三次元抜き型ユニット
【課題】
微細振動を与えつつ立体打ち抜き対象の打ち抜き加工を行い、受け部材(刃を受けるための型)の刃先当接部分の消耗を低減する。
【解決手段】
刃先Tが基材12の表面から三次元状に突出してなる帯状刃11を備え、上定盤61と下定盤62の何れかに配置して使用される立体打抜き対象の抜き加工用の三次元抜き型1と、三次元抜き型1が配置された定盤に対向する定盤に配置される、帯状刃11の三次元形状に対応した表面形状を持つ受け部材18とを備えた三次元抜き型ユニットであって、三次元抜き型1には、帯状刃11に微細振動を与える超音波振動体13が帯状刃11に沿って複数備えられている。
微細振動を与えつつ立体打ち抜き対象の打ち抜き加工を行い、受け部材(刃を受けるための型)の刃先当接部分の消耗を低減する。
【解決手段】
刃先Tが基材12の表面から三次元状に突出してなる帯状刃11を備え、上定盤61と下定盤62の何れかに配置して使用される立体打抜き対象の抜き加工用の三次元抜き型1と、三次元抜き型1が配置された定盤に対向する定盤に配置される、帯状刃11の三次元形状に対応した表面形状を持つ受け部材18とを備えた三次元抜き型ユニットであって、三次元抜き型1には、帯状刃11に微細振動を与える超音波振動体13が帯状刃11に沿って複数備えられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微細振動を与えつつ立体打ち抜き対象の打ち抜き加工を行う三次元抜き型ユニットに関し、受け部材(刃を受けるための型)の刃先当接部分の消耗を低減できる三次元抜き型ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フィルム等の薄状体の打ち抜きに際しては、長尺の刃先の損傷を防ぐために、図10に示すような面状刃先保護材の移動システムが使用される。
【0003】
図10のシステムでは、上定盤91に抜き型8が取り付けられ、下定盤92上をループベルト状の面状刃先保護材(受けシート)94が移動する。打ち抜き対象(薄状体)93は、抜き型8により打ち抜かれる。このとき、抜き型8の刃先81は、受けシート94に保護される(下定盤92には直接当たらない)ので、刃先81が損傷することはない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特願2008−197058
【特許文献2】特願2008−210123
【特許文献3】特開平8−132396号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、本発明者らは立体の打ち抜き対象を打ち抜くための三次元抜き型ユニットを既に出願している(特許文献1,特許文献2)。この抜き型でも、長尺の刃が用いられる。図11(A),(B)に示すように、抜き型ユニット7は、上定盤91に設けた抜き型71と、下定盤92に設けた受け部材72とを備えており、抜き型71に形成した三次元輪郭の刃先711により立体形状の打ち抜き対象93を打ち抜いている。
【0006】
この打ち抜き装置には、図10に示したようなループベルト状の受けシートによる移動システムを組み込むことができないので、受け部材72に設けた面状刃先保護材721を頻繁に交換する必要がある。
【0007】
また、図11に示した打ち抜き装置では、刃先711が長尺であるため、その三次元輪郭と、受け部材72の刃先711に対応する領域の曲面の輪郭とを高精度で一致させることが容易ではない。このため、面状刃先保護材721の厚みを大きくとならければならないという問題もある。
【0008】
なお、特許文献3には、刃先等に振動を与えつつ打ち抜きを行う技術が開示されている。この技術は、刃が三次元形状ではない筒状をなすもので、刃が長尺の抜き型において生じる上記の問題の解決には役立たない。
【0009】
本発明の目的は、微細振動を与えつつ立体打ち抜き対象の打ち抜き加工を行う際に、受け部材(刃を受けるための合成樹脂等の部材)の消耗を低減できる三次元抜き型ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の三次元抜き型ユニットは、(1)から(9)を要旨とする。
(1)
刃先が基材の表面から三次元状に突出してなる帯状刃を備え、上定盤と下定盤の何れかに配置して使用される立体打抜き対象の抜き加工用の三次元抜き型と、
前記三次元抜き型が配置された定盤に対向する定盤に配置される、前記帯状刃の三次元形状に対応した表面形状を持つ受け部材と、
を備えた三次元抜き型ユニットであって、
前記三次元抜き型には、前記帯状刃に微細振動を与える超音波振動体が前記帯状刃に沿って複数備えられている、
ことを特徴とする三次元抜き型ユニット。
【0011】
(2)
前記超音波振動体は、前記帯状刃の一方の側面または双方の側面に長さ方向に間隔をおいて複数取り付けられていることを特徴とする(1)に記載の三次元抜き型ユニット。
【0012】
(3)
前記帯状刃は、刃先と反対側に、幅狭の屈曲用切り欠きを複数有するとともに、幅広の挿嵌用切り欠きを複数有し、
前記基材は、前記切り欠きに対応する部分を残して、表面側から裏面側に貫通するスリットを有する上部基材と、前記帯状刃に対応する部位に、当該帯状刃の下端に接して前記帯状刃を支持する金属支持材が設けられた下部基材とを備えた、
ことを特徴とする(1)または(2)に記載の三次元抜き型ユニット。
【0013】
(4)
前記上部基材の下面側、前記下部基材の上面側、または前記上部基材の下面側および前記下部基材の上面側にキャビティを有し、前記キャビティに固化した流動性原材が注入されていることを特徴とする(3)に記載の三次元抜き型ユニット。
【0014】
(5)
前記受け部材の前記帯状刃の刃先の三次元輪郭に対応する領域には、打ち抜きに際して前記刃先に当接する面状刃先保護材が設けられていることを特徴とする(1)から(4)の何れかに記載の三次元抜き型ユニット。
【0015】
(6)
刃先が金属基材の表面から三次元状に突出してなる削り出し刃を備え、上定盤と下定盤の何れかに配置して使用される立体打抜き対象の抜き加工用の三次元抜き型と、
前記三次元抜き型が配置された定盤に対向する定盤に配置される、前記削り出し刃の三次元形状に対応した表面形状を持つ受け部材と、
を備えた三次元抜き型ユニットであって、
前記削り出し刃に微細振動を与える超音波振動体を前記金属基材に複数備えたことを特徴とする三次元抜き型ユニット。
【0016】
(7)
前記超音波振動体は、前記金属基材の表面または裏面、あるいは前記金属基材に取り付けられていることを特徴とする(6)に記載の三次元抜き型ユニット。
【0017】
(8)
前記金属基材は、表面に前記削り出し刃が形成された三次元状のプレートからなる前記上部金属基材と、前記上部金属基材を載置する下部金属基材とを備えた、
ことを特徴とする(6)または(7)に記載の三次元抜き型ユニット。
【0018】
(9)
前記受け部材の前記切り出し刃の刃先の三次元輪郭に対応する領域には、打ち抜きに際して前記刃先に当接する面状刃先保護材が設けられていることを特徴とする(6)から(8)の何れかに記載の三次元抜き型ユニット。
【発明の効果】
【0019】
本発明では、受け部材に設ける面状刃先保護材の消耗を回避でき、面状刃先保護材の頻繁な交換の必要がない。また、刃先と受け部材の加工精度が低いために本来厚くしなければならない受け部材に設ける面状刃先保護材を、薄くすることできるし、面状刃先保護材を設けないことも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の三次元抜き型ユニットの第1実施形態を示す説明図である。
【図2】図1において使用される三次元抜き型の詳細を示す分解斜視図である。
【図3】図2の三次元抜き型の設計変更例を示す分解斜視図である。
【図4】図2の三次元抜き型の他の設計変更例を示す分解斜視図である。
【図5】本発明の三次元抜き型ユニットの第2実施形態を示す説明図であり、(A)は三次元抜き型の分解斜視図、(B)は(A)における矢印F−F方向の三次元抜き型の断面図である。
【図6】本発明の三次元抜き型ユニットの第3実施形態を示す分解斜視図である。
【図7】本発明の第3実施形態の設計変更例を示す三次元抜き型ユニットの分解斜視図である。
【図8】本発明の第3実施形態の他の設計変更例を示す三次元抜き型ユニットの分解斜視図である。
【図9】本発明の第3実施形態のさらに他の設計変更例を示す三次元抜き型ユニットの分解斜視図である。
【図10】ループベルト状の受けシートが移動する従来の抜き型を示す説明図である。
【図11】立体の打ち抜き対象を打ち抜くための従来の三次元抜き型ユニットを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の第1実施形態を以下に説明する。
第1実施形態の立体打抜き対象の抜き加工用の三次元抜き型ユニットは、図1に示すように、抜き型1と受け部材18とからなり、抜き型1は上定盤61に配置され、受け部材18は下定盤62に配置して使用される。抜き型1は、三次元状の帯状刃11と、基材12と、超音波振動体13とを備えている。
【0022】
図2は、三次元抜き型1の詳細説明図である。帯状刃11は、刃先Tが三次元のループ状輪郭(すなわち、刃先Tの輪郭が平面上に描けない輪郭)をなし、矩形状の切り欠きRおよびベンド用切り欠きBが刃先Tの反対側(下縁)に複数形成されている。ベンド用切り欠きB間は短直線のままにすること、すなわち刃先Tの反対側の端縁の加工はしないようにすることもできるし、刃先Tの反対側の線輪郭を曲線状に加工することもできる。
【0023】
基材12は、上部基材121と下部基材122と三次元金属帯123とからなる。上部基材121および下部基材122は、木質ボード(合板,パーティクルボード)、圧縮紙、金属等により構成できる。なお、上部基材,下部基材等の上下の表現は便宜的なもので、刃を上向きにした場合の表現であり、定盤に設置したときの上下の向きとは異なる。
【0024】
上部基材121は、厚みが均一、すなわち表面と裏面とが同じ三次元形状に形成されている。また、上部基材121は、切り欠きRに対応する領域を残して形成したループ状のスリットSを有する。スリットSのループ輪郭と帯状刃11のループの平面視輪郭は同じであり、このスリットSに、刃先Tが上部基材121の表面から突出するように帯状刃11が挿着される。
【0025】
三次元金属帯123は、本実施形態ではステンレスからなり、三次元形状が帯状刃11の下縁の三次元輪郭に沿うように形成してある。下部基材122は、上面の三次元形状が上部基材121の下面の三次元形状と同じに形成してあり、下面は平面状に形成されている。下部基材122の、帯状刃11の下縁に対応する部位には帯状刃11の輪郭の浅溝Gが形成されている。
【0026】
スリットSには、プレート状の超音波振動体13を挿着するための幅広領域Pが、帯状刃11の長さ方向に間隔をおいて複数形成されている。この幅広領域Pは帯状刃11の両面に互い違いに形成されている。この幅広領域Pは帯状刃11を挿着したときは帯状刃11を一壁面とするポケット状に形成される。幅広領域Pに、超音波振動体13が挿着される。
【0027】
超音波振動体13は、圧電材料の両面に+電極および−電極(グランド電極)を持つもので−電極が帯状刃11に圧接する。この圧接は、−電極と帯状刃11との電気的接合が保障された状態で行う。超音波振動体13の配線は、三次元抜き型1の外部に引き出されている。帯状刃11のループ輪郭の内側に配置された超音波振動体13の配線は、アーチ状の切り欠きRを通して三次元抜き型1の外部に引き出されるか、三次元金属帯123に形成した配線孔を通して三次元抜き型1の外部に引き出される。
【0028】
超音波振動体13の振動の向きは、たとえば帯状刃11の側面に平行であってもよいし、垂直であってもよい。三次元抜き型1は、高精度の打ち抜きを前提とするものであり、刃先Tが帯状刃11の側面に平行な方向(垂直方向または水平方向)に振動することが好ましい。ただし、刃先Tが、帯状刃11の側面に垂直な方向に振動することを妨げるものではない。超音波振動体13の+,−電極に印加する周波数は、たとえば数kHzから数十MHzの範囲から選ばれる。
【0029】
超音波振動体13同士は、相互に振動が干渉することがある。この場合、超音波振動体13は、相互に振動が相殺されないような適宜の配置(幅広領域Pの位置)を選ぶことができるし、超音波振動体13が発生する振動には、相互に振動が相殺されないような位相差を持たすこともできる。通常、超音波振動体13の最適な周波数値、位相等は、トライアンドエラー(周波数設定および打ち抜き試験の繰り返し)により決定する。
【0030】
図1に示した受け部材18には、立体打抜き対象100の打ち抜き後の三次元形状に対応する凹部が形成されている。凹部の周囲の、帯状刃11の刃先Tが当接する部位には合成樹脂製の面状刃先保護材181が設けられている。
【0031】
また、図3に示すように、三次元金属帯123の幅を大きく形成し、三次元金属帯123に接するように複数の超音波振動体13を設けることができる。この場合には上部基材121には超音波振動体13の厚み分の溝が設けられる。また、超音波振動体13の配線は図示しないが下部基材122に形成される。
【0032】
なお、図3において、プレート状の超音波振動体13に代えてブロック状の超音波振動体(ランジュバンタイプの超音波振動体)を使用することもできる。図4にでは、ランジュバンタイプの超音波振動体13は三次元金属帯123の下部に、当該三次元金属帯123に接触するように設けられている。
【0033】
図5は本発明の第2実施形態の説明図である。図5の三次元抜き型2は、基材22は、上部基材221と下部基材222と三次元金属帯223とからなり、上部基材221の下面には合成樹脂充填用のキャビティKが形成されている。
【0034】
上部基材221と下部基材222と三次元金属帯223とを組み合わせ、上部基材221のスリットSに帯状刃11を挿入し、この後、キャビティKに非流動性原材(本実施形態では、レジン等の固化後に硬質となる樹脂)を注入する。
【0035】
これにより帯状刃21が強固に基材22に固定される(すなわち、帯状刃21のブレが解消される)。なお、非流動性原材を注入する際に、幅広領域Pに超音波振動体23をセットしておいてもよい。また、非流動性原材を注入する際に、幅広領域Pにダミー板をセットしておき、非流動性原材が固化した後にダミー板を除去し、当該ダミー板に代えて超音波振動体23をセットすることもできる。
【0036】
本実施形態で使用される受け部材は、図示しないが第1実施形態で使用された受け部材18と同様の形状・構造をなしている。
【0037】
本実施形態でも、三次元金属帯223の幅を大きく形成し、三次元金属帯223に接するように複数の超音波振動体23を設けることができる(図3参照)。また、本実施形態でも、プレート状の超音波振動体23に代えて、ブロック状の超音波振動体を使用することもできる(図4参照)。
【0038】
次に、本発明の第3実施形態を説明する。第3実施形態の立体打抜き対象の抜き加工用の三次元抜き型ユニットは、図6に示すように、抜き型3と受け部材38とからなり、抜き型3は上定盤に配置され、受け部材38は下定盤に配置して使用される。図中の上下向きと、実際に設置されるときの上下向きとは異なる。
【0039】
抜き型3は、上部金属基材31と、下部金属基材32と、超音波振動体33とを備えている。上部金属基材31は、曲面プレートからなり、削り出しにより形成されるもので刃先が基板の表面から突出しており、刃先Tが三次元のループ状輪郭(すなわち、刃先Tの輪郭が平面上に描けない輪郭)をなしている。
【0040】
下部金属基材32は金属フレームから構成されており、金属フレームの上面は上部金属基材31が載設されるように形成されており、上部金属基材31は、下部金属基材32に図示しないボルト等により取り付けられている。図6では、超音波振動体33はプレート状であり、+,−電極に印加する周波数は、たとえば数kHzから1MHzの範囲から選ばれる。
【0041】
また、図6では、超音波振動体33は上部金属基材31の表面の4カ所に貼り付けられている。超音波振動体33同士は、相互に振動が干渉することがある。この場合、超音波振動体33は、相互に振動が相殺されないような適宜の配置(幅広領域Pの位置)を選ぶことができるし、超音波振動体33が発生する振動には、相互に振動が相殺されないような位相差を持たすこともできる。通常、超音波振動体33の最適な周波数値、位相等は、トライアンドエラー(周波数設定および打ち抜き試験の繰り返し)により決定する。
【0042】
超音波振動体33は、図7では上部金属基材31の表面取り付けられているが、上部金属基材31の裏面に取り付けることもできる。また、超音波振動体33は図7に示すように上部金属基材31と下部金属基材32との境界面に設けることもできる。これらの場合、超音波振動体33は、−電極と超音波振動体33との電気的接合が保障された状態で行われる。
【0043】
さらに、図8に示すようにプレート状の超音波振動体33に代えて、ランジュバンタイプの超音波振動体33を使用することもできる。図8では、超音波振動体33は下部金属基材32に埋め込まれている。
【0044】
図6から図8の例では、金属基材を上部金属基材と、下部金属基材とに分割したものを使用したが、図9に示すように、単一の金属基材30を使用することもできる。図9の例では、超音波振動体33は表面に貼着してあるが、シート状またはランジュバンタイプの超音波振動体を金属基材30の内部に埋め込むこともできる。
【符号の説明】
【0045】
1,2,3 三次元抜き型
11,21 帯状刃
12,22 基材
13,23,33 超音波振動体
18,38 受け部材
30 金属基材
31 上部金属基材
32 下部金属基材
61 上定盤
62 下定盤
121,212 上部基材
122,222 下部基材
123,223 三次元金属帯
B ベンド用切り欠き
K キャビティ
P 幅広領域
R 矩形状の切り欠き
S スリット
T 刃先
【技術分野】
【0001】
本発明は、微細振動を与えつつ立体打ち抜き対象の打ち抜き加工を行う三次元抜き型ユニットに関し、受け部材(刃を受けるための型)の刃先当接部分の消耗を低減できる三次元抜き型ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フィルム等の薄状体の打ち抜きに際しては、長尺の刃先の損傷を防ぐために、図10に示すような面状刃先保護材の移動システムが使用される。
【0003】
図10のシステムでは、上定盤91に抜き型8が取り付けられ、下定盤92上をループベルト状の面状刃先保護材(受けシート)94が移動する。打ち抜き対象(薄状体)93は、抜き型8により打ち抜かれる。このとき、抜き型8の刃先81は、受けシート94に保護される(下定盤92には直接当たらない)ので、刃先81が損傷することはない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特願2008−197058
【特許文献2】特願2008−210123
【特許文献3】特開平8−132396号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、本発明者らは立体の打ち抜き対象を打ち抜くための三次元抜き型ユニットを既に出願している(特許文献1,特許文献2)。この抜き型でも、長尺の刃が用いられる。図11(A),(B)に示すように、抜き型ユニット7は、上定盤91に設けた抜き型71と、下定盤92に設けた受け部材72とを備えており、抜き型71に形成した三次元輪郭の刃先711により立体形状の打ち抜き対象93を打ち抜いている。
【0006】
この打ち抜き装置には、図10に示したようなループベルト状の受けシートによる移動システムを組み込むことができないので、受け部材72に設けた面状刃先保護材721を頻繁に交換する必要がある。
【0007】
また、図11に示した打ち抜き装置では、刃先711が長尺であるため、その三次元輪郭と、受け部材72の刃先711に対応する領域の曲面の輪郭とを高精度で一致させることが容易ではない。このため、面状刃先保護材721の厚みを大きくとならければならないという問題もある。
【0008】
なお、特許文献3には、刃先等に振動を与えつつ打ち抜きを行う技術が開示されている。この技術は、刃が三次元形状ではない筒状をなすもので、刃が長尺の抜き型において生じる上記の問題の解決には役立たない。
【0009】
本発明の目的は、微細振動を与えつつ立体打ち抜き対象の打ち抜き加工を行う際に、受け部材(刃を受けるための合成樹脂等の部材)の消耗を低減できる三次元抜き型ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の三次元抜き型ユニットは、(1)から(9)を要旨とする。
(1)
刃先が基材の表面から三次元状に突出してなる帯状刃を備え、上定盤と下定盤の何れかに配置して使用される立体打抜き対象の抜き加工用の三次元抜き型と、
前記三次元抜き型が配置された定盤に対向する定盤に配置される、前記帯状刃の三次元形状に対応した表面形状を持つ受け部材と、
を備えた三次元抜き型ユニットであって、
前記三次元抜き型には、前記帯状刃に微細振動を与える超音波振動体が前記帯状刃に沿って複数備えられている、
ことを特徴とする三次元抜き型ユニット。
【0011】
(2)
前記超音波振動体は、前記帯状刃の一方の側面または双方の側面に長さ方向に間隔をおいて複数取り付けられていることを特徴とする(1)に記載の三次元抜き型ユニット。
【0012】
(3)
前記帯状刃は、刃先と反対側に、幅狭の屈曲用切り欠きを複数有するとともに、幅広の挿嵌用切り欠きを複数有し、
前記基材は、前記切り欠きに対応する部分を残して、表面側から裏面側に貫通するスリットを有する上部基材と、前記帯状刃に対応する部位に、当該帯状刃の下端に接して前記帯状刃を支持する金属支持材が設けられた下部基材とを備えた、
ことを特徴とする(1)または(2)に記載の三次元抜き型ユニット。
【0013】
(4)
前記上部基材の下面側、前記下部基材の上面側、または前記上部基材の下面側および前記下部基材の上面側にキャビティを有し、前記キャビティに固化した流動性原材が注入されていることを特徴とする(3)に記載の三次元抜き型ユニット。
【0014】
(5)
前記受け部材の前記帯状刃の刃先の三次元輪郭に対応する領域には、打ち抜きに際して前記刃先に当接する面状刃先保護材が設けられていることを特徴とする(1)から(4)の何れかに記載の三次元抜き型ユニット。
【0015】
(6)
刃先が金属基材の表面から三次元状に突出してなる削り出し刃を備え、上定盤と下定盤の何れかに配置して使用される立体打抜き対象の抜き加工用の三次元抜き型と、
前記三次元抜き型が配置された定盤に対向する定盤に配置される、前記削り出し刃の三次元形状に対応した表面形状を持つ受け部材と、
を備えた三次元抜き型ユニットであって、
前記削り出し刃に微細振動を与える超音波振動体を前記金属基材に複数備えたことを特徴とする三次元抜き型ユニット。
【0016】
(7)
前記超音波振動体は、前記金属基材の表面または裏面、あるいは前記金属基材に取り付けられていることを特徴とする(6)に記載の三次元抜き型ユニット。
【0017】
(8)
前記金属基材は、表面に前記削り出し刃が形成された三次元状のプレートからなる前記上部金属基材と、前記上部金属基材を載置する下部金属基材とを備えた、
ことを特徴とする(6)または(7)に記載の三次元抜き型ユニット。
【0018】
(9)
前記受け部材の前記切り出し刃の刃先の三次元輪郭に対応する領域には、打ち抜きに際して前記刃先に当接する面状刃先保護材が設けられていることを特徴とする(6)から(8)の何れかに記載の三次元抜き型ユニット。
【発明の効果】
【0019】
本発明では、受け部材に設ける面状刃先保護材の消耗を回避でき、面状刃先保護材の頻繁な交換の必要がない。また、刃先と受け部材の加工精度が低いために本来厚くしなければならない受け部材に設ける面状刃先保護材を、薄くすることできるし、面状刃先保護材を設けないことも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の三次元抜き型ユニットの第1実施形態を示す説明図である。
【図2】図1において使用される三次元抜き型の詳細を示す分解斜視図である。
【図3】図2の三次元抜き型の設計変更例を示す分解斜視図である。
【図4】図2の三次元抜き型の他の設計変更例を示す分解斜視図である。
【図5】本発明の三次元抜き型ユニットの第2実施形態を示す説明図であり、(A)は三次元抜き型の分解斜視図、(B)は(A)における矢印F−F方向の三次元抜き型の断面図である。
【図6】本発明の三次元抜き型ユニットの第3実施形態を示す分解斜視図である。
【図7】本発明の第3実施形態の設計変更例を示す三次元抜き型ユニットの分解斜視図である。
【図8】本発明の第3実施形態の他の設計変更例を示す三次元抜き型ユニットの分解斜視図である。
【図9】本発明の第3実施形態のさらに他の設計変更例を示す三次元抜き型ユニットの分解斜視図である。
【図10】ループベルト状の受けシートが移動する従来の抜き型を示す説明図である。
【図11】立体の打ち抜き対象を打ち抜くための従来の三次元抜き型ユニットを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の第1実施形態を以下に説明する。
第1実施形態の立体打抜き対象の抜き加工用の三次元抜き型ユニットは、図1に示すように、抜き型1と受け部材18とからなり、抜き型1は上定盤61に配置され、受け部材18は下定盤62に配置して使用される。抜き型1は、三次元状の帯状刃11と、基材12と、超音波振動体13とを備えている。
【0022】
図2は、三次元抜き型1の詳細説明図である。帯状刃11は、刃先Tが三次元のループ状輪郭(すなわち、刃先Tの輪郭が平面上に描けない輪郭)をなし、矩形状の切り欠きRおよびベンド用切り欠きBが刃先Tの反対側(下縁)に複数形成されている。ベンド用切り欠きB間は短直線のままにすること、すなわち刃先Tの反対側の端縁の加工はしないようにすることもできるし、刃先Tの反対側の線輪郭を曲線状に加工することもできる。
【0023】
基材12は、上部基材121と下部基材122と三次元金属帯123とからなる。上部基材121および下部基材122は、木質ボード(合板,パーティクルボード)、圧縮紙、金属等により構成できる。なお、上部基材,下部基材等の上下の表現は便宜的なもので、刃を上向きにした場合の表現であり、定盤に設置したときの上下の向きとは異なる。
【0024】
上部基材121は、厚みが均一、すなわち表面と裏面とが同じ三次元形状に形成されている。また、上部基材121は、切り欠きRに対応する領域を残して形成したループ状のスリットSを有する。スリットSのループ輪郭と帯状刃11のループの平面視輪郭は同じであり、このスリットSに、刃先Tが上部基材121の表面から突出するように帯状刃11が挿着される。
【0025】
三次元金属帯123は、本実施形態ではステンレスからなり、三次元形状が帯状刃11の下縁の三次元輪郭に沿うように形成してある。下部基材122は、上面の三次元形状が上部基材121の下面の三次元形状と同じに形成してあり、下面は平面状に形成されている。下部基材122の、帯状刃11の下縁に対応する部位には帯状刃11の輪郭の浅溝Gが形成されている。
【0026】
スリットSには、プレート状の超音波振動体13を挿着するための幅広領域Pが、帯状刃11の長さ方向に間隔をおいて複数形成されている。この幅広領域Pは帯状刃11の両面に互い違いに形成されている。この幅広領域Pは帯状刃11を挿着したときは帯状刃11を一壁面とするポケット状に形成される。幅広領域Pに、超音波振動体13が挿着される。
【0027】
超音波振動体13は、圧電材料の両面に+電極および−電極(グランド電極)を持つもので−電極が帯状刃11に圧接する。この圧接は、−電極と帯状刃11との電気的接合が保障された状態で行う。超音波振動体13の配線は、三次元抜き型1の外部に引き出されている。帯状刃11のループ輪郭の内側に配置された超音波振動体13の配線は、アーチ状の切り欠きRを通して三次元抜き型1の外部に引き出されるか、三次元金属帯123に形成した配線孔を通して三次元抜き型1の外部に引き出される。
【0028】
超音波振動体13の振動の向きは、たとえば帯状刃11の側面に平行であってもよいし、垂直であってもよい。三次元抜き型1は、高精度の打ち抜きを前提とするものであり、刃先Tが帯状刃11の側面に平行な方向(垂直方向または水平方向)に振動することが好ましい。ただし、刃先Tが、帯状刃11の側面に垂直な方向に振動することを妨げるものではない。超音波振動体13の+,−電極に印加する周波数は、たとえば数kHzから数十MHzの範囲から選ばれる。
【0029】
超音波振動体13同士は、相互に振動が干渉することがある。この場合、超音波振動体13は、相互に振動が相殺されないような適宜の配置(幅広領域Pの位置)を選ぶことができるし、超音波振動体13が発生する振動には、相互に振動が相殺されないような位相差を持たすこともできる。通常、超音波振動体13の最適な周波数値、位相等は、トライアンドエラー(周波数設定および打ち抜き試験の繰り返し)により決定する。
【0030】
図1に示した受け部材18には、立体打抜き対象100の打ち抜き後の三次元形状に対応する凹部が形成されている。凹部の周囲の、帯状刃11の刃先Tが当接する部位には合成樹脂製の面状刃先保護材181が設けられている。
【0031】
また、図3に示すように、三次元金属帯123の幅を大きく形成し、三次元金属帯123に接するように複数の超音波振動体13を設けることができる。この場合には上部基材121には超音波振動体13の厚み分の溝が設けられる。また、超音波振動体13の配線は図示しないが下部基材122に形成される。
【0032】
なお、図3において、プレート状の超音波振動体13に代えてブロック状の超音波振動体(ランジュバンタイプの超音波振動体)を使用することもできる。図4にでは、ランジュバンタイプの超音波振動体13は三次元金属帯123の下部に、当該三次元金属帯123に接触するように設けられている。
【0033】
図5は本発明の第2実施形態の説明図である。図5の三次元抜き型2は、基材22は、上部基材221と下部基材222と三次元金属帯223とからなり、上部基材221の下面には合成樹脂充填用のキャビティKが形成されている。
【0034】
上部基材221と下部基材222と三次元金属帯223とを組み合わせ、上部基材221のスリットSに帯状刃11を挿入し、この後、キャビティKに非流動性原材(本実施形態では、レジン等の固化後に硬質となる樹脂)を注入する。
【0035】
これにより帯状刃21が強固に基材22に固定される(すなわち、帯状刃21のブレが解消される)。なお、非流動性原材を注入する際に、幅広領域Pに超音波振動体23をセットしておいてもよい。また、非流動性原材を注入する際に、幅広領域Pにダミー板をセットしておき、非流動性原材が固化した後にダミー板を除去し、当該ダミー板に代えて超音波振動体23をセットすることもできる。
【0036】
本実施形態で使用される受け部材は、図示しないが第1実施形態で使用された受け部材18と同様の形状・構造をなしている。
【0037】
本実施形態でも、三次元金属帯223の幅を大きく形成し、三次元金属帯223に接するように複数の超音波振動体23を設けることができる(図3参照)。また、本実施形態でも、プレート状の超音波振動体23に代えて、ブロック状の超音波振動体を使用することもできる(図4参照)。
【0038】
次に、本発明の第3実施形態を説明する。第3実施形態の立体打抜き対象の抜き加工用の三次元抜き型ユニットは、図6に示すように、抜き型3と受け部材38とからなり、抜き型3は上定盤に配置され、受け部材38は下定盤に配置して使用される。図中の上下向きと、実際に設置されるときの上下向きとは異なる。
【0039】
抜き型3は、上部金属基材31と、下部金属基材32と、超音波振動体33とを備えている。上部金属基材31は、曲面プレートからなり、削り出しにより形成されるもので刃先が基板の表面から突出しており、刃先Tが三次元のループ状輪郭(すなわち、刃先Tの輪郭が平面上に描けない輪郭)をなしている。
【0040】
下部金属基材32は金属フレームから構成されており、金属フレームの上面は上部金属基材31が載設されるように形成されており、上部金属基材31は、下部金属基材32に図示しないボルト等により取り付けられている。図6では、超音波振動体33はプレート状であり、+,−電極に印加する周波数は、たとえば数kHzから1MHzの範囲から選ばれる。
【0041】
また、図6では、超音波振動体33は上部金属基材31の表面の4カ所に貼り付けられている。超音波振動体33同士は、相互に振動が干渉することがある。この場合、超音波振動体33は、相互に振動が相殺されないような適宜の配置(幅広領域Pの位置)を選ぶことができるし、超音波振動体33が発生する振動には、相互に振動が相殺されないような位相差を持たすこともできる。通常、超音波振動体33の最適な周波数値、位相等は、トライアンドエラー(周波数設定および打ち抜き試験の繰り返し)により決定する。
【0042】
超音波振動体33は、図7では上部金属基材31の表面取り付けられているが、上部金属基材31の裏面に取り付けることもできる。また、超音波振動体33は図7に示すように上部金属基材31と下部金属基材32との境界面に設けることもできる。これらの場合、超音波振動体33は、−電極と超音波振動体33との電気的接合が保障された状態で行われる。
【0043】
さらに、図8に示すようにプレート状の超音波振動体33に代えて、ランジュバンタイプの超音波振動体33を使用することもできる。図8では、超音波振動体33は下部金属基材32に埋め込まれている。
【0044】
図6から図8の例では、金属基材を上部金属基材と、下部金属基材とに分割したものを使用したが、図9に示すように、単一の金属基材30を使用することもできる。図9の例では、超音波振動体33は表面に貼着してあるが、シート状またはランジュバンタイプの超音波振動体を金属基材30の内部に埋め込むこともできる。
【符号の説明】
【0045】
1,2,3 三次元抜き型
11,21 帯状刃
12,22 基材
13,23,33 超音波振動体
18,38 受け部材
30 金属基材
31 上部金属基材
32 下部金属基材
61 上定盤
62 下定盤
121,212 上部基材
122,222 下部基材
123,223 三次元金属帯
B ベンド用切り欠き
K キャビティ
P 幅広領域
R 矩形状の切り欠き
S スリット
T 刃先
【特許請求の範囲】
【請求項1】
刃先が基材の表面から三次元状に突出してなる帯状刃を備え、上定盤と下定盤の何れかに配置して使用される立体打抜き対象の抜き加工用の三次元抜き型と、
前記三次元抜き型が配置された定盤に対向する定盤に配置される、前記帯状刃の三次元形状に対応した表面形状を持つ受け部材と、
を備えた三次元抜き型ユニットであって、
前記三次元抜き型には、前記帯状刃に微細振動を与える超音波振動体が前記帯状刃に沿って複数備えられている、
ことを特徴とする三次元抜き型ユニット。
【請求項2】
前記超音波振動体は、前記帯状刃の一方の側面または双方の側面に長さ方向に間隔をおいて複数取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の三次元抜き型ユニット。
【請求項3】
前記帯状刃は、刃先と反対側に、幅狭の屈曲用切り欠きを複数有するとともに、幅広の挿嵌用切り欠きを複数有し、
前記基材は、前記切り欠きに対応する部分を残して、表面側から裏面側に貫通するスリットを有する上部基材と、前記帯状刃に対応する部位に、当該帯状刃の下端に接して前記帯状刃を支持する金属支持材が設けられた下部基材とを備えた、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の三次元抜き型ユニット。
【請求項4】
前記上部基材の下面側、前記下部基材の上面側、または前記上部基材の下面側および前記下部基材の上面側にキャビティを有し、前記キャビティに固化した流動性原材が注入されていることを特徴とする請求項3に記載の三次元抜き型ユニット。
【請求項5】
前記受け部材の前記帯状刃の刃先の三次元輪郭に対応する領域には、打ち抜きに際して前記刃先に当接する面状刃先保護材が設けられていることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の三次元抜き型ユニット。
【請求項6】
刃先が金属基材の表面から三次元状に突出してなる削り出し刃を備え、上定盤と下定盤の何れかに配置して使用される立体打抜き対象の抜き加工用の三次元抜き型と、
前記三次元抜き型が配置された定盤に対向する定盤に配置される、前記削り出し刃の三次元形状に対応した表面形状を持つ受け部材と、
を備えた三次元抜き型ユニットであって、
前記削り出し刃に微細振動を与える超音波振動体を前記金属基材に複数備えたことを特徴とする三次元抜き型ユニット。
【請求項7】
前記超音波振動体は、前記金属基材の表面または裏面、あるいは前記金属基材に取り付けられていることを特徴とする請求項6に記載の三次元抜き型ユニット。
【請求項8】
前記金属基材は、表面に前記削り出し刃が形成された三次元状のプレートからなる前記上部金属基材と、前記上部金属基材を載置する下部金属基材とを備えた、
ことを特徴とする請求項6または7に記載の三次元抜き型ユニット。
【請求項9】
前記受け部材の前記切り出し刃の刃先の三次元輪郭に対応する領域には、打ち抜きに際して前記刃先に当接する面状刃先保護材が設けられていることを特徴とする請求項6から8の何れかに記載の三次元抜き型ユニット。
【請求項1】
刃先が基材の表面から三次元状に突出してなる帯状刃を備え、上定盤と下定盤の何れかに配置して使用される立体打抜き対象の抜き加工用の三次元抜き型と、
前記三次元抜き型が配置された定盤に対向する定盤に配置される、前記帯状刃の三次元形状に対応した表面形状を持つ受け部材と、
を備えた三次元抜き型ユニットであって、
前記三次元抜き型には、前記帯状刃に微細振動を与える超音波振動体が前記帯状刃に沿って複数備えられている、
ことを特徴とする三次元抜き型ユニット。
【請求項2】
前記超音波振動体は、前記帯状刃の一方の側面または双方の側面に長さ方向に間隔をおいて複数取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の三次元抜き型ユニット。
【請求項3】
前記帯状刃は、刃先と反対側に、幅狭の屈曲用切り欠きを複数有するとともに、幅広の挿嵌用切り欠きを複数有し、
前記基材は、前記切り欠きに対応する部分を残して、表面側から裏面側に貫通するスリットを有する上部基材と、前記帯状刃に対応する部位に、当該帯状刃の下端に接して前記帯状刃を支持する金属支持材が設けられた下部基材とを備えた、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の三次元抜き型ユニット。
【請求項4】
前記上部基材の下面側、前記下部基材の上面側、または前記上部基材の下面側および前記下部基材の上面側にキャビティを有し、前記キャビティに固化した流動性原材が注入されていることを特徴とする請求項3に記載の三次元抜き型ユニット。
【請求項5】
前記受け部材の前記帯状刃の刃先の三次元輪郭に対応する領域には、打ち抜きに際して前記刃先に当接する面状刃先保護材が設けられていることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の三次元抜き型ユニット。
【請求項6】
刃先が金属基材の表面から三次元状に突出してなる削り出し刃を備え、上定盤と下定盤の何れかに配置して使用される立体打抜き対象の抜き加工用の三次元抜き型と、
前記三次元抜き型が配置された定盤に対向する定盤に配置される、前記削り出し刃の三次元形状に対応した表面形状を持つ受け部材と、
を備えた三次元抜き型ユニットであって、
前記削り出し刃に微細振動を与える超音波振動体を前記金属基材に複数備えたことを特徴とする三次元抜き型ユニット。
【請求項7】
前記超音波振動体は、前記金属基材の表面または裏面、あるいは前記金属基材に取り付けられていることを特徴とする請求項6に記載の三次元抜き型ユニット。
【請求項8】
前記金属基材は、表面に前記削り出し刃が形成された三次元状のプレートからなる前記上部金属基材と、前記上部金属基材を載置する下部金属基材とを備えた、
ことを特徴とする請求項6または7に記載の三次元抜き型ユニット。
【請求項9】
前記受け部材の前記切り出し刃の刃先の三次元輪郭に対応する領域には、打ち抜きに際して前記刃先に当接する面状刃先保護材が設けられていることを特徴とする請求項6から8の何れかに記載の三次元抜き型ユニット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−260127(P2010−260127A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−112383(P2009−112383)
【出願日】平成21年5月3日(2009.5.3)
【出願人】(598056733)株式会社▲高▼橋型精 (31)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月3日(2009.5.3)
【出願人】(598056733)株式会社▲高▼橋型精 (31)
【Fターム(参考)】
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