一体化された心エコー検査能力をもった心室内注入カテーテルシステム
一体化された心エコー検査能力をもった心室内注入カテーテルは、視覚化の下で心臓組織中への注入を可能にする。カテーテルは、心臓中に挿入されるように配置された遠位端と撮像コアを有する細長い本体を含む。撮像コアは、心臓の視覚化を可能とするために心エコー検査画像を表す電気信号を提供するように遠位端において超音波エネルギーを送出し、反射された超音波エネルギーを受け取るように配置されている。カテーテルは更に、撮像コアと共に細長い本体上を搬送される注入器を含む。注入器は、撮像コアによって視覚化された心臓の組織中に治療薬を注入するように配置されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[優先権主張]本出願は、2009年7月23日に出願された同時係属中の米国仮特許出願シリアル番号61/228,057の恩恵を主張し、その出願はその全体が引用によってここに組み込まれる。
【0002】
本発明は、全体的に、充血性心不全および心臓発作後のその他の機能不全のような、心機能不全をもった患者のための治療に関する。本発明は、より特定には、心機能不全のためのカテーテルベースの治療に関する。本発明はまた、特定には、心機能不全のための細胞ベースの治療に関する。
【背景技術】
【0003】
米国には、心臓発作または心筋梗塞を生き抜いた大人が推定で7,750,000人いる。これらの心筋梗塞はしばしば、充血性心不全や潜在的に生命を脅かす心臓リズム障害に繋がる。細胞ベースの治療は、そのような損傷した心臓を再構築するための期待を抱かせるアプローチとして登場した。特に、カテーテルベースの経心内膜注入は、有望な配送モードと考えられる。治療薬の例は、間葉幹細胞と骨格筋芽細胞からなる。
【0004】
治療薬の効果的なカテーテルベースの配送は、左心室の内部アーキテクチャーの知識と、左心室チェンバー中でカテーテルを位置付けして方向付けする能力を要求する。更には、典型的には注入針によって、心筋層中に貫通して治療薬を注入する能力が要求される。もし心室内注入カテーテルが、左心室壁中への針注入の深さを制御し、心筋穿孔を防ぐためのリアルタイムの画像誘導を可能とした一体化された心エコー検査能力からなっていれば、有利であろう。もし同じカテーテルが、好適な注入サイトを指し示すために梗塞した領域を同定するのに使われることができれば、更に有利であろう。もし注入針の取り出しに引き続いて治療薬の漏洩を防ぐことができれば、更にもっと有利であろう。もし配送中に治療細胞へのトラウマを最小化するように治療薬が遠位貯蔵部から配送されることができれば、更にますますもっと有利であろう。
【発明の概要】
【0005】
発明は、一体化された心エコー検査能力をもった心室内注入カテーテルを提供する。カテーテルは、心臓中に挿入されるように配置された遠位端と撮像コアを有する細長い本体からなる。撮像コアは、心臓の視覚化を可能とするために心エコー検査画像を表す電気信号を提供するように遠位端において超音波エネルギーを送出し、反射された超音波エネルギーを受け取るように配置されている。カテーテルは更に、撮像コアと共に細長い本体上を搬送される注入器を含む。注入器は、撮像コアによって視覚化された心臓の組織中に治療薬を注入するように配置されている。
【0006】
細長い本体は、撮像コアの縦方向の位置付けを許容するための入れ子式セクションを含んでいても良い。撮像コアは、機械的に回転する撮像コアであっても良い。
【0007】
カテーテルは、細長い本体の遠位端が所望の方向に偏向することを引き起こす偏向システムを更に含んでいても良い。偏向システムは、操縦可能なガイド鞘を含んでいても良い。 偏向システムは、代替的に、偏向セクション鞘と、操縦リングと、少なくとも1つの操縦ワイヤと、偏向制御ノブを含んでいても良い。
【0008】
カテーテルの細長い本体は、ガイドワイヤを受け入れるガイドワイヤ管腔を含んでいても良い。ガイドワイヤ管腔は、カテーテルの細長い本体の遠位端にあっても良い。代替的に、ガイドワイヤ管腔は、遠位端の近位のカテーテルの細長い本体に沿って伸びていても良い。
【0009】
細長い本体は、撮像コア管腔と外側円周表面を含んでいても良い。撮像コア管腔と外側表面は、細長い本体の円周の一部に渡って細長い本体の実質的に一様な壁厚を規定しても良い。
【0010】
撮像コアは、複数のトランスデューサーからなる。カテーテルは、カニューレ管腔を更に含んでいても良く、注入器が、カニューレ管腔によって受け入れられたカニューレと、カニューレ内の注入針を含んでいても良い。カニューレは、超弾性材料で形成されていても良い。
【0011】
カテーテルは、注入器を含んだ注入システムを更に含んでいても良い。注入システムは近位ハンドルを含んでいても良い。注入ハンドルは、カニューレを伸長し、注入針を前進させ、カニューレを越えた注入針の前進を制限し、カニューレを捩るための注入コントロールを含んでいても良い。注入針は、カニューレ内での注入針の前進を制限する端部ストップを含んでいても良い。注入システムは、カニューレ内の貯蔵部と治療薬を針中に強制的に入れるプランジャを更に含んでいても良い。
【0012】
注入器は、注入針のペアを含んでいても良い。注入器は、光ファイバー束と、注入された生体吸収性ポリマー溶液を光架橋するための紫外線光源から更になっていても良い。
【0013】
発明は更に、心臓の左心室壁中への治療薬の画像誘導された経心内膜注入を提供する方法を提供する。方法は、一体化された心エコー検査能力を有する心室内注入カテーテルを提供するステップを含む。カテーテルは、心臓中に挿入されるように配置された遠位端と撮像コアを有する細長い本体を含んでいても良い。撮像コアは、心臓の視覚化を可能とするために心エコー検査画像を表す電気信号を提供するように遠位端において超音波エネルギーを送出し、反射された超音波エネルギーを受け取るように配置されていても良い。カテーテルは更に、撮像コアと共に細長い本体上を搬送される注入器を含んでいても良い。注入器は、撮像コアによって視覚化された心臓の組織中に治療薬を注入するように配置されている。方法は更に、心臓の左心室中に心室内注入カテーテルを配送するステップと、撮像コアを使って心臓の左心室壁を視覚化するステップと、左心室の梗塞領域を同定するステップと、注入器を使って左心室の視覚化された梗塞した領域中に治療薬を注入するステップと、を含む。方法は、治療薬の逆流を防ぐために注入器で生体吸収性薬剤を注入する更なるステップを含んでいても良い。
【0014】
発明は、その更なる特徴と利点と共に、付随する図面との関係で以下の記載を参照することによって最も良く理解され得て、そのいくつかの図では同様の参照番号が同一の要素を同定する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、カテーテルの使用を描く。
【図2】図2は、一体化された心エコー検査能力をもった心室内注入カテーテルシステムのブロック図を示す。
【図3】図3は、発明を実施しているカテーテルの部分的断面図である。
【図3A】図3Aは、図3のラインA−Aに沿って取られた断面図である。
【図4】図4は、部分的に分解して示された図3のカテーテルの部分的断面図である。
【図5】図5は、本発明の一側面に従った注入カニューレおよび針を有する図3のカテーテルの遠位端の部分的断面図である。
【図6】図6は、発明を実施している別のカテーテルの部分的断面図である。
【図7】図7は、発明を実施している別のカテーテルの部分的断面図である。
【図7A】図7Aは、図7のラインA−Aに沿って取られた断面図である。
【図7B】図7Bは、図7のラインB−Bに沿って取られた断面図である。
【図7C】図7Cは、図7のラインC−Cに沿って取られた断面図である。
【図8】図8は、偏向されて示された発明を実施している別のカテーテルの部分的断面図である。
【図9】図9は、発明を実施している更に別のカテーテルの断面図である。
【図10】図10は、発明を実施している更に別のカテーテルの断面図である。
【図11】図11は、発明を実施している更に別のカテーテルの断面図である。
【図12】図12は、発明を実施している別のカテーテルの遠位端の部分的断面図である。
【図13】図13は、発明を実施している別のカテーテルの遠位端の部分的断面図である。
【図14】図14は、発明の更なる側面に従った複数のトランスデューサーを有する別のカテーテルの撮像コアの側面図である。
【図15A】図15Aは、発明を実施している注入システムの上面図である。
【図15B】図15Bは、図15Aの注入システムの側面図である。
【図16A】図16Aは、その内部エレメントをより詳細に示している図15Aの注入システムの別の上方部分的断面図である。
【図16B】図16Bは、図16Aの注入システムの部分的側方断面図である。
【図17】図17は、発明の更なる側面に従った注入カニューレとサイドポートおよび閉じた端部をもった注入針の遠位先端部の断面図である。
【図18A】図18Aは、発明の更なる側面に従ったサイドポートおよび開いた端部をもった別の注入針の遠位先端部の断面図である。
【図18B】図18Bは、発明の更なる側面に従った開いた端部をもった注入針の遠位先端部の斜視図である。
【図19】図19は、発明の側面に従った注入カニューレと端部ストップをもった注入針の遠位先端部の断面図である。
【図20】図20は、発明の更なる側面に従った二重注入針を有する注入針の遠位先端部の斜視図である。
【図21】図21は、発明の更なる側面に従った光ファイバー束をもった二重注入針の遠位先端部の斜視図である。
【図21A】図21Aは、図21のラインA−Aに沿って取られた断面図である。
【図22】図22は、発明を実施している更に別のカテーテルの部分的断面図である。
【図23A】図23Aは、発明を実施している別の注入システム近位ハンドルの上面図である。
【図23B】図23Bは、図23Aの注入システムの側面図である。
【図24A】図24Aは、その内部エレメントをより詳細に示している図23Aの注入システムの別の上方部分的断面図である。
【図24B】図24Bは、図24Aの注入システムの側方部分的断面図である。
【図25】図25は、発明の側面に従った経心内膜注入の画像誘導のための処理ステージを描いたフロー図である。
【図26】図26は、梗塞領域を同定するための処理ステージを描いたフロー図である。
【図27】図27は、発明の更なる側面に従った組織分類子を計算するための処理ステージを描いたフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、操縦可能なガイド鞘4を介して配送された、一体化された心エコー検査能力を有する心室内注入カテーテル2をその中に有した心臓の外側切り取り描写を示す。操縦可能なガイド鞘4は、大腿動脈サイトから大動脈6まで経皮的におよび大動脈弁8を通して左心室10中に配送される。カテーテル2は、機械的に回転する撮像コア12と、注入カニューレ402と、注入針404からなる。図1は、心エコー検査誘導下で左心室壁中の関心領域14中に針を注入するのに、操縦可能なガイド鞘4と心室内注入カテーテル2がどのように使われることができるかを描いている。
【0017】
図2は、一体化された心エコー検査能力をもった心室内注入カテーテル2と、注入制御システム20と、患者インターフェースモジュール22と、コンソール24からなる心室内注入カテーテルシステムのハイレベルブロック図を示す。注入制御システム20は、カテーテル2に機械的に結合されている。患者インターフェースモジュールは、カテーテルに電気的および機械的に結合されている。患者インターフェースモジュール22は更に、システムからの患者の電気的隔離を提供する。患者インターフェースモジュール22は、例えばMoore et al.による米国特許出願シリアル番号12/633,278に追加の詳細をもって記載されている形を取っても良く、その全ての開示はここで引用によってここに組み込まれる。患者インターフェースモジュール22とコンソール24は、アナログおよびデジタル信号線によって結合されている。コンソール24は、患者インターフェースモジュール22の動作とカテーテル2の撮像の側面を制御する。コンソール24は、更に画像を表示しても良い。心室内注入カテーテルシステムは、例えば、心臓発作の犠牲者への細胞ベースの溶液のような治療薬の経心内膜注入の画像誘導を提供するために、有利に採用されても良い。
【0018】
図3を参照すると、それは本発明の側面を実施している一体化された心エコー検査能力をもった心室内注入カテーテル2を示している。カテーテル2は、第一の近位ハウジング30と、入れ子式セクション32と、第二の近位ハウジング33と、近位セクション34と、遠位セクション36と、撮像コア12と、注入システム400からなる。心室内注入カテーテル2は、操縦可能なガイド鞘4(図1)との組み合わせで使われても良く、そこではカテーテル2は図1に描かれているように操縦可能なガイド鞘4内に配置される。カテーテル長は、一般的には100cmと150cmの間、より特定には例えば110cmと120cmの間、であっても良い。カテーテル近位セクション34の直径は、例えば約10Fのように、一般的には8Fと18Fの間であっても良い。カテーテル遠位セクション36の直径は、例えばおよそ8Fのように、6Fと10Fの間であっても良い。
【0019】
第一の近位ハウジング30は、係合ピン41を介して患者インターフェースモジュール(図示せず)に繋がり、駆動ケーブル40に機械的エネルギーを、超音波トランスデューサー44に電気的に接続されている駆動ケーブル40内に配置された送信ライン42中に電気的エネルギーを、結合する。食塩水フラッシュポート43は、超音波トランスデューサー44から遠位セクション36の外部への音響的結合を可能とする。第一の近位ハウジングの追加の記載については、Mooreによる米国特許出願シリアル番号12/336,441が参照されても良く、その全ての開示はここで引用によってここに組み込まれる。
【0020】
入れ子式セクション32は、カテーテル鞘に対する撮像コア12の縦方向の並進を可能とする。入れ子式セクション32は、外側支持部材46と、内側管状部材48と、内側管状部材48中にスライドする一次内側部材50を含む。入れ子式セクションは更に、端部キャップ52と、内側管状部材48の遠位端に接合されている端部ストップ54を含む。内側管状部材48は、近位ハウジング30に接合されている。支持部材46と一次内側部材50は、第二の近位ハウジング33に接合されている。端部キャップ52は、入れ子式セクション32の制御された動きのための接続ポイントを提供する溝53を含む。端部ストップ54は、入れ子式セクションが完全に伸ばされた時に支持部材46と一次内側部材50が内側管状部材48から離脱することを防止する。入れ子式セクション長は、一般的には1cmと5cmの間、より特定には2cmと3cmの間である。一次内側部材50は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)またはステンレス鋼のような生体適合性材料で形成されている。一次内側部材50は、典型的には0.075″と0.100″の間の内径を有する。支持部材46もまた、PEEKまたはステンレス鋼のような生体適合性材料で形成されている。そのような入れ子式セクションの更なる記載は、例えば、Mooreによる米国特許出願シリアル番号12/336,441に見つけられ得て、その全ての開示はここで引用によってここに組み込まれる。
【0021】
近位セクション34は、二次部材58と、撮像コア管腔60と、注入カニューレ管腔62を含む。近位セクション34の断面図が図3Aに描かれている。近位セクション34は更に、注入カニューレのための出口ポート64を含む。二次部材58は、PEEKのような生体適合性材料で形成されており、一般的には8Fと18Fの間、より特定には約10Fの外径を有する。撮像コア管腔60の直径は、0.075″と0.100″の間であっても良い。注入カニューレ管腔62の直径は、典型的に20ゲージと22ゲージの間のサイズの注入カニューレが通過するのに十分な、0.030″と0.037″の間であっても良い。
【0022】
遠位セクション36は、遠位鞘66と、フラッシング出口ポート68と、非侵襲的先端部70と、撮像コア管腔60を含む。遠位鞘66は、音響的損失を最小化するポリエチレンまたはその他の熱可塑性ポリマーのような生体適合性の柔軟な材料で形成されている。非侵襲的先端部70は、ポリエーテルブロックアミド(Pebax(登録商標))またはPebax63Dおよび40DのようなPebax等級のブレンドのような低デュロメーター材料で形成されている。撮像コア管腔60の直径は、0.075″と0.100″の間であっても良い。
【0023】
撮像コア12は、駆動ケーブル40と、トランスデューサーハウジング72と、超音波トランスデューサー44と、駆動ケーブル40内に配置された送信ライン42を含む。撮像コアは、患者インターフェースモジュールにコネクター74によって電気的および機械的に結合されている。電気的結合は、超音波トランスデューサー44への送信ライン42に沿った電気信号の送信と受信を可能とする。機械的結合は、撮像コア12の回転を可能とする。駆動ケーブル40は、0.070″と0.180″の範囲中、より特定には10Fの遠位鞘プロファイルについて約0.105″、のコイル外径をもったステンレス鋼ラウンドワイヤコイルで形成されている。加速中の駆動ケーブルの伸長と圧縮は、正確な位置付けを確かなものとするために最小化されなければならない。駆動ケーブルはまた、撮像コアの非一様な回転を最小化するべきである。トランスデューサーハウジング72は、ZelenkaとMooreによる米国特許出願シリアル番号12/330,308に追加の詳細をもって記載されており、その全ての開示はここで引用によってここに組み込まれる。
【0024】
超音波トランスデューサー44は、少なくとも一つの圧電層を含み、導電層と、少なくとも一つのマッチング層と、バッキング層を更に含んでいても良い。超音波トランスデューサー44は更に、レンズを含んでいても良い。撮像カテーテルのための超音波トランスデューサーのデザインと作製は、当業者に周知である。超音波トランスデューサーは、一般的には5MHzから60MHz、より特定には10MHzから30MHzの間、の周波数範囲上で動作する。
【0025】
注入システム400は、注入カニューレ402と、注入カニューレ402内に配置された注入針(図示せず)からなる。注入カニューレ402は、湾曲した形状を取ることができるニッケル−チタニウム(またはNitinol)合金のような生体適合性の超弾性材料で形成されていても良い。カニューレサイズは、一般的には20ゲージと24ゲージの間、より特定には約22ゲージである。注入カニューレ402の遠位先端部は、超音波画像誘導を容易にするためにエコー源性となるように処理されることができる。
【0026】
図4は、入れ子式セクション32が部分的に伸長された位置にある図3の心室内注入カテーテル2を描いている。お互いに固定的に取り付けられている第一の近位ハウジング30と撮像コア12は、入れ子式セクション32、第二の近位ハウジング33および近位鞘34に対して並進させられて示されている。入れ子式撮像カテーテルは、近位鞘34と遠位鞘(図示せず)がその場に固定されたまま残る一方で、撮像コア12が撮像コア管腔60を通して縦方向に並進することを可能とする。
【0027】
図5は、注入カニューレ402と注入針404の心エコー検査誘導のための図3の実施形態の遠位端を描いている。注入カニューレ402は、関心のある特定のサイトへの注入針404の画像誘導された配送を容易にするように成形されている。経心内膜注入の画像誘導のために最適な曲げ角度は、経験的に決定されることができる。一体化された心エコー検査能力をもった心室内注入カテーテルは、左心室壁中への針注入中にリアルタイムの画像誘導を提供し、心筋穿孔の防止を容易にする。
【0028】
ここで図6を参照すると、発明を実施している一体化された心エコー検査能力をもった別の心室内注入カテーテル102を示している。心室内注入カテーテル102は、近位ハウジング132と、近位部材134と、遠位鞘136と、注入システム138からなる。撮像コア112の縦方向の位置は、入れ子式セクションが含まれていないので、カテーテル鞘134、136に対して固定されたまま残る。非入れ子式カテーテルは、撮像コア112の縦方向の位置付けが決定的に重要ではない応用においては削減された複雑度と製造コストのために有利であり得る。
【0029】
図7を参照すると、発明を実施している一体化された心エコー検査および偏向能力をもった心室内注入カテーテル202の別の代替的実施形態が示されている。心室内注入カテーテル202は、第一の近位ハウジング30と、入れ子式セクション32と、第二の近位ハウジング233と、近位セクション234と、偏向セクション235と、遠位セクション236と、撮像コア12と、注入システム400を含む。偏向能力をもった心室内注入カテーテルの利点は、カテーテルの配送と位置付けのために操縦可能なガイド鞘が要求されないことである。カテーテル長は、一般的には100cmと150cmの間、より特定には110cmと例えば120cmの間、であっても良い。近位セクション234の直径は、一般的には8Fと18Fの間、より特定には例えば約10F、であっても良い。遠位セクション236の直径は、一般的には6Fと10Fの間、より特定には例えば約8F、であっても良い。
【0030】
第一の近位ハウジング30は、係合ピン41を介して患者インターフェースモジュール(図示せず)に繋がる。それは、駆動ケーブル40に機械的エネルギーを、超音波トランスデューサー44に電気的に接続されている駆動ケーブル40内に配置された送信ライン42中に電気的エネルギーを、結合する。
【0031】
入れ子式セクション32は、前述した通り、カテーテル鞘に対する撮像コア12の縦方向の並進を可能とする。入れ子式セクション32は、外側支持部材46と、内側管状部材48と、内側管状部材48中にスライドする一次内側部材50を含む。入れ子式セクションは更に、端部キャップ52と、内側管状部材48の遠位端に接合されている端部ストップ54を含む。内側管状部材48は、近位ハウジング30に接合されている。支持部材46と一次内側部材50は、第二の近位ハウジング33に接合されている。端部キャップ52は、入れ子式セクション32の制御された動きのための接続ポイントを提供する溝53を含む。端部ストップ54は、入れ子式セクションが完全に伸ばされた時に支持部材46と一次内側部材50が内側管状部材48から離脱することを防止する。入れ子式セクション長は、一般的には1cmと5cmの間、より典型的には2cmと3cmの間である。一次内側部材50は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)またはステンレス鋼のような生体適合性材料で形成されていても良い。一次内側部材50は、典型的には例えば0.075″と0.100″の間の内径を有する。支持部材46もまた、PEEKまたはステンレス鋼のような生体適合性材料で形成されていても良い。
【0032】
第二の近位ハウジング233は、ガイドワイヤ管腔263と、撮像コア管腔265と、注入カニューレ管腔267を含む。第二の近位ハウジング233は更に、例えば溶接、ろう付け、はんだ付けによってのように、操縦ワイヤ280、282に接合されている偏向制御ノブ278を含む。第二の近位ハウジング233は、生体適合性の堅い材料で形成されていても良い。ガイドワイヤ管腔263の直径は、例えば0.014″と0.018″と0.035″のガイドワイヤが通過するのに十分な、0.015″と0.037″の間であっても良い。撮像コア管腔265の直径は、0.075″と0.100″の間であっても良い。注入カニューレ管腔267の直径は、例えば一般的に20ゲージと22ゲージの間のサイズの注入カニューレが通過するのに十分な、0.030″と0.037″の間であっても良い。第二の近位ハウジング233は、一次内側部材50と近位セクション234の二次部材258に接合されている。
【0033】
ここで図7と共に図7Aを参照すると、近位セクション234は、二次部材258と、複数の管腔を含む。複数の管腔は、撮像コア管腔260と、ガイドワイヤ管腔261と、注入カニューレ管腔262と、2つの操縦ワイヤ管腔284、286を含む。近位セクションは更に、注入カニューレのための出口ポート264を含む。二次部材258は、PEEKのような生体適合性の柔軟な材料で形成されていても良く、一般的には8Fと18Fの間、より特定には例えば約10Fの外径を有していても良い。撮像コア管腔260の直径は、0.075″と0.100″の間であっても良い。ガイドワイヤ管腔261の直径は、例えば0.014″と0.018″と0.035″のガイドワイヤが通過するのに十分な、0.015″と0.037″の間であっても良い。操縦ワイヤ管腔284、286の直径は、例えば0.006″と0.012″の間の直径を有する操縦ワイヤが通過するのに十分な、0.008″と0.014″の間であっても良い。注入カニューレ管腔262の直径は、例えば20ゲージと22ゲージの間のサイズの注入カニューレが通過するのに十分な、0.030″と0.037″の間であっても良い。
【0034】
ここで図7と共に図7Bを参照すると、偏向セクション235は、偏向セクション鞘288と、補強コイル290と、操縦リング292と、複数の管腔を含む。偏向セクション鞘288は、オレフィンのような低デュロメーター材料で形成されていても良い。オレフィンは、近位セクション234と遠位セクション236への接合を容易にする。低デュロメーター材料の使用は更に、カテーテルが偏向セクション235中で曲がることを確かなものとする。複数の管腔は、撮像コア管腔294と、ガイドワイヤ管腔291と、2つの操縦ワイヤ管腔296、298を含む。撮像コア管腔294の直径は、0.075″と0.100″の間であっても良い。ガイドワイヤ管腔291の直径は、例えば0.014″と0.018″と0.035″のガイドワイヤが通過するのに十分な、0.015″と0.037″の間であっても良い。2つの操縦ワイヤ管腔296、298の直径は、例えば0.006″と0.012″の間の直径を有する操縦ワイヤが通過するのに十分な、0.008″と0.014″の間であっても良い。
【0035】
ここで図7と共に図7Cを参照すると、遠位セクション236は、遠位鞘266と、フラッシング出口ポート268と、非侵襲的先端部270と、撮像コア管腔293と、ガイドワイヤ管腔295を含む。遠位セクションは更に、ガイドワイヤのための出口ポート297を含む。遠位鞘266は、音響的損失を最小化するポリエチレンまたはその他の熱可塑性ポリマーのような生体適合性の柔軟な材料で形成されていても良い。非侵襲的先端部は、ポリエーテルブロックアミド(Pebax(登録商標))またはPebax63Dおよび40DのようなPebax等級のブレンドのような低デュロメーター材料で形成されていても良い。撮像コア管腔293の直径は、0.075″と0.100″の間であっても良い。ガイドワイヤ管腔295の直径は、例えば0.014″と0.018″と0.035″のガイドワイヤが通過するのに十分な、0.015″と0.037″の間であっても良い。
【0036】
撮像コア12は、駆動ケーブル40と、トランスデューサーハウジング72と、超音波トランスデューサー44と、駆動ケーブル40内に配置された送信ライン42を含む。撮像コアは、患者インターフェースモジュールにコネクター74によって電気的および機械的に結合されている。電気的結合は、超音波トランスデューサー44への送信ライン42に沿った電気信号の送信と受信を可能とする。機械的結合は、撮像コア12の回転を可能とする。駆動ケーブル40は、0.070″と0.180″の範囲中、例えば10Fの遠位鞘プロファイルについて約0.105″、のコイル外径を有するステンレス鋼ラウンドワイヤコイルで形成されていても良い。加速中の駆動ケーブルの伸長と圧縮は、正確な位置付けを確かなものとするために最小化されなければならない。駆動ケーブルはまた、撮像コアの非一様な回転を最小化するべきである。トランスデューサーハウジング72は、ZelenkaとMooreによる米国特許出願シリアル番号12/330,308に追加の詳細をもって記載されており、その全ての開示はここで引用によってここに組み込まれる。
【0037】
超音波トランスデューサー44は、少なくとも一つの圧電層を含んでいても良く、典型的には更に導電層と、少なくとも一つのマッチング層と、バッキング層からなる。超音波トランスデューサー44は更に、レンズからなっていても良い。撮像カテーテルのための超音波トランスデューサーのデザインと作製は、当業者に周知である。超音波トランスデューサーは、一般的には5MHzから60MHz、より典型的には10MHzから30MHzの間、の周波数範囲上で動作する。
【0038】
注入システム400は、注入カニューレ402と、注入カニューレ402内に配置された注入針(図示せず)を含む。注入カニューレ402は、湾曲した形状を取ることができるニッケル−チタニウム(またはNitinol)合金のような生体適合性の超弾性材料で形成されていても良い。カニューレサイズは、20ゲージと24ゲージの間、より特定には例えば約22ゲージであっても良い。注入カニューレ402の遠位先端部は、超音波画像誘導を容易にするためにエコー源性となるように処理されることができる。
【0039】
偏向システム239は一般的に、偏向制御手段と、少なくとも一つの操縦ワイヤと、操縦リングを含む。この実施形態に従って、偏向システム239は、偏向制御ノブ278と、2つの操縦ワイヤ280、282と、操縦リング292を含む。操縦ワイヤは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)被膜されたステンレス鋼で形成されていても良い。操縦ワイヤ280、282の直径は、0.006″と0.012″の間であっても良い。操縦ワイヤ280、282は、操縦リング292に、溶接、ろう付け、またははんだ付けされていても良い。操縦リング292は、ステンレス鋼で形成されて偏向セクション235の遠位端に向けて位置していても良い。偏向セクション235の補強コイル290は、撮像コア管腔294のピンチングを防止する。代替的に、補強組み紐が補強コイルの代わりに使われることができる。偏向セクション235の近位の注入カニューレ出口ポート264の位置は、注入カニューレ402がカテーテルの偏向を妨げないことを確かなものとする。図8は、偏向制御ノブ278が回転された時の心室内注入カテーテル202の遠位端の偏向を描いている。
【0040】
外径と撮像コア管腔の間の可変な厚さを有するオーバーザワイヤ撮像カテーテル鞘は、撮像アーチファクトに繋がることができる。図9に描かれているような代替的な撮像コア管腔302を有する遠位セクション鞘300は、撮像方向に関係のある鞘の下方部分により一様な鞘厚を提供する。遠位セクションの別の代替的な実施形態は、図10に描かれているような楕円形状の鞘310を有する。それもまた、鞘の下方部分により一様な鞘厚を提供する。遠位セクションの更に別の実施形態が図11に示されており、そこでは遠位鞘320が、一様な鞘厚を有する方向の更により大きな範囲を提供する。
【0041】
短いモノレール先端部のカテーテルデザインは、オーバーザワイヤカテーテルデザインに対する代替形を提供し、そこでは短いモノレール先端部が、図7に示されたオーバーザワイヤデザインとの比較で、カテーテルの高速交換を可能とする。高速交換カテーテルの利点は、それらが典型的にはオーバーザワイヤカテーテルと比較してより小さな全体的プロファイルを有することである。より小さなプロファイルを有するカテーテルは、大腿動脈のようなより小さなアクセスサイトを要求し、それは一方で出血する合併症を削減し得る。モノレールデザインでは、偏向制御セクション、近位セクション、偏向セクションまたは遠位セクション中にガイドワイヤ管腔を有する必要がない。材料の削減は、製造のコストを削減することができる。
【0042】
図12は、撮像コア管腔331と、短いモノレール先端部332と、フラッシング出口ポート334と、ガイドワイヤGWのためのガイドワイヤ管腔336を有する遠位鞘330を含んだ遠位セクションの代替的実施形態を描いている。短いモノレール先端部332は、遠位鞘330に接合されており、そこでは、撮像コア管腔331がガイドワイヤ管腔336と平行である。遠位鞘330中の壁厚は、撮像コア管腔331の周りで一様である。モノレールデザインを含んだそのような遠位セクションは、例えば、Zelenkaによる米国特許出願シリアル番号12/547,972に追加の詳細をもって記載されており、その全ての開示はここで引用によって組み込まれる。
【0043】
図13は、撮像コア管腔341と、短いモノレール先端部342と、フラッシング出口ポート344と、ガイドワイヤGWのためのガイドワイヤ管腔346と、支持バー348を有する遠位鞘340を含んだ別の代替的な遠位セクションの実施形態を描いている。支持バー348は、カテーテルの大きな偏向の場合に撮像コア管腔341の崩壊を防止することができる。支持バー348は、ステンレス鋼またはPEEKのような好適に堅い材料で形成されている。
【0044】
機械的に回転し並進する撮像コアをもった撮像カテーテルの利点は、カテーテル鞘を再位置付けすることなく関心のある容積を撮像する能力である。撮像コアは、外部並進デバイスによってカテーテル鞘内を縦方向に並進させられることができる。心臓のような動いている構造を撮像するために機械的に回転し並進する撮像コアをもった撮像カテーテルの不利点は、心臓運動速度と比較して容積を掃引することができるレートが比較的遅いことである。複数のトランスデューサーエレメントからなる撮像コアは、関心のある容積を撮像するための時間を削減することができる。
【0045】
図14は、駆動ケーブル352と、第一のトランスデューサーハウジング354と、第一の超音波トランスデューサー356と、第一の送信ライン358と、第二のトランスデューサーハウジング360と、第二の超音波トランスデューサー362と、第二の送信ライン364と、トランスデューサーハウジングカップリング366を含んだ撮像コア350の代替的実施形態を描いている。第一の超音波トランスデューサー356は、第一のトランスデューサーハウジング354中に据え付けられ、第一の送信ライン358に接続されている。第二の超音波トランスデューサー362は、第二のトランスデューサーハウジング360中に据え付けられ、第二の送信ライン364に接続されている。第二のトランスデューサーハウジング360と第二の超音波トランスデューサー362の面している方向は、第一のトランスデューサーハウジング354と第一の超音波トランスデューサー356の面している方向から、面している方向に対して180°である。第一のトランスデューサーハウジング354と第二のトランスデューサーハウジング360は、一般的に柔軟なコイルであるトランスデューサーハウジングカップリング366によって機械的に接続されている。
【0046】
複数のトランスデューサーの使用は、容積を超音波的にスキャンするのに要求される時間の量を削減する。例示的デザインでは、第一と第二のトランスデューサーハウジング354、360とトランスデューサーハウジングカップリング366は、単一のステンレス鋼ハイポチューブから作製することができる。第一と第二のトランスデューサーハウジング354、360は、適合されたスロットによって第一と第二の超音波トランスデューサー356、362に堅い支持を提供する。トランスデューサーハウジングカップリング366は、ハイポチューブの螺旋切り取りセクションであり、軸方向剛性を曲げ柔軟性で第一と第二のトランスデューサーアッセンブリーに釣り合わせる。螺旋切り取りのピッチは、一定であることができ、または目標硬度特性に依存して変動することができる。例えば、ピッチはより多くの柔軟性のために減少されるかまたは、より少ない柔軟性のために増加されても良い。例示的デザインでは、第一と第二のトランスデューサーハウジング354、360は、約0.155″の長さであっても良く、トランスデューサーハウジングカップリング366は、約0.235″の長さであっても良く、トランスデューサーの直径は、例えば0.100″であっても良い。螺旋切り取りカップリングのピッチは、0.004″の切り溝を有する0.040″であっても良い。複数のトランスデューサーからなる撮像コアの代替的実施形態は、Moore et al.による米国特許出願シリアル番号12/633,278に追加の詳細をもって記載されており、その全ての開示はここで引用によって組み込まれる。
【0047】
ここで図15Aと15Bを参照すると、そこに示された注入システム400は、注入カニューレ402と、注入カニューレ402内に配置された注入針404と、近位ハンドル410を含む。注入システムは更に、雌ルアー(Luer)ロック412と、接続チューブ414を含む。近位ハンドル410は、カニューレ伸長コントローラ416と、最大針深さコントローラ420と、針注入コントローラ422と、トルクデバイス426を含む。最大針深さコントローラ420と針注入コントローラ422の組み合わせでの使用は、注入中の左心室壁および心膜嚢の穿孔を更に防止することができる。機械的デザイン安全装置が、リアルタイム心エコー検査誘導との組み合わせで動作して、心筋穿孔を防止する。
【0048】
注入カニューレ402は、湾曲した形状を取ることができるニッケル−チタニウム(またはNitinol)合金のような生体適合性の超弾性材料で形成されていても良い。カニューレサイズは、20ゲージと24ゲージの間、より特定には例えば約22ゲージであっても良い。カニューレの遠位先端部は、超音波画像誘導を容易にするためにエコー源性となるように処理されることができる。針404は、ステンレス鋼またはニッケル−チタニウム合金で形成されていても良く、24ゲージと26ゲージの間のサイズであっても良い。針404は、超音波画像誘導を容易にするためにエコー源性となるように処理されることができる。マルチポートマニフォールド(図示せず)が、治療溶液、架橋性ポリマー溶液、およびその他の液体の注入針404を通した配送のために、雌ルアーロック412に接続されることができる。
【0049】
ここで図3と共に図16Aと16Bを参照すると、近位ハンドル410と内部制御メカニズムの実施形態が描かれている。近位ハンドル410の内側のカニューレ402のセグメントは、スロット403が付けられている。カニューレ伸長コントローラ416は、第一の剛性部材428によってカニューレ402に結合されている。カニューレ402は、カニューレ伸長コントローラ416をトルクデバイス426に向けてスライドすることによって、心室内注入カテーテル2の注入カニューレ管腔62の出口ポート64を越えて伸長されることができる。最大針深さコントローラ420は、第二の剛性部材430によってストップ板431に結合されている。針注入コントローラ422は、第三の剛性部材432によって針注入支持部材436に結合されている。第二と第三の剛性部材430、432は、カニューレ402のスロット403を通して伸長する。針注入支持部材436は、カニューレの長さを伸ばし、例えば溶接またはろう付けによってのように、注入針404に接合されている。ストップ板431は、スロットが付けられたカニューレ402の内側で針注入支持部材436の外側に配置されている。注入針404がカニューレ402の遠位端を越えて伸長することができる最大長は、最大針深さコントローラ420によって制限されることができる。最大針深さコントローラ420は、ストップ板431と、針注入コントローラ422に取り付けられている第三の剛性部材432の間の距離を調節するのに使われる。注入針404は、針注入コントローラ422をトルクデバイス426に向けてスライドすることによって、注入カニューレ402の遠位端を越えて伸長されることができる。カニューレ伸長コントローラ416と、最大針深さコントローラ420と、針注入コントローラ422とトルクデバイス426を含んだ注入システム400の制御メカニズムは、関心のあるサイトにおいて針を安全に注入するためにリアルタイムの心エコー検査誘導との組み合わせで使われても良い。リアルタイムの心エコー検査誘導は、心筋穿孔の一次的防止のための視覚的フィードバックを提供する。最大針深さコントローラ420は、心筋穿孔の二次的防止として、近位機械的コントロールを提供する。治療薬で満たされた注射器(図示せず)が、雌ルアーロック412に接続されて、治療薬の配送のために使われることができる。治療薬は、コネクターチューブ414と、柔軟なチューブ434と、注入針404を通して、心筋層中に通過する。柔軟なチューブ434のプロファイルは、コネクターチューブ414と比較できるサイズから注入針404と比較できるサイズまで先が細くなる。
【0050】
ここで図17を参照すると、注入カニューレ402の遠位先端部と注入針404の実施形態が示されている。針404は、一次斜面470と二次斜面472をもった、閉じたノンコアリング先端部405を含む。針は更に、治療薬を分配するためのサイドフラッシュポート474を含む。注入針407の代替的実施形態が図18Aと18Bに示されており、そこでは針の遠位先端部408は開いている。
【0051】
注入針の更に別の代替的実施形態が図19に示されており、そこでは注入針471は、端部ストップ482からなる。端部ストップ482は、スエージ加工またはレーザー溶接を含んだいくつかの異なる方法によって形成されることができる。端部ストップ482は、注入針が、例えば約6mmのような、カニューレを越えた予め決められた最大長を越えて伸長しないことを確かなものとする。遠位カニューレ先端部と遠位針先端部の相対的縦方向位置は、大動脈弓のような彎曲した経路を横切っている時にはシフトすることができるので、注入制御システムの近位ハンドルにおける最大深さリミッタ−は十分ではないかも知れない。端部ストップ482は、リアルタイム心エコー検査誘導と最大深さ限度コントローラによって提供された安全装置に加えて、注入針による事故的心筋穿孔を更に軽減する安全装置を提供する。
【0052】
注入された治療薬の後方漏れは、薬の効能を削減することができる。後方漏れは、体温に達するとゲル化するポロクサマーのような生体吸収性ポリマー溶液の注入によって防止することができる。ポリマー溶液は、治療溶液の注入と同時に投与されることができる。代替的に、ポリマー溶液は、治療薬の注入の後に注入されることができる。同じ注入針が、治療薬とポリマー溶液の注入のために使われることができる。注入針の代替的実施形態は、図20に示されたような二重注入針484の形を取ることができる。二重注入針484の第一と第二の針486、492は、例えばレーザー溶接によってのように、ラインに沿って接合されている。例えば、治療薬が針486を使って注入されることができる一方、ポリマー溶液は針492を使って注入されることができる。二重注入針484は、第二の針に接続された注入システムの近位ハンドルにおいて、第二の接続チューブと雌ルアーロック(図示せず)との組み合わせで使われても良い。
【0053】
治療薬の後方漏れを防止するための代替的アプローチは、ポリ(エチレングリコール)(またはPEG)のような生体吸収性の光架橋性ヒドロゲルの使用によるものである。光架橋性ヒドロゲルは、治療薬と同時にまたは二次的に投与されても良い。注入サイトにおけるヒドロゲルの紫外線照射が光架橋を開始し、図21と21Aに示されたような光ファイバー束464を使って行われることができる。光ファイバー束464は、注入針の長さに渡っており、接合ライン466の上に配置されることができる。光ファイバー束の近位端は、例えば365nmの長い波長を有する光を提供しているランプを含んだ紫外線光源(図示せず)に結合されても良い。
【0054】
治療薬の関心領域への配送に関する更に別の心配は、治療薬の生存可能性を悪化させるような、近位端から遠位端への注入針を通した配送中の治療細胞への潜在的なトラウマである。注入システム500の代替的実施形態が図22に示されており、そこでは配送経路の長さを最小化するように、治療薬は遠位貯蔵チェンバー506中に装填されることができる。遠位貯蔵チェンバー506は、複数の注入のために十分な容積のものであることができる。カニューレ管腔662のサイズは、駆動ケーブル640と撮像コア管腔660のサイズを削減することによって増加されることができる。カニューレ管腔662のサイズは、カテーテルプロファイルを増加することによって更に増加されることができる。
【0055】
注入針504の近位端は、貯蔵チェンバー506に接合されている。貯蔵チェンバーは、針をカニューレ502の近位端ストップ508によって決定されるその最も近位の位置まで引っ込めることによって、治療薬が装填されることができる。貯蔵チェンバーがこの装填位置にある時に、治療薬の装填を可能とするように貯蔵チェンバー装填窓510、カニューレ装填窓512および近位鞘装填窓664が揃えられることができる。窓510、512、664は、通過孔またはシリコーンのような自己閉鎖性材料で充満された孔であっても良い。貯蔵チェンバー506の外側での治療薬の漏洩を更に防止するために、プランジャ514とプランジャヘッド516が窓の遠位に前進させられる。
【0056】
カニューレ502は、外に広がった先端部522をもつ先が細くなった遠位セクション520からなる。先が細くなった遠位セクション520の肩部524は、注入針504が、例えば約6mmのような、予め決められた長さを越えて伸長することを更に防止する。カニューレを越えた針の伸長を制限するための遠位手段は、大動脈弓のような彎曲した経路を横切っている時に遠位カニューレ先端部と遠位針先端部の相対的縦方向位置がシフトすることができるような状況で必要であっても良い。外に広がった先端部522は、左心室壁に対してカニューレを安定化し、カニューレの組織中への貫通を防止することを助けるために、尖っていない表面523を提供する。
【0057】
ここで図23Aと23Bを参照すると、もっと更なる注入システム500は、注入カニューレ502と、注入カニューレ502内に配置された注入針504と、近位ハンドル530を含む。近位ハンドル530は、カニューレ伸長コントローラ536と、最大針深さコントローラ540と、針注入深さコントローラ542と、トルクデバイス546と、遠位貯蔵部プランジャコントローラ548を含む。最大針深さコントローラ540は、針504がカニューレ502の遠位先端部を越えて伸長することができる深さを制約するための近位コントロールである。針注入深さコントローラ542は、カニューレ遠位先端部に対する針遠位先端部の位置を変動するように配置されている。遠位貯蔵部プランジャコントローラ548は、治療薬を配分するのに使われる。
【0058】
図22と共に図24Aと24Bを参照すると、近位ハンドル530の内部制御メカニズムが描かれている。近位ハンドル530の内側のカニューレ502のセグメントは、スロット503を有する。カニューレ伸長コントローラ536は、第一の剛性部材550によってカニューレ502に結合されている。カニューレ502は、カニューレ伸長コントローラ536をトルクデバイス546に向けてスライドすることによって、心室内注入カテーテル602の注入カニューレ管腔662の出口ポート674を越えて伸長されることができる。最大針深さコントローラ540は、第二の剛性部材552によってストップ板554に結合されている。針注入コントローラ542は、第三の剛性部材556によって針注入支持部材558に結合されている。遠位貯蔵部プランジャコントローラ548は、第四の剛性部材550によって遠位貯蔵部プランジャ514に結合されている。第二の剛性部材552と第三の剛性部材556と第四の剛性部材550は、カニューレ502のスロット503を通して伸長する。針注入支持部材558は、カニューレ502の長さを伸ばし、例えば溶接またはろう付けによって、注入針504に接合されている。ストップ板554は、スロットが付けられたカニューレ502の内側で針注入支持部材558の外側に配置されている。
【0059】
注入針504がカニューレ502の遠位端を越えて伸長することができる最大長は、最大針深さコントローラ540によって制限されることができる。最大針深さコントローラ540は、ストップ板554と、針注入コントローラ542に取り付けられている第三の剛性部材556の間の距離を調節するのに使われる。注入針504は、針注入コントローラ542をトルクデバイス546に向けてスライドすることによって、注入カニューレ502の遠位端を越えて伸長されることができる。
【0060】
カニューレ伸長コントローラ536と、最大針深さコントローラ540と、針注入コントローラ542とトルクデバイス546を含んだ注入システム500の制御メカニズムは、関心のあるサイトにおいて針を安全に注入するためにリアルタイムの心エコー検査誘導との組み合わせで使われても良い。リアルタイムの心エコー検査誘導は、心筋穿孔の一次的防止のための視覚的フィードバックを提供する。最大針深さコントローラ540は、心筋穿孔の二次的防止として、近位機械的コントロールを提供する。治療薬は、遠位貯蔵部プランジャコントローラ548の使用によって、遠位貯蔵部506から注入針504を通して関心のあるサイトまで配送されることができる。
【0061】
図25、26および27は、発明の側面に従った経心内膜注入の画像誘導のための処理ステージのセットを描いているフロー図である。図25は、左心室壁中の梗塞した領域への治療薬の経心内膜注入のための処理ステージの例示的セットを示す。カテーテルは、逆行アプローチを介してステップ700で左心室チェンバーに配送される。カテーテルは、ステップ702で疑わしい梗塞をもった領域の撮像を可能とするように方向付けされる。ステップ704でベースライン画像のセットがそれから取得される。
【0062】
梗塞の領域は、ステップ706で同定される。ここで図26を参照すると、梗塞領域を同定するための処理ステージの例示的セットが描かれている。画像データが最初にステップ730で取得される。梗塞領域の同定は、血液および非血液組織へのステップ732での画像の区分と、ステップ734での撮像システムおよび超音波トランスデューサー効果についての画像データの補償と、ステップ736での組織分類子の計算と、最後にステップ738での梗塞領域の同定を含む。システムおよびトランスデューサー効果の補償は、組織分類の正確さを悪化させることができる超音波信号中の範囲に依存した振幅および周波数の変動を軽減する。図27は、組織分類子の計算のための処理ステージの例示的セットを示す。関心のある画像データが選択される750。積分された後方散乱と減衰勾配の組織パラメータが、それぞれステップ752と754で計算される。そのような組織分類子の計算は、超音波組織分類の当業者には周知である。決定ブロック756によって指し示されるように、プロセスは全ての関心のある画像データについて繰り返される。ここで図26を参照すると、計算された組織分類子は、ステップ738で梗塞領域を同定するのに使われる。梗塞した組織は、積分された後方散乱と減衰勾配のより高い値を有することが知られている。梗塞した組織に対応する組織分類子の範囲は、経験的に決定される。
【0063】
ここで再び図25を参照すると、注入カニューレは、ステップ708で梗塞のサイトにおいて配備され安定化される。注入針のための最大深さ限度が、ステップ710で設定される。針はそれから、ステップ712で心筋層中に注入される。治療薬が、ステップ714で心筋層中に注入される。針は、ステップ716で注入サイトから取り外され、必要に応じて決定ブロック718に引き続いて次の注入サイトにおいて再位置付けされる。
【0064】
本発明の特定の実施形態が示され記載されたが、変形がなされても良く、従って添付の請求項中に、それらの請求項によって規定された発明の真の精神と範囲内に入る全てのそのような変更および変形が、カバーされることが意図されている。
【技術分野】
【0001】
[優先権主張]本出願は、2009年7月23日に出願された同時係属中の米国仮特許出願シリアル番号61/228,057の恩恵を主張し、その出願はその全体が引用によってここに組み込まれる。
【0002】
本発明は、全体的に、充血性心不全および心臓発作後のその他の機能不全のような、心機能不全をもった患者のための治療に関する。本発明は、より特定には、心機能不全のためのカテーテルベースの治療に関する。本発明はまた、特定には、心機能不全のための細胞ベースの治療に関する。
【背景技術】
【0003】
米国には、心臓発作または心筋梗塞を生き抜いた大人が推定で7,750,000人いる。これらの心筋梗塞はしばしば、充血性心不全や潜在的に生命を脅かす心臓リズム障害に繋がる。細胞ベースの治療は、そのような損傷した心臓を再構築するための期待を抱かせるアプローチとして登場した。特に、カテーテルベースの経心内膜注入は、有望な配送モードと考えられる。治療薬の例は、間葉幹細胞と骨格筋芽細胞からなる。
【0004】
治療薬の効果的なカテーテルベースの配送は、左心室の内部アーキテクチャーの知識と、左心室チェンバー中でカテーテルを位置付けして方向付けする能力を要求する。更には、典型的には注入針によって、心筋層中に貫通して治療薬を注入する能力が要求される。もし心室内注入カテーテルが、左心室壁中への針注入の深さを制御し、心筋穿孔を防ぐためのリアルタイムの画像誘導を可能とした一体化された心エコー検査能力からなっていれば、有利であろう。もし同じカテーテルが、好適な注入サイトを指し示すために梗塞した領域を同定するのに使われることができれば、更に有利であろう。もし注入針の取り出しに引き続いて治療薬の漏洩を防ぐことができれば、更にもっと有利であろう。もし配送中に治療細胞へのトラウマを最小化するように治療薬が遠位貯蔵部から配送されることができれば、更にますますもっと有利であろう。
【発明の概要】
【0005】
発明は、一体化された心エコー検査能力をもった心室内注入カテーテルを提供する。カテーテルは、心臓中に挿入されるように配置された遠位端と撮像コアを有する細長い本体からなる。撮像コアは、心臓の視覚化を可能とするために心エコー検査画像を表す電気信号を提供するように遠位端において超音波エネルギーを送出し、反射された超音波エネルギーを受け取るように配置されている。カテーテルは更に、撮像コアと共に細長い本体上を搬送される注入器を含む。注入器は、撮像コアによって視覚化された心臓の組織中に治療薬を注入するように配置されている。
【0006】
細長い本体は、撮像コアの縦方向の位置付けを許容するための入れ子式セクションを含んでいても良い。撮像コアは、機械的に回転する撮像コアであっても良い。
【0007】
カテーテルは、細長い本体の遠位端が所望の方向に偏向することを引き起こす偏向システムを更に含んでいても良い。偏向システムは、操縦可能なガイド鞘を含んでいても良い。 偏向システムは、代替的に、偏向セクション鞘と、操縦リングと、少なくとも1つの操縦ワイヤと、偏向制御ノブを含んでいても良い。
【0008】
カテーテルの細長い本体は、ガイドワイヤを受け入れるガイドワイヤ管腔を含んでいても良い。ガイドワイヤ管腔は、カテーテルの細長い本体の遠位端にあっても良い。代替的に、ガイドワイヤ管腔は、遠位端の近位のカテーテルの細長い本体に沿って伸びていても良い。
【0009】
細長い本体は、撮像コア管腔と外側円周表面を含んでいても良い。撮像コア管腔と外側表面は、細長い本体の円周の一部に渡って細長い本体の実質的に一様な壁厚を規定しても良い。
【0010】
撮像コアは、複数のトランスデューサーからなる。カテーテルは、カニューレ管腔を更に含んでいても良く、注入器が、カニューレ管腔によって受け入れられたカニューレと、カニューレ内の注入針を含んでいても良い。カニューレは、超弾性材料で形成されていても良い。
【0011】
カテーテルは、注入器を含んだ注入システムを更に含んでいても良い。注入システムは近位ハンドルを含んでいても良い。注入ハンドルは、カニューレを伸長し、注入針を前進させ、カニューレを越えた注入針の前進を制限し、カニューレを捩るための注入コントロールを含んでいても良い。注入針は、カニューレ内での注入針の前進を制限する端部ストップを含んでいても良い。注入システムは、カニューレ内の貯蔵部と治療薬を針中に強制的に入れるプランジャを更に含んでいても良い。
【0012】
注入器は、注入針のペアを含んでいても良い。注入器は、光ファイバー束と、注入された生体吸収性ポリマー溶液を光架橋するための紫外線光源から更になっていても良い。
【0013】
発明は更に、心臓の左心室壁中への治療薬の画像誘導された経心内膜注入を提供する方法を提供する。方法は、一体化された心エコー検査能力を有する心室内注入カテーテルを提供するステップを含む。カテーテルは、心臓中に挿入されるように配置された遠位端と撮像コアを有する細長い本体を含んでいても良い。撮像コアは、心臓の視覚化を可能とするために心エコー検査画像を表す電気信号を提供するように遠位端において超音波エネルギーを送出し、反射された超音波エネルギーを受け取るように配置されていても良い。カテーテルは更に、撮像コアと共に細長い本体上を搬送される注入器を含んでいても良い。注入器は、撮像コアによって視覚化された心臓の組織中に治療薬を注入するように配置されている。方法は更に、心臓の左心室中に心室内注入カテーテルを配送するステップと、撮像コアを使って心臓の左心室壁を視覚化するステップと、左心室の梗塞領域を同定するステップと、注入器を使って左心室の視覚化された梗塞した領域中に治療薬を注入するステップと、を含む。方法は、治療薬の逆流を防ぐために注入器で生体吸収性薬剤を注入する更なるステップを含んでいても良い。
【0014】
発明は、その更なる特徴と利点と共に、付随する図面との関係で以下の記載を参照することによって最も良く理解され得て、そのいくつかの図では同様の参照番号が同一の要素を同定する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、カテーテルの使用を描く。
【図2】図2は、一体化された心エコー検査能力をもった心室内注入カテーテルシステムのブロック図を示す。
【図3】図3は、発明を実施しているカテーテルの部分的断面図である。
【図3A】図3Aは、図3のラインA−Aに沿って取られた断面図である。
【図4】図4は、部分的に分解して示された図3のカテーテルの部分的断面図である。
【図5】図5は、本発明の一側面に従った注入カニューレおよび針を有する図3のカテーテルの遠位端の部分的断面図である。
【図6】図6は、発明を実施している別のカテーテルの部分的断面図である。
【図7】図7は、発明を実施している別のカテーテルの部分的断面図である。
【図7A】図7Aは、図7のラインA−Aに沿って取られた断面図である。
【図7B】図7Bは、図7のラインB−Bに沿って取られた断面図である。
【図7C】図7Cは、図7のラインC−Cに沿って取られた断面図である。
【図8】図8は、偏向されて示された発明を実施している別のカテーテルの部分的断面図である。
【図9】図9は、発明を実施している更に別のカテーテルの断面図である。
【図10】図10は、発明を実施している更に別のカテーテルの断面図である。
【図11】図11は、発明を実施している更に別のカテーテルの断面図である。
【図12】図12は、発明を実施している別のカテーテルの遠位端の部分的断面図である。
【図13】図13は、発明を実施している別のカテーテルの遠位端の部分的断面図である。
【図14】図14は、発明の更なる側面に従った複数のトランスデューサーを有する別のカテーテルの撮像コアの側面図である。
【図15A】図15Aは、発明を実施している注入システムの上面図である。
【図15B】図15Bは、図15Aの注入システムの側面図である。
【図16A】図16Aは、その内部エレメントをより詳細に示している図15Aの注入システムの別の上方部分的断面図である。
【図16B】図16Bは、図16Aの注入システムの部分的側方断面図である。
【図17】図17は、発明の更なる側面に従った注入カニューレとサイドポートおよび閉じた端部をもった注入針の遠位先端部の断面図である。
【図18A】図18Aは、発明の更なる側面に従ったサイドポートおよび開いた端部をもった別の注入針の遠位先端部の断面図である。
【図18B】図18Bは、発明の更なる側面に従った開いた端部をもった注入針の遠位先端部の斜視図である。
【図19】図19は、発明の側面に従った注入カニューレと端部ストップをもった注入針の遠位先端部の断面図である。
【図20】図20は、発明の更なる側面に従った二重注入針を有する注入針の遠位先端部の斜視図である。
【図21】図21は、発明の更なる側面に従った光ファイバー束をもった二重注入針の遠位先端部の斜視図である。
【図21A】図21Aは、図21のラインA−Aに沿って取られた断面図である。
【図22】図22は、発明を実施している更に別のカテーテルの部分的断面図である。
【図23A】図23Aは、発明を実施している別の注入システム近位ハンドルの上面図である。
【図23B】図23Bは、図23Aの注入システムの側面図である。
【図24A】図24Aは、その内部エレメントをより詳細に示している図23Aの注入システムの別の上方部分的断面図である。
【図24B】図24Bは、図24Aの注入システムの側方部分的断面図である。
【図25】図25は、発明の側面に従った経心内膜注入の画像誘導のための処理ステージを描いたフロー図である。
【図26】図26は、梗塞領域を同定するための処理ステージを描いたフロー図である。
【図27】図27は、発明の更なる側面に従った組織分類子を計算するための処理ステージを描いたフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、操縦可能なガイド鞘4を介して配送された、一体化された心エコー検査能力を有する心室内注入カテーテル2をその中に有した心臓の外側切り取り描写を示す。操縦可能なガイド鞘4は、大腿動脈サイトから大動脈6まで経皮的におよび大動脈弁8を通して左心室10中に配送される。カテーテル2は、機械的に回転する撮像コア12と、注入カニューレ402と、注入針404からなる。図1は、心エコー検査誘導下で左心室壁中の関心領域14中に針を注入するのに、操縦可能なガイド鞘4と心室内注入カテーテル2がどのように使われることができるかを描いている。
【0017】
図2は、一体化された心エコー検査能力をもった心室内注入カテーテル2と、注入制御システム20と、患者インターフェースモジュール22と、コンソール24からなる心室内注入カテーテルシステムのハイレベルブロック図を示す。注入制御システム20は、カテーテル2に機械的に結合されている。患者インターフェースモジュールは、カテーテルに電気的および機械的に結合されている。患者インターフェースモジュール22は更に、システムからの患者の電気的隔離を提供する。患者インターフェースモジュール22は、例えばMoore et al.による米国特許出願シリアル番号12/633,278に追加の詳細をもって記載されている形を取っても良く、その全ての開示はここで引用によってここに組み込まれる。患者インターフェースモジュール22とコンソール24は、アナログおよびデジタル信号線によって結合されている。コンソール24は、患者インターフェースモジュール22の動作とカテーテル2の撮像の側面を制御する。コンソール24は、更に画像を表示しても良い。心室内注入カテーテルシステムは、例えば、心臓発作の犠牲者への細胞ベースの溶液のような治療薬の経心内膜注入の画像誘導を提供するために、有利に採用されても良い。
【0018】
図3を参照すると、それは本発明の側面を実施している一体化された心エコー検査能力をもった心室内注入カテーテル2を示している。カテーテル2は、第一の近位ハウジング30と、入れ子式セクション32と、第二の近位ハウジング33と、近位セクション34と、遠位セクション36と、撮像コア12と、注入システム400からなる。心室内注入カテーテル2は、操縦可能なガイド鞘4(図1)との組み合わせで使われても良く、そこではカテーテル2は図1に描かれているように操縦可能なガイド鞘4内に配置される。カテーテル長は、一般的には100cmと150cmの間、より特定には例えば110cmと120cmの間、であっても良い。カテーテル近位セクション34の直径は、例えば約10Fのように、一般的には8Fと18Fの間であっても良い。カテーテル遠位セクション36の直径は、例えばおよそ8Fのように、6Fと10Fの間であっても良い。
【0019】
第一の近位ハウジング30は、係合ピン41を介して患者インターフェースモジュール(図示せず)に繋がり、駆動ケーブル40に機械的エネルギーを、超音波トランスデューサー44に電気的に接続されている駆動ケーブル40内に配置された送信ライン42中に電気的エネルギーを、結合する。食塩水フラッシュポート43は、超音波トランスデューサー44から遠位セクション36の外部への音響的結合を可能とする。第一の近位ハウジングの追加の記載については、Mooreによる米国特許出願シリアル番号12/336,441が参照されても良く、その全ての開示はここで引用によってここに組み込まれる。
【0020】
入れ子式セクション32は、カテーテル鞘に対する撮像コア12の縦方向の並進を可能とする。入れ子式セクション32は、外側支持部材46と、内側管状部材48と、内側管状部材48中にスライドする一次内側部材50を含む。入れ子式セクションは更に、端部キャップ52と、内側管状部材48の遠位端に接合されている端部ストップ54を含む。内側管状部材48は、近位ハウジング30に接合されている。支持部材46と一次内側部材50は、第二の近位ハウジング33に接合されている。端部キャップ52は、入れ子式セクション32の制御された動きのための接続ポイントを提供する溝53を含む。端部ストップ54は、入れ子式セクションが完全に伸ばされた時に支持部材46と一次内側部材50が内側管状部材48から離脱することを防止する。入れ子式セクション長は、一般的には1cmと5cmの間、より特定には2cmと3cmの間である。一次内側部材50は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)またはステンレス鋼のような生体適合性材料で形成されている。一次内側部材50は、典型的には0.075″と0.100″の間の内径を有する。支持部材46もまた、PEEKまたはステンレス鋼のような生体適合性材料で形成されている。そのような入れ子式セクションの更なる記載は、例えば、Mooreによる米国特許出願シリアル番号12/336,441に見つけられ得て、その全ての開示はここで引用によってここに組み込まれる。
【0021】
近位セクション34は、二次部材58と、撮像コア管腔60と、注入カニューレ管腔62を含む。近位セクション34の断面図が図3Aに描かれている。近位セクション34は更に、注入カニューレのための出口ポート64を含む。二次部材58は、PEEKのような生体適合性材料で形成されており、一般的には8Fと18Fの間、より特定には約10Fの外径を有する。撮像コア管腔60の直径は、0.075″と0.100″の間であっても良い。注入カニューレ管腔62の直径は、典型的に20ゲージと22ゲージの間のサイズの注入カニューレが通過するのに十分な、0.030″と0.037″の間であっても良い。
【0022】
遠位セクション36は、遠位鞘66と、フラッシング出口ポート68と、非侵襲的先端部70と、撮像コア管腔60を含む。遠位鞘66は、音響的損失を最小化するポリエチレンまたはその他の熱可塑性ポリマーのような生体適合性の柔軟な材料で形成されている。非侵襲的先端部70は、ポリエーテルブロックアミド(Pebax(登録商標))またはPebax63Dおよび40DのようなPebax等級のブレンドのような低デュロメーター材料で形成されている。撮像コア管腔60の直径は、0.075″と0.100″の間であっても良い。
【0023】
撮像コア12は、駆動ケーブル40と、トランスデューサーハウジング72と、超音波トランスデューサー44と、駆動ケーブル40内に配置された送信ライン42を含む。撮像コアは、患者インターフェースモジュールにコネクター74によって電気的および機械的に結合されている。電気的結合は、超音波トランスデューサー44への送信ライン42に沿った電気信号の送信と受信を可能とする。機械的結合は、撮像コア12の回転を可能とする。駆動ケーブル40は、0.070″と0.180″の範囲中、より特定には10Fの遠位鞘プロファイルについて約0.105″、のコイル外径をもったステンレス鋼ラウンドワイヤコイルで形成されている。加速中の駆動ケーブルの伸長と圧縮は、正確な位置付けを確かなものとするために最小化されなければならない。駆動ケーブルはまた、撮像コアの非一様な回転を最小化するべきである。トランスデューサーハウジング72は、ZelenkaとMooreによる米国特許出願シリアル番号12/330,308に追加の詳細をもって記載されており、その全ての開示はここで引用によってここに組み込まれる。
【0024】
超音波トランスデューサー44は、少なくとも一つの圧電層を含み、導電層と、少なくとも一つのマッチング層と、バッキング層を更に含んでいても良い。超音波トランスデューサー44は更に、レンズを含んでいても良い。撮像カテーテルのための超音波トランスデューサーのデザインと作製は、当業者に周知である。超音波トランスデューサーは、一般的には5MHzから60MHz、より特定には10MHzから30MHzの間、の周波数範囲上で動作する。
【0025】
注入システム400は、注入カニューレ402と、注入カニューレ402内に配置された注入針(図示せず)からなる。注入カニューレ402は、湾曲した形状を取ることができるニッケル−チタニウム(またはNitinol)合金のような生体適合性の超弾性材料で形成されていても良い。カニューレサイズは、一般的には20ゲージと24ゲージの間、より特定には約22ゲージである。注入カニューレ402の遠位先端部は、超音波画像誘導を容易にするためにエコー源性となるように処理されることができる。
【0026】
図4は、入れ子式セクション32が部分的に伸長された位置にある図3の心室内注入カテーテル2を描いている。お互いに固定的に取り付けられている第一の近位ハウジング30と撮像コア12は、入れ子式セクション32、第二の近位ハウジング33および近位鞘34に対して並進させられて示されている。入れ子式撮像カテーテルは、近位鞘34と遠位鞘(図示せず)がその場に固定されたまま残る一方で、撮像コア12が撮像コア管腔60を通して縦方向に並進することを可能とする。
【0027】
図5は、注入カニューレ402と注入針404の心エコー検査誘導のための図3の実施形態の遠位端を描いている。注入カニューレ402は、関心のある特定のサイトへの注入針404の画像誘導された配送を容易にするように成形されている。経心内膜注入の画像誘導のために最適な曲げ角度は、経験的に決定されることができる。一体化された心エコー検査能力をもった心室内注入カテーテルは、左心室壁中への針注入中にリアルタイムの画像誘導を提供し、心筋穿孔の防止を容易にする。
【0028】
ここで図6を参照すると、発明を実施している一体化された心エコー検査能力をもった別の心室内注入カテーテル102を示している。心室内注入カテーテル102は、近位ハウジング132と、近位部材134と、遠位鞘136と、注入システム138からなる。撮像コア112の縦方向の位置は、入れ子式セクションが含まれていないので、カテーテル鞘134、136に対して固定されたまま残る。非入れ子式カテーテルは、撮像コア112の縦方向の位置付けが決定的に重要ではない応用においては削減された複雑度と製造コストのために有利であり得る。
【0029】
図7を参照すると、発明を実施している一体化された心エコー検査および偏向能力をもった心室内注入カテーテル202の別の代替的実施形態が示されている。心室内注入カテーテル202は、第一の近位ハウジング30と、入れ子式セクション32と、第二の近位ハウジング233と、近位セクション234と、偏向セクション235と、遠位セクション236と、撮像コア12と、注入システム400を含む。偏向能力をもった心室内注入カテーテルの利点は、カテーテルの配送と位置付けのために操縦可能なガイド鞘が要求されないことである。カテーテル長は、一般的には100cmと150cmの間、より特定には110cmと例えば120cmの間、であっても良い。近位セクション234の直径は、一般的には8Fと18Fの間、より特定には例えば約10F、であっても良い。遠位セクション236の直径は、一般的には6Fと10Fの間、より特定には例えば約8F、であっても良い。
【0030】
第一の近位ハウジング30は、係合ピン41を介して患者インターフェースモジュール(図示せず)に繋がる。それは、駆動ケーブル40に機械的エネルギーを、超音波トランスデューサー44に電気的に接続されている駆動ケーブル40内に配置された送信ライン42中に電気的エネルギーを、結合する。
【0031】
入れ子式セクション32は、前述した通り、カテーテル鞘に対する撮像コア12の縦方向の並進を可能とする。入れ子式セクション32は、外側支持部材46と、内側管状部材48と、内側管状部材48中にスライドする一次内側部材50を含む。入れ子式セクションは更に、端部キャップ52と、内側管状部材48の遠位端に接合されている端部ストップ54を含む。内側管状部材48は、近位ハウジング30に接合されている。支持部材46と一次内側部材50は、第二の近位ハウジング33に接合されている。端部キャップ52は、入れ子式セクション32の制御された動きのための接続ポイントを提供する溝53を含む。端部ストップ54は、入れ子式セクションが完全に伸ばされた時に支持部材46と一次内側部材50が内側管状部材48から離脱することを防止する。入れ子式セクション長は、一般的には1cmと5cmの間、より典型的には2cmと3cmの間である。一次内側部材50は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)またはステンレス鋼のような生体適合性材料で形成されていても良い。一次内側部材50は、典型的には例えば0.075″と0.100″の間の内径を有する。支持部材46もまた、PEEKまたはステンレス鋼のような生体適合性材料で形成されていても良い。
【0032】
第二の近位ハウジング233は、ガイドワイヤ管腔263と、撮像コア管腔265と、注入カニューレ管腔267を含む。第二の近位ハウジング233は更に、例えば溶接、ろう付け、はんだ付けによってのように、操縦ワイヤ280、282に接合されている偏向制御ノブ278を含む。第二の近位ハウジング233は、生体適合性の堅い材料で形成されていても良い。ガイドワイヤ管腔263の直径は、例えば0.014″と0.018″と0.035″のガイドワイヤが通過するのに十分な、0.015″と0.037″の間であっても良い。撮像コア管腔265の直径は、0.075″と0.100″の間であっても良い。注入カニューレ管腔267の直径は、例えば一般的に20ゲージと22ゲージの間のサイズの注入カニューレが通過するのに十分な、0.030″と0.037″の間であっても良い。第二の近位ハウジング233は、一次内側部材50と近位セクション234の二次部材258に接合されている。
【0033】
ここで図7と共に図7Aを参照すると、近位セクション234は、二次部材258と、複数の管腔を含む。複数の管腔は、撮像コア管腔260と、ガイドワイヤ管腔261と、注入カニューレ管腔262と、2つの操縦ワイヤ管腔284、286を含む。近位セクションは更に、注入カニューレのための出口ポート264を含む。二次部材258は、PEEKのような生体適合性の柔軟な材料で形成されていても良く、一般的には8Fと18Fの間、より特定には例えば約10Fの外径を有していても良い。撮像コア管腔260の直径は、0.075″と0.100″の間であっても良い。ガイドワイヤ管腔261の直径は、例えば0.014″と0.018″と0.035″のガイドワイヤが通過するのに十分な、0.015″と0.037″の間であっても良い。操縦ワイヤ管腔284、286の直径は、例えば0.006″と0.012″の間の直径を有する操縦ワイヤが通過するのに十分な、0.008″と0.014″の間であっても良い。注入カニューレ管腔262の直径は、例えば20ゲージと22ゲージの間のサイズの注入カニューレが通過するのに十分な、0.030″と0.037″の間であっても良い。
【0034】
ここで図7と共に図7Bを参照すると、偏向セクション235は、偏向セクション鞘288と、補強コイル290と、操縦リング292と、複数の管腔を含む。偏向セクション鞘288は、オレフィンのような低デュロメーター材料で形成されていても良い。オレフィンは、近位セクション234と遠位セクション236への接合を容易にする。低デュロメーター材料の使用は更に、カテーテルが偏向セクション235中で曲がることを確かなものとする。複数の管腔は、撮像コア管腔294と、ガイドワイヤ管腔291と、2つの操縦ワイヤ管腔296、298を含む。撮像コア管腔294の直径は、0.075″と0.100″の間であっても良い。ガイドワイヤ管腔291の直径は、例えば0.014″と0.018″と0.035″のガイドワイヤが通過するのに十分な、0.015″と0.037″の間であっても良い。2つの操縦ワイヤ管腔296、298の直径は、例えば0.006″と0.012″の間の直径を有する操縦ワイヤが通過するのに十分な、0.008″と0.014″の間であっても良い。
【0035】
ここで図7と共に図7Cを参照すると、遠位セクション236は、遠位鞘266と、フラッシング出口ポート268と、非侵襲的先端部270と、撮像コア管腔293と、ガイドワイヤ管腔295を含む。遠位セクションは更に、ガイドワイヤのための出口ポート297を含む。遠位鞘266は、音響的損失を最小化するポリエチレンまたはその他の熱可塑性ポリマーのような生体適合性の柔軟な材料で形成されていても良い。非侵襲的先端部は、ポリエーテルブロックアミド(Pebax(登録商標))またはPebax63Dおよび40DのようなPebax等級のブレンドのような低デュロメーター材料で形成されていても良い。撮像コア管腔293の直径は、0.075″と0.100″の間であっても良い。ガイドワイヤ管腔295の直径は、例えば0.014″と0.018″と0.035″のガイドワイヤが通過するのに十分な、0.015″と0.037″の間であっても良い。
【0036】
撮像コア12は、駆動ケーブル40と、トランスデューサーハウジング72と、超音波トランスデューサー44と、駆動ケーブル40内に配置された送信ライン42を含む。撮像コアは、患者インターフェースモジュールにコネクター74によって電気的および機械的に結合されている。電気的結合は、超音波トランスデューサー44への送信ライン42に沿った電気信号の送信と受信を可能とする。機械的結合は、撮像コア12の回転を可能とする。駆動ケーブル40は、0.070″と0.180″の範囲中、例えば10Fの遠位鞘プロファイルについて約0.105″、のコイル外径を有するステンレス鋼ラウンドワイヤコイルで形成されていても良い。加速中の駆動ケーブルの伸長と圧縮は、正確な位置付けを確かなものとするために最小化されなければならない。駆動ケーブルはまた、撮像コアの非一様な回転を最小化するべきである。トランスデューサーハウジング72は、ZelenkaとMooreによる米国特許出願シリアル番号12/330,308に追加の詳細をもって記載されており、その全ての開示はここで引用によってここに組み込まれる。
【0037】
超音波トランスデューサー44は、少なくとも一つの圧電層を含んでいても良く、典型的には更に導電層と、少なくとも一つのマッチング層と、バッキング層からなる。超音波トランスデューサー44は更に、レンズからなっていても良い。撮像カテーテルのための超音波トランスデューサーのデザインと作製は、当業者に周知である。超音波トランスデューサーは、一般的には5MHzから60MHz、より典型的には10MHzから30MHzの間、の周波数範囲上で動作する。
【0038】
注入システム400は、注入カニューレ402と、注入カニューレ402内に配置された注入針(図示せず)を含む。注入カニューレ402は、湾曲した形状を取ることができるニッケル−チタニウム(またはNitinol)合金のような生体適合性の超弾性材料で形成されていても良い。カニューレサイズは、20ゲージと24ゲージの間、より特定には例えば約22ゲージであっても良い。注入カニューレ402の遠位先端部は、超音波画像誘導を容易にするためにエコー源性となるように処理されることができる。
【0039】
偏向システム239は一般的に、偏向制御手段と、少なくとも一つの操縦ワイヤと、操縦リングを含む。この実施形態に従って、偏向システム239は、偏向制御ノブ278と、2つの操縦ワイヤ280、282と、操縦リング292を含む。操縦ワイヤは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)被膜されたステンレス鋼で形成されていても良い。操縦ワイヤ280、282の直径は、0.006″と0.012″の間であっても良い。操縦ワイヤ280、282は、操縦リング292に、溶接、ろう付け、またははんだ付けされていても良い。操縦リング292は、ステンレス鋼で形成されて偏向セクション235の遠位端に向けて位置していても良い。偏向セクション235の補強コイル290は、撮像コア管腔294のピンチングを防止する。代替的に、補強組み紐が補強コイルの代わりに使われることができる。偏向セクション235の近位の注入カニューレ出口ポート264の位置は、注入カニューレ402がカテーテルの偏向を妨げないことを確かなものとする。図8は、偏向制御ノブ278が回転された時の心室内注入カテーテル202の遠位端の偏向を描いている。
【0040】
外径と撮像コア管腔の間の可変な厚さを有するオーバーザワイヤ撮像カテーテル鞘は、撮像アーチファクトに繋がることができる。図9に描かれているような代替的な撮像コア管腔302を有する遠位セクション鞘300は、撮像方向に関係のある鞘の下方部分により一様な鞘厚を提供する。遠位セクションの別の代替的な実施形態は、図10に描かれているような楕円形状の鞘310を有する。それもまた、鞘の下方部分により一様な鞘厚を提供する。遠位セクションの更に別の実施形態が図11に示されており、そこでは遠位鞘320が、一様な鞘厚を有する方向の更により大きな範囲を提供する。
【0041】
短いモノレール先端部のカテーテルデザインは、オーバーザワイヤカテーテルデザインに対する代替形を提供し、そこでは短いモノレール先端部が、図7に示されたオーバーザワイヤデザインとの比較で、カテーテルの高速交換を可能とする。高速交換カテーテルの利点は、それらが典型的にはオーバーザワイヤカテーテルと比較してより小さな全体的プロファイルを有することである。より小さなプロファイルを有するカテーテルは、大腿動脈のようなより小さなアクセスサイトを要求し、それは一方で出血する合併症を削減し得る。モノレールデザインでは、偏向制御セクション、近位セクション、偏向セクションまたは遠位セクション中にガイドワイヤ管腔を有する必要がない。材料の削減は、製造のコストを削減することができる。
【0042】
図12は、撮像コア管腔331と、短いモノレール先端部332と、フラッシング出口ポート334と、ガイドワイヤGWのためのガイドワイヤ管腔336を有する遠位鞘330を含んだ遠位セクションの代替的実施形態を描いている。短いモノレール先端部332は、遠位鞘330に接合されており、そこでは、撮像コア管腔331がガイドワイヤ管腔336と平行である。遠位鞘330中の壁厚は、撮像コア管腔331の周りで一様である。モノレールデザインを含んだそのような遠位セクションは、例えば、Zelenkaによる米国特許出願シリアル番号12/547,972に追加の詳細をもって記載されており、その全ての開示はここで引用によって組み込まれる。
【0043】
図13は、撮像コア管腔341と、短いモノレール先端部342と、フラッシング出口ポート344と、ガイドワイヤGWのためのガイドワイヤ管腔346と、支持バー348を有する遠位鞘340を含んだ別の代替的な遠位セクションの実施形態を描いている。支持バー348は、カテーテルの大きな偏向の場合に撮像コア管腔341の崩壊を防止することができる。支持バー348は、ステンレス鋼またはPEEKのような好適に堅い材料で形成されている。
【0044】
機械的に回転し並進する撮像コアをもった撮像カテーテルの利点は、カテーテル鞘を再位置付けすることなく関心のある容積を撮像する能力である。撮像コアは、外部並進デバイスによってカテーテル鞘内を縦方向に並進させられることができる。心臓のような動いている構造を撮像するために機械的に回転し並進する撮像コアをもった撮像カテーテルの不利点は、心臓運動速度と比較して容積を掃引することができるレートが比較的遅いことである。複数のトランスデューサーエレメントからなる撮像コアは、関心のある容積を撮像するための時間を削減することができる。
【0045】
図14は、駆動ケーブル352と、第一のトランスデューサーハウジング354と、第一の超音波トランスデューサー356と、第一の送信ライン358と、第二のトランスデューサーハウジング360と、第二の超音波トランスデューサー362と、第二の送信ライン364と、トランスデューサーハウジングカップリング366を含んだ撮像コア350の代替的実施形態を描いている。第一の超音波トランスデューサー356は、第一のトランスデューサーハウジング354中に据え付けられ、第一の送信ライン358に接続されている。第二の超音波トランスデューサー362は、第二のトランスデューサーハウジング360中に据え付けられ、第二の送信ライン364に接続されている。第二のトランスデューサーハウジング360と第二の超音波トランスデューサー362の面している方向は、第一のトランスデューサーハウジング354と第一の超音波トランスデューサー356の面している方向から、面している方向に対して180°である。第一のトランスデューサーハウジング354と第二のトランスデューサーハウジング360は、一般的に柔軟なコイルであるトランスデューサーハウジングカップリング366によって機械的に接続されている。
【0046】
複数のトランスデューサーの使用は、容積を超音波的にスキャンするのに要求される時間の量を削減する。例示的デザインでは、第一と第二のトランスデューサーハウジング354、360とトランスデューサーハウジングカップリング366は、単一のステンレス鋼ハイポチューブから作製することができる。第一と第二のトランスデューサーハウジング354、360は、適合されたスロットによって第一と第二の超音波トランスデューサー356、362に堅い支持を提供する。トランスデューサーハウジングカップリング366は、ハイポチューブの螺旋切り取りセクションであり、軸方向剛性を曲げ柔軟性で第一と第二のトランスデューサーアッセンブリーに釣り合わせる。螺旋切り取りのピッチは、一定であることができ、または目標硬度特性に依存して変動することができる。例えば、ピッチはより多くの柔軟性のために減少されるかまたは、より少ない柔軟性のために増加されても良い。例示的デザインでは、第一と第二のトランスデューサーハウジング354、360は、約0.155″の長さであっても良く、トランスデューサーハウジングカップリング366は、約0.235″の長さであっても良く、トランスデューサーの直径は、例えば0.100″であっても良い。螺旋切り取りカップリングのピッチは、0.004″の切り溝を有する0.040″であっても良い。複数のトランスデューサーからなる撮像コアの代替的実施形態は、Moore et al.による米国特許出願シリアル番号12/633,278に追加の詳細をもって記載されており、その全ての開示はここで引用によって組み込まれる。
【0047】
ここで図15Aと15Bを参照すると、そこに示された注入システム400は、注入カニューレ402と、注入カニューレ402内に配置された注入針404と、近位ハンドル410を含む。注入システムは更に、雌ルアー(Luer)ロック412と、接続チューブ414を含む。近位ハンドル410は、カニューレ伸長コントローラ416と、最大針深さコントローラ420と、針注入コントローラ422と、トルクデバイス426を含む。最大針深さコントローラ420と針注入コントローラ422の組み合わせでの使用は、注入中の左心室壁および心膜嚢の穿孔を更に防止することができる。機械的デザイン安全装置が、リアルタイム心エコー検査誘導との組み合わせで動作して、心筋穿孔を防止する。
【0048】
注入カニューレ402は、湾曲した形状を取ることができるニッケル−チタニウム(またはNitinol)合金のような生体適合性の超弾性材料で形成されていても良い。カニューレサイズは、20ゲージと24ゲージの間、より特定には例えば約22ゲージであっても良い。カニューレの遠位先端部は、超音波画像誘導を容易にするためにエコー源性となるように処理されることができる。針404は、ステンレス鋼またはニッケル−チタニウム合金で形成されていても良く、24ゲージと26ゲージの間のサイズであっても良い。針404は、超音波画像誘導を容易にするためにエコー源性となるように処理されることができる。マルチポートマニフォールド(図示せず)が、治療溶液、架橋性ポリマー溶液、およびその他の液体の注入針404を通した配送のために、雌ルアーロック412に接続されることができる。
【0049】
ここで図3と共に図16Aと16Bを参照すると、近位ハンドル410と内部制御メカニズムの実施形態が描かれている。近位ハンドル410の内側のカニューレ402のセグメントは、スロット403が付けられている。カニューレ伸長コントローラ416は、第一の剛性部材428によってカニューレ402に結合されている。カニューレ402は、カニューレ伸長コントローラ416をトルクデバイス426に向けてスライドすることによって、心室内注入カテーテル2の注入カニューレ管腔62の出口ポート64を越えて伸長されることができる。最大針深さコントローラ420は、第二の剛性部材430によってストップ板431に結合されている。針注入コントローラ422は、第三の剛性部材432によって針注入支持部材436に結合されている。第二と第三の剛性部材430、432は、カニューレ402のスロット403を通して伸長する。針注入支持部材436は、カニューレの長さを伸ばし、例えば溶接またはろう付けによってのように、注入針404に接合されている。ストップ板431は、スロットが付けられたカニューレ402の内側で針注入支持部材436の外側に配置されている。注入針404がカニューレ402の遠位端を越えて伸長することができる最大長は、最大針深さコントローラ420によって制限されることができる。最大針深さコントローラ420は、ストップ板431と、針注入コントローラ422に取り付けられている第三の剛性部材432の間の距離を調節するのに使われる。注入針404は、針注入コントローラ422をトルクデバイス426に向けてスライドすることによって、注入カニューレ402の遠位端を越えて伸長されることができる。カニューレ伸長コントローラ416と、最大針深さコントローラ420と、針注入コントローラ422とトルクデバイス426を含んだ注入システム400の制御メカニズムは、関心のあるサイトにおいて針を安全に注入するためにリアルタイムの心エコー検査誘導との組み合わせで使われても良い。リアルタイムの心エコー検査誘導は、心筋穿孔の一次的防止のための視覚的フィードバックを提供する。最大針深さコントローラ420は、心筋穿孔の二次的防止として、近位機械的コントロールを提供する。治療薬で満たされた注射器(図示せず)が、雌ルアーロック412に接続されて、治療薬の配送のために使われることができる。治療薬は、コネクターチューブ414と、柔軟なチューブ434と、注入針404を通して、心筋層中に通過する。柔軟なチューブ434のプロファイルは、コネクターチューブ414と比較できるサイズから注入針404と比較できるサイズまで先が細くなる。
【0050】
ここで図17を参照すると、注入カニューレ402の遠位先端部と注入針404の実施形態が示されている。針404は、一次斜面470と二次斜面472をもった、閉じたノンコアリング先端部405を含む。針は更に、治療薬を分配するためのサイドフラッシュポート474を含む。注入針407の代替的実施形態が図18Aと18Bに示されており、そこでは針の遠位先端部408は開いている。
【0051】
注入針の更に別の代替的実施形態が図19に示されており、そこでは注入針471は、端部ストップ482からなる。端部ストップ482は、スエージ加工またはレーザー溶接を含んだいくつかの異なる方法によって形成されることができる。端部ストップ482は、注入針が、例えば約6mmのような、カニューレを越えた予め決められた最大長を越えて伸長しないことを確かなものとする。遠位カニューレ先端部と遠位針先端部の相対的縦方向位置は、大動脈弓のような彎曲した経路を横切っている時にはシフトすることができるので、注入制御システムの近位ハンドルにおける最大深さリミッタ−は十分ではないかも知れない。端部ストップ482は、リアルタイム心エコー検査誘導と最大深さ限度コントローラによって提供された安全装置に加えて、注入針による事故的心筋穿孔を更に軽減する安全装置を提供する。
【0052】
注入された治療薬の後方漏れは、薬の効能を削減することができる。後方漏れは、体温に達するとゲル化するポロクサマーのような生体吸収性ポリマー溶液の注入によって防止することができる。ポリマー溶液は、治療溶液の注入と同時に投与されることができる。代替的に、ポリマー溶液は、治療薬の注入の後に注入されることができる。同じ注入針が、治療薬とポリマー溶液の注入のために使われることができる。注入針の代替的実施形態は、図20に示されたような二重注入針484の形を取ることができる。二重注入針484の第一と第二の針486、492は、例えばレーザー溶接によってのように、ラインに沿って接合されている。例えば、治療薬が針486を使って注入されることができる一方、ポリマー溶液は針492を使って注入されることができる。二重注入針484は、第二の針に接続された注入システムの近位ハンドルにおいて、第二の接続チューブと雌ルアーロック(図示せず)との組み合わせで使われても良い。
【0053】
治療薬の後方漏れを防止するための代替的アプローチは、ポリ(エチレングリコール)(またはPEG)のような生体吸収性の光架橋性ヒドロゲルの使用によるものである。光架橋性ヒドロゲルは、治療薬と同時にまたは二次的に投与されても良い。注入サイトにおけるヒドロゲルの紫外線照射が光架橋を開始し、図21と21Aに示されたような光ファイバー束464を使って行われることができる。光ファイバー束464は、注入針の長さに渡っており、接合ライン466の上に配置されることができる。光ファイバー束の近位端は、例えば365nmの長い波長を有する光を提供しているランプを含んだ紫外線光源(図示せず)に結合されても良い。
【0054】
治療薬の関心領域への配送に関する更に別の心配は、治療薬の生存可能性を悪化させるような、近位端から遠位端への注入針を通した配送中の治療細胞への潜在的なトラウマである。注入システム500の代替的実施形態が図22に示されており、そこでは配送経路の長さを最小化するように、治療薬は遠位貯蔵チェンバー506中に装填されることができる。遠位貯蔵チェンバー506は、複数の注入のために十分な容積のものであることができる。カニューレ管腔662のサイズは、駆動ケーブル640と撮像コア管腔660のサイズを削減することによって増加されることができる。カニューレ管腔662のサイズは、カテーテルプロファイルを増加することによって更に増加されることができる。
【0055】
注入針504の近位端は、貯蔵チェンバー506に接合されている。貯蔵チェンバーは、針をカニューレ502の近位端ストップ508によって決定されるその最も近位の位置まで引っ込めることによって、治療薬が装填されることができる。貯蔵チェンバーがこの装填位置にある時に、治療薬の装填を可能とするように貯蔵チェンバー装填窓510、カニューレ装填窓512および近位鞘装填窓664が揃えられることができる。窓510、512、664は、通過孔またはシリコーンのような自己閉鎖性材料で充満された孔であっても良い。貯蔵チェンバー506の外側での治療薬の漏洩を更に防止するために、プランジャ514とプランジャヘッド516が窓の遠位に前進させられる。
【0056】
カニューレ502は、外に広がった先端部522をもつ先が細くなった遠位セクション520からなる。先が細くなった遠位セクション520の肩部524は、注入針504が、例えば約6mmのような、予め決められた長さを越えて伸長することを更に防止する。カニューレを越えた針の伸長を制限するための遠位手段は、大動脈弓のような彎曲した経路を横切っている時に遠位カニューレ先端部と遠位針先端部の相対的縦方向位置がシフトすることができるような状況で必要であっても良い。外に広がった先端部522は、左心室壁に対してカニューレを安定化し、カニューレの組織中への貫通を防止することを助けるために、尖っていない表面523を提供する。
【0057】
ここで図23Aと23Bを参照すると、もっと更なる注入システム500は、注入カニューレ502と、注入カニューレ502内に配置された注入針504と、近位ハンドル530を含む。近位ハンドル530は、カニューレ伸長コントローラ536と、最大針深さコントローラ540と、針注入深さコントローラ542と、トルクデバイス546と、遠位貯蔵部プランジャコントローラ548を含む。最大針深さコントローラ540は、針504がカニューレ502の遠位先端部を越えて伸長することができる深さを制約するための近位コントロールである。針注入深さコントローラ542は、カニューレ遠位先端部に対する針遠位先端部の位置を変動するように配置されている。遠位貯蔵部プランジャコントローラ548は、治療薬を配分するのに使われる。
【0058】
図22と共に図24Aと24Bを参照すると、近位ハンドル530の内部制御メカニズムが描かれている。近位ハンドル530の内側のカニューレ502のセグメントは、スロット503を有する。カニューレ伸長コントローラ536は、第一の剛性部材550によってカニューレ502に結合されている。カニューレ502は、カニューレ伸長コントローラ536をトルクデバイス546に向けてスライドすることによって、心室内注入カテーテル602の注入カニューレ管腔662の出口ポート674を越えて伸長されることができる。最大針深さコントローラ540は、第二の剛性部材552によってストップ板554に結合されている。針注入コントローラ542は、第三の剛性部材556によって針注入支持部材558に結合されている。遠位貯蔵部プランジャコントローラ548は、第四の剛性部材550によって遠位貯蔵部プランジャ514に結合されている。第二の剛性部材552と第三の剛性部材556と第四の剛性部材550は、カニューレ502のスロット503を通して伸長する。針注入支持部材558は、カニューレ502の長さを伸ばし、例えば溶接またはろう付けによって、注入針504に接合されている。ストップ板554は、スロットが付けられたカニューレ502の内側で針注入支持部材558の外側に配置されている。
【0059】
注入針504がカニューレ502の遠位端を越えて伸長することができる最大長は、最大針深さコントローラ540によって制限されることができる。最大針深さコントローラ540は、ストップ板554と、針注入コントローラ542に取り付けられている第三の剛性部材556の間の距離を調節するのに使われる。注入針504は、針注入コントローラ542をトルクデバイス546に向けてスライドすることによって、注入カニューレ502の遠位端を越えて伸長されることができる。
【0060】
カニューレ伸長コントローラ536と、最大針深さコントローラ540と、針注入コントローラ542とトルクデバイス546を含んだ注入システム500の制御メカニズムは、関心のあるサイトにおいて針を安全に注入するためにリアルタイムの心エコー検査誘導との組み合わせで使われても良い。リアルタイムの心エコー検査誘導は、心筋穿孔の一次的防止のための視覚的フィードバックを提供する。最大針深さコントローラ540は、心筋穿孔の二次的防止として、近位機械的コントロールを提供する。治療薬は、遠位貯蔵部プランジャコントローラ548の使用によって、遠位貯蔵部506から注入針504を通して関心のあるサイトまで配送されることができる。
【0061】
図25、26および27は、発明の側面に従った経心内膜注入の画像誘導のための処理ステージのセットを描いているフロー図である。図25は、左心室壁中の梗塞した領域への治療薬の経心内膜注入のための処理ステージの例示的セットを示す。カテーテルは、逆行アプローチを介してステップ700で左心室チェンバーに配送される。カテーテルは、ステップ702で疑わしい梗塞をもった領域の撮像を可能とするように方向付けされる。ステップ704でベースライン画像のセットがそれから取得される。
【0062】
梗塞の領域は、ステップ706で同定される。ここで図26を参照すると、梗塞領域を同定するための処理ステージの例示的セットが描かれている。画像データが最初にステップ730で取得される。梗塞領域の同定は、血液および非血液組織へのステップ732での画像の区分と、ステップ734での撮像システムおよび超音波トランスデューサー効果についての画像データの補償と、ステップ736での組織分類子の計算と、最後にステップ738での梗塞領域の同定を含む。システムおよびトランスデューサー効果の補償は、組織分類の正確さを悪化させることができる超音波信号中の範囲に依存した振幅および周波数の変動を軽減する。図27は、組織分類子の計算のための処理ステージの例示的セットを示す。関心のある画像データが選択される750。積分された後方散乱と減衰勾配の組織パラメータが、それぞれステップ752と754で計算される。そのような組織分類子の計算は、超音波組織分類の当業者には周知である。決定ブロック756によって指し示されるように、プロセスは全ての関心のある画像データについて繰り返される。ここで図26を参照すると、計算された組織分類子は、ステップ738で梗塞領域を同定するのに使われる。梗塞した組織は、積分された後方散乱と減衰勾配のより高い値を有することが知られている。梗塞した組織に対応する組織分類子の範囲は、経験的に決定される。
【0063】
ここで再び図25を参照すると、注入カニューレは、ステップ708で梗塞のサイトにおいて配備され安定化される。注入針のための最大深さ限度が、ステップ710で設定される。針はそれから、ステップ712で心筋層中に注入される。治療薬が、ステップ714で心筋層中に注入される。針は、ステップ716で注入サイトから取り外され、必要に応じて決定ブロック718に引き続いて次の注入サイトにおいて再位置付けされる。
【0064】
本発明の特定の実施形態が示され記載されたが、変形がなされても良く、従って添付の請求項中に、それらの請求項によって規定された発明の真の精神と範囲内に入る全てのそのような変更および変形が、カバーされることが意図されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
心臓中に挿入されるように配置された遠位端と撮像コアを有する細長い本体であって、撮像コアは、心臓の視覚化を可能とするために心エコー検査画像を表す電気信号を提供するように遠位端において超音波エネルギーを送出し、反射された超音波エネルギーを受け取るように配置されているものと、
撮像コアと共に細長い本体上を搬送される注入器であって、注入器は、撮像コアによって視覚化された心臓の組織中に治療薬を注入するように配置されているものと、
を含む、一体化された心エコー検査能力をもった心室内注入カテーテル。
【請求項2】
細長い本体は、撮像コアの縦方向の位置付けを許容するための入れ子式セクションを含む、請求項1のカテーテル。
【請求項3】
撮像コアは、機械的に回転する撮像コアである、請求項1のカテーテル。
【請求項4】
細長い本体の遠位端が所望の方向に偏向することを引き起こす偏向システムを更に含む、請求項1のカテーテル。
【請求項5】
偏向システムは、操縦可能なガイド鞘を含む、請求項4のカテーテル。
【請求項6】
偏向システムは、偏向セクション鞘と、操縦リングと、少なくとも1つの操縦ワイヤと、偏向制御ノブを含む、請求項4のカテーテル。
【請求項7】
細長い本体は、ガイドワイヤを受け入れるガイドワイヤ管腔を含む、請求項1のカテーテル。
【請求項8】
ガイドワイヤ管腔は、カテーテルの細長い本体の遠位端にある、請求項7のカテーテル。
【請求項9】
ガイドワイヤ管腔は、遠位端の近位のカテーテルの細長い本体に沿って伸びる、請求項7のカテーテル。
【請求項10】
細長い本体は、撮像コア管腔と外側円周表面を含み、撮像コア管腔と外側円周表面は、細長い本体の円周の一部に渡って細長い本体の実質的に一様な壁厚を規定する、請求項1のカテーテル。
【請求項11】
撮像コアは、複数のトランスデューサーを含む、請求項1のカテーテル。
【請求項12】
カニューレ管腔を更に含み、注入器が、カニューレ管腔によって受け入れられたカニューレと、カニューレ内の注入針を含む、請求項1のカテーテル。
【請求項13】
カニューレは、超弾性材料で形成されている、請求項12のカテーテル。
【請求項14】
注入器を含んだ注入システムを更に含み、注入システムは近位ハンドルを含み、注入ハンドルは、カニューレを伸長し、注入針を前進させ、カニューレを越えた注入針の前進を制限し、カニューレを捩るための注入コントロールを含む、請求項12のカテーテル。
【請求項15】
注入針は、カニューレ内での注入針の前進を制限する端部ストップを含む、請求項12のカテーテル。
【請求項16】
注入器を含んだ注入システムを更に含み、注入システムは、カニューレ内の貯蔵部と治療薬を針中に強制的に入れるプランジャを更に含む、請求項12のカテーテル。
【請求項17】
注入器は、注入針のペアを含む、請求項12のカテーテル。
【請求項18】
注入器は、光ファイバー束と、注入された生体吸収性ポリマー溶液を光架橋するための紫外線光源を更に含む、請求項17のカテーテル。
【請求項19】
心臓中に挿入されるように配置された遠位端と撮像コアを有する細長い本体であって、撮像コアは、心臓の視覚化を可能とするために心エコー検査画像を表す電気信号を提供するように遠位端において超音波エネルギーを送出し、反射された超音波エネルギーを受け取るように配置されているものと、
撮像コアと共に細長い本体上を搬送される注入器であって、注入器は、撮像コアによって視覚化された心臓の組織中に治療薬を注入するように配置されているものと、
を含んだ、一体化された心エコー検査能力を有する心室内注入カテーテルを提供することと、
心臓の左心室中に心室内注入カテーテルを配送することと、
撮像コアを使って心臓の左心室壁を視覚化することと、
左心室の梗塞領域を同定することと、
注入器を使って左心室の視覚化された梗塞した領域中に治療薬を注入することと、
を含む、心臓の左心室壁中への治療薬の画像誘導された経心内膜注入を提供する方法。
【請求項20】
治療薬の逆流を防ぐために注入器で生体吸収性薬剤を注入する更なるステップを含む、請求項19の方法。
【請求項1】
心臓中に挿入されるように配置された遠位端と撮像コアを有する細長い本体であって、撮像コアは、心臓の視覚化を可能とするために心エコー検査画像を表す電気信号を提供するように遠位端において超音波エネルギーを送出し、反射された超音波エネルギーを受け取るように配置されているものと、
撮像コアと共に細長い本体上を搬送される注入器であって、注入器は、撮像コアによって視覚化された心臓の組織中に治療薬を注入するように配置されているものと、
を含む、一体化された心エコー検査能力をもった心室内注入カテーテル。
【請求項2】
細長い本体は、撮像コアの縦方向の位置付けを許容するための入れ子式セクションを含む、請求項1のカテーテル。
【請求項3】
撮像コアは、機械的に回転する撮像コアである、請求項1のカテーテル。
【請求項4】
細長い本体の遠位端が所望の方向に偏向することを引き起こす偏向システムを更に含む、請求項1のカテーテル。
【請求項5】
偏向システムは、操縦可能なガイド鞘を含む、請求項4のカテーテル。
【請求項6】
偏向システムは、偏向セクション鞘と、操縦リングと、少なくとも1つの操縦ワイヤと、偏向制御ノブを含む、請求項4のカテーテル。
【請求項7】
細長い本体は、ガイドワイヤを受け入れるガイドワイヤ管腔を含む、請求項1のカテーテル。
【請求項8】
ガイドワイヤ管腔は、カテーテルの細長い本体の遠位端にある、請求項7のカテーテル。
【請求項9】
ガイドワイヤ管腔は、遠位端の近位のカテーテルの細長い本体に沿って伸びる、請求項7のカテーテル。
【請求項10】
細長い本体は、撮像コア管腔と外側円周表面を含み、撮像コア管腔と外側円周表面は、細長い本体の円周の一部に渡って細長い本体の実質的に一様な壁厚を規定する、請求項1のカテーテル。
【請求項11】
撮像コアは、複数のトランスデューサーを含む、請求項1のカテーテル。
【請求項12】
カニューレ管腔を更に含み、注入器が、カニューレ管腔によって受け入れられたカニューレと、カニューレ内の注入針を含む、請求項1のカテーテル。
【請求項13】
カニューレは、超弾性材料で形成されている、請求項12のカテーテル。
【請求項14】
注入器を含んだ注入システムを更に含み、注入システムは近位ハンドルを含み、注入ハンドルは、カニューレを伸長し、注入針を前進させ、カニューレを越えた注入針の前進を制限し、カニューレを捩るための注入コントロールを含む、請求項12のカテーテル。
【請求項15】
注入針は、カニューレ内での注入針の前進を制限する端部ストップを含む、請求項12のカテーテル。
【請求項16】
注入器を含んだ注入システムを更に含み、注入システムは、カニューレ内の貯蔵部と治療薬を針中に強制的に入れるプランジャを更に含む、請求項12のカテーテル。
【請求項17】
注入器は、注入針のペアを含む、請求項12のカテーテル。
【請求項18】
注入器は、光ファイバー束と、注入された生体吸収性ポリマー溶液を光架橋するための紫外線光源を更に含む、請求項17のカテーテル。
【請求項19】
心臓中に挿入されるように配置された遠位端と撮像コアを有する細長い本体であって、撮像コアは、心臓の視覚化を可能とするために心エコー検査画像を表す電気信号を提供するように遠位端において超音波エネルギーを送出し、反射された超音波エネルギーを受け取るように配置されているものと、
撮像コアと共に細長い本体上を搬送される注入器であって、注入器は、撮像コアによって視覚化された心臓の組織中に治療薬を注入するように配置されているものと、
を含んだ、一体化された心エコー検査能力を有する心室内注入カテーテルを提供することと、
心臓の左心室中に心室内注入カテーテルを配送することと、
撮像コアを使って心臓の左心室壁を視覚化することと、
左心室の梗塞領域を同定することと、
注入器を使って左心室の視覚化された梗塞した領域中に治療薬を注入することと、
を含む、心臓の左心室壁中への治療薬の画像誘導された経心内膜注入を提供する方法。
【請求項20】
治療薬の逆流を防ぐために注入器で生体吸収性薬剤を注入する更なるステップを含む、請求項19の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図3A】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15A】
【図15B】
【図16A】
【図16B】
【図17】
【図18A】
【図18B】
【図19】
【図20】
【図21】
【図21A】
【図22】
【図23A】
【図23B】
【図24A】
【図24B】
【図25】
【図26】
【図27】
【図2】
【図3】
【図3A】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15A】
【図15B】
【図16A】
【図16B】
【図17】
【図18A】
【図18B】
【図19】
【図20】
【図21】
【図21A】
【図22】
【図23A】
【図23B】
【図24A】
【図24B】
【図25】
【図26】
【図27】
【公表番号】特表2012−533409(P2012−533409A)
【公表日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−521690(P2012−521690)
【出願日】平成22年7月16日(2010.7.16)
【国際出願番号】PCT/US2010/042220
【国際公開番号】WO2011/011269
【国際公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(512018221)
【出願人】(512018232)
【出願人】(512018243)
【出願人】(512018254)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月16日(2010.7.16)
【国際出願番号】PCT/US2010/042220
【国際公開番号】WO2011/011269
【国際公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(512018221)
【出願人】(512018232)
【出願人】(512018243)
【出願人】(512018254)
【Fターム(参考)】
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