の使用は2工程の方法である。すなわち、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)C型細菌を培地内での増殖のために使用して、本発明のワクチンの製造の基礎となる培養上清を得る。
【0016】
したがって、本発明のもう1つの実施形態は、十分に発育したブタをクロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)A型感染に対して防御するためのワクチンの製造のための、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)C型培養上清の使用に関する。
【0017】
本発明の更にもう1つの実施形態は、成熟雌ブタをクロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)A型感染に対して防御するためのワクチンの製造のための、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)C型培養上清の使用に関する。
【0018】
本発明の更にもう1つの実施形態は、子ブタをクロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)A型感染に対して防御するためのワクチンの製造のための、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)C型培養上清の使用に関する。
【0019】
また、本発明の1つの実施形態は、子ブタをクロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)A型感染に対して防御するためのワクチンの製造のための、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)C型培養上清の使用に関する。
【0020】
クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)C型毒素型においては、ベータ−2−毒素を産生する株とそれを産生しない株との間で分類がなされうる。すべてのクロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)C型株の約40%がこの毒素を産生する。ベータ−2−毒素を産生するクロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)C型細菌は、ベータ−2−毒素を産生しないクロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)C型細菌より一層好適であることが判明した。そのような株およびそれらの同定は、とりわけ、Fisher,D.J.ら(Inf.&Immun.74:5200−5210(2006))により記載されている。したがって、この実施形態の好ましい形態は、ベータ−2−毒素を産生するクロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)C型細菌を使用する使用に関する。
【0021】
前記のとおりに製造されるワクチンは、決して、商業的養豚の過程でブタに投与される唯一のワクチンではない。クロストリジウムワクチンは、他のブタ病原生物およびウイルスに対するワクチンとほぼ同時に頻繁に投与される。
【0022】
したがって、もう1つの好ましい実施形態においては、本発明において記載されているとおりに製造されるワクチンは更に、ブタ病原生物もしくはウイルスに由来する1以上の抗原、それらの抗原に対する抗体、またはそのような抗原をコードする遺伝情報を含む。
【0023】
そのような生物またはウイルスは、好ましくは、仮性狂犬病ウイルス、PRRSウイルス、ブタインフルエンザウイルス、ブタパルボウイルス、伝染性胃腸炎ウイルス、ロタウイルス、大腸菌(Escherichia coli)、エリジペロスリックス・ルジオパシエ(Erysipelothrix rhusiopathiae)、ボルデテラ・ブロンキセプチカ(Bordetella bronchiseptica)、サルモネラ・ティフィムリウム(Salmonella typhimurium)、サルモネラ・コレレスイス(Salmonella choleraesuis)、ヘモフィルス・パラスイス(Haemophilus parasuis)、パスツレラ・ムルトシダ(Pasteurella multocida)、ストレプトコッカス・スイス(Streptococcus suis)、マイコプラズマ・ヒョウニューモニエ(Mycoplasma hyopneumoniae)、ブラキスピラ・ヒョウディセンテリエ(Brachyspira hyodysenteriae)およびアクチノバシラス・プリゥロニュウモニエ(Actinobacillus pleuropneumoniae)の群から選ばれる。したがって、この実施形態のより好ましい形態は、仮性狂犬病ウイルス、PRRSウイルス、ブタインフルエンザウイルス、ブタパルボウイルス、伝染性胃腸炎ウイルス、ロタウイルス、大腸菌(Escherichia coli)、エリジペロスリックス・ルジオパシエ(Erysipelothrix rhusiopathiae)、ボルデテラ・ブロンキセプチカ(Bordetella bronchiseptica)、サルモネラ・ティフィムリウム(Salmonella typhimurium)、サルモネラ・コレレスイス(Salmonella choleraesuis)、ヘモフィルス・パラスイス(Haemophilus parasuis)、パスツレラ・ムルトシダ(Pasteurella multocida)、ストレプトコッカス・スイス(Streptococcus suis)、マイコプラズマ・ヒョウニューモニエ(Mycoplasma hyopneumoniae)、ブラキスピラ・ヒョウディセンテリエ(Brachyspira hyodysenteriae)およびアクチノバシラス・プリゥロニュウモニエ(Actinobacillus pleuropneumoniae)の群から選ばれるブタ病原生物またはウイルスに由来する1以上の抗原を更に含む、本発明において記載されているとおりに製造されたワクチンに関する。
【0024】
クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)感染に次いで、子ブタは、しばしば、大腸菌(Escherichia coli)感染に罹患する。大腸菌(Escherichia coli)は子ブタにおける別の重症腸疾患の原因となる。したがって、子ブタまたは妊娠ブタは、しばしば、大腸菌(Escherichia coli)ワクチンでワクチン接種される。大腸菌(E.coli)ワクチンは当分野において一般に使用されており、それらは商業的に入手可能である。したがって、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)C型培養上清および大腸菌(Escherichia coli)ワクチン成分の両方を含む混合ワクチンが非常に望ましい。なぜなら、それは、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)C型、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)A型および大腸菌(Escherichia coli)感染に対して防御するからである。
【0025】
したがって、この実施形態の最も好ましい形態は、ブタ病原生物である大腸菌(Escherichia coli)に由来する1以上の抗原を更に含む、本発明において記載されているとおりに製造されたワクチンに関する。
【0026】
本発明は以下の実施例により非限定的に例示される。
【実施例】
【0027】
実施例
クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)C型抗原の製造
標準的なクロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)C型株である株587(Weybridge U.K.CollectionからのCWC 1/Sとも称される)を定常増殖期の開始まで発酵槽内で培養した。該培養物を遠心分離し、該細菌細胞を含有するペレットを廃棄した。ホルムアルデヒドを0.5% v/vの最終濃度まで該上清に加えて毒素を不活性化し、ついで限外濾過による濃縮および0.2μm濾過を行った。
【0028】
ワクチンの製造
クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)C型抗原と、トコフェロールに基づくアジュバントとを混合することにより、ワクチンを製剤化した。ワクチンの各用量(2ml)は2μlの17倍濃縮クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)C型抗原トキソイド培養上清濃縮物を含んでいた。該ワクチンは、C型ワクチンの効力および安全性に関して、欧州薬局方(European Pharmacopoeia)モノグラフ0363(獣医用クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)ワクチン)を満足するものであった。
【0029】
また、この実験において、考えられうる大腸菌(E.coli)感染を抑制するために、精製された大腸菌(E.coli)抗原(F4ab、F4ac、F5およびF6線毛および易熱性毒素)を加えた。これらの成分は当技術分野で公知であり、これらの成分に基づくワクチンの製造方法は当業者に公知であろう。しかし、その代わりに、当業者は、商業的に入手可能な、そのまま使用される大腸菌(E.coli)ワクチン、例えばPorcilis Porcoli DF(Intervet Int.B.V.,Wim de Korverstraat 35,Boxmeer,The Netherlandsを介して入手可能)を使用することが可能であろう。
【0030】
対照ワクチンは、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)C型抗原が対照群には存在しないこと以外は同じ成分を含む。
【0031】
成熟雌ブタの防御
臨床的なクロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)A型の突発的発生が生じたオランダの養豚場をランダム化二重盲検フィールド効力研究のために選択した。該養豚場からのクロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)A型分離体はα毒素およびβ2毒素の両方を産生することが判明した。
【0032】
分娩の約6および2週間の時点の妊娠中、大腸菌(E.coli)抗原のみを含有するワクチン(対照群)または大腸菌(E.coli)抗原およびクロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)C型抗原を含有するワクチン(試験群)で成熟雌ブタの筋肉内にワクチン接種した。盲検が保証されるよう該ワクチンを色分けし(2×試験ワクチン、1×対照ワクチン)、それらの群にわたる該成熟雌ブタの分布は約2:1であった(表1)。
【0033】
【表1】

【0034】
第1ワクチン接種の日から子ブタの離乳時(分娩の3〜4週間後)まで、該成熟雌ブタを全身健康状態、食物摂取および下痢に関して3日ごとに観察した。統計分析を容易にするために、臨床スコア系を用いた(表2)。ワクチン接種された成熟雌ブタにおいて産まれた子ブタを、出生後の最初の週は毎日、第1週から離乳までは3日に1回、そしてその後、養育期間の終了までは毎週、観察した。全身健康状態、食物摂取、下痢および死亡率を記録した(表2)。
【0035】
【表2】

【0036】
結果
【0037】
【表3】

【0038】
表3は、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)C型抗原を含まないワクチンでのワクチン接種と比較した場合の、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)C型抗原を含むワクチンでのワクチン接種の効果を示している。表3から明白に認められるとおり、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)C型抗原を含むワクチンでのワクチン接種は該成熟雌ブタの健康状態の非常に有意な改善をもたらした。
【0039】
ワクチン接種された成熟雌ブタの後代の防御
また、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)C型抗原を含むワクチンでワクチン接種された成熟雌ブタの同腹子における死亡率を、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)C型抗原を含まないワクチンでワクチン接種された成熟雌ブタの同腹子の場合と比較した。
【0040】
表4から明白に認められるとおり、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)C型抗原を含むワクチンでワクチン接種された成熟雌ブタの同腹子における死亡率は対照群の場合より有意に低かった。また、表5は、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)C型抗原を含むワクチンでワクチン接種された成熟雌ブタからの子ブタが対照群より有意に低い臨床スコアを有していたことを示している。
【0041】
【表4】

【0042】
【表5】

【0043】
結論:これらのデータは、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)C型抗原を含むワクチンでの成熟雌ブタのワクチン接種が、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)A型の突発的発生に直面したワクチン接種成熟雌ブタおよびそれらの後代の両方の健康状態の有意な改善をもたらすことを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
十分に発育したブタをクロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)A型感染に対して防御するためのワクチンの製造のための、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)C型細菌の使用。
【請求項2】
成熟雌ブタをクロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)A型感染に対して防御するためのワクチンの製造のための、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)C型細菌の使用。
【請求項3】
子ブタをクロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)A型感染に対して防御するための成熟雌ブタ用ワクチンの製造のための、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)C型細菌の使用。
【請求項4】
子ブタをクロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)A型感染に対して防御するためのワクチンの製造のための、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)C型細菌の使用。
【請求項5】
十分に発育したブタをクロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)A型感染に対して防御するためのワクチンの製造のための、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)C型培養上清の使用。
【請求項6】
成熟雌ブタをクロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)A型感染に対して防御するためのワクチンの製造のための、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)C型培養上清の使用。
【請求項7】
子ブタをクロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)A型感染に対して防御するためのワクチンの製造のための、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)C型培養上清の使用。
【請求項8】
子ブタをクロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)A型感染に対して防御するためのワクチンの製造のための、クロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)C型培養上清の使用。
【請求項9】
ベータ−2毒素を産生するクロストリジウム・パーフリンジェンス(Clostridium perfringens)C型細菌を使用する、請求項1〜8のいずれか1項記載の使用。
【請求項10】
該ワクチンの製造のために更に、ブタ病原生物もしくはウイルスに由来する1以上の抗原、それらの抗原に対する抗体、またはそのような抗原をコードする遺伝情報を使用する、請求項1〜9のいずれか1項記載の使用。
【請求項11】
該病原生物またはウイルスが、仮性狂犬病ウイルス、PRRSウイルス、ブタインフルエンザウイルス、ブタパルボウイルス、伝染性胃腸炎ウイルス、ロタウイルス、大腸菌(Escherichia coli)、エリジペロスリックス・ルジオパシエ(Erysipelothrix rhusiopathiae)、ボルデテラ・ブロンキセプチカ(Bordetella bronchiseptica)、サルモネラ・コレレスイス(Salmonella choleraesuis)、サルモネラ・ティフィムリウム(Salmonella typhimurium)、ヘモフィルス・パラスイス(Haemophilus parasuis)、パスツレラ・ムルトシダ(Pasteurella multocida)、ストレプトコッカス・スイス(Streptococcus suis)、マイコプラズマ・ヒョウニューモニエ(Mycoplasma hyopneumoniae)、ブラキスピラ・ヒョウディセンテリエ(Brachyspira hyodysenteriae)およびアクチノバシラス・プリゥロニュウモニエ(Actinobacillus pleuropneumoniae)の群から選ばれる、請求項10記載の使用。
【請求項12】
該ブタ病原生物が大腸菌(Escherichia coli)である、請求項10記載の使用。

【公表番号】特表2010−510197(P2010−510197A)
【公表日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−536749(P2009−536749)
【出願日】平成19年11月19日(2007.11.19)
【国際出願番号】PCT/EP2007/062484
【国際公開番号】WO2008/061950
【国際公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願人】(506196247)インターベツト・インターナシヨナル・ベー・ベー (85)
【Fターム(参考)】