一体型X線検出器アセンブリ及び該検出器アセンブリを製造する方法
【課題】広い検出範囲面積を有しつつ複雑さ及び費用を抑えたX線検出器アセンブリを設計する。
【解決手段】X線検出器アセンブリ(84)が、第一の複数の検出器モジュール(110)を含む第一の曲線型検出器アセンブリ(88)と、第二の複数の検出器モジュール(110)を含む第二の曲線型検出器アセンブリ(90)と、第一のフラット・パネル・ディジタル投影検出器(86)とを含んでおり、第一のフラット・パネル・ディジタル投影検出器(86)は、当該第一のフラット・パネル・ディジタル投影検出器(86)の第一の端部が第一の曲線型検出器アセンブリ(88)の内側端部に結合され、当該第一のフラット・パネル・ディジタル投影検出器(86)の第二の端部が第二の曲線型検出器アセンブリ(90)の内側端部に結合されるように、第一及び第二の曲線型検出器アセンブリ(88、90)の間に配置される。
【解決手段】X線検出器アセンブリ(84)が、第一の複数の検出器モジュール(110)を含む第一の曲線型検出器アセンブリ(88)と、第二の複数の検出器モジュール(110)を含む第二の曲線型検出器アセンブリ(90)と、第一のフラット・パネル・ディジタル投影検出器(86)とを含んでおり、第一のフラット・パネル・ディジタル投影検出器(86)は、当該第一のフラット・パネル・ディジタル投影検出器(86)の第一の端部が第一の曲線型検出器アセンブリ(88)の内側端部に結合され、当該第一のフラット・パネル・ディジタル投影検出器(86)の第二の端部が第二の曲線型検出器アセンブリ(90)の内側端部に結合されるように、第一及び第二の曲線型検出器アセンブリ(88、90)の間に配置される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の各実施形態は一般的には、診断撮像の方法及び装置に関し、さらに具体的には、一体型X線検出器アセンブリを製造する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
典型的には、CTイメージング・システムでは、X線源が患者又は手荷物のような被検体又は物体へ向けてファン(扇形)形状のビームを放出する。以下では、「被検体」及び「対象」「物体」等の用語は、撮像されることが可能な任意の物体を含むものとする。一般的には、X線源及び検出器アセンブリは、撮像平面内で被検体を中心としてガントリの周りを回転する。X線源は典型的には、焦点においてX線ビームを放出するX線管を含んでいる。ビームは被検体によって減弱された後に放射線検出器のアレイに入射する。
【0003】
検出器アセンブリは典型的には、複数の検出器モジュールで構成されている。検出器素子の各々における受光されたX線ビームの強度を表わすデータが、一連のガントリ角度にわたって収集される。検出器アレイにおいて受光される減弱後のビーム放射線の強度は典型的には、被検体によるX線ビームの減弱量に依存する。検出器アレイの各々の検出器素子が、各々の検出器素子によって受光される減弱後のビームを示す別個の電気信号を発生する。電気信号はデータ処理システムへ伝送されて解析され、ここから最終的に画像を形成する。
【0004】
従来のCTシステムは、多色スペクトルを有するX線を放出する。被検体の各々の物質のX線減弱は、放出されるX線のエネルギに依存する。CT投影データが多数のX線エネルギ・レベル又はスペクトルにおいて取得される場合には、データは、撮像されている被検体又は対象に関する従来のCT画像には含まれない付加的情報を含む。例えば、スペクトルCTデータを用いて、選択された単色エネルギと等価のX線減弱係数による新たな画像を形成することができる。かかる単色画像は、恰も被検体からの投影データを単色X線ビームによって収集することによりCT画像が形成されているかのようにボクセルの強度値が割り当てられている画像データを含んでいる。スペクトルCTデータは、各組織のさらに十分な識別を容易にして、例えばカルシウムを含む組織及びヨードを含む組織のように各物質を区別することを容易にする。
【0005】
エネルギ感知型走査の主な目的は、異なる色エネルギ状態での2以上の走査を利用することにより、画像の内部の情報(コントラスト分離及び物質特異性等)を強調する診断用CT画像を得ることである。高周波発生器が、交互ビュー毎に高周波電磁エネルギ投射源のkVp電位を切り換えることを可能にした。結果として、2以上のエネルギ感知型走査のデータを、従来のCT技術の場合に典型的に生ずる数秒間隔で行なわれる2回の別個の走査ではなく、時間的にインタリーブされた態様で得ることができる。インタリーブされた投影データはさらに、例えば何らかの形態の補間を用いて、各々のエネルギ・レベルにおいて同じ経路長が画定されるように位置合わせされ得る。
【0006】
従来の曲線型検出器アレイは、検出器アレイに配列された多数の個別の検出器素子を含んでいる。これらの検出器素子は二次元モジュールとして配列されたシンチレータ/フォトダイオードのセルであり、次いでこれらの二次元モジュールを結合して二次元(2D)検出器面積アレイにする。この検出器アレイの検出範囲(coverage)面積は、各々の2Dモジュールにおける検出器素子の数及び検出器アセンブリを形成するように結合される2Dモジュールの数によって画定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第7,039,153号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の曲線型検出器アレイを含む公知のシステム及び方法を用いて、多数のX線エネルギ・レベル又はスペクトルにおける投影データを取得して表示することができるが、走査の検出範囲面積は検出器アレイの寸法によって画定される。各々の個別の検出器素子が当該素子固有の読み出しチャネルを有するため、検出器アセンブリが大きいほどイメージング・システムは高価で複雑になる。
【0009】
心走査のような様々な撮像応用において、撮像対象についての画像データの全てをガントリの単一の回転において取得することができると有利である。かかる画像データ取得技術は、例えばモーション・アーティファクトを最小化することを含めて多くの利点を有する。しかしながら、検出器アセンブリの検出範囲面積は、検出器アレイでの撮像対象の投影の寸法に基づいて寸法決定されなければならない。例えば心臓を撮像するのに十分に大きい検出範囲面積を有して設計される曲線型検出器アセンブリは、極めて複雑で法外に高価となる。
【0010】
従って、上述の欠点を克服するX線検出器アセンブリを設計することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一観点によれば、X線検出器アセンブリが、第一の複数の検出器モジュールを含む第一の曲線型検出器アセンブリと、第二の複数の検出器モジュールを含む第二の曲線型検出器アセンブリと、第一のフラット・パネル・ディジタル投影検出器とを含んでおり、第一のフラット・パネル・ディジタル投影検出器は、当該第一のフラット・パネル・ディジタル投影検出器の第一の端部が第一の曲線型検出器アセンブリの内側端部に結合され、当該第一のフラット・パネル・ディジタル投影検出器の第二の端部が第二の曲線型検出器アセンブリの内側端部に結合されるように、第一及び第二の曲線型検出器アセンブリの間に配置される。
【0012】
本発明のもう一つの観点によれば、検出器アセンブリを製造する方法が、第一のフラット・パネル検出器を設けるステップを含んでおり、第一のフラット・パネル検出器は、X線源に対面するように構成された上面と、当該第一のフラット・パネル検出器の上面から上面の反対側の底面へ向けて延在する第一の側面と、第一の側面の反対側で上面から底面まで延在する第二の側面とを有している。この方法はまた、内部に配置された複数の検出器を有し、X線源に対面するように構成された上面を含む第一の曲線型検出器アレイを設けるステップと、当該第一の曲線型検出器の上面の一辺が第一のフラット・パネル検出器の第一の側面に当接するように第一の曲線型検出器アレイを第一のフラット・パネル検出器と整列させるステップとを含んでいる。さらに、この方法は、内部に配置された複数の検出器を有し、X線源に対面するように構成された上面を含む第二の曲線型検出器アレイを設けるステップと、当該第二の曲線型検出器の上面の一辺が第一のフラット・パネル検出器の第二の側面に当接するように第二の曲線型検出器アレイを第一のフラット・パネル検出器と整列させるステップとを含んでいる。
【0013】
本発明のもう一つの観点によれば、CTシステムが、走査対象を収容する開口を内部に有する回転式ガントリと、回転式ガントリの開口の内部に配置されて開口を通ってZ方向に移動可能なテーブルとを含んでいる。このCTシステムはまた、回転式ガントリに結合されてX線のビームを走査対象へ向けて投射するように構成されているX線源と、X線源からのX線のビームを受光するように配置された検出器アセンブリとを含んでいる。検出器アセンブリは、複数の検出器を含む第一の曲線型検出器アセンブリと、複数の検出器を含む第二の曲線型検出器アセンブリと、第一のフラット・パネル・ディジタル検出器とを含んでおり、第一のフラット・パネル・ディジタル検出器は、当該第一のフラット・パネル・ディジタル検出器の第一の端部が第一の曲線型検出器アセンブリの内側端部に結合され、当該第一のフラット・パネル検出器の第二の端部が第二の曲線型検出器アセンブリの内側端部に結合されるように、第一及び第二の曲線型検出器アセンブリの間に配置される。
【0014】
他の様々な特徴及び利点が、以下の詳細な説明及び図面から明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図面は、本発明を実施するために現状で思量される好ましい各実施形態を示す。
【図1】CTイメージング・システムの見取り図である。
【図2】図1に示すシステムのブロック概略図である。
【図3】CTシステム検出器アレイの一実施形態の遠近図である。
【図4】検出器の一実施形態の遠近図である。
【図5】本発明の一実施形態による検出器アセンブリを有するイメージング・システムの一部の断面図である。
【図6】図5の検出器アセンブリの一部の拡大図である。
【図7】図5の検出器アセンブリの他の一部の拡大図である。
【図8】本発明の一実施形態による図5の検出器アセンブリの遠近図である。
【図9】本発明のもう一つの実施形態による検出器アセンブリを有するイメージング・システムの一部の断面図である。
【図10】図9の検出器アセンブリの一部の拡大図である。
【図11】図9の検出器アセンブリの他の一部の拡大図である。
【図12】第一の位置にあるフラット・パネル検出器を示す図9の検出器アセンブリのブロック概略図である。
【図13】第二の位置にあるフラット・パネル検出器を示す図9の検出器アセンブリのもう一つのブロック概略図である。
【図14】非侵襲型小包検査システムと共に用いられるCTシステムの見取り図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の動作環境を64スライス型計算機式断層写真法(CT)システムに関連して説明する。但し、当業者には、本発明が他のマルチ・スライス型構成での利用にも同等に適用可能であることが認められよう。さらに、本発明をX線の検出及び変換に関連して説明する。但し、当業者はさらに、本発明が他の高周波電磁エネルギの検出及び変換にも同等に適用可能であることを認められよう。本発明を「第三世代」CTスキャナに関連して説明するが、本発明は他のCTシステムでも同等に適用可能である。
【0017】
加えて、本発明の幾つかの実施形態は、例えば二重エネルギ・データのような多重エネルギ・データを取得するためのシステム、方法、及びコンピュータ命令を提供する。幾つかの多重エネルギ・データは、例えばフォトン計数システムのようなスペクトル・イメージング・システムにおいて用いられ得る。多重エネルギ・データの一形式である二重エネルギ・データは、単色画像、物質密度画像、及び/又は実効Z画像において具現化され得る。本書に記載される実施形態の多くは二重エネルギ・データに関連して議論されているが、当業者には認められるように、これらの実施形態は二重エネルギ・データに限定されず、他の形式の多重エネルギ・データに関連して用いられることもできる。
【0018】
図1には、CTイメージング・システム10が、「第三世代」CTスキャナに典型的なガントリ12を含むものとして示されている。ガントリ12はX線源14を有し、X線源14は、ガントリ12の反対側に位置する検出器アセンブリ又はコリメータ16へ向けてX線のビームを投射する。図2を参照すると、検出器アセンブリ16は、複数の検出器又は検出器モジュール18及びデータ取得システム(DAS)20によって形成されている。複数の検出器18は、患者24を透過する投射X線22を感知し、DAS20は後続の処理のためにデータをディジタル信号へ変換する。各々の検出器18が、入射X線ビームの強度を表わし従って患者24を透過した減弱後のビームを表わすアナログ電気信号を発生する。X線投影データを取得するための1回の走査の間に、ガントリ12及びガントリ12に装着されている構成部品は回転中心26の周りを回転する。
【0019】
ガントリ12の回転及びX線源14の動作は、CTシステム10の制御機構28によって制御される。制御機構28は、X線制御器30とガントリ・モータ制御器32とを含んでおり、X線制御器30はX線源14に電力信号及びタイミング信号を供給し、ガントリ・モータ制御器32はガントリ12の回転速度及び位置を制御する。画像再構成器34が、標本化されてディジタル化されたX線データをDAS20から受け取って高速再構成を実行する。再構成された画像はコンピュータ36への入力として印加され、コンピュータ36は大容量記憶装置38に画像を記憶させる。
【0020】
コンピュータ36はまた、キーボード、マウス、音声作動式コントローラ、又は他の任意の適当な入力装置のような何らかの形態の操作者インタフェイスを有するコンソール40を介して、操作者から命令及び走査用パラメータを受け取る。付設されている表示器42によって、操作者は、再構成された画像及びコンピュータ36からのその他のデータを観察することができる。操作者が供給した命令及びパラメータはコンピュータ36によって用いられて、DAS20、X線制御器30及びガントリ・モータ制御器32に制御信号及び情報を供給する。加えて、コンピュータ36は、電動テーブル46を制御するテーブル・モータ制御器44を動作させて、患者24及びガントリ12を配置する。具体的には、テーブル46は患者24を図1のガントリ開口48を通して全体として又は部分的に移動させる。
【0021】
図3に示すように、検出器アセンブリ16は、コリメート用ブレード又はプレート52を間に配置したレール50を含んでいる。プレート52は、X線ビームが例えば検出器アセンブリ16に配置された図4の検出器18に入射する前にX線22をコリメートするように配置されている。一実施形態では、検出器アセンブリ16は57個の検出器18を含んでおり、各々の検出器18が64×16のアレイ寸法のピクセル素子54を有している。結果として、検出器アセンブリ16は64列の横列及び912列の縦列(16×57個の検出器)を有し、ガントリ12の各回の回転によって64枚の同時スライスのデータを収集することを可能にしている。
【0022】
図4を参照すると、検出器18はDAS20を含んでおり、各々の検出器18が、パック56として構成されている多数の検出器素子54を含んでいる。検出器18は、検出器素子54に対してパック56の内部に配置されたピン58を含んでいる。パック56は、複数のダイオード62を有する背面照射型ダイオード・アレイ60の上に配置されている。次に、背面照射型ダイオード・アレイ60は多層基材64の上に配置されている。スペーサ66が多層基材64の上に配置されている。検出器素子54は背面照射型ダイオード・アレイ60に光学的に結合され、次に背面照射型ダイオード・アレイ60は多層基材64に電気的に結合されている。軟質(フレックス)回路68が、多層基材64の面70及びDAS20に取り付けられている。検出器18は、ピン58の利用によって検出器アセンブリ16の内部に配置される。
【0023】
一実施形態の動作時には、検出器素子54の内部に入射するX線がフォトンを発生し、フォトンがパック56を横断することによりアナログ信号を発生して、この信号が背面照射型ダイオード・アレイ60の内部のダイオードにおいて検出される。発生されるアナログ信号は、多層基材64を通り、フレックス回路68を通ってDAS20まで運ばれて、ここでアナログ信号がディジタル信号へ変換される。
【0024】
図5は、例えば図1のCTイメージング・システム10のようなイメージング・システム72の一部の側面図を示す。イメージング・システム72は、回転式ガントリ78の回転中心76の周りを回転するように構成されているX線源74を含んでいる。X線源74から放出される高速の電子がX線源74のターゲット部(図示されていない)の表面に衝突すると、X線ビーム80が発生される。X線ビーム80は患者82を透過して検出器アセンブリ84に入射する。
【0025】
ここで図5〜図8を参照して述べると、検出器アセンブリ84は、一対の曲線型検出器アセンブリ又はアレイ88、90の間に配置されたフラット・パネル・ディジタル投影放射線検出器86を含んでいる。図6は検出器アセンブリ84の一部92の拡大図であって、フラット・パネル検出器86と曲線型検出器アセンブリ88との間の境界面を示しており、図7は検出器アセンブリ84の一部94の拡大図であって、フラット・パネル検出器86と曲線型検出器アセンブリ90との間の境界面を示している。図6に示すように、フラット・パネル検出器86は、当該フラット・パネル検出器86の左側表面又は左側端部96が曲線型検出器アセンブリ88の内側表面又は内側端部98に結合されるように曲線型検出器アセンブリ88に結合されている。また、図7に示すように、フラット・パネル検出器86は同様の態様で、当該フラット・パネル検出器86の右側表面又は右側端部100が曲線型検出器アセンブリ90の内側表面又は内側端部102に結合されるように曲線型検出器アセンブリ90に結合されている。一実施形態では、フラット・パネル検出器86及び曲線型検出器アセンブリ88、90は、フラット・パネル検出器86の上面104がそれぞれの曲線型検出器アセンブリ88、90の上面106、108と実質的に整列するように整列させられる。代替的には、以下で図9〜図10に関連して詳述するように、フラット・パネル検出器86の上面104は、曲線型検出器アセンブリ88、90の上面106、108からずれていてもよい。
【0026】
各々の曲線型検出器アセンブリ88、90が複数の個別の検出器110を含んでおり、検出器110の各々が、検出器18(図4)の検出器素子54と同様に多数の検出器素子(図示されていない)を有している。一実施形態では、各々の検出器110は、x方向(チャネル方向)112で測定される幅約16mm、及びz方向(スライス方向)114で測定される高さ約64mmを有している。読み出しチャネル116が、各々の検出器110の電気信号をそれぞれの検出器110からデータ取得システム118へ伝送する。データ取得システム118はデータをディジタル信号へ変換する。ディジタル信号は、画像再構成器34(図2)のような画像再構成器であってフラット・パネル・ディジタル検出器86と曲線型検出器アセンブリ88、90との間の境界面における干渉を考慮に入れた高度な較正及び補正を適用し得る画像再構成器へ伝送されて再構成を施される。
【0027】
フラット・パネル検出器86は、カテーテル撮像に典型的に用いられるディジタル・フルオロスコピィ・パネルのような固体ディジタル投影放射線検出器である。フラット・パネル検出器86は、横列及び縦列に構成されたピクセル120のアレイを含んでいる。検出器アセンブリ88、90のような従来の曲線型検出器アセンブリとは異なり、フラット・パネル検出器86のピクセル120は、図8に示すように走査線122及び読み出し線124のマトリクスに関連付けられる。フラット・パネル検出器86は、読み出し線124毎に単一の読み出しチャネル126を含んでいる。一実施形態では、フラット・パネル検出器86は、General Electric CompanyのGE Healthcare事業部から市販されているRevolution(商標)XR/dである。
【0028】
検出器アセンブリ84は、X線ビーム80が患者82を透過してフラット・パネル検出器86及び曲線型検出器アセンブリ88、90に入射するようにX線源74に整列している。図5に示すように、フラット・パネル検出器86は、患者82の関心領域128に整列し、関心領域128の全投影130がフラット・パネル検出器86に入射するような寸法を有している。X線透過方向132に進み関心領域128を透過するX線がフラット・パネル検出器86に入射することを保証するために、フラット・パネル検出器86の検出範囲面積は関心領域128の投影130の寸法に少なくとも等しい。従って、フラット・パネル検出器86を、様々な実施形態に従って心臓、肝臓又は肺のような投影される着目器官の寸法(又は僅かに大型)にすることができる。一実施形態では、フラット・パネル検出器86は、x方向及びz方向112、114で測定される約20cm×20cmの検出範囲面積を有する。従って、曲線型検出器アセンブリ88、90に入射するX線ビーム80の部分は、関心領域128の外部の患者82の領域に対応する。選択により、フラット・パネル検出器86のX線透過方向132の前面に、フラット・パネル検出器86において受光されるX線ビームをコリメートするフラット・パネル・コリメータ・アセンブリ又はグリッド127(二点鎖線で示す)を配置してもよい。
【0029】
様々な実施形態によれば、関心領域128は、例えば心臓、肺、又は肝臓のような被撮像器官に対応する。従って、関心領域128が心臓として画定される心走査応用では、フラット・パネル検出器86の検出範囲面積がフラット・パネル検出器86での心臓の投影130よりも大きいため、成人の心臓全体を回転式ガントリ78の単一回転で走査することができる。
【0030】
図9には、代替的な実施形態によるイメージング・システム134が示されている。イメージング・システム134は、第一及び第二の曲線型検出器アセンブリ88、90の間に配置されたフラット・パネル検出器86を含む検出器アセンブリ84へ向けてX線ビーム80を方向付けるように配置されたX線源74を含んでいる点で図5のイメージング・システム72に関連して説明したものと同様の態様で構成されている。
【0031】
図10は検出器アセンブリ84の一部136の拡大図であって、フラット・パネル検出器86と曲線型検出器アセンブリ88との間の境界面を示している。図示のように、フラット・パネル検出器86は、曲線型検出器アセンブリ88の上面106の一辺138がフラット・パネル検出器86の第一の側面140と当接するように曲線型検出器アセンブリ88に結合されている。同様に、図11は検出器アセンブリ84の一部142の拡大図であって、フラット・パネル検出器86と曲線型検出器アセンブリ90との間の境界面を示している。フラット・パネル検出器86は、曲線型検出器アセンブリ88と同様の態様で曲線型検出器アセンブリ90に結合されている。すなわち、曲線型検出器アセンブリ90の上面108の一辺144がフラット・パネル検出器86の第二の側面146と当接している。
【0032】
図9に戻り、イメージング・システム72(図5)に含まれる各構成要素に加えて、イメージング・システム134は、フラット・パネル・ディジタル投影放射線検出器86のX線透過方向132の前面に配置される第二のフラット・パネル・ディジタル投影放射線検出器148を含んでおり、X線源74から発散するX線ビーム80の一部がフラット・パネル検出器86に入射する前に第二のフラット・パネル検出器148を透過するようになっている。様々な実施形態によれば、フラット・パネル検出器86、148は異なる減弱特性を有して構築され得る。例えば、フラット・パネル検出器82、148のシンチレータは、フラット・パネル検出器148が低エネルギX線を吸収しフラット・パネル検出器86が高エネルギX線を吸収するように、異なる厚み(y方向150で測定される)又は異なるシンチレータ材料で製造され得る。イメージング・システム134はまた、各々のフラット・パネル検出器86、148の前面に配置される選択要素のコリメート用アセンブリ127(図5)と同様のコリメート用アセンブリ又はグリッド(図示されていない)を含み得る。
【0033】
一実施形態では、第二のフラット・パネル検出器148はガイド・レール152に摺動自在に取り付けられ、図12及び図13に示すように第二のフラット・パネル検出器148がX線ビーム80の内外へ移動し得るようにしている。先ず、図12には、第二のフラット・パネル検出器148を第一の位置に有する検出器アセンブリ84のブロック概略図が示されており、この場合には第二のフラット・パネル検出器148はフラット・パネル・ディジタル投影放射線検出器86の上に配置されて実質的に重なっており、このためフラット・パネル検出器86は図12では視界から隠れている。第二のフラット・パネル検出器148がこの第一の位置にあるときに、フラット・パネル検出器86へ向けて発散するX線80の一部が第二のフラット・パネル検出器148によって吸収され、X線80の他の一部が第二のフラット・パネル検出器148を透過してフラット・パネル検出器86に入射する。図13は、ガイド・レール152に沿って第二の位置へ移動した後の第二のフラット・パネル検出器148を示しており、この場合には第二のフラット・パネル検出器148はフラット・パネル検出器86からz方向114にずれている。このように、第二のフラット・パネル検出器148が第二の位置にあるときに、X線透過方向132に向けられたX線80は、最初に第二のフラット・パネル検出器148を透過することなく、フラット・パネル検出器86に入射する。
【0034】
図9に戻り、X線透過方向132に第一及び第二のフラット・パネル検出器86、148の間に、エネルギ識別計算機式断層写真法(EDCT)応用に用いられるノッチ・フィルタ154を配置することができる。ノッチ・フィルタ154はX線減弱材料で構築されて、X線源74から放出されるX線80の高エネルギX線帯と低エネルギX線帯との間に相対的に広いエネルギ分離帯又はノッチを提供する。様々な実施形態によれば、ノッチ・フィルタ154は、単一材料で構築されてもよいし、濾波されるX線のノッチ幅を拡大するように複合材料で構築されてもよい。さらに、イメージング・システム72は、異なる濾波特性を有して所与の走査の詳細に基づいて選択され得る多数の交換可能なノッチ・フィルタ154を含み得る。ノッチ・フィルタ154は、第二のフラット・パネル検出器148に関連して上述したような同様の態様でガイド・レール156に摺動自在に装着され得る。当業者は、代替的な実施形態に従って、イメージング・システムが、ノッチ・フィルタを除いて検出器86、148と同様の一対のフラット・パネル検出器を含み得ることを認められよう。さらに、ノッチ・フィルタ154は、患者82と第二のフラット・パネル検出器148との間に配置されてもよい。
【0035】
二つの曲線型検出器アセンブリ88、90の間にフラット・パネル検出器86を組み入れることにより、得られる検出器アセンブリ84は、フラット・パネル検出器技術及び曲線型検出器技術の両形式の検出器に固有の負の側面を軽減しつつ両者の利点を強化する。例えば、フラット・パネル検出器の所与の読み出し線における検出器素子の全てからの電荷がこの線の単一の読み出し回路に供給されるため、フラット・パネル検出器の標本化速度は従来の曲線型検出器アセンブリの標本化速度よりも遅い。しかしながら、フラット・パネル検出器86は視野の中心に配置されているので、フラット・パネル検出器86は画像の最も遅く移動する部分に対応する減弱データを取得する。また、フラット・パネル検出器の製造は同様の検出範囲面積を有する曲線型検出器よりも対費用効果が高いので、検出器アセンブリ84の中心にフラット・パネル検出器84を用いると、z方向112での(すなわち患者軸に沿った)検出範囲の拡大を可能にしつつ検出器アセンブリ84の全体の費用を縮小することができる。フラット・パネル検出器84を曲線型検出器アセンブリ88、90の間に配置すると、フラット・パネル検出器の利用に固有の相対的に長い遅延又は残光も軽減される。最後に、例えば第二のフラット・パネル検出器148のような第二のフラット・パネル検出器の利用によって、フラット・パネル検出器の限定されたダイナミック・レンジが軽減され得る。フラット・パネル検出器84は心撮影に望まれる分解能及び検出範囲を提供するので、検出器アセンブリ84は心CT撮像応用での利用に特に有利である。
【0036】
図14を参照すると、小包/手荷物検査システム158が、小包又は手荷物を通過させ得る開口162を内部に有する回転式ガントリ160を含んでいる。回転式ガントリ160は、高周波電磁エネルギ源164と、図3又は図4に示されるものと同様のシンチレータ・セルで構成されたシンチレータ・アレイを有する検出器アセンブリ166とを収容している。また、コンベヤ・システム168が設けられており、コンベヤ・システム168は、構造172によって支持されて走査のために小包又は手荷物174を自動的に且つ連続的に開口162に通すコンベヤ・ベルト170を含んでいる。物体174をコンベヤ・ベルト170によって開口162に送り込み、次いで撮像データを取得し、コンベヤ・ベルト170によって開口162から小包174を除去することを、制御された連続的な態様で行なう。結果として、郵便物検査官、手荷物積み降ろし員及び他の警備人員が、爆発物、刃物、銃及び密輸品等について小包174の内容を非侵襲的に検査することができる。
【0037】
当業者は、本発明の各実施形態が、コンピュータ・プログラムを記憶したコンピュータ可読の記憶媒体に結び付けられて制御され得ることを認められよう。コンピュータ可読の記憶媒体は、電子的構成要素、ハードウェア構成要素、及び/又はコンピュータ・ソフトウェア構成要素の1又は複数のような複数の構成要素を含んでいる。これらの構成要素は、連鎖を成す1若しくは複数の具現化形態又は実施形態の1若しくは複数の部分を実行するソフトウェア、ファームウェア、及び/又はアセンブリ言語のような命令を一般に記憶する1又は複数のコンピュータ可読の記憶媒体を含み得る。これらのコンピュータ可読の記憶媒体は一般的には、非一時的であり且つ/又は有形である。かかるコンピュータ可読の記憶媒体の例としては、コンピュータの記録可能なデータ記憶媒体及び/又は記憶装置等がある。コンピュータ可読の記憶媒体は例えば、磁気式、電気式、光学式、生物式、及び/又は原子式のデータ記憶媒体の1又は複数を用いていてよい。さらに、かかる媒体は、例えばフロッピィ・ディスク、磁気テープ、CD−ROM、DVD−ROM、ハード・ディスク・ドライブ、及び/又は電子メモリの形態を取り得る。列挙されていない他の形態の非一時的であり且つ/又は有形であるコンピュータ可読の記憶媒体を本発明の各実施形態と共に用いてもよい。
【0038】
多数のかかる構成要素がシステムの具現化形態において結合され又は分割され得る。さらに、かかる構成要素は、当業者には認められるように多数のプログラミング言語の任意のもので書かれ又は具現化された一組及び/又は一連のコンピュータ命令を含み得る。加えて、搬送波のような他の形態のコンピュータ可読の媒体を用いて、1又は複数のコンピュータによって実行されると、連鎖を成す1若しくは複数の具現化形態又は実施形態の1若しくは複数の部分を実行することを当該1又は複数のコンピュータに行なわせる命令の系列を表わすコンピュータ・データ信号を具現化することができる。
【0039】
従って、一実施形態によれば、X線検出器アセンブリが、第一の複数の検出器モジュールを含む第一の曲線型検出器アセンブリと、第二の複数の検出器モジュールを含む第二の曲線型検出器アセンブリと、第一のフラット・パネル・ディジタル投影検出器とを含んでおり、第一のフラット・パネル・ディジタル投影検出器は、当該第一のフラット・パネル・ディジタル投影検出器の第一の端部が第一の曲線型検出器アセンブリの内側端部に結合され、当該第一のフラット・パネル・ディジタル投影検出器の第二の端部が第二の曲線型検出器アセンブリの内側端部に結合されるように、第一及び第二の曲線型検出器アセンブリの間に配置される。
【0040】
もう一つの実施形態によれば、検出器アセンブリを製造する方法が、第一のフラット・パネル検出器を設けるステップを含んでおり、第一のフラット・パネル検出器は、X線源に対面するように構成された上面と、当該第一のフラット・パネル検出器の上面から上面の反対側の底面へ向けて延在する第一の側面と、第一の側面の反対側で上面から底面まで延在する第二の側面とを有している。この方法はまた、内部に配置された複数の検出器を有し、X線源に対面するように構成された上面を含む第一の曲線型検出器アレイを設けるステップと、当該第一の曲線型検出器の上面の一辺が第一のフラット・パネル検出器の第一の側面に当接するように第一の曲線型検出器アレイを第一のフラット・パネル検出器と整列させるステップとを含んでいる。さらに、この方法は、内部に配置された複数の検出器を有し、X線源に対面するように構成された上面を含む第二の曲線型検出器アレイを設けるステップと、当該第二の曲線型検出器の上面の一辺が第一のフラット・パネル検出器の第二の側面に当接するように第二の曲線型検出器アレイを第一のフラット・パネル検出器と整列させるステップとを含んでいる。
【0041】
さらにもう一つの実施形態によれば、CTシステムが、走査対象を収容する開口を内部に有する回転式ガントリと、回転式ガントリの開口の内部に配置されて開口を通ってZ方向に移動可能なテーブルとを含んでいる。このCTシステムはまた、回転式ガントリに結合されてX線のビームを走査対象へ向けて投射するように構成されているX線源と、X線源からのX線のビームを受光するように配置された検出器アセンブリとを含んでいる。検出器アセンブリは、複数の検出器を含む第一の曲線型検出器アセンブリと、複数の検出器を含む第二の曲線型検出器アセンブリと、第一のフラット・パネル・ディジタル検出器とを含んでおり、第一のフラット・パネル・ディジタル検出器は、当該第一のフラット・パネル・ディジタル検出器の第一の端部が第一の曲線型検出器アセンブリの内側端部に結合され、当該第一のフラット・パネル検出器の第二の端部が第二の曲線型検出器アセンブリの内側端部に結合されるように、第一及び第二の曲線型検出器アセンブリの間に配置される。*
この書面の記載は、最適な態様を含めて本書において本発明を開示し、また任意の装置又はシステムを製造して利用すること及び任意の組み込まれた方法を実行することを含めてあらゆる当業者が本発明を実施することを可能にするように実例を用いている。本発明の特許付与可能な範囲は特許請求の範囲によって画定され、当業者に想到される他の実例を含み得る。かかる他の実例は、特許請求の範囲の書字言語に相違しない構造要素を有する場合、又は特許請求の範囲の書字言語と非実質的な相違を有する等価な構造要素を含む場合には、特許請求の範囲内にあるものとする。
【符号の説明】
【0042】
10:CTイメージング・システム
12:ガントリ
14:X線源
16:検出器アセンブリ
18:複数の検出器
20:データ取得システム(DAS)
22:投射X線
24:患者
26:回転中心
28:制御機構
30:X線制御器
32:ガントリ・モータ制御器
34:画像再構成器
36:コンピュータ
38:大容量記憶装置
40:コンソール
42:表示器
44:テーブル・モータ制御器
46:電動テーブル
48:ガントリ開口
50:レール
52:コリメート用プレート
54:ピクセル素子
56:パック
58:ピン
60:背面照射型ダイオード・アレイ
62:複数のダイオード
64:多層基材
66:スペーサ
68:軟質(フレックス)回路
70:面
72:イメージング・システム
74:X線源
76:回転中心
78:回転式ガントリ
80:X線ビーム
82:患者
84:検出器アセンブリ
86:フラット・パネル検出器
88、90:曲線型検出器アセンブリ
92、94:一部
96:左側表面又は左側端部
98:内側表面又は内側端部
100:右側表面又は右側端部
102:内側表面又は内側端部
104、106、108:上面
110:個別の検出器
112:x方向
114:z方向
116、126:読み出しチャネル
118:データ取得システム
120:ピクセル
122:走査線
124:読み出し線
127:フラット・パネル・コリメータ・アセンブリ又はグリッド
128:関心領域
130:全投影
132:X線透過方向
134:イメージング・システム
136、142:一部
138、144:辺
140:第一の側面
146:第二の側面
148:第二のフラット・パネル検出器
150:y方向
152、156:ガイド・レール
154:ノッチ・フィルタ
158:小包/手荷物検査システム
160:回転式ガントリ
162:開口
164:高周波電磁エネルギ源
166:検出器アセンブリ
168:コンベヤ・システム
170:コンベヤ・ベルト
172:構造
174:小包又は手荷物
【技術分野】
【0001】
本発明の各実施形態は一般的には、診断撮像の方法及び装置に関し、さらに具体的には、一体型X線検出器アセンブリを製造する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
典型的には、CTイメージング・システムでは、X線源が患者又は手荷物のような被検体又は物体へ向けてファン(扇形)形状のビームを放出する。以下では、「被検体」及び「対象」「物体」等の用語は、撮像されることが可能な任意の物体を含むものとする。一般的には、X線源及び検出器アセンブリは、撮像平面内で被検体を中心としてガントリの周りを回転する。X線源は典型的には、焦点においてX線ビームを放出するX線管を含んでいる。ビームは被検体によって減弱された後に放射線検出器のアレイに入射する。
【0003】
検出器アセンブリは典型的には、複数の検出器モジュールで構成されている。検出器素子の各々における受光されたX線ビームの強度を表わすデータが、一連のガントリ角度にわたって収集される。検出器アレイにおいて受光される減弱後のビーム放射線の強度は典型的には、被検体によるX線ビームの減弱量に依存する。検出器アレイの各々の検出器素子が、各々の検出器素子によって受光される減弱後のビームを示す別個の電気信号を発生する。電気信号はデータ処理システムへ伝送されて解析され、ここから最終的に画像を形成する。
【0004】
従来のCTシステムは、多色スペクトルを有するX線を放出する。被検体の各々の物質のX線減弱は、放出されるX線のエネルギに依存する。CT投影データが多数のX線エネルギ・レベル又はスペクトルにおいて取得される場合には、データは、撮像されている被検体又は対象に関する従来のCT画像には含まれない付加的情報を含む。例えば、スペクトルCTデータを用いて、選択された単色エネルギと等価のX線減弱係数による新たな画像を形成することができる。かかる単色画像は、恰も被検体からの投影データを単色X線ビームによって収集することによりCT画像が形成されているかのようにボクセルの強度値が割り当てられている画像データを含んでいる。スペクトルCTデータは、各組織のさらに十分な識別を容易にして、例えばカルシウムを含む組織及びヨードを含む組織のように各物質を区別することを容易にする。
【0005】
エネルギ感知型走査の主な目的は、異なる色エネルギ状態での2以上の走査を利用することにより、画像の内部の情報(コントラスト分離及び物質特異性等)を強調する診断用CT画像を得ることである。高周波発生器が、交互ビュー毎に高周波電磁エネルギ投射源のkVp電位を切り換えることを可能にした。結果として、2以上のエネルギ感知型走査のデータを、従来のCT技術の場合に典型的に生ずる数秒間隔で行なわれる2回の別個の走査ではなく、時間的にインタリーブされた態様で得ることができる。インタリーブされた投影データはさらに、例えば何らかの形態の補間を用いて、各々のエネルギ・レベルにおいて同じ経路長が画定されるように位置合わせされ得る。
【0006】
従来の曲線型検出器アレイは、検出器アレイに配列された多数の個別の検出器素子を含んでいる。これらの検出器素子は二次元モジュールとして配列されたシンチレータ/フォトダイオードのセルであり、次いでこれらの二次元モジュールを結合して二次元(2D)検出器面積アレイにする。この検出器アレイの検出範囲(coverage)面積は、各々の2Dモジュールにおける検出器素子の数及び検出器アセンブリを形成するように結合される2Dモジュールの数によって画定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第7,039,153号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の曲線型検出器アレイを含む公知のシステム及び方法を用いて、多数のX線エネルギ・レベル又はスペクトルにおける投影データを取得して表示することができるが、走査の検出範囲面積は検出器アレイの寸法によって画定される。各々の個別の検出器素子が当該素子固有の読み出しチャネルを有するため、検出器アセンブリが大きいほどイメージング・システムは高価で複雑になる。
【0009】
心走査のような様々な撮像応用において、撮像対象についての画像データの全てをガントリの単一の回転において取得することができると有利である。かかる画像データ取得技術は、例えばモーション・アーティファクトを最小化することを含めて多くの利点を有する。しかしながら、検出器アセンブリの検出範囲面積は、検出器アレイでの撮像対象の投影の寸法に基づいて寸法決定されなければならない。例えば心臓を撮像するのに十分に大きい検出範囲面積を有して設計される曲線型検出器アセンブリは、極めて複雑で法外に高価となる。
【0010】
従って、上述の欠点を克服するX線検出器アセンブリを設計することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一観点によれば、X線検出器アセンブリが、第一の複数の検出器モジュールを含む第一の曲線型検出器アセンブリと、第二の複数の検出器モジュールを含む第二の曲線型検出器アセンブリと、第一のフラット・パネル・ディジタル投影検出器とを含んでおり、第一のフラット・パネル・ディジタル投影検出器は、当該第一のフラット・パネル・ディジタル投影検出器の第一の端部が第一の曲線型検出器アセンブリの内側端部に結合され、当該第一のフラット・パネル・ディジタル投影検出器の第二の端部が第二の曲線型検出器アセンブリの内側端部に結合されるように、第一及び第二の曲線型検出器アセンブリの間に配置される。
【0012】
本発明のもう一つの観点によれば、検出器アセンブリを製造する方法が、第一のフラット・パネル検出器を設けるステップを含んでおり、第一のフラット・パネル検出器は、X線源に対面するように構成された上面と、当該第一のフラット・パネル検出器の上面から上面の反対側の底面へ向けて延在する第一の側面と、第一の側面の反対側で上面から底面まで延在する第二の側面とを有している。この方法はまた、内部に配置された複数の検出器を有し、X線源に対面するように構成された上面を含む第一の曲線型検出器アレイを設けるステップと、当該第一の曲線型検出器の上面の一辺が第一のフラット・パネル検出器の第一の側面に当接するように第一の曲線型検出器アレイを第一のフラット・パネル検出器と整列させるステップとを含んでいる。さらに、この方法は、内部に配置された複数の検出器を有し、X線源に対面するように構成された上面を含む第二の曲線型検出器アレイを設けるステップと、当該第二の曲線型検出器の上面の一辺が第一のフラット・パネル検出器の第二の側面に当接するように第二の曲線型検出器アレイを第一のフラット・パネル検出器と整列させるステップとを含んでいる。
【0013】
本発明のもう一つの観点によれば、CTシステムが、走査対象を収容する開口を内部に有する回転式ガントリと、回転式ガントリの開口の内部に配置されて開口を通ってZ方向に移動可能なテーブルとを含んでいる。このCTシステムはまた、回転式ガントリに結合されてX線のビームを走査対象へ向けて投射するように構成されているX線源と、X線源からのX線のビームを受光するように配置された検出器アセンブリとを含んでいる。検出器アセンブリは、複数の検出器を含む第一の曲線型検出器アセンブリと、複数の検出器を含む第二の曲線型検出器アセンブリと、第一のフラット・パネル・ディジタル検出器とを含んでおり、第一のフラット・パネル・ディジタル検出器は、当該第一のフラット・パネル・ディジタル検出器の第一の端部が第一の曲線型検出器アセンブリの内側端部に結合され、当該第一のフラット・パネル検出器の第二の端部が第二の曲線型検出器アセンブリの内側端部に結合されるように、第一及び第二の曲線型検出器アセンブリの間に配置される。
【0014】
他の様々な特徴及び利点が、以下の詳細な説明及び図面から明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図面は、本発明を実施するために現状で思量される好ましい各実施形態を示す。
【図1】CTイメージング・システムの見取り図である。
【図2】図1に示すシステムのブロック概略図である。
【図3】CTシステム検出器アレイの一実施形態の遠近図である。
【図4】検出器の一実施形態の遠近図である。
【図5】本発明の一実施形態による検出器アセンブリを有するイメージング・システムの一部の断面図である。
【図6】図5の検出器アセンブリの一部の拡大図である。
【図7】図5の検出器アセンブリの他の一部の拡大図である。
【図8】本発明の一実施形態による図5の検出器アセンブリの遠近図である。
【図9】本発明のもう一つの実施形態による検出器アセンブリを有するイメージング・システムの一部の断面図である。
【図10】図9の検出器アセンブリの一部の拡大図である。
【図11】図9の検出器アセンブリの他の一部の拡大図である。
【図12】第一の位置にあるフラット・パネル検出器を示す図9の検出器アセンブリのブロック概略図である。
【図13】第二の位置にあるフラット・パネル検出器を示す図9の検出器アセンブリのもう一つのブロック概略図である。
【図14】非侵襲型小包検査システムと共に用いられるCTシステムの見取り図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の動作環境を64スライス型計算機式断層写真法(CT)システムに関連して説明する。但し、当業者には、本発明が他のマルチ・スライス型構成での利用にも同等に適用可能であることが認められよう。さらに、本発明をX線の検出及び変換に関連して説明する。但し、当業者はさらに、本発明が他の高周波電磁エネルギの検出及び変換にも同等に適用可能であることを認められよう。本発明を「第三世代」CTスキャナに関連して説明するが、本発明は他のCTシステムでも同等に適用可能である。
【0017】
加えて、本発明の幾つかの実施形態は、例えば二重エネルギ・データのような多重エネルギ・データを取得するためのシステム、方法、及びコンピュータ命令を提供する。幾つかの多重エネルギ・データは、例えばフォトン計数システムのようなスペクトル・イメージング・システムにおいて用いられ得る。多重エネルギ・データの一形式である二重エネルギ・データは、単色画像、物質密度画像、及び/又は実効Z画像において具現化され得る。本書に記載される実施形態の多くは二重エネルギ・データに関連して議論されているが、当業者には認められるように、これらの実施形態は二重エネルギ・データに限定されず、他の形式の多重エネルギ・データに関連して用いられることもできる。
【0018】
図1には、CTイメージング・システム10が、「第三世代」CTスキャナに典型的なガントリ12を含むものとして示されている。ガントリ12はX線源14を有し、X線源14は、ガントリ12の反対側に位置する検出器アセンブリ又はコリメータ16へ向けてX線のビームを投射する。図2を参照すると、検出器アセンブリ16は、複数の検出器又は検出器モジュール18及びデータ取得システム(DAS)20によって形成されている。複数の検出器18は、患者24を透過する投射X線22を感知し、DAS20は後続の処理のためにデータをディジタル信号へ変換する。各々の検出器18が、入射X線ビームの強度を表わし従って患者24を透過した減弱後のビームを表わすアナログ電気信号を発生する。X線投影データを取得するための1回の走査の間に、ガントリ12及びガントリ12に装着されている構成部品は回転中心26の周りを回転する。
【0019】
ガントリ12の回転及びX線源14の動作は、CTシステム10の制御機構28によって制御される。制御機構28は、X線制御器30とガントリ・モータ制御器32とを含んでおり、X線制御器30はX線源14に電力信号及びタイミング信号を供給し、ガントリ・モータ制御器32はガントリ12の回転速度及び位置を制御する。画像再構成器34が、標本化されてディジタル化されたX線データをDAS20から受け取って高速再構成を実行する。再構成された画像はコンピュータ36への入力として印加され、コンピュータ36は大容量記憶装置38に画像を記憶させる。
【0020】
コンピュータ36はまた、キーボード、マウス、音声作動式コントローラ、又は他の任意の適当な入力装置のような何らかの形態の操作者インタフェイスを有するコンソール40を介して、操作者から命令及び走査用パラメータを受け取る。付設されている表示器42によって、操作者は、再構成された画像及びコンピュータ36からのその他のデータを観察することができる。操作者が供給した命令及びパラメータはコンピュータ36によって用いられて、DAS20、X線制御器30及びガントリ・モータ制御器32に制御信号及び情報を供給する。加えて、コンピュータ36は、電動テーブル46を制御するテーブル・モータ制御器44を動作させて、患者24及びガントリ12を配置する。具体的には、テーブル46は患者24を図1のガントリ開口48を通して全体として又は部分的に移動させる。
【0021】
図3に示すように、検出器アセンブリ16は、コリメート用ブレード又はプレート52を間に配置したレール50を含んでいる。プレート52は、X線ビームが例えば検出器アセンブリ16に配置された図4の検出器18に入射する前にX線22をコリメートするように配置されている。一実施形態では、検出器アセンブリ16は57個の検出器18を含んでおり、各々の検出器18が64×16のアレイ寸法のピクセル素子54を有している。結果として、検出器アセンブリ16は64列の横列及び912列の縦列(16×57個の検出器)を有し、ガントリ12の各回の回転によって64枚の同時スライスのデータを収集することを可能にしている。
【0022】
図4を参照すると、検出器18はDAS20を含んでおり、各々の検出器18が、パック56として構成されている多数の検出器素子54を含んでいる。検出器18は、検出器素子54に対してパック56の内部に配置されたピン58を含んでいる。パック56は、複数のダイオード62を有する背面照射型ダイオード・アレイ60の上に配置されている。次に、背面照射型ダイオード・アレイ60は多層基材64の上に配置されている。スペーサ66が多層基材64の上に配置されている。検出器素子54は背面照射型ダイオード・アレイ60に光学的に結合され、次に背面照射型ダイオード・アレイ60は多層基材64に電気的に結合されている。軟質(フレックス)回路68が、多層基材64の面70及びDAS20に取り付けられている。検出器18は、ピン58の利用によって検出器アセンブリ16の内部に配置される。
【0023】
一実施形態の動作時には、検出器素子54の内部に入射するX線がフォトンを発生し、フォトンがパック56を横断することによりアナログ信号を発生して、この信号が背面照射型ダイオード・アレイ60の内部のダイオードにおいて検出される。発生されるアナログ信号は、多層基材64を通り、フレックス回路68を通ってDAS20まで運ばれて、ここでアナログ信号がディジタル信号へ変換される。
【0024】
図5は、例えば図1のCTイメージング・システム10のようなイメージング・システム72の一部の側面図を示す。イメージング・システム72は、回転式ガントリ78の回転中心76の周りを回転するように構成されているX線源74を含んでいる。X線源74から放出される高速の電子がX線源74のターゲット部(図示されていない)の表面に衝突すると、X線ビーム80が発生される。X線ビーム80は患者82を透過して検出器アセンブリ84に入射する。
【0025】
ここで図5〜図8を参照して述べると、検出器アセンブリ84は、一対の曲線型検出器アセンブリ又はアレイ88、90の間に配置されたフラット・パネル・ディジタル投影放射線検出器86を含んでいる。図6は検出器アセンブリ84の一部92の拡大図であって、フラット・パネル検出器86と曲線型検出器アセンブリ88との間の境界面を示しており、図7は検出器アセンブリ84の一部94の拡大図であって、フラット・パネル検出器86と曲線型検出器アセンブリ90との間の境界面を示している。図6に示すように、フラット・パネル検出器86は、当該フラット・パネル検出器86の左側表面又は左側端部96が曲線型検出器アセンブリ88の内側表面又は内側端部98に結合されるように曲線型検出器アセンブリ88に結合されている。また、図7に示すように、フラット・パネル検出器86は同様の態様で、当該フラット・パネル検出器86の右側表面又は右側端部100が曲線型検出器アセンブリ90の内側表面又は内側端部102に結合されるように曲線型検出器アセンブリ90に結合されている。一実施形態では、フラット・パネル検出器86及び曲線型検出器アセンブリ88、90は、フラット・パネル検出器86の上面104がそれぞれの曲線型検出器アセンブリ88、90の上面106、108と実質的に整列するように整列させられる。代替的には、以下で図9〜図10に関連して詳述するように、フラット・パネル検出器86の上面104は、曲線型検出器アセンブリ88、90の上面106、108からずれていてもよい。
【0026】
各々の曲線型検出器アセンブリ88、90が複数の個別の検出器110を含んでおり、検出器110の各々が、検出器18(図4)の検出器素子54と同様に多数の検出器素子(図示されていない)を有している。一実施形態では、各々の検出器110は、x方向(チャネル方向)112で測定される幅約16mm、及びz方向(スライス方向)114で測定される高さ約64mmを有している。読み出しチャネル116が、各々の検出器110の電気信号をそれぞれの検出器110からデータ取得システム118へ伝送する。データ取得システム118はデータをディジタル信号へ変換する。ディジタル信号は、画像再構成器34(図2)のような画像再構成器であってフラット・パネル・ディジタル検出器86と曲線型検出器アセンブリ88、90との間の境界面における干渉を考慮に入れた高度な較正及び補正を適用し得る画像再構成器へ伝送されて再構成を施される。
【0027】
フラット・パネル検出器86は、カテーテル撮像に典型的に用いられるディジタル・フルオロスコピィ・パネルのような固体ディジタル投影放射線検出器である。フラット・パネル検出器86は、横列及び縦列に構成されたピクセル120のアレイを含んでいる。検出器アセンブリ88、90のような従来の曲線型検出器アセンブリとは異なり、フラット・パネル検出器86のピクセル120は、図8に示すように走査線122及び読み出し線124のマトリクスに関連付けられる。フラット・パネル検出器86は、読み出し線124毎に単一の読み出しチャネル126を含んでいる。一実施形態では、フラット・パネル検出器86は、General Electric CompanyのGE Healthcare事業部から市販されているRevolution(商標)XR/dである。
【0028】
検出器アセンブリ84は、X線ビーム80が患者82を透過してフラット・パネル検出器86及び曲線型検出器アセンブリ88、90に入射するようにX線源74に整列している。図5に示すように、フラット・パネル検出器86は、患者82の関心領域128に整列し、関心領域128の全投影130がフラット・パネル検出器86に入射するような寸法を有している。X線透過方向132に進み関心領域128を透過するX線がフラット・パネル検出器86に入射することを保証するために、フラット・パネル検出器86の検出範囲面積は関心領域128の投影130の寸法に少なくとも等しい。従って、フラット・パネル検出器86を、様々な実施形態に従って心臓、肝臓又は肺のような投影される着目器官の寸法(又は僅かに大型)にすることができる。一実施形態では、フラット・パネル検出器86は、x方向及びz方向112、114で測定される約20cm×20cmの検出範囲面積を有する。従って、曲線型検出器アセンブリ88、90に入射するX線ビーム80の部分は、関心領域128の外部の患者82の領域に対応する。選択により、フラット・パネル検出器86のX線透過方向132の前面に、フラット・パネル検出器86において受光されるX線ビームをコリメートするフラット・パネル・コリメータ・アセンブリ又はグリッド127(二点鎖線で示す)を配置してもよい。
【0029】
様々な実施形態によれば、関心領域128は、例えば心臓、肺、又は肝臓のような被撮像器官に対応する。従って、関心領域128が心臓として画定される心走査応用では、フラット・パネル検出器86の検出範囲面積がフラット・パネル検出器86での心臓の投影130よりも大きいため、成人の心臓全体を回転式ガントリ78の単一回転で走査することができる。
【0030】
図9には、代替的な実施形態によるイメージング・システム134が示されている。イメージング・システム134は、第一及び第二の曲線型検出器アセンブリ88、90の間に配置されたフラット・パネル検出器86を含む検出器アセンブリ84へ向けてX線ビーム80を方向付けるように配置されたX線源74を含んでいる点で図5のイメージング・システム72に関連して説明したものと同様の態様で構成されている。
【0031】
図10は検出器アセンブリ84の一部136の拡大図であって、フラット・パネル検出器86と曲線型検出器アセンブリ88との間の境界面を示している。図示のように、フラット・パネル検出器86は、曲線型検出器アセンブリ88の上面106の一辺138がフラット・パネル検出器86の第一の側面140と当接するように曲線型検出器アセンブリ88に結合されている。同様に、図11は検出器アセンブリ84の一部142の拡大図であって、フラット・パネル検出器86と曲線型検出器アセンブリ90との間の境界面を示している。フラット・パネル検出器86は、曲線型検出器アセンブリ88と同様の態様で曲線型検出器アセンブリ90に結合されている。すなわち、曲線型検出器アセンブリ90の上面108の一辺144がフラット・パネル検出器86の第二の側面146と当接している。
【0032】
図9に戻り、イメージング・システム72(図5)に含まれる各構成要素に加えて、イメージング・システム134は、フラット・パネル・ディジタル投影放射線検出器86のX線透過方向132の前面に配置される第二のフラット・パネル・ディジタル投影放射線検出器148を含んでおり、X線源74から発散するX線ビーム80の一部がフラット・パネル検出器86に入射する前に第二のフラット・パネル検出器148を透過するようになっている。様々な実施形態によれば、フラット・パネル検出器86、148は異なる減弱特性を有して構築され得る。例えば、フラット・パネル検出器82、148のシンチレータは、フラット・パネル検出器148が低エネルギX線を吸収しフラット・パネル検出器86が高エネルギX線を吸収するように、異なる厚み(y方向150で測定される)又は異なるシンチレータ材料で製造され得る。イメージング・システム134はまた、各々のフラット・パネル検出器86、148の前面に配置される選択要素のコリメート用アセンブリ127(図5)と同様のコリメート用アセンブリ又はグリッド(図示されていない)を含み得る。
【0033】
一実施形態では、第二のフラット・パネル検出器148はガイド・レール152に摺動自在に取り付けられ、図12及び図13に示すように第二のフラット・パネル検出器148がX線ビーム80の内外へ移動し得るようにしている。先ず、図12には、第二のフラット・パネル検出器148を第一の位置に有する検出器アセンブリ84のブロック概略図が示されており、この場合には第二のフラット・パネル検出器148はフラット・パネル・ディジタル投影放射線検出器86の上に配置されて実質的に重なっており、このためフラット・パネル検出器86は図12では視界から隠れている。第二のフラット・パネル検出器148がこの第一の位置にあるときに、フラット・パネル検出器86へ向けて発散するX線80の一部が第二のフラット・パネル検出器148によって吸収され、X線80の他の一部が第二のフラット・パネル検出器148を透過してフラット・パネル検出器86に入射する。図13は、ガイド・レール152に沿って第二の位置へ移動した後の第二のフラット・パネル検出器148を示しており、この場合には第二のフラット・パネル検出器148はフラット・パネル検出器86からz方向114にずれている。このように、第二のフラット・パネル検出器148が第二の位置にあるときに、X線透過方向132に向けられたX線80は、最初に第二のフラット・パネル検出器148を透過することなく、フラット・パネル検出器86に入射する。
【0034】
図9に戻り、X線透過方向132に第一及び第二のフラット・パネル検出器86、148の間に、エネルギ識別計算機式断層写真法(EDCT)応用に用いられるノッチ・フィルタ154を配置することができる。ノッチ・フィルタ154はX線減弱材料で構築されて、X線源74から放出されるX線80の高エネルギX線帯と低エネルギX線帯との間に相対的に広いエネルギ分離帯又はノッチを提供する。様々な実施形態によれば、ノッチ・フィルタ154は、単一材料で構築されてもよいし、濾波されるX線のノッチ幅を拡大するように複合材料で構築されてもよい。さらに、イメージング・システム72は、異なる濾波特性を有して所与の走査の詳細に基づいて選択され得る多数の交換可能なノッチ・フィルタ154を含み得る。ノッチ・フィルタ154は、第二のフラット・パネル検出器148に関連して上述したような同様の態様でガイド・レール156に摺動自在に装着され得る。当業者は、代替的な実施形態に従って、イメージング・システムが、ノッチ・フィルタを除いて検出器86、148と同様の一対のフラット・パネル検出器を含み得ることを認められよう。さらに、ノッチ・フィルタ154は、患者82と第二のフラット・パネル検出器148との間に配置されてもよい。
【0035】
二つの曲線型検出器アセンブリ88、90の間にフラット・パネル検出器86を組み入れることにより、得られる検出器アセンブリ84は、フラット・パネル検出器技術及び曲線型検出器技術の両形式の検出器に固有の負の側面を軽減しつつ両者の利点を強化する。例えば、フラット・パネル検出器の所与の読み出し線における検出器素子の全てからの電荷がこの線の単一の読み出し回路に供給されるため、フラット・パネル検出器の標本化速度は従来の曲線型検出器アセンブリの標本化速度よりも遅い。しかしながら、フラット・パネル検出器86は視野の中心に配置されているので、フラット・パネル検出器86は画像の最も遅く移動する部分に対応する減弱データを取得する。また、フラット・パネル検出器の製造は同様の検出範囲面積を有する曲線型検出器よりも対費用効果が高いので、検出器アセンブリ84の中心にフラット・パネル検出器84を用いると、z方向112での(すなわち患者軸に沿った)検出範囲の拡大を可能にしつつ検出器アセンブリ84の全体の費用を縮小することができる。フラット・パネル検出器84を曲線型検出器アセンブリ88、90の間に配置すると、フラット・パネル検出器の利用に固有の相対的に長い遅延又は残光も軽減される。最後に、例えば第二のフラット・パネル検出器148のような第二のフラット・パネル検出器の利用によって、フラット・パネル検出器の限定されたダイナミック・レンジが軽減され得る。フラット・パネル検出器84は心撮影に望まれる分解能及び検出範囲を提供するので、検出器アセンブリ84は心CT撮像応用での利用に特に有利である。
【0036】
図14を参照すると、小包/手荷物検査システム158が、小包又は手荷物を通過させ得る開口162を内部に有する回転式ガントリ160を含んでいる。回転式ガントリ160は、高周波電磁エネルギ源164と、図3又は図4に示されるものと同様のシンチレータ・セルで構成されたシンチレータ・アレイを有する検出器アセンブリ166とを収容している。また、コンベヤ・システム168が設けられており、コンベヤ・システム168は、構造172によって支持されて走査のために小包又は手荷物174を自動的に且つ連続的に開口162に通すコンベヤ・ベルト170を含んでいる。物体174をコンベヤ・ベルト170によって開口162に送り込み、次いで撮像データを取得し、コンベヤ・ベルト170によって開口162から小包174を除去することを、制御された連続的な態様で行なう。結果として、郵便物検査官、手荷物積み降ろし員及び他の警備人員が、爆発物、刃物、銃及び密輸品等について小包174の内容を非侵襲的に検査することができる。
【0037】
当業者は、本発明の各実施形態が、コンピュータ・プログラムを記憶したコンピュータ可読の記憶媒体に結び付けられて制御され得ることを認められよう。コンピュータ可読の記憶媒体は、電子的構成要素、ハードウェア構成要素、及び/又はコンピュータ・ソフトウェア構成要素の1又は複数のような複数の構成要素を含んでいる。これらの構成要素は、連鎖を成す1若しくは複数の具現化形態又は実施形態の1若しくは複数の部分を実行するソフトウェア、ファームウェア、及び/又はアセンブリ言語のような命令を一般に記憶する1又は複数のコンピュータ可読の記憶媒体を含み得る。これらのコンピュータ可読の記憶媒体は一般的には、非一時的であり且つ/又は有形である。かかるコンピュータ可読の記憶媒体の例としては、コンピュータの記録可能なデータ記憶媒体及び/又は記憶装置等がある。コンピュータ可読の記憶媒体は例えば、磁気式、電気式、光学式、生物式、及び/又は原子式のデータ記憶媒体の1又は複数を用いていてよい。さらに、かかる媒体は、例えばフロッピィ・ディスク、磁気テープ、CD−ROM、DVD−ROM、ハード・ディスク・ドライブ、及び/又は電子メモリの形態を取り得る。列挙されていない他の形態の非一時的であり且つ/又は有形であるコンピュータ可読の記憶媒体を本発明の各実施形態と共に用いてもよい。
【0038】
多数のかかる構成要素がシステムの具現化形態において結合され又は分割され得る。さらに、かかる構成要素は、当業者には認められるように多数のプログラミング言語の任意のもので書かれ又は具現化された一組及び/又は一連のコンピュータ命令を含み得る。加えて、搬送波のような他の形態のコンピュータ可読の媒体を用いて、1又は複数のコンピュータによって実行されると、連鎖を成す1若しくは複数の具現化形態又は実施形態の1若しくは複数の部分を実行することを当該1又は複数のコンピュータに行なわせる命令の系列を表わすコンピュータ・データ信号を具現化することができる。
【0039】
従って、一実施形態によれば、X線検出器アセンブリが、第一の複数の検出器モジュールを含む第一の曲線型検出器アセンブリと、第二の複数の検出器モジュールを含む第二の曲線型検出器アセンブリと、第一のフラット・パネル・ディジタル投影検出器とを含んでおり、第一のフラット・パネル・ディジタル投影検出器は、当該第一のフラット・パネル・ディジタル投影検出器の第一の端部が第一の曲線型検出器アセンブリの内側端部に結合され、当該第一のフラット・パネル・ディジタル投影検出器の第二の端部が第二の曲線型検出器アセンブリの内側端部に結合されるように、第一及び第二の曲線型検出器アセンブリの間に配置される。
【0040】
もう一つの実施形態によれば、検出器アセンブリを製造する方法が、第一のフラット・パネル検出器を設けるステップを含んでおり、第一のフラット・パネル検出器は、X線源に対面するように構成された上面と、当該第一のフラット・パネル検出器の上面から上面の反対側の底面へ向けて延在する第一の側面と、第一の側面の反対側で上面から底面まで延在する第二の側面とを有している。この方法はまた、内部に配置された複数の検出器を有し、X線源に対面するように構成された上面を含む第一の曲線型検出器アレイを設けるステップと、当該第一の曲線型検出器の上面の一辺が第一のフラット・パネル検出器の第一の側面に当接するように第一の曲線型検出器アレイを第一のフラット・パネル検出器と整列させるステップとを含んでいる。さらに、この方法は、内部に配置された複数の検出器を有し、X線源に対面するように構成された上面を含む第二の曲線型検出器アレイを設けるステップと、当該第二の曲線型検出器の上面の一辺が第一のフラット・パネル検出器の第二の側面に当接するように第二の曲線型検出器アレイを第一のフラット・パネル検出器と整列させるステップとを含んでいる。
【0041】
さらにもう一つの実施形態によれば、CTシステムが、走査対象を収容する開口を内部に有する回転式ガントリと、回転式ガントリの開口の内部に配置されて開口を通ってZ方向に移動可能なテーブルとを含んでいる。このCTシステムはまた、回転式ガントリに結合されてX線のビームを走査対象へ向けて投射するように構成されているX線源と、X線源からのX線のビームを受光するように配置された検出器アセンブリとを含んでいる。検出器アセンブリは、複数の検出器を含む第一の曲線型検出器アセンブリと、複数の検出器を含む第二の曲線型検出器アセンブリと、第一のフラット・パネル・ディジタル検出器とを含んでおり、第一のフラット・パネル・ディジタル検出器は、当該第一のフラット・パネル・ディジタル検出器の第一の端部が第一の曲線型検出器アセンブリの内側端部に結合され、当該第一のフラット・パネル検出器の第二の端部が第二の曲線型検出器アセンブリの内側端部に結合されるように、第一及び第二の曲線型検出器アセンブリの間に配置される。*
この書面の記載は、最適な態様を含めて本書において本発明を開示し、また任意の装置又はシステムを製造して利用すること及び任意の組み込まれた方法を実行することを含めてあらゆる当業者が本発明を実施することを可能にするように実例を用いている。本発明の特許付与可能な範囲は特許請求の範囲によって画定され、当業者に想到される他の実例を含み得る。かかる他の実例は、特許請求の範囲の書字言語に相違しない構造要素を有する場合、又は特許請求の範囲の書字言語と非実質的な相違を有する等価な構造要素を含む場合には、特許請求の範囲内にあるものとする。
【符号の説明】
【0042】
10:CTイメージング・システム
12:ガントリ
14:X線源
16:検出器アセンブリ
18:複数の検出器
20:データ取得システム(DAS)
22:投射X線
24:患者
26:回転中心
28:制御機構
30:X線制御器
32:ガントリ・モータ制御器
34:画像再構成器
36:コンピュータ
38:大容量記憶装置
40:コンソール
42:表示器
44:テーブル・モータ制御器
46:電動テーブル
48:ガントリ開口
50:レール
52:コリメート用プレート
54:ピクセル素子
56:パック
58:ピン
60:背面照射型ダイオード・アレイ
62:複数のダイオード
64:多層基材
66:スペーサ
68:軟質(フレックス)回路
70:面
72:イメージング・システム
74:X線源
76:回転中心
78:回転式ガントリ
80:X線ビーム
82:患者
84:検出器アセンブリ
86:フラット・パネル検出器
88、90:曲線型検出器アセンブリ
92、94:一部
96:左側表面又は左側端部
98:内側表面又は内側端部
100:右側表面又は右側端部
102:内側表面又は内側端部
104、106、108:上面
110:個別の検出器
112:x方向
114:z方向
116、126:読み出しチャネル
118:データ取得システム
120:ピクセル
122:走査線
124:読み出し線
127:フラット・パネル・コリメータ・アセンブリ又はグリッド
128:関心領域
130:全投影
132:X線透過方向
134:イメージング・システム
136、142:一部
138、144:辺
140:第一の側面
146:第二の側面
148:第二のフラット・パネル検出器
150:y方向
152、156:ガイド・レール
154:ノッチ・フィルタ
158:小包/手荷物検査システム
160:回転式ガントリ
162:開口
164:高周波電磁エネルギ源
166:検出器アセンブリ
168:コンベヤ・システム
170:コンベヤ・ベルト
172:構造
174:小包又は手荷物
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の複数の検出器モジュール(110)を含む第一の曲線型検出器アセンブリ(88)と、
第二の複数の検出器モジュール(110)を含む第二の曲線型検出器アセンブリ(90)と、
第一のフラット・パネル・ディジタル投影検出器(86)であって、当該第一のフラット・パネル・ディジタル投影検出器(86)の第一の端部が前記第一の曲線型検出器アセンブリ(88)の内側端部に結合され、当該第一のフラット・パネル・ディジタル投影検出器(86)の第二の端部が前記第二の曲線型検出器アセンブリ(90)の内側端部に結合されるように、前記第一及び第二の曲線型検出器アセンブリ(88、90)の間に配置される第一のフラット・パネル・ディジタル投影検出器(86)と
を備えたX線検出器アセンブリ(84)。
【請求項2】
前記第一のフラット・パネル・ディジタル投影検出器(86)にX線透過方向において実質的に整列し、前記第一のフラット・パネル・ディジタル投影検出器(86)から前記X線透過方向において隔設されている第二のフラット・パネル・ディジタル投影検出器(148)をさらに含んでいる請求項1に記載のX線検出器アセンブリ(84)。
【請求項3】
前記第一のフラット・パネル・ディジタル投影検出器(86)は、前記第二のフラット・パネル・ディジタル投影検出器(148)の検出範囲面積に少なくとも等しい検出範囲面積を有している、請求項2に記載のX線検出器アセンブリ(84)。
【請求項4】
前記第二のフラット・パネル・ディジタル投影検出器(148)は、当該第二のフラット・パネル・ディジタル投影検出器(148)が第一の位置と第二の位置との間で移動自在になるようにガイド・レール(152)に装着され、
前記第一の位置にあるときには、前記第二のフラット・パネル・ディジタル投影検出器(148)は、X線源から発散して当該第二のフラット・パネル・ディジタル投影検出器(148)を前記X線透過方向に透過するX線が前記第一のフラット・パネル・ディジタル投影検出器(86)に入射するように、前記第一のフラット・パネル・ディジタル投影検出器(86)に整列させられ、
前記第二の位置にあるときには、前記第二のフラット・パネル・ディジタル投影検出器(148)は、前記X線源から前記X線透過方向に発散するX線が、当該第二のフラット・パネル・ディジタル投影検出器(148)を透過せずに前記第一のフラット・パネル・ディジタル投影検出器(86)に入射するように、前記第一のフラット・パネル・ディジタル投影検出器(86)との整列を外される、請求項2に記載のX線検出器アセンブリ(84)。
【請求項5】
所与のエネルギ帯の範囲内でX線を濾波するように選択されるX線減弱材料を含むノッチ・フィルタ(154)をさらに含んでいる請求項2に記載のX線検出器アセンブリ(84)。
【請求項6】
前記ノッチ・フィルタ(154)は、前記X線透過方向において前記第一のフラット・パネル・ディジタル投影検出器(86)と前記第二のフラット・パネル・ディジタル投影検出器(148)との間に配置される、請求項5に記載のX線検出器アセンブリ(84)。
【請求項7】
前記第一のフラット・パネル・ディジタル投影検出器(86)は高エネルギX線を吸収するように構成されており、
前記第二のフラット・パネル・ディジタル投影検出器(148)は低エネルギX線を吸収するように構成されている、請求項2に記載のX線検出器アセンブリ(84)。
【請求項8】
前記第一のフラット・パネル・ディジタル投影検出器(86)は、高エネルギX線を吸収するように構成されている第一のシンチレート物質を含んでおり、
前記第二のフラット・パネル・ディジタル投影検出器(148)は、低エネルギX線を吸収するように構成されている第二のシンチレート物質を含んでいる、請求項7に記載のX線検出器アセンブリ(84)。
【請求項9】
前記第二のフラット・パネル・ディジタル投影検出器(148)は、前記第一のフラット・パネル・ディジタル投影検出器(86)の厚みよりも小さいX線透過方向における厚みを有している、請求項7に記載のX線検出器アセンブリ(84)。
【請求項10】
前記第一及び第二の曲線型検出器アセンブリ(88、90)の前記複数の検出器モジュール(110)は約16mmのチャネル方向における幅を有しており、
前記第一のフラット・パネル・ディジタル投影検出器(86)は約20cmの前記チャネル方向における幅を有している、請求項1に記載のX線検出器アセンブリ(84)。
【請求項1】
第一の複数の検出器モジュール(110)を含む第一の曲線型検出器アセンブリ(88)と、
第二の複数の検出器モジュール(110)を含む第二の曲線型検出器アセンブリ(90)と、
第一のフラット・パネル・ディジタル投影検出器(86)であって、当該第一のフラット・パネル・ディジタル投影検出器(86)の第一の端部が前記第一の曲線型検出器アセンブリ(88)の内側端部に結合され、当該第一のフラット・パネル・ディジタル投影検出器(86)の第二の端部が前記第二の曲線型検出器アセンブリ(90)の内側端部に結合されるように、前記第一及び第二の曲線型検出器アセンブリ(88、90)の間に配置される第一のフラット・パネル・ディジタル投影検出器(86)と
を備えたX線検出器アセンブリ(84)。
【請求項2】
前記第一のフラット・パネル・ディジタル投影検出器(86)にX線透過方向において実質的に整列し、前記第一のフラット・パネル・ディジタル投影検出器(86)から前記X線透過方向において隔設されている第二のフラット・パネル・ディジタル投影検出器(148)をさらに含んでいる請求項1に記載のX線検出器アセンブリ(84)。
【請求項3】
前記第一のフラット・パネル・ディジタル投影検出器(86)は、前記第二のフラット・パネル・ディジタル投影検出器(148)の検出範囲面積に少なくとも等しい検出範囲面積を有している、請求項2に記載のX線検出器アセンブリ(84)。
【請求項4】
前記第二のフラット・パネル・ディジタル投影検出器(148)は、当該第二のフラット・パネル・ディジタル投影検出器(148)が第一の位置と第二の位置との間で移動自在になるようにガイド・レール(152)に装着され、
前記第一の位置にあるときには、前記第二のフラット・パネル・ディジタル投影検出器(148)は、X線源から発散して当該第二のフラット・パネル・ディジタル投影検出器(148)を前記X線透過方向に透過するX線が前記第一のフラット・パネル・ディジタル投影検出器(86)に入射するように、前記第一のフラット・パネル・ディジタル投影検出器(86)に整列させられ、
前記第二の位置にあるときには、前記第二のフラット・パネル・ディジタル投影検出器(148)は、前記X線源から前記X線透過方向に発散するX線が、当該第二のフラット・パネル・ディジタル投影検出器(148)を透過せずに前記第一のフラット・パネル・ディジタル投影検出器(86)に入射するように、前記第一のフラット・パネル・ディジタル投影検出器(86)との整列を外される、請求項2に記載のX線検出器アセンブリ(84)。
【請求項5】
所与のエネルギ帯の範囲内でX線を濾波するように選択されるX線減弱材料を含むノッチ・フィルタ(154)をさらに含んでいる請求項2に記載のX線検出器アセンブリ(84)。
【請求項6】
前記ノッチ・フィルタ(154)は、前記X線透過方向において前記第一のフラット・パネル・ディジタル投影検出器(86)と前記第二のフラット・パネル・ディジタル投影検出器(148)との間に配置される、請求項5に記載のX線検出器アセンブリ(84)。
【請求項7】
前記第一のフラット・パネル・ディジタル投影検出器(86)は高エネルギX線を吸収するように構成されており、
前記第二のフラット・パネル・ディジタル投影検出器(148)は低エネルギX線を吸収するように構成されている、請求項2に記載のX線検出器アセンブリ(84)。
【請求項8】
前記第一のフラット・パネル・ディジタル投影検出器(86)は、高エネルギX線を吸収するように構成されている第一のシンチレート物質を含んでおり、
前記第二のフラット・パネル・ディジタル投影検出器(148)は、低エネルギX線を吸収するように構成されている第二のシンチレート物質を含んでいる、請求項7に記載のX線検出器アセンブリ(84)。
【請求項9】
前記第二のフラット・パネル・ディジタル投影検出器(148)は、前記第一のフラット・パネル・ディジタル投影検出器(86)の厚みよりも小さいX線透過方向における厚みを有している、請求項7に記載のX線検出器アセンブリ(84)。
【請求項10】
前記第一及び第二の曲線型検出器アセンブリ(88、90)の前記複数の検出器モジュール(110)は約16mmのチャネル方向における幅を有しており、
前記第一のフラット・パネル・ディジタル投影検出器(86)は約20cmの前記チャネル方向における幅を有している、請求項1に記載のX線検出器アセンブリ(84)。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−127952(P2012−127952A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−267431(P2011−267431)
【出願日】平成23年12月7日(2011.12.7)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年12月7日(2011.12.7)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】
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