説明

一様に分配された材料の形成方法

流動混合物は、出口にファンジェットを含んでなり、該混合物が放出される時にそれを広げさせるノズルから放出される。放出材料は、流体ジェットでの大規模乱流の開始前に、ノズルの出口から0.25〜13cmの距離に置かれた移動収集面上で集められる。生じた製品は良好な坪量一様性を有する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジェットによって放出された材料を一様に分配された形で集める分野に関する。本発明はまた、網状フィラメントフィルム−フィブリル・ストランド材料をフラッシュ紡糸する分野にも関する。
【背景技術】
【0002】
流体ジェットとしてノズルから流体組成物を推し進めることによって材料が形成される、材料が所望の形状へ凝固する製造方法は当該技術では公知である。例えば、スプレーノズルは、顔料、バインダー、ペイント添加剤および溶剤を含むことができる液体ペイントをスプレーするために用いられ、その溶剤はペイントが表面に塗布された後にフラッシュしてまたは蒸発して乾燥ペイントを後に残す。溶液のミストが噴霧ノズルから推し進められる、溶剤がフラッシュしてまたは蒸発して乾燥粒子を後に残す細粒の製造方法は公知である。これらの方法は、細かい一様な粒子を形成することができるが、それらが推し進められる極めて高い速度のために、新たに放出される粒子の一様性を保つやり方で粒子を集めるための何の既存法も存在しない。
【0003】
フラッシュ紡糸法は、本明細書で「紡糸剤(spin agent)」と言われる揮発性流体での溶液中の繊維形成物質を高温、高圧環境からより低い温度、より低い圧力環境中へ通し、紡糸剤をフラッシュさせるまたは蒸発させ、そして、繊維、フィブリル、フォームまたは網状フィラメントフィルム−フィブリル・ストランドもしくはウェブのような材料を作り出すことを含む。材料が紡糸される温度は、紡糸剤がノズルから出ると直ぐにフラッシュし、ポリマーを繊維、フォームまたはフィルム−フィブリル・ストランドへ凝固させるように紡糸剤の大気圧沸点より高い。しかしながら、これらの従来のフラッシュ紡糸法によって形成されたウェブ層は全く一様ではない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、ファンジェットへのオリフィス開口部を含んでなる少なくとも1つのノズルに少なくとも2つの成分を有する流動混合物を供給し、ファンジェットから流動混合物を放出して放出材料を形成し、放出材料の少なくとも1成分を蒸発させてまたは膨張させて流体ジェットを形成し、流体ジェットでノズルから放出材料の残りの成分を運び、そして、ノズルから約0.25cm〜約13cmの距離に置かれた移動収集面上に放出材料の残りの成分を集めることを含んでなる方法に関する。
【0005】
別の実施形態では、本発明は、ファンジェットへの紡糸オリフィス開口部を有するノズルを通してポリマー溶液をフラッシュ紡糸して網状フィラメントフィルム−フィブリル・ストランド材料を含む流体ジェットを形成し、そして、ノズルから約0.25cm〜約13cmの距離に置かれた移動収集面上に網状フィラメントフィルム−フィブリル・ストランド材料を集めることを含んでなる方法に関する。
【0006】
定義
用語「不織布シート」、「不織布」および「シート」は、不織布シートに言及するために本明細書では同義的に用いられる。
【0007】
用語「紡糸剤」は、フラッシュ紡糸することができるポリマー溶液中の揮発性流体に言及するために本明細書では用いられる。
【0008】
用語「ジェット」および「流体ジェット」は、ガス、空気またはスチームをはじめとする流体の空力的移動流れに言及するために本明細書では同義的に用いられる。用語「搬送ジェット」および「材料搬送ジェット」は、その流れの中で材料を運ぶ流体ジェットに言及するために本明細書では同義的に用いられる。
【0009】
用語「網状フィラメントフィルム−フィブリル・ストランド材料」、「網状フィラメントフィルム−フィブリル・ウェブ」、および「フラッシュ紡糸ウェブ」は、フラッシュ紡糸法中に紡糸剤のフラッシングで形成される網状フィラメントフィルム−フィブリル・ウェブ材料に言及するために本明細書では同義的に用いられる。
【0010】
用語「縦方向(MD)」は、移動収集面の移動の方向に言及するために本明細書では用いられる。「横方向(CD)」は縦方向と直角の方向である。
【0011】
本明細書に組み込まれているおよびその一部を構成する添付図面は、本発明の現在好ましい実施形態を例示し、記述と共に、本発明の原理を説明するのに役立つ。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
その例が添付図面に例示される、本発明の現在好ましい実施形態についてここで詳細に言及されるであろう。図面の全体にわたって、類似の参照文字は類似の要素を指定するために用いられる。
【0013】
網状フィラメントフィルム−フィブリル・ストランド材料のウェブ層を形成するための従来のフラッシュ紡糸法は、それらの内容が参照により本明細書に援用される、米国特許第3,081,519号明細書(ブレイデス(Blades)ら)、同第3,169,899号明細書(ステウバー(Steuber))、同第3,227,784号明細書(ブレイデスら)、同第3,851,023号明細書(ブレサウアー(Brethauer)ら)に開示されている。従来のフラッシュ紡糸法での一困難は、厚さおよび坪量の優れた一様性の製品をもたらすであろう、完全に広がった状態でウェブ層を集めようと試みることにある。
【0014】
ウェブ分配のおよび坪量の改善された一様性を有する網状フィラメントフィルム−フィブリル・シートをもたらすであろうフラッシュ紡糸法を有することは望ましいであろう。
【0015】
本発明の方法では、材料は、移動収集面、例えば、ノズルから約0.25cm〜約13cmの距離に置かれた、移動ベルトまたは回転ドラムに向けたノズルから放出される。ノズルは、紡糸パック本体によって取り囲まれた少なくとも1つのノズルを含んでなる紡糸パック中に入れられる。多数のノズルがシングル紡糸パック中に存在することができる。多数の紡糸パックを、同じ移動収集面に向けて、同時に用いることができる。
【0016】
幾つかのタイプの材料を紡糸パックに供給し、その中のノズルから放出することができる。材料は流動混合物の形で供給される。「流動混合物」とは、液体状態の組成物またはその臨界圧よりも高い任意の流体であって、少なくとも2つの成分を含んでなる混合物を意味する。流動混合物は、溶剤中の溶質の溶液のような均一の流体組成物、2つの流体の混合物もしくは別の流体中の1流体の小滴の分散系のような不均一流体組成物、または圧縮気相中の流体混合物であることできる。本発明の方法での使用に好適な流動混合物は、紡糸剤中のポリマーの溶液を含んでなることができる。流動混合物はまた、流体中の固体粒子の分散系もしくは懸濁液、または流体中の固体材料の混合物を含んでなることができる。
【0017】
本発明の方法は、パルプと水との流動混合物を紡糸パックに供給し、混合物が紡糸パッ
クからある一定の距離に置かれたコレクターにノズルから推し進められるように十分な圧力を供給することによって紙を製造するために利用することができる。
【0018】
本発明の別の実施形態では、パルプのような固体材料と、水のような流体との流動混合物は、流体の沸点より高い温度で、流体を液体状態に保つのに十分に高い圧力の紡糸パックに供給される。ノズルを通過すると直ぐに、混合物の流体成分はフラッシュしまたは急激に膨張し(既に気相状態にある場合)、流体ジェットを形成し、該ジェットは放出材料を収集面の方向に推し進め、残りの凝固材料を広げる。好ましい実施形態では、材料がその中へ推し進められる環境および/または収集面は流体の沸点近くの温度に維持され、その結果、流体の凝縮が最小限になる。有利にも、環境は、流体の沸点の約40℃以内の、または流体の沸点の約10℃以内さえの温度に維持される。該温度は流体の沸点の上または下であることができる。
【0019】
シート製品はまた、粒子と流体との流動混合物を紡糸パックに供給することによって形成することもできる。これは、シート中で粒子を一緒に保持するために製品中でバインダーの機能を果たすであろう成分を混合物中に含むことによって成し遂げることができる。あるいはまた、粒子自体が粒子を粘着性にするためのバインダー成分を含んでなることができる。どちらの場合でも、収集面上に集められた粒子は、その後、粒子を軟化させるまたは粘着性にする高温に集められた粒子を曝すことによって接合される。収集面上に集められつつある材料を取り囲む雰囲気は、収集材料を接合するのに十分な温度に維持される。
【0020】
本発明の一実施形態では、ノズルに供給される材料は、異なる溶融または軟化温度を有する少なくとも2つのポリマーの流動混合物であり、収集面上に集められつつある材料を取り囲む雰囲気の温度は2つのポリマーの溶融または軟化温度の中間の温度に維持され、その結果、より低い溶融または軟化温度ポリマーが軟化して粘着性になり、それによって放出材料を凝集性シートへ接合する。
【0021】
本発明の一実施形態では、ノズルに供給される流動混合物は、ポリマーと揮発性の紡糸剤とを含んでなるポリマー溶液である。紡糸剤は、ノズルの紡糸オリフィスを通って放出されると直ぐにフラッシュしまたは蒸発し、混合物の残りの成分(ポリマー)をノズルから推し進める紡糸剤ガスの流体ジェットを形成する。流体ジェットは、少なくとも約30メートル毎秒、有利には少なくとも約61メートル毎秒の速度でノズルから移動する。紡糸剤のフラッシングはまた、網状フィラメントフィルム−フィブリル・ストランド、別個のフィブリル、別個の粒子またはポリマービーズのような、ある形状にポリマーを凝固させる。フラッシュ紡糸に必要とされる条件は、それらの内容が参照により本明細書に援用される、米国特許第3,081,519号明細書(ブレイデスら)、同第3,169,899号明細書(ステウバー)、同第3,227,784号明細書(ブレイデスら)、同第3,851,023号明細書(ブレサウアーら)から公知である。
【0022】
本発明の本実施形態で利用することができるポリマーには、ポリオレフィン、例えば、ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、線状高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、およびこれらの共重合体が含まれる。
【0023】
本発明での使用に好適な他のポリマーには、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(トリメチレンテレフタレート)、ポリ(ブチレンテレフタレート)およびポリ(1,4−シクロヘキサンジメタノールテレフタレート)をはじめとするポリエステル;エチレン−テトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンおよびECTFE(エチレンとクロロトリフルオロエチレンとの共重合体)をはじめとする部分フッ素化ポリマー;ならびにE/CO(エチレンと一酸化炭素との共重合体)、およびE/P/CO(エチレン、ポリプロ
ピレンおよび一酸化炭素のターポリマー)のようなポリケトンが含まれる。ポリエチレンとポリエステルとのブレンド、およびポリエチレンと部分フッ素化フルオロポリマーとのブレンドをはじめとする、ポリマーブレンドもまた本発明で使用することができる。これらのポリマーおよびポリマーブレンドのすべては、紡糸剤で溶液を形成することができ、該溶液は次に網状フィラメントフィルム−フィブリルへフラッシュ紡糸される。それらの内容が参照により本明細書に援用される、米国特許第5,009,820号明細書、同第5,171,827号明細書、同第5,192,468号明細書、同第5,985,196号明細書、同第6,096,421号明細書、同第6,303,682号明細書、同第6,319,970号明細書、同第6,096,421号明細書、同第5,925,442号明細書、同第6,352,773号明細書、同第5,874,036号明細書、同第6,291,566号明細書、同第6,153,134号明細書、同第6,004,672号明細書、同第5,039,460号明細書、同第5,023,025号明細書、同第5,043,109号明細書、同第5,250,237号明細書、同第6,162,379号明細書、同第6,458,304号明細書、および同第6,218,460号明細書に開示されているように、多くのポリマー紡糸剤組合せが可能である。
【0024】
本発明の一実施形態では、各ノズルは、それを通ってポリマーと紡糸剤とを含んでなるポリマー溶液が減圧オリフィスに供給される通路を含む。減圧オリフィスは、ポリマーと紡糸剤との2相分離の領域に入るために溶液の曇点より低い降下圧力にポリマー溶液を保持するための減圧室へ通じている。減圧室は、2つの対面によって画定されているノズルの出口に通じている紡糸オリフィスにつながっている。紡糸剤は、紡糸オリフィスから出ると直ぐにフラッシュし、ウェブまたは網状フィラメントフィルム−フィブリル・ストランドを形成する。本明細書で「ファンジェット」とも言われるノズルの出口は、その内容が参照により本明細書に援用される米国特許第5,788,993号明細書(ブライナー(Bryner)ら)に記載されている。ファンジェットの壁は、壁をより容易に加熱するために、紡糸パックの面内に完全に埋め込むことができる。有利にも出口は、紡糸オリフィスの出口とファンジェットの出口との間に、何の不連続の流動面も、例えば、何のギャップ、とがった角または突起も持たず、ファンジェットおよび紡糸オリフィスはワンピースの材料から形成することができる。
【0025】
ファンジェットは、搬送ジェットが出る時にそれを広げ、こうしてまた放出材料を広げる。これは、搬送ジェットの幅にわたってその質量を分配させた放出ウェブをもたらす。一般に、幅が大きければ大きいほど、集められた時に製品はより一様になる。しかしながら、当業者には明らかであろうように、空間制限のような、所望の幅を制限する実施上の配慮事項が存在する。搬送ジェットは、ポリマーフィルム−フィブリル・ウェブ中の抵抗張力が広がりを制限するまで広がる。多数の隣接ノズルを有する紡糸パックでは、各ノズルからの産出ウェブは隣接ノズルからのウェブとオーバーラップする。
【0026】
ノズルの温度は、有利にも、フラッシュ紡糸中のポリマーの溶融温度または軟化温度ほどに少なくとも高いレベルに維持される。ノズルは、電気抵抗、加熱流体、スチームまたは誘導加熱をはじめとする、任意の公知の方法によって加熱することができる。
【0027】
図1は、ノズル(示されていない)の出口24を含む、本発明の方法での使用のための紡糸パック20を例示する。図2は、移動収集ベルト28上へ網状フィラメントウェブをフラッシュ紡糸する方法で紡糸パック20を用いるフラッシュ紡糸装置26を例示する。図3は、移動収集ベルト28上へ網状フィラメントウェブ29をフラッシュ紡糸して不織シート25を形成する方法で示される、多数のノズル(示されていない)とノズル出口23とを有する紡糸パック21を用いるフラッシュ紡糸装置27を例示する。ウェブ29は、ノズルから出ると直ぐに膨張し、そして紡糸パックの本体から高速度でウェブを搬送するおよび推し進める流体ジェットで紡糸パックから放出される。図4は、紡糸パック20
を用いるフラッシュ紡糸装置26が回転収集ドラム27上へ網状フィラメントウェブをフラッシュ紡糸する方法で示される、類似の方法を例示する。ドラムの表面が収集面であることができるし、または別の収集面が回転ドラム一面に広がることができる。
【0028】
ノズルから出ると直ぐに紡糸剤のフラッシングまたは圧縮蒸気の急激な膨張によって形成された流体ジェットは層流として始まり、ノズルの出口からある距離で乱流へと崩壊する。繊維ウェブがノズルからフラッシュ紡糸され、流体ジェットによって搬送される場合、ウェブ自体の形状は、ジェットの流体流れのタイプによって決定されるであろう。ジェットが層流である場合、ウェブはジェットが乱流である場合よりはるかにより均一に広げられ、分配される。大規模乱流の開始前に、ノズルから約0.25cm〜約13cmの距離に置かれた収集面上にフラッシュ紡糸ウェブを集めることによって、驚くほど一様なシート製品が達成される。
【0029】
流体ジェットは、ファンジェットの配向によって決定されるように異なる方向に材料を広げる。好ましくは、ファンジェットは、それが主として横方向(CD)に、すなわち、縦方向(MD)と直角に材料を広げるように配向される。これは、材料が放出される時にその均一な分配をもたらす。本発明の一実施形態では、開口部間の距離が、おおよそ、整数を乗じた、収集面上で材料が集められるポイントでの個々の材料搬送流体ジェットの幅(すなわち、材料が集められる時のその幅)である場合に、非常に一様な製品プロフィールが結果として生じることが分かった。
【0030】
多数のノズルが用いられる場合、ノズルの一部は、ファンジェットが横−縦方向から約20〜40度の角度で材料を広げるように置き、ノズルの一部は、ファンジェットが横−縦方向と反対方向に同じ角度で材料を広げるように置くことができる。スロット付き出口が反対方向にある角度で置かれると、余り方向性を持たない、よりバランスした特性を有する生成製品を提供する。
【0031】
放出材料が集められる移動収集面は、材料の固定およびレイダウンを助けるために放出材料が集められつつある時にそれに減圧をかけることができるように多孔性であることができる。多孔性収集面は、穿孔した金属シートまたは堅いポリマーから製造することができる。一実施形態では、収集面は、結果として変形しないほどの十分な堅さを提供しながら、収集材料上で減圧に引かれることを可能にするハニカム材料を含んでなる。ハニカムは、それを覆う、材料を集めるためのメッシュの層をさらに有することができる。
【0032】
あるいはまた、放出材料は、収集面上で移動する織布もしくは不織布またはフィルムのような基材上に集めることができる。これは、収集中の材料が非常に細かい粒子である場合に特に有用であり得る。あるいはまた、収集面は製品自体の成分であることができる。例えば、予め形成された織もしくは不織シートまたはフィルムが収集面であることができ、低濃度溶液は該収集面上へ放出され、薄膜を形成することができる。これは、印刷性、粘着性、気孔率レベルなどのような、予め形成されたシートまたはフィルムの表面特性を高めるために有用であり得る。
【0033】
様々な方法を用いて材料を移動収集面に動かないようにするまたは固定することができる。一方法によれば、材料をシート形で収集面に固定させるのに十分な流れで収集面の反対側に減圧がかけられる。必要な流れの量は、シートの気孔率および繊維の形状に依存して変わるであろう。
【0034】
放出材料を減圧によって固定することの代案として、材料は、材料と収集面との間の静電気力によって収集面に固定することができる。これは、収集面を接地しながら正イオンか負イオンかのどちらかを紡糸パックと収集面との間のギャップへ生み出し、その結果、
新たに放出された材料が帯電イオンをピックアップし、こうして材料が収集面に引き付けられるようになることによって成し遂げることができる。ギャップに正または負イオンを生み出すかどうかは、放出中の材料をより効果的に固定することが分かっていることによって決定される。例えば、クロロフルオロカーボンを紡糸剤として使用した溶液からフラッシュ紡糸されたポリエチレン・網状フィラメントフィルム−フィブリル材料は一般に、材料が正に帯電している時に、それが負に帯電している時より良好に固定されることが分かった。材料が炭化水素を紡糸剤として使用した溶液からフラッシュ紡糸される時、それは一般に負に帯電している時により良好に固定される。
【0035】
紡糸パックと収集面との間のギャップに正または負イオンを生み出し、こうしてギャップを通過する材料を正にまたは負に帯電させるために、本発明の一実施形態は、紡糸パックに設置された電荷誘導要素を用いる。電荷誘導要素は、金属またはカーボン含有合成ポリマーのような導電性材料から製造されているピン、ブラシ、ワイヤまたは他の要素を含んでなることができる。電位が電荷誘導要素中に発生し、電荷誘導要素の近くに強い電界を生み出すように、電圧が電荷誘導要素にかけられる。強い電界は、該要素の近くでガスをイオン化し、コロナを生み出す。電荷誘導要素中に発生するのに必要な電流の量は、移動収集面への材料の良好な固定を達成するために必要なそれである。電流の最適量は、処理中の具体的な材料に依存して変わるであろうが、最小値は、材料を十分に固定するために必要であることが分かったレベルであり、最大値は、電荷誘導要素と接地された収集面との間でアーク放電が観察されるレベルよりほんの少し下のレベルである。ポリエチレン・網状フィラメントフィルム−フィブリル材料のフラッシュ紡糸の場合、一般的なガイドラインは、フィルム−フィブリル材料のグラム当たりおおよそ8μクーロンに帯電された時に材料が十分に固定されるということである。電圧は、電荷誘導要素を電源に接続することによって電荷誘導要素にかけられる。放出中の材料が収集面から遠ければ遠いほど、同等の静電気固定力を達成するために電圧はより高くなければならない。
【0036】
好ましい一実施形態では、使用される電荷誘導要素は導電性ピンまたはブラシであり、それらは収集面に向けられ、紡糸パックと収集面との間のギャップへ突出しないように紡糸パック表面中にへこまされている。電荷誘導要素は、移動収集面上のポイントの視点から、ノズルの後にまたはその「下流」に置かれ、その結果、材料はノズルから放出され、その後に電荷誘導要素によって帯電させられる。
【0037】
電荷誘導要素がピンである場合、それらは好ましくは導電性金属を含んでなる。1つもしくはそれ以上のピンを使用することができる。電荷誘導要素がブラシである場合、それらは任意の導電性材料であることができる。ピンまたはブラシの代替物として、ピアノ線のようなワイヤを電荷誘導要素として使用することができる。
【0038】
静電力が材料を固定するために同様に用いられる、本発明の代わりの実施形態では、紡糸パックに設置されたピン、ブラシまたはワイヤのような導電性要素が接地され、収集面が電源に接続される。収集面は、逆電離、ガス粒子を間違った(所望のものとは反対の)極性に帯電させ、こうして固定を妨げるという影響を有する状態、を発生させない任意の導電性材料であることができる。
【0039】
材料が正に帯電されるように正イオンが望ましい場合、その時は負の電圧が収集面にかけられる。負イオンが望ましい場合、その時は正の電圧がコレクターにかけられる。
【0040】
本発明の一実施形態では、材料が収集面に効果的に固定されることを確実にするために真空固定と静電気固定との組合せが用いられる。
【0041】
放出中の材料がポリマーである場合、本発明のプロセス中に移動収集面を通過させられ
るガスは、ポリマー材料の一部が数点でそれ自体に接合するように加熱することができる。ガスは、紡糸パックを取り囲むまたはそれに隣接するプレナムまたはフードから供給することができる。
【0042】
放出中の材料がポリマー繊維材料である本発明の一実施形態では、材料が収集面上に集められる時に、その温度は、ポリマー繊維材料が集められる時にそれがそれ自体および取り囲む材料に接合するようにポリマー繊維材料の一部を軟化させるまたは粘着性になるようにさせるのに十分である。好ましくは、ポリマーの小部分が軟化するまたは粘着性になるようにされる。これは、放出材料が集められる前にそれを加熱することによってか、材料を集め、その直後にそれに加熱ガスを通過させることによってかのどちらかで成し遂げることができる。
【0043】
有利にも、紡糸パックおよび収集面を取り囲む空間は、温度および圧力を制御できるように囲われる。囲われた空間は本明細書では「紡糸セル」と言われる。紡糸セルは、様々な周知の方法の任意のものにより加熱することができる。例えば、紡糸セルは、紡糸セルへの熱ガスの吹込み、紡糸セル壁内のスチームパイプ、電気抵抗加熱などをはじめとする、単一の方法または方法の組合せによって加熱することができる。紡糸セルの加熱は、ポリマー繊維がある特定の温度より高い温度で粘着性になるので、ポリマー繊維材料の収集面への良好な固定を確実にするための本発明に従った一方法である。
【0044】
紡糸セルの加熱はまた、その厚さによって差別的に接合される不織製品の製造をも可能にすることができる。これは、互いに熱への異なる感受性を有するポリマーの層から製品を形成することによって成し遂げることができる。例えば、異なる溶融または軟化温度を有する少なくとも2つのポリマーを別個のノズルから放出することができる。紡糸セルの温度は最低の溶融または軟化温度ポリマーの溶融または軟化温度より高いが、最高の溶融または軟化温度ポリマーの溶融または軟化温度より低い温度に制御され、こうして最低の溶融または軟化温度ポリマー材料は接合し、最高の溶融または軟化温度ポリマー材料は依然として未接合のままであろう。
【0045】
材料がポリマーであり、上に記載されたように粘着するほど十分に加熱される場合、材料は、真空または静電気力の適用なしに収集面上に凝集性シートまたは膜を形成するかもしれない。
【0046】
本発明のフラッシュ紡糸実施形態で材料が収集面に固定されることを確実にする別の方法は、紡糸パックと収集面との間のギャップへの噴霧流体の導入である。この実施形態では、液体を含んでなる噴霧流体は、材料放出ノズルと同じタイプのものであり得るノズルから放出される。かかるノズルは本明細書では「噴霧ジェット」と言われる。噴霧ジェットは、繊維が収集面上にレイダウンするのを助ける液体小滴のミストを放出する。好ましくは、各材料放出ノズルについて1つの噴霧ジェットが存在する。噴霧ジェットは、それから出るミストがノズルから出る搬送ジェット中へ直接導入され、幾らかの液体小滴が搬送ジェットに同伴され、ウェブに接触するように、ノズルに隣接して置かれる。噴霧ジェットから出る液体のミストはまた、追加の運動量を放出材料に与え、収集面上にレイダウンする前に放出材料が遭遇する抗力のレベルを下げるのにも役立つことができる。
【0047】
ポリマー溶液が本発明に従ってフラッシュ紡糸される場合、溶液の濃度は、ノズル当たりのポリマー処理量に影響を及ぼす。ポリマー濃度が低ければ低いほど、ポリマー処理量は低くなる。ノズル当たりのポリマー処理量はまた、当業者に明らかであるように、ノズルオリフィスのサイズを変更することによって変えることができる。
【0048】
本発明の方法によって製造された製品には、不織シート、フィルムおよび別個の粒子な
らびにそれらの組合せが含まれる。不織シートが形成される場合、本発明の方法は、坪量一様性の観点で驚くほど一様な製品をもたらす。約86.25(g/m1/2未満、または約47(g/m1/2未満、さらに約23(g/m1/2未満の縦方向一様性指数を有する製品を製造することができる。各ウェブ層がファンジェットによって広げられ、搬送ジェット中での乱流の開始前に集められるので、製品はより一様である。
【0049】
引張強度対坪量の比は約15ポンド/インチ/オンス/ヤード(0.78N/cm/g/m)より大きい。本発明の方法によって製造された生成不織製品は、多数のウェブ層を有する層状製品である。
【実施例】
【0050】
試験方法
次の試験方法を用いて本明細書で報告される様々な特性および性質を測定する。ASTMは米国材料試験協会(American Society of Testing Materials)を意味する。ISOは国際標準化機構(International
Standards Organization)を意味する。TAPPIはパルプ製紙業界技術協会(Technical Association of Pulp and Paper Industry)を意味する。
【0051】
坪量(BW)は、参照により本明細書に援用されるASTM D−3776によって測定し、g/m単位で報告する。
【0052】
引張強度は、次の修正付きで、参照により本明細書に援用される、ASTM D1682によって測定した。試験では、2.54cm×20.32cm(1インチ×8インチ)サンプルをサンプルの反対端でクランプで固定した。クランプをサンプル上に互いに12.7cm(5インチ)で取り付けた。サンプルが破断するまでサンプルを5.08cm/分(2インチ/分)の速度で徐々に引っ張った。破断力をポンド/インチ単位で記録し、破断引張強度としてニュートン/cmに変換した。
【0053】
厚さ(TH)は、参照により本明細書に援用されるASTM D177−64によって測定し、マイクロメートル単位で報告する。
【0054】
シートの破断伸び(本明細書では「伸び」とも言われる)は、ストリップ引張試験で破断する前にシートが伸長する量の尺度である。2.54cm(1インチ)幅サンプルを、インストロン(Instron)卓上モデル試験機のような一定速度の伸長引張試験機の、12.7cm(5インチ)離してセットされたクランプ中に取り付ける。破損まで連続的に増加する負荷を5.08cm/分(2インチ/分)のクロスヘッド速度でサンプルにかける。測定値を破損前の伸長の百分率で示す。試験は一般に、参照により本明細書に援用されるASTM D5035−95に従う。
【0055】
シート材料の密度は、g/cmに達するために、g/m単位のシートの坪量に10,000を乗じ、g/cm単位の密度に達するためにcm単位の厚さで割ることによって計算した。
【0056】
ポリマーシート材料のボイド率はシート材料の気孔率の尺度である。ボイド率は、ポリマーの理論密度で割り、100を乗じた1マイナス本明細書で計算されるようなシートの密度として計算し、%単位で報告する。
【0057】
フレーザー(Frazier)透過率は、多孔性材料の通気性の尺度であり、平方フート当たりの立方フィート毎分単位で測定し、次に変換し、リットル/秒/平方メートルの
単位で報告する。それは0.5インチ水の差圧で材料を通る通気容量を測定する。サンプルを通る空気の流れを測定可能な量に制限するためにオリフィスを真空系に取り付ける。オリフィスのサイズは材料の気孔率に依存する。フレーザー気孔率とも言われるフレーザー透過率は、較正オリフィス装置付きのシャーマン・ダブリュ・フレーザー社(Sherman W.Frazier Co.)デュアル圧力計を用いてft/ft/分単位で測定する。
【0058】
ガーリー・ヒル(Gurley Hill)気孔率(GH)は、ガス物質に対するシート材料の透過性の尺度である。具体的には、それは、ある特定の圧力勾配が存在する材料のある面積をある体積のガスが通過するのにどれくらいかかるかの尺度である。ガーリー・ヒル気孔率は、ローレンツェン・アンド・ウェットレ・モデル121Dデンソメーター(Lorentzen & Wettre Model 121D Densometer)を用いて、参照により本明細書に援用されるTAPPI T−460 OM−88に従って測定する。この試験は、100立方センチメートルの空気に、おおよそ1.21kPa(4.9インチ)の水の圧力下で28.7mm直径サンプル(1平方インチの面積を有する)を押し通らせるのに必要とされる時間を測定する。結果は、時々ガーリー秒(Gurley Second)と言われる秒単位で表す。
【0059】
ムレンバースト(Mullenburst)破裂強度は、参照により本明細書に援用されるTAPPI T403−85によって測定し、psi単位で測定し、後で変換し、kN/m単位で報告した。
【0060】
静水頭(HH)は、静荷重下での液体水による浸透に対するシートの抵抗性の尺度である。18cm×18cmサンプル(7インチ×7インチ)をSDL18シャーリー(Shirley)静水頭試験機(英国ストックポートのシャーリー・ディベロップメンツ・リミティッド(Shirley Developments Limited,Stockport,England)によって製造された)に取り付ける。サンプルの3つの面積が水によって浸透されるまで、60±3cm毎分の速度でサンプルの102.6平方cmセクションの一側面に向かって水をポンプ送液する。静水頭は、インチ単位で測定し、水のセンチメートルに変換し、その単位で報告する。試験は、1976年11月の刊行物から引き出された、参照により本明細書に援用されるASTM D583に概して従う。より高い数は、液体通過に対してより大きい抵抗性を持った製品を示唆する。
【0061】
水蒸気透過速度(MVTR)は、g/m/24時間単位で報告し、参照により本明細書に援用される試験方法TAPPI T−523を用いて、リジー・インスツルメント(Lyssy Instrument)で測定した。
【0062】
エルメンドルフ(Elmendorf)引裂強度は、シート中に引裂カットを広めるために必要とされる力の尺度である。シート中に舌型引裂を続けるために必要とされる平均力は、固定距離の端から端までそれを引き裂く際に行われる仕事を測定することによって求める。試験機は、振子が最大位置エネルギーの高めの出発位置にある時に固定クランプと一直線上にあるクランプを持っている扇形状の振子よりなる。検体をクランプで締め付け、クランプ間の検体にスリット・カットによって引裂を開始する。振子を解放し、検体は、移動クランプが固定クランプから離れていくにつれて引き裂かれる。エルメンドルフ引裂強度は、次の標準方法に従ってニュートン単位で測定する:参照により本明細書に援用される、TAPPI T−414 om−88およびASTM D1424。下の実施例について報告される引裂強度値は、それぞれ、シートについて行った少なくとも12の測定の平均である。
【0063】
シートサンプルの層間剥離強度は、インストロン卓上モデル試験機のような一定速度の
伸長引張試験機を用いて測定する。1.0インチ(2.54cm)×8.0インチ(20.32cm)サンプルを、手動で分離および層間剥離を開始するためにサンプルの横方向へピックを挿入することによっておおよそ1.25インチ(3.18cm)層間剥離する。層間剥離したサンプル面を、1.0インチ(2.54cm)離してセットされている試験機のクランプに取り付ける。試験機はスタートし、5.0インチ/分(12.7cm/分)のクロスヘッド速度で作動する。コンピューターは、遊びが約0.5インチのクロスヘッド移動で取り除かれた後に力読みをピックアップし始める。サンプルは約6インチ(15.24cm)について層間剥離され、その間に3000力読みがとられ、平均される。平均層間剥離強度は、サンプル幅で割った平均力であり、N/cmの単位で表す。試験は、参照により本明細書に援用されるASTM D2724−87の方法に概して従う。下の実施例について報告される層間剥離強度値は、それぞれ、シートについて行った少なくとも12の測定の平均に基づいている。
【0064】
不透明度は、参照により本明細書に援用されるTAPPI T−425 om−91に従って測定する。不透明度は、白背景標準からの反射率と比較した黒背景を背にしたシングルシートからの反射率であり、パーセントとして表す。下の実施例について報告される不透明度値は、それぞれ、シートについて行った少なくとも6の測定の平均に基づいている。
【0065】
スペンサー(Spencer)貫入抵抗は、参照により本明細書に援用されるASTM
D3420に従って測定し、サンプルに穴をあけるのに必要とされるエネルギーを測定する。スペンサー貫入抵抗はインチ−ポンド/インチ単位で測定し、cm−N/cmに変換する。装置(スペンサー衝撃付属装置モデル60−64で改良された落下振子タイプ試験機)はトウィング−アルバート・インスツルメント社(Thwing−Albert Instrument Co.)によって製造されている。
【0066】
シートの縦方向一様性指数(MD・UI)は次の手順に従って計算する。ベータ厚さおよび坪量計器(カリフォルニア州クパチーノのハニーウェル−メジャーレックス(Honeywell−Measurex,Cupertino,California)から入手可能な)はシートを走査し、横方向(CD)にシートの端から端まで0.2インチ毎に坪量測定値をとる。次に、シートは縦方向(MD)に0.425インチ前進し、計器は横方向(CD)に別の一連の坪量測定値をとる。このように、全体シートを走査し、坪量データを表の様式でコンピューターに保存する。表中の坪量測定値の行および列は、それぞれ、坪量測定値のCDおよびMD「レーン」に相当する。次に、列1の各データポイントを列2のその隣接データポイントと平均し、列3の各データポイントを列4の隣接データポイントと平均する、等々。効果的にも、これはMDレーン(列)の数を半分にカットし、0.2インチの代わりにMDレーン間で0.4インチの間隔をシミュレートする。縦方向の一様性指数)「MD・UI」)を計算するために、UIをMDでの平均データの各列について計算した。データの各列についてのUIは、先ず当該列について坪量の標準偏差および平均坪量を計算することによって計算する。該列についてのUIは、平均坪量の平方根で割り、100を乗じた坪量の標準偏差に等しい。最後に、シートの総合縦方向一様性指数(MD・UI)を計算するために、各列のUIのすべてを平均して1つの一様性指数を与える。一様性指数をここでは(平方メートル当たりのグラム)1/2の単位で報告する。
【0067】
比較例A
フレオン(Freon)(登録商標)11(パーマー・サプライ・カンパニー(Palmer Supply Company)から調達した)の紡糸剤中の12%マット(Mat)6高密度ポリエチレン(エクィスター・ケミカルズLP(Equistar Chemicals LP)から調達した)の溶液を、ファンジェットへの紡糸オリフィス開
口部を含んでなる8ノズルのセットに該分散系を分配する通路を含む紡糸けたまたは長方形ブロックに供給した。溶液を、非接合チベック(Tyvek)(登録商標)スパンボンド・ポリオレフィン(イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー社(E.I.du Pont de Nemours & Company,Inc.)から入手可能なスタイル1056)の収集基材上へ網状フィラメントウェブの形でノズルを通してフラッシュ紡糸した。溶液を180℃の温度および850psig(5.9MPa)の降下圧力でフラッシュ紡糸した。収集基材および収集された材料を、移動する多孔性収集ベルトによって搬送した。ノズルの出口と収集ベルトとの間の距離は6インチ(15cm)であり、その距離で流体ジェットの大規模乱流が起こった。
【0068】
けた内の通路は、0.480インチ(1.2cm)の直径および3.0インチ(7.6cm)の長さを有する減圧室に通じた0.025インチ(0.064cm)の直径および0.038インチ(0.096cm)の長さを有する減圧オリフィスにつながっていた。各減圧室は、0.025インチ(0.064cm)の直径および0.080インチ(0.20cm)の長さを有する紡糸オリフィスにつながっていた。各紡糸オリフィスはファンジェットに通じていた。流量は、オリフィス当たりおおよそ20pph(9.1kg/時)、または合計160pph(72kg/時)であった。各ファンジェットは2つの凹面壁を含んでなり、凹面壁の中点は紡糸オリフィスと一直線をなしていた。ファンジェットの壁は、壁の端で0.020インチ(0.05cm)離れ、壁の中点で0.25インチ(0.64cm)離れていた。ファンジェットの壁は2.25インチ(5.72cm)の半径を有する凹面曲率を有した。
【0069】
一連の静電気針を、けたから0.25インチ(0.64cm)の距離で紡糸ノズルの上流および下流側に置いた。針は、おおよそ0.75インチ(1.9cm)離して間隔をあけた。針を帯電させ、40kV〜70kVの電圧にした。収集ベルトを接地した。
【0070】
プロセスは、ウェブがノズル下流の静電気棒の針上に掛かり始める前の30秒間うまく作動した。
【0071】
比較例B
比較例Aで使用した溶液を比較例Aでのような8ノズルけたに供給した。用いた条件およびハードウェアは、静電気針がノズルの上流側のみにあったことを除いては同じものであった。
【0072】
プロセスは3分間作動した。レイダウンされた製品は許容されると観察された。
【0073】
比較例C
比較例Bでと同じプロセス条件およびハードウェアを用いた。
【0074】
プロセスは7.25時間作動した。ウェブの幾つかは凝集して製品中に「ロープ」を形成する傾向があったが(流体ジェットの大規模乱流の結果)、形成された個々のウェブは許容されるように見えた。
【0075】
実施例1
フレオン(登録商標)11(パーマー・サプライ・カンパニーから調達した)の紡糸剤中の0.5%マット8高密度ポリエチレン(エクィスター・ケミカルズLPから調達した)および1%セルロース(インターナショナル・ファイバーズ・コーポレーション(International Fibers Corporation)から調達したBH600−20アルファ−セル(Alpha−cel))の分散系を、ファンジェットへの紡糸オリフィス開口部を含んでなる4ノズルのセットに該分散系を分配する通路を含む紡糸
けたに供給した。各ノズルは、減圧室に通じた0.025インチ(0.064cm)の直径および0.080インチ(0.20cm)の長さを有する減圧オリフィスを含んでなった。減圧室は、0.025インチ(0.064cm)の直径および0.080インチ(0.20cm)の長さを有する紡糸オリフィスにつながっていた。紡糸オリフィスは、壁の中点で0.04インチ(0.1cm)離れた2つの凹面壁を含んでなる、端で0.03インチ(0.08cm)離れへ先細りしているファンジェットに通じていた。壁は長さが1.6インチ(4.1cm)であった。壁の凹面曲率は1.5インチ(3.8cm)の半径を有した。
【0076】
分散系を非接合チベック(登録商標)スパンボンド・ポリオレフィン(イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー社から入手可能な)の収集基材上へファンジェットによってフラッシュ紡糸した。分散系を176℃〜179℃の温度および1400psig(9.6MPa)〜1500psig(10MPa)の降下圧力でフラッシュ紡糸した。チベック(登録商標)収集基材および収集された材料を、移動する多孔性収集ベルトによって搬送した。ノズルの出口と収集ベルトとの間の距離は3インチ(7.6cm)であった。
【0077】
チベック(登録商標)を収集ベルトに保持するために減圧をかけた。
【0078】
0.75オンス/ヤード(25g/m)の坪量を有するHDPEおよびセルロースの層をチベック(登録商標)基材の表面上へ沈積させた。HDPEのポリマー粒子は、いかなる他の明らかな固定力もなしにセルロースをチベック(登録商標)にくっつけるのに十分なほど粘着性であり、その結果、HDPEポリマーはセルロース粒子をチベック(登録商標)基材にだけでなく、互いにくっつけるバインダーの機能を果たした。
【0079】
その後のインクジェット印刷試行は、HDPEおよびセルロースの層に起因する改善された印刷特性を示した。その上に沈積したHDPEおよびセルロースの層を有する収集基材の印刷性を、HDPEおよびセルロースのかかる層なしの収集基材(非接合チベック(登録商標)スパンボンド・ポリオレフィン)の反対側のそれと比較した。実施例1の被覆された収集基材および収集基材の反対の(被覆されていない)対照側の両方を、先ず黒インクカートリッジ(ヒューレット−パッカード・ディベロップメント・カンパニーLP(Hewlett−Packard Development Company,LP)製のHP51645a)を用いて、次に着色インクカートリッジ(ヒューレット−パッカード・ディベロップメント・カンパニーLPから入手可能なHP51641a)を用いて、ヒューレット−パッカード870CXiインクジェット・プリンター(ヒューレット−パッカード・ディベロップメント・カンパニーLPから入手可能な)によって供給した。1デザインを黒色、黄色、赤色、青色、および黒色で印刷した。サンプルのHDPE/セルロース被覆側面を先ず印刷した。5つの異なる着色インク(黒を含めて)のそれぞれが直ちに乾燥するように見えた。20分後に、サンプルの反対側面を5つの異なる着色インクで同じデザインで印刷した。色は直ちに乾燥するように見えた。2時間後に、黒色インクはまだ乾燥しておらず、容易に汚すことができた。減少した羽毛がHDPE/セルロース被覆サンプルの印刷面上のインク中に観察され、対照基材に対して総体的によりシャープな印刷画像が達成された。
【0080】
実施例2
フレオン(登録商標)11(パーマー・サプライ・カンパニーから調達した)中の11%マット8HDPE(エクィスター・ケミカルズLPから調達した)のポリマー溶液を、1200psig(8.3MPa)の降下圧力および190℃〜193℃の紡糸温度でノズルを通してフラッシュ紡糸した。ノズルは、ファンジェットに通じている紡糸オリフィスに順繰りにつながった減圧室につながっている減圧オリフィスを含んでなった。減圧オ
リフィスは0.025インチ(0.064cm)の直径および0.038インチ(0.096cm)の長さを有した。減圧オリフィスは、0.025インチ(0.064cm)の直径および0.080インチ(0.20cm)の長さを有する紡糸オリフィスにつながっている減圧室に通じていた。紡糸オリフィスはファンジェットに通じていた。ファンジェットは、壁間の距離が壁の中点間で最大の0.04インチ(0.1cm)であり、壁の端で最小の0.03インチ(0.08cm)であるように、互いの方へ凹面曲率を有する2つの壁を含んでなった。フラッシュ紡糸ウェブをリーメイ(Reemay)(登録商標)スパンボンド・ポリエステル(BBAノンウェボンズ(BBA Nonwovens))から入手可能な)の収集基材上へ沈積させた。収集基材および収集された材料を、移動する多孔性収集ベルトによって搬送した。ノズルの出口と収集ベルトとの間の距離は3インチ(7.6cm)であった。
【0081】
導電性ベルトに200μAの電流を一定に保持することによって収集ベルトに電圧をかけた。ベルト速度を変えた。より遅いベルト速度(より高い坪量)にはより多くの電圧を必要として、電圧を−30〜−70kVで変えた。
【0082】
生じた製品の縦方向一様性指数(MD・UI)を表1に示す。
【0083】
実施例3
フレオン(登録商標)11(パーマー・サプライ・カンパニーから調達した)中の11%マット8HDPE(エクィスター・ケミカルズLPから調達した)のポリマー溶液を、1200psig(8.3MPa)の降下圧力および190℃〜193℃の紡糸温度で実施例2に記載したようなノズルを通してフラッシュ紡糸した。フラッシュ紡糸ウェブをリーメイ(登録商標)スパンボンド・ポリエステル(BBAノンウェボンズから入手可能な)の収集基材上へ沈積させた。ノズルの出口と収集ベルトとの間の距離は3インチ(7.6cm)であった。
【0084】
実施例2におけるように電圧を収集ベルトにかけた。
【0085】
収集ベルトと連通している真空ポンプを用いて収集ベルトに減圧をかけて14〜17psig(96〜117kPa)の減圧でフラッシュ紡糸ウェブを固定した。真空ポンプは2000rpmの速度で作動した。
【0086】
生じた製品の縦方向一様性指数(MD・UI)を表1に示す。
【0087】
実施例4
フレオン(登録商標)11(パーマー・サプライ・カンパニーから調達した)中の11%マット8HDPE(エクィスター・ケミカルズLPから調達した)のポリマー溶液を、1200〜1300psig(8.3〜9.0MPa)の降下圧力および190℃の紡糸温度で実施例2に記載したようなノズルを通してフラッシュ紡糸した。
【0088】
フラッシュ紡糸ウェブをリーメイ(登録商標)スパンボンド・ポリエステル(BBAノンウェボンズから入手可能な)の収集基材上へ沈積させた。ノズルの出口と収集ベルトとの間の距離は3インチ(7.6cm)であった。
【0089】
実施例3におけるように収集ベルトに減圧をかけた。
【0090】
生じた製品の縦方向一様性指数(MD・UI)を表1に示す。
【0091】
実施例5
フレオン(登録商標)11(パーマー・サプライ・カンパニーから調達した)中の11%マット8HDPE(エクィスター・ケミカルズLPから調達した)のポリマー溶液を、1200psig(8.3MPa)の降下圧力および190℃〜192℃の紡糸温度で実施例2に記載したようなノズルを通してフラッシュ紡糸した。
【0092】
フラッシュ紡糸ウェブをリーメイ(登録商標)スパンボンド・ポリエステル(BBAノンウェボンズから入手可能な)の収集基材上へ沈積させた。ノズルの出口と収集ベルトとの間の距離は3インチ(7.6cm)であった。
【0093】
収集ベルトおよびノズルの両方から仕切られた針アレイに電圧をかけた。イオンが静電気針からノズルに、その結果として、ノズルから出るウェブに流れ、イオン電界を通過する電荷をピックアップした。静電気針を通る電流を200μAで一定に保持した。電圧は+30〜+50kVで変わった。
【0094】
生じた製品の縦方向一様性指数(MD・UI)を表1に示す。
【0095】
実施例6
フレオン(登録商標)11(パーマー・サプライ・カンパニーから調達した)中の11%マット8HDPE(エクィスター・ケミカルズLPから調達した)のポリマー溶液を、1200psig(8.3MPa)の降下圧力および190℃〜192℃の紡糸温度で実施例2に記載したようなノズルを通してフラッシュ紡糸した。
【0096】
フラッシュ紡糸ウェブをリーメイ(登録商標)スパンボンド・ポリエステル(BBAノンウェボンズから入手可能な)の収集基材上へ沈積させた。ノズルの出口と収集ベルトとの間の距離は3インチ(7.6cm)であった。
【0097】
実施例5におけるように、収集ベルトおよびノズルの両方から仕切られた針アレイに電圧をかけた。
【0098】
実施例3におけるように収集ベルトに減圧をかけた。
【0099】
生じた製品の縦方向一様性指数(MD・UI)を表1に示す。
【0100】
実施例7
フレオン(登録商標)12(パーマー・サプライ・カンパニーから調達した)中の11%マット8HDPE(エクィスター・ケミカルズLPから調達した)のポリマー溶液を、1200〜1400psig(8.3〜9.6MPa)の降下圧力および189℃〜195℃の紡糸温度で実施例2に記載したようなノズルを通してフラッシュ紡糸した。
【0101】
フラッシュ紡糸ウェブをリーメイ(登録商標)スパンボンド・ポリエステル(BBAノンウェボンズから入手可能な)の収集基材上へ沈積させた。ノズルの出口と収集ベルトとの間の距離は3インチ(7.6cm)であった。
【0102】
実施例3におけるように収集ベルトに減圧をかけた。
【0103】
生じた製品の縦方向一様性指数(MD・UI)を表1に示す。
【0104】
【表1】

【0105】
実施例8
85%塩化メチレン(インダストリアル・ケミカル社(Industrial Chemical Inc.)から調達した)と15%ベルトレル(Vertrel)(登録商標)XF(イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニーから調達した)との紡糸剤中の16%マット6高密度ポリエチレン(エクィスター・ケミカルズLPから調達した)の溶液を、ファンジェットへの紡糸オリフィス開口部を含んでなるノズルへの通路を含む紡糸ブロックに供給した。ファンジェットは2つの凹面壁を含んでなり、凹面壁の中点は紡糸オリフィスと一直線をなしていた。ファンジェットの壁は、壁の端で0.010インチ(0.025cm)離れ、壁の中点で0.08インチ(0.20cm)離れていた。ファンジェットは、長さが0.66インチ(1.68cm)であった。紡糸オリフィスの出口角度は60°であった。
【0106】
溶液を、リーメイ(登録商標)スパンボンド・ポリエステル(BBAノンウェボンズから入手可能な)の収集基材上へ網状フィラメントウェブの形でノズルを通してフラッシュ紡糸した。溶液を210℃の温度および762psig(5.25MPa)の降下圧力でフラッシュ紡糸した。ノズルの出口と収集ベルトとの間の距離は1インチ(2.54cm)であった。
【0107】
けた内の通路は、0.025インチ(0.064cm)の直径および0.032インチ(0.081cm)の長さを有する減圧オリフィスにつながっており、該オリフィスは、0.480インチ(1.2cm)の直径および3.0インチ(7.6cm)の長さを有する減圧室に通じていた。減圧室は、0.025インチ(0.064cm)の直径および0.080インチ(0.20cm)の長さを有する紡糸オリフィスにつながっていた。流量はおおよそ24ポンド毎時(10.9kg/時)であった。
【0108】
リーメイ(登録商標)収集基材は、2.2オンス/ヤード(75g/m)の収集溶液坪量をもたらす、60ヤード/分(55mpm)の速度で移動中であった。溶液を何の減圧固定力または静電気固定力もなしに収集基材上へ紡糸した。放出ウェブを収集基材に適切に固定した。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】本発明に従った紡糸パックの斜視図である。
【図2】移動ベルト上への網状フィラメントウェブのフラッシュ紡糸法で示される図1の紡糸パックを含むフラッシュ紡糸装置の略図である。
【図3】移動ベルト上への網状フィラメントウェブのフラッシュ紡糸法で示される代わりの紡糸パックを含むフラッシュ紡糸装置の略図である。
【図4】回転ドラム上への網状フィラメントウェブのフラッシュ紡糸法で示される紡糸パックを含むフラッシュ紡糸装置の略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファンジェットへのオリフィス開口部を含んでなる少なくとも1つのノズルに少なくとも2つの成分を有する流動混合物を供給し、
ファンジェットから流動混合物を放出して放出材料を形成し、
放出材料の少なくとも1成分を蒸発させてまたは膨張させて流体ジェットを形成し、
流体ジェットでノズルから放出材料の残りの成分を運び、そして、
ノズルから約0.25cm〜約13cmの距離に置かれた移動収集面上に放出材料の残りの成分を集める
ことを含んでなる方法。
【請求項2】
流動混合物の1成分が紡糸剤を含んでなり、紡糸剤を液体状態に保つのに十分な圧力で紡糸剤の沸点より高い温度でノズルに流動混合物を供給し、そして、紡糸剤が蒸発し、凝固した第2成分がノズルから放出されるように、紡糸剤の沸点の約40℃以内の温度の環境中へ流動混合物を放出することをさらに含んでなる請求項1に記載の方法。
【請求項3】
流動混合物が紡糸剤の沸点の約10℃以内の温度の環境中へ放出される請求項2に記載の方法。
【請求項4】
流動混合物が紡糸剤を含んでなり、流動混合物が紡糸剤の沸点より高い温度で放出される請求項1に記載の方法。
【請求項5】
放出中の材料の速度が少なくとも約30メートル毎秒である請求項1に記載の方法。
【請求項6】
ファンジェットへの紡糸オリフィス開口部を有するノズルを通してポリマー溶液をフラッシュ紡糸して網状フィラメントフィルム−フィブリル・ストランド材料を含む流体ジェットを形成し、そして、網状フィラメントフィルム−フィブリル・ストランド材料をノズルから約0.25cm〜約13cmの距離に置かれた移動収集面上に集めることを含んでなる方法。
【請求項7】
移動収集面がノズルから約1.3cm〜約3.8cmの距離で置かれている請求項1または請求項6に記載の方法。
【請求項8】
移動収集面が移動ベルトである請求項1または請求項6に記載の方法。
【請求項9】
移動収集面が回転ドラムである請求項1または請求項6に記載の方法。
【請求項10】
ポリマーがポリオレフィンである請求項6に記載の方法。
【請求項11】
収集材料を接合するのに十分な温度に収集材料を加熱することをさらに含んでなる請求項1に記載の方法。
【請求項12】
流動混合物がポリマーを含んでなり、収集材料を接合するのに十分な温度で収集材料に熱ガスを通すことをさらに含んでなる請求項1に記載の方法。
【請求項13】
流動混合物が異なる溶融または軟化温度を有する2つのポリマーを含んでなり、かつ、2つのポリマーの溶融または軟化温度の中間の温度に収集材料の温度を維持することをさらに含んでなる請求項1に記載の方法。
【請求項14】
流動混合物がパルプと流体との混合物を含んでなる請求項1に記載の方法。
【請求項15】
流動混合物が粒子と流体との混合物を含んでなる請求項1に記載の方法。
【請求項16】
流動混合物がバインダー成分をさらに含んでなる請求項1に記載の方法。
【請求項17】
ファンジェットが主として横方向に材料を広げる請求項6に記載の方法。
【請求項18】
移動収集面を通して真空をかけることをさらに含んでなる請求項1に記載の方法。
【請求項19】
放出材料と移動収集面との間に電位を発生させることをさらに含んでなる請求項1または請求項6に記載の方法。
【請求項20】
移動収集面に電圧をかけること、および、ノズルを接地することをさらに含んでなる請求項19に記載の方法。
【請求項21】
ノズルに電圧をかけること、および、移動収集面を接地することをさらに含んでなる請求項19に記載の方法。
【請求項22】
少なくとも1つの噴霧ジェットノズルからノズルと収集面との間に液体ミストを放出することをさらに含んでなる請求項1または請求項6に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−524765(P2007−524765A)
【公表日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−509697(P2006−509697)
【出願日】平成16年4月5日(2004.4.5)
【国際出願番号】PCT/US2004/010412
【国際公開番号】WO2004/090538
【国際公開日】平成16年10月21日(2004.10.21)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】