説明

一体のスパージャーとセンサー受け器を有する混合用袋

流体を受容し、外部原動デバイス(24)によって駆動される内部流体撹拌素子(18)を用いて撹拌するバイオプロセス工程に使用するための混合用袋(10)が開示されている。袋(10)は、一体のスパージャー(100)と、センサー受け器(200)を含むものとすることができる。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、流体を撹拌するための容器に関し、特に、一体のスパージャー(液体中にガスを分散させるための有孔分散管)とセンサー受け器を有する混合用袋に関する。
【背景技術】
【0002】
商業規模で製造されるほとんどの薬剤溶液及び懸濁剤は、満足な収率(歩留まり)を達成し、最終製品中における成分の均一な分布を保証するために高度に制御された、全体に亘る完全な混合を必要とする。混合工程を全うするためにしばしば攪拌機付きタンクが用いられるが、通常は、機械的掻き混ぜ機又はインペラ(例えば、金属ロッドに1組の混合ブレードを取り付けたもの)を用いた方が、より高度の混合が得られる。通常、機械的掻き混ぜ機又はインペラは、単純に容器の頂部の開口を通して流体内へ下降され、外部モータによって回転されて所望の混合作用を創生する。
【0003】
このような構成の1つの制約又は欠点は、混合中汚染又は流体の漏れが生じるおそれがあることである。混合ブレード又はインペラを担持しているロッドは、通常、動的シール又は動的軸受を通して容器内へ導入されるが、この導入開口は、バクテリアやその他の汚染物の侵入経路となり、その結果、製品を劣化させる原因となる。それとともに、動的シール又は動的軸受は流体漏れを起こしやすいので、危険な又は有毒な流体、又は、病原微生物の懸濁液を伴うアプリケーションには、環境汚染の危険性も存在する。又、動的シール又は動的軸受のような構造物は、通常、届き難いひだやすき間を有しているので、洗浄及び滅菌処理を困難にする。これらの問題は無菌溶液、薬剤等のすべての製造業者が直面するものであるから、米国食品医薬品局(FDA)は、そのような流体、特に静脈注射用の流体に対しては厳格な加工要件を規定している。
【0004】
この問題を克服するための試みとして、バイオテクノロジー産業における最近の傾向は、幾つかのバイオプロセスの工程に使い捨てのプラスチック袋を使用することである。予め滅菌処理されたプラスチック袋を使用すれば、各バイオプロセスバッチ工程後に容器の洗浄、滅菌及び妥当性検査をする必要性が省かれる。従って、このような使い捨てプラスチック袋の使用は、バイオ(生物)薬剤の製造コストの節減につながる。
【0005】
通常、バイオ薬剤の製造に用いられるバイオプロセス工程の1つは、「バイオリアクター」(生物反応器)と称されることもある容器内で細胞培養を育成することである。慣用のバイオリアクターは、ステンレス鋼又はガラス製の容器であり、温度、pH、酸素濃度、CO濃度等の環境パラメータが、剛性の容器に組み込まれた恒久センサーによってモニターされ、精密に制御される。又、細胞培養工程中、バイオリアクター内の流体は、温度、ガス及び養分の均一な分布を維持するために撹拌しなければならない。先に述べたように、撹拌は、通常、無菌を維持するために、外部モータに連結され、動的シールを通してバイオリアクター内に導入された軸に装着されたブレード付きインペラによって行われる。
【0006】
正常な細胞培養のためには、特定濃度の溶解酸素を維持しなければならない。又、バイオリアクターの作動中、通常、二酸化炭素や窒素等の他のガスも必要とされる。ガスをバイオリアクターの流体内へ導入する最も効率的な方法は、流体中に小さな気泡を形成するスパージング(分散注入)である。そのような小さな気泡は、面積対体積比が大きく、従って、大きい気泡より速く流体内へ溶解する。
【特許文献1】米国特許第6,758,593号
【特許文献2】米国特許第5,141,327号
【特許文献3】米国特許第4,209,259号
【特許文献4】米国特許第4,814,124号
【特許文献5】PCT/US01/31459
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来一般に、上記スパージングは、剛性のバイオリアクターに組み合わせた多孔質固形材(例えばチタン)によって行われている。あるいは別法として、多数の小さな孔をあけられた金属製のスパージングリングを剛性のバイオリアクターに恒久的に取り付けてスパージングを行う方法も用いられている。しかしながら、いずれの場合も、バイオリアクターは、使い捨てすることができず、次のバイオプロセス工程に再使用する前に洗浄し、滅菌処理しなければならない。
【0008】
従来の剛性容器から成るバイオリアクターでは、インペラ、スパージャー、及びガス、温度及びpHセンサーは、最使用可能な部品であり、各バッチ処理工程後に洗浄し滅菌しなければならない。これに対して、使い捨て袋から成るバイオリアクターの場合は、流体に接触するすべての部品が1回だけしか使用されない、使い捨て部品とすることが望ましい。しかしながら、そのためには、使用後袋と一緒に廃棄することができる安価な流体接触部品を提供するという困難な問題を解決しなければならない。
【0009】
もう1つの難問は、バイオリアクターの諸部品を可撓性袋に位置づけすることである。剛性の容器とは異なり、バイオリアクターの可撓性袋(基本的に薄いフィルムである)は、定形がなく、構造的剛性もない。通常、インペラ軸、スパージャー、センサー等のバイオリアクター構成部品は、螺条、ボルト又はクランプによって容器の剛性壁に取り付けられる。いうまでもなく、部品取り付けのこの方法は、プラスチック袋には適用できない。
【0010】
従って、混合用袋又は可撓性容器にそれと一体化されたスパージャー及びセンサーを設けるための改良された方法を求める要望がある。本発明による改良は、既存の製造技術を使用し、かつ、さしたる追加コストを伴うことなく、容易に達成することができる。全体として、この改良の結果として、効率及び使用の容易性の点で大きな利点が実現され、高度の混合システムを用いることが求められるバイオプロセス等のアプリケーションへの適用可能性を大幅に拡大する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1側面によれば、バイオプロセスに使用するための容器が提供される。この容器は、流体を受容し保持することができる袋から成り、袋は、該袋内の流体に供給されたガスから気泡を形成するための気泡形成手段を気泡形成手段含む(容器と)一体の剛性スパージャーを備えている。
【0012】
本発明の一実施形態においては、前記スパージャーは、流体不透過(不浸透)性のシールを形成するように袋に溶接される。気泡を形成するための気泡形成手段は、剛性材に取り付けられた有孔(孔あき)フィルムで構成することが好ましいが、剛性材に取り付けられたガス浸透性(透過性)フィルムで構成することもできる。別法として、気泡を形成するための気泡形成手段は、スパージャーを形成する剛性材の前面に取り付けられた有孔部材(フィルムであってもよい)で構成することができる。
【0013】
別の実施形態においては、前記剛性材は、更に、磁気流体撹拌素子を、それが容器(袋)内に位置づけされたとき、受容して原位置(定位置)に保持するための第1受け器を含む。好ましくは、この受け器は、直立支柱であり、前記気泡形成手段は、該支柱の外壁によって構成される。この支柱は、気泡を創生することに加えて、袋内に位置づけされる流体撹拌素子がどのようなタイプのものであれ、それを心合即ち整列させる機能をも備えたものとし、流体撹拌素子を所定位置に保持するための過大サイズヘッドを有するものとすることもできる。
【0014】
本発明の第2側面によれば、流体によるバイオプロセス工程に使用するための容器が提供される。この容器は、流体を受容し保持することができる袋から成り、袋は、その内部に面する剛性の受け器を有しており、該受け器を貫通して、該袋の内部に連通するように挿入するための一端が閉鎖した透明なチューブが設けられる。
【0015】
一実施形態においては、前記剛性の受け器は、流体不透過性シールを形成するように袋に溶接される。該受け器を該チューブ内に保持するためのブッシュも設けられる。袋に流体が充填されたときの流体漏れを防止するために、チューブを受け器内にシールする(密封する)ための手段を設けることもできる。
【0016】
別の実施形態においては、蛍光センサー素子が、チューブの閉鎖端に袋の外部から取り付けられる。その場合、センサー素子へ光を送り、センサー素子から反射された光を受け取るための光ファイバーケーブルが容器に組み込まれる。そのようなセンサー装置を使用は、流体のいろいろな特性を実質的に非侵入態様(袋内への器具挿入を伴わない態様)で観察することを可能にする。
【0017】
本発明の第3側面によれば、バイオリアクターを製造する方法が提供される。この方法は、流体を受容し保持することができる袋を準備する工程と、該袋内の流体に供給されたガスから気泡を形成するための気泡形成手段を含む一体のスパージャーを該袋に取り付ける工程とから成り、該袋内に磁気流体撹拌素子を挿入する工程を含むこともできる。
【0018】
本発明の第4側面によれば、液体をバイオプロセスする方法が提供される。この方法は、流体を受容し保持することができる袋を準備する工程と、該袋内の流体に供給されたガスから気泡を形成するための気泡形成手段を含む一体のスパージャーを該袋に取り付ける工程と、スパージャーにガスを供給する工程と、該スパージャーを含む袋を処分(廃棄)する工程とから成り、該袋から流体を受け取る工程を含むこともできる。好ましくは、スパージャーは、剛性材であり、スパージャーを取り付ける工程は、流体不透過性シールを形成するように袋に溶接することから成る。この方法は、更に、磁気流体撹拌素子を用いて流体を混合する工程を含むこともできる。
【0019】
本発明の第5側面によれば、流体バイオプロセス操作のためにセンサーを設置する方法が提供される。この方法は、流体を受容して保持することができる袋を準備する工程と、該袋に剛性の受け器を取り付ける工程と、次いで、一端に閉鎖端を有する透明のチューブを該受け器内に挿入する工程とから成る。センサーは、チューブ上(チューブの壁)に又はチューブ内に位置づけすることができる。
【0020】
一実施形態においては、この方法は、更に、前記袋を受け器に挿入されたチューブごと処分する工程を含む。更に、前記チューブの開放端に光ファイバーケーブルを挿入する工程を含めることができ、更に、蛍光センサー素子を袋の外部からチューブの閉鎖端に取り付ける工程を含めることもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1を参照すると、袋10の形とした、本発明の容器の一実施形態が示されている。この実施形態では、袋10は、図では概略的に示された可撓性又は非剛性部分12を有する本体と、断面図で示された剛性部分14を含む。ただし、以下の記載に概略的に説明されているように、ここに開示された本発明の技術思想の多くは、全体が剛性の容器にも適用することが可能である。
【0022】
袋10は、気密にシール(密封)することができ、流体を出し入れするための1つ又は複数の開口又は管継手(図示せず)を備えたものとすることができる。あるいは、袋10は、シールせず、一端を開放した形とすることもできる。使用する袋の特定の形状及び寸法は、通常、用途に応じて決められ、本発明にとって重要な要素ではない。例えば、無菌流体を扱う場合は、無菌又は防腐性管継手を備えた、予め滅菌処理されて気密シールされた袋が望ましいが、無菌性が重要な要素ではない場合は、一端が開放した、又はシールされていない袋が適当である。重要な点は、袋10が、流体(ここで、流体とは、例えば液体、液状懸濁剤、ガス、ガス状懸濁剤等を含む流動可能な任意の物質を意味する)を受容し、少くとも一時的に保持することができることである。
【0023】
剛性部分14は、流体撹拌素子18が袋10内に位置づけされたとき該流体撹拌素子を受容して原位置(又は予期される所定位置)に保持するための第1受け器16を備えている。ここで、「保持する」とは、流体撹拌素子18を(許容範囲の横振れを除き)ほとんど側方に振れないように第1受け器16によって直接保持し支持する場合と、第1受け器16が流体撹拌素子18の動きを単に袋10内での一定範囲の横ぶれに制限するだけの場合の両方を含む。この実施形態では、流体撹拌素子18に開口18aが設けられており、第1受け器16は、袋10の内部に向かって突出する支柱20である(図1a及び1b参照)。第1受け器の支柱20は、流体撹拌素子18の本体18bに形成された開口18aに挿通することによって流体撹拌素子18を受容するように寸法決めされている。(開口18aは、環形状として示されているが、断面でみて必ずしも円形でなくてもよい。)図1に示されるように、開口18aのサイズは、流体撹拌素子18が自由に回転し、支柱20の外周面に接触することなく支柱20に沿って軸方向に移動することができるような大きさとされる。第1受け器16として機能する支柱20は、このように自由に回転し移動するが、流体撹拌素子18が側方に振れたとすると、流体撹拌素子18の開口18aに近接する表面に接触することによって流体撹拌素子18を容器10内の原位置又は予測される所定位置に保持又は拘束する働きをする。流体撹拌素子18の横振れの範囲は、開口18aの寸法によって規定される。
【0024】
袋10の可撓性部分12は、薄い(例えば、厚さ0.1〜0.2mmの)ポリエチレンフィルムの1枚又は複数枚のシートを結合して流体を受容するための画室を画定することによって形成することができる。このフィルムは、透明又は半透明であることが好ましいが、不透明又は色付きフィルムの使用も可能である。支柱20を含む剛性部分14は、高密度ポリエチレン(HDPE)、超高分子量(UHMW)ポリエチレン又はそれに類する素材で形成することができる。もちろん、これらの素材は、比較的薄い部材を形成するのに用いられた場合、あるいは、適度の曲げ力を加えられると、若干の固有の可撓性を示すが、そのような可撓性があるとしても、この剛性部分14は、袋10に導入される流体の重みを受けてもその形状を総体的に維持するという点で、可撓性部分12とは区別される。
【0025】
随意選択として(オプション)として、支柱20は、流体撹拌素子18を係留し保持するのを助成するための部分20aを含むものとすることができる。部分20aは、過大サイズであり、支柱20のヘッド又は端部を構成することが好ましい。ここで、「過大サイズ」とは、支柱20の過大サイズ部分20aの少くとも1つの寸法(長さ、幅又は直径)が流体撹拌素子18の開口18aの対応する寸法より大きいことをいう。例えば、部分20aは、図1ではディスク形として示されており、それによって、支柱20のヘッド端にほぼT字形の断面形状を付与している。過大サイズ部分20aは、流体撹拌素子18の浮上及び回転を妨害しないように、支柱20の長手に沿って所定の距離のところに戦略的に位置づけされる。支柱20は、過大サイズ部分を有している場合は、流体撹拌素子18の開口18aを通して剛性部分14に着脱自在に取り付けることができる。流体撹拌素子の剛性部分14への取り付けは、例えば、支柱20にねじ付き端を設け、それに螺合するねじ付き孔を剛性部分14に設けることによって、あるいは、図1cに示されるように、支柱20のテーパー付き端部分20cに突部20bを設け、突部20bとスナップ嵌め係合を設定するための溝14bを有する孔14aを剛性部分14に設けることによって行われる。支柱20が剛性部分14と一体に形成されており、過大サイズヘッド部分20aを含む場合は、この過大サイズヘッド部分20aは、流体撹拌素子18を支柱20に嵌挿することを可能にするために撓むか、一時的に変形するように十分な薄さとすべきである。図1bにおいて、動作矢印Aは、過大サイズヘッド20aを開口18aを通るように変形させるための力方向を示す。
【0026】
あるいは別法として、支柱20の部分20aは、必ずしも上述したように過大サイズとする必要はなく、流体撹拌素子18を着脱するためには流体撹拌素子18を支柱20に正確に整列させなければならなくするように開口18aのサイズに十分に近いサイズとするだけでもよい。いずれにしても、流体撹拌素子18は、支柱20の近傍に所定位置に保持され、しかも、直接取り付け(固定)されない構成とすることが慣用である。換言すれば、第1受け器16(支柱20)は、流体撹拌素子18を袋10内の原位置又は所定位置に拘束又は保持するが、なおかつ、側方にある程度(この例では開口18aのサイズによって規定される)自由に動くことができ、後述するように浮上のために必要に応じて第1受け器16に沿って軸方向に(図1の実施形態では垂直方向に)自由に移動することができる浮動状態である。
【0027】
図1aに明示されているように、この実施形態の剛性部分14は、更に、実質的に平面状の周縁フランジ22を備えている。フランジ22は、任意の形状又はサイズとすることができ、袋10にそれとの界面Iにおいて袋10に直接取り付け又は接合することが好ましい。フランジ22と袋10との界面Iは、袋10の可撓性部分12の素材をフランジ22の内面又は外面にオーバーラップさせて重なり(オーバーラッピング)継手を形成するか、場合によっては突き合わせ継手によっても形成することができる。袋10とフランジ22が互いに適合性のあるプラスチック材で製造されている場合は、両者の接合は、シールを形成するようにその界面において超音波溶接又は熱溶接(加熱又はレーザー溶接)等の周知の技術を用いて行うことができる。シールは、少くとも液体不透過性で、好ましくは気密性とする。あるいは別法として、界面Iにおいて例えば接着剤等の他の接合手段を用いることもできるが、溶接法よりは好ましくない。大抵の場合、溶接法によって得られるより信頼性の高い漏れ止めシールの方が望ましい。いずれの場合にも、漏れ止め気密シールが得られるように界面における継手に沿って不活性のシーラント(シール剤)を適宜に用いることができる。以下に詳述するように、剛性部分14を袋10の内面又は外面に端に接合することによって上記のような界面の必要性を全く排除することもできる)。
【0028】
図1に示された袋10は、流体撹拌素子18を支柱20に受容させた状態で、上述したようにして製造することができる。流体撹拌素子18の支柱20への取り付けは、図1b及び1cに示された技法を用いて行うことができる。次いで、この空の袋10は、流体撹拌素子18が支柱20によって原位置に保持された状態で、出荷のために密封して折り畳むことができる。流体撹拌素子18に対する支柱20の軸方向(即ち、図1でみて上下方向)の保持は、袋10を支柱20に被せるようにして折り畳むことによって、あるいは、支柱20に流体撹拌素子18の開口18aのサイズに対して過大サイズ、又は、開口18aのサイズに非常に近いサイズとした部分20aを設けることによって達成することができる。
【0029】
使用の準備が整ったならば、折り畳まれた袋10を広げて(折り畳みをほどいて)、コンテナ(容器)Cのような剛性又は半剛性の構造体内に装入することができる。コンテナCは、袋10の少くとも剛性部分14が露出したままになるように(図2参照)少くとも一端に沿って部分的に開放したものとする。次いで、流体Fを袋10内へ開口又は管継手等を通して導入することができる。袋10が予め滅菌処理されているか、無菌環境において使用される場合は、管継手は、無菌又は防腐性の管継手とすることができる。袋10は、全体として可撓性又は非剛性の性質を有するので、流体F(液体又は加圧ガス)が導入されたとき隣接する支持構造体又はコンテナC内に与えられる隣接空間とほぼ同じ形状をとる(図2参照)。
【0030】
次いで、外部原動デバイス24を用いて、少くとも部分的に磁性又は強磁性である流体撹拌素子18を少くとも回転させ、袋10内の流体Fを撹拌する。図2の実施形態においては、流体撹拌素子18は、少くとも部分的に磁性であり、原動デバイス24によって浮上されるものとして例示されている。流体撹拌素子を回転させるだけではなく、浮上させることは、随意選択としてであるが、望ましい。本出願人の米国特許第6,758,593号(その記載内容が本明細書に編入されているものとする)に記載されているように、流体撹拌素子の浮上は、原動デバイス24内に設置され、冷却源(図示せず)にリンクされており、現場冷却される、熱的に隔絶された超伝導素子SE(図2に仮想線で示されている)によって行うことができる。やはり同米国特許に記載されているように、流体撹拌素子18は、超伝導素子SEによって浮上させるとともに、回転させることができる。その場合、流体撹拌素子18は、例えば交互極性の(交互に反対の極性S極とN極を有する)少くとも2つの互いに離隔した磁石を用いることによって非対称の磁界を創生するようにすべきである。別の随意選択として、特定の流体撹拌素子にトルクを伝達することができる結合を設定するために別個の駆動構造体(例えば、電磁コイル)を用いることもできる。その場合、流体撹拌素子は、流体力学的軸受(例えば米国特許第5,141,327号参照)によって「浮上」させることができる。もちろん駆動構造体(例えば、軸)を挿通するための動的軸シール又は袋に開口を設ける必要性を排除することが望ましいが、流体撹拌素子18を浮上及び、又は回転させるためにどのような手段を用いるかは、本発明を実施する上で決定的に重要な要素ではない。
【0031】
又、流体撹拌素子18は、この例では、流体の撹拌度合を向上させるために複数の羽根又はブレードBを備えたものとして例示されている。羽根又はブレードBを設ける場合、それらは、剛性部分14の対応する表面の側とは反対の方向に突出させることが好ましい。羽根又はブレードBの数、タイプ、及び形態は、特定の用途のために望ましい度合の流体撹拌作用が得られる限り、重要な要素ではない。実際、微妙な懸濁剤に損傷を与えないように、あるいは、単に袋10内の流体Fを停滞させないようにするために緩やかな撹拌を必要とするような用途においては、平滑な壁を有する環状の流体撹拌素子18を回転させるだけである程度の撹拌が得られるので、羽根又はブレードBは必ずしも必要とされない。
【0032】
先に説明したように、袋10内における流体撹拌素子18の位置を知るとともに、原動デバイス24に対する流体撹拌素子18の位置を確実なものにすることが肝要である。その目的のために、本発明の第2側面によれば、流体撹拌素子18が原位置に保持されたとき流体撹拌素子18に対する原動デバイス24の適正に位置づけするのを容易にするために剛性部分14に第2受け器26を設けることができる。図1a及び1bに示された実施形態では、第2受け器26は、第1支柱20とは反対方向に突出した第2支柱28の形をとる。好ましくは、第2支柱28は、第1支柱20と実質的に同心とし(ただし、支柱20は、例えば図1cに示されるように、第2支柱28によって画定される受け孔14a内に嵌合する別個の部材としてもよい)、原動デバイス24のためのハウジングの一部を構成する、近接する端面24bに形成された孔のよう開口24aを受容するようになされる。かくして、第2支柱28は、原位置である第1受け器16の支柱20の近傍に保持される流体撹拌素子18と原動デバイス24との整列(心合)が浮上又は回転力を伝達するための望ましい結合を設定することができるように両者の適正な整列を保証するのを助成する。
【0033】
好ましくは、第2支柱28のような第2受け器26は、開口24aの形状に対応する断面形状を有する。例えば、第2支柱28は、開口24a即ち位置決め孔が正方形である場合、それに嵌合するように断面正方形とすることができる。同様にして、第2支柱28は、三角形の断面形状としてもよく、その場合は、開口24aも三角形にする。第2受け器26の形状が開口24a内に自由移動可能に遊嵌されるように開口24aの形状と相補形をなす限り、その他のいろいろな形状を用いることができる。この点に関連して、袋10内の流体撹拌素子18を特定の原動デバイス24に対応させるために、相互に合致する受け器と開口のシステムを用いることができるということに留意されたい。例えば、流体撹拌素子18が特定の超伝導素子又は駆動構造体に対応する磁界を創生する特定の構成の磁石を備えたものである場合、第2受け器26には、上記特定タイプの特定の超伝導素子又は駆動構造体を有する原動デバイス24の開口24aにのみ対応する特定の形状を付与することができる。同様な結果は、第2受け器26と開口24aとの相対的なサイズを用いることによっても、又、流体撹拌素子18の開口18aがそれより小さい幅又は直径を有する第1受け器16に嵌合するように開口18aのサイズを設定し、第2受け器26を流体撹拌素子18に対応する原動デバイス24の開口24aにのみ対応させることによっても得られる。
【0034】
剛性の容器を軸受によって直接支持された流体撹拌素子と組み合わせて使用する従来の多くの構成においては、原動デバイスを直接又は間接的に取り付けて懸架された態様に保持することができる外部構造体が設けられる(例えば、米国特許第4,209,259号参照)(その記載内容が本明細書に編入されているものとする)。この構造体は、原動デバイスをその内部に支持されている流体撹拌素子に自動的に整列させる働きをする。しかしながら、袋10自体は、一般に、20kgもの重量を有することがある原動デバイス24に対して信頼できる支持を与えることはできない。従って、袋10の形とした容器と組み合わせて用いるための、本明細書において開示された実施形態の原動デバイス24は、一般に、フロアや、高さ調節自在の車輪付きプラットホーム等のような安定した支持構造体(図示せず)から支持される。従って、袋10との直接取り付け部が存在しないので、原動デバイス24を流体撹拌素子18に整列させる上で第2受け器26が果たす機能は、重要である。
【0035】
図3a及び3bは、本発明の一側面を構成する別の実施形態を示す。この実施形態でも、容器は、やはり、可撓性部分12と剛性部分14を含む袋10である。剛性部分14は、袋10の可撓性部分12に取り付けるための周縁フランジ22を有するキャップ又はハット形である。両者の接合は、上述したいろいろな技法を用いて行うことができるが、流体不透過性、気密シールを形成することが好ましい。剛性部分14は、袋10内の流体撹拌素子18が少くとも図3aに示されるように配向されたときその対応する形状の部分を受容して原位置に保持するための、袋の内側に面する(動作矢印B参照)凹部又はキャビティ30の形とした第1受け器16を備えている。流体撹拌素子18の、キャビティ30に受容される部分は、上述したように少くとも部分的に磁性又は強磁性であり、随意選択としてとして複数の羽根又はブレードBを支持することができる本体18bとすることが好ましい。好ましくは、流体撹拌素子18の本体18bは、断面円形とし、キャビティ30は、本体18b(支柱20が存在しないので、開口18aを有する必要はない)を自由に(浮動又は遊嵌状態で)挿入し、回転及び浮上させることができるようなサイズ及び形状とされる。ただし、先の第1実施形態の場合と同様に、流体撹拌素子18は、キャビティ30の対応する寸法(例えば、直径)より小さい長辺側寸法を有するバーのような在来の磁気攪拌機(もちろん、浮上はしない)の形とすることも可能である。いずれにしても、この実施形態の流体撹拌素子18も、第1受け器16に対して直接取り付けされておらず、自由に動くことができるにもかかわらず、たとえ原動デバイスから偶発的に脱結合した(外れた)としても、原位置に保持される。
【0036】
かくして、流体撹拌素子18は、第1実施形態に関連して上述したのと同様の態様で袋10内の第1受け器16に位置づけすることができる。次いで、袋10はをシール(密封)し、保管又は輸送のために折り畳み、保管又は出荷し、最終的に使用するために広げることができる。折り畳みは、流体撹拌素子18をキャビティ30内に捕捉し、輸送中袋10の近接部分によって所定位置に保持するような態様に行うことが好ましい。その結果として、袋10を広げたとき、流体撹拌素子18は、予測される所定位置又は原位置にあり、しかも、受け器に対して直接取り付けされていない自由状態にあり、回転(必要ならば、浮上も)可能な状態にある。浮上される場合、超伝導軸受又は流体力学的軸受によって設定される浮上高さは、流体撹拌素子18の開口18aの本体18bの少くとも一部分がキャビティ30の囲い内に留まるような高さとすることが好ましい。それによって流体撹拌素子18が、たとえ原動デバイス24から偶発的に外れた場合でも、原位置(即ち、第1受け器16の近傍)に保持されるのを助成する。換言すれば、流体撹拌素子18は、原動デバイス24から偶発的に外れたとすると、キャビティ30の側壁に係合して単純にキャビティ30内に停止し、原位置を画定する。このことは、流体撹拌素子と原動デバイスとが自動的に再結合するチャンスを高めるのみならず、手操作で再結合させる作業を容易にする。
【0037】
流体撹拌素子18が、たとえ上下逆になるようなことがあっても、第1受け器16に係留したままに留まるようにするための随意選択の手段として、剛性部分14の外部に磁石32(図3aに仮想線で示されている)のような吸着部材を取り付けることができる。これによって設定される非接触結合は、流体撹拌素子18をそれが外部原動デバイスに結合される前に原位置に保持しておく働きをする。磁石32は、袋10をコンテナC(図2参照)のような支持構造体上又は内に位置づけしたならば、除去する。このような磁石32は、図1の実施形態においても用いることができ、その場合は、支柱20に過大サイズ部分20aを設ける必要がなくなる。磁石32は、第2受け器26を受容する開口を有する環状とすることが好ましく、その場合、流体撹拌素子を外部原動デバイスに結合するための適正な整列関係を設定するのを容易にする。
【0038】
さらに別の随意選択として、使用前に流体撹拌素子18を第1受け器16内の所定位置に一時的に保持するために流体撹拌素子18に脆弱な(壊れやすい)接着剤を施すことができる。どのような接着剤を使用するとしても、その強度は、流体撹拌素子18が第1受け器16内で浮上せしめられたとき接着剤による結合が容易に壊れるような強さとすることが好ましい。もちろん、そのような接着剤の使用は、袋10を用いて混合すべき流体の純度が厳格な規則によって規定されている場合には、許容されない。
【0039】
図3bを参照して説明すると、この実施形態の第1受け器16も、流体撹拌素子18を外部原動デバイス24に対して整列させるのを助成するという二重の機能を果たす。詳述すれば、剛性部分14にキャビティ30を画定する側壁34と端壁36の外周面は、外部原動デバイス24の近接する面に形成された開口24aを受容するようになされた第2受け器26を画定する。先に述べたように、開口24aは、第2受け器26によって受容されるようなサイズ及び形状とすることが好ましく、袋10が、その流体撹拌素子18を浮上及び、又は回転させるための対応する正しい超伝導素子又は磁石構造体を有する原動デバイス24とのみ組み合わせて使用されるのを保証する働きをもすることができる。例えば、側壁34と端壁36がほぼ円筒形の第2受け器26を画定するものである場合、開口24aも円筒形とされる。開口24aは、端壁36を原動デバイス24の対応する面24c上に座置させるような深さとすることが好ましい。この特徴は、原動デバイス24内の超伝導素子及び、又は駆動構造体と流体撹拌素子18の少くとも部分的に磁性又は強磁性の本体18bとの間の間隙を最小限とする上で重要となる。間隙を最小限とすることは、流体撹拌素子と原動デバイスとの間に最大限強固な結合が設定され、かつ、最大限の駆動トルクが伝達されるのを保証するのに役立つ。これらの間隙は、関係する構造体間の相対的作用を明示するための目的で図3bでは誇張して示されているが、原動デバイス24の
全体のハウジングが回転される場合、側壁34及び端壁36と、それらに対応する開口24aの表面との間には、相互の干渉を回避するために一定の間隔を設けることが望ましい場合がある。
【0040】
図4a及び4bは、幾つかの点で図3a及び3bに示された実施形態に類似した実施形態を示す。例えば、剛性部分14は、袋10の可撓性部分12に接合されてシールを形成する周縁フランジ22を有している。又、剛性部分14は、キャビティ30を画定する側壁34と端壁36を有している。両実施形態の主要な相異は、図4a、4bの実施形態では、剛性部分14のキャビティ30が外方に、即ち、袋10の外部に向かって(矢印Bとは反対の方向に)面していることである。従って、この実施形態では、側壁34と端壁36は、少くとも部分的に磁性又は強磁性であり、複数の羽根又はブレードBを支持することができる環状の本体18bを有する流体撹拌素子18を受容するための第1受け器16を構成する。側壁34の外周面によって画定される第1受け器16は、流体撹拌素子18を袋10内の原位置又は予期される所定位置に維持、保持し、又は拘束することができるので、上述した他の実施形態の支柱20とキャビティ30の両方と同様の受容機能を果たす。もちろん、流体撹拌素子の側方移動の最大限量は、流体撹拌素子の開口18aのサイズによって決まる。
【0041】
更に、外方に面するキャビティ30は、流体撹拌素子18を浮上させ、回転させるのに用いられる原動デバイス24の一部分を受容するための第2受け器26として機能し、両者を整列させる働きをするように構成されている。詳述すれば、原動デバイス24は、その近くに位置づけされた流体撹拌素子18との所望の結合を設定するためにキャビティ30内に挿入するためのヘッド端24dを有するものとすることができる。上述した各実施形態の場合と同様に、ヘッド端24dと少くとも側壁34との間の間隔は、原動デバイス24と流体撹拌素子18との結合の強度を最大限にするために、最小限にすることが好ましい。更に、剛性部分14は剛性であるから、ヘッド端24dの端面24bは、袋10(上述したように、別個の半剛性コンテナ(図示せず)内に装入することができる)に当接させ、袋10を支持するのを助成することができる。
【0042】
上述した各実施形態において、超伝導素子又は流体力学的軸受と共に浮上流体撹拌素子18を使用することが可能であることについて説明する。そのような流体撹拌システムでは、例えば流体が粘性であるか、あるいは、伝達されるトルクの大きさが原動デバイス24と流体撹拌素子との結合の強度を上回るような場合、流体撹拌素子18が原動デバイス24から偶発的に脱結合する(外れる)おそれが実際に存在する。在来の袋では、袋10内の流体撹拌素子18の位置が分からないので、結合を再設定する操作は、極めて困難である。無菌環境のもとでは、袋10を開放し、道具を用いて流体撹拌素子18を適正位置に再位置づけする、又は適正位置を「探り出す」のは、容易ではない。従って、本発明の上述した各実施形態における第1受け器16の使用は、流体撹拌素子が第1受け器に直接取付けされないにも拘わらず、第1受け器が、偶発的な脱結合が起きた場合でも、流体撹拌素子18を原位置に保持する働きをすることである。このことは、流体撹拌素子18の大体の位置が分かっていることを意味するので、偶発的な脱結合に随伴する休止時間(ダウンタイム)を大幅に短縮する。袋10における第1受け器16の使用は、又、脱結合が生じたときでも、流体撹拌素子18が原動デバイス24に対してほぼ心合(整列)された状態に保たれ、ほぼ原位置に保持されているので、自動的に再結合されるチャンスを高める。
【0043】
袋10の剛性部分14内に又は剛性部分14上に第1受け器16を形成することによって別の利点も得られる。詳述すれば、流体撹拌素子18が袋の表面に座置している場合、時間が経つと、袋との接触により袋を損傷したり、袋に穴をあけてしまうことさえあり、そのような、いうまでもなく有害な損傷や穴あけのおそれは、浮上する流体撹拌素子18が偶発的に脱係合したときにも存在するが、上述した各実施形態では、第1受け器16が、流体撹拌素子18をより肉厚で、損傷や穴あけされるおそれがが少ない剛性部分14のフランジ22に近接した位置に維持する働きをするので、上記のような損傷や穴あけのおそれは、回避される。換言すれば、流体撹拌素子18が脱係合しても、袋10の剛性部分14に係合又は接触するだけである。従って、フランジ22は、流体撹拌素子18に対して過大サイズとしておくことが好ましい。図1〜4の実施形態では、袋10は可撓性部分12と剛性部分14の両方を含むものとして説明されているが、本発明は全体が剛性の容器(即ち、金属、ガラス、剛性プラスチック又はそれに類する素材で形成された容器)にも適用することを理解されたい。剛性容器の場合、支柱20は、他の直接取り付け部分や軸受なしで、流体撹拌素子18を係留するための部分20aを含むことが好ましい。
【0044】
ここまでは、容器内で浮上することができる流体撹拌素子18に焦点を当てて説明してきたが、本発明は、1つ又は複数の軸受によって直接支持された流体撹拌素子18と組み合わせた袋10に適用することもできる。例えば、図5a、5bに示されるように、袋10の剛性部分14に設けられる第1受け器16は、流体撹拌素子18を直接支持するための滑り軸受40を含む内方突出支柱20の形とすることができる。軸受40は、流体撹拌素子18に形成された開口18aに嵌合するようなサイズ及び形状とすることが好ましい。流体撹拌素子18は、支柱20の近接表面上に座置させてもよく、あるいは、それより僅かに上に浮上させてもよい。いずれにしても、第1受け器16は、袋の輸送中においても、その後の使用中においても、流体撹拌素子18を受容し、原位置に保持する。
【0045】
流体撹拌素子に対する支持が直接的であることからして、滑り軸受40は、良好な摩擦学的特性を備えた高い耐摩性を有するものであることが好ましい。滑り軸受40は、それに対応するタイプの機械的なローラ軸受より安価であるからであるから、滑り軸受40の使用は、袋10が使い捨てであり、単に廃棄されるものであるような用例において特に好ましいが、実際、滑り軸受は、清掃も容易であるため袋10が再使用される用例においてもその使用は好ましい。ただし、第1受け器16に、回転する流体撹拌素子18を直接、低摩擦で、転がり支持するためのローラ軸受を設けることも、本発明の範囲内である。しかし、ローラ軸受は、製造コストが高いので、ある種の用例においてはローラ軸受の使用は不適当である。
【0046】
この実施形態(図5a、5b)では袋10の剛性部分14は、更に、第1支柱20と同心、同延の第2支柱28の形とした第2受け器26を含むものとすることができる。第2支柱28は、原動デバイス24の端面24bに形成された開口24a内に受容される。流体撹拌素子18に対して軸受40によって直接支持が与えられるので、この場合の原動デバイス24は、磁性又は強磁性体(例えば、鉄、磁性鋼等)の本体18bとの結合を設定するための駆動構造体DS(図5bに仮想線で示されている)だけを備えたものである。駆動構造体DSは、流体撹拌素子18との結合を設定するために、必要に応じて永久磁石としてもよく、あるいは、強磁性体としてもよい。流体撹拌素子18は、ディスク形、十字形、細長バー、あるいは、その他の任意の適当な形状とすることができる。駆動構造体DSは、流体撹拌素子18に回転を与えるために、可変速電気モータのようなモータ(図示せず)と直接接続することによって回転させることができる。あるいは別法として、駆動構造体DSは、巻線を備えた電磁石であってもよく、その巻線に電力を供給することによって磁気流体撹拌素子18を回転させ、かつ、流体力学的軸受を創生するために僅かに浮上させることもできる(例えば、米国特許第5,141,327号参照(その記載内容が本明細書に編入されているものとする))。先にも述べたように、どのようなタイプの原動デバイス24を用いるかは、本発明を実施する上で決定的に重要な要素ではない。
【0047】
図6a、6bは、第1受け器16を剛性部分14に形成された内向きのキャビティ30の形とした袋10の実施形態を示す。キャビティ30内に設置された流体撹拌素子18を直接支持するために、キャビティ30内に滑り軸受40が設けられている。図5a、5bの実施形態の場合と同様に、軸受40は、支柱42のヘッド端にに形成され、流体撹拌素子18の開口18aに嵌合するようになされた滑り軸受とすることができる。支柱42は、端面36によって支持してもよく、あるいは、端面36と一体に形成してもよい。ここでは滑り軸受40が例示されているが、先にも述べたように、流体撹拌素子18に回転支持が与えられ、特定の流体撹拌操作のその他の要件(例えば、低摩擦、低コスト、清掃の容易性等)が充足される限り、どのようなタイプの軸受を用いるかは、本発明にとって決定的に重要な要素ではない。
【0048】
少くとも部分的に磁性又は強磁性の流体撹拌素子18の本体18bは、キャビティ30を画定する側壁34内に嵌合するように寸法決めされており、外部から与えられる非接触原動力によってキャビティ30内で回転することができる。側壁34の外周面は、又、原動デバイス24の対応する開口24aを受容するための第2受け器26を画定する。流体撹拌素子18は軸受40によって直接支持されているので、原動デバイス24は、流体撹拌素子18を非接触態様で回転させるのに必要な力を供給するだけでよい。
【0049】
図7a、7bの実施形態は、図4a、4bに示された実施形態のための直接支持構造と同等の支持構造を示す。剛性部分14は、やはり、外方に、即ち、袋10の外部に向かって面するキャビティ30と、流体撹拌素子18を受容し、流体撹拌素子18のための原位置を画定する第1受け器16を有する。第1受け器16は、やはり少くとも部分的に磁性又は強磁性の流体撹拌素子18を支持するための軸受40を含む。軸受40は、剛性部分14の端面36と一体の支柱44のヘッド端に形成され、流体撹拌素子18の開口又は凹部18aに嵌合するようになされた滑り軸受であってよく、あるいは、流体撹拌素子18に支持を与えるための異なるタイプの軸受であってもよい。
【0050】
原動デバイス24は、キャビティ30によって画定され第2受け器26に挿入されるようになされたヘッド端24dを含む。このヘッド端24dは、少くとも部分的に磁性又は強磁性の流体撹拌素子18を軸受40の周りに回転させるための力を提供する駆動構造体DSを含むことが好ましい。図7a、7bでは、流体撹拌素子18は、側壁34に被さる随意選択の垂下部分18dを含むものとして例示されているが、この垂下部分18dも、駆動構造体DSとの結合が設定されるように磁化することができ、あるいは、強磁性体とすることができる。又、この実施形態においても、図4a、4bの浮上型に用いられるのと同様のタイプの流体撹拌素子18を用いることもできる。
【0051】
ここで、図8を参照して説明すると、先に述べたように、袋10に流体内に気泡を形成するための気泡形成手段を含む一体のスパージャー100を設けることが望ましい場合がある。図示の実施形態では、スパージャー100は、袋10に取り付けるための前面部分102aと、例えばチューブUを介して外部ガス源と接続するための突出筒状部分102bを含む。スパージャー100の前面部分102aは、剛性プラスチック材のディスク形部片で構成することができ、流体不透過シールを形成するように流体Fに近接するところで袋10の可撓性素材に直接溶接することができる。
【0052】
遠隔供給源(図示せず)からチューブUを通して導入されたガスは、袋10に流入し、袋内の流体内を通る。図示の実施形態では、流体内に流入してくるガスから気泡形成するための手段は、スパージャー100の前面部分102aに近接してやはり溶接などによって固定することができるプラスチックフィルムの有孔部片104から成る。多くのバイオプロセス用例に望ましい小さい気泡を創生するためには、有孔フィルム104の孔は、サブミリ(mm以下又は未満)の範囲とすることが好ましい。あるいは別法として、多孔質フィルムを用いることもできる。斯界においていろいろなタイプの多孔質フィルムが知られている(例えば、米国特許第4,814,124号参照)。いずれにしても、一体のスパージャー100を備えた袋10は、インペラ18と共に簡単に予備滅菌することができ、袋内の流体の全部又は一部分を回収した後、又は、流体の混合が完了して得られた製品を回収した後、廃棄することができる。
【0053】
スパージャー100を別個の部品として設けるのではなく、スパージャー100を、流体撹拌素子18を受容し、所望の心合/整列機能を果たすための袋10の剛性部分14と組み合わせることも可能である。その場合、図9に示されるように、剛性部分14は、流体不透過シールを形成するように、上述したように、袋10に好ましくはその底部に沿って溶接される。支柱20の形とした受け器は、流体撹拌素子18に形成された開口(図示せず)を通して剛性部分14に着脱自在に取り付けることができ、保持機能を果たすための過大サイズヘッドを有するものとすることもできる。支柱20の流体撹拌素子18に対する取り付けは、例えば、支柱20のねじ付き端を剛性部分14に形成したねじ孔に螺入することによって、あるいは、図1cに示されるように支柱20とスナップ嵌め係合を設定するための溝を有する孔14aを剛性部分14に設けることによって行われる。上述したように、剛性部分14には、又、回転駆動磁石又は超伝導素子のような外部原動デバイス(図示せず)を受容するために凹部又はキャビティの形とした第2受け器26を形成することができる。
【0054】
剛性部分14の前面14aには、更に、袋10の内部と、チューブUを介して外部ガス源に通じる第2通路14cとに連通する第1通路14bが形成されている。かくして、チューブUを介して導入されたガスは、第1通路14bを通って袋10の内部に流入する。第1通路14bは、気泡形成手段を構成する有孔部片106と組み合わせることができる。図示の好ましい実施形態では、第1通路14bは、環状であり、有孔部片106を受容するための座置棚14dを有する。有孔部片106は、パーフォレーション(やはりサブミリ範囲のサイズであることが好ましい)を形成する複数の穴又は孔を有するプラスチックフィルムの環状部片であり、所定位置に溶接される。図示の実施形態においてこのような態様に形成されたスパージャー100は、流体撹拌素子18に密に近接したところで気泡を放出するので、袋内の流体全体に亘っての気泡の分散作用を向上させる。
【0055】
図10a、10bに示される本発明の他の実施形態においては、スパージャー100は、袋10に結合された剛性部分14と一体にされている。剛性部分14は、やはり、流体撹拌素子18を受容するための内方突出支柱20の形とした受け器と、外方に突出した心合部材26を含む。この実施形態の支柱20は、例えば袋10の開口又は開放端を通して外部ガス源(図示せず)に結合されたチューブUに接続するための入口20aと、気泡形成手段として機能する有効又はガス透過性材で形成された外壁20bを有する。支柱20の剛性を高めるために、外壁20bと同心の中心支持体20cを設けることもできる。
【0056】
かくて、チューブUを通して導入されたガスは、支柱20の外壁20bから気泡として放出される。気泡のサイズは、外壁20bに形成されたパーフォレーションのサイズによって決まるが、パーフォレーションは、やはり、サブミリ範囲とすることが好ましい。図10bに示されるように、流体撹拌素子18が近接する外部原動デバイス24によって浮上及び、又は回転されると、気泡が流体撹拌素子の開口18aの近傍で放出され、流体F全体に分散される。袋10は、その使用が完了したならば、スパージャー100と共に廃棄することができる。
【0057】
スパージャー100及び、又は磁気流体撹拌素子18に加えて、流体のpH、酸素含量温度等の特性を検出するための使い捨ての検出手段(センサー)を袋10内に設けることが望ましい場合がある。そのために、図11の実施形態では、袋10は、センサーS受容するための剛性受け器200を含む。センサー受け器200は、例えば、一端が閉鎖した半透明の、又は透明な(好ましくはガラス製の)チューブGと、光を送り、戻ってきた反射光を受け取るための(双方向矢印参照)光ファイバーケーブルLから成る。受け器200は、袋10を溶接などによって取り付け、流体不透過シールを形成するための周縁を有する前面部分202aと、筒状部分202bを有する。受け器200の筒状部分202bは、ブッシュ204を受容し、ブッシュ204は、透明チューブGの閉鎖端を受容し、閉鎖端を袋10内の流体Fに接触するように挿入することができるようにする。好ましくは可撓性プラスチック又は弾性材で形成された密封チューブ206が、ブッシュ204を受け器200の筒状部分202bに結合する。受け器200の筒状部分202bは、チューブ206のための保持受け座を構成する僅かに過大サイズとされた切頭円錐形部分を有するものとすることができる。密封チューブ206を所定位置に着脱自在に固定するのを助成するためにケーブル紐208のような締め具を用いることができる。筒状部分202bをブッシュ204に対してシールするために、密封チューブ206以外の、例えば接着剤等を用いることもできる。重要なことは、受け器200内に挿入されたチューブGを通して流体が実質的に漏れることがないようにすることである。
【0058】
チューブGには、蛍光検出素子Eを、好ましくはチューブの半透明の、又は透明な閉鎖端の外面に貼り付けることによってチューブに取り付ける。周知のように、検出素子Eは、それが接触する流体のpH、溶解酸素、二酸化炭素又は温度の変化に応答してその蛍光特性を変化させる。この蛍光特性は、例えば光ファイバーケーブルL及びチューブGの閉鎖端を通して検出素子Eを照射することができる外部装置によって測定することができる。このタイプの検出素子Eは、使い捨て可能であるばかりでなく、電力や導線を必要としないものであることが望ましい。この構成の結果として、上記した流体の要素を非侵入的に測定でき、バイオプロセス工程が完了したとき、袋10と一緒にチューブGも捨てることができる。既製又は汎用検出素子Eの一例として、ドイツのレーゲンスブルク市のプレセンス(精密検出)社製のものがある。
【0059】
上述した教示からいろいろな改変及び変更が可能である。例えば、剛性部分14と袋10との界面にシールを形成することによって剛性部分14を袋10の一部分として形成することに代えて、剛性部分14を袋10の内面又は外面に接触させて位置づけし、真空成形技術、接着剤等を用いて接合してもよい。例えば、剛性部分をキャップ形とする図3aの実施形態においては、袋10は、剛性部分14の側壁34及び端壁36の内側面を内張りする形とすることができる。同様に、図4aの実施形態においては、袋10は、剛性部分14の側壁34及び端壁36を被う形とすることができる。いずれの場合にも、フランジ22を省除してもよい。又、本出願人のPCT/US01/31459号(その記載内容が本明細書に編入されているものとする)に開示されているように、上述したどの実施形態においても、第1受け器に流体撹拌素子の対応表面に合致するテーパー又は切頭円錐形の係合表面を形成することもできる。又、剛性部分14をキャップ又はハット形とした実施形態においても、例えば、周縁フランジ22、側壁34又は端壁36に沿って気泡を形成するための有孔又は透過性部材(フィルムであれ、剛性であれ、あるいはその他の素材であれ)を設け、遠隔供給源から(例えば外部チューブを介して)送られてくるガスを通すための通路を設けることによって、一体のスパージャー100を設けることができる。
【0060】
本発明のいろいろな実施形態の上記の記載は、例示及び説明の目的でなされたものであり、この記載は、本発明をそこに開示された形態に厳密に限定することを企図したものではない。上記の教示に鑑みていろいろな改変や変更が可能である。ここに説明された実施形態は、本発明の原理とその実用的用途の好適な例示であり、それによって、当業者が本発明をいろいろな実施形態及びその変型形態で利用することができ、企図した特定の用途に適用することができるようにする。そのようなすべての改変及び変型は、本出願の請求項によって規定される本発明の範囲内であることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】図1は、可撓性部分と剛性部分を有する袋の形とした容器の本発明の一実施形態の側面図であり、一部を概略図で、一部を断面図で示す。
【図1a】図1aは、図1の容器の一部分の断面図である。
【図1b】図1bは、図1の容器の一部分の側面図であり、一部を概略図で、一部を断面図で示す。
【図1c】図1cは、図1の容器の一部分の側面図であり、一部を概略図で、一部を断面図で示す。
【図2】図2は、剛性の容器内に設置された図1の容器を示す一部概略図、一部断面図による側面図であり、流体撹拌素子を近接する原動デバイスに整列させ、原動デバイスによって浮上/回転させるところを示す。
【図3a】図3aは、内側に面するキャビティを備えたハット又はキャップ形の剛性部分を有する容器の本発明の別の実施形態の側面図であり、一部を概略図で、一部を断面図で示す。
【図3b】図3bは、図3aと同様の側面図である。
【図4a】図4aは、外側に面するキャビティを備えたハット又はキャップ形の剛性部分を有する容器の本発明の別の実施形態の側面図であり、一部を概略図で、一部を断面図で示す。
【図4b】図4bは、図4aと同様の側面図である。
【図5a】図5aは、流体撹拌素子を外部構造体に整列させるための剛性部分を備えており、流体撹拌素子を滑り軸受によって直接支持する例を示す一部概略図、一部断面図による側面図である。
【図5b】図5bは、図5aと同様の図であるが、流体撹拌素子を原動デバイスに結合したところを示す。
【図6a】図6aは、流体撹拌素子を外部構造体に整列させるための剛性部分を備えており、流体撹拌素子を滑り軸受によって直接支持する別の例を示す一部概略図、一部断面図による側面図である。
【図6b】図6bは、図6aと同様の図であるが、流体撹拌素子を原動デバイスに結合したところを示す。
【図7a】図7aは、流体撹拌素子を外部構造体に整列させるための剛性部分を備えており、流体撹拌素子を滑り軸受によって直接支持する更に別の例を示す一部概略図、一部断面図による側面図である。
【図7b】図7bは、図7aと同様の図であるが、流体撹拌素子を原動デバイスに結合したところを示す。
【図8】図8は、一体のスパージャーの一実施形態を示す概略図である。
【図9】図9は、一体のスパージャーの別の実施形態を示す概略図である。
【図10a】図10aは、一体のスパージャーの更に別の実施形態を示す概略図である。
【図10b】図10bは、図10aのスパージャーの作動状態を示す概略図である。
【図11】図11は、センサー受け器を含む袋の一実施形態の概略図である。
【符号の説明】
【0062】
10 容器、袋
12 可撓性部分又は非剛性部分
14 剛性部分
14a 孔
14a 前面
14b 溝
14b 第1通路
14c 第2通路
14d 座置棚
16 第1受け器
18 流体撹拌素子、インペラ
18a 開口、凹部
18b 流体撹拌素子の本体
18d 垂下部分
20 支柱
20a 過大サイズヘッド、過大サイズヘッド部分、過大サイズ部分
20a 入口
20b 突部
20b 外壁
20c テーパー付き端部分
22 フランジ、周縁フランジ
24 原動デバイス、外部原動デバイス
24a 開口
24b 端面
24c 面
24d ヘッド端
26 第2受け器
28 支柱
30 凹部又はキャビティ
32 磁石
34 側壁
36 端壁、端面
40 軸受、滑り軸受
42 支柱
44 支柱
100 スパージャー
102a 前面部分
102b 突出筒状部分
104 有孔フィルム、有孔部片
106 有孔部片
200 受け器
202a 前面部分
202b 筒状部分
204 ブッシュ
206 密封チューブ
208 ケーブル紐
B ブレード
C コンテナ、支持コンテナ
DS 駆動構造体
E 蛍光検出素子、検出素子
F 流体
G チューブ
I 界面
L 光ファイバーケーブル
S センサー
SE 回転超伝導素子、超伝導素子
U チューブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を受容するためのバイオプロセス用容器であって、
流体を受容し保持することができる袋から成り、該袋は、該袋内の流体に供給されたガスから気泡を形成するための気泡形成手段を含む剛性の一体スパージャーを備えていることを特徴とする容器。
【請求項2】
前記スパージャーは、流体不透過性シールを形成するように前記袋に溶接されている請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記気泡形成手段は、前記剛性材に取り付けられた有孔フィルムから成る請求項2に記載の容器。
【請求項4】
前記気泡形成手段は、剛性材に取り付けられたガス透過性フィルムから成る請求項2に記載の容器。
【請求項5】
前記気泡形成手段は、前記袋の内側に沿って前記スパージャーの前面に取り付けられた有孔部材から成る請求項2に記載の容器。
【請求項6】
磁気流体撹拌素子を含む請求項1に記載の容器。
【請求項7】
前記剛性材は、更に、前記磁気流体素子を、それが該容器内に位置づけされたとき、受容して原位置に保持するための第1受け器を含む請求項6に記載の容器。
【請求項8】
前記第1受け器は、直立支柱である請求項6に記載の容器。
【請求項9】
前記スパージャーは、剛性材から成り、前記気泡形成手段は、該剛性材に結合された支柱の外壁によって構成され、該支柱は、前記袋内に位置づけされた環状の磁気流体撹拌素子を心合させる機能を果たす請求項1に記載の容器。
【請求項10】
前記支柱は、前記流体撹拌素子を保持するための過大サイズヘッドを有する請求項9に記載の容器。
【請求項11】
前記剛性材は、前記流体撹拌素子のための原動デバイスを受容するための凹部を有する請求項9に記載の容器。
【請求項12】
流体を受容するためのバイオプロセス用容器であって、
流体を受容し保持することができ、内部に面する剛性の受け器を有する袋と、
該受け器を貫通して、該袋の内部に連通するように挿入するための一端が閉鎖した少くとも半透明のチューブとから成ることを特徴とする容器。
【請求項13】
磁気流体撹拌素子を含む請求項12に記載の容器。
【請求項14】
前記剛性の受け器は、流体不透過シールを形成するように前記袋に溶接されている請求項12に記載の容器。
【請求項15】
前記受け器を前記チューブ内に保持するためのブッシュを含む請求項12に記載の容器。
【請求項16】
前記チューブを前記受け器内にシールするための密封手段を含む請求項12に記載の容器。
【請求項17】
前記袋の外部から前記チューブの閉鎖端に取り付けられた蛍光センサー素子を含む請求項12に記載の容器。
【請求項18】
前記センサー素子へ光を送り、該センサー素子から反射された光を受け取るための光ファイバーケーブルと組み合わせて成る請求項17に記載の容器。
【請求項19】
流体を受容するためのバイオプロセス用容器であって、
流体を受容し保持することができる袋と、
該流体を撹拌するための磁気流体撹拌素子から成り、前記袋は、該袋内の流体に供給されたガスから気泡を形成するための有孔部材又はガス透過性部材を含む一体スパージャーを備えていることを特徴とする容器。
【請求項20】
前記磁気流体撹拌素子を前記袋内に受容するための剛性の受け器を含む請求項19に記載の容器。
【請求項21】
前記受け器は、支柱であり、前記部材は、該支柱の外壁から成る請求項20に記載の容器。
【請求項22】
前記スパージャーは、前記袋に溶接された剛性部分から成り、前記部材は、該剛性部分の前面に取り付けられた多孔質又は透過性フィルムから成る請求項20に記載の容器。
【請求項23】
流体を受容するためのバイオプロセス用容器であって、
流体を受容し保持することができ、内部に面する剛性の受け器を有する袋と、
該受け器を貫通して、該袋の内部に連通するように挿入するための一端が閉鎖した少くとも半透明のチューブと、
磁気流体撹拌素子とから成ることを特徴とする容器。
【請求項24】
前記磁気流体撹拌素子を前記袋内に受容するための剛性の受け器を含む請求項23に記載の容器。
【請求項25】
バイオリアクターを製造する方法であって、
流体を受容し保持することができる袋を準備する工程と、
該袋内の流体に供給されたガスから気泡を形成するための気泡形成手段を含む一体のスパージャーを該袋に取り付ける取り付け工程とから成ることを特徴とする方法。
【請求項26】
前記スパージャーは、剛性のディスク形部片から成り、前記取り付け工程は、流体不透過シールを形成するように前記袋を該ディスク形部片の周縁に溶接することから成る請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記袋内に磁気インペラを設置する工程を含む請求項25に記載の方法。
【請求項28】
流体をバイオプロセスで処理する方法であって、
流体を受容し保持することができる袋を準備する工程と、
該流体内に気泡を形成するための気泡形成手段を含む一体の剛性スパージャーを前記袋に取り付ける取り付け工程と、
前記スパージャーにガスを供給する工程と、
前記スパージャーを含め前記袋全体を処分する工程とからなることを特徴とする方法。
【請求項29】
前記袋から前記流体を回収する工程を含む請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記取り付け工程は、流体不透過シールを形成するように前記袋を前記剛性材に溶接することから成る請求項28に記載の方法。
【請求項31】
外部から駆動される磁気流体撹拌素子を用いて前記流体を撹拌する工程を含む請求項28に記載の方法。
【請求項32】
流体バイオプロセス操作のためにセンサーを設置する方法であって、
流体を受容して保持することができる袋を準備する工程と、
該袋に剛性の受け器を取り付ける工程と、
一端に閉鎖端を有する透明のチューブを該受け器内に挿入する工程とから成り、
それによって、前記センサーを前記袋内の前記流体と連係するように前記チューブ上又はチューブ内に位置づけすることができるようにすることを特徴とする方法。
【請求項33】
前記袋を前記受け器に挿入されたチューブごと処分する工程を含む請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記チューブの開放端に光ファイバーケーブルを挿入する工程を含む請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記チューブの閉鎖端に前記袋の外部から蛍光センサー素子を取り付ける工程を含む請求項32に記載の方法。

【図1】
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【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8】
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【図9】
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【図10a】
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【図10b】
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【図11】
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【公表番号】特表2007−522801(P2007−522801A)
【公表日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−549426(P2006−549426)
【出願日】平成17年1月7日(2005.1.7)
【国際出願番号】PCT/US2005/000464
【国際公開番号】WO2005/068059
【国際公開日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【出願人】(503131526)リーブテック,インコーポレイテッド (3)
【氏名又は名称原語表記】LEVTECH,INC.
【住所又は居所原語表記】Suite 300,1509 Bull Lea Road,Lexington,KY 40511 USA
【Fターム(参考)】