ワーク搬送装置及びワーク搬送方法
【課題】大型のガラス基板や棒材に代表されるように保持すべき領域が長尺なワークであっても、割れや損傷等を生じることなく種々の態様で自動搬送することが可能で、且つワークの受け渡し作業等をも円滑に行ない得るワーク搬送装置を提供する。
【解決手段】駆動部26からの回転トルクが付与される第1アーム10の一の方向への回転に伴って第2アーム13が他の方向に回転し且つ保持部材16が一の方向に回転することにより、保持部材16が、同一姿勢を維持しつつ移動するように構成されたアーム型ハンド4を、複数個並列に配置し、それら複数個のアーム型ハンド4を同期して動作するように構成して、それら複数個のアーム型ハンド4の各保持部材16を、移動方向が相互間で平行になり且つ移動速度が相互間で同一になるように構成する。
【解決手段】駆動部26からの回転トルクが付与される第1アーム10の一の方向への回転に伴って第2アーム13が他の方向に回転し且つ保持部材16が一の方向に回転することにより、保持部材16が、同一姿勢を維持しつつ移動するように構成されたアーム型ハンド4を、複数個並列に配置し、それら複数個のアーム型ハンド4を同期して動作するように構成して、それら複数個のアーム型ハンド4の各保持部材16を、移動方向が相互間で平行になり且つ移動速度が相互間で同一になるように構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワーク搬送装置及びワーク搬送方法に係り、詳しくは、第1アーム、第2アーム及び保持部材を順次回動可能に連結してなり、保持部材が同一姿勢を維持しつつ移動するように構成されたアーム型ハンドを具備してなるワーク搬送装置及びワーク搬送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、各種製造工場等においては、自動化の推進の流れに則して、ワークの受け渡しや工程間での移動などを伴う搬送を、自動移載コンベヤ等を利用して効率良く行なっているのが現状である。しかしながら、コンベヤ等によるワークの自動搬送では、搬送態様に限界があり、破損や損傷等を招来せずにワークを把持して搬送したり或いは積み降ろしなどをする場合に、作業の困難化を余儀なくされていた。
【0003】
そこで、例えば下記の特許文献1によれば、駆動源によって回転駆動される第1関節アームと、該第1関節アームの先端部に回動可能に連結された第2関節アームと、該第2関節アームの先端部に回動可能に連結されたガイド板とを有し、これらとギヤ列との組み合わせによって連係運動させることにより、ガイド板に取り付けられたクランプ機構で試料ホルダを把持して搬送するように構成したアーム型ハンドが開示されている。
【0004】
この種のアーム型ハンドは、上記の試料ホルダのような小型の部品を搬送する場合に使用されるのが通例であって、そのような小型の部品を精度良く所望の位置に搬送することができるという特性を備えている。換言すれば、小型の部品であるが故に、その組み立て時等に当該部品の高精度位置決めや姿勢の高度な正確性が要求されるのであって、その要請に的確に応じることを目的として使用されているのがこの種のアーム型ハンドであると言わざるを得ない。したがって、この種のアーム型ハンドは、単一のハンドで単一のワークを破損等を生じさせることなく高精度に搬送する場合に、その機能を充分に発揮できるものとされていた。
【0005】
【特許文献1】特開平7−205066号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、自動搬送されるべきワークとしては、例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、及びフィールドエミッションディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ用のガラス基板が存在する。この種のガラス基板は、パネル製作上等の観点から急速に大型化が推進されるに至っているが、このようなガラス基板にあっては、コンベヤ等による搬送態様のみでは、作業の多様化に対処できなくなっているのが実情である。
【0007】
すなわち、上述のように、ガラス基板が大型になれば、作業スペースの問題等を回避すべく、ガラス基板を縦姿勢で吊り下げ支持してその面と直交する方向に搬送したり、縦姿勢のままで積み降ろし等を行なったりする必要性が生じる。その場合に、コンベヤ等による自動搬送のみでは、このような作業を行なうことが困難であるばかりでなく、上記の特許文献1に開示されたような型式のアーム型ハンドを使用するにしても、当該ガラス基板に割れや損傷等を発生させずに自動搬送したいとする要請に対しては、どのような態様で使用することが最適であるかという問題が生じる。
【0008】
更に、この種の大型のガラス基板は、搬送途中で方向転換などを行なうために、一の搬送手段から他の搬送手段に受け渡しを行なう場合があるが、そのような場合に、例えば当該ガラス基板を縦姿勢のままで受け渡そうとしたならば、一の搬送手段が障害となって他の搬送手段に円滑な受け渡しを行なうことが困難或いは不可能となる事態が生じ得る。然るに、このような問題に対しては何ら対策が講じられていないのが実情である。
【0009】
なお、保持すべき領域が長尺なワークは、上記例示の大型化されたガラス基板以外に棒材など種々のものが存在しているが、何れの長尺なワークであっても、自動搬送による作業の多様化及び効率化の要請は広汎に亘って存在していることから、上記の問題は、その他の長尺なワークについても同様に生じ得ることになる。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑み、大型のガラス基板や棒材に代表されるように保持すべき領域が長尺なワークであっても、割れや損傷等を生じることなく種々の態様で自動搬送することが可能で、且つワークの受け渡し作業等をも円滑に行い得るワーク搬送装置を提供することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記技術的課題を解決するために創案された本発明は、駆動部からの回転トルクが付与される第1アームの先端部に、第2アームの基端部を回動可能に連結し、該第2アームの先端部に、ワークを保持する保持部材を回動可能に連結してなり、前記第1アームの一の方向への回転に伴って前記第2アームが他の方向に回転し且つ前記保持部材が前記一の方向に回転することにより、前記保持部材が、同一姿勢を維持しつつ移動するように構成されたアーム型ハンドを具備してなるワーク搬送装置であって、前記アーム型ハンドを複数個並列に配置し、それら複数個のアーム型ハンドを同期して動作させるように構成すると共に、それら複数個のアーム型ハンドの各保持部材を、移動方向が相互間で平行になり且つ移動速度が相互間で同一になるように構成したことに特徴づけられる。ここで、上記の「移動速度が相互間で同一」とは、個々のアーム型ハンドについては保持部材の移動速度がそれぞれ時々刻々と変動するものであっても、複数個のアーム型ハンドについてはそれら複数個の保持部材の移動速度及び加速度がどの瞬間においても相互間で同一であることを意味する。
【0012】
このような構成によれば、ワークが大型等であることにより保持すべき領域が長尺である場合に、その長尺な方向において複数個のアーム型ハンドを並列に配置すれば、それらが同期して動作するため、複数の保持部材によりワークの複数箇所が同一のタイミングで保持されて移動することになる。しかも、その保持されている複数箇所が、各アーム型ハンドの運動に伴って、相互に平行な方向に沿って同一速度で移動するため、当該保持されている複数箇所の基準位置からの移動量をどの瞬間においても同一にすることができ、ワークを移動させる間に、該ワークに曲げが生じたり、その長尺方向に引っ張り或いは圧縮応力が作用したりすることが回避され、ワークの割れや損傷等の発生が可及的に抑制される。更に、このような動作が行なわれることから、コンベヤ等による自動搬送とは異なる態様での搬送、例えば大型のガラス基板を縦姿勢で吊り下げ支持してその面と直交する方向に移動させたり、縦姿勢のままでガラス基板の積み降ろしをしたり、或いは棒材を長手方向と直交する方向に搬送させたりすることができ、ワークを種々の態様で搬送することが可能となる。しかも、このアーム型ハンドは、僅かな隙間であっても侵入及び抜け出しを容易に行なえるという伸縮態様の特異性を有していることから、複数個のアーム型ハンドを並列に配置しておけば、それぞれのアーム型ハンドが他の搬送手段の障害となる部位の僅かな隙間に侵入して、ワークの長尺な保持領域を容易に保持することができ、円滑なワークの受け渡しが可能となる。
【0013】
この場合、前記ワークの上方または下方に障害物が存在する配置構成において、前記複数個のアーム型ハンドの各保持部材が前記障害物とワークとの間に侵入して該ワークを保持するように構成することができる。
【0014】
このようにすれば、ワークの上方または下方に障害物が存在する状況下で、アーム型ハンドが動作した場合であっても、障害物との干渉を回避しつつ、第2アームの先端側の保持部材が、障害物とワークとの間に侵入してワークを保持することになるため、アーム型ハンドの動作時におけるその伸縮態様の特異性が有効利用されることになる。
【0015】
また、前記ワークが板状物であれば、前記複数個のアーム型ハンドの各保持部材は、前記ワークの面と直交する方向に該ワークを移動させるように構成することができる。
【0016】
すなわち、板状物からなるワークは、複数箇所を保持された状態で面と直交する方向に移動する場合に、各箇所の移動方向や移動速度が相違すれば、曲げやゆがみに起因して特に割れ等が生じやすくなるが、各箇所の移動方向が平行で且つ移動速度が同一であることから、そのような事態を有効に防止することが可能となる。
【0017】
更に、前記複数個のアーム型ハンドの各保持部材は、前記ワークを吊り下げ支持して移動させるように構成することができる。
【0018】
このようにすれば、例えば単一のアーム型ハンドの保持部材により、幅方向に長尺なワークを吊り下げ支持しようとしたならば、その支持位置とワークの重心位置との関係等の観点から、ワークが傾斜姿勢になり或いは揺れるなどして安定した姿勢でワークを移動させることが困難になるが、複数個のアーム型ハンドの各保持部材でワークの幅方向における複数箇所を保持しておけば、ワークを安定した一定の姿勢で適正に移動させることが可能となる。
【0019】
また、前記障害物が、前記ワークを吊り下げ支持して搬送する受け渡し用搬送手段であり、前記複数個のアーム型ハンドの各保持部材は、前記受け渡し用搬送手段とワークとの間に侵入し且つ該受け渡し用搬送手段から前記ワークを受け取って吊り下げ支持して移動させる構成とすることができる。
【0020】
このようにすれば、受け渡し用搬送手段からアーム型ハンドの保持部材にワークの受け渡しをする場合に、ワークの上方に該ワークを吊り下げ支持する障害物としての受け渡し用搬送手段が存在していても、アーム型ハンドの動作時における伸縮態様の特異性に由来して、各保持部材は、受け渡し用搬送手段と干渉することなく該受け渡し用搬送手段から容易にワークを受け取って吊り下げ支持して移動させることが可能となる。
【0021】
更に、前記複数個のアーム型ハンドの第1アームは、その全てが単一のモータにより回転トルクを付与されるように構成することができる。
【0022】
このようにすれば、アーム型ハンドが複数個存在しているにも拘わらず、単一のモータを備えるだけで済むことになり、装置のコスト削減が図られるのみならず、仮に個々のアーム型ハンドにそれぞれモータを備える場合における個々のモータの同期をとる制御が不要になると共に、個々のモータの特性の相違に起因する複数個のアーム型ハンドの動作のばらつきが抑止される。
【0023】
また、上記技術的課題を解決するために創案された本発明に係る方法は、駆動部からの回転トルクが付与される第1アームの先端部に、第2アームの基端部を回動可能に連結し、該第2アームの先端部に、ワークを保持する保持部材を回動可能に連結してなり、前記第1アームの一の方向への回転に伴って前記第2アームが他の方向に回転し且つ前記保持部材が前記一の方向に回転することにより、前記保持部材が、同一姿勢を維持しつつ移動するように構成されたアーム型ハンドを用いてワークを搬送する方法であって、前記アーム型ハンドを複数個並列に配置し、それら複数個のアーム型ハンドを同期して動作させると共に、それら複数個のアーム型ハンドの各保持部材を、移動方向が相互間で平行になり且つ移動速度が相互間で同一になるようにして、ワークを搬送することに特徴づけられる。
【0024】
このような方法によって得られる作用効果は、上述の装置の基本的構成から得られる作用効果と実質的に同一である。
【発明の効果】
【0025】
以上のように本発明によれば、ワークの複数箇所が、同一のタイミングで保持されて移動するのみならず相互に平行な方向に沿って同一速度で移動するため、ワークに曲げが生じたり、その長尺方向に引っ張り或いは圧縮応力が作用したりすることが回避され、ワークの割れや損傷等の発生が可及的に抑制される。更に、コンベヤ等による自動搬送とは異なる態様での搬送、例えば大型のガラス基板を縦姿勢で吊り下げ支持してその面と直交する方向に移動させたり、棒材を長手方向と直交する方向に移動させたりすることができ、ワークを種々の態様で搬送することが可能となる。しかも、アーム型ハンドの伸縮態様の特異性を有効利用して、他の搬送手段の障害となる部位の僅かな隙間に複数個のアーム型ハンドを侵入させることができるため、ワークの長尺な保持領域を容易に保持することが可能となり、ワークの受け渡し作業の円滑化が図られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態においては、ワークとして、略矩形を呈するフラットパネルディスプレイ用のガラス基板、特に液晶ディスプレイやプラズマディスプレイに用いられるガラス基板を対象とした場合を例示する。また、このガラス基板は、横方向寸法が1000mm以上であり且つ縦方向寸法が500mm以上(特に、横方向寸法の下限値が3000mm、縦方向寸法の下限値が2000mmのガラス基板の搬送に使用すると効果が大きい)である。
【0027】
図1は、本発明の実施形態に係るワーク搬送装置1及びその周辺構造を正面側より視た斜視図、図2は、当該装置1及びその周辺構造を背面側より視た要部斜視図、図3は、当該装置1及びその周辺構造を示す概略側面図である。図1に示すように、ワーク搬送装置1は、長尺な固定部材2aの長手方向3箇所にそれぞれ柱状体2bを垂下固定してなる基部材2を有し、この基部材2の各柱状体2bには、ガラス基板3をその面と直交する方向に搬送する計3個のアーム型ハンド4が取り付けられている。また、これらのアーム型ハンド4の正面側には、複数枚のガラス基板3を縦姿勢で積層させて収納するパレット5が配設されている。更に、図2及び図3に示すように、基部材2の背面側には、固定部材2aと平行に配列された2本のレール6aと、これらのレール6aにその長手方向にスライド可能に吊支されたスライド体6bとを備えてなる受け渡し用搬送手段6が配備されている。この受け渡し用搬送手段6は、ガラス基板3をその面に沿う方向に搬送するように構成されている。
【0028】
詳述すると、各アーム型ハンド4は、図4に示すように、基部材2の柱状体2bに固定された支持部7に軸受8を介して回動可能に支持され且つ後述する駆動部から回転トルクが付与されるハンド駆動軸9と、該ハンド駆動軸9の下端に基端部が固定された第1アーム10と、該第1アーム10の先端部に軸受11を介して回動可能に支持された中間連結軸12と、該中間連結軸12の下端に基端部が固定された第2アーム13と、該第2アーム13の先端部に軸受14を介して回動可能に支持された先端連結軸15と、該先端連結軸15の下端に相対回転不能に取り付けられた保持部材としての把持機構16とを有する。
【0029】
更に、各アーム型ハンド4は、支持部7の下面部に固定され且つ第1アーム10の上方に存する第1プーリ17と、中間連結軸12の上端に固定され且つ第1アーム10の上方に存する第2プーリ18と、第1アーム10と第2アーム13との間で中間連結軸12の外周に遊びをもって嵌合され且つ第1アーム10の下面部に固定された第3プーリ19と、先端連結軸15の上端に固定され且つ第2アーム13の上方に存する第4プーリ20とを有する。そして、第1プーリ17と第2プーリ18とに亘って第1タイミングベルト21が巻き掛けられると共に、第3プーリ19と第4プーリ20とに亘って第2タイミングベルト22が巻き掛けられている。
【0030】
この場合、ハンド駆動軸9及び中間連結軸12の相互間距離と、中間連結軸12及び先端連結軸15の相互間距離とは同一になるように設定されている。更に、第1プーリ17の径(歯数)は,第2プーリ18の径の2倍であるのに対して、第3プーリ19の径は,第4プーリ20の径の1/2とされている。したがって、これらのアーム型ハンド4は、平面視で、第1アーム10が例えば時計方向に回転した場合には、第2アーム13が反時計方向に回転し、且つ把持機構16が時計方向に回転することになる。そして、図5に示すように、第1アーム10が180°回転する間においては、把持機構16はその姿勢を常に同一に維持しつつ一直線上に沿って移動することになる。
【0031】
各把持機構16は、図4に示すように、一対のチャック爪23からなり、これらのチャック爪23は、同図に鎖線で示すように略180°に開いてなる開状態と、実線で示すように平行になる閉状態とを取り得る構造であり、閉状態にある時にガラス基板3の上縁部を把持して該ガラス基板3を吊り下げ支持するように構成されている。また、受け渡し用搬送手段6の把持機構24を構成するチャック爪25も同様に、図2に鎖線で示す開状態と、実線で示す閉状態とを取り得る構造であり、閉状態にある時にガラス基板3の上縁部を把持して該ガラス基板3を吊り下げ支持するように構成されている。
【0032】
これらのアーム型ハンド4の駆動部26は、図1に示すように、固定部材2aと平行に且つその正面側に配列されたスプライン軸からなる主駆動軸27と、その軸方向一端に配置され且つ該主駆動軸27を回転駆動させる単一のモータ28とを有する。そして、主駆動軸27の軸方向における3箇所には、駆動側ベベルギヤ29がそれぞれスプライン嵌合により軸方向移動可能な状態で固定され、これらの駆動側ベベルギヤ29に、各アーム型ハンド4のハンド駆動軸9の上端に固定された従動側ベベルギヤ30がそれぞれ噛合されている。したがって、単一のモータ28による主駆動軸27の回転駆動に伴って、全てのアーム型ハンド4が同期して動作することになる。すなわち、各アーム型ハンド4の第1アーム10が同時に同方向に回転すると共に、各第2アーム13がその逆方向に同時に回転する。そして、これに伴って各把持機構16が相互間で平行に且つ同一速度で移動することになる。詳述すると、3個のアーム型ハンド4における3本のハンド駆動軸9が一直線上に配置されていることから、この直線を基準位置として、どの瞬間においても3個の把持機構16の移動量は相互間で同一になると共に、3個の把持機構16の移動速度及び加速度も、どの瞬間においても相互間で同一になる。また、各駆動側ベベルギヤ29は、主駆動軸27にスプライン嵌合されていることから、主駆動軸27に対する各駆動側ベベルギヤ29ひいては各アーム型ハンド4を、基部材2の固定部材2a及び/または各柱状体2bと共に固定部材2aの長手方向にスライドさせることができ、これにより、受け渡し用搬送手段6の把持機構24の配列状態に応じて、これらとの干渉を回避すべく各アーム型ハンド4の位置を調整することが可能な構成とされている。
【0033】
次に、以上のような構成を備えた本発明の第1実施形態に係るワーク搬送装置1の作用を説明する。
【0034】
先ず、受け渡し用搬送手段6により吊り下げ支持されて面に沿う方向に搬送されてきたガラス基板3は、図1及び図2に示す状態の下で3個のアーム型ハンド4により受け取られて吊り下げ支持される。詳述すると、同図に示す受け渡し用搬送手段6の把持機構24によりガラス基板3の上縁部が把持された状態で受け渡し位置に到達するまでの間においては、各アーム型ハンド4の把持機構16における各チャック爪23は開状態にある。そして、ガラス基板3が受け渡し位置に到達した時点では、各アーム型ハンド4の先端部の少なくとも第2アーム13及び把持機構16は、受け渡し用搬送手段6(この実施形態では2本のレール6a)とガラス基板3との間に侵入した状態となる。更に、3個のアーム型ハンド4のうち中央のアーム型ハンド4については、少なくとも第2アーム13と把持機構16とが、受け渡し用搬送手段6のスライド体6bの隙間に侵入している。なお、この時点では、第1アーム10と第2アーム13とが一直線上に沿うように直列に配置された状態となっている。
【0035】
このような状態で、各アーム型ハンド4の把持機構16の各チャック爪23が閉状態となることにより、それらのチャック爪23がガラス基板3の上縁部の3箇所を把持した後に、受け渡し用搬送手段6の把持機構24の各チャック爪25が開状態となる。この時点で、受け渡し用搬送手段6から各アーム型ハンド4へのガラス基板3の受け渡し作業が完了する。したがって、3個のアーム型ハンド4は、上方や側方に障害物(受け渡し用搬送手段6のレール6aやスライド体6b)が存在しているにも拘わらず、その障害物と干渉することなく、ガラス基板3の上縁部を把持して適切に受け渡し作業を行なうことができる。
【0036】
この後においては、駆動部26のモータ28が回転することにより、各アーム型ハンド4の各第1アーム10が全て一の方向に回転すると共に、各第2アーム13が全て他の方向に回転するが、各把持機構16は全てが同一姿勢でガラス基板3の面と直交する方向に移動する。そして、第1アーム10が一の方向に90°回転し且つ第2アーム13が他の方向に90°回転した時点で、図6及び図7に示すように、ガラス基板3はパレット5に至る経路の途中まで移動すると共に、各アーム型ハンド4は受け渡し用搬送手段6から抜け出てその正面側に離反した状態となる。なお、この時点では、第1アーム10と第2アーム13とが上下に重なった状態となる。
【0037】
このような状態から、駆動部26のモータ28が更に回転することにより、各アーム型ハンド4の各第1アーム10が更に一の方向に90°回転すると共に、各第2アーム13が更に他の方向に90°回転した時点で、図8及び図9に示すように、ガラス基板3がパレット5の収納部に到達する。この時点では、第1アーム10と第2アーム13とが一直線上に沿うように直列に配置された状態となる。そして、この状態の下で、各アーム型ハンド4の各把持機構16における全てのチャック爪23が同時に開状態になることにより、ガラス基板3をパレット5の収納部に立て掛け支持させることが可能となる。
【0038】
図10は、本発明の実施形態に係るワーク搬送装置1を、受け渡し用搬送手段6と第2の受け渡し用搬送手段31との間に介在させたものである。なお、第2の受け渡し用搬送手段31の構成は、既述の受け渡し用搬送手段6の構成と実質的に同一である。したがって、3個のアーム型ハンド4が既述の受け渡し用搬送手段6との間でガラス基板3の受け渡しを行なう場合のみならず、第2の受け渡し用搬送手段31との間でガラス基板3の受け渡しを行なう場合においても、各アーム型ハンド4は第2の受け渡し用搬送手段31とガラス基板3との間に侵入することになる。そして、この侵入時においても、各アーム型ハンド4と、第2の受け渡し用搬送手段31との干渉が回避され、ガラス基板3の受け渡しが適切に行なわれる。
【0039】
また、図11は、複数個のローラ32aが並列に配列された受け渡し用搬送手段としてのローラコンベヤ32上にガラス基板3が横姿勢(水平姿勢もしくは略水平姿勢)で載置された状態を示すものである。このような場合にも、ローラコンベヤ32とガラス基板3との間、詳しくは所定の3箇所で隣接するローラ32aの相互間に形成される隙間33に、3個のアーム型ハンド4を侵入させ、第2アーム13の先端部に配設された保持部材(例えば、負圧等により吸着保持する吸着部材)によって、ガラス基板3を保持して持ち上げた後、移動させることが可能である。
【0040】
なお、以上の実施形態では、3個のアーム型ハンド4を備えてなるワーク搬送装置1に本発明を適用したが、2個または4個以上のアーム型ハンド4を備えてなるワーク搬送装置1についても同様にして本発明を適用することが可能である。
【0041】
また、以上の実施形態では、ワークがガラス基板3である場合に本発明を適用したが、ガラス基板3以外の板状体を保持して移動させる場合や、棒材を長手方向の複数箇所で保持して長手方向と直交する方向に移動させる場合にも同様にして本発明を適用することが可能である。
【0042】
更に、以上の実施形態では、保持部材が把持機構16(または吸着部材)である場合に本発明を適用したが、これら以外のものであっても、板状物や棒材の所定位置を保持できるものであれば、同様にして本発明を適用することが可能である。
【0043】
また、以上の実施形態では、ガラス基板3をその面と直交する方向に移動させる場合(または棒材を長手方向と直交する方向に移動させる場合)に本発明を適用したが、ガラス基板3をその面と傾斜する方向(または棒材を長手方向と傾斜する方向)に移動させる場合や、ガラス基板3をその面に沿う方向(または棒材を長手方向に沿う方向)に移動させる場合にも、同様にして本発明を適用することが可能である。
【0044】
更に、以上の実施形態では、駆動部の構成として、横軸廻りの回転を縦軸廻りの回転として伝達するための角度変換伝達機構をベベルギヤ機構で構成したが、これに代えて、ウォームギヤ機構(ウォームとウォームホイールからなる機構)などの他の機構を使用してもよい。
【0045】
また、以上の実施形態では、基部材2の固定部材2a及び/または柱状体2bが、パレット5側や第2の受け渡し用搬送手段31側に向かって移動できない構成としたが、アーム型ハンド4によるワーク3の移動距離が長い場合には、基部材2の固定部材2a及び/または柱状体2bを、パレット5側や第2の受け渡し用搬送手段31側及びその逆側に往復動可能とすることにより、ワーク搬送装置1自体をその方向に対して往復動できるようにしてもよい。このようにした場合であっても、主駆動軸27に各駆動側ベベルギヤ29がスプライン嵌合され且つ該各駆動側ベベルギヤ29に各従動側ベベルギヤ30が噛合されているので、各アーム型ハンド4の動作を機械的に同期させることができる。
【0046】
更に、以上の実施形態では、アーム型ハンド4として、第1アーム10と第2アーム13と保持部材(把持機構)16とを有し、これら10、13、16と、プーリ及びベルトからなるベルト伝動機構との組み合わせによって連係運動する形式のものを使用したが、上記の構成要素10、13、16とギヤ列との組み合わせによって連係運動する形式のものを使用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施形態に係るワーク搬送装置及びその周辺構造を正面側より視た斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係るワーク搬送装置及びその周辺構造を背面側より視た要部斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係るワーク搬送装置及びその周辺構造を示す概略側面図である。
【図4】本発明の実施形態に係るワーク搬送装置の構成要素であるアーム型ハンドを示す斜視図である。
【図5】本発明の実施形態に係るワーク搬送装置の構成要素であるアーム型ハンドの動作を時系列的に示す底面図である。
【図6】本発明の実施形態に係るワーク搬送装置の搬送経路中間位置における状態を示す斜視図である。
【図7】本発明の実施形態に係るワーク搬送装置の搬送経路中間位置における状態を示す概略側面図である。
【図8】本発明の実施形態に係るワーク搬送装置の搬送経路終端位置における状態を示す斜視図である。
【図9】本発明の実施形態に係るワーク搬送装置の搬送経路終端位置における状態を示す概略側面図である。
【図10】本発明の実施形態に係るワーク搬送装置を他の用途に使用した状態を示す斜視図である。
【図11】本発明の実施形態に係るワーク搬送装置が使用可能な他の受け渡し用搬送手段を示す正面図である。
【符号の説明】
【0048】
1 ワーク搬送装置
3 ワーク(ガラス基板)
4 アーム型ハンド
6 受け渡し用搬送装置(障害物)
10 第1アーム
13 第2アーム
16 保持部材(把持機構)
17 第1プーリ
18 第2プーリ
19 第3プーリ
20 第4プーリ
21 第1タイミングベルト
22 第2タイミングベルト
26 駆動部
28 モータ
31 第2の受け渡し用搬送装置(障害物)
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワーク搬送装置及びワーク搬送方法に係り、詳しくは、第1アーム、第2アーム及び保持部材を順次回動可能に連結してなり、保持部材が同一姿勢を維持しつつ移動するように構成されたアーム型ハンドを具備してなるワーク搬送装置及びワーク搬送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、各種製造工場等においては、自動化の推進の流れに則して、ワークの受け渡しや工程間での移動などを伴う搬送を、自動移載コンベヤ等を利用して効率良く行なっているのが現状である。しかしながら、コンベヤ等によるワークの自動搬送では、搬送態様に限界があり、破損や損傷等を招来せずにワークを把持して搬送したり或いは積み降ろしなどをする場合に、作業の困難化を余儀なくされていた。
【0003】
そこで、例えば下記の特許文献1によれば、駆動源によって回転駆動される第1関節アームと、該第1関節アームの先端部に回動可能に連結された第2関節アームと、該第2関節アームの先端部に回動可能に連結されたガイド板とを有し、これらとギヤ列との組み合わせによって連係運動させることにより、ガイド板に取り付けられたクランプ機構で試料ホルダを把持して搬送するように構成したアーム型ハンドが開示されている。
【0004】
この種のアーム型ハンドは、上記の試料ホルダのような小型の部品を搬送する場合に使用されるのが通例であって、そのような小型の部品を精度良く所望の位置に搬送することができるという特性を備えている。換言すれば、小型の部品であるが故に、その組み立て時等に当該部品の高精度位置決めや姿勢の高度な正確性が要求されるのであって、その要請に的確に応じることを目的として使用されているのがこの種のアーム型ハンドであると言わざるを得ない。したがって、この種のアーム型ハンドは、単一のハンドで単一のワークを破損等を生じさせることなく高精度に搬送する場合に、その機能を充分に発揮できるものとされていた。
【0005】
【特許文献1】特開平7−205066号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、自動搬送されるべきワークとしては、例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、及びフィールドエミッションディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ用のガラス基板が存在する。この種のガラス基板は、パネル製作上等の観点から急速に大型化が推進されるに至っているが、このようなガラス基板にあっては、コンベヤ等による搬送態様のみでは、作業の多様化に対処できなくなっているのが実情である。
【0007】
すなわち、上述のように、ガラス基板が大型になれば、作業スペースの問題等を回避すべく、ガラス基板を縦姿勢で吊り下げ支持してその面と直交する方向に搬送したり、縦姿勢のままで積み降ろし等を行なったりする必要性が生じる。その場合に、コンベヤ等による自動搬送のみでは、このような作業を行なうことが困難であるばかりでなく、上記の特許文献1に開示されたような型式のアーム型ハンドを使用するにしても、当該ガラス基板に割れや損傷等を発生させずに自動搬送したいとする要請に対しては、どのような態様で使用することが最適であるかという問題が生じる。
【0008】
更に、この種の大型のガラス基板は、搬送途中で方向転換などを行なうために、一の搬送手段から他の搬送手段に受け渡しを行なう場合があるが、そのような場合に、例えば当該ガラス基板を縦姿勢のままで受け渡そうとしたならば、一の搬送手段が障害となって他の搬送手段に円滑な受け渡しを行なうことが困難或いは不可能となる事態が生じ得る。然るに、このような問題に対しては何ら対策が講じられていないのが実情である。
【0009】
なお、保持すべき領域が長尺なワークは、上記例示の大型化されたガラス基板以外に棒材など種々のものが存在しているが、何れの長尺なワークであっても、自動搬送による作業の多様化及び効率化の要請は広汎に亘って存在していることから、上記の問題は、その他の長尺なワークについても同様に生じ得ることになる。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑み、大型のガラス基板や棒材に代表されるように保持すべき領域が長尺なワークであっても、割れや損傷等を生じることなく種々の態様で自動搬送することが可能で、且つワークの受け渡し作業等をも円滑に行い得るワーク搬送装置を提供することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記技術的課題を解決するために創案された本発明は、駆動部からの回転トルクが付与される第1アームの先端部に、第2アームの基端部を回動可能に連結し、該第2アームの先端部に、ワークを保持する保持部材を回動可能に連結してなり、前記第1アームの一の方向への回転に伴って前記第2アームが他の方向に回転し且つ前記保持部材が前記一の方向に回転することにより、前記保持部材が、同一姿勢を維持しつつ移動するように構成されたアーム型ハンドを具備してなるワーク搬送装置であって、前記アーム型ハンドを複数個並列に配置し、それら複数個のアーム型ハンドを同期して動作させるように構成すると共に、それら複数個のアーム型ハンドの各保持部材を、移動方向が相互間で平行になり且つ移動速度が相互間で同一になるように構成したことに特徴づけられる。ここで、上記の「移動速度が相互間で同一」とは、個々のアーム型ハンドについては保持部材の移動速度がそれぞれ時々刻々と変動するものであっても、複数個のアーム型ハンドについてはそれら複数個の保持部材の移動速度及び加速度がどの瞬間においても相互間で同一であることを意味する。
【0012】
このような構成によれば、ワークが大型等であることにより保持すべき領域が長尺である場合に、その長尺な方向において複数個のアーム型ハンドを並列に配置すれば、それらが同期して動作するため、複数の保持部材によりワークの複数箇所が同一のタイミングで保持されて移動することになる。しかも、その保持されている複数箇所が、各アーム型ハンドの運動に伴って、相互に平行な方向に沿って同一速度で移動するため、当該保持されている複数箇所の基準位置からの移動量をどの瞬間においても同一にすることができ、ワークを移動させる間に、該ワークに曲げが生じたり、その長尺方向に引っ張り或いは圧縮応力が作用したりすることが回避され、ワークの割れや損傷等の発生が可及的に抑制される。更に、このような動作が行なわれることから、コンベヤ等による自動搬送とは異なる態様での搬送、例えば大型のガラス基板を縦姿勢で吊り下げ支持してその面と直交する方向に移動させたり、縦姿勢のままでガラス基板の積み降ろしをしたり、或いは棒材を長手方向と直交する方向に搬送させたりすることができ、ワークを種々の態様で搬送することが可能となる。しかも、このアーム型ハンドは、僅かな隙間であっても侵入及び抜け出しを容易に行なえるという伸縮態様の特異性を有していることから、複数個のアーム型ハンドを並列に配置しておけば、それぞれのアーム型ハンドが他の搬送手段の障害となる部位の僅かな隙間に侵入して、ワークの長尺な保持領域を容易に保持することができ、円滑なワークの受け渡しが可能となる。
【0013】
この場合、前記ワークの上方または下方に障害物が存在する配置構成において、前記複数個のアーム型ハンドの各保持部材が前記障害物とワークとの間に侵入して該ワークを保持するように構成することができる。
【0014】
このようにすれば、ワークの上方または下方に障害物が存在する状況下で、アーム型ハンドが動作した場合であっても、障害物との干渉を回避しつつ、第2アームの先端側の保持部材が、障害物とワークとの間に侵入してワークを保持することになるため、アーム型ハンドの動作時におけるその伸縮態様の特異性が有効利用されることになる。
【0015】
また、前記ワークが板状物であれば、前記複数個のアーム型ハンドの各保持部材は、前記ワークの面と直交する方向に該ワークを移動させるように構成することができる。
【0016】
すなわち、板状物からなるワークは、複数箇所を保持された状態で面と直交する方向に移動する場合に、各箇所の移動方向や移動速度が相違すれば、曲げやゆがみに起因して特に割れ等が生じやすくなるが、各箇所の移動方向が平行で且つ移動速度が同一であることから、そのような事態を有効に防止することが可能となる。
【0017】
更に、前記複数個のアーム型ハンドの各保持部材は、前記ワークを吊り下げ支持して移動させるように構成することができる。
【0018】
このようにすれば、例えば単一のアーム型ハンドの保持部材により、幅方向に長尺なワークを吊り下げ支持しようとしたならば、その支持位置とワークの重心位置との関係等の観点から、ワークが傾斜姿勢になり或いは揺れるなどして安定した姿勢でワークを移動させることが困難になるが、複数個のアーム型ハンドの各保持部材でワークの幅方向における複数箇所を保持しておけば、ワークを安定した一定の姿勢で適正に移動させることが可能となる。
【0019】
また、前記障害物が、前記ワークを吊り下げ支持して搬送する受け渡し用搬送手段であり、前記複数個のアーム型ハンドの各保持部材は、前記受け渡し用搬送手段とワークとの間に侵入し且つ該受け渡し用搬送手段から前記ワークを受け取って吊り下げ支持して移動させる構成とすることができる。
【0020】
このようにすれば、受け渡し用搬送手段からアーム型ハンドの保持部材にワークの受け渡しをする場合に、ワークの上方に該ワークを吊り下げ支持する障害物としての受け渡し用搬送手段が存在していても、アーム型ハンドの動作時における伸縮態様の特異性に由来して、各保持部材は、受け渡し用搬送手段と干渉することなく該受け渡し用搬送手段から容易にワークを受け取って吊り下げ支持して移動させることが可能となる。
【0021】
更に、前記複数個のアーム型ハンドの第1アームは、その全てが単一のモータにより回転トルクを付与されるように構成することができる。
【0022】
このようにすれば、アーム型ハンドが複数個存在しているにも拘わらず、単一のモータを備えるだけで済むことになり、装置のコスト削減が図られるのみならず、仮に個々のアーム型ハンドにそれぞれモータを備える場合における個々のモータの同期をとる制御が不要になると共に、個々のモータの特性の相違に起因する複数個のアーム型ハンドの動作のばらつきが抑止される。
【0023】
また、上記技術的課題を解決するために創案された本発明に係る方法は、駆動部からの回転トルクが付与される第1アームの先端部に、第2アームの基端部を回動可能に連結し、該第2アームの先端部に、ワークを保持する保持部材を回動可能に連結してなり、前記第1アームの一の方向への回転に伴って前記第2アームが他の方向に回転し且つ前記保持部材が前記一の方向に回転することにより、前記保持部材が、同一姿勢を維持しつつ移動するように構成されたアーム型ハンドを用いてワークを搬送する方法であって、前記アーム型ハンドを複数個並列に配置し、それら複数個のアーム型ハンドを同期して動作させると共に、それら複数個のアーム型ハンドの各保持部材を、移動方向が相互間で平行になり且つ移動速度が相互間で同一になるようにして、ワークを搬送することに特徴づけられる。
【0024】
このような方法によって得られる作用効果は、上述の装置の基本的構成から得られる作用効果と実質的に同一である。
【発明の効果】
【0025】
以上のように本発明によれば、ワークの複数箇所が、同一のタイミングで保持されて移動するのみならず相互に平行な方向に沿って同一速度で移動するため、ワークに曲げが生じたり、その長尺方向に引っ張り或いは圧縮応力が作用したりすることが回避され、ワークの割れや損傷等の発生が可及的に抑制される。更に、コンベヤ等による自動搬送とは異なる態様での搬送、例えば大型のガラス基板を縦姿勢で吊り下げ支持してその面と直交する方向に移動させたり、棒材を長手方向と直交する方向に移動させたりすることができ、ワークを種々の態様で搬送することが可能となる。しかも、アーム型ハンドの伸縮態様の特異性を有効利用して、他の搬送手段の障害となる部位の僅かな隙間に複数個のアーム型ハンドを侵入させることができるため、ワークの長尺な保持領域を容易に保持することが可能となり、ワークの受け渡し作業の円滑化が図られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態においては、ワークとして、略矩形を呈するフラットパネルディスプレイ用のガラス基板、特に液晶ディスプレイやプラズマディスプレイに用いられるガラス基板を対象とした場合を例示する。また、このガラス基板は、横方向寸法が1000mm以上であり且つ縦方向寸法が500mm以上(特に、横方向寸法の下限値が3000mm、縦方向寸法の下限値が2000mmのガラス基板の搬送に使用すると効果が大きい)である。
【0027】
図1は、本発明の実施形態に係るワーク搬送装置1及びその周辺構造を正面側より視た斜視図、図2は、当該装置1及びその周辺構造を背面側より視た要部斜視図、図3は、当該装置1及びその周辺構造を示す概略側面図である。図1に示すように、ワーク搬送装置1は、長尺な固定部材2aの長手方向3箇所にそれぞれ柱状体2bを垂下固定してなる基部材2を有し、この基部材2の各柱状体2bには、ガラス基板3をその面と直交する方向に搬送する計3個のアーム型ハンド4が取り付けられている。また、これらのアーム型ハンド4の正面側には、複数枚のガラス基板3を縦姿勢で積層させて収納するパレット5が配設されている。更に、図2及び図3に示すように、基部材2の背面側には、固定部材2aと平行に配列された2本のレール6aと、これらのレール6aにその長手方向にスライド可能に吊支されたスライド体6bとを備えてなる受け渡し用搬送手段6が配備されている。この受け渡し用搬送手段6は、ガラス基板3をその面に沿う方向に搬送するように構成されている。
【0028】
詳述すると、各アーム型ハンド4は、図4に示すように、基部材2の柱状体2bに固定された支持部7に軸受8を介して回動可能に支持され且つ後述する駆動部から回転トルクが付与されるハンド駆動軸9と、該ハンド駆動軸9の下端に基端部が固定された第1アーム10と、該第1アーム10の先端部に軸受11を介して回動可能に支持された中間連結軸12と、該中間連結軸12の下端に基端部が固定された第2アーム13と、該第2アーム13の先端部に軸受14を介して回動可能に支持された先端連結軸15と、該先端連結軸15の下端に相対回転不能に取り付けられた保持部材としての把持機構16とを有する。
【0029】
更に、各アーム型ハンド4は、支持部7の下面部に固定され且つ第1アーム10の上方に存する第1プーリ17と、中間連結軸12の上端に固定され且つ第1アーム10の上方に存する第2プーリ18と、第1アーム10と第2アーム13との間で中間連結軸12の外周に遊びをもって嵌合され且つ第1アーム10の下面部に固定された第3プーリ19と、先端連結軸15の上端に固定され且つ第2アーム13の上方に存する第4プーリ20とを有する。そして、第1プーリ17と第2プーリ18とに亘って第1タイミングベルト21が巻き掛けられると共に、第3プーリ19と第4プーリ20とに亘って第2タイミングベルト22が巻き掛けられている。
【0030】
この場合、ハンド駆動軸9及び中間連結軸12の相互間距離と、中間連結軸12及び先端連結軸15の相互間距離とは同一になるように設定されている。更に、第1プーリ17の径(歯数)は,第2プーリ18の径の2倍であるのに対して、第3プーリ19の径は,第4プーリ20の径の1/2とされている。したがって、これらのアーム型ハンド4は、平面視で、第1アーム10が例えば時計方向に回転した場合には、第2アーム13が反時計方向に回転し、且つ把持機構16が時計方向に回転することになる。そして、図5に示すように、第1アーム10が180°回転する間においては、把持機構16はその姿勢を常に同一に維持しつつ一直線上に沿って移動することになる。
【0031】
各把持機構16は、図4に示すように、一対のチャック爪23からなり、これらのチャック爪23は、同図に鎖線で示すように略180°に開いてなる開状態と、実線で示すように平行になる閉状態とを取り得る構造であり、閉状態にある時にガラス基板3の上縁部を把持して該ガラス基板3を吊り下げ支持するように構成されている。また、受け渡し用搬送手段6の把持機構24を構成するチャック爪25も同様に、図2に鎖線で示す開状態と、実線で示す閉状態とを取り得る構造であり、閉状態にある時にガラス基板3の上縁部を把持して該ガラス基板3を吊り下げ支持するように構成されている。
【0032】
これらのアーム型ハンド4の駆動部26は、図1に示すように、固定部材2aと平行に且つその正面側に配列されたスプライン軸からなる主駆動軸27と、その軸方向一端に配置され且つ該主駆動軸27を回転駆動させる単一のモータ28とを有する。そして、主駆動軸27の軸方向における3箇所には、駆動側ベベルギヤ29がそれぞれスプライン嵌合により軸方向移動可能な状態で固定され、これらの駆動側ベベルギヤ29に、各アーム型ハンド4のハンド駆動軸9の上端に固定された従動側ベベルギヤ30がそれぞれ噛合されている。したがって、単一のモータ28による主駆動軸27の回転駆動に伴って、全てのアーム型ハンド4が同期して動作することになる。すなわち、各アーム型ハンド4の第1アーム10が同時に同方向に回転すると共に、各第2アーム13がその逆方向に同時に回転する。そして、これに伴って各把持機構16が相互間で平行に且つ同一速度で移動することになる。詳述すると、3個のアーム型ハンド4における3本のハンド駆動軸9が一直線上に配置されていることから、この直線を基準位置として、どの瞬間においても3個の把持機構16の移動量は相互間で同一になると共に、3個の把持機構16の移動速度及び加速度も、どの瞬間においても相互間で同一になる。また、各駆動側ベベルギヤ29は、主駆動軸27にスプライン嵌合されていることから、主駆動軸27に対する各駆動側ベベルギヤ29ひいては各アーム型ハンド4を、基部材2の固定部材2a及び/または各柱状体2bと共に固定部材2aの長手方向にスライドさせることができ、これにより、受け渡し用搬送手段6の把持機構24の配列状態に応じて、これらとの干渉を回避すべく各アーム型ハンド4の位置を調整することが可能な構成とされている。
【0033】
次に、以上のような構成を備えた本発明の第1実施形態に係るワーク搬送装置1の作用を説明する。
【0034】
先ず、受け渡し用搬送手段6により吊り下げ支持されて面に沿う方向に搬送されてきたガラス基板3は、図1及び図2に示す状態の下で3個のアーム型ハンド4により受け取られて吊り下げ支持される。詳述すると、同図に示す受け渡し用搬送手段6の把持機構24によりガラス基板3の上縁部が把持された状態で受け渡し位置に到達するまでの間においては、各アーム型ハンド4の把持機構16における各チャック爪23は開状態にある。そして、ガラス基板3が受け渡し位置に到達した時点では、各アーム型ハンド4の先端部の少なくとも第2アーム13及び把持機構16は、受け渡し用搬送手段6(この実施形態では2本のレール6a)とガラス基板3との間に侵入した状態となる。更に、3個のアーム型ハンド4のうち中央のアーム型ハンド4については、少なくとも第2アーム13と把持機構16とが、受け渡し用搬送手段6のスライド体6bの隙間に侵入している。なお、この時点では、第1アーム10と第2アーム13とが一直線上に沿うように直列に配置された状態となっている。
【0035】
このような状態で、各アーム型ハンド4の把持機構16の各チャック爪23が閉状態となることにより、それらのチャック爪23がガラス基板3の上縁部の3箇所を把持した後に、受け渡し用搬送手段6の把持機構24の各チャック爪25が開状態となる。この時点で、受け渡し用搬送手段6から各アーム型ハンド4へのガラス基板3の受け渡し作業が完了する。したがって、3個のアーム型ハンド4は、上方や側方に障害物(受け渡し用搬送手段6のレール6aやスライド体6b)が存在しているにも拘わらず、その障害物と干渉することなく、ガラス基板3の上縁部を把持して適切に受け渡し作業を行なうことができる。
【0036】
この後においては、駆動部26のモータ28が回転することにより、各アーム型ハンド4の各第1アーム10が全て一の方向に回転すると共に、各第2アーム13が全て他の方向に回転するが、各把持機構16は全てが同一姿勢でガラス基板3の面と直交する方向に移動する。そして、第1アーム10が一の方向に90°回転し且つ第2アーム13が他の方向に90°回転した時点で、図6及び図7に示すように、ガラス基板3はパレット5に至る経路の途中まで移動すると共に、各アーム型ハンド4は受け渡し用搬送手段6から抜け出てその正面側に離反した状態となる。なお、この時点では、第1アーム10と第2アーム13とが上下に重なった状態となる。
【0037】
このような状態から、駆動部26のモータ28が更に回転することにより、各アーム型ハンド4の各第1アーム10が更に一の方向に90°回転すると共に、各第2アーム13が更に他の方向に90°回転した時点で、図8及び図9に示すように、ガラス基板3がパレット5の収納部に到達する。この時点では、第1アーム10と第2アーム13とが一直線上に沿うように直列に配置された状態となる。そして、この状態の下で、各アーム型ハンド4の各把持機構16における全てのチャック爪23が同時に開状態になることにより、ガラス基板3をパレット5の収納部に立て掛け支持させることが可能となる。
【0038】
図10は、本発明の実施形態に係るワーク搬送装置1を、受け渡し用搬送手段6と第2の受け渡し用搬送手段31との間に介在させたものである。なお、第2の受け渡し用搬送手段31の構成は、既述の受け渡し用搬送手段6の構成と実質的に同一である。したがって、3個のアーム型ハンド4が既述の受け渡し用搬送手段6との間でガラス基板3の受け渡しを行なう場合のみならず、第2の受け渡し用搬送手段31との間でガラス基板3の受け渡しを行なう場合においても、各アーム型ハンド4は第2の受け渡し用搬送手段31とガラス基板3との間に侵入することになる。そして、この侵入時においても、各アーム型ハンド4と、第2の受け渡し用搬送手段31との干渉が回避され、ガラス基板3の受け渡しが適切に行なわれる。
【0039】
また、図11は、複数個のローラ32aが並列に配列された受け渡し用搬送手段としてのローラコンベヤ32上にガラス基板3が横姿勢(水平姿勢もしくは略水平姿勢)で載置された状態を示すものである。このような場合にも、ローラコンベヤ32とガラス基板3との間、詳しくは所定の3箇所で隣接するローラ32aの相互間に形成される隙間33に、3個のアーム型ハンド4を侵入させ、第2アーム13の先端部に配設された保持部材(例えば、負圧等により吸着保持する吸着部材)によって、ガラス基板3を保持して持ち上げた後、移動させることが可能である。
【0040】
なお、以上の実施形態では、3個のアーム型ハンド4を備えてなるワーク搬送装置1に本発明を適用したが、2個または4個以上のアーム型ハンド4を備えてなるワーク搬送装置1についても同様にして本発明を適用することが可能である。
【0041】
また、以上の実施形態では、ワークがガラス基板3である場合に本発明を適用したが、ガラス基板3以外の板状体を保持して移動させる場合や、棒材を長手方向の複数箇所で保持して長手方向と直交する方向に移動させる場合にも同様にして本発明を適用することが可能である。
【0042】
更に、以上の実施形態では、保持部材が把持機構16(または吸着部材)である場合に本発明を適用したが、これら以外のものであっても、板状物や棒材の所定位置を保持できるものであれば、同様にして本発明を適用することが可能である。
【0043】
また、以上の実施形態では、ガラス基板3をその面と直交する方向に移動させる場合(または棒材を長手方向と直交する方向に移動させる場合)に本発明を適用したが、ガラス基板3をその面と傾斜する方向(または棒材を長手方向と傾斜する方向)に移動させる場合や、ガラス基板3をその面に沿う方向(または棒材を長手方向に沿う方向)に移動させる場合にも、同様にして本発明を適用することが可能である。
【0044】
更に、以上の実施形態では、駆動部の構成として、横軸廻りの回転を縦軸廻りの回転として伝達するための角度変換伝達機構をベベルギヤ機構で構成したが、これに代えて、ウォームギヤ機構(ウォームとウォームホイールからなる機構)などの他の機構を使用してもよい。
【0045】
また、以上の実施形態では、基部材2の固定部材2a及び/または柱状体2bが、パレット5側や第2の受け渡し用搬送手段31側に向かって移動できない構成としたが、アーム型ハンド4によるワーク3の移動距離が長い場合には、基部材2の固定部材2a及び/または柱状体2bを、パレット5側や第2の受け渡し用搬送手段31側及びその逆側に往復動可能とすることにより、ワーク搬送装置1自体をその方向に対して往復動できるようにしてもよい。このようにした場合であっても、主駆動軸27に各駆動側ベベルギヤ29がスプライン嵌合され且つ該各駆動側ベベルギヤ29に各従動側ベベルギヤ30が噛合されているので、各アーム型ハンド4の動作を機械的に同期させることができる。
【0046】
更に、以上の実施形態では、アーム型ハンド4として、第1アーム10と第2アーム13と保持部材(把持機構)16とを有し、これら10、13、16と、プーリ及びベルトからなるベルト伝動機構との組み合わせによって連係運動する形式のものを使用したが、上記の構成要素10、13、16とギヤ列との組み合わせによって連係運動する形式のものを使用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施形態に係るワーク搬送装置及びその周辺構造を正面側より視た斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係るワーク搬送装置及びその周辺構造を背面側より視た要部斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係るワーク搬送装置及びその周辺構造を示す概略側面図である。
【図4】本発明の実施形態に係るワーク搬送装置の構成要素であるアーム型ハンドを示す斜視図である。
【図5】本発明の実施形態に係るワーク搬送装置の構成要素であるアーム型ハンドの動作を時系列的に示す底面図である。
【図6】本発明の実施形態に係るワーク搬送装置の搬送経路中間位置における状態を示す斜視図である。
【図7】本発明の実施形態に係るワーク搬送装置の搬送経路中間位置における状態を示す概略側面図である。
【図8】本発明の実施形態に係るワーク搬送装置の搬送経路終端位置における状態を示す斜視図である。
【図9】本発明の実施形態に係るワーク搬送装置の搬送経路終端位置における状態を示す概略側面図である。
【図10】本発明の実施形態に係るワーク搬送装置を他の用途に使用した状態を示す斜視図である。
【図11】本発明の実施形態に係るワーク搬送装置が使用可能な他の受け渡し用搬送手段を示す正面図である。
【符号の説明】
【0048】
1 ワーク搬送装置
3 ワーク(ガラス基板)
4 アーム型ハンド
6 受け渡し用搬送装置(障害物)
10 第1アーム
13 第2アーム
16 保持部材(把持機構)
17 第1プーリ
18 第2プーリ
19 第3プーリ
20 第4プーリ
21 第1タイミングベルト
22 第2タイミングベルト
26 駆動部
28 モータ
31 第2の受け渡し用搬送装置(障害物)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動部からの回転トルクが付与される第1アームの先端部に、第2アームの基端部を回動可能に連結し、該第2アームの先端部に、ワークを保持する保持部材を回動可能に連結してなり、前記第1アームの一の方向への回転に伴って前記第2アームが他の方向に回転し且つ前記保持部材が前記一の方向に回転することにより、前記保持部材が、同一姿勢を維持しつつ移動するように構成されたアーム型ハンドを具備してなるワーク搬送装置であって、
前記アーム型ハンドを複数個並列に配置し、それら複数個のアーム型ハンドを同期して動作させるように構成すると共に、それら複数個のアーム型ハンドの各保持部材を、移動方向が相互間で平行になり且つ移動速度が相互間で同一になるように構成したことを特徴とするワーク搬送装置。
【請求項2】
前記ワークの上方または下方に障害物が存在し、前記複数個のアーム型ハンドの各保持部材が前記障害物とワークとの間に侵入して該ワークを保持するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のワーク搬送装置。
【請求項3】
前記ワークが板状物であり、前記複数個のアーム型ハンドの各保持部材は、前記ワークの面と直交する方向に該ワークを移動させるように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のワーク搬送装置。
【請求項4】
前記複数個のアーム型ハンドの各保持部材は、前記ワークを吊り下げ支持して移動させるように構成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のワーク搬送装置。
【請求項5】
前記障害物が、前記ワークを吊り下げ支持して搬送する受け渡し用搬送手段であり、前記複数個のアーム型ハンドの各保持部材は、前記受け渡し用搬送手段とワークとの間に侵入し且つ該受け渡し用搬送手段から前記ワークを受け取って吊り下げ支持して移動させるように構成されていることを特徴とする請求項2〜4の何れかに記載のワーク搬送装置。
【請求項6】
前記複数個のアーム型ハンドの第1アームは、その全てが単一のモータにより回転トルクを付与されるように構成されていることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のワーク搬送装置。
【請求項7】
前記ワークは、ガラス基板であることを特徴とする請求項3〜6の何れかに記載のワーク搬送装置。
【請求項8】
駆動部からの回転トルクが付与される第1アームの先端部に、第2アームの基端部を回動可能に連結し、該第2アームの先端部に、ワークを保持する保持部材を回動可能に連結してなり、前記第1アームの一の方向への回転に伴って前記第2アームが他の方向に回転し且つ前記保持部材が前記一の方向に回転することにより、前記保持部材が、同一姿勢を維持しつつ移動するように構成されたアーム型ハンドを用いてワークを搬送する方法であって、
前記アーム型ハンドを複数個並列に配置し、それら複数個のアーム型ハンドを同期して動作させると共に、それら複数個のアーム型ハンドの各保持部材を、移動方向が相互間で平行になり且つ移動速度が相互間で同一になるようにして、ワークを搬送することを特徴とするワーク搬送方法。
【請求項1】
駆動部からの回転トルクが付与される第1アームの先端部に、第2アームの基端部を回動可能に連結し、該第2アームの先端部に、ワークを保持する保持部材を回動可能に連結してなり、前記第1アームの一の方向への回転に伴って前記第2アームが他の方向に回転し且つ前記保持部材が前記一の方向に回転することにより、前記保持部材が、同一姿勢を維持しつつ移動するように構成されたアーム型ハンドを具備してなるワーク搬送装置であって、
前記アーム型ハンドを複数個並列に配置し、それら複数個のアーム型ハンドを同期して動作させるように構成すると共に、それら複数個のアーム型ハンドの各保持部材を、移動方向が相互間で平行になり且つ移動速度が相互間で同一になるように構成したことを特徴とするワーク搬送装置。
【請求項2】
前記ワークの上方または下方に障害物が存在し、前記複数個のアーム型ハンドの各保持部材が前記障害物とワークとの間に侵入して該ワークを保持するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のワーク搬送装置。
【請求項3】
前記ワークが板状物であり、前記複数個のアーム型ハンドの各保持部材は、前記ワークの面と直交する方向に該ワークを移動させるように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のワーク搬送装置。
【請求項4】
前記複数個のアーム型ハンドの各保持部材は、前記ワークを吊り下げ支持して移動させるように構成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のワーク搬送装置。
【請求項5】
前記障害物が、前記ワークを吊り下げ支持して搬送する受け渡し用搬送手段であり、前記複数個のアーム型ハンドの各保持部材は、前記受け渡し用搬送手段とワークとの間に侵入し且つ該受け渡し用搬送手段から前記ワークを受け取って吊り下げ支持して移動させるように構成されていることを特徴とする請求項2〜4の何れかに記載のワーク搬送装置。
【請求項6】
前記複数個のアーム型ハンドの第1アームは、その全てが単一のモータにより回転トルクを付与されるように構成されていることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のワーク搬送装置。
【請求項7】
前記ワークは、ガラス基板であることを特徴とする請求項3〜6の何れかに記載のワーク搬送装置。
【請求項8】
駆動部からの回転トルクが付与される第1アームの先端部に、第2アームの基端部を回動可能に連結し、該第2アームの先端部に、ワークを保持する保持部材を回動可能に連結してなり、前記第1アームの一の方向への回転に伴って前記第2アームが他の方向に回転し且つ前記保持部材が前記一の方向に回転することにより、前記保持部材が、同一姿勢を維持しつつ移動するように構成されたアーム型ハンドを用いてワークを搬送する方法であって、
前記アーム型ハンドを複数個並列に配置し、それら複数個のアーム型ハンドを同期して動作させると共に、それら複数個のアーム型ハンドの各保持部材を、移動方向が相互間で平行になり且つ移動速度が相互間で同一になるようにして、ワークを搬送することを特徴とするワーク搬送方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−52897(P2010−52897A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−220018(P2008−220018)
【出願日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(000232243)日本電気硝子株式会社 (1,447)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(000232243)日本電気硝子株式会社 (1,447)
【Fターム(参考)】
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