説明

一時毛髪塗布剤組成物

竹炭粉末、疏水性防水皮膜剤、低級アルコール、及び噴射剤を所定量含有することにより、既存の毛髪塗布剤に比べて組成物が毛髪に長時間付着されて持続力を向上させ、塗布剤組成物が毛髪から流れ落ちて皮膚や衣服を汚してしまう問題を改善させた一時毛髪塗布剤組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、竹炭粉末と疏水性防水皮膜剤を含有する一時(temporary、一過性)毛髪塗布剤組成物に関するものであって、毛髪に付着された竹炭粉末が雨水や汗などにより流れ落ちたり、毛髪から離れたりすることがなく、皮膚及び衣服を汚さない一時毛髪塗布剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
禿頭(とくとう、ハゲ)とも呼ばれる脱毛は、一般的に毛髪に栄養を供給する蛋白質(アミノ酸)が不足する場合や、毛髪の成長を促すホルモン及び自律神経伝達物質などの供給が円滑でない場合、またはミネラル及びビタミンなどの栄養素が不足する場合に発生する。
【0003】
特に男性の場合、睾丸で生成される男性ホルモンのテストステロンが、体内の数多くの酵素中の5−α−リダクターゼという還元酵素により、その形質が変わってDHTと呼ばれるジヒドロテストステロンになる。このDHTを、毛嚢のホルモン受容体が正常なホルモンであると誤認して毛嚢中に受け入れ、毛髪成長の4大要素を攻撃することになり、蛋白質合成の遅延、毛嚢の縮小、休止期毛嚢の増加、細い毛髪など毛髪の成長を阻害し、これらの理由で脱毛が起こる。このような現象を男性遺伝型脱毛といい、大部分の男性はDHTが生じても毛嚢の男性ホルモン受容体がこれを受け入れないが、ある特定の家系ではこのDHTをよく受け入れる場合がある。
【0004】
男性遺伝型脱毛を除いた全類型の脱毛を女性型一般脱毛という。女性型一般脱毛は、栄養不足、ストレス、環境汚染、過度なダイエット、重金属などで汚染された食物による危険性の増加、過度なパーマ及び染色、そして喫煙など男性遺伝型脱毛よりはるかに複雑な原因を有するため、治療もかなり難しい。
【0005】
このような禿頭は、当事者に深刻なストレスを与えて自信を失わせて人間関係に支障をきたすため、発生初期に治療することが好ましいが、現在市販される発毛剤の代表と言える治療用薬品のミノキシジル(Minoxidil)はその効果に制約があり、各種生薬抽出物を用いた養毛剤などはその効果が微弱たるものであるか、全くなく、医学的にも検証されていないものが大部分であり、むしろ人体に深刻な副作用を起こす虞がある。また、人体に上述した影響を及ぼさないカツラがあるが、その使用が不便で、頭皮に脂漏性皮膚炎を誘発するなどの問題がある。
【0006】
最近、これら問題点を補完するために、一時毛髪塗布剤(瞬間増毛剤)という製品が開発され市販されている。一時毛髪塗布剤は、黒色の顔料(Pigment)が静電気や単純な物理的な接着などにより毛髪表面に固着されているものであって、このような特徴を用いて部分的に髪の毛がないか、髪の毛が不足した部分に塗布して毛髪を豊かにするものである。このような一時毛髪塗布剤は、毛髪や頭皮との化学的な結合がないため、副作用もなく、シャンプする場合、容易に除去されるという長所を有する。
【0007】
従来、一時毛髪塗布剤は、毛髪に固着され、毛髪を豊かにする顔料であって、粉末の粒子サイズが非常に細かいレーヨン糸、カーボンブラックまたは酸化鉄などが主に用いられる。
【0008】
通常、一時毛髪塗布剤組成物は、顔料粒子の大きさが40〜150μm(100〜350メッシュ)の小さい粒子を使用するが、これは粒子の大きさが小さくて軽い顔料が毛髪に噴射される場合に発生する静電気または接着剤などの力により毛髪の表面に容易に付着され、髪の毛が豊かに見える効果を有する。しかし、静電気による固着力は、非常に弱くて持続力がなく、少しの風や首を振るだけでも毛髪から落ちて皮膚や衣服を汚す問題がある。これら問題点を補完するために、一部の製品では微細粉末を毛髪に固着するための接着性皮膜剤として、ポリビニルピロリドン(Polyvinyl Pyrrolidone)やアクリレートオクチルアミドコポリマー(Acrylate/octylacrylamaide copolymer)、ビニルアルコールコポリマーなどを用いるが、これら接着性皮膜剤は粉末を塗布・噴射するスプレータイプにするために、水に溶解される高分子を用いるため、風などから毛髪に固着された粒子が飛ばす問題が解決できるが、雨や汗などに溶けて接着力を失ってしまい、期待した効果を発揮できない短所がある。
【0009】
また、再生繊維の1種類のレーヨン糸を用いた製品は、レーヨン糸の粉末が脱毛部位に噴射する過程で一部の粉末が使用者や使用者の周りの人の呼吸器に吸入される可能性があり、一時毛髪塗布剤が毛髪と頭皮には影響をほぼ与えないとしても、人体に影響がまったくないとは限らない。
【0010】
従来の技術として特許文献1には白炭、松葉、松津、及び/または黄土を添加した粉末状の毛髪塗布組成物が提案されている。しかし、毛髪塗布組成物と毛髪との吸着力が良くなく、雨や汗などにより容易に流れ落ちて皮膚や衣服を汚す問題があり、松津などの臭いにより使用時に拒否感があるなど、改善が要求された。
【0011】
それ以外にも特許文献2、特許文献3などに炭粉末を含有するシャンプ、化粧料組成物が開示されているが、本発明の目的とは異なる。
【0012】
さらに、特許文献4にも高分子コーティング剤にフェライト、銀、ゲルマニウム、炭などの機能性物質を添加し、これを磁化させて毛髪発毛促進用磁性のヘアスプレーシステムとして応用可能な皮膜剤組成物が公知されているが、本発明は毛髪塗布組成物であるため、本発明が目標とする目的及び方向とは異なる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】大韓民国公開特許第2002−0011322号
【特許文献2】大韓民国公開特許第2008−0040875号
【特許文献3】大韓民国公開特許第2007−0099223号
【特許文献4】大韓民国公開特許第2005−0091651号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明者らは前記問題点を解決するために研究した結果、竹炭粉末と疏水性防水皮膜剤のアクリレートコポリマーを含有することにより、人体に有害な影響を及ぼすことを最小化した一時毛髪塗布剤を提供することをその目的とする。
【0015】
また、疏水性高分子防水皮膜形成物質と噴射剤との相溶性に対する問題点を解決し、疏水性防水皮膜剤で囲まれた微細顔料が風、雨、汗などに溶けて流れることがない毛髪塗布剤組成物を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記課題を解決するための本発明の毛髪塗布剤組成物は、竹炭粉末、疏水性防水皮膜剤、低級アルコール、及び噴射剤を含有することをその特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の毛髪塗布剤組成物は、微細な粒子の竹炭粉末と疏水性防水皮膜剤を含有することにより、人体に有害な物質を最小化し、頭皮と毛髪を損傷させることなく、毛髪が不足した部分を豊かにする増毛効果があり、疏水性高分子防水皮膜形成物質と噴射剤との相溶性に対する問題点を解決し、さらに一時毛髪塗布剤が疏水性防水皮膜を形成することにより、毛髪の表面に固着されている塗布物質が雨や汗などにより流れ落ちて皮膚や衣服を汚すことがなく、毛髪を保護する効果も期待することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】黒色液状の一時毛髪塗布剤を製造する過程の一例を示す図である。
【図2】茶色液状の一時毛髪塗布剤を製造する過程の一例を示す図である。
【図3】実施例1の組成物を直接適用する前と、適用した後の比較写真であって、一時毛髪塗布剤の増毛効果を示す写真である。
【図4】実施例1による噴射剤(ジメチルエーテル)と比較例1による噴射剤(ブタン)を用いた毛髪の比較写真である。
【図5】防水皮膜剤を含有した毛髪塗布剤が塗布された場合と、防水皮膜剤を含有しなかった毛髪塗布剤が塗布された場合の比較写真である。
【図6a】防水皮膜剤を含有した毛髪塗布剤が塗布された毛髪を水に浸した場合と、防水皮膜剤を含有しなかった毛髪塗布剤が塗布された毛髪を水に浸した場合を示す写真である。
【図6b】防水皮膜剤を含有した毛髪塗布剤が塗布された毛髪を人工汗溶液に浸した場合と、防水皮膜剤を含有しなかった毛髪塗布剤が塗布された毛髪を人工汗溶液に浸した場合を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、竹炭粉末、疏水性防水皮膜剤、低級アルコール、及び噴射剤を含有することをその特徴とする。
【0020】
前記竹炭粉末は天然物質であって、従来使用してきたレーヨン糸のような再生繊維粉末とは異なり、人体に害や副作用のない安全な物質である。竹炭粉末は堅炭粉末などに比べて2倍以上の微細孔を有するため、塗布時に頭皮と毛髪の周りの空気循環を円滑にし、竹炭粉末から放出される遠赤外線は頭皮の毛細血管の血液循環と新陳代謝を円滑に促すだけでなく、毛髪に蓄積される重金属などの毒性を吸着する機能を有するため、頭皮と健康を増進させる効果がさらに得られる。このような竹炭粉末は、全毛髪塗布剤組成物に対して1〜60重量%、さらにましくは5〜40重量%を含む。竹炭粉末の含量が1重量%未満であれば、毛髪に付着される竹炭量が少なくて増毛効果を期待し難く、60重量%を超えると、噴射剤の配合量が少なくて噴射力が弱まって噴射剤としての機能を失う問題がある。また、本発明に使用する竹炭粉末の粒子サイズは、平均3〜5μm(3000〜4000メッシュ)の微細な竹炭粉末が好ましいが、このような粉末は1g当たり約90m2の表面積を有するため、粒子サイズが平均40〜150μm(100〜350メッシュ)の従来のレーヨン糸粉末などよりも相対的に広い表面積を有する。そのため、少量の粉末を用いても薄毛隠しに効果的であり、天然物質であるため、頭皮に副作用がない。
【0021】
前記疏水性防水皮膜剤は、全毛髪塗布剤組成物に対して1〜40重量%、さらに好ましくは5〜35重量%を含有するが、防水皮膜剤の含量が1重量%未満であれば、毛髪の表面を防水皮膜剤が十分に塗布できなくて防水機能の低下などの問題があり、40重量%を超えると、塗布剤組成物の粘度が高まって噴射及び毛髪への塗布が容易でない問題がある。このような疏水性防水皮膜剤としては、酸と塩基の2種類の性質を両方とも有する両性(Amphoteric)アクリレート樹脂を使用でき、好ましくはメタクリロイルエチルベタイン/アクリレートコポリマー(INCI Name;Methacryloyl Ethyl Betaine/Acrylates Copolymer)が挙げられる。これはメタクリロイルエチルベタイン高分子にメタクリル酸が混合された非常に強力な疏水性高分子物質であって、水を含有していないアルコール及び有機溶媒を含有している製剤には強力な防水皮膜の形成が容易である。
【0022】
本発明は、低級アルコールを用いて毛髪塗布剤組成物に対する残量を調節し、全毛髪塗布剤組成物に対して10〜50重量%、さらに好ましくは10〜40重量%を含有する。低級アルコールの使用量が10重量%未満であれば、毛髪に塗布した後、乾燥が遅れて使用し難くなり、50重量%を超えると、噴射される場合、塗布剤組成物の粘度が低くなって非常に広範囲に噴射されるため、使用対象の頭部だけでなく、衣服やその周辺を汚す虞がある。このような低級アルコールの炭素数は1〜4、さらに好ましくは2〜4のものが挙げられ、好ましくはエタノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノールなどを1つまたは2つ以上混合して使用してもよい。
【0023】
本発明の組成物は、エアゾールスプレータイプが効果及び使用の便宜性から好ましい。一般的にエアゾールスプレーシステムの噴射剤としては、ブタン(Butane)、イソブタン(iso−Butane)、プロパン(Propane)、及びジメチルエーテル(DME)などが用いられるが、ブタンとイソブタン及びプロパンなどは噴射剤としての機能はあるが、溶媒の機能がないため、一時毛髪塗布剤組成物に多量のアルコールや有機溶媒を含まなくてはならず、それだけでなく、本発明で用いる防水皮膜形成用高分子のメタクリロイルエチルベタイン/アクリレートコポリマーとの相溶性が弱いため、噴射する時、防水皮膜剤が毛髪に均質に塗布できない短所がある。しかし、ジメチルエーテルは、噴射剤の機能と溶媒としての機能を両方とも有するため、一時毛髪塗布組成物に少量のアルコールや有機溶媒を含有できる経済的な長所がある。特に、本発明の防水皮膜剤のメタクリロイルエチルベタイン/アクリレートコポリマーとの相溶性に優れ、防水皮膜剤を噴射する場合、毛髪にまんべんなく付着させる効果を有する。前記ジメチルエーテルは、全毛髪塗布剤組成物に対して25〜60重量%、さらに好ましくは35〜55重量%を含有するが、噴射剤の量が25重量%未満であれば、噴射圧力が低く、組成物を均質に噴射し難くなり、60重量%を超えると、噴射圧力が高まり過ぎて塗布過程で撫で付けられた毛髪が乱れる問題がある。
【0024】
本発明で使用した竹炭は黒色の粉末であって、自然な濃茶色を演出するためには有機顔料を全毛髪塗布剤組成物に対して0.1〜10重量%混合して使用する。前記有機顔料はその混合比に応じて人体の毛髪に類似した多様な色の毛髪塗布剤を製造することができる。有機顔料は、毛髪染色剤組成物のうち、一時染着剤(temporary hair color)に用いられるもので、一時毛髪染色剤とは異なり、単純な物理的な接着により染色されるもので、水や一般的な溶媒に溶解できない顔料を静電気や接着剤により毛髪の表面に固着する時に用いる。近来、最も多く用いられる一時毛髪染着剤としては、若白髪カバー用ヘアーマスカラ、カラースプレー、カラームースなどがある。本発明に使用した有機顔料は、水に対して不溶性の染料または水溶性の染料に金属塩などを加えて沈殿させたものであって、色が鮮明で着色力が強く、色の種類が多様であるため、印刷インク、一時毛髪染着剤などに広く用いられている。このような有機染料は、分子中に1つ以上のアゾ基(−N=N−)を含み、好ましくは赤色202号(CI15850)、赤色205号(CI15630)、赤色206号(CI15630)、赤色207号(CI15630)、赤色208号(CI15630)、赤色219号(CI15800)、赤色220号(CI15880)、赤色221号(CI12120)、赤色228号(CI12085)、赤色404号(CI12315)、橙色203号(CI12075)、橙色204号(CI21110)、橙色401号(CI11725)、黄色205号(CI21090)、黄色401号(CI11680)、青色404号(CI74160)から選択された1種以上のものを使用でき、その代表的な例は次の化学式1〜3が挙げられる。
【0025】
【化1】

[赤色202号、CI15850、AKA202]
【0026】
【化2】

[橙色203号、CI12075、DAIDAI203]
【0027】
【化3】

[黄色205号、CI21090、KI205]
前記のような成分からなる一時毛髪塗布剤組成物は、毛髪が不足した部分を満たし、疏水性防水皮膜剤は毛髪に固着された塗布物質を毛髪から離れないように強力な防水皮膜を形成する。これによって効果的な塗布と優れた防水膜が得られ、毛髪の表面に固着されている竹炭と有機顔料を始めとする塗布物質が雨や汗などにより流れ落ちて皮膚や衣服を汚すことがない。
【0028】
以下、実施例を用いて本発明を詳細に記述するが、本発明の範囲がこれら実施例に限定されることはない。
[実施例]
実施例1:黒色の毛髪塗布剤組成物の製造
図1に示した工程により、表1の重量%で疏水性防水皮膜剤、竹炭粉末、低級アルコールを順に撹拌しながら混合した後、噴射剤を充填して黒色の毛髪塗布剤組成物を製造した。
【0029】
実施例2:茶色の毛髪塗布剤の製造
図2に示した工程により、表1の重量%で疏水性防水皮膜剤、竹炭粉末、低級アルコール、有機顔料を順に撹拌した後、噴射剤を充填して茶色の毛髪塗布剤組成物を製造した。
【0030】
比較例1:黒色の毛髪塗布剤組成物の製造
実施例1と同じ方法で黒色の毛髪塗布剤組成物を製造した。
【0031】
比較例2:黒色の毛髪塗布剤組成物の製造
実施例1と同じ方法で製造するが、疏水性防水皮膜剤の代わりに従来の一時毛髪塗布剤に主に用いられる水溶性皮膜剤を用いて黒色の毛髪塗布剤組成物を製造した。
【0032】
【表1】

【0033】
[実験例]
実験例1:毛髪塗布の効果
一時毛髪塗布剤組成物の毛髪塗布の能力を確認するために、脳天部に毛髪が不足した人に前記実施例1の組成物を塗布した後、毛髪が不足した部分を観察し、その結果を図3に示した。
【0034】
実験例2:疏水性防水皮膜剤と噴射剤の相溶性の実験
実施例1と比較例1の組成物の疏水性防水皮膜剤と噴射剤の相溶性を比較確認するために、毛髪の表面に塗布した部分を観察し、その比較結果を図4に示した。
【0035】
実験例3:疏水性防水皮膜形成の確認
毛髪塗布剤組成物の疏水性防水皮膜の形成能力を確認するために、試験用白髪に実施例1と比較例2の組成物を塗布し、20℃で1分間乾燥させた後、清潔な水と人工汗溶液に各々浸した場合、毛髪に塗布された竹炭と有機顔料が溶解されたかを観察し、その結果を図6a、図6bに示した。この時、人工汗溶液は、塩化アンモニウム1.0重量%、乳酸0.1重量%、リン酸水素二ナトリウム(Na2HPO4)0.1重量%、塩酸ヒスチジン0.02重量%、及び精製水98.78重量%で製造した。
【0036】
実験例1の観察結果、図3に示すように、毛髪が不足した脳天部に一時毛髪塗布剤組成物が効果的に塗布され、毛髪が豊かになったことを確認した。
【0037】
実験例2の観察結果、噴射剤としてジメチルエーテルを用いた一時毛髪塗布剤組成物(実施例1)を塗布した図4の「a」の場合、毛髪の表面に塗布剤組成物が均一で滑らかに塗布されたことを確認したが、ブタンを噴射剤として用いた組成物(比較例1)を塗布した図4の「b」の場合、組成物が毛髪に均一に塗布されずに凝ったことを観察した。
【0038】
実験例3の観察結果、疏水性防水皮膜剤を含有した一時毛髪塗布剤組成物(実施例1)を塗布した白髪を清潔な水と人工汗溶液に浸した場合、図6aと図6bに示すように、塗布物質を溶解できないことを観察した。しかし、疏水性防水皮膜剤を含有していない組成物(比較例2)を塗布した白髪を清潔な水と人工汗溶液に浸した場合、図6aと図6bに示すように、塗布剤組成物が溶解されて水と人工汗溶液が炭粉末により濁ってしまうことを観察した。
【0039】
上述したように、本発明の一時毛髪塗布剤は、頭皮と毛髪を損傷せず、毛髪が不足した部分を豊かにする増毛効果に優れ、疏水性高分子防水皮膜剤と噴射剤との相溶性の問題を解決して防水皮膜を形成することにより、雨や汗などにより流れ落ちて皮膚や衣服を汚すことのない効果がある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
竹炭粉末、疏水性防水皮膜剤、低級アルコール、及び噴射剤を含有することを特徴とする一時毛髪塗布剤組成物。
【請求項2】
前記一時毛髪塗布剤組成物が、有機顔料をさらに含有することを特徴とする請求項1に記載の一時毛髪塗布剤組成物。
【請求項3】
前記竹炭粉末が、全一時毛髪塗布剤組成物に対して1〜60重量%の範囲で含まれていることを特徴とする請求項1に記載の一時毛髪塗布剤組成物。
【請求項4】
前記疏水性防水皮膜剤が、全一時毛髪塗布剤組成物に対して1〜40重量%の範囲で含まれていることを特徴とする請求項1に記載の一時毛髪塗布剤組成物。
【請求項5】
前記低級アルコールが、全一時毛髪塗布剤組成物に対して10〜50重量%の範囲で含まれていることを特徴とする請求項1に記載の一時毛髪塗布剤組成物。
【請求項6】
前記噴射剤が、全一時毛髪塗布剤組成物に対して25〜60重量%の範囲で含まれていることを特徴とする請求項1に記載の一時毛髪塗布剤組成物。
【請求項7】
前記有機顔料が、全一時毛髪塗布剤組成物に対して0.1〜10重量%の範囲で含まれていることを特徴とする請求項2に記載の一時毛髪塗布剤組成物。
【請求項8】
前記竹炭粉末の平均粒子サイズが3〜5μmであることを特徴とする請求項1または3に記載の一時毛髪塗布剤組成物。
【請求項9】
前記疏水性防水皮膜剤が、メタクリロイルエチルベタイン/アクリレートコポリマーであることを特徴とする請求項1または4に記載の一時毛髪塗布剤組成物。
【請求項10】
前記低級アルコールが、炭素数1〜4のアルコールであることを特徴とする請求項1または5に記載の一時毛髪塗布剤組成物。
【請求項11】
前記噴射剤が、ジメチルエーテルであることを特徴とする請求項1または6に記載の一時毛髪塗布剤組成物。
【請求項12】
前記有機顔料が、赤色顔料、橙色顔料、黄色顔料、及び青色顔料から選択された1種以上であることを特徴とする請求項2または7に記載の一時毛髪塗布剤組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【公表番号】特表2012−516888(P2012−516888A)
【公表日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−549051(P2011−549051)
【出願日】平成21年7月20日(2009.7.20)
【国際出願番号】PCT/KR2009/003999
【国際公開番号】WO2010/090380
【国際公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【出願人】(509237022)ドンスン ファーム カンパニー リミテッド (2)
【Fターム(参考)】