説明

ワーク処理装置

【課題】ワークの組付作業を行うワーク処理装置において、搬送ライン上を移動し且つワークを搬送するパレットをコンパクト且つシンプルに構成できるとともに、作業性も良好なワーク処理装置を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、所定箇所が対向するように連続形成された搬送ラインLを有する搬送装置1と、搬送ラインL上を移動するパレット8と、パレット8に載置された状態で搬送ラインLに沿って搬送されてくるワークWの組付作業を行う組付装置3とを備え、部品2を供給する供給ラインLと、上記組付作業を行う組付ラインLとが対向して前記搬送ラインL上に設けられたワーク処理装置において、供給ラインLと組付ラインLとの間に、前記供給ラインLに供給された部品2を組付ラインLに移送する移送ラインTを前記搬送ラインLとは別に設置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ワークの組付作業を行うワーク処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
所定箇所が対向するように連続形成された搬送ラインが形成された搬送装置と、搬送ライン上を移動するパレットと、パレットに載置された状態で搬送ラインに沿って搬送されてくるワークの組付作業を行う組付装置とを備え、部品を供給する供給ラインと、上記組付作業を行う組付ラインとを対向させて前記搬送ライン上に設けることにより部品組付側と部品供給側とを区分けした特許文献1に示すワーク処理装置が公知になっている。
【特許文献1】特開2003−62727号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記文献のワーク処理装置は、供給ラインに供給された部品が搬送ラインを介して組付ライン側に移送されるように構成され、ワークを載置するパレットに組付ライン側でワークに組付ける部品の全てを載置する必要があるため、パレットをコンパクト且つシンプルに構成することが困難であるという課題がある他、組付作業に必要な部品の全てを供給ライン上で一気にパレットに載置する必要があり、作業性の面で課題が残る。
本発明は、上記課題を解決し、ワークの組付作業を行うワーク処理装置において、搬送ライン上を移動し且つワークを搬送するパレットをコンパクト且つシンプルに構成できるとともに、作業性も良好なワーク処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するため本発明のワーク処理装置は、第1に、所定箇所が対向するように連続形成された搬送ラインLを有する搬送装置1と、搬送ラインL上を移動するパレット8と、パレット8に載置された状態で搬送ラインLに沿って搬送されてくるワークWの組付作業を行う組付装置3とを備え、部品2を供給する供給ラインLと、上記組付作業を行う組付ラインLとが対向して前記搬送ラインL上に設けられたワーク処理装置において、供給ラインLと組付ラインLとの間に、前記供給ラインLに供給された部品2を組付ラインLに移送する移送ラインTを前記搬送ラインLとは別に設置したことを特徴としている。
【0005】
第2に、供給ラインLに供給された部品2を前記パレット8によって対応する移送ラインT付近まで搬送することを特徴としている。
【0006】
第3に、複数の部品2を載せる部品皿7を設け、該部品皿7を前記パレット8に位置決め載置することを特徴としている。
【0007】
第4に、移送ラインT上に部品皿7を載置する載置台31を備えたことを特徴としている。
【0008】
第5に、載置台31を上下複数段で備えたことを特徴としている。
【0009】
第6に、移送ラインT方向及び上下方向に往復移動可能に支持されて移送ラインT側に配置された受取体29を備え、該受取体29が供給ラインL上の部品2を受取ることを特徴としている。
【0010】
第7に、移送ラインT方向に往復移動可能に支持されて移送ラインT側に配置された受渡体32を備え、該受渡体32により移送ラインT側の部品2を組付装置3に受渡すことを特徴としている。
【0011】
第8に、組付装置3を複数備え、パレット8に記憶媒体を設け、該記憶媒体に各組付装置3の組付作業情報を記憶することを特徴としている。
【0012】
第9に、組付作業情報が、その組付装置3が行った組付作業が失敗したか成功したかの情報を含むことを特徴としている。
【0013】
第10に、複数の分割レール10を連結することによりなるガイドレール11により搬送ラインLの少なくとも一部が形成されることを特徴としている。
【0014】
第11に、ガイドレール11が、対向する一対の直線部11S,11Sと、一方の直線部11Sの終端と他方の直線部11Sの始端とを連接する半円弧状のカーブ部11Cとから構成されることを特徴としている。
【0015】
第12に、ガイドレール11が、供給ラインL及び組付ラインLを構成するように対向する一対の直線部11S,11Sからなり、供給ラインLの直線部11Sの終端部をなす分割レール10を組付ラインLの直線部11Sの始端部をなす位置まで往復移動させるレール搬送機構67を設けたことを特徴としている。
【0016】
第13に、組付ラインLを形成する直線部11Sの終端部と、供給ラインL及び組付ラインL以外の別作業ラインLを形成する直線部11Sの始端部とを連接し、組付ラインLの終端部をなすとともに前記別作業ラインLの始端部をなす分割レール10を、供給ラインLの始端部をなす位置に往復移動させるレール搬送機構68が設けられたことを特徴としている。
【0017】
第14に、供給ラインLを形成する直線部11Sの始端と前記別作業ラインL上のパレット8が戻される還元ラインLが形成された直線部11Sの終端とを連結したことを特徴としている。
【0018】
第15に、搬送ラインLが環状に形成されてなることを特徴としている。
【発明の効果】
【0019】
以上のように構成される本発明のワーク処理装置によれば、供給ラインと組付ラインとの間に、前記供給ラインに供給された部品を組付ラインに移送する移送ラインを前記搬送ラインとは別に設置しているため、部品が搬送ラインを介して組付ライン側に搬送される場合のように、ワークに組付ける部品の全てをパレットに載置する必要がなく、パレットをシンプル且つコンパクトに構成できるという効果がある他、上記移送ラインを介して部品が順次組付ライン側に移送されていくため、供給ライン上で必要な部品の全てをパレットに載置する場合と比較して作業性が良好になるという効果がある。くわえて、部品の種類毎に移送ラインを設ける等により部品の管理を容易に行うことができるという効果もある。
【0020】
また、供給ラインに供給された部品を前記パレットによって対応する移送ライン側に搬送することにより、供給ライン上で部品を移動させるための部材を別途設ける必要なく、構造を簡略化できるという効果がある。
【0021】
また、複数の部品を載せる部品皿を設け、該部品皿を前記パレットに位置決め載置することにより、複数の部品をまとめて移動させることが可能になるという効果がある。
【0022】
さらに、移送ライン上に部品皿を載置する載置台を移送ライン上に備えることにより、複数の部品を一時的に移送ライン上に溜めておくことが可能になり、この移動ライン上に留めた部品を用いて、効率の良い組付作業を行うことができるという効果がある。
【0023】
また、組付装置を複数備え、パレットに記憶媒体を設け、該記憶媒体に各組付装置の組付作業情報を記憶することにより、組付作業の次工程等において前段階の組付作業情報を利用することが可能になり、作業効率等が向上するという効果がある。
【0024】
また、複数の分割レールを連結することによりなるガイドレールにより搬送ラインの少なくとも一部が形成され、ガイドレールが、供給ライン及び組付ラインを構成するように対向する一対の直線部からなり、供給ラインの直線部の終端部をなす分割レールを組付ラインの直線部の始端部をなす位置まで往復移動させるレール搬送機構を設けることにより、所定箇所が対向するように連続形成された搬送ラインを、コストの高い円弧状の分割レールを用いることなく設置することができるため、製造コストを低く抑えることが可能になるという効果がある。
【0025】
なお、組付ラインを形成する直線部の終端部と、供給ライン及び組付ライン以外の別作業ラインを形成する直線部の始端部とを連接し、組付ラインの終端部をなすとともに前記別作業ラインの始端部をなす分割レールを、供給ラインの始端部をなす位置に往復移動させるレール搬送機構が設けられることにより、レール搬送機構による分割レール移動よってパレット搬送経路の切換を行い、組付ラインで作業を完了させる状態と、別作業ラインで組付作業の失敗に対する修復作業やオプション的な部品の組付作業を行わせる状態とを切換えることが可能になるため、汎用性や利便性が向上するとともに、環境の変化に柔軟に対応できるという効果がある。
【0026】
また、、供給ラインLを形成する直線部11Sの始端と前記別作業ラインL上のパレット8が戻される還元ラインLが形成された直線部11Sの終端とを連結することにより、パレットを循環移動させることが可能になるため、搬送ライン上にパレットを供給する手間が必要なくなるという効果がある。
【0027】
さらに、搬送ラインLを環状に形成させることによっても、パレットを循環移動させることが可能になるため、搬送ライン上にパレットを供給する手間が必要なくなるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下図示する例に基づき本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明を提供したワーク処理装置の構成を示す全体平面図である。本ワーク処理装置は、主に、被処理物であるワークW(図示する例ではハードディスクの筐体)を環状に形成された搬送ラインLに沿って搬送する搬送ユニット(搬送装置)1と、ワークWに対して各種部品2の組付作業を行う複数の組付ユニット(組付装置,作業機)3と、各種部品2を対応する組付作業ユニット3側に移送する移送ユニット(移送装置)4とから構成されている。
【0029】
環状の搬送ラインL上には、部品2を供給する供給ラインLと、部品2をワークWに組付ける組付ラインLとが、環状搬送ラインLの内側を跨いで対向するように設けられるとともに、搬送ラインLの環状内(供給ラインLと組付ラインLとの間)には上記移送ユニット4が配置される。
【0030】
供給ラインLに供給された部品2は搬送ユニット1によって供給ラインL上を搬送される。供給ラインL上の部品2は、環状搬送ラインLの内側に配置された移送ユニット4の移送最上流側で受取られ、必要に応じて組付ラインL側に移送されて移送ユニット4の移送最下流側で組付ラインLに沿って設置された組付ユニット3に受渡される。組付ユニット3は、移送ユニット4から受渡された部品2を、搬送ユニット1によって組付ラインL上を搬送されてくるワークWに組付けていく。
【0031】
即ち、供給ラインLは、供給ラインLに供給された部品2を移送ユニット4が受取る受取作業領域になり、組付ラインLは、搬送されてくるワークWに対して組付けを行う組付作業領域になる。ちなみに、供給ラインLにおける部品供給位置から対応する移送ユニット4の受取位置(近傍位置)までの部品2搬送は、搬送ユニット1によって行われる。
【0032】
なお、各種複数の部品2を各別に供給・移送することが可能なように、複数の移送ユニット4が供給ラインL及び組付ラインLに沿って並列配置されている他、組付ラインLに沿ってワークWに順次組付けることが可能なように、複数の組付ユニット3が組付ラインLに沿って複数並列配置されている。
【0033】
そして、図示する例では、供給ラインL上でハードディスクを組立てるために必要な部品2が各別に供給され、対応する移送ユニット4によって対応する組付ユニット3に移送される。組付ラインL上を搬送されるハードディスクの筐体であるワークWには、複数の部品2が並列配置された複数の組付ユニット3によって順次組付けられていき、組付ラインLを通過する際には、ハードディスク(組立品)が組上がった状態になる。
【0034】
なお、部品2の全てをロボット等によって自動的に供給ラインL上に供給してもよいが、図示する例では、複数人(5人)の作業者6A,6B,6C,6D,6Eの分担作業によって、一部の部品2を供給ラインL上に供給している。
【0035】
具体的に5人の作業者6A,6B,6C,6D,6Eの分担作業を説明すると、供給ラインLの最上流側(図1における左右方向の供給ラインLの左端側)の第1作業者6Aは、組付作業が完了したハードディスクを回収するとともに、ネジ等の同種部品2を載せたトレー(部品皿,部品トレー)7を供給ラインLに供給する作業を行う。ちなみに、部品2を載せたトレー7は、後述するように、対応する移送ユニット4に載置収納される。一方、組付ユニット3使用され空になったトレー7は、供給ラインLに返却される。
【0036】
第1作業者6Aの搬送下流側にいる第2作業者6Bは、ランプ等の同種部品2を載せたトレー7を供給ラインLに供給する作業を行う。第2作業者6Bの搬送下流側にいる第3作業者6Cは、空になったトレー7を回収する作業を行う他、ハードディスクの筐体Wに対して組付前の前処理作業を行う。第3作業者6Cの搬送下流側にいる第4作業者6Dは、ハードディスクの筐体Wを、搬送ラインL上を搬送される後述のパレット8に位置決め載置する作業を行う他、ディスク等の部品2を対応する移送ユニット4に直接供給する作業を行う。第4作業者6Dの搬送下流側にいる第5作業者6Eは、リング等の部品2を対応する移送ユニット4に直接供給する作業を行う他、ネジ等の部品2を組付ラインLに向かうパレット8に位置決め載置する作業を行う。
【0037】
次に、図1乃至3に基づき、搬送ユニット1の構成について説明する。
図2は、搬送ユニットの構成を示す要部斜視図である。搬送ユニット1は、上面がフラットに形成された複数のベース部9と、複数の各ベース部9上面に固定設置された分割レール10を連接することにより構成されるガイドレール11と、ガイドレール11上に配置された複数のパレット(可動台)8と、上下方向の円筒状に形成されて軸回りに回転自在に支持された搬送ローラ12と、搬送ローラ12に直結されてベース部に取付固定される搬送モータ(駆動手段)13と、パレット8をガイドレール11上の所定箇所に位置決めする位置決め装置(位置決め装置)14と、パレット8のガイドレール11上における位置を検出する位置検出手段等と、を備えている。
【0038】
上記ガイドレール11は、平行な状態で対向する一対の直線部11S,11Sと、一方の直線部11Sの終端と他方の直線部11Sの始端とを連接する半円弧状のカーブ部11Cと、上記他方の直線部11Sの終端と上記一方の直線部11Sの始端とを連接する半円弧状のカーブ部11Cと、からなり、全体としてループ状をなして前述した環状の搬送ラインLを形成している。ちなみに、直線部11S,カーブ部11Cは、それぞれ、前述した複数の分割レール10を連接することにより構成されている。
【0039】
上記パレット8は、ガイドレール11に対して交差方向(図示する例では直交)に形成され且つ平面視ガイドレール11から環状の搬送ラインLの外方側に突出しており、ガイドレール11上にスライド自在に係合された支持体16の上面に取付固定されている。即ち、パレット8は、支持体16を介して、ガイドレール11方向にスライド移動自在にガイドレール11に支持される。
【0040】
また、パレット8は、種々の部品2やワークWやトレー7を位置決め載置できるように、複数の凹凸(図示しない)が形成されており、供給ラインL上で供給された部品を対応する移送ユニット4付近まで搬送する一方で、組付ラインL上でワークWを搬送する他、ワークWを搬送している最中にも幾つかの部品2を搬送するように構成されている。
【0041】
パレット8のガイドレール11側の端部(基端部)からは、ガイドレール11方向に長い方形状の当接プレート(当接体,当接部)17が下方に向かって延設されている。この当接プレート17上半部の長手方向中央には開口部18が形成されており、この開口部18には当接プレート17の長手方向に並列配置された一対のベアリング19,19が上下方向を向いた姿勢で設置されている。
【0042】
上記搬送モータ13は、ガイドレール11に近接した状態で、環状の搬送ラインLに沿って複数満遍なく所定間隔で並列配置されている。この各搬送モータ13は、搬送ローラ12を軸回りに回転駆動させる。この搬送ローラ12がパレット8通過時に当接プレート17に弾力的に押圧されるように、搬送モータ13がガイドレール11近傍に配置されるとともに図示しない弾性部材によってガイドレール11側に常時弾力的に付勢されている。このことにより、搬送ローラ12が軸回りに回転駆動されると、この搬送ローラ12に当接している当接プレート17を有するパレット8がスムーズに下流側(図1における時計回り)に搬送される。
【0043】
上記位置決め装置14は本体21及び係合ロッド(係合片)22を備えている。本体21はガイドレール11方向に移動調整な状態で、ベース部9上面のガイドレール11近傍に支持されており、モータ等の位置決め装置移動駆動手段によりガイドレール11方向に往復移動駆動される。係合ロッド22は、ガイドレール11に対して交差方向(図示する例では直交方向)を向いた円柱状部材であり、軸方向に往復移動自在な状態で、本体21に支持されている。
【0044】
係合ロッド22は、上記往復作動により、本体21内に収容される収容姿勢と、本体21からパレット8側に突出する突出姿勢とに姿勢切換される他、バネ等の弾性部材(図示しない)により収容姿勢側に常時付勢されている。そして、本体21内に設けられるソレノイド等の位置決め駆動手段により、収容姿勢から突出姿勢への姿勢切換が行われる。
【0045】
パレット8が搬送され、当接プレート17の開口部18が位置決め装置14に近接している際、係合ロッド22を突出姿勢に姿勢切換駆動することにより、係合ロッド22が開口部18を介して前述した一対のベアリング19,19間に嵌め込まれ、パレット8がガイドレール11に対して位置決めされる。即ち、一対のベアリング19,19間に係合ロッド22との係合部23が形成される。
【0046】
なお、パレット8が搬送ラインL上で位置決めされている際、位置決め装置移動駆動手段により位置決め装置14を搬送ラインL方向に移動させ、パレット8の位置を変位させることが可能である。このため、位置決め箇所の変更が可能になる他、パレット8の位置調整を高精度で行うことが可能である。その際のガイドレール11に対する位置決め装置14の相対位置の検出は、位置検出センサ等の位置決め装置位置検出手段により行う。
【0047】
図3は、搬送ユニットのフローライン制御の構成を示す平面図である。上記搬送ユニッ1トは、搬送ラインLを複数のポイントPに区画し、フリーフローライン制御を行う。このフリーフローライン制御によれば、パレット8(対象パレット8)があるポイントP(対象ポイントP)にいる場合、対象ポイントPで後述の組付作業や受取作業等の作業を行わないこと又は対象ポイントPでの上記作業が完了していることを第1条件とし、対象ポイントPの次のポイントP(次ポイントP)に対象パレット8以外の他のパレットがないことを第2条件として、これら第1条件と第2条件の両方が満たされていることを条件に、対象ポイントPから次ポイントPに対象パレット8を搬送駆動させる制御が行われる。
【0048】
また、上記各ポイントPは、組付ユニット3による組付作業や移送ユニット4による受取作業を行う作業ポイントPと、このような作業を行わない非作業ポイントPに区別される。上記作業ポイントPがガイドレール11の各直線部11Sに複数設けられ、上記非作業ポイントPがガイドレール11のカーブ部11Cに複数設けられる。そして、2つの直線部11S,11Sにおける一方の直線部11Sが組付ユニット3による組付作業を行う組付ラインLになり、他方の直線部11Sが供給された部品2を移送ユニットが受取る受取作業を行う供給ラインLになる。
【0049】
なお、上記各作業ポイントPに、前述の位置決め装置14が設置されている。この位置決め装置14によって、組付ユニット3又は移送ユニット4の作業に最適な位置に、パレット8が位置決め調整され、作業の効率化が図られている。
【0050】
ちなみに、上記フリーフローライン制御は、ガイドレール11の経路長を変える等、搬送ラインLの構成を変更した場合でも制御内容を変更することなく適用可能であるため、汎用性が高い。
【0051】
次に、図1及び図4に基づき、組付ユニット及び移送ユニットの構成について説明する。
図4は、組付ユニット3及び移送ユニット4の全体斜視図である。移送ユニット4は、供給ライン及び組付ラインに対して交差方向(図示する例では直交方向)に延びて供給ラインLと組付ラインLとを最短経路で結ぶ移送ラインTが形成されるように構成されている。この移送ラインTは搬送ラインL上とは別に環状搬送ラインLの内側に設けられ(供給ラインLと組付ラインLとの間に設けられ)、部品2を供給ラインLから組付ラインLに移送する。
【0052】
前述の組付ユニット3は、組付ラインLを跨ぐ逆U字状のフレーム部24と、フレーム部24から上方に突設される上下方向のガイド杆26と、ガイド杆26に上下摺動駆動可能に支持された作業装置27とを備えている。作業装置27は、主に、ガイド杆26に上下摺動自在に支持された枠体28と、枠体28に設置されて部品2を保持又は保持解除するように作動する保持部(図示しない)とからなる。
【0053】
前述の移送ユニット4は、移送ラインTの供給ラインL側(移送上流側)でパレット8によって供給ラインL上を搬送されてくるトレー7を受取る受取体29と、トレー7を載置収納する水平な載置台31と、組付ユニット3に部品2を受渡す受渡体32と、載置台31のトレー7上の部品2を受渡体32に移送させる移送ロボット33と、各部を支持して移送ユニット4のフレームを構成する支持枠34とを備えている。
【0054】
上記受取体29は、移送ラインT方向が長手方向になり且つ上面が水平面になる方形状プレートであり、可動体36に取付固定された上下方向の鉛直摺動杆37によって可動体36に上下摺動自在に支持され、エアシリンダ等のアクチュエータ38により摺動駆動される。可動体36は、支持枠34に固設された移送ラインT方向の水平摺動杆39によって、移送ラインT方向に摺動自在に支持枠34に支持され、アクチュエータによって摺動駆動される。即ち、受取体29は、支持枠34に対して移送ラインT方向及び上下方向に往復移動駆動可能に支持されている。
【0055】
上記載置台31は上下一対で設けられ、一方が上段載置台31となり、他方が下段載置台31になり、それぞれに部品2を載せたトレー7が収容載置される。各載置台31は、基端部である供給ラインL側端部から移送ラインT方向組付ラインL側に向かって二股状に延設された板状部材であり、この二股に分かれた箇所の間に組付ラインL側が開放された切欠き状部31aが形成され、この切欠き状部31aを介して受取体29が載置台31の下面側から上面側及び上面側から下面側に最短距離で移動することが可能になっている。
【0056】
以上のような形状に成形された各載置台31の基端部は、移送ラインT方向の延びて支持枠34に架設される載置台スライドレール41によって、移送ラインT方向にスライド移動自在に支持枠34に支持されている。載置台31が、エアシリンダ等のアクチュエータによって、可動範囲内移送最上流側(最上流側)に移動駆動されると移送ラインTの移送上流半部を占める状態になる一方で、可動範囲内移送最下流側(最下流側)に移動駆動されると移送ラインTの移送下流半部を占める状態になる。
【0057】
上記受渡体32は、基端部から移送ラインT方向組付ラインL側に延設されて先端部が供給ラインL及び組付ラインL方向における移送ユニット4の機体内側に折れ曲り形成されて平面視L字状をなす水平プレートであり、上段載置台31と略同一高さ且つ搬送ラインL上のパレット8よりも高い位置で、平面視上記受取体29及び載置台31の可動範囲と常時重ならないように配置されている。受渡体32の基端部は、移送ラインT方向に形成されて支持枠34に固設された受渡体スライドレール42によって、支持枠34に移送ラインT方向にスライド自在に支持されている。
【0058】
受渡体32が、エアシリンダ等のアクチュエータ43によって、可動範囲内移送最上流側(最上流側)に移動駆動されると、受渡体32の先端部が移送ユニット4の組付ラインL側端部に位置した状態になる一方で、可動範囲内移送最下流側(最下流側)に移動駆動されると、受渡体32の先端部が組付ユニット3側に突出して基端部が移送ユニット4の組付ラインL側端部に位置した状態になる。
【0059】
上記移送ロボット33は、平面視において上記受取体29、載置台31及び受渡体32の可動範囲と重ならない位置から受渡体32よりも上方に突出して支持枠34に固定される直方体状の基台44と、基台44上面に基端部が水平回動駆動可能に支持される水平アーム46と、水平アーム46先端部に水平回動駆動可能に支持される上下方向の支持体47と、支持体47に上下スライド駆動可能に支持される保持部48とを備えている。
【0060】
保持部48は、水平アーム46及び支持体47の水平回動と、保持部48自身の上下スライド移動及び保持・保持解除作動とによって、部品2を保持して受取った後、移送ユニット4の下流側半部をカバーする範囲内で部品を移動させて所定箇所に載置する作業を行う。
【0061】
次に図4乃至7に基づき組付ユニット3が行う作業及び移送ユニット4が行う作業について説明する。
【0062】
図5は、移送ユニットが供給ラインから部品を受取る受取作業の状態を示す平面図である。搬送ユニット1によって、供給ラインL上をパレット8に載置されて搬送されてくる部品2を載せたトレー7は、対応する移送ユニット4が受取作業を行う作業ポイントPまで来ると、該ポイントPで位置決め装置14によって位置決めされた状態になる。ちなみに、トレー7は、平面視方形状に成形され、長手方向がパレット8形状方向と一致するようにしてパレット8に位置決め載置されており、トレー7の裏面(下面,載置面と反対側の面)には長手方向に延びて両端が開放された挿入溝7aが凹設されている。
【0063】
この状態で、受取体29の高さを係合溝7aに合わせて組付ラインL側に水平スライド移動させると、受取体29が組付ラインL側に突出して上記挿入溝7aに受取体29が挿入された状態になる。この状態から受取体29を少しだけ上方スライド移動させると、トレー7がパレット7から離間して受取体29と係合し、移送ユニット4のトレー7(部品2)の受取作業が完了する。
【0064】
図6は、移送ユニットが受取ったトレーを載置台に載置収納する収納作業の前半工程を示す側面図である。上下段の載置台31,31が最上流側に位置した状態で、受取体29が前述のようにしてトレー7を受取ると、下段の載置台31が最下流側にスライド移動し、受取体29が移送ラインT側に戻るスペース49が形成される。受取体29が、このスペース49に向かって組付ラインL側にスライド移動した後、下方にスライド移動すると、再び上記スペース49が形成される。そして、再び下段載置台31を最上流側にスライド移動させた後、受取体29を可動範囲最下流側(最下流側)にスライド移動させ、上方にスライド移動させると、受取体29が載置台31の基端側から先端側にまわりこんで、収納作業の前半工程が終了する。
【0065】
図7は、移送ユニットが受取ったトレーを載置台に載置収納する収納作業の後半工程を示す側面図である。受取体29は、図6に示す工程が完了すると、上下方向及び移送ラインL方向のスライド移動によって、トレー7を載置対象の載置台31の真上位置まで移動させる。
【0066】
そして、受取体29がこの載置台31の切欠き状部31aを通り貫けるようにして、トレー7を載せた受取体29を下方スライド移動させると、トレー7が載置台31上面に載置収納され、受取体29がこの載置台31の上面側から下面側に移動した状態になり、移送ユニット4の収納作業が完了する。収納作業完了の後は、受取体29が、受取体29の上下方向及び移送ラインT方向のスライド移動と、上下段載置台31,31の移送ラインT方向のスライド移動によって、所定箇所に移動される。
【0067】
なお、図5乃至7に示す受取作業及び収納作業の逆手順及び逆方向の作業を行うことにより、空のトレー7を供給ラインL上のパレット8に返却するトレー返却作業を行うことができる。
【0068】
部品2を移送ユニット4から組付ユニット3に受渡す受渡作業は、まず、図4に示すように、対象部品2が載ったトレー7を載置した載置台31を最下流側にスライド移動させるとともに、受渡体32を最上流側にスライド移動させる。次にトレー7上の対象部品2を、移送ロボット33の保持部48によって受渡体32側に移動させて受渡体32の先端部に載せる。そして、組付ユニット3の作業装置27を上方位置にスライド移動させた後、受渡体32の先端部を作業装置27の保持部の真下位置にスライド移動させて部品準備作業を完了する。
【0069】
組付ユニット3は、移送ユニット4の上記部品準備作業が完了した状態(部品準備状態)になるか、パレット8上の組付部品2が作業装置27の真下に位置した状態(部品準備状態)になると、作業装置27の上下スライド移動及び保持部の保持作動・保持解除作動によって、受渡体32上の部品2又はパレット8上の部品2を引受け、この部品2をパレート8上のワークWに組付けることにより、組付作業を完了する。
【0070】
なお、搬送ラインL上を搬送される複数の各パレット8には各種情報を記憶可能なICタグ(記憶媒体)が設けられており、このICタグには、そのパレット8に供給ラインL上でどのようなトレー7(例えば、トレー7の載せられた部品2の種類)が載置されたか、そのトレー7を対応する移送ユニット4が受取ったか否か、組付ラインL上でどの部品2が組付けられたか、各組付作業が成功したか否か等の情報を記録することが可能であり、このICタグの情報が各工程で利用される。
【0071】
次に、図1,2,8乃至10に基づき、組付ユニット3及び移送ユニット4の制御手段について説明する。図8(A)は組付ユニットの制御ブロック図であり、(B)は移送ユニットの制御ブロック図である。組付ユニット3は、マイコン等から構成される制御部(組付ユニット制御部)51を備えている。この制御部51の入力側には、搬送されてきたパレット8のICタグの情報を読込む読込手段52と、組付ユニット3の各部の位置や姿勢等の状態及びパレット8の通過等をそれぞれ検出する各種検出手段53とが接続されている。
【0072】
制御部51の出力側には、各部をそれぞれ駆動する各種駆動手段54と、その組付ユニット3による組付作業情報等をICタグに書込む書込手段56とが接続されている。くわえて、制御部51は、制御部51に接続された通信手段57を介して、移送ユニット4及びその他の組付ユニット3と通信可能に構成されている。
【0073】
移送ユニット4は、マイコン等から構成される制御部(移送ユニット制御部)58を備えている。この制御部58の入力側には、搬送されてきたパレット8のICタグの情報を読込む読込手段59と、移送ユニット4の各部の位置や姿勢等の状態及びパレット8の通過等をそれぞれ検出する各種検出手段61とが接続されている。
【0074】
制御部58の出力側には、各部をそれぞれ駆動する前述したアクチュエータ38,43等からなる各種駆動手段62と、その組付ユニット3による組付作業情報等をICタグに書込む書込手段63と、載置台31上の部品2が無くなったことを供給ラインL側の作業者6A,6B,6C,6D,6Eや図示しない部品供給装置等にランプや警報音等により報知する報知手段64とが接続されている。くわえて、制御部58は、制御部58に接続された通信手段66を介して、組付ユニット3及びその他の移送ユニット4と通信可能に構成されている。
【0075】
図9は、組付ユニット3の制御フロー図である。組付ユニット3の処理が開始されると、制御部51は、ステップS1から処理を開始する。ステップS1では、制御部51が制御している組付ユニット3の作業ポイントPにパレット8がいるか否かを、各種検出手段53等により検出し、パレット8が作業ポイントPにいればステップS2に進み、いなければステップS1の処理を再度行う。
【0076】
ステップS2では、読込手段51によって作業ポイントPにいるパレット8のICタグ情報を読込み、ステップS3に進む。ステップS3では、作業ポイントP以前の組付作業(搬送ラインL上流側での組付作業)が全て成功しているか否かを検出し、成功していれば、ステップS4に進む。ステップS4では、前述した部品準備状態であるか否かの検出を行い、部品準備状態でなければステップS5に進む。
【0077】
ステップS5では、通信手段57,66等を介して、搬送ユニット1又は移送ユニット2に対して部品準備要求を行い、ステップS4に処理を戻し、部品準備状態になるまでステップS5→ステップS4の処理を繰返す。ステップS4において、部品準備状態であることが検出されると、ステップS6に処理が進められる。
【0078】
ステップS6では、前述した組付作業が行われ、ステップS7に進む。ステップS7では、ステップS6の組付作業が成功したか否かを各種検出手段53等により検出し、成功していればステップS8に進み、失敗していればステップS9に進む。ステップS8では、所定の組付作業が成功した旨の情報をICタグに書込み、ステップS10に進む一方で、ステップS9では、所定の組付作業が失敗した旨の情報をICタグに書込み、ステップS10に進む。
【0079】
ステップS10では、組付作業完了処理を行い、その状態が通信手段52により搬送ユニット1に伝えられ、前述したフローライン制御に利用される。そして、処理がステップS1に戻される。
【0080】
ステップS3において、作業ポイントP以前の組付作業の何れか1つでも失敗していることが検出されると、ステップS10に処理が進めされる。すなわち、ステップS9の処理により失敗の情報がICタグに書込まれると、高品質の完成品を組立てるのが困難なことが判明するため、それ以降の組付作業ポイントPでは、組付作業が行われずに、そのワークWがパレット8から未完成品として回収される回収位置まで、このワークWがパレットに載置されて搬送される。
【0081】
図10は、移送ユニットの制御フロー図である。移送ユニット4の処理が開始されると、制御部58は、ステップS21から処理を開始する。ステップS21では、制御部58が制御している移送ユニット4の作業ポイントPにパレット8がいるか否かを、各種検出手段61等により検出し、パレット8が作業ポイントPにいればステップS22に進む。
【0082】
ステップS22では、移送ユニット4が報知手段64等を介して供給ラインL上の作業者6A,6B,6C,6D,6E等に部品2の供給要求をしているか否かを示す部品供給フラグの値の検知を行い、部品供給フラグの値が「1」であることが検知されると、供給要求がされている状態であるため、ステップS23に進む。ステップS23では、読込手段59によって作業ポイントPにいるパレット8のICタグ情報を読込み、ステップS24に進む。ちなみに、部品供給フラグは初期状態において、「0」にリセットされ、部品の供給要求がされていない状態であることを示している。
【0083】
ステップS24では、作業ポイントPのパレット8上に供給要求部品2が載ったトレー7が載置されているか否かをICタグ情報より検知し、供給要求をした部品2であれば、ステップS25に進む。ステップS25では、前述した受取作業及び収納作業を行い、ステップS26に進む。ステップS26では、書込手段63によりパレット8のICタグに供給要求部品2を受取った旨の作業完了書込を行い且つ部品供給フラグの値を「0」にリセットしてステップS27に進む。
【0084】
ステップS27では、組付作業完了処理を行い、その状態が通信手段66により搬送ユニット1に伝えられ、前述したフローライン制御に利用される。そして、処理がステップS28に進む。
【0085】
ステップS21において、制御部58が制御している移送ユニット4の作業ポイントPにパレット8がいないことが検出されると、ステップS22〜S26までの処理が行なわれず、ステップS27に処理が進む。ステップS22において、部品供給フラグの値が「0」であることが検出されると、移送ユニット4が部品の供給要求をしている状態ではないため、移送ユニット4の受取作業や収納作業は行われず、ステップS27に処理が進めされる。ステップS24において、作業ポイントPのパレット8上に供給要求部品2が載ったトレー7が載置されていないことが検出されると、ステップS27に処理が進められる。
【0086】
ステップS28では、対応する組付ユニット3から部品準備要求がされているか否かを通信手段57,66を介して検出し、部品準備要求がされていなければステップS21に処理を戻し、されていればステップS29に処理を進める。ステップS29では、各種検出手段61等によって、載置台31上のトレー7に必要部品2が有るか無いかの検出を行い、ある場合にはステップS30に進む。ステップS30では、前述した部品準備作業を行い、ステップS21に処理を戻す。
【0087】
ステップS29において、載置台31上のトレー7に必要部品2が無いことが検出されると、ステップS31に進む。ステップS31では、載置台31上の空のトレー7に対して前述したトレー返却作業を行い、ステップS32に進む。ステップS32では、前述した部品供給フラグの値を「1」にセットするとともに、報知手段64や通信手段66等により供給ラインL側に部品供給要求報知をして、処理をステップS21に戻す。
【0088】
ステップS29→ステップS31→ステップS32の処理によって、次ループ以降でステップS22→ステップS23→ステップS24→ステップS25→ステップS26の処理が行なわれると、載置台31上の必要部品2が載置収納された状態になり、ステップS29からステップS30に処理が進められる状態になる。
【0089】
以上のように構成される本ワーク処理装置によれば、各パレットのICタグ情報を用いて、各組付ユニット3及び各移送ユニット4が自律分散的な制御を実行することが可能であるとともに、搬送ユニット1がフローライン制御によって各ポイントPで自律分散的な処理を実行することができるため、組付ユニット3や各移送ユニット4の増減、搬送ラインLの変更にも、プログラム等の変更を殆ど必要とせずに、迅速且つフレキシブルに対応可能であるため、汎用性及び利便性が非常に高い。
【0090】
なお、各パレット8にICタグ等の情報記録媒体を用いずに、バーコード等の識別情報を各パレット8に設けてもよい。この場合には、全ての組付ユニット3及び移送ユニット4を単一のマイコンやパソコン等からなる制御装置で集中管理する必要があり、各パレットの情報を制御装置の記録部に記録する必要がある一方で、通信手段57,66や読込手段52,59及び書込手段56、63等が不要にあり、制御構成を大幅に簡略化できるというメリットがある。
【0091】
次に、図11に基づき、本発明を適用したワーク処理装置の他の実施形態について、前述の実施形態と異なる点を説明する。
図11は、本発明の他の実施形態を示すワーク処理装置の概念図である。本ワーク処理装置は、対向する一対の直線部11S,11Sからガイドレール11がなり、該2つの直線部11S,11Sに供給ラインL及び組付ラインLがそれぞれ形成されている。
【0092】
また、組付ラインLを構成する直線部11Sの終端部(搬送最下流部)は該直線部11Sと一直線状に配置される直接部11Sの始端(搬送最上流部)と連接される一方、供給ラインLを構成する直線部11Sの始端部は該直線部11Sと一直線状に配置される直接部11Sの終端と連接される他、組付ラインL側に連接された直線部11Sと供給ラインL側に連接された直線部11Sとの間には、この2つの直線部11Sと平行な直線部11Sが設置されている。
【0093】
組付ラインL側に連接された直線部11Sには第1別作業ライン(別作業ライン)Lが形成され、供給ラインL側に連接された直線部11Sには還元ラインLが形成され、この第1別作業ラインLと還元ラインLとの間の直線部11Sには第2別作業ライン(別作業ライン)Lが形成される。
【0094】
上記2つの別作業ラインL,Lでは、組付ラインLで失敗した組付作業の修復や、標準的な組立品にオプション的な部品2を組付ける作業を行う。還元ラインLは別作業ラインL,Lに搬送されたパレット8を供給ラインL側に戻す搬送経路を形成する。ちなみに、この還元ラインL上で、組付ラインLで失敗した組付作業の修復や、標準的な組立品にオプション的な部品2を組付ける作業を行ってもよい。
【0095】
上記供給ラインLを構成する直線部11Sの終端部と、上記組付ラインLを構成する直線部11Sの始端部との間には、直線状に延びる第1レール搬送機構(レール搬送機構)67が設置されている。この第1レール搬送機構67は、搬送ラインLの一部を形成し、供給ラインLの終端側と組付ラインLの始端側との間で、分割レール10を往復移動作動させることにより、該分割レール10上のパレット8を供給ラインLから組付ラインLに移動させる。すなわち、この分割レール10が供給ラインL側の移動した際には供給ラインLの終端部を構成し、この分割レール10が組付ラインL側に移動した際には組付ラインLの始端部を構成する。
【0096】
上記2つの別作業ラインL,L始端部及び還元ラインL終端部を通過するように直線状に延びる第2レール搬送機構(レール搬送機構)68が、組付ラインL終端部と供給ラインL始端部との間に設置されている。この第2レール搬送機構68は、組付ラインLの終端部をなすとともに第1別作業ラインLの始端部をなす位置と、第2別作業ラインLの始端部をなす位置と、還元ラインLの終端部をなすとともに供給ラインLの始端部をなす位置とに変位可能なように、パレット8が載った分割レール10を、組付ラインL終端部と供給ラインL始端部との間で往復移動駆動させる。
【0097】
すなわち、第2レール搬送機構68は、往復移動作動によって、組付ラインL上のパレット8を第1別作業ラインLに搬送する搬送経路と、組付ラインL上のパレット8を第2別作業ラインLに搬送する搬送経路と、組付ラインL上のパレット8を供給ラインLに搬送する搬送経路と、を形成するとともに、還元ラインL上のパレット8を供給ラインLに搬送する搬送経路を形成する。
【0098】
上記2つの別作業ラインL,L終端部及び還元ラインL始端部を通過するように直線状に延びる第3レール搬送機構(レール搬送機構)69が設置されている。この第3レール搬送機構69は、第1別作業ラインLの終端部をなす位置と、第2別作業ラインの終端部Lをなす位置と、還元ラインLの始端部をなす位置とに変位可能なように、パレット8が載った分割レール10を、第1別作業ラインL終端部と還元ライン始端部Lとの間で往復移動駆動させる。すなわち、第3レール搬送機構69は、往復移動作動によって、第1別作業ラインL上のパレット8を還元ラインLに搬送する搬送経路と、第2別作業ラインL上のパレットを還元ラインLに搬送する搬送経路とを形成可能に構成されている。
【0099】
なお、パレット8の搬送制御は、前述の場合と同様にICタグやバーコードを用いて行う。
【0100】
以上のように構成される本ワーク処理装置によれば、環状の搬送ラインLを、第2レール搬送機構68によって、適宜切換えることにより、作業内容を切換えることができるため、利便性及び汎用性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明を提供したワーク処理装置の構成を示す全体平面図である。
【図2】搬送ユニットの構成を示す要部斜視図である。
【図3】搬送ユニットのフローライン制御の構成を示す平面図である。
【図4】組付ユニット3及び移送ユニット4の全体斜視図である。
【図5】移送ユニットが供給ラインから部品を受取る受取作業の状態を示す平面図である。
【図6】移送ユニットが受取ったトレーを載置台に載置収納する収納作業の前半工程を示す側面図である。
【図7】移送ユニットが受取ったトレーを載置台に載置収納する収納作業の後半工程を示す側面図である。
【図8】(A)は組付ユニットの制御ブロック図であり、(B)は移送ユニットの制御ブロック図である。
【図9】組付ユニット3の制御フロー図である。
【図10】移送ユニットの制御フロー図である。
【図11】本発明の他の実施形態に示すワーク処理装置の概念図である。
【符号の説明】
【0102】
1 搬送ユニット(搬送装置)
2 部品
3 組付ユニット(組付装置,作業機)
7 トレー(部品皿,部品トレー)
8 パレット(可動台)
10 分割レール
11 ガイドレール
11S 直線部
11C カーブ部
29 受取体
31 載置台
32 受渡体
67 レール搬送機構
L 搬送ライン
供給ライン
組付ライン
第1別作業ライン(別作業ライン)
還元ライン
T 移送ライン
W ワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定箇所が対向するように連続形成された搬送ライン(L)を有する搬送装置(1)と、搬送ライン(L)上を移動するパレット(8)と、パレット(8)に載置された状態で搬送ライン(L)に沿って搬送されてくるワーク(W)の組付作業を行う組付装置(3)とを備え、部品(2)を供給する供給ライン(L)と、上記組付作業を行う組付ライン(L)とが対向して前記搬送ライン(L)上に設けられたワーク処理装置において、供給ライン(L)と組付ライン(L)との間に、前記供給ライン(L)に供給された部品(2)を組付ライン(L)に移送する移送ライン(T)を前記搬送ライン(L)とは別に設置したワーク処理装置。
【請求項2】
供給ライン(L)に供給された部品(2)を前記パレット(8)によって対応する移送ライン(T)付近まで搬送する請求項1のワーク処理装置。
【請求項3】
複数の部品(2)を載せる部品皿(7)を設け、該部品皿(7)を前記パレット(8)に位置決め載置する請求項2のワーク処理装置。
【請求項4】
移送ライン(T)上に部品皿(7)を載置する載置台(31)を備えた請求項1,2又は3のワーク処理装置。
【請求項5】
載置台(31)を上下複数段で備えた請求項4のワーク処理装置。
【請求項6】
移送ライン(T)方向及び上下方向に往復移動可能に支持されて移送ライン(T)側に配置された受取体(29)を備え、該受取体(29)が供給ライン(L)上の部品(2)を受取る請求項1,2,3,4又は5のワーク処理装置。
【請求項7】
移送ライン(T)方向に往復移動可能に支持されて移送ライン(T)側に配置された受渡体(32)を備え、該受渡体(32)により移送ライン(T)側の部品(2)を組付装置(3)に受渡す請求項1,2,3,4,5又は6のワーク処理装置。
【請求項8】
組付装置(3)を複数備え、パレット(8)に記憶媒体を設け、該記憶媒体に各組付装置(3)の組付作業情報を記憶する請求項1,2,3,4,5,6又は7のワーク処理装置。
【請求項9】
組付作業情報が、その組付装置(3)が行った組付作業が失敗したか成功したかの情報を含む請求項8のワーク処理装置。
【請求項10】
複数の分割レール(10)を連結することによりなるガイドレール(11)により搬送ライン(L)の少なくとも一部が形成される請求項1,2,3,4,5,6,7,8又は9のワーク処理装置。
【請求項11】
ガイドレール(11)が、対向する一対の直線部(11S),(11S)と、一方の直線部(11S)の終端と他方の直線部(11S)の始端とを連接する半円弧状のカーブ部(11C)とから構成される請求項10のワーク処理装置。
【請求項12】
ガイドレール(11)が、供給ライン(L)及び組付ライン(L)を構成するように対向する一対の直線部(11S),(11S)からなり、供給ライン(L)の直線部(11S)の終端部をなす分割レール(10)を組付ライン(L)の直線部(11S)の始端部をなす位置まで往復移動させるレール搬送機構(67)を設けた請求項10のワーク処理装置。
【請求項13】
組付ライン(L)を形成する直線部(11S)の終端部と、供給ライン(L)及び組付ライン(L)以外の別作業ライン(L)を形成する直線部(11S)の始端部とを連接し、組付ライン(L)の終端部をなすとともに前記別作業ライン(L)の始端部をなす分割レール(10)を、供給ライン(L)の始端部をなす位置に往復移動させるレール搬送機構(68)が設けられた請求項12のワーク処理装置。
【請求項14】
供給ライン(L)を形成する直線部(11S)の始端と前記別作業ライン(L)上のパレット(8)が戻される還元ライン(L)が形成された直線部(11S)の終端とを連結した請求項13のワーク処理装置。
【請求項15】
搬送ライン(L)が環状に形成されてなる請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13又は14のワーク処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−29962(P2010−29962A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−192906(P2008−192906)
【出願日】平成20年7月26日(2008.7.26)
【出願人】(501109253)黒田テクノ株式会社 (16)
【Fターム(参考)】