説明

一体化された遠位端視覚化部を有する手持ち式の最小寸法にされた診断装置

一体化された遠位端視覚化部を有する手持ち式の最小寸法にされた診断装置が提供される。同じく提供されるのは、例えば、被検者の内部組織を視覚化するための、装置を含むシステム並びに装置を用いる方法である。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
実務者(practitioner)に対して、画像診断、例えば内視鏡検査の分野は、物体、内部機構などを観測するために必然的に貫入される被検者への最小限の損傷(disruption)で上述の物体及び内部機構を見ることを可能にした。こうしたイメージング・ツールは、限定はされないが医学の分野での使用及び適用を含む、詳細検査のための多様な状況で用いられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
例えば、医療分野での、イメージングを用いる場合の特定の課題は、多量の機器が典型的に要求されること、こうした機器のメンテナンス、及び他のシステムに接続するために要求されるケーブル敷設にある。従来技術にみられるイメージング・アプリケーションを実現するために必要とされる数多くの機器の中には、モニタ・システム、照明システム、及び電力システムが含まれる。加えて、これらのシステムは、小さな診療室又は手術室に永久的に又は半永久的にインストールされてもよく、例えば、これは前述の診療室又は手術室がイメージング機器の扱いにくさに適応するように潜在的に決して理想的ではないやり方で適合することを要求する。加えて、このイメージング・システムの構成要素の必要とされる設置の課題は、要求される場合に他の診療室又は手術室でのこうしたイメージング・システムの重複を要求する可能性がある。
【0003】
前述の問題をさらに悪くするのは、これらのイメージング・システムの構成要素の多くは、機能するのにケーブル敷設手段を使用しなければならないという要件である。電気的手段、光学的手段、及び機械的手段を伝導するこれらのケーブルは、例えば、手術室内の物体及び患者のような人に物理的に干渉する可能性がある。幾つかの事例において、あまり可撓性のない、光を透過するためのケーブル、例えば光ファイバ・ケーブルは、過度に曲げられると壊れる可能性があり、したがってイメージング・アプリケーションの結果を損ねる可能性がある。
【0004】
従来技術において見出されるイメージング技術に関する付加的な課題は、実務者からある距離に位置付けられる場合があるイメージングの外部監視の使用である。このような場合、実務者は、イメージング手段を異なる方向に物理的に導入し又は使用しながら、1つの方向へのイメージング・アプリケーションの監視を観測することを要求され、したがってイメージング・ツールの使用の詳細及び的確さを潜在的に損ねるであろう。
【0005】
こうしたイメージング・システムに伴う別の問題は、それらが外部電力を要求する可能性があることである。この電力は、電力出口及び要求される利用可能な電圧の場所の比較的近傍に位置付けられなければならない。様々な国は共通の電力アダプタ手段又は同じ電圧出力を共有しないため、これらのシステムの機能のために付加的なアダプタが使用されなければならない。
【0006】
イメージング・システムが直面する別の課題は、無菌状態及び再使用可能性の目標を満足させることである。イメージング・システムは、それらの意図された用途に使用されるようにするために滅菌されなければならない。装置を一度だけ用いることによって無菌状態を達成することができるが、こうした手法は浪費的である。しかしながら、装置を再使用することは、無菌状態を維持することに関する大きな課題を課す。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一体化された遠位端視覚化部を有する手持ち式の最小寸法にされた診断装置が提供される。同じく提供されるのは、例えば、被検者の内部組織を視覚化するための、装置を含むシステム並びに装置を用いる方法である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1A】ポータブル診断ツールの一実施形態の側面図である。
【図1B】図1Aのポータブル診断ツールの断面図である。
【図1C】図1Aのポータブル診断ツールの斜視図である。
【図1D】図1Aのポータブル診断ツールの分解図である。
【図1E】図1Aのポータブル診断ツールの斜視分解図である。
【図1F】材料、薬剤、及びインプラントを導入するためのポートを示す、図1Aのポータブル診断ツールの拡大側面図である。
【図1G】手持ち式制御ユニットに対しその軸に沿って細長い部材を回転させる目的のためのモータと細長い部材との間の歯車付き機構と、ハンド・ピースの遠位部内の、制御盤へのモニタ、照明、カメラ、及びモータの接続部とを示すために、装置・ハウジングの上部が除去されている、図1Aのポータブル診断ツールの斜視図である。
【図1H】手持ち式制御ユニットに対しその軸に沿って細長い部材を回転させる目的のためのモータと細長い部材との間の摩擦ベースの駆動接続部を示す、図1Gのポータブル診断ツールのモータ接合部への細長い部材の一実施形態である。
【図1I】図1Dのポータブル診断ツールの制御盤、電子装置、接続部、ボタン、及び切換え制御の斜視図である。
【図1J】手持ち式制御ユニットから接続解除された装置の細長い部材部分を示す、図1Aのポータブル診断ツールの側面図である。
【図1K】手持ち式制御ユニットから接続解除された装置のカテーテル部分と接続解除された装置のモニタ部分とを示す、図1Aのポータブル診断ツールの側面図である。
【図2A】カメラ、照明、プリズムレンズ、及び電気接続部を示す、図1Aのポータブル診断ツールの細長い部材の遠位先端部の断面図である。
【図2B】図2Aのカテーテルの遠位先端部内の画像フィルタの実施形態を示す図である。
【図2C】図2Aの細長い部材の遠位先端部内の画像フィルタの別の実施形態を示す図である。
【図2D】カメラ、照明、平面カバーレンズ、及び電気接続部を示す図1Aのポータブル診断ツールの細長い部材の遠位先端部の断面図である。
【図2E】図2Dのカテーテルの遠位先端部内の一実施形態に係る画像フィルタ構成を示す図である。
【図2F】図2Dのカテーテルの遠位先端部内の一実施形態に係る別の画像フィルタ構成を示す図である。
【図3A】カメラと一体化された照明器との間の偏心配置を示す、図1Aのポータブル診断ツールの細長い部材の遠位先端部の正面図である。
【図3B】センサ又はポートの付加的な配置を伴う、カメラと一体化された照明器との間の偏心配置を示す、図1Aのポータブル診断ツールの細長い部材の遠位先端部の正面図である。
【図3C】カメラと一体化された照明器との間の同心配置を示す、本発明のポータブル診断ツールの細長い部材の遠位先端部の正面図である。
【図3D】センサ又はポートの付加的な配置を伴う、カメラと一体化された照明器との間の同心配置を示す、本発明のポータブル診断ツールの細長い部材の遠位先端部の正面図である。
【図3E】本発明の一実施形態に係る細長い部材の遠位先端部に位置付けられ且つ制御盤に接続されるセンサの配線図を示す、図1Aのポータブル診断ツールの上部の断面図である。
【図3F】一実施形態に係る細長い部材の遠位先端部に位置付けられ且つ図1Fのポートに接続されるポートの導管図を示す、図1Aのポータブル診断ツールの上面図の断面図である。
【図4A】一体化されたモニタカバー、制御部カバー、除去可能な細長い部材への接続部、及びシール可能な開口部を示す、図1Aのポータブル診断ツールのための滅菌鞘の実施形態の側面図である。
【図4B】一体化された制御部カバー、除去可能な細長い部材への接続部、及びシール可能な開口部を示す、図1Aのポータブル診断ツールのための滅菌鞘の実施形態の側面図である。
【図4C】図1Iのモニタの上の一体化されたモニタカバーと、図1Iの制御部の上の一体化された制御部カバーとを示す、図1Iの細長い部材が取り外された状態のポータブル診断ツールを包囲する図4Aの滅菌鞘の側面図である。
【図4D】図1Aのポータブル診断ツールの形状に適合し、且つ図4Aの開口部がシールされる、図4Aの滅菌鞘の側面図である。
【図4E】モニタが除去されているが図1Aの場合と同様にカテーテル・ピースが取り付けられており且つ図4Bの開口部がシールされる、図1Jのポータブル診断ツールの形状に適合する図4Bの滅菌鞘の側面図である。
【図4F】モニタが除去されており且つハンド・ピース上に位置付けられるモニタ・マウントが除去されているが図1Aの場合と同様に細長い部材が取り付けられており且つ図4Bの開口部がシールされる、図1Jのポータブル診断ツールの形状に適合する図4Bの滅菌鞘の側面図である。
【図5AB】A:制御ケーブルを備えた図1Aの細長い部材の軸に対し直線の配向である可撓性の細長い部材区域の一実施形態を示す図である。B:制御ケーブルを備えた図1Aの細長い部材の軸に対し屈曲した又は曲がった配向である可撓性の細長い部材区域の一実施形態を示す図である。
【図5C】図1Aの細長い部材の軸に対し屈曲した配向である細長い部材の一実施形態を示す図である。
【図6A】一実施形態に係る、細長い部材の遠位端に同心に位置付けられた環状部材と環状部材を作動させるためのケーブル手段とを含む薄型の(low−profile)生検ツールを示す、図2Dの細長い部材の遠位先端部の断面図である。
【図6B】細長い部材の遠位端に同心に位置付けられた環状部材と前者を作動させるためのケーブルとを含む薄型の生検ツールを示す、図2Dの細長い部材の遠位先端部の側面図である。
【図7】細長い部材の先端部に同心に位置付けられた薄型のカッターを示す、図2Dのカテーテルの遠位先端部の断面図である。
【図8】細長い部材内の作業チャネルの中にスライド可能に存在し、且つ図1Aのポータブル診断装置が除去された後で組織部位の中に配置し且つ残ることができるセンサの一実施形態を例証する、図3Fのカテーテルの遠位先端部の斜視図である。
【図9】図1Aのポータブル診断装置に対する電子制御スキーマの実施形態を示すブロック図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る立体鏡イメージング・モジュールの機能ブロック図である。
【図11】A:単一の視覚化センサで得られる場合があるオフセット観測を例証する図である。B:2つの視覚化センサで得られる場合があるオフセット観測を例証する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
一体化された遠位端視覚化部を有する手持ち式の最小寸法にされた診断装置が提供される。同じく提供されるのは、例えば、被検者の内部組織を視覚化するための、装置を含むシステム並びに装置を用いる方法である。
【0010】
本発明がさらに詳細に説明される前に、この発明は、もちろん変化する可能性があるものとして、説明された特定の実施形態に限定されないことが理解される。本明細書で用いられる用語は、特定の実施形態を説明する目的のためだけのものであって、本発明の範囲が付属の請求項によってのみ制限されることになるため、限定するものとなることを意図されないことも理解される。
【0011】
値の範囲が提供される場合、該範囲の上限と下限との間であって文脈上他の意味に明白に規定される場合を除き下限の単位の少数第1位までの中間にある各値、及び該表記された範囲内のあらゆる他の表記された値又は中間にある値は、本発明内に包含されることが理解される。これらのより小さい範囲の上限及び下限は、表記された範囲内で明確に除外される限界のすべてに従うことを条件として、該より小さい範囲に独立して含まれてもよく、且つまた本発明内に包含される。表記された範囲が限界の一方又は両方を含む場合、これらの含まれた限界のいずれか又は両方を除外する範囲もまた本発明に含まれる。
【0012】
他に定めのない限り、本明細書で用いられるすべての技術用語及び科学用語は、この発明が属する技術分野の当業者によって通例理解されるものと同じ意味をもつ。本明細書に記載のものと類似した又は等価なあらゆる方法及び材料もまた本発明の実践又は試験に用いることができるが、代表的な例証となる方法及び材料がここで説明される。
【0013】
本明細書で挙げられたすべての刊行物及び特許は、個々の各刊行物又は特許が参照により組み入れられるように特異的に及び個々に示されたかのように参照により本明細書に組み入れられ、且つ挙げられた刊行物との関連において方法及び/又は材料を開示し及び説明するために参照により本明細書に組み入れられる。あらゆる刊行物の引用は、出願日よりも前のその開示のためであって、先発明を理由として本発明がこうした公開より先である資格がないことを認めるものと解釈されるべきではない。さらに、提供された公開日は、実際の公開日とは異なる場合があり、独立して確認される必要がある場合がある。
【0014】
本明細書及び付属の請求項で用いられる、単数形の「ひとつの(a、an)」、及び「該、前記(the)」は、文脈上他の意味に明白に規定される場合を除き、複数形の指示対象を含むことに留意されたい。請求項は、あらゆる随意的な要素を除外するように起草されてもよいことにさらに留意されたい。従って、この記述は、請求項の要素の列挙又は「消極的な」限定の使用との関連において「単独で」、「のみ」などのような排他的用語の使用のための先行詞基準として作用することを意図される。
【0015】
本開示を読めば当業者には明らかとなるように、本明細書で説明され例証される個々の実施形態の各々は、本発明の範囲又は精神から逸脱することなく他の幾つかの実施形態のいずれかの機能部から容易に分離され又はいずれかの機能部と組み合わされてもよい個別の構成要素及び機能部を有する。あらゆる列挙される方法は、列挙される事象の順番で又は論理的に可能なあらゆる他の順番で実行することができる。
【0016】
本発明の種々の態様をさらに説明するにあたり、被検者組織視覚化装置及びシステムの実施形態の態様が最初にさらに詳細に説明される。次に、被検者組織視覚化システムが使い道を見出す可能性がある被検者の内部対象組織を視覚化する方法の実施形態がさらに詳細に概説される。
【0017】
組織視覚化装置及びシステム
上記で要約されたように、本発明の態様は、内部組織視覚化システムを含む。内部組織視覚化システムは、被検者の内部組織部位を視覚化するように構成される視覚化システムである。従って、システムは、生体のような体内の組織部位の画像をユーザに提供するように構造化され又は設計される。従って、本発明のシステムの態様は、内部対象組織部位、例えば、椎間板(IVD)の近く又は内部の脊柱の場所を視覚化するのに有用な内部組織視覚化装置を含む。本発明のシステムの実施形態の内部組織視覚化装置は、装置の少なくとも遠位端が最小限に侵襲的な身体開口部を通ることができるように寸法設定される。従って、これらの実施形態の装置の少なくとも遠位端は、例えば、20mm以下の外径を有するアクセス装置に対して使用される切開のサイズよりも小さいもの、例えば、こうした切開のサイズの75%未満のもの、こうした切開のサイズの50%未満のようなもの、又はそれ以下のものである、最小限の切開を通して、患者の内部対象部位、例えば、椎間板の近く又は内部の脊柱の場所に導入されてもよい。
【0018】
上記で要約されたように、本発明のシステムの内部組織視覚化装置は、細長い部材と、手持ち式制御ユニット(以下でさらに説明するようにプローブ・ピース及びハンド・ピースのような)とを含む。細長い部材に関して、装置のこの構成要素は、例えば、その幅の20倍以上、その幅の30倍以上、又はもっと長い幅のような、その幅の5ないし10倍以上を含む、その幅の2倍以上など、その幅の1.5倍以上の長さを有する。細長い部材の長さは変化してもよく、幾つかの状況において、5cmから20cmまでの、7.5cmから15cmのような、及び10〜12cmを含む範囲である。細長い部材は、その全長に沿って同じ外側断面寸法(例えば、直径)を有してもよい。代替的に、断面直径は、細長い部材の長さに沿って変化してもよい。
【0019】
幾つかの状況において、装置の細長い部材の少なくとも遠位端領域は、Cambinの三角形を通るように寸法設定される。遠位端領域とは、1cm以上の、3cm以上のような、5cm以上を含む、遠位端で始まる細長い部材の長さを意味し、この場合、細長い部材は、その全長に沿って同じ外径を有してもよい。Cambinの三角形(当該技術分野ではPambinの三角形としても公知である)は、出て行く神経根及び横行する神経根と椎間板とによって境界付けられる解剖学的脊柱構造体である。出て行く神経根は、脊柱管の真頭方向に(just cephalad)(上に)椎間板を出る神経根であり、横行する神経根は、脊柱管の真尾方向に(just caudad)(下に)椎間板を出る神経根である。細長い部材の遠位端がCambinの三角形を通るように寸法設定される場合、装置の少なくとも遠位端は、10mm以下の、8mm以下のような、及び7mm以下を含む、最も長い断面寸法を有する。幾つかの状況において、装置は、少なくともその遠位端領域において、5.0mm以下の、4.0mm以下のような、3.0mm以下を含む外径を有する細長い部材を含む。
【0020】
被検者組織視覚化装置の細長い部材は、近位端と遠位端とを有する。使用中に、本明細書で用いられる場合の「近位端」という用語は、(組織修正(modification)処置において装置を作動させる医師のような)ユーザにより近い方の細長い部材の端部のことを指し、本明細書で用いられる場合の「遠位端」という用語は、被検者の内部対象組織により近い方の細長い部材の端部のことを指す。近位端はまた、装置の手持ち式制御ユニットに作動関係で結合される端部である(以下でさらに詳細に説明される)。細長い部材は、幾つかの状況において、細長い部材の近位端に十分な力がかかるときに遠位端が組織に押し通されることを可能にするのに十分なだけの剛性のある構造体である。従って、これらの実施形態において、細長い部材は、少なくともどんな顕著な程度にまでも柔軟又は可撓性ではない。
【0021】
上記で要約されたように、視覚化装置は、視覚化センサが細長い部材と一体化されるように細長い部材の遠位端で一体化される視覚化センサを含む。視覚化センサは細長い部材と一体化されるので、視覚化センサは、細長い部材の構造及び機能性を大きく損ねることなしに細長い部材の残りから除去することはできない。したがって、本発明の装置は、別個の自律型装置がそれに通される「作業チャネル(working channel)」を含む装置とは区別される。こうした装置とは対照的に、本発明の装置の視覚化センサは細長い部材と一体化されるため、これは、細長い部材の作業チャネルの中に単に存在している、細長い部材とは別個の、且つ細長い部材を多少なりとも構造的に損ねることなしに、こうした細長い部材の作業チャネルから除去することができる装置ではない。視覚化センサは、種々の異なる構成によって細長い部材と一体化されてもよい。一体化された構成は、視覚化センサが細長い部材の遠位端に対し固定される構成、並びに、視覚化センサが細長い部材の遠位端に対し或る程度動くことができる構成を含む。視覚化センサが細長い部材の遠位端に対して動くように提供されてもよいが、遠位端で一体化される照明器のような遠位端に存在している別の構成要素に対しては固定される。関心ある具体的な構成は、図面との関連において以下でさらに説明される。
【0022】
関心ある視覚化センサは、その意図された使用のために十分なだけ小さい断面積を有し、なおかつ十分に高いマトリクス分解能を保持する、小型のイメージング・センサを含む。関心あるイメージング・センサは、集積回路のような回路構成要素に結合された、感光性構成要素、例えば、光を電子に変換する感光性要素のアレイを含むものである。集積回路は、感光性アレイから信号を得て積算(integrate)し、且つ画像データを出力するように構成されてもよく、画像データは、次に、データを受信し且つこれをユーザに表示するように構成される体外の装置に搬送されてもよい。これらの実施形態の画像センサは、集積回路画像センサとして見られてもよい。これらのセンサの集積回路構成要素は、画像信号処理、メモリ、及び視覚化センサから体外の場所にデータを伝送するデータ伝送回路などを含むがこれらに限定はされない、種々の異なるタイプの機能性を含んでもよい。小型のイメージング・センサは、モジュールに存在していてもよく、モジュールは、ハウジング、感光性構成要素上に画像を合焦するように感光性構成要素に対して位置決めされる1つ又は複数のレンズからなるレンズ構成要素、1つ又は複数のフィルタ、偏光部材(polarized member)などのうちの1つ又は複数をさらに含む。関心ある小型のイメージング・センサの具体的なタイプは、相補型金属酸化物−半導体(CMOS)センサ及び電荷結合素子(CCD)センサを含む。センサは、円形、四角形、矩形などを含むあらゆる便利な構成を有してもよい。関心ある視覚化センサは、特定の実施形態に応じて変化する最も長い断面寸法を有してもよく、この場合、幾つかの状況において、最も長い断面寸法(例えば、直径)は、4.0mm以下、3.5mm以下のような、3.0mm以下を含む、2.5mm以下のような、2.0mm以下を含む、1.5mm以下を含む、1.0mm以下を含むものである。所与のイメージング・モジュール内で、センサ構成要素は、モジュールのレンズ(単数又は複数)から或る距離に位置付けられてもよく、この場合、この距離は、10mm以下のような、7mm以下を含む、例えば、6mm以下で変化してもよい。
【0023】
関心あるイメージング・センサは、正面又は背面照明センサのいずれであってもよく、且つ、本発明の装置の細長い部材の遠位端で一体化されるのに十分な機能性を維持しながら十分に小さい寸法を有してもよい。これらのセンサの態様は、以下の米国特許、すなわち、第7,388,242号、第7,368,772号、第7,355,228号、第7,345,330号、第7,344,910号、第7,268,335号、第7,209,601号、第7,196,314号、第7,193,198号、第7,161,130号、及び第7,154,137号の1つ又は複数でさらに説明され、それらの開示内容は参照により本明細書に組み入れられる。
【0024】
上記で要約されたように、視覚化センサは、視覚化センサが遠位端視覚化センサであるように、細長い部材の遠位端に位置付けられる。これらの状況において、視覚化センサは、細長い部材の遠位端に又はその付近に位置付けられる。したがって、遠位端に対し3mm以下の、遠位端に対し2mm以下のような、遠位端に対し1mm以下を含む位置に位置決めされる。幾つかの状況において、視覚化センサは、細長い部材の遠位端に位置付けられる。視覚化センサは、必要に応じて前方の観測及び/又は側方の観測を提供してもよい。したがって、視覚化センサは、細長い部材の遠位端から順方向に見られる場合の画像データを提供するように構成されてもよい。代替的に、視覚化センサは、細長い部材の側部から見られる場合の画像データを提供するように構成されてもよい。さらに他の実施形態において、視覚化センサは、例えば、画像センサが細長い部材の縦軸に対し90度よりも小さい角度をなして面する場合に、前方と側方との両方から画像データを提供するように構成されてもよい。
【0025】
視覚化センサの構成要素、例えば、集積回路、1つ又は複数のレンズなどが、ハウジング内に存在していてもよい。ハウジングは、あらゆる便利な構成を有してもよく、この場合、センサの場所、センサの観測方向などに基づいて特定の構成が選定されてもよい。ハウジングは、あらゆる便利な材料から製作されてもよい。幾つかの状況において、非導電性材料、例えば、ポリマー材料が使用される。
【0026】
視覚化センサは、システムの画像表示装置のような体外の装置に画像データを搬送するための機能性をさらに含んでもよい。幾つかの状況において、例えば、細長い部材の長さに沿って遠位端から近位端まで走る一又は複数のワイヤの形態で、細長い部材の遠位端の視覚化センサを近位端の装置に接続する有線接続部が、例えば、信号ケーブル(又は他のタイプの信号搬送要素)の形態で存在していてもよい。幾つかの状況において、視覚化センサは、視覚化センサを細長い部材の近位端の場所に導電的に接続する導電部材(例えば、ケーブル又は類似の構造体)に結合される。代替的に、例えば、細長い部材の遠位端に位置決めされてもよい(細長い部材に沿った或る位置で又は装置の近位端で、例えば、細長い部材の近位端の又は装置のハンドルと関連付けられた場所で視覚化センサに一体化されたものを含む)無線データ送信器に視覚化センサが作動関係で結合される場合、無線通信プロトコルが使用されてもよい。
【0027】
所望の場合、装置は、例えば、上記で説明されたように対象組織の場所を視覚化センサで視覚化することができるように、対象組織の場所を照らすように構成される1つ又は複数の照明要素を含んでもよい。それらの寸法がそれらを細長い部材の遠位端に位置決めすることができるようなものである限り、種々の異なるタイプの光源が照明要素(本明細書では照明器とも呼ばれる)として使用されてもよい。光源は、構成要素の構造を大きく損ねることなしに光源要素を構成要素の残りから除去することができないように構成要素に対して構成されるように、所与の構成要素(例えば、細長い部材)と一体化されてもよい。従って、これらの実施形態の一体化された照明器は、照明器と構成要素の残りが相互に関係のある全体を形成するように、構成要素の残りから容易に取り外し可能ではない。光源は、所望の波長範囲の光を放出するように構成される発光ダイオード(LED)、又は細長い部材の遠位端以外の場所、例えば、細長い部材の近位端における場所から細長い部材の遠位端に所望の波長範囲の光を搬送するように構成される光搬送要素、例えば、光ファイバであってもよい。光源、例えばLEDの物理的な場所は、細長い部材、手持ち式制御ユニットなどにおけるあらゆる場所で変化してもよい。
【0028】
画像センサと同様に、光源は、体外の場所、例えば、体外の制御装置から光源の電力及び制御を提供するために、細長い部材の長さを走る伝導要素、例えば、ワイヤ、又は光ファイバを含んでもよい。
【0029】
所望の場合、光源は、対象組織部位の一様な照明を提供するために拡散要素を含んでもよい。光源からの光がそれを通過し、したがって拡散される、半透明のカバー又は層(あらゆる便利な半透明の材料から製作される)を含むがこれに限定されない、あらゆる便利な拡散要素が使用されてもよい。システムが2つ又はそれ以上の照明要素を含む場合の本発明の実施形態において、照明要素は、同じ波長の光を放出してもよく、又はそれらはスペクトル的に別個の光源であってもよく、この場合、「スペクトル的に別個の」とは、光源が白色光及び赤外光のような実質的に重ならない波長での光を放出することを意味する。或る実施形態において、同時継続中の米国特許出願整理番号第12/269,770号及び第12/269,772号(その開示内容は参照により本明細書に組み入れられる)で説明されるような照明構成が装置に存在する。
【0030】
遠位端で一体化される照明器は、あらゆる便利な構成を有してもよい。関心ある構成は、円形、卵形、矩形(四角形を含む)、不規則な形状などを含むがこれらに限定されない、種々の断面形状を有する。幾つかの状況において、一体化された照明器の構成は、細長い部材の遠位端で利用可能な全体として最小の断面積内で2つの構成要素の断面積が最大になるように、一体化された視覚化センサの構成と適合するように構成される。例えば、一体化された視覚化センサ及び照明器の構成は、一体化された視覚化センサが、細長い部材の遠位端の利用可能な断面積の第1の部分(細長い部材の遠位端の利用可能な全断面積の50%又は60%以上を含む40%以上のような)を占領する可能性があり、且つ一体化された照明器が、断面積の残りの60%以上、70%以上又は80%以上のような断面積の残りの大部分を占領する可能性のあるようなものであってもよい。
【0031】
1つの関心ある構成において、一体化された照明器は三日月形の構成を有する。三日月形の構成は、細長い部材の壁及び円形の視覚化センサと適合するように構成される寸法を有してもよい。別の関心ある構成において、一体化された照明器は、例えば、以下でさらに詳細に説明されるように、例えば、細長い部材の内壁と適合する又は細長い部材の壁を構築する場合に、環状の構成を有する。この構成は、視覚化センサが細長い部材の遠位端の中央に位置決めされる場合に関心あるものであってもよい。
【0032】
幾つかの状況において、細長い部材は、近位端の光源から細長い部材の遠位端に光を伝導するように構成される環状の壁を備える。この環状の壁の遠位端は、上記で説明されたように一体化された照明器として見られてもよい。これらの状況において、環状の壁を集合的に構成する細長い構造体の壁は、遠位端から離れた光源から、例えば、近位端から遠位端に光を伝導する半透明の材料から製作される。所望の場合、例えばLEDのような遠隔の光源から提供された光を近位端で装置の遠位端に内部的に反射するために、半透明の細長い部材の外側に反射コーティングが提供されてもよい。あらゆる便利な反射コーティング材料が使用されてもよい。
【0033】
同じく関心あるものは、近位端の光源から細長い部材の遠位端に光を伝導するように構成される、流体が充填される構造体を含む一体化された照明器である。こうした構造体は、近位端の光源から細長い構造体の遠位端まで細長い構造体の長さに沿って延びる管腔であってもよい。存在するときに、こうした管腔は、幾つかの状況において、0.5から4.0mmまでの、0.5〜3.5mmのような、0.5〜3.0mmを含む範囲で変化する最も長い断面を有してもよい。管腔は、必要に応じて、円形、四角形、矩形、三角形、半円形、台形、不規則な形状などを含むがこれらに限定されない、あらゆる便利な断面形状を有してもよい。流体が充填される構造体は、あらゆる便利な半透明の流体が充填されてもよく、この場合、関心ある流体は、水性の流体、例えば、水、生理食塩水など、重鉱油のような有機流体、(例えば、約0.86よりも大きい又はこれに等しい、好ましくは約0.86から0.905までの間の比重を有する鉱油)などを含む。
【0034】
上記で示されたように、一体化された照明器の或る状況は、細長い部材に一体化された光搬送構造体、例えば、近位端の光源に結合される光ファイバ、光伝導性の環状の壁、光を伝導する流体が充填される構造体などで構築される。幾つかの状況において、近位端の光源は、前方焦点(forward focused)LEDである。関心あるものは、こうした実施形態において、高輝度LED、例えば、100mcd以上の、300mcd以上のような、幾つかの状況において500mcd以上、1000mcd以上、1500mcd以上の輝度を有するLEDである。幾つかの状況において、輝度の範囲は、100から2000mcdまでの、300〜1500mcdのような範囲である。LEDは、前方集束レンズと結合されてもよく、これは次に、光搬送構造体と結合される。
【0035】
幾つかの状況において、近位端のLEDは、LEDによって放出される光の実質的にすべてが、すべてではないにしても、光搬送構造体に入力されるような方法で光搬送構造体と結合されてもよい。代替的に、LEDと集束レンズは、LEDによって放出される光の少なくとも一部が細長い部材の外表面に沿って導かれるように構成されてもよい。これらの状況において、前方焦点発光ダイオードは、細長い部材の外表面に沿って光を導くように構成される。従って、近位端のLEDからの光は、細長い部材の外表面に沿って細長い部材の遠位端に移行する。
【0036】
幾つかの状況において、本発明の組織視覚化装置は、一体化された照明器から視覚化センサへの光の直接結合を減少させるように構成される。言い換えれば、装置は、細長い構造体の遠位端における一体化された照明器によって放出される光の実質的にすべてが、すべてではないにしても、視覚化センサに直接届くのを防がれるような構造体である。このように、視覚化センサに届く光の大部分は、すべてではないにしても、反射光であり、該反射光は、視覚化センサによって画像データに変換される。一体化された照明器からの光が一体化された視覚化センサに直接届くのを実質的に防ぐために、抑制しないまでも、装置は、遠位端の偏光部材を含んでもよい。遠位端の偏光部材とは、一体化された視覚化センサに直接届く一体化された照明器からの光を除去しないまでも減少させる所望の目的を達成するのに十分な或る方法で偏光されている構造体又は構造体の組合せを意味する。一実施形態において、LEDからの光は、これが細長い部材の遠位先端部におけるレンズ又はプリズムに入る際に、第1の偏光子によって(直線又は円)偏光される。CMOSセンサのような視覚化センサはまた、その真正面に偏光子を有し、この第2の偏光子は、プリズムの外表面によって視覚化センサの中に反射されるあらゆる光がこの偏光子によって阻止されることになるように、第1の偏光子と相補的なものである。第1の偏光子を通過し、且つ周囲組織によって反射される光は、この光のほぼ半分が第2の偏光子を通過して視覚化センサに届き、且つ画像データに変換されることになるように、不規則な偏光を有するであろう。遠位端の偏光部材は、以下でさらに詳細に説明されるように、例えば、前方を観測する細長い部材のためのカバーレンズ、又は例えば、細長い部材を軸外観測(off−axis viewing)するためのプリズムであってもよい。
【0037】
幾つかの状況において、細長い部材の遠位端は、視覚化センサが細長い部材の縦軸と平行ではない視野からデータを得るように構成される、軸外の視覚化モジュールを含む。軸外の視覚化モジュールでは、視覚化センサの視野は、細長い部材の縦軸に対し或る角度をなし、この角度は、幾つかの状況において5から90度までの、45〜75度のような範囲、例えば、30度であってもよい。軸外の視覚化モジュールは、軸外の視野から光を集光し、且つ集光した光を視覚化センサに搬送する、あらゆる便利な光ガイドを含んでもよい。幾つかの状況において、軸外の視覚化モジュールはプリズムである。
【0038】
特定の装置の実施形態に応じて、細長い部材は、その長さに沿って少なくとも部分的に延びる1つ又は複数の管腔を含んでもよいし、又は含まなくてもよい。存在するときに、管腔は、直径が変化してもよく、以下でさらに詳細に概説されるように、洗浄、吸引、電気的分離(例えば、ワイヤのような導電部材の)のような種々の異なる目的のために機械的ガイドなどとして使用されてもよい。存在するときに、こうした管腔は、幾つかの状況において0.5から5.0mmまでの、1.0〜4.5mmのような、1.0〜4.0mmを含む範囲で変化する最も長い断面を有してもよい。管腔は、必要に応じて、円形、四角形、矩形、三角形、半円形、台形、不規則な形状などを含むがこれらに限定されないあらゆる便利な断面形状を有してもよい。これらの管腔は、以下でさらに詳細に説明されるように、細長い部材の遠位端への装置、組成物などのアクセスを提供するための搬送構造体としての機能を含む、種々の異なる機能を提供してもよい。こうした管腔は「作業チャネル」として使用されてもよい。
【0039】
幾つかの実施形態において、細長い部材が遠位端の関節のために構成されるように、細長い部材の少なくとも遠位端又はその構成要素に操縦性を付与する一体化された関節機構もまた装置に存在している。「操縦性」とは、例えば、手持ち式制御ユニット上の装置の近位端に位置決めされた制御部を用いることによって、処置の間に必要に応じて細長い部材の遠位端又はその構成要素を操作する又は方向付ける能力を意味する。これらの実施形態において、装置は、所望の細長い部材の遠位端又はその構成要素を近位端の制御部を通じて必要に応じて操作可能にする、操縦機構(若しくは細長い部材の遠位端に位置付けられた1つ又は複数の要素)を含む。従って、本明細書で用いられる場合の「操縦性」という用語は、最初の方向に対し左、右、上、又は下に動かすことなどによる所望の方法で方向を変化させる能力のような操縦機能をユーザに提供する機構のことを指す。操縦機能は、種々の異なる機構によって提供することができる。適切な機構の例は、形状記憶材料、ピアノ線などのような適切な材料から作成された1つ又は複数のワイヤ、管、プレート、メッシュ、又はその組合せを含むがこれらに限定されない。
【0040】
幾つかの状況において、以下でさらに詳細に解説するように、作動しているハンドルの大部分が固定の位置に維持されるときに、これがその縦軸を中心として独立して回転することを可能にする別個の付加的な機能をもつ細長い部材の遠位端が提供される。本発明の遠位構成要素の関節運動の度合いは、−180から+180度までのような、例えば、−90〜+90度で変化してもよい。代替的に、遠位プローブ先端部の関節運動は、例えば、以下でさらに詳細に説明されるように、角度の全範囲がプローブの軸のいずれかの側でアクセス可能であるように、プローブ全体がその軸を中心として回転することを前提として、0から360度まで、0〜+180度のような、0〜+90度を含む範囲であってもよい。細長い部材の回転は、以下でさらに詳細に説明されるように、例えば、モータの使用を通じて、あらゆる便利な手法を介して達成されてもよい。関心ある関節機構は、その開示内容が参照により本明細書に組み入れられる、公開されたPCT出願公開第WO2009029639号、第WO2008/094444号、WO第2008/094439号、及びWO第2008/094436号でさらに説明される。関心ある具体的な関節構成は、以下で図面との関連において、並びに、その開示が参照により本明細書に組み入れられる米国特許出願整理番号第12/422,176号で、さらに説明される。
【0041】
上記で要約されたように、本発明の内部組織視覚化装置は、それに細長い部材が作動可能に接続される手持ち式制御ユニットをさらに含む。「作動可能に接続される」とは、1つの構造体が、別の構造体と連通(例えば、機械接続、電気接続、光接続、又はこれに類似の接続)していることを意味する。手持ち式制御ユニットは、細長い構造体の近位端、したがって装置の近位端に位置付けられる。制御ユニットは手持ち式であるので、これは、成人の手で容易に保持されるように構成される。したがって、手持ち式制御ユニットは、成人の手で握るのに適した構成を有してもよい。手持ち式制御ユニットの重さは変化してもよいが、幾つかの状況において、0.5〜3lbsのような0.5から5lbsまでの範囲である。手持ち式制御ユニットは、1つ又は複数の制御ボタンを備えた手持ち式の杖(wand)、引き金を備えた手持ち式の銃などのようなあらゆる便利な構成を有してもよく、適切なハンドル構成の例は、以下でさらに提供される。
【0042】
幾つかの状況において、手持ち式制御ユニットは、モニタを含んでもよい。モニタとは、画像及び/又はテキストの形態の視覚データをユーザに表示するスクリーンを含む視覚表示ユニットを意味する。スクリーンは変化してもよく、関心あるスクリーンのタイプはLCDスクリーンである。モニタは、存在するときに、手持ち式制御ユニットの残りと一体化されてもよく、又は手持ち式制御ユニットの残りから除去可能であってもよい。従って、幾つかの状況において、モニタは、モニタを或る様式で損傷することなくこれを手持ち式制御ユニットから分離することができないように、手持ち式制御ユニットと一体化された構造体であってもよい。さらに他の実施形態において、モニタは、除去可能なモニタであってもよく、この場合、モニタは、手持ち式制御ユニットに取り付けることができ、且つ必要に応じてモニタの機能を損傷することなく手持ち式制御ユニットから分離することができる。こうした実施形態において、モニタと手持ち式制御ユニットは、手持ち式制御ユニットがモニタの支柱を受け入れるように構成される穴を含む場合、モニタが手持ち式制御ユニットの受け入れ構造体上に嵌められるように構成される構造体を有する場合などに、種々の異なる嵌合構成を有してもよい。モニタは、存在するときに、手持ち式制御ユニットと共に用いるのに十分な寸法を有することになり、この場合、関心あるスクリーン・サイズは、10インチ以下、es以下のような(such es or smaller)、例えば、5インチ以下、例えば、3.5インチなどを含んでもよい。
【0043】
モニタと手持ち式制御ユニットの残りとの間のデータ通信は、あらゆる便利な構成に従って達成されてもよい。例えば、モニタと手持ち式制御ユニットの残りの構成要素は、1つ又は複数のワイヤによって接続されてもよい。代替的に、2つの構成要素は、無線通信プロトコルを介して互いに通信するように構成されてもよい。これらの実施形態において、モニタは、無線通信モジュールを含むであろう。
【0044】
幾つかの実施形態において、細長い部材の遠位端は、手持ち式制御ユニットの大部分が固定の位置に維持されるときに、その縦軸を中心として回転可能である。従って、細長い部材の少なくとも遠位端は、細長い部材の近位端に取り付けられた手持ち式制御ユニットが固定位置にとどまっている状態で或る程度回ることができる。所与の装置における回転の度合いは変化してもよく、0から360度、0〜270度のような、0〜180度を含む範囲であってもよい。回転は、存在するときに、あらゆる便利な手法によって、例えば、モータの使用を通じて提供されてもよい。
【0045】
本発明の装置は、使い捨てであってもよいし、又は再使用可能であってもよい。従って、本発明の装置は、全体的に再使用可能であってもよい(例えば、多目的装置であってもよい)し、又は(例えば、装置のすべての構成要素が使い切りである場合)全体的に使い捨てであってもよい。幾つかの状況において、装置は、(例えば、すべての構成要素を限られた回数だけ再使用することができる場合)全体的にリポーザブル(reposable)とすることができる。装置の構成要素の各々は、個々に使い切りのもの、限られた回数だけ再使用可能なもの、又は無期限に再使用可能なものであってもよく、結果として異なる使用可能性パラメータを有する構成要素からなる装置又はシステム全体をもたらす。
【0046】
関心あるものは、手持ち式制御ユニットが再使用可能な装置である。こうした装置において、細長い部材は、手持ち式制御ユニットから取り外し可能となるように構成される。細長い部材は、手持ち式制御ユニットの機能に多少なりとも損傷を与えることなしに手持ち式制御ユニットから容易に分離できるように構成されるので、手持ち式制御ユニットは、別の細長い部材に取り付けられてもよい。従って、装置は、手持ち式制御ユニットを複数の異なる細長い部材に順次に作動可能に取り付けることができるように構成される。関心あるのは、如何なるツールの使用もなしに細長い部材を手持ち式制御ユニットに手動で作動可能に取り付けることができる構成である。例えば、スナップ嵌め構成、挿入構成、及びねじり構成などによって2つの間の作動可能な接続を提供するために、細長い部材の近位端が手持ち式制御ユニットと係合する場合に、種々の異なる構成が使用されてもよい。或る構成において、手持ち式制御ユニットは、細長い部材の近位端を受け入れるように構成される構造体を有する。
【0047】
幾つかの状況において、手持ち式制御ユニットは、所与の処置の後で手持ち式制御ユニットを拭い、次いで、新しい細長い部材を手持ち式制御ユニットに取り付けることによって簡単に再使用されてもよい。他の状況において、手持ち式制御ユニットに所望の無菌状態を提供するために、装置は、手持ち式制御ユニットを環境からシールするように構成される、細長い部材の近位端に取り付けられる取り外し可能な滅菌カバーを含んでもよい。この滅菌カバー(例えば、以下でさらに詳細に説明されるように鞘の形態の)は、その一部が使い捨ての細長い部材の近位端に貼り付けられ且つシールされる可撓性バッグを用いる、使い捨ての滅菌ハンドルカバーであってもよい。所望の場合、滅菌カバーは、一体化された透明なモニタカバーを含んでもよく、これは、剛性であってもよく、且つモニタ画面に適合するように構成されてもよい。幾つかの状況において、カバーは、モニタとのタッチスクリーン対話を提供するように構成されてもよい。上に示したように、手持ち式制御ユニットは、手動コントローラを含んでもよい。こうした状況において、滅菌カバーは、コントローラをメカニカルシールするための可撓性ゴムブート、すなわち、手動コントローラと関連付けられるように構成されるブート部分を含んでもよい。加えて、滅菌カバーは、手持ち式制御ユニットの近位端と関連付けられる領域でのシールを含んでもよい。これらの状況において、使用前の滅菌カバーの開いた側は、近位端に便利に位置付けられてもよい。手持ち式制御ユニットの周りにカバーを位置決めした後で、開いた側が、ハンドルに機械的に取り付けられ、且つ有効なシール方法によって閉じられてもよい。これらの実施形態の滅菌カバーは、使用されるときに、これがハンドル制御又は細長い構造体及びモニタの作動を抑制しないように構成される。
【0048】
遠位端で一体化される視覚化センサに加えて、例えば、上記でさらに詳細に説明されるように、本発明の装置は、遠位端で一体化される非視覚化センサを含んでもよい。言い換えれば、装置は、細長い部材の遠位端で一体化される1つ又は複数の非視覚化センサを含んでもよい。1つ又は複数の非視覚化センサは、対象の場所から非視覚データを得るように構成されるセンサである。関心ある非視覚データは、温度、圧力、pH、弾性、インピーダンス、伝導性、距離、サイズなどを含むがこれらに限定されない。関心ある非視覚化センサは、1つ又は複数のタイプの関心ある非視覚データを得るように構成されるものを含む。遠位端で一体化されてもよいセンサの例は、温度センサ、圧力センサ、pHセンサ、インピーダンス・センサ、伝導性センサ、弾性センサなどを含むがこれらに限定されない。具体的なタイプのセンサは、サーミスタ、歪みゲージ、膜含有センサ、MEMSセンサ、電極、光センサなどを含むがこれらに限定されない。具体的なタイプのセンサの選定は、関心ある非視覚データの性質に依存するであろう。例えば、圧力センサは、対象組織の弾性率を判定するために変形される際に対象組織にかかる力を検出することができる。局所的に高い温度(これは、正常組織と腫瘍組織を区別するためのような異なるタイプの組織を区別するために用いることができる(この場合、腫瘍は、増加した血流、したがってより高い温度を呈する))を検出するために、温度センサを使用することができる。装置の視野における物体との距離又は装置の視野における物体の長さのスケールを判定するために、適正に平行にされたレーザビームを用いることができる。存在するときに、一体化された非視覚化センサ(単数又は複数)は、例えば、一体化された照明要素との関連において上記で説明されたものと類似の方法で遠位端の外寸に対するあらゆる影響を最小にするように、装置の他の遠位端構成要素を補足するように構成されてもよい。
【0049】
幾つかの状況において、装置は組織変更器(tissue modifier)を含む。組織変更器は、所望の方法で組織を変更するために或る様式で組織と相互作用する構成要素である。変更という用語は、組織を切断すること、組織を切除すること、組織に薬剤(単数又は複数)を送達すること、組織を凍結することなどを含む或る方法で変化させることを指すために広く用いられる。従って、組織変更器として関心あるものは、組織カッター、組織アブレータ、組織凍結/加熱要素、薬剤送達装置などである。関心ある組織カッターは、ブレード、液体噴射装置、レーザなどを含むがこれらに限定されない。関心ある組織アブレータは、超音波エネルギーを送達するための装置(例えば、超音波アブレーションに使用される場合)、プラズマエネルギーを送達するための装置、無線周波数(RF)エネルギーを送達するための装置、マイクロ波エネルギーを送達するための装置などのようなアブレーション・装置を含むがこれらに限定されない。関心あるエネルギー伝達装置は、組織の温度を調節するための装置、例えば、凍結又は加熱装置などを含むがこれらに限定されない。幾つかの実施形態において、組織変更器は、対向する表面の間に組織を捕らえる装置(例えば、ジョーのような装置)によって達成される場合があるような、組織をクランプすること、留め金で留めること(clasping)、又は把持することによって組織の変更を達成する組織変更器ではない。これらの実施形態において、組織変更装置は、例えば、対向する表面の間に組織を捕らえることによって機械的力をかけて組織を引裂くように構成される要素ではない。
【0050】
幾つかの状況において、組織変更器は、薄型の(low−profile)生検ツール又は薄型のカッターのような薄型の組織変更器である。こうした薄型の組織変更器は、細長い部材の遠位に位置決めされる組織切断構造体を含む。生検又は切削工具は薄型であることから、細長い部材の遠位端におけるその存在は、細長い部材の外径を実質的に増加させない。幾つかの状況において、薄型の生検ツールの存在は、細長い部材の外径を、2mm以下、1.5mm以下のような、1mm以下を含む距離だけ増加させる。薄型の生検ツールの構成は変化してもよい。幾つかの状況において、薄型の生検ツールは、細長い部材の遠位端の付近に同心に配置され且つ組織に係合するのに十分な様式で細長い部材の遠位端に対して動かされるように構成される、環状の切断部材を備える。環状の切断部材は、完全なリング構造体として構成されてもよいし、又は完全なリング構造体として構成されなくてもよく、リング構造体は、(これが細長い部材に沿って細長い部材の近位端に向けて及び近位端から離れるように動かされてもよいように)細長い部材の遠位端に対し長手方向の様式で移動可能である。リング構造体の遠位縁は、細長い部材の遠位端を越えて或る距離だけ移動可能であってもよく、この距離は変化してもよく、幾つかの状況においては、10mm以下、5mm以下のような、3mm以下を含む。リング構造体の遠位縁は、組織に貫入するように鋭利であってもよく、且つ、例えば、リング構造体が細長い部材に沿って近位端の方に長手方向に動かされるときに、組織と係合し且つ係合した組織をリング構造体と安定して関連付けるように構成される、止め部、ホック、リップなどのような1つ又は複数の組織保持構造体を含んでもよい。同じく関心あるものは、例えば説明されたような切削工具である。
【0051】
幾つかの状況において、遠位端で一体化される視覚化センサは、RF遮蔽された視覚化モジュールとして存在する。これらの実施形態の視覚化センサ・モジュールがRF遮蔽される際に、視覚化センサ・モジュールは、周囲のRF場が視覚化センサの回路に届く及び相互作用するのを完全に防止しないにしても実質的に抑制するRF遮蔽を含む。従って、RF遮蔽は、周囲のRFエネルギー(例えば、以下でさらに詳細に説明されるように遠位端RF電極によって提供される場合に)が視覚化センサの回路機能に影響を及ぼすのを完全に防止しないにしても実質的に抑制する構造体である。
【0052】
本発明の装置の視覚化センサ・モジュールは、少なくとも視覚化センサを含む。或る実施形態において、装置は、視覚化センサを近位端の場所のような装置の別の場所に導電的に接続する導電部材をさらに含んでもよい。付加的な構成要素もまた視覚化センサ・モジュールに存在していてもよく、これらの構成要素は以下でさらに詳細に説明される。
【0053】
視覚化センサ・モジュールのRF遮蔽は、種々の異なる構成を有してもよい。RF遮蔽は、視覚化センサの回路を周囲のRF場から遮蔽するように働く囲い込み要素(単数又は複数)を含んでもよい。幾つかの状況において、RF遮蔽は、視覚化センサ・モジュールの視覚化センサ、導電部材、及び他の構成要素と関連付けられる接地された導電性の囲い込み構成要素(単数又は複数)である。幾つかの状況において、視覚化センサ・モジュールの視覚化センサは、ハウジング内に存在しており、ハウジングは、RF遮蔽構成要素として働く接地された外側導電性層を含んでもよい。これらの状況において、RF遮蔽は、接地された外側導電性層である。RF遮蔽された視覚化センサ・モジュールの導電性の囲い(単数又は複数)は、金属、金属合金などのような種々の異なる導電性材料から製作されてもよく、関心ある具体的な導電性材料は、銅箔などを含むがこれに限定されない。或る状況において、RF遮蔽は金属の層である。この層は、存在するときに、厚さが変化してもよいが、幾つかの状況において0.2mmから0.7mmまでの、0.3mm〜0.6mmのような、0.4mm〜0.5mmを含む範囲の厚さを有する。RF遮蔽された視覚化モジュールに関する付加的な詳細は、その開示が参照により本明細書に組み入れられる米国特許出願整理番号第12/437,865号で見出される場合がある。
【0054】
幾つかの状況において、これは、細長い部材の遠位端のような細長い部材の遠位領域から平行レーザ光を放出するように構成される平行レーザを含んでもよい。これらの実施形態の平行レーザ構成要素は、限定はされないが、視覚化センサの視野内のサイズ及び距離の解剖学的機能部の識別、解剖学的機能部の評価などのような種々の目的で用いるために構成されてもよい。
【0055】
本発明の装置は、タングステン、ステンレス鋼合金、白金又はその合金、チタン又はその合金、モリブデン又はその合金、ニッケル又はその合金などのような金属材料、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイミド、PEEKなどのようなポリマー材料、アルミナ(例えば、STEATITE(商標)アルミナ、MAECOR(商標)アルミナ)などのようなセラミックスを含むがこれらに限定されない、あらゆる便利な材料又はその組合せを用いて製作されてもよい。
【0056】
幾つかの状況において、装置は、立体鏡画像モジュールを含んでもよい。立体鏡画像モジュールとは、装置によって得られる画像データから立体鏡画像を提供する機能性モジュールを意味する。従って、モジュールは、ユーザに、モニタを介して、装置によって得られる画像データから生産される画像の三次元観測の知覚を提供する。モジュールは、「画像」の観点で説明され、説明は、静止画像及びビデオにも等しく当てはまることを理解されたい。
【0057】
装置が立体鏡画像モジュールを含む場合、装置は、立体鏡画像を提供するために、それを介して立体鏡画像モジュールによって画像データが収集され及び用いられる、2つ又はそれ以上の別個の視覚化センサ(例えば、上記で概説される場合のCMOSカメラ)又は単一の視覚化センサを含んでもよい。細長い部材が第1の視覚化センサ及び第2の視覚化センサを含む場合、立体鏡イメージング・モジュールは、立体鏡画像を生産するべく第1の視覚化センサ及び第2の視覚化センサによって提供される画像化されたデータを処理するように構成される。こうした実施形態において、あらゆる便利な立体鏡画像処理プログラムが使用されてもよい。図10は、一実施形態に係る画像データから立体鏡画像を生産する技術のブロック流れ図を例証する。左画像データ及び右画像データは、第1の位置から第2の位置に動かされる単一の視覚化センサから順次に、又は、2つの視覚化センサが存在する場合に順次に又は同時に、のいずれかで得られる(ブロック1005によって表されるように)。左画像データ及び右画像データは、同じ視覚化センサの各自の位置又は2つの別個の視覚化センサの各自の位置と関連付けられる異なる場所及び視界(perspective)を説明する。第1の画像及び第2の画像に対する画像データは、歪みを含む可能性があり、例えば、ブロック1010によって表されるように、レンズ歪みを除去するために、左画像データ及び右画像データが校正要素を介して示されるように最初にワープ処理される(warped)アルゴリズムが使用されてもよい。あらゆる便利なアルゴリズムが使用されてもよい。関心あるアルゴリズムは、「Geometric Calibration of Digital Cameras through Multi−view Rectification」、Luca Lucchese著、(Image and Vision Computing、Vol.23、第5号、2005年5月、pp.517〜539)、及びLevenberg−Marquardtアルゴリズム、「Correction of Geometric Lens Distortion through Image Warping」、Lucchese著、(ISPA2003、Proceeding of the 3rd International Symposium on Image and Signal Processing and Analysis、18−20、2003年9月、Vol.1、pp.516〜521)に記載されたものを含む。ブロック1015によって表される、結果として得られる歪みのない左及び右画像は、次いで、ブロック1020、1022、1024、1026、1028で表されるように立体鏡画像を構築するために、ステレオ及び画像融合(fusion)アルゴリズムで処理される。限定はされないが「Scene Reconstruction from Multiple Cameras」、Richard Szeliski著(Microsoft Vision Technology Group;http://research.microsoft.com/pubs/75687/Szeliski−ICIP00.pdf)も参照、「A parallel matching algorithm for stereo vision」、Y.Nishimoto及びY.Shirai著、(IJCAI−1985−第2巻、pp.977;http://ijcai.org/Past%20Proceedings/IJCAI−85−VOL2/PDF/059.pdf)も参照、「Image Fusion Using Wavelet Transform」、Zhu Shu−long著、(Institute of Surveying & Mapping; Commission IV、Working Group IV/7;http://www.isprs.org/commission4/proceedings02/pdfpapers/162.pdf)も参照、「Disparity field and depth map coding for multiview 3D image generation」、D.Tzovaras著、(Image Communication,Signal Processing、1998、vol.11、no3、pp.205〜230)などで説明されたもののようなあらゆる便利なステレオ及び画像融合アルゴリズムが使用されてもよい。
【0058】
ステレオアルゴリズムは、三角測量を用いることによって視覚化センサによって見られる物体への範囲情報を計算する。異なる視点で見られる物体は、結果として第1の視覚化センサ及び第2の視覚化センサに対する画像データにおける異なる場所で物体をもたらすであろう。視差(disparity)、すなわち画像の差異は、物体の深さ及び範囲を判定する際に用いられる。第1の視覚化センサ及び第2の視覚化センサに対する画像データ内の対応するピクセル点は、ブロック1024によって表されるように視差ラインの判定の際に識別され及び用いられてもよい。第1の視覚化センサと第2の視覚化センサは異なる場所にあり、したがって異なる視界を有することから、第1の視覚化センサ及び第2の視覚化センサに対する画像データに存在している同じ物体は、異なるピクセル座標の場所にある場合がある。ブロック1026によって表されるように、視覚化センサによって見られる物体の深さ及び範囲を判定するのに用いられてもよい第1の視覚化センサ及び第2の視覚化センサの場所と関連付けられる幾何学的形状に基づいて、三角測量が実施されてもよい。三角測量計算は、範囲データを導出するために適用され、結果として得られた範囲(又は深さ)マップは、必要に応じて画像表示上にオーバーレイすることができる。これは、図10のブロック1028で表される。三次元深さ情報を考慮に入れている立体鏡画像は、したがって、第1の視覚化センサ及び第2の視覚化センサからの画像データから再構成することができる。
【0059】
図11Bは、或る実施形態に係る僅かにオフセットした視覚化位置を例証する。図11Bは、2つの視覚化センサ、すなわち、物体A及びBの第1の観測に対する1142と、物体A及びBの第2の観測に対する1144とを例証する。物体の深さ及び範囲は、上記でさらに説明されるように、図11Aに対するのと類似した様式で見出される。
【0060】
2つ又はそれ以上の別個の視覚化センサによって得られる画像データを使用する立体鏡画像モジュールの態様に関するさらなる詳細は、その開示が参照により本明細書に組み入れられる米国特許出願整理番号第12/269,770号で見出される場合がある。
【0061】
同じく関心あるものは、単一の画像センサによって得られたデータから立体鏡画像を提供するように構成される立体鏡画像モジュールである。こうした実施形態において、画像センサは、立体鏡画像モジュールに対象組織の場所の連続するオフセット画像データを提供するように構成され、連続するオフセット画像データは、次いで、所望の立体鏡画像を提供するために立体鏡画像モジュールによって使用される。連続するオフセット画像データとは、少なくとも対象組織の場所の第1の観測からのデータと同じ対象場所の第2の観測からのデータとを含む画像データを意味し、この場合、第2の観測は、第1の観測からオフセットされる。第2の観測は、第1の観測からあらゆる便利な距離、例えば0.5mm以下を含む、1mm以下だけオフセットされてもよい。第1のオフセット観測と第2のオフセット観測は、あらゆる便利な手法を用いて得られてもよい。1つの手法において、単一の視覚化センサは、所望のオフセット画像データを得るために第1の位置から第2の位置に動かされる。単一の視覚化センサは、あらゆる便利な様式を用いて、例えば、センサを第1の位置から第2の位置に物理的に動かす機械的要素によって第1の位置から第2の位置に動かされてもよい。さらに他の実施形態において、所望のオフセット観測は、所望の第1のオフセット観測及び第2のオフセット観測を提供するように構成される光学的ガイド系(レンズ、ミラー、フィルタなどのうちの1つ又は複数を含んでもよい)に作動関係で結合される単一の視覚化センサで得られてもよい。例えば、第1のオフセット観測及び第2のオフセット観測は、画像データを視覚化センサに交互に搬送する第1のレンズ系及び第2のレンズ系を含むことによって単一の視覚化センサに提供されてもよい。オフセット観測はまた、例えば、レンズに2つ又はそれ以上の異なる観測を提供するように構成されるミラーを伴う単一のレンズ系を含むことによって提供されてもよい。第1のオフセット観測及び第2のオフセット観測がそれにより得られる周波数は、変化する可能性があり、幾つかの状況において、周波数は、1〜15フレーム/秒のような1から30フレーム/秒までの範囲である可能性がある。単一のカメラで複数の観測を提供するために種々のシステムが実装されてもよい。関心あるシステムは、「Scalable Multi−view stereo Camera Array for Real World Real−Time Image Capture and Three Dimensional Displays」、S.Hill著、(Massachusetts Institute of Technology, Program in Media Arts and Sciences School of Architecture and Planning、2004年5月7日;http://web.media.mit.edu/〜vmb/papers/hillms.pdf)も参照、「Single Camera Stereo Using Planar Parallel Plate」、Chunyu Gao他著、(Beckman Institute,University of Illinois at Urbana−Champaign;http://vision.ai.uiuc.edu/newpubs/Stereo_PPP_Gao.pdf)も参照、及び「3−D Reconstruction Using Mirror Images Based on a Plane Symmetry Recovering Method」、Mitsumoto,H.他著、(IEEE Transaction on Pattern Analysis and Machine Intelligence、Vol.14、第9号、1992年9月、pp.941〜946)で説明されたものを含むがこれらに限定されない。
【0062】
図11Aは、順次に得られる画像データに対し2つの異なる位置(1101及び1102)に動かされる単一の視覚化センサ1105を例証し、該順次に得られる画像データは、物体A及びBの立体鏡画像を生産するために立体鏡画像モジュールによって使用される。第1の視覚化位置1101と第2の視覚化位置1102は、互いから幅Wだけオフセットされており、該幅は、幾つかの状況において0.5mm以下のような1mm以下からの範囲で変化してもよい。焦点面距離Zに位置付けられる物体A及びBは、第1及び第2位置に対する異なる視界で見られる(それぞれ点線1115、1120によって示される)。視界を観測する際の差異は、第1の位置及び第2の位置からの単一の画像センサによって得られる画像データに反映される。図のように、第1の視覚化センサ1105は、位置1101にあるときには物体A及びBを中心よりも右にずらして見て、位置1102にあるときには物体A及びBを中心よりも左にずらして見る。2つの観測の間の視差は、物体A及びBの深さ及び範囲を判定するのに用いられる。
【0063】
立体鏡画像モジュールは、1つ又は複数の視覚化センサによって得られた画像データを受信するように構成されるビデオ・プロセッサ・モジュールに実装されてもよい。立体鏡画像モジュールは、ディスプレイ上に表示するための立体鏡画像データを提供するために、画像データを処理する。
【0064】
或る実施形態において、本発明の装置は、画像認識モジュールを含む。関心ある画像認識モジュールは、画像データを受信し、且つ警報信号が生成されるべきかどうかについての判定を下すために受信した画像データを、色記述子データ及び解剖学的記述子データのうちの少なくとも1つを含む参照と比較するように構成されるものである。「参照」という用語は、1つ又は複数の参照画像用の、例えば、1つ又は複数の画像・ファイルなどとして保存されるあらゆるフォーマットのデータのことを指すために本明細書で用いられ、このデータは例えば、1つ又は複数の参照画像を生産するために適切なプロセッサによって用いることができる。従って、参照は、第1の参照画像に対する参照画像データの少なくとも第1の組を含む。幾つかの状況において、参照はまた、第2の参照画像に対する参照画像データの第2の組を含む。こうした実施形態において、参照は、複数の参照画像、例えば、2以上、5以上、10以上、25以上、50以上、100以上、1000以上、1500以上、2000以上、5000以上、10,000以上などの参照画像に対する参照画像データの組を含んでもよい。
【0065】
参照画像は、関心ある領域の予め定められた画像である。参照画像は予め定められたものであるため、それらは画像処理モジュールによって受信される画像データとは独立して生産されている画像である。幾つかの状況において、参照画像は、画像処理モジュールによって画像データが得られる前に存在している画像である。参照画像は、(例えば、参照画像が所与の処置よりも前に被検者から得られたものである場合)所与の処置の間に視覚化される同じ被検者(例えば人)から又は異なる被検者(例えば人)から得られる画像であってもよい。代替的に、参照画像は、それらが如何なる実際の被検者から得られる画像データからも生産されないが、代わりに、それらが例えば手動又はコンピュータ支援グラフィック・プロトコルを用いることによって設計されるように、新たに生産されてもよい。
【0066】
参照を構成する参照画像は、多くの方法で互いに異なっていてもよい。例えば、あらゆる2つの所与の参照画像は、異なる内部組織の場所の関心ある領域の画像であってもよい。こうした参照において、参照は、予め定められた内部組織の場所に関して互いに異なる第1の予め定められた画像及び第2の予め定められた画像を含んでもよい。例えば、参照は、少なくとも第1の組織の場所の画像及び第2の組織の場所の画像を含んでもよい。第1の組織の場所及び第2の組織の場所は、外科的処置の間のような所与の処置の間に所与の装置が画像化することを期待される可能性がある場所であってもよい。幾つかの状況において、参照は、処置が適正に行われる場合に所与の処置の間に所与の視覚化センサが画像化するべき異なる場所の複数の画像を含む。参照はまた、所与の処置の間に視覚化センサが見ないはずの異なる組織の場所の画像、例えば、関心ある所与の処置が適正に行われている場合にセンサによって観測されないはずの組織の場所の画像を含んでもよい。したがって、幾つかの参照は、外科的処置全体のような処置全体の間に正確に及び不正確に位置決めされるときに、装置の場所を追跡する複数の画像を含んでもよい。
【0067】
参照における画像データの組は、1つ又は複数の色記述子データ及び解剖学的記述子データを含んでもよい。色記述子データとは、所与の内部組織部位及びその構成要素の特定の色に基づいているデータを意味する。例えば、内部組織部位は、各々が別個の色を有する1つ又は複数の組織を含んでもよい。例えば、筋、神経、骨などのような異なる組織は、異なる色を有してもよい。この別個の色は、色記述子データとして参照画像に存在していてもよく、且つ画像処理モジュールによって使用されてもよい。解剖学的記述子データとは、内部組織部位における1つ又は複数の組織構造体の特定の形状に基づいているデータを意味する。例えば、筋、神経、骨などのような異なる組織は異なる形状を有する。これらの異なる形状は、解剖学的記述子データとして画像データに存在している。
【0068】
上記で要約されたように、画像認識モジュールは、内部組織部位の受信した画像データ(例えば、関心ある所与の処置の間に得られる)を参照と比較する。画像認識モジュールによって行われる比較は、あらゆる便利なデータ処理プロトコルを用いて達成されてもよい。この比較ステップにおいて使用されてもよいデータ処理プロトコルは、受信した画像データと参照とを色記述子データ及び/又は解剖学的記述子データに基づいて比較してもよい。関心あるデータ比較プロトコルは、データの記述子と平均色強度のような格納された値との間の平均絶対差、構造体の主軸と格納された値との間の相関度を含むがこれらに限定されない。
【0069】
この比較ステップを行うにあたって、画像認識モジュールは、受信した画像データに対して比較するために、適切な画像を参照から自動的に選択するように構成されてもよい。幾つかの状況において、画像認識モジュールは、装置の判定された位置場所に基づいて参照画像データの適切な組を選定することによって、受信した画像データを参照と比較するように構成される。例えば、画像認識モジュールは、装置についての位置情報を得てもよい(例えば、装置上のセンサから得られる又は手動で入力し及び所与の画像と関連付けられる場合があるように)、次いで、装置が受信されている画像データを得たときに装置と同じ位置場所に対する参照画像を選定する。代替的に、画像認識モジュールは、類似度パラメータに基づいて画像データの適切な組を自動的に選定してもよい。例えば、画像認識モジュールは、比較ステップで用いるために参照から画像データの最も類似した組を自動的に選定してもよい。
【0070】
画像認識モジュールは、警報信号が生成されるべきかどうかを判定するために、受信した画像データを参照と比較する。言い換えれば、画像認識モジュールの出力は、警報信号が生成されるべきかどうかについての決定である。画像認識モジュールが、警報信号が生成されるべきと判定する場合、これは、警報信号を生成し又はシステムの別個のモジュールに警報信号を生産するように指示してもよい。
【0071】
警報信号は、生成されるときに、システムの性質に応じて変化してもよい。警報信号は、システムのオペレータに関心ある所与のシステム・パラメータが容認可能であることを確認する、所与のシステム・パラメータ又は信号についての警告信号であってもよい。幾つかの実施形態において、警報信号は、装置についての機能性情報を含んでもよい。例えば、これらの実施形態において、警報信号は、所与の装置が適正に機能しているという情報を含んでもよい。幾つかの実施形態において、警報信号は、装置についての位置情報を含んでもよい。例えば、警報信号は、所与の装置が適正に空間的に位置決めされるか否かについての情報を含んでもよい。これらの実施形態において、警報信号は、組織変更器が適正に空間的に位置決めされない程に装置の組織変更器が非対象組織に接触しているという情報を含んでもよい。
【0072】
システムは、警報信号を種々の異なる方法で使用するように構成されてもよい。システムは、例えば、システムの警報信号出力を介してシステムのユーザに警報信号を提供するように構成されてもよい。加えて又は代替的に、システムは、警報信号の生成に基づいてシステムの1つ又は複数の作動パラメータを自動的に調節するように構成されてもよい。例えば、組織変更器が非対象組織と接触しており、したがって警報信号を生成することを画像処理モジュールが判定する場合、警報信号は、組織変更器の作動を、例えば、これをオフにすることによって自動的に調節してもよい。幾つかの状況において、警報信号は、システムを自動的にシャットダウンしてもよい。
【0073】
画像認識モジュールに関するさらなる詳細は、その開示が参照により本明細書に組み入れられる米国特許出願整理番号第12/437,186号で提供される。
【0074】
例えば、上記で説明されたような立体鏡モジュール及び画像認識モジュールは、必要に応じて、ソフトウェア、例えばデジタル信号処理ソフトウェア、ハードウェア、例えば回路、又はこれらの組合せとして実装されてもよい。
【0075】
幾つかの実施形態において、装置は、細長い部材の遠位端と、装置の近位端に位置決めされる、例えば、細長い部材の近位端と関連付けられる又は手持ち式制御ユニットと関連付けられる入口ポートとの間でアイテムを搬送するように構成される搬送構造体を含んでもよい。この搬送構造体は、あらゆる便利な構成を有してもよく、幾つかの状況において、これは細長い部材内に配置された「作業チャネル」である。作業チャネルとして存在するときに、チャネルは、変化する外径を有してもよく、幾つかの状況において、3mm以下の、2mm以下のような、1mm以下を含む外径を有する。搬送構造体は、アイテム、例えば、流体、薬剤、装置を内部対象部位に又は内部対象部位から輸送するように構成されてもよい。従って、搬送構造体の近位端入口ポートは変化してもよく、限定はされないが、吸引ユニット、流体リザーバ、装置アクチュエータなどのような種々の異なるタイプの構成要素に作動可能に結合されるように構成されてもよい。
【0076】
どこかに示されるように、本発明の装置は、無線データ伝送、例えば、装置の種々の構成要素の間のデータの伝送、病院情報システム、個別のモニタなどのような装置及び別の装置の構成要素の間のデータの伝送のうちの1つ又は複数を提供するように構成されてもよい。あらゆる便利な無線通信プロトコルが使用されてもよく、幾つかの状況において、無線通信は、1つ又は複数の無線通信モジュールとして実装される。
【0077】
ビデオ・プロセッサ・モジュールが存在してもよく、且つ、視覚化センサ(単数又は複数)を含むカメラ・モジュールにカメラ制御データを送信することによって1つ又は複数の別個の視覚化センサを制御するように構成されてもよい。ビデオ・プロセッサはまた、1つ又は複数のセンサ及び/又はツールからセンサ・データを受信するように構成されてもよく、且つさらに、1つ又は複数のセンサ及び/又はツールを含むセンサ・モジュールにセンサ制御データを送信することによってセンサ及び/又はツールを制御するように構成されてもよい。種々のセンサは、圧力、温度、弾性、超音波音響インピーダンスに関係するセンサ、センサとの差異を識別する及び/又は測定するレーザポインタなどを含んでもよいが、これらに限定されない。種々のツールは、測定スケール、涙滴形(teardrop)プローブ、生検用プローブ、鉗子、はさみ、インプラント装置、IR照明、超音波測定装置、切削工具などを含んでもよいが、これらに限定されない。特定の用途及び実装されるセンサ/ツールに応じて、センサ・データはまた、立体画像を提供するために、立体鏡画像モジュールによる処理のための画像データと共に含まれてもよい。
【0078】
或る状況において、本発明の装置は、更新可能な制御モジュールを含み、これは、装置が、装置の1つ又は複数の制御アルゴリズムが更新されてもよいように構成されることを意味する。更新は、有線接続(例えば、装置上のUSBポートを介して)又は無線通信プロトコルを用いて、更新されたアルゴリズムデータを制御モジュールに伝送することのようなあらゆる便利なプロトコルを用いて達成されてもよい。更新の内容は変化してもよい。幾つかの状況において、手持ち式制御ユニットは、ユニットを特定の細長い部材と共に用いられるように構成するために更新される。このようにして、機能が異なる可能性があり且つ異なる構成要素を有する可能性がある2つ又はそれ以上の異なる細長い部材と共に同じ手持ち式制御ユニットが使用されてもよい。幾つかの状況において、細長い部材を手持ち式制御ユニットに作動可能に接続すると、手持ち式制御ユニットの制御モジュールをこれが該特定の細長い部材と共に作動できるように更新する更新情報が細長い部材から手持ち式制御ユニットに伝送されるように、更新情報は、特定の細長い部材自体から伝送されてもよい。更新情報はまた、1つ又は複数の付加的なソフトウェア機能部を含むように及び/又は装置の1つ又は複数の既存のプログラムを変更するように手持ち式制御ユニットをあらゆる所望の時点で更新することができるように、総合的な機能の更新を含んでもよい。更新情報は、あらゆるソース、例えば、特定の細長い部材、インターネットなどから提供することができる。
【0079】
ここで図面に移ると、図1A〜図1Kは、本発明の独立型の(self−contained)ポータブル画像診断装置の一実施形態を例証する。これらの図で例証される手持ち式の独立型のポータブル画像診断装置100は、ハンド・ピース114と、本明細書では「プローブ・ピース」と呼ばれる遠位端で一体化されるCMOSセンサを有する取り外し可能に取り付けられる細長い部材111とを含む。図1Kを参照されたい。
【0080】
外観から、プローブ・ピースは、図1A及び図1Cに示すように、遠位先端部120、細長い管状の構造体110、及びハンド・ピースへの機械的コネクタ150を含む。ハンド・ピースは、外観から、図1A及び図1Cに示すように、モニタ130と実施形態に応じてモニタのハウジング又はハンド・ピースの上部のいずれかに取り付けられてもよいモニタ・マウント135とからなる回転可能な且つ取り外し可能なモニタ・ユニット113、プログラミングのための入力として又はビデオ及び静止画像のための出力として用いるためのUSBポートのような単一のポート170、装置への電力入力を管理するためのオン/オフスイッチ180、上部カバー165、下部カバー160、画像取り込み及びデータ伝送並びに制御のためのスイッチ145、及びプローブ・ピースの回転を制御するためのスイッチ140を含む。このスイッチ140は、一般に、モータの回転を制御するための3つの位置を有し、1つの位置はモータを時計回りに回転させるものであり、1つの位置はモータを反時計回りに回転させるものであり、中央にある位置は中立位置である。最後に、図1D及び図1Eに示すように、バッテリ195にアクセスする目的のためのバッテリ蓋190がある。
【0081】
内部を見てみると、装置は、図1Bに示すように、再充電可能であってもよいバッテリ195、電子制御盤190、並びに電子制御盤190との間の装置のすべての電気部品及び光学部品のためのコネクタ199を付加的に収容する。
【0082】
プローブ・ピースの遠位先端部120内には、図1D及び図1Eに示すように、プリズムレンズ又は平面レンズ(例えば、カバーガラス)のようなレンズ122と、CMOS視覚化センサ(本明細書ではカメラと呼ばれる)124がある。プローブ・ピースの細長い構造体部分110内には、カメラ124を電子装置盤190上のコネクタ199に電気的に接続するためのワイヤ128がある。また、照明器126は、遠位先端部120での照明を提供するようにプローブ・ピース内に配置され、且つ、コネクタ199で電子制御盤190に接続される。
【0083】
同じくハンド・ピース内には、本発明のこの実施形態において、図1D、図1E、及び図1Gに示すように、歯車付きモータ156がある。歯車付きモータ156は、歯車付き中間ピース154を介してプローブ・ピースに接続される。歯車付きモータ156とプローブ・ピースの中間ピース154との間の接続は、プローブ・ピースが反時計回りと時計回りとの両方に回転することを可能にするような方法で配向される。プローブ・ピースをハンド・ピースに連結するコネクタ150は、中間ピース154と共に回転しない。
【0084】
別の実施形態において、図1Hに示すように、中間ピース155によってプローブ・ピースとモータ157との間で達成される摩擦及び回転接続、例えば、ゴムとゴムの接触接続が存在してもよい。モータ157と中間ピース155との両方は、プローブ・ピースが反時計回りと時計回りとの両方に回転することを可能にするような方法で配向される。プローブ・ピースをハンド・ピースに連結するコネクタ150は、中間ピース155と共に回転しない。
【0085】
最後に、図1E及び図1Fを参照すると、ハンド・ピース内に、モニタ・マウント135を電子盤190に電気的に結合するためのコネクタ137が存在する。コネクタ137は、コネクタ137又はコネクタ170を電子盤190に接続する関連する配線が結び付く(binding)、断線する、又はもつれることなしに、モニタ・マウント135、したがって、モニタ・マウント135に接続されたモニタ130の回転を可能にするように構成される。
【0086】
本発明の別の実施形態において、ポータブル画像診断システム100は、材料、薬剤、及びインプラントをハンド・ピースの外部の点とプローブ・ピースの遠位先端部120の外部の点との間で輸送する要素、例えば、作業チャネルとして構成される管腔を含んでもよい。図1Fに示すように、他のルアーコネクタに接続するためのルアーコネクタ、例えば、チューブに接続するための圧縮コネクタに似た、チューブに接続するための逆目(barbed)コネクタのような、ポート接続部115がある。このポート・コネクタ115は、装置の使用に便利なあらゆる場所に位置付けられ且つ外面の半分を構成するハンド・ピース165及び160のいずれかから突き出ていてもよい。ハンド・ピースとプローブ・ピースとの両方の内部には、図3B及び図3Dに示すようにプローブ・ピースの遠位先端部120のまさに遠位端に位置付けられる、ポート115をポート391に接続する導管があり、該導管により、材料、薬剤、又はインプラントがハンド・ピース100から送達される場合がある。別の実施形態において、材料、薬剤、又はインプラントは、プローブ・ピースの遠位先端部120でポート391の中に吸引され、且つプローブ・ピース及びハンド・ピース内の導管を通して輸送され、ハンド・ピース上に位置付けられるポート115を通して出てもよい。
【0087】
前述のように、本発明の装置は、電子盤190を含んでもよい。図1Iは、電子盤190とその関連する構成要素の一実施形態を示す。一般的に言えば、電子盤190がそれに電気的に取り付けられた構成要素の1つのグループは、ブロック146及び147として表される制御回路の電子部品である。図1Iの例では、電子盤190上の電子部品146及び147のための2つの場所があるが、本発明の他の実施形態においては、図1Iで提案されるように必ずしも電子部品146、147のフットプリントにではなく、電子盤190の片側又は他方に位置付けられる電子部品のみが要求される場合がある。
【0088】
電子盤190に電気的に取り付けられる別のアイテムは、データを電子盤190に及び電子盤190から外部の伝送又は受信手段に伝送するための電気コネクタ170である。本発明の一実施形態において、電気コネクタ170は、電子盤190の146及び/又は147の電子部品領域(単数又は複数)に位置付けられてもよいチップを、例えばコンピュータでプログラムするのに用いられてもよい。別の実施形態において、電気コネクタ170は、プローブ・ピース手段の遠位先端部120に位置付けられるカメラによって取り込まれ且つ電子盤190の146及び/又は147の電子部品領域(単数又は複数)に位置付けられるメモリ・チップに格納されるビデオ又は静止画像をダウンロードするために用いられてもよい。加えて、このメモリ・チップは、本発明から除去可能であってもよいし、又は本発明に再び取り付けられてもよい。本発明の別の実施形態において、電子コネクタ170は、ビデオ信号を外部モニタに送信するのに用いられてもよい。さらに別の実施形態では、電気コネクタ170は外部装置を有していてもよく、例えば、一実施形態としてありえるように、本発明に無線システムが既に含まれてはいない場合、本発明からデータを無線で外部受信装置、例えばモニタに送信するために、又は無線でデータを例えば、コンピュータ又は他のコンピューティング装置に及び/又はから送信及び受信するために、これに取り付けられている無線アダプタなどを有していてもよい。
【0089】
前に述べたように、電子盤190に同じく取り付けられる、本発明の装置をオン及びオフにするためのスイッチ180がある。幾つかの実施形態において、スイッチ180は、電力を図1Bに示されたバッテリ195から電子盤190に送ることを可能にするであろう。
【0090】
図1Iに示すように、例えば電子部品領域146及び147の両方又はどちらかに(either/or)位置付けられる電子部品などの電子盤190に同じく取り付けられる、本発明の制御のための一連のスイッチ145がある。この実施形態において、本発明を制御するための3つのこうしたスイッチ145があるが、本発明の異なる実施形態に対して要求される制御の数に応じた数、例えば1〜10個のスイッチがこの装置上に存在してもよい。スイッチ145が制御する可能性がある事象の一例は、カメラからの画像取り込みである。そのためにスイッチが用いられる事象の別の例は、静止画像のようなデータをこの装置内のメモリソースから外部ソース、例えばコンピュータに送信することである。そのためにスイッチが用いられる事象のさらに別の例は、本発明内の照明を制御することである。前に述べたように、制御を切換えるための複数の手段があり、この発明の実施形態での制御の数は、こうした必要性に対したものとなるであろう。
【0091】
例えば電子部品領域146及び147の両方又はどちらかに位置付けられる電子部品などの電子盤190に付加的に取り付けられるのは、モータの回転を制御するためのスイッチ140であり、これが次にカテーテル・ピースの回転を制御する。一実施形態において、スイッチ140は、3つの位置のうちの1つを有するように構成されてもよく、例えば中央の中立位置と、ユーザの入力によって判定されることになる場合にモータを時計回りまたは反時計回りのいずれかに回転させるための中立位置に対しいずれかの側の位置とがある。
【0092】
電子盤190への、所望の場合には電子部品領域146及び147の両方又はどちらかに位置付けられる電子部品への別の取付部は、一連のコネクタ199である。これらのコネクタ199は、モータ157又は156、カメラ122、照明126、及びモニタ130を制御するための機能を含む種々の機能を果たしてもよい。別の実施形態において、コネクタは、カテーテルの遠位先端部120に位置付けられるセンサに連結される。
【0093】
図1Jに示されるように、ポータブル画像診断システム100は、装置100のプローブ・ピース111を装置100のハンド・ピース112に接続する及び装置100のハンド・ピース112から取り外すためにコネクタを有する。一実施形態において、装置100のプローブ・ピース111を装置100のハンド・ピース112に取り付ける及び装置100のハンド・ピース112から取り外す目的は、2つ以上の異なるプローブ・ピース111が実務者によって要求される場合に異なる機能性を有する事例のように、プローブ・ピース111をプローブ・ピース111の一実施形態から別の実施形態に変化させるためである。図1Jの別の実施形態において、装置100のプローブ・ピース111をハンド・ピース112から取り外す目的は、実務者が従わなければならない無菌要件のため、例えば医療用途のためである。例えば、実務者が装置100を2人以上の患者に用いることを要求する場合、実務者は、プローブ・ピース111を廃棄し、新しい滅菌プローブ・ピース111をハンド・ピース112に取り付けることを要求されるであろう。
【0094】
現在の装置100の別の実施形態において、モニタ113はまた、図1Kに示すようにハンド・ピース114から取り外し可能であってもよい。モニタ113をハンド・ピース114から取り外す機能は、実務者が異なる場所でカメラを観測することを助けるためである。この事例において、モニタ113は、ビデオ信号がハンド・ピース114内の電子装置からモニタ113に送信されることを可能にするためにハンド・ピース114に無線で接続されるであろう。
【0095】
図2Aは、プローブ・ピース111の遠位先端部120の断面図を示す。図2Aに示されるのは、モニタ上に表示することができる画像を生産するためにカメラ及び照明モジュールを構成する、必要な構成要素である。説明されたようなカメラ及び照明モジュールは、軸外を観測することを可能にし、したがって以下でさらに詳細に解説するように軸外観測モジュールを構成する。プリズムレンズ122は、プローブ・ピース111の細長い部材110の端部を覆う。プリズムレンズ122の目的は、プローブ・ピースの軸に対し或る角度、例えば、30度でイメージングすることを可能にすることである。プリズムレンズの近位には、一実施形態において、カメラハウジング124が示される。このハウジング124内に収容されるのは、一連のレンズ250、開口240、フィルタ230及び226、並びに接着剤224によってフィルタ226に取り付けられるCMOSイメージングチップ220である。カメラの他の実施形態において、異なる画像を生産するのに要求される場合により多くの又は少ない構成要素が存在してもよい。加えて、チップ220は、チップ220と本発明のハンド・ピース内の電子装置との間で信号を伝送するサーキット・ボード210に機械的に及び電気的に取り付けられる。カテーテル・ピースの遠位先端部120内に同じく位置付けられるのは、一体化された照明器128である。一実施形態において、一体化された照明器は、ハンド・ピース内のバッテリから動力を与えられるLED又は他の光源に接続される光ファイバの束であってもよい。別の実施形態において、一体化された照明器128は、プラスチック、若しくは光を伝送する硬質樹脂、或いは光を伝送する液体又は空気のようなライトパイプ材料から作成されてもよく、そのすべては既述のようにハンド・ピース114内でLED又は他の光源に接続されるであろう。
【0096】
図2Dに示すような遠位先端部120内の構成要素の別の実施形態において、図2Aのプリズムレンズ122の代わりにカバーガラス123が位置付けられる。この事例において、カバーガラス123は、センサ・チップ224の真正面の画像を見ることを可能にする。この構成は、「軸上(on−axis)」イメージング・モジュールの例である。
【0097】
一体化された照明器128及びカメラがプリズム122の背後に機械的に位置付けられていることに伴う1つの課題は、一体化された照明器128又は他の光源からの迷光又は意図せぬ光がカメラに干渉し、これにより最適よりも劣る画像を生産する可能性があることである。この問題に対処するために、視覚化モジュールは、フィルタリング系を含んでもよい。図2Bは、一体化された照明器128又は他の光源からチップ220への光の入射を制御するためのフィルタリング系の一実施形態である。フィルタ260は、特に、カテーテル・ピースの遠位先端部120内に収容された一体化された照明器128からの意図せぬ光がカメラに入る可能性があまり高くないように、フィルタ270とは反対の偏光にされる。
【0098】
フィルタリング手段の別の実施形態において、図2Cに示すように、偏光フィルタ270は、カメラハウジング124内に収容されたレンズ250の遠位に、しかしプリズムレンズの近位に位置付けられる。
【0099】
図2E及び図2Fは、前に説明され且つ図2B及び図2Cに示されたように一体化された照明器128又は他の光源からセンサ・チップ220への光の入射を制御するためのフィルタリング系の実施形態であり、異なるのは、図2E及び図2Fに示される場合のフィルタは、図2B及び図2Cに示される場合のプリズムレンズ122ではなくカバーガラス123の近位にあることである。
【0100】
図3A〜図3Dをここで参照すると、装置のプローブ・ピースの遠位端300に位置付けられる構成要素の機械的配置に関する幾つかの実施形態の端面図が示されている。図3Aに示すように、プローブ・ピースの壁310の端面図は、その内周内に偏心して位置付けられた、カメラハウジング340、カメラレンズ、及び視覚化センサ330を有する。加えて、光ファイバの束の端のような一体化された照明器320の端面図は、カメラハウジング340とプローブ・ピースの壁310の内周との間のスペース内に位置付けられる。一体化された照明器320は、カメラハウジング構造体と適合するように三日月形の構成を有する。
【0101】
図3Bは、図3Aに示されたものと類似のプローブ・ピースの端部を例証する。図3Bにおいて、プローブ・ピースの一方の側に非視覚化センサ(例えば、圧力センサ)390が位置付けられ、プローブ・ピースの反対側にポート391が位置付けられる。ポート391は、プローブ・ピースの長さの少なくとも一部を延びる管腔に作動可能に接続されていてもよく、且つ活性薬剤の送達などのような上記で説明された機能を含む種々の機能を果たしてもよい。
【0102】
装置の遠位端300に位置付けられる構成要素の機械的配置に関する別の実施形態が図3Cに示される。プローブ・ピース壁310の端面図は、その内周内に同心に位置付けられた、カメラハウジング340、カメラレンズ、及び視覚化センサ330を有する。加えて、光ファイバの束の端のような一体化された照明器350の端面図は、カメラハウジング340とプローブ・ピースの壁310の内周との間のスペース内に位置付けられる。
【0103】
図3Dは、図3Cに示されたものと類似のプローブ・ピースの端部を例証する。図3Dにおいて、プローブ・ピースの一方の側に非視覚化センサ(例えば、圧力センサ)390が位置付けられ、プローブ・ピースの反対側にポート391が位置付けられる。ポート391は、プローブ・ピースの長さの少なくとも一部を延びる管腔に作動可能に接続されていてもよく、且つ活性薬剤の送達などのような上記で説明された機能を含む種々の機能を果たしてもよい。
【0104】
センサから装置のハンド・ピースにおける制御モジュールへのデータ伝送は、あらゆる便利な手法を用いて達成されてもよい。或る実施形態において、センサ390からハンド・ピース内の電子装置への情報の伝送は、図3Eに示すように、プローブ・ピースを通してセンサ390からハンド・ピースの中に通るワイヤ394を介して、点392での電子盤190への接続によって達成される。図3Fは、プローブ・ピースの遠位端に位置付けられるポート391から、プローブ・ピースの内部を通してポート391及び398の間を通る開導管(open conduit)396、例えば、管を介した、ハンド・ピースの中のポート398への接続の一実施形態を例証する。
【0105】
図4A〜図4Fをここで参照すると、ハンド・ピースの無菌状態を維持するように構成される幾つかの異なる実施形態が示されている。図4A〜図4Fに例証されるように、プローブ・ピース111の周辺の場所460でプローブ・ピース111にシール可能に接続される滅菌鞘(又はバッグ)400又は404がある。鞘400又は404は鞘ピース450を含む。鞘はまた、透明なモニタカバー420及び/又は可撓性ブート430のような1つ又は複数の付加的な構成要素を含んでもよい。鞘400又は404は、鞘450のハンド・ピース部における開口部440を介して、ハンド・ピース112(図4C及び図4D)、102(図4E)、104(図4F)の実施形態を包む。加えて、ハンド・ピース112、102、104の実施形態の周りの開口部440で鞘ピース450をシールするための、例えば、開口部440で鞘ピース450を折り畳み且つこれをテープ又は別の方法でシールする、シールが提供される。
【0106】
前述のように、並びに、図4A及び図4Cに示すように、鞘400の実施形態は、これに接続され且つシールされる、剛性の且つ透明なモニタカバー420と可撓性ブート430とを有してもよい。モニタカバー420の目的は、鞘400のシール可能性を維持しながらハンド・ピース112のモニタ手段の機能性を可能にすることである。モニタカバー420は、例えば、モニタ手段の上に嵌めるための機械的機能部を有する透明なプラスチックからなってもよく、その目的は、本発明の実務者に対するモニタの明瞭な観測を可能にすることである。可撓性ブート430は、例えば、鞘400のシール可能性を維持しながら、ハンド・ピース112の制御要素、例えばスイッチの上に嵌めるための機械的機能部を有するゴムからなってもよい。図4Dを参照すると、ハンド・ピース鞘部450は、前に説明されたような場所440でハンド・ピース112の上にシールされてもよい。
【0107】
鞘404の別の実施形態において、図4Bに示すように、上記の実施形態で述べられたような、しかし図4Aのモニタカバー420を備えない、鞘404に接続され且つシールされる可撓性ブート430がある。鞘404のこの実施形態の目的は、モニタが取り付けられていない図4Eのハンド・ピース102を、シールできるようにすることである。この事例において、ハンド・ピース102上に位置付けられる取付構造体480が存在してもよく、この場合、モニタ手段は、本発明の実務者による使用のために要求される場合に取り付けられ及び/又は除去されてもよい。
【0108】
鞘手段404の別の実施形態において、図4Fに示すように、後者の実施形態で述べられるような、図4Eの機能部480を有さないハンド・ピース104をシールする目的で図4Aのモニタカバー420を備えない鞘ピース450に接続され且つシールされる可撓性ブート430があり、この場合、モニタは、図4Fの場所470でハンド・ピース上に設置され位置付けられてもよい。
【0109】
本発明の1つ又は複数の実施形態において、例えば、カテーテル・ピースの回転を通じて得られる場合がある方向以外の、カテーテル・ピースの軸から或る角度をなす1つ又は複数の方向のカメラ観測を有することが望ましい場合がある。カメラが観測するであろう方向は、制御可能であってもよいし又は固定されていてもよい。ここで図5A〜図5Bを参照すると、プローブ・ピースの可撓性且つ制御可能な部分500の一実施形態が示されている。この実施形態において、制御ケーブル550、例えば撚り(twisted)ワイヤ又はロッドが、遠位の場所530で管状のプローブ・ピース部540に及び管状のプローブ・ピース部540内に、並びに遠位レンズ520の背後に接続される。制御ケーブル550は、ハンド・ピース内の制御部、例えば機械的スイッチに接合され、そこでこれは作動され、例えば装置の近位端の方に引っぱられてもよい。この方法での制御ケーブルの作動は、プローブ・ピースの可撓性部500を図5Bに示すように屈曲させるであろう。プローブ・ピースの可撓性部500は、次いで、例えば、ばね手段によって、或いは装置の遠位端の方への制御ケーブル550の作動によって、図5Aに示すような位置に戻されてもよい。
【0110】
プローブ・ピースの可撓性部500は、プローブ・ピースのこの部分が1つ又は複数の方向に撓むことを可能にするような方法で構築されてもよい。図5A〜図5Bに示すような実施形態は、疎水性の管510で覆われる一連の切取部を有することによってプローブ・ピースの可撓性部500を作成する方法の一例を示す。この事例において、可撓性部500は、図5Bに示されている1つの方向に撓むように構成される。加えて、切取部510を包囲する疎水性の管の目的は、可撓性部500の撓みを可能にしながら、材料、例えば水がプローブ・ピースの中に侵入するのを防ぐことである。切取部の数及び配向に応じて、この可撓性部500は、複数の方向及び度合いに可撓性であってもよく、且つハンド・ピース内のスイッチ又は他の機械的制御部に接続された随伴する数の制御ケーブルによって制御されてもよい。
【0111】
カテーテル・ピースの中心軸から或る角度、例えば30度をなすカメラ観測のための別の実施形態が図5Cに示される。この事例において、カテーテル・ピースの遠位先端部にあるレンズ520の近位端で終端するカテーテル・ピース505のこの部分における屈曲部560で形成される角度が存在する。カテーテル・ピース505のこの部分における屈曲部560は、屈曲した鋼管の場合のように剛性であってもよく、又は例えば、可撓性成形プラスチック管の場合のように可撓性であってもよい。成形屈曲部560が可撓性である事例では、実務者によってカテーテル・ピースの中心軸と位置合わせされる、直線位置へのこの部分505の一時的な曲げを提供し、且つ解放されたときに成形位置に屈曲して戻ることになるように構成される、NITINOL(商標)ワイヤのようなばねが内部に存在してもよい。
【0112】
本発明の実務者が例えば組織を診断することを要求される事例では、実務者が診断の下で材料の一部を回収することを要求される場合がある。図6A〜図6Bをここで参照すると、制御可能な薄型の生検ツールの一実施形態が示されている。図6Aは、プローブ・ピースの遠位先端部120の一実施形態の断面図を示す。図6Bは、プローブ・ピースの遠位先端部120の一実施形態の外部側面図を示す。この事例において、切断ピース610及び制御ピース612を含む薄型の生検ツールが存在する。切断ピース610は、プローブ・ピース120の遠位端の付近に同心に配置され、且つ組織に係合するのに十分な様式でプローブ・ピース120の遠位端に対して動かされるように構成される。制御ピース612、例えばロッドは、切断ピース610に取り付けられてもよく、且つこれは、ハンド・ピースに延びてもよく、そこで機械的手段によって作動されるであろう。
【0113】
本発明の実務者が材料、例えば組織を掻き取る又は切断することを要求される事例が存在する可能性がある。ここで図7を参照すると、切断又は掻き取りツールの一実施形態が示されている。この図は、プローブ・ピースの遠位先端部120の一実施形態の断面図を示す。この事例において、切断ピース710及び制御ピース712を含み、且つプローブ・ピース120の遠位端の付近に同心に配置される、薄型の切断又は掻き取りツールがある。このツールは、材料、例えば組織と係合するのに十分な様式でカテーテル・ピース120の遠位端に対して動かされるように構成されてもよい。別の実施形態において、このツールは、材料、例えば組織と係合するのに十分な様式でカテーテル・ピース120の遠位端に対して周方向に回転されるように構成されてもよい。さらに別の実施形態において、このツールは、カテーテル・ピース120の遠位端に固定されてもよい。制御ピース712、例えば管又はロッドは、切断ピース710に取り付けられてもよく、且つこれは、ハンド・ピースに延びてもよく、そこでツールの特定の実施形態にとって必要なはずの機械的手段によって作動されるであろう。
【0114】
本発明の実務者が材料、例えば組織の中に、又は付近に、若しくは周りに1つ又は複数のセンサを配置することを要求される事例が存在する可能性がある。こうしたことは、当該材料の監視が連続的な感知を要求し、且つまた、診断の下で例えば患者からの本発明の視覚化手段の除去を要求するような、材料、例えば組織の診断における事例である可能性がある。図8をここで参照すると、有線接続部810によって本発明100の装置に組み入れられる配置可能なセンサ812の一実施形態が示されている。代替的に、有線接続部810の代わりに無線通信モジュールが使用されてもよい。例証されるように、有線接続部は、図3B及び図3Dに示すようにポート391を通り、そこでこれは次に、プローブ・ピースの遠位先端部120、プローブ・ピースの細長い部材110、及びプローブ・ピースのコネクタ150を通る。有線接続部810は、次いで、そこでその出力が処理される場合があるハンド・ピース内の電子装置盤に接続される。この処理された出力は、例えば、モニタ上に表示されてもよく、及び/又は電子装置盤上のメモリ・チップに記録されてもよい。有線接続部810は、センサが視覚化センサから或る距離、例えば200mmに位置付けられるように、十分なあそび(slack)、例えば余分のワイヤ長さを有してもよい。一実施形態において、配置可能なセンサ812は、センサの配置を助ける機械的機能部、例えばホック又はスパイク若しくは止め部を有してもよい。
【0115】
前に述べたように、センサ812の無線配置が存在してもよい。この事例において、センサ812は、そこでその出力が処理されるであろうハンドル内の電子装置盤に無線で接続するであろう。あらゆる便利な無線通信プロトコルが使用されてもよい。この処理された出力は、例えば、監視手段上に表示されてもよく、及び/又は電子装置盤上のメモリ・チップに記録されてもよい。
【0116】
図9は、一実施形態に係るビデオ・プロセッサ・モジュール905を含むシステム900の機能ブロック図を例証する。ビデオ・プロセッサ・モジュール905は、センサ・モジュール960、カメラ・モジュール950、及びディスプレイ980と通信する、プロセッサ/コントローラ・モジュール910を含む。プロセッサ/コントローラ・モジュール910は、フロントエンド・モジュール915、バックエンド・モジュール920、マイクロコントローラ930、及び画像共処理(coprocessing)モジュール940を備える。画像共処理モジュール940は、例えば、立体鏡画像モジュールを含み、立体鏡画像モジュールの前述の機能及び動作を行う。
【0117】
カメラ・モジュール950は、画像データを提供する単一の視覚化センサ、若しくは2つ又はそれ以上の別個の視覚化センサを含んでもよい。フロントエンド・モジュール915は、カメラ・モジュール950から画像データを受信するための回路を含む。カメラ・モジュール950から受信した画像データは、立体鏡画像データを提供するために、立体鏡画像モジュールによって(すなわち、画像共処理モジュール940によって)処理される。例えば、前述のように、別個の各視覚化センサからの画像データは、画像歪みを補正するためにワープ処理され、且つ三次元の深さ情報を考慮に入れた単一のステレオ画像を構築するように融合されてもよい。バックエンド・モジュール920は、立体鏡画像データをディスプレイ980に送信するための回路を含む。ディスプレイ980は、ユーザが見るための画像データの三次元観測を表示する。
【0118】
ビデオ・プロセッサ・モジュール905は、I2Cバスを介してカメラ・モジュール950と、例えば、スレーブとして構成されるカメラ・モジュール950及びマスターとして構成されるマイクロコントローラ930と電気的に結合されてもよい。マイクロコントローラ930は、カメラ制御データをカメラ・モジュール950に送信するように構成されてもよい。カメラ制御データは、情報要求(例えば、試験/デバッグに関係する情報に対する、校正データに対するなど)を備えてもよく、又はカメラ・モジュール950を制御する(例えば、2つ又はそれ以上の別個の視覚化センサなどを制御する)ためのコマンドを提供してもよい。
【0119】
センサ・モジュール960は、前述の1つ又は複数のセンサ及び/又はツールを含んでもよい。実装される1つ又は複数のセンサ及び/又はツールは、それらの具体的な機能及び用途に関係するセンサ・データを提供してもよい。センサ・データは、プロセッサ/コントローラ・モジュール910によって受信され、且つセンサ(単数又は複数)及び/又はツール(単数又は複数)の具体的な機能及びそれらの用途に応じて種々の方法で用いられてもよい。例えば、センサ・データは、情報(例えば、ディスプレイ980上に表示されることになる若しくは1つ又は複数のLEDを照らすための、パラメータデータ、校正データ、測定読取値、警告など)をユーザに提供するために、具体的なセンサ(単数又は複数)及び/又はツール(単数又は複数)のより正確な制御のためのフィードバック信号を考慮に入れるために、メモリに格納するために、付加的な関連する情報にさらに処理するなどのために、プロセッサ/コントローラ・モジュール910によって用いられてもよい。マイクロコントローラ930はまた、(例えば、実装される具体的なセンサ及び/又はツールを制御し及び/又は校正するために)センサ制御データを送信することによって、I2Cバス又は汎用入力/出力(GPIO)インターフェースを介してセンサ・モジュール960を制御してもよい。
【0120】
プロセッサ/コントローラ・モジュール910は、外部装置及び周辺機器とインターフェースするための種々のモジュールをさらに備える。例えば、図9に示すように、プロセッサ制御モジュールは、装置上のユーザ・キーパッド及びスイッチから入力信号を受信するためのキーパッド及びスイッチ回路970、メモリ・装置に格納されたデータを送信する/受信するためのSDカードホルダ回路972、及びカメラの回転を制御するためのモータ制御回路974を含む。マイクロコントローラ930は、種々の回路と通信するために、例えばGPIOと共に構成されてもよい。そのうえ、ビデオ・プロセッサ・モジュール905は、試験又はデバッグ手順を実施するための通信インターフェース、例えば、UART、USBなどを含んでもよい。
【0121】
方法
本発明の態様はまた、被検者の内部対象組織をイメージングする(及び幾つかの実施形態においては変更する)方法を含む。したがって、本発明の態様は、本発明の組織視覚化装置で内部組織部位をイメージングする方法をさらに含む。種々の内部組織部位は、本発明の装置で画像化することができる。或る実施形態において、方法は、最小限に侵襲的な様式で椎間板をイメージングする方法である。説明を簡単にするために、方法は、ここでは主としてIVD対象組織部位をイメージングする観点でさらに説明される。しかしながら、装置は種々の別個の対象組織部位を画像化するのに用いられてもよいので、本発明はそれに限定されない。
【0122】
椎間板又はその一部、例えば、椎間板の外側、髄核などをイメージングすることに関して、こうした方法の実施形態は、椎間板又はその一部、例えば、髄核、髄核の内部の部位などとの関係性を観測する際に本発明の最小限に侵襲的な椎間板イメージング・装置の遠位端を位置決めすることを含む。関係性を観測するとは、遠位端が関心ある対象組織部位の40mm以内、10mm以内のような、5mm以内を含む場所に位置決めされることを意味する。装置で観測する際の所望の対象組織との位置関係を保った遠位端の位置決めは、必要に応じてトロカールを内蔵していてもよいし又は内蔵していなくてもよいカニューレ又は牽引管のようなアクセス装置の使用を通じた手法を含む、あらゆる便利な手法を用いて達成されてもよい。対象組織との関係性を観測する際のイメージング・装置の遠位端の位置決めの後で、対象組織、例えば、椎間板又はその一部は、画像データを得るために照明及び視覚化要素の使用を通じて画像化される。本発明の方法に従って得られる画像データは、例えば、表示手段としてモニタ又は他の便利な媒体を用いる、画像の形態のユーザへの出力である。或る実施形態において、画像は静止画像であり、一方、他の実施形態において、画像はビデオであってもよい。
【0123】
内部対象組織部位は、広く(widely)変化してもよい。関心ある内部対象組織部位は、心臓の場所、脈間の場所、整形外科的関節、中枢神経系の場所などを含むがこれらに限定されない。或る事例において、内部対象組織部位は脊柱組織を含む。
【0124】
幾つかの状況において、方法は、薄型の生検ツールで組織生検を得ることを含んでもよい。例えば、方法は、細長い部材の遠位端の付近に同心に配置される環状の切断部材を、対象組織に貫入し且つ係合するのに十分な様式で細長い部材の遠位端を越えて前進させることを含んでもよい。組織と係合した後で、環状部材は、或る量の組織を装置に固定するのに十分な様式で細長い部材の近位端の方向に後退されてもよく、これは次いで、組織生検を得るために身体から除去することができる。
【0125】
被検者方法は、種々の哺乳類に用いるのに適している。関心ある哺乳類は、競争用動物、例えばウマ、イヌなど、労役用動物、例えばウマ、ウシなど、及びヒトを含むがこれらに限定されない。幾つかの実施形態において、被検者方法が実施される哺乳類はヒトである。
【0126】
本発明の態様は、内部組織視覚化装置を組み立てる方法をさらに含む。これらの実施形態において、方法は、例えば、上記で説明されたように、細長い部材の近位端を手持ち式制御ユニットに作動関係で結合することを含む。特定の構成に応じて、作動関係で結合するこのステップは、細長い部材を手持ち式制御ユニットの受入構造体の中に嵌めること、細長い部材を手持ち式制御ユニットの受入構造体の中にひねって係止することなどのような種々の異なる行動を含んでもよい。幾つかの状況において、組み立てる方法は、手持ち式制御ユニットを取り外し可能な滅菌カバーの内部にシールすることをさらに含んでもよく、この場合、滅菌カバーは、例えば、上記で説明されたように、細長い部材の近位端に取り付けられ、環境から手持ち式制御ユニットをシールするように構成される。こうした状況において、方法は、滅菌カバーの近位端をシールすることをさらに含んでもよい。
【0127】
有用性
被検者組織視覚化装置及び方法は、周囲組織への損傷を最小にしながら被検者の内部対象組織部位を画像化することが望ましい種々の異なる用途に使い道を見出す。被検者装置及び方法は、限定はされないが、軟組織、軟骨、骨、靱帯などを含む種々の異なるタイプの組織が視覚化されてもよい場合、限定はされないが外科的処置のような多くの用途に使い道を見出す。関心ある具体的な処置は、脊椎固定術(経椎間孔腰椎椎体間固定術(Transforaminal Lumbar Interbody Fusion(TLIF)のような)、椎間板全置換術(total disc replacement)(TDR)、椎間板部分置換術(partial disc replacement)(PDR)、髄核のすべて又は一部が椎間板(IVD)スペースから取り外される処置、関節形成術などを含むがこれらに限定されない。従って、本発明の方法はまた、例えば、既存の医療状態を治療するために或る様式で椎間板が変更される治療方法を含む。関心ある治療方法は、アニュロトミー(annulotomy)、髄核摘出術(nucleotomy)、椎間板ヘルニア摘出術(discectomy)、線維輪置換術(annulus replacement)、髄核置換術(nucleus replacement)、及び腫脹している又は飛び出した椎間板に起因する減圧を含むがこれらに限定されない。イメージング・装置が使い道を見出す付加的な方法は、米国特許出願公開第20080255563号で説明されたものを含む。
【0128】
キット
同じく提供されるのは、被検者方法を実施するのに用いるためのキットであり、キットは、上記の装置及び/又はその構成要素、例えば、上記で説明されたような細長い部材、手持ち式制御ユニット、滅菌カバーなどのうちの1つ又は複数を含んでもよい。キットは、被検者方法を実施する際に使い道を見出す可能性がある他の構成要素、例えば、ガイドワイヤ、アクセス装置、流体源などをさらに含んでもよい。種々の構成要素は、必要に応じて、例えば一緒に又は別々にパッケージされてもよい。
【0129】
前述の構成要素に加えて、被検者キットは、被検者方法を実施するのにキットの構成要素を用いるための命令をさらに含んでもよい。被検者方法を実施するための命令は、一般に、適切な記録媒体上に記録される。例えば、命令は、紙又はプラスチックなどのような基体上に印刷されてもよい。従って、命令は、キットのコンテナのラベル又はその構成要素(すなわち、パッケージ又はサブパッケージと関連付けられる)などにおける添付文書としてキットに存在していてもよい。他の実施形態において、命令は、適切なコンピュータ可読記憶媒体、例えばCD−ROM、ディスケットなど上に存在している電子記憶データファイルとして存在する。さらに他の実施形態において、実際の命令は、キットには存在していないが、遠隔のソースから、例えばインターネットを介して命令を得るための手段が提供される。この実施形態の例は、命令を観測することができる及び/又はそこから命令をダウンロードすることができるウェブアドレスを含むキットである。命令と同様に、この命令を得るための手段は、適切な基体上に記録される。
【0130】
以下の例は、限定するためにではなく例証するために与えられる。
【0131】
実験
一体化された遠位端視覚化部を有する手持ち式の最小寸法にされた診断装置を、以下のように構築した。装置は、手持ち式ユニット・ハウジングのバッテリの形態の外側のSLAシェル、3.5インチモニタ、制御盤、並びにハンドルに接続された4mmの皮下鋼管の遠位先端部で2つのLED及び視覚化モジュールを接続するワイヤからなる。管は、遠位先端部から後ろに約1インチのところで約30度に屈曲された。管に接続されるハンド・ピース上に、作動されたときに管を各方向に180度回転させる手動ホイールが提供された。およそ120度のカメラの視野(対角)を考えると、管の回転は、カメラがスペースの少なくとも全半球を観測することを可能にする。皮下管の外径4mmの遠位先端部の視覚化モジュールは、小さいスチールハウジング内に、Omnivision 6920 QVGAイメージングチップ(米国カリフォルニア州サンタクララ)、一連のレンズ、開口、IRフィルタ、及びカバーガラスを含むものであった。加えて、LEDは、平面カバーガラスの背後に、しかし開口に対し遠位に位置付けられた。したがって、カメラレンズ及び照明の構成に起因して、画像に影響を及ぼす迷光の僅かな入射がある。構築された装置において、電力を与えられたカメラからの信号は、制御盤にとって有用な方法で信号を処理する一連の電子部品を通過し、さらにワイヤがデータを制御盤に送信し、次いでそれがモニタ上に表示される。モニタもまた回転する。QVGA分解能は、3.5インチモニタ上に表示される画像に対して観測されたものであった。
【0132】
上記の発明は、理解を明確にする目的で例証及び例示するために或る程度詳細に説明されているが、この発明の教示に照らせば付属の請求項の精神又は範囲から逸脱することなく或る変化及び修正をそれに加えてもよいことが当業者には容易に分かる。本明細書で用いられる用語は、特定の実施形態を説明する目的のためだけのものであって、本発明の範囲は付属の請求項によってのみ限定されることになるため、限定するものとなることを意図されないことも理解される。
【0133】
したがって、上記のことは、単に本発明の原理を例証するにすぎない。本明細書では明示的に説明され又は図示されないが、本発明の原理を具体化し且つその精神及び範囲内に含まれる種々の配置を考案できうることが当業者には分かるであろう。そのうえ、本明細書で列挙されるすべての例及び条件的言葉は、主として、技術分野を拡大するために発明者によって寄稿される本発明の原理及び概念を読者が理解するのを助け、且つこうした具体的に列挙される例及び条件に限定されないものであると解釈されることを意図される。そのうえ、本発明の原理、態様、及び実施形態、並びにその具体例を挙げている本明細書でのすべての記述は、その構造的均等物と機能的均等物との両方を包含することを意図される。加えて、こうした均等物は、現在公知の均等物と将来開発される均等物、すなわち、構造体に関係なく同じ機能を果たす開発されるあらゆる要素との両方を含むことを意図される。本発明の範囲は、したがって、本明細書で示され説明された例示的な実施形態に限定されることを意図されない。むしろ、本発明の範囲及び精神は、付属の請求項によって具体化される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部組織視覚化装置であって、
(a)モニタを備える手持ち式制御ユニットと、
(b)前記手持ち式制御ユニットに作動可能に結合される近位端と、一体化された視覚化センサを有する最小寸法にされた遠位端とを有する細長い部材と、
を備える装置。
【請求項2】
前記最小寸法にされた遠位端が、5mm以下の外径を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記最小寸法にされた遠位端が、3mm以下の外径を有する、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記一体化された視覚化センサが、CMOS装置を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記細長い部材の遠位端が、一体化された照明器をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記一体化された照明器が、三日月形の構成及び同心の構成からなる群から選択された構成を備える、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記細長い部材が、近位端の光源から前記細長い部材の遠位端に光を伝導するように構成される環状の壁を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記近位端の光源が前方焦点発光ダイオードを備える、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記前方焦点発光ダイオードが、前記細長い部材の外表面に沿って光を導くように構成される、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記細長い部材が、近位端の光源から前記細長い部材の遠位端に光を伝導するように構成される、流体が充填される構造体を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記近位端の光源が前方焦点発光ダイオードを備える、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記前方焦点発光ダイオードが、前記細長い部材の外表面に沿って光を導くように構成される、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記装置が、前記一体化された照明器から前記視覚化センサへの光の直接結合を減少させるように構成される、請求項5に記載の装置。
【請求項14】
前記装置が遠位端の偏光部材を備える、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記偏光部材が、前記一体化された照明器からの光を偏光する、請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記偏光部材が、前記視覚化センサに届く光をフィルタする、請求項13に記載の装置。
【請求項17】
前記細長い部材の近位端が、前記手持ち式制御ユニットから取り外し可能となるように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記装置が、環境から前記手持ち式制御ユニットをシールするように構成される、前記細長い部材の近位端に取り付けられる除去可能な滅菌カバーを備える、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記手持ち式制御ユニットが、ハンドル部分とコントローラとを備える、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記滅菌カバーが、前記モニタと関連付けられるように構成される窓部分と、前記コントローラと関連付けられるように構成されるブート部分とを備える、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記窓部分が、前記モニタとのタッチスクリーン相互作用を提供するように構成される、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記滅菌カバーが、前記手持ち式制御ユニットの近位端と関連付けられる領域でのシールを含む、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記モニタが別の装置と無線通信するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項24】
前記モニタが、前記手持ち式制御ユニットから取り外し可能となるように構成される、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記細長い部材が、遠位端で一体化される非視覚化センサを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項26】
前記遠位端で一体化される非視覚化センサが、温度センサ、圧力センサ、pHセンサ、インピーダンス・センサ、伝導性センサ、及び弾性センサからなる群から選択されたセンサである、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記センサが配置可能である、請求項25に記載の装置。
【請求項28】
前記細長い部材が、前記細長い部材の少なくとも一部にわたって延びる管腔を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項29】
前記細長い部材の遠位端が、薄型の生検ツール及び薄型の切断ツールからなる群から選択されたツールを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項30】
前記薄型の生検ツールが、前記細長い部材の遠位端の付近に同心に配置され、組織に係合するのに十分な様式で前記細長い部材の遠位端に対して動かされるように構成される環状の切断部材を備える、請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記一体化された視覚化センサが、RF遮蔽された視覚化モジュールを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項32】
前記細長い部材が、遠位端関節運動のために構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項33】
前記装置が立体鏡画像モジュールを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項34】
前記装置が画像認識モジュールを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項35】
前記装置が平行レーザを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項36】
被検者の内部対象組織部位をイメージングする方法であって、
(a)内部組織視覚化装置の遠位端を、前記内部対象組織部位との作動可能な関係を保って位置決めすることと、前記装置は、
(i)モニタを備える手持ち式制御ユニットと、
(ii)前記手持ち式制御ユニットに作動可能に結合される近位端と、一体化された視覚化センサを有する最小寸法にされた遠位端とを有する細長い部材と、
を備え、
(b)前記視覚化センサで前記内部対象組織部位を視覚化することと、
を含む方法。
【請求項37】
前記内部対象組織部位が脊柱組織を含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記装置が、遠位端の薄型の生検ツールをさらに備え、前記方法が、前記薄型の生検ツールで組織生検を得ることをさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
内部組織視覚化装置を組み立てる方法であって、細長い部材の近位端を手持ち式制御ユニットに作動可能に結合することを含み、前記細長い部材が遠位端で一体化される視覚化センサを備え、前記手持ち式制御ユニットがモニタを備える、方法。
【請求項40】
前記方法が、前記細長い部材の近位端に取り付けられ且つ環境から前記手持ち式制御ユニットをシールするように構成される除去可能な滅菌カバーの内部に前記手持ち式制御ユニットをシールすることをさらに含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記手持ち式制御ユニットが、ハンドル部分とコントローラとを備え、前記滅菌カバーが、前記モニタと関連付けられるように構成される窓部分と、前記手動コントローラと関連付けられるように構成されるブート部分とを備える、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記方法が、前記滅菌カバーの近位端をシールすることを含む、請求項41に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図1F】
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【図1G】
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【図1H】
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【図1I】
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【図1J】
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【図1K】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図2F】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図3F】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図4F】
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【図5AB】
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【図5C】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2012−532689(P2012−532689A)
【公表日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−519756(P2012−519756)
【出願日】平成22年7月9日(2010.7.9)
【国際出願番号】PCT/US2010/041502
【国際公開番号】WO2011/006052
【国際公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(511019340)アクシス サージカル テクノロジーズ,インク. (2)
【氏名又は名称原語表記】AXIS SURGICAL TECHNOLOGIES,INC.
【Fターム(参考)】