説明

一種類以上の処理流体により超小型電子半製品をプロセス処理すべく使用されるツールにおける隔壁板およびベンチュリ状封じ込めシステムのための洗浄方法および関連装置

液体、気体、流体化された固体、分散液、これらの組み合わせなどの一種類以上の処理材料により超小型電子半製品を処理するツール。本発明は単一もしくは複数の湿潤表面の迅速で有効な洗浄手法を提供すると共に、本発明は、処理されつつある半製品の全体に亙り先細の流れチャネルを画成する如き様式で上記半製品の上方に位置する隔壁板の如き移動可能な隔壁構造の下側表面を洗浄すべく使用されるときに特に好適である。不都合な跳ね返り、液滴もしくは霧を生成する様式で上記表面上へと洗浄液を噴射するのではなく、上記液体は、好適には層流条件下で、洗浄されるべき上記表面と流体連通する表面上へと流れるように供与される。円滑で均一な湿潤作用および薄寸体状展開作用に帰着することで、粒子汚染を引き起こす虞れが相当に減少された洗浄が行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権
正規の本特許出願は米国特許法第119(e)条に基づき、2007年8月7日にデクレイカー等により“一種類以上の処理流体により超小型電子半製品をプロセス処理すべく使用されるツールにおける隔壁板およびベンチュリ状封じ込めシステムのための洗浄方法および関連装置”と称されて出願された米国仮特許出願第60/963,840号の優先権を主張するものであり、該仮出願は言及したことによりその全体が本明細書中に援用される。
本発明は、液体および/または気体などの一種類以上の処理流体により超小型電子基板をプロセス処理すべく使用されるツールに対する隔壁板、ベンチュリ状封じ込め方式および供与アセンブリに関する。より詳細には本発明は、隔壁板および/またはベンチュリ形状化された封じ込め経路の表面に関して優れた洗浄能力を備える如きツールに関する。
【背景技術】
【0002】
超小型電子分野は、超小型電子デバイスを製造すべく種々の異なるプロセスに依存している。多くのプロセスは、異なる種類の処理流体が所望の処理手法に従い半製品に接触せしめられるという一連の処理を伴う。これらの流体は、液体、気体、または、それらの組み合わせとされ得る。幾つかの処理においては、固形物が、液体中に懸濁もしくは溶解され、または、気体中に取り込まれる。
【0003】
超小型電子半製品をプロセス処理する革新的なツールは、同時係属中であると共に米国特許公開公報第2007/0022948A1号として公開された本譲受人の米国特許出願である特許文献1(以下、第1同時係属出願と称される);同時係属中であると共に、コリンズ等により“一つ又はそれ以上の処理流体を用いた、マイクロエレクトロニクス用の加工物に使用されるツールの障壁構造及びノズル装置”と称されて2006年3月15日に出願され且つ代理人処理番号FSI0166USが付され、更にはPCT公開公報第WO2006/107550号の対応出願であるという米国特許出願第11/376,996号である特許文献2(以下、第2同時係属出願と称される);および、同時係属中であると共に、コリンズ等により“1つ以上の処理流体によりマイクロエレクトロニクス半製品を処理するために用いられる道具において使われる隔壁構造およびノズル装置”と称されて2007年6月20日に出願され且つ代理人処理番号FSI0202USが付された米国特許出願第11/820,709号である特許文献3(以下、第3同時係属出願と称される);に記述されている。これらの同時係属中の米国特許出願およびこれらの公報の全体は、言及したことにより全ての目的に対して本明細書中に援用される。
【0004】
同時係属中の上記各米国特許出願の“処理区画11”は好適に、一本以上の導管経路が選択的に開成および閉成されることを許容するネスト式の導管機構を含む。たとえば、各構造が相対的に離間して移動されるとき、各構造間において導管経路は開いて拡大される。また各構造が相対的に一体的に移動されるとき、各構造間の上記導管は絞られてサイズが減少する。好適実施例においては、移動可能な各構造が如何に配置されるかに依存し、同一体積の空間内に複数本の導管が存在し得る。故に、複数本の導管は、単一本の導管のみにより占有される体積よりも最小限度だけ大きい体積を占有し得る。各導管は、再利用、廃棄、または、他の取扱いのために液体および/または気体などの種々の処理流体を捕捉すべく使用される。異なる処理流体は個々の独立的な導管内に回収されることで、異なる流体に対し、相互汚染が最小限とされ、且つ/又は、固有の捕捉手順が使用され得る。上記導管構造のネスト式の特性によれば、上記導管システムは極めて小型でもある。
【0005】
これらの同時係属中の米国特許出願はまた、革新的な噴射ノズル/隔壁構造も記述している。この構造は、噴射、中央供与、および、シャワーヘッドによる如き複数の様式で処理材料を供与する能力を有する。上記隔壁構造は、下方に位置する半製品の上方に位置している。好適実施例において上記隔壁構造の下側表面は、半製品の上方における先細の流れチャネルを画成するように形状化される。この手法は多くの利点を提供する。上記先細の流れチャネルは、再循環領域を最小化しながら、半製品の中心から外方への径方向流れの促進を助力する。上記先細形態はまた、半製品の外側縁部に接近して流れる流体を円滑に収束させ且つその速度を高めることも助力する。これにより、液体の跳ね返り効果の低減が助力される。上記下側表面の角度もまた、該下側表面上の液体を外周縁に向けて排出することを助力する。上記先細の構成はまた、半製品上へと戻らんとする粒子の再循環の低減も助力する。該構成はまた、流体の更に良好な封じ込めにより化学的な回収効率を促進することも助力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許公開公報第2007/0022948A1号公報
【特許文献2】米国特許出願第11/376,996号公報
【特許文献3】米国特許出願第11/820,709号公報
【特許文献4】米国特許公開公報第2006/0219258A1号公報
【特許文献5】米国特許第6,065,424号公報
【特許文献6】米国特許出願第11/825,508号公報
【特許文献7】米国仮特許出願第60/930,720号公報
【特許文献8】米国特許公開公報第2006/0128133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これらの全ての利点にも関わらず、更なる改善が依然として望まれている。第1に、半製品を処理する過程において上記隔壁構造の下側表面は、処理の間に使用された単一種類もしくは複数種類の液体の液滴もしくは薄膜、および/または、該隔壁構造の洗浄の結果としての液体の液滴もしくは薄膜を担持することがある。たとえば本譲受人の第3同時係属出願は、プロセス処理チャンバ内へと至る煙突状通路を通り複数の洗浄管が下方に至るという洗浄方式であって、上記煙突状通路は概略的に上記隔壁構造の中央領域を通り上記プロセス処理チャンバ内に至る出入口経路を提供するという洗浄方式を記述している。上記複数の洗浄管は、それらの下端部が上記隔壁構造の上記下側表面と概略的に同一高さである様に、上記プロセス処理チャンバ内へと延在する。上記下側表面上へと、各管の端部に取付けられたノズルを通して洗浄液が噴射される。
【0008】
この方式によれば上記隔壁構造は効果的に洗浄されるが、上記の結果的な噴射物は、上記隔壁構造に衝当するときに跳ね返る傾向がある。これにより液滴もしくは霧が生成されることがあり、するとそれらは粒子汚染に繋がり得る。また、隔壁構造の下側表面に対する各ノズルの噴射パターンの整列を、該隔壁構造の形状寸法と合致させて設定もしくは維持することは困難であり得る。更に上記各管およびノズルは、滴下して汚染を引き起こし得る水分を収集することがある。上記各管およびノズルはまた、上記プロセス処理チャンバ内への液体および気体の流れを遮断し且つ/又は分断することもある。故に、更に良好な方法が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、液体、気体、流体化された固体、分散液、これらの組み合わせなどの一種類以上の処理材料により超小型電子半製品を処理するツールを提供する。本発明は単一もしくは複数の湿潤表面の迅速で有効な洗浄手法を提供すると共に、本発明は、処理されつつある半製品の全体に亙り先細の流れチャネルを画成する如き様式で上記半製品の上方に位置する隔壁板の如き移動可能な隔壁構造の下側表面を洗浄すべく使用されるときに特に好適である。不都合な跳ね返り、液滴もしくは霧を生成する様式で上記表面上へと洗浄液を噴射するのではなく、上記液体は、好適には層流条件下で、洗浄されるべき上記表面と流体連通する表面上へと流れるように供与されまたは注がれる。円滑で均一な湿潤作用および薄寸体状展開作用に帰着することで、粒子汚染を引き起こす虞れが相当に減少された洗浄が行われる。代表的実施例において、自身を通して上記液体を供与するオリフィスは目標表面に対し、たとえば0.1〜20mm、更に望ましくは0.1〜5mm、更には目標表面から1mmとさえもされる様に非常に接近される。
【0010】
付加的に、本発明の実施例は、汚染に繋がり得る離散的なチャネル形成、滴下または他の問題を少なくし乍ら、隔壁構造下側表面の非常に広範囲な湿潤および円滑な薄寸体状展開作用を促進するというノズルパターンを取入れ得る。これらの実施例において、単一もしくは複数のノズル配列は、各ノズルにより標的とされた表面に関し、可変的な間隔、変化するノズル寸法、および、変化するノズル角度の内の少なくともひとつ、好適にはふたつ、および、更に好適には全ての3つを包含する。代表的なノズル配列はノズル間における可変的な間隔を有すると共に、該配列は、該配列における一個以上の他のノズルに対して合成角度が異なるという2個以上のノズルを有する。更に、本発明の実施例は、汚染に繋がり得る離散的なチャネル形成、滴下または他の問題を少なくし乍ら、隔壁構造下側表面の非常に広範囲な湿潤および円滑な薄寸体状展開作用を促進するという事前湿潤方式を取入れ得る。
【0011】
本発明のひとつの見地に依れば、装置を洗浄する方法は、
a)処理の間において少なくともひとつの超小型電子半製品を内部に配置可能なプロセス処理チャンバと、
処理のために配備されたときの半製品の上方に位置し且つ該半製品を少なくとも部分的に覆う下側表面を含む隔壁構造と、
を含む装置を配備する段階と、
b)液体を供与する段階であって、当該液体が薄寸体を形成してから上記隔壁構造の上記下側表面を湿潤するという条件下で上記隔壁構造上へと液体を流れるように供与する段階とを含む。
【0012】
本発明の別の見地に依れば、装置を洗浄する方法は、
a)処理の間において少なくともひとつの超小型電子半製品を内部に配置可能なプロセス処理チャンバと、
処理のために配備されたときの半製品の上方に位置し且つ該半製品を少なくとも部分的に覆う下側表面を含む隔壁構造と、
上記下側表面に対して流体接続された付加的表面と、
を含む装置を配備する段階と、
b)液体を供与する段階であって、当該液体の薄寸体が形成され且つ該薄寸体が上記隔壁構造の上記下側表面上へと流れて該下側表面を湿潤するという条件下で上記付加的表面上へと液体を流れるように供与する段階とを含む。
【0013】
本発明の別の見地に依れば、少なくともひとつの超小型電子半製品をプロセス処理する装置は、
a)処理の間において少なくともひとつの超小型電子半製品を内部に配置可能なプロセス処理チャンバと、
b)処理のために配備されたときの半製品の上方に位置し且つ該半製品を少なくとも部分的に覆う下側表面を含む隔壁構造と、
c)上記下側表面に対して流体接続された付加的表面と、
d)上記付加的表面に対して照準決定されると共に該付加的表面に対して十分に接近して配置されることで、該付加的表面上へと液体を流れるように供与する複数のノズルとを含む。
【0014】
本発明の別の見地に依れば、少なくともひとつの超小型電子半製品をプロセス処理する装置は、
a)処理の間において少なくともひとつの超小型電子半製品を内部に配置可能なプロセス処理チャンバと、
b)処理のために配備されたときの半製品の上方に位置し且つ該半製品を少なくとも部分的に覆う下側構造を含む隔壁構造と、
c)上記プロセス処理チャンバ内への出入口を提供するベンチュリ形状経路であって、上記隔壁構造の上記下側表面に対して流体接続された経路表面を含むというベンチュリ形状経路と、
d)上記経路内に配置されると共に、上記経路表面上へと液体を供与すべく照準決定された少なくともひとつのノズルとを含む。
【0015】
本発明の別の見地に依れば、装置を洗浄する方法は、
a)処理の間において少なくともひとつの超小型電子半製品を内部に配置可能なプロセス処理チャンバと、
処理のために配備されたときの半製品の上方に位置し且つ該半製品を少なくとも部分的に覆う下側表面を含む隔壁構造と、
上記下側表面に対して流体接続された付加的表面と、
を含む装置を配備する段階と、
b)上記隔壁構造の上記下側表面、および、選択的に上記付加的表面を事前湿潤する段階と、
c)事前湿潤の後、上記付加的表面上に当該液体が薄寸体を形成してから上記隔壁構造の上記下側表面上へと薄寸体状に拡開して該下側表面を湿潤するという条件下で上記付加的表面上へと液体を流れるように供与する段階とを含む。
【0016】
添付図面と併せた以下の本発明の実施例の記述を参照することにより、本発明の上述のおよび他の利点、および、それらを達成する様式が更に明らかになると共に、本発明自体が更に良好に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】概略的に自身の頂部に対して見下ろされた本発明の空気取入れアセンブリの斜視図である。
【図2】概略的に自身の底部に対して見上げられた図1の空気取入れアセンブリの斜視図である。
【図3】図1の空気取入れアセンブリの断面図である。
【図4】図1の空気取入れアセンブリの平面図である。
【図5】図1の空気取入れアセンブリに取入れられた頂部部材を概略的にその頂部に対して見下ろした斜視図である。
【図6】図1の空気取入れアセンブリに取入れられた頂部部材を概略的にその底部に対して見上げた斜視図である。
【図7】図1の空気取入れアセンブリに取入れられた基部部材を概略的にその頂部に対して見下ろした斜視図である。
【図8】図1の空気取入れアセンブリに取入れられた基部部材を概略的にその底部に対して見上げた斜視図である。
【図9】図1の空気取入れアセンブリに取入れられた洗浄部材を概略的にその頂部に対して見下ろした斜視図である。
【図10】図1の空気取入れアセンブリに取入れられた洗浄部材を概略的にその底部に対して見上げた斜視図であり、ノズル配列が視認可能である。
【図11】図9に示された洗浄部材の側面図である。
【図12】図1の空気取入れアセンブリの拡大断面図であり、上記頂部部材と上記基部部材との間に挟持された上記洗浄部材のリング形状本体を示している。
【図13】図1の空気取入れアセンブリの拡大断面図であり、上記頂部部材と上記基部部材との間に挟持された上記洗浄部材のアームを示している。
【図14】図1の空気取入れアセンブリにおいて使用される保持用クランプの斜視図である。
【図15】図1の空気取入れアセンブリにおいて使用される上記保持用クランプの別の斜視図である。
【図16】図1の空気取入れアセンブリにおいて使用される上記保持用クランプの別の斜視図である。
【図17】図1の空気取入れアセンブリを取入れたツールの概略図である。
【図18A】図9の洗浄部材の底部を示す図である。
【図18B】図18Aの洗浄部材のF−F断面に沿う断面図である。
【図18C】図18Bの図示物のG−G断面に沿う断面図である。
【図18D】図18Bの図示物のH−H断面に沿う断面図である。
【図18E】図18Aの洗浄部材のC−C断面に沿う断面図である。
【図18F】図18Aの洗浄部材のJ−J断面に沿う断面図である。
【図18G】図18Fの図示物のK−K断面に沿う断面図である。
【図18H】図18Aの洗浄部材のD−D断面に沿う断面図である。
【図18I】図18Hの図示物のE−E断面に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に記述される本発明の実施例は、網羅的であること、または、以下の詳細な説明において開示された厳密な形態に本発明を限定することは意図されない。寧ろ該実施例は、本発明の原理および実用的手法を当業者が評価かつ理解し得るべく選択かつ記述される。本発明は流体式の超小型電子基板洗浄システムの特定状況に関して記述されるが、本発明の原理は他の超小型電子プロセス処理システムに対しても適用可能である。
【0019】
以下の考察において、記述される特定構造およびその参照番号が両者ともに引用符で囲まれるならば、その記述は本譲受人の第3同時係属出願に記述かつ示された特定構造および参照番号を指している。もし引用符が使用されなければ、当該記述は、本明細書における記述に加えて添付図面中に示される本発明の特定構造および参照番号を指している。
【0020】
図1乃至図16および図18A乃至図18Iには、本発明の洗浄能力を備えた空気取入れアセンブリ10の特に好適な実施例が示される。この特定実施例は、本譲受人の第3同時係属出願に記述された“隔壁/分配部分14”において使用されるべく設計される。本発明の空気取入れアセンブリ10は本願中に示される隔離用支持体と共に、“空気取入れフランジ338”、“シャワーヘッドスペーサ382”、“孤立した支持体380”、“洗浄管504”および“洗浄管ノズル508”に対して代用され得る。図1乃至図16および図18A乃至図18Iに示された空気取入れアセンブリ10は、“隔壁板102”上に且つ“スプレー棒178”および“中央の分配ノズルアセンブリ518”の上方に、これらの構成要素に対して“空気取入れフランジ338”が結合されたのと同一様式で取付けられるべく設計される。別の類似点として、“シャワーヘッド分配部材426”は、該“シャワーヘッド分配部材426”が先行設計態様の“シャワーヘッドスペーサ382”および“孤立した支持体380”に対して取付けられたのと同一様式で隔離体22により提供される有用な固着および支持により、空気取入れアセンブリ10上に取付けられる。付加的に空気取入れアセンブリ10は、適切な配管系統が、すなわち、結果的な隔壁/供与区画に含まれるべき一個以上の分配構成部品、および、“隔壁板102”の吸引要素が、該空気取入れアセンブリ10自体の洗浄用特定構造に至ることを許容する特定構造を含む。
【0021】
但し“洗浄管504”および“洗浄管ノズル508”と比較して品質向上された空気取入れアセンブリ10は、もしあるとしても、粒子汚染に繋がり得る跳ね返りおよび液滴の発生を僅少とし乍ら、“隔壁板102”と該アセンブリ10内に一体化されたベンチュリ状封じ込めシステムとを更に効果的に洗浄かつ湿潤化する優れた洗浄能力を統合している。別の選択的な相違点として、“シャワーヘッドスペーサ382”に対応する特定構造は、該“シャワーヘッドスペーサ382”の如く別体的な構成要素として取入れられるのではなく、一体的な特定構造として空気取入れアセンブリ10内に一体化される。
【0022】
空気取入れアセンブリ10は概略的に、主要構成要素として、頂部部材12と、基部部材58と、頂部部材12と基部部材58との間に挟持された洗浄部材114とを含んでいる。頂部部材12は図1乃至図6に最適に示されている。頂部部材12は、円滑に湾曲された頂面16と概略的に平坦な底部18とを有する概略的に環状形成された本体14を含む。以下において更に記述される如く、頂面16は夫々の取入口178をベンチュリ形状経路172へと画成することを助力する。頂部部材12は隔離体22を取付けるための開孔20を含む一方、該開孔は、“シャワーヘッド分配部材426”の取付け支持を助力すべく用いられる。図示目的で、対応する4個の隔離体22を取付けるために4個の開孔20が示されるが、所望に応じて更に多くの個数もしくは少ない個数が使用され得る。各隔離体22は、接着剤、溶接、ネジにより、または、ボルトを介するなどの任意の所望の様式で、これらの開孔20を介して頂部部材12に対して固着され得る。幾つかの実施例において、隔離体22上の雄螺条は、開孔20内に形成された対応する雌螺条に螺着可能に係合し得る。
【0023】
底部18は、軽量化のために該底部18の外周縁28に近接して配備された環状溝26を含む。底部18はまた、空気取入れアセンブリ10の各構成要素が組立てられたときに洗浄部材114を所定位置に挟持するために適切に寸法設定されたポケットを形成すべく、内周縁32上に環状の実矧溝(さねはぎみぞ)30も備えている。底部18はまた、頂部部材12を基部部材58に対してネジにより取付ける確実な様式を提供する複数の螺条付き開孔24も備えている。ネジの使用によれば、保守および修理のための空気取入れアセンブリ10の容易な分解が促進される。当然乍ら、接着剤、溶接、ボルト、クランプ、テープ、これらの組み合わせなどの、他の組立て技術が使用され得る。図示目的で4対の螺条付き開孔24が示されるが、所望であれば、更に多数もしくは少数のこれらの螺条付き開孔が使用され得る。
【0024】
環状形成された本体14に加え、頂部部材12は頂部スペーサ要素部分34も含んでいる。該頂部スペーサ要素部分34は、本体14の一側から他側まで延在すると共に、複数の機能に資するものである。先ず、隔離体22と共に頂部スペーサ要素部分34は、“シャワーヘッド分配部材426”の取付けおよび支持を助力する。付加的に、頂部スペーサ要素部分34の内部体積は経路176の画成を助力し、該経路を通り、配管系統、電気ライン、光ファイバ、センサ、および、他のツール構成要素が、頂部スペーサ要素部分34の外部上のベンチュリ状経路から隔離され乍ら、案内され得る。更に、頂部スペーサ要素部分34はまた、取入口178と、ベンチュリ形状経路172の頂部部分との画成も助力し、該経路を通り、気体は優れた封じ込め能力を以て(図1乃至図16および図18A乃至図18Iでは不図示の)プロセス処理チャンバ内へと導入され得る。頂部スペーサ要素部分34はまた、頂部部材12の補強および強化も助力する。
【0025】
更に詳細には頂部スペーサ要素部分34は、頂縁部36、側部38、40、42および44、および、底縁部46を含んでいる。ひとつの側部44は、洗浄部材114に対して洗浄流体または他の流体を供給するための配管系統接続構造に対する余裕空間を作るポケット48を含む。底縁部46は実矧溝52を含む。頂部部材12の実矧溝30と同様に、実矧溝52もまた洗浄部材114に適合すべく寸法設定される。洗浄部材114は、この実矧溝52内に保持されると共に、頂部部材12および基部部材58が相互に固着されたときに所定位置に挟持される。側部44はまた、以下に更に記述される保持用クランプ158(図3、図4および図14乃至図16を参照)の固着を助力するために使用される開孔54(図6を参照)も含む。
【0026】
頂部部材12は、親水性および/または疎水性とされ得る多様な材料から形成され得る。幾つかの実施例においては、TEFLON(登録商標)という商品名のフルオロポリマの如き疎水性材料から頂部部材12を作製することが望ましい。
【0027】
基部部材58は、図1乃至図3、図7および図8に最適に示される。基部部材58は概略的に、本体60、頂部フランジ72、底部フランジ78、および、底部スペーサ要素部分84を含んでいる。本体60は、頂端部66から底端部68まで延在する内壁62および外壁64を含んでいる。内壁62は、本体60が頂端部66と底端部68との中間に厚寸壁部分70を含む様に輪郭形成される。厚寸壁部分70は、ベンチュリ状経路172の喉部領域174の提供を助力する。外壁64は、アセンブリのハードウェアへのアクセスの提供を助力するために、且つ、軽量化のために、柱面化される。
【0028】
頂部フランジ72は、頂端部66から外方に延在すると共に、概略的に環状の形状である。頂部フランジ72は、基部部材58をネジ25を介して頂部部材12に取付けるために頂部部材12における開孔24に整合する貫通開孔74を含む。頂部フランジ72の頂部表面76は概略的に平坦とされて、頂部部材12の底部18の外郭形状に合致する。代替実施例において頂部表面76および底部18は、所望であれば、平坦ではない係合用の外郭形状を有し得る。たとえば、組立ての間における整列を支援すべく、溝、隆起部、起伏、または、他の特定形状が配備され得る。選択的に、頂部表面76と底部18との間には(不図示の)ガスケットが介設され得る。
【0029】
底部フランジ78は底端部68から外方に延在すると共に、同様に概略的に環状の形状である。底部フランジ78は、図17に示された隔壁板260であって、好適には本譲受人の第3同時係属出願において“隔壁板102”に関して記述された特定構造を有するという隔壁板260に対して上記空気取入れアセンブリを固着するための貫通開孔80を含む。底端部68と底部フランジ78との間の接合部に近接する基部部材58の領域は、本体60の内壁62から上記隔壁板の下側表面への円滑な遷移を提供することで、図17に示されたプロセス処理チャンバ206内への且つ該チャンバを通る流体の円滑な流れを促進すべく形状化される。
【0030】
底部スペーサ要素部分84は、本体60の一側面から他側面まで延在すると共に、複数の機能に資するものである。先ず、隔離体22および頂部スペーサ要素部分34と共に、底部スペーサ要素部分84は、頂部スペーサ要素部分34に対する支持を提供することにより間接的に“シャワーヘッド分配部材426”を支持することを助力する。付加的に底部スペーサ要素部分84は経路176の画成を助力し、該経路を通り、配管系統、電気ライン、光ファイバ、センサ、および、他のツール構成要素が案内され得る。更に底部スペーサ要素部分84はまた、吐出口180と、喉部領域174を含むベンチュリ形状経路172の底部部分との画成も助力し、該経路を通り、気体は優れた封じ込め能力を以てプロセス処理チャンバ206内へと導入され得る。底部スペーサ要素部分84はまた、基部部材58の補強および強化も助力する。底部スペーサ要素部分84はまた、以下に更に記述される如く、配管系統構成要素および取付け構成要素に対処する開孔も含む。
【0031】
更に詳細には、底部スペーサ要素部分84は、内側面88と、外側面90と、底面92と、端壁94と、頂面96とを有する側壁86を含む。底部スペーサ要素部分84はまた、床部104も含む。頂面96は底縁部46に当接して確実に密着することで、基部部材58および頂部部材12が相互に対して固着されたときに洗浄部材114を所定位置に挟持することを助力する。外側面90はベンチュリ形状経路172の画成を助力する一方、内側面88は経路176の画成を助力する。
【0032】
一方の端壁94における開孔102は、床部104の近傍にて経路176の底部に対して進入し且つ離脱する構成要素に対し、該経路176に対する出入口を提供する。たとえば、(不図示の)真空管材は、経路176を通り下方へと案内されてから、本譲受人の第3同時係属出願に記述された如き“隔壁板102”の吸引用特定構造へと外方案内され得る。選択的に、洗浄部材114に対して洗浄流体を供給する(不図示の)供給ラインも開孔102を通して送り込まれ得るが、斯かる洗浄用供給ラインは各図中に示されると共に以下に記述される如く設置することが更に好適である。
【0033】
図2、図3および図8に見られる如く、床部104は底面92に対して凹状形成されることでポケット108を画成する。このポケット108は、図17の隔壁板260上へと空気取入れアセンブリ10が所定位置に取付けられたとき、供与構成要素上に嵌合してそれらを収容する。この目的の為に床部104は、図17の噴射バー280に対して(不図示の)供給ラインを結合する配管系統接続構造上に嵌合する開孔105を含む。開孔106は中央供与ノズル・アセンブリ282に対する配管系統接続構造を収容する一方、開孔107は床部104に対する中央供与ノズル・アセンブリ282の取付けに対処する。開孔109は、噴射バー280に対する空気取入れアセンブリの取付けに対処する。この取付けは、基部部材58の底部フランジ78における開孔80を介した取付けと協働して、空気取入れアセンブリ10を所定位置に確実に保持することを助力する。溝98および99は、上記空気取入れアセンブリと、(図17に示された隔壁板260の如き)下方に位置する隔壁構造との間の液密シールの提供を助力する(不図示の)ガスケットの位置決めおよび保持を助力する。
【0034】
DI(脱イオン)水の如き洗浄液を用いるときの洗浄操作の間に基部部材58の均一な湿潤を促進するためには、基部部材を親水性の単一種類もしくは複数種類の材料で作製することが好適である。適切な親水性材料の一例は、概略的に疎水性材料であるポリフェニレンスルフィド(PPS)に対し、紫外線、電子ビーム線などの如き適切な線量のイオン化放射線を照射することにより獲得され得る。PPSは多くの場合、供給されたときに淡黄色を有する。適切な線量の放射線によれば、PPSの物理的特性を不当に低下させずにPPSの色が黄褐色へと変化せしめられる。多くの場合、この色変化は、当該表面が親水性とされたことの視覚的指標である。処理された材料上へと水を注ぎ、その水が液滴状に盛り上がるか薄寸体状に広がるかを調べることにより、簡単な実証的試験が行われ得る。一定の場合、色変化が観察されるが、表面は未だ疎水性のままであることもある。上記材料は、その表面が親水性となるまで、イオン化エネルギにより一回以上再処理され得る。
【0035】
洗浄部材114は、図1、図3、図9乃至図13、および、図18A乃至図18Iに最適に示される。洗浄部材114は概略的に、頂部部材12および基部部材58が相互に締着されたときに実矧溝30および52内に嵌合すべく寸法設定されたリング形状本体116を含む。該リング形状本体116の一側面から他側面にかけて、一対のアーム118が延在する。洗浄部材114の結果的な構造は、組立てられた空気取入れアセンブリ10における各ベンチュリ状経路172および中央経路176に夫々対応する開孔124、126および128を画成する。空気取入れアセンブリ10はシールされた構造を効果的に作成すべく組立てられることが好適なので、適切な界面においては適切なガスケット材料またはシーラントが利用され得る、と言うのも、斯かる材料および技術自体は公知だからである。たとえば、図12および図13に示された如く、洗浄部材114と、基部ユニット58およびスペーサ要素部分84の表面76および96との間には夫々、ガスケット93および95が使用される。
【0036】
洗浄部材114は流体配分特定構造を含み、該流体配分特定構造は、ベンチュリ状経路172を形成する基部部材壁部と、隔壁板260の下側表面とを洗浄すべく、洗浄液もしくは他の流体が該洗浄部材114に導入された後に該洗浄部材114から制御可能に供与されることを許容する。この目的の為に、リング形状本体116は、好適に該本体116の全周の少なくとも一部分の回りに延在する流体配分管路130を画成する内部通路を含む。各アーム118もまた好適に、流体配分管路132を画成する内部通路を含む。各アーム118の端部にてこれらの管路132は管路130と開放流体連通されることで、共通の送給マニフォルドを形成する。ベンチュリ状経路172に対応する各開孔124および126に組み合わせて、ベンチュリ状経路172に関してアーム118の逆側となるリング形状本体116の一部上には、供与ノズルの配列136が配備される。各配列136のノズル、特に、各開口の吐出オリフィスは、基部部材58の本体60の内壁62上へと直接的もしくは間接的に流体を供与すべく配向される。またベンチュリ状経路172に臨む各アーム118上にも、供与ノズルの付加的配列140が好適に配備される。これらのノズルは、底部スペーサ要素部分84の外側面90上へと直接的もしくは間接的に流体を供与すべく配向される。図12および図13に示された如く、洗浄部材114は洗浄流体を内壁62の表面と表面90とに対して直接的に提供するが、洗浄部材114と表面62および90との間には他の構成要素またはその表面が作用的に配置可能である。好適には、以下において相当に詳細に記述される如く、表面62および90に対しては制御された流体流が送給される。
【0037】
各図に示された空気取入れアセンブリ10の実施例は、アーム管路132がリング管路130と開放流体連通される様に構成される。他の実施例においてアーム管路132は、独立的とされ得ることから、管路130から流体的に分離され得る。各アーム管路132もまた、他のアーム管路132から独立的とされ得る。これにより、各配列により従事される表面に対して更に最適に適合される様式にて各管路に導入される液体の流速が適合化される様に、洗浄液は独立的に各管路に対して供給され得る。たとえば、配列140に対して供給されるよりも多い流れの洗浄液が配列136に対して供給されることで、配列140により従事される表面を湿潤させるために必要とされるよりも、上記隔壁構造の下側表面を湿潤させるためには多くの液体が必要であることが理解され得る。
【0038】
図10に最適に見られる如く、配列136および140は夫々、リング形状本体116およびアーム118の一部のみに張り亙っている。他の実施例においては、更に多数もしくは少数のノズルが使用され得る。ひとつの実用的形態においては、中心間が2mm〜6mmだけ可変的に離間されると共に0.79mmのオリフィス寸法を有する10個のノズルを各々が含む配列136を使用すると共に、中心間が2mm〜6mmだけ可変的に離間されると共に0.61mmのオリフィス寸法を有する10個のノズルを各々が含む他の配列140を使用することにより、良好な洗浄作用が達成されることが見出された。
【0039】
ノズル配列136および140は、種々のノズルパターンを有し得る。各ノズルを画成する通路は、相互に対して平行もしくは非平行とされ、鉛直線に対して平行もしくは非平行とされ、可変的に寸法設定され、可変的に離間され、それらが組み合わされるなどとされ得る。各ノズルを画成する通路自体は直線状とされる必要はないが、所望の湿潤結果を達成するために各ノズルは制御かつ指向された流体流を提供することが重要である。配列136および140から供与された液体の円滑で均一な湿潤および薄寸化の促進を助力するためには、可変的に角度調整され且つ可変的に配置されたノズルを含むノズルパターンが更に良好な湿潤特性を提供することが見出された。特に、一種類以上の傾斜角度および/または発散角度を取入れたノズルパターンが好適である。本願の至る所で使用される如く、鉛直とは、組立てられ且つ作用的に支持された空気取入れアセンブリ10であって、その作用位置においてプロセス処理チャンバを備えるという空気取入れアセンブリ10に作用する重力の垂直方向を指している。図3に示された如く、たとえば、表面90は鉛直様式で延在して示される。同様に、傾斜角度とは、鉛直線と比較しての、表面もしくは通路の角度と考えられる。また発散角度とは、示された如く洗浄部材114を対称的な半体同士に二等分して提供されるべく鉛直に配向された平面であって以下においては“二等分鉛直平面”と称される平面と比較しての、表面もしくは通路の角度と考えられる。
【0040】
たとえば図18A乃至図18Iはノズル配列136および140に対するノズルパターンの特に好適な実施例を示しており、それらの場合にノズルパターンは、鉛直線131および二等分鉛直平面135に対する複数の異なる合成角度にて照準決定される。鉛直平面135は、図18Aに示された基準線113を通る。図18Aは、洗浄部材114の底面図である。
【0041】
図18B乃至図18Dは図9の洗浄部材114の3個の概観を含み、これらは合成角度(傾斜角度および発散角度)および可変間隔を示している、と言うのも、斯かる特徴は図示された洗浄部材114の各アーム118のノズル配列140に取入れられるからである。この種のパターンを使用すると、目標表面の、次に該目標表面に対して結合された隔壁構造の下側表面の円滑で均一な湿潤の提供が助力される。
【0042】
図18BにおけるF−F断面はアーム118と交差する断面であり、ノズル配列140が洗浄部材114の中心に向けて指向されることから、鉛直線131から目標表面に向けて照準決定もしくは傾斜される様式を示している。この図に示された例示的な傾斜角度αは鉛直線131に対して4°であり、該傾斜角度αは好適には配列140における全てのノズルに対して同一である。
【0043】
図18Cおよび図18Dの夫々におけるG−G断面およびH−H断面は各アーム118の丈に沿う断面であり、鉛直線および二等分鉛直平面135に対するノズルの発散角度は好適に可変的であり且つ二等分鉛直平面135から発散離間する様式を示している。二等分鉛直平面135は、各アーム118の吐出面に対して直交している。図18Cおよび図18Dの概観は、各配列140の中央に配置された2個のノズル141および142は概略的に0°の傾斜角度を有することを示している。図示実施例において中央に配置されたこれらのノズル141および142の各々の外側寄りに配置された次の対のノズル143および145は、15°の発散角度βを有する。図示実施例において外側寄りである次の3対のノズル146、147、149、156、157および159は各々、30°の発散角度γを有する。図18Cおよび図18DにおけるG−G断面およびH−H断面はまた夫々、図示実施例における各ノズル吐出口(および取入口)の間の間隔も可変的であることを示している。図18E乃至図18Iは図9の洗浄部材114の5つの概観を示し、ノズル配列136に取入れられる傾斜および発散ノズルパターンを図示している。図18EはC−C断面であり、C−C線に関連付けられたノズルの傾斜角度δを示している。各配列136に対し、C−C線に関連付けられたノズルは、配列136の中央に配置された2個のノズルに対応する。上記C−C断面は、図示実施例における各配列136のこれらのノズル対は鉛直線131に関して12°の傾斜角度δを有することを示している。図18Eにおいては示されないが、C−C線に関連付けられたノズルは、該ノズルの径方向位置および上記二等分鉛直平面に関して0°の発散角度を有する。図18Fおよび図18Gは夫々、J−J断面およびK−K断面であり、図示実施例においてJ−J線に関連付けられた各配列136のノズル対の傾斜角度εおよび発散角度ζを示している。J−J線に関連付けられた各配列136のノズル対は、図示実施例において中央に配置されたノズルの各々から外側寄りである2個のノズルである。図18Fおよび図18Gは、断面J−Jに関連付けられた各ノズルは13°の傾斜角度εおよび20°の発散角度ζを有することを示している。図18Hおよび図18Iは夫々、D−D断面およびE−E断面であり、図示実施例においてD−D線に関連付けられた配列136の残りのノズルの傾斜角度ηおよび発散角度θを示している。これらのノズルは、13°の傾斜角度ηおよび35°の発散角度θを有している。
【0044】
図18Aに示された洗浄部材114の底面図は、リング形状本体116の中心117に対する配列136におけるノズルの径方向位置も示している。中心117を通る水平直径を0°の基準線113として使用すると、配列136の各ノズル対は基準線113から径方向に、2.5°(合計で5°離間)、4.7°、7.5°、12.5°、および、17.5°に位置される。
【0045】
洗浄部材114は、主として水を洗浄液として供与することが期待されると共に、疎水性および/または親水性の材料から作成され得る。一実施例において洗浄部材114は、ポリプロピレンから作成される。
【0046】
洗浄部材114内へと流体を導入するために、配管系統接続構造148に対しては保持用クランプ158を用いた拡開嵌合により供給管150および151が結合される。保持用クランプ158は、各々が小寸端部162および大寸端部164を有する配管用開孔160を含む。大寸端部164は配管系統接続構造148上に嵌合する一方、小寸端部162は供給管150および151を収容する。締着用開孔166は好適に雌螺条を含むことで、配管系統接続構造148に対する良好な締着作用を以て、開孔54を介して頂部スペーサ要素部分34の側部44に対して保持用クランプ158が確実に締着されることを許容する。外郭形状168は、このために使用される締着用ハードウェア167に対する余裕空間を提供する。供給管150および151の頂部における結合デバイス154および155は、供給管150および151が不図示の上流配管系統に対して接続されることを許容する。
【0047】
DI水は適切な洗浄液である。DI水は、所望に応じて、冷却され、周囲温度で供給され、または、加熱され得る。周囲温度(約19〜20℃)にてDI水を用いることが適切であることが見出されている。
【0048】
洗浄液を供給するために二重供給管150および151を使用することは、好適な選択肢である。所望の洗浄作用に依存し、一方の管は比較的に速い更に強力な流れの洗浄液を供給すべく使用され得る一方、他方の管は更に遅い弱い流れの洗浄液を供給すべく使用され得る。幾つかの実用的手法の形態においては、更に大きな流れのために、両方の流れが同時に導入され得る。実用的手法のひとつの代表的な形態においては、更に大きな流速のためには各管の一方を通して5リットル/分の流速でDI水を導入することが適切であることが見出される一方、更に小さな流速のためには他方の管を通して2リットル/分の流速でDI水を導入することが適切であることが見出された。
【0049】
各管を通る流れの程度を調節すべく、適切な流れ制御方法が使用され得る。幾つかの実用的手法の形態においては、特定の供給管を通る流れが投入もしくは遮断される様に、バルブが開成もしくは閉成すべく設定され得る。これは、実施することが非常に簡単であるという利点がある。斯かる投入または遮断方法において、図示された如く2本以上の供給管を使用すると、洗浄流速に対する優れた制御が提供される。他の形態において流れは、一本以上の供給管を通る流れの量が所望の範囲内の任意のレベルに調節されるか遮断され得る様に調整され得る。これらの種類の方法を実施する場合、洗浄部材114に対して導入される洗浄流に対して優れた制御を提供するためには、単一本の供給管で十分であろう。
【0050】
図示された如く、洗浄部材114は貫通開孔144も含む。これらは、配管系統接続構造148のために管路130に対して流体連通を提供する取入ポートを穿孔するために部材114の他側面にドリル・ビットが到達するためのアクセスを提供すべく、製造上の都合として提供される。
【0051】
組立てられた空気取入れアセンブリ10は、図1乃至図4、特に図3に最適に示される。これらの図は、頂部部材12、基部部材58および洗浄部材114が組立てられたときにベンチュリ状経路172が如何に形成されるかを示している。経路172の各々は、該経路172が絞られる比較的に狭幅の喉部領域174と、比較的に広幅の拡開端部178および180とを含んでいる。使用に際し拡開端部178は取入口として機能し、それを介し、空気、清浄な乾燥空気、蒸気、窒素、二酸化炭素、アルゴン、イソプロピルアルコール蒸気、これらの組み合わせなどの如き、一種類以上の気体が空気取入れアセンブリ10内へと吸引され得る。拡開端部180は、プロセス処理チャンバ内へと下方に一種類以上の気体が貫通放出される吐出口として機能する。ベンチュリ形状通路172は、液体、固体もしくは気体とされ得る処理材料が、処理気体の導入のための開口を必要とするチャンバ内に好適に封じ込められるという状況で、収容システムとして機能する。実際的な実用的手法において、経路172の喉部領域174は封じ込め境界である傾向があり、その下方にて、気体が経路172を通り、下方に位置するプロセス処理チャンバ内へと流れるときに、該プロセス処理チャンバ内に流体材料が封じ込められる。
【0052】
たとえば、典型的なプロセスの間において、投入空気または他の気体はベンチュリ形状経路172を通りプロセス処理チャンバに進入せしめられる得る。到来する空気もしくは気体は、それが経路172の喉部領域174を通過するときに加速される。喉部領域174を通り上記チャンバ内へと移動する比較的に高速の空気もしくは気体は、霧または他の処理液体が空気取入れアセンブリ10から上方に戻り流出することを略阻止する。対照的に、喉部の絞りもしくは十分な高さを欠く空気取入れ通路においては、プロセス処理チャンバの霧が流出する可能性があり、汚染、または、プロセス処理材料の喪失に依る処理性能の低減などの懸念が引き起こされる。
【0053】
ひとつの例示的な操作条件においては、50cfmの取入空気を用いて霧および蒸気の略完全な封じ込めが達成される。これは、3インチの排気真空度を用いて達成される。この試験において半製品は、そのチャック上で250rpmで旋回され乍ら、65℃にて1リットル/分の脱イオン水により噴射された。この代表例において、ベンチュリ喉部の各々の幅は1.067インチである一方、対応する各取入口および吐出口は1.44インチの幅を有する。上記ベンチュリ形状通路の各々の長さは3インチである。
【0054】
図3は、アセンブリ10において頂部部材12と基部部材58との間にて洗浄部材114が実矧溝30および52に対して如何に締着され得るかを最適に示している。図3はまた、洗浄部材114が頂部部材12と基部部材58との間の境界に如何に配置されるかも示している。これによれば、ベンチュリ状経路172を形成する基部部材58の親水性表面の略全体が非常に効果的な洗浄作用に晒される様に、洗浄液はこの境界に近接して供与され得る。付加的に、半製品の汚染に繋がり得る跳ね返りまたは滴下を最小限とし乍ら洗浄流体がこれらの表面上へと流れるように供与され得る様に、各ノズルは好適に、湿潤されつつある表面に非常に接近している。好適実施例において各ノズルは好適には、湿潤されつつある表面に向けて概略的に傾斜され、上述の如き発散形態を有し、且つ、望ましくは目標表面に対し、多くの場合には0.1mm〜20mm、更に望ましくは0.1mm〜5mm、更には目標表面から1mmとさえもされる様に非常に接近して配置される。この形態は、湿潤されつつある表面上への流体の円滑な送給を促進する。供与条件は、流体流が目標表面に接触するときに跳ね返りおよび噴霧化が実用的に略回避される様に選択される。更に望ましい供与条件において、供与された流れは、該流れが目標表面への到達時に流れるように拡開される様に目標表面上に注がれる。洗浄流体は目標表面への流体流を制御すべく圧力下で供給され得るか、または、重力が単に供与(すなわち注ぎ込み)を促進し得、その供給量はプロセス処理チャンバの幾何学形状および条件に基づいて異なる様に決定され得る。流体の拡開によれば、流れが表面を可及的に広く湿潤することが助力され、たとえば、表面全体の湿潤が最も望ましい。ノズルパターンは、この拡開が生じるときに、もしあるとしても、隣接する流れ同士の重なり合いを最小限とするように選択される。発散流を介した全面の湿潤は望ましくは、各流れがベンチュリ形状経路172の喉部領域174に到達する時点までに達成される。この段階にて全面の被覆を達成すると、ベンチュリ表面に対して流体接続された上記隔壁構造の下側表面上への且つ該下側表面を踏破する液体の更に円滑な薄寸体状の流れの促進が助力される。喉部領域174を通り加速される気体流は、上記隔壁構造の下側表面上の液体流の拡開および薄寸化を更に促進する。
【0055】
上記ベンチュリ状経路の壁部の親水性表面上に水を供与するとき、跳ね返りまたは液滴形成が殆ど無しで、該親水性表面の優れた薄寸体状展開作用および被覆が観察される。洗浄液がベンチュリ状経路から、近傍における上記隔壁板の親水性の下側表面上へと移動するとき、流れつつある洗浄液の薄寸体は、上記隔壁板の親水性の下側表面の全体に亙り円滑かつ均一に薄寸体状となり且つ該下側表面を覆う。洗浄液が上記隔壁板の外周縁に向けて外方に流れるとき、洗浄液の少なくとも幾分かを収集すべく、本譲受人の第3同時係属出願に記述された吸引技術が使用され得る。吸引は、洗浄の間に、且つ/又は、洗浄の終了時に行われ得る。
【0056】
付加的な利点として、図3は、喉部領域174の上方にてベンチュリ状経路172を画成する表面上へと洗浄液が如何に導入されるかを示している。この様に経路172において高位に位置された各ノズルから液体を導入することにより、且つ、経路172の壁部に接近して位置されることにより、上記ノズル構造は、経路172を通り移動する流体流に対して僅少な影響を有する。上記ノズル構造が偶然に水分を捕捉したとしても、流滴は、半製品の汚染が大きなリスクであり得るという上記チャンバ内へと下方に落下するのではなく、上記表面を流下する傾向がある。
【0057】
喉部領域174の上方に位置されることにより、上記ノズル構造は上記ベンチュリ状経路により提供される封じ込め境界の外側である。これにより、汚染に対するノズル構造の保護が助力される。同様に、これによれば、残留する化学物質を担持している可能性のある全ての表面に対し、洗浄液が到達し得る。付加的な利点として、優れた表面湿潤を達成する発散的な流体流の展開および実施が更に容易である。各ノズルが喉部領域174の下方に位置されるとするなら、発散的なノズルパターンに取入れられる角度は更に重要であると共に、効果的であるためには厳密な許容差に委ねられる。
【0058】
結局、洗浄部材114と、該洗浄部材に一体化されたノズル配列136および140とに関連するこれらの多くの特徴および利点は、先行技術の洗浄手法と比べて劇的に粒子汚染が低減された洗浄方法を提供する。例示的な実用的手法の形態において、たとえば、洗浄部材114の下方における上記ベンチュリ状経路の親水性部分および上記隔壁板の親水性の下側表面は、半製品を導入する前に洗浄液により事前湿潤される。洗浄液はこれらの表面上へと流れるように配分されることから、粒子汚染に繋がり得る跳ね返りおよび液滴は略回避される。事前湿潤はまた、これらの親水性表面の完全な洗浄および均一な湿潤を確実とすることも助力する。半製品の導入に先立ち、上記親水性表面は所望であれば乾燥され得るが、各表面を湿潤したままとすることが多くの場合に好都合であり且つサイクル時間が短縮化される。湿潤された上記表面は親水性であることから、これらの表面上で離散的な液滴が形成される傾向はなく、且つ、半製品は、もしあるとしても僅少な汚染にて、装填され、処理され、且つ、取り外され得る。故に、ベンチュリ状経路172および隔壁板の洗浄は、化学的処理段階に先立ち行われ得る。洗浄はまた、化学処理段階同士の間、且つ/又は、これらの段階中にも行われ得る。洗浄部材114の各ノズルは、洗浄液供与の終了時に流滴を回避すべく、残留液体を戻して吸い込むべく吸引され得る。
【0059】
親水性表面の初期湿潤は概略的に、一旦確立された流れを維持するよりも多くの洗浄液を必要とする。故に、洗浄液の送給は、この効果を認識すべく調節され得る。たとえば、湿潤が確立された後、洗浄水は更に少ない流量で導入され得る。流量は、バルブを開閉するなどによりパルス駆動様式で減少され得る。パルス駆動周波数および持続時間は、全体的に更に少ない洗浄液の消費量を提供し乍ら、所望の流速変化特性を維持すべく選択される。付加的に、洗浄液をパルス駆動的に投入および遮断すると、流れのパルス駆動の各々に伴う急激な変化により上記親水性表面は更に良好に湿潤かつ洗浄され得る。
【0060】
図17は、図1乃至図16および図18A乃至図18Iの空気取入れアセンブリ10を取入れた例示的なツール200を概略的に示している。例示目的でツール200は、任意の時点にて該ツール200内に単一の半製品208が収容されると共に、該半製品208は、単一種類もしくは複数種類の液体、単一種類もしくは複数種類の気体、および/または、他のプロセス処理媒体が該半製品208に接触せしめられるという一度以上の処理に委ねられるという形式である。超小型電子分野において、たとえばツール200は単一ウェハ処理ツールと称され得る。半製品208は典型的に、半導体ウェハ、または、他の処理中の超小型電子基板から成る。
【0061】
ツール200は概略的に主要アセンブリとして、基部区画202および隔壁/供与区画204を含む。実使用において基部区画202および隔壁/供与区画204は、(不図示の)フレーム構造に対して取付けられると共に、ツール200の(不図示の)ハウジング内に囲繞される。この取付けは、ネジ、ボルト、リベット、接着剤、溶接、クランプ、ブラケット、これらの組み合わせなどの如き任意の様式で行われ得る。但し好適には、区画202および204および/またはそれらの構成要素は、独立的に且つ着脱自在に取付けられることで、運転、保守、アップグレードおよび/または交換などが促進される。
【0062】
基部区画202および隔壁/供与区画204は、プロセス処理の間に半製品208が位置されるプロセス処理チャンバ206の画成を助力する。基部区画202および/または隔壁/供与区画204は、半製品208がプロセス処理チャンバ206内に装填され且つ該チャンバから取り出されることを許容するひとつ以上の特定構造もしくは機能を含んでいる。斯かる特定構造および機能としては、たとえば、開閉されることで所望の出入口を提供し得る扉が挙げられる。代替的に、且つ、好適な実用的手法の形態において企図される如く、基部区画202および隔壁/供与区画204は相互に対して移動可能とされることで、この出入口を提供する。好適にはこの相対移動は、基部区画202を周囲の(不図示の)フレーム構造に固定維持し乍ら、隔壁/供与区画204を上昇および下降することで行われる。
【0063】
基部区画202は概略的に、ハウジング207、チャック210、モータ212および後側供与ヘッド214を含んでいる。プロセス処理チャンバ206の内側にて、チャック210により半製品208が支持かつ保持される。チャック210は、望ましくは形状が円筒状であり、且つ、上面216と、下面218と、環状基部220と、中央貫通ボア222と、外周縁における側壁224とを含む。チャック210は静止的とされ得るか、または、それは中央軸心の回りで回転可能とされ得る。例示目的で各図は、プロセス処理の間において半製品208が軸心の回りで旋回され得る様にチャック210がモータ212により回転可能に駆動されるというツール200の実施例を示している。半製品208が回転チャック210により旋回されるという実施例において、旋回によれば、供与された処理材料が該半製品208の全体に亙り均一に拡開されることが助力される。モータ212は、中空シャフト形式とされ得ると共に、任意の好適な手法でツール200に対して取付けられ得る。
【0064】
チャック210は、現在におけるまたは今後開発される習用の手法に従い、種々の異なる様式の内の任意の様式で半製品208を固定し得る。好適にはチャック210は、(以下において論じられる)選択的な供与ヘッド214の上面215の上方に、半製品208と該上面215との間に間隙が在る如く、半製品208を確実に保持する(不図示の)縁部把持構造を含む。この種の配置によれば、洗浄水を含めての処理化学物質は、半製品208の上面もしくは下面のいずれかに対して供与され得る。
【0065】
選択的にツール200は、半製品208の下面209を処理する単一もしくは複数の供与構造を含み得る。例示的な後側の供与機構は概略的に円形の供与ヘッド214として示され、其処において、半製品208の下面に向けて一種類以上の処理化学物質が供与され得る。処理化学物質は、チャック210の中央ボア222およびモータ212の中央ボア232を通るシャフト228を介し、後側供与ヘッド214に対して供給される。チャック210が回転する実施例においては、チャック210が回転するときに各部材が接触しない様に、シャフト228と中央ボア222および232との間には間隙が在る。後側供与ヘッド214は、供給されたままで供与されるか、又は、要求に応じて配合されるべき処理材料の(不図示の)ひとつ以上の供給源に対して連結され得る。
【0066】
特に好適な実施例において基部区画202は、本譲受人の第1同時係属出願および第2同時係属出願に記述かつ図示された“プロセス処理区域11”の形態である。換言すると、本明細書の隔壁/供与区画204は好適に、本譲受人の第1同時係属出願および第2同時係属出願の“可動部材526”に対して連結されることにより、“配給アセンブリ554”に対して代用され得る。
【0067】
隔壁/供与区画204の好適実施例は概略的に、隔壁板260の中央に取付けられた空気取入れアセンブリ10を含む。この位置においてベンチュリ形状経路172は、プロセス処理チャンバ206内への出入口を提供する。隔壁板260の好適実施例は、本譲受人の第3同時係属出願における“隔壁板102”として記述される。
【0068】
隔壁板260は、下側表面262および上側表面264、および、内周縁266および外周縁268を有する概略的な環状形状である。内周縁266は概略的に丸み付けられると共に、空気取入れアセンブリ10内へと円滑に移行することで、ベンチュリ形状経路172を通る円滑な気体流の促進を助力する。好適には隔壁板260の下側表面262は、存在し得る液体を収集して除去するひとつ以上の特定構造を含む。ひとつの方式として、本譲受人の第3同時係属出願に記述された如き吸引用の特定構造および技術が液体除去に対して使用可能であり、この方式は図17に示されている。外周縁268に近接して下側表面262からは、環状縁部270が下方に突出する。環状縁部270は、下側表面262上の液体が吸引除去され得る様に、これらの液体の収集を助力する。収集された液体の吸引は、下側表面262の乾燥を助力すると共に、下方に位置する半製品208上への上記下側表面からの不都合な滴下の阻止を助力する。液体はチャネル272に対して真空引きすることで吸引可能であり、その場合、縁部270に収集された液体は吸引ノズル274を通してチャネル272内へと引込まれる。チャネル272は、隔壁板260における溝として形成されると共に、カバー273によりシールされる。本譲受人の第1同時係属出願および第2同時係属出願に係る“可動支持部材526”のz軸移動により、下方に位置する半製品208に対する隔壁板260の位置は制御され得る。
【0069】
好適には、隔壁板260の少なくとも下側表面262は下方に位置する半製品208の平面に対して外径方向において下方に角度付けられることで、半製品208と隔壁板260の下側表面262との間に先細の流れチャネル276を確立する。チャネル276の先細の形態は、再循環領域を最小化しながら、半製品208の中心から外方への径方向流れの促進を助力する。先細の流れチャネル276はまた、半製品208の外側縁部に接近して流れる流体を円滑に収束させ且つその速度を高めることも助力する。これにより、液体の跳ね返り効果の低減が助力される。下側表面262の角度もまた該下側表面262上の液体を環状縁部270に向けて排出することを助力し、その場合、収集された液体は半製品208上へと下方に滴下されるのではなく離間吸引され得るか、又は、プロセス処理チャンバ206に対して半製品208を送給しもしくは其処から除去すべく(不図示の)装置が使用され得る。上記先細の構成はまた、半製品208上へと戻らんとする粒子の再循環の低減も助力する。該構成はまた、流体の更に良好な封じ込めにより化学的な回収効率を促進することも助力する。
【0070】
付加的にこの特定実施例に関し、概略的に環状である隔壁板260はひとつの見地において、半製品処理に対する保護環境の提供を助力すべく、且つ、供与された材料のプロセス処理チャンバ206内への封じ込めを助力すべく、プロセス処理チャンバ206上の蓋体として機能する。但し概略的に環状である隔壁板260は好適には、プロセス処理チャンバ206をシールするのではなく、他の隔壁に対して単に非常に接近することでプロセス処理チャンバ206の画成を助力する。
【0071】
角度付けされた下側表面262は、種々の幾何学形状を有し得る。たとえばその幾何学形状は、直線状(円錐状)、放物線状、多項式曲線状などの内のひとつ以上とされ得る。例示目的で下側表面262は、外径方向において半製品208に向けて概略的に直線状に収束する。
【0072】
隔壁/供与区画204は望ましくは、プロセス処理チャンバ206内へと処理材料を供与するひとつ以上の独立的な機構を含む。たとえば図示実施例は、少なくともひとつ、好適には少なくともふたつ、および、更に好適には少なくとも3つの異なる種類の供与機能を含む。ひとつの機能として、噴射の下方における半製品208の回転により全面被覆が行われる様に、概略的に半製品208の半径の全体に亙り一種類以上の処理流体を半製品208に向けて下方に噴射する供与構造が含まれる。好適実施例においてこの機能は、隔壁板260と空気取入れアセンブリ10とに対して取付けられた噴射バー280の如き供与構造により提供される。噴射バー280の好適実施例、および、斯かる噴射バーを隔壁/供与区画に取入れる方法は、本譲受人の第3同時係属出願において“スプレー棒178”として記述されている。
【0073】
別の供与機能として、下方に位置する半製品208の中心上へと概略的に下方に処理化学物質を供与する供与構造が含まれる。半製品208が旋回するにつれ、中央に供与された材料は半製品表面の全体に亙り分布される。好適実施例においてこの機能は、空気取入れアセンブリ10に対して取付けられた中央供与ノズル・アセンブリ282により提供される。斯かるノズルの好適実施例は、本譲受人の第3同時係属出願における“中央の分配ノズルアセンブリ518”として記述される。
【0074】
付加的に、隔離体22と上記頂部スペーサ要素部分とに対して取付けられ且つ支持されたシャワーヘッド供与部材284は、典型的には気体、蒸気、および/または、取り込まれた材料であるプロセス処理材料をプロセス処理チャンバ206内へと導入するための更に別の様式を提供する。供与シャワーヘッドの特に好適な実施例は、本譲受人の第3同時係属出願において“シャワーヘッド分配部材426”として記述されている。
【0075】
隔壁/供与構造204の供与構成部品は、(不図示の)供給ラインを介して提供される処理材料のひとつ以上の(不図示の)供給源に対して連結され得る。これらの材料は、供給されたままで供与されるか、又は、要求に応じて配合され得る。多様な処理材料が使用され得る、と言うのも、実施され得る処理の形式においてツール200は非常に融通性が高いからである。代表的な処理材料の僅かな例としては、窒素、二酸化炭素、清浄な乾燥空気、蒸気、アルゴン、HF気体、水性HF、水性イソプロピルアルコールもしくは他のアルコールおよび/または単一種類もしくは複数種類の乳化性界面活性剤、脱イオン水、水酸化アンモニウムの水溶液もしくは他の溶液、硫酸および/またはその脱水種および前駆体(たとえば、三酸化硫黄(SO3)、チオ硫酸(H223)、ペルオキソ硫酸(H2SO5)、ペルオキソ二硫酸(H228)、フルオロ硫酸(HSO3F)、および、クロロ硫酸(HSO3Cl))の水溶液もしくは他の溶液、硝酸の水溶液もしくは他の溶液、リン酸の水溶液もしくは他の溶液、塩化水素の水溶液もしくは他の溶液、過酸化水素および/またはオゾン気体、水中オゾンの如き酸化剤、界面活性剤、有機的な酸および溶媒、キレート化剤、脱酸素剤、これらの組み合わせなどの如き、気体および液体が挙げられる。
【0076】
ツール200において適切に実施されるプロセスおよび化学作用の代表例としては、特許文献4に記述されたものが挙げられ、その開示内容は言及したことにより本明細書中に完全に援用される。ツール200において適切に実施されるプロセスおよび化学作用の他の代表例としては、“スプレー・プロセッサを用いる金属膜の無電解めっき”と称された特許文献5;2006年7月7日に出願された仮出願第60/819,179号の優先権を主張し乍ら2007年7月6日に出願されて代理人処理番号FSI0200/USが付されると共に、発明者のひとりとしてジェフ・バターボーを挙げ且つ“液体エーロゾル式パーティクル除去方法”と称された本譲受人の同時係属中の米国出願である特許文献6;2007年5月18日にジェフ・バターボー等の名義で出願されて代理人処理番号FSI0213/P1が付されると共に、“水蒸気もしくは蒸気により基板を処理するプロセス”と称された本譲受人の同時係属中の特許文献7;および、2006年6月15日に公開されて“無電解メッキのための試薬活性剤”と称された特許文献8;に記述されたものが挙げられる。この特許、および、これらの出願および公報の開示の各々は、言及したことにより全ての目的に対して夫々の全体が完全に本明細書中に援用される。
【0077】
図17は、空気取入れアセンブリ10により提供される洗浄作用を概略的に示している。洗浄液はノズル配列136および140から流れるように供与される。プロセス処理チャンバ206内へと不都合に跳ね返りまたは滴下するのではなく、供与された液体流は流れるように拡開すると共に、最も望ましくは供与された流れの重なり合いを最小限とし乍ら液体の流動薄寸体へと融合して行く。上記液体は下方に向けて薄寸体状となり、ベンチュリ状経路172の壁部と隔壁板260の下側表面262とを均一に湿潤する。洗浄液が水である場合、且つ、湿潤された表面の親水特性の故に、液体はプロセス処理チャンバ206内へ下方に不都合に跳ね返りまたは滴下することなく、各表面を均一に湿潤する。上記流れは望ましくは層流である。各ノズルからの洗浄液の流れは矢印288および290により概略的に示される。矢印288は、隔壁板260の外周縁に到達した液体が如何に吸引離間されるかを示している。矢印290は、噴射バー280の下側部に到達した液体が如何にして同様に吸引離間されるかを示している。
【0078】
本発明の実施例は、汚染に繋がり得る離散的なチャネル形成、滴下または他の問題を少なくし乍ら、隔壁構造下側表面の非常に広範囲な湿潤および円滑な薄寸体状展開作用を促進するという事前湿潤方式を取入れ得る。この方式に依れば、隔壁板260の下側表面およびベンチュリ状経路172の表面は事前湿潤されることで、洗浄部材114からの洗浄液の流れるような供与を開始する前に各表面が可及的に広く湿潤されることが確実とされる。このことは半製品208の存在ありでもしくは無しで行われ得るが、多くの場合、半製品208なしで行われる。この事前湿潤は、各表面を湿潤するに十分な霧を生成する様式で噴射バー280から洗浄液を供与することにより行われ得る。このことはまた、洗浄部材114からの洗浄液の強力な供与によっても行われ得る。各表面が一旦事前湿潤されたなら、洗浄液は洗浄部材114から流れるように供与されることで、喉部領域174を通過してから隔壁構造表面の全体に亙るという均一で広範囲な薄寸体状の流れを確立し得る。事前湿潤が使用されない場合、表面の全体に亙り流れる洗浄液が離散的なチャネルを生ずる虞れが大きくなる。
【0079】
本明細書において引用された上記特許、特許文献および公報は、それらが個別的に取入れられたかの様に、言及したことによりそれらの全体が援用される。
【0080】
当業者であれば、本発明の有効範囲および精神から逸脱せずに本発明の種々の改変および変更は明らかとなろう。本発明は本明細書中に示された例示的な実施例および例により不都合に制限されないこと、および、斯かる例および実施例は例示的にのみ示されており、本発明の有効範囲は以下に示される各請求項によってのみ限定されることが意図されることを理解すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)処理の間において少なくともひとつの超小型電子半製品を内部に配置可能なプロセス処理チャンバと、
処理のために配備されたときの半製品の上方に位置し且つ該半製品を少なくとも部分的に覆う下側表面を含む隔壁構造と、
を備える装置を配備する段階と、
b)液体を供与する段階であって、当該液体が薄寸体を形成してから前記隔壁構造の前記下側表面を湿潤するという条件下で前記隔壁構造上へと液体を流れるように供与する段階とを備えて成る、
装置を洗浄する方法。
【請求項2】
前記隔壁構造と流体連通する付加的表面が供与された前記液体を受容すると共に、前記付加的表面が前記プロセス処理チャンバ内への出入口を提供するベンチュリ形状経路の表面を有する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ベンチュリ形状経路が喉部領域を有し、且つ、前記液体が前記喉部領域の上流から前記付加的表面上へと供与される請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記液体が少なくともひとつのノズル配列から供与される請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記各ノズルが前記付加的表面に向けて内方に照準決定される請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記各ノズルが、前記液体が略跳ね返りなしで供与されるように前記付加的表面に対して十分に接近して配置される請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記各ノズルが、前記液体が層流条件下で供与されるように前記付加的表面に対して十分に接近して配置される請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記液体が供与される前記付加的表面が親水性である、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
前記付加的表面が、前記隔壁構造の前記下側表面に対して親水性経路によって流体接続される請求項2に記載の方法。
【請求項10】
前記液体を流れるように供与する前記段階が、前記液体の体積をパルス駆動する段階を備えて成る請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記液体を流れるように供与する前記段階が、少なくとも2つの非平行ノズルを備えるノズル配列を通して前記体を供与する段階を備えて成る請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも2つの非平行ノズルが相互に関して非平面的である請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも2つの非平行ノズルが相互に関して平面的である請求項11に記載の方法。
【請求項14】
a)処理の間において少なくともひとつの超小型電子半製品を内部に配置可能なプロセス処理チャンバと、
処理のために配備されたときの半製品の上方に位置し且つ該半製品を少なくとも部分的に覆う下側表面を含む隔壁構造と、
前記下側表面に対して流体接続された付加的表面と、
を備える装置を配備する段階と、
b)液体を供与する段階であって、当該液体の薄寸体が形成され且つ該薄寸体が前記隔壁構造の前記下側表面上へと流れて該下側表面を湿潤するという条件下で前記付加的表面上へと液体を流れるように供与する段階とを備えて成る、
装置を洗浄する方法。
【請求項15】
a)処理の間において少なくともひとつの超小型電子半製品を内部に配置可能なプロセス処理チャンバと、
b)処理のために配備されたときの半製品の上方に位置し且つ該半製品を少なくとも部分的に覆う下側表面を含む隔壁構造と、
c)前記下側表面に対して流体接続された付加的表面と、
d)前記付加的表面に対して照準決定されると共に該付加的表面に対して十分に接近して配置されることで、該付加的表面上へと液体を流れるように供与する複数のノズルと、
を備えて成る、少なくともひとつの超小型電子半製品をプロセス処理する装置。
【請求項16】
a)処理の間において少なくともひとつの超小型電子半製品を内部に配置可能なプロセス処理チャンバと、
b)処理のために配備されたときの半製品の上方に位置し且つ該半製品を少なくとも部分的に覆う下側構造を含む隔壁構造と、
c)前記プロセス処理チャンバ内への出入口を提供するベンチュリ形状経路であって、前記隔壁構造の前記下側表面に対して流体接続された経路表面を含むというベンチュリ形状経路と、
d)前記経路内に配置されると共に、前記経路表面上へと液体を流れるように供与すべく照準決定された少なくともひとつのノズルと、
を備えて成る、少なくともひとつの超小型電子半製品をプロセス処理する装置。
【請求項17】
a)処理の間において少なくともひとつの超小型電子半製品を内部に配置可能なプロセス処理チャンバと、
処理のために配備されたときの半製品の上方に位置し且つ該半製品を少なくとも部分的に覆う下側表面を含む隔壁構造と、
前記隔壁構造の前記下側表面に対して流体接続された付加的表面と、
を備える装置を配備する段階と、
b)前記隔壁構造の前記下側表面、および、選択的に前記付加的表面を事前湿潤する段階と、
c)事前湿潤の後、前記付加的表面上に当該液体が薄寸体を形成してから前記隔壁構造の前記下側表面上へと薄寸体状に展開して該下側表面を湿潤するという条件下で前記付加的表面上へと液体を流れるように供与する段階とを備えて成る、
装置を洗浄する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18A】
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【図18B】
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【図18C】
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【図18D】
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【図18E】
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【図18F】
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【図18G】
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【図18H】
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【図18I】
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【公表番号】特表2010−535618(P2010−535618A)
【公表日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−519911(P2010−519911)
【出願日】平成20年7月25日(2008.7.25)
【国際出願番号】PCT/US2008/009015
【国際公開番号】WO2009/020524
【国際公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【出願人】(508151552)エフエスアイ インターナショナル インコーポレーテッド (13)
【Fターム(参考)】