説明

ワーク検査装置及びワーク検査方法

【課題】中空状のワークの漏洩検査と、中空状のワークの開口部の貫通検査とを効率的に行うワーク検査装置を提供する。
【解決手段】本ワーク検査装置1に採用されたマスキング5は、マスキング本体(第1マスキング)6から突設され、ワークWの開口部2に挿入される、開口部2の貫通深さH2と略同一の長さH1を有する突起部(第2マスキング)7と、マスキング本体6及び突起部7に設けられ、ワークW内に検査流体を供給する供給通路10とを備えている。これにより、中空状のワークWの漏洩検査を行うと同時に、中空状のワークWの開口部2の貫通検査を行うことができ、従来よりも検査設備及び工程数を減少させることでき、全体としてのコストを低減させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中空状のワークの漏洩検査及び中空状のワークの壁部に設けられた開口部の貫通検査を行うワーク検査装置及びワーク検査方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、自動車のエンジンにおいて、中空状のワークであるシリンダヘッドやシリンダブロックなどの壁部には、燃料ガス及び燃焼ガス、潤滑オイル、冷却水などを流通させるための外部に開口した開口部が複数備えられている。そして、従来から、このような中空状のワークの各開口部をマスキングして、中空状のワークの気密性あるいは液密性を検査するための漏洩検査が行われている(特許文献1参照)。
【0003】
また、上述した中空状のワークの漏洩検査工程とは別の工程として中空状のワークの各開口部が完全に貫通しているか否かを検査する穴貫通検査が実施されている。この穴貫通検査を簡単に説明すると、中空状のワークを検査設備にセットした後、中空状のワークの各開口部に外側から検査ロッドをそれぞれ挿入して、各検査ロッドが中空状のワークの各開口部内を完全に挿通したか否かを判定することにより、各開口部の穴貫通検査を行っている。
【0004】
しかしながら、従来では、中空状のワークの漏洩検査と、中空状のワークの各開口部の穴貫通検査とが別々の検査設備を使用して別々の工程で行われているために、検査設備に要する費用が高くなると共に工程数が多くなり、全体としてコスト増となり、改善する必要があった。
【0005】
また、特許文献2には、漏洩検査を行う中空状のワークの開口部に凹部を設け、開口部の凹部に挿入される突起部を有するマスキングが開示されているが、このマスキングの突起部は、開口部の凹部に挿入されるだけであり、開口部の貫通状態を検査することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−212373号公報
【特許文献2】特開平11−160189号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、中空状のワークの漏洩検査と、中空状のワークの各開口部の貫通検査とが、別々の検査設備にて別々の工程で行われているために、コスト増となり改善する必要があった。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、中空状のワークの漏洩検査と、中空状のワークの開口部の貫通検査とを効率的に行うことのできるワーク検査装置及びワーク検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明のワーク検査装置は、中空状のワークを貫通するように設けられた開口部を被覆して前記ワークの漏洩検査を行うマスキングを備えたワーク検査装置であって、前記マスキングは、前記ワークの漏洩検査を行う第1マスキングと、前記開口部の貫通検査を行う第2マスキングと、を備えることを特徴としている。
また、本発明のワーク検査方法は、中空状のワークを貫通するように設けられた開口部をマスキングにより被覆して前記ワークの漏洩検査を行うワーク検査方法であって、前記マスキングに設けた第1マスキングにより前記ワークの漏洩検査を行うと同時に、前記マスキングに設けた第2マスキングにより前記開口部の貫通検査を行うことを特徴としている。
これにより、中空状のワークの漏洩検査を行うと同時に、中空状のワークの開口部の貫通検査を行うことができ、これらの検査を効率的に行うことができる。
なお、本発明のワーク検査装置及びワーク検査方法の各種態様およびそれらの作用については、以下の発明の態様の項において詳しく説明する。
【0010】
(発明の態様)
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。なお、各態様は、請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付して、必要に応じて他の項を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載、実施の形態等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要件を付加した態様も、また、各項の態様から構成要件を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
【0011】
(1)中空状のワークを貫通するように設けられた開口部を被覆して前記ワークの漏洩検査を行うマスキングを備えたワーク検査装置であって、前記マスキングは、前記ワークの漏洩検査を行う第1マスキングと、前記開口部の貫通検査を行う第2マスキングと、を備えることを特徴とするワーク検査装置(請求項1に相当)。
(1)項のワーク検査装置では、中空状のワークを貫通するように設けられた開口部をマスキングにて被覆すると、マスキングの第1マスキングによりワークの漏洩検査を行うと同時に、マスキングの第2マスキングにより開口部の貫通検査を行うことができるので、検査設備及び工程数を最小限に抑えることができる。
【0012】
(2)前記第2マスキングは、第1マスキングから突設され、前記ワークの開口部に挿入される突起部であることを特徴とする(1)項に記載のワーク検査装置(請求項2に相当)。
(2)項のワーク検査装置では、中空状のワークを貫通するように設けられた開口部をマスキングの第1マスキングにより被覆することでワークの漏洩検査を行うことができる。また、中空状のワークを貫通するように設けられた開口部内に第2マスキングの突起部を挿入すると、開口部が正常に貫通していれば、開口部周辺のワーク表面と第1マスキングとが密着して、開口部がマスキングにより完全に閉塞された状態となる。一方、開口部が正常に貫通されていない場合には、開口部内に第2マスキングの突起部を挿入すると、開口部周辺のワーク表面と第1マスキングとの間に隙間が生じるようになる。このようにして、ワークの漏洩検査を行うと同時に、開口部の貫通検査を行うことができる。
【0013】
(3)前記第1マスキング及び前記第2マスキングは、前記ワーク内に検査流体を供給する供給通路を備えることを特徴とする(1)項または(2)項に記載のワーク検査装置(請求項3に相当)。
(3)項のワーク検査装置では、開口部が正常に貫通されていない場合には、開口部内に第2マスキングの突起部を挿入すると、開口部周辺のワーク表面と第1マスキングとの間に隙間が生じ、供給通路に供給された検査流体はこの隙間から外部に漏洩することになり、ワークの漏洩検査を行うと同時に、開口部の貫通検査を行うことができる。
【0014】
(4)前記第2マスキングの突起部の長さは、前記ワークの開口部の貫通深さと略同一の長さに形成されていることを特徴とする(2)項または(3)項に記載のワーク検査装置(請求項4に相当)。
(4)項のワーク検査装置では、ワークの開口部が正常に貫通されていない場合、当該開口部に第2マスキングの突起部を挿入すると、開口部周辺のワーク表面と第1マスキングとの間に確実に隙間が生じるようになる。
【0015】
(5)前記開口部は複数設けられ、各開口部を被覆する各マスキングの供給通路それぞれに、同一の供給源が連通されることを特徴とする(3)項または(4)項に記載のワーク検査装置。
(5)項のワーク検査装置では、装置本体が簡素化される。
【0016】
(6)前記開口部は複数設けられ、各開口部を被覆する各マスキングの供給通路それぞれは、互い独立した供給源と連通されることを特徴とする(3)項または(4)項に記載のワーク検査装置。
(6)項のワーク検査装置では、独立した供給源から検査流体を未貫通の開口部を被覆するマスキングの供給通路に供給した際には、その圧力が所定時間内に所定圧力に到達しないために、当該開口部は未貫通であるということを即座に判断することができる。
【0017】
(7)中空状のワークを貫通するように設けられた開口部をマスキングにより被覆して前記ワークの漏洩検査を行うワーク検査方法であって、前記マスキングに設けた第1マスキングにより前記ワークの漏洩検査を行うと同時に、前記マスキングに設けた第2マスキングにより前記開口部の貫通検査を行うことを特徴とするワーク検査方法(請求項5に相当)。
(7)項のワーク検査方法では、中空状のワークを貫通するように設けられた開口部をマスキングにて被覆すると、マスキングの第1マスキングによりワークの漏洩検査を行うと同時に、マスキングの第2マスキングにより開口部の貫通検査を行うことができるので、検査設備及び工程数を最小限に抑えることができる。
【0018】
(8)前記ワーク検査方法は、前記ワークの開口部に、前記第1マスキングから突設され、前記ワークの開口部の貫通深さと略同一の長さを有する前記第2マスキングの突起部を挿入して該開口部を被覆する被覆ステップと、前記第1マスキング及び第2マスキングに設けた供給通路からワーク内に向かって検査流体を供給する供給ステップと、前記検査流体の漏洩結果により、前記ワークの密閉性及び前記開口部の貫通状態に係る良否を判定する判定ステップと、を含むことを特徴とする(7)項に記載のワーク検査方法(請求項6に相当)。
(8)項のワーク検査方法では、開口部が正常に貫通されていない場合には、被覆ステップにおいて、開口部に第2マスキングの突起部を挿入すると、開口部周辺のワーク表面と第1マスキングとの間に隙間が生じ、供給通路に供給された検査流体はワーク内に流入されず、この隙間から外部に漏洩することになる。この結果、ワークの漏洩検査を行うと同時に、開口部の貫通検査を行うことができる。
【0019】
(9)前記判定ステップにおいて検査流体の漏洩がありワークが不良品と判定された場合、当該ワークの開口部の貫通検査を目視にて行い、検査流体の漏洩が、未貫通の開口部からの漏洩か、あるいはワークからの漏洩かを特定する漏洩箇所特定ステップを含むことを特徴とする(8)項に記載のワーク検査方法。
(9)項のワーク検査方法では、検査流体の漏洩が、ワークからの漏洩か、あるいは未貫通の開口部からの漏洩であるかを特定することにより、その結果を前工程にフィードバックすることで、不良品の数量を減少させることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、中空状のワークの漏洩検査と、中空状のワークの開口部の貫通検査とを効率的に行うワーク検査装置及びワーク検査方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係るワーク検査装置に備えたマスキングを示す断面図である。
【図2】図2は、ワークの開口部を示す断面図である。
【図3】図3は、ワークの正常に貫通された開口部にマスキングの突起部が挿入された状態を示す断面図である。
【図4】図4は、ワークの未貫通の開口部にマスキングの突起部が挿入された状態を示す断面図である。
【図5】図5は、本発明の実施の形態に係るワーク検査装置を使用したワーク検査方法を説明するためのフローである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を実施するための形態を図1〜図5に基づいて詳細に説明する。
本発明の実施の形態に係るワーク検査装置1は、図1及び図2に示すように、中空状のワークWの壁部3に貫通するようにして設けられた開口部2を被覆して、ワークWの漏洩検査を行うと同時に、ワークWの開口部2の貫通検査を実施可能なマスキング5を備えている。ワークWの開口部2は複数設けられる。なお、本実施の形態では、検査流体にはエアが採用されている。
【0023】
図1に示すように、マスキング5は、合成ゴムにより形成される。該マスキング5は、ワークWの各開口部2を被覆するように閉塞するものである。該マスキング5は、ワークWの漏洩検査を行う第1マスキングとしての板状のマスキング本体6と、ワークWの開口部2の貫通検査を行う第2マスキングとしての突起部7とが一体的に構成される。該突起部7は、マスキング本体6の一面から突設され、ワークWの開口部2に挿入されるものである。該突起部7は、ワークWの開口部2の平面視形状に対応した形状に形成される。また、突起部7の長さH1は、ワークWの開口部2の貫通深さH2と略同一である。マスキング5のマスキング本体6及び突起部7には、ワークW内に向かって延び、検査流体をワークW内へ供給する供給通路10が連続してそれぞれ形成される。また、ワークWの各開口部2を被覆するように配置される各マスキング5の供給通路10のそれぞれには、同一の検査流体の供給源(図示略)が連通される。
【0024】
なお、本実施の形態では、突起部7の長さH1は、ワークWの開口部2の貫通深さH2と略同一に設定されているが、ワークWの開口部2の貫通深さH2よりも若干長く形成されてもよく、すなわち、開口部2が未貫通の場合に、該開口部2にマスキング5の突起部7を挿入した際、マスキング本体6と開口部2周辺のワークW表面との間に確実に隙間Sが生じるような長さH1に設定すればよい。
【0025】
次に、本発明の実施の形態に係るワーク検査装置1を使用したワーク検査方法を、図5に基づいて、図3及び図4も適宜参照しながら説明する。
本ワーク検査方法では、上述した本ワーク検査装置1のマスキング5を使用することにより、中空状のワークWの漏洩検査を行うと同時に、中空状のワークWの開口部2の貫通検査を行うことが可能になる。すなわち、マスキング5の第1マスキングとしてのマスキング本体6により中空状のワークWの漏洩検査を行うと同時に、マスキング5の第2マスキングとしての突起部7により中空状のワークWの開口部2の貫通検査を行うことが可能になる。
【0026】
まず、図5のステップS1において、ワークWの各開口部2にマスキング5の突起部7を挿入して、マスキング5をワークWの開口部2を被覆するように配置する(被覆ステップ)。この時、図3に示すように、開口部2が正常に貫通していれば、開口部2内にマスキング5の突起部7が完全に挿入されると共に開口部2周辺のワークW表面とマスキング本体6とが密着して、開口部2がマスキング5により完全に閉塞された状態となる。一方、図4に示すように、開口部2が正常に貫通されていない場合には、開口部2内にマスキング5の突起部7が完全に挿入されることなく開口部2周辺のワークW表面とマスキング本体6との間に隙間Sが生じることになる。
【0027】
次に、ステップS2において、供給源から所定圧の検査流体をワークWの各開口部2を被覆する各マスキング5の供給通路10に供給する(供給ステップ)。
次に、ステップS3において、所定圧の検査流体を供給後、ワークW内の検査流体の圧力推移を精査することにより検査流体の漏洩の有無を判定する(判定ステップ)。そして、検査流体の漏洩が確認されない場合(ステップS3のN)には、ワークWからの漏洩はなくワークWの密閉性は確保され、且つ各開口部2も全て貫通されていると判断されてワークWは良品として取り扱われる。一方、検査流体の漏洩が確認された場合(ステップS3のY)には、ワークWからの漏洩か、あるいは未貫通の開口部2からの漏洩によるものだと判断されて、ワークWは不良品として取り扱われる。つまり、各開口部2のうち未貫通の開口部2が存在すると、上述したように、未貫通の開口部2内にはマスキング5の突起部7は完全に挿入されることなく、開口部2周辺のワークW表面とマスキング本体6との間に隙間Sが生じるため、図4の矢印に示すように、マスキング5の供給通路10に供給された検査流体は、ワークW内に流入されることなくこの隙間Sを通じて外部に漏洩するようになる。
【0028】
なお、本実施の形態では、検査流体の漏洩の有無をワークW内の検査流体の圧力推移を精査することにより判定しているが、検査流体に水素ガス等を使用して、ワークWの外部における検査流体の検出の有無により検査流体の漏洩の有無を判断してもよい。
【0029】
次に、ステップS3にて不良品であると判定されたワークWにおいて(ステップS3のY)は、漏洩箇所を特定する作業が行われる(漏洩箇所特定ステップ)。すなわち、ステップS4において、作業員の目視にてワークWの各開口部2が貫通しているか否かが確認される。その結果、各開口部2が全て貫通していると確認された場合(ステップS4のN)には、ワークWからの漏洩であると判断される。一方、各開口部2のうち未貫通の開口部2が確認された場合(ステップS4のY)には、この未貫通の開口部2からの漏洩であると判断される。
このように、不良品のワークWに対して、ワークWからの漏洩によるものか、未貫通の開口部2からの漏洩によるものかを特定して、その結果をワークWの成形工程や開口部2の加工工程にフィードバックすることで、不良品の数量を減少させることができる。
【0030】
以上説明したように、本発明の実施の形態では、中空状のワークWの壁部3に設けられた開口部2を被覆するように配置されるマスキング5は、マスキング本体6から突設され、ワークWの開口部2に挿入される、開口部2の貫通深さH2と同一の長さH1を有する突起部7と、マスキング本体6及び突起部7に設けられ、ワークW内に検査流体を供給する供給通路10とを備えている。これにより、中空状のワークWの漏洩検査を行うと同時に、中空状のワークWの開口部2の貫通検査を行うことができ、従来よりも検査設備及び工程数を減少させることでき、全体としてのコストを低減させることができる。
【0031】
なお、本実施の形態では、ワークWの各開口部2を被覆する各マスキング5の供給通路10ぞれぞれに同一の供給源から所定圧の検査流体が供給されて、ワークW内の検査流体の圧力推移を精査することにより検査流体の漏洩の有無を判定しているが、この実施形態の場合には、検査流体の漏洩があると判定された場合、当該ワークWは不良品であるとの判定はされるものの、上述したように、この時点では、検査流体の漏洩が、ワークWからの漏洩によるものか、未貫通の開口部2からの漏洩によるものかを判断することはできない。
【0032】
そこで、ワークWの各開口部2を被覆する各マスキング5の供給通路10のぞれぞれに、独立した供給源から所定圧の検査流体を供給して、各供給源の圧力推移を精査することにより検査流体の漏洩の有無を判定してもよい。この実施形態の場合、独立した供給源から検査流体がワークWの未貫通の開口部2を被覆するマスキング5の供給通路10に供給された場合には、その圧力が所定時間内に所定圧力に到達しないために、この開口部2は未貫通であるということを即座に判断することができる。
【0033】
また、本実施の形態では、ワークWの各開口部2を被覆する各マスキング5の全てに供給通路10を設け、各供給通路10からワークW内に検査流体を供給し、検査流体の漏洩の有無を判定して、ワークWの密閉性及び各開口部2の貫通状態に係る良否判定を行っており最も好ましい形態であるが、ワークWの各開口部2を被覆する各マスキング5のうち少なくとも1つに供給通路10を設けて、その供給通路10からワークW内に検査流体を供給してワークWの漏洩検査を行うと同時に、各マスキング5の突起部7の、対応する開口部2に対する侵入量、言い換えれば、マスキング本体6と、対応する開口部2周辺のワークW表面との間の隙間Sを測定することで各開口部2の貫通状態の良否を判定することも可能である。
【符号の説明】
【0034】
1 ワーク検査装置,2 開口部,3 壁部,5 マスキング,6 マスキング本体(第1マスキング),7 突起部(第2マスキング),10 供給通路,W ワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空状のワークを貫通するように設けられた開口部を被覆して前記ワークの漏洩検査を行うマスキングを備えたワーク検査装置であって、
前記マスキングは、
前記ワークの漏洩検査を行う第1マスキングと、
前記開口部の貫通検査を行う第2マスキングと、
を備えることを特徴とするワーク検査装置。
【請求項2】
前記第2マスキングは、第1マスキングから突設され、前記ワークの開口部に挿入される突起部であることを特徴とする請求項1に記載のワーク検査装置。
【請求項3】
前記第1マスキング及び前記第2マスキングは、前記ワーク内に検査流体を供給する供給通路を備えることを特徴とする請求項1または2に記載のワーク検査装置。
【請求項4】
前記第2マスキングの突起部の長さは、前記ワークの開口部の貫通深さと略同一の長さに形成されていることを特徴とする請求項2または3に記載のワーク検査装置。
【請求項5】
中空状のワークを貫通するように設けられた開口部をマスキングにより被覆して前記ワークの漏洩検査を行うワーク検査方法であって、
前記マスキングに設けた第1マスキングにより前記ワークの漏洩検査を行うと同時に、前記マスキングに設けた第2マスキングにより前記開口部の貫通検査を行うことを特徴とするワーク検査方法。
【請求項6】
前記ワーク検査方法は、
前記ワークの開口部に、前記第1マスキングから突設され、前記ワークの開口部の貫通深さと略同一の長さを有する前記第2マスキングの突起部を挿入して該開口部を被覆する被覆ステップと、
前記第1マスキング及び第2マスキングに設けた供給通路からワーク内に向かって検査流体を供給する供給ステップと、
前記検査流体の漏洩結果により、前記ワークの密閉性及び前記開口部の貫通状態に係る良否を判定する判定ステップと、
を含むことを特徴とする請求項5に記載のワーク検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−92503(P2013−92503A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−236099(P2011−236099)
【出願日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】