説明

ワーク洗浄装置

【課題】ワークを保持する専用の台が不要にし、洗浄の死角となる部分を少なくする。
【解決手段】円筒状のワークWを挟み込む位置に配置し、ワークWの回転軸線と平行な軸線回りに回転し、ワークWの外周面に接触する少なくとも3個以上の円筒状のローラ52、53、63、67と、少なくとも3個以上のローラ52、53、63、67のうち少なくとも1個を回転駆動する流体モータ88、89と、ワークWに向けて流体を噴出させるノズル20、21、22とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体を使ってワークを洗浄するワーク洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のワーク洗浄装置として、特許文献1に開示されたものがある。
【0003】
図7に示すにように、回転するワーク回転テーブル100の下部に羽根車101を一体的に設け、羽根車101にワーク回転テーブル用ノズル102から洗浄水を吹付けることにより、ワーク回転テーブル100を回転させていた。また、ワーク回転テーブル100にワーク103を載置し、固定洗浄ノズル104から高圧の洗浄水をワーク103に吹付けることにより、ワーク103を回転させながら洗浄水によって洗浄していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−1110号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
高圧の洗浄水によってワーク103が動かないように保持するためには、ワークの形状に応じた台105が必要となる。また、台105の形状によっては、ワークに洗浄水がかかりにくくなるところが出てくる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、円筒状のワークに向けて流体を噴出させるノズルと、前記ワークの軸線と平行な軸線回りに回転し、前記ワークの外周面に接触する少なくとも3個以上の円筒状のローラと、少なくとも3個以上のローラのうち少なくとも1個を回転駆動する流体モータとを備え、少なくとも3個以上のローラをワークを挟み込む位置に配置したものである。
【0007】
この構成によれば、ローラによってワークは回転のみ可能に保持されるので、ワークを保持する専用の台が不要となる。ローラ以外に洗浄に遮るものはなく、ローラに対してワークが回転するので、洗浄死角となる部分が非常に少ない。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のワーク洗浄装置において、前記ワークの端面にころがり接触するボールキャスターを設けたものである。
【0009】
この構成によれば、ワークを回転可能に安定して支持することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のワーク洗浄装置において、少なくとも3個以上のローラのうち少なくとも1個と、前記ノズルとを取り付けたホルダを設け、このホルダを前記ワークの半径方向に移動可能に案内支持する案内装置を設け、前記ローラが前記ワークに当接する方向に前記ホルダを付勢するバネを設けたものである。
【0011】
この構成によれば、ワークに外径に応じて、ローラとともにノズルが移動するので、ノズルの向きを手動で変える必要がない。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載のワーク洗浄装置において、前記流体モータは、前記洗浄液の流速で持って回転する羽根車を有する。
【0013】
この構成によれば、羽根車を設けるだけで、ローラを回転させることが出来、構成が非常に簡単である。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載のワーク洗浄装置において、前記流体モータは、歯車モータである。
【0015】
この構成によれば、流体の圧力で持ってローラを回すので、ローラにかかる回転負荷に耐えられる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載のワーク洗浄装置において、前記流体モータは、ベーンモータである。
【0017】
この構成によれば、流体の圧力で持ってローラを回すので、ローラにかかる回転負荷に耐えられる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ワークを保持する専用の台が不要となり、洗浄の死角となる部分が非常に少ない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態におけるワーク洗浄装置の全体正面図である。
【図2】本発明の実施形態における図1のA−A線断面図である。
【図3】本発明の実施形態における図2のB−B線断面図である。
【図4】本発明の実施形態における図2のC−C線断面図である。
【図5】本発明の実施形態における図2のD−D線断面図である。
【図6】本発明の実施形態におけるワーク洗浄装置の概略平面図である。
【図7】従来のワーク洗浄装置の全体正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の一実施形態について、図1乃至図5を参酌しつつ説明する。図1はワーク洗浄装置の全体正面図であり、図2は図1のA−A線断面図であり、図3は図2のB−B線断面図であり、図4は図2のC−C線断面図であり、図5は図2のD−D線断面図であり、図6はワーク洗浄装置の概略平面図である。
【0021】
ワーク洗浄装置10は、円筒状のワークWを載置するテーブル11を有する。水平に配置されたテーブル11には図6に示すようにワークWの回転軸線Pを中心とする円S上に4個のボールキャスター12が等間隔に配置され、各ボールキャスター12は任意の方向に回転するボール13を有する。ボール13は図1と図2に示すようにテーブル11の上面より僅かに上方へ出ており、ボール13はワークWの端面にころがり接触するようになっている。
【0022】
ワーク洗浄装置10は、ワークWへ洗浄液Fを噴出する第1のノズル20、第2のノズル21、第3のノズル22を有する。第1のノズル20、第2のノズル21、第3のノズル22は、架台30にぶら下がっている。架台30は、前記テーブル11上に載置される。
【0023】
架台30は、テーブル11に固定される根元の取付け板31と、取付け板31に対して垂直に立設された縦板32と、両側の縦板32を連結した横板33と、取付け板31、縦板32、横板33に連結した補強板34とからなっている。
【0024】
横板33のテーブル11側の面には、案内装置40が取付けられている。案内装置40は、テーブル11と平行に水平に配置されたガイドレール41と、このガイドレール41に図1の左右方向に案内される2個のボール保持器42、43とからなっている。
【0025】
ボール保持器42のテーブル11側の面には第1のホルダ50が取付けられ、ボール保持器43のテーブル11側の面には第2のホルダ60が取付けられている。
【0026】
第1のホルダ50には第1の回転軸51がワークWの回転軸線Pと平行な軸線回りに回転可能に軸支され、第1の回転軸51のテーブル11側の一端に円筒状のローラ52が第1の回転軸51と同軸に取付けられている。また、第1のホルダ50には図略の第2の回転軸がワークWの回転軸線Pと平行な軸線回りに回転可能に軸支され、第2の回転軸のテーブル11側の一端に円筒状のローラ53が第2の回転軸と同軸に取付けられている。第1のホルダ50には前記第1のノズル20が取付けられている。外部からの図略の配管が第1のホルダ50に連結され、第1のホルダ50内の図略の流路を経て第1のノズル20へ洗浄液Fが供給されるようになっている。
【0027】
図2および図3に示されるように、第2のホルダ60には第3の回転軸61が一対の玉軸受62を介してワークWの回転軸線Pと平行な軸線回りに回転可能に軸支され、第3の回転軸61のテーブル11側の一端に円筒状のローラ63が第3の回転軸61と同軸に取付けられている。また、第2のホルダ60には第4の回転軸65が一対の玉軸受66を介してワークWの回転軸線Pと平行な軸線回りに回転可能に軸支され、第4の回転軸65のテーブル11側の一端に円筒状のローラ67が第4の回転軸65と同軸に取付けられている。
【0028】
第3の回転軸61には一対の玉軸受62間で第1の歯車64が一体回転可能に連結され、第4の回転軸65には一対の玉軸受66間で第2の歯車68が一体回転可能に連結されている。第1の歯車64と第2の歯車68は、ワークWの回転軸線Pと平行な軸線回りに回転する第3の歯車69を介して互いに回転連携されている。第3の歯車69は第3の回転軸69aに一体回転可能に連結され、第3の回転軸69aは一対の玉軸受69bを介して第2のホルダ60にワークWの回転軸線Pと平行な軸線回りに回転可能に軸支されている。
【0029】
図5に示されるように、第3の回転軸61には、第1の羽根車70が一体回転可能に連結され、第4の回転軸65には、第2の羽根車75が一体回転可能に連結されている。前記第2のホルダ60には第1の羽根車70を回転可能に収納した円筒状の第1の作動室71が形成され、また、第2のホルダ60には第2の羽根車75を回転可能に収納した円筒状の第2の作動室76が形成されている。第1の作動室71にはこれの接線方向に第1の入口側経路72の一端が開口し、また第1の作動室71にはこれの接線方向に第1の出口側経路73の一端が開口している。前記第1の入口側経路72と前記第1の出口側経路73は第1の作動室71を挟んで両側に配置されている。第2の作動室76にはこれの接線方向に第2の入口側経路77の一端が開口し、また第2の作動室76にはこれの接線方向に第2の出口側経路78の一端が開口している。前記第2の入口側経路77と前記第2の出口側経路78は第2の作動室76を挟んで両側に配置されている。
【0030】
第1の羽根車70と第1の作動室71とによって、第1の流体モータ88が構成される。また、第2の羽根車75と第2の作動室76とによって、第2の流体モータ89が構成される。
【0031】
第1の入口側経路72の他端には第1の外部配管74が接続され、第2の入口側経路77の他端には第2の外部配管79が接続されている。第1の外部配管74は、第1の可変絞り弁80、2方向切換弁81を介してポンプ82に接続され、第2の外部配管79は、第2の可変絞り弁86、2方向切換弁81を介してポンプ82に接続されている。第1の外部配管74には第1の減圧弁83が分岐接続され、第2の外部配管79には第2の減圧弁87が分岐接続されている。2方向切換弁81とポンプ82間でリリーフ弁84が分岐接続されている。
【0032】
第2のホルダ60には第1の出口側経路73と直交する水平方向に第1のパス経路90が形成され、第2のホルダ60には第1の出口側経路73と平行に第2のパス経路91が形成され、第2のホルダ60には第2のパス経路91と交差する上下斜め方向に第3のパス経路92が形成されている。第3のパス経路92の出口に前記第2のノズル21が接続されている。第1の出口側経路73の下半分と第1のパス経路90の上半分が交差し、第1のパス経路90の下半分と第2のパス経路91の上半分が交差している。
【0033】
第2のホルダ60には第2の出口側経路78と直交する水平方向に第4のパス経路95が形成され、第2のホルダ60には第2の出口側経路78と平行に第5のパス経路96が形成され、第2のホルダ60には第5のパス経路95と交差する上下斜め方向に第6のパス経路97が形成されている。第6のパス経路97の出口に前記第3のノズル22が接続されている。第2の出口側経路78の下半分と第4のパス経路95の上半分が交差し、第5のパス経路95の下半分と第6のパス経路96の上半分が交差している。
【0034】
図1の左側の前記縦板32には、ガイドレール41と平行にめねじ穴32aが形成され、このめねじ穴32aに第1の調整ねじ35のおねじ35aが螺合している。おねじ35aにロックナット36が螺合し、ロックナット36の端面は縦板32に当接している。前記めねじ穴32aと、第1の調整ねじ35と、ロックナット36とによって第1のホルダ50の位置を調整する位置調整装置37が構成される。
【0035】
図1の右側の前記縦板32には、ガイドレール41と平行にめねじ穴32bが形成され、このめねじ穴32bに第2の調整ねじ45のおねじ45aが螺合している。おねじ45aにロックナット46が螺合し、ロックナット46の端面は縦板32に当接している。第2の調整ねじ45にはガイドレール41と平行に貫通穴45bが形成され、この貫通穴45aに押圧棒47が摺動可能に嵌挿されている。押圧棒47の一端には、半径方向外方へ拡張した頭部47aが形成され、この頭部47aと第2の調整ねじ45間に、押圧棒46を第2のホルダ60へ付勢するバネ48が介挿されている。押圧棒47の他端には、半径方向外方へ拡張したストッパ部47bが設けられ、ストッパ部47bが第2の調整ねじ45に当接することによって、押圧棒47の第2の調整ねじ45に対する抜けが防止される。前記めねじ穴32bと、第2の調整ねじ45と、ロックナット46と、押圧棒47、バネ48とによって第2のホルダ60をローラ63、67がワークWに当接する方向に付勢する押圧装置49が構成される。
【0036】
前記ローラ52、53は、鉄を切削することによって所定の形状に加工される。前記ローラ63、67は、鉄を切削することによって所定の形状に加工し、鉄の上にゴム材63a、67aを巻き付けて接着することによって作られる。
【0037】
続いて上述した構成に基いて、作用について説明する。
【0038】
図1を参照すると、ワークWの外径に合わせて、位置調整装置37により第1のホルダ50の位置を調整する。ワークWの外径が前に洗浄したワークWよりも大きくなる場合は、第1の調整ねじ35を第1のホルダ50から遠ざかる方向に螺進させる。逆に、ワークWの外径が前に洗浄したワークWよりも小さくなる場合は、第1の調整ねじ35を第1のホルダ50に接近する方向に螺進させる。第1の調整ねじ35の位置調整が終わると、ロックナット37を締付け、ロックナット37を縦板32に当接させる。
【0039】
位置調整がなされた状態で、前工程で加工されたワークWを洗浄する場合、第2のホルダ60をバネ48に打ち勝って押圧装置49側へ移動させ、ボール13上にワークWを載置し、ワークWの外周面をローラ52、53に当接させる。バネ48の押圧力によって第2のホルダ60をローラ63、67がワークWに当接する方向へ移動させる。バネ48によってワークWは、所定の押圧力で持ってローラ52、53、63、67で挟み込まれる。
【0040】
続いて、2方向切換弁81を図5に示す位置に切換え、ポンプ82からの洗浄液Fを第1の可変絞り弁80、第1の外部配管74、第1の入口側経路72を介して第1の作動室71に供給する。洗浄液Fの流速によって第1の羽根車70が回転する。第1の作動室71に供給された洗浄液Fは、第1の出口側経路73、第1のパス経路90、第2のパス経路91、第3のパス経路92を介して第2のノズル21へ供給され、第2のノズル21からワークWに向けて洗浄液Fが噴出される。
【0041】
また、ポンプ82からの洗浄液Fを第2の可変絞り弁86、第2の外部配管79、第2の入口側経路77を介して第2の作動室76に供給する。洗浄液Fの流速によって第2の羽根車75が回転する。第2の作動室76に供給された洗浄液Fは、第2の出口側経路78、第4のパス経路95、第5のパス経路96、第6のパス経路97を介して第3のノズル22へ供給され、第3のノズル22からワークWに向けて洗浄液Fが噴出される。
【0042】
またさらに、ポンプ82からの洗浄液Fを、図略の外部の配管、第1のホルダ50内の図略の流路を経て第1のノズル20へ供給され、第1のノズル20からワークWに向けて洗浄液Fが噴出される。
【0043】
第1のノズル20、第2のノズル21、第3のノズル22の洗浄液Fの噴出方向は、それぞれ異なっており、第1のノズル20と第2のノズル21はワークWの半径方向内方へ洗浄液Fを噴出し、第3のノズル22はワークWの半径方向外方へ洗浄液Fを噴出する。第1のノズル20は、第2のノズル21と比較してやや水平に洗浄液Fを噴出する。
【0044】
前記第1の羽根車70の回転によって、第3の回転軸61、第1の歯車64、ローラ63が一緒に回転する。前記第2の羽根車75の回転によって、第4の回転軸65、第2の歯車68、ローラ67が一緒に回転する。第3の歯車69を介して第1の歯車64と第2の歯車68が互いに一体一体回転可能に連結しているので、ローラ63とローラ67は、互いに同量回転する。ワークWはバネ48の押圧力で持ってローラ52、53、63、67で挟み込まれているので、ローラ63、67の回転はワークWに伝わり、ワークWが回転軸線P回りに回転する。ワークWは、複数のボールキャスター12によってころがり支持されているので、スムーズにしかも安定支持された状態で回転する。
【0045】
こうして、ワークWは回転軸線P回りに回転しながら、第1のノズル20、第2のノズル21、第3のノズル22から噴出される洗浄液Fによって洗浄される。ワークWに付着した加工屑が洗い流される。
【0046】
ローラ63の回転速度を早くする場合は、第1の可変絞り弁80による通路開度を大きくするか、第1の減圧弁83による圧力低下を小さくする。ローラ63の回転速度を遅くする場合は、第1の可変絞り弁80による通路開度を小さくするか、第1の減圧弁83による圧力低下を大きくする。
【0047】
ローラ67の回転速度を早くする場合は、第2の可変絞り弁86による通路開度を大きくするか、第2の減圧弁87による圧力低下を小さくする。ローラ67の回転速度を遅くする場合は、第2の可変絞り弁86による通路開度を小さくするか、第2の減圧弁87による圧力低下を大きくする。
【0048】
バネ48の押圧力を上げる場合は、第2の調整ねじ45を第2のホルダ60側へ移動させる。逆に、バネ48の押圧力を下げる場合は、第2の調整ねじ45を第2のホルダ60から遠下かる方向へ移動させる。ワークWとローラ63、67間の摩擦力は、ローラ63、67のゴム材63a、67aの動摩擦係数に比例し、バネ48の押圧力に比例する。ゴム材63a、67aの動摩擦係数は、バネ48の押圧力が上がるにつれて下がる傾向がある。これらを考慮して摩擦力が最大となるように、バネ48の押圧力を決める。ゴム材63a、67aの動摩擦係数は、金属等の他の材質に較べて格段と大きい。
【0049】
本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【0050】
上述した実施形態は、流体モータとして羽根車70、75を使用して洗浄液Fの流速に応じて羽根車70、75の回転速度を変えていたが、流体モータとして歯車モータあるいはベーンモータを使用しても良い。歯車モータ、ベーンモータに供給される洗浄液Fの流量に応じてローラ63、67の回転速度が変わる。洗浄液Fの流量は、可変絞り弁80、86によって変えられる。歯車モータ、ベーンモータによってローラ63、67を回す力は洗浄液Fの圧力によって変わる。洗浄液の圧力は、減圧弁83、87によって変わる。歯車モータ、ベーンモータは洗浄液の圧力によってローラ63、67を回すので、ローラ63、67にかかる回転負荷に耐えられるメリットがある。
【0051】
上述した実施形態は、4個のローラ52、53、63、67を平面的に見て長方形の角部に配置し、前記長方形をこれの中心がワークWの回転軸線Pと同軸となるように配置した。結果として、4個のローラ52、53、63、67をワークWを挟み込む位置に配置した。4個のローラ52、53、63、67を平面的に見て正方形の角部に配置し、前記正方形をこれの中心がワークWの回転軸線Pと同軸となるように配置しても良い。つまり、4個のローラ52、53、63、67をワークWの回転軸線P回りに等角度間隔に配置しても良い。
【0052】
上述した実施形態は、4個のローラ52、53、63、67を平面的に見てワークWを挟むような形で長方形の角部に配置したが、3個のローラ52、63、67を平面的に見てワークWを挟むような位置となる二等辺三角形の角部に配置し、前記二等辺三角形をこれの外接円の中心がワークWの回転軸線Pと同軸となるように配置し、駆動回転する2個のローラ63、67を使用しても良い。あるいは、3個のローラ52、53、63を平面的に見てワークWを挟むような形で二等辺三角形の角部に配置し、駆動回転する1個のローラ63を使用しても良い。
【0053】
上述した実施形態は、従動回転するローラ52、53を位置調整装置37により位置調整し、駆動回転するローラ63、67を押圧装置49により押圧したが、従動回転するローラ52、53を押圧装置49により押圧し、駆動回転するローラ63、67を位置調整装置37により位置調整しても良い。この場合、押圧装置49を2個用意し、従動回転するローラ52、53を個々の押圧力で持って押圧しても良い。ローラ52、53を保持するホルダは別々となる。
【0054】
上述した実施形態は、第1の歯車64と第2の歯車68を、第3の歯車69を介して同量回転するように構成した。第3の歯車69を無くし、ローラ52、53の回転速度を、可変絞り弁80、86を使用して同じになるように調整し、ワークWを介して同量回転するようにしても良い。
【0055】
上述した実施形態は、ワークWを洗浄する流体として洗浄液を使用した。ワークWを洗浄する流体としてエアを使用しても良い。
【0056】
上述した実施形態は、流体モータ88、89に洗浄液Fを供給した後に、ノズル21、22に洗浄液Fを供給するようにしているため、外部配管74、79と可変絞り80、86と減圧弁83、87が少なくすみ、配管の取り回しが容易となる。2方向切換弁81からの洗浄液を分岐し、それぞれ可変絞り、外部配管を介して流体モータ、ノズルに供給しても良い。流体モータに必要な洗浄液の流量、ノズルに必要な洗浄液の流量を個々に最適化することができる。
【符号の説明】
【0057】
12:ボールキャスター、20:第1のノズル、21:第2のノズル、22:第3のノズル、40:案内装置、48:バネ、49:押圧装置、50:第1のホルダ、52:ローラ、53:ローラ、60:第2のホルダ、63:ローラ、67:ローラ、88:第1の流体モータ、89:第2の流体モータ、F:洗浄液(流体)、W:ワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状のワークに向けて流体を噴出させるノズルと、前記ワークの軸線と平行な軸線回りに回転し、前記ワークの外周面に接触する少なくとも3個以上の円筒状のローラと、少なくとも3個以上のローラのうち少なくとも1個を回転駆動する流体モータとを備え、少なくとも3個以上のローラをワークを挟み込むような位置に配置したことを特徴とするワーク洗浄装置。
【請求項2】
請求項1に記載のワーク洗浄装置において、
前記ワークの端面にころがり接触するボールキャスターを設けたことを特徴とするワーク洗浄装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のワーク洗浄装置において、
少なくとも3個以上のローラのうち少なくとも1個と、前記ノズルとを取り付けたホルダを設け、このホルダを前記ワークの半径方向に移動可能に案内支持する案内装置を設け、前記ローラが前記ワークに当接する方向に前記ホルダを付勢するバネを設けたことを特徴とするワーク洗浄装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載のワーク洗浄装置において、
前記流体モータは、前記洗浄液の流速で持って回転する羽根車を有することを特徴とするワーク洗浄装置。
【請求項5】
請求項1から3のいずれか一項に記載のワーク洗浄装置において、
前記流体モータは、歯車モータであることを特徴とするワーク洗浄装置。
【請求項6】
請求項1から3のいずれか一項に記載のワーク洗浄装置において、
前記流体モータは、ベーンモータであることを特徴とするワーク洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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